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特許7330113コンピュータシステムおよびゲームシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-10
(45)【発行日】2023-08-21
(54)【発明の名称】コンピュータシステムおよびゲームシステム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/58 20140101AFI20230814BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20230814BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20230814BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20230814BHJP
【FI】
A63F13/58
A63F13/69
A63F13/79
A63F13/53
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020016003
(22)【出願日】2020-02-03
(65)【公開番号】P2021122364
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2022-10-27
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (イ)発明の新規性の喪失の例外の規定の適用を受けるための証明書(1)に係る参考資料のSNSツイート、掲載日 2019年4月13日、https://twitter.com/jigokunosan/status/1116991967760535553?s=20 (ロ)発明の新規性の喪失の例外の規定の適用を受けるための証明書(2)に係るウェブサイト、掲載日 2019年5月28日、https://www.tekken-official.jp/news/?p=9985、発明の新規性の喪失の例外の規定の適用を受けるための証明書(2)に係る添付資料1 (ハ)発明の新規性の喪失の例外の規定の適用を受けるための証明書(3)に係るウェブサイト、掲載日 2019年5月28日、https://web.tekken-net.jp/tk7fr-r2/diagram (ニ)発明の新規性の喪失の例外の規定の適用を受けるための証明書(3)に係るウェブサイト、掲載日 2019年5月28日、https://www.tekken-official.jp/tk7fr-r2/tknet/diagram.php
(73)【特許権者】
【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエンターテインメント
(73)【特許権者】
【識別番号】306014714
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコアミューズメント
(74)【代理人】
【識別番号】100124682
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100104710
【弁理士】
【氏名又は名称】竹腰 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100090479
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 一
(72)【発明者】
【氏名】池田 幸平
【審査官】田中 洋行
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-12221(JP,A)
【文献】特開平9-281881(JP,A)
【文献】特開2004-24360(JP,A)
【文献】『鉄拳7 FR Round2』5月28日より“ジュリア”参戦!“鉄拳力”“対戦ダイアグラム”などアーケード独自の新要素も追加!,ファミ通.com [online],2019年05月28日,https://www.famitsu.com/news/201905/28176837.html,特に「新要素3「対戦ダイアグラム」」の項を参照、[2023年7月10日検索]
【文献】対戦ダイヤグラム|統計情報,CAPCOM:シャドルー格闘家研究所 [online],2019年10月19日,https://web.archive.org/web/20191019071122/https://game.capcom.com/cfn/sfv/stats/dia/,特に対戦ダイヤグラム表を参照、[2023年7月10日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
A63F 13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のキャラクタ群の中から選ばれたキャラクタ同士で対戦するゲームの対戦結果を集計して分析するコンピュータシステムであって、
前記対戦毎に、当該対戦で使用されたキャラクタの種類と、当該対戦の対戦結果とを含む対戦情報を記憶する対戦情報記憶手段と、
前記対戦情報に基づいて、各キャラクタの組み合わせ毎に、該当するキャラクタ間の対戦相性を示す指標値を一般相性値として算出する一般値算出手段と、
第1の分析対象プレーヤが行った前記対戦毎の前記対戦情報に基づいて、当該第1の分析対象プレーヤが前記対戦で使用したキャラクタと、当該キャラクタの対戦相手となった各キャラクタとの組み合わせ毎に、該当するキャラクタ間の対戦相性を示す指標値を個別相性値として算出する個別値算出手段と、
前記個別相性値に対応する前記一般値算出手段によって算出された同一組み合わせのキャラクタ間に係る前記一般相性値と、当該個別相性値とを比較した一覧比較表示の制御を行う比較表示制御手段と、
を備えるコンピュータシステム。
【請求項2】
前記個別値算出手段は、前記第1の分析対象プレーヤが行った前記対戦毎の前記対戦情報のうち、所定の集計対象条件を満たす対戦情報に基づいて、前記個別相性値を算出する、
請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項3】
前記集計対象条件は、前記第1の分析対象プレーヤが使用したキャラクタと、対戦相手となったキャラクタとが同じ組み合わせの対戦を行った数が所定の最低対戦数条件を満たすこと、を少なくとも含む、
請求項2に記載のコンピュータシステム。
【請求項4】
前記集計対象条件は、対戦相手について設定された強さを示す指標値が所定の最低条件を満たすこと、を少なくとも含む、
請求項2又は3に記載のコンピュータシステム。
【請求項5】
前記比較表示制御手段は、前記個別相性値と前記一般相性値とを併記して表示する制御を行う、
請求項1~4の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項6】
前記個別値算出手段は、第2の分析対象プレーヤが行った前記対戦毎の前記対戦情報に基づいて、当該第2の分析対象プレーヤについての前記個別相性値を算出し、
前記比較表示制御手段は、前記第1の分析対象プレーヤについての個別相性値と、前記第2の分析対象プレーヤについての個別相性値とを比較した一覧比較表示の制御を行う、
請求項1~5の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項7】
前記比較表示制御手段は、キャラクタの組み合わせ毎に区画したマトリクス状のマス目を用いて前記一覧比較表示の制御を行う、
請求項1~6の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項8】
前記比較表示制御手段は、キャラクタの組み合わせ毎に区画したマトリクス状のマス目を用いて前記一覧比較表示の制御を行い、前記集計対象条件を満たさずに前記個別相性値が未算出のキャラクタの組み合わせに対応するマス目には未算出である旨の表示制御を行い、
前記個別相性値が未算出のキャラクタの組み合わせについて前記個別相性値が前記個別値算出手段によって算出された場合に、前記第1の分析対象プレーヤに所与の特典を付与する制御を行う特典付与手段、
を更に備える請求項2~4の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項9】
前記比較表示制御手段は、前記一般相性値と前記個別相性値との比較結果に応じた表示体を各マス目に重畳表示する制御を行う、
請求項7又は8に記載のコンピュータシステム。
【請求項10】
前記比較表示制御手段は、各マス目の表示態様を、前記一般相性値と前記個別相性値との比較結果に基づいて可変に表示する制御を行う、
請求項7~9の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項11】
前記比較表示制御手段は、前記マトリクス状のマス目の表示順を所与の表示順規則に基づいて可変に設定する、
請求項7~10の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項12】
前記第1の分析対象プレーヤが前記ゲームをプレイする際の前記対戦の前又は後に、前記一般相性値、前記個別相性値、および、当該一般相性値と当該個別相性値との比較結果、のうちの何れかに基づく演出を実行する制御を行う第1の演出制御手段、
を更に備える請求項1~11の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項13】
前記第1の分析対象プレーヤがプレイしたゲームのリプレイ表示の際に、前記一般相性値、前記個別相性値、および、当該一般相性値と当該個別相性値との比較結果、のうちの何れかに基づく演出を実行する制御を行う第2の演出制御手段、
を更に備える請求項1~12の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項14】
所定のキャラクタ群の中から選ばれたキャラクタ同士で対戦するゲームの対戦結果を集計して分析するコンピュータシステムであって、
前記対戦毎に、当該対戦で使用されたキャラクタの種類と、当該対戦の対戦結果とを含む対戦情報を記憶する対戦情報記憶手段と、
分析対象プレーヤが行った前記対戦毎の前記対戦情報に基づいて、当該分析対象プレーヤが前記対戦で使用したキャラクタと、当該キャラクタの対戦相手となった各キャラクタとの組み合わせ毎に、該当するキャラクタ間の対戦相性を示す指標値を個別相性値として算出する個別値算出手段と、
前記個別相性値に対応する同一組み合わせのキャラクタ間に係る初期相性値と、当該個別相性値とを比較した一覧比較表示の制御を行う初期値比較表示制御手段と、
を備えるコンピュータシステム。
【請求項15】
各プレーヤのプレーヤ端末と、
前記プレーヤ端末と通信接続される請求項1~14の何れか一項に記載のコンピュータシステムであるサーバシステムと、
を備えるゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームの対戦結果を集計して分析するコンピュータシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、プレーヤがキャラクタを操作して相手キャラクタとの対戦を楽しむゲームが知られている(例えば特許文献1を参照)。この種のゲームでは、限られたキャラクタの中から使用するキャラクタをプレーヤが選択して対戦するのが一般的であるため、プレーヤにとっては、どのキャラクタを使用すべきかを検討する要素があった。例えば、各キャラクタの容姿は勿論のこと、キャラクタには得手不得手のアクションがあるため、各アクションの作用効果や、当該アクションを繰り出させるための操作入力の容易さ等を検討材料として、贔屓とする(よく使う)キャラクタを選択する検討がなされる。そこで、ゲーム装置とサーバシステムとが通信接続されたゲームシステムにおいて、サーバシステムがゲーム装置から対戦結果を取得し、キャラクタに着目したキャラクタ間の対戦相性を示す相性値を全プレーヤ横断的に集計・分析することが行われ、ゲーム提供事業者側のサービスとして、この分析したキャラクタ間の相性値が公開される場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-24360号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、公開される従来の相性値は、全プレーヤ横断的に集計した過去の対戦結果からキャラクタ間の勝率等を相性値として求めただけのものであった。そのため、例えば、ある入門者プレーヤが、公開されている相性値が高いからといって、贔屓にするキャラクタをキャラクタαにしようと考えた場合には問題が生じる場合がある。キャラクタαを使いこなすにはプレイ技量が要求され、実際にキャラクタαを使用したのが熟練プレーヤばかりであった場合、などがそれである。公開されている相性値はキャラクタαを使用した全てのプレーヤの過去の対戦結果の平均と言えるためである。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、キャラクタ間の対戦相性を示す相性値を、特定のプレーヤが行った対戦結果に基づく当該キャラクタ間の相性値と比較可能にプレーヤに提示することができる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための第1の発明は、所定のキャラクタ群の中から選ばれたキャラクタ同士で対戦するゲームの対戦結果を集計して分析するコンピュータシステムであって、前記対戦毎に、当該対戦で使用されたキャラクタの種類と、当該対戦の対戦結果とを含む対戦情報を記憶する対戦情報記憶手段(例えば、図14のサーバ記憶部500s)と、前記対戦情報に基づいて、各キャラクタの組み合わせ毎に、該当するキャラクタ間の対戦相性を示す指標値を一般相性値として算出する一般値算出手段(例えば、図13の一般値算出部233)と、第1の分析対象プレーヤが行った前記対戦毎の前記対戦情報に基づいて、当該第1の分析対象プレーヤが前記対戦で使用したキャラクタと、当該キャラクタの対戦相手となった各キャラクタとの組み合わせ毎に、該当するキャラクタ間の対戦相性を示す指標値を個別相性値として算出する個別値算出手段(例えば、図13の個別値算出部235)と、前記個別相性値に対応する前記一般値算出手段によって算出された同一組み合わせのキャラクタ間に係る前記一般相性値と、当該個別相性値とを比較した一覧比較表示の制御を行う比較表示制御手段(例えば、図13の集計・分析結果表示制御部239および比較表示制御部241)と、を備えるコンピュータシステム(例えば、図1のサーバシステム1100)である。
【0007】
第1の発明によれば、過去の対戦結果から対戦で使用可能なキャラクタの組み合わせ毎に該当するキャラクタ間の一般相性値を算出し、第1の分析対象プレーヤが行った対戦結果から当該キャラクタ間の個別相性値を算出して、それらを同一組み合わせのキャラクタ間毎に比較した一覧比較表示の制御を行うことができる。これによれば、キャラクタ間の一般相性値を、第1の分析対象プレーヤが行った対戦結果に基づく当該キャラクタ間の個別相性値と比較可能にプレーヤに提示することができる。
【0008】
また、第2の発明として、前記個別値算出手段は、前記第1の分析対象プレーヤが行った前記対戦毎の前記対戦情報のうち、所定の集計対象条件を満たす対戦情報に基づいて、前記個別相性値を算出する、第1の発明のコンピュータシステムを構成してもよい。
【0009】
第2の発明によれば、第1の分析対象プレーヤが行った対戦情報の中から集計対象条件を満たす対戦情報を選んで用い、個別相性値を算出することができる。
【0010】
また、第3の発明として、前記集計対象条件は、前記第1の分析対象プレーヤが使用したキャラクタと、対戦相手となったキャラクタとが同じ組み合わせの対戦を行った数が所定の最低対戦数条件を満たすこと、を少なくとも含む、第2の発明のコンピュータシステムを構成してもよい。
【0011】
第3の発明によれば、第1の分析対象プレーヤが同じキャラクタを使用し、同じキャラクタと対戦した対戦情報が例えば所定数以上ある場合に、個別相性値を算出するといったことが可能となる。
【0012】
また、第4の発明として、前記集計対象条件は、対戦相手について設定された強さを示す指標値が所定の最低条件を満たすこと、を少なくとも含む、第2又は第3の発明のコンピュータシステムを構成してもよい。
【0013】
第4の発明によれば、その強さの指標値が例えば所定値以上である対戦相手との対戦情報を用い、個別相性値を算出するといったことが可能となる。
【0014】
また、第5の発明として、前記比較表示制御手段は、前記個別相性値と前記一般相性値とを併記して表示する制御を行う、第1~第4の何れかの発明のコンピュータシステムを構成してもよい。
【0015】
第5の発明によれば、一覧比較表示に際し、同一組み合わせのキャラクタ間に係る一般相性値と個別相性値とを併記して表示することができる。
【0016】
また、第6の発明として、前記個別値算出手段は、第2の分析対象プレーヤが行った前記対戦毎の前記対戦情報に基づいて、当該第2の分析対象プレーヤについての前記個別相性値を算出し、前記比較表示制御手段は、前記第1の分析対象プレーヤについての個別相性値と、前記第2の分析対象プレーヤについての個別相性値とを比較した一覧比較表示の制御を行う、第1~第5の何れかの発明のコンピュータシステムを構成してもよい。
【0017】
第6の発明によれば、第2の分析対象プレーヤが行った対戦結果からキャラクタ間の個別相性値を算出し、第1の分析対象プレーヤについての個別相性値と、第2の分析対象プレーヤについての個別相性値とを同一組み合わせのキャラクタ間毎に比較した一覧比較表示の制御を行うことができる。これによれば、第2の分析対象プレーヤが行った対戦結果に基づくキャラクタ間の個別相性値を、第1の分析対象プレーヤが行った対戦結果に基づく当該キャラクタ間の個別相性値と比較可能にプレーヤに提示することができる。
【0018】
また、第7の発明として、前記比較表示制御手段は、キャラクタの組み合わせ毎に区画したマトリクス状のマス目を用いて前記一覧比較表示の制御を行う、第1~第6の何れかの発明のコンピュータシステムを構成してもよい。
【0019】
第7の発明によれば、キャラクタの組み合わせ毎に区画したマトリクス状のマス目のそれぞれにおいて該当する組み合わせのキャラクタ間に係る一般相性値と個別相性値との比較結果を表示することで、第1の分析対象プレーヤについて一覧比較表示を行うことができる。
【0020】
また、第8の発明として、前記比較表示制御手段は、キャラクタの組み合わせ毎に区画したマトリクス状のマス目を用いて前記一覧比較表示の制御を行い、前記集計対象条件を満たさずに前記個別相性値が未算出のキャラクタの組み合わせに対応するマス目には未算出である旨の表示制御を行い、前記個別相性値が未算出のキャラクタの組み合わせについて前記個別相性値が前記個別値算出手段によって算出された場合に、前記第1の分析対象プレーヤに所与の特典を付与する制御を行う特典付与手段(例えば、図13の特典付与制御部243)、を更に備える第2~第4の何れかの発明のコンピュータシステムを構成してもよい。
【0021】
第8の発明によれば、キャラクタの組み合わせ毎に区画したマトリクス状のマス目のそれぞれにおいて該当する組み合わせのキャラクタ間に係る一般相性値と個別相性値との比較結果を表示することで、第1の分析対象プレーヤについて一覧比較表示を行うことができる。そして、第1の分析対象プレーヤについて未算出であったマス目の個別相性値が算出された場合に、第1の分析対象プレーヤに所与の特典を付与することができる。これによれば、様々なキャラクタを使用して異なるキャラクタとの対戦を行うと特典が付与されるので、当該プレーヤにとって選択・使用したことのないキャラクタを選択・使用させる動機付けを与えることができる。
【0022】
また、第9の発明として、前記比較表示制御手段は、前記一般相性値と前記個別相性値との比較結果に応じた表示体を各マス目に重畳表示する制御を行う、第7又は第8の発明のコンピュータシステムを構成してもよい。
【0023】
第9の発明によれば、マトリクス状のマス目のそれぞれにおいて該当する組み合わせのキャラクタ間に係る一般相性値と個別相性値との比較結果に応じた表示体を重畳表示することで、第1の分析対象プレーヤについて一覧比較表示を行うことができる。
【0024】
また、第10の発明として、前記比較表示制御手段は、各マス目の表示態様を、前記一般相性値と前記個別相性値との比較結果に基づいて可変に表示する制御を行う、第7~第9の何れかの発明のコンピュータシステムを構成してもよい。
【0025】
第10の発明によれば、各組み合わせのキャラクタ間に係る一般相性値と個別相性値との比較結果に基づいて対応するマトリクス状のマス目の表示態様を変更することで、第1の分析対象プレーヤについて一覧比較表示を行うことができる。
【0026】
また、第11の発明として、前記比較表示制御手段は、前記マトリクス状のマス目の表示順を所与の表示順規則に基づいて可変に設定する、第7~第10の何れかの発明のコンピュータシステムを構成してもよい。
【0027】
第11の発明によれば、マトリクス状のマス目の表示順を変更することができる。
【0028】
また、第12の発明として、前記第1の分析対象プレーヤが前記ゲームをプレイする際の前記対戦の前又は後に、前記一般相性値、前記個別相性値、および、当該一般相性値と当該個別相性値との比較結果、のうちの何れかに基づく演出を実行する制御を行う第1の演出制御手段(例えば、図13の演出制御部245)、を更に備える第1~第11の何れかの発明のコンピュータシステムを構成してもよい。
【0029】
第12の発明によれば、第1の分析対象プレーヤがゲームをプレイする際の対戦の前又は後に、例えばその対戦と同一組み合わせのキャラクタ間に係る一般相性値や個別相性値、それらの比較結果に基づく演出を実行するといったことが可能となる。
【0030】
また、第13の発明として、前記第1の分析対象プレーヤがプレイしたゲームのリプレイ表示の際に、前記一般相性値、前記個別相性値、および、当該一般相性値と当該個別相性値との比較結果、のうちの何れかに基づく演出を実行する制御を行う第2の演出制御手段、を更に備える第1~第12の何れかの発明のコンピュータシステムを構成してもよい。
【0031】
第13の発明によれば、第1の分析対象プレーヤがプレイしたゲームのリプレイ表示の際に、例えば、その対戦と同一組み合わせのキャラクタ間に係る一般相性値や個別相性値、それらの比較結果に基づく演出を実行するといったことが可能となる。
【0032】
また、第14の発明として、所定のキャラクタ群の中から選ばれたキャラクタ同士で対戦するゲームの対戦結果を集計して分析するコンピュータシステムであって、前記対戦毎に、当該対戦で使用されたキャラクタの種類と、当該対戦の対戦結果とを含む対戦情報を記憶する対戦情報記憶手段(例えば、図14のサーバ記憶部500s)と、分析対象プレーヤが行った前記対戦毎の前記対戦情報に基づいて、当該分析対象プレーヤが前記対戦で使用したキャラクタと、当該キャラクタの対戦相手となった各キャラクタとの組み合わせ毎に、該当するキャラクタ間の対戦相性を示す指標値を個別相性値として算出する個別値算出手段(例えば、図13の個別値算出部235)と、前記個別相性値に対応する同一組み合わせのキャラクタ間に係る初期相性値と、当該個別相性値とを比較した一覧比較表示の制御を行う初期値比較表示制御手段(例えば、図13の集計・分析結果表示制御部239および比較表示制御部241)と、を備えるコンピュータシステムを構成してもよい。
【0033】
第14の発明によれば、分析対象プレーヤが行った対戦結果からキャラクタ間の個別相性値を算出し、当該個別相性値と初期相性値とを同一組み合わせのキャラクタ間毎に比較した一覧比較表示を制御することができる。これによれば、キャラクタ間の初期相性値を、分析対象プレーヤが行った対戦結果に基づく当該キャラクタ間の個別相性値と比較可能にプレーヤに提示することができる。
【0034】
また、第15の発明として、各プレーヤのプレーヤ端末(例えば、図1のプレーヤ端末1500)と、前記プレーヤ端末と通信接続される第1~第14の何れか一項に記載のコンピュータシステムであるサーバシステム(例えば、図1のサーバシステム1100)と、を備えるゲームシステム(例えば、図1のゲームシステム1000)を構成してもよい。
【0035】
第15の発明によれば、第1~第14の何れかの発明と同様の効果を奏するゲームシステムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】ゲームシステムの全体構成例を示す図。
図2】プレーヤ端末の装置構成例を示す図。
図3】1つの対戦情報のデータ構成例を示す。
図4】一般相性値テーブルのデータ構成例を示す図。
図5】1つの個別相性値テーブルのデータ構成例を示す図。
図6】1つの比較値テーブルのデータ構成例を示す図。
図7】一般値表示画面の一例を示す図。
図8】個別値表示画面の一例を示す図。
図9】変形例の個別値表示について1つのマス目に着目した表示例を示す図。
図10】一般値一覧比較表示の一例を示す図。
図11】一般値比較用データのデータ構成例を示す図。
図12】プレーヤがゲームをプレイして対戦する前の演出表示例を示す図。
図13】サーバシステムの機能構成例を示すブロック図。
図14】サーバ記憶部が記憶するプログラムやデータの例を示す図。
図15】プレーヤ端末の機能構成例を示すブロック図。
図16】サーバシステムにおける処理の流れを説明するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下説明する実施形態によって本発明が限定されるものではなく、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限定されるものでもない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付す。
【0038】
[全体構成]
図1は、本実施形態におけるゲームシステム1000の全体構成例を示す図である。図1に示すように、ゲームシステム1000は、コンピュータシステムであるサーバシステム1100と、本実施形態のゲームのプレーヤ(ユーザ)2が所持するプレーヤ端末1500とを含み、これらがネットワーク9を介して相互にデータ通信可能に接続されて構成される。なお、ゲームシステム1000も、コンピュータシステムということができる。
【0039】
ネットワーク9は、データ通信が可能な通信路を意味する。すなわち、ネットワーク9とは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLAN(Local Area Network)の他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含む意味であり、また、通信方法については有線/無線を問わない。
【0040】
サーバシステム1100は、本体装置1101と、キーボード1106と、タッチパネル1108と、ストレージ1140とを備え、本体装置1101は、CPU(Central Processing Unit)1151やGPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等の各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM、ROM等の各種ICメモリ1152、通信装置1153等の電子部品が搭載された制御基板1150を内蔵している。なお、制御基板1150の一部又は全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(field-programmable gate array)、SoC(System on a Chip)により実現するとしてもよい。
【0041】
このサーバシステム1100は、CPU1151等が所定のプログラムおよびデータに基づいて演算処理することにより、ユーザ登録等に係るユーザ管理機能と、プレーヤ端末1500でゲームをプレイするのに必要なデータを提供してプレーヤ端末1500でのゲームの実行制御を管理するゲーム管理機能と、を実現する。つまり、本実施形態におけるゲームは、一種のクライアント・サーバ型のオンラインゲームとして実現される。プレーヤ2は、自分のプレーヤ端末1500でサーバシステム1100にアクセスし、発給されたアカウント(プレーヤID)によりログインして本実施形態のゲームを楽しむ。
【0042】
なお、サーバシステム1100は、図1に示す単体の構成に限らず、各機能を分担する複数のブレードサーバを搭載して相互に内部バスを介してデータ通信可能に接続した構成であってもよい。或いは、離れた場所に設置された独立した複数のサーバを、ネットワーク9を介してデータ通信させることで、全体としてサーバシステム1100として機能させる構成であってもよい。
【0043】
プレーヤ端末1500は、マンマシンインターフェースの機能を担うコンピュータシステムであって、携帯電話基地局や無線通信基地局等を介してネットワーク9に接続し、サーバシステム1100とデータ通信を行うことができる。このプレーヤ端末1500は、例えば、スマートフォン、携帯電話機、携帯型ゲーム装置、据置型家庭用ゲーム装置、据置型家庭用ゲーム装置のコントローラ、業務用ゲーム装置、パソコン、タブレット型コンピュータ、ウェアラブルコンピュータ等の形態を取り得る。
【0044】
図2は、プレーヤ端末1500の一例であるスマートフォンの装置構成例を示す図である。図2に示すように、プレーヤ端末1500は、方向入力キー1502と、ホームキー1504と、画像表示デバイス兼接触位置入力デバイスとして機能するタッチパネル1506と、内蔵バッテリー1509と、スピーカ1510と、マイク1512と、制御基板1550と、コンピュータ読み出し可能な記憶媒体であるメモリカード1540に対してデータを読み書きできるメモリカード読取装置1542とを備える。その他、図示しない電源ボタン、音量調節ボタン等が設けられている。
【0045】
制御基板1550には、CPU1551やGPU、DSP等の各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリ1552、ネットワーク9に接続する携帯電話基地局や無線LAN基地局等と無線通信するための無線通信モジュール1553等が搭載されている。また、制御基板1550には、方向入力キー1502やホームキー1504からの信号を受信する回路、タッチパネル1506のドライバ回路、スピーカ1510へ音声信号を出力する出力アンプ回路、マイク1512で集音された音声の信号を生成する音声信号生成回路、メモリカード読取装置1542への信号入出力回路といった、いわゆるI/F回路(インターフェース回路)1557等が搭載されている。これら制御基板1550に搭載されている各要素は、それぞれがバス回路等を介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。なお、制御基板1550の一部又は全部をASICやFPGA、SoCにて構成してもよい。
【0046】
この制御基板1550においてICメモリ1552には、ゲームクライアントプログラムや、このゲームクライアントプログラムを実行するのに必要な各種設定データ等が格納される。ゲームクライアントプログラム等は、適宜のタイミングでサーバシステム1100からダウンロードされる。なお、別途入手したメモリカード1540等の記憶媒体から読み出す構成としてもよい。そして、CPU1551等がゲームクライアントプログラムを実行して演算処理を実行し、タッチパネル1506や方向入力キー1502、ホームキー1504に対する操作入力に応じてプレーヤ端末1500の各部を制御することで、プレーヤ2のゲームプレイを可能にする。
【0047】
[詳細]
本実施形態のゲームは、プレーヤがプレーヤキャラクタを操作して、パンチやキック等の攻撃の動作や対戦相手の攻撃をガードする防御の動作等のアクションを行わせて対戦する対戦型格闘ゲームである。対戦相手は、他のプレーヤが操作するプレーヤキャラクタとするが、コンピュータ制御のキャラクタ(NPC)と対戦する場合にも同様に適用が可能である。各プレーヤは、プレーヤキャラクタとすることができる複数種類のキャラクタで構成される所定のキャラクタ群(以下、「候補キャラクタ群」という)の中から、使用するキャラクタを選んでプレイする。
【0048】
そして、サーバシステム1100は、実行したゲームの対戦結果を集計して分析し、プレーヤに提示する。例えば、サーバシステム1100が提供するウェブサイト(ゲームサイト)内で集計・分析結果を公開する。プレーヤは、自身のプレーヤ端末1500で当該ゲームサイトにアクセスし、事前に発給されたプレーヤID等でログインすると、その公開内容を閲覧できる。
【0049】
本実施形態では、サーバシステム1100は、対戦毎に、当該対戦で使用されたキャラクタの種類と、当該対戦の対戦結果と、を含む対戦情報を記憶して蓄積する。そして、対戦情報から一般相性値を算出し(一般値算出処理)、分析対象プレーヤ(第1の分析対象プレーヤ)である一のプレーヤについて個別相性値を算出し(個別値算出処理)、一般相性値と個別相性値との差を算出して(比較値算出処理)、個別相性値を一般相性値と対比可能に表示するための制御を行う(比較表示制御処理)。また、本実施形態では、個別値算出処理での個別相性値の算出に応じてプレーヤに所与の特典を付与する制御を行うとともに(特典付与制御処理)、プレーヤのゲームプレイの前に、一般相性値と個別相性値との比較結果に基づく演出を実行する制御を行う(演出制御処理)。
【0050】
(1)対戦情報
サーバシステム1100は、プレーヤ同士が対戦するたびに、当該対戦の対戦情報を生成して記憶する。図3は、1つの対戦情報580のデータ構成例を示す図である。図3に示すように、対戦情報580は、固有の対戦ID581と、対戦日時583と、当該対戦を行った一方のプレーヤである第1プレーヤの第1プレーヤデータ590aと、他方のプレーヤである第2プレーヤの第2プレーヤデータ590bとを含む。
【0051】
第1プレーヤデータ590aは、第1プレーヤのプレーヤID591aと、プレーヤレベル593aと、当該対戦で第1プレーヤが使用したキャラクタの種類(使用キャラクタ種類)595aと、勝敗情報597aとを含む。同様に、第2プレーヤデータ590bは、第2プレーヤのプレーヤID591bと、プレーヤレベル593bと、当該対戦で第2プレーヤが使用した使用キャラクタ種類595bと、勝敗情報597bとを含む。そして、これら第1プレーヤデータ590aおよび第2プレーヤデータ590bの勝敗情報597a,597bは、当該対戦の対戦結果として、該当するプレーヤが勝利したか否かのフラグ情報を格納する。
【0052】
ここで、詳細を後述するように、本実施形態では、対戦結果である勝敗情報597a,597bをもとに、一般相性値および個別相性値としてキャラクタ間の勝率を算出する。ただし、対戦情報580には、その他にも、ゲーム終了時の体力ゲージ値や、対戦に制限時間が設定されている場合であればゲーム終了時の残り時間等を対戦結果として記憶しておくこともできる。その場合は、対戦の勝敗だけでなく、例えば、両者が競り合った対戦だったのか、或いは勝利した側の圧勝だったのかといったことも含めて対戦結果の集計・分析を行い、一般相性値や個別相性値を算出することが可能となる。
【0053】
(2)一般値算出処理
一般値算出処理では、対戦情報580に基づいて、候補キャラクタ群を構成する各キャラクタの組み合わせ毎に、該当するキャラクタ間の対戦相性を示す指標値を一般相性値として算出する。本実施形態では、1つのゲームが終了して新たに対戦情報580が生成されると、一般値算出処理を行う。手順としては、当該ゲームで対戦したキャラクタの組み合わせを算出対象組として、次の処理を行う。
【0054】
すなわち先ず、既に記憶されている対戦情報580の中から、その使用キャラクタ種類595a,595bによって特定されるキャラクタの組み合わせが算出対象組と一致する対戦情報580を抽出する。そして、抽出した対戦情報580と今回の対戦情報580のそれぞれの勝敗情報597a,597bに従って、算出対象組の各キャラクタの勝率を算出する。つまり、一般値算出処理では、ゲームに参加している各プレーヤ(全ての登録ユーザ)が過去に行った、同一組み合わせのキャラクタ同士の対戦での対戦結果に基づく各キャラクタの勝率に、今回の対戦結果(勝敗)を反映させる。そしてこれにより、候補キャラクタ群のキャラクタ毎に、当該候補キャラクタ群の各キャラクタに対する対キャラクタ別の一般相性値を算出する。
【0055】
したがって、例えば、キャラクタAのキャラクタBに対する一般相性値が大きい場合は、その組み合わせの対戦においてキャラクタAの方が勝率が高い。よって、当該対戦では概してキャラクタAの方が強い(キャラクタAはキャラクタBと相性がよい)傾向にあるといえる。逆に、その一般相性値が小さければ勝率は低いので、概してキャラクタBの方が強い(キャラクタBがキャラクタAと好相性である)傾向にあるといえる。
【0056】
なお、一般値算出処理のタイミングは対戦情報580の生成の都度である必要はなく、決められた時刻等の所定のタイミングで行うとしてもよい。また、同じキャラクタ同士の対戦については、戦績は常に引き分けとなるため算出しない。
【0057】
そして、この一般値算出処理で算出された一般相性値は、一般相性値テーブルに保持される。図4は、一般相性値テーブル610のデータ構成例を示す図である。図4に示すように、一般相性値テーブル610は、左端に縦に並べて示す(縦軸の)候補キャラクタ群の各キャラクタについて、上段に横に並べて示す(横軸の)当該候補キャラクタ群の各キャラクタに対する一般相性値の最新の値を格納する。
【0058】
(3)個別値算出処理
個別値算出処理では、分析対象プレーヤが行った対戦毎の対戦情報580に基づいて、分析対象プレーヤが各対戦で使用したキャラクタと、各対戦で当該キャラクタの対戦相手となった各キャラクタとの組み合わせ毎に、該当するキャラクタ間の対戦相性を示す指標値を個別相性値として算出する。
【0059】
本実施形態では、1つのゲームが終了して新たに対戦情報580が生成されると、個別値算出処理を行う。手順としては、その終了したゲームの第1プレーヤおよび第2プレーヤを順次分析対象プレーヤとして、次の処理を行う。
【0060】
すなわち、先ず、第1プレーヤを分析対象プレーヤとする。そして、既に記憶されている対戦情報580の中から、第1プレーヤが今回と同じ使用キャラクタを使用して今回と同じ相手キャラクタと対戦した対戦の対戦情報580を、集計対象の対戦情報(以下「対象対戦情報」という)580として抽出する。プレーヤID591a,591bの何れかに第1プレーヤのプレーヤIDが設定され、対応する一方の使用キャラクタ種類595a又は595bに今回の使用キャラクタの種類が設定されており、且つ、他方の使用キャラクタ種類595b又は595aに相手キャラクタの種類が設定された対戦情報580を抽出することで実現できる。
【0061】
続いて、抽出した対象対戦情報580と今回の対戦情報580のそれぞれの勝敗情報597a,597bに従って、第1プレーヤについてその使用キャラクタの相手キャラクタに対する勝率を算出する。
【0062】
その後は、第2プレーヤを分析対象プレーヤとする。そして、同様の要領で対象対戦情報580を抽出し、第2プレーヤについてその使用キャラクタの相手キャラクタに対する勝率を算出する。
【0063】
つまり、個別値算出処理では、第1プレーヤが過去に行った、今回と使用キャラクタが同じで相手キャラクタも同じ対戦での対戦結果に基づく当該使用キャラクタの当該相手キャラクタに対する勝率に、今回の対戦結果を反映させる。同様に、過去に第2プレーヤが行った、今回と使用キャラクタが同じで相手キャラクタも同じ対戦での対戦結果に基づく当該使用キャラクタの当該相手キャラクタに対する勝率に、今回の対戦の対戦結果を反映させる。そしてこれにより、ゲームに参加する各プレーヤのそれぞれについて、候補キャラクタ群のキャラクタ毎に対キャラクタ別の個別相性値を算出する。
【0064】
したがって、例えば、あるプレーヤについて算出したキャラクタAのキャラクタBに対する個別相性値が大きい場合は、当該プレーヤがキャラクタAを使用して行ったキャラクタBとの対戦における勝率が高い。よって、当該プレーヤは、キャラクタAを使用したキャラクタBとの対戦が得意(相性がよい)といえる。逆に、その個別相性値が小さければ勝率は低いので、当該プレーヤは、キャラクタAを使用したキャラクタBとの対戦が不得意(相性が悪い)といえる。
【0065】
なお、個別値算出処理では、プレーヤ毎に勝率を算出する。そのため、一般相性値の場合とは異なり、同じキャラクタ同士の対戦についても個別相性値を算出する。
【0066】
そして、この個別値算出処理で算出された個別相性値は、プレーヤ毎の個別相性値テーブルに保持される。図5は、1つの個別相性値テーブル620のデータ構成例を示す図である。図5に示すように、個別相性値テーブル620は、そのプレーヤID621のプレーヤについて、縦軸の各キャラクタを使用キャラクタとし、横軸の各キャラクタを相手キャラクタとして、該当するキャラクタ間の個別相性値の最新の値を格納する。
【0067】
ここで、以上説明したように、個別相性値は、そのプレーヤが既に行った対戦で使用したことのあるキャラクタ毎に、当該キャラクタの対戦相手となったキャラクタに対する勝率として算出される。したがって、個別相性値は、そのプレーヤが対戦で使用したことのないキャラクタについては算出されず、個別相性値テーブル620において値は空欄となる。また、使用したことはあっても、その対戦相手として未対戦のキャラクタに対する個別相性値については算出されないため、それも空欄となる。ただし、一般相性値とは異なり、同一のキャラクタ間についても対戦があれば個別相性値は算出される。よって、プレーヤが、候補キャラクタ群の各キャラクタを偏らずにまんべんなく使用し、違うキャラクタとの対戦を繰り返せば、個別相性値テーブル620の空欄は埋まっていく。後述する特典付与制御処理では、この空欄を埋めるような対戦を行ったプレーヤに対し、特典を付与する。
【0068】
なお、以上説明した個別値算出処理では、第1プレーヤおよび第2プレーヤを順次分析対象プレーヤとし、分析対象プレーヤが行った対戦の対戦情報580の中から使用キャラクタと相手キャラクタの組み合わせが今回行ったのと同じ対戦情報580を単に抽出して、対象対戦情報580とすることとした。これに対し、抽出した対戦情報580のうち、所定の集計対象条件を満たすものを対象対戦情報580として選択する構成としてもよい。
【0069】
例えば、集計対象条件は、「抽出した対戦情報580に今回の対戦情報580を加えた数が所定の最低対戦数条件を満たすこと」とすることができる。最低対戦数条件の具体的な内容を「10以上」として規定した場合であれば、該当する対戦情報580の数が10以上あることを条件に、それらを対象対戦情報580として選択する。その数が10に満たなければ対象対戦情報580とはせず、個別相性値の算出もしない。
【0070】
また、集計対象条件は、「対戦相手について設定された強さを示す指標値が所定の最低条件を満たすこと」とすることもできる。例えば、強さを示す指標値をプレーヤレベルとし、最低条件をプレーヤレベルの下限値として規定した場合であれば、抽出した対戦情報580の中からそのプレーヤレベル593a,593bのうちの対戦相手についての値が下限値以上である対戦情報580を選び、対象対戦情報580とする。
【0071】
或いは、候補キャラクタ群を構成するキャラクタにキャラクタレベルが設定されている場合には、強さを示す指標値をキャラクタレベルとし、最低条件をキャラクタレベルの下限値等として規定することもできる。キャラクタレベルは、予め各キャラクタに固定的に設定される値でもよいし、プレーヤが対戦で使用することで変動する値でもよいが、後者の場合には、対戦時におけるキャラクタレベルの値を対戦情報580に記憶しておくようにする。そして、抽出した対戦情報580の中から、そのキャラクタレベルのうちの対戦相手についての値が下限値以上である対戦情報580を選び、対象対戦情報580とする。
【0072】
なお、キャラクタレベルは、対戦とは異なるゲームモードで変動する値であってもよい。例えば、所定のミッションをクリアすることで物語が進行していくストーリーモードのプレイで変動する値でもよいし、キャラクタの強化や合成等によって変動する値でもよい。また、キャラクタレベルが変動する構成の場合には、キャラクタの攻撃力や防御力等の能力パラメータ値を、当該キャラクタのキャラクタレベルに応じて変化させるようにしてもよい。
【0073】
その他にも、「当該対戦を行ったプレーヤ間のプレーヤレベルの差が所定の範囲内であること」や「当該対戦で使用されたキャラクタ間のキャラクタレベルの差が所定の範囲内であること」等を集計対象条件とし、抽出した対戦情報580の中から該当するものを選んで対象対戦情報580としてもよい。その場合には、プレーヤレベルの近いプレーヤ同士が対戦した対戦情報580を選び、或いは、互いにキャラクタレベルの近いキャラクタを使用した対戦の対戦情報580を選んで、対象対戦情報580とすることができる。これによれば、実力が拮抗する状況下での対戦結果から、個別指標値を算出することが可能となる。
【0074】
また、上記した集計対象条件を2つ以上組み合わせて、それら集計対象条件を全て満たす対戦情報580を選択する構成でもよい。例えば、プレーヤレベルのレベル差が所定の範囲内である対戦情報580が10以上ある場合に、それらを対象対戦情報580として選択するといった具合である。
【0075】
(4)比較値算出処理
比較値算出処理では、一般値算出処理で算出された一般相性値と、個別値算出処理で算出された個別相性値との差を比較値として算出する。本実施形態では、1つのゲームが終了して対戦情報580が生成されると、当該ゲームで対戦したキャラクタ毎にその対戦相手との間の一般相性値が一般値算出処理で算出され、対応する個別相性値が個別値算出処理で算出される。比較値算出処理では、これらキャラクタ毎の対戦相手に対する一般相性値と個別相性値との差を算出する。
【0076】
具体的には、比較値は、個別相性値から一般相性値を減算して求める。したがって、個別相性値の方が大きいとき、つまり、全ての対戦情報580から該当するキャラクタ間について求めた勝率よりも分析対象プレーヤ(第1プレーヤ又は第2プレーヤ)が行った対戦の対戦情報580から当該キャラクタ間について求めた勝率の方が高い場合は、比較値は正の値となる。逆に、個別相性値の方が小さく分析対象プレーヤの勝率の方が低い場合には、比較値は負の値となる。なお、一般相性値が算出されない同じキャラクタ間のマス目については、一般相性値を「5.00」として比較値を算出する。
【0077】
なお、一般相性値に対する個別相性値の増減率(%)を比較値として求めるようにしてもよい。例えば、一般相性値が「5.0」で個別相性値が「5.1」の場合と、一般相性値が「4.0」で個別相性値が「4.1」の場合とでは、個別相性値から一般相性値を減算して求める上記の構成では何れも比較値は「0.1」となるが、比較値を増減率(%)とする構成では、前者の場合「2%」であるのに対して後者の場合「2.5%」となる。したがって、増減率(%)を比較値とすれば、一般相性値と個別相性値とをより正確に比較することが可能となる。
【0078】
そして、この比較値算出処理で算出された比較値は、プレーヤ毎の比較値テーブルに保持される。図6は、1つの比較値テーブル630のデータ構成例を示す図である。図6に示すように、比較値テーブル630は、そのプレーヤID631のプレーヤについて、縦軸の各キャラクタ(使用キャラクタ)毎に、横軸の各キャラクタ(相手キャラクタ)に対する比較値の最新の値を保持する。
【0079】
(5)比較表示制御処理
比較表示制御処理では、一のプレーヤ(以下「表示対象プレーヤ」という)の個別相性値についての各種一覧比較表示の制御を行う。ここでの一覧比較表示を含む集計・分析結果の表示は、ゲームサイトにログインしたプレーヤによって対応する表示メニューが選択された場合に行う。本実施形態では、サーバシステム1100は、一般値表示メニューが選択された場合に、一般相性値に基づく表示(以下「一般値表示」という)を制御する。また、個別値表示メニューが選択された場合には、その操作を行ったプレーヤを表示対象プレーヤとして、個別相性値の表示(以下「個別値表示」という)を制御する。
【0080】
図7は、一般値表示画面の一例を示す図であり、図8は、個別値表示画面W3の一例を示す図である。図7に示すように、一般値表示の制御は、候補キャラクタ群を構成する各キャラクタの組み合わせ毎に区画されたマトリクス状のマス目を用いて行う。具体的には、一般値表示は、一般相性値テーブル610における一般相性値の各値を、対応するマス目に表示することで行う。本実施形態では、縦軸のキャラクタそれぞれの、横軸の各キャラクタに対する勝率として、表示時点までの全プレーヤの対戦結果から求めた勝率が表示される。また、何れのプレーヤもその組み合わせでの対戦を行っておらず一般相性値テーブル610において空欄の一般相性値がある場合には、対応するマス目において「-」を表示することで、そのキャラクタ間の一般相性値が未算出である旨の表示制御を行う。
【0081】
縦軸の各キャラクタに付された数値は、対応する行のマス目に表示された一般相性値の平均値(そのキャラクタの横軸の各キャラクタに対する一般相性値の平均値)を示している。
【0082】
一方、個別値表示の制御についても、図8に示すように、同様のマトリクス状のマス目を用いて行う。具体的には、個別値表示は、表示対象プレーヤの個別相性値テーブル620における一般相性値の各値を、対応するマス目に表示することで行う。本実施形態では、表示対象プレーヤが縦軸の各キャラクタを使用したときの横軸の各キャラクタに対する勝率として、表示時点までの表示対象プレーヤの対戦結果から求めた勝率が表示される。また、表示対象プレーヤが未使用のキャラクタや未対戦のキャラクタが存在し個別相性値テーブル620において空欄の個別相性値がある場合には、対応するマス目において「-」を表示することで、そのキャラクタ間の個別相性値が未算出である旨の表示制御を行う。
【0083】
ここで、個別値表示の画面では、各キャラクタのマス目について、その表示順を所与の表示順規則に基づいて可変に設定することができる。例えば、プルダウンボタンB3がタッチ操作された場合に、表示順規則のリストを選択肢として表示させる。そして、選択された表示順規則に従って、縦軸および横軸のマス目の表示順を並び替える。
【0084】
表示順規則の選択肢としては、例えば、表示対象プレーヤが対戦でそのキャラクタを使用した回数の昇順又は降順に各マス目を並び替える表示順規則、表示対象プレーヤがそのキャラクタを使用した対戦で勝利した回数(勝利数)の昇順又は降順に各マス目を並び替える表示順規則、そのキャラクタの個別相性値平均の昇順又は降順に各マス目を並び替える表示順規則、そのキャラクタのキャラクタレベルの昇順又は降順に各マス目を並び替える表示順規則等が挙げられる。
【0085】
また、その他にも、表示対象プレーヤが行った対戦でそのキャラクタが対戦相手となった回数の昇順又は降順に各マス目を並び替える表示順規則や、表示対象プレーヤが行った対戦であって、そのキャラクタが対戦相手となった対戦で当該キャラクタが勝者となった回数の昇順又は降順に各マス目を並び替える表示順規則等を含めてもよい。
【0086】
なお、個別値表示の各マス目において、対応する一般相性値を併記するようにしてもよい。図9は、本変形例の個別値表示について1つのマス目に着目した表示例を示す図である。図9に示すように、個別相性値の下段に、例えば括弧書きで一般相性値を併記してもよい。これによれば、個別値表示の画面において、個別相性値と同時に対応する一般相性値(同一組み合わせのキャラクタ間に係る一般相性値)についても確認できる。
【0087】
そして、この個別値表示の制御中は、画面をタッチ操作等すると表示されるメニューウィンドウW31において、一般相性値との比較表示メニュー(一般値比較表示メニュー)M31、他のプレーヤの個別相性値との比較表示メニュー(プレーヤ間比較表示メニュー)M33、および初期相性値との比較表示メニュー(初期値比較表示メニュー)M35の選択が可能となっており、各メニューの選択を受けて、対応する一覧比較表示の制御を行う。
【0088】
先ず、一般値比較表示メニューM31が選択された場合には、表示対象プレーヤの個別相性値を一般相性値と比較した「一般値一覧比較表示」の制御を行う。図10は、一般値一覧比較表示の一例を示す図である。この一般値一覧比較表示は、表示対象プレーヤの比較値テーブル630を用い、個別相性値が表示されたマス目に対して比較値に応じた表示体Iを重畳表示することで行う。そのために、先ず、比較値テーブル630に設定された比較値毎に、重畳表示する表示体Iを決定する。
【0089】
本実施形態では、表示体Iは、例えば、表情が異なる顔のアイコンとして複数種類用意され、比較値の値幅との対応関係が予め設定される。図11は、一般値一覧比較表示用の表示体I(Ia~Ie)の設定例を示す図である。図11の例では、比較値の取り得る値の全範囲を5つの値幅に分けて、各値幅と表示体Iとの対応関係が設定されている。より詳細には、図11に示す各表示体Iは、比較値の値が大きいほど明るく、小さいほど暗くなるようにその表情を変更した顔のアイコンとされている。
【0090】
そして、図11に例示する表示体Iの設定データ(一般値比較用データ531;図14を参照)に従い、比較値毎に表示体Iを決定する。その後は、決定した表示体Iを、対応するマス目において個別相性値に重畳表示させる。
【0091】
この一般値一覧比較表示によれば、プレーヤは、自身の対戦結果に基づく各キャラクタ間の個別相性値が表示された個別値表示の各マス目において、同一組み合わせのキャラクタ間に係る一般相性値との比較結果を、表示体Iの表示によって把握することができる。つまり、プレーヤは、自身の個別相性値だけでなく、それが一般相性値と比較して大きいのか小さいのかを、同じマス目に表示された表示体Iの表情によって直感的に把握することが可能となる。
【0092】
なお、表示体は、一般相性値と比較して大きいのか小さいのかを直感的に把握できるような表示であればよい。例えば、「晴れマーク」「曇りマーク」「雨マーク」等の天気マークのアイコン、開花の程度が異なる開花マークのアイコン、「○」「△」「×」等の評価マークのアイコン等を表示体として用いることとしてもよい。また、プレーヤの年齢や性別、居住地等に応じて使用する表示体の種類(表情/天気マーク/開花マーク/評価マーク)を変更することとしてもよい。
【0093】
次に、プレーヤ間比較表示メニューM33が選択された場合には、表示対象プレーヤについての個別相性値を、第2の分析対象プレーヤである比較対象の他のプレーヤ(以下「比較対象プレーヤ」という)の個別相性値と比較した「プレーヤ間一覧比較表示」の制御を行う。このプレーヤ間一覧比較表示は、表示対象プレーヤについての個別相性値が表示されたマス目に対し、比較対象プレーヤについての対応する個別相性値に応じた表示体を重畳表示することで行う。
【0094】
そのために、プレーヤ間比較表示メニューM33が選択された場合には、続けて比較対象プレーヤの選択操作を受け付ける。そして、表示対象プレーヤについての個別相性値テーブル620の個別相性値から、比較対象プレーヤについての個別相性値テーブル620の対応する個別相性値を減算してプレーヤ間比較値を算出する。その後は、一般値一覧比較表示の制御と同様の要領で、個別相性値が表示されたマス目に対し、プレーヤ間比較値に応じた表示体を重畳表示する制御を行う。
【0095】
具体的には、プレーヤ間一覧比較表示用の設定データ(プレーヤ間比較用データ533;図14を参照)として、プレーヤ間比較値の値幅と表示体との対応関係を予め設定しておく。そして、このプレーヤ間比較用データ533に従い、求めたプレーヤ間比較値毎に表示体を決定して、対応するマス目において表示対象プレーヤの個別相性値に重畳表示させる。
【0096】
このプレーヤ間一覧比較表示によれば、プレーヤは、自身の対戦結果に基づく各キャラクタ間の個別相性値が表示された個別値表示の各マス目において、指定した他のプレーヤについての同一組み合わせのキャラクタ間に係る個別相性値との比較結果を、表示体の表示によって把握することができる。つまり、プレーヤは、自身の個別相性値だけでなく、それが他のプレーヤの個別相性値と比較して大きいのか小さいのかを、同じマス目に表示された表示体の表情によって直感的に把握することができる。
【0097】
次に、初期値比較表示メニューM35が選択された場合には、表示対象プレーヤについての個別相性値を、予め設定される初期相性値と比較した「初期値一覧比較表示」の制御を行う。この初期値一覧比較表示は、表示対象プレーヤについての個別相性値が表示されたマス目に対し、対応する初期相性値に応じた表示体を重畳表示することで行う。
【0098】
ここで、初期相性値は、各キャラクタに設定された動作情報や動作毎に定められる硬直時間(その動作の実行後、次の動作を開始できるようになるまでの所要時間)等をもとにして、各キャラクタの組み合わせ毎に事前に互いの強さを想定することで設定された相性値である。例えば、一般相性値テーブル610と同様に、候補キャラクタ群のキャラクタ毎に、対キャラクタ別の初期設定値を格納した初期相性値テーブル540(図14を参照)として予め用意される。
【0099】
そして、初期値比較表示メニューM35が選択された場合には、表示対象プレーヤについての個別相性値テーブル620の個別相性値から、初期相性値テーブル540の対応する初期相性値を減算して初期比較値を算出する。その後は、一般値一覧比較表示やプレーヤ間一覧比較表示の制御と同様の要領で、個別相性値が表示されたマス目に対し、初期比較値に応じた表示体を重畳表示する制御を行う。
【0100】
具体的には、初期値間一覧比較表示用の設定データ(初期値比較用データ535;図14を参照)として、初期比較値の値幅と表示体との対応関係を予め設定しておく。そして、この初期値比較用データ535に従い、求めた初期比較値毎に表示体を決定して、対応するマス目において表示対象プレーヤの個別相性値に重畳表示させる。
【0101】
この初期値間一覧比較表示によれば、プレーヤは、自身の対戦結果に基づく各キャラクタ間の個別相性値が表示された個別値表示の各マス目において、同一組み合わせのキャラクタ間に係る初期相性値との比較結果を、表示体の表示によって把握することができる。つまり、プレーヤは、自身の個別相性値だけでなく、それが初期相性値と比較して大きいのか小さいのかを、同じマス目に表示された表示体の表情によって直感的に把握することができる。
【0102】
(6)特典付与制御処理
特典付与制御処理では、個別値算出処理によって分析対象プレーヤ(本実施形態では対戦を終えた第1プレーヤおよび第2プレーヤ)についてそれまで未算出であったキャラクタ間に係る個別相性値が算出された場合に、分析対象プレーヤに所与の特典を付与する制御を行う。つまり、プレーヤが新たに対戦を行ったことで個別相性値テーブル620においてそれまで空欄だったキャラクタ間の個別相性値が算出された場合に、そのプレーヤに特典を付与する。なお、空欄だったキャラクタ間の個別相性値が算出された場合にかえて、或いは当該場合に加えて、個別相性値が更新された結果比較値が所定値以上となった場合に特典を付与する構成としてもよい。
【0103】
特典の内容は特に限定されないが、ゲームで利用可能なキャラクタやアイテム等のゲームオブジェクトの付与、新しいゲームステージやマップの開放、ミニゲームの実行、或いはそれらの組み合わせ等として適宜設定しておくことができる。ゲームオブジェクトには、プレーヤキャラクタとして選択可能なキャラクタ、プレーヤキャラクタが装備し、又は使用することができる武器や防具、弾、薬等の各種アイテム、プレーヤキャラクタの乗り物、召喚獣、魔法やスキル等のプレーヤキャラクタに付加できる追加能力、抽選権等が含まれる。また、その時点での未算出の個別相性値の数(個別相性値テーブル620における空欄の数)に応じて、付与する特典の内容を変更するようにしてもよい。
【0104】
(7)演出制御処理
演出制御処理では、プレーヤがゲームをプレイする前に、対戦する各プレーヤのプレーヤ端末1500に対し、一般相性値と個別相性値との比較結果に基づく各プレーヤ向けの演出の実行を制御する。比較結果としては、例えば、使用キャラクタの相手キャラクタに対する比較値を用いることができる。具体的には、先ず、第1プレーヤの比較値テーブル630から、第1プレーヤが使用するキャラクタの第2プレーヤが使用するキャラクタに対する比較値を読み出す。そして、第1プレーヤのプレーヤ端末1500に対し、読み出した比較値を用いて第1プレーヤ向けの演出の実行を制御する。
【0105】
また、第2プレーヤについても同様の処理を行い、先ずその比較値テーブル630から、第2プレーヤが使用するキャラクタの第1プレーヤが使用するキャラクタに対する比較値を読み出す。そして、第2プレーヤのプレーヤ端末1500に対し、読み出した比較値を用いて第2プレーヤ向けの演出の実行を実行する。
【0106】
例えば、比較値が大きいときには、その対戦が第1プレーヤにとって得意な(相性がよい)相手との対戦であるとか、第1プレーヤが優勢であるといった旨の表示を制御することで、演出の実行を制御する。比較値が小さいのであれば、その対戦が第1プレーヤにとって不得意な(相性が悪い)相手との対戦であるとか、第1プレーヤが劣勢である旨の表示を制御する。また、比較値が「0」に近く両者の勝率に差がない場合やその差が小さい場合には、互角の対戦である旨の表示を制御する。もちろん、比較値に応じた音声を出力する制御を行って演出を実行するのでもよい。
【0107】
図12は、ここでの演出表示の例を示す図である。具体的には、図12では、第1プレーヤがキャラクタ4aを操作し、第2プレーヤがキャラクタ4bを操作して対戦するゲームプレイ前の、第1プレーヤのプレーヤ端末1500に対する第1プレーヤ向けの演出表示例を示している。すなわち、本例では、第1プレーヤについてのキャラクタ4aのキャラクタ4bに対する比較値が小さい(つまり、第1プレーヤがキャラクタ4aを使用してキャラクタ4bと対戦した際の対戦結果に基づく個別相性値が同一組み合わせのキャラクタ間に係る一般相性値より小さい)場合の演出表示例を示しており、苦手な相手との対戦である旨のメッセージが表示されている。
【0108】
なお、比較値を用いる構成に限らず、プレーヤ間比較値を用いることもできる。すなわち、第2プレーヤとの間で対戦するキャラクタ間に係る個別相性値の比較値(プレーヤ間比較値)を上記した要領で求め、求めたプレーヤ間比較値に応じた演出を実行するようにしてもよい。
【0109】
[機能構成]
1.サーバシステム
図13は、サーバシステム1100の機能構成例を示すブロック図である。図13に示すように、本実施形態のサーバシステム1100は、操作入力部100sと、サーバ処理部200sと、画像表示部390sと、音出力部392sと、通信部394sと、サーバ記憶部500sとを備える。
【0110】
操作入力部100sは、システム管理や保守等のための各種操作を入力するためのものであり、例えばキーボードやマウス、タッチパネル等で実現できる。図1では、キーボード1106やタッチパネル1108がこれに該当する。
【0111】
サーバ処理部200sは、例えばCPUやGPU、ASIC、FPGA等の演算回路であるプロセッサや、ICメモリ等の電子部品によって実現でき、操作入力部100sやサーバ記憶部500sを含む装置各部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100sからの操作入力信号、プレーヤ端末1500から受信したデータ等に基づいて各種の演算処理を行い、サーバシステム1100の動作を統括制御する。図1では、制御基板1150やそのCPU1151がこれに該当する。
【0112】
このサーバ処理部200sは、ユーザ管理部210と、ゲーム管理部230と、画像生成部290sと、音生成部292sと、通信制御部294sとを備える。
【0113】
ユーザ管理部210は、ユーザ登録に係る処理およびプレーヤID(アカウント)に紐付けられる各登録ユーザ(プレーヤ)のデータの管理を行う。例えば、ユーザ登録を済ませたプレーヤへの固有のプレーヤIDの付与処理、プレーヤID別に個人情報を登録管理する登録情報管理処理、ログインおよびログアウトの履歴等を管理する利用履歴管理処理等を実行することができる。勿論、これら以外のプレーヤIDに紐付けられる他のデータの管理処理も適宜含めることができる。
【0114】
ゲーム管理部230は、ゲームの実行管理に係る各種処理を行う。本実施形態のゲームはクライアント・サーバ型のオンラインゲームなので、ゲーム管理部230は、プレーヤ端末1500と通信を行いながらゲームプレイに必要なデータを提供する制御を行う。このゲーム管理部230は、ゲーム進行制御部231と、一般値算出部233と、個別値算出部235と、比較値算出部237と、集計・分析結果表示制御部239と、特典付与制御部243と、演出制御部245とを含む。
【0115】
ゲーム進行制御部231は、プレーヤ端末1500との通信を随時行って当該プレーヤ端末1500におけるゲームプレイ(対戦)の進行を制御し、ゲームプレイの反映に関する処理を行う。
【0116】
一般値算出部233は、一般値算出処理を行う機能部であり、対戦情報580に基づいて、候補キャラクタ群を構成する各キャラクタの組み合わせ毎に、該当するキャラクタ間の一般相性値を算出する。本実施形態では、候補キャラクタ群のキャラクタ毎に、対キャラクタ別の勝率を一般相性値として算出する。
【0117】
個別値算出部235は、個別値算出処理を行う機能部であり、分析対象プレーヤが行った対戦毎の対戦情報580に基づいて、その相手キャラクタとの組み合わせ毎に、該当するキャラクタ間の個別相性値を算出する。本実施形態では、プレーヤ毎に、候補キャラクタ群のキャラクタのそれぞれについて、対キャラクタ別の勝率を個別相性値として算出する。
【0118】
比較値算出部237は、比較値算出処理を行う機能部であり、候補キャラクタ群を構成するキャラクタのそれぞれについて、同一組み合わせのキャラクタ間に係る一般相性値と個別相性値との差を比較値として算出する。
【0119】
集計・分析結果表示制御部239は、一般値算出部233によって算出された一般相性値や個別値算出部235によって算出された個別相性値の表示に関する制御を行う。本実施形態では、ゲームサイトにアクセスしたプレーヤ(表示対象プレーヤ)による一般値表示メニューの選択があった場合の一般値表示の制御や、個別値表示メニューの選択があった場合の個別値表示の制御を行う。具体的には、図7図8等を参照して説明したように、マトリクス状のマス目を用いて、縦軸の候補キャラクタ群の各キャラクタについて横軸の当該候補キャラクタ群の各キャラクタに対する一般相性値の表示や表示対象プレーヤの個別相性値の表示を制御する。また、個別値表示の制御中においてプルダウンボタンB3(図8等を参照)がタッチ操作され、表示順規則の選択があった場合には、当該個別値表示のマトリクス状の縦軸および横軸のマス目の表示順を並び替える。
【0120】
また、集計・分析結果表示制御部239は、比較表示制御処理を行う比較表示制御部241を備える。この比較表示制御部241は、個別値表示の制御中において一般値比較表示メニューM31(図8を参照)の選択があった場合の一般値一覧比較表示の制御、プレーヤ間比較表示メニューM33(図8を参照)の選択があった場合のプレーヤ間一覧比較表示の制御、および初期値比較表示メニューM35(図8を参照)の選択があった場合の初期値一覧比較表示の制御を行う。
【0121】
特典付与制御部243は、特典付与制御処理を行う機能部であり、個別値算出部235によって分析対象プレーヤとされたプレーヤの個別相性値が算出された場合であって、当該個別相性値がそれまで当該プレーヤについては未算出であったキャラクタ間に係る個別相性値であった場合に、当該プレーヤに所与の特典を付与する制御を行う。
【0122】
演出制御部245は、演出制御処理を行う機能部であり、例えば、プレーヤがゲームをプレイして対戦する前に、当該プレーヤの比較値テーブル630を参照して、その使用キャラクタの相手キャラクタに対する比較値に基づく演出を実行する制御を行う。
【0123】
画像生成部290sは、サーバシステム1100のシステム管理等に関する画像を生成し、画像表示部390sへ出力する。
【0124】
音生成部292sは、音声データの生成やデコードをするICやソフトウェアの実行により実現され、サーバシステム1100のシステム管理や動画配信に係る操作音、BGM等の音声データを生成し、或いはデコードする。システム管理に関する音声信号は、音出力部392sへ出力される。
【0125】
通信制御部294sは、通信部394sを介して外部装置(例えばプレーヤ端末1500)とのデータ通信のための通信接続およびデータ処理を行い、外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0126】
画像表示部390sは、画像生成部290sから入力される画像信号に基づいてシステム管理等のための各種画面を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。図1では、タッチパネル1108がこれに該当する。
【0127】
音出力部392sは、音生成部292sから入力される音声信号を放音する。図1では、本体装置1101やタッチパネル1108が備えるスピーカ(不図示)がこれに該当する。
【0128】
通信部394sは、ネットワーク9と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現できる。図1では、通信装置1153がこれに該当する。
【0129】
サーバ記憶部500sには、サーバシステム1100を動作させ、サーバシステム1100が備える種々の機能を実現するためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等が予め格納され、或いは処理の都度一時的に格納される。例えば、RAMやROM等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現できる。図1では、ICメモリ1152やストレージ1140がこれに該当する。
【0130】
図14は、本実施形態におけるサーバ記憶部500sが記憶するプログラムやデータの例を示す図である。本実施形態におけるサーバ記憶部500sは、サーバプログラム501と、配信用ゲームクライアントプログラム503と、ユーザ管理データ510と、ゲーム設定データ520と、表示体定義データ530と、初期相性値テーブル540と、特典テーブル550と、演出データ560と、対戦プレイデータ570と、対戦情報580と、対戦集計・分析データ600とを格納する。またその他にも、タイマーやカウンタ、各種フラグ等、必要なデータも適宜記憶できる。
【0131】
サーバプログラム501は、サーバ処理部200sをユーザ管理部210およびゲーム管理部230として機能させるためのプログラムである。なお、画像生成部290sや音生成部292s、通信制御部294sとして機能させるプログラムも適宜これに含めることができる。
【0132】
配信用ゲームクライアントプログラム503は、プレーヤ端末1500にダウンロードされるゲームクライアントプログラム502(図15を参照)の原本である。
【0133】
ユーザ管理データ510は、ユーザ登録を済ませたプレーヤ毎に用意され、当該プレーヤのゲームプレイに関する管理用の各種データを格納する。具体的には、1つのユーザ管理データ510は、該当するプレーヤのプレーヤID511と、プレーヤレベル513と、年齢や性別等の個人情報515とを含む。また、その他にも、プレイ日時やプレイ時間等のプレイ履歴、プレイ状況に係るセーブデータ等を含む。
【0134】
ゲーム設定データ520は、ゲームを実行するために必要な各種設定データを格納する。例えば、候補キャラクタ群の各キャラクタの種類や各種能力パラメータ値、モデルデータ、動作制御に用いるモーションデータ等を定義するキャラクタ設定データ、ゲームの過程でプレーヤが入手し得るアイテム等の各種ゲームオブジェクトに係るオブジェクト定義データ、ゲームステージの設定に係るステージ設定データ等を格納する。
【0135】
初期相性値テーブル540は、候補キャラクタ群のキャラクタ毎に、対キャラクタ別の初期相性値を格納する。
【0136】
表示体定義データ530は、一般値一覧比較表示用に用意されて比較値と表示体との対応関係を格納する一般値比較用データ531(図11を参照)と、プレーヤ間一覧比較表示用に用意されてプレーヤ間比較値と表示体との対応関係を格納するプレーヤ間比較用データ533と、初期値一覧比較表示用に用意されて初期比較値と表示体との対応関係を格納する初期値比較用データ535とを含む。
【0137】
対戦プレイデータ570は、実行中のゲーム毎に用意され、当該ゲームで対戦しているプレーヤや、当該ゲームのプレイ状況(進行状況)を記述する各種データを格納する。
【0138】
対戦情報580は、対戦毎に生成され、図3を参照して説明したように、当該対戦を行った各プレーヤのプレーヤID591a,591bや使用キャラクタ種類595a,595b、勝敗情報597a,597b等を格納する。
【0139】
対戦集計・分析データ600は、一般相性値テーブル610(図4を参照)と、プレーヤ毎の個別相性値テーブル620(図5を参照)と、プレーヤ毎の比較値テーブル630(図6を参照)とを格納する。
【0140】
特典テーブル550は、特典付与制御処理でプレーヤに付与される特典内容を格納する。例えば、複数の特典の中から1つをプレーヤに付与する構成の場合であれば、特典テーブル550は、当該特典候補のリストを格納する。また、特典付与時点での未算出の個別相性値の数に応じて特典の内容を変えるのであれば、未算出の個別相性値の数と対応付けて付与する特典又は特典候補のリストを格納した特典テーブル550を用意しておく。
【0141】
演出データ560は、演出制御処理において実行する演出内容を定義したデータテーブルである。具体的には、1つの演出データ560には、比較値範囲561と対応付けて、当該比較値範囲561に応じた演出内容563が設定される。
【0142】
2.プレーヤ端末
図15は、プレーヤ端末1500の機能構成例を示すブロック図である。図15に示すように、プレーヤ端末1500は、操作入力部100と、端末処理部200と、画像表示部390と、音出力部392と、通信部394と、端末記憶部500とを備える。
【0143】
操作入力部100は、プレーヤが各種操作を入力するためのものであり、例えば、ボタンスイッチ、ジョイスティック、タッチパッド、トラックボール、加速度センサ、角速度センサ、CCDモジュール等によって実現できる。図2では、方向入力キー1502やホームキー1504、タッチパネル1506がこれに該当する。
【0144】
端末処理部200は、例えばCPUやGPU、ASIC、FPGA等の演算回路であるプロセッサや、ICメモリ等の電子部品によって実現でき、操作入力部100や端末記憶部500を含む装置各部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100からの操作入力信号、サーバシステム1100から受信したデータ等に基づいて各種の演算処理を行い、プレーヤ端末1500の動作を統括制御する。図2では、制御基板1550やそのCPU1551がこれに該当する。そして、本実施形態における端末処理部200は、プレーヤ端末演算部270と、画像生成部290と、音生成部292と、通信制御部294とを備える。
【0145】
プレーヤ端末演算部270は、プレーヤ端末1500をプレーヤのゲームプレイのための端末として機能させるための各種演算処理を実行する。例えば、プレーヤ端末演算部270は、操作信号送信制御部271と、ゲーム画面表示制御部273とを含む。
【0146】
操作信号送信制御部271は、操作入力部100に対する操作入力に応じて、各種データやリクエスト情報をサーバシステム1100へ送信するための処理を行う。
【0147】
ゲーム画面表示制御部273は、サーバシステム1100から受信した各種データに基づいて、ゲーム画面を表示するための制御を行う。例えば、本実施形態のオンラインゲームをウェブゲームとして実現するならば、ウェブブラウザをベースとしてHTMLとともにJava(登録商標)やCSS(Cascading Style Sheets)を利用して能動的に画面表示を制御するウェブ技術、Adobe(登録商標)Flash等のプラグインを用いて実現できる。勿論、その他の方法でもかまわない。
【0148】
画像生成部290は、ゲーム画面表示制御部273と連係して、サーバシステム1100から受信した各種データに基づいて1フレーム時間(例えば1/60秒)で1枚のゲーム画面を表示するための画像信号を生成し、生成した画像信号を画像表示部390に出力する。例えば、GPU、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)等のプロセッサ、ビデオ信号IC、ビデオコーデック等のプログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ等によって実現できる。
【0149】
音生成部292は、例えば、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)や、音声合成IC等のプロセッサ、音声ファイルを再生するためのオーディオコーデック等によって実現され、ゲームの効果音やBGM、各種操作音の音声信号を生成して音出力部392に出力する。
【0150】
通信制御部294は、通信部394を介して外部装置(例えばサーバシステム1100)とのデータ通信のための通信接続およびデータ処理を行い、外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0151】
画像表示部390は、画像生成部290から入力される画像信号に基づいて、ゲーム画面等の各種画面を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。図2では、タッチパネル1506がこれに該当する。
【0152】
音出力部392は、音生成部292から入力される音声信号に基づいてゲームに関する効果音やBGM等を放音する。図2では、スピーカ1510がこれに該当する。
【0153】
通信部394は、ネットワーク9と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現できる。図2では、無線通信モジュール1553がこれに該当する。
【0154】
端末記憶部500には、プレーヤ端末1500を動作させ、プレーヤ端末1500が備える機能を実現するためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等が予め格納され、或いは処理の都度一時的に格納される。例えば、RAMやROM等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現できる。図2では、ICメモリ1552や、メモリカード1540がこれに該当する。
【0155】
また、端末記憶部500には、ゲームクライアントプログラム502が格納される。ゲームクライアントプログラム502は、端末処理部200をプレーヤ端末演算部270として機能させるためのプログラムである。このゲームクライアントプログラム502は、オンラインゲームを実現する技術手法に応じた専用のクライアントプログラムであってもよいし、ウェブブラウザプログラムおよびインタラクティブな画像表示を実現するプラグイン等により構成するとしてもよい。本実施形態では、サーバシステム1100から提供される配信用ゲームクライアントプログラム503(図14を参照)のコピーとする。
【0156】
[処理の流れ]
図16は、サーバシステム1100の処理の流れを示すフローチャートである。ここで説明する処理は、サーバ処理部200sがサーバプログラム501を読み出して実行することによって実現される。
【0157】
サーバシステム1100では、ゲームをプレイするプレーヤがいて対戦を開始する場合は(ステップS1:YES)、演出制御部245が演出制御処理を行い、対戦するプレーヤのプレーヤ端末1500に対してそのプレーヤ向けの演出を実行する制御を行う(ステップS3)。具体的には、各プレーヤ端末1500に対し、そのプレーヤの使用キャラクタの相手キャラクタに対する比較値に基づく演出を実行する制御を行う。
【0158】
その後は、ゲーム進行制御部231がゲームを実行し、対戦する各プレーヤのプレーヤ端末1500でのゲームプレイの進行を制御する(ステップS5)。そして、対戦が終わったら、対戦情報580を生成して記憶する(ステップS7)
【0159】
続いて、一般値算出部233が一般値算出処理を行い、今回の対戦結果を、対戦したキャラクタ間の一般相性値に反映させる(ステップS9)。また、個別値算出部235が個別値算出処理を行い、今回の対戦結果を、第1プレーヤおよび第2プレーヤそれぞれの対戦したキャラクタ間の個別相性値に反映させる(ステップS11)。また、比較値算出部237が比較値算出処理を行い、ステップS9で算出した一般相性値と、ステップS11で算出した第1プレーヤおよび第2プレーヤのそれぞれの個別相性値との比較値を算出する(ステップS13)。
【0160】
そして、ステップS11においてそれまで未算出であった個別相性値が算出された場合には(ステップS15:YES)、特典付与制御部243が特典付与制御処理を行い、該当するプレーヤに特典を付与する(ステップS17)。
【0161】
また、ゲームサイトにアクセスしたプレーヤによる個別値表示メニューの選択操作を検出した場合には(ステップS19:YES)、集計・分析結果表示制御部239が、個別値表示を制御する(ステップS21)。具体的には、図8等を参照して説明したように、個別相性値テーブル620から候補キャラクタ群の各キャラクタの対キャラクタ別の個別相性値を読み出し、マトリクス状の各マス目に表示する。
【0162】
そして、この個別値表示の制御中に一般値比較表示メニューの選択操作を検出した場合には(ステップS23:YES)、比較表示制御部241が、一般値一覧比較表示を制御する(ステップS25)。
【0163】
また、個別値表示時の制御中にプレーヤ間比較表示メニューの選択操作を検出した場合には(ステップS27:YES)、比較表示制御部241は、プレーヤ間一覧比較表示の制御を行う(ステップS29)。
【0164】
また、個別値表示の制御中に初期値比較表示メニューの選択操作を検出した場合には(ステップS31:YES)、比較表示制御部241は、初期値一覧比較表示の制御を行う(ステップS33)。
【0165】
また、個別値表示の終了操作を検出した場合には(ステップS35:YES)、個別値表示を終える。その後は、本処理の終了判定がされなければ(ステップS37:NO)、ステップS1に戻って上記した処理を繰り返す。
【0166】
以上説明したように、本実施形態によれば、キャラクタ間の一般相性値を、第1の分析対象プレーヤが行った対戦結果に基づく当該キャラクタ間の個別相性値と比較可能にプレーヤに提示することができる。また、比較対象プレーヤが行った対戦結果に基づくキャラクタ間の個別相性値を、分析対象プレーヤが行った対戦結果に基づく当該キャラクタ間の個別相性値と比較可能にプレーヤに提示することができる。また、キャラクタ間の初期相性値を、分析対象プレーヤが行った対戦結果に基づく当該キャラクタ間の個別相性値と比較可能にプレーヤに提示することができる。
【0167】
なお、本発明を適用可能な形態は上記した実施形態に限定されるものではなく、適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
【0168】
[変形例1]
例えば、上記実施形態では、プレーヤがゲームをプレイして対戦する前に一般相性値と個別相性値との比較結果に基づく演出を実行することとしたが、当該演出は、その対戦後に実行することとしてもよい。
【0169】
また、比較結果にかえて、一般相性値や個別相性値に基づく演出を実行するとしてもよい。その場合は、一般相性値や個別相性値の取り得る値に基づいて演出内容を定めた演出データを用意しておけばよい。例えば、図12の状況において一般相性値に基づく演出を実行する場合には、第1プレーヤのプレーヤ端末1500に対しては、キャラクタ4aのキャラクタ4bに対する一般相性値に応じた演出表示を行う。一方、第2プレーヤのプレーヤ端末1500に対しては、キャラクタ4bのキャラクタ4aに対する一般相性値に応じた演出表示を行う。また、図12の状況において個別相性値に基づく演出を実行するのであれば、第1プレーヤのプレーヤ端末1500に対しては、第1プレーヤについてのキャラクタ4aのキャラクタ4bに対する個別相性値に応じた演出表示を行う。一方、第2プレーヤのプレーヤ端末1500に対しては、第2プレーヤについてのキャラクタ4bのキャラクタ4aに対する個別相性値に応じた演出表示を行う。
【0170】
或いは、演出の実行は、プレーヤがゲームプレイする前後に限らず、そのゲームのリプレイ表示の際に行うとしてもよい。その場合は、演出制御部245が、第2の演出制御手段として、リプレイ表示の際に演出の実行を制御する。演出自体は、一般相性値、個別相性値、およびそれらの比較結果(比較値)のうちの何れかに基づいて上記と同様の要領で行えばよい。
【0171】
[変形例2]
また、上記実施形態では、個別値表示の制御中、個別相性値が表示されたマトリクス状のマス目において表示体を表示することで一覧比較表示を行うこととした。具体的には、一般値一覧比較表示では比較値に応じた表示体を表示し、プレーヤ間一覧比較表示ではプレーヤ間比較値に応じた表示体を表示し、初期値一覧比較表示では初期比較値に応じた表示体を表示することとした。これに対し、比較値やプレーヤ間比較値、初期比較値に応じて各マス目の表示態様を変更することで、各種一覧比較表示を行う構成とすることもできる。例えば、各マス目における個別相性値の表示色を、当該マス目と同一組み合わせのキャラクタ間に係る比較値等に応じた色にするとか、各マス目の背景色を、当該マス目と同一組み合わせのキャラクタ間に係る比較値等に応じた色にする等としてもよい。
【0172】
[変形例3]
また、上記実施形態では、全ての登録ユーザが行った対戦の対戦情報580を集計して一般相性値を算出することとした。これに対し、所定の集計対象のプレーヤが行った対戦の対戦情報580を選んで集計し、一般相性値を算出するようにしてもよい。例えば、分析対象プレーヤが所属するグループのメンバーを集計対象のプレーヤとして、各メンバーが行った対戦の対戦情報580から一般相性値を算出する等としてもよい。
【符号の説明】
【0173】
1000…ゲームシステム
1100…サーバシステム
100s…操作入力部
200s…サーバ処理部
210…ユーザ管理部
230…ゲーム管理部
231…ゲーム進行制御部
233…一般値算出部
235…個別値算出部
237…比較値算出部
239…集計・分析結果表示制御部
241…比較表示制御部
243…特典付与制御部
245…演出制御部
290s…画像生成部
292s…音生成部
294s…通信制御部
390s…画像表示部
392s…音出力部
394s…通信部
500s…サーバ記憶部
501…サーバプログラム
503…配信用ゲームクライアントプログラム
510…ユーザ管理データ
513…プレーヤレベル
520…ゲーム設定データ
530…表示体定義データ
531…一般値比較用データ
533…プレーヤ間比較用データ
535…初期値比較用データ
540…初期相性値テーブル
550…特典テーブル
560…演出データ
563…演出内容
570…対戦プレイデータ
580…対戦情報
590a…第1プレーヤデータ
590b…第2プレーヤデータ
593a,593b…プレーヤレベル
595a,595b…使用キャラクタ種類
597a,597b…勝敗情報
600…対戦集計・分析データ
610…一般相性値テーブル
620…個別相性値テーブル
630…比較値テーブル
1500…プレーヤ端末
100…操作入力部
200…端末処理部
270…プレーヤ端末演算部
271…操作信号送信制御部
273…ゲーム画面表示制御部
290…画像生成部
292…音生成部
294…通信制御部
390…画像表示部
392…音出力部
394…通信部
500…端末記憶部
502…ゲームクライアントプログラム
9…ネットワーク
2…プレーヤ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16