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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-15
(45)【発行日】2023-08-23
(54)【発明の名称】放熱器、冷却装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/36 20060101AFI20230816BHJP
   H01L 23/473 20060101ALI20230816BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20230816BHJP
【FI】
H01L23/36 Z
H01L23/46 Z
H05K7/20 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019227473
(22)【出願日】2019-12-17
(65)【公開番号】P2021097135
(43)【公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000004455
【氏名又は名称】株式会社レゾナック
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100173598
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 桜子
(72)【発明者】
【氏名】田村 忍
【審査官】庄司 一隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-130578(JP,A)
【文献】登録実用新案第3161149(JP,U)
【文献】特開2015-225953(JP,A)
【文献】特開平07-161882(JP,A)
【文献】特開2015-014340(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/36
H01L 23/473
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
凹んだ凹部が各々に形成された複数のフィンと、
前記複数のフィンの各々の前記凹部に挿入され当該複数のフィンを連結する連結部材と、
を備え、
前記連結部材は、前記複数のフィンの各々の前記凹部に挿入され当該複数のフィンに架け渡される基部と、当該基部から突出して設けられ当該複数のフィンの各々の当該凹部に挿入される凸部とを有し、
前記基部は、前記凸部に対して傾斜している
放熱器。
【請求項2】
前記基部には、先端を有する角部が設けられ、
前記角部は、前記フィンの前記凹部に接触して当該凹部を押圧する
請求項1に記載の放熱器。
【請求項3】
前記フィンの前記凹部は、開口が形成された第1部と、当該第1部よりも深部に設けられ当該第1部の当該開口よりも幅が狭い開口が形成された第2部とを有し、
前記凸部は、前記第2部に挿入され、前記基部は、前記第1部に挿入される
請求項1に記載の放熱器。
【請求項4】
前記基部と前記凸部との間に設けられ、当該凸部に対して、当該基部とは反対方向に傾斜する中間部を有し、
前記中間部の少なくとも一部は、前記フィンの前記凹部に接触して当該凹部を押圧する
請求項1記載の放熱器。
【請求項5】
前記中間部のうちの前記凹部を押圧する部分は、曲面形状である
請求項4に記載の放熱器。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れかに記載の放熱器と、
前記放熱器を収容し、当該放熱器における複数のフィン間に冷却液が流通するケースと、
を備える冷却装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放熱器、冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電気自動車、ハイブリッド自動車、電車などに搭載される電力制御装置に用いられるIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などのパワーデバイス(半導体素子)を冷却する液冷式冷却装置用の放熱器として、複数のフィンプレートを有する物が提案されている。
例えば、特許文献1には、フィンプレートに爪部を形成するためのかしめ加工は、係止溝に連結部品の基部を差し込んだ後に、フィンプレートの板幅方向の端面における開口端の近傍を、その周囲よりも陥没するように押し込むことにより行われることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6274709号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数のフィンを用いてパワーデバイス等の発熱体を冷却する装置においては、複数のフィンが並んで設けられる。ここで、複数のフィンを並べて位置決めすることがあるが、この位置決めは、簡易な工程により行われることが望ましい。
本発明は、簡易な工程により複数のフィンが位置決めされた放熱器等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的のもと完成させた本発明は、凹んだ凹部が各々に形成された複数のフィンと、前記複数のフィンの各々の前記凹部に挿入され当該複数のフィンを連結する連結部材と、を備え、前記連結部材は、前記複数のフィンの各々の前記凹部に挿入され当該複数のフィンに架け渡される基部と、当該基部から突出して設けられ当該複数のフィンの各々の当該凹部に挿入される凸部とを有し、前記基部は、前記凸部に対して傾斜している放熱器である。
ここで、前記基部には、先端を有する角部が設けられ、前記角部は、前記フィンの前記凹部に接触して当該凹部を押圧しても良い。
また、前記フィンの前記凹部は、開口が形成された第1部と、当該第1部よりも深部に設けられ当該第1部の当該開口よりも幅が狭い開口が形成された第2部とを有し、前記凸部は、前記第2部に挿入され、前記基部は、前記第1部に挿入されても良い。
また、前記基部と前記凸部との間に設けられ、当該凸部に対して、当該基部とは反対方向に傾斜する中間部を有し、前記中間部の少なくとも一部は、前記フィンの前記凹部に接触して当該凹部を押圧しても良い。
また、前記中間部のうちの前記凹部を押圧する部分は、曲面形状であっても良い。
また、他の観点から捉えると、本発明は、上述した放熱器と、前記放熱器を収容し、当該放熱器における複数のフィン間に冷却液が流通するケースと、を備える冷却装置である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、簡易な工程により複数のフィンが位置決めされた放熱器等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施形態に係る液冷式冷却装置の斜視図である。
図2図1のII-II部の断面図である。
図3図2のIII-III部の断面図である。
図4】放熱器の斜視図である。
図5】(a)は、フィンの斜視図であり、(b)は、フィンの板面に直交する方向から凹部を眺めた場合の図である。
図6】(a)は、連結部材の斜視図であり、(b)は、(a)のVI-VI断面図である。
図7】(a)、(b)は、連結部材をフィンに挿入する方法について説明するための図である。
図8】(a)は、フィンの変形例を示した図であり、(b)は、変形例のフィンの板面に直交する方向からフィンの凹部を眺めた場合の図である。
図9】(a)、(b)は、連結部材をフィンの凹部に挿入する方法について説明するための図である。
図10】(a)は、第2の実施形態に係る連結部材の斜視図であり、(b)は、(a)のX-X部の断面図である。
図11】(a)、(b)は、連結部材をフィンの凹部に挿入する方法について説明するための図である。
図12】(a)、(b)は、連結部材をフィンの凹部に挿入する方法について説明するための図である。
図13】(a)は、連結部材の変形例を示した図であり、(b)、(c)は、変形例における連結部材がフィンの凹部に引っ掛かっているときの図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、実施の形態について詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係る液冷式冷却装置1の斜視図である。
図2は、図1のII-II部の断面図である。
図3は、図2のIII-III部の断面図である。
図4は、放熱器10の斜視図である。
本実施形態に係る液冷式冷却装置1は、矩形状の複数のフィン11を有する放熱器10と、放熱器10を収納するケース20と、を備えている。また、液冷式冷却装置1は、ケース20の外部から内部に冷却液を流入させる入口ジョイント30と、ケース20の内部から外部に冷却液を流出させる出口ジョイント40と、を備えている。以下では、矩形状のフィン11の長手方向を左右方向、フィン11の短手方向を上下方向、複数のフィン11の並び方向を前後方向と称する場合がある。
【0009】
液冷式冷却装置1は、平板状の絶縁部材Iを介してケース20の外面(本実施の形態においては上面)に装着された発熱体Pを、ケース20の内部に流通させる冷却液及び放熱器10を用いて冷却する装置である。発熱体Pは、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor))等のパワー半導体デバイスであることを例示することができる。また、発熱体Pは、IGBTと、このIGBTを制御する制御回路とがパッケージ化されたIGBTモジュールや、このIGBTモジュールと自己保護機能とがパッケージ化されたインテリジェントパワーモジュールであることを例示することができる。
【0010】
(放熱器10)
放熱器10は、板状であって板面に直交する方向に並んだ複数のフィン11と、複数のフィン11を連結する連結部材12とを有する。
フィン11は、フィン11の短手方向が図1に示した上下方向、フィン11の長手方向が図1に示した左右方向となるように配置されている。また、複数のフィン11は、フィン11の表面に直交する方向に、予め定められた間隔(以下、「所定間隔」と称する場合がある。)で並べられている。複数のフィン11は、並び方向が図1に示した前後方向となるように配置されている。
【0011】
連結部材12は、棒状であり、複数のフィン11にわたって挿入されることで、この複数のフィン11を連結する。連結部材12は、少なくとも放熱器10がケース20に固定されるまで複数のフィン11を位置決めする、いわゆる複数のフィン11の仮止めに用いられる。連結部材12は、複数のフィン11の並び方向にわたって設けられている。また、本実施形態では、複数の連結部材12がフィン11に挿入されている。より具体的には、フィン11の長手方向における両端部の各々であり且つ、フィン11の短手方向における両端部の各々に、それぞれ連結部材12が挿入されている。
なお、フィン11および連結部材12の構成については、後に詳述する。
【0012】
放熱器10の材質は、アルミニウム又はアルミニウム合金等のアルミニウム材であることを例示することができる。また、放熱器10の材質は、銅、アルミニウム又はアルミニウム合金とカーボンとの複合材であっても良い。また、フィン11の部分がアルミニウムカーボン複合材で、連結部材12がアルミニウム材であっても良い。特に、本実施形態の連結部材12は、弾性を有する材料により構成される。
また、放熱器10の板厚は、0.3~1.2mmであることを例示することができる。液冷式冷却装置1全体の大きさや、ケース20を流通する冷却液の種類、又はフィン11の熱伝導率に応じて適宜変更される。
【0013】
放熱器10は、複数のフィン11の上端部がケース本体21の頂部21aにおける、発熱体Pが装着される面とは反対側の面(下面)にろう付され、複数のフィン11の下端部がカバー22の上面にろう付されることで、ケース20内に固定される。ろう付する際には、複数のフィン11の上端部とケース本体21とのろう付、複数のフィン11の下端部とカバー22とのろう付、ケース本体21とカバー22とのろう付を全て同時に行うことを例示することができる。
【0014】
(ケース20)
ケース20は、絶縁部材Iを介して発熱体Pが装着されるケース本体21と、ケース本体21の開口部を覆うカバー22とを備えている。
ケース本体21は、平板状の頂部21aと、頂部21aにおける各端部から頂部21aに直交する方向(下方)に突出した側部21bと、側部21bにおける各端部から側部21bに直交する方向に外側に突出したフランジ部21cとを有している。頂部21aにおける、側部21bが設けられた側と反対側の面(上面)の中央部に、絶縁部材Iを介して発熱体Pが装着される。そして、頂部21aにおける、絶縁部材I及び発熱体Pが配置される部位よりも左右方向それぞれの外側には、ケース20の内部と外部とを連通するように貫通された、入口用貫通孔21dと出口用貫通孔21eとが形成されている。
【0015】
カバー22は、平板状であり、かつ、矩形状であり、ケース本体21のフランジ部21cよりも大きい。カバー22における4つの角部には、液冷式冷却装置1を他の部材に取り付けるためのボルト等を通す貫通孔22aが形成されている。
【0016】
ケース20は、ケース本体21のフランジ部21cとカバー22とがろう付されることで、内部に放熱器10を収納可能なように箱状に構成される。ケース本体21及びカバー22は、アルミニウムブレージングシートを使用して成形されることを例示することができる。その際、少なくとも、互いに対向する一面にろう材層が位置する。
そして、ケース本体21とカバー22とがろう付されることで、ケース20内における入口用貫通孔21dよりも下方には流入側空間23が形成され、ケース20内における出口用貫通孔21eよりも下方には流出側空間24が形成される。
【0017】
(入口ジョイント30)
入口ジョイント30は、円筒状の円筒状部31と、直方体状の直方体状部32とを有し、冷却液を流通させることが可能なように、内部が空洞に形成されている。円筒状部31の一方の端部(右端部)は開口しており、他方の端部は直方体状部32と接続している。直方体状部32における一面(下面)には、入口ジョイント30の内部と外部とを連通する貫通孔33が形成されている。入口ジョイント30は、貫通孔33が形成された面が、ケース本体21の頂部21aにおける発熱体Pが装着された面(上面)上に載せられた状態で、ケース本体21にろう付される。その際、入口ジョイント30の貫通孔33と、ケース本体21の入口用貫通孔21dとを介して、入口ジョイント30の内部とケース本体21の内部とが連通される。
【0018】
(出口ジョイント40)
出口ジョイント40は、円筒状の円筒状部41と、直方体状の直方体状部42とを有し、冷却液を流通させることが可能なように、内部が空洞に形成されている。円筒状部41の一方の端部(左端部)は開口しており、他方の端部は直方体状部42と接続している。直方体状部42における一面(下面)には、出口ジョイント40の内部と外部とを連通する貫通孔43が形成されている。出口ジョイント40は、貫通孔43が形成された面が、ケース本体21の頂部21aにおける発熱体Pが装着された面(上面)上に載せられた状態で、ケース本体21にろう付される。その際、出口ジョイント40の貫通孔43と、ケース本体21の出口用貫通孔21eとを介して、出口ジョイント40の内部とケース本体21の内部とが連通される。
【0019】
以上のように構成された液冷式冷却装置1においては、入口ジョイント30の内部及び入口用貫通孔21dを通ってケース20内の流入側空間23に冷却液が流入する。そして、放熱器10における、複数のフィン11の内の互いに隣接するフィン11間の隙間にて形成されるフィン間流路14内を左方向に流れ、流出側空間24に至る。また、放熱器10における最も前側のフィン11とケース本体21の側部21bとの間にて形成される前側流路15、及び、放熱器10における最も後側のフィン11とケース本体21の側部21bとの間の隙間にて形成される後側流路16を通って左方向に流れ、流出側空間24に至る。流出側空間24に至った冷却液は、出口用貫通孔21e及び出口ジョイント40の内部を通ってケース20の外に流出する。
【0020】
そして、発熱体Pから発せられた熱は、絶縁部材I、ケース本体21の頂部21a、及び、放熱器10のフィン11を経て、フィン間流路14、前側流路15、及び、後側流路16を流れる冷却液に放熱される。これにより、発熱体Pが冷却される。
【0021】
(フィン11)
次に、フィン11の構成について説明する。
図5(a)は、フィン11の斜視図であり、図5(b)は、フィン11の板面に直交する方向から凹部110を眺めた場合の図である。
図5(a)に示すように、フィン11には、窪みを有する凹部110が設けられている。この凹部110には、連結部材12が挿入される。また、凹部110には、フィン11の板面に直交する方向において、図中手前側の板面から図中奥側の板面まで貫通する開口が形成されている。なお、フィン11の板面に直交する方向を、以下では、フィン11の厚さ方向と称することがある。本実施形態では、フィン11の長手方向の両端部において、フィン11の短手方向における上面11aと下面11bとにそれぞれ凹部110が設けられている。
【0022】
図5(b)に示すように、凹部110には、第1開口部111と、第2開口部112と、第3開口部113とが設けられている。なお、図5(b)には、フィン11の上面11aに設けられた凹部110が示されている。
第1部の一例としての第1開口部111は、フィン11の長手方向における図中右側に設けられた第1右側面111aと、フィン11の長手方向における図中左側に設けられた第1左側面111bとを有する。第1右側面111aおよび第1左側面111bは、フィン11の短手方向に沿って直線的に形成されている。フィン11の長手方向において、第1右側面111aから第1左側面111bまでの長さは、長さW1である。また、第1開口部111には、第1右側面111aと第1左側面111bとの間に、直方体状の開口が形成されている。この開口は、フィン11の上面11aから形成されている。
【0023】
第2開口部112は、第1開口部111に連続して、第1開口部111よりも深部に設けられている。第2開口部112は、フィン11の長手方向の図中右側において、フィン11の短手方向に対して傾斜する傾斜面112aを有する。また、第2開口部112は、フィン11の長手方向における図中左側に設けられた第2左側面112bを有する。傾斜面112aは、フィン11の短手方向に対して、フィン11の長手方向に傾斜している。より具体的には、傾斜面112aは、フィン11の上面11aから離れるにしたがって第2左側面112bに近づくように傾斜している。第2左側面112bは、フィン11の短手方向に沿って直線的に形成されている。また、第2開口部112には、傾斜面112aと第2左側面112bとの間に開口が形成されている。また、フィン11の短手方向において、フィン11の上面11aから傾斜面112aの図中下側における先端までの長さは、長さW2である。
【0024】
第2部の一例としての第3開口部113は、第2開口部112に連続して、第2開口部112よりも深部に設けられている。第3開口部113は、フィン11の長手方向における図中右側に設けられた第3右側面113aと、フィン11の長手方向における図中左側に設けられた第3左側面113bと、凹部110の最深部に設けられた凹部底面113cとを有する。第3右側面113aおよび第3左側面113bは、フィン11の短手方向に沿って直線的に形成されている。凹部底面113cは、フィン11の長手方向に沿って直線的に形成されている。フィン11の長手方向において、第3右側面113aから第3左側面113bまでの長さは、長さW3である。この長さW3は、長さW1よりも短くなっている。また、第3開口部113には、第3右側面113aと第3左側面113bとの間に、直方体状の開口が形成されている。
【0025】
(連結部材12)
次に、連結部材12の構成について説明する。
図6(a)は、連結部材12の斜視図であり、図6(b)は、図6(a)のVI-VI断面図である。
図6(a)に示すように、連結部材12は、放熱器10に設けられている各フィン11に架け渡される基部121と、基部121から突出する突出部122とを有する。また、突出部122には、連結部材12の長手方向における予め定められた間隔ごとに、窪みを有する突出部凹部1221が設けられている。突出部凹部1221には、直方体状の開口が形成されている。この開口は、連結部材12の図中手前側における板面から図中奥側における板面まで貫通している。
【0026】
図6(b)に示すように、基部121は、図中右側に設けられた基部右側面121aと、図中左側に設けられた基部左側面121bと、図中上側に設けられた基部上面121cとを有する。また、基部121のうちの基部右側面121aと基部上面121cとの接続部には、先端を有する角部121dが設けられている。
凸部の一例としての突出部122は、直方体状である。この突出部122は、図中右側に設けられた突出右側面122aと、図中左側に設けられた突出左側面122bとを有する。また、突出部凹部1221には、凹部底面1221aが設けられている。
【0027】
連結部材12の厚さ方向(図6(b)における左右方向)において、突出右側面122aから突出左側面122bまでの長さは、長さW4である。この長さW4は、長さW3(図5(b)参照)よりも僅かに短い。そのため、突出部122は、フィン11の凹部110における第3開口部113に嵌まることが可能になっている。
また、基部121は、突出部122に対して図中右側に傾斜して設けられている。本実施形態では、連結部材12に折り曲げ加工が施されることにより、基部121が突出部122に対して傾斜している。突出左側面122bの延長線L1と、基部左側面121bとがなす角度は、角度αである。角度αは、鋭角である。また、図示を省略するが、突出右側面122aの延長線と、基部右側面121aとがなす角度もまた、角度αである。
【0028】
また、連結部材12の厚さ方向において、延長線L1から基部121の角部121dにおける先端までの長さは、長さW5である。この長さW5は、フィン11の凹部110における長さW1(図5(b)参照)よりも長い。また、詳細は後述するが、本実施形態では、フィン11の凹部110に連結部材12を入れようとすると、まず、基部右側面121aの一部が凹部110に引っ掛かる。基部右側面121aのうちの凹部110に引っ掛かる部分を、引掛り部121aAと称する。ここで、連結部材12の厚さ方向において、引掛り部121aAから延長線L1までの長さW6は、長さW1と同じ長さである。また、突出部122が突出する方向(図6(b)における上下方向)において、引掛り部121aAから突出部凹部1221における凹部底面1221aまでの長さW7は、長さW2(図5(b)参照)よりも長くなっている。この場合、連結部材12をフィン11の凹部110に入れる場合において、引掛り部121aAが凹部110に引っ掛かるときには、連結部材12における突出部122の先端部が、凹部110における第3開口部113(図5(b)参照)に嵌まるようになる。そのため、引掛り部121aAが凹部110に引っ掛かるときに突出部122の先端部が第3開口部113に到達していない場合に比べて、連結部材12が傾いて凹部110に挿入されることが抑制される。
【0029】
(連結部材12の挿入方法)
次に、連結部材12をフィン11に挿入する方法について説明する。
図7(a)、図7(b)は、連結部材12をフィン11に挿入する方法について説明するための図である。
図7(a)に示すように、まず、連結部材12の突出部122を、フィン11の凹部110に入れる。これにより、連結部材12の突出部122における先端部は、フィン11の凹部110における第1開口部111と第2開口部112とを通って、第3開口部113に入る。なお、図7(a)には一つのフィン11のみを示しているが、放熱器10に設けられた各フィン11の凹部110における第3開口部113にも、連結部材12の突出部122における先端部が入っている。一方、上述の通り、長さW5は長さW1よりも長いため、連結部材12の基部121はフィン11の凹部110における第1開口部111には入り切らない。このとき、基部121の基部右側面121aにおける引掛り部121aAが、凹部110における第1右側面111aとフィン11の上面11aとの接続部に引っ掛かる。また、このとき、連結部材12の突出部凹部1221における凹部底面1221aは、フィン11の凹部110における凹部底面113cには到達していない。
【0030】
次に、対象物を押し込む押し込み部材(不図示)を用いて、連結部材12をフィン11の凹部110に押し込む。連結部材12が押し込み部材から押し込み力F1を受けると、引掛り部121aAは、フィン11に対して押圧力を与えるとともに、この押圧力に対する反力F2をフィン11から受ける。そして、引掛り部121aAが反力F2を受けると、連結部材12が変形する。より具体的には、突出部122に対する基部121の傾斜の程度が小さくなるように、連結部材12が変形する。言い換えると、角度αが小さくなるように連結部材12が変形する。また、この変形に伴い、長さW5が小さくなる。
【0031】
そして、連結部材12が押し込み部材に押し込まれているときに長さW5が長さW1よりも僅かに小さくなると、図7(b)に示すように、基部121が更に凹部110に入る。また、連結部材12の突出部122における凹部底面1221aが、フィン11の凹部底面113cに到達する。また、このとき、図示されていない各フィン11の凹部底面113cにも、連結部材12の凹部底面1221aが到達する。このようにして、連結部材12がフィン11の凹部110に挿入される。また、図示を省略するが、このとき、放熱器10に設けられた各フィン11の間にも、連結部材12の突出部122が挿入されている。
【0032】
また、このとき、基部121の角部121dにおける先端が、フィン11の第1右側面111aを力F3により押圧しているため、角部121dが第1右側面111aに引っ掛かっている。この力F3は、連結部材12が反力F2を受けて変形したことに対する弾性力である。
なお、図7(b)に示した凹部110のみならず、各フィン11に設けられている他の凹部110にも、図7(a)および図7(b)を参照しながら説明した方法と同じ方法により、連結部材12がそれぞれ挿入される。
【0033】
(放熱器10の作用・効果)
上記の方法により製造された放熱器10によれば、複数のフィン11における各凹部110に連結部材12が押し込まれることにより、複数のフィン11が位置決めされる。より具体的には、連結部材12の基部121は突出部122に対して傾斜しており、突出部122に対する基部121の傾斜の程度が小さくなりながら連結部材12が複数のフィン11の各凹部110に押し込まれることにより、複数のフィン11が位置決めされる。
【0034】
ここで、例えば、複数のフィン11における各凹部110に連結部材12を挿入した後、各凹部110に連結部材12を挟んで押圧させ連結部材12をかしめることにより、複数のフィン11が位置決めされる構成も考えられる。しかしながら、この構成によると、複数のフィン11の位置決めを行うために、連結部材12をフィン11に挿入する工程、およびフィン11に連結部材12を押圧させる工程が必要になる。また、フィン11に連結部材12を押圧させる手法として、例えば、フィン11のうちの連結部材12が挿入された部分の近傍を、この近傍の部分に凹みが生じるように押圧する手法が考えられる。より具体的には、押圧力を与える押圧手段がフィン11を凹ませるように押圧することにより、フィン11に連結部材12を押圧させる手法が考えられる。しかしながら、この場合、フィン11に凹みが生じる分だけ、発熱体P(図1参照)から発せられた熱の放熱に用いられるフィン11の伝熱領域が小さくなり、放熱器10による冷却効率が低下するおそれがある。
【0035】
これに対し、本実施形態のように、折り曲げ加工された連結部材12を、凹部110に押し込む過程で折り曲げが小さくなるように変形させながら凹部110に挿入すると複数のフィン11が位置決めされる場合、各フィン11の位置決めに要する工程が簡易になる。すなわち、複数のフィン11の位置決めを行うにあたり、連結部材12をフィン11に挿入する工程とは別に、フィン11に連結部材12を押圧させる工程を別途設ける必要がなくなる。また、この場合、フィン11に連結部材12を押圧させるためにフィン11に凹みを生じさせる必要がなくなるため、発熱体Pから発せられた熱の放熱に用いられるフィン11の伝熱領域を確保することができ、放熱器10による冷却効率の低下を抑制できる。
【0036】
また、本実施形態では、フィン11の凹部110に連結部材12が挿入された状態で、基部121が、フィン11の凹部110における第1右側面111aに弾性力を加えている。より具体的には、基部121が、第1右側面111aに対して、連結部材12が凹部110から抜ける方向(図7(b)における上方向)とは異なる方向に弾性力を加えている。そのため、連結部材12が凹部110を押圧しない構成に比べて、フィン11から連結部材12が抜けることを抑制することができる。
【0037】
また、本実施形態のように、連結部材12が長手方向に沿って折り曲げられている構成である場合、連結部材12に折り曲げ加工が施されていない場合に比べて、連結部材12のうちの折り曲げ加工が施されていない部分の折れ曲がりが発生することを抑制できる。
【0038】
また、本実施形態では、連結部材12の基部121には、先端を有する角部121dが設けられ、この角部121dは、フィン11の凹部110に接触して凹部110を押圧する。そのため、例えば連結部材12のうちの凹部110を押圧する部分が曲面形状である場合に比べて、連結部材12が凹部110に引っ掛かりやすくなり、連結部材12がフィン11から抜けることを抑制できる。
【0039】
また、本実施形態では、フィン11の凹部110には、開口が形成された第1開口部111と、第1開口部111よりも深部に設けられ第1開口部111の開口よりも幅が狭い開口が形成された第3開口部113とを有する。そして、連結部材12の突出部122は、凹部110の第3開口部113に挿入され、基部121は、第1開口部111に挿入される。
この場合、連結部材12の突出部122は、開口の幅が第3開口部113よりも広い第1開口部111を通ってから、第3開口部113に挿入されるようになる。そのため、凹部110に形成される開口の幅が一定である場合に比べて、突出部122をフィン11の凹部110に挿入し易くすることができる。
【0040】
(フィン11の変形例)
図8(a)は、フィン11の変形例を示した図であり、図8(b)は、変形例のフィン11の板面に直交する方向からフィン11の凹部210を眺めた場合の図である。
図9(a)および図9(b)は、連結部材12をフィン11の凹部210に挿入する方法について説明するための図である。
図5(a)および図5(b)を用いて説明したフィン11においては、フィン11の短手方向における位置によって、凹部110に形成された開口の幅(フィン11の長手方向における開口の長さ)が異なっているが、凹部110の形状は、上述したものに限定されない。フィン11には、例えば、図8(a)に示すような凹部210が設けられてもよい。
【0041】
図8(a)に示す凹部210には、直方体状の開口が形成されている。この開口は、フィン11の厚さ方向において、図中手前側の板面から図中奥側の板面まで貫通している。
図8(b)に示すように、凹部210は、フィン11の長手方向における図中右側に設けられた右側面210aと、フィン11の長手方向における図中左側に設けられた左側面210bと、凹部210の最深部に設けられた凹部底面210cとを有する。なお、図8(b)には、フィン11の上面11aに設けられた凹部210が示されている。右側面210aおよび左側面210bは、フィン11の短手方向に沿って直線的に形成されている。凹部底面210cは、フィン11の長手方向に沿って直線的に形成されている。右側面210aから左側面210bまでの長さは、長さW8である。この長さW8は、連結部材12の突出部122における長さW4よりも長くなっている。また、突出部122における凹部底面1221aと突出右側面122aとの交点と、基部121における角部121dの先端とを通る線を直線L2とする。さらに、この直線L2と平行な線であって基部左側面121bと突出左側面122bとの交点を通る線を直線L3とする。この場合に、直線L2から直線L3までの長さを、長さW9とする。この長さW9は、長さW8よりも長くなっている。
【0042】
図9(a)に示すように、まず、連結部材12の突出部122が、フィン11の凹部210に入り込む。一方、上述の通り、長さW9は長さW8よりも長いため、連結部材12の基部121は凹部210に入り切らず、基部121の基部右側面121aにおける引掛り部121aAが、凹部210における右側面210aとフィン11の上面11aとの接続部に引っ掛かる。
次に、押し込み部材(不図示)を用いて、連結部材12を凹部210に押し込む。これにより、引掛り部121aAが、フィン11に対して押圧力を与えるとともに、この押圧力に対する反力をフィン11から受けると、突出部122に対する基部121の傾斜の程度が小さくなるように、連結部材12が変形する。また、この変形に伴い、長さW9が小さくなる。
【0043】
そして、連結部材12が押し込み部材に押し込まれているときに長さW9が長さW8よりも僅かに小さくなると、図9(b)に示すように、基部121が更に凹部210に入る。また、突出部凹部1221における凹部底面1221aと突出左側面122bとの接続部が、凹部底面210cに到達する。このようにして、連結部材12がフィン11の凹部210に挿入される。また、このとき、基部121の角部121dにおける先端が、フィン11の右側面210aを押圧している。また、このとき、基部左側面121bと突出左側面122bとの接続部が、フィン11の左側面210bを押圧している。また、このとき、突出部凹部1221の凹部底面1221aと突出右側面122aとの接続部が、フィン11の右側面210aを押圧している。
【0044】
このように、フィン11の短手方向における位置に関わらず開口の幅(フィン11の長手方向における開口の長さ)が一定である凹部210に連結部材12を挿入することにより、複数のフィン11を位置決めが行われてもよい。
【0045】
<第2の実施形態>
図10(a)は、第2の実施形態に係る連結部材220の斜視図であり、図10(b)は、図10(a)のX-X部の断面図である。
第2の実施形態に係る連結部材220は、基部121(図6(a)参照)に相当する基部221と、突出部122に相当する突出部222との間に設けられる中間部223を有する点で、第1の実施形態に係る連結部材12と異なる。
【0046】
連結部材220の突出部222には、突出部凹部1221に相当する突出部凹部2221が設けられている。この突出部凹部2221の最深部には、凹部底面2221aが設けられている。
【0047】
図10(b)に示すように、基部221は、図中右側に設けられた基部右側面221aと、図中左側に設けられた基部左側面221bと、図中上側に設けられた基部上面221cとを有する。また、基部221には、基部121の角部121d(図6(b)参照)に相当する角部221dが設けられている。また、基部右側面221aには、基部121の引掛り部121aAに相当する引掛り部221aAが設けられている。
突出部222は、図中右側に設けられた突出右側面222aと、図中左側に設けられた突出左側面222bとを有する。
中間部223は、図中右側に設けられた中間右側面223aと、図中左側に設けられた中間左側面223bとを有する。また、中間左側面223bと基部左側面221bとの接続部には、先端を有する接続角部223cが設けられている。
【0048】
基部221は、突出部222に対して図中右側に傾斜して設けられている。また、中間部223は、突出部222に対して図中左側に傾斜して設けられている。言い換えると、中間部223は、突出部222に対して、基部221が傾斜する方向とは逆方向に傾斜している。
突出右側面222aから突出左側面222bまでの長さW10は、フィン11の凹部110における長さW3(図5(b)参照)やフィン11の凹部210における長さW8(図8(b)参照)よりも短くなっている。また、連結部材220の厚さ方向(図10(b)における左右方向)において、基部右側面221aと突出右側面222aとの接線L4から、この接線L4と平行な線であって接続角部223cにおける先端を通る直線L5までの長さは、長さW11である。この長さW11は、フィン11の凹部110における長さW1(図5(b)参照)やフィン11の凹部210における長さW8(図8(b)参照)よりも長くなっている。
【0049】
図11(a)および図11(b)は、連結部材220をフィン11の凹部110に挿入する方法について説明するための図である。
図12(a)および図12(b)は、連結部材220をフィン11の凹部210に挿入する方法について説明するための図である。
図11(a)に示すように、まず、連結部材220の突出部222と中間部223とをフィン11の凹部110に入れる。なお、連結部材220をフィン11の凹部110に入れる場合には、中間部223における中間左側面223bが凹部110における傾斜面112aに対向するように、連結部材220を入れる。これにより、突出部222および中間部223が、フィン11の凹部110に入り込む。一方、上述の通り、長さW11は長さW1よりも長いため、基部221は凹部110に入り切らず、基部221の引掛り部221aAが、凹部110における第1左側面111bとフィン11の上面11aとの接続部に引っ掛かる。また、このとき、接続角部223cが、凹部110における第1右側面111aに引っ掛かる。
【0050】
次に、押し込み部材(不図示)を用いて、連結部材220を凹部110に押し込む。これにより、引掛り部221aAが、フィン11に対して押圧力を与えるとともに、この圧力に対する反力をフィン11から受けると、突出部222に対する基部221の傾斜の程度が小さくなるように、連結部材220が変形する。また、この変形に伴い、長さW11が小さくなる。
そして、連結部材220が押し込み部材に押し込まれているときに長さW11が長さW1よりも僅かに小さくなると、図11(b)に示すように、基部221が更に凹部110に入る。また、突出部凹部2221の凹部底面2221aが凹部110における凹部底面113cに到達する。このようにして、連結部材220がフィン11の凹部110に挿入される。また、このとき、基部221の角部221dが、凹部110の第1左側面111bを押圧しているため、角部221dが第1左側面111bに引っ掛かっている。また、このとき、接続角部223cが、凹部110の第1右側面111aを押圧しているため、この接続角部223cが第1右側面111aに引っ掛かっている。
【0051】
また、図12(a)に示すように、連結部材220をフィン11の凹部210に入れると、突出部222および中間部223が凹部210に入り込む。一方、上述の通り、長さW11は長さW8よりも長いため、基部221は凹部210に入り切らず、基部221の引掛り部221aAが、凹部210における右側面210aとフィン11の上面11aとの接続部に引っ掛かる。また、このとき、接続角部223cが、凹部210における左側面210bに引っ掛かる。
次に、押し込み部材(不図示)を用いて、連結部材220を凹部210に押し込む。これにより、引掛り部221aAが、フィン11に対して押圧力を与えるとともに、この押圧力に対する反力をフィン11から受けると、突出部222に対する基部221の傾斜の程度が小さくなるように、連結部材220が変形する。また、この変形に伴い、長さW11が小さくなる。
【0052】
そして、連結部材220が押し込み部材に押し込まれているときに長さW11が長さW8よりも僅かに小さくなると、図12(b)に示すように、基部221が更に凹部210に入る。また、突出部凹部2221の凹部底面2221aが凹部210の凹部底面210cに到達する。このようにして、連結部材220がフィン11の凹部210に挿入される。また、このとき、基部221の角部221dが、凹部210の右側面210aを押圧しているため、角部221dが右側面210aに引っ掛かっている。また、このとき、接続角部223cが、凹部210の左側面210bを押圧しているため、この接続角部223cが左側面210bに引っ掛かっている。
【0053】
このように、本実施形態では、接続角部223cが、フィン11の凹部110や凹部210に接触して押圧する。すなわち、本実施形態では、中間部223のうちの少なくとも一部が、凹部110や凹部210に接触して押圧する。
この場合、基部221の角部221dのみならず、接続角部223cも凹部110や凹部210に引っ掛かるようになる。そのため、凹部110や凹部210に引っ掛かる部分が基部221のみである場合に比べて、連結部材220がフィン11から抜けることを抑制することができる。
【0054】
(連結部材220の変形例)
図13(a)は、連結部材220の変形例を示した図である。また、図13(b)は、変形例における連結部材220の引掛り部221aAがフィン11の凹部110に引っ掛かっているときの図である。さらに、図13(c)は、変形例における連結部材220の引掛り部221aAがフィン11の凹部210に引っ掛かっているときの図である。
図10(a)および図10(b)を用いて説明した連結部材220は、基部221と中間部223との接続部に接続角部223cが設けられているが、連結部材220の形状は、上述したものに限定されない。連結部材220は、例えば、図13(a)に示すような形状であってもよい。
【0055】
図13(a)に示す連結部材220においては、基部221の基部左側面221bと中間左側面223bとの接続部に、曲面を有する曲面部223dが設けられている。この曲面部223dは、連結部材220の厚さ方向に曲がっている。このような連結部材220の引掛り部221aAがフィン11の凹部110(図13(b)参照)に引っ掛かっているときにおいて、曲面部223dは、接続角部223c(図11(a)参照)に比べて、第1右側面111aに引っ掛かりにくくなっている。そのため、連結部材220をフィン11の凹部110に挿入しやすくなる。また、連結部材220の引掛り部221aAがフィン11の凹部210(図13(c)参照)に引っ掛かっているときにおいて、曲面部223dは、接続角部223c(図12(a)参照)に比べて、左側面210bに引っ掛かりにくくなっている。そのため、連結部材220をフィン11の凹部210に挿入しやすくなる。
【0056】
このように、変形例の連結部材220においては、中間部223のうちの凹部110や凹部210を押圧する部分が、曲面形状である。この場合、中間部223のうちの凹部110や凹部210を押圧する部分に先端が設けられている場合に比べて、連結部材220をフィン11に挿入する際に中間部223が凹部110や凹部210に引っ掛かりにくくなる。そのため、連結部材220をフィン11に挿入しやすくすることができる。
【0057】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記の実施形態に記載の範囲には限定されない。上記の実施形態に、種々の変更又は改良を加えたものも、本発明の技術的範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0058】
本発明では、複数のフィン11の各々に、四つの連結部材が挿入されることを説明したが、これに限定されない。複数のフィン11の各々には、少なくとも一つの連結部材が挿入されればよい。また、フィン11のうちの凹部110や凹部210が設けられる箇所は、フィン11の長手方向における端部でなくてもよい。
【0059】
また、本発明では、中間部223(図10(b)参照)が、基部221と突出部222とを接続しているが、これに限定されない。
例えば、基部221と中間部223との間に、他の機能部が設けられてもよい。また、例えば、中間部223と突出部222との間に、他の機能部が設けられてもよい。
【0060】
また、本発明では、連結部材がフィン11の凹部110や凹部210に引っ掛かっている箇所のうちの少なくとも一箇所が、先端を有する角部であることを説明したが、これに限定されない。
連結部材がフィン11の凹部110や凹部210に引っ掛かっている何れの箇所も、曲面形状であってもよい。
【符号の説明】
【0061】
1…液冷式冷却装置、10…放熱器、11…フィン、12、220…連結部材、20…ケース、30…入口ジョイント、40…出口ジョイント、110、210…凹部、121、221…基部、122、222…突出部、223…中間部、P…発熱体、I…絶縁部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13