(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-18
(45)【発行日】2023-08-28
(54)【発明の名称】多種多様な外部接点を含む半導体チップ、チップ配列、及び半導体チップの位置のアライメントをチェックする方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/60 20060101AFI20230821BHJP
H01L 25/07 20060101ALI20230821BHJP
H01L 25/065 20230101ALI20230821BHJP
H01L 25/18 20230101ALI20230821BHJP
【FI】
H01L21/92 602P
H01L21/60 311Q
H01L25/08 B
H01L21/60 321Y
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018221806
(22)【出願日】2018-11-28
【審査請求日】2021-10-01
(31)【優先権主張番号】10 2017 128 568.7
(32)【優先日】2017-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】501209070
【氏名又は名称】インフィネオン テクノロジーズ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】INFINEON TECHNOLOGIES AG
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ボナルト, ディートリヒ
【審査官】小池 英敏
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-072487(JP,A)
【文献】特開2008-078238(JP,A)
【文献】特開2003-017530(JP,A)
【文献】特開2013-115135(JP,A)
【文献】特開2013-110151(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/60
H01L 25/07
H01L 25/065
H01L 25/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第1の導体接点と少なくとも1つの第2の導体接点とを含むマウント面を含む半導体チップであって、
前記複数の第1の導体接点のそれぞれは、前記第1の導体接点のうちの直接隣り合う第1の導体接点の中心点同士が第1の方向に第1の距離だけ互いに離されるように、規則正しく間隔を空けられたアレイとして配列され、
前記複数の第1の導体接点のそれぞれは、第1の横方向の広がりが同一であり、
前記少なくとも1つの第2の導体接点の位置は、前記規則正しく間隔を空けられたアレイで規定される位置から、全ての前記第1の導体接点から遠ざかるようにずれていて、
前記少なくとも1つの第2の導体接点の中心点が、前記第1の導体接点のうちの直接隣接する第1の導体接点の前記中心点から前記第1の方向に、前記第1の距離と異なる第2の距離だけ離れてい
て、
前記少なくとも1つの第2の導体接点の中心点から前記第1の方向及び前記第1の方向と垂直な第2の方向の両方に前記第1の導体接点が存在する、
半導体チップ。
【請求項2】
前記少なくとも1つの第2の導体接点は第2の横方向の広がりを有し、前記少なくとも1つの第2の導体接点の中心点が、前記第1の導体接点のうちの直接隣接する第1の導体接点の中心点から前記第1の方向に前記第1の距離だけ離れている、請求項1に記載の半導体チップ。
【請求項3】
前記少なくとも1つの第2の導体接点の前記中心点は、前記第1の導体接点のうちの前記直接隣接する第1の導体接点の前記中心点から前記第1の方向に前記第2の距離だけ離れている、請求項1に記載の半導体チップ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの第2の導体接点の第2の横方向の広がりが前記第1の横方向の広がりより小さい、請求項3に記載の半導体チップ。
【請求項5】
前記第2の距離は前記第1の距離より長い、請求項3に記載の半導体チップ。
【請求項6】
前記規則正しく間隔を空けられたアレイは、前記第1の導体接点の少なくとも1つの行と、前記第1の導体接点の少なくとも1つの列とを含み、前記少なくとも1つの行は、前記第1の導体接点のうちの、それぞれが互いに前記第1の方向に前記第1の距離だけ離れている2つ以上の第1の導体接点を含み、前記少なくとも1つの列は、前記第1の導体接点のうちの、それぞれが互いに
前記第2の方向に第3の距離だけ離れている2つ以上の第1の導体接点を含む、請求項1に記載の半導体チップ。
【請求項7】
前記第3の距離は前記第1の距離と異なる、請求項6に記載の半導体チップ。
【請求項8】
前記半導体チップは前記第2の導体接点のうちの4つを含み、前記第2の導体接点のうちの前記4つは、前記規則正しく間隔を空けられたアレイの外側コーナーに配置される、請求項6に記載の半導体チップ。
【請求項9】
前記4つの第2の導体接点のそれぞれは、前記第1の導体接点のうちの直接隣接する第1の導体接点の外側エッジ側から前記第1の方向に前記第1の距離だけ離れている場所と重なっており、前記4つの第2の導体接点のそれぞれは、前記第1の導体接点のうちの直接隣接する第1の導体接点の外側エッジ面から前記第2の方向に前記第3の距離だけ離れている場所と重なっている、請求項8に記載の半導体チップ。
【請求項10】
複数の第1の導体接点と第2の導体接点とを含むマウント面を含む半導体チップであって、
前記複数の第1の導体接点のそれぞれは、前記第1の導体接点のうちの直接隣り合う第1の導体接点の中心点同士が第1の方向に第1の距離だけ互いに離されるように、規則正しく間隔を空けられたアレイとして配列され、
前記複数の第1の導体接点のそれぞれは、第1の横方向の広がりが同一であり、
前記第2の導体接点は、前記規則正しく間隔を空けられたアレイと、前記半導体チップの第1の外側エッジ面との間に、前記第1の方向に配置され、
少なくとも1つの前記第2の導体接点の位置は、前記規則正しく間隔を空けられたアレイで規定される位置から、全ての前記第1の導体接点から遠ざかるようにずれていて、
前記第2の導体接点の中心点が、前記第1の導体接点のうちの直接隣接する第1の導体接点の前記中心点から前記第1の方向に、前記第1の距離と異なる第2の距離だけ離れてい
て、
前記少なくとも1つの第2の導体接点の中心点から前記第1の方向及び前記第1の方向と垂直な第2の方向の両方に前記第1の導体接点が存在する、
半導体チップ。
【請求項11】
前記半導体チップは更に、第3の導体接点を含み、前記第3の導体接点は、前記規則正しく間隔を空けられたアレイと、前記半導体チップの第2の外側エッジ面との間に配置され、前記第1及び第2の外側エッジ面は互いに向かい合っており、
以下の2つの事柄、即ち、
前記第3の導体接点の第3の横方向の広がりが前記第1の横方向の広がりより小さいこと、又は
前記第3の導体接点の中心点が、前記第3の導体接点のうちの直接隣接する第3の導体接点の前記中心点から前記第1の方向に、前記第1の距離と異なる第3の距離だけ離れていること
のうちの少なくとも一方が真実である、
請求項10に記載の半導体チップ。
【請求項12】
前記第3の距離は前記第2の距離と異なる、請求項11に記載の半導体チップ。
【請求項13】
前記第2の導体接点の第2の横方向の広がりが前記第1の横方向の広がりより小さく、前記第3の導体接点の第3の横方向の広がりが前記第1の横方向の広がりより小さい、請求項11に記載の半導体チップ。
【請求項14】
複数の第1の導体接点と第2の導体接点とを含むマウント面を含む半導体チップであって、
前記複数の第1の導体接点のそれぞれは、前記第1の導体接点のうちの直接隣り合う第1の導体接点の中心点同士が第1の方向に第1の距離だけ互いに離されるように、規則正しく間隔を空けられたアレイとして配列され、
前記第1の導体接点のうちの中央の第1の導体接点の両側が、前記第1の導体接点のうちの外側の第1の導体接点によって取り囲まれ、
前記複数の第1の導体接点のそれぞれは、第1の横方向の広がりが同一であり、
少なくとも1つの前記第2の導体接点の位置は、前記規則正しく間隔を空けられたアレイで規定される位置から、全ての前記第1の導体接点から遠ざかるようにずれている、
半導体チップ。
【請求項15】
前記規則正しく間隔を空けられたアレイは、前記第1の導体接点の少なくとも1つの行と、前記第1の導体接点の少なくとも1つの列とを含み、前記少なくとも1つの行のそれぞれは、前記第1の導体接点のうちの、それぞれが互いに前記第1の方向に前記第1の距離だけ離れている2つ以上の第1の導体接点を含み、前記少なくとも1つの列のそれぞれは、前記第1の導体接点のうちの、それぞれが互いに第2の方向に第3の距離だけ離れている2つ以上の第1の導体接点を含み、前記第2の導体接点は、前記第1の導体接点のうちの、前記行のうちの1つの行にある2つの第1の導体接点の間に前記第1の方向に位置し、前記第2の導体接点は、前記第1の導体接点のうちの、前記列のうちの1つの列にある2つの第1の導体接点の間に前記第2の方向に位置する、請求項14に記載の半導体チップ。
【請求項16】
前記規則正しく間隔を空けられたアレイは、前記行のうちの3つの行と、前記列のうちの3つの列とを含み、前記第1の導体接点のうちの前記中央の第1の導体接点は、前記第1の導体接点のうちの外側の第1の導体接点によって前記第1の方向及び前記第2の方向に取り囲まれる、請求項15に記載の半導体チップ。
【請求項17】
第1の半導体チップであって、
第1の複数の第1の導体接点を含むマウント面を含み、
前記第1の複数の第1の導体接点のそれぞれは、前記第1の導体接点のうちの直接隣り合う第1の導体接点の中心点同士が第1の方向に第1の距離だけ互いに離されるように、規則正しく間隔を空けられたアレイとして配列され、
前記第1の複数の第1の導体接点のそれぞれは、第1の横方向の広がりが同一である、
前記第1の半導体チップと、
第2の半導体チップであって、
第2の複数の第2の導体接点と第3の導体接点とを含むマウント面を含み、
前記第2の複数の第2の導体接点のそれぞれは、前記第2の導体接点のうちの直接隣り合う第2の導体接点の中心点同士が第2の方向に前記第1の距離だけ互いに離されるように、規則正しく間隔を空けられたアレイとして配列され、
前記第2の複数の第2の導体接点のそれぞれは、前記同一の第1の横方向の広がりを有する、
前記第2の半導体チップと、
を含む半導体チップアセンブリであって、
前記第1及び第2の半導体チップのスタックされた配列では、前記第1及び第2の半導体チップの前記マウント面は互いに向き合い、前記第1の導体接点の少なくとも一部が、前記第2の導体接点の少なくとも一部と向き合って電気的に接続され、
前記第3の導体接点は、前記スタックされた配列では、前記第3の導体接点が、場合によっては、前記第1の半導体チップが前記第2の半導体チップに対して横方向に動く範囲で、前記第1の半導体チップの別の導体接点と向き合い、電気的に接続又は切断されたままになるように、且つ、前記第3の導体接点が、場合によっては、前記第1の半導体チップが前記横方向の動く範囲より大きく動くことによって、電気的に切断又は接続されるように構成され、
前記横方向に動く範囲は前記第1の横方向の広がりより小さい、
半導体チップアセンブリ。
【請求項18】
前記第1の半導体チップの前記別の導体接点は、前記第1の導体接点のうちの1つであり、前記第3の導体接点は、前記横方向に動く範囲で、前記別の導体接点と重なり、電気的に接続されるように構成され、前記第3の導体接点と前記別の導体接点とが重なる領域は、前記第1の導体接点のうちの、前記別の導体接点とは異なる他の第1の導体接点と前記第2の導体接点とが正確にアライメントされていれば、前記第2の導体接点と、前記第1の導体接点のうちの前記他の第1の導体接点とが重なる領域より小さい、請求項17に記載の半導体チップアセンブリ。
【請求項19】
前記第1の半導体チップの前記別の導体接点は第4の導体接点であり、第3及び第4の導体接点の第2の横方向の広がりは前記第1の横方向の広がりより小さい、請求項17に記載の半導体チップアセンブリ。
【請求項20】
前記第1及び第2の導体接点が正確にアライメントされている場合には前記第4及び第3の導体接点が互いに切断されているように、且つ、前記第1の半導体チップが前記横方向に動く範囲より大きく動くことによって前記第3及び第4の導体接点が接続されるように、前記第4の導体接点及び第3の導体接点が、それぞれ、前記第1及び第2の複数の第1の導体接点から間隔を空けて配置されている、請求項19に記載の半導体チップアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、多種多様な外部接点を含む半導体チップ、チップ配列、及び半導体チップの位置のアライメントをチェックする方法、に関する。
【背景技術】
【0002】
複雑な半導体コンポーネントの製造時には、異なる複数の半導体チップの上に様々なコンポーネント部品が形成され、その後、それらが結合される。例えば、ある半導体チップ上では個別照明要素が形成されてよく、その一方で、別の半導体チップ上では、関連付けられたドライバ回路のコンポーネント部品が形成される。2つの半導体チップは、その後、はんだ付けにより、互いに接続される。半導体チップの接点間の電気的接続を確実なものにする為には、それぞれの半導体チップのアライメントが非常に良好であることが必要である。それぞれの接点が互いに不適切にアライメントされていると、接続が弱くなる可能性があり、これは信頼性のリスクを必然的に伴う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
改良された半導体チップ、改良されたチップ配列、並びに別の半導体チップに対する半導体チップの位置のアライメントをチェックする改良された方法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述の目的は、独立特許請求項の対象を用いることにより達成される。従属請求項は、本出願の対象の開発に関する。
【0005】
本発明の実施形態によれば、半導体チップが、規則的なパターンに対応するように配列された多種多様な第1の外部接点からなる配列を含む。配列は更に、第2の外部接点を含み、第2の外部接点は、横方向の広がり、或いは規則的なパターンで規定される位置からずれた位置が、第1の外部接点と異なる。
【0006】
別の実施形態によれば、第1の外部接点は、いずれの場合にも、行及び列に配列され、第2の外部接点は、対応する行又は列からずれた位置に配列される。
【0007】
1つ以上の実施形態によれば、第2の外部接点は、対応する第1の外部接点の代わりに設けられる。
【0008】
例えば、第2の外部接点は、配列のエッジに配列されてよい。実施形態によれば、半導体チップが別の半導体チップと接合される場合には、第2の外部接点は、未接続箇所、又は機能性が制限された接続箇所とつながることが可能である。この場合は、配列のエッジへの配置が有利でありうる。
【0009】
別の実施形態によれば、第2の外部接点は、第1の外部接点に追加して設けられてよい。例えば、第2の外部接点は、規則的なパターンで規定される位置同士の間にある位置に存在してよい。
【0010】
例えば、第2の外部接点の位置及び横方向の広がりは、第2の外部接点の少なくとも一部が、規則的なパターンに対して規定される許容範囲にあるように、寸法決定されてよい。この場合、半導体チップが別の半導体チップと接合されてチップ配列が形成され、第2の外部接点と、対応する、別の半導体チップの第1の外部接点との電気的接続が閉じていれば、それら2つの半導体チップのアライメントは良好であると評価されてよい。
【0011】
代替又は追加として、第2の外部接点の位置及びサイズは、第2の外部接点が、規則的なパターンに対して規定された許容範囲の外側にあるように、寸法決定されてよい。この場合、半導体チップが別の半導体チップと接合されてチップ配列が形成され、第2の外部接点と、対応する、別の半導体チップの第1の外部接点との電気的接続が開いていれば、それら2つの半導体チップのアライメントは良好であると評価されてよい。
【0012】
例えば、第2の外部接点の横方向の広がりは、第1の接点の横方向の広がりより小さくてよい。特に、第2の外部接点の横方向の広がりは、第1の接点の横方向の広がりの半分未満であってよい。
【0013】
実施形態によれば、第2の外部接点の位置は、規則的なパターンで規定される位置から、第1の接点の横方向の広がりの半分未満だけずれてよい。
【0014】
本発明の別の態様によれば、チップ配列が第1の半導体チップ及び第2の半導体チップを含む。この場合、第1の半導体チップは、所定のパターンに対応するように配列された多種多様な第1の外部接点からなる第1の配列を含む。第1の配列は更に、第2の外部接点を含み、第2の外部接点は、横方向の広がり、或いはその所定のパターンで規定される位置からずれた位置が、第1の外部接点と異なる。第2の半導体チップは、その所定のパターンに対応するように配列された多種多様な第1の外部接点からなる第2配列を含む。この文脈では、所定のパターンは、それが、第1の半導体チップの第1の外部接点の位置、及び第2の半導体チップの第1の外部接点の位置の両方を規定するという事実によって規定される。例えば、所定のパターンは、接点が(例えば、列及び行に)配列される規則的なパターンであってよい。しかしながら、それは不規則であってもよい。
【0015】
第2の半導体チップの第2の配列は第2の外部接点を含み、第2の外部接点は、横方向の広がり、或いは所定のパターンで規定される位置からずれた位置が、第1の外部接点と異なる。
【0016】
例えば、第2の外部接点は、いずれの場合にも、対応する第1の外部接点の代わりに設けられる。第1及び第2の半導体チップの両方が第2の外部接点を含み、半導体チップ同士が接合された場合に第2の外部接点同士が接続されないように第2の外部接点が配列されていれば、むしろ、第2の外部接点のそれぞれは第1の外部接点と接続される。
【0017】
しかしながら、いずれの場合にも、第1の外部接点に加えて第2の外部接点が設けられることも可能である。この場合、第2の外部接点同士は、いずれの場合にも、半導体チップ同士が互いに接合された場合に、互いに接続されるように配列される。
【0018】
上述のチップ配列の場合、これらの半導体チップの一方は、個別駆動可能な個別要素を含んでよく、これらの半導体チップのもう一方は、それらの個別要素を駆動するドライバ回路を含んでよい。
【0019】
例えば、個別要素は、光生成要素、光捕捉要素、又は光修正要素であってよい。
【0020】
実施形態によれば、第1の半導体チップの第2の外部接点のそれぞれは、対応する、第2の半導体チップの接点と電気的に接続されてよい。
【0021】
或いは、第1の半導体チップの第2の外部接点のそれぞれは、対応する、第2の半導体チップの接点と電気的に絶縁されてよい。
【0022】
例えば、第2の外部接点の位置及び横方向の広がりは、第2の外部接点の少なくとも一部が、所定のパターンに対して規定される許容範囲にあるように、寸法決定されてよい。この場合、そのチップ配列において、第2の外部接点と、対応する、第2の半導体チップの第1の外部接点との電気的接続が閉じていれば、それら2つの半導体チップのアライメントは良好であると評価されてよい。
【0023】
或いは、第2の外部接点の位置及びサイズは、第2の外部接点が、所定のパターンに対して規定された許容範囲の外側にあるように、寸法決定されてよい。この場合、そのチップ配列において、第2の外部接点と、対応する、第2の半導体チップの第1の外部接点との電気的接続が開いていれば、それら2つの半導体チップのアライメントは良好であると評価されてよい。
【0024】
実施形態によれば、第2の外部接点の位置は、所定のパターンで規定される位置から、第1の接点の横方向の広がりの半分未満だけずれてよい。
【0025】
本発明の別の態様によれば、チップ配列において第2の半導体チップに対する第1の半導体チップの位置のアライメントを上述のようにチェックする方法が、いずれの場合にも、第2の外部接点と、対応する、第2の半導体チップの接点との間の電気的接続をチェックしてテスト結果を取得するステップを含む。それらの位置のアライメントは、その後、テスト結果に基づいて評価される。
【0026】
例えば、それらの位置のアライメントは、第2の外部接点と、それぞれの他方の半導体チップの、それぞれ対応する接点とが全て互いに接続されていれば、良好と評価されてよい。
【0027】
或いは、それらの位置のアライメントは、第2の外部接点が、それぞれの他方の半導体チップの、対応する接点から全て電気的に絶縁されていれば、良好と評価されてよい。
【0028】
別の構成によれば、半導体ウエハが、半導体チップの構築に対応するように構築されてよい。更に、ウエハ配列が、チップ配列の構造に対応するように構築されてよい。更に、半導体ウエハの位置のアライメントをチェックする方法が、上述の方法に対応するように構成されてよい。
【0029】
当業者であれば、以下の詳細説明を読み、添付図面を精査することにより、更なる特徴及び利点が明らかになるであろう。
【0030】
添付図面は、本発明の例示的実施形態の理解を促進するように働く。図面は、例示的実施形態を例示し、本明細書とともに例示的実施形態を説明するように働く。以下の詳細説明からは、別の例示的実施形態、並びにそれらの例示的実施形態から意図される様々な利点が直接明らかになる。図面に示された要素及び構造は、必ずしも、互いに対して正確な縮尺で示されているわけではない。同一参照符号は、同一の、又は相互に対応する要素及び構造を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1A】本発明の実施形態による半導体チップの概略平面図を示す。
【
図1B】本発明の実施形態による半導体チップの概略平面図を示す。
【
図1C】本発明の実施形態による半導体チップの概略平面図を示す。
【
図2A】いずれの場合にも2つの半導体チップの接合を示す断面図及び斜視図をそれぞれ示す。
【
図2B】いずれの場合にも2つの半導体チップの接合を示す断面図及び斜視図をそれぞれ示す。
【
図2C】いずれの場合にも2つの半導体チップの接合を示す断面図及び斜視図をそれぞれ示す。
【
図3A】本発明の実施形態による2つの半導体チップの接合を示す断面図を示す。
【
図3B】本発明の実施形態による2つの半導体チップの接合を示す断面図を示す。
【
図3C】第2の半導体チップの一例の平面図を示す。
【
図4A】本発明の別の実施形態による半導体チップの接合を示す概略断面図を示す。
【
図4B】本発明の別の実施形態による半導体チップの接合を示す概略断面図を示す。
【
図5A】本発明の別の実施形態による2つの半導体チップの接合を示す概略断面図を示す。
【
図5B】本発明の別の実施形態による2つの半導体チップの接合を示す概略断面図を示す。
【
図6A】本発明の別の実施形態による2つの半導体チップの接合を示す概略断面図を示す。
【
図6B】本発明の別の実施形態による2つの半導体チップの接合を示す概略断面図を示す。
【
図7】本発明の別の実施形態による半導体チップの概略平面図を示す。
【
図8】本発明の実施形態による、第2の半導体チップに対する第1の半導体チップの位置のアライメントをチェックする方法を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下の詳細説明では添付図面を参照する。添付図面は本開示の一部を成し、例示を目的として特定の例示的実施形態を示す。この文脈では、方向を示す術語、例えば、「上面」、「下部」、「前面」、「背面」、「前から」、「後ろから」などの術語は、そのとき説明されている図面の向きを基準として用いられている。例示的実施形態のコンポーネント部品は様々な向きに配置されてよい為、方向を示す術語は、説明の為にのみ働き、いかなる形でも制限的であることはない。
【0033】
例示的実施形態の説明は制限的ではない。これは、他の例示的実施形態も存在し、構造的又は論理的な変更も、そうすることにより特許請求項で定義される範囲から逸脱することがない限り、なされてよい為である。特に、文脈から何らかの矛盾が明らかでない限り、以下に記載される例示的実施形態の要素が、記載される例示的実施形態のうちの別の例示的実施形態の要素と組み合わされてよい。
【0034】
本明細書の文脈では、「結合されている」及び/又は「電気的に結合されている」という用語は、要素同士が互いに直接結合されていなければならないことを必ずしも意味するものではなく、「結合されている」か「電気的に結合されている」要素同士の間に介在要素が置かれてよい。「電気的に接続されている」という用語は、接続されている要素同士の間の電気的接続が低インピーダンスであることを示す。
【0035】
「横方向」及び「水平方向」という用語は、本明細書では、半導体基板又は半導体ボディの第1の表面にほぼ平行に延びる方向又はアライメントを示すものとする。これは、例えば、ウエハ又はダイ又はチップの表面であってよい。
【0036】
「縦方向」という用語は、本明細書では、半導体基板又は半導体ボディの第1の表面にほぼ垂直に延びる方向を示すものとする。
【0037】
本開示の文脈では、「半導体チップ」という用語は、半導体薄板に機能要素が配列されている、その半導体薄板を意味する。通常、半導体コンポーネントの製造では、最初に半導体ウエハ内且つ/又は半導体ウエハ上に半導体コンポーネントが加工され、個々のコンポーネント部品が完成してから、個々の半導体チップにダイシングされる。本明細書において後述されるように、機能要素としては、任意の回路要素があってよく、更には、例えば、ドライバ回路等のような集積回路もあってよい。機能要素の別の例として、例えば、発光要素(例えば、LED)、イメージセンサ、又は他の光修正要素がある。別の実施形態によれば、「半導体チップ」という用語は、より大きなサイズの半導体基本要素(例えば、半導体ウエハなど)に拡張されてもよい。
【0038】
「半導体」という用語は任意の半導体材料を包含してよく、例えば、シリコン、シリコンオンインシュレータ(SOI)、シリコンオンサファイア(SOS)、ドープ半導体及び非ドープ半導体、基本半導体支持物によって支持されるシリコンのエピタキシャル層、及び別の半導体構造を包含してよい。半導体は、シリコン以外の材料、又は化合物半導体をベースとしてもよい。半導体は、同様に、シリコンゲルマニウム、ゲルマニウム、又はガリウムヒ素であってもよい。別の実施形態によれば、シリコンカーバイド(SiC)又は窒化ガリウム(GaN)によって半導体基板材料が形成されてよい。半導体材料は、必ずしも単結晶でなくてよく、むしろアモルファス又は多結晶であってもよく、用途に応じて選択されてもよい。本明細書に記載のように、半導体チップ同士がスタックされている場合には、それらは別々の半導体材料をベースとしてよい。
【0039】
「配列」という用語は、互いに空間的に近接して配列されている多種多様な接点に関する。「配列」という用語は、例えば、全ての接点が規則的なパターンで配列されなければならないという意味ではない。後述のように、接点は所定のパターンで配列されてよい。例えば、半導体チップが別の半導体チップに接続される場合、パターンは、その別の半導体チップの接点の配列によってあらかじめ決められてよい。しかしながら、パターンは、それが規則的なパターンであるという事実によってあらかじめ決められてもよい。更に、個々の接点は、規則的なパターン又は所定のパターンで規定される位置からずれた位置に配列されてもよい。「空間的近接」という用語は、例えば、全ての接点の互いの間の距離が、配列内の平均距離の2倍を超えないことを意味する。
【0040】
本明細書において後述されるように、第1の接点群が、所定のパターン又は規則的なパターンに対応するように配列される。即ち、パターンは、例えば、個々の第1の接点が配列される際に従う配列仕様を示している。パターンの例として、例えば、接点群が行及び列、或いは市松模様に対応するように配列されるパターンがある。
【0041】
図1Aは、半導体チップ100の一部の概略平面図を示す。半導体チップ100は、外部電気的接点120、130からなる配列110を含む。例えば、第1の外部接点120は、規則的なパターンに対応するように配列される。
図1Aに示されるように、このパターンは、例えば、外部接点120がいずれの場合にも行及び列に配列されるようにすることが可能であり、行内の隣り合う外部接点120同士の間の距離がいずれの場合にも列内の外部接点120同士の間の距離に対応するようにすることが可能である。実施形態によれば、第1の外部接点120は、いずれの場合にも、横方向の広がりが同一であってよい。
【0042】
「距離」という用語は、本明細書の文脈で使用される場合には、主に各接点120の中心点(例えば、中点)同士の間の距離を意味する。
【0043】
配列110は、第1には、規則的なパターンに対応するように配列された第1の外部接点120を含む。更に、この配列は、少なくとも2つの第2の外部接点130を含む。第2の外部接点は、いずれの場合にも、横方向の広がりが第1の外部接点と異なる。更に、第2の外部接点の位置が、いずれの場合にも、規則的なパターンで規定される位置からずれてよい。
【0044】
これらの外部接点は、いずれの場合にも、半導体チップの内部(即ち、図示されているイラスト面の下方)に配列されている外側コンポーネント部品に向かって電気的に接続されるように設けられる。例えば、外部接点は、半導体チップの表面に配列されていて、外側、即ち、半導体チップの外側の方向を向いている。別の実施形態によれば、電気的に接続されるコンポーネント部品の部分同士が、半導体チップの、図示されている主表面の反対側に位置する表面に配列されてもよい。
【0045】
半導体チップは、図示された配列110の外側に配列される別の外部接点を含んでよい。「図示された配列110の外側」は、ここでは、例えば、その別の外部接点と配列の任意の接点との間の距離が、隣り合う第1の外部接点同士の間の、パターンによってあらかじめ規定される平均距離の大きさの2倍を超えることを意味してよい。しかしながら、「配列の外側」という用語は、接点の横方向の広がりが第1の外部接点120の横方向の広がりの少なくとも2倍の大きさであることを意味することもある。
【0046】
「横方向の広がり」という用語は、ここでは、特に接点の横方向の最大の広がりを意味してよい。言い換えると、電気的接点が、例えば、
図1Aに示されたような円形で形成されておらず、例えば、矩形又は楕円形で形成されているとすると、「横方向の広がり」という用語は、接点の長手方向に沿った横方向の広がりを意味する。
【0047】
図1Aに示されるように、第1の外部接点120は、行方向には距離h、列方向には距離vで配列される。第1の外部接点の横方向の広がりは、dで示されている。第2の外部接点130の横方向の広がりsは、横方向の広がりdより小さい。
【0048】
図1Aでは、電気的接点のターゲット位置が、いずれの場合にも参照符号115で示されている。第1の外部接点120は、ターゲット位置115の中心に来るように配列される。例えば、第1の外部接点の横方向の寸法が30μmであってよく、第1の外部接点120とターゲット位置のエッジとの間の距離が15μmであってよい。配列は、100個以上の接点を含んでよく、例えば、1024(32×32)個以上の接点を含んでよい。別の実施形態によれば、配列が最大600×600個の接点を含んでよく、例えば、500×500個の接点を含んでよい。第1の外部接点同士の間の距離は、例えば、150μm未満であってよく、例えば、125μmであってよい。しかしながら、前記距離は、接点の数に応じて、かなり小さくなってもよい。
【0049】
実施形態によれば、ターゲット位置115に絶縁材料114が存在してよい。外部接点120、130の表面は、絶縁材料の表面と面一であってよい。更に、ターゲット位置を取り囲む材料113の表面が、絶縁材料及び外部接点120、130の表面と面一であってよい。例えば、ターゲット位置115を取り囲む材料は導体であってよい。このようにして形成された2つの半導体チップが互いに接合される場合は、いずれの場合にも、半導体チップの外部接点同士の間にプラグ状接続が形成される。それぞれがターゲット位置を取り囲む材料同士の間では、いずれの場合にも、面接続が形成される。
【0050】
別の実施形態によれば、ターゲット位置を取り囲む材料113は、半導体材料又は絶縁材料であってもよい。更に、外部接点120、130は、ターゲット位置の材料、及び/又はターゲット位置を取り囲む材料113より突出してよい。
【0051】
図1Aに示されるように、第2の外部接点130は、いずれの場合にも、配列110のコーナー位置に配列されてよい。別の実施形態によれば、配列110は、2つ以上の第2の外部接点を含んでもよい。一般に、位置決め精度は、第2の外部接点130の数が増えることによって高まり、その反面、第2の外部接点130は、確実に機能する電気的接続を形成することには利用できない。
【0052】
図1Bは、本発明の実施形態による半導体チップの一部の別の概略平面図を示す。
図1Bに示された半導体チップが
図1Aに示された半導体チップと異なる点は、第2の外部接点130が、
図1Aに示された第2の外部接点とは異なるように形成されることである。
図1Aに示された第2の外部接点130の場合と異なり、第2の外部接点130の横方向の広がりdは、第1の外部接点120の横方向の広がりdと等しい。しかしながら、第2の外部接点の位置は、第1の外部接点120によって規定されるパターンによる所定の位置からずれる。より具体的には、第2の外部接点130と行方向に隣接する接点との間の距離aが、第1の電気的接点同士の間の行方向の距離hより長いか短い。更に、第2の外部接点130と隣接する第1の外部接点120との間の列方向の距離fが、隣り合う第1の外部接点同士の間の列方向の距離vより長いか短い。規則的なパターンで規定される位置から位置がずれる条件が成立するのは、a≠h又はf≠vの場合である。
【0053】
図1Bに示された配列の場合には、第2の外部接点130は、いずれの場合にも、ターゲット位置115内にとどまりうる。
【0054】
図1Cに示された実施形態によれば、第2の外部接点130の横方向の広がりが、第1の外部接点の横方向の広がりより小さい。更に、第2の外部接点130の位置は、規則的なパターンで規定される位置からずれる(即ち、a≠h且つ/又はf≠vである)。例えば、aがhより長くてよく、且つ/又は、fがvより長くてよい。
【0055】
例えば、第2の外部接点は、直径が5μmであってよく、行方向及び/又は列方向に5μmずれてよい。
【0056】
本発明の実施形態によれば、第2の外部接点の横方向の広がり、即ち、例えば、直径は、第1の外部接点の横方向の広がりの半分より短くてよく、更には3分の1より短くてよい。本発明の別の実施形態によれば、規則的なパターンで規定される位置からのずれの広がりは、第1の外部接点の横方向の広がりの半分より短くてよく、更には3分の1より短くてよい。
【0057】
図2A及び2Bは、第1の半導体チップ100と第2の半導体チップ200とが互いに接合されてチップ配列が形成される場合の、第1の半導体チップ100及び第2の半導体チップ200の断面図を示す。第1の半導体チップ100は、所定のパターンに対応するように配列された多種多様な第1の外部接点120を含む。同様に、第2の半導体チップ200は、所定のパターンに対応するように配列された多種多様な第1の外部接点220を含む。この場合、第1の半導体チップの第1の外部接点120の所定のパターンは、第2の半導体チップの第1の外部接点220の所定のパターンと同一である。第1及び第2の半導体チップ100、200の外部接点の数も、いずれの場合にも同一であってよい。
【0058】
第1の半導体チップ100と第2の半導体チップ200は、それらが互いに接合される工程では、第1の半導体チップ100の第1の接点が第2の半導体チップの第1の外部接点220に対して可能な限り正確にアライメントされるように、互いに接合される。正確なアライメントが行われた場合は、
図2Bに示された配列が得られるように、半導体チップ100、200が互いに接合される。これら2つの半導体チップは、外部接点が配列される半導体表面が、いずれの場合にも、互いに対して反対側に位置するように、互いに接合される。
【0059】
図2Aにおいて見られるように、外部接点120、220、ターゲット位置を取り囲む材料113、213、及び、更に、外部接点と、ターゲット位置を取り囲む材料113、213との間の絶縁材料114、214が、いずれの場合にも、互いに対して面一になるように構成される。しかしながら、言うまでもなく、外部接点120、220は、いずれの場合にも、取り囲んでいる材料より突出してよい。
【0060】
図2Bに示されるように、第1の半導体チップ100と第2の半導体チップ200は、理想的には互いにアライメントされ、これによって、対応する第1の接点120、220が(例えば、はんだ付けにより)確実に互いに接続されることが可能である。第1の基板と第2の基板200とのアライメントが不良の場合には、第1の半導体チップ100の第1の外部接点120が第2の半導体チップ200の第1の外部接点220からずれ、これによって(アライメント不良の程度に応じて)信頼性の問題が発生する可能性がある。
【0061】
後述のように、
図1A~1Cに示された第2の外部接点は、第1のチップに対する第2のチップの位置のアライメントのチェック及び改善が可能になる可能性を示している。
【0062】
図2Cは、2つの半導体チップ100、200の概略斜視平面図を示しており、第1の半導体チップ100は、第1の外部接点120からなる第1の配列110を含み、第2の半導体チップ200は、(破線で示された)第1の外部接点220からなる第2の配列210を含む。チップ同士がスタックされると、第1の半導体チップの第1の外部接点120は、第2の半導体チップ200の第1の電気的接点220に電気的に接続される。
【0063】
そして
図3A及び3Bは、第1の半導体チップ100と第2の半導体チップ200とが互いに接合された様子を示す。この場合、第1の半導体チップ100は、
図1A~1Cに示されたように構築される。第1の半導体チップ100は、多種多様な第1の外部接点120からなる配列を含む。2つの第2の外部接点130が、この配列のエッジに配置される。第1の外部接点120は、所定のパターンに対応するように配列される。第2の外部接点は、第1に、横方向の広がりsが、第1の外部電気的接点120の横方向の広がりdより小さい。更に、第2の外部接点130の位置は、所定のパターンで規定される位置からずれている。即ち、そのパターンの右側にある第2の外部接点130と、隣接する第1の外部接点120との間の距離は、隣り合う第1の外部接点同士の間の距離hと異なる(例えば、距離hより長い)。配列の左側にある第1の外部接点120と、配列の左側にある、隣接する第2の外部接点130との間の距離a’は、同様に、隣り合う第1の外部接点同士の間の距離hと異なる(例えば、距離hより長い)。例えば、値aは、a’の値と等しくてよく、或いは異なってよい。
【0064】
第2の半導体チップは、
図3Cでは平面図で示されている。図示されるように、第2の半導体チップ200に含まれる第1の外部接点220は、第1の半導体チップ100の第1の外部接点のパターンと一致する所定のパターンに対応するように配列されている。第2の半導体チップ200は、第2の外部接点を同様に含んでよい。この場合、2つのチップが互いに接続されている場合、アライメントの精度を高める為には、第2の半導体チップ200の第2の外部接点は、第1の半導体チップ100の第2の外部接点の場所と異なる場所に配置されなければならない。例えば、互いに接合されている状態では、第1の半導体チップ100の第2の外部接点は右側に配置されてよく、第2の半導体チップ200の第2の外部接点は配列の左側に配置される。別の実施形態によれば、第2の半導体チップ200が配列210内に第1の外部接点220だけを含むように備えが行われてよい。この場合、第1の半導体チップは、2つ又は3つの外部接点130を含んでよい。
【0065】
そして、第1の半導体チップ及び第2の半導体チップ200が、
図3Bに示されたように、互いに接合されてチップ配列300が形成された場合、いずれの場合にも第1の半導体チップ100及び第2の半導体チップ200が完全にアライメントされていれば、第2の外部接点130は、第2の半導体チップ200の対応する第1の電気的外部接点に接続されてよい。又、
図3Bにおいて見られるように、上側のチップ200の位置がわずかにずれただけでも、右側の第2の外部接点130と、対応する、第2の半導体チップ200の第1の外部接点との間の電気的接続、或いは、第1の半導体チップ100の左側の第2の外部接点130と、対応する、第2の半導体チップ200の第1の外部接点との間の電気的接続が途切れる。この場合、それぞれの第2の外部接点130と、対応する、第2の半導体チップ200の第1の接点220との間の電気的接続をチェックすることにより、第2の半導体チップ200が第1の半導体チップ100に対して正確にアライメントされているかどうかを確認することが容易に可能である。
【0066】
本発明の実施形態によれば、集積回路150のコンポーネント部品が、例えば、2つの半導体チップ100、200のうちの少なくとも一方に設けられてよい。例えば、集積回路150は、第2の半導体チップ200の要素を駆動する為の多種多様な駆動回路又は個別ドライバ回路153を含んでよい。個別ドライバ回路153は、いずれの場合にも接続線152を介して、第1の外部接点120及び第2の外部接点130に接続されてよい。多種多様な個別機能要素157が、いずれの場合にも、第2の半導体チップ200に配列されてよい。例えば、機能要素157は、第2の半導体チップ200の第2の主表面202に隣接するように配列された発光要素であってよく、一方、第1の電気的接点220は、第2の半導体基板200の第1の主表面201に隣接するように配列される。しかしながら、別の実施形態によれば、機能要素157は、別のコンポーネントを含んでもよく、例えば、光捕捉要素を含んでもよく、例えば、CMOSイメージセンサ、即ち、光修正要素を含んでもよく、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)液晶要素を含んでもよい。
【0067】
第2の外部接点130は、チップ配列全体の機能性に関して冗長な位置にあってよく、これにより、寿命が比較的早く尽きて故障が発生することがあっても、これがコンポーネントの全体性能に悪影響を及ぼすことがない。しかしながら、別の実施形態によれば、第2の外部接点130と、対応する、第2の半導体チップ200の第1の外部接点220とが、機能要素157、又は集積回路のコンポーネント部品に接続されずに、特定の評価線及び接続領域159と接続されることも想定される。
【0068】
図3A、3Bにおいて見られるように、外部接点120、220、ターゲット位置を取り囲む材料113、213、及び、更に、外部接点と、ターゲット位置を取り囲む材料113、213との間の絶縁材料114、214が、いずれの場合にも、互いに対して面一になるように構成される。しかしながら、言うまでもなく、外部接点120、220は、いずれの場合にも、取り囲んでいる材料より突出してよい。
【0069】
図3A及び3Bでは、第1の半導体チップ100の領域に対する第2の半導体チップ200の領域のずれはごくわずかである。第2の半導体チップ200の面積が第1の半導体チップ100より小さいことも可能である。例えば、第1の半導体チップ100は、それぞれが大きな面積を必要とする電力用半導体デバイスを多数含んでもよい。第2の半導体チップ200には、多種多様なマイクロコントローラが設けられてよい。個々の外部接点の配列は、ここで説明されたように、多くの並列チャネルがあって高精度であるインタフェースを設けることを可能にする。
【0070】
言うまでもなく、
図3A、3Bに示されたものから逸脱して、第2の外部接点は更に(即ち、代替又は追加として)第2の半導体チップ200に設けられてよい。
【0071】
図3A及び3Bを参照して説明された実施形態では、第1の半導体チップの第2の外部接点130が、対応する、半導体チップ200の第1の外部接点220と電気的に接触していれば、第1の半導体チップ100と第2の半導体チップ200は完全に互いにアライメントされている。このことは、例えば、第2の外部接点のそれぞれの少なくとも一部が、所定のパターンに対して規定された許容範囲内にある場合に当てはまりうる。
【0072】
図4A、4Bは、第1の半導体チップ100及び第2の半導体チップ200から形成されるチップ配列300の接合の一例を示しており、第2の半導体チップ200と第1の半導体チップ100との間のアライメントが良好ではない。第1の半導体チップ100及び第2の半導体チップ200は、
図3Aに示されたように構築されてよい。ただし、各外部接点は、図示されたように、突出接点として実現されてもよい。この実施形態の説明の為には、接点が突出接点として実現されるか、面一接点として実現されるかは重要ではない。しかしながら、
図3Bと異なり、それらは、互いに接合される工程において、互いに対してずれている。その結果、左側の第2の外部接点130が、対応する、第2の半導体チップ200の第1の外部接点220と接続されず、未接続箇所160が発生する。ここでは、それぞれの場合における、第2の外部接点130と、対応する、第2の半導体チップ200の接点との間の電気的接続をチェックすることにより、未接続箇所160が存在することを確認することが可能であり、これによって、
図4Bの場合の第1の半導体チップ100に対する第2の半導体チップ200のアライメント全体が不良であると評価される。
【0073】
別の実施形態によれば、第2の外部接点が全て、所定のパターンで規定される許容範囲から外れることも可能である。この場合、各第2の外部接点が、対応する、第2の半導体チップの第1の外部接点に接続されていない場合には、第1の半導体チップ100と第2の半導体チップ200は完全に互いに対してアライメントされている。
【0074】
図5A、5Bは、これらの実施形態による半導体チップの配列を示す。これらの実施形態によれば、各外部接点は、ここでも突出接点として図示されている。しかしながら、言うまでもなく、これらは面一接点として実現されてもよい。
【0075】
図5A及び5Bを参照して説明されるように、これらの実施形態では、未接続箇所170があることが、第1の半導体チップ100と第2の半導体チップ200との間のアライメントが良好であることを示している。
図5Aは、本発明の1つ以上の実施形態による、第1の半導体チップ100及び第2の半導体チップ200の一例を示す。第1の半導体チップ100は、所定のパターンに対応するように配列された第1の外部接点120からなる配列110を含む。更に、配列110は第2の外部接点130を含み、第2の外部接点130は、第1に、そのサイズ、即ち、横方向の広がりが第1の接点120と異なる。更に、その位置は、所定のパターンで規定される位置からずれている。第2の半導体チップ200は配列210を含む。配列210は、所定のパターンに従って配列された多種多様な第1の外部接点220を含む。配列210は更に第2の外部接点230を含み、これも同様に、横方向の広がりが第1の外部接点と異なり、更にその位置が、所定のパターンで規定される位置からずれている。
【0076】
より具体的には、第2の半導体チップ200の第2の接点230の横方向の広がりs’は、第2の半導体チップの第1の外部接点220の横方向の広がりdと異なる。更に、第2の外部接点230と、隣接する、第2の半導体チップ200の第1の外部接点との間の距離rは、第2の半導体チップ200の隣り合う第1の外部接点220同士の間の距離と異なる。例えば、半導体チップ100の第2の外部接点130の横方向の広がりsは、およそ3~10μmであってよく、例えば、5μmであってよい。第2の外部接点230と、隣接する、第2の半導体チップ200の第1の外部接点220との間の距離rは、第1及び第2の半導体チップが正しくアライメントされていれば電気的接続が発生しないように寸法決定されている。例えば、距離rは、10μmを超えてよく、例えば、15μmであってよい。
【0077】
そして、2つの半導体チップが、
図5Bに示されるように重ね合わされた場合、第1の半導体チップ100の第2の外部接点と、第2の半導体チップ200の第2の外部接点は、アライメントが完全であれば、これらの接点の間で電気的接続は発生しないが未接続箇所が発生するように配列される。この場合、コンポーネントの通常動作の間は、それぞれの第2の電気的接点130、230を、コンポーネントの機能動作に使用することができない。第2の外部接点はテスト端子159に接続されてよく、この接続は、例えば、いずれの場合にも、電気的接続要素158を介して行われてよく、テスト端子を介して、未接続箇所170が存在するかどうかをチェックすることが可能である。
図6A及び6Bは、それぞれ、個々の半導体チップ100、200と、アライメントが不完全である場合に第1及び第2の半導体チップ100、200の接合によって形成されたチップ配列300とを示す。
図6A及び6Bでは、接点は、いずれの場合にも突出接点として示されているが、それらは面一接点であってもよい。
図6Aに示された第1の半導体チップ100、及び第2の半導体チップ200は、それぞれが、
図5Aに示された第1の半導体チップ100及び第2の半導体チップ200に対応する。それらが完全には接合されていない場合は、
図6Bに示されるように、第1の接点120、220の一部だけが重なり合い、その結果として、チップ配列300の電気的機能性、又はチップ配列300の信頼性に悪影響が及ぶ可能性がある。更に、第1の半導体チップ100の第2の接点130と第2の半導体チップ200の第2の外部接点230は、接続済み箇所175を介して互いに接続されており、これは、この場合には、第1の半導体チップ100と第2の半導体チップ200とが完全には互いにアライメントされていないことを示している。
【0078】
この構成では、第2の外部接点は、例えば、駆動されるべき個別要素への接続には利用できない。第2の外部接点は、例えば、その後、その個別要素を駆動する接点に追加して設けられてよい。例えば、半導体チップ同士のアライメントが不良であって、それぞれの第2の外部接点同士が電気的に接続されていれば、他方の半導体チップから取り出されるポテンシャル値が「正しくない」になるように、2つの半導体チップのうちの一方のテスト端子159をポテンシャルに接続することが可能であるように構成してよい。このポテンシャルは、例えば、半導体チップのうちの一方に対する電源電圧であってよい。
【0079】
図7は、本発明の別の実施形態による半導体チップ100を示す。
図1~6に示された実施形態によれば、第2の外部接点は、いずれの場合にも、第1の外部接点の代わりに設けられてよい。即ち、第2の外部接点は、規則的なパターンで規定される位置からずれる。しかしながら、
図7に示された実施形態によれば、追加接点135が設けられることも可能であり、これは、第1には、第1の外部接点120に追加して設けられ、第2には、パターンの外側の位置、例えば、隣り合う第1の外部接点120同士の間の中央にある。
【0080】
図7では、第2の外部接点135は、第1に、横方向の広がりsが第1の外部接点より格段に小さい。更に、行方向の距離aは、第1の外部接点120同士の間の距離hより小さい。更に、列方向の距離fは、列方向に隣り合う第1の接点120同士の間の距離vより小さい。第1の外部接点120が行及び列のパターンに対応するように配列されている場合、前記第2の外部接点135は、例えば、隣り合う列の間、且つ/又は隣り合う行の間に配列されてよい。
【0081】
追加の第2の外部接点135は、例えば、直径が1~10μm(例えば、5μm)であってよく、隣接する第1の接点120からの距離が1~10μm(例えば、5μm)であってよい。即ち、第2の外部接点135の横方向の広がりは、第1の外部接点120の横方向の広がりの半分未満(例えば、3分の1未満)であってよい。例えば、第2の外部接点135は、隣り合う第1の外部接点120同士の間の中央に配列されてよい。
【0082】
例えば
図7に示された第2の外部接点135も使用される場合には、第1及び第2の半導体チップの第2の外部接点135同士の電気的接続が良好であると、2つの半導体チップ100、200のアライメントが良好であると評価される。第2の外部接点135は、通常、コンポーネントの機能動作には使用されない。第2の外部接点135は、
図5Bに示されたものと同様に、電気的接続要素158を介してテスト端子159に接続されてよい。
【0083】
図8は、本発明の実施形態による方法を概略的に示す。
【0084】
チップ配列において第2の半導体チップに対する第1の半導体チップの位置のアライメントを本明細書に記載のようにチェックする方法が、いずれの場合にも、第2の外部接点と、対応する、第2の半導体チップの接点との間の電気的接続をチェックしてテスト結果を取得するステップS100を含む。この方法は更に、それらの位置のアライメントをテスト結果に基づいて評価するステップS150を含む。
【0085】
本明細書では、半導体チップ、チップ配列、並びに、第2の半導体チップに対する第1の半導体チップの位置のアライメントをチェックする方法について説明してきた。言うまでもなく、本出願に記載の原理は、半導体ウエハにも適用可能である。具体的には、半導体ウエハ同士が接合されてウエハ配列が形成される場合にも、上述の効果が得られる。
【0086】
本明細書では特定の実施形態を図示及び説明してきたが、当業者であれば理解されるように、図示及び説明された特定の実施形態は、本発明の保護範囲から逸脱しない限り、多種多様な代替及び/又は等価の構成に置き換えられてよい。本出願は、本明細書に記載の特定の実施形態のあらゆる適応又は変形を包含するものとする。従って、本発明は、特許請求の範囲、並びにその等価物によってのみ限定される。
【符号の説明】
【0087】
100 第1の半導体チップ
110 第1の配列
113 ターゲット位置を取り囲む材料
114 絶縁材料
115 ターゲット位置
120 第1の外部接点
130 第2の外部接点
135 第2の外部接点
150 集積回路
153 個別ドライバ回路
157 個別機能要素
158 電気的接続要素
159 テスト端子
160 未接続箇所
170 未接続箇所
175 接続済み箇所
200 第2の半導体チップ
201 第1の主表面
202 第2の主表面
210 第2の配列
213 ターゲット位置を取り囲む材料
214 絶縁材料
220 第1の外部接点
230 第2の外部接点
300 チップ配列