(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-14
(45)【発行日】2023-08-22
(54)【発明の名称】3-メチル-ペンタン-ジオールのエステル及びエーテル並びにそれらの不飽和誘導体と、芳香化学物質としてのそれらの使用
(51)【国際特許分類】
C11B 9/00 20060101AFI20230815BHJP
A23L 27/20 20160101ALI20230815BHJP
A61K 8/33 20060101ALI20230815BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20230815BHJP
A61K 47/08 20060101ALI20230815BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20230815BHJP
A61K 47/14 20170101ALI20230815BHJP
A61Q 13/00 20060101ALI20230815BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20230815BHJP
C11D 3/50 20060101ALI20230815BHJP
【FI】
C11B9/00 S
A23L27/20 D
A61K8/33
A61K8/37
A61K47/08
A61K47/10
A61K47/14
A61Q13/00 101
A61Q19/00
C11B9/00 G
C11D3/50
(21)【出願番号】P 2020560283
(86)(22)【出願日】2019-04-26
(86)【国際出願番号】 EP2019060801
(87)【国際公開番号】W WO2019207137
(87)【国際公開日】2019-10-31
【審査請求日】2022-04-25
(32)【優先日】2018-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブル ロイク,ミリアム
(72)【発明者】
【氏名】ダンツ,マヌエル
(72)【発明者】
【氏名】ペルツァー,ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】ガルリヒス,フロリアン
【審査官】中田 光祐
(56)【参考文献】
【文献】特開昭47-038910(JP,A)
【文献】特開昭59-175451(JP,A)
【文献】スイス国特許発明第00600761(CH,A5)
【文献】特開2013-112747(JP,A)
【文献】特開2016-130316(JP,A)
【文献】JOURNAL OF ORGANIC CHEMISTRY OF THE USSR,1975年,Vol. 11, No. 9,pp. 1819-1820
【文献】PUBCHEM-CID, 71333078,2013年05月21日
【文献】PUBCHEM-CID, 90224847,2015年02月13日
【文献】PUBCHEM-CID, 21515938,2007年12月05日
【文献】PUBCHEM-CID, 54440438,2011年12月04日
【文献】Journal of the American Chemical Society,1955年,Vol. 77, No. 17,pp. 4666-4668
【文献】PUBCHEM-CID, 117268193,2016年02月15日
【文献】PUBCHEM-CID, 88426276,2015年02月13日
【文献】PUBCHEM-CID, 91318391,2015年03月17日
【文献】PUBCHEM-CID, 87753826,2015年02月12日
【文献】PUBCHEM-CID, 89397614,2015年02月13日
【文献】Helvetica Chimica Acta,1934年,Vol. 17, Issue 1,pp. 543-549
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11B 1/00- 15/00
C11C 1/00- 5/02
A23L 27/00- 27/40; 27/60
A61K 8/00- 9/72; 47/00- 47/69
A61Q 1/00- 90/00
C07B 31/00- 61/00; 63/00- 63/04
C07C 1/00-409/44
C11D 1/00- 19/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
芳香化学物質としての、式(I):
【化1】
(式中、
記号
【化2】
の一方は単結合を表し、他方は二重結合又は単結合を表し、
R
1は、水素、C
1-C
4-アルキル又は-(C=O)-R
3であり、
R
2は、水素、C
1-C
4-アルキル又は-(C=O)-R
4であり、
R
3は、水素又はC
1-C
4-アルキルであり、
R
4は、水素又はC
1-C
4-アルキルであり、
但しR
1が水素である場合、R
2は水素ではない)
の化合物、あるいはその立体異性体若しくはその立体異性体の混合物、又は異なる式(I)の化合物の混合物の使用。
【請求項2】
式(I)において、
R
1が、C
1-C
4-アルキルであり、
R
2が、水素又はC
1-C
4-アルキルである、
請求項1に記載の使用。
【請求項3】
式(I)の化合物が、以下の特性a)、b)及び/又はc):
a) R
1とR
2とが同一である、
b) R
1及びR
2がC
1-C
3-アルキルである、
c) R
1及びR
2が、メチル又はエチ
ルである
の少なくとも1つを有する、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
式(I)において、
R
1が-(C=O)-R
3であり、
R
2が、水素、-(C=O)-R
4又はC
1-C
4-アルキルである、
請求項1に記載の使用。
【請求項5】
式(I)の化合物が、以下の特性d)、e)、f)及び/又はg):
d) R
2が-(C=O)-R
4である、
e) R
3とR
4とが同一である、
f) R
3及びR
4が、水素又はC
1-C
4-アルキルである、
g) R
3及びR
4が、水素又はC
1-C
3-アルキ
ルである、
の少なくとも1つを有する、
請求項4に記載の使用。
【請求項6】
R
1とR
2とが同一であり且つ両方ともC
1-C
4-アルキルであるか、又はR
1が-(C=O)-R
3であり且つR
2が-(C=O)-R
4である(ここでR
3とR
4とは同一であり、水素又はC
1-C
4-アルキ
ルである)、請求項1~5のいずれか1項に記載の使用。
【請求項7】
式Iの化合物の2つ又は3つの異性体を含む混合物の、請求項1~6のいずれか1項に記載の使用であって、該異性体が、式(I.1)、(I.2)及び(I.3):
【化3】
の異性体である、前記使用。
【請求項8】
嗅覚印象を付与するための、請求項1~7のいずれか1項に記載の使用。
【請求項9】
フレグランスとしての、請求項8に記載の使用。
【請求項10】
フレグランスを付与した組成物の香りの特
徴を改質するための、請求項1~9のいずれか1項に定義される式(I)の化合物、あるいはその立体異性体若しくはその立体異性体の混合物、又は異なる式(I)の化合物の混合物の使用。
【請求項11】
香水組成物、ボディケア組成物、口腔及び歯の衛生用製品、衛生物品、洗浄組成物、布用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物及び作物保護組成物からなる群から選択される組成物における、請求項1~10のいずれか1項に記載の使用。
【請求項12】
請求項1~7のいずれか1項に定義される少なくとも1つの式(I)の化合物、その立体異性体又はその立体異性体の混合物と、化合物(I)とは異なる芳香化学物質及び非芳香化学物質担体からなる群から選択される少なくとも1つのさらなる成分とを含む組成物。
【請求項13】
香水組成物、ボディケア組成物、口腔及び歯の衛生用製品、衛生物品、洗浄組成物、布用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物及び作物保護組成物からなる群から選択される、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
芳香化学物質組成
物を調製する方法であって、請求項1~7のいずれか1項に定義される少なくとも1つの式(I)の化合物、その立体異性体又はその立体異性体の混合物を、かかる組成物中
に組み込むことを含む、前記方法。
【請求項15】
式(I.1)、(I.2)及び(I.3):
【化4】
の異性体からなる群から選択される少なくとも2つの化合物の混合物を含む組成物であって、
前記混合物中に存在する式(I.1)、(I.2)及び(I.3)の化合物の全てにおいて、全てのR
1
基及びR
2
基が同一であり且つ両方ともC
1
-C
4
-アルキルであるか、又は全てのR
1
基が-(C=O)-R
3
であり、全てのR
2
基が-(C=O)-R
4
であり、且つ全てのR
3
基とR
4
基とが同一であり、水素又はC
1
-C
4
-アルキルであり、
該混合物中に存在する化合物のそれぞれを1~99重量%の量で含む(但し前記混合物中に存在する式(I.1)、(I.2)及び(I.3)の化合物の重量は合計で100%になる)、前記組成物(但し以下の混合物を除く:
- [(E)-5-アセトキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]アセテートと[(Z)-5-アセトキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]アセテートとの混合物、
- [(E)-3-メチル-5-プロパノイルオキシ-ペンタ-3-エニル]プロパノエートと[(Z)-3-メチル-5-プロパノイルオキシ-ペンタ-3-エニル]プロパノエートとの混合物、
- (E)-1,5-ジメトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンと(Z)-1,5-ジメトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンとの混合物、
- (E)-1,5-ジエトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンと(Z)-1,5-ジエトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンとの混合物、
- (E)-3-メチル-1,5-ジプロポキシ-ペンタ-2-エンと(Z)-3-メチル-1,5-ジプロポキシ-ペンタ-2-エンとの混合物、
- (E)-1,5-ジブトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンと(Z)-1,5-ジブトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンとの混合物。)。
【請求項16】
式(I.1)の化合物と、式(I.2)の化合物及び式(I.3)の化合物のいずれか1つ又は式(I.2)の化合物及び式(I.3)の化合物の両方とを
含む、請求項
15に記載の組成物。
【請求項17】
- (5-ホルミルオキシ-3-メチレン-ペンチル)ホルメート、[(E)-5-ホルミルオキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]ホルメート及び[(Z)-5-ホルミルオキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]ホルメートの混合物;
- (5-アセトキシ-3-メチレン-ペンチル)アセテート、[(E)-5-アセトキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]アセテート及び[(Z)-5-アセトキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]アセテートの混合物;
- (3-メチレン-5-プロパノイルオキシ-ペンチル)プロパノエート、[(E)-3-メチル-5-プロパノイルオキシ-ペンタ-3-エニル]プロパノエート及び[(Z)-3-メチル-5-プロパノイルオキシ-ペンタ-3-エニル]プロパノエートの混合物、
- 1,5-ジメトキシ-3-メチレン-ペンタン、(E)-1,5-ジメトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン及び(Z)-1,5-ジメトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンの混合物、
- 1,5-ジエトキシ-3-メチレン-ペンタン、(E)-1,5-ジエトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン及び(Z)-1,5-ジエトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンの混合物、並びに
- 1,5-ジ-n-ブトキシ-3-メチレン-ペンタン、(E)-1,5-ジ-n-ブトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン及び(Z)-1,5-ジ-n-ブトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンの混合物
からなる群から選択される混合物を含む、請求項
15又は16に記載の組成物。
【請求項18】
前記混合物が式(I.1)、(I.2)及び(I.3)の3つの化合物全てを含
み、
且つ(I.1):(I.2):(I.3)の比が、90:5:5~10:45:4
5の範囲内である、請求項
15~
17のいずれか1項に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芳香化学物質としての3-メチル-ペンタン-ジオールのエステル及び/又はエーテル並びにそれらの不飽和誘導体の使用、3-メチル-ペンタン-ジオールの少なくとも1つのエステル及び/若しくはその1つ以上の不飽和誘導体並びに/又は3-メチル-ペンタン-ジオールの少なくとも1つのエーテル及び/若しくはその1つ以上の不飽和誘導体を含む芳香化学物質組成物、並びに、3-メチル-ペンタン-ジオールの少なくとも1つのエステル及び/若しくはその1つ以上の不飽和誘導体並びに/又は3-メチル-ペンタン-ジオールの少なくとも1つのエーテル及び/若しくはその1つ以上の不飽和誘導体を、組成物中に、特に即時使用可能な組成物中に組み込むことを含む、芳香化学物質組成物、特にフレグランスを付与した(fragranced)組成物、とりわけフレグランスを付与した(fragranced)即時使用可能な組成物を調製する方法に関する。本発明はさらに、3-メチル-ペンタン-ジオールの特定のエーテル又はその不飽和誘導体、及び3-メチル-ペンタン-ジオールの特定のエステル又はその不飽和誘導体、かかる化合物の特定の混合物並びにそれらの調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
芳香化学物質、とりわけフレグランスは、とりわけ化粧品組成物並びに洗浄組成物及び洗濯組成物の分野において、大きな関心が寄せられている。天然由来のフレグランスは、大部分が高価であり、多くの場合入手可能な量は限られており、環境条件の変動のため、含有量、純度等における変化も受けやすい。そのため、これらの望ましくない要素を回避するため、より高価な天然フレグランスの感覚刺激特性に類似した感覚刺激特性を有するか、又は新規な且つ興味深い感覚刺激プロファイルを有する合成物質を作り出すことに大きな関心が寄せられている。
【0003】
多数の合成芳香化学物質(フレグランス及び香味料)が既に存在するにもかかわらず、極めて多様な適用領域について所望される数多くの特性を満たすことができるように、新たな成分が絶えず必要とされている。これらは、第一に感覚刺激特性を含み、すなわち、化合物は有利な発香(嗅覚)特性又は味覚特性を有するべきである。しかしながら、芳香化学物質はさらに、付加的で肯定的な第二の特性、例えば、効率的な調製方法、他のフレグランスとの相乗効果の結果としてより優れた感覚プロファイルを提供し得ること、特定の適用条件下におけるより高い安定性、より高い拡張性、より優れた持続力等も有するべきである。
【0004】
しかしながら、化学構造における小さな変化でさえも、匂い及びまた味などの感覚特性における大きな変化をもたらすため、特定の感覚特性(例えば特定の匂い)を有する物質を標的とする探索は、極めて困難である。従って、新たなフレグランス及び香味料の探索は、大半の場合、困難で時間と労力を要し、所望の匂い及び/又は味を有する物質が実際に見出されるか否かさえ不明である。
【0005】
EP 0908455は、15~17員の化合物などの大環状分子を含有する匂い組成物及びその製造方法について記載している。特に3-メチル-1,5-ペンタンジオールジアセテート[CAS No. 40065-27-8]が、3-メチル-5-オキソペンタノールアセテートの調製のための反応物として使用されている。しかしながら、3-メチル-1,5-ペンタンジオールジアセテートは、芳香化学物質としては言及されていない。
【0006】
GB 1,424,230は、殺虫剤として有用であると言われている、(環状)脂肪族/芳香族ジエーテルを調製する方法に関する。数ある中でも特に、5-イソプロポキシ-3-メチル-1-ペンタノール及び5-sec-ブトキシ-3-メチル-1-ペンタノールが、標的化合物の合成における中間体として使用されている。特定の特性は、これらの中間体に帰するものではない。
【0007】
CH 600761は、スチルベン誘導体及びそれらの殺有害生物剤としての使用に関する。数ある中でも特に、5-イソプロポキシ-3-メチル-1-ペンタノール及び1-アセトキシ-5-イソプロポキシ-3-メチル-2-ペンテンが、標的化合物の合成における中間体として使用されている。特定の特性は、これらの中間体に帰するものではない。
【0008】
B. R. Moserは、Energy&Fuels, 2014, 28, 3262-3270において、ジエステルの調製、及びバイオディーゼル燃料及び石油系ディーゼル燃料用の燃料特性増強剤としてのそれらの使用について記載している。とりわけ、[3-メチル-5-(3-メチルブタノイルオキシ)ペンチル]3-メチルブタノエートが使用されている。(5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンチル)3-メチルブタノエートは、その調製における中間体として使用されている。
【0009】
S. Sultanaらは、Tetrahedron Letters 2013, 54, 1576-1578において、ホモアリルアルコールのSc(III)-触媒合成について記載している。とりわけ、3-メチルブタ-3-エニルアセテートをパラホルムアルデヒドと反応させ、(5-ヒドロキシ-3-メチレン-ペンチル)アセテート、[(E)-5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンタ-2-エニル]アセテート及び[(Z)-5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンタ-2-エニル]アセテートの立体異性体混合物を得る。特定の特性はこれらの化合物に帰するものではない。
【0010】
以下の化合物は公知である:
- 化合物(5-アセトキシ-3-メチレン-ペンチル)アセテート(CAS No 40760-37-0)、
- 化合物[(E)-5-アセトキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]アセテート(CAS No 1262763-96-1)、
- 化合物[(Z)-5-アセトキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]アセテート(CAS No 1262764-00-0)、
- 化合物(5-アセトキシ-3-メチル-ペンチル)アセテート(CAS No. 40065-27-8、EP 0908455)、
- 化合物[(E)-5-ホルミルオキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]ホルメート(CAS No. 53799-56-7)、
- 化合物[(Z)-5-ホルミルオキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]ホルメート(CAS No. 53799-55-6)、
- 化合物(3-メチル-5-プロパノイルオキシ-ペンチル)プロパノエート(CAS No. 1438983-26-6)、
- 化合物[5-(2,2-ジメチルプロパノイルオキシ)-3-メチル-ペンチル]2,2-ジメチルプロパノエート(CAS No. 762268-77-9)、
- 化合物1,5-ジメトキシ-3-メチレン-ペンタン(CAS No. 79437-43-7)、
- 化合物(E)-1,5-ジメトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン(CAS No. 123351-71-3)、
- 化合物(Z)-1,5-ジメトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン(CAS No. 123351-70-2)、
- 化合物1,5-ジメトキシ-3-メチル-ペンタン(CAS No. 4457-73-2)、
- 化合物(Z)-1,5-ジエトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン(CAS No. 1086266-95-6)、
- 化合物1,5-ジエトキシ-3-メチル-ペンタン(CAS No. 99868-13-0)、
- 化合物(E)-1,5-ジイソプロポキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン(CAS No. 116097-01-9)、
- 化合物(Z)-1,5-ジイソプロポキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン(CAS No. 116114-80-8)、
- 化合物1,5-ジブトキシ-3-メチレン-ペンタン(CAS No. 79437-42-6)、
- 化合物(E)-1,5-ジブトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン(CAS No. 121997-62-4)、
- 化合物(Z)-1,5-ジブトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン(CAS No. 121997-61-3)、
- 5-イソプロポキシ-3-メチル-1-ペンタノール、
- 5-sec-ブトキシ-3-メチル-1-ペンタノール、
- 1-アセトキシ-5-イソプロポキシ-3-メチル-2-ペンテン、
- (5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンチル)3-メチルブタノエート、
- [3-メチル-5-(3-メチルブタノイルオキシ)ペンチル]3-メチルブタノエート、
- (5-ヒドロキシ-3-メチレン-ペンチル)アセテート、
- [(E)-5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンタ-2-エニル]アセテート、
- [(Z)-5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンタ-2-エニル]アセテート、
- (5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンチル)ホルメート。
【0011】
以下の混合物は公知である:
- [(E)-5-アセトキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]アセテートと[(Z)-5-アセトキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]アセテートとの混合物(CAS No. 18273-38-6)、
- [(E)-3-メチル-5-プロパノイルオキシ-ペンタ-3-エニル]プロパノエートと[(Z)-3-メチル-5-プロパノイルオキシ-ペンタ-3-エニル]プロパノエートとの混合物(CAS No. 38169-71-0)、
- (E)-1,5-ジメトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンと(Z)-1,5-ジメトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンとの混合物(CAS No. 54284-82-1)、
- (Z)-1,5-ジエトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンと(E)-1,5-ジエトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンとの混合物(CAS No. 42173-34-2)、
- (E)-3-メチル-1,5-ジプロポキシ-ペンタ-2-エンと(Z)-3-メチル-1,5-ジプロポキシ-ペンタ-2-エンとの混合物(CAS No. 54284-83-2)、
- (E)-1,5-ジブトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンと(Z)-1,5-ジブトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンとの混合物(CAS No 79437-47-1)、並びに
- (5-ヒドロキシ-3-メチレン-ペンチル)アセテート、[(E)-5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンタ-2-エニル]アセテート及び[(Z)-5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンタ-2-エニル]アセテートの混合物。
【0012】
芳香化学物質としての、3-メチル-ペンタン-ジオールから誘導されるエステル及びエーテル並びにそれらの不飽和誘導体の使用は、これまでのところ、先行技術文献には記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】EP 0908455
【文献】GB 1,424,230
【文献】CH 600761
【非特許文献】
【0014】
【文献】B. R. Moser, Energy&Fuels, 2014, 28, 3262-3270
【文献】S. Sultana et al., Tetrahedron Letters 2013, 54, 1576-1578
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、芳香化学物質として有利に使用し得る、快い感覚刺激特性を呈する物質を提供することであった。本発明のさらなる目的は、即時使用可能な組成物中の芳香化学物質として使用し得る物質を提供することであった。特に、快い匂いを有する、匂いの強い物質が求められる。さらに、これらの芳香化学物質は、他の芳香化学物質と組合せることが可能であり、新規の有利な感覚プロファイルの創出を可能とするべきである。また、これらの芳香化学物質は、それらの迅速且つ経済的な製造を可能とする容易に入手可能な出発材料から得られるべきであり、毒物学的懸念を生じさせるべきではない。
【課題を解決するための手段】
【0016】
驚くべきことに、これらの及びさらなる目的は、3-メチル-ペンタン-ジオールから誘導されるエステル及びエーテル並びにそれらの不飽和誘導体によって達成されることが見出された。
【0017】
従って、本発明の第1の態様は、芳香化学物質としての、一般式(I):
【0018】
【化1】
(式中、
【化2】
として表される結合の一方は単結合であり、他方は二重結合又は単結合であり、
R
1は、水素、C
1-C
4-アルキル又は-(C=O)-R
3であり、
R
2は、水素、C
1-C
4-アルキル又は-(C=O)-R
4であり、
R
3は、水素又はC
1-C
4-アルキルであり、
R
4は、水素又はC
1-C
4-アルキルであり、
但しR
1が水素である場合、R
2は水素ではない)
の化合物、あるいはその立体異性体、若しくはその立体異性体の混合物、又は異なる化合物(I)の混合物の使用に関する。
【0019】
特に、本発明は、芳香化学物質としての、一般式(I.a)又は(I.b):
【0020】
【0021】
【化4】
として表される結合の一方は単結合であり、他方は二重結合又は単結合であり、
R
1aは、水素、C
1-C
4-アルキル又は-(C=O)-R
3であり、
R
2aは、水素又はC
1-C
4-アルキルであり、
R
1bは、水素又は-(C=O)-R
3であり、
R
2bは、水素又は-(C=O)-R
4であり、
R
3は、水素又はC
1-C
4-アルキルであり、
R
4は、水素又はC
1-C
4-アルキルであり、
但しR
1aが水素である場合、R
2aは水素ではなく、R
1bが水素である場合、R
2bは水素ではない)
の化合物、あるいはその立体異性体、若しくはその立体異性体の混合物、又は異なる化合物(I.a)の混合物若しくは異なる化合物(I.b)の混合物の使用に関する。
【0022】
本発明はさらに、上記に定義される少なくとも1つの式(I)、(I.a)又は(I.b)の化合物、その立体異性体又はその立体異性体の混合物と、化合物(I)、(I.a)及び(I.b)とは異なる芳香化学物質及び非芳香化学物質担体からなる群から選択される少なくとも1つのさらなる成分とを含む芳香化学物質組成物に関する。
【0023】
一般式(I)、(I.a)又は(I.b)の化合物は、一般的に、快く特徴的な匂いを呈し、フレグランスを付与した組成物、特にフレグランスを付与した即時使用可能な組成物を製造するために使用し得ることがさらに見出された。加えて、これらを、化合物(I)、(I.a)及び(I.b)とは異なる他の芳香化学物質と有利に組み合わせて、新たな香りプロファイルを創出することができる。
【0024】
従って、本発明はさらに、少なくとも1つの式(I)、(I.a)又は(I.b)の化合物、その立体異性体、その立体異性体の混合物を、フレグランスを付与される組成物中に、特にフレグランスを付与される即時使用可能な組成物中に組み込むことを含む、フレグランスを付与した組成物、特にフレグランスを付与した即時使用可能な組成物を調製する方法に関する。
【0025】
また本発明は、フレグランスを付与した組成物の香りの特徴、特にフレグランスを付与した即時使用可能な組成物の香りの特徴を改質するための、上記に定義される式(I)、(I.a)又は(I.b)の化合物、その立体異性体、その立体異性体の混合物、又は異なる式(I)、(I.a)若しくは(I.b)の化合物の混合物の使用にも関する。
【0026】
式(I)の化合物の群の中でも、式(I.a)の化合物、又は(I.b)のエステル化合物、式(I)の化合物の幾つかは、当技術分野において記載されていない。
【0027】
従って、本発明はまた、一般式(I):
【0028】
【0029】
【化6】
として表される結合の一方は単結合であり、他方は二重結合又は単結合であり、
R
1は、水素、C
1-C
4-アルキル又は-(C=O)-R
3であり、
R
2は、水素、C
1-C
4-アルキル又は-(C=O)-R
4であり、
R
3は、水素又はC
1-C
4-アルキルであり、
R
4は、水素又はC
1-C
4-アルキルであり、
但しR
1が水素である場合、R
2は水素ではない)
の新規な化合物、その立体異性体、その立体異性体の混合物又は異なる式(I)の化合物の混合物、
但し以下の化合物及び混合物を除くもの:
- (5-アセトキシ-3-メチレン-ペンチル)アセテート、
- [(E)-5-アセトキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]アセテート、
- [(Z)-5-アセトキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]アセテート、
- (5-アセトキシ-3-メチル-ペンチル)アセテート、
- [(E)-5-ホルミルオキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]ホルメート、
- [(Z)-5-ホルミルオキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]ホルメート、
- (3-メチル-5-プロパノイルオキシ-ペンチル)プロパノエート、
- [5-(2,2-ジメチルプロパノイルオキシ)-3-メチル-ペンチル]2,2-ジメチルプロパノエート、
- 1,5-ジメトキシ-3-メチレン-ペンタン、
- (E)-1,5-ジメトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン、
- (Z)-1,5-ジメトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン、
- 1,5-ジメトキシ-3-メチル-ペンタン、
- (Z)-1,5-ジエトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン、
- 1,5-ジエトキシ-3-メチル-ペンタン、
- (E)-1,5-ジイソプロポキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン、
- (Z)-1,5-ジイソプロポキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン、
- 1,5-ジブトキシ-3-メチレン-ペンタン、
- (E)-1,5-ジブトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン、
- (Z)-1,5-ジブトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン、
- 5-イソプロポキシ-3-メチル-1-ペンタノール、
- 5-sec-ブトキシ-3-メチル-1-ペンタノール、
- 1-アセトキシ-5-イソプロポキシ-3-メチル-2-ペンテン、
- (5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンチル)3-メチルブタノエート、
- [3-メチル-5-(3-メチルブタノイルオキシ)ペンチル] 3-メチルブタノエート、
- (5-ヒドロキシ-3-メチレン-ペンチル)アセテート、
- [(E)-5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンタ-2-エニル]アセテート、
- [(Z)-5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンタ-2-エニル]アセテート、
- (5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンチル)ホルメート、
- [(E)-5-アセトキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]アセテートと[(Z)-5-アセトキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]アセテートとの混合物、
- [(E)-3-メチル-5-プロパノイルオキシ-ペンタ-3-エニル]プロパノエートと[(Z)-3-メチル-5-プロパノイルオキシ-ペンタ-3-エニル]プロパノエートとの混合物、
- (E)-1,5-ジメトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンと(Z)-1,5-ジメトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンとの混合物、
- (E)-1,5-ジエトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンと(Z)-1,5-ジエトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンとの混合物、
- (E)-3-メチル-1,5-ジプロポキシ-ペンタ-2-エンと(Z)-3-メチル-1,5-ジプロポキシ-ペンタ-2-エンとの混合物、
- (E)-1,5-ジブトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンと(Z)-1,5-ジブトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンとの混合物、並びに
- (5-ヒドロキシ-3-メチレン-ペンチル)アセテート、[(E)-5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンタ-2-エニル]アセテート及び[(Z)-5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンタ-2-エニル]アセテートの混合物
にも関する。
【0030】
従って、本発明はまた、一般式(I.a):
【0031】
【0032】
【化8】
として表される結合の一方は単結合であり、他方は二重結合又は単結合であり、
R
1aは、水素、C
1-C
4-アルキル、又は-(C=O)-R
3であり、
R
2aは、水素又はC
1-C
4-アルキルであり、
R
3は、水素又はC
1-C
4-アルキルであり、
但しR
1aが水素である場合、R
2aは水素ではない)
の新規な化合物、その立体異性体、その立体異性体の混合物又は異なる式(I.a)の化合物の混合物、
但し以下の化合物及び混合物を除くもの:
- 1,5-ジメトキシ-3-メチレン-ペンタン、
- (E)-1,5-ジメトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン、
- (Z)-1,5-ジメトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン、
- 1,5-ジメトキシ-3-メチル-ペンタン、
- (Z)-1,5-ジエトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン、
- 1,5-ジエトキシ-3-メチル-ペンタン、
- (E)-1,5-ジイソプロポキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン、
- (Z)-1,5-ジイソプロポキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン、
- 1,5-ジブトキシ-3-メチレン-ペンタン、
- (E)-1,5-ジブトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン、
- (Z)-1,5-ジブトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン、
- 5-イソプロポキシ-3-メチル-1-ペンタノール、
- 5-sec-ブトキシ-3-メチル-1-ペンタノール、
- 1-アセトキシ-5-イソプロポキシ-3-メチル-2-ペンテン、
- (5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンチル)3-メチルブタノエート、
- (5-ヒドロキシ-3-メチレン-ペンチル)アセテート、
- [(E)-5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンタ-2-エニル]アセテート、
- [(Z)-5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンタ-2-エニル]アセテート、
- (5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンチル)ホルメート、
- (E)-1,5-ジメトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンと(Z)-1,5-ジメトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンとの混合物、
- (E)-1,5-ジエトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンと(Z)-1,5-ジエトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンとの混合物、
- (E)-3-メチル-1,5-ジプロポキシ-ペンタ-2-エンと(Z)-3-メチル-1,5-ジプロポキシ-ペンタ-2-エンとの混合物、
- (E)-1,5-ジブトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンと(Z)-1,5-ジブトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンとの混合物、並びに
- (5-ヒドロキシ-3-メチレン-ペンチル)アセテート、[(E)-5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンタ-2-エニル]アセテート及び[(Z)-5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンタ-2-エニル]アセテートの混合物
にも関する。
【0033】
さらに、本発明は、一般式(I.b)
【0034】
【0035】
【化10】
として表される結合の一方は単結合であり、他方は二重結合又は単結合であり、
R
1bは、水素又は-(C=O)-R
3であり、
R
2bは、水素又は-(C=O)-R
4であり、
R
3は、水素又はC
1-C
4-アルキルであり、
R
4は、水素又はC
1-C
4-アルキルであり、
但しR
1bが水素である場合、R
2bは水素ではない)
の新規な化合物、その立体異性体、その立体異性体の混合物又は異なる式(I.b)の化合物の混合物、
但し以下の化合物及び混合物を除くもの:
- (5-アセトキシ-3-メチレン-ペンチル)アセテート、
- [(E)-5-アセトキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]アセテート、
- [(Z)-5-アセトキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]アセテート、
- (5-アセトキシ-3-メチル-ペンチル)アセテート、
- [(E)-5-ホルミルオキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]ホルメート、
- [(Z)-5-ホルミルオキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]ホルメート、
- (3-メチル-5-プロパノイルオキシ-ペンチル)プロパノエート、
- [5-(2,2-ジメチルプロパノイルオキシ)-3-メチル-ペンチル]2,2-ジメチルプロパノエート、
- (5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンチル)3-メチルブタノエート、
- [3-メチル-5-(3-メチルブタノイルオキシ)ペンチル]3-メチルブタノエート、
- (5-ヒドロキシ-3-メチレン-ペンチル)アセテート、
- [(E)-5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンタ-2-エニル]アセテート、
- [(Z)-5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンタ-2-エニル]アセテート、
- (5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンチル)ホルメート、
- [(E)-5-アセトキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]アセテートと[(Z)-5-アセトキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]アセテートとの混合物、
- [(E)-3-メチル-5-プロパノイルオキシ-ペンタ-3-エニル]プロパノエートと[(Z)-3-メチル-5-プロパノイルオキシ-ペンタ-3-エニル]プロパノエートとの混合物、並びに
- (5-ヒドロキシ-3-メチレン-ペンチル)アセテート、[(E)-5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンタ-2-エニル]アセテート及び[(Z)-5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンタ-2-エニル]アセテートの混合物
に関する。
【0036】
式(I)、(I.a)又は(I.b)の化合物、それらの立体異性体、それらの立体異性体の混合物及び異なる式(I)、(I.a)又は(I.b)の化合物の混合物は、有利な感覚刺激特性、特に快い匂いを有する。従って、これらは、例えば、香水組成物、ボディケア組成物(化粧品組成物を含む)、口腔及び歯の衛生用製品、衛生物品、洗浄組成物(食器洗い組成物を含む)、布用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物、作物保護組成物、及び他の即時使用可能な組成物において、芳香化学物質として好ましく使用することができる。
【0037】
それらの物理的特性により、式(I)、(I.a)又は(I.b)の化合物、それらの立体異性体、それらの立体異性体の混合物及び異なる式(I)、(I.a)又は(I.b)の化合物の混合物は、他のフレグランス、及びフレグランスを付与した即時使用可能な組成物(例えば特に香水組成物)中の他の慣用の成分について、特に優れた、実質的に普遍的な溶媒特性を有する。従って、式(I)、(I.a)又は(I.b)の化合物、それらの立体異性体、それらの立体異性体の混合物及び異なる式(I)、(I.a)又は(I.b)の化合物の混合物は、他の芳香化学物質と好ましく組み合わせることが可能であり、特に、新規の有利な感覚プロファイルを有する香水組成物の創出を可能とする。
【0038】
さらに、式(I)、(I.a)又は(I.b)の化合物、それらの立体異性体又はそれらの立体異性体の混合物は、安価な3-メチル-ペンタン-ジオール及び/又はその不飽和誘導体などの容易に入手可能な出発化合物から出発する1ステップ合成又は2ステップ合成により、良好な収率及び純度で製造することができる。従って、式(I)、(I.a)又は(I.b)の化合物、その立体異性体、又はその立体異性体の混合物は、大規模に、且つ簡単でコスト効率の高い方法で製造することができる。当然のことながら、同じことは、異なる式(I)、(I.a)又は(I.b)の化合物の混合物の製造に当てはまる。
【発明を実施するための形態】
【0039】
発明の詳細な説明
【0040】
化合物(I)は、
【化11】
として記号で表される結合の意味に応じて、以下の式(I.1)~(I.4):
【0041】
【0042】
化合物(I.1)において、炭素原子aとbとの間の結合
【0043】
【化13】
は二重結合であり、且つ炭素原子bとcとの間の結合
【0044】
【化14】
は単結合である。化合物(I.2)において、炭素原子aとbとの間の結合
【0045】
【化15】
は単結合であり、炭素原子bとcとの間の結合
【0046】
【化16】
は二重結合であり、炭素原子b及びcにおける-CH
2CH
2OR
1基と-CH
2OR
2基の配置は、化合物(I)がE異性体として存在するような配置である(立体異性体についてのさらなる詳細は以下を参照のこと)。化合物(I.3)において、炭素原子aとbとの間の結合
【0047】
【化17】
は単結合であり、炭素原子bとcとの間の結合
【0048】
【化18】
は二重結合であり、炭素原子b及びcにおける-CH
2CH
2OR
1基と-CH
2OR
2基の配置は、化合物(I)がZ異性体として存在するような配置である。化合物(I.4)において、炭素原子aとbとの間及び炭素原子bとcとの間の両方の結合
【0049】
【0050】
以下において、式(I.1)の化合物は「エキソ」化合物(エキソ)とも称され、式(I.2)の化合物はE化合物(E)とも称され、式(I.3)の化合物はZ化合物(Z)とも称され、式(I.4)の化合物は飽和化合物(sat)とも称される。
【0051】
本発明の文脈において、「C1-C4-アルキル」という表現は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、及びtert-ブチルを指す。好ましくは、「C1-C4-アルキル」という表現は、C1-C3-アルキル(すなわちメチル、エチル、n-プロピル及びイソプロピル)を指し、また特にC1-C2-アルキル(すなわちメチル及びエチル)を指す。
【0052】
「芳香化学物質」という用語は、感覚的印象、より厳密には嗅覚又は香味の印象、特にフレグランスの印象を得るために使用される物質を表す。「嗅覚」という用語は、肯定的又は否定的な判断のいずれも伴わない匂いの印象を表し、一方、「フレグランス」という用語(「香水」又は「香り」とも称される)は、一般に快いと感じられる匂いの印象に結びついている。香味は、味の印象を誘導する。
【0053】
本明細書中で使用される用語「芳香化学物質組成物」は、嗅覚又は香味の印象を誘導する組成物、特に匂いの印象、とりわけフレグランスの印象を誘導する組成物を指す。
【0054】
同様に、本明細書中で使用される用語「フレグランスを付与した即時使用可能な組成物」は、匂い、特にフレグランスを付与した印象を誘導する即時使用可能な組成物を指す。
【0055】
「匂いの強い物質」という用語は、強い匂いの印象を呈する物質又は芳香化学物質を指す。強い匂いの印象は、極めて低いガス空間濃度においても印象的な知覚を可能とする、芳香化学物質の特性を意味するものとして理解されたい。強度は、閾値測定によって決定することができる。閾値とは、代表的な試験パネルにより匂いの印象が依然として知覚され得るにすぎない関連のガス空間中の物質の濃度であるが、これはもはや規定されていなくてもよい。おそらくは最も匂いが強い公知の物質クラスに属する(すなわち、極めて低い匂い閾値を有する)物質クラスはチオールであり、その閾値は、多くの場合ppb/m3の範囲内である。
【0056】
「快い匂い」、「快い匂い印象」、「快い発香特性」、「快いと感じられる匂い印象」及び類似の用語は、芳香化学物質により伝達される匂い印象の心地良さ及び明確性について記載する快楽的表現である。「有利な感覚特性」又は「有利な感覚刺激特性」というより一般的な快楽的表現は、芳香化学物質により伝達される感覚刺激印象の心地良さ及び明確性について記述する。本発明の用語において、「感覚刺激」及び「感覚」という用語は、嗅覚特性又は香味特性に関する。「心地良さ」及び「明確性」は、当業者である調香師によく知られている用語である。「心地良さ」は一般的に、自然に生じ、肯定的に知覚される快い感覚的印象を指す。しかしながら、「心地良い」は「甘い(スウィート)」と同義である必要はない。「心地良い」はまた、ジャコウ又はビャクダンの匂いである場合もある。「明確性」は一般に、同じ試験パネルに再現性よく特定の何かを思い出させる、自然に生じる感覚的印象を指す。例えば、ある物質は、「レッドベリー」の匂いを自然に思い出させる匂いを有し得る。この匂いはその後、明確に「レッドベリー」のものとなるであろう。このレッドベリーの匂いが、例えば、甘い、十分に熟したレッドベリーを思い出させることから極めて快いものであった場合、その匂いは「心地良い」及び/又は「甘い(スウィート)」と称されるであろう。しかしながら、典型的に酸っぱいレッドベリーの匂いもまた、明確であり得る。上記物質の匂いを嗅いだ際に、両方の反応が生じる場合、従ってこの例においては心地良く明確なレッドベリーの匂いがする場合、この物質は、特に有利な感覚特性を有する。
【0057】
好ましくは、上記及び下記に定義される式(I)の化合物、あるいはその立体異性体若しくはその立体異性体の混合物、又は異なる式(I)の化合物の混合物は、嗅覚印象を付与するために使用される。特に、上記に定義される式(I)の化合物、又はその混合物、又はその立体異性体、若しくはその立体異性体の混合物は、フレグランスとして使用される。
【0058】
個々の化合物(I)とは別に、化合物(I)がアキラルな化合物(I)の形態であれば(例えば、
【0059】
【化20】
として表される結合が両方とも単結合であり、R
1とR
2とが同一且つアキラルである場合)、又は純粋な立体異性体(以下の定義を参照)の形態であれば、様々な立体異性体の混合物とは別に、異なる化合物(I)の混合物を使用することができる。このような混合物中の化合物は、例えば、飽和である(すなわち
【0060】
【化21】
として表される結合が両方とも単結合である)か又は不飽和である(すなわち、
【0061】
【化22】
として表される結合の一方が二重結合である)かという点において、二重結合の位置に関する位置異性体である点において(すなわち炭素原子aとbとの間に二重結合を有するか又は炭素原子bとcとの間に二重結合を有するかという点において)、並びに/又は異なるR
1基及び/若しくはR
2基を有するという点において、異なる。当然のことながら、このような混合物は、構成成分を様々な立体異性体の形態でも含み得る。
【0062】
用語「立体異性体」は、同じ分子式及び結合原子の順番を有するが、空間におけるそれらの原子の3次元配向が異なる異性体を表す。この用語は、光学異性体、例えばエナンチオマー又はジアステレオマー(後者は分子内の2つ以上の不斉中心に起因して存在する)、並びに特定の形態のジアステレオマーとしての幾何異性体(シス/トランス異性体又はZ/E異性体)の両方を包含する。
【0063】
第一に、本発明の用語において、「立体異性体」という用語は、不飽和の式(I)、(I.a)又は(I.b)の化合物の(すなわち
【0064】
【化23】
として表される、炭素原子bとcとの間の結合が二重結合である化合物の)、E異性体及びZ異性体を指す。E/Z立体配置は、有機化学における二重結合の絶対立体化学を表す。二重結合上の各置換基は、優先順位が指定されている。より優先順位の高い2つの基が二重結合の反対側にある場合、この結合は、立体配置Eと指定される。より優先順位の高い2つの基が二重結合の同じ側にある場合、この結合は、立体配置Zと指定される。
【0065】
例示の目的のためにのみ、[5-ホルミルオキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]ホルメートのE異性体及びZ異性体が以下に示される:
【0066】
【0067】
化合物(I)のE及びZ立体異性体の一般的な説明は、上記及び下記に示される式(I.2)(E異性体)及び(I.3)(Z異性体)において示される。立体異性体であるためには、当然のことながら、(I.2)及び(I.3)においてR1が同じ意味を有し、且つ(I.2)及び(I.3)においてR2が同じ意味を有することが前提条件である。
【0068】
より優れた読みやすさのため、本出願において、Z及びEの立体異性体の形態で存在し得る化合物(I)、(I.a)又は(I.b)は、一般的に、E立体異性体としてのみ示される。しかし、これは、上記化合物をE立体異性体に限定するものではなく(例えば、上記化合物を(I.2)若しくは(I.3)と、又はE若しくはZと明確に称することにより別段に明示的に表現されない限り)、Z異性体、及びE異性体とZ異性体との混合物を包含する。
【0069】
第2に、「立体異性体」という用語は、飽和の式(I)、(I.a)又は(I.b)の化合物の光学異性体も指す。光学異性体は、エナンチオマー又は分子内の2つ以上の不斉中心に起因して存在するジアステレオマーである。この用語は、全ての純粋形態の光学異性体(例えば全ての純粋形態のエナンチオマー又はジアステレオマー)を指す。エナンチオマーは、互いに重ね合わせられない鏡像である2つの立体異性体の1つである。化合物(I)、(I.a)又は(I.b)において、
【0070】
【化25】
として表される結合が両方とも単結合であり、且つR
1とR
2とが異なる意味を有する場合、メチル基を有する炭素原子bが不斉中心である。R
1及びR
2が不斉中心を含まない場合、かかる化合物(I)、(I.a)又は(I.b)は、純粋な3R又は純粋な3Sのエナンチオマーの形態で存在し得る。
【0071】
例示の目的のためにのみ、(5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンチル)ホルメートの3R-及び3S-異性体が以下に示される:
【0072】
【0073】
第3に、不斉中心は、R1基、R2基、R3基又はR4基中にも存在し得る(例えば、これらがsec-ブチルである場合)。
【0074】
立体異性体の混合物は、例えば、化合物(I)、(I.a)又は(I.b)のエナンチオマー又はジアステレオマーの、ラセミの及び非ラセミの混合物である。この文脈において、用語「ジアステレオマー」は、分子内の2つ以上の不斉中心に起因して存在するジアステレオマーと、幾何異性体(すなわちE異性体及びZ異性体)の両方を包含する。
【0075】
用語「異性体」は、同じ元素式を有するが、異なる構造を有する化合物を表す。この用語は、構造異性体及び立体異性体の両方を包含する。立体異性体は上記に定義されている。
【0076】
化合物(I)の構造異性体は、特に、二重結合の位置に関する位置異性体である。より正確に言えば、二重結合が炭素原子aとbとの間にある化合物(I)は、二重結合が炭素原子bとcとの間にある化合物(I)の構造異性体である。従って、式(I.1)の化合物は、化合物(I.2)又は(I.3)の位置異性体である。異性体であるためには、当然のことながら、(I.1)と(I.2)又は(I.3)とでR1が同じ意味を有し、且つ(I.1)と(I.2)又は(I.3)とでR2が同じ意味を有することが前提条件である。
【0077】
二重結合の存在及び配置に応じて、式(I)の化合物は、個々の「エキソ」-異性体(I.1)(エキソ)、E異性体(I.2)(E)若しくはZ異性体(I.3)(Z)、又は飽和化合物(I.4)(sat)として:
【0078】
【化27】
あるいはそれらの様々な混合物(例えばエキソ/E/Z/sat混合物又はエキソ/E/Z異性体混合物)として、存在し得る。
【0079】
従って、本発明は、エキソ異性体(すなわち(I.1))の使用、E異性体(すなわち(I.2))の使用、Z異性体(すなわち(I.3))の使用、飽和化合物(すなわち(I.4))の使用に関し、またそれらの様々な混合物、例えばE/Z異性体混合物(すなわち(I.2、I.3))、エキソ/E異性体混合物(すなわち(I.1、I.2))、エキソ/Z異性体混合物(すなわち(I.1、I.3))、エキソ/E/Z異性体混合物(すなわち(I.1、I.2、I.3))、又はそれらのエキソ/Z/E/sat混合物(すなわち(I.1、I.2、I.3、I.4)の使用にも関する。従って、別段に記載されない場合、本明細書中で使用される「化合物I」、「一般式Iの化合物」などの表現は、純粋なエキソ異性体、純粋なE異性体、純粋なZ異性体、純粋な飽和化合物、並びにそれらの様々な混合物(例えば、異性体/化合物が等量で存在するか、若しくは異性体/化合物の1つを過剰に含むか、又は1つ以上の異性体/化合物が存在しない、上記に列挙される混合物)を指す。
【0080】
当然のことながら、異性体混合物において、全ての異性体におけるR1は同じ意味を有し、且つ全ての異性体におけるR2は同じ意味を有する。好ましくは、飽和化合物(I.4)と、(I.1)、(I.2)及び(I.3)の1つ以上とを含む混合物においても、全ての異性体/化合物におけるR1は同じ意味を有し、且つ全ての異性体/化合物におけるR2は同じ意味を有する。
【0081】
化合物(I)の、純粋なエキソ異性体、純粋なE異性体、純粋なZ異性体及び純粋な飽和化合物、並びに様々な(異性体)混合物は、全ての有利な感覚刺激特性を有する。従って、化合物(I)の、純粋なエキソ異性体、純粋なE異性体、純粋なZ異性体及び純粋な飽和化合物、並びに様々な(異性体)混合物は、芳香化学物質としての使用に同等に適している。
【0082】
同様に芳香化学物質としての使用に適しているのは、R1基及び/又はR2基が互いに異なる化合物(I)を含む混合物である。このような混合物は、例えば、出発ジオールのアルキル化又はアシル化が完全ではない場合(標的化合物がジエーテル若しくはジエステル又は混合エーテル/エステルである場合);又は、モノエステル若しくはモノエステルが意図され、ジオールの一部がジエーテル化若しくはジエステル化される場合;又はアルキル化剤及び/若しくはアシル化剤の混合物が使用される場合に、製造工程において形成され得る。さらなる詳細は、化合物(I)の調製工程の記載との関連で明らかとなるであろう。R1基及び/又はR2基が互いに異なり、不完全な又は望ましくない反応から生じる化合物(I)の混合物は、好ましくは、不完全な変換から得られる化合物(例えば、ジエーテル又はジエステルの製造が意図される場合、R1又はR2の1つがHであるモノエーテル又はモノエステル)、又は望ましくない変換から得られる化合物(例えば、モノエーテル又はモノエステルの製造が意図される場合、R1又はR2のいずれもHではないジエーテル又はジエステル)を、微量にのみ(例えば混合物中の全ての化合物(I)の総重量に対して、最大25重量%、好ましくは最大10重量%、より好ましくは最大5重量%、特に最大2重量%、とりわけ最大1重量%)含有する。
【0083】
一方、通常は、一般式(I)のエーテル化合物の基本的な香りプロファイルは、一般式(I)のエステル化合物の香りプロファイルとは異なる。
【0084】
従って、本発明の第1の実施形態は、式(I)において、
R1が、C1-C4-アルキルであり、
R2が、水素又はC1-C4-アルキルである、
一般式(I)のエーテル化合物の使用に関する。
【0085】
この第1の実施形態の化合物(I)は、3-メチル-ペンタン-ジオールのモノエーテル並びにジエーテル、及びそれらの不飽和誘導体を包含する。典型的には、3-メチル-ペンタン-ジオールのモノエーテル及びその不飽和誘導体は、全ての有利な感覚刺激特性を有する。従って、3-メチル-ペンタン-ジオールのモノエーテル並びにジエーテル、及びそれらの不飽和誘導体は、芳香化学物質としての使用に等しく適している。
【0086】
しかしながら、より好ましいのはジエーテル化合物、すなわち、式(I)においてR1及びR2が互いに独立してC1-C4-アルキルから選択される一般式(I)の化合物である。特定の実施形態において、R1及びR2は、互いに独立して、C1-C3-アルキルである。代替的な特定の実施形態において、R1及びR2は、互いに独立して、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル及びn-ブチルからなる群から選択される。特に、R1及びR2は、互いに独立して、メチル、エチル及びn-ブチルからなる群から選択される。
【0087】
酸素原子に結合している置換基が同一である一般式(I)のエーテル化合物の合成は、一般的に、酸素原子上に異なる置換基を有する一般式(I)のエーテル化合物の合成より簡単である。
【0088】
従って、使用のためにさらに好ましいのは、R1基とR2基とが同一である(且つ両方ともC1-C4-アルキルである)、一般式(I)のエーテル化合物である。
【0089】
使用のためにより好ましいのは、R1とR2とが同一であり、且つC1-C3-アルキルである、一般式(I)のエーテル化合物である。
【0090】
使用のためにさらにより好ましいのは、R1とR2とが同一であり、且つメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル及びn-ブチルからなる群から選択される、一般式(I)のエーテル化合物である。
【0091】
使用のために特に好ましいのは、R1とR2とが同一であり、且つメチル、エチル又はn-ブチルである、一般式(I)のエーテル化合物である。
【0092】
使用のためにとりわけ好ましいのは、R1及びR2がエチルである、一般式(I)のエーテル化合物である。
【0093】
使用のためにとりわけ好ましいのは、
- 1,5-ジエトキシ-3-メチル-ペンタン、
- 1,5-ジエトキシ-3-メチレン-ペンタン、
- (E)-1,5-ジエトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン、
- (Z)-1,5-ジエトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン、
- 1,5-ジメトキシ-3-メチル-ペンタン、
- 1,5-ジメトキシ-3-メチレン-ペンタン、
- (E)-1,5-ジメトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン、
- (Z)-1,5-ジメトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン、
- 1,5-ジブトキシ-3-メチル-ペンタン、
- 1,5-ジブトキシ-3-メチレン-ペンタン、
- (E)-1,5-ジブトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン、
- (Z)-1,5-ジブトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン、及び
- それらの混合物
である。
【0094】
別の実施形態において、式(I.1)、(I.2)、(I.3)及び(I.4):
【0095】
【化28】
(式中、R
1及びR
2は、第1の実施形態との関連で上記に定義される一般的な又は好ましい意味の1つを有する)
の化合物から選択される少なくとも2つの化合物の混合物を含む組成物であって、上記混合物中に存在する化合物のそれぞれを1~99重量%の量で含む(但し前記混合物中の式(I.1)、(I.2)、(I.3)及び(I.4)の化合物の重量は合計で100%になる)、上記組成物が使用される。
【0096】
使用のために好ましいのは、式(I.1)、(I.2)及び(I.3)の化合物から選択される少なくとも2つの化合物の混合物を含む組成物であって、上記混合物中に存在する上記化合物のそれぞれを1~99重量%の量で含む(但し前記混合物中の式(I.1)、(I.2)及び(I.3)の化合物の重量は合計で100%になる)、上記組成物である。
【0097】
使用のためにより好ましいのは、式(I.1)、(I.2)及び(I.3)の3つの化合物全ての混合物を含む組成物であって、上記化合物のそれぞれを1~99重量%の量で含み(但し前記混合物中の式(I.1)、(I.2)及び(I.3)の化合物の重量は合計で100%になる)、(I.1):(I.2):(I.3)のモル比が、90:5:5~10:45:45、好ましくは80:10:10~20:40:40、とりわけ55:22.5:22.5~45:27.5:27.5の範囲内であり、またさらにとりわけ約50:25:25である、上記組成物である。用語「約(approximately)」は、上記の比の決定において生じ得る測定誤差を考慮し、±10%、好ましくは±5%の偏差を含む。
【0098】
本発明の第2の実施形態は、式(I)において、
R1が、-(C=O)-R3であり、
R2が、水素、-(C=O)-R4又はC1-C4-アルキルであり、
R3及びR4が、上記に定義されるとおりである(すなわち、水素又はC1-C4-アルキルである)、
一般式(I)のエステル化合物の使用に関する。
【0099】
この第2の実施形態の化合物(I)は、3-メチル-ペンタン-ジオールのモノエステル及びジエステル、さらにモノエステル-モノエーテル、並びにそれらの不飽和誘導体を包含する。典型的には、3-メチル-ペンタン-ジオールのモノエステル及びそれらの不飽和誘導体、3-メチル-ペンタン-ジオールのジエステル及びそれらの不飽和誘導体、並びに3-メチル-ペンタン-ジオールのモノエステル-モノエーテル及びそれらの不飽和誘導体は、全ての有利な感覚刺激特性を有する。従って、3-メチル-ペンタン-ジオールのモノエステル及びジエステル、並びにそれらの不飽和誘導体と、3-メチル-ペンタン-ジオールのモノエステル-モノエーテル及びそれらの不飽和誘導体とは、芳香化学物質としての使用に等しく適している。
【0100】
より好ましいのは、ジエステル化合物、すなわち、一般式(I)の化合物であって、式(I)において
R1が、-(C=O)-R3であり、
R2が、-(C=O)-R4であり、
R3及びR4が、上記に定義されるとおりである(すなわち、水素又はC1-C4-アルキルである)、
上記化合物である。
【0101】
使用のためにさらに好ましいのは、R3及びR4が、水素及びC1-C3-アルキルからなる群から選択され、より好ましくは水素及びC1-C2-アルキルから選択される、一般式(I)のエステル化合物である。
【0102】
同様に、酸素原子に結合している置換基が同一である一般式(I)のエステル化合物の合成は、一般的に、酸素原子上に異なる置換基を有する一般式(I)のエステル化合物の合成より簡単であり、当然のことながら、モノエステル-モノエーテル化合物の合成よりも簡単である。
【0103】
従って、使用のためにさらに好ましいのは、
R1が、-(C=O)-R3であり、
R2が、-(C=O)-R4であり、
R3及びR4が、上記に定義されるとおりであり(すなわち、水素又はC1-C4-アルキルであり)、
ここでR3基とR4基とは同一である、一般式(I)のジエステル化合物である。
【0104】
使用のためにさらにより好ましいのは、R3とR4とが同一であり、水素及びC1-C3-アルキルからなる群から選択される、一般式(I)のエステル化合物である。
【0105】
使用のために特に好ましいのは、R3とR4とが同一であり、水素、メチル及びエチルからなる群から選択される、一般式(I)のエステル化合物である。
【0106】
使用のためにとりわけ好ましいのは、
- (3-ホルミルオキシ-2-メチル-プロピル)ホルメート、
- 2-(ホルミルオキシメチル)アリルホルメート、
- [(E)-3-ホルミルオキシ-2-メチル-アリル]ホルメート、
- [(Z)-3-ホルミルオキシ-2-メチル-アリル]ホルメート、
- (3-アセトキシ-2-メチル-プロピル)アセテート、
- 2-(アセトキシメチル)アリルアセテート、
- [(E)-3-アセトキシ-2-メチル-アリル]アセテート、
- [(Z)-3-アセトキシ-2-メチル-アリル]アセテート、
- (2-メチル-3-プロパノイルオキシ-プロピル)プロパノエート、
- 2-(プロパノイルオキシメチル)アリルプロパノエート、
- [(E)-2-メチル-3-プロパノイルオキシ-アリル]プロパノエート、
- [(Z)-2-メチル-3-プロパノイルオキシ-アリル]プロパノエート、及び
- それらの混合物
である。
【0107】
別の実施形態において、本発明は、式(I.1)、(I.2)、(I.3)及び(I.4):
【0108】
【化29】
(式中、R
1及びR
2は、第2の実施形態との関連で上記に定義される一般的且つ好ましい意味の1つを有する)、
の化合物から選択される少なくとも2つの化合物の混合物を含む組成物であって、上記混合物中に存在する上記化合物のそれぞれを1~99重量%の量で含む(但し前記混合物中の式(I.1)、(I.2)、(I.3)及び(I.4)の化合物の重量は合計で100%になる)、上記組成物の使用に関する。
【0109】
使用のために好ましいのは、式(I.1)、(I.2)及び(I.3)の化合物から選択される少なくとも2つの化合物の混合物を含む組成物であって、上記混合物中に存在する上記化合物のそれぞれを1~99重量%の量で含む(但し前記混合物中の式(I.1)、(I.2)及び(I.3)の化合物の重量は合計で100%になる)、上記組成物である。
【0110】
使用のためにより好ましいのは、式(I.1)、(I.2)及び(I.3)の3つの化合物全ての混合物を含む組成物であって、上記化合物のそれぞれを1~99重量%の量で含み(但し前記混合物中の式(I.1)、(I.2)及び(I.3)の化合物の重量は合計で100%になる)、好ましくは、(I.1):(I.2):(I.3)のモル比が、90:5:5~10:45:45、より好ましくは80:10:10~20:40:40、とりわけ55:22.5:22.5~45:27.5:27.5の範囲内であり、さらにとりわけ約50:25:25である、上記組成物である。「約」という用語は、上記の比の決定において生じ得る測定誤差を考慮し、±10%、好ましくは±5%の偏差を含む。
【0111】
本発明の特定の実施形態において、一般式(I)のエーテル化合物及びエステル化合物は、本質的にそれらのエキソ異性体(I.1)の形態で存在する。
【0112】
本発明の別の特定の実施形態において、一般式(I)のエーテル化合物及びエステル化合物は、本質的にそれらのE異性体(I.2)の形態で存在する。
【0113】
本発明の別の特定の実施形態において、一般式(I)のエーテル化合物及びエステル化合物は、本質的にそれらのZ異性体(I.3)の形態で存在する。
【0114】
本発明の別の特定の実施形態において、一般式(I)のエーテル化合物及びエステル化合物は、本質的にその飽和化合物(I.4)(すなわち
【0115】
【化30】
として表される結合が両方とも単結合である飽和誘導体)の形態で存在する。
【0116】
この関係において、「本質的に」という用語は、特定の化合物のエキソ、E、Z又はsat誘導体が、エキソ、E、Z又はsat誘導体の総量(重量)に対して、少なくとも90重量%の量、好ましくは少なくとも95重量%の量、特に少なくとも98重量%の量で存在することを意味する。
【0117】
典型的には、化合物(I)は、エキソ/E/Z混合物として、又はエキソ/E/Z/sat混合物として製造される。エキソ誘導体、E誘導体、Z誘導体及びsat誘導体の分離は、困難であり且つ時間及び労力を要する場合もあれば、合理的な努力をもってしても完全には達成することができない場合すらある。
【0118】
従って、本発明の好ましい実施形態は、上記及び下記に定義される一般式(I)の化合物の使用に関し、ここで一般式(I)の化合物はエキソ/E/Z異性体混合物の形態で存在し、これは飽和誘導体satも含み得る(従って、エキソ/E/Z/sat混合物である)。特に、エキソ/E/Z異性体混合物が使用される。
【0119】
一実施形態において、これらの混合物中、4つの誘導体は、等量又はほぼ等量で(例えば25:25:25:25又は31:23:23:23又は23:31:23:23又は23:23:31:23又は23:23:23:31のエキソ/E/Z/satモル比で)存在し得るか、又は上記誘導体の1つ(すなわち、エキソ誘導体、E誘導体、Z誘導体又は飽和誘導体のいずれか)が過剰に存在し得る(例えば、誘導体の1つが、91:3:3:3、3:91:3:3、3:3:91:3又は3:3:3:91のエキソ/E/Z/satモル比で存在し得る)。特定の実施形態において、飽和誘導体satは、全て存在する場合、微量にのみ存在する。特定の実施形態において、エキソ異性体:E異性体:Z異性体:sat誘導体のモル比は、48:25:25:2~49:25:25:1である。
【0120】
別の実施形態において、これらの混合物中、3つのエキソ/E/Z異性体は、33.3:33.3:33.3の等量で存在し得るか、又は上記異性体の1つ(すなわち、エキソ異性体、E異性体又はZ異性体のいずれか)が過剰に存在し得(例えば、上記異性体の1つが、90:9:1、90:5:5、80:10:10、60:20:20、50:25:25、40:30:30の、エキソ/E/Z又はE/エキソ/Z又はE/Z/エキソ又はZ/エキソ/E又はZ/E/エキソのモル異性体比で存在し得)、ここで上記の異性体比は、好ましくは75:12.5:12.5~45:27.5:27.5であり、特に約50:25:25である。「約」という用語は、上記の比の決定において生じ得る測定誤差を考慮し、±10%、好ましくは±5%の偏差を含む。
【0121】
本発明の好ましい実施形態は、式(I.1)、(I.2)及び(I.3)の化合物から選択される少なくとも2つの化合物(I)の混合物を含む組成物であって、ここで
- (I.1)が、(I.1)、(I.2)及び(I.3)の総重量に対して、0~75重量%、好ましくは10~75重量%の量で存在し、
- (I.2)が、(I.1)、(I.2)及び(I.3)の総重量に対して、0~50重量%、好ましくは5~45重量%の量で存在し、
- (I.3)が、(I.1)、(I.2)及び(I.3)の総重量に対して、0~50重量%、好ましくは0~45重量%の量で存在する
(但し化合物(I.1)、(I.2)及び(I.3)の少なくとも2つは、(I.1)、(I.2)及び(I.3)の総重量に対して>0重量%の量で存在し、上記混合物中に存在する化合物(I.1)、(I.2)及び(I.3)の重量は合計で100%になる)、
上記組成物の使用に関する。
【0122】
本発明のより好ましい実施形態は、式(I.1)、(I.2)及び(I.3)の3つの化合物全ての混合物を含む組成物であって、ここで
- (I.1)が、(I.1)、(I.2)及び(I.3)の総重量に対して、25~75重量%、好ましくは30~60重量%、とりわけ35~55重量%の量で存在し、
- (I.2)が、(I.1)、(I.2)及び(I.3)の総重量に対して、15~35重量%、好ましくは18~30重量%、とりわけ20~28重量%の量で存在し、
- (I.3)が、(I.1)、(I.2)及び(I.3)の総重量に対して、15~35重量%、好ましくは18~30重量%、とりわけ20~28重量%の量で存在する
(但し化合物(I.1)、(I.2)及び(I.3)の重量は合計で100%になる)、
上記組成物の使用に関する。
【0123】
特定の実施形態は、一般式(I.1)、(I.2)及び(I.3)の3つの化合物全ての混合物を含む組成物であって、上記化合物のそれぞれを1~99重量%の量で含み(但し式(I.1)、(I.2)及び(I.3)の化合物の重量は合計で100%になる)、(I.1):(I.2):(I.3)の比が、90:5:5~10:45:45、好ましくは80:10:10~20:40:40、とりわけ55:22.5:22.5~45:27.5:27.5の範囲内であり、さらにとりわけ約50:25:25である、上記組成物の使用である。先と同様に、「約」という用語は、上記の比の決定において生じ得る測定誤差を考慮し、±10%、好ましくは±5%の偏差を含む。
【0124】
本発明の好ましい実施形態は、式(I.1)、(I.2)及び(I.3)(式中、R1及びR2は、エーテル化合物に関する上記の第1の実施形態において定義されるとおりである)の化合物から選択される少なくとも2つのエーテル化合物の混合物を含む組成物であって、ここで
- (I.1)が、(I.1)、(I.2)及び(I.3)の総重量に対して、0~75重量%、好ましくは10~75重量%の量で存在し、
- (I.2)が、(I.1)、(I.2)及び(I.3)の総重量に対して、0~50重量%、好ましくは5~45重量%の量で存在し、
- (I.3)が、(I.1)、(I.2)及び(I.3)の総重量に対して、0~50重量%、好ましくは0~45重量%の量で存在する
(但し化合物(I.1)、(I.2)及び(I.3)の少なくとも2つは、(I.1)、(I.2)及び(I.3)の総重量に対して>0重量%の量で存在し、上記混合物中に存在する化合物(I.1)、(I.2)及び(I.3)の重量は合計で100%になる)、
上記組成物の使用に関する。
【0125】
本発明のより好ましい実施形態は、式(I.1)、(I.2)及び(I.3)(式中、R1及びR2は、エーテル化合物に関する上記の第1の実施形態において定義されるとおりである)の化合物から選択される3つのエーテル化合物全ての混合物を含む組成物であって、ここで
- (I.1)が、(I.1)、(I.2)及び(I.3)の総重量に対して、25~75重量%、好ましくは30~60重量%、とりわけ35~55重量%の量で存在し、
- (I.2)が、(I.1)、(I.2)及び(I.3)の総重量に対して、15~35重量%、好ましくは18~30重量%、とりわけ20~28重量%の量で存在し、
- (I.3)が、(I.1)、(I.2)及び(I.3)の総重量に対して、15~35重量%、好ましくは18~30重量%、とりわけ20~28重量%の量で存在する
(但し化合物(I.1)、(I.2)及び(I.3)の重量は合計で100%になる)、
上記組成物の使用に関する。
【0126】
特別な実施形態は、一般式(I.1)、(I.2)及び(I.3)(式中、R1及びR2は、上記の第1の実施形態において定義されるとおりである)の3つのエーテル化合物の全ての混合物を含む組成物であって、上記のエーテル化合物のそれぞれを1~99重量%の量で含み(但し式(I.1)、(I.2)、及び(I.3)のエーテル化合物の重量は合計で100%になる)、(I.1):(I.2):(I.3)の比が、90:5:5~10:45:45、好ましくは80:10:10~20:40:40、とりわけ55:22.5:22.5~45:27.5:27.5の範囲内であり、さらにとりわけ約50:25:25である、上記組成物の使用である。先と同様に、「約」という用語は、上記の比の決定において生じ得る測定誤差を考慮し、±10%、好ましくは±5%の偏差を含む。
【0127】
本発明の好ましい実施形態は、式(I.1)、(I.2)及び(I.3)(式中、R1及びR2は、エステル化合物に関する上記の第2の実施形態において定義されるとおりである)の化合物から選択される少なくとも2つのエステル化合物の混合物を含む組成物であって、ここで
- (I.1)が、(I.1)、(I.2)及び(I.3)の総重量に対して、0~75重量%、好ましくは10~75重量%の量で存在し、
- (I.2)が、(I.1)、(I.2)及び(I.3)の総重量に対して、0~50重量%、好ましくは5~45重量%の量で存在し、
- (I.3)が、(I.1)、(I.2)及び(I.3)の総重量に対して、0~50重量%、好ましくは0~45重量%の量で存在する
(但し化合物(I.1)、(I.2)及び(I.3)の少なくとも2つは、(I.1)、(I.2)及び(I.3)の総重量に対して>0重量%の量で存在し、上記混合物中に存在する化合物(I.1)、(I.2)及び(I.3)の重量は合計で100%になる)、
上記組成物の使用に関する。
【0128】
本発明のより好ましい実施形態は、式(I.1)、(I.2)及び(I.3)(式中、R1及びR2は、エステル化合物に関する上記の第2の実施形態において定義されるとおりである)の化合物から選択される3つのエステル化合物全ての混合物を含む組成物であって、ここで
- (I.1)が、(I.1)、(I.2)及び(I.3)の総重量に対して、25~75重量%、好ましくは30~60重量%、とりわけ35~55重量%の量で存在し、
- (I.2)が、(I.1)、(I.2)及び(I.3)の総重量に対して、15~35重量%、好ましくは18~30重量%、とりわけ20~28重量%の量で存在し、
- (I.3)が、(I.1)、(I.2)及び(I.3)の総重量に対して、15~35重量%、好ましくは18~30重量%、とりわけ20~28重量%の量で存在する
(但し化合物(I.1)、(I.2)及び(I.3)の重量は合計で100%になる)、
上記組成物の使用に関する。
【0129】
特別な実施形態は、一般式(I.1)、(I.2)及び(I.3)(式中、R1及びR2は、上記の第2の実施形態において定義されるとおりである)の3つのエステル化合物の全ての混合物を含む組成物であって、前記中の上記化合物のそれぞれを1~99重量%の量で含み(但し式(I.1)、(I.2)及び(I.3)の化合物の重量は合計で100%になる)、(I.1):(I.2):(I.3)の比が、90:5:5~10:45:45、好ましくは80:10:10~20:40:40、とりわけ55:22.5:22.5~45:27.5:27.5の範囲内であり、さらにとりわけ約50:25:25である、上記組成物の使用である。先と同様に、「約」という用語は、上記の比の決定において生じ得る測定誤差を考慮し、±10%、好ましくは±5%の偏差を含む。
【0130】
さらに、不純物が化合物(I)、(I.a)又は(I.b)の香りに対して著しく有害な影響を及ぼさない限り、化合物(I)、(I.a)又は(I.b)は、広範囲の純度にわたり芳香化学物質として使用することができる。従って、本発明によれば、芳香化学物質としての使用について、化合物(I)、(I.a)又は(I.b)の純度は特に限定されない。好ましくは、化合物(I)、(I.a)又は(I.b)は、少なくとも70%、特に少なくとも90%、とりわけ少なくとも95%の純度を有する。
【0131】
3-メチル-ペンタン-ジオール及び/又はその不飽和誘導体から出発するこれらの調製方法により、一般式(I)又は(I.a)のジエーテル化合物は、微量のモノエーテル化合物(I-OH)を含み得、一般式(I)又は(I.b)のジエステル化合物は、微量のモノエステル化合物(II-OH)を含み得る
【0132】
【化31】
(式中、R
1a及びR
2bは、上記に示される意味の1つを有する)。
【0133】
好ましくは、一般式(I)のジエーテル化合物及びジエステル化合物中に含まれ得る一置換化合物(I-OH)又は(II-OH)の量は、化合物(I)の総量に対して、25重量%未満、より好ましくは10重量%未満、さらにより好ましくは5重量%未満、特に1重量%未満である。
【0134】
本発明の特に好ましい実施形態において、一般式(I)のジエーテル化合物及びジエステル化合物は、それぞれ、一置換化合物(I-OH)又は(II-OH)を含まない。
【0135】
同様に、一般式(I)のモノエーテル化合物及びモノエステル化合物は、微量の対応する二置換化合物を含み得る。好ましくは、一般式(I)のモノエーテル化合物及びモノエステル化合物中に含まれ得る、一般式(I)の二置換化合物の量は、化合物(I)の総量に対して、25重量%未満、より好ましくは10重量%未満、さらにより好ましくは5重量%未満、特に1重量%未満である。
【0136】
さらに、R1基とR2基とが異なる一般式(I)のジエーテル化合物、並びにR3基とR4基とが異なる一般式(I)のジエステル化合物(本明細書中以降、非対称置換化合物と呼ばれる)は、微量の対応する対称置換化合物(すなわち、R1基とR2基とが同一である一般式(I)のジエーテル化合物、及びR3基とR4基とが同一である一般式(I)のジエステル化合物)を含み得る。好ましくは、一般式(I)の非対称置換化合物中に含まれ得る対称置換化合物の量は、化合物(I)の総量に対して、25重量%未満、より好ましくは10重量%未満、さらにより好ましくは5重量%未満、特に1重量%未満である。
【0137】
前述の好ましい実施形態は、所望により互いに組み合わせることができる
【0138】
従って、特に好ましい実施形態において、本発明は、少なくとも95%の純度を有し、且つ/又は上記のエキソ/E/Z異性体混合物の形態で存在する、一般式(I)の化合物の使用に関する。
【0139】
特に、本発明は、少なくとも95%の純度を有し、且つ/又は、上記の重量比を有し、好ましくは55:22.5:22.5~45:27.5:27.5のエキソ:E:Zの重量比を有し、さらにとりわけ約50:25:25のエキソ:E:Zの重量比を有するエキソ/E/Z異性体混合物の形態で存在する、一般式(I)の化合物(ここで、化合物(I)において、R1とR2とは同一であり、またここでエキソ/E/Z混合物の全ての異性体において、R1とR2とは同一である)の使用に関する。「約」という用語は、上記の比の決定において生じ得る測定誤差を考慮し、±10%、好ましくは±5%の偏差を含む。
【0140】
既に言及したとおり、上記及び下記に定義される式(I)の化合物、あるいはその立体異性体若しくはその立体異性体の混合物、又は異なる式(I)の化合物の混合物は、好ましくは嗅覚印象を付与するために使用される。特に、上記に定義される式(I)の化合物、あるいはその混合物、又はその立体異性体若しくはその立体異性体の混合物は、フレグランスとして使用される。
【0141】
特に、式(I.1)、(I.2)及び(I.3)の化合物(ここで、いずれの場合も、R1及びR2は-C(=O)CH3である)の異性体混合物(上記の定義を参照)は、スウィートノート(sweet note)、パウダリーノート(powdery note)、テルペンノート(terpenic note)、フルーティノート(fruity note)を付与するために使用されるか;又は、スウィートノート、パウダリーノート、テルペンノート、フルーティノートを有する香りを生じさせるために使用される。特に、この混合物において、化合物(I.1)、(I.2)及び(I.3)(ここで、いずれの場合も、R1及びR2は-C(=O)CH3である)は、約50:25:25の重量比で存在する。
【0142】
特に、化合物(I.1)(式中、R1及びR2は-C(=O)CH3である)は、フルーティノート、スウィートノート、ラバーノート(rubber note)、マスティノート(musty note)、ダスティノート(dusty note)を付与するために使用されるか;又はフルーティノート、スウィートノート、ラバーノート、マスティノート、ダスティノートを有する香りを生じさせるために使用される。
【0143】
特に、化合物(I.2)(式中、R1及びR2は-C(=O)CH3である)は、フルーティノート、ウッディノート(woody note)、スウィートノートを付与するために使用されるか;又はフルーティノート、ウッディノート、スウィートノートを有する香りを生じさせるために使用される。
【0144】
特に、化合物(I.4)(上記の定義を参照)(式中、R1及びR2は-C(=O)CH3である)は、スウィートノート、フルーティノートを付与するために使用されるか;又はスウィートノート、フルーティノートを有する香りを生じさせるために使用される。
【0145】
特に、式(I.1)、(I.2)及び(I.3)の化合物(ここで、いずれの場合も、R1及びR2は-C(=O)CH2CH3である)の異性体混合物は、スウィートノート、レッドベリーノート(red berries note)を付与するために使用されるか;又はスウィートノート、レッドベリーノートを有する香りを生じさせるために使用される。とりわけ、この混合物において、化合物(I.1)、(I.2)及び(I.3)(ここで、いずれの場合も、R1及びR2は-C(=O)CH2CH3である)は、約50:25:25の重量比で存在する。
【0146】
特に、式(I.1)、(I.2)及び(I.3)の化合物(ここで、いずれの場合も、R1及びR2は-CH3である)の異性体混合物は、ハーバルノート(herbal note)、アルガエノート(algae note)、グリーンノート(green note)、ウォータリーノート(watery note)、フルーティノートを付与するために使用されるか;又は、ハーバルノート、アルガエノート、グリーンノート、ウォータリーノート、フルーティノートを有する香りを生じさせるために使用される。とりわけ、この混合物において、化合物(I.1)、(I.2)及び(I.3)(ここで、いずれの場合も、R1及びR2は-CH3である)は、約50:25:25の重量比で存在する。
【0147】
特に、式(I.1)、(I.2)及び(I.3)の化合物(ここで、いずれの場合も、R1及びR2は-CH2CH3である)の異性体混合物は、グリーンノート、ハーバルノート、ローポテトノート(raw potato note)、グリーンバナナノート(green banana note)を付与するために使用されるか;又は、グリーンノート、ハーバルノート、ローポテトノート、グリーンバナナノートを有する香りを生じさせるために使用される。特に、この混合物において、化合物(I.1)、(I.2)及び(I.3)(ここで、いずれの場合も、R1及びR2は-CH2CH3である)は、約50:25:25の重量比で存在する。
【0148】
特に、式(I.1)、(I.2)及び(I.3)の化合物(ここで、いずれの場合も、R1及びR2は-CH2CH2CH2CH3である)の異性体混合物は、シダーノート(cedar note)、シトラスノート(citrus note)、ウォームノート(warm note)、ハーバルノート(herbal note)を付与するために使用されるか;又は、シダーノート、シトラスノート、ウォームノート、ハーバルノートを有する香りを生じさせるために使用される。とりわけ、この混合物において、化合物(I.1)、(I.2)及び(I.3)(ここで、いずれの場合も、R1及びR2は-CH2CH2CH2CH3である)は、約50:25:25の重量比で存在する。
【0149】
特に、化合物(I.4)(式中、R1及びR2は-CH2CH3である)は、グリーンノート、バナナノート(banana note)、アップル(ライプ)ノート(apple (ripe) note)を付与するために使用されるか;又は、グリーンノート、バナナノート、アップル(ライプ)ノートを有する香りを生じさせるために使用される。
【0150】
上記の「約」という用語は、上記の比の決定において生じ得る測定誤差を考慮し、±10%、好ましくは±5%の偏差を含む。
【0151】
一般式(I)のモノエーテル化合物は、化合物(II)又はその混合物:
【0152】
【化32】
を、典型的には塩基の存在下で、アルキル化試薬R
1-X(式中、R
1は上記に示される意味の1つを有し、Xは、ハロゲン(例えばCl、Br、I)及びスルホネート(例えばトシラート、メシラート、トリフラート又はノナフラート)から選択される脱離基を表す)を用いてアルキル化することにより、効率的に調製することができる。
【0153】
好適な塩基は、典型的には、無機塩基及び有機塩基から選択される。
【0154】
このアルキル化反応に使用し得る好適な無機塩基は、例えば、アルカリ金属炭酸塩(例えばLi2CO3、Na2CO3、K2CO3、又はCs2CO3)、アルカリ金属水酸化物(例えばLiOH、NaOH又はKOH)、及びヒドリド供与体(例えばNaH、LiAlH4又はNaBH4)である。
【0155】
このアルキル化反応に使用し得る好適な有機塩基は、例えば、第三級アミン(例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エチルジイソプロピルアミンなど)、又は塩基性N-複素環(例えばモルホリン、ピリジン、ルチジン、DMAP、DABCO、DBU、若しくはDBN)である。
【0156】
アルキル化反応は、当業者に周知の従来のアルキル化反応条件下で行われる。
【0157】
典型的には、化合物(II)又はその混合物を、準等モル量又はほぼ等モル量(例えば0.7、0.8、0.9、又は0.95当量)のアルキル化試薬R1-Xと反応させて一置換化合物(I-OH)を得、残留出発物質又は対応する二置換化合物などの望ましくない副生成物又は不純物を除去するため、これをさらに精製ステップに供する。
【0158】
一般的に、精製ステップは、通常の精製法、例えば結晶化、蒸留、又はクロマトグラフィー法(例えばカラムクロマトグラフィー若しくは高速液体クロマトグラフィー)を使用することによって行われる。
【0159】
R1基とR2基とが同一である一般式(I)のジエーテル化合物の調製は、典型的には、化合物(II)又はその混合物を、少なくとも2当量(例えば2.0、2.1、2.5、又は3.0当量)のアルキル化試薬R1-X又はR2-X[式中、R1基、R2基、及びX基は、上記に示される意味の1つを有する]とそれぞれ反応させることによって行われ、得られた未処理生成物(raw-product)は、その後に上記に定義される精製ステップに供される。未処理生成物混合物中に微量の不純物及び副生成物が存在するに過ぎない場合、精製ステップは、簡単な抽出的後処理によって行うこともできる。
【0160】
R1基とR2基とが異なる一般式(I)のジエーテル化合物の調製は、一般的には、最初に、化合物(II)又はその混合物を、準等モル量又はほぼ等モル量(例えば0.7、0.8、0.9、又は0.95当量)のアルキル化試薬R1-Xと反応させて一置換化合物(I-OH)を得て、これを、精製ステップの後で、第2のアルキル化試薬R2-Xとさらに反応させることによって行われる。
【0161】
一般的に、一般式(I)のエステル化合物は、化合物(II)又はその混合物を、カルボン酸R3-COOHと、カルボン酸R4-COOHと[式中、R3及びR4は、上記に示される意味の1つを有する]、あるいはそれらの酸無水物、又は式R3-(C=O)X'若しくはR4-(C=O)X’の酸ハロゲン化物(ここでX’は、ハロゲン、例えばCl、Br又はI、典型的にはCl又はBrである)と、あるいはカルボン酸R3-COOH及び/又はR4-COOHとそれらの酸無水物との及び/又は酸ハロゲン化物との混合物と反応させることにより、効率的に調製することができる。この反応は、典型的には、エステル化触媒又は塩基の存在下で行われる。
【0162】
この反応に利用し得る好適なエステル化触媒は、当業者に周知である。好適なエステル化触媒は、例えば、金属系触媒、例えば、金属、金属酸化物、若しくは金属塩(例えば金属アルコキシレート)の形態の、鉄、カドミウム、コバルト、鉛、亜鉛、アンチモン、マグネシウム、チタン、及びスズの触媒;鉱酸、例えば硫酸、塩酸、若しくはリン酸;又は有機スルホン酸、例えばメタンスルホン酸、若しくはパラ-トルエンスルホン酸である。
【0163】
好適な塩基は、例えば、上記に定義される有機塩基である。
【0164】
あるいは、一般式(I)のエステル化合物は、有機塩基の存在下で、化合物(II)又はその混合物を、式R3-(C=O)X'又はR4-(C=O)X'[式中、R3及びR4は上記に示される意味の1つを有し、X'はハロゲン、例えばCl、Br、又はI、典型的にはCl又はBrである]の酸ハロゲン化物と反応させることにより調製することができる。
【0165】
好適な有機塩基は、上記に定義されるとおりである。
【0166】
一般式(I)のエステル化合物の調製のための個々の反応条件は、当業者に周知である。
【0167】
一般式(I)のモノエステル化合物の調製のため、化合物(II)又はその混合物を、典型的には、準等モル量又はほぼ等モル量(例えば0.7、0.8、0.9、又は0.95当量)のカルボン酸R3-COOH又はその無水物若しくはその酸ハロゲン化物、あるいは前記カルボン酸とその無水物及び/又は酸ハロゲン化物との混合物と反応させる。あるいは、有機塩基の存在下で、化合物(II)又はその混合物を、典型的には、同量の酸ハロゲン化物R3-(C=O)X'と反応させる。その後、得られた未処理生成物を、上記に定義される精製ステップに供する。
【0168】
R3基とR4基とが同一である一般式(I)のジエステル化合物の調製のため、化合物(II)又はその混合物を、典型的には、少なくとも2当量(例えば2.0、2.1、2.5、又は3.0当量)のカルボン酸R3-COOH又はR4-COOH、その無水物、又は前記カルボン酸とその無水物との混合物とそれぞれ反応させる。あるいは、化合物(II)又はその混合物を、典型的には、有機塩基の存在下で、少なくとも2当量の酸ハロゲン化物R3-(C=O)X'又はR4-(C=O)X'とそれぞれ反応させる。その後、得られた未処理生成物を、上記に定義される精製ステップに供する。未処理生成物混合物中に微量の不純物及び副生成物が存在するに過ぎない場合、精製ステップは、簡単な抽出的後処理によって行うこともできる。
【0169】
R3基とR4基とが異なる一般式(I)のジエステル化合物の調製は、一般的に、最初に、化合物(II)又はその混合物を、準等モル量又はほぼ等モル量(例えば0.7、0.8、0.9、又は0.95当量)のカルボン酸R3-COOH又はその無水物と反応させて一置換化合物(II-OH)を得、これを、精製ステップの後で、さらに第2のカルボン酸R4-COOH又はその無水物と反応させることによって行われる。
【0170】
あるいは、R3基とR4基とが異なる化合物(I)の調製は、有機塩基の存在下で、最初に、化合物(II)又はその混合物を、準等モル量又はほぼ等モル量(例えば0.7、0.8、0.9、又は0.95当量)の酸ハロゲン化物R3-(C=O)X'と反応させて一置換化合物(II-OH)を得、これを、精製ステップの後で、さらに第2の酸ハロゲン化物R4-(C=O)X'と反応させることによっても達成することができる。
【0171】
出発物質である化合物(II)又はその混合物は、高分子材料の合成用のモノマーとして頻繁に使用されるジオール構成成分である。従って、化合物(II)又はその混合物は、商業的供給源から容易に入手可能である。あるいは、化合物(II)又はその混合物は、当技術分野において十分に記載されている方法を用いて(例えば、ジメチルケテンの二量体化により)、大量に合成することもできる。
【0172】
組成物:
以下の所見は、本発明による芳香化学物質組成物並びに本発明による使用の両方に当てはまる。
【0173】
式(I)の化合物、その混合物、その立体異性体、又はその立体異性体の混合物は、広範囲の組成物、例えば即時使用可能な組成物に使用することができる。式(I)の化合物の嗅覚特性、物質特性(例えばこのような組成物の慣用の溶媒における溶解性、及びさらなる慣用の構成成分との適合性)、並びに毒物学的許容性は、それらが、記載した使用目的及び組成物に特に好適であることを強調する。
【0174】
さらに、一般式(I)の化合物は、有利な第2の特性を呈する。
【0175】
例えば、一般式(I)の化合物は、他のフレグランスとの相乗効果の結果として、より優れた感覚プロファイルを提供することが可能であり、このことは、一般式(I)の化合物が、他のフレグランスにブースター効果を与え得ることを意味する。そのため、これらは他のフレグランスのブースター剤として好適である。
【0176】
ブースター効果とは、その物質が、香料製剤中で混合物の全体的な印象を増強及び強化することを意味する。例えば、ミント範囲(mint range)においては、純粋な物質であるエーテル自体は特定の強い匂いを全く生じないにもかかわらず、メンチルメチルエーテルが、ペパーミント油の香料混合物又は味覚混合物を強化し、特にトップノートにおいて、相当により強くより複雑な知覚をもたらすことが知られている。フレグランス用途において、Hedione(登録商標)(メチルジヒドロジャスモネート)は、純粋な物質としては軽いフローラルジャスミンノートを呈するだけであるが、匂いブースター剤としては、香水組成物の拡散、清涼感、及び量を強化する。ブースター効果は、匂いの印象が特に迅速にかつ強く伝えられるトップノートを特徴とする用途が求められる場合、例えば、脱臭剤においてはエアフレッシュナーで、又は味部門においてはチューインガムで、特に望ましい。
【0177】
このようなブースター効果を達成するため、一般式(I)の化合物、その立体異性体、又はその立体異性体の混合物は、一般的に、フレグランス混合物の総重量に対して、0.1~20重量%の量、好ましくは0.5~5重量%の量、特に0.6~3重量%の量で使用される。
【0178】
さらに、一般式(I)の化合物、その立体異性体、又はその立体異性体の混合物は、これらが適用される組成物自体に対してさらに肯定的な効果を有し得る。例えば、一般式(I)の化合物、その立体異性体、又はその立体異性体の混合物は、組成物の全体的な性能、例えば組成物の安定性(例えば製剤安定性、拡張性又は持続力)を高めることができる。
【0179】
従って、本発明のさらなる実施形態はこのため、一般式(I)の化合物、その立体異性体、その立体異性体の混合物又は異なる化合物(I)の混合物の、即時使用可能な組成物中の芳香化学物質としての使用に関する。
【0180】
本明細書で使用される用語「即時使用可能な組成物」は、最終使用者がそれ自体を適用又は使用することが意図される組成物を指す。
【0181】
一般に、本発明の芳香化学物質(すなわち上記に定義される一般式(I)の化合物)を適用し得る即時使用可能な組成物は、フレグランスを付与した即時使用可能な組成物である。
【0182】
本発明の芳香化学物質(すなわち上記に定義される一般式(I)の化合物)を適用し得るフレグランスを付与した即時使用可能な組成物は、例えば、パーソナルケアにおいて使用される組成物、ホームケアにおいて使用される組成物、工業用途に使用される組成物、並びに他の用途に使用される組成物(例えば医薬組成物又は作物保護組成物)である。
【0183】
好ましくは、即時使用可能な組成物は、香水組成物、ボディケア組成物(化粧品組成物を含む)、口腔及び歯の衛生用製品、衛生物品、洗浄組成物(食器洗い組成物を含む)、布用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物及び作物保護組成物から選択される。
【0184】
化合物(I)、その立体異性体、その立体異性体混合物又はその二重結合異性体は、上記組成物中で、芳香化学物質として、好ましくはフレグランスとして使用される。
【0185】
特に、式(I.1)、(I.2)及び(I.3)の化合物(ここで、いずれの場合も、R1及びR2は-C(=O)CH3である)の異性体混合物(以下の定義を参照)は、上記に列挙される組成物に、スウィートノート、パウダリーノート、テルペンノート、フルーティノートを付与するために使用される。とりわけ、上記混合物において、化合物(I.1)、(I.2)及び(I.3)(ここで、いずれの場合も、R1及びR2は-C(=O)CH3である)は、約50:25:25の重量比で存在する。
【0186】
特に、化合物(I.1)(式中、R1及びR2は-C(=O)CH3である)は、上記に列挙される組成物に、フルーティノート、スウィートノート、ラバーノート、マスティノート、ダスティノートを付与するために使用される。
【0187】
特に、化合物(I.2)(式中、R1及びR2は-C(=O)CH3である)は、上記に列挙される組成物に、フルーティノート、ウッディノート、スウィートノートを付与するために使用される。
【0188】
特に、化合物(I.4)(以下の定義を参照)(式中、R1及びR2は-C(=O)CH3である)は、上記に列挙される組成物に、スウィートノート、フルーティノートを付与するために使用される。
【0189】
特に、式(I.1)、(I.2)及び(I.3)の化合物(ここで、いずれの場合も、R1及びR2は-C(=O)CH2CH3である)の異性体混合物(以下の定義を参照)は、上記に列挙される組成物に、スウィートノート、レッドベリーノートを付与するために使用される。とりわけ、上記混合物において、化合物(I.1)、(I.2)及び(I.3)(ここで、いずれの場合も、R1及びR2は-C(=O)CH2CH3である)は、約50:25:25の重量比で存在する。
【0190】
特に、式(I.1)、(I.2)及び(I.3)の化合物(ここで、いずれの場合も、R1及びR2は-CH3である)の異性体混合物(以下の定義を参照)は、上記に列挙される組成物に、ハーバルノート、アルガエノート、グリーンノート、ウォータリーノート、フルーティノートを付与するために使用される。とりわけ、上記混合物において、化合物(I.1)、(I.2)及び(I.3)(ここで、いずれの場合もR1及びR2は-CH3である)は、約50:25:25の重量比で存在する。
【0191】
特に、式(I.1)、(I.2)及び(I.3)の化合物(ここで、いずれの場合も、R1及びR2は-CH2CH3である)の異性体混合物(以下の定義を参照)は、上記に列挙される組成物に、グリーンノート、ハーバルノート、ローポテトノート、グリーンバナナノートを付与するために使用される。とりわけ、上記混合物において、化合物(I.1)、(I.2)及び(I.3)(ここで、いずれの場合も、R1及びR2は-CH2CH3である)は、約50:25:25の重量比で存在する。
【0192】
特に、式(I.1)、(I.2)及び(I.3)の化合物(ここで、いずれの場合も、R1及びR2は-CH2CH2CH2CH3である)の異性体混合物(以下の定義を参照)は、上記に列挙される組成物に、シダーノート、シトラスノート、ウォームノート、ハーバルノートを付与するために使用される。とりわけ、上記混合物において、化合物(I.1)、(I.2)及び(I.3)(ここで、いずれの場合も、R1及びR2は-CH2CH2CH2CH3である)は、約50:25:25の重量比で存在する。
【0193】
特に、化合物(I.4)(以下の定義を参照)(式中、R1及びR2は-CH2CH3である)は、上記に列挙される組成物に、グリーンノート、バナナノート、アップル(ライプ)ノートを付与するために使用される。
【0194】
上記の「約」という用語は、上記の比の決定において生じ得る測定誤差を考慮し、±10%、好ましくは±5%の偏差を含む。
【0195】
香水組成物は、ファインフレグランス、液体形態、ゲル様形態、又は固体担体に適用された形態のエアフレッシュナー、エアロゾルスプレー、香り付き洗浄剤、賦香キャンドル及び賦香油(例えばランプ油又はマッサージ用油)から選択され得る。
【0196】
ファインフレグランスの例は、香水抽出物、オードパルファム、オードトワレ、オーデコロン、オードソリッド、及びエクストレパルファム(Extrait Parfum)等である。
【0197】
ボディケア組成物は化粧品組成物を包含し、アフターシェーブ、プレシェーブ製品、スプラッシュコロン、固体及び液体の石鹸、シャワージェル、シャンプー、シェービングソープ、シェービングフォーム、バスオイル、水中油型、油中水型及び水中油中水型の化粧品エマルション(例えばスキンクリーム及びスキンローション、フェイスクリーム及びフェイスローション、日焼け止めクリーム及び日焼け止めローション、アフターサンクリーム及びアフターサンローション、ハンドクリーム及びハンドローション、フットクリーム及びフットローション、脱毛クリーム及び脱毛ローション、アフターシェーブクリーム及びアフターシェーブローション、並びに日焼けクリーム及び日焼けローションなど)、粉末、ヒドロゲル、ヘアケア製品(例えばヘアスプレー、ヘアジェル、ヘアセットローション、ヘアコンディショナー、ヘアシャンプー、並びにパーマネントヘアカラー剤及びセミパーマネントヘアカラー剤)、ヘアシェーピング組成物(例えばコールドウェーブ剤及びヘアスムーシング組成物、ヘアトニック、ヘアクリーム及びヘアローション)、デオドラント剤及び制汗剤(例えば脇用スプレー、ロールオン、デオドラントスティック及びデオドラントクリームなど)、装飾化粧品製品(例えばアイライナー、アイシャドウ、マニキュア、メイクアップ(make-up)、口紅、及びマスカラなど)から選択され得る。
【0198】
口腔及び歯の衛生用製品は、練り歯磨き、デンタルフロス、マウスウォッシュ、ブレスフレッシュナー、デンタルフォーム、デンタルゲル、及びデンタルストリップから選択され得る。
【0199】
衛生物品は、線香、殺虫剤、忌避剤、噴射剤、錆除去剤、賦香清涼ふき取り材、脇パッド、赤ん坊用オムツ、生理用ナプキン、トイレットペーパー、化粧用ふき取り材、ポケットティッシュ、食器洗浄剤、及び脱臭剤から選択され得る。
【0200】
洗浄組成物(例えば固体表面洗浄剤など)は、賦香の酸性、アルカリ性、及び中性の洗浄剤(例えば、床用洗浄剤、窓用洗浄剤、浴室及びサニタリー用洗浄剤、研磨用ミルク(scouring milk)、固形及び液体のトイレ洗浄剤、粉末及び泡状のカーペット用洗浄剤、食器の手洗い及び機械洗い用食器洗浄洗剤など)、ワックス及び磨き剤(例えば、家具用磨き剤、床用ワックス、靴用クリーム、消毒剤、表面消毒剤及び衛生洗浄剤(sanitary cleaner))、ブレーキ洗浄剤、パイプ洗浄剤、水垢除去剤、グリル洗浄剤及びオーブン用洗浄剤、藻類及びコケ除去剤、カビ除去剤、並びにファサード洗浄剤(facade cleaner))から選択され得る。
【0201】
布用洗剤組成物は、液体洗剤、粉末洗剤、洗濯前処理剤(例えば漂白剤、浸漬剤及び染み除去剤)、織物用柔軟剤、洗濯石鹸、洗濯タブレットから選択され得る。
【0202】
食品は、未処理の、加熱調理した、若しくは加工した食用の物質、氷菓、飲料、又は、全体として若しくは部分的にヒトの摂取に使用されるか若しくは使用が意図される成分、あるいはチューインガム、グミ、ゼリー、及び菓子を意味する。
【0203】
栄養補助食品は、食物にさらなる栄養価を付加することが意図される食物成分を含有する、摂取のために意図される製品である。食物成分は、以下の物質:ビタミン、ミネラル、ハーブ若しくは他の植物性物質、アミノ酸、人々が総食物摂取量を増加させることにより食事を補うために使用される食物物質、濃縮物、代謝物、構成成分、又は抽出物のうちの1つ又は任意の組合せであり得る。栄養補助食品は、タブレット、カプセル、ソフトゲル、ゲルキャップ、液体、又は粉末などの多くの形態で見られ得る。
【0204】
医薬組成物は、疾病の診断、治療、緩和、処置、又は予防における使用が意図される組成物、並びにヒト又は他の動物の体の構造又は任意の機能に影響を及ぼすことが意図される物品(食品以外)を含む。
【0205】
作物保護組成物は、農作物及び森林を損なう、植物疾患、雑草、及び他の有害生物(脊椎動物及び無脊椎動物の両方)の管理のために意図される組成物を含む。
【0206】
本発明による組成物は、1つ以上の物質、例えば、保存料、研磨剤、抗にきび剤、皮膚の老化を抑えるための薬剤、抗細菌剤、抗セルライト剤、抗フケ剤、抗炎症剤、刺激予防剤、刺激緩和剤、抗菌剤、抗酸化剤、収斂剤、発汗抑制剤、消毒剤、帯電防止剤、結合剤、緩衝剤、担体材料、キレート剤、細胞刺激物質、洗浄剤、ケア剤、脱毛剤、表面活性物質、脱臭剤、制汗剤、乳化剤、酵素、精油、繊維、フィルム形成剤、固定剤、泡形成剤、泡安定剤、発泡防止用物質、泡ブースター、殺菌剤、ゲル化剤、ゲル形成剤、ヘアケア剤、ヘアシェーピング剤、ヘアスムーシング剤、水分供与剤、加湿物質、保湿剤物質、漂白剤、補強剤、染み除去剤、蛍光増白剤、含浸剤、汚れ忌避剤(soil repellent)、減摩剤、潤滑剤、保湿クリーム、軟膏、乳白剤、可塑剤、被覆剤、磨き剤、光沢剤、ポリマー、粉末、タンパク質、加脂剤(refatting agent)、剥脱剤、シリコーン、皮膚鎮静剤、皮膚クレンジング剤、スキンケア剤、皮膚治癒剤、皮膚美白剤、皮膚保護剤、皮膚軟化剤、冷却剤、皮膚冷却剤、加温剤(warming agent)、皮膚加温剤、安定剤、UV吸収剤、UVフィルター、織物柔軟剤、懸濁剤、日焼け剤、増粘剤、ビタミン、油、ワックス、脂肪、リン脂質、飽和脂肪酸、モノ若しくはポリ不飽和脂肪酸、α-ヒドロキシ酸、ポリヒドロキシ脂肪酸、液化剤、染料、着色防止剤、顔料、防食剤、ポリオール、界面活性剤、電解質、有機溶媒、又はシリコーン誘導体などをさらに含み得る。
【0207】
上述のとおり、一般式(I)の化合物は、一般的に、快く特徴的な匂いを呈し、フレグランスを付与した即時使用可能な組成物を製造するために使用することが可能であり、且つ/又は、これらを化合物(I)とは異なる他の芳香化学物質と有利に組み合わせて新たな香りプロファイルを創出することがさらに見出された。
【0208】
従って、本発明の特定の実施形態は、フレグランスを付与した即時使用可能な組成物の香りの特徴を改質するための、式(I)の化合物、その立体異性体、又はその立体異性体の混合物の使用に関する。
【0209】
本発明はさらに、上記に定義される少なくとも1つの式(I)の化合物、その立体異性体、又はその立体異性体の混合物と、化合物(I)とは異なるさらなる芳香化学物質及び非芳香化学物質担体からなる群から選択される少なくとも1つのさらなる成分とを含む、芳香化学物質組成物に関する。
【0210】
この組成物は、上記に定義される少なくとも1つの式(I)の化合物、その立体異性体、又はその立体異性体の混合物と、化合物(I)とは異なる少なくとも1つのさらなる芳香化学物質とを含む、芳香化学物質組成物を包含する。
【0211】
さらに、上記に定義される少なくとも1つの式(I)の化合物、その立体異性体、又はその立体異性体の混合物と、少なくとも1つの非芳香化学物質担体とを含む芳香化学物質組成物が包含される。
【0212】
同様に、上記に定義される少なくとも1つの式(I)の化合物、その立体異性体、又はその立体異性体の混合物、化合物(I)とは異なる少なくとも1つのさらなる芳香化学物質及び少なくとも1つの非芳香化学物質担体を含む芳香化学物質組成物も包含される。
【0213】
好ましくは、芳香化学物質組成物は、上記に定義される少なくとも1つの式(I)の化合物、その立体異性体、又はその立体異性体の混合物、化合物(I)とは異なる少なくとも1つのさらなる芳香化学物質、及び少なくとも1つの非芳香化学物質担体を含む。
【0214】
化合物(I)とは異なるさらなる芳香化学物質は、例えば、以下からなる群から選択される、1種、好ましくは2種、3種、4種、5種、6種、7種、8種又はさらに多くの種類の芳香化学物質であり得る:
ゲラニルアセテート(3,7-ジメチル-2,6オクタジエン-1イルアセテート)、α-ヘキシルシンナムアルデヒド、2-フェノキシエチルイソブチレート(Phenirat1)、ジヒドロミルセノール(2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール)、メチルジヒドロジャスモネート(好ましくは、60重量%超のシス異性体の含有率を有する)(Hedione9、Hedione HC9)、4,6,6,7,8,8-ヘキサメチル-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-シクロペンタ[g]ベンゾピラン(Galaxolid3)、テトラヒドロリナロール(3,7-ジメチルオクタン-3-オール)、エチルリナロール、ベンジルサリチレート、2-メチル-3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパナール(Lysmeral2a)、シンナミルアルコール、4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5-インデニルアセテート及び/又は4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-6-インデニルアセテート(Herbaflorat1)、シトロネロール、シトロネリルアセテート、テトラヒドロゲラニオール、バニリン、リナリルアセテート、スチロリルアセテート(1-フェニルエチルアセテート)、オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチル-2-アセトナフトン及び/又は2-アセチル-1,2,3,4,6,7,8-オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチルナフタレン(Iso E Super3)、ヘキシルサリチレート、4-tert-ブチルシクロヘキシルアセテート(Oryclone1)、2-tert-ブチルシクロヘキシルアセテート(Agrumex HC1)、α-イオノン(4-(2,2,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オン)、n-α-メチルイオノン、α-イソメチルイオノン、クマリン、テルピニルアセテート、2-フェニルエチルアルコール、4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセンカルボキシアルデヒド(Lyral3)、α-アミルシンナムアルデヒド、エチレンブラシレート、(E)-及び/又は(Z)-3-メチルシクロペンタデカ-5-エノン(Muscenon9)、15-ペンタデカ-11-エノリド及び/又は15-ペンタデカ-12-エノリド(Globalide1)、15-シクロペンタデカノリド(Macrolide1)、1-(5,6,7,8-テトラヒドロ-3,5,5,6,8,8-ヘキサメチル-2-ナフタレニル)エタノン(Tonalid10)、2-イソブチル-4-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-オール(Florol9)、2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール(Sandolen1)、シス-3-ヘキセニルアセテート、トランス-3-ヘキセニルアセテート、トランス-2/シス-6-ノナジエノール、2,4-ジメチル-3-シクロヘキセンカルボキシアルデヒド(Vertocitral1)、2,4,4,7-テトラメチルオクタ-6-エン-3-オン(Claritone1)、2,6-ジメチル-5-ヘプテン-1-アール(Melonal2)、ボルネオール、3-(3-イソプロピルフェニル)ブタナール(Florhydral2)、2-メチル-3-(3,4-メチレンジオキシフェニル)プロパナール(Helional3)、3-(4-エチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパナール(Florazon1)、7-メチル-2H-1,5-ベンゾジオキセピン-3(4H)-オン(Calone)、3,3,5-トリメチルシクロヘキシルアセテート(好ましくは、70重量%以上のシス異性体の含有率を有する)、並びに2,5,5-トリメチル-1,2,3,4,4a,5,6,7-オクタヒドロナフタレン-2-オール(Ambrinol S1)。
【0215】
上記で商品名が示される場合、これらは、以下の供給元を指す。
1 Symrise GmbH (ドイツ)の商品名、
2a BASF SE (ドイツ)の商品名、
2 Givaudan AG (スイス)の商品名、
3 International Flavors & Fragrances Inc., USA (アメリカ)の商品名、
5 Danisco Seillans S.A. (フランス)の商品名、
9 Firmenich S.A. (スイス)の商品名、
10 PFW Aroma Chemicals B.V. (オランダ)の商品名。
【0216】
上記に定義される式(I)の化合物、その立体異性体、又はその立体異性体の混合物と組み合わせて、例えば本発明による組成物をもたらし得るさらなる芳香化学物質は、例えば、自費出版されたS. Arctander、Perfume and Flavor Chemicals、Vol. I及びII、Montclair, N. J.、1969、又はK. Bauer、D. Garbe及びH. Surburg、Common Fragrance and Flavor Materials、第4版、Wiley- VCH、Weinheim 2001に見出すことができる。具体的には、以下のものが言及され得る:
天然原料由来の抽出物、例えば、精油、コンクリート(concrete)、アブソリュート、樹脂、レジノイド、バルサム、チンキ、例えば、
アンバーグリスチンキ、アミリス油、アンゼリカ種子油、アンゼリカ根油、アニス油、吉草根油、メボウキ油、ツリーモスアブソリュート、ベイ油、ヨモギ油、ベンゾイン樹脂、ベルガモット油、蜜蝋アブソリュート、バーチタール油、ビターアーモンド油、セイバリー油、ブーク葉油、カブリューバ油、カデ油、ショウブ(calmus)油、カンファー油、カナンガ油、カルダモン油、カスカリラ油、カシア油、カシアアブソリュート、カストリウムアブソリュート、シダー葉油、シダーウッド油、シスタス(cistus)油、シトロネラ油、レモン油、コパイババルサム、コパイババルサム油、コリアンダー油、コスタス根油、クミン油、サイプレス油、ダバナ油、ディルウィード油、ディル種子油、オードブルー(Eau de brouts)アブソリュート、オークモスアブソリュート、エレミ油、タラゴン油、ユーカリシトリオドラ(eucalyptus citriodora)油、ユーカリ油、ウイキョウ油、松葉油、ガルバナム油、ガルバナム樹脂、ゼラニウム油、グレープフルーツ油、グアヤックウッド油、ガージャンバルサム、ガージャンバルサム油、ヘリクリサムアブソリュート、ヘリクリサム油、ショウガ油、アイリス根アブソリュート、アイリス根油、ジャスミンアブソリュート、ショウブ(calmus)油、ブルーカモミール油、ローマカモミール油、ニンジン種子油、カスカリラ油、松葉油、スペアミント油、キャラウェイ油、ラブダナム油、ラブダナムアブソリュート、ラブダナム樹脂、ラバンジンアブソリュート、ラバンジン油、ラベンダーアブソリュート、ラベンダー油、レモングラス油、ロベージ油、蒸留ライム油、圧搾ライム油、リナロール油、アオモジ(litsea cubeba)油、ローレル葉油、メース油、マジョラム油、マンダリン油、マッソイアバーク油、ミモザアブソリュート、ジャコウ種子油、ジャコウチンキ、クラリセージ油、ナツメグ油、ミルラアブソリュート、ミルラ油、ミルテ油、丁子葉油、丁子花油、ネロリ油、乳香アブソリュート、乳香油、オポパナクス油、オレンジ花アブソリュート、オレンジ油、オリガナム油、パルマローザ油、パッチュリ油、エゴマ油、ペルーバルサム油、パセリ葉油、パセリ種子油、プチグレン油、ペパーミント油、コショウ油、ピメント油、松油、ペニーローヤル油、ローズアブソリュート、ローズウッド油、ローズ油、ローズマリー油、ダルマチアセージ油、スペインセージ油、ビャクダン油、セロリ種子油、スパイクラベンダー油、スターアニス油、エゴノキ油、タゲテス油、モミ葉油、ティーツリー油、テレピン油、タイム油、トルーバルサム、トンカアブソリュート、チュベローズアブソリュート、バニラ抽出物、スミレ葉アブソリュート、バーベナ油、ベチバ油、ジュニパーベリー油、ブドウ酒粕油(wine lees oil)、ニガヨモギ油、ウインターグリーン油、ヒソップ油、シベットアブソリュート、シナモン葉油、シナモン皮油、及びこれらの画分又はこれらから単離される成分など、
炭化水素の群の個々のフレグランス、例えば、3-カレン、α-ピネン、β-ピネン、α-テルピネン、γ-テルピネン、p-シメン、ビサボレン、カンフェン、カリオフィレン、セドレン、ファルネセン、リモネン、ロンギホレン、ミルセン、オシメン、バレンセン、(E,Z)-1,3,5-ウンデカトリエン、スチレン、ジフェニルメタンなど、
脂肪族アルコール、例えばヘキサノール、オクタノール、3-オクタノール、2,6-ジメチルヘプタノール、2-メチル-2-ヘプタノール、2-メチル-2-オクタノール、(E)-2-ヘキセノール、(E)-及び(Z)-3-ヘキセノール、1-オクテン-3-オール、3,4,5,6,6-ペンタメチル-3/4-ヘプテン-2-オールと3,5,6,6-テトラメチル-4-メチレンヘプタン-2-オールとの混合物、(E,Z)-2,6-ノナジエノール、3,7-ジメチル-7-メトキシオクタン-2-オール、9-デセノール、10-ウンデセノール、4-メチル-3-デセン-5-オールなど、
脂肪族アルデヒド及びそのアセタール、例えばヘキサナール、ヘプタナール、オクタナール、ノナナール、デカナール、ウンデカナール、ドデカナール、トリデカナール、2-メチルオクタナール、2-メチルノナナール、(E)-2-ヘキセナール、(Z)-4-ヘプテナール、2,6-ジメチル-5-ヘプテナール、10-ウンデセナール、(E)-4-デセナール、2-ドデセナール、2,6,10-トリメチル-9-ウンデセナール、2,6,10-トリメチル-5,9-ウンデカジエナール、ヘプタナールジエチルアセタール、1,1-ジメトキシ-2,2,5-トリメチル-4-ヘキセン、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、(E/Z)-1-(1-メトキシプロポキシ)-ヘキサ-3-エンなど、脂肪族ケトン及びそのオキシム、例えば2-ヘプタノン、2-オクタノン、3-オクタノン、2-ノナノン、5-メチル-3-ヘプタノン、5-メチル-3-ヘプタノンオキシム、2,4,4,7-テトラメチル-6-オクテン-3-オン、6-メチル-5-ヘプテン-2-オンなど、
脂肪族硫黄含有化合物、例えば3-メチルチオヘキサノール、3-メチルチオヘキシルアセテート、3-メルカプトヘキサノール、3-メルカプトヘキシルアセテート、3-メルカプトヘキシルブチレート、3-アセチルチオヘキシルアセテート、1-メンテン-8-チオールなど、
脂肪族(taliphatic)ニトリル、例えば2-ノネンニトリル、2-ウンデセンニトリル、2-トリデセンニトリル、3,12-トリデカジエンニトリル、3,7-ジメチル-2,6-オクタジエンニトリル、3,7-ジメチル-6-オクテンニトリルなど、
脂肪族カルボン酸のエステル、例えば(E)-及び(Z)-3-ヘキセニルホルメート、エチルアセトアセテート、イソアミルアセテート、ヘキシルアセテート、3,5,5-トリメチルヘキシルアセテート、3-メチル-2-ブテニルアセテート、(E)-2-ヘキセニルアセテート、(E)-及び(Z)-3-ヘキセニルアセテート、オクチルアセテート、3-オクチルアセテート、1-オクテン-3-イルアセテート、エチルブチレート、ブチルブチレート、イソアミルブチレート、ヘキシルブチレート、(E)-及び(Z)-3-ヘキセニルイソブチレート、ヘキシルクロトネート、エチルイソバレレート、エチル2-メチルペンタノエート、エチルヘキサノエート、アリルヘキサノエート、エチルヘプタノエート、アリルヘプタノエート、エチルオクタノエート、エチル(E,Z)-2,4-デカジエノエート、メチル2-オクチネート、メチル2-ノニネート、アリル2-イソアミルオキシアセテート、メチル-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエノエート、4-メチル-2-ペンチルクロトネートなど、
非環式テルペンアルコール、例えばゲラニオール、ネロール、リナロール、ラバンジュロール、ネロリドール、ファルネソール、テトラヒドロリナロール、2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール、2,6-ジメチルオクタン-2-オール、2-メチル-6-メチレン-7-オクテン-2-オール、2,6-ジメチル-5,7-オクタジエン-2-オール、2,6-ジメチル-3,5-オクタジエン-2-オール、3,7-ジメチル-4,6-オクタジエン-3-オール、3,7-ジメチル-1,5,7-オクタトリエン-3-オール、2,6-ジメチル-2,5,7-オクタトリエン-1-オール、並びにそれらのホルメート、アセテート、プロピオネート、イソブチレート、ブチレート、イソバレレート、ペンタノエート、ヘキサノエート、クロトネート、チグリネート、及び3-メチル-2-ブテノエートなど、
非環式テルペンアルデヒド及びケトン、例えばゲラニアール、ネラール、シトロネラール、7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナール、7-メトキシ-3,7-ジメチルオクタナール、2,6,10-トリメチル-9-ウンデセナール、ゲラニルアセトン、並びにゲラニアール、ネラール、7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナールのジメチルアセタール及びジエチルアセタールなど、環式テルペンアルコール、例えばメントール、イソプレゴール、α-テルピネオール、テルピン-4-オール、メンタン-8-オール、メンタン-1-オール、メンタン-7-オール、ボルネオール、イソボルネオール、リナロールオキシド、ノポール、セドロール、アンブリノール、ベチベロール、グアイオール(guajol)、並びにそれらのホルメート、アセテート、プロピオネート、イソブチレート、ブチレート、イソバレレート、ペンタノエート、ヘキサノエート、クロトネート、チグリネート、及び3-メチル-2-ブテノエートなど、
環式テルペンアルデヒド及びケトン、例えばメントン、イソメントン、8-メルカプトメンタン-3-オン、カルボン、カンファー、フェンコン、α-イオノン、β-イオノン、α-n-メチルイオノン、β-n-メチルイオノン、α-イソメチルイオノン、β-イソメチルイオノン、α-イロン、α-ダマスコン、β-ダマスコン、β-ダマセノン、δ-ダマスコン、γ-ダマスコン、1-(2,4,4-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテン-1-オン、1,3,4,6,7,8a-ヘキサヒドロ-1,1,5,5-テトラメチル-2H-2,4a-メタノナフタレン-8(5H)-オン、2-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテナール、ノートカトン、ジヒドロノートカトン、4,6,8-メガスチグマトリエン-3-オン、α-シネンサール、β-シネンサール、アセチル化シダーウッド油(メチルセドリルケトン)など、
環式アルコール、例えば4-tert-ブチルシクロヘキサノール、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノール、3-イソカンフィルシクロヘキサノール、2,6,9-トリメチル-Z2,Z5,E9-シクロドデカトリエン-1-オール、2-イソブチル-4-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-オールなど、
脂環式アルコール、例えばα-3,3-トリメチルシクロヘキシルメタノール、1-(4-イソプロピルシクロヘキシル)エタノール、2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)ブタノール、2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)-2-ブテン-1-オール、2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)-2-ブテン-1-オール、3-メチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)ペンタン-2-オール、3-メチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)-4-ペンテン-2-オール、3,3-ジメチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)-4-ペンテン-2-オール、1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)ペンタン-3-オール、1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)ヘキサン-3-オールなど、
環式及び脂環式エーテル、例えばシネオール、セドリルメチルエーテル、シクロドデシルメチルエーテル、1,1-ジメトキシシクロドデカン、(エトキシメトキシ)シクロドデカン、α-セドレンエポキシド、3a,6,6,9a-テトラメチルドデカヒドロナフト[2,1-b]フラン、3a-エチル-6,6,9a-トリメチルドデカヒドロナフト[2,1-b]フラン、1,5,9-トリメチル-13-オキサビシクロ-[10.1.0]トリデカ-4,8-ジエン、ローズオキシド、2-(2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)-5-メチル-5-(1-メチルプロピル)-1,3-ジオキサンなど、
環状及び大環状ケトン、例えば4-tert-ブチルシクロヘキサノン、2,2,5-トリメチル-5-ペンチルシクロペンタノン、2-ヘプチルシクロペンタノン、2-ペンチルシクロペンタノン、2-ヒドロキシ-3-メチル-2-シクロペンテン-1-オン、3-メチル-シス-2-ペンテン-1-イル-2-シクロペンテン-1-オン、3-メチル-2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-オン、3-メチル-4-シクロペンタデセノン、3-メチル-5-シクロペンタデセノン、3-メチルシクロペンタデカノン、4-(1-エトキシビニル)-3,3,5,5-テトラメチルシクロヘキサノン、4-tert-ペンチルシクロヘキサノン、5-シクロヘキサデセン-1-オン、6,7-ジヒドロ-1,1,2,3,3-ペンタメチル-4(5H)-インダノン、8-シクロヘキサデセン-1-オン、7-シクロヘキサデセン-1-オン、(7/8)-シクロヘキサデセン-1-オン、9-シクロヘプタデセン-1-オン、シクロペンタデカノン、シクロヘキサデカノンなど、
脂環式アルデヒド、例えば2,4-ジメチル-3-シクロヘキセンカルボアルデヒド、2-メチル-4-(2,2,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)-2-ブテナール、4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセンカルボアルデヒド、4-(4-メチル-3-ペンテン-1-イル)-3-シクロヘキセンカルボアルデヒドなど、
脂環式ケトン、例えば1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)-4-ペンテン-1-オン、2,2-ジメチル-1-(2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)-1-プロパノン、1-(5,5-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オン、2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロ-2-ナフタレニルメチルケトン、メチル2,6,10-トリメチル-2,5,9-シクロドデカトリエニルケトン、tert-ブチル(2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)ケトンなど、
環式アルコールのエステル、例えば2-tert-ブチルシクロヘキシルアセテート、4-tert-ブチルシクロヘキシルアセテート、2-tert-ペンチルシクロヘキシルアセテート、4-tert-ペンチルシクロヘキシルアセテート、3,3,5-トリメチルシクロヘキシルアセテート、デカヒドロ-2-ナフチルアセテート、2-シクロペンチルシクロペンチルクロトネート、3-ペンチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアセテート、デカヒドロ-2,5,5,8a-テトラメチル-2-ナフチルアセテート、4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5又は6-インデニルアセテート、4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5又は6-インデニルプロピオネート、4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5又は6-インデニルイソブチレート、4,7-メタノオクタヒドロ-5又は6-インデニルアセテートなど、
脂環式アルコールのエステル、例えば1-シクロヘキシルエチルクロトネートなど、
脂環式カルボン酸のエステル、例えばアリル3-シクロヘキシルプロピオネート、アリルシクロヘキシルオキシアセテート、シス-及びトランス-メチルジヒドロジャスモネート、シス-及びトランス-メチルジャスモネート、メチル2-ヘキシル-3-オキソシクロペンタンカルボキシレート、エチル2-エチル-6,6-ジメチル-2-シクロヘキセンカルボキシレート、エチル2,3,6,6-テトラメチル-2-シクロヘキセンカルボキシレート、エチル-2-メチル-1,3-ジオキソラン-2-アセテートなど、
芳香脂肪族アルコール、例えばベンジルアルコール、1-フェニルエチルアルコール、2-フェニルエチルアルコール、3-フェニルプロパノール、2-フェニルプロパノール、2-フェノキシエタノール、2,2-ジメチル-3-フェニルプロパノール、2,2-ジメチル-3-(3-メチルフェニル)プロパノール、1,1-ジメチル-2-フェニルエチルアルコール、1,1-ジメチル-3-フェニルプロパノール、1-エチル-1-メチル-3-フェニルプロパノール、2-メチル-5-フェニルペンタノール、3-メチル-5-フェニルペンタノール、3-フェニル-2-プロペン-1-オール、4-メトキシベンジルアルコール、1-(4-イソプロピルフェニル)エタノールなど、
芳香脂肪族アルコール及び脂肪族カルボン酸のエステル、例えばベンジルアセテート、ベンジルプロピオネート、ベンジルイソブチレート、ベンジルイソバレレート、2-フェニルエチルアセテート、2-フェニルエチルプロピオネート、2-フェニルエチルイソブチレート、2-フェニルエチルイソバレレート、1-フェニルエチルアセテート、α-トリクロロメチルベンジルアセテート、α,α-ジメチルフェニルエチルアセテート、α,α-ジメチルフェニルエチルブチレート、シンナミルアセテート、2-フェノキシエチルイソブチレート、4-メトキシベンジルアセテートなど、
芳香脂肪族エーテル、例えば2-フェニルエチルメチルエーテル、2-フェニルエチルイソアミルエーテル、2-フェニルエチル1-エトキシエチルエーテル、フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール、フェニルアセトアルデヒドジエチルアセタール、ヒドロアトロパアルデヒドジメチルアセタール、フェニルアセトアルデヒドグリセロールアセタール、2,4,6-トリメチル-4-フェニル-1,3-ジオキサン、4,4a,5,9b-テトラヒドロインデノ[1,2-d]-m-ジオキシン、4,4a,5,9b-テトラヒドロ-2,4-ジメチルインデノ[1,2-d]-m-ジオキシンなど、
芳香族及び芳香脂肪族アルデヒド、例えばベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、3-フェニルプロパナール、ヒドロアトロパアルデヒド、4-メチルベンズアルデヒド、4-メチルフェニルアセトアルデヒド、3-(4-エチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパナール、2-メチル-3-(4-イソプロピルフェニル)プロパナール、2-メチル-3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパナール、2-メチル-3-(4-イソブチルフェニル)プロパナール、3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパナール、シンナムアルデヒド、α-ブチルシンナムアルデヒド、α-アミルシンナムアルデヒド、α-ヘキシルシンナムアルデヒド、3-メチル-5-フェニルペンタナール、4-メトキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ-3-エトキシベンズアルデヒド、3,4-メチレンジオキシベンズアルデヒド、3,4-ジメトキシベンズアルデヒド、2-メチル-3-(4-メトキシフェニル)プロパナール、2-メチル-3-(4-メチレンジオキシフェニル)プロパナールなど、
芳香族及び芳香脂肪族ケトン、例えばアセトフェノン、4-メチルアセトフェノン、4-メトキシアセトフェノン、4-tert-ブチル-2,6-ジメチルアセトフェノン、4-フェニル-2-ブタノン、4-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノン、1-(2-ナフタレニル)エタノン、2-ベンゾフラニルエタノン、(3-メチル-2-ベンゾフラニル)エタノン、ベンゾフェノン、1,1,2,3,3,6-ヘキサメチル-5-インダニルメチルケトン、6-tert-ブチル-1,1-ジメチル-4-インダニルメチルケトン、1-[2,3-ジヒドロ-1,1,2,6-テトラメチル-3-(1-メチルエチル)-1H-5-インデニル]エタノン、5',6',7',8'-テトラヒドロ-3',5',5',6',8',8'-ヘキサメチル-2-アセトナフトンなど、
芳香族及び芳香脂肪族カルボン酸並びにそれらのエステル、例えば安息香酸、フェニル酢酸、メチルベンゾエート、エチルベンゾエート、ヘキシルベンゾエート、ベンジルベンゾエート、メチルフェニルアセテート、エチルフェニルアセテート、ゲラニルフェニルアセテート、フェニルエチルフェニルアセテート、メチルシンナメート、エチルシンナメート、ベンジルシンナメート、フェニルエチルシンナメート、シンナミルシンナメート、アリルフェノキシアセテート、メチルサリチレート、イソアミルサリチレート、ヘキシルサリチレート、シクロヘキシルサリチレート、シス-3-ヘキセニルサリチレート、ベンジルサリチレート、フェニルエチルサリチレート、メチル2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチルベンゾエート、エチル3-フェニルグリシデート、エチル3-メチル-3-フェニルグリシデートなど、
窒素含有芳香族化合物、例えば2,4,6-トリニトロ-1,3-ジメチル-5-tert-ブチルベンゼン、3,5-ジニトロ-2,6-ジメチル-4-tert-ブチルアセトフェノン、シンナモニトリル、3-メチル-5-フェニル-2-ペンテノニトリル、3-メチル-5-フェニルペンタノニトリル、メチルアントラニレート、メチル-N-メチルアントラニレート、メチルアントラニレートと7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナール、2-メチル-3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパナール又は2,4-ジメチル-3-シクロヘキセンカルボアルデヒドとのシッフ塩基、6-イソプロピルキノリン、6-イソブチルキノリン、6-sec-ブチルキノリン、2-(3-フェニルプロピル)ピリジン、インドール、スカトール、2-メトキシ-3-イソプロピルピラジン、2-イソブチル-3-メトキシピラジンなど、
フェノール、フェニルエーテル、及びフェニルエステル、例えばエストラゴール、アネトール、オイゲノール、オイゲニルメチルエーテル、イソオイゲノール、イソオイゲニルメチルエーテル、チモール、カルバクロール、ジフェニルエーテル、β-ナフチルメチルエーテル、β-ナフチルエチルエーテル、β-ナフチルイソブチルエーテル、1,4-ジメトキシベンゼン、オイゲニルアセテート、2-メトキシ-4-メチルフェノール、2-エトキシ-5-(1-プロペニル)フェノール、p-クレシルフェニルアセテートなど、
複素環式化合物、例えば2,5-ジメチル-4-ヒドロキシ-2H-フラン-3-オン、2-エチル-4-ヒドロキシ-5-メチル-2H-フラン-3-オン、3-ヒドロキシ-2-メチル-4H-ピラン-4-オン、2-エチル-3-ヒドロキシ-4H-ピラン-4-オンなど、
ラクトン、例えば1,4-オクタノリド、3-メチル-1,4-オクタノリド、1,4-ノナノリド、1,4-デカノリド、8-デセン-1,4-オリド、1,4-ウンデカノリド、1,4-ドデカノリド、1,5-デカノリド、1,5-ドデカノリド、4-メチル-1,4-デカノリド、1,15-ペンタデカノリド、シス-及びトランス-11-ペンタデセン-1,15-オリド、シス-及びトランス-12-ペンタデセン-1,15-オリド、1,16-ヘキサデカノリド、9-ヘキサデセン-1,16-オリド、10-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド、11-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド、12-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド、エチレン1,12-ドデカンジオエート、エチレン1,13-トリデカンジオエート、クマリン、2,3-ジヒドロクマリン、オクタヒドロクマリンなど。
【0217】
典型的には、少なくとも1つの非芳香化学物質担体は、感覚特性を有しないか若しくは顕著な感覚特性を有しない、化合物、化合物の混合物、又は他の添加剤である。非芳香化学物質担体は、芳香化学物質組成物中に含まれる芳香化学物質(1種又は複数種)(すなわち、上記に定義される式(I)の化合物、及び場合により、化合物(I)とは異なる1つ以上のさらなる芳香化学物質)を、希釈及び/又は固定する役割を果たす。
【0218】
好適な担体材料は、液体又は油状の担体材料、及びワックス状又は固体の担体材料であり得る。
【0219】
好適な液体又は油状の担体材料は、例えば、水、アルコール(例えばメタノール若しくはエタノール)、20℃未満の融解温度を有する脂肪族ジオール及びポリオール(例えばエチレングリコール、グリセロール、ジグリセロール、プロピレングリコール又はジプロピレングリコール、及び1,2-ブチレングリコール)、環状シロキサン(例えばヘキサメチルシクロトリシロキサン若しくはデカメチルシクロペンタシロキサン)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチルフタレート、イソプロピルミリステート、トリエチルシトレート、ベンジルベンゾエート、植物性油(例えば分別ココナツ油)、又は20℃未満の融解温度を有する脂肪アルコールのエステル(例えばテトラデシルアセテート若しくはテトラデシルラクテート)、20℃未満の融解温度を有するグリセロールのエステル、並びに20℃未満の融解温度を有する脂肪酸のアルキルエステル、例えばイソプロピルミリステートから選択される。
【0220】
好適なワックス状担体材料又は固体の担体材料は、例えば、20℃未満の融解温度を有する脂肪アルコール(例えばミリスチルアルコール、ステアリルアルコール若しくはセチルアルコール)、20℃超の融解温度を有するポリオール、20℃超の融解温度を有する脂肪アルコールとの脂肪酸エステル(例えばラノリン、蜜蝋、カルナウバ蝋、カンデリラ蝋若しくは木蝋)、石油から生成するワックス(例えば硬質パラフィン)、水不溶性多孔質鉱物(例えばシリカゲル、シリケート(例えばタルク、微孔性結晶質アルミノシリケート(ゼオライト)))、粘土鉱物(例えばベントナイト)、又はホスフェート(例えばナトリウムトリポリホスフェート)、紙、ボール紙、木材、天然繊維及び/若しくは合成繊維から作製される織物複合材料若しくは不織材料から選択される。
【0221】
好適な担体材料は、例えば、水溶性ポリマー(例えばポリアクリル酸エステル若しくは第四級化ポリビニルピロリドン)、又は水-アルコール可溶性ポリマー(例えば特定の熱可塑性ポリエステル及びポリアミド)からも選択される。ポリマー性担体材料は、様々な形態、例えばゲル、ペースト、固体粒子(例えばマイクロカプセル)、又は脆性コーティングの形態で存在し得る。
【0222】
好ましくは、芳香化学物質組成物は、上記に定義されるフレグランスを付与した即時使用可能な組成物から選択される。
【0223】
一般的に、本発明による芳香化学物質組成物中の少なくとも1つの式(I)の化合物、その立体異性体、又はその立体異性体の混合物の総量は、典型的には、特定の意図される使用又は意図される用途に対して適合されるため、広範囲にわたって変動し得る。通例、香りについての慣用の標準的な商業的使用量が使用される。
【0224】
従って、組成物中の少なくとも1つの式(I)の化合物、その立体異性体、又はその立体異性体の混合物の総量は、組成物の総重量に対して、0.001~99.9重量%の範囲内、好ましくは0.01~90重量%の範囲内、より好ましくは0.05~80重量%の範囲内、さらにより好ましくは0.1~60重量%の範囲内、特に0.1~40重量%の範囲内である。
【0225】
本発明の一実施形態において、組成物中の少なくとも1つの式(I)の化合物、その立体異性体、又はその立体異性体の混合物の総量は、組成物の総重量に対して、0.001~5重量%の範囲内、好ましくは0.01~2重量%の範囲内である。
【0226】
本発明のさらなる実施形態は、少なくとも1つの式(I)の化合物、その立体異性体、又はその立体異性体の混合物と、界面活性剤、皮膚軟化剤、及び溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の成分とを含む組成物を対象とする。
【0227】
本発明の一実施形態は、少なくとも1つの式(I)の化合物、その立体異性体、又はその立体異性体の混合物と、少なくとも1種の溶媒とを含む組成物を対象とする。
【0228】
本発明の文脈において、「溶媒」は、上記に定義される式(I)の化合物、その立体異性体、又はその立体異性体の混合物を希釈する役割を果たす。数種の溶媒は、同時に、固定特性を有する。
【0229】
1つ以上の溶媒は、組成物中に、組成物に対して0.01~99重量%存在し得る。本発明の好ましい実施形態において、組成物は、組成物に対して、0.1~90重量%、好ましくは0.5~80重量%の溶媒(1種又は複数種)を含む。溶媒(1種又は複数種)の量は、組成物に応じて選択することができる。本発明の一実施形態において、組成物は、組成物に対して0.05~10重量%、好ましくは0.1~5重量%、より好ましくは0.2~3重量%含む。本発明の一実施形態において、組成物は、組成物に対して、20~70重量%、好ましくは25~50重量%の溶媒(1種又は複数種)を含む。
【0230】
好ましい溶媒は、エタノール、ジプロピレングリコール(DPG)、プロピレングリコール、1,2-ブチレングリコール、グリセロール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチルフタレート(DEP)、イソプロピルミリステート(IPM)、トリエチルシトレート(TEC)、及びベンジルベンゾエート(BB)である。
【0231】
特に好ましい溶媒は、エタノール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチルシトレート、ベンジルベンゾエート、及びイソプロピルミリステートからなる群から選択される。
【0232】
本発明の好ましい実施形態において、溶媒は、エタノール、イソプロパノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセロール、プロピレングリコール、1,2-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチルシトレート、及びイソプロピルミリステートからなる群から選択される。
【0233】
さらなる態様によれば、式(I)の化合物、その立体異性体、又はその立体異性体の混合物は、界面活性剤含有組成物における使用に適している。それらの特徴的な香りプロファイルにより、式(I)の化合物、その立体異性体、又はその立体異性体の混合物は、とりわけ、界面活性剤含有組成物、例えば、洗浄剤(特に洗濯用洗浄剤及び汎用洗浄剤)などの賦香に使用することができる。
【0234】
従って、本発明の一実施形態は、少なくとも1つの式(I)の化合物、その立体異性体、又はその立体異性体の混合物、及び少なくとも1種の界面活性剤を含む組成物を対象とする。
【0235】
界面活性剤(1種又は複数種)は、アニオン性、非イオン性、カチオン性、及び/又は両性若しくは双性イオン性の界面活性剤から選択され得る。界面活性剤含有組成物、例えば、シャワージェル、フォームバス、シャンプー等は、好ましくは、少なくとも1種のアニオン性界面活性剤を含有する。
【0236】
本発明による組成物は、通常、界面活性剤(1種又は複数種)を、その凝集体中に、組成物の総重量に対して、0~40重量%、好ましくは0~20重量%、より好ましくは0.1~15重量%、特に0.1~10重量%の量で含有する。非イオン性界面活性剤の典型例は、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、脂肪酸ポリグリコールエステル、脂肪酸アミドポリグリコールエーテル、脂肪アミンポリグリコールエーテル、アルコキシル化トリグリセリド、混合エーテル及び混合ホルマール、場合により部分的に酸化されたアルキル(アルケニル)オリゴグリコシド又はグルクロン酸誘導体、脂肪酸-N-アルキルグルカミド、タンパク質加水分解物(特に、コムギベースの植物性生成物)、ポリオール脂肪酸エステル、糖エステル、ソルビタンエステル、ポリソルベート、並びにアミンオキシドである。非イオン性界面活性剤がポリグリコールエーテル鎖を含有する場合、非イオン性界面活性剤は、従来のホモログ分布を有してもよいが、好ましくは、狭い範囲のホモログ分布を有する。
【0237】
双性イオン性界面活性剤は、分子中に少なくとも1個の第四級アンモニウム基、及び少なくとも1個の-COO(-)又は-SO3
(-)基を含有する表面活性化合物である。特に好適な双性イオン性界面活性剤は、いわゆるベタイン、例えば、アルキル基又はアシル基中に8~18個の炭素原子を含有する、N-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート(例えば、ココアルキルジメチルアンモニウムグリシネート)、N-アシルアミノプロピル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート(例えば、ココアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート)、及び2-アルキル-3-カルボキシメチル-3-ヒドロキシエチルイミダゾリン、並びにココアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネートである。コカミドプロピルベタインのCTFA名で知られる脂肪酸アミド誘導体が特に好ましい。
【0238】
両性界面活性剤は、特に共界面活性剤としても好適である。両性界面活性剤は、C8-C18アルキル基又はアシル基に加えて、分子中に少なくとも1個の遊離アミノ基及び少なくとも1個の-COOH-基又は-SO3H-基を含有し、内塩を形成し得る表面活性化合物である。好適な両性界面活性剤の例は、アルキル基中に約8~18個の炭素原子を含有する、N-アルキルグリシン、N-アルキルプロピオン酸、N-アルキルアミノ酪酸、N-アルキルイミノジプロピオン酸、N-ヒドロキシエチル-N-アルキルアミドプロピルグリシン、N-アルキルタウリン、N-アルキルサルコシン、2-アルキルアミノプロピオン酸、及びアルキルアミノ酢酸である。特に好ましい両性界面活性剤は、N-ココアルキルアミノプロピオネート、ココアシルアミノエチルアミノプロピオネート、及びアシルサルコシンである。
【0239】
アニオン性界面活性剤は、水溶性化するアニオン性基、例えばカルボキシレート基、スルフェート基、スルホネート基、又はホスフェート基、及び親油性基などにより特徴付けられる。皮膚科学的に安全なアニオン性界面活性剤は、関連の教科書から多数のものが実務者に知られており、商業的に入手可能である。これらは特に、アルカリ金属塩、アンモニウム塩又はアルカノールアンモニウム塩の形態のアルキルスルフェート、アルカリ金属塩又はアンモニウム塩の形態の、直鎖C12-C18アルキル基又はアシル基を含有するアルキルエーテルスルフェート、アルキルエーテルカルボキシレート、アシルイセチオネート、アシルサルコシネート、アシルタウリン、並びにスルホスクシネート及びアシルグルタメートである。
【0240】
特に好適なカチオン性界面活性剤は、第四級アンモニウム化合物、好ましくはアンモニウムハライド、さらにとりわけクロリド及びブロミド、例えばアルキルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド、及びトリアルキルメチルアンモニウムクロリド、例えば、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、及びトリセチルメチルアンモニウムクロリドである。さらに、容易に生分解される第四級エステル化合物、例えば、Stepantexeの名称で販売されているジアルキルアンモニウムメトスルフェート及びメチルヒドロキシアルキルジアルコイルオキシアルキル(dialkoyloxyalkyl)アンモニウムメトスルフェート、並びに対応するDehyquart(登録商標)シリーズの製品などを、カチオン性界面活性剤として使用してもよい。「エステルクワット(esterquat)」は、一般的に、第四級化脂肪酸トリエタノールアミンエステル塩であると理解される。エステルクワットは、組成物に特定の柔軟性を与えることができる。エステルクワットは、関連の有機化学の方法により調製される公知物質である。本発明による使用に好適な他のカチオン性界面活性剤は、第四級化タンパク質加水分解物である。
【0241】
本発明の一実施形態は、少なくとも1つの式(I)の化合物、その立体異性体、又はその立体異性体の混合物、及び少なくとも1種の油成分を含む組成物を対象とする。
【0242】
油成分は、典型的には、組成物に対して、0.1~80重量%、好ましくは0.5~70重量%、より好ましくは1~60重量%、さらにより好ましくは1~50重量%、特に1~40重量%、さらにとりわけ5~25重量%、とりわけ5~15重量%の総量で存在する。
【0243】
油成分は、例えば、6~18個、好ましくは8~10個の炭素原子を含有する脂肪アルコールをベースとするゲルベアルコール、並びに他のさらなるエステル、例えばミリスチルミリステート、ミリスチルパルミテート、ミリスチルステアレート、ミリスチルイソステアレート、ミリスチルオレエート、ミリスチルベヘネート、ミリスチルエルケート、セチルミリステート、セチルパルミテート、セチルステアレート、セチルイソステアレート、セチルオレエート、セチルベヘネート、セチルエルケート、ステアリルミリステート、ステアリルパルミテート、ステアリルステアレート、ステアリルイソステアレート、ステアリルオレエート、ステアリルベヘネート、ステアリルエルケート、イソステアリルミリステート、イソステアリルパルミテート、イソステアリルステアレート、イソステアリルイソステアレート、イソステアリルオレエート、イソステアリルベヘネート、イソステアリルオレエート、オレイルミリステート、オレイルパルミテート、オレイルステアレート、オレイルイソステアレート、オレイルオレエート、オレイルベヘネート、オレイルエルケート、ベヘニルミリステート、ベヘニルパルミテート、ベヘニルステアレート、ベヘニルイソステアレート、ベヘニルオレエート、ベヘニルベヘネート、ベヘニルエルケート、エルシルミリステート、エルシルパルミテート、エルシルステアレート、エルシルイソステアレート、エルシルオレエート、エルシルベヘネート、及びエルシルエルケートから選択され得る。同様に、C18-C38アルキルヒドロキシカルボン酸と直鎖若しくは分岐鎖C6-C22脂肪アルコールとのエステル(さらにとりわけジオクチルマレート)、直鎖及び/若しくは分岐鎖脂肪酸と多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、ダイマージオール(dial)又はトリマートリオール)とのエステル、C6-C10脂肪酸をベースとするトリグリセリド、C6-C18脂肪酸をベースとする液体モノ-、ジ-及びトリグリセリドの混合物、C6-C22脂肪アルコール及び/若しくはゲルベアルコールと芳香族カルボン酸(さらに特に安息香酸)とのエステル、ジカルボン酸と2~10個の炭素原子及び2~6個のヒドロキシル基を含有するポリオールとのエステル、植物性油、分岐鎖第一級アルコール、置換シクロヘキサン、直鎖及び分岐鎖C6-C22脂肪アルコールカーボネート、例えばジカプリリルカーボネート(Cetiol@ CC)など、6~18個、好ましくは8~10個の炭素原子を含有する脂肪アルコールをベースとするゲルベカーボネート、安息香酸と直鎖及び/若しくは分岐鎖C6-C22アルコールとのエステル(例えば、Finsolv(登録商標) TN)、アルキル基1個当たり6~22個の炭素原子を含有する直鎖若しくは分岐鎖の対称若しくは非対称ジアルキルエーテル(例えばジカプリリルエーテル(Cetiol(登録商標) OE)など)、エポキシ化脂肪酸エステルとポリオール及び炭化水素との開環生成物、又はそれらの混合物も好適である。
【0244】
調製方法:
本発明のさらなる実施形態は、上記に定義される少なくとも1つの式(I)の化合物、その立体異性体、又はその立体異性体の混合物を、即時使用可能な組成物に組み込むことを含む、フレグランスを付与した即時使用可能な組成物を調製する方法に関する。
【0245】
この方法は、少なくとも1つの式(I)の化合物、その立体異性体、又はその立体異性体の混合物を、匂いについての感覚特性を有しないか又は顕著な感覚特性を有しない即時使用可能な組成物に組み込んで、この即時使用可能な組成物に特定の匂い及び/又は特定の香味を与えることを含む。さらに、この方法は、少なくとも1つの式(I)の化合物、その立体異性体、又はその立体異性体の混合物を、既に顕著な感覚特性を有する即時使用可能な組成物に組み込むことにより、前記即時使用可能な組成物の匂い及び/又は香味を改質することも含む。
【0246】
好ましい即時使用可能な組成物は、上述のものである。
【0247】
即時使用可能な組成物に組み込まれる少なくとも1つの式(I)の化合物、その立体異性体、又はその立体異性体の混合物の総量は、意図される使用又は意図される用途に大きく依存し、従って、広範囲にわたり変動し得る。即時使用可能な組成物に組み込まれる少なくとも1つの式(I)の化合物、その立体異性体、又はその立体異性体の混合物の典型的な量は、組成物について上記に定義される量である。
【0248】
本発明により使用される式(I)の化合物、その立体異性体、又はその立体異性体の混合物、上記の本発明の方法により得ることができる組成物、並びにこれらを含む本発明による芳香化学物質組成物は、マイクロカプセル化形態、噴霧乾燥形態、包接複合体の形態、又は押出製品の形態であってもよい。上記の特性は、好適な材料によるいわゆる「コーティング」により、より標的化された香りの放出に関してさらに最適化することが可能であり、この目的のため、好ましくはワックス状合成物質(例えばポリビニルアルコール)が使用される。
【0249】
マイクロカプセル化は、例えば、いわゆる、例えばポリウレタン状物質製又は軟ゼラチン製のカプセル材料を用いたコアセルベーション方法により行うことができる。噴霧乾燥香油は、例えば、式(I)の化合物、その立体異性体、又はその立体異性体の混合物を含むエマルション又は分散液を噴霧乾燥させることにより製造することが可能であり、使用し得る担体物質は、加工デンプン、タンパク質、デキストリン、及び植物性ガムである。包接複合体は、例えば、フレグランス組成物、及びシクロデキストリン又は尿素誘導体の分散液を、好適な溶媒、例えば水に導入することによって調製することができる。押出製品は、式(I)の化合物、その立体異性体、又はその立体異性体の混合物を、好適なワックス状物質と共に融解させ、場合により好適な溶媒(例えばイソプロパノール)中で、押出した後に固化させることにより製造することができる。
【0250】
本発明のさらなる実施形態は、芳香化学物質組成物、特にフレグランスを付与した組成物、とりわけフレグランスを付与した即時使用可能な組成物を調製する方法であって、少なくとも1つの式(I)の化合物、その立体異性体又はその立体異性体の混合物を、芳香化学物質組成物中に、特にフレグランスを付与した組成物中に、とりわけフレグランスを付与した即時使用可能な組成物中に組み込むことを含む、上記方法を対象とする。
【0251】
例えば、本方法は、上記に定義される少なくとも1つの式(I)の化合物、その立体異性体又はその立体異性体の混合物と、化合物(I)とは異なる芳香化学物質及び非芳香化学物質担体からなる群から選択される少なくとも1つのさらなる化合物とを混合することにより実施することができる。
【0252】
本発明はまた、芳香化学物質組成物、特にフレグランスを付与した組成物、とりわけフレグランスを付与した即時使用可能な組成物の香りの特徴を改質するための方法であって、少なくとも1つの式(I)の化合物、その立体異性体又はその立体異性体の混合物を、芳香化学物質組成物中に、特にフレグランスを付与した組成物中に、とりわけフレグランスを付与した即時使用可能な組成物中に組み込むことを含む、上記方法も対象とする。
【0253】
特に、本発明は、香水組成物、ボディケア組成物、口腔及び歯の衛生用製品、衛生物品、洗浄組成物、布用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護組成物を調製する方法であって、上記に定義される1つ以上の式(I)の化合物、その立体異性体又はその立体異性体の混合物を、香水組成物、ボディケア組成物、口腔及び歯の衛生用製品、口腔及び歯の衛生用製品、衛生物品、洗浄組成物、布用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護組成物中に含めることを含む、上記方法を対象とする。
【0254】
一実施形態において、本発明は、スウィートノート、パウダリーノート、テルペンノート、フルーティノートを、香水組成物、ボディケア組成物、口腔及び歯の衛生用製品、衛生物品、洗浄組成物、布用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護組成物に付与する方法であって、式(I.1)、(I.2)及び(I.3)の化合物(ここで、いずれの場合も、R1及びR2は-C(=O)CH3である)の異性体混合物を、香水組成物、ボディケア組成物、口腔及び歯の衛生用製品、衛生物品、洗浄組成物、布用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護組成物中に含めることを含む、上記方法を対象とする。とりわけ、上記混合物において、化合物(I.1)、(I.2)及び(I.3)(ここで、いずれの場合も、R1及びR2は-C(=O)CH3である)は、約50:25:25の重量比で存在する。
【0255】
別の実施形態において、本発明は、フルーティノート、スウィートノート、ラバーノート、マスティノート、ダスティノートを、香水組成物、ボディケア組成物、口腔及び歯の衛生用製品、衛生物品、洗浄組成物、布用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護組成物に付与する方法であって、化合物(I.1)(式中、R1及びR2は-C(=O)CH3である)を、香水組成物、ボディケア組成物、口腔及び歯の衛生用製品、衛生物品、洗浄組成物、布用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護組成物中に含めることを含む、上記方法を対象とする。
【0256】
別の実施形態において、本発明は、フルーティノート、ウッディノート、スウィートノートを、香水組成物、ボディケア組成物、口腔及び歯の衛生用製品、衛生物品、洗浄組成物、布用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護組成物に付与する方法であって、化合物(I.2)(式中、R1及びR2は-C(=O)CH3である)を、香水組成物、ボディケア組成物、口腔及び歯の衛生用製品、衛生物品、洗浄組成物、布用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護組成物中に含めることを含む、上記方法を対象とする。
【0257】
別の実施形態において、本発明は、スウィートノート、フルーティノートを、香水組成物、ボディケア組成物、口腔及び歯の衛生用製品、衛生物品、洗浄組成物、布用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護組成物に付与する方法であって、化合物(I.4)(式中、R1及びR2は-C(=O)CH3である)を、香水組成物、ボディケア組成物、口腔及び歯の衛生用製品、衛生物品、洗浄組成物、布用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護組成物中に含めることを含む、上記方法を対象とする。
【0258】
別の実施形態において、本発明は、スウィートノート、レッドベリーノートを、香水組成物、ボディケア組成物、口腔及び歯の衛生用製品、衛生物品、洗浄組成物、布用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護組成物に付与する方法であって、式(I.1)、(I.2)及び(I.3)の化合物(ここで、いずれの場合も、R1及びR2は-C(=O)CH2CH3である)の異性体混合物を、香水組成物、ボディケア組成物、口腔及び歯の衛生用製品、衛生物品、洗浄組成物、布用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護組成物中に含めることを含む、上記方法を対象とする。とりわけ、上記混合物において、化合物(I.1)、(I.2)及び(I.3)(ここで、いずれの場合も、R1及びR2は-C(=O)CH2CH3である)は、約50:25:25の重量比で存在する。
【0259】
別の実施形態において、本発明は、ハーバルノート、アルガエノート、グリーンノート、ウォータリーノート、フルーティノートを、香水組成物、ボディケア組成物、口腔及び歯の衛生用製品、衛生物品、洗浄組成物、布用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護組成物に付与する方法であって、式(I.1)、(I.2)及び(I.3)の化合物(ここで、いずれの場合も、R1及びR2は-CH3である)の異性体混合物を、香水組成物、ボディケア組成物、口腔及び歯の衛生用製品、衛生物品、洗浄組成物、布用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護組成物中に含めることを含む、上記方法を対象とする。とりわけ、上記混合物において、化合物(I.1)、(I.2)及び(I.3)(ここで、いずれの場合も、R1及びR2は-CH3である)は、約50:25:25の重量比で存在する。
【0260】
別の実施形態において、本発明は、グリーンノート、ハーバルノート、ローポテトノート、グリーンバナナノートを、香水組成物、ボディケア組成物、口腔及び歯の衛生用製品、衛生物品、洗浄組成物、布用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護組成物に付与する方法であって、式(I.1)、(I.2)及び(I.3)の化合物(ここで、いずれの場合も、R1及びR2は-CH2CH3である)の異性体混合物を、香水組成物、ボディケア組成物、口腔及び歯の衛生用製品、衛生物品、洗浄組成物、布用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護組成物中に含めることを含む、上記方法を対象とする。とりわけ、上記混合物において、化合物(I.1)、(I.2)及び(I.3)(ここで、いずれの場合も、R1及びR2は-CH2CH3である)は、約50:25:25の重量比で存在する。
【0261】
別の実施形態において、本発明は、シダーノート、シトラスノート、ウォームノート、ハーバルノートを、香水組成物、ボディケア組成物、口腔及び歯の衛生用製品、衛生物品、洗浄組成物、布用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護組成物に付与する方法であって、式(I.1)、(I.2)及び(I.3)の化合物(ここで、いずれの場合も、R1及びR2は-CH2CH2CH2CH3である)の異性体混合物を、香水組成物、ボディケア組成物、口腔及び歯の衛生用製品、衛生物品、洗浄組成物、布用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護組成物中に含めることを含む、上記方法を対象とする。とりわけ、上記混合物において、化合物(I.1)、(I.2)及び(I.3)(ここで、いずれの場合も、R1及びR2は-CH2CH2CH2CH3である)は、約50:25:25の重量比で存在する。
【0262】
別の実施形態において、本発明は、グリーンノート、バナナノート、アップル(ライプ)ノートを、香水組成物、ボディケア組成物、口腔及び歯の衛生用製品、衛生物品、洗浄組成物、布用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護組成物に付与する方法であって、化合物(I.4)(式中、R1及びR2は-CH2CH3である)を、香水組成物、ボディケア組成物、口腔及び歯の衛生用製品、衛生物品、洗浄組成物、布用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護組成物中に含めることを含む、上記方法を対象とする。
【0263】
上記の「約」という用語は、上記の比の決定において生じ得る測定誤差を考慮し、±10%、好ましくは±5%の偏差を含む。
【0264】
既に言及したとおり、幾つかの化合物(I)及び特定の混合物は新規である。従って、本発明は、一般式(I)
【0265】
【0266】
【化34】
として表される結合の一方は単結合であり、他方は二重結合又は単結合であり、
R
1は、水素、C
1-C
4-アルキル又は-(C=O)-R
3であり、
R
2は、水素、C
1-C
4-アルキル又は-(C=O)-R
4であり、
R
3は、水素又はC
1-C
4-アルキルであり、
R
4は、水素又はC
1-C
4-アルキルであり、
但しR
1が水素である場合、R
2は水素ではない)
の化合物、その立体異性体、その立体異性体の混合物又は異なる式(I)の化合物の混合物、
但し以下の化合物及び混合物を除くもの:
- (5-アセトキシ-3-メチレン-ペンチル)アセテート、
- [(E)-5-アセトキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]アセテート、
- [(Z)-5-アセトキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]アセテート、
- (5-アセトキシ-3-メチル-ペンチル)アセテート、
- [(E)-5-ホルミルオキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]ホルメート、
- [(Z)-5-ホルミルオキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]ホルメート、
- (3-メチル-5-プロパノイルオキシ-ペンチル)プロパノエート、
- [5-(2,2-ジメチルプロパノイルオキシ)-3-メチル-ペンチル]2,2-ジメチルプロパノエート、
- 1,5-ジメトキシ-3-メチレン-ペンタン、
- (E)-1,5-ジメトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン、
- (Z)-1,5-ジメトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン、
- 1,5-ジメトキシ-3-メチル-ペンタン、
- (Z)-1,5-ジエトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン、
- 1,5-ジエトキシ-3-メチル-ペンタン、
- (E)-1,5-ジイソプロポキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン、
- (Z)-1,5-ジイソプロポキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン、
- 1,5-ジブトキシ-3-メチレン-ペンタン、
- (E)-1,5-ジブトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン、
- (Z)-1,5-ジブトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン、
- 5-イソプロポキシ-3-メチル-1-ペンタノール、
- 5-sec-ブトキシ-3-メチル-1-ペンタノール、
- 1-アセトキシ-5-イソプロポキシ-3-メチル-2-ペンテン、
- (5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンチル)3-メチルブタノエート、
- [3-メチル-5-(3-メチルブタノイルオキシ)ペンチル]3-メチルブタノエート、
- (5-ヒドロキシ-3-メチレン-ペンチル)アセテート、
- [(E)-5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンタ-2-エニル]アセテート、
- [(Z)-5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンタ-2-エニル]アセテート、
- (5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンチル)ホルメート、
- [(E)-5-アセトキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]アセテートと[(Z)-5-アセトキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]アセテートとの混合物、
- [(E)-3-メチル-5-プロパノイルオキシ-ペンタ-3-エニル]プロパノエートと[(Z)-3-メチル-5-プロパノイルオキシ-ペンタ-3-エニル]プロパノエートとの混合物、
- (E)-1,5-ジメトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンと(Z)-1,5-ジメトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンとの混合物、
- (E)-1,5-ジエトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンと(Z)-1,5-ジエトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンとの混合物、
- (E)-3-メチル-1,5-ジプロポキシ-ペンタ-2-エンと(Z)-3-メチル-1,5-ジプロポキシ-ペンタ-2-エンとの混合物、
- (E)-1,5-ジブトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンと(Z)-1,5-ジブトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンとの混合物、並びに
- (5-ヒドロキシ-3-メチレン-ペンチル)アセテート、[(E)-5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンタ-2-エニル]アセテート及び[(Z)-5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンタ-2-エニル]アセテートの混合物
にも関する。
【0267】
好ましくは、化合物(I)において、R1及びR2はいずれも水素ではない。
【0268】
より好ましくは、化合物(I)において、R1とR2とは同一であり且つ両方ともC1-C4-アルキルであるか、又はR1は-(C=O)-R3であり且つR2は-(C=O)-R4である(ここでR3とR4とは同一であり、水素又はC1-C4-アルキル、好ましくは水素、メチル又はエチルである)。
【0269】
本発明のさらなる実施形態は、一般式(I.a):
【0270】
【0271】
【化36】
として表される結合の一方は単結合であり、他方は二重結合又は単結合であり、R
1a及びR
2aは、上記に定義される意味の1つを有する)
のエーテル化合物、その立体異性体若しくはその立体異性体の混合物、又は異なる化合物(I.a)の混合物であって、
以下の化合物及び混合物を除くもの:
- 1,5-ジメトキシ-3-メチレン-ペンタン、
- (E)-1,5-ジメトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン、
- (Z)-1,5-ジメトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン、
- 1,5-ジメトキシ-3-メチル-ペンタン、
- (Z)-1,5-ジエトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン、
- 1,5-ジエトキシ-3-メチル-ペンタン、
- (E)-1,5-ジイソプロポキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン、
- (Z)-1,5-ジイソプロポキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン、
- 1,5-ジブトキシ-3-メチレン-ペンタン、
- (E)-1,5-ジブトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン、
- (Z)-1,5-ジブトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン、
- 5-イソプロポキシ-3-メチル-1-ペンタノール、
- 5-sec-ブトキシ-3-メチル-1-ペンタノール、
- 1-アセトキシ-5-イソプロポキシ-3-メチル-2-ペンテン、
- (5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンチル)3-メチルブタノエート、
- (5-ヒドロキシ-3-メチレン-ペンチル)アセテート、
- [(E)-5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンタ-2-エニル]アセテート、
- [(Z)-5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンタ-2-エニル]アセテート、
- (5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンチル)ホルメート、
- (E)-1,5-ジメトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンと(Z)-1,5-ジメトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンとの混合物、
- (E)-1,5-ジエトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンと(Z)-1,5-ジエトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンとの混合物、
- (E)-3-メチル-1,5-ジプロポキシ-ペンタ-2-エンと(Z)-3-メチル-1,5-ジプロポキシ-ペンタ-2-エンとの混合物、
- (E)-1,5-ジブトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンと(Z)-1,5-ジブトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンとの混合物、並びに
- (5-ヒドロキシ-3-メチレン-ペンチル)アセテート、[(E)-5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンタ-2-エニル]アセテート及び[(Z)-5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンタ-2-エニル]アセテートの混合物
に関する。
【0272】
好ましくは、化合物(I.a)において、R1及びR2はいずれも水素ではない。
【0273】
本発明の好ましい実施形態は、一般式(I.a)のジエーテル化合物、すなわち、R1a及びR2aが互いに独立してC1-C4-アルキルから選択される一般式(I.a)の化合物に関する。
【0274】
さらに好ましいのは、R1a基とR2a基とが同一である一般式(I.a)のジエーテル化合物である。
【0275】
より好ましいのは、R1a基とR2a基とが同一であり、且つメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル及びn-ブチルからなる群から選択される、一般式(I.a)の化合物である。
【0276】
さらにより好ましいのは、R1a基とR2a基とが同一であり、且つメチル及びエチルからなる群から選択される、一般式(I.a)の化合物である。
【0277】
特に好ましい化合物(I.a)は、
- 1,5-ジエトキシ-3-メチレン-ペンタン、
- (E)-1,5-ジエトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン、
- 3-メチル-1,5-ジ-n-プロポキシ-ペンタン、
- 3-メチレン-1,5-ジ-n-プロポキシ-ペンタン、
- (E)-3-メチル-1,5-ジ-n-プロポキシ-ペンタ-2-エン、
- (Z)-3-メチル-1,5-ジ-n-プロポキシ-ペンタ-2-エン、
- 1,5-ジイソプロポキシ-3-メチル-ペンタン、
- 1,5-ジイソプロポキシ-3-メチレン-ペンタン
- 1,5-ジブトキシ-3-メチル-ペンタン、
- 1,5-ジ-tert-ブトキシ-3-メチル-ペンタン、
- 1,5-ジ-tert-ブトキシ-3-メチレン-ペンタン
- (E)-1,5-ジ-tert-ブトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン、
- (Z)-1,5-ジ-tert-ブトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン
である。
【0278】
一般式(I.a)の化合物は、各エキソ誘導体、E誘導体、Z誘導体又はsat誘導体の少なくとも2つの混合物の形態(例えば、エキソ/E/Z異性体混合物の形態又はエキソ/E/Z/sat混合物の形態)で存在し得るか、又はそれぞれ、それらのエキソ異性体、それらのE異性体、それらのZ異性体若しくはそれらのsat誘導体の形態で本質的に存在し得る。
【0279】
「エキソ/E/Z異性体混合物」、「エキソ/E/Z/sat混合物」及び「本質的に存在する」という表現に関しては、一般式(I)の化合物について上記に示される記載を参照されたい。
【0280】
好ましくは、一般式(I.a)の化合物はエキソ/E/Z混合物の形態で存在し、この混合物は、各飽和誘導体も含み得る(このため、エキソ/E/Z/sat混合物を生じる)。エキソ/E/Z異性体混合物が好ましい。
【0281】
一般式(I.a)の化合物は、一般式(I)の化合物について記載したとおりに調製することができる。
【0282】
本発明のさらなる実施形態は、一般式(I.b):
【0283】
【0284】
【化38】
として表される結合の一方は単結合であり、他方は二重結合又は単結合であり、R
1b及びR
2bは、上記に定義される意味の1つを有する)
の化合物、その立体異性体、若しくはその立体異性体の混合物、又は異なる化合物(I.b)の混合物であって、
以下の化合物及び混合物を除くもの:
- (5-アセトキシ-3-メチレン-ペンチル)アセテート、
- [(E)-5-アセトキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]アセテート、
- [(Z)-5-アセトキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]アセテート、
- (5-アセトキシ-3-メチル-ペンチル)アセテート、
- [(E)-5-ホルミルオキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]ホルメート、
- [(Z)-5-ホルミルオキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]ホルメート、
- (3-メチル-5-プロパノイルオキシ-ペンチル)プロパノエート、
- [5-(2,2-ジメチルプロパノイルオキシ)-3-メチル-ペンチル]2,2-ジメチルプロパノエート、
- (5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンチル)3-メチルブタノエート、
- [3-メチル-5-(3-メチルブタノイルオキシ)ペンチル]3-メチルブタノエート、
- (5-ヒドロキシ-3-メチレン-ペンチル)アセテート、
- [(E)-5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンタ-2-エニル]アセテート、
- [(Z)-5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンタ-2-エニル]アセテート、
- (5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンチル)ホルメート、
- [(E)-5-アセトキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]アセテートと[(Z)-5-アセトキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]アセテートとの混合物、
- [(E)-3-メチル-5-プロパノイルオキシ-ペンタ-3-エニル]プロパノエートと[(Z)-3-メチル-5-プロパノイルオキシ-ペンタ-3-エニル]プロパノエートとの混合物、並びに
- (5-ヒドロキシ-3-メチレン-ペンチル)アセテート、[(E)-5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンタ-2-エニル]アセテート及び[(Z)-5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンタ-2-エニル]アセテートの混合物
に関する。
【0285】
好ましくは、化合物(I.b)において、R1及びR2はいずれも水素ではない。
【0286】
本発明の好ましい実施形態は、一般式(I.b)のジエステル化合物、すなわち、R2bが-(C=O)-R4である一般式(I.b)の化合物に関する。
【0287】
さらに好ましいのは、R3及びR4が、水素及びC1-C3-アルキルからなる群から選択され、特に水素、メチル及びエチルからなる群から選択される、一般式(I.b)の化合物である。
【0288】
より好ましくは、化合物(I.b)において、R1とR2とは同一であり、すなわち、R1は-(C=O)-R3であり且つR2は-(C=O)-R4である(ここでR3とR4とは同一であり、水素又はC1-C4-アルキル、好ましくは水素、メチル又はエチルである)。
【0289】
好ましい一般式(I.b)の化合物の例は、
- (5-ホルミルオキシ-3-メチレン-ペンチル)ホルメート、
- (5-ホルミルオキシ-3-メチル-ペンチル)ホルメート、
- (3-メチレン-5-プロパノイルオキシ-ペンチル)プロパノエート、
- [(E)-3-メチル-5-プロパノイルオキシ-ペンタ-3-エニル]プロパノエート、
- [(Z)-3-メチル-5-プロパノイルオキシ-ペンタ-3-エニル]プロパノエート、
- [5-(2,2-ジメチルプロパノイルオキシ)-3-メチレン-ペンチル]2,2-ジメチルプロパノエート、
- [(E)-5-(2,2-ジメチルプロパノイルオキシ)-3-メチル-ペンタ-3-エニル]2,2-ジメチルプロパノエート、
- [(Z)-5-(2,2-ジメチルプロパノイルオキシ)-3-メチル-ペンタ-3-エニル]2,2-ジメチルプロパノエート
である。
【0290】
一般式(I.b)の化合物は、各エキソ誘導体、E誘導体、Z誘導体又はsat誘導体の少なくとも2つの混合物の(例えば、エキソ/E/Z異性体混合物の、若しくはエキソ/E/Z/sat混合物の)形態で存在し得るか、又は、それらのエキソ異性体、それらのE異性体、それらのZ異性体若しくはそれらのsat異性体の形態で、それぞれ本質的に存在し得る。
【0291】
「エキソ/E/Z異性体混合物」、「エキソ/E/Z/sat異性体混合物」及び「本質的に存在する」という表現に関しては、一般式(I)の化合物について上記に示される記載を参照されたい。
【0292】
好ましくは、一般式(I.b)の化合物はエキソ/E/Z混合物の形態で存在し、この混合物は、各飽和誘導体も含み得る(このため、エキソ/E/Z/sat混合物を生じる)。エキソ/E/Z異性体混合物が好ましい。
【0293】
一般式(I.b)の化合物は、一般式(I)のエステル化合物について記載したとおりに調製することができる。
【0294】
本発明の別の好ましい実施形態は、式(I.1)、(I.2)、(I.3)及び(I.4):
【0295】
【化39】
(式中、R
1及びR
2は、上記及び下記に定義される意味の1つを有する)
の化合物から選択される少なくとも2つの化合物の混合物であって、上記化合物のそれぞれを1~99重量%の量で含む(但し前記混合物中の式(I.1)、(I.2)、(I.3)及び(I.4)の化合物の重量は合計で100%になる)、
上記混合物である。
【0296】
別の実施形態は、このような式(I.1)、(I.2)、(I.3)及び(I.4)の化合物から選択される少なくとも2つの化合物の混合物を含む組成物である。この組成物は、一方では、前記混合物からなり、他の成分を含まないであろう(従って、上記混合物であろう)。他方では、上記組成物は、製造工程から生じる微量の副生成物などのさらなる成分を含有するであろう。このような副生成物が存在する場合、これらは、式(I.1)、(I.2)、(I.3)及び(I.4)の化合物及び全ての副生成物の総重量に対して、合計で最大10重量%、好ましくは最大5重量%、より好ましくは最大2重量%、特に最大1重量%になる。
【0297】
好ましい実施形態において、本発明は、式(I.1)、(I.2)及び(I.3)の化合物から選択される少なくとも2つの化合物の混合物であって、上記化合物のそれぞれを1~99重量%の量で含む(但し前記混合物中の式(I.1)、(I.2)及び(I.3)の化合物の重量は合計で100%になる)、上記混合物に関する。
【0298】
別の好ましい実施形態は、このような混合物を含む組成物に関する。
【0299】
特定の実施形態において、上記の組成物及び混合物は、式(I.1)の化合物と、式(I.2)の化合物及び式(I.3)の化合物のいずれか1つ又は式(I.2)の化合物及び式(I.3)の化合物の両方とを含み;特に3つの化合物(I.1)、(I.2)及び(I.3)の全てを含む。
【0300】
より好ましくは、上記混合物は、式(I.1)、(I.2)及び(I.3)の3つの化合物全てを含み、上記化合物のそれぞれを1~99重量%の量で含み(但し前記混合物中の式(I.1)、(I.2)及び(I.3)の化合物の重量は合計で100%になる)、ここで(I.1):(I.2):(I.3)の比は、90:5:5~10:45:45、好ましくは80:10:10~20:40:40、とりわけ55:22.5:22.5~45:27.5:27.5の範囲内であり、さらにとりわけ約50:25:25である。「約」という用語は、上記の比の決定において生じ得る測定誤差を考慮し、±10%、好ましくは±5%の偏差を含む。
【0301】
別のより好ましい実施形態は、このような混合物を含む組成物に関する。
【0302】
特定の実施形態では、式(I.1)、(I.2)及び(I.3)の化合物から選択される少なくとも2つの化合物を含む組成物又は混合物において、R1及びR2は、C1-C4-アルキルである。
【0303】
別の特定の実施形態では、式(I.1)、(I.2)及び(I.3)の化合物から選択される少なくとも2つの化合物を含む組成物又は混合物において、R1は-(C=O)-R3であり、R2は-(C=O)-R4であり、R3及びR4はC1-C4-アルキルである。
【0304】
特に好ましくは、本発明の混合物又は組成物中に存在する式(I.1)、(I.2)及び(I.3)の化合物の全てにおいて、全てのR1基とR2基とは同一である。
【0305】
本発明の好ましい実施形態は、式(I.1)、(I.2)及び(I.3)の化合物から選択される少なくとも2つの化合物(I)を含む組成物又は混合物であって、ここで
- (I.1)が、(I.1)、(I.2)及び(I.3)の総重量に対して、0~75重量%、好ましくは10~75重量%の量で存在し、
- (I.2)が、(I.1)、(I.2)及び(I.3)の総重量に対して、0~50重量%、好ましくは5~45重量%の量で存在し、
- (I.3)が、(I.1)、(I.2)及び(I.3)の総重量に対して、0~50重量%、好ましくは0~45重量%の量で存在する
(但し化合物(I.1)、(I.2)及び(I.3)の少なくとも2つは、(I.1)、(I.2)及び(I.3)の総重量に対して>0重量%の量で存在し、上記混合物中に存在する化合物(I.1)、(I.2)及び(I.3)の重量は合計で100%になる)、
上記組成物又は混合物に関する。
【0306】
本発明のより好ましい実施形態は、式(I.1)、(I.2)及び(I.3)の3つの化合物全てを含む組成物又は混合物であって、ここで
- (I.1)が、(I.1)、(I.2)及び(I.3)の総重量に対して、25~75重量%、好ましくは30~60重量%、とりわけ35~55重量%の量で存在し、
- (I.2)が、(I.1)、(I.2)及び(I.3)の総重量に対して、15~35重量%、好ましくは18~30重量%、とりわけ20~28重量%の量で存在し、
- (I.3)が、(I.1)、(I.2)及び(I.3)の総重量に対して、15~35重量%、好ましくは18~30重量%、とりわけ20~28重量%の量で存在する
(但し化合物(I.1)、(I.2)及び(I.3)の重量は合計で100%になる)、
上記組成物又は混合物に関する。
【0307】
特別な実施形態は、一般式(I.1)、(I.2)及び(I.3)の3つの化合物全てを含む組成物又は混合物であって、上記化合物のそれぞれを1~99重量%の量で含み(但し式(I.1)、(I.2)及び(I.3)の化合物の重量は合計で100%になる)、(I.1):(I.2):(I.3)の比が、90:5:5~10:45:45、好ましくは80:10:10~20:40:40、とりわけ55:22.5:22.5~45:27.5:27.5の範囲内であり、さらにとりわけ約50:25:25である、上記組成物又は混合物に関する。「約」という用語は、上記の比の決定において生じ得る測定誤差を考慮し、±10%、好ましくは±5%の偏差を含む。
【0308】
本発明の好ましい実施形態は、式(I.1)、(I.2)及び(I.3)(式中、R1及びR2は、エーテル化合物に関する上記の第1の実施形態において定義されるとおりである)の化合物から選択される少なくとも2つのエーテル化合物(I.a)を含む組成物又は混合物であって、ここで
- (I.1)が、(I.1)、(I.2)及び(I.3)の総重量に対して、0~75重量%、好ましくは10~75重量%の量で存在し、
- (I.2)が、(I.1)、(I.2)及び(I.3)の総重量に対して、0~50重量%、好ましくは5~45重量%の量で存在し、
- (I.3)が、(I.1)、(I.2)及び(I.3)の総重量に対して、0~50重量%、好ましくは0~45重量%の量で存在する
(但し化合物(I.1)、(I.2)及び(I.3)の少なくとも2つは、(I.1)、(I.2)及び(I.3)の総重量に対して>0重量%の量で存在し、上記混合物中に存在する化合物(I.1)、(I.2)及び(I.3)の重量は合計で100%になる)、
上記組成物又は混合物に関する。
【0309】
本発明のより好ましい実施形態は、式(I.1)、(I.2)及び(I.3)(式中、R1及びR2は、エステル化合物に関する上記の第2の実施形態において定義されるとおりである)の化合物から選択される3つのエーテル化合物全てを含む組成物又は混合物であって、ここで
- (I.1)が、(I.1)、(I.2)及び(I.3)の総重量に対して、25~75重量%、好ましくは30~60重量%、とりわけ35~55重量%の量で存在し、
- (I.2)が、(I.1)、(I.2)及び(I.3)の総重量に対して、15~35重量%、好ましくは18~30重量%、とりわけ20~28重量%の量で存在し、
- (I.3)が、(I.1)、(I.2)及び(I.3)の総重量に対して、15~35重量%、好ましくは18~30重量%、とりわけ20~28重量%の量で存在する
(但し化合物(I.1)、(I.2)及び(I.3)の重量は合計で100%になる)、
上記組成物又は混合物に関する。
【0310】
特別な実施形態は、一般式(I.1)、(I.2)及び(I.3)の3つのエーテル化合物全てを含む組成物又は混合物であって、上記化合物のそれぞれを1~99重量%の量で含み(但し式(I.1)、(I.2)及び(I.3)の化合物の重量は合計で100%になる)、(I.1):(I.2):(I.3)の比が、90:5:5~10:45:45、好ましくは80:10:10~20:40:40、とりわけ55:22.5:22.5~45:27.5:27.5の範囲内であり、さらにとりわけ約50:25:25である、上記組成物又は混合物に関する。「約」という用語は、上記の比の決定において生じ得る測定誤差を考慮し、±10%、好ましくは±5%の偏差を含む。
【0311】
本発明の好ましい実施形態は、式(I.1)、(I.2)及び(I.3)(式中、R1及びR2は、エステル化合物に関する上記の第2の実施形態において定義されるとおりである)の化合物から選択される少なくとも2つのエステル化合物(I.b)を含む組成物又は混合物であって、ここで
- (I.1)が、(I.1)、(I.2)及び(I.3)の総重量に対して、0~75重量%、好ましくは10~75重量%の量で存在し、
- (I.2)が、(I.1)、(I.2)及び(I.3)の総重量に対して、0~50重量%、好ましくは5~45重量%の量で存在し、
- (I.3)が、(I.1)、(I.2)及び(I.3)の総重量に対して、0~50重量%、好ましくは0~45重量%の量で存在する
(但し化合物(I.1)、(I.2)及び(I.3)の少なくとも2つは、(I.1)、(I.2)及び(I.3)の総重量に対して>0重量%の量で存在し、上記混合物中に存在する化合物(I.1)、(I.2)及び(I.3)の重量は合計で100%になる)、
上記組成物又は混合物に関する。
【0312】
本発明のより好ましい実施形態は、式(I.1)、(I.2)及び(I.3)(式中、R1及びR2は、エステル化合物に関する上記の第2の実施形態において定義されるとおりである)の化合物から選択される3つのエステル化合物全てを含む組成物又は混合物であって、ここで
- (I.1)が、(I.1)、(I.2)及び(I.3)の総重量に対して、25~75重量%、好ましくは30~60重量%、とりわけ35~55重量%の量で存在し、
- (I.2)が、(I.1)、(I.2)及び(I.3)の総重量に対して、15~35重量%、好ましくは18~30重量%、とりわけ20~28重量%の量で存在し、
- (I.3)が、(I.1)、(I.2)及び(I.3)の総重量に対して、15~35重量%、好ましくは18~30重量%、とりわけ20~28重量%の量で存在する
(但し化合物(I.1)、(I.2)及び(I.3)の重量は合計で100%になる)、
上記組成物又は混合物に関する。
【0313】
さらなる特別な実施形態は、一般式(I.1)、(I.2)及び(I.3)の3つのエステル化合物全てを含む組成物又は混合物であって、上記化合物のそれぞれを1~99重量%の量で含み(但し式(I.1)、(I.2)及び(I.3)の化合物の重量は合計で100%になる)、(I.1):(I.2):(I.3)の比が、90:5:5~10:45:45、好ましくは80:10:10~20:40:40、とりわけ55:22.5:22.5~45:27.5:27.5の範囲内であり、さらにとりわけ約50:25:25である、上記組成物又は混合物に関する。「約」という用語は、上記の比の決定において生じ得る測定誤差を考慮し、±10%、好ましくは±5%の偏差を含む。
【0314】
特に、本発明の混合物は、以下の混合物からなる群から選択される:
- (5-ホルミルオキシ-3-メチレン-ペンチル)ホルメート、[(E)-5-ホルミルオキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]ホルメート及び[(Z)-5-ホルミルオキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]ホルメートの混合物;
- (5-アセトキシ-3-メチレン-ペンチル)アセテート、[(E)-5-アセトキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]アセテート及び[(Z)-5-アセトキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]アセテートの混合物;
- (3-メチレン-5-プロパノイルオキシ-ペンチル)プロパノエート、[(E)-3-メチル-5-プロパノイルオキシ-ペンタ-3-エニル]プロパノエート及び[(Z)-3-メチル-5-プロパノイルオキシ-ペンタ-3-エニル]プロパノエートの混合物、
- 1,5-ジメトキシ-3-メチレン-ペンタン、(E)-1,5-ジメトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン及び(Z)-1,5-ジメトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンの混合物、
- 1,5-ジエトキシ-3-メチレン-ペンタン、(E)-1,5-ジエトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン及び(Z)-1,5-ジエトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンの混合物、並びに
- 1,5-ジ-n-ブトキシ-3-メチレン-ペンタン、(E)-1,5-ジ-n-ブトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン及び(Z)-1,5-ジ-n-ブトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンの混合物。
【0315】
特に、本発明の組成物は、上記の具体的な混合物の1つを含む。
【0316】
さらに具体的には、本発明の混合物は、以下の混合物からなる群から選択される:
- 約50:25:25の重量比の、(5-ホルミルオキシ-3-メチレン-ペンチル)ホルメート、[(E)-5-ホルミルオキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]ホルメート及び[(Z)-5-ホルミルオキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]ホルメートの混合物;
- 約50:25:25の重量比の、(5-アセトキシ-3-メチレン-ペンチル)アセテート、[(E)-5-アセトキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]アセテート及び[(Z)-5-アセトキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]アセテートの混合物;
- 約50:25:25の重量比の、(3-メチレン-5-プロパノイルオキシ-ペンチル)プロパノエート、[(E)-3-メチル-5-プロパノイルオキシ-ペンタ-3-エニル]プロパノエート及び[(Z)-3-メチル-5-プロパノイルオキシ-ペンタ-3-エニル]プロパノエートの混合物、
- 約50:25:25の重量比の、1,5-ジメトキシ-3-メチレン-ペンタン、(E)-1,5-ジメトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン及び(Z)-1,5-ジメトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンの混合物、
- 約50:25:25の重量比の、1,5-ジエトキシ-3-メチレン-ペンタン、(E)-1,5-ジエトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン及び(Z)-1,5-ジエトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンの混合物、並びに
- 約50:25:25の重量比の、1,5-ジ-n-ブトキシ-3-メチレン-ペンタン、(E)-1,5-ジ-n-ブトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン及び(Z)-1,5-ジ-n-ブトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンの混合物。
【0317】
上記の「約」という用語は、上記の比の決定において生じ得る測定誤差を考慮し、±10%、好ましくは±5%の偏差を含む。
【0318】
さらに特に、本発明の組成物は、上記のより具体的な混合物の1つを含む。
【0319】
さらなる実施形態は、上記に定義される式(I)の化合物、その立体異性体又は立体異性体の混合物を調製する方法であって、以下のステップ:
(i)
【0320】
【0321】
【0322】
【化42】
として表される結合の一方は単結合であり、他方は二重結合又は単結合であり、
R
1は、上記に示される意味の1つを有し、
R
2は、上記に示される意味の1つを有し、
R
5は、X又は-O-C(=O)-R
2であり、
Xは、脱離基を表す)
と反応させて未処理生成物混合物を得るステップ、及び
(ii) 場合によりステップ(i)で得られた未処理生成物混合物を精製ステップに供するステップ
を含む、上記方法に関する。
【0323】
従って、本発明はまた、上記に定義される式(I.a)の化合物、その立体異性体又はその立体異性体の混合物を調製する方法であって、
(i) 化合物(II)又はその混合物
【0324】
【化43】
を、塩基の存在下で、アルキル化試薬R
1a-Xと、また場合によりアルキル化試薬R
2a-Xと(式中、R
1a及びR
2aは上記に示される意味の1つを有し、Xは、ハロゲン(例えばCl、Br、I)及びスルホネート(例えばトシラート、メシラート、トリフラート又はノナフラート)から選択される脱離基を表す)反応させて未処理生成物混合物を得ること、及び
(ii) ステップ(i)で得られた未処理生成物混合物を精製ステップに供すること
を含む、上記方法にも関する。
【0325】
ステップ(i)におけるアルキル化反応は、当業者に周知の従来のアルキル化反応条件下で行われる。
【0326】
アルキル化反応において使用し得る好適な塩基は、上記に定義されるとおりである。
【0327】
一般式(I.a)のモノエーテル化合物の調製のため、化合物(II)又はその混合物を、典型的には、準等モル量又はほぼ等モル量(例えば、0.7、0.8、0.9、又は0.95当量)のアルキル化試薬R1a-Xと反応させて一置換化合物(I.a-OH)を得て
【0328】
【化44】
(式中、R
1aは上記に示される意味の1つを有する)、
これをさらに、残留出発物質又は対応する二置換化合物などの望ましくない副生成物又は不純物を除去するため、上記に定義される精製ステップに供する。
【0329】
R1a基とR2aと基が同一である一般式(I.a)のジエーテル化合物の調製は、典型的には、化合物(II)又はその混合物を、少なくとも2当量(例えば2.0、2.1、2.5又は3.0当量)のアルキル化試薬R1a-X又はR2a-X(式中、R1a基、R2a基及びX基は上記に示される意味の1つを有する)とそれぞれ反応させ、その後、得られた未処理生成物を上記に定義される精製ステップに供することによって行われる。
【0330】
R1a基とR2a基とが異なる一般式(I.a)のジエーテル化合物の調製は、一般的には、最初に、化合物(II)又はその混合物を、準等モル量又はほぼ等モル量(例えば、0.7、0.8、0.9、又は0.95当量)のアルキル化試薬R1-Xと反応させて一置換化合物(I.-a-OH)を得、これを、精製ステップ後に、さらに第2のアルキル化試薬R2a-Xと反応させることによって行われる。
【0331】
一般的に、出発物質化合物(II)又はその混合物は、エキソ/E/Z/sat異性体混合物、特にエキソ/E/Z異性体として利用される。結果として、化合物(I.a)は、典型的には、エキソ/E/Z/sat異性体、特にエキソ/E/Z異性体の混合物として得られる。
【0332】
式(I.a)の化合物を調製する方法のステップ(ii)において、残留一置換化合物(I.a-OH)などの望ましくない副生成物又は不純物を除去するため、また所望の場合、エキソ/E/Z異性体を分離するために、ステップ(i)で得られた未処理生成物混合物が精製ステップに供される。
【0333】
一般的には、ステップ(ii)における精製は、一般的な精製法、例えば結晶化法、蒸留法又はクロマトグラフィー法(例えばカラムクロマトグラフィー又は高速液体クロマトグラフィー)を用いることによって行うことができる。未処理生成物混合物中に微量の不純物及び副生成物のみが存在する場合、精製ステップは、簡単な抽出的後処理を介して行うことができる。所望の場合、シス/トランス異性体は、分別結晶化、カラムクロマトグラフィー又は高速液体クロマトグラフィーによって分離することができる。
【0334】
従って、本発明はまた、上記に定義される式(I.b)の化合物、その立体異性体又は立体異性体の混合物を調製する方法であって、
(i) 化合物(II)又はその混合物
【0335】
【0336】
【0337】
【化47】
とも反応させ(式中、R
5は、OH、X又は-O-C(=O)-R
3であり、ここでXは、ハロゲン(例えばCl、Br、又はI、特にCl又はBr)から選択される脱離基を表し、R
3及びR
4は、上記に定義される意味の1つを有する)、特に化合物(II)又はその混合物を、有機塩基の存在下で、カルボン酸R
3-COOH若しくはその無水物と、又は酸ハロゲン化物R
3-(C=O)X'と反応させ、場合によりカルボン酸R
4-COOH若しくはその無水物と、又は酸ハロゲン化物R
4-(C=O)X'とも反応させて(式中、R
3及びR
4は上記に示される意味の1つを有し、X'はハロゲン原子(例えばCl、Br又はI、特にCl又はBr)を表す)、未処理生成物混合物を得ること、及び
(ii) 場合によりステップ(i)で得られた未処理生成物混合物を精製ステップに供すること
を含む、上記方法にも関する。
【0338】
一般式(I.b)のエステル化合物の調製のためのステップi)における個々の反応条件は、当業者に周知である。
【0339】
一般式(I.b)のモノエステル化合物の調製のため、化合物(II)又はその混合物を、典型的には、準等モル量又はほぼ等モル量(例えば0.7、0.8、0.9、又は0.95当量)のアシル化剤と反応させて一置換化合物(I.b-OH)
【0340】
【化48】
(式中、R
1bは-C(=O)R
3である)
を得て、これを、必要であれば、残留出発物質又は対応する二置換化合物などの望ましくない副生成物又は不純物を除去するために、さらに上記に定義される精製ステップに供する。
【0341】
R1b基とR2b基とが同一である一般式(I.b)のジエステル化合物の調製は、典型的には、化合物(II)又はその混合物を、有機塩基の存在下で、少なくとも2当量(例えば、2.0、2.1、2.5又は3.0当量)のアシル化剤(例えばカルボン酸R3-COOH若しくはその無水物、又は酸ハロゲン化物R3-(C=O)X')と反応させ、場合により、カルボン酸R4-COOH若しくはその無水物と、又は酸ハロゲン化物R4-(C=O)X'とも反応させて(式中、R3及びR4は上記に示される意味の1つを有し、X'はハロゲン原子(例えばCl、Br又はI、特にCl又はBr)を表す)、未処理生成物混合物を得て、また必要であれば、その後、得られた未処理生成物を上記に定義される精製ステップに供することによって行われる。
【0342】
R1b基とR2b基とが異なる一般式(I.b)のジエステル化合物の調製は、一般的に、最初に、化合物(II)又はその混合物を、有機塩基の存在下で、準等モル量又はほぼ等モル量(例えば0.7、0.8、0.9、又は0.95当量)のカルボン酸R3-COOH若しくはその無水物と、又は酸ハロゲン化物R3-(C=O)X'と反応させて未処理生成物混合物を得て一置換化合物(I.b-OH)を得て、これを、精製ステップ後に、有機塩基の存在下で、さらに第2のカルボン酸R4-COOH若しくはその無水物と、又は酸ハロゲン化物R4-(C=O)X'と反応させて(式中、R3及びR4は上記に示される意味の1つを有し、X'はハロゲン原子(例えばCl、Br又はI、特にCl又はBr)を表す)、未処理生成物混合物を得ることによって行われる。
【0343】
式(I.b)の化合物を調製する方法のステップ(ii)において、必要であれば、ステップ(i)で得られた未処理生成物混合物を、残留一置換化合物(I.b-OH)などの望ましくない副生成物又は不純物を除去するため、また所望の場合、エキソ/E/Z異性体を分離するために、精製ステップに供する。
【0344】
一般的には、ステップ(ii)における精製は、結晶化法、蒸留法又はクロマトグラフィー法(例えばカラムクロマトグラフィー又は高速液体クロマトグラフィー)などの一般的な精製法を用いて行うことができる。未処理生成物混合物中に微量の不純物及び副生成物のみが存在する場合、上記の精製ステップは、簡単な抽出的後処理を介して行うこともできる。所望の場合、エキソ/Z/E異性体は、分別結晶化、カラムクロマトグラフィー又は高速液体クロマトグラフィーにより分離することができる。
【0345】
出発物質化合物(II)は、純粋な化合物(II.1)、(II.2)、(II.3)若しくは(II.4)、あるいは、異なる立体異性体の混合物[E/Z混合物;E = (II.2);Z = (II.3)]、若しくは二重結合位置異性体の混合物[(II.1) = エキソと、(II.2)及び/又は(II.3)との混合物]、又は飽和化合物と不飽和化合物との混合物[[II.4]と、(II.1)、(II.2)及び(II.3)の少なくとも1つとの混合物]であり得る。
【0346】
【0347】
シトラール製造工程における副生成物は、IIのエキソ/E/Z異性体混合物((II.1)、(II.2)及び(II.3)の混合物)であり、これは、化合物(I)の調製のための好適な出発物質である。その結果、この混合物が用いられる場合、化合物I.bは、典型的には、エキソ/E/Z異性体の混合物として得られる。
【0348】
ここで本発明は、任意の限定を課すことなく、以下の実施例によりさらに詳細に説明される。
【実施例】
【0349】
略語:
DMAP:4-(N,N’-ジメチルアミノ)-ピリジン
MTBE:2-メトキシ-2-メチルプロパン(メチル-tert-ブチルエーテル)
RT:室温(20~25℃)
THF:テトラヒドロフラン
シトラール(s.s.)ジオール:3-メチレンペンタン-1,5-ジオール、(E)-3-メチルペンタ-2-エン-1,5-ジオール及び(Z)-3-メチルペンタ-2-エン-1,5-ジオールの混合物(シトラール製造から側留として得ることが可能)
分析:
生成物の純度を、ガスクロマトグラフィー面積%により決定した:
GCシステム:Agilent 7890 B;
GCカラム:DB-WAX (30m (長さ)、0.32mm (内径)、0.25マイクロメートル(フィルム));
温度プログラム:5°/分において、85℃~230℃
【0350】
A. 調製
実施例1:
【0351】
【0352】
【0353】
室温において、DMAPを、シトラール(s.s.)ジオール混合物のTHF溶液に加えた。この混合物を還流(53℃)に設定し、無水酢酸(2.25当量)をこの温度でゆっくりと加えた。1時間後、GCにより99%ジオール変換が観察された。反応物を室温に冷却し、100mLの水でゆっくりとクエンチした。次いで、100mLの酢酸エチルを加えた。有機相を分離し、NaHCO3とブライン溶液で洗浄した。有機抽出物を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧で蒸発させた後、37.1gの粗生成物(これは、GC(面積%)によれば約90%のジアセテートを含んでいた)を得た。この生成物を蒸留により精製した。対応するジアセテートの混合物を、93.2%(GC面積%)の純度で得た。NMRにより、混合物の組成が、50%の3-メチレンジアセテート及び50%の2-ペンテン誘導体の1:1 E/Z混合物であることを確認した。
【0354】
【0355】
実施例2:
【0356】
【0357】
【0358】
0℃において、ギ酸を、無水酢酸にゆっくりと加えた。この混合物を55℃で1.5時間撹拌した。次いで、混合物を0℃に冷却し、50mLのTHFを加えた。この温度で、50mLのTHF中のシトラール(s.s.)ジオール混合物の溶液をゆっくりと加え、その後、DMAPをこの混合物に加えた。反応物を室温で4時間撹拌し、GCにより完全変換を観察した。100mLのトルエンを混合物に加え、有機相を30mLの水で3回洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、ロータリーエバポレーター中で溶媒を除去し、19.6gの粗生成物(これは、GC(面積%)によれば約90%のジホルメートを含んでいた)を得た。この生成物を蒸留により精製した。対応するジホルメートの混合物を98.1%(GC面積%)の純度で得た。NMRにより、混合物の組成が、50%の3-メチレンジホルメート及び50%の2-ペンテン誘導体の1:1 E/Z混合物であることを確認した。
【0359】
【0360】
実施例3:
【0361】
【0362】
【0363】
ヘキサン中のシトラール(s.s.)ジオール混合物、トリエチルアミン及びDMAPの溶液を、0℃に冷却した。この温度で、塩化プロピオニルをゆっくりと加えた。反応物を室温で1時間撹拌し、50mLのヘキサンを加え、反応物を還流(67℃)で4時間撹拌した。この時間の後、GCにより完全変換を観察した。反応物を室温に冷却し、100mLの水でゆっくりとクエンチした。100mLの酢酸エチルを加え、有機相をNaHCO3とブライン溶液で洗浄した。有機抽出物を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧で蒸発させた後、38.4gの粗生成物(これは、GC(面積%)によれば約90%のジプロピオネートを含んでいた)を得た。この生成物を蒸留により精製した。対応するジプロピオネートの混合物を、97.8%(GC面積%)の純度で得た。NMRにより、混合物の組成が、50%の3-メチレンジプロピオネート及び50%の2-ペンテン誘導体の1:1 E/Z混合物であることを確認した。
【0364】
【0365】
実施例4:
【0366】
【0367】
【0368】
75mLのTHF中の水素化ナトリウム(2.3当量)の分散液に、30mLのTHF中のシトラール(s.s.)ジオール混合物の溶液を、0℃でゆっくりと加えた。この混合物を、0℃で30分間撹拌した。次いで、2.3当量のヨウ化メチルを室温でゆっくりと加え、その後、混合物を40℃で4時間撹拌した。この反応混合物を0℃に冷却し、0.75当量のNaHの添加、その後0.75当量のヨウ化メチルの添加を繰り返した。次いで、混合物を40℃で20時間撹拌した。この時点で、反応物を50mLの水でゆっくりとクエンチした。有機相を50mLのMTBEで3回抽出した。有機抽出物を合わせ、50mLのNH3溶液で洗浄し、さらに50mLのブライン溶液で洗浄した。有機抽出物を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧で蒸発させた後、20gの粗生成物を得た(GC(面積%)によれば、98%のジエーテルを有していた)。この生成物を蒸留により精製した。対応するジメチルエーテルの混合物を、純度>99%(GC面積%)で得た。NMRにより、混合物の組成が、50%のエキソ-ジ-メチルエーテル及び50%の2-ペンテン誘導体の1:1 E/Z混合物であることを確認した。
【0369】
【0370】
実施例5:
【0371】
【0372】
【0373】
75mLのTHF中の水素化ナトリウム(2.3当量)の分散液に、30mLのTHF中のシトラール(s.s.)ジオール混合物の溶液を、0℃でゆっくりと加えた。混合物を0℃で30分間撹拌した。次いで、2.3当量のヨウ化エチルを室温でゆっくりと加えた。添加後、この混合物を40℃で4時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、0.75当量のNaHの添加、その後0.75当量のヨウ化エチルの添加を繰り返した。次いで、混合物を40℃で20時間撹拌した。この時点で、反応物を50mLの水でゆっくりとクエンチした。有機相を50mLのMTBEで3回抽出した。有機抽出物を合わせ、50mLのNH3溶液で洗浄し、さらに50mLのブライン溶液で洗浄した。有機抽出物を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧で蒸発させた後、24.6gの粗生成物を得た(GC(面積%)によれば、93%のジエーテルを有していた)。この生成物を蒸留により精製した。対応するジエチルエーテルの混合物を、純度>96%(GC面積%)で得た。NMRにより、混合物の組成が、50%のエキソ-ジエチルエーテル及び50%の2-ペンテン誘導体の1:1 E/Z混合物であることを確認した。
【0374】
【0375】
実施例6:
【0376】
【0377】
【0378】
75mLのTHF中の水素化ナトリウム(2.3当量)の分散液に、30mLのTHF中の3-メチル-1,5-ペンタンジオールの溶液を、0℃でゆっくりと加えた。混合物を0℃で30分間撹拌した。次いで、2.3当量のヨウ化エチルを、室温でゆっくりと加えた。添加後、この混合物を40℃で4時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、0.75当量のNaHの添加、その後0.75当量のヨウ化エチルの添加を繰り返した。次いで、この混合物を40℃で20時間撹拌した。この時点で、反応物を50mLの水でゆっくりとクエンチした。有機相を50mLのMTBEで3回抽出した。有機抽出物を合わせ、50mLのNH3溶液で洗浄し、さらに50mLのブライン溶液で洗浄した。有機抽出物を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧で蒸発させた後、15.7gの粗生成物を得た(GC(面積%)によれば、92%のジエーテルを有していた)。この生成物を蒸留により精製した。対応するジエチルエーテルを、純度>97%(GC面積%)で得た。
【0379】
【0380】
実施例7:
【0381】
【0382】
【0383】
75mLのTHF中の水素化ナトリウム(2.3当量)の分散液に、30mLのTHF中のシトラール(s.s.)ジオール混合物の溶液を、0℃でゆっくりと加えた。混合物を0℃で30分間撹拌した。次いで、2.3当量のヨウ化エチルを、室温でゆっくりと加えた。添加後、この混合物を50℃で4時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、0.75当量のNaHの添加、その後0.75当量の1-ヨード-ブタンの添加を繰り返した。次いで、混合物を50℃で90時間撹拌した。この時点で、反応物を、50mLの水でゆっくりとクエンチした。有機相を50mLのMTBEで3回抽出した。有機抽出物を合わせ、50mLのNH3溶液で洗浄し、さらに50mLのブライン溶液で洗浄した。有機抽出物を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧で蒸発させた後、26.2gの粗生成物を得た(GC(面積%)によれば、37%のジ-n-ブチルエーテルを有し、残りはモノエーテル誘導体であった)。この生成物を、カラムクロマトグラフィーにより精製した。対応するジエチルエーテルの混合物を、純度>95%(GC面積%)で得た。NMRにより、混合物の組成が、50%のエキソ-ジ-n-ブチルエーテル及び50%の2-ペンテン誘導体の1:1 E/Z混合物であることを確認した。
【0384】
【0385】
B. 嗅覚評価
上記の調製実施例において得られた化合物の匂いの品質及び強度を試験するため、香りストリップ試験を行った。この目的のため、吸収紙のストリップを、エタノール中の被試験化合物の1~10重量%溶液を含有する溶液に浸漬した。溶媒の蒸発(約30秒間)後、訓練を受けた調香師が、香りの印象を嗅覚的に評価した。結果を表1にまとめる。
【0386】
【表15】
いくつかの実施形態を以下に示す。
項1
芳香化学物質としての、式(I):
【化57】
(式中、
記号
【化58】
の一方は単結合を表し、他方は二重結合又は単結合を表し、
R
1
は、水素、C
1
-C
4
-アルキル又は-(C=O)-R
3
であり、
R
2
は、水素、C
1
-C
4
-アルキル又は-(C=O)-R
4
であり、
R
3
は、水素又はC
1
-C
4
-アルキルであり、
R
4
は、水素又はC
1
-C
4
-アルキルであり、
但しR
1
が水素である場合、R
2
は水素ではない)
の化合物、あるいはその立体異性体若しくはその立体異性体の混合物、又は異なる式(I)の化合物の混合物の使用。
項2
式(I)において、
R
1
が、C
1
-C
4
-アルキルであり、
R
2
が、水素又はC
1
-C
4
-アルキルである、
項1に記載の使用。
項3
式(I)の化合物が、以下の特性a)、b)及び/又はc):
a) R
1
とR
2
とが同一である、
b) R
1
及びR
2
がC
1
-C
3
-アルキルである、
c) R
1
及びR
2
が、メチル又はエチル、好ましくはメチルである
の少なくとも1つを有する、項1又は2に記載の使用。
項4
式(I)において、
R
1
が-(C=O)-R
3
であり、
R
2
が、水素、-(C=O)-R
4
又はC
1
-C
4
-アルキルである、
項1に記載の使用。
項5
式(I)の化合物が、以下の特性d)、e)、f)及び/又はg):
d) R
2
が-(C=O)-R
4
である、
e) R
3
とR
4
とが同一である、
f) R
3
及びR
4
が、水素又はC
1
-C
4
-アルキルである、
g) R
3
及びR
4
が、水素又はC
1
-C
3
-アルキル、好ましくは水素、メチル又はエチルである、
の少なくとも1つを有する、
項4に記載の使用。
項6
R
1
とR
2
とが同一であり且つ両方ともC
1
-C
4
-アルキルであるか、又はR
1
が-(C=O)-R
3
であり且つR
2
が-(C=O)-R
4
である(ここでR
3
とR
4
とは同一であり、水素又はC
1
-C
4
-アルキル、好ましくは水素、メチル又はエチルである)、項1~5のいずれか1項に記載の使用。
項7
式Iの化合物の2つ又は3つの異性体を含む混合物の、項1~6のいずれか1項に記載の使用であって、該異性体が、式(I.1)、(I.2)及び(I.3):
【化59】
の異性体である、前記使用。
項8
嗅覚印象を付与するための、項1~7のいずれか1項に記載の使用。
項9
フレグランスとしての、項8に記載の使用。
項10
フレグランスを付与した組成物の香りの特徴、特にフレグランスを付与した即時使用可能な組成物の香りの特徴を改質するための、項1~9のいずれか1項に定義される式(I)の化合物、あるいはその立体異性体若しくはその立体異性体の混合物、又は異なる式(I)の化合物の混合物の使用。
項11
香水組成物、ボディケア組成物、口腔及び歯の衛生用製品、衛生物品、洗浄組成物、布用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物及び作物保護組成物からなる群から選択される組成物における、項1~10のいずれか1項に記載の使用。
項12
項1~7のいずれか1項に定義される少なくとも1つの式(I)の化合物、その立体異性体又はその立体異性体の混合物と、化合物(I)とは異なる芳香化学物質及び非芳香化学物質担体からなる群から選択される少なくとも1つのさらなる成分とを含む組成物。
項13
香水組成物、ボディケア組成物、口腔及び歯の衛生用製品、衛生物品、洗浄組成物、布用洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物及び作物保護組成物からなる群から選択される、項12に記載の組成物。
項14
芳香化学物質組成物、特にフレグランスを付与した組成物、とりわけフレグランスを付与した即時使用可能な組成物を調製する方法であって、項1~7のいずれか1項に定義される少なくとも1つの式(I)の化合物、その立体異性体又はその立体異性体の混合物を、かかる組成物中に、とりわけ即時使用可能な組成物中に組み込むことを含む、前記方法。
項15
一般式(I):
【化60】
(式中、
記号
【化61】
の一方は単結合を表し、他方は二重結合又は単結合を表し、
R
1
は、水素、C
1
-C
4
-アルキル又は-(C=O)-R
3
であり、
R
2
は、水素、C
1
-C
4
-アルキル又は-(C=O)-R
4
であり、
R
3
は、水素又はC
1
-C
4
-アルキルであり、
R
4
は、水素又はC
1
-C
4
-アルキルであり、
但しR
1
が水素である場合、R
2
は水素ではない)
の化合物、その立体異性体、その立体異性体の混合物、又は異なる式(I)の化合物の混合物(但し以下の化合物及び混合物を除く:
- (5-アセトキシ-3-メチレン-ペンチル)アセテート、
- [(E)-5-アセトキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]アセテート、
- [(Z)-5-アセトキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]アセテート、
- (5-アセトキシ-3-メチル-ペンチル)アセテート、
- [(E)-5-ホルミルオキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]ホルメート、
- [(Z)-5-ホルミルオキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]ホルメート、
- (3-メチル-5-プロパノイルオキシ-ペンチル)プロパノエート、
- [5-(2,2-ジメチルプロパノイルオキシ)-3-メチル-ペンチル]2,2-ジメチルプロパノエート、
- 1,5-ジメトキシ-3-メチレン-ペンタン、
- (E)-1,5-ジメトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン、
- (Z)-1,5-ジメトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン、
- 1,5-ジメトキシ-3-メチル-ペンタン、
- (Z)-1,5-ジエトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン、
- 1,5-ジエトキシ-3-メチル-ペンタン、
- (E)-1,5-ジイソプロポキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン、
- (Z)-1,5-ジイソプロポキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン、
- 1,5-ジブトキシ-3-メチレン-ペンタン、
- (E)-1,5-ジブトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン、
- (Z)-1,5-ジブトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン、
- 5-イソプロポキシ-3-メチル-1-ペンタノール、
- 5-sec-ブトキシ-3-メチル-1-ペンタノール、
- 1-アセトキシ-5-イソプロポキシ-3-メチル-2-ペンテン、
- (5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンチル)3-メチルブタノエート、
- [3-メチル-5-(3-メチルブタノイルオキシ)ペンチル]3-メチルブタノエート、
- (5-ヒドロキシ-3-メチレン-ペンチル)アセテート、
- [(E)-5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンタ-2-エニル]アセテート、
- [(Z)-5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンタ-2-エニル]アセテート、
- (5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンチル)ホルメート、
- [(E)-5-アセトキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]アセテートと[(Z)-5-アセトキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]アセテートとの混合物、
- [(E)-3-メチル-5-プロパノイルオキシ-ペンタ-3-エニル]プロパノエートと[(Z)-3-メチル-5-プロパノイルオキシ-ペンタ-3-エニル]プロパノエートとの混合物、
- (E)-1,5-ジメトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンと(Z)-1,5-ジメトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンとの混合物、
- (E)-1,5-ジエトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンと(Z)-1,5-ジエトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンとの混合物、
- (E)-3-メチル-1,5-ジプロポキシ-ペンタ-2-エンと(Z)-3-メチル-1,5-ジプロポキシ-ペンタ-2-エンとの混合物、
- (E)-1,5-ジブトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンと(Z)-1,5-ジブトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンとの混合物、並びに
- (5-ヒドロキシ-3-メチレン-ペンチル)アセテート、[(E)-5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンタ-2-エニル]アセテート及び[(Z)-5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンタ-2-エニル]アセテートの混合物。)。
項16
R
1
及びR
2
がいずれも水素ではない、項15に記載の化合物。
項17
R
1
とR
2
とが同一であり且つ両方ともC
1
-C
4
-アルキルであるか、又はR
1
が-(C=O)-R
3
であり且つR
2
が-(C=O)-R
4
である(ここでR
3
とR
4
とは同一であり、水素又はC
1
-C
4
-アルキル、好ましくは水素、メチル又はエチルである)、項15又は16のいずれか1項に記載の化合物。
項18
式(I.1)、(I.2)及び(I.3):
【化62】
(式中、R
1
及びR
2
は、項1~6において定義される意味の1つを有する)
の異性体からなる群から選択される少なくとも2つの化合物の混合物を含む組成物であって、
該混合物中に存在する化合物のそれぞれを1~99重量%の量で含む(但し前記混合物中に存在する式(I.1)、(I.2)及び(I.3)の化合物の重量は合計で100%になる)、前記組成物(但し以下の混合物を除く:
- [(E)-5-アセトキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]アセテートと[(Z)-5-アセトキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]アセテートとの混合物、
- [(E)-3-メチル-5-プロパノイルオキシ-ペンタ-3-エニル]プロパノエートと[(Z)-3-メチル-5-プロパノイルオキシ-ペンタ-3-エニル]プロパノエートとの混合物、
- (E)-1,5-ジメトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンと(Z)-1,5-ジメトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンとの混合物、
- (E)-1,5-ジエトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンと(Z)-1,5-ジエトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンとの混合物、
- (E)-3-メチル-1,5-ジプロポキシ-ペンタ-2-エンと(Z)-3-メチル-1,5-ジプロポキシ-ペンタ-2-エンとの混合物、
- (E)-1,5-ジブトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンと(Z)-1,5-ジブトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンとの混合物、並びに
- (5-ヒドロキシ-3-メチレン-ペンチル)アセテート、[(E)-5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンタ-2-エニル]アセテート及び[(Z)-5-ヒドロキシ-3-メチル-ペンタ-2-エニル]アセテートの混合物。)。
項19
式(I.1)の化合物と、式(I.2)の化合物及び式(I.3)の化合物のいずれか1つ又は式(I.2)の化合物及び式(I.3)の化合物の両方とを含み;特に3つの化合物(I.1)、(I.2)及び(I.3)の全てを含む、項18に記載の組成物。
項20
R
1
及びR
2
がC
1
-C
4
-アルキルであるか、又は
R
1
が-(C=O)-R
3
であり、R
2
が-(C=O)-R
4
であり、且つR
3
及びR
4
がC
1
-C
4
-アルキルである、項18又は19のいずれか1項に記載の組成物。
項21
前記混合物中に存在する式(I.1)、(I.2)及び(I.3)の化合物の全てにおいて、全てのR
1
基及びR
2
基が同一であり且つ両方ともC
1
-C
4
-アルキルであるか、又は全てのR
1
基が-(C=O)-R
3
であり、全てのR
2
基が-(C=O)-R
4
であり、且つ全てのR
3
基とR
4
基とが同一であり、水素又はC
1
-C
4
-アルキル、好ましくは水素、メチル又はエチルである、項18~20のいずれか1項に記載の組成物。
項22
- (5-ホルミルオキシ-3-メチレン-ペンチル)ホルメート、[(E)-5-ホルミルオキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]ホルメート及び[(Z)-5-ホルミルオキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]ホルメートの混合物;
- (5-アセトキシ-3-メチレン-ペンチル)アセテート、[(E)-5-アセトキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]アセテート及び[(Z)-5-アセトキシ-3-メチル-ペンタ-3-エニル]アセテートの混合物;
- (3-メチレン-5-プロパノイルオキシ-ペンチル)プロパノエート、[(E)-3-メチル-5-プロパノイルオキシ-ペンタ-3-エニル]プロパノエート及び[(Z)-3-メチル-5-プロパノイルオキシ-ペンタ-3-エニル]プロパノエートの混合物、
- 1,5-ジメトキシ-3-メチレン-ペンタン、(E)-1,5-ジメトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン及び(Z)-1,5-ジメトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンの混合物、
- 1,5-ジエトキシ-3-メチレン-ペンタン、(E)-1,5-ジエトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン及び(Z)-1,5-ジエトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンの混合物、並びに
- 1,5-ジ-n-ブトキシ-3-メチレン-ペンタン、(E)-1,5-ジ-n-ブトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エン及び(Z)-1,5-ジ-n-ブトキシ-3-メチル-ペンタ-2-エンの混合物
からなる群から選択される混合物を含む、項18~21のいずれか1項に記載の組成物。
項23
前記混合物が式(I.1)、(I.2)及び(I.3)の3つの化合物全てを含む場合、(I.1):(I.2):(I.3)の比が、90:5:5~10:45:45、好ましくは80:10:10~20:40:40の範囲内である、項18~22のいずれか1項に記載の組成物。