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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-09
(45)【発行日】2023-08-18
(54)【発明の名称】超音波洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   B08B 3/12 20060101AFI20230810BHJP
【FI】
B08B3/12 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023030599
(22)【出願日】2023-03-01
(62)【分割の表示】P 2022147955の分割
【原出願日】2022-09-16
【審査請求日】2023-03-03
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ・試験日、試験をした場所 1.2021年 10月18日~11月15日、ホテルザセレスティン東京芝 セレスティンダイニング ラ プルーズ東京 2.2021年 10月21日、帝国ホテル 3.2021年 11月11日、丁子屋栄
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000170130
【氏名又は名称】パーパス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】504137912
【氏名又は名称】国立大学法人 東京大学
(73)【特許権者】
【識別番号】000175065
【氏名又は名称】三井不動産株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083725
【弁理士】
【氏名又は名称】畝本 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100140349
【弁理士】
【氏名又は名称】畝本 継立
(74)【代理人】
【識別番号】100153305
【弁理士】
【氏名又は名称】畝本 卓弥
(74)【代理人】
【識別番号】100206933
【弁理士】
【氏名又は名称】沖田 正樹
(72)【発明者】
【氏名】坂口 正明
(72)【発明者】
【氏名】尾田 正二
(72)【発明者】
【氏名】伊東 健一
(72)【発明者】
【氏名】山田 裕之
(72)【発明者】
【氏名】増田 健太
(72)【発明者】
【氏名】西林 加織
(72)【発明者】
【氏名】増田 大樹
(72)【発明者】
【氏名】岩▲崎▼ 航平
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第104056806(CN,A)
【文献】特開平03-151927(JP,A)
【文献】特開平04-156966(JP,A)
【文献】特開2012-001973(JP,A)
【文献】実開平02-038083(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置筐体と、
前記装置筐体に設置されて処理水および被洗浄物が収容される処理槽と、
前記装置筐体に設置されて前記処理槽に前記処理水を供給し、前記処理水に循環流を生じさせる給水機構と、
前記装置筐体に設置されて前記処理槽から前記処理水を排水する排水機構と、
前記処理槽の槽底外部に設置されて超音波を生成し、超音波振動を前記処理槽に付与する超音波振動子と、
前記装置筐体と前記処理槽との間に弾性部材を介在させて防水する防水部と、
前記弾性部材を圧縮状態に保持して前記装置筐体に前記処理槽を固定する固定機構と、
を含み、
前記給水機構が、
洗浄時、開状態にされて処理水供給管に前記処理水を流す給水弁と、
前記処理槽の槽底部に設置されて前記処理水供給管に連結された給水ノズルを含み、この給水ノズルから上方向および周辺方向に前記処理水の噴流を生じさせて前記処理槽の前記槽底部から前記処理水を給水する給水部と、を含み、
前記排水機構が、
上方向および周辺方向から前記処理水を受けてろ過する複数のろ過孔を備えた排水フィルタを前記槽底部に設置し、該排水フィルタを通過した前記処理水を排水する排水部と、
前記排水部に連結されて前記処理水を排水する排水管と、前記排水管に設置され、少なくとも洗浄終了時、開状態にされて前記処理水を前記処理槽から前記排水管に排水させる排水弁と、を含み、
前記固定機構が、
前記処理槽と前記装置筐体との間に設置される支柱部と、
前記処理槽および前記装置筐体間の前記支柱部の長さを加減して前記弾性部材の圧縮状態を調整する固定力調整機構と、
を含む、超音波洗浄装置。
【請求項2】
前記処理槽の槽壁に設置された断熱層を含む、請求項1に記載の超音波洗浄装置。
【請求項3】
前記処理水を通過させる通過孔を備え、前記処理槽の底部に支柱部で支持させて前記処理槽を槽底側と洗浄空間側とに分離するセパレータを含む、請求項1に記載の超音波洗浄装置。
【請求項4】
前記処理水を通過させる通水孔を備え、前記処理槽に固定アームで係止させることにより、前記処理槽内で前記被洗浄物の浮き上がりを阻止する抑えプレートを含む、請求項1に記載の超音波洗浄装置。
【請求項5】
前記固定アームは、少なくとも前記処理槽と接触する部分に振動吸収層を備え、この振動吸収層に前記処理からの振動を吸収させる、請求項4に記載の超音波洗浄装置。
【請求項6】
前記処理槽に溢水レベルを超える前記処理水を前記処理槽から溢水させる溢水部を設け、この溢水部から溢水させた前記処理水を捕捉する溢水捕捉部を含み、この溢水捕捉部で捕捉した前記処理水を前記排水管に排水させる、請求項1に記載の超音波洗浄装置。
【請求項7】
前記処理水をろ過して前記溢水捕捉部に流す溢水フィルタを含む、請求項6に記載の超音波洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、超音波の振動作用によりたとえば、果実、野菜などの被洗浄物を洗浄する超音波洗浄装置およびその清掃方法に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波洗浄では処理槽に充填された処理液中に被洗浄物としてたとえば、果実、野菜、生鮮食料品などを浸し、超音波を作用させる。超音波の発生源である超音波振動子は処理槽の外底部に設置し、処理槽の外部から処理液中に超音波を付与する。
【0003】
この超音波洗浄に関し、たとえば、特許文献1や特許文献2には、処理槽の底部外面に超音波振動子を取り付け、処理槽に充填された処理水に洗浄対象物を浸漬した状態で超音波振動子が発生する超音波を処理槽内に付与し、洗浄対象物の超音波洗浄を行うことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-233502号公報
【文献】特開2017-192324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、超音波洗浄装置の課題を列挙すれば次のとおりである。
超音波洗浄では、処理槽に処理水を継続的に供給し、継続的に音波振動を供給するとともに、処理水の排水を行う。処理槽に供給する処理水が過剰であれば、処理水が処理槽から溢水する。洗浄時、処理水中に固形物や懸濁物が生じる。固形物はたとえば、被洗浄物から分離したものであり、懸濁物は被洗浄物から落ちた汚れなどである。溢水した処理水に汚れなどが混じっていれば、この汚れが環境を悪化させるという課題もある。
【0006】
処理槽は装置筐体に設置され、処理槽に収容された処理水は洗浄時、流動している。処理槽を支持する装置筐体と処理槽の上縁との距離は近く、処理槽から装置筐体内に処理水が浸入し、装置筐体内を浸潤状態にし、装置筐体内を汚すという課題がある。
【0007】
処理槽の槽底部には超音波振動子が設置されており、洗浄時、処理槽には超音波振動子から超音波振動が加えられる。処理槽と装置筐体の間の固定強度が低い場合には、処理槽と装置筐体の間で不要振動を生じるという課題もある。また、このような振動が処理槽と装置筐体との間に隙間を生じさせるという課題もある。
【0008】
処理槽には水道水などを処理水に用いて供給される。超音波洗浄装置が設置される環境や季節において、たとえば、環境温度と処理槽との間に温度差を生じると、処理槽の外壁に結露を生じるという課題がある。この結露を放置すれば、装置筐体内に黴などが繁殖し、不潔になるなどの課題がある。
【0009】
処理槽には処理水を供給する給水部が設置されるが、被洗浄物が給水部に干渉すると給水が妨げられ、洗浄効率を低下させてしまうという課題がある。また、排水部についても被洗浄物から離脱した固形物で処理水の排出が妨げられ、排水処理に手間取るという課題もある。
【0010】
また、洗浄中、処理槽に収容された被洗浄物が洗浄時、処理水の噴流や超音波振動を受け、処理水上に浮き上がると、洗浄むらを生じ、これを回避するための処理が面倒であるという課題がある。
【0011】
そこで、本開示の目的は、上記課題に鑑み、洗浄効果の高い超音波洗浄の利便性を高め、民生機器として使い勝手のよい超音波洗浄装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本開示の超音波洗浄装置の一側面によれば、装置筐体と、前記装置筐体に設置されて処理水および被洗浄物が収容される処理槽と、前記装置筐体に設置されて前記処理槽に前記処理水を供給し、前記処理水に循環流を生じさせる給水機構と、前記装置筐体に設置されて前記処理槽から前記処理水を排水する排水機構と、前記処理槽の槽底外部に設置されて超音波を生成し、超音波振動を前記処理槽に付与する超音波振動子と、前記装置筐体と前記処理槽との間に弾性部材を介在させて防水する防水部と、前記弾性部材を圧縮状態に保持して前記装置筐体に前記処理槽を固定する固定機構と、を含み、前記給水機構が、洗浄時、開状態にされて処理水供給管に前記処理水を流す給水弁と、前記処理槽の槽底部に設置されて前記処理水供給管に連結された給水ノズルを含み、この給水ノズルから上方向および周辺方向に前記処理水の噴流を生じさせて前記処理槽の前記槽底部から前記処理水を給水する給水部と、を含み、前記排水機構が、上方向および周辺方向から前記処理水を受けてろ過する複数のろ過孔を備えた排水フィルタを前記槽底部に設置し、該排水フィルタを通過した前記処理水を排水する排水部と、前記排水部に連結されて前記処理水を排水する排水管と、前記排水管に設置され、少なくとも洗浄終了時、開状態にされて前記処理水を前記処理槽から前記排水管に排水させる排水弁と、を含み、前記固定機構が、前記処理槽と前記装置筐体との間に設置される支柱部と、前記処理槽および前記装置筐体間の前記支柱部の長さを加減して前記弾性部材の圧縮状態を調整する固定力調整機構と、を含む。
【0014】
この超音波洗浄装置において、前記処理槽の槽壁に設置された断熱層を含む。
【0015】
この超音波洗浄装置において、前記処理水を通過させる通過孔を備え、前記処理槽の底部に支柱部で支持させて前記処理槽を槽底側と洗浄空間側とに分離するセパレータを含む。
【0016】
この超音波洗浄装置において、前記処理水を通過させる通水孔を備え、前記処理槽に固定アームで係止させることにより、前記処理槽内で前記被洗浄物の浮き上がりを阻止する抑えプレートを含む。
【0017】
この超音波洗浄装置において、前記固定アームは、少なくとも前記処理槽と接触する部分に振動吸収層を備え、この振動吸収層に前記処理からの振動を吸収させる。

【0018】
この超音波洗浄装置において、前記処理槽に溢水レベルを超える前記処理水を前記処理槽から溢水させる溢水部を設け、この溢水部から溢水させた前記処理水を捕捉する溢水捕捉部を含み、この溢水捕捉部で捕捉した前記処理水を前記排水管に排水させる。
【0019】
この超音波洗浄装置において、前記処理水をろ過して前記溢水捕捉部に流す溢水フィルタを含む。
【発明の効果】
【0021】
本開示によれば、次の何れかの効果が得られる。
(1) この超音波洗浄装置によれば、洗浄効果の高い超音波洗浄の利便性を向上させ、民生機器として使い勝手のよい超音波洗浄装置を実現できる。
【0022】
(2) この超音波洗浄装置によれば、装置筐体から処理槽を分解することなく処理槽を清掃でき、処理槽の清浄化を図り、超音波洗浄の洗浄効果を維持できる。

【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、一実施の形態に係る超音波洗浄装置の機能部を示す図である。
図2図2は、操作パネル側から見て超音波洗浄装置を示す斜視図である。
図3図3は、処理槽のオーバーフロー機構を示す分解斜視図である。
図4図4は、処理水の溢水を示す図である。
図5図5は、給水機構を示す図である。
図6図6は、給水部を示す分解斜視図である。
図7図7のAは、給水部を示す断面図であり、図7のBは、図7のAのVIIB- VIIB 断面図である。
図8図8のAは、処理水の噴流を示す図、図8のBは、処理水の還流を示す図である。
図9図9のAは、排水機構を示す図であり、図9のBは、処理槽を示す平面図である。
図10図10のAは、排水部の分解斜視図であり、図10のBは、排水フィルタを示す斜視図である。
図11図11のAは、排水部を示す断面図であり、図11のBは、図11のAのXIB - XIB断面図である。
図12図12のAは、処理水の排水を示す図であり、図12のBは、排水流を示す図である。
図13図13は、装置筐体と処理槽との防水固定機構を示す図である。
図14図14のAは、防水部を示す分解断面図であり、図14のBは、防水部を示す断面図である。
図15図15のAは、固定機構部を示す分解図であり、図15のBは、固定機構部を示す断面図である。
図16図16は、処理槽の断熱構造を示す断面図である。
図17図17は、セパレータを含む処理槽を示す部分断面図である。
図18図18のAは、セパレータを示す平面図であり、図18のBは、図18のAのXVIIIB-XVIIIB断面図である。
図19図19のAは、処理かごを示す斜視図であり、図19のBは処理かごの底面図である。
図20図20のAは、被洗浄物を装填した処理かごを示す図であり、図20のBは、処理かごとともに被洗浄物を装填した処理槽を示す図である。
図21図21のAは、抑えプレートを示す斜視図であり、図21のBは、抑えプレートを設置した処理槽を示す断面図であり、図21のCは係止部の断面図である。
図22図22のAは、被洗浄物の装填工程を示す図であり、図22のBは、処理水の給水工程を示す図である。
図23図23のAは、被洗浄物の洗浄工程を示す図であり、図23のBは、洗浄後の処理水の排水工程を示す図である。
図24図24は、処理槽の清掃工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、一実施の形態に係る超音波洗浄装置2(以下、単に「洗浄装置2」と称する。)の機能部を例示している。この機能部は、本開示の超音波洗浄装置の一例であって、図1に示す構成に限定されるものではない。
【0025】
この洗浄装置2には、厨房機器と独立して利用可能なスタンドアロンタイプや、厨房機器に実装されるビルトインタイプが含まれる。図1に示す洗浄装置2はスタンドアロンタイプの例示であり、斯かる機能部はスタンドアロンタイプに向けられた一例である。
【0026】
<洗浄装置2の機能部>
この洗浄装置2の機能部には、処理槽4、超音波振動子6(以下単に「振動子6」と称する。)、オーバーフロー機構8、給水機構10、排水機構12、防水固定機構14、セパレータ16、処理かご18、抑えプレート20、操作パネル22、制御基板24などが含まれている。
【0027】
処理槽4は0.6mm程度の厚さを持つステンレスなどの金属板で成形されたたとえば、ドーム状の成型体からなる容器であり、装置筐体26に設置されている。処理槽4には被洗浄物28および処理水30が収容される。被洗浄物28は、果実、野菜、生鮮食料品など、何れでもよい。図示した被洗浄物28は苺であり、処理かご18とともに処理槽4に装填されている。処理水30は超音波の伝送媒体であるとともに、洗浄によって被洗浄物28から分離した汚れなどの分離物を流動させる流体である。この処理水30にはたとえば、水道水などの上水を用いればよい。
【0028】
振動子6は洗浄時、電気エネルギを受けて超音波を発生する超音波発生源であり、処理槽4の外底部32に設置されている。この処理槽4では複数の超音波振動子としてたとえば、3個の振動子6が取り付けられており、各振動子6は処理槽4の外底部中心を基準にたとえば、120度の間隔で配置されている。
【0029】
オーバーフロー機構8は、洗浄時、処理槽4から溢水する処理水30を捕捉して排出させる。このオーバーフロー機構8は溢水捕捉部34および排水管36を備え、溢水捕捉部34で捕捉した処理水30を排水管36に流す。溢水捕捉部34は処理槽4に形成された溢水口38に連結され、この溢水口38から溢水した処理水30を捕捉し、排水管36を通して排水機構12側に導く。この溢水捕捉部34には処理水30をろ過する溢水フィルタ40を着脱可能に備えている。この溢水フィルタ40は溢水する処理水30のろ過手段である。この溢水フィルタ40に形成されたろ過孔42を以て処理槽4には処理水30の溢水レベルが設定されている。この溢水レベルを超える処理水30は図示しているように、オーバーフロー機構8に捕捉されて排水機構12側に排出される。
【0030】
給水機構10は、処理槽4に処理水30を給水する手段であって、処理槽4の給水部44に給水する。給水部44は処理槽4の外底部32の中央に設置され、後述の給水ノズル94(図8のA)を備えて処理水30を受け、処理槽4内に処理水30の噴流を生じさせる。給水管46には給水接続口部48、空気抜き弁50、定流量弁52および給水弁54が設置されている。給水接続口部48にはたとえば、上水管55が接続され、処理水30が供給される。空気抜き弁50は給水管46に流れる処理水30から空気を離脱させる。定流量弁52は、給水部44に供給する処理水30の流量を定流量化する。給水弁54は、洗浄時に開状態に制御されるたとえば、電磁弁であり、洗浄終了時に閉状態に制御される。
【0031】
排水機構12は、処理槽4から処理水30を排水する手段であって、排水部56を備えて処理槽4から処理水30を排水する。排水部56は後述の排水フィルタ118(図12のA)を備えて処理水30をろ過して排水する。この排水部56には排水管60が連結されている。この排水管60は排水接続口部62および排水弁64を備えている。排水接続口部62には図示しない外部のたとえば、ドレン管65が接続されている。排水弁64は洗浄時に閉状態に制御されるたとえば、電磁弁であり、洗浄終了時に開状態に制御される。この排水弁64の下流側の排水管60には排水管36が連結されており、溢水捕捉部34からの処理水30が排水弁64の開閉に無関係に排水接続口部62からドレン管65に排出される。
【0032】
防水固定機構14は防水部66および固定機構部68を備え、処理槽4と装置筐体26との間の防水とともに、装置筐体26に処理槽4を固定している。防水部66は、後述の止水パッキン146(図14)を備え、処理槽4と装置筐体26との間を止水する。これに対し、固定機構部68は、防水部66の止水パッキン146を圧縮状態に維持し、処理槽4と装置筐体26との間の固定力の調整が可能である。装置筐体26の底部には複数の脚部70が取り付けられ、各脚部70は防振材料で形成され、装置筐体26から設置箇所への振動伝達を緩和する。
【0033】
セパレータ16は、処理槽4の底板上に設置され、被洗浄物28の洗浄空間を給水部44および排水部56を含む槽底部側と分離する。この分離間隔を設定するため、セパレータ16には背面側に所定高さを持つ複数の脚部72が設けられている。各脚部72は支柱部の一例であり、セパレータ16を処理槽4内に一定の高さに維持する。
【0034】
処理かご18は、セパレータ16の上面に設置可能であるが、被洗浄物28に応じて使い分ける。苺のように被洗浄物28の体積が小さく、一括して処理可能な被洗浄物28に対しては処理かご18の使用が有効である。これに対し、キャベツなどの体積の大きい被洗浄物28に対しては処理かご18を不要とし、処理槽4に直に被洗浄物28を装填すればよい。
【0035】
抑えプレート20は、処理槽4の開口部76に設置されて被洗浄物28の浮き上がりを阻止する。この抑えプレート20は、複数の固定アーム74を備え、この固定アーム74によって処理槽4の開口縁部に着脱可能に固定される。
【0036】
そして、制御基板24には操作パネル22からの操作入力を受け付け、給水弁54、排水弁64の開閉制御などを行う制御部が設置されている。操作パネル22には洗浄動作の開始や停止を行う操作スイッチなどの操作部や表示部が設置されている。
【0037】
<洗浄装置2の外観形態>
図2は、操作パネル22側から見た洗浄装置2の外観形態を示している。装置筐体26に設置された処理槽4が開口され、この処理槽4の開口部76からセパレータ16の設置、被洗浄物28の装填、抑えプレート20などの設置が可能である。この開口部76には図示しない蓋部が着脱可能である。この装置筐体26には側部前面側に操作筐体77が設置され、この操作筐体77の上面には、操作パネル22が前方に傾斜して設置されている。操作筐体77の下側には電源スイッチ78が配設されている。
【0038】
<オーバーフロー機構8>
洗浄中、処理槽4中の処理水30は給水や超音波振動を受けて著しい水位変動を生じる。この水位変動に応じた排水機能が維持されない場合には処理槽4から処理水30が溢水するという課題があった。斯かる課題に対し、このオーバーフロー機構8は、処理水30の急激な水位変動を受けても、溢水レベルを超えた処理水30を適正に排出させ、処理槽4の上縁からの溢れ出しを防止する。このオーバーフロー機構8では、処理水30に被洗浄物28からの分離や離脱によって生じた固形物などが含まれていても、溢水機能や排水機能の低下を防止し、処理水30の排水機能を維持し、処理水30に含まれる固形物の流出による排水機能の低下や排水不能に陥ることを回避する。
【0039】
図3は、オーバーフロー機構8を分解して示している。図3において、図1と同一部分には同一符号を付してある。
【0040】
処理槽4には図3に示すように、長方形状の溢水口38が開口されている。この溢水口38はたとえば、長方形状の開口部である。この溢水口38には、処理槽4内に支持枠80を配置し、この支持枠80と溢水捕捉部34とで処理槽4を挟み込んで、固定ねじ82を以て溢水捕捉部34と支持枠80が処理槽4に固定される。支持枠80と溢水捕捉部34のフランジ部84と処理槽4の間には止水パッキン86が挟み込まれ、この止水パッキン86によって溢水捕捉部34および処理槽4の間の止水処理が施されている。
【0041】
支持枠80には溢水フィルタ40が着脱可能に設置される。この溢水フィルタ40には複数のろ過孔42が形成されており、下部側のろ過孔42で溢水レベルが設定されている。なお、溢水フィルタ40の切欠き部88は着脱の際に用いられる。
【0042】
図4は、オーバーフロー機構8の溢水捕捉部34の断面を示している。この溢水捕捉部34には排水口90と一体に排水管連結部92が設置され、この排水管連結部92と排水管60との間にオーバーフロー機構8側の排水管36が連結されている。排水口90および排水管36の口径は一例として14mm程度である。したがって、処理槽4から溢水捕捉部34で設定された溢水レベルを超えて溢水捕捉部34に捕捉された処理水30は、排水口90から排水管36を経て排水管60に至る。
【0043】
<オーバーフロー機構8の効果>
このオーバーフロー機構8によれば、次の何れかの効果が得られる。
(1) 処理水30の水位が溢水レベルLrefを超えると、処理水30が処理槽4から溢水捕捉部34に流れ込んで捕捉され、排水管36から排水機構12の排水管60に排水させることができる。したがって、処理槽4の上縁から処理水30が溢れ出るなどの不都合を防止できる。
【0044】
(2) 処理水30に被洗浄物28からの分離や離脱によって生じた固形物などが含まれていても、斯かる固形物は溢水フィルタ40でろ過されるので、処理水30のみを溢水捕捉部34に捕捉して排出できるとともに、排水管36、60の詰まりなどを防止でき、排水機能を継続的に維持することができる。
【0045】
(3) 排水管36、60に口径の大きい管路を使用することで、排水機能を高めることができ、処理槽4の処理水30の水位が急激に上昇し、処理槽4からの処理水30の溢水量が増大しても、処理水30の充分な排水機能が得られる。
【0046】
(4) 処理槽4から処理水30のオーバーフロー機構8以外の溢れを防止でき、処理水30の漏洩による環境劣化を防止できる。
【0047】
(5) ろ過孔42の密度や口径の異なる複数の溢水フィルタ40を用意し、被洗浄物28に応じて溢水フィルタ40を交換すれば、処理水30の溢水機能を高めることができるとともに、溢水フィルタ40の機能低下を防止でき、より利便性の高い洗浄装置2を実現することができる。
【0048】
<給水機構10>
給水機構10は、洗浄時など、処理槽4に清浄な処理水30を連続して供給し、超音波洗浄では処理槽4内の処理水30に循環流を生じさせる必要がある。洗浄時、処理水30を排水部56から排水させる場合にあっても、この排水を妨げまたは排水に妨げられることなく、処理水30に噴流を生じさせることが有効である。この給水機構10では、上水圧を利用して噴流を生じさせて処理水30を処理槽4に供給し、以て処理槽4内の処理水30を均一化し、洗浄時の給水にあっては超音波振動と相まって洗浄効果の向上に寄与する。
【0049】
図5は、給水機構10を示している。図5において、図1と同一部分には同一符号を付してある。
【0050】
この給水機構10は、処理槽4の外底部32の中央に設置された給水部44に処理水30を受け、給水弁54が開状態に制御されたとき、たとえば、処理水30が有する上水圧を以て処理水30の噴流を生じさせる。
【0051】
図6は、給水部44を分解して示している。この給水部44は、給水ノズル94および給水連結部96を備える。給水ノズル94は、給水連結部96を通して給水管46と結合され、給水管46から処理水30の給水を受ける。給水連結部96は、給水ノズル94と給水管46とを連結するための手段である。
【0052】
給水ノズル94は、ノズルヘッド98および給水管結合部100を備えている。ノズルヘッド98には、XY軸方向にたとえば、4個のノズル口102、Z軸方向にたとえば、1個のノズル口104が形成され、これらノズル口102、104は給水管結合部100に連通している。
【0053】
給水連結部96は、処理槽固定部106および給水管装着部108を備え、たとえば、合成樹脂などの弾性材料またはステンレスなどの金属材料で形成されている。処理槽固定部106は処理槽4の貫通口110に挿入されて貫通口110と連結される。給水管装着部108には開口部側にフランジ部112が形成され、給水連結部96が強化されている。
【0054】
給水管46の端部にはフランジ部114が形成されているとともに、止水手段としてのOリング116が取り付けられている。フランジ部114は給水管46からのOリング116の抜け止めとして機能する。給水管46には給水ノズル94の給水管結合部100が挿入され、この給水管結合部100と連結される。この給水管結合部100と給水管46の結合により、ノズルヘッド98のノズル口102、104が処理槽4に対する複数の給水口として機能する。
【0055】
図7のAは、給水連結部96における給水管46および給水ノズル94の結合状態を示している。給水連結部96にはOリング116が圧縮状態で挿入されることにより、給水管装着部108の内壁および給水管46のフランジ部114側が密着されるから、給水管46と給水連結部96との間で止水構造が構成され、この止水構造は給水ノズル94と給水管46の結合によってより強化される。
【0056】
図7のBは、図7のAのVIIB-VIIB断面を示している。ノズルヘッド98には、給水管46に連通する複数のノズル口102、104が形成されている。
【0057】
このような給水ノズル94によれば、図8のAに示すように、上水圧を受けて圧送される処理水30は、ノズル口102からXY軸方向に噴射されるとともに、ノズル口104からZ軸方向に噴射される。
【0058】
したがって、処理槽4には図8のBに示すように、噴流30X、30Yが処理槽4の底部に沿って槽壁に当たり、周回流および上昇流を生じさせ、また、噴流30Zが上昇流となり、これらが相まって処理水30に循環流を生じさせる。
【0059】
<給水機構10の効果>
この給水機構10によれば、次の何れかの効果が得られる。
(1) 処理水30を槽底の中央から複数方向に分散させて処理槽4内に噴出させることができ、清浄な処理水30を均一に供給でき、超音波洗浄の洗浄効果を高めることができる。
【0060】
(2) 給水部44は分解することができ、構成部材を適宜に清掃することができる。
【0061】
(3) 給水ノズル94は他の形態のものに変更でき、処理槽4内に所望の噴流を生成することができる。
【0062】
<排水機構12>
洗浄終了時など、処理槽4から汚れた処理水30を排水させる必要がある。この排水時、洗浄後の処理水30には被洗浄物28から離脱した固形物が含まれる場合がある。この固形物は処理水30の排水機能を低下させ、場合によっては排水不能に至るという課題があった。固形物などを含む処理水30を排水系統に放出することは環境汚染に繋がるので、回避しなければならない。斯かる課題に対し、この排水機構12では、固形物などを含む処理水30をろ過して排水し、排水機能の維持とともに排水系統への影響を回避している。
【0063】
図9のAは、排水機構12を示している。図9において、図1と同一部分には同一符号を付してある。
【0064】
この排水機構12は、処理槽4の外底部32に設置された排水部56から排水管60を通して排水接続口部62に接続されたドレン管65に処理水30を排水させる。
【0065】
図9のBは、処理槽4の平面図である。給水部44が処理槽4の底部中心に配置されているのに対し、排水部56は給水部44から変位した位置に配置されている。処理槽4の外底部32は、たとえば、処理水30の排水を容易にするため、排水部56を中心に円錐形の傾斜面としてもよい。
【0066】
図10のAは、排水部56を分解して示している。この排水部56は、排水フィルタ118、排水連結部120を備える。排水フィルタ118は、排水連結部120に着脱可能に設置され、処理槽4から排水接続口部62に処理水30をろ過してドレン管65に排水する。排水連結部120は、排水フィルタ118と排水管60とを連結するための手段である。
【0067】
排水フィルタ118は、フィルタヘッド122および排水ガイド部124を備えている。フィルタヘッド122には、周縁方向に複数のろ過孔126、Z軸方向にろ過孔128が形成され、これらろ過孔126、128は排水ガイド部124に連通している。ろ過孔126はろ過孔128と異なってU字形の開口であり、処理槽4の槽面を以て孔縁が形成されている。つまり、処理槽4の底面の処理水30が処理槽4の槽面を伝ってろ過孔126に浸入させることが可能であり、処理水30の排水効率を高めることができる。
【0068】
排水連結部120は、処理槽固定部130および排水管装着部132を備え、たとえば、合成樹脂などの弾性材料またはステンレスなどの金属材料で形成されている。処理槽固定部130は処理槽4の貫通口134に挿入されて連結される。この排水管装着部132は処理槽固定部130側を径小にしかつ開口部側を径大にして空間部を構成し、フランジ部136が形成されて強化されている。この排水管装着部132には排水フィルタ118の排水ガイド部124が挿入されている。排水管装着部132において、排水フィルタ118の排水ガイド部124は排水管60に連通し、この連通により、フィルタヘッド122のろ過孔126、128が処理槽4の複数の排水口として機能する。
【0069】
排水管60の端部にはフランジ部138が形成されているとともに、止水手段としてのOリング140が取り付けられている。フランジ部138はOリング140の排水管60からの抜け止めとして機能する。
【0070】
図10のBは、背面側から見た排水フィルタ118を示している。フィルタヘッド122の中心部には排水ガイド部124が一体に設けられている。この排水ガイド部124の周壁には、複数のろ過孔142が形成されている。つまり、ろ過孔126でろ過された処理水30がろ過孔142でろ過された後、排水ガイド部124から排水管60に至る。
【0071】
図11のAは、排水連結部120における排水管60および排水フィルタ118の結合状態を示している。排水連結部120にはOリング140が圧縮状態で挿入されて排水管装着部132の内壁および排水管60のフランジ部138側が密着されるから、排水管60と排水連結部120との間で止水構造が構成され、この止水構造は排水管装着部132と排水管60の連結によって強化される。
【0072】
図11のBは、図11のAのXIB -XIB 断面を示している。フィルタヘッド122には、排水管60に連通する複数のろ過孔126、128、142が形成されている。
【0073】
このような排水フィルタ118によれば、図12のAに示すように、処理槽4の水位に応じて処理水30が排水フィルタ118の周辺方向からろ過孔126を通過してフィルタヘッド122に流れ込むとともに、Z軸方向からろ過孔128に流れ込み、排水管60に至る。
【0074】
したがって、処理槽4には図12のBに示すように、排水フィルタ118に向かう排水流が生じ、排水管60から排出される。
【0075】
<排水機構12の効果>
このような排水機構12によれば、次の何れかの効果が得られる。
(1) 排水フィルタ118で排水すべき処理水30から固形物を除くことができるので、固形物による処理水30の排水機能の低下を防止でき、排水の迅速化を図ることができるとともに、固形物の流出による排水系統の固形物による汚染を防止できる。
【0076】
(2) 排水部56は分解でき、構成部材を適宜に清掃することができる。
【0077】
(3) 排水フィルタ118は他の形態のものに変更でき、処理槽4内から固形物の分離機能や排水機能を選択することができる。
【0078】
<防水固定機構14>
従前、装置筐体26と処理槽4との間にゴム製のOリングなどの弾性体を介在させ、装置筐体26から処理槽4を垂下させた取付け構造であった。このような取付け構造では、洗浄中、装置筐体26に対して処理槽4が独立して振動し、処理槽4に不要振動を生じるなど、洗浄効果の低減や、不可聴域の高周波音を含むノイズを発生するという課題があった。斯かる課題に対し、この防水固定機構14では、処理槽4および装置筐体26間の防水性を高めつつ、処理槽4および装置筐体26間の一体的な固定構造を実現し、この防水性の強化と相まって装置筐体26に対する処理槽4の固定性を強化し、従前の課題を解決したものである。
【0079】
図13は、防水固定機構14を備える装置筐体26を示している。図13において、図1と同一部分には同一符号を付してある。
【0080】
防水固定機構14は既述したように、防水部66および固定機構部68を備えている。処理槽4は開口側にフランジ部144を備え、このフランジ部144と装置筐体26との間に止水パッキン146を備えて防水部66が構成されている。この防水部66は処理槽4と装置筐体26との間を防水する手段である。この防水部66は止水パッキン146をフランジ部144と装置筐体26との間に備えている。止水パッキン146にはたとえば、Oリングを用いることができる。
【0081】
これに対し、固定機構部68は、処理槽4と装置筐体26との間に複数の吊りボルト148を備えるとともに、各吊りボルト148による処理槽4と装置筐体26の間の固定力を調整する固定力調整部150を備えている。つまり、処理槽4と装置筐体26との間に吊りボルト148が取り付けられ、吊りボルト148と装置筐体26との間にある止水パッキン146を圧縮状態で保持し、装置筐体26に対する処理槽4の固定強度を調整する。吊りボルト148は装置筐体26に処理槽4を支持する支柱部の一例である。
【0082】
図14のAは、防水部66を分解して示している。処理槽4の開口部76には、処理槽4を構成する金属部材を折り返して開口部76の強化とともに、フランジ部144が形成されている。止水パッキン146は処理槽4の外径に対応した口径を備え、フランジ部144に密着可能である。フランジ部144には止水パッキン挿入部152が形成されている。装置筐体26に形成された処理槽装着口154には処理槽4が設置され、この処理槽装着口154の口径は止水パッキン146より小径である。
【0083】
図14のBは、防水部66の断面を示している。止水パッキン146は、処理槽4に形成された止水パッキン挿入部152に配置されており、処理槽4が装置筐体26に設置されることで、装置筐体26とフランジ部144との間に挟持される。この止水パッキン146は既述の固定機構部68によって圧縮状態に保持され、処理槽4のフランジ部144と装置筐体26との間の防水が図られる。
【0084】
図15のAは、固定機構部68を分解して示している。図15のAにおいて、図13と同一部分には同一符号を付してある。
【0085】
各固定機構部68は、ボルト156、吊りボルト148、ワッシャ158およびフランジナット160を備えている。ボルト156は、処理槽4の底面に溶接によって固定されている。162は溶接部を示している。吊りボルト148の一端にはねじ孔164が形成され、その他端にねじ部166が形成されている。ねじ孔164にはボルト156が固定され、ねじ部166にはフランジナット160が取り付けられる。
【0086】
吊りボルト148、ワッシャ158およびフランジナット160は、金属材料で形成してもよいが、合成樹脂などの非金属材料で形成してもよい。これらの構成材料の組み合わせについて、吊りボルト148に金属製のボルトを用いた場合には、ワッシャ158には非金属製ワッシャを使用し、フランジナット160にも非金属製ナットを使用すればよい。また、吊りボルト148に非金属製ボルトを用いた場合には、ワッシャ158には金属製ワッシャを使用し、フランジナット160にも金属製ナットを使用すればよい。
【0087】
装置筐体26には吊りボルト148を通すための貫通孔168が形成されている。この貫通孔168には吊りボルト148を挿通させ、装置筐体26から露出させたねじ部166には装置筐体26との間にワッシャ158を挟ませてフランジナット160が取り付けられる。したがって、吊りボルト148のねじ部166、ワッシャ158およびフランジナット160が装置筐体26に対する吊りボルト148の固定力調整部150を構成する。
【0088】
図15のBは、固定機構部68の組立状態を示している。装置筐体26から露出させたねじ部166に取り付けられたフランジナット160を締め付ければ、応力Fが処理槽4に作用する。図中、処理槽4は、応力Fの方向に力を受け、既述の止水パッキン146が装置筐体26と処理槽4のフランジ部144との間に圧縮状態で保持される。これが止水力として作用する。この圧縮状態にある止水パッキン146の復元力が応力Fに対抗し、装置筐体26に処理槽4が強固に固定される。つまり、固定力調整部150により装置筐体26に対して処理槽4の固定力の最適化調整が可能である。
【0089】
<防水固定機構14の効果>
このような防水固定機構14によれば、次の何れかの効果が得られる。
(1) 装置筐体26と処理槽4のフランジ部144との間に設置された止水パッキン146は圧縮状態で保持されて止水機能がより高められ、装置筐体26内への処理水30の浸入を阻止でき、装置筐体26の防水機能を強化できる。
【0090】
(2) 固定機構部68の固定力を以て止水パッキン146を圧縮させ、この復元力と固定機構部68の固定力とを以て装置筐体26に対する処理槽4の固定強度を高めることができ、処理槽4と装置筐体26との一体化により超音波振動に伴う不要振動を防止でき、安定した超音波振動を維持し、洗浄効果を高めることができるとともに、不要振動に伴うノイズを抑制し、洗浄装置2の耐久性を高めることができる。
【0091】
(3) 固定機構部68の吊りボルト148、ワッシャ158またはフランジナット160の何れかに合成樹脂などの非金属製品を用いれば、金属に比較して超音波洗浄に伴う振動を抑制でき、騒音発生を低減できる。
【0092】
(4) 止水パッキン146が圧縮状態で保持され、この止水パッキン146の復元力が装置筐体26と処理槽4のフランジ部144との間に作用して止水機能が高められる結果、装置筐体26の防水性を強化できるので、処理水30の染み込みなどの汚損を防止でき、装置筐体26の清掃が容易になる。
【0093】
<処理槽4の断熱構造>
この洗浄装置2は通常、室内に設置され、処理水30には水道水などの上水が用いられる。既述したように、環境温度と処理槽4内の温度間に温度差を生じると、処理槽4の外壁に結露が生じ、この結露を放置すれば、装置筐体26内に黴などを繁殖させるなどの課題があった。斯かる課題に対し、環境下と処理槽4内の温度差を回避するため、処理槽4に断熱構造を採用し、処理槽4の外壁における結露防止を実現している。
【0094】
図16は、処理槽4の一部断面を示している。図16において、図1と同一部分には同一符号を付してある。
【0095】
処理槽4は、ステンレスなどの金属材料で成形された成形体である槽本体170を備えている。この槽本体170の側壁にはウレタンなどの断熱材で形成された断熱層172が設置され、この断熱層172で槽本体170が被覆されている。つまり、槽本体170の側壁は断熱層172で覆われ、外気と遮断されている。
【0096】
<処理槽4の断熱構造の効果>
このような断熱構造によれば、次の何れかの効果が得られる。
(1) 処理槽4の槽壁は断熱層172によって断熱状態となり、処理槽4を保温状態に維持することができる。
【0097】
(2) 処理槽4に処理水30が供給されて処理槽4内の温度と外気温度との間に温度差が生じても、断熱層172による断熱効果により結露を防止できる。
【0098】
<セパレータ16>
被洗浄物28には苺などの体積が小さいもの、キャベツなどの体積の大きいものなど、その体積は千差万別である。このような被洗浄物28が装填される処理槽4の底部には給水部44や排水部56を備えている。給水部44の給水機能や排水部56の排水機能を維持するには、処理槽4における被洗浄物28の洗浄空間と分離し、被洗浄物28との干渉を回避すべきという課題があった。斯かる課題に対し、このセパレータ16は、給水部44の給水機能や排水部56の排水機能を妨げることなく、洗浄空間と給水部44や排水部56を分離し、給水部44または排水部56と被洗浄物28との干渉を回避し、洗浄機能を維持助長する。
【0099】
図17は、セパレータ16が設置された処理槽4の部分断面を示している。図17において、図1と同一部分には同一符号を付してある。
【0100】
セパレータ16は、板状のセパレータ本体174と複数の脚部72を備えている。図18のAは、セパレータ16の平面図、図18のBは、XVIIIB-XVIIIB断面を示している。
【0101】
セパレータ本体174には複数の通水孔178が形成され、処理水30の通流が可能である。脚部72は同一高さであって、処理槽4の底面に載置されたセパレータ16のセパレータ本体174を処理槽4の底面と並行に維持する。各脚部72はセパレータ本体174側が同径であるのに対し、脚先端が円錐状に径小化され、脚部72と処理槽4の底部との接触面積を削減している。
【0102】
このセパレータ16が処理槽4に設置されると、セパレータ本体174の下面側で給水部44および排水部56を覆い、その上面側に処理槽4の洗浄空間180が維持される。つまり、給水部44および排水部56の領域と、洗浄空間180の領域とがセパレータ16によって分離される。この場合、脚部72は、給水部44および排水部56とセパレータ本体174の干渉を避けるため、給水部44および排水部56を超える高さであることが好ましい。
【0103】
<セパレータ16の効果>
このようなセパレータ16を用いれば、次の何れかの効果が得られる。
(1) 給水部44および排水部56の領域と、洗浄空間180の領域とをセパレータ16によって分離することができる。
【0104】
(2) セパレータ16によって給水部44および排水部56を防護でき、給水機能や排水機能を維持助長することができる。
【0105】
(3) 処理槽4にセパレータ16を設置すれば(図21のB)、処理かご18を省略して被洗浄物28を直に処理槽4に装填して超音波洗浄を行うことができ、処理槽4の容積を最大限に被洗浄物28の収容空間として広く利用できる。
【0106】
<処理かご18>
既述したように、被洗浄物28の容積は千差万別である。苺などの小容積の被洗浄物28にあっては、個々の被洗浄物28に触れることなく一括して処理すべきであるし、キャベツなどの大容積の被洗浄物28にあっては、処理槽4の容積を有効に活用すべきであるとの課題がある。斯かる課題に対し、小容積の被洗浄物28の処理には処理かご18の使用が有効であり、大容積の被洗浄物28にあっては処理かご18を用いることなく、処理槽4が許容する最大容積を利用すればよい。つまり、処理かご18は、被洗浄物28の形態に応じて使用可能な補助容器である。
【0107】
図19のAは、処理かご18を示している。図19のAにおいて、図1と同一部分には同一符号を付してある。
【0108】
処理かご18は、洗浄すべき被洗浄物28を収容するための容器であり、かご本体182と把手184を備える。かご本体182は処理槽4の内形状と相似形であり、その高さが処理槽4の2分の1程度である。把手184は、かご本体182の操作のために用いるハンドルである。この把手184はたとえば、かご本体182の開口部の半円形と一致した形状であり、この把手184の端部をかご本体182に支持するヒンジ186を以て回転可能であり、かご本体182の縁部側に回転させた際に、かご本体182の上縁部に着脱可能である。
【0109】
図19のBは、処理かご18の底面部を示している。この処理かご18の底面部にはたとえば、円形の水切り部188を備えている。この水切り部188は無数の通水孔190を備えている。
【0110】
図20のAは、被洗浄物28が装填された処理かご18を示している。既述したように、体積の小さい苺などの被洗浄物28は処理かご18に収容し、処理かご18を以て一括処理が可能である。
【0111】
図20のBは、処理かご18とともに被洗浄物28が装填された処理槽4を示している。図20のBにおいて、図1と同一部分には同一符号を付してある。
処理かご18に収容された被洗浄物28は、処理かご18とともに処理槽4に一括して装填可能である。
【0112】
<処理かご18の効果>
このような処理かご18を用いれば、次の何れかの効果が得られる。
(1) 体積の小さい多数の被洗浄物28を処理かご18に装填して一括して被洗浄物28に直に触れずに処理でき、被洗浄物28を防護でき、かつ、洗浄処理を効率化できる。
【0113】
(2) 洗浄後、処理水30から一括して被洗浄物28を取り出すことができ、処理水30への被洗浄物28の浸漬時間を短縮できる。
【0114】
(3) 洗浄時、被洗浄物28を処理かご18内に維持することができ、処理槽4と被洗浄物28の接触を回避できる。
【0115】
<抑えプレート20>
被洗浄物28には処理水30より比重が小さいもの、処理水30より比重が大きいものが含まれるが、何れのものも処理水30の噴流を受け、あるいは超音波振動を受けると、処理水30上に浮き上がり、移動する場合がある。この浮き上がりや移動によって処理水30より露出した部分は、処理水30を媒介とする超音波振動を受け難く、洗浄効果が期待できない。斯かる課題に対し、抑えプレート20は、処理槽4に装填された被洗浄物28の上に設置して洗浄中の被洗浄物28の処理水30からの浮き上がりや移動による洗浄むらを防止するための補助部材であり、被洗浄物28の超音波洗浄の効果を均等化し、超音波洗浄の機能の低下を防止する。また、振動吸収層200は、処理槽4と別部材である抑えプレート20が超音波振動を受けることによる不要振動の発生を防止している。
【0116】
図21のAは、抑えプレート20を固定アーム74側から見て示している。この抑えプレート20は、板状のプレート本体192と複数の固定アーム74を備えている。
【0117】
プレート本体192には複数の通水孔194が形成され、処理水30の通流が可能である。固定アーム74は同一長であって、先端部にたとえば、L字形の係止部196を備えている。各係止部196は処理槽4の上縁部に係止される。
【0118】
図21のBは、抑えプレート20が設置された処理槽4を示している。この例では、処理槽4にキャベツなどの体積の大きい被洗浄物28が装填され、この被洗浄物28の上に抑えプレート20が設置されている。比重の小さい被洗浄物28は処理水30の噴流や超音波振動を受けて上昇し、処理水30の上に浮き上がって洗浄むらを生じるおそれがある。このように抑えプレート20を設置すれば、被洗浄物28を処理水30内に強制的に維持することができ、浮き上がりや移動による洗浄むらを防止することができる。
【0119】
そして、図21のCは、固定アーム74の係止部196の断面を示している。固定アーム74には、地金部198の表面に合成樹脂やゴムなどの振動吸収材で形成された振動吸収層200が設置され、この振動吸収層200を以て処理槽4から固定アーム74側への振動伝達を抑制し、超音波振動に伴う抑えプレート20の処理槽4側からの振動が加わることが回避されている。振動吸収層200は、固定アーム74の少なくとも処理槽4と接触する部分に備えればよい。
【0120】
<抑えプレート20の効果>
このような抑えプレート20を用いれば、次の何れかの効果が得られる。
(1) 洗浄中、処理水30に浸漬すべき被洗浄物28の浮き上がりや移動などを抑制でき、被洗浄物28の洗浄むらを防止できる。
【0121】
(2) 抑えプレート20は、処理槽4に固定アーム74を以て係止するが、固定アーム74には振動吸収層200を備えているので、処理槽4から抑えプレート20側への振動伝達を抑制でき、被洗浄物28の抑え機能の低下を防止できる。
【0122】
(3) 超音波洗浄の洗浄効果を維持し、質の高い超音波洗浄を維持することができる。
【0123】
<超音波洗浄>
この洗浄装置2による被洗浄物28の超音波洗浄には、処理槽4に被洗浄物28を装填するための工程(装填工程)、処理槽4に処理水30を給水する工程(給水工程)、被洗浄物28を超音波洗浄する工程(洗浄工程)、洗浄後、処理水30を排水する工程(排水工程)などが含まれる。
【0124】
図22のAは、装填工程を示している。この例では、被洗浄物28は体積の小さいたとえば、苺である。このような被洗浄物28は、処理かご18に入れられて処理かご18とともに処理槽4に装填される。体積の大きい被洗浄物28には処理かご18を用いることなく、処理槽4に直に被洗浄物28を装填すればよい。
【0125】
図22のBは、給水工程を示している。給水接続口部48には上水管55が接続されており、この上水管55からたとえば、水道水からなる処理水30が供給されている。この状態で給水弁54を開くと給水が開始され、処理水30は噴流となって処理槽4に給水される。処理水30の給水は、被洗浄物28の全部が水没するレベルまたは溢水レベルLrefまで行えばよい。
【0126】
この例では、処理槽4に抑えプレート20が設置されているので、この抑えプレート20が水没する程度に処理水30を給水してよい。この処理水30が溢水レベルLrefを超えれば、その過剰分がオーバーフロー機構8を通して排水される。そして、処理水30の給水は給水弁54を閉状態にして停止させる。
【0127】
図23のAは、給水後の洗浄工程を示している。この洗浄工程では、処理水30の給水を停止し、各振動子6を同時に駆動し、処理槽4の槽底部から超音波を処理槽4内に付与する。処理槽4内の処理水30は超音波を受けて励振し、この処理水30を媒介として被洗浄物28に超音波振動が加えられる。処理水30の水面には超音波による波紋が生じる。この超音波を受ける被洗浄物28から汚れなどが離脱し、処理水30を懸濁させる。この超音波の付与を所定時間継続すれば、超音波洗浄によって被洗浄物28が清浄化される。
【0128】
この洗浄工程において、既述の給水工程で述べた処理水30の供給、つまり噴流を併用すれば、処理水30の噴流によって超音波洗浄と相俟ってより高い洗浄効果が期待でき、超音波洗浄の迅速化が可能である。
【0129】
図23のBは、超音波洗浄後の排水工程を示している。この排水工程では、超音波の付与を停止した後、排水弁64を開状態にし、処理槽4から洗浄後の処理水30を排水させる。処理水30に含まれる固形物などの夾雑物が排水フィルタ118で分離され、排水フィルタ118を通過した処理水30や被洗浄物28から分離した汚れのみが排水管60に流れ、ドレン管65を通して排水系統に放出される。
【0130】
排水後、洗浄を終了した被洗浄物28は、この場合、処理かご18を以て処理槽4から取り出される。
【0131】
<超音波洗浄の効果>
この超音波洗浄によれば、次の何れかの効果が得られる。
(1) 処理水30の給水を迅速化でき、超音波洗浄に至る準備工程の時間の短縮化を図ることができる。
【0132】
(2) 超音波洗浄中、処理水30の噴流を併用することで、超音波洗浄の洗浄効果を高め、洗浄中の被洗浄物28から汚れを処理水30中に容易にかつ迅速に離脱させることができる。
【0133】
(3) 洗浄後、処理水30の排水を迅速化でき、洗浄後の被洗浄物28の取出しや後処理の短縮化を図ることができる。
【0134】
(4) 洗浄時間の短縮化により、鮮度が求められる被洗浄物28の鮮度低下を抑制することができる。
【0135】
<処理槽4の清掃処理>
この洗浄装置2は種々の被洗浄物28の超音波洗浄に用いられ、処理槽4が被洗浄物28によっての汚れが生じ、この汚れを洗浄することが必要である。斯かる課題に対し、この洗浄装置2では、洗浄装置2が持つ給水機能、超音波洗浄機能および排水機能を利用して清掃し、処理槽4を清浄化する。
【0136】
図24は、処理槽4の清掃工程を示している。処理槽4には超音波洗浄で用いる処理水30の他、中性洗剤などの清掃水を用いて溢水レベルLrefまで給水する。この給水後、またはその給水中、排水弁64を閉じた状態で振動子6を動作させ、この状態を所定時間継続すれば、処理水30または清掃水を以て処理槽4の内壁を清掃し、清浄化することができる。
【0137】
<処理槽4の清掃処理の効果>
この清掃処理によれば、次の何れかの効果が得られる。
(1) 洗浄装置2が持つ超音波洗浄機能を用いて処理槽4を洗浄し、清浄化することができる。
【0138】
(2) 処理槽4の清浄化を行えば、処理槽4の汚れによる被洗浄物28への影響を回避でき、優れた超音波洗浄の効果をより高めることができる。
【0139】
<一実施の形態の効果>
以上述べたように一実施の形態によれば、次の何れかの効果が得られる。
(1) この洗浄装置2によれば、洗浄効果の高い超音波洗浄の利便性を高め、既述のオーバーフロー機構8、給水機構10、排水機構12、防水固定機構14、セパレータ16、処理かご18、抑えプレート20の何れかを備え、または組み合わせることにより民生機器として使い勝手のよい超音波洗浄装置を実現することができる。
【0140】
(2) この洗浄装置2は装置筐体26から処理槽4を分解することなく超音波洗浄によって清掃できるので、処理槽4の清浄化を図り、被洗浄物28の洗浄による影響を受けることなく各被洗浄物28の洗浄効果を高めることができる。
【0141】
〔他の実施の形態〕
本開示には以下の実施の形態が含まれる。
(1) 既述の実施の形態に記載した洗浄装置2は、処理槽4、振動子6、オーバーフロー機構8、給水機構10、排水機構12、防水固定機構14、セパレータ16、処理かご18、抑えプレート20などの全てを備えているが、本開示はこれに限定されない。すなわち、処理槽4、振動子6、オーバーフロー機構8、給水機構10、排水機構12、防水固定機構14、セパレータ16、処理かご18、抑えプレート20は独立した機能を備えているから、本開示はこれらの何れかまたは二以上を含む洗浄装置2であればよく、これらの組み合わせは任意であって、その組み合わせによって本開示の範囲が限定されるものではない。
【0142】
(2) 上記実施の形態ではスタンドアロンタイプの超音波洗浄装置2を例示したが、この超音波洗浄装置2をシステムキッチンなどの厨房設備内に内蔵させるビルトインタイプに構成してもよい。
【0143】
(3) 被洗浄物28には果実や生鮮食料品を例示しているが、これに限定されない。超音波洗浄による洗浄機能が期待できる全ての被洗浄物が被洗浄物28となる。
【0144】
以上説明したように、本開示の最も好ましい実施形態等について説明した。本開示は、上記記載に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載され、または発明を実施するための形態に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能である。斯かる変形や変更が、本開示の範囲に含まれることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0145】
本開示によれば、洗浄効果の高い超音波洗浄の利便性を高め、民生機器として使い勝手のよい超音波洗浄装置を実現でき、利便性の高い超音波洗浄装置を実現することができる。
【符号の説明】
【0146】
2 洗浄装置
4 処理槽
6 超音波振動子
8 オーバーフロー機構
10 給水機構
12 排水機構
14 防水固定機構
16 セパレータ
18 処理かご
20 抑えプレート
22 操作パネル
24 制御基板
26 装置筐体
28 被洗浄物
30 処理水
32 外底部
34 溢水捕捉部
36 排水管
38 溢水口
40 溢水フィルタ
42 ろ過孔
44 給水部
46 給水管
48 給水接続口部
50 空気抜き弁
52 定流量弁
54 給水弁
55 上水管
56 排水部
60 排水管
62 排水接続口部
64 排水弁
65 ドレン管
66 防水部
68 固定機構部
70、72 脚部
74 固定アーム
76 開口部
77 操作筐体
78 電源スイッチ
80 支持枠
82 固定ねじ
84 フランジ部
86 止水パッキン
88 切欠き部
90 排水口
92 排水管連結部
94 給水ノズル
96 給水連結部
98 ノズルヘッド
100 給水管結合部
102、104 ノズル口
106 処理槽固定部
108 給水管装着部
110 貫通口
112、114 フランジ部
116 Oリング
118 排水フィルタ
120 排水連結部
122 フィルタヘッド
124 排水ガイド部
126、128 ろ過孔
130 処理槽固定部
132 排水管装着部
134 貫通口
136、138 フランジ部
140 Oリング
142 ろ過孔
144 フランジ部
146 止水パッキン
148 吊りボルト
150 固定力調整部
152 止水パッキン挿入部
154 処理槽装着口
156 ボルト
158 ワッシャ
160 フランジナット
162 溶接部
164 ねじ孔
166 ねじ部
168 貫通孔
170 槽本体
172 断熱層
174 セパレータ本体
178 通水孔
180 洗浄空間
182 かご本体
184 把手
186 ヒンジ
188 水切り部
190 通水孔
192 プレート本体
194 通水孔
196 係止部
198 地金部
200 振動吸収層

【要約】      (修正有)
【課題】洗浄効果の高い超音波洗浄の利便性を高め、民生機器として使い勝手のよい超音波洗浄装置を実現する。
【解決手段】洗浄装置は、装置筐体26、処理水30、被洗浄物28が収容される処理槽4、処理水を供給して循環流を生じさせる給水機構10と、処理水を排水する排水機構12、超音波振動を処理槽に付与する超音波振動子6を含む。給水機構は、処理水供給管46に処理水を流す給水弁54、処理槽の槽底部で給水ノズルから処理水の噴流を生じさせて槽底部から処理水を給水する給水部44を含む、排水機構は、処理水をろ過する複数のろ過孔42を備えた排水フィルタ、排水フィルタを通過した処理水を排水する排水部56、処理水を排水する排水管60、処理水を処理槽から排水させる排水弁64を含む。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24