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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-21
(45)【発行日】2023-08-29
(54)【発明の名称】高吸水性含水ゲル複合細切装置
(51)【国際特許分類】
   C08J 3/12 20060101AFI20230822BHJP
【FI】
C08J3/12 A CEY
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022500712
(86)(22)【出願日】2020-11-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-22
(86)【国際出願番号】 KR2020016390
(87)【国際公開番号】W WO2021101277
(87)【国際公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】10-2019-0150705
(32)【優先日】2019-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ジヌク・チェ
(72)【発明者】
【氏名】ヒチャン・ウ
(72)【発明者】
【氏名】ギチョル・キム
(72)【発明者】
【氏名】ユン・ジェ・ミン
【審査官】横山 敏志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/030130(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/030129(WO,A1)
【文献】米国特許第4844372(US,A)
【文献】特開昭62-091251(JP,A)
【文献】特開昭62-286559(JP,A)
【文献】特開昭62-286560(JP,A)
【文献】特表2008-514396(JP,A)
【文献】国際公開第2016/052537(WO,A1)
【文献】特表2010-505003(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J 3/00- 3/28;99/00
C08C 19/00- 19/44
C08F 6/00-246/00;301/00
B02C 13/00- 13/31
B02C 18/00- 18/38
B02C 9/00- 11/08
B02C 19/00- 25/00
B01J 20/00- 20/28
B01J 20/30- 20/34
A61F 13/15- 15/64
Japio-GPG/FX
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に含水ゲルが移送される移送空間が形成され、側面には排出部が形成されたバレルボディ;
前記バレルボディに設けられて前記移送空間で前記含水ゲルを移送する移送部;および
前記移送部に設けられて前記含水ゲルを粉砕して細切した状態で前記排出部の外部に排出する多数の細切モジュール;
を含み、
前記細切モジュールは、
前記バレルボディの内部に設けられて前記移送部によって移送された前記含水ゲルを粉砕するカッター部材;および
前記カッター部材によって粉砕された前記含水ゲルを細切した状態で排出する多孔板;
を含む、高吸水性含水ゲル複合細切装置。
【請求項2】
前記移送部は、
前記移送空間の内部に回転可能に設けられて含水ゲルを移動させるスクリュー部材;および
前記スクリュー部材に回転駆動力を提供する駆動モータ;
を含む、請求項に記載の高吸水性含水ゲル複合細切装置。
【請求項3】
前記多数の細切モジュールは、
前記スクリュー部材で前記排出部方向に互いに離隔した状態で設けられる、請求項に記載の高吸水性含水ゲル複合細切装置。
【請求項4】
多数の前記多孔板には前記含水ゲルを細切した状態で排出する多数の細切孔が形成され、
前記細切孔は多数の前記多孔板に互いに相違する大きさの直径でそれぞれ形成される、請求項に記載の高吸水性含水ゲル複合細切装置。
【請求項5】
前記細切孔は、多数の前記多孔板のうち前記排出部位置で最小直径で形成される、請求項に記載の高吸水性含水ゲル複合細切装置。
【請求項6】
前記スクリュー部材のねじ山は同じピッチ(pitch)で形成される、請求項からのいずれか一項に記載の高吸水性含水ゲル複合細切装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願との相互引用]
本出願は2019年11月21日付韓国特許出願第10-2019-0150705号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は含水ゲルの円滑な細切が可能な高吸水性含水ゲル複合細切装置に関する。
【背景技術】
【0003】
高吸水性樹脂(Super Absorbent Polymer,SAP)とは、自重の5百ないし1千倍程度の水分を吸収できる機能を有する合成高分子物質であって、開発業者ごとにSAM(Super Absorbency Material)、AGM(Absorbent Gel Material)などそれぞれ異なる名称で名付けられている。
【0004】
前記のような高吸水性樹脂は生理用品として実用化され始め、現在は子供用紙おむつなど衛生用品の他に園芸用土壌保水剤、土木、建築用止水材、育苗用シート、食品流通分野における鮮度保持剤、および湿布用などの材料として広く使われている。
【0005】
前記のような高吸水性樹脂を製造する方法としては逆相懸濁重合による方法または水溶液重合による方法などが知られている。逆相懸濁重合については例えば日本の特開昭56-161408号公報、特開昭57-158209号公報および特開昭57-198714号公報などに開示されている。水溶液重合による方法としてはまたいくつかの軸を備えた混練機内で含水ゲル状重合体を破断、冷却しながら重合する熱重合方法、および高濃度水溶液をベルト上で紫外線などを照射して重合と乾燥を同時に行う光重合方法などが知られている。
【0006】
前記のような重合反応を経て得た含水ゲル(hydrogel)または含水ゲル状重合体(hydrogel polymer)は一般的に乾燥工程を経て粉砕した後、粉末状の製品として市販される。前記のような乾燥段階を効率的に行うためには含水ゲル状重合体の表面積をできるだけ大きくすることが重要である。したがって、前記乾燥工程前に含水ゲル状重合体の表面積をできるだけ大きくするために、熱重合または光重合により重合した含水ゲル状重合体を簡単に粉砕して乾燥する含水ゲル状重合体の表面積を増やす方法を考慮することができる。上記のように含水ゲル状重合体の表面積を増やすために、含水ゲル状重合体の重合後これを一次的に粉砕する工程が開示されている。
【0007】
このような含水ゲルの1次粉砕工程では主にチョッパー(chopper)が用いられている。
【0008】
このようなチョッパーは含水ゲルを移動させるスクリューと、螺旋を含むバレルと、含水ゲルを切断するカッター刃と、切られた含水ゲルが排出される多孔板を含む。
【0009】
ここでカッター刃と多孔板はそれぞれ一つ設けられるため、含水ゲルの細切される粒子の大きさを設定大きさ以下に細切しにくい問題がある。さらに細切過程を繰り返して粒子の大きさを設定大きさ以下に細切しても、非常に小さい粒子の大きさに細切されたゲルはチョッパー内の圧力を上昇させてニーディング(kneading)現象を発生させて水可溶成分(Extractable content,EC)増加と物性の変化を招く問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特開昭56-161408号公報
【文献】特開昭57-158209号公報
【文献】特開昭57-198714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の一実施形態は、含水ゲルを設定大きさ以下の小さい大きさへの細切作業が可能であり、製造品質が向上する高吸水性樹脂含水ゲル細切装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施形態は、内部に含水ゲルが移送される移送空間が形成され、側面には排出部が形成されたバレルボディと、バレルボディに設けられて移送空間で含水ゲルを移送する移送部と、移送部に設けられて含水ゲルを粉砕して細切した状態で排出部の外部に排出する多数の細切モジュールを含む。
【0013】
細切モジュールは、バレルボディの内部に設けられて移送部によって移送された含水ゲルを粉砕するカッター部材と、カッター部材によって粉砕された含水ゲルを細切した状態で排出する多孔板を含み得る。
【0014】
移送部は、移送空間の内部に回転可能に設けられて含水ゲルを移動させるスクリュー部材と、スクリュー部材に回転駆動力を提供する駆動モータを含み得る。
【0015】
多数の細切モジュールは、スクリュー部材で排出部方向に互いに離隔した状態で設けられ得る。
【0016】
多数の多孔板には含水ゲルを細切した状態で排出する多数の細切孔が形成され、細切孔は多数の多孔板に互いに相違する大きさの直径でそれぞれ形成され得る。
【0017】
細切孔は、多数の多孔板のうち前記排出部位置で最小直径で形成され得る。
【0018】
スクリュー部材のねじ山は同じピッチ(pitch)で形成され得る。
【発明の効果】
【0019】
本発明の一実施形態によれば、多孔板とカッター部材を設け、複数の多孔板のそれぞれに形成された細切孔の大きさを排出部方向に次第に減少するように形成し、含水ゲルの円滑な細切工程と設定大きさ以下の大きさの小さい大きさへの円滑な含水ゲルの細切作業が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第1実施形態による高吸水性含水ゲル複合細切装置を概略的に示す斜視図である。
図2図1の高吸水性含水ゲル複合細切装置を概略的に示す側面図である。
図3図1の高吸水性含水ゲル複合細切装置を概略的に示す要部断面図である。
図4】本発明の第1実施形態による多孔板がバレルボディの内部に多数設けられている状態を概略的に示す要部図である。
図5】従来の含水ゲルの温度40℃での細切状態を概略的に示す図である。
図6】本発明の第2実施形態による含水ゲルの温度80℃での細切状態を概略的に示す図である。
図7】本発明の第3実施形態によるスクリュー部材のピッチが等間隔に形成された状態を概略的に示す要部図である。
図8】従来技術による含水ゲルのニーディング(kneading)発生状態を概略的に示す要部拡大図である。
図9】本発明の第4実施形態の等間隔ピッチを有するスクリュー部材を用いて含水ゲルの細切された粒子を拡大して示す要部図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付する図面を参照して本発明の実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は様々な異なる形態で実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。図面で本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素に対しては同じ参照符号を付けた。
【0022】
図1は本発明の第1実施形態による高吸水性含水ゲル複合細切装置を概略的に示す斜視図であり、図2図1の高吸水性含水ゲル複合細切装置を概略的に示す側面図であり、図3図1の高吸水性含水ゲル複合細切装置を概略的に示す要部断面図である。
【0023】
図1ないし図3に示すように、本発明の第1実施形態による高吸水性含水ゲル複合細切装置100は、内部に含水ゲルが移送される移送空間11が形成されるバレルボディ10と、バレルボディ10に設けられて移送空間11で含水ゲルを移送する移送部20と、移送部20に設けられて含水ゲルを粉砕して細切した状態でバレルボディ10の外部に排出する多数の細切モジュール30を含む。
【0024】
バレルボディ10は内部に含水ゲルが移送される移送空間11が長手方向に沿って形成された状態で床面に支持された状態で設けられる。
【0025】
バレルボディ10の上部には移送空間11に含水ゲルを投入する投入部12が開口された状態で設けられる。
【0026】
バレルボディ10の下部には床面に安定した支持のために支持ベース部13が突出することも可能である。
【0027】
このようなバレルボディ10の内部にはバレル螺旋15が突出することも可能である。
【0028】
バレル螺旋15はバレルボディ10の内壁面でスクリュー部材21の螺旋形状に対応して螺旋形状に突出形成され得る。
【0029】
バレル螺旋15はバレルボディ10の内壁面でスクリュー部材21の螺旋形状に対応して逆方向への多数の螺旋形状に突出形成され得る。
【0030】
本実施形態でバレル螺旋15はバレルボディ10の内壁面に突出形成されることを例示的に説明するが、必ずしもこれに限定されるものではなく形成しないことも可能である。
【0031】
バレル螺旋15は必ずしも螺旋形状に限定されるものではなく、バレルボディ10の内壁面に同心円状の帯状突起またはスクリュー部材21の螺旋位置に対応するように突出する球状または角状突起などに多様に変更して適用することも可能である。
【0032】
このように、バレル螺旋15がバレルボディ10の内部に突出形成されるため、含水ゲルの細切補助作用と共に含水ゲルが逆流せず安定的に移送されることが可能である。
【0033】
含水ゲルは投入部12を介してバレルボディ10の内部に投入された状態で後述する移送部20の移送作動によって移送される。
【0034】
投入部12はバレルボディ10の上側に開口された状態で形成され、上側に拡管された状態で設けられて含水ゲルが内部に容易に投入されるように設けられる。
【0035】
このように、含水ゲルはバレルボディ10の内部に投入された状態で移送部20の駆動力によってバレルボディ10の排出部14方向に移送されて適切に粉砕される。
【0036】
移送部20はバレルボディ10に設けられ、含水ゲルの移送のための移送駆動力を提供するように設けられる。
【0037】
より具体的には、移送部20は移送空間11の内部に回転可能に設けられて含水ゲルを移動させるスクリュー部材21と、スクリュー部材21に回転駆動力を提供する駆動モータ23を含み得る。
【0038】
スクリュー部材21は、バレルボディ10の内部で移送空間11の長手方向に沿って回転可能に設けられ、駆動モータ23の駆動作動によって回転して移送空間11に充填された含水ゲルをバレルボディ10の排出部14方向に移送するように設けられる。
【0039】
駆動モータ23はバレルボディ10に設けられ、駆動軸はスクリュー部材21の一端に設けられ、スクリュー部材21を一方向に回転させて含水ゲルがバレルボディ10の内部で適切な移送速度を維持した状態で移送されるように回転駆動力を提供するように設けることができる。
【0040】
駆動モータ23とスクリュー部材21は減速機(図示せず)により回転駆動力が伝達されるように設けられる。
【0041】
一方、スクリュー部材21には含水ゲルを粉砕して細切した状態で排出部14の外部に排出する細切モジュール30が設けられる。
【0042】
このような細切モジュール30はスクリュー部材21の長手方向に沿って多数設けられる。
【0043】
このように、細切モジュール30がスクリュー部材21に多数設けられるのは含水ゲルの細切される粒子の大きさを適切な大きさに維持して円滑な細切を可能にするためである。
【0044】
より具体的に説明すると、細切モジュール30は、バレルボディ10の内部に設けられて移送部20により移送された含水ゲルを粉砕するカッター部材31と、カッター部材31により粉砕された含水ゲルを細切した状態で排出する多孔板33を含み得る。このような細切モジュール30はスクリュー部材21の長手方向に沿って複数個が互いに離隔した状態で設けられる。
【0045】
カッター部材31はスクリュー部材21の回転作動と共に回転可能に設けられてスクリュー部材21により移送空間11から移送された含水ゲルを適切に粉砕するように設けられる。
【0046】
カッター部材31は細切モジュール30が多数設けられるため、多孔板33を間に置いてスクリュー部材21に多数設けられる。
【0047】
多孔板33は多数のカッター部材31の間とバレルボディ10の排出部14位置にそれぞれ設けられる。多孔板33には複数の細切孔が形成される。
【0048】
したがって、カッター部材31により粉砕された含水ゲルはスクリュー部材21の回転作動によって発生した加圧力によってバレルボディ10の内部で加圧移動するため、多孔板33の細切孔を介して細切した状態で安定して排出される。
【0049】
ここでバレルボディ10の内部には界面活性剤が投入される。界面活性剤は含水ゲルがカッター部材31で粉砕されて多孔板33の細切孔を通過して細切される過程でより円滑な細切作用が行われるようにする。
【0050】
多孔板33は熱処理された金属材質で形成されて含水ゲルの移送される加圧力を安定的に支持する。
【0051】
図4は本発明の第1実施形態による多孔板がバレルボディの内部に多数設けられている状態を概略的に示す要部図である。
【0052】
図4に示すように、多孔板33に形成された細切孔33aは多数の多孔板33のそれぞれに相違する大きさの直径でそれぞれ形成される。図4はバレルボディ10の内部に設けられた多孔板33のみを概略的に示す要部図である。
【0053】
すなわち、多孔板33はスクリュー部材21の長手方向に沿って一定間隔互いに離隔した状態で複数設けられ、細切孔33aは複数配置された多孔板33のそれぞれで排出部14方向に直径が次第に減少した状態に形成される。
【0054】
このように、細切孔33aは多数の多孔板33のうちバレルボディ10の内部で駆動モータ23に最も近接した位置Aの多孔板33で最大直径で形成され、排出部14に最も近接した位置Bの多孔板33で最小直径で形成される。
【0055】
前述したように本実施形態の高吸水性含水ゲル複合細切装置100は、多孔板33とカッター部材31がスクリュー部材21の長手方向に沿って多数設けられ、複数の多孔板33のそれぞれに形成された細切孔33aの大きさを排出部14方向に次第に減少するようにし、含水ゲルの細切工程がより円滑に行われ、数ミリメートル以下の大きさの小さい大きさへの含水ゲルの細切も可能である。
【0056】
実施例1
実施例1はアクリル酸(acrylic acid)100g、32%苛性ソーダ(NaOH)123.5g、熱重合開始剤として過硫酸ナトリウム0.2g、光重合開始剤としてジフェニル(2,4,6トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド0.008g、ポリエチレングリコールジアクリレート(PEGDA)0.26gおよび水40.0gを混合して全体固形分の濃度が45.0重量%であるモノマー組成物を製造した。
【0057】
ここでモノマー組成物を紫外線照射装置に供給して同時に10mW/cmの強度を有する紫外線を照射して60秒間重合反応を行った。重合反応進行後に製造された重合シートに疎水性界面活性剤(SPAN 60)0.3gを塗布した後、等間隔のスクリューを有するチョッパーを用いて切断し、300RPM速度の回転式乾燥器を用いて乾燥を実施して最終含水ゲルサンプルを得た。
【0058】
比較例1
【0059】
【表1】
【0060】
上記表1に記載したように、含水ゲルを、多孔板を13回通過させる場合、平均粒子の大きさが減少することを確認することができ、比較例1により実施例1の含水ゲルを複数の多孔板を通過させる場合は含水ゲルの細切時平均粒子の大きさが減少することを把握することが可能である。
【0061】
実施例2および比較例2
下記表2のように実施例1の疎水性界面活性剤の種類をSA(ステアリン酸(Stearic acid)系)に変更し、比較例は細切過程の温度を40℃に変更し、40℃では激しいニーディング(kneading)現象により製造および測定が不可能であることを確認した。
【0062】
【表2】
【0063】
表2において、CRCは保水能(CRC,Centrifugal Retention Capacity)であり、ECは水可溶成分(Extractable content,EC)をいう。
【0064】
図5は重合シートの温度が40℃である場合、含水ゲル110の細切した状態の不良状態であり、図6は重合シートの温度が80℃である場合、含水ゲル110にニーディング(kneading)が発生しなかった状態である。
【0065】
図7は本発明の第3実施形態によるスクリュー部材のピッチが等間隔に形成された状態を概略的に示す要部図である。図1ないし図6と同じ参照番号に対してはその詳しい説明を省略する。
【0066】
図7に示すように、本発明の第3実施形態によるスクリュー部材121のピッチPは等間隔の同一ピッチに突出形成される。したがって、含水ゲルの細切された粒子はニーディング(kneading)現象が発生せず良好な状態で細切されることが可能である。
【0067】
下記表3は一般のスクリューと等間隔のピッチを有する第3実施形態のスクリュー部材を用いた含水ゲルの細切工程を示したものである。
【0068】
【表3】
【0069】
図8は従来のスクリュー部材を用いて含水ゲルの細切された粒子を拡大して示す要部拡大図であり、図9は本発明の第4実施形態の等間隔ピッチを有するスクリュー部材を用いて含水ゲルの細切された粒子を拡大して示す要部拡大図である。
【0070】
図8に示すように従来のスクリュー部材では含水ゲル210にニーディング(kneading)現象が発生し、図9に示すように本発明の第4実施形態では含水ゲル210にニーディング現象が発生しないことを確認することができる。さらに表3のようにECの減少効果を確認することができる。
【0071】
すなわち、図9に示すように、等間隔のピッチを有するスクリュー部材を用いる場合、圧力降下が発生して含水ゲル粒子のニーディング(kneading)現象が発生せず、水可溶成分(Extractable content,EC)の減少効果も可能である。
【0072】
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲と発明の詳細な説明および添付する図面の範囲内で多様に変形して実施することが可能であり、これもまた本発明の範囲に属するのは当然である。
【符号の説明】
【0073】
10 バレルボディ
11 移送空間
12 投入部
13 支持ベース部
14 排出部
15 バレル螺旋
20 移送部
21,121 スクリュー部材
23 駆動モータ
30 細切モジュール
31 カッター部材
33 多孔板
33a 細切孔
110,210 含水ゲル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9