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特許7331024光学部品のためのスピンコーティングされた高屈折率材料を用いたインプリント構造の間隙充填
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  • 特許-光学部品のためのスピンコーティングされた高屈折率材料を用いたインプリント構造の間隙充填 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-14
(45)【発行日】2023-08-22
(54)【発明の名称】光学部品のためのスピンコーティングされた高屈折率材料を用いたインプリント構造の間隙充填
(51)【国際特許分類】
   G02B 1/10 20150101AFI20230815BHJP
   G02B 5/00 20060101ALI20230815BHJP
【FI】
G02B1/10
G02B5/00 Z
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020573113
(86)(22)【出願日】2019-05-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-04
(86)【国際出願番号】 US2019033711
(87)【国際公開番号】W WO2020005427
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2021-03-02
(31)【優先権主張番号】62/692,247
(32)【優先日】2018-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/120,733
(32)【優先日】2018-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】フー, ジンシン
(72)【発明者】
【氏名】ゴデット, ルドヴィーク
(72)【発明者】
【氏名】マクミラン, ウェイン
【審査官】横川 美穂
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0131460(US,A1)
【文献】特開2008-238416(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0081170(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第107831562(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0025061(KR,A)
【文献】特開2013-037747(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 1/10
G02B 5/00-5/18
G03F 7/20-7/24
H01L 21/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学部品を形成する方法であって、
基板の上に、約1.1~約1.5の第1の屈折率を有する第1の層を、分散した金属酸化物のナノ粒子が存在しないシリコン前駆体を含む溶液をスピンコーティングすることにより形成することと、
パターンを有するスタンプを前記第1の層の上にプレスすることと、
前記パターンを前記第1の層に転写して、パターニングされた第1の層を形成することであって、前記パターニングされた第1の層は、連続する第1の層であり且つ複数の格子を形成する、パターニングされた第1の層を形成することと、
スピンコーティングによって、前記パターニングされた第1の層の上に、金属酸化物のナノ粒子を含み、前記第1の屈折率よりも大きい第2の屈折率を有する第2の層を形成することであって、前記第2の層は複数の格子の間で連続する第2の層であり且つ平坦な上面を有する、第2の層を形成することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の層が、多孔性二酸化ケイ素又は石英を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の層が、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、又は酸化ニオブを含む、請求項に記載の方法。
【請求項4】
光学部品を形成する方法であって、
約1.1から約1.5の範囲の第1の屈折率を有する第1の層を、分散した金属酸化物のナノ粒子が存在しないシリコン前駆体を含む溶液をスピンコーティングすることにより形成することと、
パターンを有するスタンプを前記第1の層の上にプレスすることと、
前記パターンを前記第1の層に転写して、パターニングされた第1の層を形成することであって、前記パターニングされた第1の層は複数の突起を有して連続する第1の層である、パターニングされた第1の層を形成することと、
スピンコーティングによって、前記パターニングされた第1の層の上に、金属酸化物のナノ粒子を含み、約1.7から約2.4の範囲の第2の屈折率を有する第2の層を形成することであって、前記第2の層は前記突起の間で連続する第2の層であり且つ平坦な上面を有する、第2の層を形成することと
を含む方法。
【請求項5】
前記第2の層が、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、又は酸化ニオブを含む、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記パターンを前記第1の層に転写することが、前記スタンプが前記第1の層の上にある状態で前記第1の層を硬化させることを含む、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の層を硬化させることが、UV硬化又は熱硬化を含む、請求項に記載の方法。
【請求項8】
光学部品を形成する方法であって、
基板の第1の表面上に第1の屈折率を有する第1の層を、分散した金属酸化物のナノ粒子が存在しないシリコン前駆体を含む溶液をスピンコーティングすることにより形成することと、
第1のパターンを有する第1のスタンプを前記第1の層の上にプレスすることと、
前記第1のパターンを前記第1の層に転写して、パターニングされた第1の層を形成することであって、前記パターニングされた第1の層は、連続する第1の層であり、複数の突起を有する、パターニングされた第1の層を形成することと、
スピンコーティングによって、前記パターニングされた第1の層の上に、金属酸化物のナノ粒子を含み、約1.7から約2.4の範囲の第2の屈折率を有する第2の層を形成することであって、前記第2の層が金属酸化物を含み、前記第2の層は前記複数の突起の上に平坦な上面を有して連続する第2の層である、第2の層を形成することと
を含む方法。
【請求項9】
前記基板の第2の表面上に第3の屈折率を有する第3の層を形成することを更に含み、前記第2の表面が、前記基板の前記第1の表面の反対側にある、請求項に記載の方法。
【請求項10】
第2のパターンを有する第2のスタンプを前記第3の層の上にプレスすることと、
前記第2のパターンを前記第3の層に転写して、パターニングされた第3の層を形成することと、
スピンコーティングにより、前記パターニングされた第3の層の上に、前記第3の屈折率よりも大きい第4の屈折率を有する第4の層を形成することと
を更に含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記第2のパターンが、前記第1のパターンとは異なる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の層が、多孔性二酸化ケイ素又は石英を含む、請求項に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の屈折率が、約1.1から約1.5の範囲である、請求項に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の層が、多孔性二酸化ケイ素又は石英を含む、請求項に記載の方法。
【請求項15】
前記第2の層が、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、又は酸化ニオブを含む、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の実施形態は、概して、拡張現実、仮想現実、及び混合現実のためのディスプレイデバイスに関する。より具体的には、本明細書に記載される実施形態は、ディスプレイデバイスのための光学部品を形成するための方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
[0002]仮想現実は、概して、ユーザが見かけ上の物理的存在を有するコンピュータが生成したシミュレート環境であると考えられる。仮想現実体験は、3Dで生成され、実際の環境に取って代わる仮想現実環境を表示するためのレンズとしての目に近いディスプレイパネルを有する眼鏡又は他の着用可能なディスプレイデバイスといった、ヘッド装着型ディスプレイ(HMD)で見ることができる。
【0003】
[0003]拡張現実は、ユーザが、周囲環境を見るために、眼鏡又は他のHMDデバイスのディスプレイレンズを通してなおも見ることができ、更に表示目的で生成され環境の一部として現れる仮想物体の画像をも見ることができる体験を可能にする。拡張現実は、オーディオ入力及び触覚入力といった任意の種類の入力、並びにユーザが経験する環境を強化又は拡張する仮想画像、グラフィック及びビデオを含みうる。
【0004】
[0004]仮想現実と拡張現実ディスプレイデバイスの両方は、1.7以上といった高屈折率(RI)を有するパターニングされた層を含む、導波器又は平坦なレンズ/メタ表面などの光学部品を利用する。屈折率は、真空中の光の速度対媒体中の光の速度の比である。パターニングされた高RI層を形成するための従来の方法は、パターンを有するスタンプを高RI材料のナノ粒子の層の上にプレスして、パターンをナノ粒子の層に転写することを含む。得られたパターニングされた高RI層は、パターニングされた高RI層中のナノ粒子の不均一な分散又はナノ粒子間の弱い結合による脆性構造のいずれかを有する。
【0005】
[0005]従って、仮想現実又は拡張現実ディスプレイデバイス用の光学部品を形成するための改良された方法が必要とされる。
【発明の概要】
【0006】
[0006]本開示の実施形態は、概して、例えば、仮想現実又は拡張現実ディスプレイデバイスのための、光学部品を形成するための方法に関する。1つの実施形態では、方法は、基板の上に第1の屈折率を有する第1の層を形成することと、パターンを有するスタンプを第1の層の上にプレスすることと、パターンを第1の層に転写して、パターニングされた第1の層を形成することと、スピンコーティングによって、パターニングされた第1の層の上に、第1の屈折率よりも大きい第2の屈折率を有する第2の層を形成することとを含む。
【0007】
[0007]別の実施形態では、方法は、約1.1から約1.5の範囲の第1の屈折率を有する第1の層を形成することと、パターンを有するスタンプを第1の層の上にプレスすることと、パターンを第1の層に転写して、パターニングされた第1の層を形成することと、スピンコーティングによって、パターニングされた第1の層の上に、約1.7から約2.4の範囲の第2の屈折率を有する第2の層を形成することとを含む。
【0008】
[0008]別の実施形態では、方法は、基板の第1の表面上に第1の屈折率を有する第1の層を形成することと、第1のパターンを有する第1のスタンプを第1の層の上にプレスすることと、第1のパターンを第1の層に転写して、パターニングされた第1の層を形成することと、スピンコーティングによって、前記パターニングされた第1の層の上に、約1.7から約2.4の範囲の第2の屈折率を有する第2の層を形成することとを含む。第2の層は、金属酸化物を含む。
【0009】
[0009]本開示の上述の特徴を詳細に理解できるように、上記で簡単に要約されている本開示のより詳細な説明が、実施形態を参照することによって得られ、それらの実施形態の一部が添付図面に示される。しかしながら、添付図面は例示的な実施形態を示しているにすぎず、従って、本開示の範囲を限定すると見なされるべきではなく、その他の等しく有効な実施形態を許容しうることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】[0010]本明細書に記載の1つの実施形態による光学部品を形成するための方法のフロー図である。
図2】[0011]A‐Dは、本明細書に記載の1つの実施形態による、図1の様々な段階中の光学部品の概略断面図を示す。
図3】[0012]A‐Dは、本明細書に記載の1つの実施形態による、様々な段階中の光学部品の概略断面図を示す。
図4】[0013]A‐Dは、本明細書に記載の実施形態による光学部品の概略断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0014]理解を容易にするために、図に共通する同一の要素を指し示すために、可能な場合には、同一の参照番号を使用した。1つの実施形態の要素及び特徴は、更なる記述がなくとも、他の実施形態に有益に組み込まれうると想定される。
【0012】
[0015]本開示の実施形態は、概して、例えば、仮想現実又は拡張現実ディスプレイデバイスのための、光学部品を形成するための方法に関する。1つの実施形態では、この方法は、基板の上に第1の層を形成することを含み、第1の層は、第1の屈折率を有する。この方法は、パターンを有するスタンプを第1の層の上にプレスすることを更に含み、スタンプのパターンは、第1の層に転写され、パターニングされた第1の層を形成する。この方法は、スピンコーティングによって、パターニングされた第1の層の上に第2の層を形成することを更に含み、第2の層は、第1の屈折率よりも大きい第2の屈折率を有する。高屈折率を有する第2の層は、スピンコーティングによって形成され、第2の層におけるナノ粒子の均一性の向上につながる。
【0013】
[0016]図1は、本明細書に記載の1つの実施形態による光学部品200を形成するための方法100のフロー図である。図2Aから図2Dは、本明細書に記載の1つの実施形態による、図1の方法100の様々な段階中の光学部品200の概略断面図を示す。方法100は、図2Aに示すように、基板202上に第1のRIを有する第1の層204を形成することによって、ブロック102で開始する。1つの実施形態では、基板202は、ガラスなどの視覚的に透明な材料から製造される。基板202は、約1.4から約2.0の範囲のRIを有する。第1の層204は、透明な材料から製造され、第1のRIは、約1.1から約1.5の範囲である。1つの実施形態では、基板202のRIは、第1の層204の第1のRIと同じである。別の実施形態では、基板202のRIは、第1の層204の第1のRIとは異なる。第1の層204は、多孔性二酸化ケイ素、石英、又は任意の適切な材料から製造される。1つの実施形態では、第1の層204は、スピンコーティングによって基板202上に形成される。例えば、シリコン前駆体を含む溶液を基板202上にスピンコーティングし、次いで、酸素環境中で加熱して、第1の層204を形成する。いくつかの実施形態では、溶液中に分散したナノ粒子は存在しない。シリコン前駆体は、溶液に溶解される。
【0014】
[0017]次に、ブロック104において、図2Bに示すように、パターン208を有するスタンプ206が第1の層204上にプレスされる。スタンプ206は、シリコン、石英、ガラス、又はポリマーなどの任意の適切な材料から製造される。ポリマーは、ポリウレタン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、又はポリ(ジメチルシロキサン)(PDMS)でありうる。スタンプ206上に形成されたパターン208は、複数の突起210及び複数の間隙212を含みうる。隣接する突起210は、間隙212によって分離されている。突起210は、任意の他の適切な形状を有しうる。スタンプ206が第1の層204上にプレスされた後に、第1の層204を硬化させるために、硬化プロセスが実行されうる。硬化プロセスは、第1の層204を硬化させるために、UV光又は熱エネルギーを利用しうる。
【0015】
[0018]第1の層204が硬化された後に、スタンプ206は硬化された第1の層204から除去され、スタンプ206のパターン208が硬化された第1の層204に転写されて、図1のブロック106及び図2Cに示されるように、パターニングされた第1の層214を形成する。パターニングされた第1の層214のパターン208は、複数の突起216及び複数の間隙218を含む。隣接する突起216は、間隙218によって分離されている。図2Cに示されるように、突起216は、長方形の形状を有する。突起216は、任意の他の適切な形状を有しうる。異なる形状を有する突起216の例が、図4Aから図4Dに示される。1つの実施形態では、突起216は格子である。格子は、光を異なる方向に進むいくつかのビームに分割及び回折する複数の平行な細長い構造である。格子は、正弦、正方形、三角形、又は鋸歯状の格子といった異なる形状を有しうる。第1の層204、又はパターニングされた第1の層214は、ナノ粒子を全く含まないので、不均一性の問題はない。更に、パターニングされた第1の層214からスタンプ206を除去することにより、パターニングされた第1の層214が損傷することはなく、これは、パターニングされた第1の層214は、ナノ粒子を充填することによって形成されないからである。
【0016】
[0019]次に、ブロック108において、図2Dに示されるように、第1の層204の屈折率よりも大きな屈折率を有する第2の層220が、スピンコーティングによって、パターニングされた第1の層214上に形成される。第2の層220は、酸化チタン(TiO)、酸化タンタル(TaO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化ハフニウム(HfO)、又は酸化ニオブ(NbO)などの金属酸化物を含む。1つの実施形態では、第2の層220は、約1.7から約2.4の範囲のRIを有する。1つの実施形態では、第2の層220は、ポリマーマトリックス又はキャリア液体中に分散された金属酸化物のナノ粒子を含み、ナノ粒子は、スピンコーティング方法のため、第2の層220全体に均一に分散される。更に、パターニングされた第1の層214は、その上に形成されたパターン208を有するので、第2の層220はまた、第2の層220がパターニングされた第1の層214上にスピンコーティングされる際に、パターニングされる。図2Dに示されるように、第2の層220は、複数の突起222を含み、各突起222は、パターニングされた第1の層214の対応する間隙218(図2Cに示される)に形成される。パターニングされた第1の層214の突起216と、第2の層220の突起222とは、交互に配置される。第2の層220のパターン、すなわち、突起222は、プレスするためにスタンプを使用せずに形成されるので、第2の層220のパターンは損傷することなく、金属酸化物材料のナノ粒子は、第2の層220内に均一に分散される。
【0017】
[0020]第2の層220のスピンコーティング後に、第2の層220を硬化させるために、硬化プロセスが実行されうる。第2の層220の硬化プロセスは、パターニングされた第1の層214の硬化プロセスと同じでありうる。異なるRIを有する層を含む光学部品200は、任意の適切なディスプレイデバイスで使用されうる。例えば、1つの実施形態では、光学部品200は、拡張現実ディスプレイデバイスにおいて導波器又は導波結合器として使用される。導波器は、光波を導く構造である。導波結合器は、実世界画像を虚像と結合する拡張現実ディスプレイデバイスで使用される。別の実施形態では、光学部品200は、拡張及び仮想現実ディスプレイデバイス並びにフェースID及びLIDARのような3D感知デバイスにおける平坦レンズ/メタ表面として使用される。
【0018】
[0021]図2Aから図2Dは、基板202の片側に異なるRIを有する層を含む光学部品200を形成するための方法100を示す。いくつかの実施形態では、基板202の両側は、上部に異なるRIを有する層を形成するために利用することができる。図3Aから図3Dは、本明細書に記載の1つの実施形態による、様々な段階中の光学部品300の概略断面図を示す。図3Aに示すように、基板202は、第1の表面302と、第1の表面302の反対側の第2の表面304とを含む。パターニングされた第1の層214及び第2の層220は、図2Aから図2Dに記載されるように、基板202の第1の表面302上に形成される。次に、図3Bに示すように、第3の層306が基板202の第2の表面304上に形成され、第3の層306がスタンプ206によってパターニングされる。第3の層306は、(図2Aに示すように)第1の層204と同じ材料から製造されうる。第3の層306は、第1の層204と同じプロセスによって形成されうる。スタンプ206は、パターン208を含む。
【0019】
[0022]次に、図3Cに示すように、スタンプ206のパターン208を第3の層306に転写して、パターニングされた第3の層308を形成し、スタンプ206をパターニングされた第3の層308から除去する。パターニングされた第3の層308は、スタンプ206を除去する前に、パターニングされた第1の層214上で実行される硬化プロセスに類似の硬化プロセスによって硬化される。パターニングされた第3の層308は、複数の突起310及び複数の間隙312を含む。隣接する突起310は、間隙312によって分離されている。パターニングされた第3の層308は、パターニングされた第1の層214と同じ材料から製造され、パターニングされた第1の層214と同じパターンを有しうる。換言すれば、パターニングされた第3の層308は、パターニングされた第1の層214と同一でありうる。いくつかの実施形態では、パターニングされた第3の層308は、パターニングされた第1の層214とは異なるパターンを有する。次に、図3Dに示されるように、第4の層316が、スピンコーティングによって、パターニングされた第3の層308上に形成される。第4の層316は、第2の層220と同一であり、第2の層220と同じ方法によって製造されうる。第4の層316は、複数の突起318などのパターンを含む。パターニングされた第3の層308の突起310と第4の層316の突起318とは、交互に配置される。光学部品300は、基板202の2つの表面上に形成された異なるRIを有する層を含む。光学部品300は、任意の適切なディスプレイデバイスで使用されうる。例えば、1つの実施形態では、光学部品300は、拡張現実ディスプレイデバイスにおいて導波器又は導波結合器として使用される。別の実施形態では、光学部品300は、拡張及び仮想現実ディスプレイデバイス並びにフェースID及びLIDARのような3D感知デバイスにおける平坦レンズ/メタ表面として使用される。
【0020】
[0023]図4Aから図4Dは、本明細書に記載の実施形態による光学部品400の概略断面図を示す。図4Aに示すように、光学部品400は、基板202、基板202上に配置されたパターニングされた第1の層214、及びパターニングされた第1の層214上に配置された第2の層220を含む。パターニングされた第1の層214は、複数の突起402を含み、第2の層220は、複数の突起403を含む。突起402、403の各々は、図4Aに示されるように、平行四辺形の断面積を有する。突起402、403は格子であってもよい。
【0021】
[0024]図4Bに示すように、光学部品400は、基板202、基板202上に配置されたパターニングされた第1の層214、及びパターニングされた第1の層214上に配置された第2の層220を含む。パターニングされた第1の層214は、複数の突起404を含み、第2の層220は、複数の突起405を含む。突起404、405の各々は、図4Bに示されるように、三角形の断面積を有する。突起404、405は格子であってもよい。
【0022】
[0025]図4Cに示すように、光学部品400は、基板202、基板202の第1の表面302上に配置されたパターニングされた第1の層214、及びパターニングされた第1の層214上に配置された第2の層220を含む。パターニングされた第1の層214は、複数の突起402を含み、第2の層220は、複数の突起403を含む。光学部品400は、基板202の第2の表面304上に配置されたパターニングされた第3の層308と、パターニングされた第3の層308上に配置された第4の層316とを更に含む。パターニングされた第3の層308は、複数の突起406を含み、第4の層316は、複数の突起407を含む。突起406、407は、それぞれ、突起402、403と実質的に同じでありうる。突起402、403、406、407は、格子でありうる。
【0023】
[0026]図4Dに示すように、光学部品400は、基板202、基板202の第1の表面302上に配置されたパターニングされた第1の層214、及びパターニングされた第1の層214上に配置された第2の層220を含む。パターニングされた第1の層214は、複数の突起404を含み、第2の層220は、複数の突起405を含む。光学部品400は、基板202の第2の表面304上に配置されたパターニングされた第3の層308と、パターニングされた第3の層308上に配置された第4の層316とを更に含む。パターニングされた第3の層308は、複数の突起408を含み、第4の層316は、複数の突起409を含む。突起408、409は、それぞれ、突起404、405と実質的に同じでありうる。突起404、405、408、409は、格子でありうる。光学部品400は、任意の適切なディスプレイデバイスで使用されうる。例えば、1つの実施形態では、光学部品400は、拡張現実ディスプレイデバイスにおいて導波器又は導波結合器として使用される。別の実施形態では、光学部品400は、拡張及び仮想現実ディスプレイデバイス並びにフェースID及びLIDARのような3D感知デバイスにおける平坦レンズ/メタ表面として使用される。
【0024】
[0027]異なるRIを有する層を含む光学部品を形成するための方法が開示される。より低いRIを有する層にパターンが形成され、より高いRIを有する層が、より低いRIを有するパターニングされた層の上にスピンコーティングされる。より高いRIを有するスピンコート層は、高いRI材料のナノ粒子の改善された均一性を有する。更に、スタンプを用いてより高いRIを有する層をインプリントすることが回避されるため、より高いRIを有する層は損傷を受けない。光学部品の用途は、拡張及び仮想現実ディスプレイデバイス及び3Dセンシングデバイスに限定されない。光学部品は、任意の適切な用途で使用することができる。
【0025】
[0028]上記は本開示の実施形態を対象としているが、本開示の他の実施形態及び更なる実施形態が、その基本的な範囲から逸脱することなく考案されてもよく、その範囲は以下の特許請求の範囲によって決定される。
図1
図2
図3
図4