(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-21
(45)【発行日】2023-08-29
(54)【発明の名称】レンズ鏡筒及び撮像装置
(51)【国際特許分類】
G02B 7/08 20210101AFI20230822BHJP
G02B 7/04 20210101ALI20230822BHJP
G02B 7/28 20210101ALI20230822BHJP
G03B 13/36 20210101ALI20230822BHJP
【FI】
G02B7/08 C
G02B7/04 E
G02B7/08 B
G02B7/04 D
G02B7/28 N
G03B13/36
(21)【出願番号】P 2019206271
(22)【出願日】2019-11-14
【審査請求日】2022-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【氏名又は名称】片山 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100136261
【氏名又は名称】大竹 俊成
(72)【発明者】
【氏名】清水 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】石井 信生
【審査官】小川 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-257605(JP,A)
【文献】特開2016-045296(JP,A)
【文献】特開平09-274127(JP,A)
【文献】特開2002-258138(JP,A)
【文献】特開2018-084655(JP,A)
【文献】特開2017-107145(JP,A)
【文献】特開2017-107146(JP,A)
【文献】特開2017-138414(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/08
G02B 7/04
G02B 7/28
G03B 13/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定筒の物体側に隣接して配置される操作環に固定され、光軸に対し垂直な回転軸を回転させるとともにその回転量を検出可能なモータと、
前記固定筒に対して光軸回りに回転することで、レンズを光軸方向に駆動させる駆動部材と、
前記回転軸による動力を前記駆動部材に伝達するギヤを有し、前記駆動部材を光軸回りに回転させる動力伝達機構と、
前記固定筒に固定され、前記回転軸の回転量の検出精度よりも高い検出精度で前記駆動部材の光軸回りの回転量を検出する検出部と、
前記モータの回転を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記回転軸が回転し始めてから前記駆動部材が回転
し始め
たことを前記検出部により検出するまでの間の前記モータの第1回転速度を、前記駆動部材が回転
し始めた
ことを前記検出部により検出した後の前記モータの第2回転速度よりも早い速度で制御する、
レンズ鏡筒。
【請求項2】
前記制御部は、
前記回転軸が回転し始めてから前記駆動部材が回転を始めるまでの間の前記回転軸の回転量を、前記回転軸を回転させた後、前記検出部によって前記駆動部材の回転開始が検出されるまでの期間と、前記回転軸の回転量との関係から特定する、請求項1に記載のレンズ鏡筒。
【請求項3】
前記駆動部材が回転を始めるときの前記モータの回転速度は前記第2回転速度である、請求項1又は2に記載のレンズ鏡筒。
【請求項4】
前記モータは、ステッピングモータであり、
前記第2回転速度は、前記ステッピングモータに脱調が生じない回転速度である、請求項1~3のいずれか一項に記載のレンズ鏡筒。
【請求項5】
前記検出部による検出精度は、前記モータによる前記回転軸の回転量の検出精度よりも高い、請求項1~4のいずれか一項に記載のレンズ鏡筒。
【請求項6】
前記検出部による検出精度は、前記モータによる前記回転軸の回転量の検出精度の3~10倍である、請求項5に記載のレンズ鏡筒。
【請求項7】
前記制御部は、前記検出部により検出される回転量の検出波形が広がった際に、前記モータの回転速度を遅くなるように制御する、請求項1~6のいずれか一項に記載のレンズ鏡筒。
【請求項8】
前記検出部により検出される回転量の検出波形の幅が予め定められた適正幅に近づくように、前記モータの回転速度を制御する、請求項7に記載のレンズ鏡筒。
【請求項9】
前記駆動部材の少なくとも一部は光軸を中心とした円環状であり、前記ギヤは前記駆動部材の円周上に複数個配置される、請求項1~8のいずれか一項に記載のレンズ鏡筒。
【請求項10】
複数の前記ギヤのうち、光軸方向において最も物体側にある第1ギヤが前記駆動部材と嵌合する、請求項9に記載のレンズ鏡筒。
【請求項11】
複数の前記ギヤの回転軸は光軸と平行である、請求項1~10のいずれか一項に記載のレンズ鏡筒。
【請求項12】
請求項1~1
1のいずれか一項に記載のレンズ鏡筒を備える撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ鏡筒及び撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、内蔵されたモータによりオートフォーカス動作を行うレンズ鏡筒が提案されている。そして、特別な切換操作を要さずにマニュアルフォーカス操作をも行えるようにするために、例えば特許文献1に示すような構成のレンズ鏡筒が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
本発明のレンズ鏡筒は、固定筒の物体側に隣接して配置される操作環に固定され、光軸に対し垂直な回転軸を回転させるとともにその回転量を検出可能なモータと、前記固定筒に対して光軸回りに回転することで、レンズを光軸方向に駆動させる駆動部材と、前記回転軸による動力を前記駆動部材に伝達するギヤを有し、前記駆動部材を光軸回りに回転させる動力伝達機構と、前記固定筒に固定され、前記回転軸の回転量の検出精度よりも高い検出精度で前記駆動部材の光軸回りの回転量を検出する検出部と、前記モータの回転を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記回転軸が回転し始めてから前記駆動部材が回転し始めたことを前記検出部により検出するまでの間の前記モータの第1回転速度を、前記駆動部材が回転し始めたことを前記検出部により検出した後の前記モータの第2回転速度よりも早い速度で制御する、レンズ鏡筒である。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】一実施形態に係るレンズ鏡筒を示した断面図である。
【
図2】フォーカスレンズ群およびフォーカスレンズ保持枠とセグメント環との連動機構を説明する側断面図である。
【
図4】動力伝達装置を含むレンズ鏡筒の要部の背面斜視図である。
【
図5】動力伝達装置を含むレンズ鏡筒の要部の正面斜視図である。
【
図6】
図3に示すカム環の破線領域S内のカム溝と、そのカム溝内を駆動する連動ピンの移動領域を説明する図である。
【
図8】
図4のS1-S1線および光軸を通る切断面図である。
【
図9】
図4のS2-S2線および光軸を通る切断面図である。
【
図10】レンズ鏡筒のうち、固定筒を含む部分の背面斜視図である。
【
図11】
図10から固定筒を取り外した状態を示す背面斜視図である。
【
図12】
図12(a)、
図12(b)は、AF動作時のステッピングモータの制御について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下、一実施形態について
図1~
図12に基づいて詳細に説明する。
【0007】
図1は、一実施形態に係るレンズ鏡筒200を示した断面図である。
図1の上半部はレンズ鏡筒200がワイド側(広角側)にズーミングされた状態を示しており、下半部はレンズ鏡筒200がテレ側(望遠側)にズーミングされた状態を示している。
【0008】
レンズ鏡筒200は、マウント201を介してカメラボディ300に対して着脱可能である。ただし、これに限定されず、レンズ鏡筒200とカメラボディ300とは一体であっても良い。レンズ鏡筒200とカメラボディ300とを含んで、撮像装置が構成されている。
【0009】
図1に示すように、レンズ鏡筒200は、第1レンズ群L1、第2レンズ群L2、第3レンズ群L3、第4レンズ群L4、第5レンズ群L5を備える。本実施形態において第2レンズ群L2は、フォーカスレンズ群FLであり、フォーカスレンズ保持枠23に保持されている。
【0010】
レンズ鏡筒200は、さらに、フォーカスレンズ保持枠23を駆動するためのカム環28と、マニュアルフォーカス操作の際に回転操作されるMF(マニュアルフォーカス)操作環25と、オートフォーカス動作の際に駆動力を発生するステッピングモータ3(
図1では不図示、
図4等参照)と、MF操作環25またはステッピングモータ3の回転力を、カム環28に伝達する動力伝達装置100(
図4参照)と、動力伝達装置100により回転力が伝達され、カム環28を回転するセグメント環26と、を備える。なお、以下、マニュアルフォーカスをMF、オートフォーカスをAFという。
【0011】
ここで、
図2はフォーカスレンズ群FLおよびフォーカスレンズ保持枠23とセグメント環26との連動機構を説明する側断面図である。また、
図3はカム環28の展開図である。また、
図4は動力伝達装置100を含むレンズ鏡筒200の要部の背面斜視図であり、
図5は動力伝達装置100を含むレンズ鏡筒200の要部の正面斜視図である。
【0012】
図2に示すように、フォーカスレンズ保持枠23には、外周側に突出する連動ピン29が取り付けられている。フォーカスレンズ保持枠23の外周側にはカム環28が設けられており、連動ピン29はカム環28に形成されたカム溝28aを貫通している。さらに、カム環28の外周側にはフォーカスキー24が配置されており、連動ピン29は、フォーカスキー24に設けられた直進溝24aを貫通している。
【0013】
フォーカスキー24は、L字状部材で、光軸OA方向に延びる第1部分24Aと、光軸OAを中心とした径方向(第1部分24Aから外周方向)に延びる第2部分24Bとを備える。第1部分24Aには、光軸OA方向に沿って形成された直進溝24aが設けられている。
【0014】
フォーカスキー24の第2部分24Bは、セグメント環26に固定されている。セグメント環26には、キャリアギヤ7(
図8参照)に噛み合う内歯26a(
図4参照)が形成されている。詳細については後述するが、セグメント環26は、MF操作がされた場合、MF操作環25の回転が伝達されて回転し、AF動作がされた場合、後述するステッピングモータ3の回転が伝達されて回転する。
【0015】
図6は、
図3に示すカム環28の破線領域S内のカム溝28aと、そのカム溝28a内を駆動する連動ピン29の移動領域を説明する図である。
【0016】
カム環28は、ズーミングの際に回転しながら光軸OAに沿って前後する。そうすると、連動ピン29のカム溝28aに対する相対位置も移動する。
【0017】
例えば、連動ピン29がズーミングによって移動可能なズーミング領域のうちの一端であるズーム位置P1に位置していたとする。そして、レンズ鏡筒200は無限遠に合焦していたとする。
【0018】
この状態で、フォーカシングによってカム環28が回転すると、連動ピン29は、カム溝28aにおいて、位置P1と、そのズーム状態で至近に合焦した状態の連動ピン29の位置であるP2との間(フォーカシング領域01)を移動する。
【0019】
また、レンズ鏡筒200が、連動ピン29がズーミングによって移動可能なズーミング領域のうちの他端であるズーム位置P2に位置していたとする。そして、レンズ鏡筒200は、無限遠に合焦していたとする。
【0020】
この状態でフォーカシングによってカム環28が回転すると、連動ピン29は、カム溝28aにおいて、位置P2と、そのズーム状態で至近に合焦した状態の連動ピン29の位置であるP3との間(フォーカシング領域05)を移動する。
【0021】
そして、レンズ鏡筒200のズーム位置が、ズーム位置P1とズーム位置P2との間の場合、連動ピン29は、カム溝28aにおいて、フォーカシング領域01とフォーカシング領域05との間の、図中、例えばフォーカシング領域02からフォーカシング領域05で示した領域を移動する。
【0022】
すなわち、レンズ鏡筒200のズーム位置が異なると、カム溝28aにおける連動ピン29が移動する領域も変わる。
【0023】
(動力伝達装置100)
図7は、動力伝達装置100の分解斜視図である。また、
図8は、
図4のS1-S1線および光軸OAを通る切断面図であり、
図9は、
図4のS2-S2線および光軸OAを通る切断面図である。
【0024】
動力伝達装置100は、
図4および
図5に示すように、光学系の有効光束範囲を避けることが可能な位置に各部材が円弧状に配置されている。
【0025】
図7に示すように、動力伝達装置100は、セグメント環26を回転させるための回転機構100Cと、MF操作環25の回転を回転機構100Cに伝達する第1動力伝達機構100Aと、ステッピングモータ3を含み、ステッピングモータ3の駆動力を回転機構100Cに伝達する第2動力伝達機構100Bと、ギヤケース2と、ギヤカバー1と、を備える。以下、各部の詳細について説明する。
【0026】
(第1動力伝達機構100A)
第1動力伝達機構100Aは、MF操作環25の回転によって回転されるMF連結ギヤ16と、クラッチギヤ17と、ワッシャ18と、圧縮ばね19と、軸部材20と、基板21と、E型止め輪15と、フリクションギヤ13と、フリクションばね14とを備える。
【0027】
MF連結ギヤ16は、ギヤケース2とギヤカバー1の間で回転可能に軸支された軸部材20に対して回転不能に取り付けられている。そして、MF連結ギヤ16は、MF操作環25の内周面に形成されたギヤと噛み合っている。
【0028】
軸部材20にはフランジ20aが形成され、そのフランジ20aにMF操作検出用の基板21が組み付けられている。MF操作環25の回転操作(MF操作)がなされると、MF連結ギヤ16、軸部材20および基板21が一体的に回転する。
【0029】
基板21の表面には2つのパターンが設けられている。ギヤケース2に取り付けられたブラシ27は基板21に接触している。基板21が回転すると、基板21の2つのパターンとブラシ27との接触により、図示しない制御部にオン信号およびオフ信号が交互に入力されるので、それらの信号入力により制御部はMF操作環25が回転操作されたことを検知することができる。
【0030】
クラッチギヤ17は、軸部材20に回転可能に軸支されている。クラッチギヤ17は、フリクションギヤ13の小径ギヤ13cと噛み合っている。また、クラッチギヤ17は、フランジ20aとの間に設けた圧縮ばね19、およびMF連結ギヤ16と連動するワッシャ18を介してMF連結ギヤ16に押し付けられる。
【0031】
クラッチギヤ17は通常はMF連結ギヤ16と一体で回転し、フリクションギヤ13へ回転を伝達するが、フリクションギヤ13の回転負荷が所定値以上となると、クラッチギヤ17は静止状態となりMF連結ギヤ16と軸部材20のみが回転する。
【0032】
E型止め輪15は、軸部材20に設けられた各部品を締結する。
【0033】
フリクションギヤ13は、ばね摺動部13aを有する。フリクションばね14は、フリクションギヤ13を、ギヤケース2側に押し付けられた状態で回転可能に支持する。フリクションギヤ13を回転させるためには、フリクションばね14により設定された所定値以上の力でMF操作環25を回す必要があるため、MF操作に適度な操作感を与えることが可能となる。また、フリクションギヤ13は大径ギヤ13bと小径ギヤ13cとを有し、小径ギヤ13cはクラッチギヤ17と噛合している。
【0034】
(回転機構100C)
回転機構100Cは、平歯ギヤ12と、ギヤ一体軸部材10と、リングギヤ11と、遊星ギヤ8と、押え板9と、キャリアギヤ7と、を備える。
【0035】
平歯ギヤ12はフリクションギヤ13の大径ギヤ13bと噛み合い、ギヤ一体軸部材10に対して回転不能に取り付けられている。ギヤ一体軸部材10はギヤケース2およびギヤカバー1に回転可能に軸支され、その上部には太陽ギヤ10aが一体的に形成されている。このため、フリクションギヤ13が回転すると、その回転は平歯ギヤ12を介してギヤ一体軸部材10を回転させ、これに伴って太陽ギヤ10aが回転する。
【0036】
リングギヤ11は、ギヤ一体軸部材10に回転可能に軸支され、外周面および内周面にそれぞれ外側ギヤ11a、内側ギヤ11bを有する。内側ギヤ11bは、太陽ギヤ10aを囲むように位置する。また、リングギヤ11の内側ギヤ11bは太陽ギヤ10aの周囲に配置されキャリアギヤ7に固定された複数の遊星ギヤ8と噛み合っている。
【0037】
キャリアギヤ7は、フォーカスレンズ保持枠23およびフォーカスレンズ群FLに動力を伝達する。キャリアギヤ7は、ギヤ一体軸部材10に回転可能に軸支されている。
【0038】
遊星ギヤ8は、複数設けられ、キャリアギヤ7に回転可能に軸支され、太陽ギヤ10aとリングギヤ11の内側ギヤ11bとに噛み合っている。複数の遊星ギヤ8は、キャリアギヤ7の回転軸(ギヤ一体軸部材10の回転中心)から等距離に配置されており、遊星ギヤ8がキャリアギヤ7の回転軸周りに公転することで、キャリアギヤ7が回転する。押え板9は、キャリアギヤ7との間で遊星ギヤ8を挟み込んでいる。
【0039】
(第2動力伝達機構100B)
第2動力伝達機構100Bは、ステッピングモータ3と、ウォームギヤ4と、ウォームホイール5と、支持軸6と、を備える。
【0040】
本実施形態では、ステッピングモータ3は、AF動作の際の動力源であり、ギヤケース2に、MF操作環25の回転方向に沿った方向に出力軸(回転軸)が延在するように組み付けられている。ステッピングモータ3は、光軸OAと垂直な軸周りに出力軸が回転する小型のモータである。ステッピングモータ3には、図示しない配線部材を介して駆動信号が入力される。
【0041】
ステッピングモータ3は、駆動信号として電気パルス信号が入力され、電気パルス信号に同期して、機械的に断続するステップ動作を発生させる電動機である。電気パルス信号に基づいて、出力軸が断続的に回転する。出力軸は、入力パルスの周波数に基づいた回転速度で、また、入力パルスの数に基づいた回転角度で回転する。すなわち、ステッピングモータ3は、出力軸の回転量を検出可能なモータであるといえる。
【0042】
ウォームギヤ4は、ステッピングモータ3の出力軸に圧入固定されている。このウォームギヤ4は、支持軸6により光軸OA方向と平行に配置されたウォームホイール5に噛み合っている。ウォームホイール5に設けられたギヤ5aはリングギヤ11の外側ギヤ11aに噛み合っている。
【0043】
ただし、これに限定されず、リングギヤ11の外歯自体がウォームホイール5の形状となり直接ウォームギヤ4と噛み合う構成として、バックラッシュの削減や小型化を目指しても良い。
【0044】
ウォームギヤ4は、ねじ状の歯車であり、ウォームギヤ4と噛み合うウォームホイール5は斜歯歯車である。ウォームギヤ4が回転することによりウォームホイール5の歯を送って回転させる機構となっている。ウォームギヤ4の溝の進み角を小さくすると、ウォームホイール5側からウォームギヤ4側への回転の伝達が困難になる。すなわちウォームホイール5側からウォームギヤ4を回転させることができなくなる。これがセルフロック機構である。したがって、本実施形態では、ウォームホイール5からウォームギヤ4に回転力を伝達することができない。ウォームギヤ4のセルフロック機構を構成する上で、ウォームギヤ4の正転・逆転でのスラスト移動を防止し、ウォームギヤ4の進み角が摩擦角より大きくならないようにする。特に、多条のウォームギヤ4を用いる場合は注意が必要であるが、その方法としてはウォームギヤ4の先端を付勢板バネで付勢しても良い。
【0045】
(GMRセンサ203)
図10は、レンズ鏡筒200のうち、マウント201(
図1参照)に固定されている固定筒202を含む部分の背面斜視図である。また、
図11は、
図10から固定筒202を取り外した状態を示す背面斜視図である。
【0046】
図10に示すように、固定筒202の一部には、GMR(Giant Magneto Resistive effect:巨大磁気抵抗効果)センサ203が設けられている。また、
図11に示すように、セグメント環26の外周には、回転位置検出用の磁気シート204が貼り付けられている。GMRセンサ203は、磁気シート204と対向しており、セグメント環26及びフォーカスキー24の光軸回りの回転位置(固定筒202を基準とする位置)や回転量に応じたパルス(
図12(b)に示す矩形波)を不図示の制御部に対して出力する。
【0047】
ここで、GMRセンサ203の検出精度(分解能)は、ステッピングモータ3による出力軸の回転量の検出精度(分解能)よりも高く設定されているものとする。より具体的には、GMRセンサ203の検出精度は、ステッピングモータ3の検出精度の3~10倍であることが好ましく、3~6倍であることがより好ましい。GMRセンサ203とステッピングモータ3の検出精度差は、像面移動係数や動力伝達装置100のギヤ列の減速比などから任意に設定することができる。
【0048】
(MF操作時の動力伝達装置100の動作)
MF時、MF操作環25の回転操作(MF操作)がなされると、MF連結ギヤ16、軸部材20および基板21が一体に回転する。
【0049】
クラッチギヤ17は通常はMF連結ギヤ16と一体で回転し、フリクションギヤ13へ回転力を伝達するが、フリクションギヤ13の回転負荷が所定値以上となると、クラッチギヤ17は静止状態となりMF連結ギヤ16と軸部材20のみが回転する。このクラッチギヤ17を設けることで、フォーカス光学系が至近側、無限遠側のいずれかの端部に達して移動が阻止されても、MF操作環25の回転(空回り)が許容されるため、各部に無理な力が加わることがなくその破損を防止できる。
【0050】
フリクションギヤ13の小径ギヤ13cはクラッチギヤ17と噛合しているのでフリクションギヤ13の回転負荷が所定値より小さい場合、クラッチギヤ17が回転すると、フリクションギヤ13も回転する。
【0051】
そして、フリクションギヤ13の大径ギヤ13bと噛合している平歯ギヤ12が回転し、平歯ギヤ12の回転によりギヤ一体軸部材10が回転する。
【0052】
そうすると、ギヤ一体軸部材10の太陽ギヤ10aが回転し、その回転より遊星ギヤ8は回転しながらギヤ一体軸部材10の中心軸周りに公転する。遊星ギヤ8の公転によってキャリアギヤ7が回転する。
【0053】
キャリアギヤ7と、セグメント環26の内歯26aが噛み合っているため、キャリアギヤ7の回転により、セグメント環26が回転する。
【0054】
フォーカスレンズ保持枠23(およびフォーカスレンズ群FL)を連動させるフォーカスキー24はセグメント環26に固定されている。
【0055】
したがって、フォーカスレンズ保持枠23(およびフォーカスレンズ群FL)はセグメント環26の回転により回転しつつ、カム環28のカム溝28aに沿って光軸OA方向に駆動されてMFが行われる。
【0056】
リングギヤ11の外側ギヤ11aはウォームホイール5のギヤ5aに噛み合っており、ウォームギヤ4へ回転を伝達する経路を有しているが、ウォームギヤ4のセルフロック機構によりこの回転は阻止される。したがって、リングギヤ11も回転しない。
【0057】
(AF動作時の動力伝達装置100の動作)
AF動作時、不図示の制御部からの信号によりステッピングモータ3が駆動する。
【0058】
ステッピングモータ3の出力軸の回転力は、ウォームギヤ4、ウォームホイール5のギヤ5aおよびリングギヤ11の外側ギヤ11aを介して伝達され、リングギヤ11を回転させ、これに伴って複数の遊星ギヤ8が回転する。
【0059】
一方、ギヤ一体軸部材10は、フリクションギヤ13と平歯ギヤ12との噛み合いによりロックされている(フリクションギヤ13を回転させるだけのトルクが伝達されない)ので、フリクションギヤ13は回転しない。
【0060】
そのため、フリクションギヤ13と噛み合っている平歯ギヤ12も回転せず、太陽ギヤ10aも回転しない。その結果、リングギヤ11の回転によって回転する遊星ギヤ8は回転しながらギヤ一体軸部材10の中心軸周りに公転する。遊星ギヤ8の公転によってキャリアギヤ7が回転する。
【0061】
キャリアギヤ7と、セグメント環26の内歯26aが噛み合っているため、キャリアギヤ7の回転により、セグメント環26が回転する。
【0062】
フォーカスレンズ保持枠23(およびフォーカスレンズ群FL)を連動させるフォーカスキー24はセグメント環26に固定されている。
【0063】
したがって、フォーカスレンズ保持枠23(およびフォーカスレンズ群FL)はセグメント環26の回転により回転しつつ、カム環28のカム溝28aに沿って光軸OA方向に駆動されてAFが行われる。すなわち、本実施形態においては、セグメント環26及びフォーカスキー24を含んで、光軸回りに回転することでフォーカスレンズ群FLを光軸方向に駆動させる駆動部材としての機能が実現されている。また、動力伝達装置100を含んで、ステッピングモータ3の出力軸の回転による動力をセグメント環26及びフォーカスキー24に伝達し、セグメント環26及びフォーカスキー24を光軸回りに回転させる動力伝達機構としての機能が実現されている。
【0064】
なお、本実施形態では、太陽ギヤ10aが形成されたギヤ一体軸部材10には回転規制され取り付けられた平歯ギヤ12が組み込まれ、フリクションギヤ13と噛み合い、回転力の伝達経路を形成しているが、フリクションギヤ13はフリクションばね14によりギヤケース2に押し付けられており、所定値以上の力が加わらないかぎり回転は阻止されている。したがって、フリクションギヤ13は回転しないため、第1動力伝達機構100AやMF操作環25が回転することはない。
【0065】
(AF動作時のステッピングモータ30の制御について)
AF動作時には、フォーカスレンズ群FLは、無限位置と至近位置とを往復する繰返し動作(ウォブリング)を行った後に、目標位置まで移動する。
【0066】
ここで、例えば、初期化位置を無限位置と仮定し、至近位置へフォーカスレンズ群FLを移動した後に無限位置に戻すとする。この場合、本実施形態のような多数のギヤを有する動力伝達装置100を用いることとすると、フォーカスレンズ群FLの移動方向が反転するときに、ギヤの累積バックラッシュ分(ギヤがかみ合うまでに必要な駆動量)だけ余計にモータを回転させる必要がある。このステッピングモータ3を余計に回転させる区間を、以下においては「ガタ取り駆動区間」とも呼ぶものとする。
【0067】
ここで、本実施形態についての説明の前に、比較例について説明する。
図12(a)には、フォーカスレンズ群FLを駆動する駆動機構として超音波モータを用いた場合の、GMRセンサ203の出力パルスと、セグメント環26の駆動速度との関係が示されている。なお、セグメント環26の駆動速度は、フォーカスレンズ群FLの駆動速度とも言える。
図2では、GMRセンサ203の出力パルスを一定としているが、フォーカスレンズ群FLの加減速に伴って出力パルスの間隔は変化することもある。
【0068】
比較例の場合、制御部は、超音波モータの回転量を把握できない。このため、制御部は、ガタ取り駆動区間を、ギヤの累積バックラッシュの設計値(設計バックラッシュ量)にオーバーラン量を多めに加算した量としておく必要がある(
図12(a)参照)。
【0069】
このため、比較例では、制御部は、無限位置から至近位置まで超音波モータを用いてフォーカスレンズ群FLを駆動(加速→等速→減速)した後、逆方向に予め設定しておいたガタ取り駆動区間分だけ駆動した後に加速を開始する。この場合、
図12(a)に示すように、ガタ取り駆動区間後にセグメント環26が動き出してから(GMRセンサ203からパルスが出力されてから)、長時間経過した後に無限位置に向かうための加速を開始することになる。
【0070】
これに対し、本実施形態では、ステッピングモータ3を用いることとしている。
図12(b)には、本実施形態におけるGMRセンサ203の出力パルスと、セグメント環26の駆動速度との関係が示されている。なお、セグメント環26の駆動速度は、フォーカスレンズ群FLの駆動速度とも言える。
【0071】
本実施形態においては、制御部は、ガタ取り駆動区間に対応する回転量をステッピングモータ3の回転角に変換することで、ステッピングモータ3の回転量をパルス制御することができる。このため、制御部は、事前にステッピングモータ3を駆動させ、駆動時のGMRセンサ203の出力パルスを取得することで、ガタ取り駆動区間に対応する回転量(基準回転量)を求めることができる。また、制御部は、ガタ取り駆動区間において、ステッピングモータ3に対して駆動パルスを何パルス入力すればよいかを特定することができる。このガタ取り駆動区間において入力すべき駆動パルス数を、以下「基準パルス数」と呼ぶ。基準パルス数は、メモリ等に記憶され、制御部が適宜読み取ることが可能となっている。
【0072】
本実施形態では、制御部は、ガタ取り駆動区間において、ステッピングモータ3に駆動パルスを基準パルス数だけ入力する。これにより、
図12(b)に示すように、オーバーラン量を必要最小限にすることができる。また、本実施形態では、フォーカスレンズ群FLをガタ取り駆動区間経過後に速やかに加速することができるので、フォーカスレンズ群FLを目標位置に到達させるための時間を短くすることができる。特に、動画撮影時には、静止画撮影時に比べてフォーカスレンズ群FLの駆動速度が遅いため、加速開始までの期間を短くすることによるフォーカスレンズ群FLの駆動時間に与える影響は大きい。
【0073】
ここで、制御部は、上述したように、ガタ取り駆動区間における基準パルス数を把握している。したがって、制御部は、駆動パルスの周波数を大きくすることで、ステッピングモータ3の駆動を高速で行うことができる。これにより、フォーカスレンズ群FLが目標位置に到達するまでの時間を更に短縮することができる。
【0074】
ただし、ガタ取り駆動区間の全域においてステッピングモータ3を高速で駆動した場合、ギヤのバックラッシュが解消するときに、ギヤの衝突音が大きくなるおそれがある。そこで、制御部は、バックラッシュが解消される直前(ガタ取り駆動区間が終了する直前)において、駆動パルスの周波数を小さくすることで、ステッピングモータ3の回転速度を低下させる。すなわち、制御部は、ガタ取り駆動区間においてステッピングモータ3の回転軸が回転し始めてからセグメント環26やフォーカスキー24が回転し始めるまでの間のモータの速度(第1回転速度)を、セグメント環26やフォーカスキー24が回転し始めたとき(ガタ取り駆動区間の直後)の速度(第2回転速度)よりも早い速度に制御する。このようにすることで、ギヤの衝突音を低減することが可能となる。なお、第2回転速度は、ステッピングモータ3に脱調が生じない程度の速度とする。これにより、ステッピングモータ3の脱調を防止することができる。
【0075】
(基準パルス数の特定方法)
制御部は、基準パルス数を特定する際に、無限位置(又は至近位置)からステッピングモータ3を一定速度で微少ステップ駆動させ、GMRセンサ203からパルス出力があった時点をガタ取り駆動区間の終了時点と判断する。そして、微小ステップ駆動中のステッピングモータ3の回転量を基準回転量とするとともに、基準回転量だけステッピングモータ3を回転させるための駆動パルス数を基準パルス数として特定する。
【0076】
ここで、本実施形態では、GMRセンサ203の検出精度を、ステッピングモータ3による出力軸の回転量の検出精度よりも高く設定している。これにより、GMRセンサ203を用いて、ガタ取り駆動区間の終了タイミングを適切に検出することができるため、基準パルス数として適切な値を設定することができる。
【0077】
なお、制御部は、上述した基準パルス数の特定を所定タイミングごとに行い、メモリに記憶されている基準パルス数を適宜更新することとしてもよい。所定タイミングは、一定時間間隔であってもよいし、ステッピングモータ3の動作とGMRセンサ203の出力との間に所定以上の誤差が生じたタイミングなどであってもよい。なお、環境温度や姿勢が変化した結果、基準パルス数が設計値範囲から大きく乖離したような場合には、カメラの動作を緊急停止させることとしてもよい。
【0078】
以上、詳細に説明したように、本実施形態によると、出力軸(回転軸)を回転させるとともにその回転量を検出可能なステッピングモータ3と、光軸回りに回転することで、フォーカスレンズ群FLを光軸方向に駆動させるセグメント環26やフォーカスキー24と、出力軸による動力をセグメント環26やフォーカスキー24に伝達し、光軸回りに回転させる動力伝達装置100と、セグメント環26やフォーカスキー24の光軸回りの回転量を検出するGMRセンサ203と、ステッピングモータ3の回転を制御する制御部と、を備えている。そして、制御部は、出力軸が回転し始めてからセグメント環26やフォーカスキー24が回転を始めるまでの間のステッピングモータ3の回転速度(第1回転速度)を、セグメント環26やフォーカスキー24が回転を始めた後のステッピングモータ3の回転速度(第2回転速度)よりも早い速度で制御する。これにより、本実施形態では、ガタ取り駆動区間におけるステッピングモータ3の動作時間を短時間とすることができるため、フォーカスレンズ群FLを短時間で目標位置に到達させることができる。また、本実施形態では、第2回転速度を第1回転速度よりも遅い速度とするため、ギヤの衝突音を低減することができる。
【0079】
また、本実施形態では、制御部は、ガタ取り駆動区間における出力軸の回転量(基準回転量)や、これに対応する基準パルス数を、GMRセンサ203によって検出されるセグメント環26やフォーカスキー24の回転量と、出力軸の回転量との関係から特定する。これにより、基準回転量や基準パルス数を適切な値とすることができる。
【0080】
また、本実施形態では、GMRセンサ203による検出精度を、ステッピングモータ3による出力軸の回転量の検出精度よりも高くしているので、ガタ取り駆動区間に対応するステッピングモータ3の駆動パルス数として、適切な値を決定することができる。
【0081】
(変形例)
次に、変形例について、
図13に基づいて説明する。本実施形態においては、
図6に示すように、カム環28に形成されているカム溝28aの形状が直線状ではないため、ステッピングモータ3の出力軸を一定速度で回転しても、連動ピン29の位置に応じてトルク負荷にムラ(駆動ムラ)が発生する。この駆動ムラはレンズ鏡筒200の使用環境条件の変化によって影響を受けることが知られている。
【0082】
例えば、GMRセンサ203の波形が
図13(a)のような間隔で発生している場合を通常使用状態とする。一方、環境が低温環境となると、
図13(b)に示すように、フォーカスレンズ群FLの駆動負荷が増加するためGMRセンサ203の出力波形の幅が広がるのが一般的である。
【0083】
ここで、ステッピングモータ3の一般的なトルク曲線図は
図13(c)に示すようになる。
図13(c)のトルク曲線図は、横軸が駆動速度(PPS)、縦軸がトルク(gf・cm)であり、フォーカスレンズ群FLの駆動方向ごとにトルク曲線を示している。
【0084】
図13(c)に示すように、ステッピングモータ3は、駆動速度を遅くすると、トルクに有利になる特性がある。この特性を活用して、従来においては、出力波形が広がった状態(
図13(b)の状態)になった場合に、レンズ鏡筒200やカメラボディ300に設けられたサーミスタ(温度センサ)で環境温度を把握してステッピングモータ3の駆動速度を遅くすることで、駆動負荷に対して十分なトルクを確保し、駆動ムラを改善し、音圧や振動を抑制することが行われていた。
【0085】
一方、最近においては、GMRセンサ203の出力波形が
図13(b)のように広がるのは、低温環境下においてだけではなく、姿勢差(カメラが上向きであるか下向きであるかなど)の影響によっても起こることが分かってきた。
【0086】
そこで、本実施形態では、温度変化がない状態で、GMRセンサ203のパルス波形が
図13(b)のようになったときに、制御部は、負荷トルクが増大したと判断し、ステッピングモータ3の駆動速度を遅くするように制御する。
【0087】
このようにすることで、レンズ鏡筒200に姿勢変化が生じた場合にも、駆動負荷に対して十分なトルクを確保し、駆動ムラを改善し、音圧や振動の回避を行うことができる。この場合、GMRセンサ203の出力パルスの波形に基づいて、姿勢に応じたステッピングモータ3の制御を行うことができるため、レンズ鏡筒200やカメラボディ300に姿勢を検知する装置(ジャイロセンサ等)を設けなくてもよくなり、部品点数の低減及びレンズ鏡筒200やカメラボディ300の小型化を図ることが可能となる。
【0088】
また、フォーカスレンズ群FLを駆動する駆動機構が超音波モータである場合には、上記制御を行うためには、超音波モータの回転量を把握するための回転検出機構が必要となるが、本実施形態では、回転検出機構を別途設ける必要がないため、部品点数増加の抑制を図ることができるとともに、スペース効率を向上することが可能である。
【0089】
なお、本変形例に関しては、ステッピングモータ3の出力軸とセグメント環26との間に動力伝達装置100が設けられていなくてもよい。すなわち、ステッピングモータ3の回転がセグメント環26に直接伝達される直動タイプであってもよい。
【0090】
なお、上記実施形態では、GMRセンサ203に代えて、可変抵抗(ポテンショメータ等)などの位置センサを用いてもよい。
【0091】
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
【符号の説明】
【0092】
3 ステッピングモータ(モータ)
24 フォーカスキー(駆動部材の一部)
26 セグメント環(駆動部材の一部)
100 動力伝達装置(動力伝達機構)
203 GMRセンサ(検出部)
200 レンズ鏡筒(撮像装置の一部)
300 カメラボディ(撮像装置の一部)
FL フォーカスレンズ群(レンズ)