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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-15
(45)【発行日】2023-08-23
(54)【発明の名称】ロール製品用コンテナ
(51)【国際特許分類】
   B65D 19/44 20060101AFI20230816BHJP
   B65D 85/672 20060101ALI20230816BHJP
【FI】
B65D19/44 A
B65D85/672
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018222272
(22)【出願日】2018-11-28
(65)【公開番号】P2020083397
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-09-13
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000229117
【氏名又は名称】日本ゼオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003694
【氏名又は名称】弁理士法人有我国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三牧 孝幸
(72)【発明者】
【氏名】水島 正文
(72)【発明者】
【氏名】中津井 宏
【審査官】永田 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-072142(JP,A)
【文献】特開2016-159971(JP,A)
【文献】実開平07-037930(JP,U)
【文献】特開2016-011142(JP,A)
【文献】実開昭57-149220(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2006/0070905(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 19/44
B65D 85/672
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パレット上に複数の側板が周壁状に立設され、前記複数の側板に取り囲まれた物品収容空間内に単一のロール製品を保持することが可能なロール製品用コンテナであって、
前記物品収容空間内に保持される前記ロール製品の軸方向両端部に突出した支管端部を支持する一対の仕切り板と、
前記一対の仕切り板の各々を前記物品収容空間内に立設させる溝を形成する溝形成部材と、を有し、
前記一対の仕切り板の各々は、
両側面を構成し、前記溝形成部材により形成された前記溝に嵌挿可能な一対の側面支柱部材と、
前記一対の側面支柱部材の各々と略垂直に接合されている支柱連結部材と、
前記一対の側面支柱部材間に配置され、前記側面支柱部材の長手方向一方側に開く開口部を有する単一の第1の支管受け部と、
前記一対の側面支柱部材間に配置され、前記側面支柱部材の長手方向他方側に開く開口部を有し、前記第1の支管受け部とは断面寸法の異なる単一の第2の支管受け部と、を備えており、
前記第1の支管受け部及び前記第2の支管受け部は、それぞれ外径寸法が異なる前記支管端部を支持するよう構成されており、
前記一対の仕切り板は、前記一対の仕切り板の各々を上下反転させたそれぞれの状態で、前記溝形成部材により形成された前記溝に着脱自在に嵌挿可能なよう構成されており、
前記第1の支管受け部の開口部を上向きにして前記一対の仕切り板の各々を前記物品収容空間内に立設した場合に、前記第1の支管受け部は、前記物品収容空間の高さ方向略中央部に前記支管端部が位置するように前記支管端部を支持し、
前記第2の支管受け部の開口部を上向きにして前記一対の仕切り板の各々を前記物品収容空間内に立設した場合に、前記第2の支管受け部は、前記物品収容空間の高さ方向略中央部に前記支管端部が位置するように前記支管端部を支持し、
前記第1の支管受け部及び前記第2の支管受け部は、前記支管端部の断面円形状に合わせた略U字形状に成形されており、前記支柱連結部材を挟んで前記支柱連結部材にそれぞれ接合されていることを特徴とするロール製品用コンテナ。
【請求項2】
前記一対の仕切り板を立設支持する前記一対の側面支柱部材の底面から前記第1の支管受け部までの高さを、前記物品収容空間の高さ方向略中央部に前記第1の支管受け部によって前記支管端部が位置するように設定し、
前記一対の仕切り板を立設支持する前記一対の側面支柱部材の底面から前記第2の支管受け部までの高さを、前記物品収容空間の高さ方向略中央部に前記第2の支管受け部によって支持する前記支管端部が位置するように設定することを特徴とする請求項1に記載のロール製品用コンテナ
【請求項3】
前記一対の仕切り板の各々は、前記第1の支管受け部又は前記第2の支管受け部の前記開口部を閉塞して、前記第1の支管受け部又は前記第2の支管受け部に支持された前記支管端部を固定する支管押さえ部材を有することを特徴とする請求項1または2に記載のロール製品用コンテナ。
【請求項4】
前記溝形成部材は、対面する一対の前記側板の各々に、前記ロール製品の軸方向両端部の前記支管端部間の距離だけ離隔して設けられることを特徴とする請求項1からのいずれか1つに記載のロール製品用コンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール製品を搬送するロール製品用コンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロール製品を物品収容空間内に保持するロール製品用コンテナとして、ロール製品の支管端部を支持するロール製品用コンテナが知られている。なお、ロール製品は、搬送や保管等のために、例えば合成樹脂(フィルム)、紙、布等のシート状製品が断面円形状の支管(コア)にロール状に巻かれたものである。支管の軸方向の寸法は、ロール状の製品幅よりも大きく、ロール製品の軸方向両端部には支管端部が突出している。
【0003】
例えば、特許文献1に開示されている組立式コンテナは、上方仕切り板と下方仕切り板の各々に半円状溝が形成されており、上方仕切り板と下方仕切り板を組み合わせて、ロール製品の支管端部を半円状溝で保持するようになっている。
【0004】
また、例えば、特許文献2に開示されているロール製品用ラックは、ロール製品の支管端部を載置する支管載置部が略V字形状となっており、支管載置部に載置された支管端部の外径寸法に応じて、支管端部を上方から押さえる支管押さえ基材の高さが変更できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第3913367号公報(図1
【文献】実用新案登録第3184000号公報(図5
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の開示技術では、半円状溝に嵌め込んで支管端部を保持するため、外径寸法が異なる支管端部を保持するためには、支管端部の異なる外径寸法ごとに、異なる寸法の半円状溝を備えた仕切り板を使用する必要があり、支管端部の外径寸法に応じて部品交換が必要となるという課題がある。また、複数種類の外径寸法の支管端部に合わせて複数種類の仕切り板を用意する必要があり、部品点数が多くなるという課題や、例えば使用していない仕切り板の収納場所を確保する必要が有る等、複数種類の仕切り板の管理が面倒であるという課題がある。
【0007】
また、特許文献2の開示技術によれば、部品交換を行わずに外径寸法が異なる支管端部を保持することが可能である。しかしながら、異なる外径寸法の支管端部を保持できるようにするために、支管端部を載置する支管載置部を略V字形状とする必要がある。略V字形状の支管載置部に支管端部を載置した場合、支管端部と支管載置部との当接面が小さく支管端部に局所的に荷重がかかるため、ロール製品の重量化に伴って支管への負担が大きくなるという課題がある。
【0008】
本発明は、上記のような課題に鑑みて、部品交換を必要とすることなく、収容対象であるロール製品の支管の異なる外径寸法に対応した新たなロール製品用コンテナを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため、本発明のロール製品用コンテナは、パレット上に複数の側板が周壁状に立設され、前記複数の側板に取り囲まれた物品収容空間内にロール製品を保持することが可能なロール製品用コンテナであって、
前記物品収容空間内に保持される前記ロール製品の軸方向両端部に突出した支管端部を支持する一対の仕切り板と、
前記一対の仕切り板の各々を前記物品収容空間内に立設させる溝を形成する溝形成部材と、を有し、
前記一対の仕切り板の各々は、
両側面を構成し、前記溝形成部材により形成された前記溝に嵌挿可能な一対の側面支柱部材と、
前記一対の側面支柱部材の各々と略垂直に接合されている支柱連結部材と、
前記一対の側面支柱部材間に配置され、前記側面支柱部材の長手方向一方側に開く開口部を有する第1の支管受け部と、
前記一対の側面支柱部材間に配置され、前記側面支柱部材の長手方向他方側に開く開口部を有し、前記第1の支管受け部とは断面寸法の異なる第2の支管受け部と、を備えており、
前記第1の支管受け部及び前記第2の支管受け部は、それぞれ外径寸法が異なる前記支管端部を支持するよう構成されており、
前記一対の仕切り板は、前記一対の仕切り板の各々を上下反転させたそれぞれの状態で、前記溝形成部材により形成された前記溝に着脱自在に嵌挿可能なよう構成されており、
前記第1の支管受け部の開口部を上向きにして前記一対の仕切り板の各々を前記物品収容空間内に立設した場合に、前記第1の支管受け部は、前記物品収容空間の高さ方向略中央部に前記支管端部が位置するように前記支管端部を支持し、
前記第2の支管受け部の開口部を上向きにして前記一対の仕切り板の各々を前記物品収容空間内に立設した場合に、前記第2の支管受け部は、前記物品収容空間の高さ方向略中央部に前記支管端部が位置するように前記支管端部を支持し、
前記第1の支管受け部及び前記第2の支管受け部は、前記支管端部の断面円形状に合わせた略U字形状に成形されており、前記支柱連結部材を挟んで前記支柱連結部材にそれぞれ接合されていることを特徴とする。
【0010】
好ましくは、前記一対の仕切り板を立設支持する前記一対の側面支柱部材の底面から前記第1の支管受け部までの高さを、前記物品収容空間の高さ方向略中央部に前記第1の支管受け部によって前記支管端部が位置するように設定し、
前記一対の仕切り板を立設支持する前記一対の側面支柱部材の底面から前記第2の支管受け部までの高さを、前記物品収容空間の高さ方向略中央部に前記第2の支管受け部によって支持する前記支管端部が位置するように設定することを特徴とする。
【0012】
また、好ましくは、前記一対の仕切り板の各々は、前記第1の支管受け部又は前記第2の支管受け部の前記開口部を閉塞して、前記第1の支管受け部又は前記第2の支管受け部に支持された前記支管端部を固定する支管押さえ部材を有することを特徴とする。
【0013】
また、好ましくは、前記溝形成部材は、対面する一対の前記側板の各々に、前記ロール製品の軸方向両端部の前記支管端部間の距離だけ離隔して設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、部品交換を必要とすることなく、収容対象であるロール製品の支管の異なる外径寸法に対応した新たなロール製品用コンテナを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施の形態に係るロール製品用コンテナの全体構成の一例を示す分解斜視図である。
図2図1に示すロール製品用コンテナに係る仕切り板の第1の支管受け部及び第1の支管受け部近傍(図1の領域A)の部分拡大図である。
図3】本発明の実施の形態に係るロール製品用コンテナの一例を示す図であり、図3(A)は、ロール製品用コンテナを第2の側板側から見た正面図であり、図3(B)は、ロール製品用コンテナを第1の側板側から見た側面図である。
図4】本発明の実施の形態に係るロール製品用コンテナの第1の使用形態を示す図であり、図4(A)は、ロール製品用コンテナを第2の側板側から見た場合の仕切り板に沿った縦断面図であり、図4(B)は、ロール製品用コンテナを第1の側板側から見た場合のロール製品の支管に沿った縦断面図である。
図5】本発明の実施の形態に係るロール製品用コンテナの第2の使用形態を示す図であり、図5(A)は、ロール製品用コンテナを第2の側板側から見た場合の仕切り板に沿った縦断面図であり、図5(B)は、ロール製品用コンテナを第1の側板側から見た場合のロール製品の支管に沿った縦断面図である。
図6】本発明の実施の形態に係るロール製品用コンテナの第3の使用形態を示す図であり、図6(A)は、ロール製品用コンテナを第2の側板側から見た場合の仕切り板に沿った縦断面図であり、図6(B)は、ロール製品用コンテナを第1の側板側から見た場合のロール製品の支管に沿った縦断面図である。
図7】本発明の実施の形態に係るロール製品用コンテナの第4の使用形態を示す図であり、図7(A)は、ロール製品用コンテナを第2の側板側から見た場合の仕切り板に沿った縦断面図であり、図7(B)は、ロール製品用コンテナを第1の側板側から見た場合のロール製品の支管に沿った縦断面図である。
図8】本発明の実施の形態に係るロール製品用コンテナの第5の使用形態を示す図であり、図8(A)は、ロール製品用コンテナを第2の側板側から見た場合の仕切り板に沿った縦断面図であり、図8(B)は、ロール製品用コンテナを第1の側板側から見た場合のロール製品の支管に沿った縦断面図である。
図9】本発明の実施の形態に係るロール製品用コンテナの第6の使用形態を示す図であり、図9(A)は、ロール製品用コンテナを第2の側板側から見た場合の仕切り板に沿った縦断面図であり、図9(B)は、ロール製品用コンテナを第1の側板側から見た場合のロール製品の支管に沿った縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
【0018】
図1図9は、本発明の実施の形態に係るロール製品用コンテナを示している。
【0019】
まず、本発明の実施の形態に係るロール製品用コンテナの構成について説明する。なお、本発明の実施の形態では、組み立て式のロール製品用コンテナを例示して本発明を説明する。
【0020】
本発明の実施の形態に係るロール製品用コンテナ1(以下、単にコンテナ1という)は、パレット11と、パレット11上に固定された下金枠21と、下金枠21内でパレット11上に載置される底板31と、下金枠21の内側に接するよう略四角筒状(四面構成の周壁状)に立設される複数の側板(一対の第1の側板41及び一対の第2の側板42)と、これら周壁状に立設された複数の側板41、42の上端開口部分を上方から塞ぐ上蓋51と、ロール製品91の支管を保持する一対の仕切り板61と、を有している。
【0021】
コンテナ1は、複数の側板41、42を連結して周壁状に立設したコンテナ形状に組み立てることが可能である。本明細書では、複数の側板41、42を連結して周壁状に立設したコンテナ1の形状を、組立形状ともいう。コンテナ1は、組立形状下で、パレット11上に載置された底板31及び複数の側板41、42に取り囲まれた物品収容空間2を形成する。また、物品収容空間2上部を上蓋51で覆うことで、物品収容空間2を六面が取り囲まれた略直方体形状とすることも可能である。物品収容空間2には、例えば、物流搬送対象であるロール製品91が収容される。
【0022】
パレット11の構成について説明する。
【0023】
パレット11は、コンテナ1の基台であって、フォークリフト等による荷役作業が可能な運搬台である。パレット11には、例えば樹脂やスチール等が用いられるが、その素材は特に限定されるものではない。また、パレット11の台部の形状や脚部の配置等は任意であるが、例えば、パレット11は所定の高さを有し、その四方側面に、フォークリフトの爪部(フォーク)が差し込まれるリフト用開口12が形成される。
【0024】
下金枠21の構成について説明する。
【0025】
下金枠21は、例えばスチール等の金属製の部材が溶接によって一体化された矩形枠体である。下金枠21は、パレット11の周縁に沿ってパレット11上面に重なるように固定されている。
【0026】
下金枠21は、例えばコンテナ1の返送等のために、周壁状に立設された複数の側板41、42の連結を解いた分解時においても、パレット11に固定されたままである。分解された複数の側板41、42は、下金枠21の矩形枠体内部において各面が底板31上に重なるように配置して収納することができる。本明細書では、複数の側板41、42が分解されて各面が底板31上に重なるように配置されたコンテナ1の形状を、収納形状ともいう。
【0027】
下金枠21は、パレット11上面の四隅に配置される4つのコーナー金具22と、4つのコーナー金具22に一体に結合された一対の第1の連結金枠23及び一対の第2の連結金枠24を有する。一対の第1の連結金枠23は平行に対向配置され、一対の第2の連結金枠24は平行に対向配置される。また、第1の連結金枠23と第2の連結金枠24とは直交する。すなわち、下金枠21は、4つのコーナー金具22を四隅とし、一対の第1の連結金枠23及び一対の第2の連結金枠24を四辺とした矩形枠体を構成する。
【0028】
四隅のコーナー金具22は、コンテナ1の組立形状において立設される4つの側板41、42の各下辺部の両端と係合することができる公知の構成を有する。例えば、コーナー金具22には位置決め溝又は孔が設けられており、4つの側板41、42には、コーナー金具22の位置決め溝又は孔に対応する位置に位置決めピンが設けられている。位置決め溝又は孔に位置決めピンを嵌合させることで、組立形状下で、コーナー金具22に4つの側板41、42が当接した状態で安定して位置決め保持される。
【0029】
一対の第1の連結金枠23及び一対の第2の連結金枠24は、コンテナ1の組立形状において立設される4つの側板41、42の各下辺部が外側に広がらないように、側板41、42に当接して支持することができる公知の構成を有する。
【0030】
下金枠21の第1の連結金枠23の外面中央部には、コンテナ1の収納形状において上蓋51のゴムバンド掛止金具55を掛止するゴムバンド受け金具25が設けられている。
【0031】
底板31の構成について説明する。
【0032】
底板31は、パレット11上面の下金枠21の矩形枠体内部に載置され、組立形状下で形成される物品収容空間2の下面を規定する板状部材である。底板31には、例えばプラスチック製ダンボール(プラダンと略されることがある)等が用いられるが、その素材は特に限定されるものではない。
【0033】
複数の側板41、42の構成について説明する。
【0034】
側板41、42は、パレット11上に立設された組立形状下で、略四角筒状の物品収容空間2を形成するよう、互いに対面する一対の側板(一対の第1の側板41)と、一対の第1の側板41の間で互いに対面する一対の側板(一対の第2の側板42)とによって構成されている。
【0035】
第1の側板41の構成について説明する。
【0036】
第1の側板41は、枠材411と、枠材411の上辺部と下辺部とを接続する補強部材412と、枠材411と補強部材412によって取り囲まれた内側に展延する平板状の側面材413とを含んで構成されている。例えば、枠材411や補強部材412にはスチール等が用いられ、側面材413にはプラダン等が用いられるが、これらの素材は特に限定されるものではない。
【0037】
対面する一対の第1の側板41の各々には、第1の側板41の内面側(物品収容空間2側)に、溝形成部材414A、414Bが対向配置されている。溝形成部材414A、414Bは、コンテナ1の組立形状における鉛直方向に延伸する部材であり、枠材411の上辺部及び下辺部の各々に溶接によって接合されている。
【0038】
溝形成部材414A、414Bは、例えば板状部材を屈曲して形成された断面凹形状を有し、その断面凹形状が物品収容空間2側に開口する向きに設けられる。溝形成部材414A、414Bの断面凹形状は、仕切り板61の側面支柱部材62の形状(例えば、角筒形状)に合わせた形状であり、仕切り板61の側面支柱部材62を上方から嵌挿することができる溝を形成している。
【0039】
対向配置された一対の溝形成部材414A、414Bは、第1の側板41内面に、第1の側板41の長手方向(コンテナ1の組立形状における水平方向)に所定の距離だけ離隔した少なくとも2箇所に設けられる。換言すると、溝形成部材414A、414Bは、一方の第1の側板41内面において所定の距離だけ離隔した2箇所に設けられるとともに、対面する他方の第1の側板41内面において所定の距離だけ離隔した2箇所に設けられ、合計少なくとも4箇所に設けられる。
【0040】
同一の側板41に配置される2つの溝形成部材414A、414Bの間の距離は、ロール製品91の軸方向両端部に突出した支管端部92間の距離に応じて定められる。本発明の実施の形態に係るコンテナ1では、図示されているように、軸方向両端部に突出した支管端部92間の距離が異なるロール製品91を支持可能とするため、合計8箇所に溝形成部材414A、414Bが設けられている。具体的には、支管端部92間の距離が相対的に長いロール製品用の溝形成部材414Aが、第1の側板41の長手方向両端部に近い側の4箇所に設けられており、支管端部92間の距離が相対的に短いロール製品用の4つの溝形成部材414Bがその内側の4箇所に設けられている。
【0041】
また、コンテナ1の組立形状において、第2の側板42に設けられた後述の取付金具423が第1の側板41の枠部材411の両側上端部に係合することによって、第1の側板41と第2の側板42とが連結されるようになっている。コンテナ1の組立形状において第1の側板41が立設された状態では、第1の側板41の両側下端部が、公知の構成によってコーナー金具22と係合するようになっている。
【0042】
第1の側板41の補強部材412の外面中央部には、コンテナ1の組立形状において上蓋51のゴムバンド掛止金具55を掛止するゴムバンド受け金具415が設けられている。
【0043】
第2の側板42の構成について説明する。
【0044】
第2の側板42は、枠材421と、枠材421によって取り囲まれた内側に展延する平板状の側面材422とを含んで構成されている。例えば、枠材421にはスチール等が用いられ、側面材422にはプラダン等が用いられるが、これらの素材は特に限定されるものではない。
【0045】
第2の側板42の枠材421の両側上端部には、取付金具423が装着されている。取付金具423は、第2の側板42の側面材422に垂直な方向を回動軸として回動可能なように構成されている。取付金具423を回動させて、第1の側板41の枠部材411の両側上端部に着脱自在に係合させることで、第1の側板41と第2の側板42とが容易に連結され、かつその連結が容易に解除されるようになっている。なお、第1の側板41と第2の側板42とを連結させる連結固定機構は、この構成に限定されるものではなく、他の公知の構成であってもよい。
【0046】
コンテナ1の組立形状において第2の側板42が立設された状態では、第2の側板42の両側下端部が、公知の構成によってコーナー金具22と係合するようになっている。
【0047】
コンテナ1の組立形状においては、一対の第1の側板41が対面して立設され、第2の側板42が対面して立設される。このとき、各側板41、42の上部が略同一の高さとなるようにすることで、上蓋51が安定して配置できるようになる。
【0048】
上蓋51の構成について説明する。
【0049】
上蓋51は、コンテナ1の組立形状において、底板31及び4つの側板41、42に取り囲まれて形成される物品収容空間2の上端開口部分を上方から閉塞する平板状の部材である。上蓋51は、枠材52と、枠材52内部に延在する平板状の天板材53とが一体となって構成される。例えば、枠材52にはスチール等が用いられ、天板材53にはプラダン等が用いられるが、これらの素材は特に限定されるものではない。
【0050】
上蓋51の枠材52の外面中央部には、ゴムバンド掛止金具55を備えたゴムバンド54が設けられている。ゴムバンド54は、上蓋51を固定するための固定機構の一例である。ゴムバンド掛止金具55は、コンテナ1の収納形状においては、下金枠21に設けられたゴムバンド受け金具25に掛止され、コンテナ1の組立形状においては、第1の側板41に設けられたゴムバンド受け金具415に掛止される。これにより、コンテナの収納形状及び組立形状のいずれにおいても、上蓋51を容易に外れないように固定することができる。なお、上蓋51を固定するための固定機構は、この構成に限定されるものではなく、他の公知の構成であってもよい。
【0051】
仕切り板61の構成について説明する。
【0052】
仕切り板61は、一対の側面支柱部材62と、支柱連結部材63と、複数の連結部材64A、64Bとが組み合わされて、全体として板状の枠組みが形成されている。これらの各部材は溶接によって一体に連結されている。これらの各部材には、例えばスチール等が用いられるが、その素材は特に限定されるものではない。
【0053】
一対の側面支柱部材62は、仕切り板61の両側面を構成する棒状部材であり、例えば、角筒形状の棒状部材である。側面支柱部材62は、第1の側板41の溝形成部材414A、414Bにより形成された溝に上方から嵌挿可能な形状になっている。
【0054】
また、側面支柱部材62の長手方向の寸法は、物品収容空間2の高さ(物品収容空間2の下面から上部開口部までの寸法)より短く、物品収容空間2内に仕切り板61を立設した際に、仕切り板61が物品収容空間2内に収まるようになっている。
【0055】
支柱連結部材63は、一対の側面支柱部材62を連結する部材である。支柱連結部材63の長手方向側端部は、一対の側面支柱部材62の各々と略垂直に接合されている。一対の側面支柱部材62は、一対の溝形成部材414A、414Bに同時に嵌挿されて保持されるよう、支柱連結部材63によって連結される。換言すると、支柱連結部材63は、一対の側面支柱部材62の各々が対向する一対の溝形成部材414A、414Bの各々に嵌挿可能な寸法となっている。この構成により、仕切り板61は、第1の側板41に設けられた一対の溝形成部材414A、414Bに差し込まれて立設可能となる。
【0056】
複数の連結部材64A、64Bは、仕切り板61の枠組みを補強するとともに、第1の支管受け部65A及び第2の支管受け部65Bを配置できる空間を形成するように組み合わされている。複数の連結部材64A、64Bは、図示されているように、例えば略L字形状に接合された部材である。
【0057】
連結部材64Aは、図示されているように、支柱連結部材63の上方側(側面支柱部材62の長手方向一方側)において、略L字形状の端部がそれぞれ側面支柱部材62及び支柱連結部材63に接合されている。略L字形状の連結部材64Aは一対設けられ、側面支柱部材62と略平行な部材が離隔するよう配置されることで、支柱連結部材63の上方側に、連結部材64Aと支柱連結部材63で囲まれた断面凹形状の空間が形成される。このように形成された断面凹形状の空間には、第1の支管受け部65Aが配置される。
【0058】
また、連結部材64Bは、図示されているように、支柱連結部材63の下方側(側面支柱部材62の長手方向他方側)において、略L字形状の端部がそれぞれ側面支柱部材62及び支柱連結部材63に接合されている。略L字形状の連結部材64Bは一対設けられ、側面支柱部材62と略平行な部材が離隔するよう配置されることで、支柱連結部材63の下方側に、連結部材64Bと支柱連結部材63で囲まれた断面凹形状の空間が形成される。このように形成された断面凹形状の空間には、第2の支管受け部65Bが配置される。
【0059】
後述するように、第1の支管受け部65Aと第2の支管受け部65Bは、それぞれ異なる外径寸法の支管端部92を支持するように構成されており、第1の支管受け部65Aの断面寸法と第2の支管受け部65Bの断面寸法は異なっている。これに合わせて、連結部材64Aの寸法は、第1の支管受け部65Aと接合できるように設計され、連結部材64Bの寸法は、第2の支管受け部65Bと接合できるように設計される。
【0060】
第1の支管受け部65Aは、ロール製品91の軸方向両端部に突出した支管端部92を支持する部材であり、支管端部92の断面円形状に合わせて略U字形状に成形されている。例えば第1の支管受け部65Aの基材にはスチール等が用いられ、支管端部92が当接する内面側がゴム等の緩衝材で覆われた構成を有しているが、これらの素材に限定されるものではない。
【0061】
上述したように、第1の支管受け部65Aは、一対の連結部材64Aと支柱連結部材63で囲まれた断面凹形状の空間に配置されて、支柱連結部材63及び連結部材64Aと接合されている。また、第1の支管受け部65Aは、その略U字形状の開口部が支柱連結部材63の上方側(側面支柱部材62の長手方向一方側)に開くように配置される。
【0062】
第1の支管受け部65Aの略U字形状の開口部を閉塞するように、支管押さえ部材66Aが設けられている。支管押さえ部材66Aには、第1の支管受け部65Aにより支持された支管の側端面が当接する位置に、ストッパ部材67Aが一体に設けられている。支管押さえ部材66A及びストッパ部材67Aは、例えばスチールやゴムを組み合わせて構成されるが、これらの素材に限定されるものではない。
【0063】
支管押さえ部材66Aは、連結部材64Aに回動軸部で装着され、連結部材64Aに対して回動可能なように構成されている。支管押さえ部材66Aは、連結部材64Aに対して回動軸部を中心として回動することで、第1の支管受け部65Aの開口部を開放又は閉塞できるようになっている。
【0064】
また、支管押さえ部材66Aが第1の支管受け部65Aの開口部を閉塞した状態を維持できるよう、支管押さえ部材66Aの回動先端側には固定板68Aが設けられており、連結部材64Aには固定板68Aの位置を固定する固定機構が設けられている。
【0065】
固定機構は、例えば丸落とし金具70Aであり、連結部材64Aに固定された固定金具71Aと、固定金具71Aに摺動可能に保持されたストッパ付のスライドピン72とを有している。スライドピン72Aは、支柱連結部材63の長手方向に延伸する部材であり、支柱連結部材63の長手方向に沿って摺動可能である。
【0066】
より詳細には、スライドピン72Aは、支管押さえ部材66Aの固定板68Aの上方を覆うように突出した状態となる固定側停止位置と、固定板68Aの上方から離れて退避した状態となる解除側停止位置とに移動可能である。支管押さえ部材66Aが第1の支管受け部65Aの開口部を閉塞した状態のときに、スライドピン72Aを固定側停止位置に移動させると、スライドピン72Aは支管押さえ部材66Aの回動先端側に設けられた固定板68Aの上方に移動する。このとき、スライドピンの側面が固定板68Aに当接し、支管押さえ部材66Aの回動が規制される。また、スライドピン72Aを解除側停止位置に移動させると、スライドピンの側面の固定板68Aへの当接が解除され、支管押さえ部材66Aは回動可能となる。
【0067】
一方、第2の支管受け部65Bは、一対の連結部材64Bと支柱連結部材63で囲まれた断面凹形状の空間に配置されて、支柱連結部材63及び連結部材64Bと接合されている。第2の支管受け部65Bは、その略U字形状の開口部が支柱連結部材63の下方側(側面支柱部材62の長手方向他方側)に開くように配置される。
【0068】
第2の支管受け部65Bは、第1の支管受け部65Aと同様に、ロール製品の軸方向両端部に突出した支管端部92を支持する部材である。ただし、第2の支管受け部65Bの断面寸法は、第1の支管受け部65Aの断面寸法とは異なっており、第2の支管受け部65Bは、第1の支管受け部65Aとは異なる外径寸法の支管端部92を支持するように構成されている。より具体的には、例えば、第2の支管受け部65Bの断面寸法は第1の支管受け部65Aの断面寸法よりも小さく、第2の支管受け部65Bは、第1の支管受け部65Aが支持する支管端部92よりも外径寸法の小さい支管端部92を支持するように構成されている。一例として、第1の支管受け部65Aは外径寸法が6インチ(152.4mm)の支管端部92を好適に支持することができ、第2の支管受け部65Bは外径寸法が3インチ(76.2mm)の支管端部92を好適に支持することができる。
【0069】
第2の支管受け部65B周辺の構成は、第1の支管受け部65A周辺の構成と酷似している。例えば、第2の支管受け部65Bの略U字形状の開口部を閉塞するように、支管押さえ部材66B及びストッパ部材67Bが設けられている。また、固定機構(例えば、丸落とし金具70B)によって、支管押さえ部材66Bの回動が固定又は固定解除されるようになっている。これらの構成については、第1の支管受け部65A周辺の構成と同様であり、詳細な説明は省略する。
【0070】
仕切り板61は、第1の支管受け部65Aの開口部がコンテナ1の上方に向けて開くように、一対の溝形成部材414A、414Bに差し込んで物品収容空間2内に立設できるようになっている。このような立設状態における仕切り板61の高さは、第1の支管受け部65Aによって支持されたロール製品の支管がコンテナ1の高さ方向略中央部に位置するように設計される。
【0071】
また、仕切り板61は、上下反転させた状態においても、第2の支管受け部65Bの開口部がコンテナ1の上方に向けて開くように、一対の溝形成部材414A、414Bに差し込んで物品収容空間2内に立設できるようになっている。このような立設状態における仕切り板61の高さは、第2の支管受け部65Bによって支持されたロール製品の支管がコンテナ1の高さ方向略中央部に位置するように設計される。
【0072】
次に、仕切り板61を上下反転させることでロール製品91の異なる種類の支管を支持可能とする構成及び作用と、複数の使用形態について説明する。
【0073】
上述のように構成された本実施の形態のロール製品用コンテナ1では、仕切り板61が第1の側板41の内面に設けられた溝形成部材414A、414Bに着脱自在に嵌挿可能であり、物品収容空間2内に立設できるようになっている。また、仕切り板61は、上下反転させた状態においても、溝形成部材414A、414Bに着脱自在に嵌挿可能であり、物品収容空間2内に立設できるようになっている。このように仕切り板61を上下反転させることで、収容対象であるロール製品91の支管端部92の外径寸法に応じて、仕切り板61の立設状態を異なる2つの立設状態間で切り替えることができる。
【0074】
具体的には、仕切り板61を上下反転させることで、仕切り板61の立設状態は、第1の支管受け部65Aの開口部がコンテナ1の上方に開いた第1の立設状態と、第2の支管受け部65Bの開口部がコンテナ1の上方に開いた第2の立設状態との間で適宜切り替え可能である。第1の立設状態では、第1の支管受け部65Aによって支管端部92を支持することができる。一方、第2の立設状態では、第2の支管受け部65Bによって支管端部92を支持することができる。
【0075】
第1の支管受け部65A及び第2の支管受け部65Bは、それぞれ異なる外径寸法の支管端部92を好適に支持することができるようになっている。第1の支管受け部65Aに好適な支管端部92を支持する場合には仕切り板61の立設状態を第1の立設状態とし、第2の支管受け部65Bに好適な支管端部92を支持する場合には仕切り板61の立設状態を第2の立設状態とすることで、異なる外径寸法の支管端部92を持つ複数種類のロール製品91に対応したコンテナ1が実現される。
【0076】
また、仕切り板61は、異なる外径寸法の支管端部92を支持する複数の支持機構を一体として含んでおり、異なる外径寸法の支管端部92を共通した仕切り板61で支持できるようになっている。したがって、本発明に係る仕切り板61を用いれば、異なる外径寸法の支管端部92に合わせた複数の支持部材等を個別に作成したり個別に管理したりする必要はない。支管端部92の外径寸法に合わせて仕切り板61を上下反転させればよく、別の部品に交換する等の手間も生じない。
【0077】
以下、第1~第6の使用形態について説明する。
【0078】
なお、第1~第6の使用形態では、第1の支管受け部65Aは、例えば6インチ(152.4mm)の外径寸法である支管の支管端部92を好適に支持するものであり、第2の支管受け部65Bは、例えば3インチ(76.2mm)の外径寸法である支管の支管端部92を好適に支持するものである。
【0079】
また、同一側面に設けられる溝形成部材414Aの離間距離は、例えば1600mmの支管長を有する支管(以下、長尺支管ともいう)の支管端部92を支持できる位置に仕切り板61が立設されるように設定されている。より具体的には、一例として、溝形成部材414Aに嵌挿された立設時に対面する一対の仕切り板61間の距離が1540mmとなるように、溝形成部材414Aの離間距離が設定されている。
【0080】
また、同一側面に設けられる溝形成部材414Bの離間距離は、例えば1450mmの支管長を有する支管(以下、短尺支管ともいう)の支管端部92を支持できる位置に仕切り板61が立設されるように設定されている。より具体的には、一例として、溝形成部材414Bに嵌挿された立設時に対面する一対の仕切り板61間の距離が1390mmとなるように、溝形成部材414Bの離間距離が設定されている。
【0081】
第1の使用形態について説明する。
【0082】
図4(A)、(B)に図示されている第1の使用形態では、外径寸法が6インチの長尺支管がコンテナ1に収容される。
【0083】
第1の使用形態に係るコンテナ1は、2つの仕切り板61を第1の支管受け部65Aの開口部を上向きにして、対向配置された一対の溝形成部材414Aの各々に上方から嵌挿することで、2つの仕切り板61が物品収容空間2内に立設された状態となっている。なお、この状態では、開口部が下向きとなる第2の支管受け部65Bは使用されない。
【0084】
コンテナ1にロール製品91を収容する際には、まず、2つの仕切り板61の各々の支管押さえ部材66Aを回動して、第1の支管受け部65Aの開口部を開放する。そして、2つの仕切り板61の各々の第1の支管受け部65Aに、ロール製品91の軸方向両端部に突出した支管端部92を載置し、第1の支管受け部65Aの開口部を支管押さえ部材66Aによって閉塞固定する。
【0085】
ロール製品91の支管は、第1の支管受け部65A及び支管押さえ部材66Aによって断面円形状の径方向への移動が規制され、ストッパ部材67Aによって軸方向への移動が規制される。これにより、ロール製品91を物品収容空間2内で固定できるようになる。
【0086】
第2の使用形態について説明する。
【0087】
図5(A)、(B)に図示されている第2の使用形態では、外径寸法が6インチの短尺支管がコンテナ1に収容される。
【0088】
第2の使用形態に係るコンテナ1は、2つの仕切り板61を第1の支管受け部65Aの開口部を上向きにして、対向配置された一対の溝形成部材414Bの各々に上方から嵌挿することで、2つの仕切り板61が物品収容空間2内に立設された状態となっている。なお、この状態では、開口部が下向きとなる第2の支管受け部65Bは使用されない。
【0089】
コンテナ1にロール製品91を収容する際には、第1の使用形態と同様に、第1の支管受け部65Aに支管端部92を載置し、第1の支管受け部65Aの開口部を支管押さえ部材66Aによって閉塞固定する。これにより、ロール製品91を物品収容空間2内で固定できるようになる。
【0090】
第3の使用形態について説明する。
【0091】
図6(A)、(B)に図示されている第3の使用形態では、外径寸法が6インチの短尺支管がコンテナ1に収容される。ただし、第3の使用形態でコンテナ1に収容するロール製品91の製品幅は、第2の使用形態でコンテナ1に収容するロール製品91の製品幅よりも短い。
【0092】
第3の使用形態の収容対象であるロール製品91は、第2の使用形態の収容対象であるロール製品91とは製品幅が異なっているが、支管の寸法及び形状は同一である。したがって、第3の使用形態に係るコンテナ1は、第2の使用形態に係るコンテナ1と同様に、2つの仕切り板61を第1の支管受け部65Aの開口部を上向きにして、対向配置された一対の溝形成部材414Bの各々に上方から嵌挿して、2つの仕切り板61を物品収容空間2内に立設させればよい。なお、開口部が下向きとなる第2の支管受け部65Bは使用されない。
【0093】
コンテナ1にロール製品91を収容する際には、第1及び第2の使用形態と同様に、第1の支管受け部65Aに支管端部92を載置し、第1の支管受け部65Aの開口部を支管押さえ部材66Aによって閉塞固定する。これにより、ロール製品91を物品収容空間2内で固定できるようになる。
【0094】
第4の使用形態について説明する。
【0095】
図7(A)、(B)に図示されている第4の使用形態では、外径寸法が3インチの長尺支管がコンテナ1に収容される。
【0096】
第4の使用形態では、上述した第1の使用形態で立設された仕切り板61を上下反転させた状態で、仕切り板61を立設させる。すなわち、第4の使用形態に係るコンテナ1は、2つの仕切り板61を第2の支管受け部65Bの開口部を上向きにして、対向配置された一対の溝形成部材414Aの各々に上方から嵌挿することで、2つの仕切り板61が物品収容空間2内に立設された状態となっている。なお、開口部が下向きとなる第1の支管受け部65Aは使用されない。
【0097】
コンテナ1にロール製品91を収容する際には、まず、2つの仕切り板61の各々の支管押さえ部材66Bを回動して、第2の支管受け部65Bの開口部を開放する。そして、2つの仕切り板61の各々の第2の支管受け部65Bに、ロール製品91の軸方向両端部に突出した支管端部92を載置し、第2の支管受け部65Bの開口部を支管押さえ部材66Bによって閉塞固定する。
【0098】
ロール製品91の支管は、第2の支管受け部65B及び支管押さえ部材66Bによって断面円形状の径方向への移動が規制され、ストッパ部材67Bによって軸方向への移動が規制される。これにより、ロール製品91を物品収容空間2内で固定できるようになる。
【0099】
第5の使用形態について説明する。
【0100】
図8(A)、(B)に図示されている第5の使用形態では、外径寸法が3インチの短尺支管がコンテナ1に収容される。
【0101】
第5の使用形態では、上述した第2の使用形態で立設された仕切り板61を上下反転させた状態で、仕切り板61を立設させる。すなわち、第5の使用形態に係るコンテナ1は、2つの仕切り板61を第2の支管受け部65Bの開口部を上向きにして、対向配置された一対の溝形成部材414Bの各々に上方から嵌挿することで、2つの仕切り板61が物品収容空間2内に立設された状態となっている。なお、開口部が下向きとなる第1の支管受け部65Aは使用されない。
【0102】
コンテナ1にロール製品91を収容する際には、第4の使用形態と同様に、第2の支管受け部65Bに支管端部92を載置し、第2の支管受け部65Bの開口部を支管押さえ部材66Bによって閉塞固定する。これにより、ロール製品91を物品収容空間2内で固定できるようになる。
【0103】
第6の使用形態について説明する。
【0104】
図9(A)、(B)に図示されている第6の使用形態では、外径寸法が3インチの短尺支管がコンテナ1に収容される。ただし、第6の使用形態でコンテナ1に収容するロール製品91の製品幅は、第5の使用形態でコンテナ1に収容するロール製品91の製品幅よりも短い。
【0105】
第6の使用形態の収容対象であるロール製品91は、第5の使用形態の収容対象であるロール製品91とは製品幅が異なっているが、支管の寸法及び形状は同一である。したがって、第6の使用形態に係るコンテナ1は、第5の使用形態に係るコンテナ1と同様に、2つの仕切り板61を第2の支管受け部65Bの開口部を上向きにして、対向配置された一対の溝形成部材414Bの各々に上方から嵌挿して、2つの仕切り板61を物品収容空間2内に立設させればよい。なお、開口部が下向きとなる第1の支管受け部65Aは使用されない。
【0106】
コンテナ1にロール製品91を収容する際には、第4及び第5の使用形態と同様に、第2の支管受け部65Bに支管端部92を載置し、第2の支管受け部65Bの開口部を支管押さえ部材66Bによって閉塞固定する。これにより、ロール製品91を物品収容空間2内で固定できるようになる。
【0107】
なお、本発明のロール製品用コンテナ1は、上述した本実施の形態に限定されるものではない。例えば、上述した本実施の形態では、第1の支管受け部65A及び第2の支管受け部65Bをそれぞれ1つずつ設けているが、例えば、第1の支管受け部65A又は第2の支管受け部65Bを2つ以上設けて、一度に2つ以上のロール製品91を支持できるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0108】
1 ロール製品用コンテナ(コンテナ)
2 物品収容空間
11 パレット
12 リフト用開口
21 下金枠
22 コーナー金具
23 第1の連結金枠
24 第2の連結金枠
25、415 ゴムバンド受け金具
31 底板
41 第1の側板
42 第2の側板
51 上蓋
52、411、421 枠材
53 天板材
54 ゴムバンド
55 ゴムバンド掛止金具
61 仕切り板
62 側面支柱部材
63 支柱連結部材
64A、64B 連結部材
65A 第1の支管受け部
65B 第2の支管受け部
66A、66B 支管押さえ部材
67A、67B ストッパ部材
70A、70B 丸落とし金具(固定機構)
71A 固定金具
72A スライドピン
91 ロール製品
92 支管端部
412 補強部材
413、422 側面材
414A、414B 溝形成部材
423 取付金具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9