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特許7330273リソグラフィシステムのための自己整合システム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-10
(45)【発行日】2023-08-21
(54)【発明の名称】リソグラフィシステムのための自己整合システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 9/00 20060101AFI20230814BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20230814BHJP
【FI】
G03F9/00 H
G03F7/20 501
G03F7/20 521
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021526278
(86)(22)【出願日】2019-10-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-19
(86)【国際出願番号】 US2019055151
(87)【国際公開番号】W WO2020101822
(87)【国際公開日】2020-05-22
【審査請求日】2021-07-13
(31)【優先権主張番号】16/192,591
(32)【優先日】2018-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】コスクン, テイマー
(72)【発明者】
【氏名】ブルナー, ルドルフ シー.
【審査官】今井 彰
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-124142(JP,A)
【文献】国際公開第2005/116577(WO,A1)
【文献】特開2004-279166(JP,A)
【文献】特開平11-054407(JP,A)
【文献】特開平08-181062(JP,A)
【文献】登録実用新案第3200372(JP,U)
【文献】特開平10-284396(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/20-7/24、9/00-9/02
H01L 21/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リソグラフィシステム内のプレート上の基板の位置合わせの方法であって、
前記リソグラフィシステム内の前記プレート上に基板を配置することと、
前記基板上の位置合わせマークセルグリッド内に複数のマークセルを設けることであって、前記マークセルのそれぞれが、前記位置合わせマークセルグリッド内の列と行を画定するコードを含む、複数のマークセルを設けることと、
少なくとも2つのカメラのそれぞれの視野が、少なくとも1つのマークセルに照準が合わさるように、前記リソグラフィシステムに対して前記少なくとも2つのカメラを設けることと、
前記少なくとも2つのカメラのそれぞれについて前記視野の中心に探索領域を画定することであって、当該探索領域が、前記少なくとも2つのカメラのそれぞれの前記視野よりも小さいサイズを有し、前記マークセルの照準合わせが、各カメラの画定された当該探索領域内で行われる、探索領域を画定することと、
各カメラの前記探索領域内の前記マークセルのそれぞれの中心を発見することと、
各マークセルの前記コードを読み取ることと、
前記少なくとも2つのカメラの視野及び各マークセルの前記コードに基づいて、前記リソグラフィシステム内の前記プレート上の前記基板を位置合わせすること
を含む方法。
【請求項2】
記基板を位置合わせすることが、アルゴリズムによって行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記プレートが、単一のプレートである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記プレートが、複数のプレートである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
各マークセルが、高さと幅を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
探索領域が、マークセルの高さと幅の倍数にサイズが等しい、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記倍数が整数であり、前記整数が2である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
リソグラフィシステム内のプレート上の基板の位置合わせの方法であって、
前記リソグラフィシステム内の前記プレート上に基板を配置することであって、当該基板が、位置合わせマークセルグリッド内に複数のマークセルを有し、前記マークセルの各々が、前記位置合わせマークセルグリッド内の列と行を画定するコードを含む、基板を配置することと、
前記リソグラフィシステムのための少なくとも2つのカメラについて、前記少なくとも2つのカメラのうちの第1のカメラの第1の視野に位置する第1のマークセルに照準を合わせ、前記少なくとも2つのカメラのうちの第2のカメラのための第2の視野に位置する第2のマークセルに照準を合わせることと、
前記第1のカメラの前記第1の視野の中心において第1の探索領域を画定し、前記第2のカメラの前記第2の視野の中心において第2の探索領域を画定することであって、当該第1の探索領域及び当該第2の探索領域が、それぞれ前記第1の視野及び前記第2の視野よりも小さいサイズを有する、第1の探索領域及び第2の探索領域を画定することと、
前記第1の視野の前記第1の探索領域を前記第1のマークセルと位置合わせすることと、
前記第2の視野の前記第2の探索領域を前記第2のマークセルと位置合わせすることと、
前記第1のマークセル及び前記第2のマークセルの前記コードを読み取って、前記リソグラフィシステム内の前記プレート上の前記基板を位置合わせすること
を含む方法。
【請求項9】
前記第1のマークセル及び前記第2のマークセルのうちの少なくとも1つが、位置合わせための十字マークを有する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の探索領域及び前記第2の探索領域のうちの1つが、マークセルの高さと幅の倍数にサイズが等しい、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記プレートが、単一のプレートである、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記プレートが、複数のプレートである、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
リソグラフィシステム内の基板の位置合わせの方法であって、
前記リソグラフィシステム内で基板を配置することであって、当該基板が、位置合わせマークセルグリッド内に複数のマークセルを有し、前記マークセルの各々が、前記位置合わせマークセルグリッド内の列と行を画定するコードを含む、基板を配置することと、
前記リソグラフィシステムのための少なくとも2つのカメラについて、前記少なくとも2つのカメラのうちの第1のカメラの第1の視野に位置する第1のマークセルに照準を合わせ、前記少なくとも2つのカメラのうちの第2のカメラのための第2の視野に位置する第2のマークセルに照準を合わせることと、
前記第1のカメラの前記第1の視野の中心において第1の探索領域を画定し、前記第2のカメラの前記第2の視野の中心において第2の探索領域を画定することであって、当該第1の探索領域及び当該第2の探索領域が、それぞれ前記第1の視野及び前記第2の視野よりも小さいサイズを有する、第1の探索領域及び第2の探索領域を画定することと、
前記第1の視野の前記第1の探索領域を前記第1のマークセルと位置合わせすることと、
前記第2の視野の前記第2の探索領域を前記第2のマークセルと位置合わせすることと、
前記第1のマークセル及び前記第2のマークセルの前記コードを読み取ることと、
前記少なくとも2つのカメラの視野及び各マークセルの前記コードに基づいて、前記リソグラフィシステム内の前記基板を位置合わせすること
を含む方法。
【請求項14】
前記複数のマークセルのそれぞれは、高さ及び幅を有し、前記第1の探索領域及び前記第2の探索領域は、それぞれ、マークセルの高さ及び幅の倍数にサイズが等しい、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記倍数が整数であり、前記整数が2である、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の実施形態は、概して、1つ又は複数の基板を処理するための装置、システム、及び方法に関し、より具体的には、フォトリソグラフィプロセスを実行するための装置、システム、及び方法に関する。より具体的には、開示の態様は、自己整合デジタルリソグラフィツール及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]フォトリソグラフィは、半導体デバイスや表示デバイス(例えば、液晶ディスプレイ(LCD))の製造に広く用いられている。LCDの製造においては、大面積基板が利用されることが多い。LCD又はフラットパネルは、一般的に、コンピュータ、タッチパネルデバイス、携帯情報端末(PDA)、携帯電話、テレビモニタなどのアクティブマトリクスディスプレイに使用される。他の構成では、条件が許すならば、有機発光ダイオード(OLED)が使用される。通常、フラットパネルは、2枚のプレートの間に挟まれた画素を形成する液晶材料の層を含む。電源からの電力が液晶材料にわたって印加されると、液晶材料を通過する光の量が画素の位置において制御され、これにより画像の生成が可能となる。
【0003】
[0003]画素を形成する液晶材料層の一部として組み込まれる電気的特徴を作製するために、マイクロリソグラフィ技術が利用されてきた。この技法によれば、感光性フォトレジストが基板の少なくとも1つの表面に塗布される。次に、パターン発生器が、パターンの一部として感光性フォトレジストの選択領域を光で露光して、選択領域のフォトレジストに化学変化を引き起こし、これらの選択領域を、電気的特徴を生成するための後続の材料除去工程及び/又は材料追加工程のために準備する。
【0004】
[0004]消費者が要求する価格でディスプレイデバイス及び他のデバイスを提供し続けるために、大面積基板などの基板上にパターンを正確且つ費用効果的に作製するための新しい装置及びアプローチが必要とされている。
【0005】
[0005]デジタルリソグラフィツールにおいては、カメラからの画像を使用して、位置合わせマークの位置を見つけ、その結果、既知の位置にわたって処理が起こり得る。画像を取得するために、カメラは、較正され、特に画素サイズ、配向(回転)、及び均一性に関して選択される。
【0006】
[0006]例えば、カメラのピクセルサイズの誤りは、マーク位置の誤りとなる。この状況では、累積された誤差は、カメラの視野(field of view:FOV)中心に対する位置合わせマークの距離に比例する。
【0007】
[0007]累積し得る誤差を最小限に抑えるために、オペレータやシステム設計者が使用する方法の1つは、基板を運ぶステージを反復的に動かすことであり、これにより、位置合わせマークはカメラのFOVの中心に位置する。このような移動は、手動で、又はコンピュータによって行うことができる。
【0008】
[0008]しかしながら、このような補正方法では、並行な位置合わせを実行することが可能とならない。ここでは、各アイが、それぞれのアイの下の位置合わせマークの画像を並行して撮影し、その結果、位置合わせの総時間が長くなる。
【0009】
[0009]このような方法では、FOVの端部に向かうカメラFOVの均一性は、FOVの中心ほど良好ではないことが分かっている。これは、光学的幾何学的歪み、照明、及び/又は均一性の焦点不足に関連している可能性がある。また、画像の均一性との不一致は、マーク位置の誤り、ひいては位置合わせの繰り返しを引き起こす場合がある。
【0010】
[0010]並行位置合わせを達成するためには、位置合わせマーク位置のピッチがアイ配置のピッチと同一であるとさらに想定しなければならない。公称のアイの位置からのいかなる逸脱でも、システムの全てのアイによって同時に位置合わせマークを捕捉できないという結果を引き起こし得る。
【0011】
[0011]このような従来のシステム及び方法は、並行位置合わせを非実用的にしてしまう。なぜなら、これらの方法を達成するためには、時間がかかるからである。
【0012】
[0012]したがって、時間がかからず、意図された位置合わせの目的について正確である、デジタルリソグラフィにおける位置合わせの方法及びシステムを提供する必要がある。
【発明の概要】
【0013】
[0013]基板を収容するプレートを位置合わせする方法が開示されており、ここで、別々の視野を有する複数のカメラが、複数のカメラのそれぞれの視野内にあるマークセルと位置合わせされる。
【0014】
[0014]例示的な一実施例では、リソグラフィシステム内の基板の位置合わせの方法が開示されており、当該方法は、基板を配置することと、リソグラフィシステムのための少なくとも2つのカメラについて、各マークセルが、2つのカメラのそれぞれの視野の一部と位置合わせされるように、2つのカメラのそれぞれの視野に位置するマークセルに照準を合わせことを含む。
【0015】
[0015]第2の例示的な実施例では、リソグラフィシステム内の基板の位置合わせの方法が開示されており、当該方法は、少なくとも2つのマークセルを有する基板を配置することと、リソグラフィシステムのための少なくとも2つのカメラについて、少なくとも2つのカメラのうちの第1のカメラの第1の視野に位置する第1のマークセルに照準を合わせ、少なくとも2つのカメラのうちの第2のカメラのための第2の視野に位置する第2のマークセルに照準を合わせることと、第1の視野の中心を第1のマークセルと位置合わせすることと、第2の視野の中心を第2のマークセルと位置合わせすることを含む。
【0016】
[0016]別の例示的な実施例では、リソグラフィシステム内の基板の位置合わせの方法が開示されており、当該方法は、リソグラフィシステム内で少なくとも2つマークセルを有する基板を配置することと、リソグラフィシステムのための少なくとも2つのカメラについて、少なくとも2つのカメラのうちの第1のカメラの第1の視野に位置する第1のマークセルに照準を合わせ、少なくとも2つのカメラのうちの第2のカメラのための第2の視野に位置する第2のマークセルに照準を合わせることと、第1の視野の中心を第1のマークセルと位置合わせすることと、第2の視野の中心を第2のマークセルと位置合わせすることを含み、第1のマークセル及び第2のマークセルのそれぞれが、コード化された位置合わせマークを有する。
【0017】
[0017]本開示の上述の特徴を詳細に理解することができるように、上記で簡単に要約された本開示のより具体的な説明は、実施形態を参照することによって、得ることができる。そのうちの幾つかの実施形態は添付の図面で例示されている。しかし、本開示は他の等しく有効な実施形態も許容し得ることから、添付の図面は、この開示の典型的な実施形態のみを例示しており、したがって、本開示の範囲を限定すると見なすべきではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1A】本明細書に開示された実施形態に係るフォトリソグラフィシステムの斜視図である。
図1B】本明細書に開示された実施形態に係るフォトリソグラフィシステムの斜視図である。
図2A】本明細書に開示された実施形態に係る画像投影装置の概略斜視図である。
図2B】本明細書に開示された実施形態に係る画像投影装置の概略斜視図である。
図2C】本明細書に開示された実施形態に係る画像投影装置の概略斜視図である。
図3】マークセルがステージ上に位置付けされた状態のステージの概略図である。
図4A】アイカメラFOVを有するステージの概略図である。
図4B】アイカメラFOVを有するステージの概略図である。
図5】並行位置合わせの目的で使用されるステージの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[0025]理解を容易にするため、可能な場合、図に共通する同一の要素を指し示すために同一の参照番号が使用された。一実施形態の要素及びフィーチャは、さらなる記述がなくても、他の実施形態に有益に組み込むことができると考えられている。
【0020】
[0026]以下に説明する態様では、アイ構成(eye configuration)、位置合わせマーク形状、及びセルコードが例を示す。位置合わせマーク画像を取得するためには、任意の数のアイ及び任意の数のステップが存在し得る。位置合わせマークの形状は、十字形状に制限されない。位置合わせマークは、任意の形状であってもよい。マークセルコード(mark cell code)は、OCR、形状変更、又はサイズ変更のいずれかによって実装されてもよい。マークセルコードは、線の太さを変更することによって、又は線に追加のフィーチャを追加することによって、マーク自体に埋め込むこともできる。したがって、例示された実施形態は、実質的に説明的なものに過ぎず、限定的であると見なすべきではない。
【0021】
[0027]図1Aは、本明細書に開示された実施形態に係るフォトリソグラフィシステム100Aの斜視図である。システム100Aは、ベースフレーム110、スラブ120、ステージ130、及び処理装置160を含む。ベースフレーム110は、製造施設の床に載置され、スラブ120を支持する。受動空気アイソレータ112が、ベースフレーム110とスラブ120との間に位置付けられる。一実施形態では、スラブ120は、花崗岩製の一体型構成要素であり、ステージ130は、スラブ120上に配置される。基板140が、ステージ130によって支持されている。複数の孔(図示せず)がステージ130に形成されており、それにより、複数のリフトピン(図示せず)がそれらを通って延在することが可能になる。幾つかの実施形態では、リフトピンは、延長位置まで上昇し、1つ又は複数の移送ロボット(図示せず)などから基板140を受け取る。1つ又は複数の搬送ロボットを使用して、基板140をステージ130へとロードし、ステージ130からアンロードする。
【0022】
[0028]基板140は、任意の適切な材料、例えば、フラットパネルディスプレイの一部として使用される石英を含む。他の実施形態では、基板140は、その他の材料で作られる。幾つかの実施形態では、基板140は、その上にフォトレジスト層が形成されている。フォトレジストは放射線に敏感である。ポジ型フォトレジストは、放射線に露光されたとき、フォトレジスト現像液にそれぞれ溶解するフォトレジストの部分を含む。フォトレジスト現像液は、パターンがフォトレジストに書き込まれた後にフォトレジストに塗布される。ネガ型フォトレジストは、放射線に露光されたとき、フォトレジスト現像液に対してそれぞれ不溶性となるフォトレジストの部分を含む。フォトレジスト現像液は、パターンがフォトレジストに書き込まれた後にフォトレジストに塗布される。フォトレジストの化学組成により、そのフォトレジストがポジ型フォトレジストになるか、それともネガ型フォトレジストになるかが決まる。フォトレジストの例には、ジアゾナフトキノン、フェノールホルムアルデヒド樹脂、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(メチルグルタルイミド)、及びSU-8のうちの少なくとも1つが含まれるが、これらに限定されない。この態様では、電子回路を形成するために、パターンが基板140の表面上に生成される。
【0023】
[0029]システム100Aは、一対の支持体122及び一対のトラック124を含む。一対の支持体122は、スラブ120上に配置される。スラブ120と一対の支持体122は、単片の材料である。一対のトラック124は、一対の支持体122に支持されており、ステージ130は、トラック124に沿ってX方向に移動する。一実施形態では、一対のトラック124は、一対の平行な磁気チャネルである。図示されるように、一対のトラック124の各トラック124は線形である。他の実施形態では、1つ又は複数のトラック124は、非線形である。コントローラ(図示せず)に位置情報を提供するために、エンコーダ126がステージ130に連結される。
【0024】
[0030]処理装置160は、支持体162及び処理ユニット164を含む。支持体162は、スラブ120上に配置され、ステージ130が処理ユニット164の下方を通過ための開口166を含む。処理ユニット164は支持体162によって支持される。一実施形態では、処理ユニット164は、フォトリソグラフィプロセスにおいてフォトレジストを露光させるよう構成された、パターン発生器である。幾つかの実施形態では、パターン発生器は、マスクレスリソグラフィプロセスを実行するように構成される。処理ユニット164は、複数の画像投影装置(図2A及び図2Bに示す)を含む。一実施形態では、処理ユニット164は、84個もの画像投影装置を含む。各画像投影装置は、ケース165内に配置されている。処理装置160は、マスクレス直接パターニングを実施するのに有用である。
【0025】
[0031]稼働中、ステージ130は、図1に示すローディング(搭載)位置から処理位置へとX方向に移動する。処理位置は、ステージ130が処理ユニット164の下方を通過する際の、ステージ130の1つ又は複数の位置である。稼働中、ステージ130は、複数の空気ベアリング(図示せず)によって持ち上げられ、一対のトラック124に沿ってローディング位置から処理位置まで移動する。複数の垂直誘導空気ベアリング(図示せず)が、ステージ130に連結されており、ステージ130の移動を安定化させるために、各支持体122の内壁128に隣接するように配置される。基板140を処理且つ/又はインデックス付けするために、ステージ130は、トラック150に沿って移動することにより、Y方向にも移動する。ステージ130は、独立した動作が可能であり、一方向に基板140を走査し、他方向に進むことができる。
【0026】
[0032]計測システムは、リアルタイムで各々のステージ130のX及びYの横方向位置座標を測定し、その結果、複数の画像投影装置の各々は、フォトレジストで覆われた基板に書き込まれているパターンの位置を正確に特定することができる。さらに、計測システムは、垂直軸又はZ軸の周囲のステージ130のそれぞれの角度位置のリアルタイム測定を提供する。角度位置の測定は、サーボ機構を用いた走査中に角度位置を一定に保つために使用することができ、又は、図2Aー2Bに示す画像投影装置270によって、基板140に書き込まれるパターンの位置に補正を加えるために使用することができる。これらの技法は、組み合わせにより使用することができる。
【0027】
[0033]図1Bは、本明細書に開示される実施形態に係る、フォトリソグラフィシステム200の斜視図である。システム200は、システム100と類似しているが、システム200は、2つのステージ130を含む。2つのステージ130は、それぞれ独立した動作が可能であり、基板140を一方向に走査し、他の方向に進むことができる。幾つかの実施形態では、2つのステージ130のうちの片方のステージが基板140を走査しているとき、2つのステージ130のうちの別のステージが、露光された基板をアンロードし、次に露光される基板をロードする。
【0028】
[0034]図1A及び図1Bは、フォトリソグラフィシステムの2つの実施形態を示しているが、本明細書では、他のシステム及び構成も意図されている。例えば、任意の適切な数のステージを含むフォトリソグラフィシステムも想定される。
【0029】
[0035]図2Aは、一実施形態に係る画像投影装置270の概略斜視図であり、システム100A又はシステム200などのフォトリソグラフィシステムに有用である。画像投影装置270は、1つ又は複数の空間光変調器280、焦点センサ283及びカメラ285を含む位置合わせ及び検査システム284、並びに投影光学系286を含む。画像投影装置の構成要素は、使用される空間光変調器によって異なる。空間光変調器には、マイクロLED、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、及び液晶ディスプレイ(LCD)が含まれるが、これらに限定されない。
【0030】
[0036]稼働中、空間光変調器280を使用して、光の1つ又は複数の特性(例えば、振幅、位相、又は偏光)を変調する。この光は、画像投影装置270を通して、基板(例えば、基板140)に投影される。位置合わせ及び検査システム284は、画像投影装置270の構成要素の位置合わせ及び検査のために使用される。一実施形態では、焦点センサ283は、複数のレーザを含む。複数のレーザは、カメラ285のレンズを通り、カメラ285のレンズを通って戻るように方向付けられ、画像投影装置270の焦点が合っているかどうかを検出するためにセンサ上で結像する。画像投影装置270及びフォトリソグラフィシステム100又は200の位置合わせが、確実に、正確に行われるように又は所定の許容範囲内に入るように、カメラ285を使用して、基板(例えば、基板140)を画像化する。投影光学系286(例えば、1つ又は複数のレンズ)を使用して、基板(例えば、基板140)に光を投影する。
【0031】
[0037]図2Bは、本明細書に記載された実施形態に係る画像投影装置271である。図2Bに示す実施形態では、画像投影装置271は、空間光変調器としての1つ又は複数のマイクロLED287、焦点センサ283、カメラシステム284、及び投影光学系286を含む。一実施形態では、画像投影装置271は、さらにビームスプリッタ(図示せず)を含む。マイクロLEDは、微小(例えば、約100μm未満の)発光ダイオードであり、これは、アレイ状に配列され、ディスプレイデバイスなどの基板の個々の画素を形成するために使用され得る。マイクロLEDは、無機窒化ガリウム(GaN)材料などの無機材料を含む。マイクロLEDは自己発光性であるので、画像投影装置271には外部光源は必要ない。
【0032】
[0038]マイクロLEDを使用する実施形態では、カメラ285は、マイクロLEDデバイスで起こる任意の熱膨張を較正するために、1つ又は複数のマイクロLEDの画像画素ピッチを測定するのにも有用である。
【0033】
[0039]図2Cは、本明細書に記載された実施形態に係る画像投影装置281である。図2Cに示す実施形態では、画像投影装置281は、空間光変調器として1つ又は複数のDMD289を使用する。画像投影装置281は、画像投影システム290の一部であり、画像投影システム290には、位置合わせ及び検査システム284、焦点センサ283、並びに投影光学系286に加えて、光源272、開孔274、レンズ276、フラストレートプリズムアセンブリ288、1つ又は複数のDMD289(1つが示される)、及び光ダンプ(light dump)282が含まれる。光源272は、所定の波長の光を生成することが可能な、任意の適切な光源(例えば、発光ダイオード(LED)又はレーザ)である。一実施形態では、所定の波長とは、青色範囲又は近紫外(UV)範囲内(例えば、約450nm未満)のものである。フラストレートプリズムアセンブリ288は、複数の反射面を含む。一例として、投影レンズ286は、10倍対物レンズである。図2Cに示す画像投影装置281の動作中に、青色範囲の波長などの所定の波長を有する光ビーム273が光源272によって生成される。光ビーム273は、フラストレートプリズムアセンブリ288によってDMD289へと反射される。DMDは、複数のミラーを含み、ミラーの数は、投影される画素の数に対応する。複数のミラーは個別に制御可能であり、複数のミラーの各マイクロミラーは、コントローラ(図示せず)によってDMD289に提供されるマスクデータに基づいて、オン位置又はオフ位置に設定される。光ビーム273がDMD289のミラーに到達すると、「オン」位置にあるミラーは、光ビーム273を投影レンズ286へと反射する(すなわち、複数の書き込みビームを形成する)。次いで、投影レンズ286は、光ビームを基板の表面へと投影する。「オフ」位置にあるミラーは、光ビーム273を、基板の表面の代わりに光ダンプ282へと反射する。
【0034】
[0040]図3を参照すると、本開示の一態様が記載されている。従来の装置に設けられるように、各カメラFOVのためにステージ上で単一の位置合わせマークを使用する代わりに、プレート上のコード化された位置合わせマーク(マークセルとして定義される)のアレイが複数のFOVへと延びている。
【0035】
[0041]探索領域は、カメラFOVの中心において画定される。例示的な一実施形態では、探索領域のサイズは、位置合わせマークセルの高さ及び幅の2倍に等しく、カメラFOVの中心に位置決めされる。
【0036】
[0042]例示的な実施形態では、各マークセルは、位置合わせマークグリッド内の列と行を画定するためのコードを有する。画像処理アルゴリズムを使用して、探索領域内の位置合わせマークの中心を発見して、列と行を画定するコードを読み取る。
【0037】
[0043]例示的な実施形態では、元の設計に対するマークの位置は、以下のように定義される。
Δx=Δx’
Δy=Δy’
ここで、(Δx’、Δy’)は、カメラ変換が適用された後の探索領域内のFOV中心に対するマークの位置である。元のマーク位置は、マークセルコードをマークセル座標に対してマッピングすることによって画定される。
dc=x+Δ
dc=y+Δ
【0038】
[0044]図3に示すように、マークセル302が基板304上に設けられている。306におけるマークセルは、マークセルグリッド内の(0,0)を特定する。遮光ボックス(カメラFOV)領域308は、カメラFOVを示す。理解されるように、種々のカメラFOVが、プレートに対するそれぞれの位置に従って、基板304の周囲に配置され得る。実行されるべき探索のために、探索領域310がカメラFOV領域308内に画定される。cとrの値は、マークセルグリッド内の(0,0)に関連する位置として得られる。一例として、マーク312は、(c,r)の位置にある。別の例示的な実施形態では、314におけるマークセルは、マークセルグリッド内の(N,-M)に位置する。
【0039】
[0045]図4A及び図4Bを参照すると、マークセルの使用が示されている。単一のステージ(プレート)が示されている。単一のステージとして図示されているが、複数のステージが使用されてもよい。カメラが、可動ブリッジに沿って位置付けされ、各カメラに対して視野400が生成される。図示の実施形態では、カメラが固定して取り付けられ、ステージは、別の視野が生成される位置に移動するように構成される。他の実施形態では、ステージが固定された状態でカメラが移動するように構成してもよい。位置合わせを行うことができるように、カメラの各々の視野で探索を実施してもよい。6つの測定点を有することによって、非常に精度の高い位置合わせが行われ得る。図4Bは、視野の拡大図を示す。図に示すようにマークセル402が配置される。精度のために、カメラ視野の中心付近に位置付けされたマークセル402が、位置合わせの目的のために使用されてもよい。
【0040】
[0046]プレートの位置合わせが不適切な場合、基板の位置を変更し、再度位置合わせチェックを行うことによって、適切な位置合わせが達成され得る。位置合わせが閾値偏差内になければならないように、閾値を確立することができる。位置合わせが閾値偏差内であれば、基板の移動は必要ない。規則的に繰り返し現れるマークセルを迅速に特定することができるので、位置合わせの難しさの程度を判断することができる。
【0041】
[0047]図5を参照すると、並行位置合わせの概略図が示されている。この方法を達成するために使用され得る配置500が示されている。3つのカメラ502が、図示されており、基板506を含むプレート又はステージ504の上に固定されている。他の実施形態では、カメラ502は、移動可能であり得、ステージは移動可能である。マークセル508が基板506上に配置され、それにより、カメラ502の位置合わせが達成され得る。表面の走査を可能にするために、カメラ502が、基板506の表面上を移動可能であり得る。他の実施形態では、より多くのカメラを使用してもよく、それにより、全てのカメラの視野全体が基板全体を視認することができる。
【0042】
[0048]さらに他の実施形態では、基板の上のカメラの高さを増大させることができ、それにより、走査領域が拡大することで、走査領域全体が増大する。図示されるように、3つのカメラは単なる例であるとみなしてよく、より少ない又はより多くの数のカメラを使用してもよい。
【0043】
[0049]並行位置合わせのプロセスでは、カメラ502によって第1の走査が達成され得る。このような走査は、ステップ1で目印が付けられている。次いで、ステップ2で目印が付けられているように、カメラ502が基板506の一点鎖線部分に位置するとき、第2の走査が達成され得る。6つのすべて位置で測定を行うことにより、非常に正確に基板の位置合わせを行うことができる。
【0044】
[0050]方法及び装置の態様は、従来の装置及び方法と比べて顕著な利点を提供する。提供される方法は、デジタルリソグラフィのためのステージの、時宜にかなった、正確な位置付けを可能にする。カメラ画素サイズの誤差及びカメラ回転較正誤差の誤差が取り除かれるので、これらの誤差のマーク位置誤差への移行が防止される。従来の装置と比べて、記載された態様に累積誤差は存在しない。
【0045】
[0051]開示される方法及び装置は、位置合わせマークをカメラFOVの中心にもっていくための反復方法の使用を防止する。記載された態様は、さらに並行位置合わせを提供する。
【0046】
[0052]本開示の態様は、従来の装置の均一性の問題を有していない。
【0047】
[0053]例示的な一実施例では、リソグラフィシステムのための位置合わせの方法が開示されており、当該方法は、基板を配置することと、リソグラフィシステムのための少なくとも2つのカメラについて、各マークセルが、2つのカメラのそれぞれの視野の一部と位置合わせされるように、2つのカメラのそれぞれの視野に位置するマークセルに照準を合わせることを含む。
【0048】
[0054]別の例示的な実施形態では、2つのカメラの各々の視野の一部とマークセルの各々を位置合わせすることが、アルゴリズムによって行われる方法が実行され得る。
【0049】
[0055]別の例示的な実施形態では、プレートが単一プレートである方法が実行され得る。
【0050】
[0056]別の例示的な実施形態では、プレートが複数のプレートである方法が実行され得る。
【0051】
[0057]別の例示的な実施形態では、本方法は、少なくとも2つのカメラのそれぞれについて探索領域を画定することをさらに含み得、マークセルの照準合わせが、各カメラの画定された探索領域内で行われる。
【0052】
[0058]別の例示的な実施形態では、各マークセルが高さと幅を有する方法が実行され得る。
【0053】
[0059]別の例示的な実施形態では、探索領域が、マークセルの高さと幅の倍数に等しいサイズである方法が実行され得る。
【0054】
[0060]別の例示的な実施形態では、倍数が整数である方法が実行され得る。
【0055】
[0061]別の例示的な実施形態では、整数が2である方法が実行され得る。
【0056】
[0062]別の例示的な実施形態では、各マークセルがコード化された位置合わせマークである方法が実行され得る。
【0057】
[0063]別の例示的な実施形態では、リソグラフィシステム内の基板の位置合わせの方法が開示されており、当該方法は、少なくとも2つのマークセルを有する基板を配置することと、リソグラフィシステムのための少なくとも2つのカメラについて、少なくとも2つのカメラのうちの第1のカメラの第1の視野に位置する第1のマークセルに照準を合わせ、少なくとも2つのカメラのうちの第2のカメラのための第2の視野に位置する第2のマークセルに照準を合わせることと、第1の視野の中心を第1のマークセルと位置合わせすることと、第2の視野の中心を第2のマークセルと位置合わせすることを含む。
【0058】
[0064]別の例示的な実施形態では、第1のマークセル及び第2のマークセルのうちの少なくとも1つが、位置合わせのための十字マークを有する方法が実行され得る。
【0059】
[0065]別の例示的な実施形態では、少なくとも2つのカメラのうちの第1のカメラについて第1の探索領域を画定することと、少なくとも2つのカメラのうちの第2のカメラについて第2の探索領域を画定することとをさらに含む方法が実行され得る。
【0060】
[0066]別の例示的な実施形態では、当該方法は、第1のマークセルの照準合わせを実行するために第1の探索領域を探索することをさらに含み得る。
【0061】
[0067]別の例示的な実施形態では、当該方法は、第2のマークセルの照準合わせを実行するために第2の探索領域を探索することをさらに含み得る。
【0062】
[0068]別の例示的な実施形態では、第1の探索領域及び第2の探索領域のうちの1つが、マークセルの高さと幅の倍数に等しいサイズである方法が実行され得る。
【0063】
[0069]別の例示的な実施形態では、各マークセルがコード化された位置合わせマークである方法が実行され得る。
【0064】
[0070]別の例示的な実施形態では、プレートが単一プレートである方法が実行され得る。
【0065】
[0071]別の実施例では、プレートが複数のプレートである方法が実行され得る。
【0066】
[0072]別の実施例では、位置合わせがアラインメントによって行われる方法が実行され得る。
【0067】
[0073]別の例示的な実施例では、リソグラフィシステム内の基板の位置合わせの方法が開示されており、当該方法は、リソグラフィシステム内で少なくとも2つマークセルを有する基板を配置することと、リソグラフィシステムのための少なくとも2つのカメラについて、少なくとも2つのカメラのうちの第1のカメラの第1の視野に位置する第1のマークセルに照準を合わせ、少なくとも2つのカメラのうちの第2のカメラのための第2の視野に位置する第2のマークセルに照準を合わせることと、第1の視野の中心を第1のマークセルと位置合わせすることと、第2の視野の中心を第2のマークセルと位置合わせすることを含み、第1のマークセル及び第2のマークセルのそれぞれが、コード化された位置合わせマークを有する。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3
図4A
図4B
図5