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特許7333103リン酸塩ガラスおよびそれを用いた発光装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-16
(45)【発行日】2023-08-24
(54)【発明の名称】リン酸塩ガラスおよびそれを用いた発光装置
(51)【国際特許分類】
   C03C 3/16 20060101AFI20230817BHJP
   C03C 3/17 20060101ALI20230817BHJP
   C03C 3/062 20060101ALI20230817BHJP
   H01L 33/56 20100101ALI20230817BHJP
【FI】
C03C3/16
C03C3/17
C03C3/062
H01L33/56
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021540653
(86)(22)【出願日】2020-07-01
(86)【国際出願番号】 JP2020025807
(87)【国際公開番号】W WO2021033434
(87)【国際公開日】2021-02-25
【審査請求日】2022-07-22
(31)【優先権主張番号】P 2019151314
(32)【優先日】2019-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】301021533
【氏名又は名称】国立研究開発法人産業技術総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100124431
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 順也
(74)【代理人】
【識別番号】100174160
【弁理士】
【氏名又は名称】水谷 馨也
(74)【代理人】
【識別番号】100175651
【弁理士】
【氏名又は名称】迫田 恭子
(74)【代理人】
【識別番号】100122448
【弁理士】
【氏名又は名称】福井 賢一
(72)【発明者】
【氏名】正井 博和
(72)【発明者】
【氏名】赤井 智子
【審査官】菅原 洋平
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-060442(JP,A)
【文献】特開2012-072040(JP,A)
【文献】特開昭51-107311(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03C 3/16
C03C 3/17
C03C 3/062
H01L 33/56
INTERGLAD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
490℃よりも低いガラス転移温度を有し、酸化物基準のモル%表示で、55~65[モル%]のP25と、10~27[モル%]のZnOと、0.5~7[モル%]のR23(R23は、Al23,Ga23およびY23の少なくとも1つ)と、0.5~3.5[モル%]のランタノイドの酸化物L23(L23は、La23、Ce23、Pr23、Nd23、Pm23、Sm23、Eu23、Gd23、Tb23、Dy23、Ho23、Er23、Tm23、Yb23およびLu23の少なくとも1つ)と、4~15[モル%]のX2O(X2Oは、Li2O、Na2O、K2O、Rb2O、Cs2OおよびFr2Oの少なくとも1つ)とを含み、
前記ガラス転移温度が400℃よりも低い、リン酸塩ガラス。
【請求項2】
更に、0.1~9[モル%]のSiO 2 を含む、請求項1に記載のリン酸塩ガラス。
【請求項3】
490℃よりも低いガラス転移温度を有し、酸化物基準のモル%表示で、55~65[モル%]のP 2 5 と、10~27[モル%]のZnOと、0.5~7[モル%]のR 2 3 (R 2 3 は、Al 2 3 ,Ga 2 3 およびY 2 3 の少なくとも1つ)と、0.5~3.5[モル%]のランタノイドの酸化物L 2 3 (L 2 3 は、La 2 3 、Ce 2 3 、Pr 2 3 、Nd 2 3 、Pm 2 3 、Sm 2 3 、Eu 2 3 、Gd 2 3 、Tb 2 3 、Dy 2 3 、Ho 2 3 、Er 2 3 、Tm 2 3 、Yb 2 3 およびLu 2 3 の少なくとも1つ)と、4~15[モル%]のX 2 O(X 2 Oは、Li 2 O、Na 2 O、K 2 O、Rb 2 O、Cs 2 OおよびFr 2 Oの少なくとも1つ)とを含み、
更に、0.1~9[モル%]のSiO 2 を含むリン酸塩ガラス。
【請求項4】
前記P25と前記ZnOとの合計含有量は、68~85[モル%]であり、
前記R23と前記L23との合計含有量は、1~10[モル%]である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のリン酸塩ガラス。
【請求項5】
前記ガラス転移温度が240℃以下である、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のリン酸塩ガラス。
【請求項6】
Al23の含有量は、1~5[モル%]である、請求項に記載のリン酸塩ガラス。
【請求項7】
更に、0.001~10.0[モル%]のSnOを含む、請求項または請求項に記載のリン酸塩ガラス。
【請求項8】
前記ガラス転移温度が240℃よりも高い、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のリン酸塩ガラス。
【請求項9】
更に、5~12[モル%]のQO(QOは、BaO,SrО,CaO,MgOの少なくとも1つ)を含む、請求項1から請求項のいずれか1項に記載のリン酸塩ガラス。
【請求項10】
発光素子と、
前記発光素子を被覆する被覆材料とを備え、
前記被覆材料は、請求項1から請求項のいずれか1項に記載のリン酸塩ガラスからなる、発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、リン酸塩ガラスおよびそれを用いた発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)のような高強度な発光素子の開発が盛んである。発光ダイオードを発光素子として用いる場合、発光ダイオードを被覆する材料と組み合わせてデバイスとすることが一般的な手法である。
【0003】
このような被覆材料としては、一般的には、有機高分子およびシリコン樹脂等が用いられるが、耐光性、ガス透過性、耐熱性、あるいは化学的耐久性の観点からは、成型加工が容易な酸化物ガラスが最も相応しい。
【0004】
しかし、通常の酸化物ガラスは、均一な融液を得るために、酸化物原料粉末を、一旦、1000℃以上まで加熱して冷却する溶融法で作製されている。このような高温は、発光素子の耐熱温度をはるかに超えるため、このような高温の溶融法を用いることはできない。
【0005】
一方、低温で軟化する特性に特化した酸化物ガラスを低融点ガラスと言う。低融点ガラスは、主として、電子部品の被覆・封止に用いられるため、その作業温度は、凡そ、600℃以下である。しかし、従来、鉛を用いた低融点ガラスは、RoHS指令による規制によって被覆材料として使用することが困難である。
【0006】
そのため、鉛を他の複数の元素に置換するような形で組成設計を行った低融点ガラスの開発が産学官で活発に行われている。その中でも、1つの代替候補は、ビスマスおよびバナジウム等を含有した低融点ガラスであり、優れた化学的耐久性と低融点性とを兼ね備えている(特許文献1,2)。
【0007】
しかし、多くの場合、このようなガラスは、着色しており、上述のような光学用途の低融点ガラスとして用いることが困難である。
そのため、近紫外から可視領域に亘る透明性と低温での軟化特性とを兼ね備えた無機酸化物ガラスの開発が、産業界から切望されている。
【0008】
このような低温での光学用途に向けた1つの組成として、亜鉛を50モル%以上含有する酸化物ガラスが知られている(非特許文献1)。このような組成は、鉛フリー低融点フリットとして知られており、組成によっては紫外域においても透過特性を有する。しかし、ガラスを溶融して作製するフリットの粒径を調整するなど、複数の工程で製造しなければならない上に、本質的に、1000℃に近い温度で、一度、ガラスを溶融する必要がある。
【0009】
また、低温での作製が可能な作製法として、溶液を用いたゾル-ゲル法がある。しかし、この手法でも、通常、酸化物材料を得るために、500℃以上に加熱する必要がある。
【0010】
更に、低温で作製が可能な酸化物材料として、ZnOを含有したガラス薄膜が知られている(特許文献3、非特許文献2)。特許文献3には、SnO-ZnO-P25の3成分を含むアモルファスガラス薄膜が、組成を制御することによってマイクロメートルオーダーの膜を単一工程で400℃程度の低温で作製できることが記載されている。
【0011】
更に、亜鉛化合物とリン酸とを出発原料に用いて、バルクの低融点ガラスを作製する手法も知られている(特許文献4)。このガラスは、酸化物基準のモル%表示で、55~90モル%のP25と、10~45モル%のZnOとからなり、500℃で作製できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】特開2009-221048号公報
【文献】特開2019-038722号公報
【文献】特開2012-160697号公報
【文献】特開2017-049526号公報
【非特許文献】
【0013】
【文献】モレーナ、ジャーナル オブ ノンクリスタン ソリッズ、2000年、263-264号 382頁.
【文献】正井ら、サイエンティフィックレポーツ、2015年、5号、11224頁.
【文献】C.A.ANGELL, Journal of Non-Crystalline Solids 102 (1988) 205-221.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかし、特許文献4に記載のガラスは、水に対する耐久性が低く、水に浸漬することによって容易に水に溶解するという問題がある。また、P25およびZnOの2成分に対して、他の成分を0.1~5モル%添加することによって、物性を調整できることが記載されているが、耐久性の向上を確認するに至っていない。
【0015】
そこで、この発明の実施の形態によれば、低融点性を有し、ガラス構造を維持しながら耐水性に優れたリン酸塩ガラスを提供する。
また、この発明の実施の形態によれば、低融点性を有し、ガラス構造を維持しながら耐水性に優れたリン酸塩ガラスを備える発光装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
(構成1)
この発明の実施の形態によれば、リン酸塩ガラスは、490℃よりも低いガラス転移温度を有し、酸化物基準のモル%表示で、55~65[モル%]のP25と、10~27[モル%]のZnOと、0.5~7[モル%]のR23(R23は、Al23,Ga23およびY23の少なくとも1つ)と、0.5~3.5[モル%]のランタノイドの酸化物L23(L23は、La23、Ce23、Pr23、Nd23、Pm23、Sm23、Eu23、Gd23、Tb23、Dy23、Ho23、Er23、Tm23、Yb23およびLu23の少なくとも1つ)と、4~15[モル%]のX2O(X2Oは、Li2O、Na2O、K2O、Rb2O、Cs2OおよびFr2Oの少なくとも1つ)とを含む。
【0017】
(構成2)
構成1において、P25とZnOとの合計含有量は、68~85[モル%]であり、R23とL23との合計含有量は、1~10[モル%]である。
【0018】
(構成3)
構成1または構成2において、ガラス転移温度が240℃以下である。
【0019】
(構成4)
構成3において、Al23の含有量は、1~5[モル%]である。
【0020】
(構成5)
構成3または構成4において、リン酸塩ガラスは、更に、0.001~10.0[モル%]のSnOを含む。
【0021】
(構成6)
構成1または構成2において、ガラス転移温度が240℃よりも高い。
【0022】
(構成7)
構成1から構成6のいずれかにおいて、リン酸塩ガラスは、更に、5~12[モル%]のQO(QOは、BaO,SrО、CaO,MgOの少なくとも1つ)を含む。
【0023】
(構成8)
構成1から構成7のいずれかにおいて、リン酸塩ガラスは、更に、0.1~9[モル%]のSiO2を含む。
【0024】
(構成9)
また、この発明の実施の形態によれば、発光装置は、発光素子と、被覆材料とを備える。被覆材料は、発光素子を被覆する。そして、被覆材料は、構成1から構成8のいずれかにおけるリン酸塩ガラスからなる。
【発明の効果】
【0025】
低融点性を有し、ガラス構造を維持しながら耐水性に優れたリン酸塩ガラスを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】リン酸塩ガラスPGSの製造方法を示す工程図である。
図2】この発明の実施の形態による発光装置の概略図である。
図3】実施例8,13~17におけるリン酸塩ガラスPGS-8,PGS-13~PGS-17のX線回折のスペクトルを示す図である。
図4】実施例8,13~16におけるリン酸塩ガラスPGS-8,PGS-13~PGS-16の光透過スペクトルを示す図である。
図5】実施例13~16におけるリン酸塩ガラスPGS-13~PGS-16の蛍光スペクトルを示す図である。
図6】酸化物基準のモル%表示で各成分の含有量を表したときの実施例1~9,13~18,21,24,28,29,33~38,61~70,74,78,82,84~86,90~100および比較例1~23におけるリン酸塩ガラスPGS-1~PGS-9,PGS-13~PGS-18,PGS-21,PGS-24,PGS-28,PGS-29,PGS-33~PGS-38,PGS-61~PGS-70,PGS-74,PGS-78,PGS-82,PGS-84~PGS-86,PGS-90~PGS-100;PGS-Comp-1~PGS-Comp-23における耐水性およびガラス転移温度Tgと特定の成分の含有量との関係を示す図である。
図7】カチオン基準のモル%表示で各成分の含有量を表したときの実施例1~9,13~18,21,24,28,29,33~38,61~70,74,78,82,84~86,90~100および比較例1~23におけるリン酸塩ガラスPGS-1~PGS-9,PGS-13~PGS-18,PGS-21,PGS-24,PGS-28,PGS-29,PGS-33~PGS-38,PGS-61~PGS-70,PGS-74,PGS-78,PGS-82,PGS-84~PGS-86,PGS-90~PGS-100;PGS-Comp-1~PGS-Comp-23における耐水性およびガラス転移温度Tgと特定の成分の含有量との関係を示す図である。
図8】ガラス転移温度と溶融温度との関係を示す図である。
図9】粘度とガラス転移温度との関係を示す図である。
図10】透過率と波長との関係を示す図である。
図11】蛍光強度と波長との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
この発明の実施の形態によるリン酸塩ガラスPGSは、490℃よりも低いガラス転移温度Tgを有し、酸化物基準のモル%表示で、55~65[モル%]のP25と、10~27[モル%]のZnOと、0.5~7[モル%]のR23(R23は、Al23,Ga23およびY23の少なくとも1つ)と、0.5~3.5[モル%]のランタノイドの酸化物L23(L23は、La23、Ce23、Pr23、Nd23、Pm23、Sm23、Eu23、Gd23、Tb23、Dy23、Ho23、Er23、Tm23、Yb23およびLu23の少なくとも1つ)と、4~15[モル%]のX2O(X2Oは、Li2O、Na2O、K2O、Rb2O、Cs2OおよびFr2Oの少なくとも1つ)とを含む。
【0028】
25およびZnOは、ガラスのネットワークを形成する成分(ガラスを安定化させる成分)である。R23およびL23は、水に対する耐久性(耐水性)およびガラス転移温度Tgを上げる成分である。また、P25およびX2Oは、耐水性およびガラス転移温度Tgを下げる成分である。
【0029】
リン酸塩ガラスPGSは、240℃以下のガラス転移温度Tgを有していてもよい。また、リン酸塩ガラスPGSは、240℃よりも高く、400℃よりも低いガラス転移温度Tgを有していてもよい。
【0030】
リン酸塩ガラスPGSは、55~65[モル%]のP25と10~27[モル%]のZnOとによってガラスを安定化させ、0.5~7[モル%]のR23と0.5~3.5[モル%]のL23とによって耐水性を向上させることを特徴とする。即ち、リン酸塩ガラスPGSは、P25とZnOとの合計含有量と、R23とL23との合計含有量との兼ね合いによって、ガラスの安定化と耐水性の向上とを実現している。
【0031】
この発明の実施の形態においては、リン酸塩ガラスPGSの耐水性を次の(1),(2)のいずれかによって評価する。
(1)リン酸塩ガラスをpH7の水(室温)に360分浸漬したときのリン酸塩ガラスの質量の減少率ΔWを測定することによって耐水性を評価する。
(2)リン酸塩ガラスをpH7の水(70℃)に180分浸漬したときのリン酸塩ガラスの質量の減少率ΔWを測定することによって耐水性を評価する。
【0032】
この(1),(2)のいずれの方法を用いた場合も、減少率ΔWの値が小さい方が耐水性に優れていることを表す。そして、(1)の方法によって耐水性を評価する場合、減少率ΔWが30[%]よりも小さいとき、耐水性に優れていることとし、(2)の方法によって耐水性を評価する場合、減少率ΔWが0.6[%]よりも小さいとき、耐水性に優れていることとする。
【0033】
減少率ΔWの観点からは、リン酸塩ガラスPGSは、より好ましくは、P25が55.8~63.0[モル%]、R23が1.0~7.0[モル%]、L23が1.0~3.5[モル%]であり、さらに好ましくは、R23が1.0~6.1[モル%]、L23が1.0~3.0[モル%]である。また、ガラス転移温度Tgの観点からは、リン酸塩ガラスPGSは、より好ましくは、R23が0.7~4.9[モル%]であり、さらに好ましくは、R23が0.7~3.5[モル%]、L23が0.7~3.0[モル%]である。さらに、減少率ΔWとガラス転移温度Tgとを併せて考えると、リン酸塩ガラスPGSは、より好ましくは、P25が55.8~63.0[モル%]、R23が1.0~4.9[モル%]、L23が1.0~3.5[モル%]であり、さらに好ましくは、R23が1.0~3.5[モル%]、L23が1.0~3.0[モル%]である。
【0034】
リン酸塩ガラスPGSは、P25、ZnO、R23、L23およびX2Oに加え、酸化物基準のモル%表示で、0.001~10.0[モル%]のSnOを更に含んでいてもよい。リン酸塩ガラスPGSは、0.001~10.0[モル%]のSnOを含むことによって、ガラスのネットワーク構造を維持したまま、紫外領域における光の透過端の波長λTRをSnOの含有量によって制御することができる。より具体的には、光の透過端の波長λTRは、SnOの含有量の増加に伴って、紫外領域において長波長側へシフトし、SnOの含有量の減少に伴って、紫外領域において短波長側へシフトする。
【0035】
また、リン酸塩ガラスPGSは、P25、ZnO、R23、L23およびX2Oに加え、酸化物基準のモル%表示で、5~12[モル%]のQO(QOは、BaO,SrО,CaO,MgOの少なくとも1つ)を含んでいてもよい。QOは、X2Oと同様に、酸化物ガラスにおいてネットワーク修飾酸化物に分類されるが、X2Oと比較して、ガラス転移温度Tgを下げる効果は小さく、耐水性を悪くする影響は小さい。
【0036】
更に、リン酸塩ガラスPGSは、P25、ZnO、R23、L23およびX2Oに加え、酸化物基準のモル%表示で、0.1~9[モル%]のSiO2を含んでいてもよい。リン酸塩ガラスPGSは、SiO2を成分として含むことによって、製造工程における雰囲気にSiO2が存在する場合でも、ガラスの安定化と耐水性とを兼ね備えたリン酸塩ガラスPGSを製造できる。
【0037】
この発明の実施の形態において使用可能なランタノイド元素は、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)である。
【0038】
図1は、リン酸塩ガラスPGSの製造方法を示す工程図である。図1を参照して、リン酸塩ガラスPGSの製造が開始されると、酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、R23(R23は、Al23,Ga23およびY23の少なくとも1つ)、L23(L23は、La23、Ce23、Pr23、Nd23、Pm23、Sm23、Eu23、Gd23、Tb23、Dy23、Ho23、Er23、Tm23、Yb23およびLu23の少なくとも1つ)およびX2O(X2Oは、Li2O,Na2O,K2O,Rb2O,Cs2OおよびFr2Oの少なくとも1つ)が、それぞれ、所定のモル%になるように原材料(H3PO4と、(NH4)H2PO4および(NH42HPO4のいずれかと、ZnOと、R(OH)3(R(OH)3は、Al(OH)3、Ga(OH)3およびY(OH)3の少なくとも1つ)と、L23と、アルカリ金属リン酸塩のいずれか(アルカリ金属リン酸塩は、LiPO3,Li3PO4,LiH2PO4,Li2HPO4,NaPO3,Na3PO4,NaH2PO4,Na2HPO4,KPO3,K3PO4,KH2PO4,K2HPO4,RbPO3,Rb3PO4,RbH2PO4,Rb2HPO4,CsPO3,Cs3PO4,CsH2PO4,Cs2HPO4,FrPO3,Fr3PO4,FrH2PO4,Fr2HPO4の少なくとも1つ))を秤量する(工程S1)。
【0039】
そして、秤量した原材料(H3PO4と、(NH4)H2PO4および(NH42HPO4のいずれかと、ZnOと、R(OH)3と、L23と、アルカリ金属リン酸塩のいずれか)を混合して混合物を作製する(工程S2)。
【0040】
原料としてH3PO4を用いる場合(工程S3の“YES”)、大気中において混合物を200℃で所定時間(20~60分)加熱して前駆体液を作製する(工程S4)。
【0041】
原料としてH3PO4を用いない場合(工程S3の“NO”)、または工程S4の後、前駆体液を400℃で所定時間(10~60分)加熱処理する(工程S5)。そして、前駆体液を電気炉に入れ、前駆体液を500℃で所定時間(10~30分、好ましくは、10~20分)加熱して混合物を溶融し(工程S6)、その後、自然放冷する(工程S7)。また、混合物を800℃で溶融する場合、前駆体液を電気炉に入れ、前駆体液を800℃で所定時間(10~30分、好ましくは、10~20分)加熱して混合物を溶融し(工程S6)、その後、自然放冷する(工程S7)。なお、工程S6において、500℃と800℃との間の温度で混合物を溶融する場合、上述した500℃での溶融方法または800℃での溶融方法のいずれかが用いられる。これによって、リン酸塩ガラスPGSが製造される。そして、工程S6において、減圧電気炉を用いる場合、減圧電気炉の圧力は、例えば、1kPa~40kPaである。
このように、この発明の実施の形態によるリン酸塩ガラスPGSは、500℃~800℃の温度で原材料を溶融して製造される。
【0042】
従来のガラス製造方法である溶融急冷法では、1000℃以上の温度で原材料を溶融するが、この発明の実施の形態においては、500℃~800℃の温度で原材料を溶融する。従って、この発明の実施の形態における製造方法は、従来のガラス製造方法よりも低温であり、合成時のエネルギーを抑制することができる。その結果、環境負荷を小さくできる。
【0043】
図2は、この発明の実施の形態による発光装置の概略図である。図2を参照して、この発明の実施の形態による発光装置10は、発光素子1と、被覆材料2とを備える。発光素子1は、発光波長が紫外領域に存在する発光素子であり、例えば、LEDである。
被覆材料2は、発光素子1の発光面に接して発光素子1上に配置される。そして、被覆材料2は、リン酸塩ガラスPGSからなる。
【0044】
以下、実施例を用いてリン酸塩ガラスPGSについて詳細に説明する。なお、有効数字の関係で、モル%の数値を合計しても100[モル%]にならない場合がある。
(実施例1)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、BaOがそれぞれ59.6[モル%]、20.7[モル%]、2.6[モル%]、1.0[モル%]、7.8[モル%]、8.3[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、KPO3、およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した。
【0045】
そして、これらの秤量した原材料を混合し、その混合した混合物を大気中において200℃で30分加熱して前駆体液を得た。その後、前駆体液を400℃で20分加熱した後、加熱後の前駆体液をデンケン・ハイデンタルの型番KDF-75Plusの減圧電気炉に投入して減圧電気炉内の圧力を40kPaに設定し、500℃で15分加熱した後、自然放冷によって実施例1におけるリン酸塩ガラスPGS-1を作製した。
【0046】
(実施例2)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、BaOがそれぞれ62.1[モル%]、22.6[モル%]、2.8[モル%]、1.1[モル%]、5.7[モル%]、5.7[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、KPO3、およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例2におけるリン酸塩ガラスPGS-2を作製した。
【0047】
(実施例3)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、BaOがそれぞれ59.8[モル%]、21.7[モル%]、3.3[モル%]、1.1[モル%]、5.4[モル%]、8.7[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、KPO3、およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例3におけるリン酸塩ガラスPGS-3を作製した。
【0048】
(実施例4)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、BaOがそれぞれ64.9[モル%]、10.8[モル%]、2.7[モル%]、2.2[モル%]、10.8[モル%]、8.6[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、KPO3、およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例4におけるリン酸塩ガラスPGS-4を作製した。
【0049】
(実施例5)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、BaOがそれぞれ59.5[モル%]、21.6[モル%]、2.7[モル%]、2.2[モル%]、5.4[モル%]、8.6[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、KPO3、およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例5におけるリン酸塩ガラスPGS-5を作製した。
【0050】
(実施例6)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、BaOがそれぞれ56.1[モル%]、25.4[モル%]、2.6[モル%]、2.6[モル%]、5.1[モル%]、8.2[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、KPO3、およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例6におけるリン酸塩ガラスPGS-6を作製した。
【0051】
(実施例7)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、BaOがそれぞれ61.0[モル%]、16.7[モル%]、2.8[モル%]、2.8[モル%]、5.6[モル%]、11.1[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、KPO3、およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例7におけるリン酸塩ガラスPGS-7を作製した。
【0052】
(実施例8)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、BaOがそれぞれ62.8[モル%]、17.4[モル%]、2.9[モル%]、2.9[モル%]、4.7[モル%]、9.3[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、KPO3、およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例8におけるリン酸塩ガラスPGS-8を作製した。
【0053】
(実施例9)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、BaOがそれぞれ58.5[モル%]、14.6[モル%]、4.9[モル%]、2.4[モル%]、9.8[モル%]、9.8[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、KPO3、およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例9におけるリン酸塩ガラスPGS-9を作製した。
【0054】
(実施例10)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、Lu23、K2O、BaOがそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、1.5[モル%]、2.0[モル%]、1.5[モル%]、6.0[モル%]、9.0[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、Lu23、KPO3、およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例10におけるリン酸塩ガラスPGS-10を作製した。
【0055】
(実施例11)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、BaO、Y23がそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、1.5[モル%]、1.5[モル%]、6.0[モル%]、9.0[モル%]、2.0[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびY23を秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例11におけるリン酸塩ガラスPGS-11を作製した。
【0056】
(実施例12)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、Ga23、K2O、BaO、Y23がそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、1.0[モル%]、1.5[モル%]、0.5[モル%]、6.0[モル%]、9.0[モル%]、2.0[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、Ga23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびY23を秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例12におけるリン酸塩ガラスPGS-12を作製した。
【0057】
(実施例13)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、BaO、SnOがそれぞれ62.8[モル%]、17.4[モル%]、2.9[モル%]、2.9[モル%]、4.7[モル%]、9.3[モル%]、0.001[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびSnOを秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例13におけるリン酸塩ガラスPGS-13を作製した。
【0058】
(実施例14)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、BaO、SnOがそれぞれ62.8[モル%]、17.4[モル%]、2.9[モル%]、2.9[モル%]、4.7[モル%]、9.3[モル%]、0.010[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびSnOを秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例14におけるリン酸塩ガラスPGS-14を作製した。
【0059】
(実施例15)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、BaO、SnOがそれぞれ62.7[モル%]、17.4[モル%]、2.9[モル%]、2.9[モル%]、4.7[モル%]、9.3[モル%]、0.1[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびSnOを秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例15におけるリン酸塩ガラスPGS-15を作製した。
【0060】
(実施例16)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、BaO、SnOがそれぞれ62.1[モル%]、17.3[モル%]、2.9[モル%]、2.9[モル%]、4.6[モル%]、9.2[モル%]、1.0[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびSnOを秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例16におけるリン酸塩ガラスPGS-16を作製した。
【0061】
(実施例17)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、BaO、SnOがそれぞれ57.1[モル%]、15.8[モル%]、2.6[モル%]、2.6[モル%]、4.3[モル%]、8.5[モル%]、9.1[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびSnOを秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例17におけるリン酸塩ガラスPGS-17を作製した。
【0062】
(実施例18)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、Ga23、K2O、BaOがそれぞれ62.8[モル%]、17.4[モル%]、1.4[モル%]、2.9[モル%]、1.5[モル%]、4.7[モル%]、9.3[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、Ga23、KPO3およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例18におけるリン酸塩ガラスPGS-18を作製した。
【0063】
(実施例19)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、Lu23、Ga23、K2O、BaOがそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、2.0[モル%]、1.0[モル%]、2.0[モル%]、6.0[モル%]、9.0[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al(OH)3、Lu23、Ga23、KPO3およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例19におけるリン酸塩ガラスPGS-19を作製した。
【0064】
(実施例20)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、Lu23、Ga23、K2O、BaO、Y23がそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、1.5[モル%]、1.5[モル%]、1.0[モル%]、6.0[モル%]、9.0[モル%]、1.0[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al(OH)3、Lu23、Ga23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびY23を秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例20におけるリン酸塩ガラスPGS-20を作製した。
【0065】
(実施例21)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Lu23、Ga23、K2O、BaOがそれぞれ62.8[モル%]、17.4[モル%]、2.9[モル%]、2.9[モル%]、4.7[モル%]、9.3[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Lu23、Ga23、KPO3およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例21におけるリン酸塩ガラスPGS-21を作製した。
【0066】
(実施例22)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Lu23、K2O、BaO、Y23がそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、3.0[モル%]、6.0[モル%]、9.0[モル%]、2.0[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Lu23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびY23を秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例22におけるリン酸塩ガラスPGS-22を作製した。
【0067】
(実施例23)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、Lu23、K2O、BaO、Y23がそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、1.5[モル%]、1.5[モル%]、6.0[モル%]、9.0[モル%]、2.0[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al23、Lu23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびY23を秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例23におけるリン酸塩ガラスPGS-23を作製した。
【0068】
(実施例24)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、La23、Ga23、K2O、BaOがそれぞれ62.8[モル%]、17.4[モル%]、2.9[モル%]、2.9[モル%]、4.7[モル%]、9.3[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、La23、Ga23、KPO3およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例24におけるリン酸塩ガラスPGS-24を作製した。
【0069】
(実施例25)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、La23、K2O、BaO、Y23がそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、3.0[モル%]、6.0[モル%]、9.0[モル%]、2.0[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、La23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびY23を秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例25におけるリン酸塩ガラスPGS-25を作製した。
【0070】
(実施例26)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、La23、Ga23、K2O、BaO、Y23がそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、1.0[モル%]、2.0[モル%]、6.0[モル%]、9.0[モル%]、2.0[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、La23、Ga23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびY23を秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例26におけるリン酸塩ガラスPGS-26を作製した。
【0071】
(実施例27)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Lu23、Ga23、K2O、BaO、Y23がそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、1.0[モル%]、2.0[モル%]、6.0[モル%]、9.0[モル%]、2.0[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Lu23、Ga23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびY23を秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例27におけるリン酸塩ガラスPGS-27を作製した。
【0072】
(実施例28)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、CaOがそれぞれ62.1[モル%]、22.6[モル%]、2.8[モル%]、1.1[モル%]、5.7[モル%]、5.7[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、KPO3およびCa(H2PO42・H2Oを秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例28におけるリン酸塩ガラスPGS-28を作製した。
【0073】
(実施例28-2)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、SrOがそれぞれ62.1[モル%]、22.6[モル%]、2.8[モル%]、1.1[モル%]、5.7[モル%]、5.7[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al23、La23、KPO3およびSrOを秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例28-2におけるリン酸塩ガラスPGS-28-2を作製した。
【0074】
(実施例29)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2Oがそれぞれ59.0[モル%]、20.0[モル%]、3.5[モル%]、3.0[モル%]、14.5[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al(OH)3、La23およびKPO3を秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例29におけるリン酸塩ガラスPGS-29を作製した。
【0075】
(実施例30)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、Li2Oがそれぞれ62.5[モル%]、21.5[モル%]、1.5[モル%]、2.5[モル%]、12.0[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al(OH)3、La23およびLiPO3を秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例30におけるリン酸塩ガラスPGS-30を作製した。
【0076】
(実施例31)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、Na2Oがそれぞれ62.5[モル%]、21.5[モル%]、1.5[モル%]、2.5[モル%]、12.0[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al(OH)3、La23およびNaPO3を秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例31におけるリン酸塩ガラスPGS-31を作製した。
【0077】
(実施例32)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、Na2O、K2Oがそれぞれ62.0[モル%]、21.0[モル%]、2.0[モル%]、3.0[モル%]、6.0[モル%]、6.0[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、NaPO3およびKPO3を秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例32におけるリン酸塩ガラスPGS-32を作製した。
【0078】
(実施例33)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、Lu23、K2O、BaOがそれぞれ62.8[モル%]、17.4[モル%]、2.9[モル%]、2.9[モル%]、4.7[モル%]、9.3[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al(OH)3、Lu23、KPO3およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例33におけるリン酸塩ガラスPGS-33を作製した。
【0079】
(実施例34)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、BaO、SiO2がそれぞれ58.5[モル%]、22.0[モル%]、2.9[モル%]、2.2[モル%]、5.5[モル%]、8.8[モル%]、0.1[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびSiO2を秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例34におけるリン酸塩ガラスPGS-34を作製した。
【0080】
(実施例35)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、BaO、SiO2がそれぞれ62.1[モル%]、17.2[モル%]、2.9[モル%]、2.9[モル%]、4.6[モル%]、9.2[モル%]、1.1[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびSiO2を秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例35におけるリン酸塩ガラスPGS-35を作製した。
【0081】
(実施例36)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、SiO2がそれぞれ59.0[モル%]、20.0[モル%]、1.0[モル%]、3.0[モル%]、14.5[モル%]、2.5[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、KPO3およびSiO2を秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例36におけるリン酸塩ガラスPGS-36を作製した。
【0082】
(実施例37)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、BaO、SiO2がそれぞれ57.0[モル%]、12.5[モル%]、1.0[モル%]、1.0[モル%]、11.5[モル%]、10.0[モル%]、7.0[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびSiO2を秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例37におけるリン酸塩ガラスPGS-37を作製した。
【0083】
(実施例38)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、BaO、SiO2がそれぞれ56.7[モル%]、11.7[モル%]、0.7[モル%]、0.7[モル%]、11.9[モル%]、9.8[モル%]、8.5[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびSiO2を秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例38におけるリン酸塩ガラスPGS-38を作製した。
【0084】
(実施例39)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、BaOがそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、2.0[モル%]、3.0[モル%]、6.0[モル%]、9.0[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、KPO3およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例39におけるリン酸塩ガラスPGS-39を作製した。
【0085】
(実施例40)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、La23、Ga23、K2O、BaOがそれぞれ61.0[モル%]、20.5[モル%]、1.5[モル%]、2.0[モル%]、6.0[モル%]、9.0[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、La23、Ga23、KPO3およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例40におけるリン酸塩ガラスPGS-40を作製した。
【0086】
(実施例41)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、La23、K2O、BaO、Y23がそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、3.0[モル%]、6.0[モル%]、9.0[モル%]、2.0[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、La23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびY23を秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例41におけるリン酸塩ガラスPGS-41を作製した。
【0087】
(実施例42)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Lu23、Ga23、K2O、BaOがそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、1.0[モル%]、2.0[モル%]、7.0[モル%]、10.0[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Lu23、Ga23、KPO3、およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例42におけるリン酸塩ガラスPGS-42を作製した。
【0088】
(実施例43)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、La23、Ga23、K2O、BaOがそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、2.0[モル%]、2.0[モル%]、7.0[モル%]、9.0[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、La23、Ga23、KPO3、およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例43におけるリン酸塩ガラスPGS-43を作製した。
【0089】
(実施例44)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、Li2O、Na2O、K2O、BaOがそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、1.5[モル%]、1.5[モル%]、1.0[モル%]、1.0[モル%]、6.0[モル%]、9.0[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al23、La23、LiPO3、NaPO3、KPO3、およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例44におけるリン酸塩ガラスPGS-44を作製した。
【0090】
(実施例45)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、CaOがそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、2.0[モル%]、2.0[モル%]、8.0[モル%]、8.0[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al23、La23、KPO3、およびCa(H2PO42・H2Oを秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例45におけるリン酸塩ガラスPGS-45を作製した。
【0091】
(実施例46)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、BaO、SnOがそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、1.0[モル%]、2.0[モル%]、7.0[モル%]、9.0[モル%]、1.0[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al23、La23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびSnOを秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例46におけるリン酸塩ガラスPGS-46を作製した。
【0092】
(実施例47)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、MgOがそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、1.5[モル%]、3.0[モル%]、9.0[モル%]、6.5[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al23、La23、KPO3およびMgOを秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例47におけるリン酸塩ガラスPGS-47を作製した。
【0093】
(実施例48)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、Ga23、K2O、がそれぞれ62.5[モル%]、22.0[モル%]、1.5[モル%]、2.0[モル%]、2.0[モル%]、10.0[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al23、La23、Ga23およびKPO3を秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例48におけるリン酸塩ガラスPGS-48を作製した。
【0094】
(実施例49)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、Ga23、K2O、BaOがそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、1.5[モル%]、2.5[モル%]、1.0[モル%]、7.0[モル%]、8.0[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al23、La23、Ga23、KPO3およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例49におけるリン酸塩ガラスPGS-49を作製した。
【0095】
(実施例50)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、BaO、SiO2がそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、1.5[モル%]、2.5[モル%]、6.0[モル%]、9.0[モル%]、1.0[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al23、La23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびSiO2を秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例50におけるリン酸塩ガラスPGS-50を作製した。
【0096】
(実施例51)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、SiO2がそれぞれ62.5[モル%]、21.0[モル%]、2.0[モル%]、3.0[モル%]、10.0[モル%]、1.5[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al23、La23、KPO3およびSiO2を秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例51におけるリン酸塩ガラスPGS-51を作製した。
【0097】
(実施例52)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2Oがそれぞれ63.0[モル%]、22.0[モル%]、2.0[モル%]、3.0[モル%]、10.0[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al23、La23、KPO3を秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例52におけるリン酸塩ガラスPGS-52を作製した。
【0098】
(実施例53)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、Lu23、K2O、BaOがそれぞれ61.0[モル%]、20.0[モル%]、2.0[モル%]、3.0[モル%]、6.0[モル%]、8.0[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al23、Lu23、KPO3およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例53におけるリン酸塩ガラスPGS-53を作製した。
【0099】
(実施例54)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、Ga23、K2O、BaO、Cu2Oがそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、1.0[モル%]、1.0[モル%]、1.0[モル%]、7.0[モル%]、9.0[モル%]、1.0[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al23、La23、Ga23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびCu2Oを秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例54におけるリン酸塩ガラスPGS-54を作製した。
【0100】
(実施例55)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、Ga23、K2O、BaO、Ag2Oがそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、1.0[モル%]、1.0[モル%]、1.0[モル%]、7.0[モル%]、9.0[モル%]、1.0[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al23、La23、Ga23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびAg2Oを秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例55におけるリン酸塩ガラスPGS-55を作製した。
【0101】
(実施例56)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、Ga23、K2O、BaO、MnOがそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、1.0[モル%]、1.0[モル%]、1.0[モル%]、7.0[モル%]、9.0[モル%]、1.0[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al23、La23、Ga23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびMnOを秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例56におけるリン酸塩ガラスPGS-56を作製した。
【0102】
(実施例57)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、Ga23、K2O、BaO、Cu2Oがそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、1.0[モル%]、1.0[モル%]、1.9[モル%]、7.0[モル%]、9.0[モル%]、0.1[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al23、La23、Ga23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびCu2Oを秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例57におけるリン酸塩ガラスPGS-57を作製した。
【0103】
(実施例58)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、Ga23、K2O、BaO、Ag2Oがそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、1.0[モル%]、1.0[モル%]、1.9[モル%]、7.0[モル%]、9.0[モル%]、0.1[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al23、La23、Ga23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびAg2Oを秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例58におけるリン酸塩ガラスPGS-58を作製した。
【0104】
(実施例59)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、Ga23、K2O、BaO、MnOがそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、1.0[モル%]、1.0[モル%]、1.9[モル%]、7.0[モル%]、9.0[モル%]、0.1[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al23、La23、Ga23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびMnOを秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例59におけるリン酸塩ガラスPGS-59を作製した。
【0105】
(実施例60)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、Ga23、K2O、BaOがそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、1.0[モル%]、1.0[モル%]、2.0[モル%]、7.0[モル%]、9.0[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al23、La23、Ga23、KPO3およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例1と同様にして実施例60におけるリン酸塩ガラスPGS-60を作製した。
【0106】
(比較例1)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnOがそれぞれ50.0[モル%]、50.0[モル%]になるように85%H3PO4およびZnOを秤量した以外は、実施例1と同様にして比較例1におけるリン酸塩ガラスPGS-Comp-1を作製した。
【0107】
(比較例2)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、BaOがそれぞれ60.0[モル%]、30.0[モル%]、10.0[モル%]になるように85%H3PO4、ZnOおよびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例1と同様にして比較例2におけるリン酸塩ガラスPGS-Comp-2を作製した。
【0108】
(比較例3)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、K2O、BaOがそれぞれ59.1[モル%]、27.3[モル%]、4.5[モル%]、9.1[モル%]になるように85%H3PO4、ZnO、KPO3およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例1と同様にして比較例3におけるリン酸塩ガラスPGS-Comp-3を作製した。
【0109】
(比較例4)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、K2O、BaOがそれぞれ57.9[モル%]、26.3[モル%]、5.3[モル%]、10.5[モル%]になるように85%H3PO4、ZnO、KPO3およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例1と同様にして比較例4におけるリン酸塩ガラスPGS-Comp-4を作製した。
【0110】
(比較例5)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、BaOがそれぞれ58.8[モル%]、29.4[モル%]、11.8[モル%]になるように85%H3PO4、ZnOおよびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例1と同様にして比較例5におけるリン酸塩ガラスPGS-Comp-5を作製した。
【0111】
(比較例6)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、K2O、BaOがそれぞれ59.5[モル%]、21.6[モル%]、2.7[モル%]、5.4[モル%]、10.8[モル%]になるように85%H3PO4、ZnO、Al(OH)3、KPO3およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例1と同様にして比較例6におけるリン酸塩ガラスPGS-Comp-6を作製した。
【0112】
(比較例7)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、K2O、BaOがそれぞれ62.9[モル%]、22.9[モル%]、2.9[モル%]、5.6[モル%]、5.7[モル%]になるように85%H3PO4、ZnO、Al(OH)3、KPO3およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例1と同様にして比較例7におけるリン酸塩ガラスPGS-Comp-7を作製した。
【0113】
(比較例8)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、K2O、BaOがそれぞれ61.1[モル%]、22.2[モル%]、5.6[モル%]、5.5[モル%]、5.6[モル%]になるように85%H3PO4、ZnO、Al(OH)3、KPO3およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例1と同様にして比較例8におけるリン酸塩ガラスPGS-Comp-8を作製した。
【0114】
(比較例9)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、La23、K2O、BaOがそれぞれ62.9[モル%]、22.9[モル%]、2.9[モル%]、5.6[モル%]、5.7[モル%]になるように85%H3PO4、ZnO、La23、KPO3およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例1と同様にして比較例9におけるリン酸塩ガラスPGS-Comp-9を作製した。
【0115】
(比較例10)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、La23、K2O、BaOがそれぞれ59.1[モル%]、21.5[モル%]、5.4[モル%]、5.4[モル%]、8.6[モル%]になるように85%H3PO4、ZnO、La23、KPO3およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例1と同様にして比較例10におけるリン酸塩ガラスPGS-Comp-10を作製した。
【0116】
(比較例11)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、La23、K2O、BaOがそれぞれ58.7[モル%]、20.4[モル%]、5.1[モル%]、7.7[モル%]、8.1[モル%]になるように85%H3PO4、ZnO、La23、KPO3およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例1と同様にして比較例11におけるリン酸塩ガラスPGS-Comp-11を作製した。
【0117】
(比較例12)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、BaO、SnOがそれぞれ62.8[モル%]、5.8[モル%]、2.9[モル%]、2.9[モル%]、4.7[モル%]、9.3[モル%]、11.6[モル%]になるように85%H3PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、KPO3およびBa(OH)2・8H2OおよびSnOを秤量した以外は、実施例1と同様にして比較例12におけるリン酸塩ガラスPGS-Comp-12を作製した。
【0118】
(比較例13)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、BaO、SnOがそれぞれ53.5[モル%]、14.9[モル%]、2.5[モル%]、2.5[モル%]、4.0[モル%]、7.8[モル%]、14.8[モル%]になるように85%H3PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびSnOを秤量した以外は、実施例1と同様にして比較例13におけるリン酸塩ガラスPGS-Comp-13を作製した。
【0119】
(比較例14)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、BaO、SnOがそれぞれ59.3[モル%]、5.5[モル%]、2.7[モル%]、2.7[モル%]、4.5[モル%]、8.8[モル%]、16.5[モル%]になるように85%H3PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびSnOを秤量した以外は、実施例1と同様にして比較例14におけるリン酸塩ガラスPGS-Comp-14を作製した。
実施例1~60および比較例1~14は、500℃の温度で溶融して作製されたリン酸塩ガラスである。
【0120】
(実施例61)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、BaOがそれぞれ58.5[モル%]、22.1[モル%]、2.9[モル%]、2.2[モル%]、5.5[モル%]、8.8[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、KPO3およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した。
そして、これらの秤量した原材料を混合し、その混合した混合物を大気中において400℃で20分加熱した。その後、加熱後の前駆体をモトヤマの型番SHの高速電気炉に投入して800℃で15分加熱した後、自然放冷によって実施例61におけるリン酸塩ガラスPGS-61を作製した。
【0121】
(実施例62)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、BaOがそれぞれ57.1[モル%]、21.0[モル%]、2.4[モル%]、2.4[モル%]、9.5[モル%]、7.6[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、KPO3およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例62におけるリン酸塩ガラスPGS-62を作製した。
【0122】
(実施例63)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、BaOがそれぞれ57.6[モル%]、13.1[モル%]、6.1[モル%]、3.0[モル%]、10.1[モル%]、10.1[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、KPO3およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例63におけるリン酸塩ガラスPGS-63を作製した。
【0123】
(実施例64)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、BaOがそれぞれ58.5[モル%]、14.6[モル%]、4.9[モル%]、2.4[モル%]、9.8[モル%]、9.8[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、KPO3およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例64におけるリン酸塩ガラスPGS-64を作製した。
【0124】
(実施例65)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、BaOがそれぞれ62.8[モル%]、17.4[モル%]、2.9[モル%]、2.9[モル%]、4.7[モル%]、9.3[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、KPO3およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例65におけるリン酸塩ガラスPGS-65を作製した。
【0125】
(実施例66)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、BaOがそれぞれ56.1[モル%]、25.5[モル%]、2.55[モル%]、2.55[モル%]、5.1[モル%]、8.2[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、KPO3およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例66におけるリン酸塩ガラスPGS-66を作製した。
【0126】
(実施例67)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、BaOがそれぞれ55.8[モル%]、24.3[モル%]、2.4[モル%]、2.4[モル%]、7.3[モル%]、7.8[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、KPO3およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例67におけるリン酸塩ガラスPGS-67を作製した。
【0127】
(実施例68)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、BaOがそれぞれ59.6[モル%]、20.7[モル%]、2.6[モル%]、1.0[モル%]、7.8[モル%]、8.3[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、KPO3およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例68におけるリン酸塩ガラスPGS-68を作製した。
【0128】
(実施例69)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、BaOがそれぞれ59.6[モル%]、21.6[モル%]、2.7[モル%]、2.2[モル%]、5.4[モル%]、8.6[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、KPO3およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例69におけるリン酸塩ガラスPGS-69を作製した。
【0129】
(実施例70)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、BaOがそれぞれ62.5[モル%]、21.7[モル%]、2.7[モル%]、2.2[モル%]、5.5[モル%]、5.4[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、KPO3およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例70におけるリン酸塩ガラスPGS-70を作製した。
【0130】
(実施例71)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、Lu23、K2O、BaOがそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、1.5[モル%]、2.0[モル%]、1.5[モル%]、6.0[モル%]、9.0[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、Lu23、KPO3およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例71におけるリン酸塩ガラスPGS-71を作製した。
【0131】
(実施例72)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、BaO、Y23がそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、1.5[モル%]、1.5[モル%]、6.0[モル%]、9.0[モル%]、2.0[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびY23を秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例72におけるリン酸塩ガラスPGS-72を作製した。
【0132】
(実施例73)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、Ga23、K2O、BaO、Y23がそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、1.0[モル%]、1.5[モル%]、0.5[モル%]、6.0[モル%]、9.0[モル%]、2.0[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、Ga23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびY23を秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例73におけるリン酸塩ガラスPGS-73を作製した。
【0133】
(実施例74)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、La23、Ga23、K2O、BaOがそれぞれ62.5[モル%]、21.7[モル%]、2.2[モル%]、2.7[モル%]、5.5[モル%]、5.4[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、La23、Ga23、KPO3およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例74におけるリン酸塩ガラスPGS-74を作製した。
【0134】
(実施例75)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、Lu23、Ga23、K2O、BaOがそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、2.0[モル%]、1.0[モル%]、2.0[モル%]、6.0[モル%]、9.0[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al(OH)3、Lu23、Ga23、KPO3およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例75におけるリン酸塩ガラスPGS-75を作製した。
【0135】
(実施例76)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、Lu23、Ga23、K2O、BaO、Y23がそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、1.5[モル%]、1.5[モル%]、1.0[モル%]、6.0[モル%]、9.0[モル%]、1.0[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al(OH)3、Lu23、Ga23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびY23を秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例76におけるリン酸塩ガラスPGS-76を作製した。
【0136】
(実施例77)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、Lu23、K2O、BaO、Y23がそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、1.5[モル%]、1.5[モル%]、6.0[モル%]、9.0[モル%]、2.0[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al(OH)3、Lu23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびY23を秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例77におけるリン酸塩ガラスPGS-77を作製した。
【0137】
(実施例78)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、La23、K2O、BaO、Y23がそれぞれ62.5[モル%]、21.7[モル%]、2.2[モル%]、5.5[モル%]、5.4[モル%]、2.7[モル%]になるように、(NH42HPO4、ZnO、La23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびY23を秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例78におけるリン酸塩ガラスPGS-78を作製した。
【0138】
(実施例79)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、La23、K2O、BaO、Y23がそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、3.0[モル%]、6.0[モル%]、9.0[モル%]、2.0[モル%]になるように、(NH42HPO4、ZnO、La23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびY23を秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例79におけるリン酸塩ガラスPGS-79を作製した。
【0139】
(実施例80)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、La23、Ga23、K2O、BaO、Y23がそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、1.0[モル%]、2.0[モル%]、6.0[モル%]、9.0[モル%]、2.0[モル%]になるように、(NH42HPO4、ZnO、La23、Ga23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびY23を秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例80におけるリン酸塩ガラスPGS-80を作製した。
【0140】
(実施例81)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Lu23、K2O、BaO、Y23がそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、3.0[モル%]、6.0[モル%]、9.0[モル%]、2.0[モル%]になるように、(NH42HPO4、ZnO、Lu23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびY23を秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例81におけるリン酸塩ガラスPGS-81を作製した。
【0141】
(実施例82)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Lu23、Ga23、K2O、BaOがそれぞれ62.8[モル%]、17.4[モル%]、2.9[モル%]、2.9[モル%]、4.7[モル%]、9.3[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Lu23、Ga23、KPO3およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例82におけるリン酸塩ガラスPGS-82を作製した。
【0142】
(実施例83)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Lu23、Ga23、K2O、BaO、Y23がそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、1.0[モル%]、2.0[モル%]、6.0[モル%]、9.0[モル%]、2.0[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Lu23、Ga23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびY23を秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例83におけるリン酸塩ガラスPGS-83を作製した。
【0143】
(実施例84)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、La23、Ga23、K2O、BaOがそれぞれ62.8[モル%]、17.4[モル%]、2.9[モル%]、2.9[モル%]、4.7[モル%]、9.3[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、La23、Ga23、KPO3およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例84におけるリン酸塩ガラスPGS-84を作製した。
【0144】
(実施例85)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、Li2O、Na2O、K2O、BaOがそれぞれ62.5[モル%]、21.8[モル%]、2.7[モル%]、2.2[モル%]、1.8[モル%]、1.8[モル%]、1.8[モル%]、5.4[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、LiPO3、NaPO3、KPO3およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例85におけるリン酸塩ガラスPGS-85を作製した。
【0145】
(実施例86)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、Li2O、Na2O、K2O、BaOがそれぞれ60.2[モル%]、20.9[モル%]、2.6[モル%]、2.6[モル%]、1.8[モル%]、1.8[モル%]、1.8[モル%]、8.3[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、LiPO3、NaPO3、KPO3およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例86におけるリン酸塩ガラスPGS-86を作製した。
【0146】
(実施例87)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、Li2Oがそれぞれ62.5[モル%]、21.5[モル%]、1.5[モル%]、2.5[モル%]、12.0[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al(OH)3、La23およびLiPO3を秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例87におけるリン酸塩ガラスPGS-87を作製した。
【0147】
(実施例88)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、Na2Oがそれぞれ62.5[モル%]、21.5[モル%]、1.5[モル%]、2.5[モル%]、12.0[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al(OH)3、La23およびNaPO3を秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例88におけるリン酸塩ガラスPGS-88を作製した。
【0148】
(実施例89)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、Na2O、K2Oがそれぞれ62.0[モル%]、21.0[モル%]、2.0[モル%]、3.0[モル%]、6.0[モル%]、6.0[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、NaPO3およびKPO3を秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例89におけるリン酸塩ガラスPGS-89を作製した。
【0149】
(実施例90)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、CaOがそれぞれ62.1[モル%]、22.6[モル%]、2.8[モル%]、1.1[モル%]、5.7[モル%]、5.7[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、KPO3およびCa(H2PO42・H2Oを秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例90におけるリン酸塩ガラスPGS-90を作製した。
【0150】
(実施例90-2)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、SrOがそれぞれ62.1[モル%]、22.6[モル%]、2.8[モル%]、1.1[モル%]、5.7[モル%]、5.7[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al23、La23、KPO3およびSrOを秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例90-2におけるリン酸塩ガラスPGS-90-2を作製した。
【0151】
(実施例91)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、BaO、SnOがそれぞれ57.1[モル%]、15.8[モル%]、2.6[モル%]、2.6[モル%]、4.3[モル%]、8.5[モル%]、9.1[モル%]になるように、(NH42HPO4、ZnO、Al(OH)3、La23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびSnOを秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例91におけるリン酸塩ガラスPGS-91を作製した。
【0152】
(実施例92)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、MgOがそれぞれ59.0[モル%]、20.0[モル%]、1.0[モル%]、3.0[モル%]、14.0[モル%]、3.0[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、KPO3およびMgOを秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例92におけるリン酸塩ガラスPGS-92を作製した。
【0153】
(実施例93)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2Oがそれぞれ59.0[モル%]、20.0[モル%]、3.5[モル%]、3.0[モル%]、14.5[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、およびKPO3を秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例93におけるリン酸塩ガラスPGS-93を作製した。
【0154】
(実施例94)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、Ga23、K2O、BaOがそれぞれ62.8[モル%]、17.4[モル%]、1.4[モル%]、2.9[モル%]、1.5[モル%]、4.7[モル%]、9.3[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、Ga23、KPO3およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例94におけるリン酸塩ガラスPGS-94を作製した。
【0155】
(実施例95)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、BaO、SiO2がそれぞれ58.5[モル%]、22.0[モル%]、2.9[モル%]、2.2[モル%]、5.5[モル%]、8.8[モル%]、0.1[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびSiO2を秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例95におけるリン酸塩ガラスPGS-95を作製した。
【0156】
(実施例96)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、BaO、SiO2がそれぞれ62.1[モル%]、17.2[モル%]、2.9[モル%]、2.9[モル%]、4.6[モル%]、9.2[モル%]、1.1[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびSiO2を秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例96におけるリン酸塩ガラスPGS-96を作製した。
【0157】
(実施例97)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、SiO2がそれぞれ59.0[モル%]、20.0[モル%]、1.0[モル%]、3.0[モル%]、14.5[モル%]、2.5[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、KPO3およびSiO2を秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例97におけるリン酸塩ガラスPGS-97を作製した。
【0158】
(実施例98)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、BaO、SiO2がそれぞれ57.5[モル%]、13.5[モル%]、2.0[モル%]、2.0[モル%]、10.0[モル%]、10.0[モル%]、5.0[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびSiO2を秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例98におけるリン酸塩ガラスPGS-98を作製した。
【0159】
(実施例99)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、BaO、SiO2がそれぞれ57.0[モル%]、12.5[モル%]、1.0[モル%]、1.0[モル%]、11.5[モル%]、10.0[モル%]、7.0[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびSiO2を秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例99におけるリン酸塩ガラスPGS-99を作製した。
【0160】
(実施例100)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、BaO、SiO2がそれぞれ56.7[モル%]、11.7[モル%]、0.7[モル%]、0.7[モル%]、11.9[モル%]、9.8[モル%]、8.5[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびSiO2を秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例100におけるリン酸塩ガラスPGS-100を作製した。
【0161】
(実施例101)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、BaOがそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、2.0[モル%]、3.0[モル%]、6.0[モル%]、9.0[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、KPO3およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例101におけるリン酸塩ガラスPGS-101を作製した。
【0162】
(実施例102)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、La23、Ga23、K2O、BaOがそれぞれ61.0[モル%]、20.5[モル%]、1.5[モル%]、2.0[モル%]、6.0[モル%]、9.0[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、La23、Ga23、KPO3およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例102におけるリン酸塩ガラスPGS-102を作製した。
【0163】
(実施例103)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、La23、K2O、BaO、Y23がそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、3.0[モル%]、6.0[モル%]、9.0[モル%]、2.0[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、La23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびY23を秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例103におけるリン酸塩ガラスPGS-103を作製した。
【0164】
(実施例104)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Lu23、Ga23、K2O、BaOがそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、1.0[モル%]、2.0[モル%]、7.0[モル%]、10.0[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Lu23、Ga23、KPO3、およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例104におけるリン酸塩ガラスPGS-104を作製した。
【0165】
(実施例105)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、La23、Ga23、K2O、BaOがそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、2.0[モル%]、2.0[モル%]、7.0[モル%]、9.0[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、La23、Ga23、KPO3、およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例105におけるリン酸塩ガラスPGS-105を作製した。
【0166】
(実施例106)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、Li2O、Na2O、K2O、BaOがそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、1.5[モル%]、1.5[モル%]、1.0[モル%]、1.0[モル%]、6.0[モル%]、9.0[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al23、La23、LiPO3、NaPO3、KPO3、およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例106におけるリン酸塩ガラスPGS-106を作製した。
【0167】
(実施例107)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、CaOがそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、2.0[モル%]、2.0[モル%]、8.0[モル%]、8.0[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al23、La23、KPO3、およびCa(H2PO42・H2Oを秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例107におけるリン酸塩ガラスPGS-107を作製した。
【0168】
(実施例108)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、BaO、SnOがそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、1.0[モル%]、2.0[モル%]、7.0[モル%]、9.0[モル%]、1.0[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al23、La23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびSnOを秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例108におけるリン酸塩ガラスPGS-108を作製した。
【0169】
(実施例109)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、MgOがそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、1.5[モル%]、3.0[モル%]、9.0[モル%]、6.5[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al23、La23、KPO3およびMgOを秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例109におけるリン酸塩ガラスPGS-109を作製した。
【0170】
(実施例110)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、Ga23、K2Oがそれぞれ62.5[モル%]、22.0[モル%]、1.5[モル%]、2.0[モル%]、2.0[モル%]、10.0[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al23、La23、Ga23およびKPO3を秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例110におけるリン酸塩ガラスPGS-110を作製した。
【0171】
(実施例111)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、Ga23、K2O、BaOがそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、1.5[モル%]、2.5[モル%]、1.0[モル%]、7.0[モル%]、8.0[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al23、La23、Ga23、KPO3およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例111におけるリン酸塩ガラスPGS-111を作製した。
【0172】
(実施例112)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、BaO、SiO2がそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、1.5[モル%]、2.5[モル%]、6.0[モル%]、9.0[モル%]、1.0[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al23、La23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびSiO2を秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例112におけるリン酸塩ガラスPGS-112を作製した。
【0173】
(実施例113)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、SiO2がそれぞれ62.5[モル%]、21.0[モル%]、2.0[モル%]、3.0[モル%]、10.0[モル%]、1.5[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al23、La23、KPO3およびSiO2を秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例113におけるリン酸塩ガラスPGS-113を作製した。
【0174】
(実施例114)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2Oがそれぞれ63.0[モル%]、22.0[モル%]、2.0[モル%]、3.0[モル%]、10.0[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al23、La23、KPO3を秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例114におけるリン酸塩ガラスPGS-114を作製した。
【0175】
(実施例115)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、Lu23、K2O、BaOがそれぞれ61.0[モル%]、20.0[モル%]、2.0[モル%]、3.0[モル%]、6.0[モル%]、8.0[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al23、Lu23、KPO3およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例115におけるリン酸塩ガラスPGS-115を作製した。
【0176】
(実施例116)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、Ga23、K2O、BaO、Cu2Oがそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、1.0[モル%]、1.0[モル%]、1.0[モル%]、7.0[モル%]、9.0[モル%]、1.0[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al23、La23、Ga23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびCu2Oを秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例116におけるリン酸塩ガラスPGS-116を作製した。
【0177】
(実施例117)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、Ga23、K2O、BaO、Ag2Oがそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、1.0[モル%]、1.0[モル%]、1.0[モル%]、7.0[モル%]、9.0[モル%]、1.0[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al23、La23、Ga23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびAg2Oを秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例117におけるリン酸塩ガラスPGS-117を作製した。
【0178】
(実施例118)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、Ga23、K2O、BaO、MnOがそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、1.0[モル%]、1.0[モル%]、1.0[モル%]、7.0[モル%]、9.0[モル%]、1.0[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al23、La23、Ga23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびMnOを秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例118におけるリン酸塩ガラスPGS-118を作製した。
【0179】
(実施例119)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、Ga23、K2O、BaO、Cu2Oがそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、1.0[モル%]、1.0[モル%]、1.9[モル%]、7.0[モル%]、9.0[モル%]、0.1[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al23、La23、Ga23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびCu2Oを秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例119におけるリン酸塩ガラスPGS-119を作製した。
【0180】
(実施例120)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、Ga23、K2O、BaO、Ag2Oがそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、1.0[モル%]、1.0[モル%]、1.9[モル%]、7.0[モル%]、9.0[モル%]、0.1[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al23、La23、Ga23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびAg2Oを秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例120におけるリン酸塩ガラスPGS-120を作製した。
【0181】
(実施例121)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、Ga23、K2O、BaO、MnOがそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、1.0[モル%]、1.0[モル%]、1.9[モル%]、7.0[モル%]、9.0[モル%]、0.1[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al23、La23、Ga23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびMnOを秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例121におけるリン酸塩ガラスPGS-121を作製した。
【0182】
(実施例122)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、Ga23、K2O、BaOがそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、1.0[モル%]、1.0[モル%]、2.0[モル%]、7.0[モル%]、9.0[モル%]になるように、85%H3PO4、ZnO、Al23、La23、Ga23、KPO3およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例122におけるリン酸塩ガラスPGS-122を作製した。
【0183】
(実施例123)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、Ga23、K2O、BaO、Cu2Oがそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、1.0[モル%]、1.0[モル%]、2.0[モル%]、7.0[モル%]、9.0[モル%]、0.01[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al23、La23、Ga23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびCu2Oを秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例123におけるリン酸塩ガラスPGS-123を作製した。
【0184】
(実施例124)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、Ga23、K2O、BaO、Ag2Oがそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、1.0[モル%]、1.0[モル%]、2.0[モル%]、7.0[モル%]、9.0[モル%]、0.01[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al23、La23、Ga23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびAg2Oを秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例124におけるリン酸塩ガラスPGS-124を作製した。
【0185】
(実施例125)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、Ga23、K2O、BaO、MnOがそれぞれ60.0[モル%]、20.0[モル%]、1.0[モル%]、1.0[モル%]、2.0[モル%]、7.0[モル%]、9.0[モル%]、0.01[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al23、La23、Ga23、KPO3、Ba(OH)2・8H2OおよびMnOを秤量した以外は、実施例61と同様にして実施例125におけるリン酸塩ガラスPGS-125を作製した。
【0186】
(比較例15)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、K2O、BaOがそれぞれ65.7[モル%]、23.5[モル%]、2.9[モル%]、3.0[モル%]、4.9[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al(OH)3、KPO3およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例61と同様にして比較例15におけるリン酸塩ガラスPGS-Comp-15を作製した。
【0187】
(比較例16)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、BaOがそれぞれ69.2[モル%]、4.4[モル%]、3.5[モル%]、1.8[モル%]、18.5[モル%]、2.6[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、KPO3およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例61と同様にしてリン酸塩ガラスを作製しようとしたが、リン酸塩ガラスが得られなかった。
【0188】
(比較例17)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、K2O、BaOがそれぞれ59.0[モル%]、21.9[モル%]、0.9[モル%]、13.6[モル%]、4.6[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al(OH)3、KPO3およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例61と同様にして比較例17におけるリン酸塩ガラスPGS-Comp-17を作製した。
【0189】
(比較例18)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、BaOがそれぞれ75.5[モル%]、9.8[モル%]、4.9[モル%]、2.0[モル%]、2.9[モル%]、4.9[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、KPO3およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例61と同様にしてリン酸塩ガラスを作製しようとしたが、リン酸塩ガラスが得られなかった。
【0190】
(比較例19)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23がそれぞれ62.5[モル%]、32.0[モル%]、5.5[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al(OH)3を秤量した以外は、実施例61と同様にしてリン酸塩ガラスを作製しようとしたが、リン酸塩ガラスが得られなかった。
【0191】
(比較例20)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、Lu23、K2O、BaOがそれぞれ65.0[モル%]、24.0[モル%]、2.0[モル%]、0.5[モル%]、0.5[モル%]、2.5[モル%]、5.5[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、Lu23、KPO3およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例61と同様にして比較例20におけるリン酸塩ガラスPGS-Comp-20を作製した。
【0192】
(比較例21)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、K2O、BaOがそれぞれ63.4[モル%]、24.3[モル%]、5.4[モル%]、4.9[モル%]、2.0[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al(OH)3、KPO3およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例61と同様にしてリン酸塩ガラスを作製しようとしたが、リン酸塩ガラスが得られなかった。
【0193】
(比較例22)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、K2O、BaOがそれぞれ59.5[モル%]、21.6[モル%]、2.7[モル%]、5.4[モル%]、10.8[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al(OH)3、KPO3およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例61と同様にして比較例22におけるリン酸塩ガラスPGS-Comp-22を作製した。
【0194】
(比較例23)
酸化物基準のモル%表示で、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、BaOがそれぞれ54.0[モル%]、18.4[モル%]、3.1[モル%]、9.8[モル%]、4.9[モル%]、9.8[モル%]になるように、(NH4)H2PO4、ZnO、Al(OH)3、La23、KPO3およびBa(OH)2・8H2Oを秤量した以外は、実施例61と同様にしてリン酸塩ガラスを作製しようとしたが、リン酸塩ガラスが得られなかった。
実施例61~125および比較例15,17,20,22は、800℃の温度で溶融して作製されたリン酸塩ガラスである。
【0195】
[評価]
リガクの型番RINT2100のX線回折装置を用いてリン酸塩ガラスのX線回折を測定した。
また、リガクの型番Thermo plus EVO2の示唆熱天秤を用いてリン酸塩ガラスのガラス転移温度Tgを測定した。
更に、日立ハイテクの型番UV4150の紫外可視近赤外分光光度計を用いてリン酸塩ガラスの光透過スペクトルを測定した。
更に、日立ハイテクの型番F-7000の分光蛍光光度計を用いてリン酸塩ガラスの蛍光スペクトルを測定した。
更に、500℃の温度で溶融して作製したリン酸塩ガラスについては、上述した(1)の方法によって耐水性を評価した。また、800℃の温度で溶融して作製したリン酸塩ガラスについては、上述した(2)の方法によって耐水性を評価した。
【0196】
表1は、実施例1~7におけるリン酸塩ガラスPGS-1~PGS-7の成分の含有量、耐水性およびガラス転移温度を示す。表2は、実施例8~14におけるリン酸塩ガラスPGS-8~PGS-14の成分の含有量、耐水性およびガラス転移温度を示す。表3は、実施例15~20におけるリン酸塩ガラスPGS-15~PGS-20の成分の含有量、耐水性およびガラス転移温度を示す。表4は、実施例21~26におけるリン酸塩ガラスPGS-21~PGS-26の成分の含有量、耐水性およびガラス転移温度を示す。
【0197】
【表1】
【0198】
【表2】
【0199】
【表3】
【0200】
【表4】
【0201】
表5は、実施例27~32におけるリン酸塩ガラスPGS-27~PGS-32の成分の含有量、耐水性およびガラス転移温度を示す。表6は、実施例33~38におけるリン酸塩ガラスPGS-33~PGS-38の成分の含有量、耐水性およびガラス転移温度を示す。表7は、実施例39~44におけるリン酸塩ガラスPGS-39~PGS-44の成分の含有量、耐水性およびガラス転移温度を示す。表8は、実施例45~50におけるリン酸塩ガラスPGS-45~PGS-50の成分の含有量、耐水性およびガラス転移温度を示す。表9は、実施例51~56におけるリン酸塩ガラスPGS-51~PGS-56の成分の含有量、耐水性およびガラス転移温度を示す。表10は、実施例57~60におけるリン酸塩ガラスPGS-57~PGS-60の成分の含有量、耐水性およびガラス転移温度を示す。
【0202】
【表5】
【0203】
【表6】
【0204】
【表7】
【0205】
【表8】
【0206】
【表9】
【0207】
【表10】
【0208】
表11は、比較例1~5におけるリン酸塩ガラスPGS-Comp-1~PGS-Comp-5の成分の含有量、耐水性およびガラス転移温度を示す。表12は、比較例6~10におけるリン酸塩ガラスPGS-Comp-6~PGS-Comp-10の成分の含有量、耐水性およびガラス転移温度を示す。表13は、比較例11~14におけるリン酸塩ガラスPGS-Comp-11~PGS-Comp-14の成分の含有量、耐水性およびガラス転移温度を示す。
【0209】
【表11】
【0210】
【表12】
【0211】
【表13】
【0212】
表14は、実施例61~67におけるリン酸塩ガラスPGS-61~PGS-67の成分の含有量、耐水性およびガラス転移温度を示す。表15は、実施例68~74におけるリン酸塩ガラスPGS-68~PGS-74の成分の含有量、耐水性およびガラス転移温度を示す。表16は、実施例75~81におけるリン酸塩ガラスPGS-75~PGS-81の成分の含有量、耐水性およびガラス転移温度を示す。表17は、実施例82~87におけるリン酸塩ガラスPGS-82~PGS-87の成分の含有量、耐水性およびガラス転移温度を示す。表18は、実施例88~93におけるリン酸塩ガラスPGS-88~PGS-93の成分の含有量、耐水性およびガラス転移温度を示す。表19は、実施例94~100におけるリン酸塩ガラスPGS-94~PGS-100の成分の含有量、耐水性およびガラス転移温度を示す。
【0213】
【表14】
【0214】
【表15】
【0215】
【表16】
【0216】
【表17】
【0217】
【表18】
【0218】
【表19】
【0219】
表20は、実施例101~106におけるリン酸塩ガラスPGS-101~PGS-106の成分の含有量、耐水性およびガラス転移温度を示す。表21は、実施例107~112におけるリン酸塩ガラスPGS-107~PGS-112の成分の含有量、耐水性およびガラス転移温度を示す。表22は、実施例113~118におけるリン酸塩ガラスPGS-113~PGS-118の成分の含有量、耐水性およびガラス転移温度を示す。表23は、実施例119~125におけるリン酸塩ガラスPGS-119~PGS-125の成分の含有量、耐水性およびガラス転移温度を示す。
【表20】
【表21】
【表22】
【表23】
【0220】
表24は、比較例15~19におけるリン酸塩ガラスPGS-Comp-15~PGS-Comp-19の成分の含有量、耐水性およびガラス転移温度を示す。表25は、比較例20~23におけるリン酸塩ガラスPGS-Comp-20~PGS-Comp-23の成分の含有量、耐水性およびガラス転移温度を示す。
【0221】
【表24】
【0222】
【表25】
【0223】
表1から表25において、減少率ΔWの数値が小さい方が、耐水性が高いことを意味し、減少率ΔWの数値が大きい方が、耐水性が低いことを意味する。
また、表12,13,24,25における「NG」は、次のいずれかに該当することを意味する。
(1)粘性が高すぎて流れ出ない。
(2)ガラス化していない。
(3)P25の含有量が多いためリン酸の揮発が激しく、ガラス化できない。
【0224】
表1から表13は、500℃で溶融して作製したリン酸塩ガラスPGSの実施例1~60および比較例1~14を示し、表14から表25は、800℃で溶融して作製したリン酸塩ガラスPGSの実施例61~125および比較例15~23を示す。
【0225】
[500℃溶融のリン酸塩ガラス]
実施例1~60におけるリン酸塩ガラスPGS-1~PGS-60において、P25の含有量は、酸化物基準のモル%表示で、56.1[モル%]~64.9[モル%]の範囲であり、ZnOの含有量は、酸化物基準のモル%表示で、10.8[モル%]~25.4[モル%]の範囲であり、Al23の含有量は、酸化物基準のモル%表示で、0.0[モル%]~4.9[モル%]の範囲であり、La23の含有量は、酸化物基準のモル%表示で、0.0[モル%]~3.0[モル%]の範囲であり、Lu23の含有量は、酸化物基準のモル%表示で、0.0[モル%]~3.0[モル%]の範囲であり、Ga23の含有量は、酸化物基準のモル%表示で、0.0[モル%]~2.9[モル%]の範囲であり、K2Oの含有量は、酸化物基準のモル%表示で、0.0[モル%]~14.5[モル%]の範囲であり、BaOの含有量は、酸化物基準のモル%表示で、0.0[モル%]~11.1[モル%]の範囲であり、CaOの含有量は、酸化物基準のモル%表示で、0.0[モル%]~8.0[モル%]の範囲であり、SrOの含有量は、酸化物基準のモル%表示で、0.0[モル%]~5.7[モル%]の範囲であり、SiO2の含有量は、酸化物基準のモル%表示で、0.0[モル%]~8.5[モル%]の範囲であり、Y23の含有量は、酸化物基準のモル%表示で、0.0[モル%]~2.0[モル%]の範囲であり、SnOの含有量は、酸化物基準のモル%表示で、0.0[モル%]~9.1[モル%]の範囲であり、Cu2Oの含有量は、酸化物基準のモル%表示で、0.0[モル%]~1.0[モル%]の範囲であり、Ag2Oの含有量は、酸化物基準のモル%表示で、0.0[モル%]~1.0[モル%]の範囲であり、MnOの含有量は、酸化物基準のモル%表示で、0.0[モル%]~1.0[モル%]の範囲である(表1から表10参照)。
【0226】
また、実施例1~60におけるリン酸塩ガラスPGS-1~PGS-60は、リン酸塩ガラスの質量の減少率ΔW(以下、「耐水性」と言う。)が25.0[%]以下であり、ガラス転移温度Tgが125℃~232℃である。この25.0[%]以下の減少率ΔWは、比較例1~14におけるリン酸塩ガラスPGS-Comp-1~PGS-Comp-14の減少率ΔW(50.0[%]~99.0[%])に比べて半分以下であるので、実施例1~60におけるリン酸塩ガラスPGS-1~PGS-60は、耐水性に優れたものであると言える。
【0227】
一方、比較例1~14におけるリン酸塩ガラスPGS-Comp-1~PGS-Comp-14において、P25の含有量は、酸化物基準のモル%表示で、50.0[モル%]~62.9[モル%]の範囲であり、ZnOの含有量は、酸化物基準のモル%表示で、5.5[モル%]~50.0[モル%]の範囲であり、Al23の含有量は、酸化物基準のモル%表示で、0.0[モル%]~5.6[モル%]の範囲であり、La23の含有量は、酸化物基準のモル%表示で、0.0[モル%]~5.4[モル%]の範囲であり、K2Oの含有量は、酸化物基準のモル%表示で、0.0[モル%]~7.7[モル%]の範囲であり、BaOの含有量は、酸化物基準のモル%表示で、0.0[モル%]~11.8[モル%]の範囲であり、SnOの含有量は、酸化物基準のモル%表示で、0.0[モル%]~16.5[モル%]の範囲である(表7から表9参照)。
【0228】
また、比較例1~14におけるリン酸塩ガラスPGS-Comp-1~PGS-Comp-14は、測定可能なもので、耐水性が50.0[%]~99.0[%]以上であり、ガラス転移温度Tgが50℃~154℃である。
【0229】
比較例1~11におけるリン酸塩ガラスPGS-Comp-1~PGS-Comp-11は、Al23およびLa23の両方を成分として含んでいない。また、比較例12~14におけるリン酸塩ガラスPGS-Comp-12~PGS-Comp-14は、Al23およびLa23の両方を成分として含むが、耐水性が「NG」であり、結果的にリン酸塩ガラスが形成されていない。
【0230】
一方、実施例1~60におけるリン酸塩ガラスPGS-1~PGS-60は、Al23、Ga23およびY23の少なくとも1つと、La23およびLu23の少なくとも1つとの両方を成分として含む。
【0231】
従って、実施例1~60におけるリン酸塩ガラスPGS-1~PGS-60は、比較例1~14におけるリン酸塩ガラスPGS-Comp-1~PGS-Comp-14と異なる成分組成を有する。
【0232】
実施例1~9におけるリン酸塩ガラスPGS-1~PGS-9は、P25、ZnO、Al23、La23、K2OおよびBaOを成分として含む(表1,2参照)。
比較例1におけるリン酸塩ガラスPGS-Comp-1は、P25およびZnOを成分として含み、比較例2,5におけるリン酸塩ガラスPGS-Comp-2,PGS-Comp-5は、P25、ZnOおよびBaOを成分として含み、比較例3,4におけるリン酸塩ガラスPGS-Comp-3,PGS-Comp-4は、P25、ZnO、K2OおよびBaOを成分として含み、比較例6~8におけるリン酸塩ガラスPGS-Comp-6~PGS-Comp-8は、P25、ZnO、Al23、K2OおよびBaOを成分として含み、比較例9~11におけるリン酸塩ガラスPGS-Comp-9~PGS-Comp-11は、P25、ZnO、La23、K2OおよびBaOを成分として含む(表11から表13参照)。
【0233】
実施例1~9におけるリン酸塩ガラスPGS-1~PGS-9は、比較例1~11におけるリン酸塩ガラスPGS-Comp-1~PGS-Comp-11よりも耐水性が大幅に優れている。これは、実施例1~9におけるリン酸塩ガラスPGS-1~PGS-9が、Al23とLa23との両方を成分として含むのに対し、比較例1~11におけるリン酸塩ガラスPGS-Comp-1~PGS-Comp-11がAl23およびLa23の両方を成分として含まないからであると考えられる。従って、Al23とLa23との両方を成分として含めることによって耐水性を向上することができる。
【0234】
実施例13~17におけるリン酸塩ガラスPGS-13~PGS-17は、実施例8におけるリン酸塩ガラスPGS-8のP25、ZnO、Al23、La23、K2OおよびBaOの含有量を基本として、SnOの成分を追加したものである。リン酸塩ガラスPGS-13~PGS-17は、それぞれ、酸化物基準のモル%表示で、0.001[モル%]、0.010[モル%]、0.100[モル%]、1.000[モル%]および9.100[モル%]のSnOを含む(表2,3参照)。そして、リン酸塩ガラスPGS-13~PGS-17は、0.5[%]以下の耐水性を有する。
従って、酸化物基準のモル%表示で、0.001[モル%]~9.100[モル%]のSnOを含めることによって、耐水性を向上することができる。
【0235】
比較例12~14におけるリン酸塩ガラスPGS-Comp-12~PGS-Comp-14は、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、BaOおよびSnOを成分として含む(表13参照)。リン酸塩ガラスPGS-Comp-12~PGS-Comp-14は、耐水性がNGであり、ガラス転移温度Tgが測定不能である。これは、SnOの含有量が、酸化物基準のモル%表示で11.6 [モル%]~16.5[モル%]と非常に多いからであると考えられる。
【0236】
従って、SnOの含有量を酸化物基準のモル%表示で0.001[モル%]~9.100[モル%]の範囲に設定することによって、耐水性に優れたリン酸塩ガラスPGS-13~PGS-17を作製できる。そして、11.6 [モル%]のSnOを含む比較例12においては、リン酸塩ガラスが形成されないので、9.1[モル%]のSnOの含有量は、SnOを成分として含むリン酸塩ガラスを形成するための臨界的意義を有する。
【0237】
図3は、実施例8,13~17におけるリン酸塩ガラスPGS-8,PGS-13~PGS-17のX線回折のスペクトルを示す図である。
図3の(a)において、スペクトルSP1~SP6は、それぞれ、実施例8,13~17におけるリン酸塩ガラスPGS-8,PGS-13~PGS-17のX線回折のスペクトルを示す。また、図3の(b)は、リン酸塩ガラスPGS-8,PGS-13~PGS-17のX線回折のスペクトルSP1~SP6を重ねて表示したものである。
【0238】
図3を参照して、リン酸塩ガラスPGS-8,PGS-13~PGS-17のX線回折のスペクトルSP1~SP6は、同じスペクトル形状を有する。実施例8におけるリン酸塩ガラスPGS-8は、SnOを成分として含まないので、酸化物基準のモル%表示で0.001[モル%]~9.100[モル%]のSnOを追加しても、リン酸塩ガラスPGS-13~PGS-17のネットワーク構造が変化しないことが分かった。
【0239】
図4は、実施例8,13~16におけるリン酸塩ガラスPGS-8,PGS-13~PGS-16の光透過スペクトルを示す図である。
図4において、スペクトルSP7~S11が、それぞれ、リン酸塩ガラスPGS-8,PGS-13~PGS-16の光透過スペクトルを示す。光透過スペクトルSP7~S11を測定したときのリン酸塩ガラスPGS-8,PGS-13~PGS-16の膜厚は、それぞれ、1.5mm、5.0mm、1.43mm、0.47mmおよび1.54mmである。
【0240】
図4を参照して、リン酸塩ガラスPGS-8の光透過端は、200nmよりも短く(光透過スペクトルSP7参照)、リン酸塩ガラスPGS-13の光透過端は、200nmよりも短く(光透過スペクトルSP8参照)、リン酸塩ガラスPGS-14の光透過端は、約190nmであり(光透過スペクトルSP9参照)、リン酸塩ガラスPGS-15の光透過端は、約220nmであり(光透過スペクトルSP10参照)、リン酸塩ガラスPGS-16の光透過端は、約250nmである(光透過スペクトルSP11参照)。
【0241】
従って、SnOの含有量を増加させることによって、紫外領域において、リン酸塩ガラスの光透過端の波長を長波長側へシフトさせることができる。つまり、紫外領域において、リン酸塩ガラスPGSの光透過端の波長をSnOの含有量によって制御できる。
可視光域において、いずれのリン酸塩ガラスも光吸収が無く、無色である。一方、透過率は、50%程度から90%超まで変化した。
【0242】
図5は、実施例13~16におけるリン酸塩ガラスPGS-13~PGS-16の蛍光スペクトルを示す図である。
図5において、スペクトルEx1~Ex4は、励起光スペクトルを示し、スペクトルFL1~FL4は、それぞれ、リン酸塩ガラスPGS-13~PGS-16の蛍光スペクトルを示す。
【0243】
図5を参照して、励起光スペクトルEx1~Ex4は、254nmのピーク波長を有する。また、蛍光スペクトルFL1~FL4は、約510nmのピーク波長を有する。その結果、酸化物基準のモル%表示で、それぞれ、0.001[モル%]、0.010[モル%]、0.100[モル%]および1.000[モル%]のSnOを含むリン酸塩ガラスPGS-13~PGS-16は、ピーク波長が同じである蛍光スペクトルFL1~FL4を有することが分かった。従って、紫外光域の発光素子(例えば、LED)と組み合わせることにより、この蛍光を発光する発光装置を得ることができる。
【0244】
実施例8,18,21,24,33におけるリン酸塩ガラスPGS-8,PGS-18,PGS-21,PGS-24,PGS-33は、酸化物基準のモル%表示で、62.8[モル%]のP25と、17.4[モル%]のZnOと、4.7[モル%]のK2Oと、9.3[モル%]のBaOとを基本とし、Al23、La23、Lu23およびGa23から選択された2種または3種の成分の合計含有量が5.8[モル%]になるリン酸塩ガラスである。
【0245】
そして、実施例8におけるリン酸塩ガラスPGS-8は、Al23、La23、Lu23およびGa23のうち、Al23およびLa23を成分として含み、実施例18におけるリン酸塩ガラスPGS-18は、Al23、La23、Lu23およびGa23のうち、Al23、La23およびGa23を成分として含み、実施例21におけるリン酸塩ガラスPGS-21は、Al23、La23、Lu23およびGa23のうち、Lu23およびGa23を成分として含み、実施例24におけるリン酸塩ガラスPGS-24は、Al23、La23、Lu23およびGa23のうち、La23およびGa23を成分として含み、実施例33におけるリン酸塩ガラスPGS-33は、Al23、La23、Lu23およびGa23のうち、Al23およびLu23を成分として含む。
その結果、実施例8,18,21,24,33におけるリン酸塩ガラスPGS-8,PGS-18,PGS-21,PGS-24,PGS-33は、ランタノイド元素のうちで、原子番号が最も小さいLaと原子番号が最も大きいLuとを使用しているので、ランタノイド元素(ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu))のいずれを用いても耐水性に優れたリン酸塩ガラスを作製できることを示す。
【0246】
実施例8,18,24におけるリン酸塩ガラスPGS-8,PGS-18,PGS-24は、ランタノイド元素の酸化物L23としてLa23を選択し、Al23およびGa23の少なくとも1つを含むリン酸塩ガラスである。そして、リン酸塩ガラスPGS-8は、Al23およびGa23のうち、Al23を含み、25.0[%]の耐水性を有する。リン酸塩ガラスPGS-18は、Al23およびGa23の両方を含み、0.5[%]未満の耐水性を有する。リン酸塩ガラスPGS-24は、Al23およびGa23のうち、Ga23を含み、4.0[%]の耐水性を有する。
また、実施例19,21,33におけるリン酸塩ガラスPGS-19,PGS-21,PGS-33は、ランタノイド元素の酸化物L23としてLu23を選択し、Al23およびGa23の少なくとも1つを含むリン酸塩ガラスである。そして、リン酸塩ガラスPGS-19は、Al23およびGa23の両方を含み、0.059[%]の耐水性を有する。リン酸塩ガラスPGS-21は、Al23およびGa23のうち、Ga23を含み、1.0[%]の耐水性を有する。リン酸塩ガラスPGS-33は、Al23およびGa23のうち、Al23を含み、0.5[%]未満の耐水性を有する。
【0247】
従って、実施例8,18,19,21,24,33におけるリン酸塩ガラスPGS-8,PGS-18,PGS-19,PGS-21,PGS-24,PGS-33は、P25、ZnO、K2OおよびBaOの成分以外に、ランタノイド元素の酸化物L23と、Al23およびGa23の少なくとも1つとを含んでいれば、耐水性に優れたリン酸塩ガラスを作製できることを示すものである。
【0248】
実施例28におけるリン酸塩ガラスPGS-28は、酸化物基準のモル%表示で、62.1[モル%]のP25と、22.6[モル%]のZnOと、2.8[モル%]のAl23と、1.1[モル%]のLa23と、5.6[モル%]のK2Oと、5.6[モル%]のCaOとを含む。従って、実施例28におけるリン酸塩ガラスPGS-28は、実施例1~9におけるリン酸塩ガラスPGS-1~PGS-9のBaOをCaOに変えても耐水性に優れたリン酸塩ガラスを作製できることを示すものである。
【0249】
実施例29におけるリン酸塩ガラスPGS-29は、酸化物基準のモル%表示で、59.0[モル%]のP25と、20.0[モル%]のZnOと、3.5[モル%]のAl23と、3.0[モル%]のLa23と、14.5[モル%]のK2Oとを含む。即ち、リン酸塩ガラスPGS-29は、BaO,MgO,CaOのいずれも含まない。従って、実施例29は、BaO,MgO,CaOが500℃で溶融して作製したリン酸塩ガラスPGSの任意成分であることを示すものである。
【0250】
実施例34,35,37,38におけるリン酸塩ガラスPGS-34,PGS-35,PGS-37,PGS-38は、P25、ZnO、Al23、La23、K2OおよびBaOを含むリン酸塩ガラスPGSにSiO2を追加したものである。SiO2の含有量は、酸化物基準のモル%表示で0.1[モル%]~8.5[モル%]である。また、実施例36におけるリン酸塩ガラスPGS-36は、P25、ZnO、Al23、La23およびK2Oを含むリン酸塩ガラスPGS(BaO,MgO,CaOのいずれも含まないリン酸塩ガラス)にSiO2を追加したものである。
そして、実施例34~38におけるリン酸塩ガラスPGS-34~PGS-38は、1.0[%]以下の耐水性を有する。
従って、実施例34~38は、SiO2を成分として含むリン酸塩ガラスPGSが優れた耐水性を有することを示すものである。
【0251】
実施例21におけるリン酸塩ガラスPGS-21は、実施例22におけるリン酸塩ガラスPGS-22よりも優れた耐水性を有する。従って、Lu23を含むリン酸塩ガラスPGSにおいては、Ga23がY23よりも耐水性の向上に寄与することが分かった。
実施例25におけるリン酸塩ガラスPGS-25は、実施例24におけるリン酸塩ガラスPGS-24よりも優れた耐水性を有する。従って、La23を含むリン酸塩ガラスPGSにおいては、Y23がGa23よりも耐水性の向上に寄与することが分かった。
実施例26におけるリン酸塩ガラスPGS-26は、実施例27におけるリン酸塩ガラスPGS-27よりも優れた耐水性を有する。従って、Ga23およびY23を含むリン酸塩ガラスPGSにおいては、La23がLu23よりも耐水性の向上に寄与することが分かった。
【0252】
実施例26,27におけるリン酸塩ガラスPGS-26,PGS-27は、実施例24におけるリン酸塩ガラスPGS-24よりも優れた耐水性を有する。従って、実施例26,27は、ランタノイド元素の酸化物L23としてLa23またはLu23を含むリン酸塩ガラスにおいては、Ga23だけを含めるよりもGa23およびY23の両方を含めた方が耐水性の向上に寄与できることを示す。
そして、リン酸塩ガラスPGS-26は、リン酸塩ガラスPGS-27よりも優れた耐水性を有するので、Ga23およびY23の両方を成分として含む場合、Lu23よりもLa23を含めた方が耐水性を向上できる。
【0253】
実施例1~9,11,12,20~22,26,27におけるリン酸塩ガラスPGS-1~PGS-9,PGS-11,PGS-12,PGS-20~PGS-22,PGS-26,PGS-27の成分および耐水性を表26に示す。
【0254】
【表26】
【0255】
実施例1~9,11,12,20~22,26,27におけるリン酸塩ガラスPGS-1~PGS-9,PGS-11,PGS-12,PGS-20~PGS-22,PGS-26,PGS-27は、P25、ZnO、K2O、BaO、およびLa23またはLu23を共通に含み、Al23、Ga23およびY23の少なくとも1つを含むリン酸塩ガラスである。
【0256】
リン酸塩ガラスPGS-1~PGS-9は、Al23、Ga23およびY23のうち、Al23のみを含む。リン酸塩ガラスPGS-21は、Al23、Ga23およびY23のうち、Ga23のみを含む。リン酸塩ガラスPGS-22は、Al23、Ga23およびY23のうち、Y23のみを含む。
【0257】
リン酸塩ガラスPGS-1~PGS-9は、1.0~25.0[%]の耐水性を有する。リン酸塩ガラスPGS-21は、1.0[%]の耐水性を有する。リン酸塩ガラスPGS-22は、9.607[%]の耐水性を有する。
【0258】
リン酸塩ガラスPGS-11は、Al23、Ga23およびY23のうち、Al23およびY23を含む。リン酸塩ガラスPGS-19は、Al23、Ga23およびY23のうち、Al23およびGa23を含む。リン酸塩ガラスPGS-26,PGS-27は、Al23、Ga23およびY23のうち、Ga23およびY23を含む。
【0259】
リン酸塩ガラスPGS-11は、0.058[%]の耐水性を有する。リン酸塩ガラスPGS-19は、0.059[%]の耐水性を有する。リン酸塩ガラスPGS-26は、0.022[%]の耐水性を有し、リン酸塩ガラスPGS-27は、0.129[%]の耐水性を有する。
【0260】
リン酸塩ガラスPGS-12,PGS-20は、Al23、Ga23およびY23を含む。リン酸塩ガラスPGS-12は、0.028[%]の耐水性を有し、リン酸塩ガラスPGS-20は、0.105[%]の耐水性を有する。
【0261】
実施例1~9におけるリン酸塩ガラスPGS-1~PGS-9、実施例11,26におけるリン酸塩ガラスPGS-11,PGS-26および実施例12におけるリン酸塩ガラスPGS-12は、La23を共通に含み、それぞれ、Al23、Ga23およびY23のうちの1成分、2成分および3成分を含む。そして、La23を含むリン酸塩ガラスにおいて、Al23、Ga23およびY23のうちの2成分を含むリン酸塩ガラスPGS-11,PGS-26は、Al23、Ga23およびY23のうちの1成分を含むリン酸塩ガラスPGS-1~PGS-9よりも優れた耐水性を有する。また、La23を含むリン酸塩ガラスにおいて、Al23、Ga23およびY23のうちの3成分を含むリン酸塩ガラスPGS-12は、Al23、Ga23およびY23のうちの2成分を含むリン酸塩ガラスPGS-11よりも優れた耐水性を有する。なお、リン酸塩ガラスPGS-12は、Al23、Ga23およびY23のうちの2成分を含むリン酸塩ガラスPGS-26とほぼ同等の耐水性を有する。
【0262】
実施例21,22におけるリン酸塩ガラスPGS-21,PGS-22、実施例19,27におけるリン酸塩ガラスPGS-19,PGS-27および実施例20におけるリン酸塩ガラスPGS-20は、Lu23を共通に含み、それぞれ、Al23、Ga23およびY23のうちの1成分、2成分および3成分を含む。そして、Lu23を含むリン酸塩ガラスにおいて、Al23、Ga23およびY23のうちの2成分を含むリン酸塩ガラスPGS-19,PGS-27は、Al23、Ga23およびY23のうちの1成分を含むリン酸塩ガラスPGS-21,PGS-22よりも優れた耐水性を有する。また、La23を含むリン酸塩ガラスにおいて、Al23、Ga23およびY23のうちの3成分を含むリン酸塩ガラスPGS-20は、Al23、Ga23およびY23のうちの2成分を含むリン酸塩ガラスPGS-27よりも優れた耐水性を有する。なお、リン酸塩ガラスPGS-20は、Al23、Ga23およびY23のうちの2成分を含むリン酸塩ガラスPGS-19よりも低い耐水性を有するが、Al23、Ga23およびY23のうちの1成分を含むリン酸塩ガラスPGS-21,PGS-22よりも優れた耐水性を有する。
従って、La23およびLu23のいずれかを含むリン酸塩ガラスにおいて、Al23、Ga23およびY23のうちの2成分以上を含めることによってリン酸塩ガラスの耐水性を向上できることが分かった。
また、Al23、Ga23およびY23の3成分を含むリン酸塩ガラスPGS-12,PGS-20においては、Lu23よりもLa23を含める方が耐水性の向上に寄与できることが分かった。
【0263】
そして、実施例1~9,11,12,20~22,26,27におけるリン酸塩ガラスPGS-1~PGS-9,PGS-11,PGS-12,PGS-20~PGS-22,PGS-26,PGS-27は、ランタノイド元素のうちで、原子番号が最も小さいLaと原子番号が最も大きいLuとを使用しているので、ランタノイド元素(ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu))のいずれを用いても、Al23、Ga23およびY23のうちの2成分以上を含めることによってリン酸塩ガラスの耐水性を向上できることを示す。従って、500℃で溶融して作製したリン酸塩ガラスPGSは、好ましくは、Al23、Ga23およびY23のうちの2成分以上を含む。
【0264】
実施例29~31におけるリン酸塩ガラスPGS-29~PGS-31は、P25、ZnO、Al23およびLa23を共通に含み、Li2O、Na2OおよびK2Oのいずれかを含むリン酸塩ガラスである。
リン酸塩ガラスPGS-29~PGS-31においては、リン酸塩ガラスPGS-31が最も高い耐水性を有し、リン酸塩ガラスPGS-29が2番目に高い耐水性を有し、リン酸塩ガラスPGS-30が最も低い耐水性を有する。従って、Li2O、Na2OおよびK2Oのうち、Na2Oが最も耐水性の向上に寄与することが分かった。
【0265】
そして、Na2OおよびK2Oを含むリン酸塩ガラスPGS-32は、リン酸塩ガラスPGS-29~PGS-31よりも約1桁高い耐水性を有する。従って、Na2OおよびK2Oの2成分を含めることによって、リン酸塩ガラスPGSの耐水性を更に向上できることが分かった。
【0266】
[800℃溶融のリン酸塩ガラス]
実施例61~125におけるリン酸塩ガラスPGS-61~PGS-125において、P25の含有量は、酸化物基準のモル%表示で、55.8[モル%]~63.0[モル%]の範囲であり、ZnOの含有量は、酸化物基準のモル%表示で、11.7[モル%]~25.5[モル%]の範囲であり、Al23の含有量は、酸化物基準のモル%表示で、0.0[モル%]~6.1[モル%]の範囲であり、La23の含有量は、酸化物基準のモル%表示で、0.0[モル%]~3.0[モル%]の範囲であり、Lu23の含有量は、酸化物基準のモル%表示で、0.0[モル%]~3.0[モル%]の範囲であり、Ga23の含有量は、酸化物基準のモル%表示で、0[モル%]~2.9[モル%]の範囲であり、Li2Oの含有量は、酸化物基準のモル%表示で、0.0[モル%]~12.0[モル%]の範囲であり、Na2Oの含有量は、酸化物基準のモル%表示で、0.0[モル%]~12.0[モル%]の範囲であり、K2Oの含有量は、酸化物基準のモル%表示で、0.0[モル%]~14.5[モル%]の範囲であり、BaOの含有量は、酸化物基準のモル%表示で、0.0[モル%]~10.1[モル%]の範囲であり、MgOの含有量は、酸化物基準のモル%表示で、0.0[モル%]~6.5[モル%]の範囲であり、CaOの含有量は、酸化物基準のモル%表示で、0.0[モル%]~8.0[モル%]の範囲であり、SrOの含有量は、酸化物基準のモル%表示で、0.0[モル%]~5.7[モル%]の範囲であり、Y23の含有量は、酸化物基準のモル%表示で、0.0[モル%]~2.7[モル%]の範囲であり、SiO2の含有量は、酸化物基準のモル%表示で、0.0[モル%]~8.5[モル%]の範囲であり、SnOの含有量は、酸化物基準のモル%表示で、0.0[モル%]~9.1[モル%]の範囲であり、Cu2Oの含有量は、酸化物基準のモル%表示で、0.0[モル%]~1.0[モル%]の範囲であり、Ag2Oの含有量は、酸化物基準のモル%表示で、0.0[モル%]~1.0[モル%]の範囲であり、MnOの含有量は、酸化物基準のモル%表示で、0.0[モル%]~1.0[モル%]の範囲である(表14から表23参照)。
また、実施例61~125におけるリン酸塩ガラスPGS-61~PGS-125は、耐水性が0.005[%]~0.587[%]であり、ガラス転移温度Tgが258℃~393℃である。
【0267】
一方、比較例15~23におけるリン酸塩ガラスPGS-Comp-15~PGS-Comp-23において、P25の含有量は、酸化物基準のモル%表示で、54.0[モル%]~75.5[モル%]の範囲であり、ZnOの含有量は、酸化物基準のモル%表示で、4.4[モル%]~32.0[モル%]の範囲であり、Al23の含有量は、酸化物基準のモル%表示で、0.9[モル%]~5.5[モル%]の範囲であり、La23の含有量は、酸化物基準のモル%表示で、0.0[モル%]~9.8[モル%]の範囲であり、K2Oの含有量は、酸化物基準のモル%表示で、0.0[モル%]~18.5[モル%]の範囲であり、BaOの含有量は、酸化物基準のモル%表示で、0[モル%]~10.8[モル%]の範囲である(表24,25参照)。
【0268】
また、比較例15~23におけるリン酸塩ガラスPGS-Comp-15~PGS-Comp-25は、測定可能なもので、耐水性が1.021[%]~18.528[%]であり、ガラス転移温度Tgが238℃~285℃である。
【0269】
比較例15,17,22におけるリン酸塩ガラスPGS-Comp-15,PGS-Comp-17,PGS-Comp-22は、Al23およびLa23の両方を成分として含んでいない。また、比較例16,18,19,21,23におけるリン酸塩ガラスPGS-Comp-16,PGS-Comp-18,PGS-Comp-19,PGS-Comp-21,PGS-Comp-23は、耐水性が「NG」であり、結果的にリン酸塩ガラスが形成されていない。
一方、実施例61~125におけるリン酸塩ガラスPGS-61~PGS-125は、ランタノイド元素の酸化物L23と、Al23、Ga23およびY23の少なくとも1つとを成分として含む。
【0270】
従って、実施例61~125におけるリン酸塩ガラスPGS-61~PGS-125は、比較例15~23におけるリン酸塩ガラスPGS-Comp-15~PGS-Comp-23と異なる成分組成を有する。
【0271】
実施例61~70におけるリン酸塩ガラスPGS-61~PGS-70は、P25、ZnO、Al23、La23、K2OおよびBaOを成分として含む。そして、実施例61~70におけるリン酸塩ガラスPGS-61~PGS-70は、0.016[%]~0.587[%]の耐水性を有する(表14,15参照)。
【0272】
比較例15~23のうち、リン酸塩ガラスPGSが形成された比較例は、比較例15,17,20,22である。比較例15,17,22におけるリン酸塩ガラスPGS-Comp-15,PGS-Comp-17,PGS-Comp-22は、Al23およびLa23の両方を成分として含んでいない。そして、リン酸塩ガラスPGS-Comp-15,PGS-Comp-17,PGS-Comp-22は、それぞれ、18.528[%]、2.443[%]および1.021[%]の耐水性を有する。また、比較例20におけるリン酸塩ガラスPGS-Comp-20は、Al23およびLa23の両方を成分として含むが、La23の含有量が1.0[モル%]よりも少ない。そして、リン酸塩ガラスPGS-Comp-20は、8.078[%]の耐水性を有する(表24,25参照)。
【0273】
その結果、実施例61~70におけるリン酸塩ガラスPGS-61~PGS-70は、比較例15,17,20,22におけるリン酸塩ガラスPGS-Comp-15,PGS-Comp-17,PGS-Comp-20,PGS-Comp-22よりも優れた耐水性を有する。これは、実施例61~70におけるリン酸塩ガラスPGS-61~PGS-70がAl23とLa23との両方を成分として含み、La23の含有量が酸化物基準のモル%表示で1.0[モル%]~3.0[モル%]の範囲であるからである。
従って、Al23とLa23との両方を成分として含め、La23の含有量を酸化物基準のモル%表示で1.0[モル%]~3.0[モル%]の範囲に設定することによって耐水性を向上することができる。
【0274】
実施例74におけるリン酸塩ガラスPGS-74は、実施例70におけるリン酸塩ガラスPGS-70のAl23を同じ含有量でGa23に変えたものである。また、実施例78におけるリン酸塩ガラスPGS-78は、実施例70におけるリン酸塩ガラスPGS-70のAl23を同じ含有量でY23に変えたものである。そして、リン酸塩ガラスPGS-74は、リン酸塩ガラスPGS-70よりも優れた耐水性を有し、リン酸塩ガラスPGS-78は、0.090[%]未満の耐水性を有する。
従って、Al23に代えてGa23またはY23を成分として含めても、耐水性に優れたリン酸塩ガラスPGSを得ることができる。その結果、Al23、Ga23およびY23は、リン酸塩ガラスPGSの耐水性を向上させる成分を構成する。
【0275】
実施例82におけるリン酸塩ガラスPGS-82は、実施例70におけるリン酸塩ガラスPGS-70のAl23およびLa23をそれぞれGa23およびLu23に変えたものである。その結果、実施例82は、Ga23およびLu23の両方を成分として含むことによっても耐水性に優れたリン酸塩ガラスPGSを得ることができることを示す。
【0276】
また、実施例79,81におけるリン酸塩ガラスPGS-79,PGS-81は、P25、ZnO、K2O、BaOおよびY23を共通に含み、La23またはLu23を含むリン酸塩ガラスである。そして、リン酸塩ガラスPGS-79は、0.377[%]の耐水性を有し、リン酸塩ガラスPGS-81は、0.323[%]の耐水性を有する。
従って、実施例79,81は、Al23、Ga23およびY23のうち、Y23のみを含むリン酸塩ガラスPGSにおいて、La23およびLu23のいずれを成分として含めても、ほぼ同等の耐水性が得られることを示す。
【0277】
そして、実施例70におけるリン酸塩ガラスPGS-70は、実施例79におけるリン酸塩ガラスPGS-79のY23をAl23に変えたものであり、実施例82におけるリン酸塩ガラスPGS-82は、実施例81におけるリン酸塩ガラスPGS-81のY23をGa23に変えたものである。即ち、リン酸塩ガラスPGS-70は、P25、ZnO、K2OおよびBaOと、La23およびLu23のうちのLa23と、Al23、Ga23およびY23のうちのAl23とを含むリン酸塩ガラスであり、リン酸塩ガラスPGS-82は、P25、ZnO、K2OおよびBaOと、La23およびLu23のうちのLu23と、Al23、Ga23およびY23のうちのGa23とを含むリン酸塩ガラスである。従って、実施例70,79,81,82は、Al23、Ga23およびY23のうちの1成分を含むリン酸塩ガラスにおいて、La23からLu23までの全てのランタノイド酸化物のうちの1つを成分として含有すると、優れた耐水性を有するリン酸塩ガラスを得ることができることを示す。
【0278】
実施例71におけるリン酸塩ガラスPGS-71は、P25、ZnO、Al23、K2OおよびBaOの成分に追加して、La23およびLu23の2つのランタノイド酸化物を成分として含むリン酸塩ガラスPGSである。そして、リン酸塩ガラスPGS-71は、La23およびLu23のうちの1成分(La23)を含む実施例68におけるリン酸塩ガラスPGS-68とほぼ同等の耐水性を有する。従って、実施例71は、La23からLu23までのランタノイド酸化物のうちの2つを成分として含めても耐水性に優れたリン酸塩ガラスが得られることを示す。
【0279】
実施例75におけるリン酸塩ガラスPGS-75は、P25、ZnO、Al23、Lu23、Ga23、K2OおよびBaOを成分として含むリン酸塩ガラスである。そして、実施例77におけるリン酸塩ガラスPGS-77は、リン酸塩ガラスPGS-75のGa23を同じ含有量でY23に変えたリン酸塩ガラスである。そして、リン酸塩ガラスPGS-75は、0.030[%]の耐水性を有し、リン酸塩ガラスPGS-77は、0.299[%]の耐水性を有する。従って、Lu23を含むリン酸塩ガラスPGSにおいては、Al23およびY23の両方よりもAl23およびGa23の両方を含む方が耐水性の向上に寄与することが分かった。
【0280】
実施例79におけるリン酸塩ガラスPGS-79は、P25、ZnO、La23、K2O、BaOおよびY23を成分として含むリン酸塩ガラスである。そして、実施例81におけるリン酸塩ガラスPGS-81は、リン酸塩ガラスPGS-79のLa23を同じ含有量でLu23に変えたリン酸塩ガラスである。そして、リン酸塩ガラスPGS-79,PGS-81は、ほぼ同等の耐水性を有する。その結果、実施例79,81は、ランタノイド元素のうちで、原子番号が最も小さいLaと原子番号が最も大きいLuとを使用しているので、ランタノイド元素(ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu))のいずれを用いても耐水性に優れたリン酸塩ガラスを得ることができることを示す。
【0281】
実施例84におけるリン酸塩ガラスPGS-84は、実施例82におけるリン酸塩ガラスPGS-82のLu23を同じ含有量でLa23に変えたものである。その結果、実施例84は、Ga23およびLu23の組み合わせよりもGa23およびLa23の組み合わせの方が耐水性に優れたリン酸塩ガラスPGSを得ることができることを示す。
実施例85,86におけるリン酸塩ガラスPGS-85,PGS-86は、P25、ZnO、Al23、La23およびBaOの成分に加えてLi2O、Na2OおよびK2Oを成分として含むものである。そして、リン酸塩ガラスPGS-85は、0.130[%]未満の耐水性を有し、リン酸塩ガラスPGS-86は、0.050[%]未満の耐水性を有する。このように、実施例85,86は、3種類のアルカリ金属(Li,Na,K)の酸化物を含んでいても、耐水性に優れたリン酸塩ガラスPGSを得ることができることを示す。
【0282】
実施例87におけるリン酸塩ガラスPGS-87は、P25、ZnO、Al23、La23およびLi2Oを成分として含み、実施例88におけるリン酸塩ガラスPGS-88は、P25、ZnO、Al23、La23およびNa2Oを成分として含み、実施例89におけるリン酸塩ガラスPGS-89は、P25、ZnO、Al23、La23、K2OおよびNa2Oを成分として含む。即ち、リン酸塩ガラスPGS-87~PGS-89は、BaO、MgOおよびCaOのいずれも含まない。従って、実施例87~89は、BaO、SrO、MgOおよびCaOが800℃で溶融して作製したリン酸塩ガラスの任意成分であることを示すものである。
【0283】
また、実施例93におけるリン酸塩ガラスPGS-93は、P25、ZnO、Al23、La23、Ga23およびK2Oを成分として含む。即ち、リン酸塩ガラスPGS-93は、BaO、MgOおよびCaOのいずれも含まない。従って、実施例93は、Al23、Ga23およびY23のうち、Al23およびGa23を含むリン酸塩ガラスPGSにおいて、BaO、SrO、MgOおよびCaOが任意成分であることを示すものである。
更に、実施例97におけるリン酸塩ガラスPGS-97は、P25、ZnO、Al23、La23、K2OおよびSiO2を成分として含む。即ち、リン酸塩ガラスPGS-97は、BaO、SrO、MgOおよびCaOのいずれも含まない。従って、実施例97は、SiO2を含むリン酸塩ガラスPGSにおいて、BaO、MgOおよびCaOが任意成分であることを示すものである。
【0284】
実施例90におけるリン酸塩ガラスPGS-90は、P25、ZnO、Al23、La23、K2OおよびBaOの成分におけるBaOに代えてCaOを成分として含むリン酸塩ガラスPGSである。そして、リン酸塩ガラスPGS-90は、0.400[%]未満の耐水性を有する。このように、実施例90は、BaOに代えてCaOを成分として含めても、耐水性に優れたリン酸塩ガラスPGSを得ることができることを示す。
【0285】
実施例91におけるリン酸塩ガラスPGS-91は、P25、ZnO、Al23、La23、K2OおよびBaOの成分に加えて、酸化物基準のモル%表示で9.1[モル%]のSnOを成分として含むリン酸塩ガラスPGSである。そして、リン酸塩ガラスPGS-91は、0.060[%]未満の耐水性を有する。このように、実施例91は、P25、ZnO、Al23、La23、K2O、BaOおよびSnOを成分として含めても、耐水性に優れたリン酸塩ガラスPGSを得ることができることを示す。
【0286】
また、リン酸塩ガラスPGS-91は、実施例17におけるリン酸塩ガラスPGS-17と同じ成分を含み、各成分の含有量がリン酸塩ガラスPGS-17と同じである。そして、リン酸塩ガラスPGS-17,PGS-91は、共に、0.5[%]未満の耐水性を有する。従って、SnOの成分を含むリン酸塩ガラスPGSは、500℃または800℃の溶融温度で作製しても、同水準の耐水性を有するリン酸塩ガラスPGSである。そして、SnOの含有量としての9.1[モル%]は、800℃の溶融温度で作製したリン酸塩ガラスPGSにおいても、SnOを含むリン酸塩ガラスPGSを作製するときの臨界的意義を有する。
【0287】
実施例92におけるリン酸塩ガラスPGS-92は、P25、ZnO、Al23、La23、K2OおよびBaOの成分におけるBaOに代えてMgOを成分として含むリン酸塩ガラスPGSである。そして、リン酸塩ガラスPGS-92は、0.400[%]未満の耐水性を有する。このように、実施例92は、BaOに代えてMgOを成分として含めても、耐水性に優れたリン酸塩ガラスPGSを得ることができることを示す。
【0288】
実施例94におけるリン酸塩ガラスPGS-94は、実施例93のリン酸塩ガラスPGS-93におけるAl23およびGa23の含有量を3.5[モル%]からそれぞれ1.4モル%]および1.5[モル%]に低減し、K2Oの一部をBaOに変えたものである。そして、リン酸塩ガラスPGS-94は、リン酸塩ガラスPGS-93よりも1桁以上良い耐水性を有する。このように、実施例94は、Al23およびGa23の含有量を低減し、含有量をほぼ保持してK2OをK2OおよびBaOに変えることによって、耐水性を更に向上できることを示す。つまり、実施例94は、K2O単体よりもK2OおよびBaOの両方を成分として含めた方がリン酸塩ガラスPGSの耐水性を向上できることを示す。
【0289】
実施例95,96,98~100におけるリン酸塩ガラスPGS-95,PGS-96,PGS-98~PGS-100は、P25、ZnO、Al23、La23、K2OおよびBaOの成分にSiO2を成分として追加したリン酸塩ガラスPGSである。また、実施例97におけるリン酸塩ガラスPGS-97は、P25、ZnO、Al23、La23およびK2Oの成分にSiO2を成分として追加したリン酸塩ガラスPGSである。そして、リン酸塩ガラスPGS-95~PGS-100は、0.510未満の耐水性を有する。
【0290】
従って、実施例95~100は、SiO2を成分として含めても、耐水性に優れたリン酸塩ガラスPGSを得ることができることを示す。また、実施例97は、BaO,MgO,CaOのいずれも含まない場合でも、SiO2を成分として含むリン酸塩ガラスPGSが優れた耐水性を有することを示す。更に、実施例95~100は、SiO2がリン酸塩ガラスPGSを作製する環境に存在して自動的にリン酸塩ガラスPGSに取り込まれる場合でも、含有量が0.1[モル%]~8.5[モル%]の範囲であれば、耐水性に優れたリン酸塩ガラスPGSを得ることができることを示す。
【0291】
実施例61~70,73~78,80,82,83におけるリン酸塩ガラスPGS-61~PGS-70,PGS-73~PGS-78,PGS-80,PGS-82,PGS-83の成分および耐水性を表27に示す。
【0292】
【表27】
【0293】
実施例61~70,73~78,80,82,83におけるリン酸塩ガラスPGS-61~PGS-70,PGS-73~PGS-78,PGS-80,PGS-82,PGS-83は、P25、ZnO、K2O、BaO、およびLa23またはLu23を共通に含み、Al23、Ga23およびY23の少なくとも1つを含むリン酸塩ガラスである。
【0294】
リン酸塩ガラスPGS-61~PGS-70は、Al23、Ga23およびY23のうち、Al23のみを含む。リン酸塩ガラスPGS-52,PGS-60は、Al23、Ga23およびY23のうち、Ga23のみを含む。リン酸塩ガラスPGS-78は、Al23、Ga23およびY23のうち、Y23のみを含む。
【0295】
リン酸塩ガラスPGS-61~PGS-70は、0.016~0.587[%]の耐水性を有する。リン酸塩ガラスPGS-74は、0.009[%]の耐水性を有する。リン酸塩ガラスPGS-78は、0.089[%]の耐水性を有する。リン酸塩ガラスPGS-82は、0.075[%]の耐水性を有する。
【0296】
リン酸塩ガラスPGS-77は、Al23、Ga23およびY23のうち、Al23およびY23を含む。リン酸塩ガラスPGS-80,PGS-83は、Al23、Ga23およびY23のうち、Ga23およびY23を含む。リン酸塩ガラスPGS-75は、Al23、Ga23およびY23のうち、Al23およびGa23を含む。
【0297】
リン酸塩ガラスPGS-77は、0.299[%]の耐水性を有する。リン酸塩ガラスPGS-80は、0.346[%]の耐水性を有し、リン酸塩ガラスPGS-83は、0.537の耐水性を有する。リン酸塩ガラスPGS-75は、0.030[%]の耐水性を有する。
リン酸塩ガラスPGS-73,PGS-76は、Al23、Ga23およびY23を含む。リン酸塩ガラスPGS-73は、0.542[%]の耐水性を有し、リン酸塩ガラスPGS-76は、0.536[%]の耐水性を有する。
【0298】
実施例61~70,74,78におけるリン酸塩ガラスPGS-61~PGS-70,PGS-74,PGS-78、実施例80におけるリン酸塩ガラスPGS-80および実施例73におけるリン酸塩ガラスPGS-73は、La23を共通に含み、それぞれ、Al23、Ga23およびY23のうちの1成分、2成分および3成分を含む。そして、La23を含むリン酸塩ガラスにおいて、Al23、Ga23およびY23のうちの1成分を含むリン酸塩ガラスPGS-61~PGS-70,PGS-74,PGS-78の耐水性の平均値は、0.159[%]である。従って、La23を含むリン酸塩ガラスにおいて、Al23、Ga23およびY23のうちの1成分を含むリン酸塩ガラスPGS-61~PGS-70,PGS-74,PGS-78は、Al23、Ga23およびY23のうちの2成分を含むリン酸塩ガラスPGS-80よりも優れた耐水性を有し、Al23、Ga23およびY23のうちの2成分を含むリン酸塩ガラスPGS-80は、Al23、Ga23およびY23のうちの3成分を含むリン酸塩ガラスPGS-73よりも優れた耐水性を有する。
【0299】
また、実施例82におけるリン酸塩ガラスPGS-82、実施例75,77,83におけるリン酸塩ガラスPGS-75,PGS-77,PGS-83および実施例76におけるリン酸塩ガラスPGS-76は、Lu23を共通に含み、それぞれ、Al23、Ga23およびY23のうちの1成分、2成分および3成分を含む。そして、Lu23を含むリン酸塩ガラスにおいて、Al23、Ga23およびY23のうちの2成分を含むリン酸塩ガラスPGS-75,PGS-77,PGS-83の耐水性の平均値は、0.289[%]である。従って、Lu23を含むリン酸塩ガラスにおいて、Al23、Ga23およびY23のうちの1成分を含むリン酸塩ガラスPGS-83は、Al23、Ga23およびY23のうちの2成分を含むリン酸塩ガラスPGS-75,PGS-77,PGS-83よりも優れた耐水性を有し、Al23、Ga23およびY23のうちの2成分を含むリン酸塩ガラスPGS-75,PGS-77,PGS-83は、Al23、Ga23およびY23のうちの3成分を含むリン酸塩ガラスPGS-76よりも優れた耐水性を有する。
【0300】
このように、800℃で溶融して作製したリン酸塩ガラスPGSにおいては、La23およびLu23のいずれを成分として含んでいても、Al23、Ga23およびY23のうちの1成分を含むリン酸塩ガラスPGS-61~70,PGS-74,PGS-78,PGS-82がAl23、Ga23およびY23のうちの2成分を含むリン酸塩ガラスPGS-75,PGS-77,PGS-80,PGS-83およびAl23、Ga23およびY23のうちの3成分を含むリン酸塩ガラスPGS-73,PGS-76よりも優れた耐水性を有することが分かった。
【0301】
そして、実施例61~70,73~78,80,82,83におけるリン酸塩ガラスPGS-61~PGS-70,PGS-73~PGS-78,PGS-80,PGS-82,PGS-83は、ランタノイド元素のうちで、原子番号が最も小さいLaと原子番号が最も大きいLuとを使用しているので、ランタノイド元素(ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu))のいずれを用いても、Al23、Ga23およびY23のうちの1成分を含めることによってリン酸塩ガラスの耐水性を向上できることを示す。従って、800℃で溶融して作製したリン酸塩ガラスPGSは、好ましくは、Al23、Ga23およびY23のうちの1成分を含む。
【0302】
実施例87~89におけるリン酸塩ガラスPGS-87~PGS-89は、P25、ZnO、Al23およびLa23を共通に含み、Li2O、Na2O、およびNa2OとK2Oの2成分のいずれかを含むリン酸塩ガラスである。
リン酸塩ガラスPGS-87~PGS-89においては、リン酸塩ガラスPGS-88が最も高い耐水性を有し、リン酸塩ガラスPGS-87が2番目に高い耐水性を有し、リン酸塩ガラスPGS-89が最も低い耐水性を有する。従って、Li2O、Na2O、およびNa2OとK2Oの2成分のうち、Na2Oが最も耐水性の向上に寄与することが分かった。
【0303】
実施例61~67,69,70,74,75,77~82,84~99におけるリン酸塩ガラスPGS-61~PGS-67,PGS-69,PGS-70,PGS-74,PGS-75,PGS-77~PGS-82,PGS-84~PGS-99は、0.400未満の耐水性を有する。従って、800℃で溶融して作製したリン酸塩ガラスは、好ましくは、酸化物基準のモル%表示で、P25の含有量が55~63[モル%]であり、ZnOの含有量は、12~26[モル%]であり、R23(R23は、Al23,Ga23およびY23の少なくとも1つ)の含有量が1.0~6.1[モル%]であり、ランタノイドの酸化物(La23、Ce23、Pr23、Nd23、Pm23、Sm23、Eu23、Gd23、Tb23、Dy23、Ho23、Er23、Tm23、Yb23およびLu23の少なくとも1つ)の含有量が1~3[モル%]であり、X2O(X2Oは、Li2O、Na2O、K2O、Rb2O、Cs2OおよびFr2Oの少なくとも1つ)の含有量が4.3~14.5[モル%]であり、SiO2の含有量が0.0~7[モル%]である。
【0304】
図6は、酸化物基準のモル%表示で各成分の含有量を表したときの実施例1~9,13~18,21,24,28,29,33~38,61~70,74,78,82,84~86,90~100および比較例1~23におけるリン酸塩ガラスPGS-1~PGS-9,PGS-13~PGS-18,PGS-21,PGS-24,PGS-28,PGS-29,PGS-33~PGS-38,PGS-61~PGS-70,PGS-74,PGS-78,PGS-82,PGS-84~PGS-86,PGS-90~PGS-100;PGS-Comp-1~PGS-Comp-23における耐水性およびガラス転移温度Tgと特定の成分の含有量との関係を示す図である。
【0305】
特定の成分は、[(X2O+P25)-(M23+SiO2)]である。ここで、M23のMは、Al,Ga,Y,ランタノイド元素のいずれかである。
図6の(a)は、[(X2O+P25)-(M23+SiO2)]と耐水性(ΔW)との関係を示し、図6の(b)は、[(X2O+P25)-(M23+SiO2)]とガラス転移温度Tgとの関係を示す。
【0306】
[(X2O+P25)-(M23+SiO2)]の量と耐水性との関係をプロットし、直線近似した結果、0.16の寄与率が得られた(図6の(a)参照)。
また、[(X2O+P25)-(M23+SiO2)]の量とガラス転移温度Tgとの関係をプロットし、直線近似した結果、0.20の寄与率が得られた(図6の(b)参照)。
【0307】
図7は、カチオン基準のモル%表示で各成分の含有量を表したときの実施例1~9,13~18,21,24,28,29,33~38,61~70,74,78,82,84~86,90~100および比較例1~23におけるリン酸塩ガラスPGS-1~PGS-9,PGS-13~PGS-18,PGS-21,PGS-24,PGS-28,PGS-29,PGS-33~PGS-38,PGS-61~PGS-70,PGS-74,PGS-78,PGS-82,PGS-84~PGS-86,PGS-90~PGS-100;PGS-Comp-1~PGS-Comp-23における耐水性およびガラス転移温度Tgと特定の成分の含有量との関係を示す図である。
【0308】
特定の成分は、[(XO1/2+PO5/2)-(MO3/2+SiO2)]である。ここで、MO3/2のMは、Al,Ga,Y,ランタノイド元素のいずれかである。
図7の(a)は、[(XO1/2+PO5/2)-(MO3/2+SiO2)]と耐水性(ΔW)との関係を示し、図7の(b)は、[(XO1/2+PO5/2)-(MO3/2+SiO2)]とガラス転移温度Tgとの関係を示す。
【0309】
[(XO1/2+PO5/2)-(MO3/2+SiO2)]の量と耐水性との関係をプロットし、直線近似した結果、0.28の寄与率が得られた(図7の(a)参照)。
そして、図7の(a)に示す[(XO1/2+PO5/2)-(MO3/2+SiO2)]の量と耐水性との関係は、図6の(a)に示す[(X2O+P25)-(M23+SiO2)]の量と耐水性との関係よりも良い相関関係を示す。
従って、カチオン基準のモル%で含有量を表した[(XO1/2+PO5/2)-(MO3/2+SiO2)]の量の方が耐水性と良い相関関係を示す。
【0310】
また、[(XO1/2+PO5/2)-(MO3/2+SiO2)]の量とガラス転移温度Tgとの関係をプロットし、直線近似した結果、0.35の寄与率が得られた(図7の(b)参照)。
そして、図7の(b)に示す[(XO1/2+PO5/2)-(MO3/2+SiO2)]の量とガラス転移温度Tgとの関係は、図6の(b)に示す[(X2O+P25)-(M23+SiO2)]の量とガラス転移温度Tgとの関係よりも良い相関関係を示す。
従って、カチオン基準のモル%で含有量を表した[(XO1/2+PO5/2)-(MO3/2+SiO2)]の量の方がガラス転移温度Tgと良い相関関係を示す。
【0311】
含有量が異なる2種類の成分組成を用いてガラス転移温度Tgと溶融温度との関係を調べた。2種類の成分組成を表28に示す。なお、表28の成分組成1,2における各成分の含有量は、酸化物基準のモル%で示されている。
【0312】
【表28】
【0313】
図8は、ガラス転移温度と溶融温度との関係を示す図である。図8において、曲線k1は、成分組成1におけるガラス転移温度Tgと溶融温度との関係を示し、曲線k2は、成分組成2におけるガラス転移温度Tgと溶融温度との関係を示す。
【0314】
図8を参照して、成分組成1を用いて作製されたリン酸塩ガラスPGSのガラス転移温度Tgは、500℃~800℃の溶融温度の範囲において、160℃~322℃の範囲である(曲線k1参照)。また、成分組成2を用いて作製されたリン酸塩ガラスPGSのガラス転移温度Tgは、500℃~800℃の溶融温度の範囲において、195℃~310℃の範囲である(曲線k2参照)。
【0315】
そして、成分組成1および成分組成2を用いて作製されたリン酸塩ガラスPGSにおいては、ガラス転移温度Tgは、溶融温度の上昇に伴って上昇する(曲線k1,k2参照)。そして、ガラス転移温度Tgの上昇に伴って耐水性が向上することを確認した。
【0316】
成分組成1および成分組成2を用いて500℃の溶融温度で作製されたリン酸塩ガラスPGSのガラス転移温度160℃,195℃は、実施例1~60におけるリン酸塩ガラスPGS-1~PGS-60のガラス転移温度Tgの125℃~232℃の範囲に入っている。また、成分組成1および成分組成2を用いて800℃の溶融温度で作製されたリン酸塩ガラスPGSのガラス転移温度310℃,322℃は、実施例61~125におけるリン酸塩ガラスPGS-61~PGS-125のガラス転移温度Tgの258℃~393℃の範囲に入っている。
従って、実施例1~125に示す成分組成を用いて500℃~800℃の範囲の溶融温度で作製したリン酸塩ガラスPGSのガラス転移温度Tgは、393℃以下になると考えられる。
【0317】
図9は、粘度とガラス転移温度との関係を示す図である。なお、図9に示す粘度とガラス転移温度との関係は、非特許文献3に記載されたものである。また、図9においては、酸化物ガラスにおける粘度とガラス転移温度との関係は、曲線k3から曲線k4までの範囲に表示されている。
【0318】
ガラスの粘度ηがη=107.65dPa・s(poise)であるときの温度は、低融点ガラスの軟化点と言われる。そして、低融点ガラスの軟化点は、600℃以下である。そこで、図9において、曲線k4に基づいて、η=107.65dPa・s(poise)の粘度に対応するTg/T=0.874を抽出した。ガラスの軟化点が600℃以下であるので、T=600℃=873KをTg/T=0.874に代入すると、Tg=763K=490℃が得られる。従って、低融点ガラスのガラス転移温度Tgは、490℃以下である。そこで、この発明の実施の形態においては、ガラス転移温度Tgが490℃以下であるガラスを「低融点ガラス」と言う。
上述した実施例1~125におけるリン酸塩ガラスPGS-1~PGS-125のガラス転移温度Tgは、490℃よりも低い。従って、リン酸塩ガラスPGS-1~PGS-125は、低融点ガラスである。
【0319】
実施例116-125(下表29に示すCu,Ag,Mnの添加量)のリン酸塩ガラスについて、各々、光の透過率と波長との関係を図10に、蛍光強度と波長との関係を図12に示す。
【0320】
【表29】
【0321】
上述した実施例1~125によれば、ガラス転移温度Tgが490℃よりも低く、酸化物基準のモル%表示で、P25の含有量が55~65[モル%]であり、ZnOの含有量が10~27[モル%]であり、R23(R23は、Al23、Ga23およびY23の少なくとも1つ)の含有量が0.7~7[モル%]であり、ランタノイドの酸化物L23(L23は、La23、Ce23、Pr23、Nd23、Pm23、Sm23、Eu23、Gd23、Tb23、Dy23、Ho23、Er23、Tm23、Yb23およびLu23の少なくとも1つ)の含有量が0.7~3.5[モル%]であり、X2O(X2Oは、Li2O、Na2O、K2O、Rb2O、Cs2OおよびFr2Oの少なくとも1つ)の含有量が4.3~14.5[モル%]である。
【0322】
従って、この発明の実施の形態によるリン酸塩ガラスPGSは、490℃よりも低いガラス転移温度を有し、酸化物基準のモル%表示で、55~65[モル%]のP25と、10~27[モル%]のZnOと、0.5~7[モル%]のR23(R23は、Al23,Ga23およびY23の少なくとも1つ)と、0.5~3.5[モル%]のL23(L23は、La23、Ce23、Pr23、Nd23、Pm23、Sm23、Eu23、Gd23、Tb23、Dy23、Ho23、Er23、Tm23、Yb23およびLu23の少なくとも1つ)の少なくとも1つ)と、4~15[モル%]のX2O(X2Oは、Li2O、Na2O、K2O、Rb2O、Cs2OおよびFr2Oの少なくとも1つ)とを含む。
また、実施例1~125によれば、酸化物基準のモル%表示で、任意的成分であるQO(QOは、BaO,SrО,MgOおよびCaOの少なくとも1つ)の含有量は、0~11.1[モル%]であり、QOが含まれるときの含有量の最小値は、5.4[モル%]である。従って、この発明の実施の形態によるリン酸塩ガラスPGSは、好ましくは、酸化物基準のモル%表示で、5~12[モル%]のQOを含む。
【0323】
そして、リン酸塩ガラスPGSは、好ましくは、400℃よりも低いガラス転移温度Tgを有する。
また、リン酸塩ガラスPGSは、P25の含有量が55~65[モル%]と多いことを特徴とする。P25の含有量が55~65[モル%]である結果、P25とZnOとの合計含有量は、68~85[モル%]になる。
25およびZnOは、主に、リン酸塩ガラスPGSのガラス構造の維持に寄与し、R23およびL23は、主に、耐水性の向上に寄与し、X2Oは、主に、低融点性に寄与する。その結果、P25およびZnOの含有量と、R23およびL23の含有量と、X2Oの含有量とを上記の範囲に調整することによって、低融点性を有し、ガラス構造を維持しながら耐水性に優れたリン酸塩ガラスPGSを実現できる。
【産業上の利用可能性】
【0324】
この発明は、リン酸塩ガラスおよびそれを用いた発光装置に適用される。
【符号の説明】
【0325】
1 発光素子
2 被覆材料
10 発光装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11