IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 住友精化株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-フレキシブルコンテナ 図1
  • 特許-フレキシブルコンテナ 図2
  • 特許-フレキシブルコンテナ 図3
  • 特許-フレキシブルコンテナ 図4
  • 特許-フレキシブルコンテナ 図5
  • 特許-フレキシブルコンテナ 図6
  • 特許-フレキシブルコンテナ 図7
  • 特許-フレキシブルコンテナ 図8
  • 特許-フレキシブルコンテナ 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-10
(45)【発行日】2023-08-21
(54)【発明の名称】フレキシブルコンテナ
(51)【国際特許分類】
   B65D 88/22 20060101AFI20230814BHJP
【FI】
B65D88/22 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019551217
(86)(22)【出願日】2018-10-25
(86)【国際出願番号】 JP2018039582
(87)【国際公開番号】W WO2019087908
(87)【国際公開日】2019-05-09
【審査請求日】2021-09-16
(31)【優先権主張番号】P 2017211677
(32)【優先日】2017-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000195661
【氏名又は名称】住友精化株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【弁理士】
【氏名又は名称】立花 顕治
(74)【代理人】
【識別番号】100179213
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 未知子
(72)【発明者】
【氏名】白石 宣政
(72)【発明者】
【氏名】竹本 和司
(72)【発明者】
【氏名】松尾 知浩
【審査官】二ッ谷 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-337939(JP,A)
【文献】登録実用新案第3212140(JP,U)
【文献】特開平11-189289(JP,A)
【文献】実開昭57-202987(JP,U)
【文献】特開2016-8056(JP,A)
【文献】登録実用新案第3179161(JP,U)
【文献】特開2005-22736(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第0865999(EP,A1)
【文献】欧州特許出願公開第0983948(EP,A1)
【文献】特開2002-128186(JP,A)
【文献】国際公開第2016/158689(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/157999(WO,A1)
【文献】実公昭39-11396(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 88/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を収容するためのフレキシブルコンテナであって、
下部開口が形成されている底面部及び上部開口が形成されている上面部を有する外袋と、
前記外袋内に収容され、内部に前記内容物が充填される筒状の内袋であって、前記内容物を排出するための排出路及び前記内容物を充填するための投入路を形成しており、前記下部開口を介して前記底面部の下方へ延出する排出口部及び前記上部開口を介して前記上面部の上方へ延出する充填口部を有する内袋と、
前記排出路を閉じるように前記排出口部を縛る第1結束具と、
前記投入路を閉じるように前記充填口部を縛る第2結束具と、
前記第2結束具に固定されており、前記フレキシブルコンテナを上方から吊り下げる吊り具に引っ掛けることができる被引っ掛け具と、
前記排出口部を覆うように前記底面部の外側に取り付けられる蓋と
を備え、
前記外袋は、前記排出口部を囲む排出口カバーをさらに有し、
前記排出口カバーは、前記下部開口から前記底面部の下方へ延出するように、前記底面部に固定されており、
前記第1結束具は、前記排出口カバーに固定されており、
前記排出口部は、前記排出路を閉じるように絞られ、
前記第1結束具は、前記排出口部が絞られた状態を保つように前記排出口部を前記排出口カバーとともに縛り、
前記蓋は、前記第1結束具で縛られた前記排出口部及び前記排出口カバーを覆うように、前記底面部の外側に取り付けられる、
フレキシブルコンテナ。
【請求項2】
前記排出口部は、前記排出路を閉じるように絞られた後、前記排出口カバーとともに一方に折り返され、或いは、前記排出路を閉じるように前記排出口カバーとともに一方に折り返された後、絞られ、
前記第1結束具は、前記排出口部及び前記排出口カバーが一方に折り返されかつ絞られた状態を保つように前記排出口部及び前記排出口カバーを縛り、
前記蓋は、前記第1結束具で縛られた後、折り畳まれた前記排出口部及び前記排出口カバーを覆うように、前記底面部の外側に取り付けられる、
請求項1に記載のフレキシブルコンテナ。
【請求項3】
前記底面部から前記蓋を取り外すと、前記底面部から前記第1結束具に縛られた状態の前記排出口部及び前記排出口カバーが垂れ下がるように構成されている、
請求項1又は2に記載のフレキシブルコンテナ。
【請求項4】
前記蓋は、前記底面部に面ファスナーにより取り付けられるように構成されている、
請求項1から3のいずれかに記載のフレキシブルコンテナ。
【請求項5】
前記第1結束具は、面ファスナー付きの紐状の部材である、
請求項1から4のいずれかに記載のフレキシブルコンテナ。
【請求項6】
前記外袋は、前記充填口部を囲む充填口カバーをさらに有し、
前記充填口カバーは、前記上部開口から前記上面部の上方へ延出するように、前記上面部に固定されており、
前記第2結束具は、前記充填口カバーに固定されている、
請求項1から5のいずれかに記載のフレキシブルコンテナ。
【請求項7】
前記内容物は、吸水性樹脂粒子である、
請求項1からのいずれかに記載のフレキシブルコンテナ。
【請求項8】
内容物を収容するためのフレキシブルコンテナであって、
下部開口が形成されている底面部を有する外袋と、
前記外袋内に収容され、内部に前記内容物が充填される筒状の内袋であって、前記内容物を排出するための排出路を形成しており、前記下部開口を介して前記底面部の下方へ延出する排出口部を有する内袋と、
前記排出路を閉じるように前記排出口部を縛る第1結束具と、
前記排出口部を覆うように前記底面部の外側に取り付けられる蓋と
を備え、
前記排出口部は、前記排出路を閉じるように絞られ、
前記第1結束具は、前記排出口部が絞られた状態を保つように前記排出口部を縛り、
前記蓋は、前記第1結束具で縛られた前記排出口部を覆うように、前記底面部の外側に取り付けられる、
フレキシブルコンテナ(ただし、合成繊維の織布からなる円柱形ないし角柱形のバッグ体に、複数本の支柱と、前記支柱の上下端部を固定する上枠及び下枠とからなる組立・分解が可能な骨組を組み込んで一体化したことを特徴とする物流容器の構造体を除く)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブルコンテナ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
粉粒体や穀物、野菜等の各種内容物を貯蔵し輸送するために、しばしばフレキシブルコンテナが用いられる。フレキシブルコンテナには様々なタイプのものが存在するが、その1つに、上部に内容物の充填口が形成され、下部にその排出口が形成されるタイプのものがある(特許文献1~3参照)。この種のフレキシブルコンテナは開封時に吊り下げられ、下部の排出口から内容物が取り出される。
【0003】
特許文献1~3のフレキシブルコンテナは二重構造であり、内容物が充填される内袋と、内袋が収容される外袋とを備える。外袋の底面部には下部開口が形成されており、この下部開口は、開封時以外、底面部において下部開口を規定する縁に連続する花冠状の蓋に覆われている。なお、花冠状の蓋は、特許文献1では「下側外蓋」(16)と呼ばれ、特許文献2では「蓋押さえ片」(16a~16d)と呼ばれ、特許文献3では「菊割部」(18)と呼ばれている。花冠状の蓋は、複数の花弁に対応する部位からなり、これらの部位の中央に通された紐を縛ることにより、これらの部位が底面部と同じ平面内において花冠を形成するかのように放射状に配置され、これにより下部開口が閉じられる。一方、開封時には、この紐の縛りを解くことで、花弁に対応する部位が下方に垂れ下がり、下部開口が開く。そして、この下部開口から引っ張り出される内袋の下部に対応する排出口部を介して、内容物が取り出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実用新案登録第3191096号
【文献】特開2004-26202号公報
【文献】特開2016-33022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上のようなフレキシブルコンテナでは、例えば、開封時に花冠状の蓋を固定している紐を解いて蓋を開け、内袋の排出口部を引っ張り出し、排出口部の先端のヒートシールされている部分を切断し、排出口部を縛っている紐を解くという作業が必要となる。しかしながら、下部開口は外袋の底面部に形成されているため、このような開封作業はフレキシブルコンテナの側方に立つ作業者にとって必ずしも容易ではない。また、内容物入りのフレキシブルコンテナは重量が重く、傾けにくいことが多いため、このような場合には特に開封作業が難しくなる。
【0006】
本発明は、開封の容易なフレキシブルコンテナ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1観点に係るフレキシブルコンテナは、内容物を収容するためのフレキシブルコンテナであって、外袋と、内袋と、第1結束具と、蓋とを備える。外袋は、下部開口が形成されている底面部を有する。内袋は、外袋内に収容され、内部に内容物が充填される筒状の内袋であって、排出口部を有する。排出口部は、内容物を排出するための排出路を形成しており、下部開口を介して底面部の下方へ延出する。第1結束具は、排出路を閉じるように排出口部を縛る。蓋は、排出口部を覆うように底面部の外側に取り付けられる。排出口部は、排出路を閉じるように絞られる。第1結束具は、排出口部が絞られた状態を保つように排出口部を縛る。蓋は、第1結束具で縛られた排出口部を覆うように、底面部の外側に取り付けられる。
【0008】
第2観点に係るフレキシブルコンテナは、第1観点に係るフレキシブルコンテナであって、前記排出口部は、前記排出路を閉じるように絞られた後、一方に折り返され、或いは、前記排出路を閉じるように一方に折り返された後、絞られる。前記第1結束具は、前記排出口部が一方に折り返されかつ絞られた状態を保つように前記排出口部を縛る。前記蓋は、前記第1結束具で縛られた後、折り畳まれた前記排出口部を覆うように、前記底面部の外側に取り付けられる。
【0009】
第3観点に係るフレキシブルコンテナは、第1観点又は第2観点に係るフレキシブルコンテナであって、底面部から蓋を取り外すと、底面部から第1結束具に縛られた状態の排出口部が垂れ下がるように構成されている。
【0010】
第4観点に係るフレキシブルコンテナは、第1観点から第3観点のいずれかに係るフレキシブルコンテナであって、蓋は、底面部に面ファスナーにより取り付けられるように構成されている。
【0011】
第5観点に係るフレキシブルコンテナは、第1観点から第4観点のいずれかに係るフレキシブルコンテナであって、第1結束具は、面ファスナー付きの紐状の部材である。
【0012】
第6観点に係るフレキシブルコンテナは、第1観点から第5観点のいずれかに係るフレキシブルコンテナであって、外袋は、排出口部を囲む排出口カバーをさらに有する。排出口カバーは、下部開口から底面部の下方へ延出するように、底面部に固定されている。第1結束具は、排出口カバーに固定されている。
【0013】
第7観点に係るフレキシブルコンテナは、第1観点から第6観点のいずれかに係るフレキシブルコンテナであって、外袋は、上部開口が形成されている上面部をさらに有する。内袋は、内容物を充填するための投入路を形成しており、上部開口を介して上面部の上方へ延出する充填口部をさらに有する。
【0014】
第8観点に係るフレキシブルコンテナは、第7観点に係るフレキシブルコンテナであって、投入路を閉じるように充填口部を縛る第2結束具をさらに備える。
【0015】
第9観点に係るフレキシブルコンテナは、第8観点に係るフレキシブルコンテナであって、外袋は、充填口部を囲む充填口カバーをさらに有する。充填口カバーは、上部開口から上面部の上方へ延出するように、上面部に固定されている。第2結束具は、充填口カバーに固定されている。
【0016】
第10観点に係るフレキシブルコンテナは、第8観点又は第9観点に係るフレキシブルコンテナであって、第2結束具又は前記外袋の上部の中央付近の部位に固定されており、フレキシブルコンテナを上方から吊り下げる吊り具に引っ掛けることができる被引っ掛け具をさらに備える。
【0017】
第11観点に係るフレキシブルコンテナは、第1観点から第10観点のいずれかに係るフレキシブルコンテナであって、内容物は、吸水性樹脂粒子である。
【0018】
第12観点に係る製造方法は、内容物を収容するためのフレキシブルコンテナの製造方法であって、以下のステップを含む。
・下部開口が形成されている底面部を有する外袋を用意するステップ
・内部に内容物が充填される筒状の内袋であって、内容物を排出するための排出路を形成する排出口部を有する内袋を用意するステップ
・排出口部が下部開口を介して底面部の下方へ延出するように、外袋内に内袋を収容するステップ
・排出路を閉じるように排出口部を絞るステップ
・第1結束具により、排出口部が絞られた状態を保つように排出口部を縛るステップ
・第1結束具で縛られた排出口部を覆うように、底面部の外側に蓋を取り付けるステップ
【0019】
第13観点に係る製造方法は、第12観点に係る製造方法であって、外袋は、上部開口が形成されている上面部をさらに有する。内袋は、内容物を充填するための投入路を形成する充填口部を有する。外袋内に内袋を収容するステップは、充填口部が上部開口を介して上面部の上方へ延出するように、外袋内に内袋を収容するステップを含む。
【0020】
第14観点に係る製造方法は、内容物入りのフレキシブルコンテナの製造方法であって、以下のステップを含む。
・第13観点に係る製造方法を用いて、フレキシブルコンテナを製造するステップ
・フレキシブルコンテナの投入路を介して、内袋内に内容物を充填するステップ
・内容物の充填後、投入路を閉じるステップ
【0021】
第15観点に係る開封方法は、内容物入りのフレキシブルコンテナの開封方法であって、以下のステップを含む。
・第14観点に係る製造方法を用いて、内容物入りフレキシブルコンテナを製造するステップ
・内容物入りフレキシブルコンテナを吊り下げるステップ
・底面部から第1結束具に縛られた状態の排出口部が垂れ下がるように、前記底面部から前記蓋を取り外すステップ
・垂れ下がった排出口部から第1結束具を解くことにより、排出路を開くステップ
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、外袋の底面部から延出する内袋の排出口部が、底面部の外側に取り付けられる蓋により覆われる。従って、フレキシブルコンテナの開封時、作業者がフレキシブルコンテナの側方からその下方に手を伸ばして蓋を取り外すことが容易となる。また、作業者は同じく側方から手を伸ばして、内袋の排出口部からこれを縛っている第1結束具を解き、排出口部を開くことができる。従って、作業者がフレキシブルコンテナの下方に立って排出口部の開封作業を行う必要は必ずしもなく、側方からであっても開封が可能である。よって、フレキシブルコンテナの開封が容易になる。
【0023】
また、以上の第2観点によれば、開封時以外は、内袋の排出口部は一方に折り返された後、絞られ(或いは、絞られた後、折り返され)、その状態を保つように第1結束具により縛られ、さらに縛られた状態の排出口部が折り畳まれて、蓋に覆われる。内袋の排出口部は、内袋および外袋の最下端部の近傍に位置し、フレキシブルコンテナを吊り下げて搬送する際、左右に大きく動き易く(即ち、ばたつき易く)、蓋と干渉し易い部分である。排出口部と蓋が過度に干渉すると、意図せず蓋が開いてしまう虞がある。しかしながら、以上の第2観点によれば、開封時以外は、排出口部は折り返された状態で第1結束具により縛られているため、排出口部の最下端となる位置がやや高くなり、蓋と干渉し難くなる。従って、搬送時において、蓋に覆われている排出口部がばたついたとしても、意図せず蓋が開いてしまうことが防止される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施形態に係るフレキシブルコンテナが展開された様子を示す側面図。
図2】排出ポートを折り返し、結束具で固定した様子を示す図。
図3】蓋を取り付けた状態のフレキシブルコンテナの底面図。
図4】蓋を半分程度取り外した状態のフレキシブルコンテナの底面図。
図5】花冠状の蓋を閉じた状態の外袋の平面図。
図6】フレキシブルコンテナを吊り具により上方から吊り下げた様子を示す部分断面図。
図7】充填ポートの被引っ掛け具を吊り具に引っ掛けることなく、フレキシブルコンテナを吊り具により上方から吊り下げた様子を示す部分断面図。
図8】変形例に係る結束具を示す図。
図9】変形例に係る排出ポートの結束の方法を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係るフレキシブルコンテナについて説明する。
【0026】
<1.フレキシブルコンテナの全体構成>
図1に、本実施形態に係るフレキシブルコンテナ(以下、単にコンテナということがある)1の側面図を示す(ただし、後述する蓋5は省略されている)。フレキシブルコンテナ1は、内容物を収容するためのコンテナであり、内容物を貯蔵し輸送するために用いられる。フレキシブルコンテナ1は、その名のとおり柔軟な素材から構成されている。そのため、コンテナ1は、内容物が充填されている状態では立体的に広がるが、空の状態では平面状に折り畳むことができる。フレキシブルコンテナ1の上部及び下部は後述する所定の方法で折り畳まれ、形状が整えられるが、図1では、コンテナ1の上部及び下部を展開した状態が示されている。コンテナ1に充填される内容物の種類は特に限定されず、典型的には粉粒体や穀物、野菜等であり、本実施形態では、吸水性樹脂粒子(ペレット)である。
【0027】
フレキシブルコンテナ1は2重構造であり、外袋2と、外袋2内に収容される内袋3とを備える(図6参照)。内容物は、内袋3の内部に充填される。外袋2の本体部20は、上面部21と底面部22と側面部23とを有する。本実施形態では、上面部21及び底面部22は、正方形状である。すなわち、外袋2の本体部20は、略直方体形状であり、側面部23は、矩形状の4つの側面部を含む。側面部23には、ラベル等を挿入するポケット23aが取り付けられている。上面部21の中央には、開口(以下、上部開口という)21aが形成されている。同様に、底面部22の中央には、開口(以下、下部開口という)22aが形成されている。開口21a,22aは、本実施形態ではともに円形である。なお、本来であれば、図1の側面図には開口21a,22aは現れないが、参考のため、その位置が影により示されている。本体部20、上面部21、底面部22及び開口21a,22aは同軸に配置されており、以下、これらに共通する中心軸を符号A1で表す。
【0028】
内袋3は、筒状である。内袋3の上部は、上部開口21aを介して上面部21の上方へ延出しており、内容物の充填口部31を形成している。また、内袋3の下部は、下部開口22aを介して底面部22の下方へ延出しており、内容物の排出口部32を形成している。内容物は、充填口部31を介して内袋3内に充填され、排出口部32を介して内袋3内から排出される。すなわち、充填口部31は、内容物を内袋3内に充填するための投入路R1を形成しており、排出口部32は、内容物を内袋3内から排出するための排出路R2を形成している。
【0029】
外袋2は、上部開口21aから上面部21の上方へ延出する筒状の充填口カバー25を有するとともに、下部開口22aから下方へ延出する筒状の排出口カバー26をさらに有する。充填口カバー25は、上部開口21aを介して上面部21から突出する内袋3の充填口部31を外側から覆うカバーであり、排出口カバー26は、下部開口22aを介して底面部22から突出する内袋3の排出口部32を外側から覆うカバーである。充填口カバー25は、縫い付け等の態様で上面部21に固定されており、上部開口21aを規定する縁付近から起立するように配置される。充填口カバー25の断面形状は、上部開口21aと略同サイズの円形状である。同様に、排出口カバー26は、縫い付け等の態様で底面部22に固定されており、下部開口22aを規定する縁付近から起立するように配置される。排出口カバー26の断面形状は、下部開口22aと略同サイズの円形状である。
【0030】
外袋2の本体部20は、充填口カバー25及び排出口カバー26よりも径が大きい。また、内袋3は、中心軸A1の方向に径が一定であり、その径は、充填口カバー25及び排出口カバー26の径よりも大きい。そのため、内袋3の上部(充填口部31)は、外袋2内に収容されたときに皺が形成され、径が絞られる。同様に、内袋3の下部(排出口部32)も、外袋2内に収容されたとき皺が形成され、径が絞られる。以上のとおり、充填口部31は、充填口カバー25とともに充填口を形成するため、以下では、充填口部31及び充填口カバー25を合わせて充填ポートP1と呼ぶことがある。同様に、排出口部32は、排出口カバー26とともに排出口を形成するため、以下では、排出口部32及び排出口カバー26を合わせて排出ポートP2と呼ぶことがある。
【0031】
<1-1.排出ポート近傍の構成>
次に、排出ポートP2近傍の構成について説明する。排出ポートP2は、排出路R2を閉じるように結束具40(第1結束具)により縛られる。本実施形態では、結束具40は、図1に示すとおり排出口カバー26の外面に固定されている。結束具40は、面ファスナー42,43付きの紐状の部材(以下、紐という)41である。紐41は、排出ポートP2を縛っていない状態では水平方向に延びるように、排出口カバー26の上下方向の中央付近に縫い付け等の態様で取り付けられている。面ファスナー42,43は、互いに固着し合う構造であり、紐41の長手方向に沿って間隔を空けて配置されている。なお、図1及び図2には、本来であれば紐41の反対側に配置されているため見えない面ファスナー43の位置が参考として示されている。
【0032】
排出路R2を閉じる場合には、まず、排出口部32をこれを覆っている排出口カバー26とともに、排出路R2を閉じるように絞る。その後、図2に示すように、排出口部32を排出口カバー26とともに一方に折り返し、この折り返された状態を保つように、結束具40で排出ポートP2を縛る。図2は、排出ポートP2を折り返し、結束具40で固定した様子を示す図である。このとき、排出ポートP2はその下端が上を向くように折り曲げられ、これにより互いに向かい合う部位に紐41が巻き付けられる。そして、紐41に固定されている面ファスナー42,43により、紐41の巻き付け状態が固定される。
【0033】
図3及び図4は、フレキシブルコンテナ1の底面図である。同図に示すように、フレキシブルコンテナ1は、下部開口22aを開閉するために底面部22に対し着脱自在に取り付けられる蓋5を備える。蓋5は、下部開口22aを閉じるときに底面部22の外側に取り付けられる。蓋5は、シート状であり、本実施形態では矩形状である。蓋5において底面部22と対向する内面5aには、外周部に沿って概ね等間隔に面ファスナー51が縫い付け等の態様で固定されている。一方、底面部22において面ファスナー51と対向する部位には、面ファスナー52が縫い付け等の態様で固定されている。そして、これらの面ファスナー51,52が互いに固着することにより、蓋5が底面部22に取り付けられる。なお、図3及び図4には、蓋5の内面に取り付けられており、外側から見えない面ファスナー51の位置が参考として示されている。
【0034】
蓋5が底面部22に取り付けられたとき、排出ポートP2は外部から視認できないようにその全体が蓋5に覆われる。より具体的には、排出ポートP2は結束具40で縛られた後、折り畳まれ、この折り畳まれた排出ポートP2を覆うように、蓋5が底面部22に取り付けられる。このとき、排出ポートP2は、蓋5と底面部22との間に挟まれて収容される。図4は、蓋5を半分程度取り外した状態のフレキシブルコンテナ1の底面図である。図4に示すように、底面部22から蓋5を取り外すと、底面部22から結束具40に縛られた状態の排出ポートP2が露出する。このとき、排出ポートP2は重力により垂れ下がり、側方から視て図2の状態となる。
【0035】
<1-2.充填ポート近傍の構成>
次に、充填ポートP1近傍の構造について説明する。充填ポートP1は、投入路R1を閉じるように結束具45(第2結束具)により縛られる。本実施形態では、結束具45は、図1に示すとおり充填口カバー25の外面に固定されている。結束具45は、紐状の部材である。結束具45は、充填ポートP1を縛っていない状態では水平方向に延びるように、充填口カバー25の上下方向の中央付近に縫い付け等の態様で取り付けられている。
【0036】
投入路R1を閉じる場合には、まず、充填口部31をこれを覆っている充填口カバー25とともに、投入路R1を閉じるように絞る。その後、この絞られた状態を保つように、充填ポートP1に結束具45が巻き付けられる。このとき、結束具45は、例えば、蝶々結び等の方法で結ばれる。より具体的には、充填口カバー25と充填口部31とを一緒に一重結びで結び、その後、充填口部31の先端が下を向くように、充填口カバー25から突出した充填口部31を一方に折り返し、充填口部31のこの折り返した部分と充填口カバー25とを蝶々結びで結ぶ構成としてもよい。
【0037】
外袋2は、上部開口21aを開閉するための花冠状の蓋(以下、花冠蓋という)24を有する。図5は、花冠蓋24を閉じた状態の外袋2の平面図である。花冠蓋24は、複数の花弁状の部位(以下、花弁部という)24aを含む。これらの花弁部24aは、花冠蓋24の閉状態で中心軸A1周りに放射状に配列され、上部開口21aをその中央部を除いて覆う。花弁部24aは、互いに同じ形状を有し、各々略台形状であるが、底辺が上部開口21aの輪郭に対応する円弧状である。すなわち、花弁部24aの底辺は、上面部21において上部開口21aを規定する縁に連続している。
【0038】
花弁部24aの内側の端部付近には、中心軸A1に対して周方向に延びる紐通し通路が形成されており、これらの通路に一本の紐24bが挿通されている。紐通し通路に挿通されていない紐24bの両端部は、スライダー24cにより纏められている。そして、このスライダー24cが2本の紐24bの束に沿って移動することにより、花冠蓋24が開閉される。具体的には、紐24bにより形成されるループが小さくなるようにスライダー24cを移動させると、すなわち紐24bを縛ると、花弁部24aが上面部21と同一平面内に広がるように倒れ、図5に示される閉状態となる。一方、紐24bにより形成されるループが大きくなるようにスライダー24cを移動させると、すなわち紐24bを緩めると、図1のように、花弁部24aを上下方向に真っ直ぐ起立させることができる。
【0039】
図1に示すように、充填口カバー25は、花冠蓋24の内側に配置される。すなわち、花冠蓋24は、外側から充填口カバー25を囲むように上面部21に固定されている。また、充填口カバー25の外側であって、花冠蓋24の内側には、内蓋4が配置される。内蓋4も、外側から花冠蓋24に囲まれる。結束具45により縛られた充填ポートP1は、適宜折り畳まれ、花冠蓋24の内側に収容され、その後、花冠蓋24が閉じられる。このとき、内蓋4は、花冠蓋24の内側において充填ポートP1を上側から覆う。なお、花冠蓋24は、図5に示すように完全に閉じられる必要はない。すなわち、充填ポートP1を部分的に、花冠蓋24の中央部に形成される開口24dから突出させてもよい。
【0040】
コンテナ1は、結束具45に固定されている被引っ掛け具48をさらに備える。本実施形態では、被引っ掛け具48は、ループ状に形成された紐から構成されている。被引っ掛け具48は、フレキシブルコンテナ1を上方から吊り下げる吊り具7に引っ掛けるための部材である。図6は、吊り具7に被引っ掛け具48を引っ掛けることより、フレキシブルコンテナ1を上方から吊り下げたときの様子を示している。被引っ掛け具48は、充填ポートP1を花冠蓋24内に収容したときに、花冠蓋24の中央部の開口24dから外部に引っ張り出され、吊り具7に引っ掛けられる。なお、吊り具7は、典型的には、フックである。
【0041】
また、図6に示すように、吊り具7には、被引っ掛け具48に加え、外袋2に固定されている複数の被引っ掛け具35bも引っ掛けられる。被引っ掛け具35bは、外袋2の四隅に配置される細長い紐状の部材(以下、枠紐という)35の上部に対応する。より具体的には、4本の枠紐35の中部35aが、外袋2の4面の側面部23の境界に沿って上下方向に延びるように、側面部23に縫い付け等の態様で固定される。枠紐35の上部は、ループ状を維持するように形成され、これが被引っ掛け具35bとなる。一方、図3及び図4に示すように、4本の枠紐35の下部35cは底面部22に沿って折り曲げられ、底面部22の中央に向かって延び、全体として放射状に配置される。下部35cは、底面部22に縫い付け等の態様で固定される。下部35cの最も内側の端部は、下部開口22a及び蓋5に達していない。また、下部35cの最も内側の端部もループ状に形成されており、これらのループの穴に紐36が挿通される。紐36は、内袋3内に内容物が充填され、外袋2の本体部20が概ね直方体形状となるとき、枠紐35の下部35cにより底面部22の四隅に向かって引っ張られる。この張力により、紐36が概ね正方形状に広がり、これにより内容物入りのコンテナ1の底面部22が平面状に維持される。
【0042】
<2.フレキシブルコンテナの使用方法>
次に、上述したフレキシブルコンテナ1の使用方法について説明する。以下では、空のフレキシブルコンテナ1を準備する方法(フレキシブルコンテナ1の製造方法)、空のフレキシブルコンテナ1に内容物を充填する方法(内容物入りのフレキシブルコンテナ1の製造方法)、及びフレキシブルコンテナ1の開封方法について順に説明する。
【0043】
<2-1.空のフレキシブルコンテナの製造方法>
まず、外袋2及び内袋3を用意し、内袋3を外袋2内に収容する。そして、内袋3の上部の充填口部31を、外袋2の上面部21の上部開口21a及び充填口カバー25に挿入し、充填口カバー25の上端からやや露出するように引き出す。これにより、上部開口21aを介して上面部21の上方へ突出した充填口部31と、充填口カバー25とにより、充填ポートP1が形成される。同様に、内袋3の下部の排出口部32を、外袋2の底面部22の下部開口22a及び排出口カバー26に挿入し、排出口カバー26の下端からやや露出するように引き出す。これにより、下部開口22aを介して底面部22の下方へ突出した排出口部32と、排出口カバー26とにより、排出ポートP2が形成される。
【0044】
続いて、排出ポートP2を閉じる。具体的には、排出口部32の内側に形成される排出路R2を閉じるように排出ポートP2を絞った後、細長くなった排出ポートP2を一方に折り返す。そして、折り返された排出ポートP2を外側から囲むように、これに結束具40を強く巻き付けた後、面ファスナー42,43で巻き付け状態をロックする。続いて、排出ポートP2をさらに折り畳み、折り畳まれた排出ポートP2を覆うように底面部22に蓋5を取り付ける。このとき、底面部22の面ファスナー52と、蓋5の面ファスナー51とを位置合わせして、底面部22の外面に蓋5を張り付ける。これにより、下部開口22aが閉じられ、排出ポートP2が蓋5の内側に収容される。以上により、フレキシブルコンテナ1の下面が形成され、充填ポートP1から内容物を充填可能なフレキシブルコンテナ1が製造される。
【0045】
<2-2.内容物入りのフレキシブルコンテナの製造方法>
次に、上記のようにして準備された空のフレキシブルコンテナ1に内容物を充填する方法について説明する。まず、空のコンテナ1を、内容物を供給するホッパー等の装置(以下、供給装置という)の下方に、上面部21が上を向くような態勢で配置する。次に、外袋2の四隅の被引っ掛け具35bを供給装置のフック等の吊り具に引っ掛け、フレキシブルコンテナ1を上方から吊り下げる。そして、スライダー24cを緩め花冠蓋24を開くとともに、内蓋4も開き、さらに充填ポートP1をできる限り大きく筒状に開く。これにより、投入路R1が上方に向かって、すなわち、供給装置において内容物を排出する排出口に向かって大きく開かれる。続いて、供給装置の排出口を投入路R1に挿入する。続いて、供給装置の排出口を開くことにより、投入路R1を介して内袋3内へと供給装置から内容物が投入される。
【0046】
内容物の充填後、充填ポートP1を閉じる。具体的には、充填口部31の内側に形成される投入路R1を閉じるように、充填ポートP1を絞る。そして、細長くなった充填ポートP1を外側から囲むように、これに結束具45を強く巻き付けた後、結束具45を結んで巻き付け状態をロックする。続いて、充填ポートP1を折り畳み、その上に内蓋4を載せ、さらに花冠蓋24を閉じる。これにより、上部開口21aが閉じられ、充填ポートP1が花冠蓋24の内側に収容される。このとき、花冠蓋24の中央部の開口24dから、結束具45に固定されている被引っ掛け具48を外側に引き出す。以上により、内容物入りのフレキシブルコンテナ1が製造される。
【0047】
内容物入りのフレキシブルコンテナ1は、適当な保管場所に保管され、必要に応じて輸送される。輸送時等、フレキシブルコンテナ1を移動させる際には、パレットに載せこれをフォークリフト等の搬送装置で運搬することができる。また、フック等の吊り具を有するクレーン等の搬送装置を利用することができる。すなわち、被引っ掛け具35bを搬送装置の吊り具に引っ掛けた状態で搬送装置を駆動することにより、フレキシブルコンテナ1を容易に移動させることができる。
【0048】
<2-3.フレキシブルコンテナの開封方法>
次に、内容物入りのフレキシブルコンテナ1の開封方法について説明する。まず、内容物入りのコンテナ1を、内容物が供給されるホッパー等の装置(以下、被供給装置という)の上方に、底面部22が下を向くような態勢で配置する。次に、外袋2の四隅の被引っ掛け具35bを専用の吊り装置(例えば、ホイスト)のフック等の吊り具7に引っ掛け、フレキシブルコンテナ1を上方から吊り下げる。また、このとき、充填ポートP1に巻き付けられている結束具45に固定されている被引っ掛け具48も、吊り装置の吊り具7に引っ掛ける。そして、作業者は、フレキシブルコンテナ1の側方に立ち、底面部22の下方へ手を伸ばして、蓋5を取り外す。なお、蓋5の上述したような構成により、このとき蓋5はワンタッチで取り外すことができる。蓋5の取り外しと同時に、排出ポートP2の自重により自動的に、底面部22から結束具40に縛られた状態の排出ポートP2が、図2に示すように垂れ下がる。
【0049】
続いて、作業者は、フレキシブルコンテナ1の側方に立ったまま、フレキシブルコンテナ1の下方へ手を伸ばして、垂れ下がった排出ポートP2の結束具40を解く。なお、結束具40の上述したような構成により、このとき結束具40はワンタッチで解くことができる。これにより、下端が上を向くように折り畳まれていた排出ポートP2は、自重により当該下端が下を向くように真っ直ぐ延びる。その結果、排出路R2が下方に向かって、すなわち、被供給装置において内容物を受け取る投入口に向かって大きく開かれ、排出路R2を介して被供給装置へと内容物が投入される。
【0050】
図7は、被引っ掛け具48を吊り具7に引っ掛けることなく、フレキシブルコンテナ1を吊り具により上方から吊り下げた様子を示す図である。図6及び図7を比較すると分かるように、図7の例では、内容物の重みで内袋3が上面部21を下方へと引っ張るため、内袋3が下方へ沈む。特に、内容物が減少してくると、内袋3の膨らみがなくなり内袋3がより上下方向に長くなるため、内袋3の下端は益々下方へと垂れ下がる。このとき、被供給装置とコンテナ1との位置関係によっては、内袋3の下部が被供給装置の投入口を塞ぎ、内容物の排出を妨げ得る。そのため、図6に示すように、被引っ掛け具48を吊り具に引っ掛けることで、内袋3の下端が一定以上下方へと垂れ下がらないようにしておくことが好ましい。
【0051】
<3.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。また、以下の変形例の要旨は、適宜組み合わせることができる。
【0052】
<3-1>
上記実施形態では、外袋2の本体部20は角筒状とされたが、これに限られず、例えば、円筒状とすることもできる。
【0053】
<3-2>
開口21a,22aの形状は特に限定されず、上記実施形態では円形であるが、例えば、楕円形、四角形等とすることもできる。なお、開口21a,22aの形状を変更する場合には、これに合わせて充填口カバー25、排出口カバー26の形状も適宜同様の形状に変更することが好ましい。また、蓋5の形状も特に限定されず、例えば、円形、楕円形等とすることもできる。
【0054】
<3-3>
結束具40の構成は上述したものに限られず、結束具45と同様に面ファスナー42,43を有さない単なる紐41としてもよいし、巻き付け状態を固定することができるボタン(スナップボタンを含む)付きの紐41としてもよい。なお、単なる紐の場合には、結束具45と同様に蝶々結び等される。
【0055】
また、別の例を挙げると、結束具40は、図8に示すような留め具70としてもよい。留め具70は、1本の紐71と、紐71の両端が平行に通されるスライダー72とを含む。紐71とスライダー72とにより、ループが形成されており、このループに結束される排出ポートP2が挿入される。スライダー72は、紐71,71に沿って移動可能に構成されている。また、スライダー72には、紐71,71に沿って移動できない状態にロックするためのロック部材73が取り付けられている。このロック部材73の端部には紐74が取り付けられている。そして、紐74を引っ張ると、ロック部材73が移動し、ロックが解除されて、スライダー72が紐71に対して移動可能になる。なお、ロックが解除されたときにおいても、ロック部材73はスライダー72から脱落せず、これに結合されている。そのため、紐74をさらに引っ張り、ロック部材73を介してスライダー72を引っ張ると、紐71とスライダー72とにより形成されているループが広がる。そのため、排出ポートP2から紐71が脱落し、結束が解かれる。なお、フレキシブルコンテナ1の開封時に結束が解かれた後、留め具70が被供給装置等の中に投入されてしまうことがないよう、紐71は上述した結束具40と同様に外袋2に固定しておくことが好ましい。
【0056】
同様に、結束具45の構成も上述したものに限られず、例えば、結束具45を、結束具40と同様に面ファスナー付きの紐としてもよいし、巻き付け状態を固定することができるボタン(スナップボダンを含む)付きの紐41としてもよいし、図8に示すような留め具70としてもよい。
【0057】
また、結束具40,45の少なくとも一方は、それぞれ充填口カバー25、排出口カバー26に固定されている必要はなく、外袋2及び内袋3から独立した部材とすることができる。
【0058】
<3-4>
被引っ掛け具48は、結束具45ではなく、充填口カバー25、花冠蓋24、内蓋4又は上面部21の中央付近等、外袋2の上部の中央付近の部位に固定してもよい。この場合も、被引っ掛け具48を吊り具に引っ掛け、コンテナ1を吊り下げたときに、内袋3の下端が一定以上下方へと垂れ下がるのを防止することができる。
【0059】
<3-5>
蓋5を底面部22に取り付ける方法は、面ファスナーを用いる方法に限られず、例えば、両者をボタンで固定することもできる。例えば、底面部22及び蓋5の一方にボタンを取り付け、他方にボタン穴を形成することもできる。また、底面部22及び蓋5の一方にスナップボタンの凸パーツを取り付け、他方に凹パーツを取り付けることもできる。
【0060】
<3-6>
上記実施形態では、排出路R2を閉じるように排出ポートP2を絞った後、細長くなった排出ポートP2を一方に折り返し、この折り返されかつ絞られた状態が結束具40により固定された。しかしながら、排出路R2を閉じるように概ね平面状の排出ポートP2を一方に折り返した後、2重(或いは、3重以上)に折り重なった排出ポートP2を絞り、この折り返されかつ絞られた状態を結束具40により固定してもよい。
【0061】
あるいは、図9に示すように、排出路R2を閉じるように排出ポートP2を絞った後、排出ポートP2を折り返すことなく、排出ポートP2が絞られた状態を保つように、排出ポートP2を結束具40により縛ってもよい。そして、その後、必要に応じて、排出ポートP2を折り返した後、排出ポートP2を蓋5と底面部22との間に収納してもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 フレキシブルコンテナ
2 外袋
21 上面部
21a 上部開口
22 底面部
22a 下部開口
25 充填口カバー
26 排出口カバー
3 内袋
31 充填口部
32 排出口部
40 結束具(第1結束具)
42 面ファスナー
43 面ファスナー
45 結束具(第2結束具)
48 被引っ掛け具
R1 投入路
R2 排出路
5 蓋
51 面ファスナー
52 面ファスナー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9