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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-15
(45)【発行日】2023-08-23
(54)【発明の名称】集積チップおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3205 20060101AFI20230816BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20230816BHJP
   H01L 23/522 20060101ALI20230816BHJP
【FI】
H01L21/88 J
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019099457
(22)【出願日】2019-05-28
(62)【分割の表示】P 2016229821の分割
【原出願日】2016-11-28
(65)【公開番号】P2019135799
(43)【公開日】2019-08-15
【審査請求日】2019-06-05
【審判番号】
【審判請求日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】62/260,808
(32)【優先日】2015-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/143,950
(32)【優先日】2016-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500262038
【氏名又は名称】台湾積體電路製造股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Taiwan Semiconductor Manufacturing Company,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.8, Li-Hsin Rd.6, Hsinchu Science Park, Hsinchu, TAIWAN
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】弁理士法人とこしえ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高 敏峰
(72)【発明者】
【氏名】楊 敦年
(72)【発明者】
【氏名】黄 ▲しゅん▼瑩
(72)【発明者】
【氏名】劉 人誠
【合議体】
【審判長】河本 充雄
【審判官】棚田 一也
【審判官】市川 武宜
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-160707(JP,A)
【文献】特開2006-210758(JP,A)
【文献】特開2013-089918(JP,A)
【文献】特開2012-119601(JP,A)
【文献】特開2015-050339(JP,A)
【文献】特開2013-251391(JP,A)
【文献】特開2012-119685(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3205-21/3215
H01L 21/768
H01L 23/52-23/538
H01L 23/48-23/50
H01L 23/12-23/15
H01L 21/60-21/607
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積チップであって、
基板(406b)の前面側に沿って配置されたレベル間誘電体(ILD)構造(410b)内に配されている複数の金属配線層と、
前記基板の裏面側に沿って配された誘電体層と、
前記誘電体層の上に配された導電性ボンドパッドと、
前記複数の金属配線層のうちの1つの金属配線層から、前記基板および前記誘電体層を貫き、前記導電性ボンドパッドまで延伸する裏面側基板貫通ビア(BTSV)(110)と、
第2基板(406а)であり、前記第2基板(406а)の裏面側を、前記レベル間誘電体(ILD)構造(410b)を介して前記基板(406b)の前面側に結合されている前記第2基板(406а)と、
前記第2基板(406а)の前面に沿って配置された第2レベル間誘電体(ILD)構造(410а)内に配置されている複数の第2配線層と、
前記複数の金属配線層から、前記第2基板(406а)を介して、前記複数の第2配線層(407b)のうちの1つの配線層まで延びて、前記複数の金属配線層と前記複数の第2配線層とを接続する誘電体貫通ビア(412)とを備え、
前記誘電体貫通ビア(412)の幅は前記裏面側基板貫通ビア(110)の幅より広く、
前記導電性ボンドパッドは、第1の方向に延びる第1のセグメントと、前記第1の方向と垂直な第2の方向で、前記第1のセグメントの第1の側壁から外側に伸びる第2のセグメントとを有し、
前記BTSVは、前記第1の方向に沿う方向で、前記第2のセグメントから第1距離を離間した第1の位置で、前記第1のセグメントの下に設けられ、
アンダーバンプメタラジー(UBM)層は、前記第2の方向に沿う方向で、前記第1のセグメントから第2の距離を離間した第2の位置で、前記第2のセグメントの上に設けられる集積チップ。
【請求項2】
前記基板の前記裏面側に接触する高誘電率誘電体層を備え、
前記高誘電率誘電体層は、前記誘電体層と前記基板との間に垂直に配され、
前記高誘電率誘電体層は、前記基板に面する側の面が前記基板とは反対側の面より粗い
請求項1に記載の集積チップ。
【請求項3】
前記BTSVが、前記複数の金属配線層のうちの前記1つの金属配線層と前記導電性ボンドパッドとの間で連続して延伸する平滑な側壁を有する、請求項1または2に記載の集積チップ。
【請求項4】
前記複数の金属配線層が、第1の金属配線ワイヤと、前記第1の金属配線ワイヤを介して前記基板と離間し、前記第1の金属配線ワイヤより厚い第2の金属配線ワイヤとを含み、
前記BTSVが前記第1の金属配線ワイヤと接触している、
請求項1または2に記載の集積チップ。
【請求項5】
前記導電性ボンドパッドの上に配置された導電性バンプであり、前記導電性ボンドパッドが前記BTSVの上から導電性バンプの下まで延びる実質的に平面状の下面を有する、前記導電性バンプと、
前記誘電体層および前記導電性ボンドパッドの上に配された保護層と、を備え、
前記UBM層は、前記保護層の上から前記保護層中の開口内まで延伸し、
前記UBM層は、前記導電性ボンドパッドと前記導電性バンプとの間に位置する、
請求項1に記載の集積チップ。
【請求項6】
前記BTSVを前記基板から離間させるように前記BTSVの側壁に沿って配されたBTSVライナーを備える
請求項1~5のいずれか一項に記載の集積チップ。
【請求項7】
前記複数の金属配線層のうちの前記1つの金属配線層と前記導電性ボンドパッドとの間に、前記BTSVに並列に配される1つまたは複数の追加のBTSVを備える
請求項1~6のいずれか一項に記載の集積チップ。
【請求項8】
前記誘電体層を介して前記基板と離間しているバッファ層を備え、
前記BTSVが前記基板と反対の方を向く上面を有し、
該上面が、前記基板と反対の方を向く前記誘電体層の上面、または前記基板と反対の方を向く前記バッファ層の上面のいずれかと同一平面上にある、
請求項1~7のいずれか一項に記載の集積チップ。
【請求項9】
前記BTSVが、前記複数の金属配線層のうちの前記1つの金属配線層と前記導電性ボンドパッドとの間にて連続して延伸するテーパー状の側壁を有する、
請求項1~8のいずれか一項に記載の集積チップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2015年11月30日に出願された米国仮特許出願第62/260808号の優先権を主張し、その内容の全体が参照として本明細書に援用される。
【0002】
本発明は集積チップに関し、より詳細には裏面側基板貫通ビア(BTSV)を備える集積チップおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、集積チップは、半導体基板(例えばシリコンウェハ)内に配された何百万または何十億という半導体素子を有している。半導体素子は、複数の金属配線層(例えばワイヤおよびビア)を有し、重なるBEOL(back-end-of-the-line)メタライゼーションスタックに接続される。複数の金属配線層は、半導体素子を互いに電気的に接続させると共に、外部コンポーネントに電気的に接続させる。金属配線層は、BEOLメタライゼーションスタックの上に位置するボンドパッドで終端することが多い。ボンドパッドは、集積チップから外部コンポーネント(例えば、集積チップパッケージ)への導電性の接続を提供する厚い金属の層を有してもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、裏面側基板貫通ビア(BTSV)を備える集積チップおよびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、集積チップであって、基板の前面側に沿って配置されたレベル間誘電体(ILD)構造内に配されている複数の金属配線層と、基板の裏面側に沿って配された誘電体層と、誘電体層の上に配された導電性ボンドパッドと、複数の金属配線層のうちの1つの金属配線層から基板および誘電体層を貫き導電性ボンドパッドまで延伸する裏面側基板貫通ビア(BTSV)と、導電性ボンドパッドの上に配された導電性バンプとを備え、導電性ボンドパッドが、BTSVの上から導電性バンプの下まで延伸する実質的に平面状の下面を有する、集積チップを提供する。
【0006】
上記集積チップは、基板の裏面側の粗さを低減するように構成された高誘電率誘電体層を備え、高誘電率誘電体層が、誘電体層と基板との間に垂直に配されている。
【0007】
上記集積チップにおいて、BTSVは、複数の金属配線層のうちの1つと導電性ボンドパッドとの間で連続して延伸する平滑な側壁を有している。
【0008】
上記集積チップにおいて、複数の金属配線層は、第1の金属配線ワイヤと、第1の金属配線ワイヤを介して基板と離間し、第1の金属配線ワイヤより厚い第2の金属配線ワイヤとを含み、BTSVは第1の金属配線ワイヤと接触している。
【0009】
上記集積チップは、誘電体層および導電性ボンドパッドの上に配された保護層と、保護層の上から保護層中の開口内まで延伸するアンダーバンプメタラジー(UBM)層と、を備え、UBM層は導電性ボンドパッドと導電性バンプとの間に位置し、導電性ボンドパッドは、第1の方向に延びる第1のセグメントと、第1の方向と垂直な第2の方向に延びる第2のセグメントとを有し、BTSVが導電性ボンドパッドの第1のセグメントに接触し、かつUBM層が導電性ボンドパッドの第2のセグメントに接触する。
【0010】
上記集積チップは、BTSVを基板から離間させるようにBTSVの側壁に沿って配されたBTSVライナーを備える。
【0011】
上記集積チップは、複数の金属配線層のうちの1つと導電性ボンドパッドとの間に、BTSVと並列に配される1つまたは複数の追加のBTSVを備える。
【0012】
上記集積チップは、誘電体層を介して基板と離間しているバッファ層を備え、BTSVが基板と反対の方を向く上面を有し、該上面が、基板と反対の方を向く誘電体層の上面、または基板と反対の方を向くバッファ層の上面のいずれかと同一平面上にある。
【0013】
上記集積チップにおいて、BTSVは、第1の金属配線ワイヤと導電性ボンドパッドとの間にて連続して延伸するテーパー状の側壁(tapered sidewalls)を有する。
【0014】
本発明は、基板の前面側に沿って配されたレベル間誘電体(ILD)構造内に複数の金属配線層を形成する工程であって、複数の金属配線層が、第1の金属配線ワイヤと、第1の金属配線ワイヤを介して基板と離間しているより厚い第2の金属配線ワイヤとを含む、工程と、基板の裏面側上に高誘電率誘電体層を形成する工程と、高誘電率誘電体層の上に誘電体層を形成する工程と、誘電体層、高誘電率誘電体層、基板、およびILD構造をエッチングして、第1の金属配線ワイヤと接触する位置まで延伸する裏面側基板貫通ビア(BTSV)開口を形成する工程と、BTSV開口内に導電材料を堆積する工程と、平坦化プロセスを行ってBTSV開口外の導電材料を除去し、裏面側基板貫通ビア(BTSV)を形成する工程と、BTSV上に配置された平面状の下面を有する導電性パッドを形成する工程と、を含む集積チップを形成する方法を提供する。
【0015】
以下の詳細な説明を添付の図面と共に説明する。各種特徴は正確な縮尺率で描かれないということに留意されたい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、BTSVは金属配線層と裏面側導電性ボンドパッドとの間にて直接物理的に接続するため、導電性ボンドパッドのサイズが縮小し、これにより導電性ボンドパッドのルーティング能力が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】裏面側ボンドパッドを有する集積チップのある実施形態を示している。
図2】裏面側ボンドパッドを有する集積チップのあるさらなる実施形態を示している。
図3】裏面側基板貫通ビア(BTSV)に接続した導電性ボンドパッドのある実施形態の上面図を示している。
図4】裏面側ボンドパッドを有する三次元集積チップ(3DIC)のある実施形態を示している。
図5】裏面側ボンドパッドを有する集積チップの形成方法を説明するある実施形態の断面図を示している。
図6】裏面側ボンドパッドを有する集積チップの形成方法を説明するある実施形態の断面図を示している。
図7】裏面側ボンドパッドを有する集積チップの形成方法を説明するある実施形態の断面図を示している。
図8】裏面側ボンドパッドを有する集積チップの形成方法を説明するある実施形態の断面図を示している。
図9】裏面側ボンドパッドを有する集積チップの形成方法を説明するある実施形態の断面図を示している。
図10】裏面側ボンドパッドを有する集積チップの形成方法を説明するある実施形態の断面図を示している。
図11】裏面側ボンドパッドを有する集積チップの形成方法を説明するある実施形態の断面図を示している。
図12】裏面側ボンドパッドを有する集積チップの形成方法を説明するある実施形態の断面図を示している。
図13】裏面側ボンドパッドを有する集積チップの形成方法を説明するある実施形態の断面図を示している。
図14】裏面側ボンドパッドを有する集積チップの形成方法を説明するある実施形態の断面図を示している。
図15】裏面側ボンドパッドを有する集積チップの形成方法を説明するある実施形態の断面図を示している。
図16】裏面側ボンドパッドを有する集積チップの形成方法のある実施形態のフロー図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の開示では、提示した発明の対象のそれぞれ異なる特徴を実施するために、多数の異なる実施形態または例を示す。本開示を簡潔とすべく、構成要素および配置の特定の例を以下に記載する。これらは当然に単なる例であって、限定を意図するものではない。例えば、以下の記載において、第1の特徴の第2の特徴の上方または上への形成には、第1および第2の特徴が直接に接触して形成される実施形態が含まれてよく、かつ第1および第2の特徴が直接に接触せず第1および第2の特徴の間にさらなる特徴が形成され得る実施形態も含まれてもよい。さらに、本発明は、各種異なる例において、参照番号および/または文字を繰り返すことがある。この繰り返しは簡潔および明白にする目的でなされるものであって、それ自体で、記述される各種実施形態および/または構成間の関係を示すものではない。
【0019】
さらに、図面に描かれた1つの構成要素または特徴の、他の構成要素または特徴に対する関係を説明するための記述を簡単とすべく、本明細書には例えば“下方に(beneath)”、“下に(below)”、“より下の(lower)”、“上に(above)”、“上方の(upper)”などのような空間的に相対的な語が用いられることがある。これら空間的に相対的な語は、図面に描かれる向き(orientation)に加え、使用または動作中のデバイスのそれぞれ異なる向きを包括するよう意図されている。
【0020】
集積チップ(IC)中の半導体素子は、複数の金属配線層(例えばワイヤおよびビア)を含むBEOL(back-end-of-the-line)メタライゼーションスタックを介して外部回路(例えばパッケージ基板)に接続される。金属配線層は通常、半導体基板からの距離が大きくなるにつれ、サイズが増大する。例えば、比較的小さいサイズのローカル配線ワイヤは、半導体基板内の半導体素子を、より大きい配線ワイヤに接続させる。より大きい配線ワイヤはさらに、ICを外部回路に接続するBEOLメタライゼーションスタックの上面に沿って配された導電性ボンドパッドに接続される。
【0021】
導電性ボンドパッドは、はんだバンプを用いて導電性ボンドパッドとパッケージ基板(例えばプリント基板)間の直接的な電気的接続を確立するフリップチップパッケージによって、外部回路に接続されるようになっている。フリップチップパッケージを有するICは、下部の最終(underlying final)(つまり上部)金属配線層まで延びている複数の開口を含む保護層を備える。再配線層(redistribution layer,RDL)が保護層上に配置される。RDLは、最終金属配線層から保護層中の開口を貫いて横方向コンポーネントまで延びる垂直コンポーネント(つまり、再配線ビア(redistribution via, RV)を有してもよい。横方向コンポーネントは、最終金属配線層から、保護層上に配されたポリイミドパッド上に重なる導電性ボンドパッドに電気信号を再分配するため、それぞれ異なるパッケージングのオプションの互換が可能となる。アンダーバンプメタラジー(UBM)層が導電性ボンドパッド上に配され、導電性ボンドパッドとはんだバンプとの間のはんだ付け可能な境界面となる。RDLは種々の異なるボンドパッドの構成を可能とするが、RVが大きなサイズ(例えば3umよりも大きい)を有することから、導電性ボンドパッドが大きな、ルーティング能力の制限されたものとなってしまう。
【0022】
本発明は、金属配線層と裏面側導電性ボンドパッドとの間にて直接物理的に接続した裏面側シリコン貫通ビア(back-side through-silicon-via,BTSV)を備える集積チップ(IC)、および形成の方法に関する。本実施形態では、集積チップは、基板の前面側上に配置されたレベル間誘電体(ILD)構造内に配されている複数の金属配線層を備える。誘電体層が基板の裏面側に沿って配され、導電性ボンドパッドが誘電体層の上に配される。裏面側基板貫通ビア(back-side through-substrate-via,BTSV)が、金属配線層のうちの1つからが基板および誘電体層を貫き、導電性ボンドパッドまで延びる。導電性ボンドパッド上に導電性バンプが配され、導電性ボンドパッドは、BTSVの上から導電性バンプの下まで延びる実質的に平面状の下面を有する。BTSVに直接接続された導電性ボンドパッド用いることにより、導電性ボンドパッドのサイズを縮小でき、導電性ボンドパッドのルーティング能力が向上する。
【0023】
図1は、裏面側ボンドパッドを有する集積チップ100のある実施形態を示している。
【0024】
集積チップ100は、前面側102fおよび裏面側102bを有する半導体基板102を含む。半導体基板102の前面側102fに沿って複数の半導体素子104(例えばトランジスタ素子)が配されている。BEOL(back-end-of-the line)メタライゼーションスタックは、半導体基板102の前面側102fの上に配されており、レベル間誘電体(ILD)構造108内に配された複数の金属配線層106を含む。複数の金属配線層106は複数の半導体素子104に電気的に接続されており、半導体基板102の前面側102fからの距離が大きくなるのに従って、サイズ(例えば幅および/または高さ)が大きくなり得る(例えば薄い‘M1’層からより厚い‘Mx層。ただしx>1)。
【0025】
導電性ボンドパッド112は半導体基板102の裏面側102bに沿って配される。導電性ボンドパット112は、半導体基板102に面する前面側112fと、半導体基板102の反対の方を向く裏面側112bとを有する。導電性ボンドパッド112の前面側112fは、1つまたは複数の誘電体層114を介して半導体基板102と離間しており、かつ1つまたは複数の誘電体層114との境界面に沿って延びる平面を含んでもよい。
【0026】
裏面側基板貫通ビア(BTSV)110は、半導体基板102を貫き、BEOLメタライゼーションスタック内の金属配線層106から導電性ボンドパッド112の前面側112fまで延びる。BTSV110は、1つまたは複数の誘電体層114を貫いて、半導体基板102の裏面側102bから外側へ突き出る。BTSV110は、BEOLメタライゼーションスタックの最上部の金属配線層(つまり、半導体基板102から最も離れている層)の下に配されている薄い金属配線層にBTSV110が接続することができるような、比較的小さいサイズ(例えば約2.5μm以下)に形成された部分を有する。
【0027】
導電性ボンドパッド112の裏面側112bは保護層116に覆われる。アンダーバンプメタラジー(UBM)層118は、保護層116中の開口を貫いて延伸し、導電性ボンドパッド112の裏面側112bに接触する。本実施形態では、UBM層118は、保護層116の上面に沿って延伸している。導電性バンプ120は、UBM層118を介して保護層116と離間する位置で、UMB層118内に配される。導電性バンプ120は、半導体素子104と外部素子(例えば、PCB、別の集積チップなど)との間の電気的接続を実現するように構成されている。本実施形態では、UBM層118は、BTSV110から横方向にずれた(laterally offset)位置で、導電性パッド112の上に配される。
【0028】
BTSV110を金属配線層106と導電性ボンドパッド112の前面側112fとの間でこれらに直接接続させることにより、導電性ボンドパッド112の幅を縮小することができる(例えば、再配線層(redistribution layer)を用いないため)。導電性ボンドパッド112の幅の縮小は、導電性ボンドパッド112のルーティングのフレキシビリティ向上を可能とする共に、パフォーマンスを改善させる(例えば、半導体素子104と導電性ボンドパッド112との間の経路がより短くなるため)。
【0029】
図2は、裏面側ボンドパッドを有する集積チップ200のある別の実施形態を示している。
【0030】
集積チップ200は、半導体基板102と、重なる(overlying)BEOLメタライゼーションスタックを含んでいる。ある実施形態では、半導体基板102は、約1umから約10umまでの間の厚さtで形成されている。半導体基板102の前面側102f内には複数の半導体素子104が配されてもよい。
【0031】
BEOLメタライゼーションスタックは、レベル間誘電体(ILD)構造108内に配された複数の金属配線層を有する。ある実施形態では、複数の金属配線層は、複数のコンタクト109aおよび/または金属ビア109b~109c間に配置された複数の金属ワイヤ107a~107cを有している。複数の金属配線ワイヤは、薄い第1の金属ワイヤ107aから、この薄い第1の金属ワイヤ107aを介して半導体基板102と離間している、第1の金属ワイヤ107aより厚い金属ワイヤ107bおよび/または107cへと、サイズが増大し得る。ある実施形態では、第1の金属ワイヤ107aの厚さは約70nm未満である。ある実施形態では、第1の金属ワイヤ107aの厚さは約30nm未満でもよい。各種の実施形態において、複数の金属配線層は、銅、アルミニウム、タングステン、またはこれらの組み合わせのような導電性金属を含み得る。各種の実施形態において、ILD構造108は、1つまたは複数の酸化物、超低誘電率(ultra-low k dielectric)誘電材料、または低誘電率(low-k dielectric)誘電材料(例えばSiCO)を含んでもよい。
【0032】
高誘電率誘電体層202が半導体基板102の裏面側102bに配されている。高誘電率誘電体層202は、製造工程において薄化された後に半導体基板102の裏面側102bの粗さを低減するように構成されている。半導体基板102の裏面側102bの粗さを低減することによって、素子のリーケージが低減される。高誘電率誘電体層202は、半導体基板102に面する側の方が、半導体基板102とは反対の側よりも粗い(例えば、垂直位置においてより大きい変化を有する)。各種の実施形態において、高誘電率誘電体層202は1つまたは複数の層で形成されてもい。ある実施形態では、高誘電率誘電体層202は、約10オングストロームから約1000オングストロームまでの間の範囲にある厚さtで形成されている。ある実施形態では、高誘電率誘電体層202は例えば、酸化アルミニウム(Al)、酸化タンタル(Ta)、酸化チタン(TiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化ハフニウム(HfO)、ハフニウムシリコン酸化物(HfSiO)、ハフニウムアルミニウム酸化物(HfAlO)、および/またはハフニウムタンタル酸化物(HfTaO)を含んでもよい。
【0033】
誘電体層204は高誘電率誘電体層202の上に配される。各種の実施形態において、誘電体層204は酸化物(例えばSiO)を含んでもよい。ある実施形態では、バッファ層206が誘電体層204の上に配されてもよい。バッファ層206は窒化物(例えばSiN、Si)を含んでもよい。導電性ボンドパッド112が誘電体層204および/またはバッファ層206の上に配される。導電性ボンドパッド112は、誘電体層204および/またはバッファ層206の上面に沿って配された平面構造を有している。ある実施形態では、導電性ボンドパッド112は、例えばアルミニウムを含んでもよい。
【0034】
裏面側基板貫通ビア(BTSV)110は、BEOLメタライゼーションスタックから、半導体基板102、高誘電率誘電体層202、誘電体層204、およびバッファ層206を貫き、導電性ボンドパッド112の前面側112fまで延伸する。ある実施形態では、BTSV110は、導電性ボンドパッド112と、薄い第1の金属ワイヤ107a(例えば、半導体基板102の前面側102fに最も近い‘M1’層)との間に接続されてもよい。ある実施形態では、BTSV110は誘電体層204またはバッファ層206の上面と同一平面上にある上面を有してもよい。ある実施形態では、BTSV110は、薄い第1の金属ワイヤ107aと導電性ボンドパッド112との間にて延伸するテーパー状の側壁(tapered sidewalls)を有している。ある実施形態では、テーパー状の側壁は、半導体基板102と高誘電率誘電体層202との間で遷移する平滑面(例えば、一定の勾配を持つ)を含む。テーパー状の側壁は、半導体基板102の前面側102fから半導体基板102の裏面側102bへ向かうにつれ、BTSV110の幅が増大するようにさせる。各種実施形態において、BTSV110は銅、アルミニウム、タングステンまたは類似する材料を含んでもよい。
【0035】
ある実施形態では、BTSVライナー208がBTSV110の側壁に沿って配されている。BTSVライナー208は、BTSV110を半導体基板102から離間させる。各種実施形態において、BTSVライナー208は、例えば酸化物または窒化シリコンを含んでもよい。ある実施形態では、BTSVライナー208はまた、高誘電率誘電体層202、誘電体層204、およびバッファ層206の側壁に沿って延伸していてもよい。
【0036】
1つまたは複数の保護層210および212が導電性ボンドパッド112の上に配されている。1つまたは複数の保護層210および212は、導電性ボンドパッド112の上で延伸し、かつ導電性ボンドパッド112の側壁に沿って延伸する。ある実施形態では、保護層は誘電体層210およびポリイミド層212を含んでもよい。アンダーバンプメタラジー(UBM)層118が、導電性ボンドパッド112の上面上に配され、かつポリイミド層212中の開口の内側を覆う(lines)。UBM層118は異なる金属層118aおよび118bのスタックを含んでもよく、それらは拡散層、バリア層、湿潤層(wetting layer)、および/または抗酸化層(anti-oxidation layer)として機能する。ある実施形態では、UBM層118は、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、または類似のものを含んでもよい。各種実施形態において、導電性ボンドパッド112は、BTSV110とUBM層118との間の誘電体層204および/またはバッファ層206に隣接する平面状の下面を有する。ある実施形態では、UBM層118はさらにポリイミド層212の上面に沿って延伸してもよい。
【0037】
導電性バンプ120がUBM層118上に配される。ある実施形態では、導電性バンプ120は、はんだバンプ、銅バンプ、ニッケル(Ni)もしくは金(Au)などの金属バンプ、またはこれらの組み合わせである。ある実施形態では、導電性バンプ120は、UBM層118上にはんだボールを載せてから、それらはんだボールをリフローすることによって形成されたはんだバンプである。ある実施形態では、はんだバンプは、鉛フリー予備はんだ(lead-free pre-solder)層、SnAg、またはスズ、鉛、銀、銅、ニッケル、ビスマスの合金などのはんだ材料、またはこれらの組み合わせを含む。
【0038】
図3は、導電性ボンドパッドに直接接触する裏面側基板貫通ビア(BTSV)のある実施形態の上面図300を示している。
【0039】
上面図300に示されるように、BTSV110は導電性ボンドパッド112の第1の端に接触している。ある実施形態では、BTSV110は円形の断面を有してもよい。別の実施形態では、BTSV110は、別の形状の断面を有してもよい。アンダーバンプメタラジー(UBM)層118は、BTSV110から横方向にずれる(laterally offset)位置で、導電性ボンドパッド112の第2の端と接触している。ある実施形態では、BTSV110は、約0.3umから約5umまでの間の範囲にある幅wBTSVを有している。
【0040】
ある実施形態では、BTSV110は導電性ボンドパッド112により覆われる。BTSV110は導電性ボンドパッド112に覆われるため、BTSV110のサイズは導電性ボンドパッド112のサイズに影響を与え得る。例えば、あるこのような実施形態では、BTSV110は約1.5um以下の幅wBTSVを有していてよく、導電性ボンドパッド112は約2.5um以下の幅wPadを有していてよい。他のこのような実施形態では、BTSV110は約1μm以下の幅wBTSVを有していてよく、導電性ボンドパッド112は約2.0um以下の幅wPadを有していてよい。かかる実施形態において、約2.5μm未満の幅wBTSVを有するBSTVは、結果的に導電性ボンドパッドの幅wPadを比較的小さいものとし、これにより導電性ボンドパッドルーティングの設計自由度および余裕が得られる。
【0041】
ある実施形態では、導電性ボンドパッド112は複数の方向に延伸しててもよい。例えば、導電性ボンドパッド112は、第1の方向302、および第1の方向に垂直な第2の方向304に延伸してもよい。あるこのような実施形態では、BTSV110が、第1の方向302に延伸する導電性ボンドパッド112のセグメントに接触し得る一方で、UBM層118は、第2の方向304に延伸する導電性ボンドパッド112のセグメントに接触し得る。他の実施形態では、導電性ボンドパッド112のセグメントは第2の方向304に延伸する導電性ボンドパッド112の1つまたは複数のセグメントにより分離されており、BTSV110およびUBM層118は、第1の方向302に延伸する導電性ボンドパッド112のセグメントに接触していてよい。
【0042】
図4は、裏面側導電性ボンドパッドを有する三次元集積チップ(3D-IC)400のある別の実施形態を示している。
【0043】
3D-IC400は、第2の半導体ダイ402bに結合した第1の半導体ダイ402aを有し、これらは両者間に設置された接着層404により結合されている。第1の半導体ダイ402aは、複数の半導体素子104を有する第1の半導体基板406aを含む。ある実施形態では、複数の半導体素子104はアイソレーション構造405(例えばシャロートレンチアイソレーション構造)によって分離されてもよい。第1の複数の金属配線層408aは、第1の半導体ダイ406aに重なる1つまたは複数のILD層を含む第1のILD構造410a内に配されている。第2の半導体ダイ402bは、第2の半導体基板406bと、1つまたは複数のILD層を含む第2のILD構造410b内に配されている第2の複数の金属配線層408bとを有する。ある実施形態では、接着層404は酸化層を含み、これにより第1の半導体ダイ402aが酸化層間の境界に沿って第2の半導体ダイ402bに連結されるようになる。
【0044】
複数の金属配線層408は金属ワイヤ407ならびに金属コンタクトおよび/またはビア409(コンタクトおよび/またはビア409a、409a’、409b、409b’、409c、409c’を含む)を有する。第1の複数の金属配線層408aは、薄い金属ワイヤ407aと、薄い金属ワイヤ407aよりも大きいサイズ(例えば幅および/または高さ)で薄い金属ワイヤ407аよりも厚い金属ワイヤ407bとを有する。厚い金属ワイヤ407bは1つまたは複数の薄い金属ワイヤ407aを介して第1の半導体基板406aから離間している。第2の複数の金属配線層408bも、薄い金属ワイヤ407a’と、薄い金属ワイヤ407a’よりも大きいサイズで薄い金属ワイヤ407a’よりも厚い金属ワイヤ407b’とを有する。厚い金属ワイヤ407b’は、1つまたは複数の薄い金属ワイヤ407a’を介して第2の半導体基板406bから離間している。
【0045】
誘電体貫通ビア(through dielectric via,TDV)412が、第1の複数の金属配線層408aから、第1の半導体基板406aおよび接着層404を貫き、第2の複数の金属配線層のうちの1つまで延びている。ある実施形態では、TDV412は、第1の複数の金属配線層408a内の厚い金属ワイヤ407bを、第2の複数の金属配線層408b内の厚い金属ワイヤ407c′に接続する。
【0046】
BTSV110は、第2の複数の金属配線層408bの薄い金属ワイヤ407a'(例えば、厚い金属ワイヤ407b'と第2の半導体基板406bとの間に配された薄い金属ワイヤ407a')に接続される。BTSV110は第2の半導体基板406bを貫き、第2の半導体基板406bの裏面側に沿って配された平面導電性ボンドパッド112まで延びる。平面導電性ボンドパッド112は、導電性バンプ120に接続しているUMB層118とさらに接続する。ある実施形態では、2つ以上のBTSV110が並列に(in parallel)配置され、薄い金属ワイヤ407a'と導電性ボンドパッド112との間に接続されてよい。
【0047】
図5~15は、裏面側ボンドパッドを備えた集積チップの形成方法を説明する、ある実施形態の断面図500~1500を示している。
【0048】
断面図500に示されるように、半導体基板502を準備する。半導体基板502は、半導体ウェハおよび/またはウェハ上の1つもしくは複数のダイのような任意のタイプの半導体ボディ(例えば、シリコン、SiGe、SOI)、ならびにそれらに伴う任意の他のタイプの金属層、素子、半導体および/またはエピタキシャル層などであってよい。半導体基板502は、第1のドーピング型(例えばn-型ドーピングまたはp-型ドーピング)を有する真正ドープ(intrinsically doped)半導体基板でもよい。
【0049】
複数の半導体素子104(例えばトランジスタ素子)を半導体基板502の前面側502fに沿って形成する。ある実施形態では、複数の半導体素子104は、半導体基板502の上にゲート構造を形成することにより構成されている。ゲート構造は、半導体基板502上にゲート誘電体層104eを形成し、続いてゲート誘電体層104eの上にゲート電極層104gを形成することによって構成されている。次いで、ゲート誘電体層104eおよびゲート電極層104gをフォトリソグラフィープロセスによってパターン化し、ゲート構造を形成する。ソース104sおよびドレイン領域104dは、エピタキシャルプロセス、または半導体基板502に例えばホウ素(B)またはリン(P)のようなドーパント種を選択的に注入する注入プロセス(implantation process)によって形成することができる。続いて、高温熱アニールによってドーパント種を半導体基板502中に打ち込むことができる。
【0050】
断面図600に示されるように、半導体基板502の前面側502fの上にBEOLメタライゼーションスタックを形成する。BEOLメタライゼーションスタックは、半導体基板502の前面側502fの上に配されたILD構造108内に形成され、かつ複数の半導体素子104に接続される複数の金属配線層106を有する。
【0051】
ある実施形態では、BEOLメタライゼーションスタックは、別々の堆積プロセスにより個々のILD層108a~108dを堆積させることによって形成する。その堆積の後、個々のILD層108a~108dのうちの1つにビアホールおよび/または金属トレンチをエッチングする。導電材料(例えば銅、タングステン、および/またはアルミニウム)をビアホールおよび/または金属トレンチ内に堆積させて金属配線層106を形成する。ある実施形態では、堆積プロセスを用いてビアホール内にシード層を形成することができ、これに続き、ビアホールおよび/または金属トレンチを充填する厚さに金属材料を形成する後続のメッキプロセス(例えば電気メッキプロセス、無電解メッキプロセス)を行うことができる。ある実施形態では、化学機械研磨(CMP)プロセスを用いて、個々のILD層108a~108dの上面から余分な金属材料を除去することができる。各種実施形態において、複数の金属配線層は、デュアルダマシンプロセス(図示)またはシングルダマシンプロセス(未図示)によって形成することができる。
【0052】
断面図700に示されるように、半導体基板502の厚さを減らす。半導体基板502の厚さを減らすことにより、後に形成される裏面側基板貫通ビア(BTSV)(例えば図9~11において形成)が、導電性ボンドパッドのサイズを小さくする
ことを可能とする小さいサイズ(例えば約2.5um以下)を持つことができる。ある実施形態では、半導体基板502を薄くする前に、ILD構造108を接着材料によりキャリア基板(図示せず)に接続することができる。キャリア基板は、薄化および後続の製造工程時に支持を提供するものである。半導体基板502は、エッチングプロセスおよび/または半導体基板502の裏面側502bを機械研磨することによって、薄化することができる。ある実施形態では、基板の厚さを約700umの第1の厚さtから、約1μmからμmから10μmまでの範囲にある第2の厚さtに減らす。
【0053】
断面図800に示されるように、高誘電率誘電体層202を半導体基板102の裏面側102bの上に形成する。各種実施形態において、高誘電率誘電体層202は、例えば酸化アルミニウム(Al)、酸化タンタル(Ta)、酸化チタン(TiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)および/または酸化ハフニウム(HfO)を含んでもよい。各種実施形態において、高誘電率誘電体層202は、堆積プロセス(例えばCVD、PE-CVD、ALD、PVDなど)により形成することができる。高誘電率誘電体層202が半導体基板102の裏面側102bの粗さを低減するため、素子のリーケージが改善される。
【0054】
次いで、誘電体層204および/またはバッファ層206を高誘電率誘電体層202の上に形成する。ある実施形態では、誘電体層204は酸化物層を含んでもよく、バッファ層206は窒化物層を含んでもよい。誘電体層204および/またはバッファ層206は、堆積プロセス(例えばCVD、PE-CVD、ALD、PVDなど)により形成することができる。
【0055】
断面図900に示されるように、BTSV開口902を形成する。BTSV開口902は、誘電体層204および/またはバッファ層206、高誘電率誘電体層202、半導体基板102、ならびにILD構造108の一部を貫き、複数の金属配線層106の薄い第1の金属ワイヤ107aに接触する位置まで垂直に延びる。ある実施形態では、BTSV開口902は、マスキング層906にしたがって基板を選択的にエッチャント904に対して露出することで形成できる。各種実施形態において、マスキング層906は、フォトリソグラフィープロセスを用いてパターン化されたフォトレジストまたは窒化物(例えばSi、SiN)を含んでもよい。各種実施形態において、エッチャント904は、フッ素種(例えばCF、CHF、Cなど)を含むエッチングケミストリー(etching chemistry)を有するドライエッチャント、またはウェットエッチャント(例えば、フッ化水素酸(HF)もしくは水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH))を含んでもよい。
【0056】
断面図1000に示されるように、BTSVライナー1002をBTSV開口902内に形成することができる。BTSVライナー1002は、BTSV開口902の下面および側壁に沿って延びる。ある実施形態では、BTSVライナー1002はBTSV開口902内に限定されていてよく、他の実施形態では、BTSVライナー1002は外側であって、BTSV開口902から誘電体層204および/またはバッファ層206の上まで延びていてよい。ある実施形態では、BTSVライナー1002を、堆積プロセス(例えばCVD、PE-CVD、ALD、PVDなど)により形成することができる。他の実施形態では、BTSVライナー1002を熱酸化プロセスにより形成することができる。かかる実施形態では、BTSVライナー1002は、誘電体層204および/またはバッファ層206の上に延伸していなくてよい(つまりBTSVライナー208が誘電体層204および/またはバッファ層206の上面より下の上面を有してもよい)。ある実施形態では、BTSVライナー1002は酸化物(例えばSiO)を含んでもよい。
【0057】
次いで、BTSV開口902に導電材料1004を充填する。各種実施形態において、導電材料1004は、銅、アルミニウム、タングステン、または類似の材料を含んでもよい。ある実施形態では、導電材料1004を堆積プロセスにより形成することができる。あるさらなる実施形態では、導電材料1004を、メッキプロセス(例えば電気メッキプロセス、無電解メッキプロセス)により形成することができる。導電材料1004はBTSV開口902を埋め、誘電体層204および/またはバッファ層206の上面にわたって延伸する。
【0058】
断面図1100に示されるように、線1102に沿って平坦化プロセスを行い、誘電体層204および/またはバッファ層206の上に重なる導電材料(例えば図10の1004)および/またはBTSVライナー(例えば図10の1002)を除去する。平坦化プロセスは、BTSV110ならびに誘電体層204および/またはバッファ層206に沿って延びる平面1104を形成する。平坦化プロセスは、BTSV110および/またはBTSVライナー208をBTSV開口902内に閉じ込める(confine)。ある実施形態では、平坦化プロセスは化学機械研磨(CMP)プロセスを含んでもよい。他の実施形態では、平坦化プロセスは例えば、エッチングプロセスおよび/または研削プロセスを含んでもよい。
【0059】
断面図1200に示されるように、導電性ボンドパッド112を平面1104上に形成する。導電性ボンドパッド112をBTSV110に直接接触させて形成することで、BTSV110は導電性ボンドパッド112と物理的かつ電気的に接触する。導電性ボンドパッド112は、堆積プロセスおよび/またはメッキプロセスを行い、続いてリソグラフィーパターニング(lithographic patterning)およびエッチングプロセスを行うことによって形成できる。
【0060】
断面図1300に示されるように、1つまたは複数の保護層210および212を導電性ボンドパッド112の上に形成する。1つまたは複数の保護層210および212は、導電性ボンドパッド112の上から誘電体層204および/またはバッファ層206の上まで延伸する。ある実施形態では、1つまたは複数の保護層は誘電体層210およびポリイミド層212を含んでもよい。1つまたは複数の保護層は、堆積プロセスよって形成できる。次に、パターニングプロセスにより、1つまたは複数の保護層を貫き導電性ボンドパッド112の裏面側112bまで延びるUBM開口1302を形成する。
【0061】
断面図1400に示されるように、アンダーバンプメタラジー(UBM)層118をUBM開口1302内に形成する。UBM層118は異なる金属層118aおよび118bのスタックであり、これらは拡散層、バリア層、湿潤層および/または抗酸化層として機能する。UBM層118は、連続堆積(successive deposition)プロセスにより形成できる。
【0062】
断面図1500に示されるように、導電性バンプ120をUBM層118上に形成する。各種実施形態において、導電性バンプ120は、はんだバンプ、銅バンプ、ニッケル(Ni)もしくは金(Au)などの金属バンプ、またはこれらの組み合わせを付近でもよい。ある実施形態では、集積チップを基板(例えばプリント基板)またはパッケージのリードフレームに接触させてから、はんだボールをリフローして基板またはリードフレームとの電気的接続を形成する。集積チップを基板またはフレームに電気的に接続した後に、キャリア基板および接着層を除去することができる。
【0063】
図16は、裏面側ボンドパッドを有する集積チップの形成方法のある実施形態のフロー図を示している。方法1600は図5~15に基づき説明されるが、方法1600はかかる構造に限定されることはなく、その構造に依存しない、独立した方法としてもよい。
【0064】
開示される各ステップ1600は、本明細書において一連の動作または事象として描写および記述されるが、描写されるかかる動作または事象の順序が限定されない。例えば、いくつかの動作は、本明細書に描写および/または記載されたものとは別に、異なる順序で、および/または他の動作または事象と同時に起こり得る。加えて、全ての描写される動作が、本明細書に記載の1つもしくは複数の実施形態を実施することを求められるわけではない。さらに、本明細書に描写される1つまたは複数の動作は、1つまたは複数の個別の動作および/または段階で実行されてよい。
【0065】
ステップS1602において、1つまたは複数の半導体素子を半導体基板の前面側に沿って形成する。図5には、ステップS1602に対応しているある実施形態が示されている。
【0066】
ステップS1604において、半導体基板の前面側に沿って配されたレベル間誘電体(ILD)構造内に複数の金属配線層を形成する。図6には、ステップS1604に対応しているある実施形態が示されている。
【0067】
S1606において、半導体基板の厚さを薄くする。図7には、動作1606に対応しているある実施形態が示されている。
【0068】
ステップS1608において、高誘電率誘電体層を半導体基板の裏面側に沿って形成する。図8には、ステップS1608に対応しているある実施形態が示されている。
【0069】
ステップS1610において、誘電体層および/またはバッファ層を高誘電率誘電体層の上に形成する。図8には、ステップS1610に対応しているある実施形態が示されている。
【0070】
ステップS1612において、裏面側基板貫通ビア(BTSV)開口を形成する。BTSV開口は、誘電体層および/またはバッファ層、高誘電率誘電体層、半導体基板、ならびにILD構造の一部を貫いて延伸する。BSTVは、基板とより厚い金属配線ワイヤとの間に配置された薄い金属配線ワイヤに接触し得る。図9には、ステップS1602に対応しているある実施形態が示されている。
【0071】
ステップS1614において、BTSVライナーをBTSV開口内に形成することができる。図10には、ステップS1614に対応しているある実施形態が示されている。
【0072】
ステップS1616において、BTSV開口を導電材料で充填する。図10には、ステップS1616に対応しているある実施形態が示されている。
【0073】
ステップS1618において、平坦化プロセスを行って、誘電体層またはバッファ層と実質的に同一平面上にある上面を有するBTSVを形成する。図11には、ステップS1618に対応しているある実施形態が示されている。
【0074】
ステップS1620において、BTSVの平面、および誘電体層またはバッファ層上に導電性ボンドパッドを形成する。図12には、ステップS1620に対応しているある実施形態が示されている。
【0075】
ステップS1622において、導電性ボンドパッドおよび誘電体層またはバッファ層の上に1つまたは複数の保護層を形成する。図13には、ステップS1622に対応しているある実施形態が示されている。
【0076】
ステップS1624において、導電性ボンドパッドに接触する位置における、保護層内の開口中に、アンダーバンプメタラジー(UBM)層を形成する。図14には、ステップS1624に対応しているある実施形態が示されている。
【0077】
ステップS1626において、UBM層上に導電性バンプを形成する。図15には、ステップS1626に対応しているある実施形態が示されている。
【0078】
よって、本発明は、金属配線層と裏面側導電性ボンドパッドとの間にて直接物理的に接続された裏面側シリコン貫通ビア(BTSV)を備える集積チップ(IC)に関するものである。
【0079】
ある実施形態において、本発明は集積チップに関する。集積チップは、基板の前面側に沿って配置されたレベル間誘電体(ILD)構造内に配されている複数の金属配線層を有する。基板の裏面側に沿って誘電体層が配され、かつ誘電体層の上に導電性ボンドパッドが配される。裏面側基板貫通ビア(BTSV)が、複数の金属配線層のうちの1つから、基板および誘電体層を貫き、導電性ボンドパッドまで延伸する。導電性ボンドパッドの上に導電性バンプが配される。導電性ボンドパッドは、BTSVの上から導電性バンプの下まで延びる実質的に平面状の下面を有する。
【0080】
他の実施形態では、本発明は集積チップに関する。集積チップは、基板の前面側に沿って配置されたレベル間誘電体(ILD)構造内に配されている複数の金属配線層を有する。複数の金属配線層は、第1の金属配線ワイヤと、第1の金属配線ワイヤを介して基板と離間し、第1の金属配線ワイヤより厚い第2の金属配線ワイヤとを含む。基板の裏面側の上に高誘電率誘電体層が配され、かつ誘電体層が高誘電率誘電体層を介して基板の裏面側と離間している。導電性ボンドパッドが誘電体層の上に配されている。裏面側基板貫通ビア(BTSV)が、ワイヤ金属配線層と導電性ボンドパッドとの間にて延伸する。
【0081】
さらなる他の実施形態では、本発明は集積チップを形成する方法に関する。当該方法は、基板の前面側に沿って配されたレベル間誘電体(ILD)構造内に複数の金属配線層を形成する工程を含む。複数の金属配線層は、第1の金属配線ワイヤと、第1の金属配線ワイヤを介して基板と離間し、第1の金属配線ワイヤより厚い第2の金属配線ワイヤとを含む。当該方法は、基板の裏面側上に高誘電率誘電体層を形成する工程、および高誘電率誘電体層の上に誘電体層を形成する工程をさらに含む。当該方法は、誘電体層、高誘電率誘電体層、基板、およびILD構造をエッチングして、第1の金属配線ワイヤと接触する位置まで延伸する裏面側基板貫通ビア(BTSV)開口を形成する工程をさらに含む。当該方法は、BTSV開口内に導電材料を堆積する工程、および平坦化プロセスを行ってBTSV開口外の導電材料を除去し裏面側基板貫通ビア(BTSV)を形成する工程をさらに含む。当該方法は、BTSV上に配置された平面状の下面を有する導電性パッドを形成する工程をさらに含む。
【0082】
当業者が本発明の態様をよりよく理解できるように、いくつかの実施形態の特徴の概要を上に述べた。当業者は、本明細書で紹介した実施形態と同じ目的を成し遂げ、かつ/または同じ利点を達成するべく、他のプロセスおよび構造を設計または変更するための基礎として、本開示を容易に利用することができると理解できる。当業者はまた、かかる均等な構成が本発明の精神および範囲を逸脱するものではないこと、および本発明の思想を逸脱することなくここに各種の変化、置換および変更を加え得ることも理解できる。
【符号の説明】
【0083】
100、200、400…集積チップ
102、502…半導体基板
102b、502b…半導体基板の裏面側
102f、502f…半導体基板の前面側
104…半導体素子
104g…ゲート電極層
104e…ゲート誘電体層
104s…ソース領域
104d…ドレイン領域
106…金属配線層
107a、107b、107c、407、407a、407a’、407b、407b’、407c、407c’…金属ワイヤ
108、410a、410b…レベル間誘電体(ILD)構造
108a、108b、108c、108d…ILD層
109a…コンタクト
109b、109c…金属ビア
110…裏面側基板貫通ビア
112…導電性ボンドパッド
112b…導電性ボンドパッドの裏面側
112f…導電性ボンドパッドの前面側
114、204…誘電体層
116、210、212…保護層
118…アンダーバンプメタラジー(UBM)層
118a、118b…金属層
120…導電性バンプ
202…高誘電率誘電体層
206…バッファ層
208、1002…BTSVライナー
302…第1の方向
304…第2の方向
402a…第1の半導体ダイ
402b…第2の半導体ダイ
404…接着層
405…アイソレーション構造405
406a…第1の半導体基板
406b…第2の半導体基板
408a、408b…金属配線層
409、409a、409a’、409b、409b’、409c、409c’…コンタクト/ビア
412…誘電体貫通ビア(TDV)
902…裏面側基板貫通ビアの開口
904…エッチャント
906…マスキング層
1004…導電材料
1102…線
1104…平面
1302…UBM開口
300…上面図
500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500…断面図
1600…方法
1602、1604、1606、1608、1610、1612、1614、1616、1618、1620、1622、1624、1626…動作
Pad、wBTSV…幅
t、t1、t2…厚さ
図1
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図3
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