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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-09
(45)【発行日】2023-08-18
(54)【発明の名称】脱酸素剤用鉄粉
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/14 20060101AFI20230810BHJP
   B22F 1/00 20220101ALI20230810BHJP
   B01J 20/02 20060101ALI20230810BHJP
   B01J 20/28 20060101ALI20230810BHJP
   A23L 3/3436 20060101ALI20230810BHJP
   B65D 81/26 20060101ALI20230810BHJP
【FI】
B01D53/14 311
B22F1/00 U
B01J20/02 A
B01J20/28 Z
A23L3/3436 501
B65D81/26 R
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021107179
(22)【出願日】2021-06-29
(65)【公開番号】P2023005342
(43)【公開日】2023-01-18
【審査請求日】2022-03-07
(73)【特許権者】
【識別番号】506334182
【氏名又は名称】DOWAエレクトロニクス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000224802
【氏名又は名称】DOWA IPクリエイション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111811
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】加藤 優典
(72)【発明者】
【氏名】栗田 哲
【審査官】山田 陸翠
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-229669(JP,A)
【文献】特開平07-246332(JP,A)
【文献】特開平05-177130(JP,A)
【文献】特開2002-241821(JP,A)
【文献】特開平04-090848(JP,A)
【文献】特開平11-226388(JP,A)
【文献】特開平04-244229(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/14-53/18
A23L 3/00- 3/54
B01D 53/02-53/12
B01J 20/02-20/20
B22F 1/00- 1/18
B22F 9/00- 9/30
B65D 81/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱酸素剤に用いられる鉄粉であって、
見掛密度が2.21g/cm以上2.80g/cm以下であり、
BET比表面積が2.0m/g以上4.0m/g以下であり、
金属鉄含有量が83質量%以上93質量%以下の範囲であり、
流動度が28sec/50g以上50sec/50g以下の範囲であり、
平均粒径が30μm以上300μm以下の範囲であ
ことを特徴とする脱酸素剤用鉄粉。
【請求項2】
請求項1記載の脱酸素剤用鉄粉と、
ハロゲン化金属と、
を含むことを特徴とする脱酸素剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は脱酸素剤用鉄粉に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鉄の酸化反応を利用する用途に脱酸素剤が知られている。密封された包装あるいは容器内で鉄が酸素と反応し、遊離酸素および溶存酸素が取り除かれることにより、酸化や好気性微生物の生育等が抑制され、品質劣化が防がれる。脱酸素剤は、食品や薬剤の品質劣化、衣類や文化財の酸化防止等の幅広い分野で用いられている。脱酸素剤の使用形態としては、通気性のある小袋に鉄粉が充填されてパッケージ化されたものや、樹脂と脱酸素剤が混錬されてシート状とされたものなどがある。
【0003】
特許文献1には、酸化速度の高い脱酸素剤用還元鉄粉として、比表面積が1.0m/g以上、見掛密度が1.0g/cm以下、かつ平均粒径が9.0μm以下である還元鉄粉が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-292276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年食品の小容量・個包装化が進んでおり、それに伴い脱酸素剤のパッケージにおいても小型化が求められている。
【0006】
しかしながら、パッケージの小型化に合わせてパッケージに充填する鉄粉量を単に減少させると鉄粉による酸素吸収量は減少する。前記提案の鉄粉では、高い酸素吸収能力は得られてはいるものの見掛密度を低くしておりパッケージの小型化には適していないと考えられる。
【0007】
本発明はこのような従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、酸素吸収能力を低下させることなく脱酸素剤のパッケージの小型化が可能な脱酸素剤用鉄粉を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成する本発明に係る鉄粉は、脱酸素剤に用いられる鉄粉であって、見掛密度が2.21g/cm以上2.80g/cm以下であり、BET比表面積が2.0m/g以上4.0m/g以下であることを特徴とする。
【0009】
前記構成の脱酸素剤用鉄粉において、金属鉄含有量は83質量%以上93質量%以下の範囲であるのが好ましい。
【0010】
また前記構成の脱酸素剤用鉄粉において、流動度は28sec/50g以上50sec/50g以下の範囲であるのが好ましい。
【0011】
前記構成の脱酸素剤用鉄粉において、平均粒径は30μm以上300μm以下の範囲であるのが好ましい。
【0012】
なお、本明細書における「見掛密度」、「BET比表面積」、「金属鉄含有量」、「流動度」及び「平均粒径」の測定方法は後述の実施例に示す測定方法によるものとする。また、本明細書において示す「~」は、特に断りのない限り、その前後に記載の数値を下限値及び上限値として含むものとする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る脱酸素剤用鉄粉によれば、酸素吸収能力を低下させることなく脱酸素剤のパッケージの小型化が可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係る脱酸素剤用鉄粉(以下、単に「鉄粉」と記すことがある。)の大きな特徴の一つは、見掛密度が2.21g/cm以上2.80g/cm以下であることである。鉄粉の見掛密度が2.21g/cm未満であると、パッケージ等への充填時に嵩高くなり、単位体積当たりの酸素吸収量が少なくなる。一方、鉄粉の見掛密度が2.80g/cmを超えると鉄粉の充填密度が高くなりすぎるために、反応すべき酸素の拡散性が悪化し、酸素吸収量が著しく少なくなるおそれがある。鉄粉のより好ましい見掛密度の範囲は2.21g/cm以上2.60g/cm以下である、
【0015】
また本発明に係る鉄粉のもう一つの特徴は、BET比表面積が2.0m/g以上4.0m/g以下であることである。鉄粉のBET比表面積が2.0m/g未満であると、鉄粉の反応性が著しく低下し、所望の酸素吸収量が得られないおそれがある。一方、鉄粉のBET比表面積が4.0m/gを超えると、鉄粉表面の凹凸が増えることにより摩擦が大きくなるため、鉄粉の流動性が低下するおそれがあり好ましくない。鉄粉のより好ましいBET比表面積の範囲は2.1m/g以上3.7m/g以下の範囲である。
【0016】
また、別の態様として、鉄粉の{BET比表面積(m/g)/見掛密度(g/cm)}の値が0.7以上1.9以下の範囲であると、単位体積当たりの酸素吸収量が多くなるので好ましい。この理由は今のところ明確ではないが、BET比表面積と相関する粉体間の接触面積と、見掛密度と相関する嵩高さとの比によって酸化凝集に伴う体積変化が適宜となり、それに応じて通気する酸素の鉄粉への拡散性が適宜となるからではないかと推測される。鉄粉の{BET比表面積(m/g)/見掛密度(g/cm)}の値のより好ましい範囲は0.8以上1.6以下の範囲である。
【0017】
本発明に係る鉄粉の金属鉄含有量は83質量%以上93質量%以下の範囲が好ましい。鉄粉の金属鉄含有量が83質量%未満であると、本発明で規定する鉄粉の見掛密度の範囲に達しないおそれや本発明で規定する鉄粉のBET比表面積の範囲を超えるおそれがある。また所望の酸素吸収量が得られないおそれもある。一方、鉄粉の金属鉄含有量が93質量%を超えると、本発明で規定する鉄粉の見掛密度の範囲を超えるおそれや本発明で規定する鉄粉のBET比表面積の範囲に達しないおそれがある。金属鉄含有量のより好ましい範囲は85質量%以上92質量%以下である。
【0018】
本発明に係る鉄粉の流動度は28sec/50g以上50sec/50g以下の範囲が好ましい。鉄粉の流動度が上記範囲であることで単位体積当たり高い酸素吸収量が達成される。鉄粉の流動度のより好ましい範囲は32sec/50g以上40sec/50g以下である。
【0019】
本発明に係る鉄粉の平均粒径は30μm以上300μm以下の範囲が好ましい。より好ましい鉄粉の平均粒径は50μm以上200μm以下の範囲である。鉄粉の平均粒径が上記範囲であることで単位体積当たり高い酸素吸収量が達成される。
【0020】
(鉄粉の製造方法)
本発明に係る鉄粉の製造方法に特に限定はないが以下に説明する製造方法が好ましい。
【0021】
本発明に係る鉄粉は、鉄鉱石をはじめとする鉄原料と還元剤とをロータリーキルン中で740℃~1000℃、好ましくは760℃~980℃の環境下で転動させながら還元することで得るのが好ましい。還元温度を高くすれば還元反応は促進されるが鉄粒子の焼結も進行し、本発明で規定するBET比表面積が得られないおそれがある。また、還元温度が低すぎると、所望の金属鉄含有量を得るために著しく長い還元時間が必要となり生産性が低下するおそれがある。ロータリーキルン中で転動させながら鉄原料を還元する時間(あるいは炉体内の滞留時間)は、1時間以上、好ましくは2時間以上、より好ましくは3時間以上である。ただし、還元対象の鉄鉱石などの鉄原料が物理的に少ない時にはこの限りではない。
【0022】
鉄原料としては、3価の酸化鉄を主成分とした鉄鉱石が好適に用いられる。3価の酸化鉄は還元反応によって酸素が抜けた部分が海綿状となるため、より高い比表面積の鉄粉が得られやすくなる。鉄鉱石の粒子径は、取り扱いの容易性から、直径が50mm以下、好ましくは30mm以下であるのが好ましい。
【0023】
本発明で使用する還元剤としては、石炭、石炭チャー、コークス、無煙炭、半無煙炭、瀝青炭、亜瀝青炭、褐炭などが挙げられる。これらの中でも石炭、石炭チャー、コークス、瀝青炭、亜瀝青炭、褐炭などが好適に用いられる。
【0024】
還元剤の添加量は、鉄原料に対してモル比で等倍以上であることが好ましい。より好ましくは1.5倍以上、さらに好ましくは2倍量以上である。本発明者らの検討によれば、鉄原料に対する還元剤の添加量がモル比で等倍未満であると、鉄粉への還元反応そのものが進行しにくく、所望の還元された鉄粉を得ることができないおそれがある。一方、還元剤の添加量が多すぎると還元反応が進行せず、また得られた鉄粉と残存炭の分離が行いにくくなる。このため還元剤の添加量の好ましい上限値としては、鉄原料に対するモル比で10倍量、好ましくは7.5倍量である。なお、還元剤が石炭であれば、全量を炭素とみなして換算し、鉄原料は全量を酸化鉄とみなして換算するものとする。
【0025】
次いで、還元処理された鉄粉(還元鉄)は冷却処理される。その後、反応せずに残存した還元剤と還元鉄とに分離されて、不純物成分を除去した還元鉄が得られる。分離の方法は公知の方法を用いることができるが、磁選による分離が最も効率的である。
【0026】
次に、得られた還元鉄は粉砕されて海綿鉄粉とされる。粉砕処理は公知の装置ならびに方法を用いて行うことができる。粉砕装置としては、例えば振動ミル、ボールミル、ロッドミル、ロールクラッシャーなどが挙げられる。
【0027】
得られた海綿鉄粉は目開き180μm~350μmの篩で篩分けされる。このとき篩を通過しなかった鉄粉は再度粉砕処理が行われ、前記篩を通過するまで繰り返し粉砕処理される。前記篩を通過した全ての鉄粉が混ぜ合わせられて本発明の鉄粉とされる。この処理における篩の目開きによって、作製される鉄粉の見掛密度およびBET比表面積は調整することができる。
【0028】
(脱酸素剤)
前記作製された鉄粉は、酸化促進剤であるハロゲン化金属などと混合されて本発明に係る脱酸素剤とされる。ハロゲン化金属としては、例えば、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化バリウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属のハロゲン化物の1種または2種以上が好ましく使用される。
【0029】
ハロゲン化金属の鉄粉に対する配合量は鉄粉100質量部に対して0.05質量部~50質量部の範囲が好ましく、より好ましくは0.1質量部~20質量部の範囲である。
【0030】
鉄粉とハロゲン化金属とは,鉄粉とハロゲン化金属粉末の両者を単に混合する方法,或いは鉄粉の表面に各種の手段でハロゲン化金属粉末を被覆する方法によって行うことができる。
【0031】
脱酸素剤は、包装袋内に封入されて、あるいは樹脂と混錬されシート状又はフィルム状に成形されて用いられる。
【実施例
【0032】
実施例1
粒径が10mm程度の鉄鉱石と粒径が10mm程度の石炭チャーとを重量比で7:3となるようにスクリューコンベアで搬送しながら混合した。この混合物を、雰囲気調整を行わずに加熱調整した内燃式ロータリーキルン内に、混合物の総給鉱量が400kg/h~450kg/hとなるように投入した。炉内温度が1000℃以下になるように加熱調整したところ、炉内の最低温度は740℃、最高温度は980℃であった。この炉内温度を維持しながら、ロータリーキルンの回転数を0.35rpm程度とし、8時間還元処理を行った。還元処理後の混合物を磁選し、反応されずに残存した石炭チャーと還元鉄とに分離し不純物成分を除去した。得られた還元鉄は振動ミルによって粉砕処理された後、目開き263μmの篩によって263μm超の鉄粉と263μm以下の鉄粉とに分級処理され、263μm超の鉄粉は目開き263μmの篩を通過する粒径になるまで粉砕処理と分級処理とが連続して繰り返しなされた。このようにして実施例1に係る鉄粉が得られた。得られた鉄粉の組成、粉体特性及び酸素吸収特性を後述の方法によって測定した。測定結果を表1に示す。
【0033】
実施例2
鉄鉱石と石炭チャーの比率を重量比で6:4とし、混合物の総給鉱量を700kg/h~750kg/hとした以外は実施例1と同様にして鉄粉を得た。得られた鉄粉の組成、粉体特性及び酸素吸収特性を実施例1と同様にして測定した。測定結果を表1に示す。
【0034】
実施例3
還元炉を内燃式ロータリーキルンから外燃式ロータリーキルンに変更した以外は実施例1と同様にして鉄粉を得た。得られた鉄粉の組成、粉体特性及び酸素吸収特性を実施例1と同様にして測定した。測定結果を表1に示す。
【0035】
実施例4
混合物の総給鉱量を500kg/h~550kg/hとした以外は実施例3と同様にして鉄粉を得た。得られた鉄粉の組成、粉体特性及び酸素吸収特性を実施例1と同様にして測定した。測定結果を表1に示す。
【0036】
比較例1
実施例1において、1回目の振動ミルによる粉砕処理の後に目開き263μmの篩を通過して得られた鉄粉を、比較例1に係る鉄粉とした。得られた鉄粉の組成、粉体特性及び酸素吸収特性を実施例1と同様にして測定した。測定結果を表1に示す。
【0037】
比較例2
比較例1で得られた鉄粉について、さらに目開き109μmの篩を通過して得られた鉄粉を、比較例3に係る鉄粉とした。得られた鉄粉の組成、粉体特性及び酸素吸収特性を実施例1と同様にして測定した。測定結果を表1に示す。
【0038】
比較例3
鉄鉱石をミルスケール、石炭チャーをコークスとし、さらに還元炉を内燃式ロータリーキルンからトンネルキルンに変更し、還元温度を1050℃~1250℃で調整し、還元時間を38時間とした以外は実施例1と同様にして鉄粉を得た。得られた鉄粉の組成、粉体特性及び酸素吸収特性を実施例1と同様にして測定した。測定結果を表1に示す。
【0039】
(組成分析)
(金属鉄(M.Fe))
試料中の金属鉄量(M.Fe)の測定は、JIS M8713-1977「鉄鉱石類の還元試験方法」の解説 参考 6.1金属鉄定量方法に準拠して、試料を臭素―メタノール溶液中で撹拌し、金属鉄を抽出・溶解し、電位差自動滴定装置を用いてキレートで滴定する方法で行った。
【0040】
(酸素(O))
試料中の酸素量(O)は、酸素・窒素分析装置(LECO製 TCH600)を用いて算出した。
【0041】
(炭素(C))
試料中の炭素量(C)は、炭素・硫黄分析装置(LECO製 CS-744)を用いて算出した。
【0042】
(見掛密度)
試料の見掛密度は、JIS Z 2504の金属粉の見掛密度測定方法の手順に従って測定した。
【0043】
(BET比表面積)
試料のBET比表面積は、BET一点法比表面積測定装置(株式会社マウンテック製、型式:Macsorb HM model-1208)を用いて測定した。
【0044】
(平均粒径)
試料の粒度分布をレーザー回折式粒度分布測定装置MT(日機装社製、マイクロトラックModel9320-X100)を用いて測定し、体積基準で累積50%の粒径を平均粒径とした。
【0045】
(流動度)
試料の流動度は、JIS Z 2502の金属粉の流動性試験方法の手順に従って測定した。
【0046】
(酸素吸収量)
試料100質量%に対して0.5質量%の塩を混合した組成物1gを通気性包装材に入れ、水10mLを染み込まさせた脱脂綿と共にガスバリア性袋に封入し、袋内をポンプで一度排気した。次に空気1500mLをガスバリア性袋の中に入れ、20℃で保管し、96時間後に袋の中の酸素濃度を測定し、次式により酸素吸収量を算出した。
酸素吸収量(mL/cm)={(20.9-X)/(100-X)}×1500×見掛密度
X:96時間後の酸素濃度(%)
【0047】
【表1】
【0048】
表1から明らかなように、見掛密度が2.21g/cm~2.47g/cm、BET比表面積が2.14m/g~3.20m/gと本発明の規定範囲内である実施例1~4の鉄粉は、見掛密度が2.00g/cmおよび1.98g/cmと本発明の規定範囲よりも小さい比較例1および比較例2の鉄粉、およびBET比表面積が0.25m/gと本発明の規定範囲よりも小さい比較例3の鉄粉に比べて、単位体積当たりの酸素吸収量が多かった。つまり、実施例1~4の鉄粉は比較例1~3の鉄粉に比べて所望の酸素吸収量を維持しながら使用する鉄粉体積量を減らすことができた。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明に係る鉄粉によれば、酸素吸収能力を低下させることなく脱酸素剤のパッケージの小型化が可能となる。