(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-21
(45)【発行日】2023-08-29
(54)【発明の名称】シャッター機構及び撮像装置
(51)【国際特許分類】
G03B 9/36 20210101AFI20230822BHJP
【FI】
G03B9/36 D
(21)【出願番号】P 2019183581
(22)【出願日】2019-10-04
【審査請求日】2022-06-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【氏名又は名称】加藤 竜太
(74)【代理人】
【識別番号】100142147
【氏名又は名称】本木 久美子
(72)【発明者】
【氏名】蓮田 雅徳
【審査官】▲うし▼田 真悟
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-021947(JP,A)
【文献】特開2016-139100(JP,A)
【文献】特開平10-282544(JP,A)
【文献】特開2014-059354(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 9/08-9/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
先幕を走行させる先幕駆動部材と、
後幕を走行させる後幕駆動部材と、
前記先幕駆動部材と当接する先幕当接部材と、
前記後幕駆動部材と当接する後幕当接部材と、
前記先幕当接部材と当接することによる前記先幕駆動部材のバウンドを押さえる先幕押さえ部材と、
前記後幕当接部材と当接することによる前記後幕駆動部材のバウンドを押さえる後幕押さえ部材と、
前記先幕駆動部材及び前記後幕駆動部材を駆動するチャージカム、及び、前記先幕押さえ部材及び後幕押さえ部材を駆動するリセットカム
を有する回転部材と、を備え、
前記先幕押さえ部材及び後幕押さえ部材は、
前記先幕駆動部材
の回転軸と前記後幕駆動部材の
回転軸とを結んだ線と、前記リセットカムの
回転軸と
平行な線との間の領域に配置され、
前記先幕押さえ部材の回転軸と、前記後幕押さえ部材の回転軸とが異なる
ことを特徴とするシャッター機構。
【請求項2】
請求項1に記載のシャッター機構であって、
前記リセットカムは、前記先幕押さえ部材及び前記後幕押さえ部材の少なくとも一方を直接駆動する
ことを特徴とするシャッター機構。
【請求項3】
請求項2に記載のシャッター機構であって、
前記リセットカムは、前記先幕押さえ部材及び前記後幕押さえ部材の一方を直接駆動し、前記リセットカムに直接駆動される部材が他方の部材を直接駆動する
ことを特徴とするシャッター機構。
【請求項4】
請求項3に記載のシャッター機構であって、
前記先幕駆動部材を駆動して前記先幕をチャージする先幕チャージ部材と、
前記後幕駆動部材を駆動して前記後幕をチャージする後幕チャージ部材と、
前記先幕チャージ部材及び前記後幕チャージ部材を駆動するチャージカムと、を備え、
前記チャージカムは、前記先幕チャージ部材及び前記後幕チャージ部材の少なくとも一方を直接駆動し、
前記リセットカムと、前記チャージカムとは、同一の回転部材の
回転軸方向の異なる高さに形成された
ことを特徴とするシャッター機構。
【請求項5】
請求項4に記載のシャッター機構であって、
前記リセットカムと前記チャージカムとが形成された前記回転部材が一方向に
のみ回転することにより、前記先幕押さえ部材及び後幕押さえ部材の駆動、及び、前記先幕チャージ部材及び前記後幕チャージ部材の少なくとも一方の駆動が行われる
ことを特徴とするシャッター機構。
【請求項6】
請求項1に記載のシャッター機構であって、
前記先幕当接部材として、前記先幕の走行完了時に前記先幕駆動部材とそれぞれ異なる箇所で当接する第1先幕当接部材と第2先幕当接部材とを備える
ことを特徴とするシャッター機構。
【請求項7】
請求項6に記載のシャッター機構であって、
前記先幕の走行完了後に、前記先幕駆動部材は、前記第1先幕当接部材と前記第2先幕当接部材のいずれか一方と、前記先幕押さえ部材とにより保持される
ことを特徴とするシャッター機構。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載のシャッター機構を備える撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャッター機構及び撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カメラのシャッターにおいて、先幕と後幕がそれぞれ駆動部に連結され、駆動部の駆動力によって、被写体光が通過する開口部を開放又は遮蔽するものがある。このようなシャッターにおいて、先幕や後幕の走行完了後に駆動部が他部材に衝突してバウンドし、各羽根が撮像素子の露光に悪影響を与える可能性がある。
このため、バウンドを抑えるストッパー部を有するロック部材が設けられた撮像装置がある(特許文献1参照)。この従来技術では、加速部材を介してチャージカムギアとストッパー部を連動させており、構造が複雑でスペース効率が悪かった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
本発明のシャッター機構は、先幕を走行させる先幕駆動部材と、後幕を走行させる後幕駆動部材と、前記先幕駆動部材と当接する先幕当接部材と、前記後幕駆動部材と当接する後幕当接部材と、前記先幕当接部材と当接することによる前記先幕駆動部材のバウンドを押さえる先幕押さえ部材と、前記後幕当接部材と当接することによる前記後幕駆動部材のバウンドを押さえる後幕押さえ部材と、前記先幕駆動部材及び前記後幕駆動部材を駆動するチャージカム、及び、前記先幕押さえ部材及び後幕押さえ部材を駆動するリセットカムを有する回転部材と、を備え、前記先幕押さえ部材及び後幕押さえ部材は、前記先幕駆動部材の回転軸と前記後幕駆動部材の回転軸とを結んだ線と、前記リセットカムの回転軸と平行な線との間の領域に配置され、前記先幕押さえ部材の回転軸と、前記後幕押さえ部材の回転軸とが異なる構成とした。
【0005】
また本発明の撮像装置は、上記シャッター機構を備える構成とした。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】シャッター機構を備えるカメラ1Aの全体ブロック図である
【
図2】第1状態のシャッター機構3の正面側を上とした斜視図である。
【
図3】第1状態のシャッター機構3の正面図である。
【
図4】第1状態のシャッター機構3の一部を示す図で、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【
図5】第2状態のシャッター機構3の正面図である。
【
図6】第2状態のシャッター機構3の一部を示す図で、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【
図7】第3状態のシャッター機構3の正面図である。
【
図8】第3状態のシャッター機構3の一部を示す図で、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【
図9】第4状態のシャッター機構3の一部を示す図で、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【
図10】第5状態のシャッター機構3の正面図である。
【
図11】第5状態のシャッター機構3の一部を示す図で、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【
図12】第6状態のシャッター機構3の一部を示す図で、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【
図13】第7状態のシャッター機構3の一部を示す図で、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【
図14】第8状態のシャッター機構3の正面図である。
【
図15】第8状態のシャッター機構3の一部を示す図で、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【
図16】第9状態のシャッター機構3の一部を示す図で、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【
図17】第10状態のシャッター機構3の一部を示す図で、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【
図18】第11状態のシャッター機構3の正面図である。
【
図19】第11状態のシャッター機構3の一部を示す図で、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【
図20】第12状態のシャッター機構3の正面図である。
【
図21】第12状態のシャッター機構3の一部を示す図で、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【
図22】第13状態のシャッター機構3の一部を示す図で、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は実施形態のシャッター機構3を備えるカメラ1Aの全体ブロック図である。カメラ1Aは、カメラ本体1とレンズ本体10とを備える。
【0008】
(カメラ本体1)
カメラ本体1は、撮像素子2と、撮像素子2への被写体光の入射制御を行うシャッター機構3と、LV(ライブビュー)画像、撮影画像及び設定関係の各種表示を行う背面LCD(液晶ディスプレイ)4と、撮影、画像表示及び各種設定を行う操作系5と、カメラ本体1内の各ユニットの駆動及びレンズ本体10との通信を行う制御回路6と、制御回路6への電源供給を行う電池7と、レンズマウント13と結合してレンズ本体10を保持するボディーマウント8と、レンズ接点14を通して、レンズ本体10への電源供給、カメラ本体1とレンズ本体10と間の各種通信を行うボディー接点9と、を備える。
【0009】
(レンズ本体10)
レンズ本体10は、被写体像を撮像素子2に結像させる光学系11と、絞り駆動、フォーカス、ズームの光学系の駆動及びカメラ本体1の制御回路6との通信を行うレンズ制御ユニット12と、ボディーマウント8と結合するレンズマウント13と、ボディー接点9を通して、カメラ本体1からの電源供給、カメラ本体1とレンズ本体10と間の各種通信を行うレンズ接点14と、を備える。
【0010】
(シャッター機構3)
次に、実施形態のシャッター機構3について説明する。以下の説明において、カメラ1Aを用いて撮影を行う場合の撮影者側から見た方向をシャッター機構3の正面といい、被写体側から見た方向をシャッター機構3の背面という。
【0011】
図2はシャッター機構3の正面側を上とした斜視図である。
図3は、シャッター機構3の正面図である。
図4(a)はシャッター機構3の一部を示す図で(a)は正面図、(b)は背面図である。
図2、
図3、
図4(a)及び
図4(b)は、シャッター機構3の後述する第1状態を示す。
【0012】
シャッター機構3は、撮像素子2へ続く被写体光の光路となる開口部100を開閉することで、撮像素子2への被写体光の入射制御を行う先幕駆動機構200と、後幕駆動機構300と、先幕押さえレバー40と、後幕押さえレバー41と、回転部材50と、先幕チャージレバー51と、後幕チャージレバー52とを備える。
【0013】
(先幕駆動機構200)
先幕駆動機構200は、先幕ユニット20と、先幕駆動レバー21と、先幕補助レバー22と、先幕チャージピン23と、先幕補助バネ24と、先幕第1緩衝部材25Aと、先幕第2緩衝部材25Bと、先幕マグネット26とを備える。
【0014】
(先幕ユニット20)
先幕ユニット20は、実施形態では3枚の先幕20dと、3枚の先幕20dのそれぞれに回転可能な軸により取り付けられた2つの先幕開閉アーム20e1,20e2とを備える。先幕開閉アーム20e1,20e2のうちの開口部100に対して外側に取り付けられている先幕開閉アーム20e1には、先幕結合穴部20aと、先幕第1軸穴部20bとが設けられている。先幕開閉アーム20eのうちの開口部100に対して先幕開閉アーム20e1よりも内側に取り付けられている先幕開閉アーム20e2には先幕第2軸穴部20cが設けられている。
【0015】
先幕結合穴部20aは軸101bに保持され、先幕第1軸穴部20bは軸101aに回転可能に軸支され、先幕第2軸穴部20cは不図示の軸に回転可能に軸支されている。3枚の先幕20dは、軸101aと不図示の軸との相対的な位置関係が変化することにより、畳まれて開口部100を開放する開状態と、展開して開口部100を覆う閉状態とをとることができる。先幕20dが開状態且つ後幕30dも開状態の場合、撮像素子2は露光が可能となる。先幕20d又は後幕30dの少なくとも一方が閉状態の場合、開口部100は覆われて、撮像素子2が遮光された状態となる。
【0016】
(先幕駆動レバー21)
先幕駆動レバー21は、先幕20dを閉方向に走行させるもので、先幕吸着部21aと、先幕結合ピン部21bと、先幕第1当接部21Acと、先幕第2当接部21Bcと、先幕係合部21dと、先幕バネ軸部21eと、先幕バネ受け部21fと、先幕軸穴部21gとを備える。
【0017】
(先幕吸着部21a)
先幕吸着部21aは磁性体で構成され、後述の先幕マグネット26が通電されたときに、先幕マグネット26に保持される。
【0018】
(先幕結合ピン部21b)
先幕結合ピン部21bは、先幕開閉アーム20e1の先幕結合穴部20aに嵌り、先幕ユニット20を畳まれた開状態と展開された閉状態とに駆動する。
【0019】
(先幕係合部21d)
先幕係合部21dは、先幕駆動レバー21における、後述する先幕押さえレバー40側の側面に設けられている。先幕係合部21dは、
図4(a)に示す正面図において、軸101aを中心として、時計方向に回転したときの後側となる斜面部21daと、前側となる平面部21dbとを有する。斜面部21daは、軸101aから延びる直線に対して傾いており、後述する先幕押さえレバー40の回転中心の軸105側を向くように傾いている。平面部21dbは、軸101aを中心とした径方向に延びる面である。
【0020】
(先幕軸穴部21g)
先幕軸穴部21gは、先幕開閉アーム20e1の先幕第1軸穴部20bとともに軸101aに回転可能に軸支されている。
【0021】
先幕駆動レバー21は先幕軸穴部21gに挿入された不図示の回転軸により軸101aを中心として回動可能で、
図4(a)、
図4(b)に図中矢印Aで示す正面図における反時計方向に付勢されている。先幕駆動レバー21がA方向に回転すると、先幕20dは畳まれて開口部100を開放した開状態となる。先幕駆動レバー21がA方向と反対向に回転すると、先幕20dは展開されて開口部100を覆った閉状態となる。以後、図中矢印Aで示す、先幕駆動レバー21に加わる先幕20dを開く方向の付勢力を先幕開方向付勢力という。
【0022】
(先幕補助レバー22)
先幕補助レバー22は、軸101aを中心として、先幕駆動レバー21に対して相対回転する。先幕補助レバー22は、後述する先幕補助バネ24によって、先幕駆動レバー21に対して、
図4(a)、
図4(b)に矢印Cで示す軸101aを中心とした径方向に相対回転するように付勢されている。しかし、先幕駆動レバー21側に折れ曲がった先幕制限部22aが先幕駆動レバー21の側面に当接することにより、先幕補助レバー22の回転角度は制限されている。
【0023】
(先幕チャージピン23)
先幕チャージピン23は光軸方向に延びるピンで、先幕補助レバー22に一体的に取り付けられている。
【0024】
(先幕補助バネ24)
先幕補助バネ24は、
図4(a)に示すように先幕コイル部24aと、先幕コイル部24aから2方向に延びる先幕フック部24bとを有する。先幕コイル部24aは、先幕駆動レバー21の先幕バネ軸部21eに取り付けられ、先幕フック部24bの一方は先幕駆動レバー21の先幕バネ受け部21fに、他方は先幕チャージピン23に当接している。
これにより、先幕補助レバー22を先幕駆動レバー21に対して
図4(a)中反時計方向に付勢し、先幕補助レバー22の先幕制限部22aが先幕駆動レバー21に押し付けられている。先幕補助バネ24の先幕フック部24b間の間隔が狭まる方向に力が加わらないかぎり、先幕補助レバー22と先幕駆動レバー21とは一体的に反時計方向(正面側から見て)に駆動される。
【0025】
(先幕第1緩衝部材25A)
先幕第1緩衝部材25Aは、ゴム状の弾性部材であり、カメラ本体1に固定され、先幕第1当接部21Acの回動軌跡内に配置されている。
図4(a)において先幕駆動レバー21が反時計方向に回転すると、先幕第1当接部21Acが先幕第1緩衝部材25Aに当接し、先幕緩衝部材25を弾性変形させる。
【0026】
(先幕第2緩衝部材25B)
先幕第2緩衝部材25Bは、ゴム状の弾性部材であり、カメラ本体1に固定され、先幕第2当接部21Bcの回動軌跡内に配置されている。
図4(a)において先幕駆動レバー21が反時計方向に回転すると、先幕第1当接部21Acが先幕第1緩衝部材25Aに当接した後に、先幕第2当接部21bcが先幕第2緩衝部材25Bに当接し、先幕第2緩衝部材25を弾性変形させる。
【0027】
(先幕マグネット26)
先幕マグネット26は、先幕端子部26bと先幕吸着部26aとを有する。先幕吸着部26aは、先幕駆動レバー21の先幕吸着部21aの回動軌跡内にあり、
図4(a)に示す先幕駆動レバー21の時計方向に回転により、先幕吸着部21aが先幕吸着部26aに当接する。
【0028】
先幕端子部26bに通電することにより先幕吸着部26aは磁力を発生する。先幕マグネット26の先幕吸着部26aに先幕駆動レバー21の先幕吸着部21aが当接した状態で、先幕端子部26bに通電することにより、先幕開方向付勢力に抗して先幕駆動レバー21の先幕吸着部21aを、磁力により吸着保持可能となっている。先幕端子部26bへの通電を停止することにより、先幕駆動レバー21は先幕開方向付勢力により、
図4(a)において反時計方向に回転可能となる。
【0029】
(後幕駆動機構300)
後幕駆動機構300は、後幕ユニット30と、後幕駆動レバー31と、後幕補助レバー32と、後幕チャージピン33と、後幕補助バネ34と、後幕緩衝部材35と、後幕マグネット36とを備える。
【0030】
(後幕ユニット30)
後幕ユニット30は、実施形態では3枚の後幕30dと、3枚の後幕30dのそれぞれに回転可能な軸により取り付けられた2つの後幕開閉アーム30e1,30e2とを備える。後幕開閉アーム30e1,30e2のうちの開口部100に対して外側に取り付けられている後幕開閉アーム30e1には、後幕結合穴部30aと、後幕第1軸穴部30bとが設けられている。後幕開閉アーム30eのうちの開口部100に対して後幕開閉アーム30e1よりも内側に取り付けられている後幕開閉アーム30e2には、後幕第2軸穴部30cが設けられている。
【0031】
後幕結合穴部30aは軸102bに保持され、後幕第1軸穴部30bは軸102aに、後幕第2軸穴部30cは不図示の軸に回転可能に軸支されている。3枚の後幕30dは、軸102aと不図示の軸との相対的な位置関係が変化することにより、畳まれて開口部100を開放する開状態と、展開して開口部100を覆う閉状態とを取ることができる。
【0032】
(後幕駆動レバー31)
後幕駆動レバー31は、後幕30dを開方向に駆動させるもので、後幕吸着部31aと、後幕結合ピン部31bと、後幕当接部31cと、後幕係合部31dと、後幕バネ軸部31eと、後幕バネ受け部31fと、後幕軸穴部31gとを備える。
【0033】
(後幕吸着部31a)
後幕吸着部31aは磁性体で構成されている。後述の後幕マグネット36が通電されたときに、後幕マグネット36に保持される。
【0034】
(後幕結合ピン部31b)
後幕結合ピン部31bは、後幕開閉アーム30e1の後幕結合穴部30aに嵌り、後幕30dを畳まれた開状態と展開された閉状態とに駆動する。
【0035】
(後幕係合部31d)
後幕係合部31dは、
図4(a)に示す正面図において、軸102aを中心として、矢印Bで示す反時計方向に回転したときの前側となる部分の角部に斜面部31daと、後側に平面部31dbとを有する。斜面部31daは、軸101aを中心とした円周の接線に対して、先幕軸穴部40cを向くように傾いている。平面部31dbは、軸102aを中心とした径方向に延びる面である。
【0036】
(後幕軸穴部31g)
後幕軸穴部31gは、後幕開閉アーム30e1の後幕第1軸穴部30bとともに軸102aに回転可能に軸支されている。
【0037】
後幕駆動レバー31は、後幕軸穴部31gに挿入された不図示の回転軸により軸102aを中心として回動可能で、
図4(a)、
図4(b)に図中矢印Bで示す正面図における反時計方向に付勢されている。後幕駆動レバー31がB方向に回転すると、後幕30dは展開して開口部100を閉じた閉状態となる。後幕駆動レバー31がB方向と反対方向に回転すると、後幕30dは閉じて開口部100を開放した開状態となる。以後、図中矢印Bで示す、後幕駆動レバー31に加わる後幕30dを閉じる方向の付勢力を、後幕閉方向付勢力という。
【0038】
(後幕補助レバー32)
後幕補助レバー32は、軸102aを中心として、後幕駆動レバー31に対して相対回転する。後幕補助レバー32は、後述する後幕補助バネ34によって、後幕駆動レバー31に対して、
図4(a)、
図4(b)に矢印Dで示す軸102aを中心とした径方向に相対回転するように付勢されている。しかし、後幕駆動レバー31側に折れ曲がった後幕制限部32aが後幕駆動レバー31の側面に当接することにより、後幕補助レバー32の回転角度は制限されている。
【0039】
(後幕チャージピン33)
後幕チャージピン33は光軸方向に延びるピンで、後幕補助レバー32に一体的に取り付けられている。
【0040】
(後幕補助バネ34)
後幕補助バネ34は、
図4(a)に示すように後幕コイル部34aと、後幕コイル部34aから2方向に延びる後幕フック部34bとを有する。後幕コイル部34aは、後幕駆動レバー31の後幕バネ軸部31eに取り付けられ、後幕フック部34bの一方は後幕駆動レバー31の後幕バネ受け部31fに、他方は後幕チャージピン33に当接している。
これにより、後幕補助レバー32を後幕駆動レバー31に対して
図4(a)中、反時計方向に付勢し、後幕補助レバー32の後幕制限部32aが後幕駆動レバー31に押し付けられている。後幕補助バネ34の後幕フック部34b間の間隔が狭まる方向に力が加わらないかぎり、後幕補助レバー32と後幕駆動レバー31とは一体的に反時計方向(正面側から見て)に駆動される。
【0041】
(後幕緩衝部材35)
後幕緩衝部材35は、ゴム状の弾性部材であり、後幕駆動レバー31の回動軌跡内に配置され、
図4(a)において後幕駆動レバー31が反時計方向に回転すると、後幕駆動レバー31の後幕当接部31cが当接する。後幕駆動レバー31の回動により後幕当接部31cが当接すると、後幕緩衝部材35は弾性変形し、後幕駆動レバー31の駆動エネルギーを吸収し、後幕駆動レバー31の回動を停止させる。後幕駆動レバー31の回動停止後は、後幕緩衝部材35の弾性変形による戻し力で戻され、先付勢部材からの駆動力と戻し力が釣り合った位置で、先幕駆動レバーが静止する。
【0042】
(後幕マグネット36)
後幕マグネット36は、後幕端子部36bと、後吸着部36aとを有する。後幕マグネット36は、後幕駆動レバー31の回動軌跡内にあり、
図4(a)に示す後幕駆動レバー31の時計方向に回転により、後幕駆動レバー31の後幕吸着部31aが、後幕マグネット36の後吸着部36aに当接する。
【0043】
後幕端子部36bに通電することにより後吸着部36aは磁力を発生し、後幕マグネット36の後吸着部36aに後幕駆動レバー31の後幕吸着部31aが当接した状態で、後幕端子部36bに通電することにより、後幕閉方向付勢力に抗して後幕駆動レバー31の後幕吸着部31aを、吸着保持可能となっている。後幕端子部36bへの通電を停止することにより、後幕駆動レバー31は後幕駆動機構300の駆動力により、
図4(a)において反時計方向に回転可能となる。
【0044】
(先幕押さえレバー40)
図4(a)、
図4(b)に示す先幕押さえレバー40は、先幕係止部40aと、先幕連動部40bと、先幕軸穴部40cと、先幕バネ付勢部40eとを備える。先幕押さえレバー40は、軸105に沿う先幕軸穴部40cに軸支された細長い部材である。
【0045】
(先幕係止部40a)
先幕係止部40aは、先幕押さえレバー40の一方の端部の先幕駆動レバー21側に設けられている。先幕係止部40aは、
図4(a)に示す正面図において、軸105を中心とした径方向内側となる平面部40abと、径方向外側となる斜面部40aaとを有する。斜面部40aaは、軸105を中心とした円周の接線に対して、先幕補助レバー22を向くように傾いている。平面部40abは、軸105cを中心とした円周の接線に略沿っている。先幕係止部40aは、軸105を中心として、先幕駆動レバー21の先幕係合部21dの回動軌跡内にある係止位置(バウンスロック位置)と回動軌跡外の退避位置(バウンスアンロック位置)との間で移動可能である。
【0046】
(先幕連動部40b)
先幕連動部40bは、先幕押さえレバー40の他方の端部に設けられ、後述する後幕連動ピン部41bにより軸105を中心として駆動される。
【0047】
(先幕バネ付勢部40e)
先幕バネ付勢部40eには、係止レバーバネ42の一端が当接し、通常、先幕バネ付勢部40eは
図4(b)に矢印Eで示す背面側からみて反時計方向に付勢されている。このとき、先幕係止部40aは先幕駆動レバー21の先幕係合部21dの回動軌跡に位置して先幕駆動レバー21の回動を制限するバウンスロック位置にある。
【0048】
(後幕押さえレバー41)
後幕押さえレバー41は、後幕係止部41aと、後幕連動ピン部41bと、後幕解除ピン部41cと、後幕軸穴部41dと、後幕バネ付勢部41eとを備える。後幕押さえレバー41は、後幕軸穴部41dに挿通された軸104に軸支された細長い部材である。
【0049】
(後幕係止部41a)
後幕係止部41aは、後幕押さえレバー41の一方の端部の後幕駆動レバー31側に設けられている。後幕係止部41aは、正面図における軸104を中心とした径方向内側となる斜面部41aaと、径方向外側となる平面部41abとを有する。斜面部41aaは、軸104を中心とした円周の接線に対して傾いている。平面部41abは、軸104を中心とした周方向に延びる。後幕係止部41aは、軸104を中心として、後幕駆動レバー31の後幕係合部31dの回動軌跡内にある係止位置(バウンスロック位置)と回動軌跡外の退避位置(バウンスアンロック位置)との間で移動可能である。
【0050】
(後幕連動ピン部41b)
後幕連動ピン部41bは、後幕押さえレバー41の背面側における、軸104に対して後幕係止部41aと逆側に設けられ、背面側に向って延びている。軸104を中心として後幕押さえレバー41が回動したときに、先幕連動部40bを押し、先幕押さえレバー40を回動させる。
【0051】
(後幕解除ピン部41c)
後幕解除ピン部41cは、後述のリセットカム50bによって駆動される。
【0052】
(後幕バネ付勢部41e)
後幕バネ付勢部41eには、係止レバーバネ42の一端が当接し、
図4(b)に矢印Fで示す背面側からみて時計方向に付勢され、後幕係止部41aが後幕駆動レバー31の後幕係合部31dの回動軌跡内に位置している。
【0053】
(係止レバーバネ42)
係止レバーバネ42は、後幕押さえレバー41の後幕軸穴部41dの軸104と同軸に配置されたコイルばねで、
図4(b)に示すように一端は先幕押さえレバー40のバネ付勢部40eを背面図において反時計方向に付勢し、他端は後幕押さえレバー41の後幕バネ付勢部41eを時計方向に付勢している。
【0054】
(回転部材50)
回転部材50は、先幕駆動機構200及び後幕駆動機構300の撮影者側に配置され、チャージカム50aと、リセットカム50bと、駆動ギヤ部50cと、軸穴部50dとを備える。軸穴部50dは、不図示の軸部材に軸支され、軸103を中心として回転する。駆動ギヤ部50cには不図示の駆動系が接続され、回転部材50が回転駆動される。チャージカム50aは、後述する先幕チャージレバー51、後幕チャージレバー52を駆動する。リセットカム50bは、後幕押さえレバー41の後幕解除ピン部41cを駆動し、先幕押さえレバー40と後幕押さえレバー41を駆動する。リセットカム50bのカム半径の小さい領域と、チャージカム50aの最大のカム半径の領域とは角度方向に重ならない位置に配置されている。
【0055】
(先幕チャージレバー51)
先幕チャージレバー51は、先幕チャージ部51aと、先幕カム当接部51bと、先幕軸穴部51cとを備える。先幕軸穴部51cは、不図示の軸に軸支されている。先幕カム当接部51bは、回転部材50のチャージカム50aにより駆動され、先幕チャージレバー51が正面側から見て
図2で矢印で示すように正面から見て時計方向に回転すると、先幕チャージ部51aが先幕チャージピン23を駆動する。これにより先幕補助レバー22が先幕開方向付勢力に抗して正面側から見て時計方向に回転する。そうすると、先幕補助バネ24を介して先幕駆動レバー21も正面側から見て時計方向に回転する。さらに先幕20dも畳まれた開口部100を開放する状態から、展開して開口部100を覆う状態となる方向に駆動される。なお、先幕チャージレバー51は、不図示の付勢部材により、正面から見て反時計方向に付勢されている。
【0056】
(後幕チャージレバー52)
後幕チャージレバー52は、後幕チャージ部52aと、後幕カム当接部52bと、後幕カム当接部52cとを備える。後幕カム当接部52cは、不図示の軸に軸支されている。後幕カム当接部52bは、回転部材50のチャージカム50aに駆動され、後幕チャージレバー52が正面側から見て
図2に矢印で示すように時計方向に回転すると、後幕チャージ部52aが後幕チャージピン33を駆動する。これにより後幕補助レバー32が後幕閉方向付勢力に抗して正面側から見て時計方向に回転する。そうすると、後幕補助バネ34を介して後幕駆動レバー31も正面側から見て時計方向に回転する。さらに後幕30dも展開して開口部100を覆う状態から、畳まれた開口部100を開放する状態となる方向に駆動される。なお、後幕チャージレバー52は不図示の付勢部材により、正面から見て反時計方向に付勢されている。
【0057】
先幕チャージレバー51と後幕チャージレバー52は、それぞれの回転軸に垂直な平面にて、ほぼ同一平面内にあり、回転部材50の回転によって、順次駆動される。
【0058】
(シャッター機構3の動作)
(第1状態)
(1)電源オン直後
図3は、操作系5を操作して電源をオンにした直後のシャッター機構3の第1状態である。
図4は第1状態のシャッター機構3の一部を示す図で、(a)は正面図、(b)は背面図である。
電源をオンにすると、カメラ1Aはライブビュー状態となり、背面LCD4にライブビュー画像が表示される。カメラ1A内に保存された撮影画像を背面LCD4に表示させたり、操作系5と背面LCD4を使用して各種設定を行ったりすることができる。
【0059】
(先幕)
図3に示すように先幕20dは先幕開方向付勢力で開状態に保持されている。
図4に示すように先幕係合部21dの移動は先幕係止部40aによりロックされているバウンスロック状態である。
【0060】
(後幕)
図3に示すように後幕30dは後幕チャージレバー52によって後幕閉方向付勢力に抗して開状態に保持されている。
図4に示すように後幕係合部31dの移動は後幕係止部41aによりロックされていないバウンスアンロック状態である。
【0061】
(2)レリーズオン後
上記(1)の状態で、操作系5を操作して撮影指示(レリーズ)を行うと、後幕端子部36bに通電され、後幕マグネット36が後幕駆動レバー31を保持する。
【0062】
(先幕)
先幕20dは先幕開方向付勢力で開状態に保持されている。先幕係合部21dの移動は先幕係止部40aによりロックされているバウンスロック状態で変わらない。
【0063】
(後幕)
後幕30dは後幕マグネット36の磁力で開状態が保持されるが、後幕チャージレバー52によっても開状態が保持されている。後幕係合部31dの移動は、後幕係止部41aによりロックされていないバウンスアンロック状態を維持している。
その後、不図示の駆動系が駆動され、回転部材50が正面から見て時計方向に回動を開始する。
【0064】
(第2状態)
図5、
図6は第1状態の次の第2状態を示す図である。
図5は第2状態のシャッター機構3の正面図である。
図6は第2状態のシャッター機構3の一部を示す図で、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【0065】
(先幕)
図5、
図6(a)に示すように、回転部材50が正面から見て時計方向に回転すると、
図6(a)に示すようにリセットカム50bが後幕解除ピン部41cを押し、後幕押さえレバー41が時計方向に回転する。
図6(b)に示すように、後幕連動ピン部41bが先幕連動部40bを押し、先幕押さえレバー40が回転する。先幕係止部40aは先幕係合部21dの回動軌跡外に退避し、先幕20dのバウンスロック解除動作が開始される。
図5に示すようにチャージカム50aが先幕カム当接部51bを押し、先幕チャージレバー51が回転を始めるが、先幕チャージ部51aはまだ先幕チャージピン23に当接していないので、先幕20dはまだ走行を開始しない。
【0066】
(後幕)
図5に示すように後幕チャージレバー52の後幕カム当接部52bはチャージカム50aから外れ、不図示の付勢部材により不図示のストッパー部材により規制される位置まで回転する。しかし、後幕駆動レバー31は磁力で保持されているので、後幕30dは開いたままである。
【0067】
(第3状態)
図7、
図8は第2状態の次の第3状態を示す図である。
図7は第3状態のシャッター機構3の正面図である。
図8は第3状態のシャッター機構3の一部を示す図で、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【0068】
(先幕)
図7、
図8(a)に示すように回転部材50が、正面から見てさらに時計方向に回転すると、
図8(a)に示すようにリセットカム50bが後幕解除ピン部41cを押し、後幕押さえレバー41が時計方向にさらに回転する。
図8(b)に示すように後幕連動ピン部41bが先幕連動部40bをさらに押し、先幕押さえレバー40がさらに回転し、先幕係止部40aが先幕係合部21dのさらに回動軌跡外に退避する。そして、先幕駆動レバー21の回動が阻害されない状態となって先幕20dのバウンスロックが完全に解除される。
【0069】
図7に示すようにチャージカム50aが先幕カム当接部51bを押し、先幕チャージレバー51が回転し、先幕チャージ部51aが先幕チャージピン23と当接し、先幕補助レバー22が、先幕開方向付勢力に抗して時計方向に回転する。
そして、先幕駆動レバー21と先幕補助レバー22と先幕チャージピン23と先幕補助バネ24が一体となって、正面から見て時計方向に先幕開方向付勢力に抗して回動し始めてチャージが開始され、先幕20dは畳まれた開状態から展開された閉状態に移行を開始する。
【0070】
チャージカム50aがさらに回転すると、先幕駆動レバー21は、先幕補助バネ24を介して回転し、先幕開閉アーム20e1,20e2を介して先幕20dを展開して、開口部100を覆う。先幕吸着部21aは、先幕吸着部26aに当接する位置に達する。
【0071】
チャージカム50aがさらに回転すると、先幕駆動レバー21は、先幕吸着部21aが先幕吸着部26aに当接しているため回転しないが、先幕チャージピン23と先幕補助レバー22が回転するので、先幕補助バネ24がさらに撓んだ
図7に示す状態となる。
そうすると、
図8(b)に示すように先幕制限部22aは、先幕駆動レバー21から離れ、先幕吸着部21aは、先幕補助バネ24で発生する力で先幕バネ受け部21fを介して先幕吸着部26aに押し付けられる。この状態で先幕端子部26bに通電し、先幕駆動レバー21を先幕マグネット26でも保持する。
【0072】
(後幕)
後幕チャージレバー52の後幕カム当接部52bは、一旦、チャージカム50aから外れるので、後幕チャージレバー52は、
図7に点線で示すように、不図示の付勢部材により不図示のストッパー部材により規制される位置まで回転する。しかし、後幕駆動レバー31は磁力で保持されているので、後幕30dは開いたままである。
その後、後幕チャージレバー52は、チャージカム50aの回転に合わせて再度、時計方向に回転して後幕チャージピン33側に移動する。
【0073】
(第4状態)
図9は第3状態の次の第4状態を示す図である。
図9は第4状態のシャッター機構3の一部を示す図で、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【0074】
(先幕・後幕)
回転部材50が、正面から見てさらに時計方向に回転すると、図中点線で示すように先幕カム当接部51b及び後幕カム当接部52bがチャージカム50aから外れ、先幕チャージレバー51及び後幕チャージレバー52はそれぞれ不図示の付勢部材により不図示のストッパー部材により規制される位置まで、図中点線の矢印で示すように回転する。
先幕チャージ部51a及び後幕チャージ部52aはそれぞれ先幕チャージピン23及び後幕チャージピン33の回動軌跡外に移動する。先幕駆動レバー21及び後幕駆動レバー31は、先幕端子部26b及び後幕端子部36bが通電した状態で保たれているため、それぞれ先幕マグネット26及び後幕マグネット36に吸着保持された状態を保つ。
先幕20dは展開して開口部100を覆った状態、後幕30dは畳まれて開口部100を開放した状態を保つ。
図9(b)に示すように先幕制限部22a及び後幕制限部32aは、それぞれ先幕駆動レバー21及び後幕駆動レバー31に当接して、先幕駆動レバー21と先幕補助レバー22、及び、後幕駆動レバー31と後幕補助レバー32がそれぞれ一体化した状態となる。
【0075】
(第5状態)
図10、
図11は第4状態の次の第5状態を示す図である。
図10は第5状態のシャッター機構3の正面図である。
図11は第5状態のシャッター機構3の一部を示す図で、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【0076】
(先幕)
先幕マグネット26の先幕端子部26bへの通電を停止すると、先幕吸着部26aの磁力が無くなる。そうすると、先幕駆動レバー21と先幕補助レバー22と先幕チャージピン23と先幕補助バネ24は一体となって、先幕開方向付勢力により、
図10、
図11(a)に示す反時計方向に回転する。先幕20dも展開された閉状態から畳まれた開状態に移行し、開口部100が上側から順次開放される。その結果、撮像素子2にも、上側から順次露光が開始される。
【0077】
先幕係止部40aは、先幕係合部21dの回動軌跡内にあるため、先幕補助レバー22が回転すると、先幕係合部21dの斜面部21daは、先幕係止部40aの斜面部40aaに当接する。
そうすると、斜面部21daは斜面部40aaを押して、先幕押さえレバー40を正面側から見て反時計方向に回転させて退避させるので、先幕駆動レバー21の回動は阻害されず、先幕係合部21dは先幕係止部40aを乗り越え、先幕駆動レバー21は回動していく。
【0078】
(後幕)
図11(b)に示すように先幕連動部40bは後幕連動ピン部41bから離れる方向に移動するので、先幕押さえレバー40の移動は後幕押さえレバー41に影響しない。
【0079】
(第6状態)
図12は第5状態の次の第6状態を示す図である。
図12は第6状態のシャッター機構3の一部を示す図で、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【0080】
先幕駆動レバー21が反時計方向に回転すると、
図11に示すように、先幕第1当接部21Acが先幕第1緩衝部材25Aに衝突を開始する。しかし、先幕第2当接部21Bcは、まだ先幕第2緩衝部材25Bと当接していない。
そして、先幕駆動レバー21がさらに反時計方向に回転すると、先幕第1当接部21Acは、
図12に示すように先幕第1緩衝部材25Aを弾性変形させて先幕駆動レバー21の駆動(回転)エネルギーを吸収し、先幕駆動レバー21の回動を停止させる方向に力が働き始める。
【0081】
しかし、
図12の時点において、先幕第2当接部21Bcは、まだ先幕第2緩衝部材25Bを弾性変形させていない。すなわち、先幕第2当接部21Bcと先幕第2緩衝部材25Bとの間に隙間があるか、先幕第2当接部21Bcと先幕第2緩衝部材25Bとは接触を開始したが、先幕第2当接部21Bcは先幕第2緩衝部材25Bをまだ押圧していない状態である。
【0082】
このとき、先幕係合部21dは先幕係止部40aを越え、係止レバーバネ42の付勢力により先幕係止部40aが先幕係合部21dの回動軌跡内に入った位置まで先幕押さえレバー40が回動する。
【0083】
(第7状態)
図13は第6状態の次の第7状態を示す図である。
図13は第7状態のシャッター機構3の一部を示す図で、(a)は正面図、(b)は背面図である。
さらに先幕駆動レバー21が反時計方向に回転すると、先幕駆動レバー21は減速していくが、先幕駆動レバー21の回動が完全に停止する前であって先幕第1当接部21Acが先幕第1緩衝部材25Aを押圧して弾性変形させている途中で、先幕第2当接部21Bcが先幕第2緩衝部材25Bと衝突する。
【0084】
先幕第2当接部21Bcが衝突すると、先幕第2緩衝部材25Bも弾性変形し、先幕駆動レバー21の駆動エネルギーを吸収し、先幕駆動レバー21の回動の停止を補助する。そして、先幕第1緩衝部材25Aと先幕第2緩衝部材25Bとの弾性変形によって、先幕駆動レバー21の回動が停止される。
【0085】
すなわち、先幕駆動レバー21の駆動エネルギーは、まず、先幕第1緩衝部材25Aによって吸収され始め、さらに先幕第2緩衝部材25Bも加わり2つの部材で吸収される。
このように、先幕20dの解放時の先幕駆動レバー21の回転を停止させる際の衝撃を防止する緩衝部材を2つ設けたので、先幕駆動レバー21の回転停止時の衝撃を2か所で且つ異なるタイミングで受け止めることができる。ゆえに、衝撃を分散させさらに吸収できるエネルギーも増加させることができ、先幕駆動レバー21の停止時に発生するカメラブレを効果的に軽減することができる。
【0086】
先幕駆動レバー21は、先幕第1当接部21Acと先幕第2緩衝部材25Bとの弾性変形の復元力によって停止した位置から反対方向(正面から見て時計方向)に回動する。
このとき、先幕駆動レバー21は戻されて逆回転する。この逆回転において、先幕第2緩衝部材25Bと先幕第2当接部21Bcとの間の接触が解除される。
そして、先幕第1緩衝部材25Aと先幕第1当接部21Acとの間の接触が維持されている状態で、先付勢部材からの駆動力と、先幕第1緩衝部材25Aの戻し力とが釣り合った位置で、先幕駆動レバーが静止する。
【0087】
このように、先幕第2緩衝部材25Bの先幕第2当接部21Bcによる変形は、先幕第1緩衝部材25Aの先幕第1当接部21Acによる変形とは異なり、変形時間が短く、一時的なものである。
一般的なゴム製の緩衝部材は、変形されている時間が長いと、変形が残る場合がある。そうすると、先幕第2当接部21Bcが同じ場所まで移動しても、先幕第2緩衝部材25Bに当接しなくなる。また、変形が残りにくいゴム製の緩衝部材は、劣化しにくい緩衝部材より高価である。
実施形態においては、先幕第2緩衝部材25Bの変形は一時的なものであるため、安価な部材で製造することができる。
【0088】
また、先幕係止部40aは先幕係合部21dの回動軌跡内にあり、且つ相互の当接面となる平面部21dbと平面部40abとが先幕駆動レバー21の回動方向に対してほぼ垂直な面である。
このため、先幕駆動レバー21が、バウンスによって正面側から見たときに時計方向に回転しようとしても、先幕係合部21dは先幕係止部40aを乗り越えて回動することができず、先幕駆動レバー21の先幕係合部21dの回動が先幕係止部40aより内側に制限される。
この制限される位置は、先幕駆動レバー21が先幕係止部40aより内側にある場合、先幕20dは開口部100の領域外となる。したがって、先幕第1緩衝部材25Aの復元力により先幕20dが展開する方向に回動しても、先幕20dが開口部100を覆うことはない。
【0089】
(第8状態)
図14、
図15は第7状態の次の第8状態を示す図である。
図14は第8状態のシャッター機構3の正面図である。
図15は第8状態のシャッター機構3の一部を示す図で、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【0090】
(後幕)
後幕マグネット36の後幕端子部36bへの通電を停止すると、後吸着部36aの磁力が無くなる。そうすると、
図14に示すように後幕駆動レバー31と後幕補助レバー32と後幕チャージピン33と後幕補助バネ34とは一体となって、後幕閉方向付勢力により、正面から見て反時計方向に回転する。後幕30dも畳まれた開状態から展開された閉状態に移行し、開口部100が上側から順次閉鎖される。その結果、撮像素子2の露光は、上側から順次終了する。
【0091】
図15に示すように後幕係止部41aは後幕係合部31dの回動軌跡内にあるため、その回動によって後幕係合部31dが後幕係止部41aに当接する。
そうすると、後幕係合部31dの斜面部31daが、後幕係止部41aの斜面部41aaを押す。そうすると、後幕押さえレバー41を正面側から見て時計方向に回転して退避させるので、後幕駆動レバー31の回動は阻害されずに、後幕駆動レバー31の後幕係合部31dは後幕係止部41aを乗り越える。
【0092】
(先幕)
図15(b)に示すように後幕連動ピン部41bは先幕連動部40bに近づく方向に移動するが、後幕連動ピン部41bと先幕連動部40bとの間の隙間は十分にあるので、後幕連動ピン部41bが先幕連動部40bに接触することは無く、後幕押さえレバー41の移動は先幕押さえレバー40に影響しない。
【0093】
(第9状態)
図16は第8状態の次の第9状態を示す図である。
図16は第9状態のシャッター機構3の一部を示す図で、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【0094】
(後幕)
後幕閉方向付勢力により後幕駆動レバー31がさらに回動すると、後幕当接部31cが後幕緩衝部材35を弾性変形させる。そして後幕当接部31cに後幕閉方向付勢力と逆方向の力が作用し、後幕駆動レバー31は減速し、後幕緩衝部材35が所定量変形したところで後幕駆動レバー31は停止する。
このとき、後幕係合部31dは後幕係止部41aを越えており、係止レバーバネ42の付勢力により後幕係止部41aが、後幕係合部31dの回動軌跡内に入った位置まで後幕押さえレバー41が回動する。
【0095】
後幕駆動レバー31は、後幕緩衝部材35の復元力により停止した位置から反対方向(正面から見て時計方向)に回動する。そうすると、後幕係合部31dの平面部31dbが後幕係止部41aの平面部41abと当接して、後幕駆動レバー31の回転範囲を制限する。この制限される位置は、後幕30dが開口部100を覆った位置となっている。したがって後幕緩衝部材35の復元力により後幕30dが畳まれる方向に回動しても、開口部100を開放することはない。
この状態で露光動作を終了する。そして、撮像素子2より画像データを読み出した後、次の動作に移る。
【0096】
(第10状態)
図17は第8の状態の次の第10状態を示す図である。
図17は第10状態のシャッター機構3の一部を示す図で、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【0097】
(後幕)
図17(a)に示すように、回転部材50が正面から見てさらに時計方向に回転すると、リセットカム50bが後幕解除ピン部41cを押し、後幕押さえレバー41が回転する。そうすると、後幕係止部41aが後幕係合部31dの回動軌跡外に退避する。
【0098】
(先幕)
図17(b)に示すように後幕連動ピン部41bが先幕連動部40bを押し、先幕押さえレバー40が回転し、先幕係止部40aが先幕係合部21dの回動軌跡外に退避する。
図17(a)に示すように回転部材50が正面から見てさらに時計方向に回転すると、点線で示すようにチャージカム50aが先幕カム当接部51bを押し、先幕チャージレバー51が回転し、先幕チャージ部51aが先幕チャージピン23に当接する。
そうすると、先幕駆動レバー21と先幕補助レバー22と先幕チャージピン23と先幕補助バネ24とが一体となって正面から見て時計方向に先幕開方向付勢力に抗して回動し始める。先幕20dも畳まれた開状態から展開された閉状態に移行を開始する。
このとき、先幕係止部40aは先幕係合部21dの回動軌跡外にあるため、先幕駆動レバー21の回動は阻害されない。
【0099】
(第11状態)
図18、
図19は第9の状態の次の第11状態を示す図である。
図18は第11状態のシャッター機構3の正面図である。
図19は第11状態のシャッター機構3の一部を示す図で、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【0100】
(先幕)
図18に示すように回転部材50が、正面から見てさらに時計方向に回転すると、先幕チャージレバー51及び先幕チャージピン23を介して先幕補助レバー22が先幕開方向付勢力に抗して回転する。
図19(a)に示すように、先幕駆動レバー21は、先幕補助バネ24を介して回転し、先幕吸着部21aは、先幕吸着部26aに当接する位置に達する。そうすると、
図18に示すように、先幕20dは、先幕駆動レバー21の回転に合わせて展開し、開口部100を覆っていく。
【0101】
(後幕)
チャージカム50aが後幕カム当接部52bをさらに押し、後幕チャージレバー52が回転する。そうすると、後幕チャージ部52aが後幕チャージピン33に当接し、後幕駆動レバー31と後幕補助レバー32と後幕チャージピン33と後幕補助バネ34とが一体となって正面から見て時計方向に後幕閉方向付勢力に抗して回動し始める。後幕30dは、展開された閉状態から畳まれた開状態に移行を開始する。このとき、後幕30dは開口部100を開放し始めるが、先幕20dがその開放した領域を覆っているため、開口部100は開放されず、撮像素子2は遮光された状態である。
図19に示すように、後幕解除ピン部41cはリセットカム50bの最大径部分に当接している。後幕係止部41aは後幕係合部31dの回動軌跡外にあるため、後幕駆動レバー31の回動は阻害されない。
【0102】
(第12状態)
図20、
図21は第11状態の次の第12状態を示す図である。
図20は第12状態のシャッター機構3の正面図である。
図21は第12状態のシャッター機構3の一部を示す図で、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【0103】
(後幕)
回転部材50が、正面から見てさらに時計方向に回転すると、
図20に示すように幕チャージレバー52は回転部材50の回転により回転する。
後幕補助レバー32は、後幕チャージレバー52、後幕チャージピン33を介して後幕閉方向付勢力に抗して回転する。
後幕30dは、後幕駆動レバー31の回転に合わせて畳まれて、開口部100が開放された状態となる。しかし、先幕20dが開口部100を覆った位置にあり、撮像素子2は遮光された状態である。
後幕駆動レバー31は、後幕補助バネ34を介して回転し、後幕吸着部31aは、後吸着部36aに当接する位置に達する。
【0104】
(先幕)
先幕チャージレバー51及び先幕チャージピン23を介して先幕補助レバー22は先幕開方向付勢力に抗して回転する。
先幕駆動レバー21は、先幕吸着部21aが先幕吸着部26aに当接しているため回転しないが、先幕チャージピン23と先幕補助レバー22が回転するので、先幕補助バネ24が撓む。
先幕制限部22aが先幕駆動レバー21から離れ、先幕吸着部21aは、先幕補助バネ24で発生する力で先幕バネ受け部21fを介して先幕吸着部26aに押し付けられる。この状態で先幕端子部26bに通電し、先幕駆動レバー21を先幕マグネット26でも保持する。
【0105】
(第13状態)
図22は第12状態の次の第13状態を示す図である。
図22は第13状態のシャッター機構3の一部を示す図で、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【0106】
(先幕)
図22(a)に点線で示すカム当接部51bは、チャージカム50aから外れ、先幕チャージレバー51は図中点線で示すように不図示の付勢部材により不図示のストッパー部材により規制される位置まで回転する。
その結果、先幕チャージ部51aは先幕チャージピン23の回動軌跡外に移動する。先幕駆動レバー21は先幕端子部26bに通電した状態を保つことにより、先幕マグネット26に吸着保持された状態を保つ。先幕20dは展開して開口部100を覆った状態を保つ。
図22(b)に示すように先幕制限部22aは先幕駆動レバー21に当接して、先幕駆動レバー21と先幕補助レバー22が一体化した状態となる。
回転部材50が、正面から見てさらに時計方向に回転すると、後幕補助レバー32が後幕チャージレバー52及び後幕チャージピン33を介して後幕閉方向付勢力に抗して回転する。
【0107】
(後幕)
後幕駆動レバー31は後幕吸着部31aが後吸着部36aに当接しているため回転しないが、後幕チャージピン33と後幕補助レバー32が回転するので、後幕補助バネ34が撓む。
後幕制限部32aは、後幕駆動レバー31から離れて、後幕補助バネ34で発生する力で後幕バネ受け部31fを介して後幕吸着部31aが後吸着部36aに押し付けられる。この状態で後幕端子部36bに通電し、後幕駆動レバー31を後幕マグネット36でも保持する状態とする。
以後、次の撮影を行う場合には、回転部材50を駆動して第4状態とし、第4状態以降の動作を繰り返す。
また、撮影を終了する場合には、先幕端子部26b、後幕端子部36bの通電を停止させる。
【0108】
後幕駆動レバー31と後幕補助レバー32と後幕チャージピン33と後幕補助バネ34とは、後幕カム当接部52bがチャージカム50aの最大半径部に当接した状態のため、後幕チャージ部52aが後幕チャージピン33を押えた状態のままで保持される。
【0109】
以上説明したように、実施形態のシャッター機構3は、先幕を走行させる先幕駆動レバー21と、後幕を走行させる後幕駆動レバー31と、先幕走行完了時に、先幕駆動レバー21のバウンドを押さえる先幕押さえレバー40と、後幕走行完了時に、後幕駆動レバー31のバウンドを押さえる後幕押さえレバー41と、先幕押さえレバー40及び後幕押さえレバー41を駆動するリセットカム50bと、を備える。
そして、先幕押さえレバー40及び後幕押さえレバー41は、
図4(a)に示すように、先幕駆動レバー21の軸102a及び後幕駆動レバー31の軸101aと、リセットカム50bの軸103との間の領域に配置されている。
より詳細には、先幕押さえレバー40及び後幕押さえレバー41は軸102aと軸101aとを結ぶ直線L1と軸103を通り且つ直線L1と平行な直線L2との間に配置されている。
【0110】
したがって、先幕20d及び後幕30dのバウンスを防止するための機構が他の領域に配置されている場合に比べて、余分なスペースを必要とせず、シャッター機構3をコンパクトにすることができる。
【0111】
リセットカム50b及びチャージカム50aは、同一の回転部材50に形成され、リセットカム50bは、先幕押さえレバー40及び後幕押さえレバー41の少なくとも一方(実施形態では後幕押さえレバー41)を直接駆動する。
【0112】
リセットカム50bは、先幕押さえレバー40及び後幕押さえレバー41の一方を直接駆動し、リセットカム50bに直接駆動される部材が他方の部材(実施形態では先幕押さえレバー40)を直接駆動する。
【0113】
したがって、リセットカム50bのみで、先幕押さえレバー40及び後幕押さえレバー41の両方を駆動可能である。ゆえに、部品点数を減少することができる。
【0114】
また、実施形態のシャッター機構3は、先幕駆動レバー21を駆動して先幕をチャージする先幕チャージレバー51と、後幕駆動レバー31を駆動して後幕をチャージする後幕チャージレバー52と、先幕チャージレバー51及び後幕チャージレバー52を駆動するチャージカム50aと、を備える。
また、チャージカム50aは、先幕チャージレバー51及び後幕チャージレバー52の少なくとも一方を直接駆動し、リセットカム50bと、チャージカム50aとは、同一の回転部材50の軸103方向の異なる高さに形成されている。
【0115】
回転部材50における、回転部材50の軸103の延びる方向の異なる位置にリセットカム50bとチャージカム50aとを設けた。チャージカム50aは先幕カム当接部51b及び後幕カム当接部52bを駆動し、リセットカム50bは後幕押さえレバー41を駆動する。このように、一つの回転部材50で2つのカムを形成するしたためスペース効率がよく、コンパクト化が可能で、部品点数を減少することもできる。
【0116】
さらに、リセットカム50bとチャージカム50aとが形成された回転部材が一方向に回転することにより、先幕押さえレバー40及び後幕押さえレバー41の駆動、及び、先幕チャージレバー51及び後幕チャージレバー52の少なくとも一方の駆動が行われる。
チャージカム50aとリセットカム50bとの形状や当接位置を変えることにより、一つの回転部材50で、それぞれが当接する先幕カム当接部51b及び後幕カム当接部52bの駆動を時間差で行うことができる。
【符号の説明】
【0117】
1:カメラ本体、1A:カメラ、3:シャッター機構、
20:先幕ユニット、20a:先幕結合穴部、20b:先幕第1軸穴部、20c:先幕第2軸穴部、20d:先幕、20e:先幕開閉アーム、20e1:先幕開閉アーム、20e2:先幕開閉アーム、
21:先幕駆動レバー、21a:先幕吸着部、21b:先幕結合ピン部、21Ac:先幕第1当接部、21Bc:先幕第2当接部、21d:先幕係合部、21e:先幕バネ軸部、21f:先幕バネ受け部、21g:先幕軸穴部、
22:先幕補助レバー、22a:先幕制限部、
23:先幕チャージピン、
24:先幕補助バネ、24a:先幕コイル部、24b:先幕フック部、
25A:先幕第1緩衝部材、
25B:先幕第2緩衝部材、
26:先幕マグネット、26a:先幕吸着部、26b:先幕端子部、
30:後幕ユニット、30a:後幕結合穴部、30b:後幕第1軸穴部、30c:後幕第2軸穴部、30d:後幕30de:後幕開閉アーム、30e1:後幕開閉アーム、30e2:後幕開閉アーム、
31:後幕駆動レバー、31a:後幕吸着部、31b:後幕結合ピン部、31c:後幕当接部、31d:後幕係合部、31e:後幕バネ軸部、31f:後幕バネ受け部、31g:後幕軸穴部、
32:後幕補助レバー、32a:後幕制限部、
33:後幕チャージピン、
34:後幕補助バネ、34a:後幕コイル部、34b:後幕フック部、
35:後幕緩衝部材、
36:後幕マグネット、36a:後吸着部、36b:後幕端子部、
40:先幕押さえレバー、40a:先幕係止部、40b:先幕連動部、40c:先幕軸穴部、40d:先幕バネ付勢部40e:先幕バネ付勢部、
41:後幕押さえレバー4、41a:後幕係止部、41b:後幕連動ピン部、41c:後幕解除ピン部、41d:後幕軸穴部、41e:後幕バネ付勢部、
42:係止レバーバネ、
50:回転部材、50a:チャージカム、50b:リセットカム、50c:駆動ギヤ部、50d:軸穴部、
51:先幕チャージレバー、51a:先幕チャージ部、51b:先幕カム当接部、51c:先幕軸穴部、
52:後幕チャージレバー、52a:後幕チャージ部、52b:後幕カム当接部、52c:軸穴部、
100:開口部、101a:軸、102a:軸、103:軸、
200:先幕駆動機構、
300:後幕駆動機構