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特許7338675静電チャック部材、静電チャック装置、および静電チャック部材の製造方法
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  • 特許-静電チャック部材、静電チャック装置、および静電チャック部材の製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-28
(45)【発行日】2023-09-05
(54)【発明の名称】静電チャック部材、静電チャック装置、および静電チャック部材の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20230829BHJP
   C04B 37/00 20060101ALI20230829BHJP
   H02N 13/00 20060101ALI20230829BHJP
【FI】
H01L21/68 R
C04B37/00 A
H02N13/00 D
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021210715
(22)【出願日】2021-12-24
(65)【公開番号】P2023095058
(43)【公開日】2023-07-06
【審査請求日】2022-11-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000183266
【氏名又は名称】住友大阪セメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100196058
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 彰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100206999
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 綾夏
(72)【発明者】
【氏名】一由 拓
(72)【発明者】
【氏名】大塚 剛史
(72)【発明者】
【氏名】乾 敏祥
【審査官】境 周一
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-220385(JP,A)
【文献】特開2021-028961(JP,A)
【文献】特開2001-096454(JP,A)
【文献】特開2006-188428(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0077094(KR,A)
【文献】特開2014-187214(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0066564(US,A1)
【文献】特開2017-208527(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
C04B 37/00
H02N 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料を搭載する載置面が設けられ前記載置面に直交する方向を厚さ方向とする誘電体基板と、
前記誘電体基板の内部に埋め込まれる吸着電極と、を備え、
前記誘電体基板の内部には、前記載置面の平面方向に沿って延びるガス流路が設けられ、
前記ガス流路の内側面は、
前記載置面と同方向を向く底面部と、
前記底面部に対向する天面部と、
前記底面部と前記天面部とを繋ぐ一対の側面部と、を有し、
一対の側面部の少なくとも一方は、前記厚さ方向に対して傾斜し、
前記ガス流路は、前記誘電体基板の中心に対し円弧状に延び、
一対の前記側面部のうち、一方は円弧内周側に配置される内周側面部であり、他方は円弧外周側に配置される外周側面部であり、
前記外周側面部の傾斜角度は、前記内周側面部の傾斜角度より大きい、
静電チャック部材。
【請求項2】
複数の前記ガス流路は、
前記誘電体基板の中心に対し円弧状に延びる内周流路と、
前記内周流路の同心円状外側に配置され円弧状に延びる外周流路と、を含み、
一対の前記側面部のうち、一方は円弧内周側に配置される内周側面部であり、他方は円弧外周側に配置される外周側面部であり、
前記外周流路の前記外周側面部の傾斜角度は、前記内周流路の前記外周側面部の傾斜角度より大きい、
請求項1に記載の静電チャック部材。
【請求項3】
前記外周流路の前記内周側面部の傾斜角度は、前記内周流路の前記内周側面部の傾斜角度より大きい、
請求項に記載の静電チャック部材。
【請求項4】
前記誘電体基板は、前記厚さ方向に積層される第1支持板および第2支持板を有し、
前記ガス流路は、前記第1支持板と前記第2支持板との間に設けられる、
請求項1~の何れか一項に記載の静電チャック部材。
【請求項5】
前記第1支持板と前記第2支持板とは、接合層を介して接合され、
前記側面部の少なくとも一部は、前記接合層に設けられ、
前記接合層の熱伝導率は、前記第1支持板および前記第2支持板の熱伝導率より高い、請求項に記載の静電チャック部材。
【請求項6】
前記誘電体基板の内部に埋め込まれる副電極層をさらに備え、
前記副電極層は、前記ガス流路と同一平面上に配置される、
請求項1~の何れか一項に記載の静電チャック部材。
【請求項7】
請求項1~の何れか一項に記載の静電チャック部材と、
前記静電チャック部材を前記載置面の反対側から支持する基台と、を備える、静電チャック装置。
【請求項8】
請求項1~6の何れか一項に記載の静電チャック部材の製造方法であって、
前記誘電体基板は、第1支持板および第2支持板を有し、
前記第1支持板又は前記第2支持板のうち少なくとも一方に凹溝を形成する凹溝形成工程と、
前記第1支持板と前記第2支持板とを厚さ方向に積層し接合する接合工程と、を有し、
凹溝形成工程において、開口側に向かうに従い幅寸法を大きくする前記凹溝を形成する、
静電チャック部材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電チャック部材、静電チャック装置、および静電チャック部材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程では、真空環境下で半導体ウエハを保持する静電チャック装置が用いられている。静電チャック装置は、載置面に半導体ウエハ等の板状試料を載置し、板状試料と内部電極との間に静電気力を発生させて、板状試料を吸着固定する。特許文献1には、セラミックスからなる絶縁物の内部にガスを流通させる平面視円弧状の流通空間を設けた静電吸着装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第3357991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
静電チャック部材の内部にガス流路を設けることで、静電チャック部材を伝熱ガスによって冷却することができる。しかしながら、従来の静電チャック部材は、ガス流路が設けられる領域とガス流路が設けられない領域との境界部分で急激な温度勾配が生じる。これにより、載置面に搭載されるウエハの温度分布に不均一が生じやすくなるという問題があった。
【0005】
本発明は、ウエハの温度分布を均一にしやすい静電チャック部材、静電チャック装置、および静電チャック部材の製造方法を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの態様の静電チャック部材は、試料を搭載する載置面が設けられ前記載置面に直交する方向を厚さ方向とする誘電体基板と、前記誘電体基板の内部に埋め込まれる吸着電極と、を備え、前記誘電体基板の内部には、前記載置面の平面方向に沿って延びるガス流路が設けられ、前記ガス流路の内側面は、前記載置面と同方向を向く底面部と、前記底面部に対向する天面部と、前記底面部と前記天面部とを繋ぐ一対の側面部と、を有し、一対の側面部の少なくとも一方は、前記厚さ方向に対して傾斜する。
【0007】
上記の静電チャック部材において、前記ガス流路は、前記誘電体基板の中心に対し円弧状に延びる構成としてもよい。
【0008】
上記の静電チャック部材において、一対の前記側面部のうち、一方は円弧内周側に配置される内周側面部であり、他方は円弧外周側に配置される外周側面部であり、前記外周側面部の傾斜角度は、前記内周側面部の傾斜角度より大きい構成としてもよい。
【0009】
上記の静電チャック部材において、複数の前記ガス流路は、前記誘電体基板の中心に対し円弧状に延びる内周流路と、前記内周流路の同心円状外側に配置され円弧状に延びる外周流路と、を含み、一対の前記側面部のうち、一方は円弧内周側に配置される内周側面部であり、他方は円弧外周側に配置される外周側面部であり、前記外周流路の前記外周側面部の傾斜角度は、前記内周流路の前記外周側面部の傾斜角度より大きい構成としてもよい。
【0010】
上記の静電チャック部材において、前記外周流路の前記内周側面部の傾斜角度は、前記内周流路の前記内周側面部の傾斜角度より大きい構成としてもよい。
【0011】
上記の静電チャック部材において、前記誘電体基板は、前記厚さ方向に積層される第1支持板および第2支持板を有し、前記ガス流路は、前記第1支持板と前記第2支持板との間に設けられる構成としてもよい。
【0012】
上記の静電チャック部材において、前記第1支持板と前記第2支持板とは、接合層を介して接合され、前記側面部の少なくとも一部は、前記接合層に設けられ、前記接合層の熱伝導率は、前記第1支持板および前記第2支持板の熱伝導率より高い構成としてもよい。
【0013】
上記の静電チャック部材において、前記誘電体基板の内部に埋め込まれる副電極層をさらに備え、前記副電極層は、前記ガス流路と同一平面上に配置される構成としてもよい。
【0014】
本発明の1つの態様の静電チャック装置は、上記の静電チャック部材と、前記静電チャック部材を前記載置面の反対側から支持する基台と、を備える。
【0015】
本発明の1つの態様の静電チャック部材の製造方法は、第1支持板、第2支持板を有する誘電体基板と、前記誘電体基板の内部に埋め込まれる吸着電極と、を備える静電チャック部材の製造方法であって、前記第1支持板又は前記第2支持板のうち少なくとも一方に凹溝を形成する凹溝形成工程と、前記第1支持板と前記第2支持板とを厚さ方向に積層し接合する接合工程と、を有し、凹溝形成工程において、開口側に向かうに従い幅寸法を大きくする前記凹溝を形成する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の1つの態様によれば、ウエハの温度分布を均一にしやすい静電チャック部材、静電チャック装置、および静電チャック部材の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、一実施形態の静電チャック装置を示す断面模式図である。
図2図2は、一実施形態の静電チャック部材の平面図である。
図3図3は、図1の領域IIIの拡大図である。
図4図4は、一実施形態の静電チャック部材の製造方法において、凹溝形成工程を示す図である。
図5図5は、一実施形態の静電チャック部材の製造方法において、塗布工程を示す図である。
図6図6は、一実施形態の静電チャック部材の製造方法において、接合工程を示す図である。
図7図7は、変形例の静電チャック部材の部分断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の静電チャック装置の各実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせて表示する場合がある。
また、各図には、Z軸を図示する。本明細書において、Z軸は、必要に応じて載置面と直交するする方向である。また、載置面が向く方向である上面を+Z方向とする。
【0019】
図1は、本実施形態の静電チャック装置1を示す断面模式図である。
静電チャック装置1は、ウエハ(試料)Wを搭載する載置面2sを有する静電チャック部材2と、静電チャック部材2を載置面2sの反対側から支持する基台3と、静電チャック部材2に電圧を付与する給電端子16と、を備える。なお、静電チャック部材2の上面の外周部には、ウエハWを囲むフォーカスリングが配置されていてもよい。
【0020】
静電チャック部材2は、中心軸Cを中心とする円盤状である。静電チャック部材2は、誘電体基板11と、誘電体基板11の内部に位置する吸着電極13と、を有する。静電チャック部材2は、誘電体基板11に設けられる載置面2sでウエハWを吸着する。
【0021】
以下の説明においては、静電チャック装置1の各部は、静電チャック部材2に対しウエハWを搭載する側を上側、基台3側を下側として説明される。また、静電チャック部材2は、上下方向(Z軸方向)を厚さ方向とする。すなわち、静電チャック部材2、および誘電体基板11は、載置面に直交する方向を厚さ方向とする。
なお、ここでの上下方向は、あくまで説明の簡素化のために用いる方向であって、静電チャック装置1の使用時の姿勢を限定するものではない。
【0022】
誘電体基板11は、平面視で円形の板状である。誘電体基板11は、ウエハWが載置される載置面2sを有する。載置面2sには、例えば複数の突起部(図示略)が所定の間隔で形成されている。載置面2sは、複数の突起部の先端部でウエハWを支持する。
【0023】
誘電体基板11は、第1支持板11aと、第2支持板11bと、第3支持板11cと、接合層11dと、を有する。第1支持板11a、第2支持板11b、および第3支持板11cは、載置面2sに沿って延びる板状である。第1支持板11a、第2支持板11b、および第3支持板11cは、下側から上側に向かってこの順で厚さ方向に積層される。また、接合層11dは、第1支持板11aと第2支持板11bとの間に配置される。第1支持板11aと第2支持板11bとは、接合層11dを介して接合される。なお、接合層11dは、第2支持板11bと第3支持板11cとの間にも、設けられていてもよい。さらに、誘電体基板11は、接合層11dを有していなくてもよい。この場合、第1支持板11aと第2支持板11bとは、直接的に接合される。
【0024】
誘電体基板11を構成する第1支持板11a、第2支持板11b、第3支持板11c、および接合層11dは、機械的に十分な強度を有し、かつ腐食性ガスおよびそのプラズマに対する耐久性を有する複合焼結体からなる。誘電体基板11を構成する誘電体材料としては、機械的な強度を有し、しかも腐食性ガスおよびそのプラズマに対する耐久性を有するセラミックスが好適に用いられる。誘電体基板11を構成するセラミックスとしては、例えば、酸化アルミニウム(Al)焼結体、窒化アルミニウム(AlN)焼結体、酸化アルミニウム(Al)-炭化ケイ素(SiC)複合焼結体などが好適に用いられる。特に、高温での誘電特性、高耐食性、耐プラズマ性、耐熱性の観点から、誘電体基板11を構成する材料は、酸化アルミニウム(Al)-炭化ケイ素(SiC)複合焼結体が好ましい。
【0025】
本実施形態において、接合層11dを構成する材料における複合材料の構成は、第1支持板11aおよび第2支持板11bを構成する複合材料の構成と異なっていてもよい。後述するように、接合層11dを構成する材料の熱伝導率は、第1支持板11aおよび第2支持板11bの熱伝導率より高いことが好ましい。一例として、第1支持板11a、第2支持板11b、および接合層11dが、同材料(例えば、酸化アルミニウム-炭化ケイ素複合焼結体)から構成される場合、接合層11dにおける導電性物質(例えば、炭化ケイ素)の比率を、第1支持板11a、および第2支持板11bの導電性物質の比率より高めることで、接合層11dの熱伝導率を高めることができる。
【0026】
誘電体基板11の第1支持板11a、第2支持板11b、第3支持板11c、および接合層11dを構成する絶縁性物質(例えば、酸化アルミニウム)の平均一次粒子径は、0.5μm以上10.0μm以下であることが好ましく、さらに0.5μm以上6.0μm以下が好ましい。絶縁性物質の平均一次粒子径が0.5μm以上であることで、緻密で耐電圧性が高く、耐久性の高い誘電体基板11を得ることができる。また、絶縁性物質の平均一次粒子径を10.0μm以下とすることで、後述するガス流路60内の伝熱ガスGに対する誘電体基板11の熱交換効率を十分に確保することができる。
【0027】
なお、誘電体基板11を構成する絶縁性物質の平均一次粒子径の測定方法は、次の通りである。日本電子社製の電解放出型走査電子顕微鏡(FE-SEM)で、誘電体基板11の厚み方向の切断面を観察し、インターセプト法により絶縁性物質200個の粒子径の平均を平均一次粒子径とする。
【0028】
誘電体基板11には、第1ガス孔67と第2ガス孔68とガス流路60とが設けられる。ガス流路60は、第1支持板11aと第2支持板11bとの間に設けられる。すなわち、ガス流路60は、誘電体基板11の内部に設けられる。本実施形態によれば、ガス流路60が第1支持板11aと第2支持板11bとの間に設けられるため、第1支持板11aと第2支持板11bとを積層してガス流路60を容易に成形することができる。
【0029】
なお、本実施形態の誘電体基板11は、複数の支持板が厚さ方向に積層されて構成されており、吸着電極13とガス流路60とは異なる支持板の間に配置される。しかしながら、吸着電極13とガス流路60とは、同じ支持板の間に配置されていてもよい。すなわち、吸着電極13とガス流路60とは、ともに、第1支持板11aと第2支持板11bとの間に配置されていてもよい。
【0030】
ガス流路60は、載置面2sの平面方向に沿って延びる。第1ガス孔67は、ガス流路60から下側に延びる。一方で、第2ガス孔68は、ガス流路60から上側に延びて載置面2sに開口する。第1ガス孔67と第2ガス孔68とは、ガス流路60を介して互いに連通している。第1ガス孔67、ガス流路60、および第2ガス孔68には、伝熱ガスGが流れる。
【0031】
伝熱ガスGは、例えばHe等の冷却用のガスである。伝熱ガスGは、第1ガス孔67を通過してガス流路60に流入する。ガス流路60を通過する伝熱ガスGは、静電チャック部材2を冷却する。さらに、ガス流路60の伝熱ガスGは、第2ガス孔68から載置面2sに供給され、載置面2sに搭載されるウエハWを冷却する。
【0032】
図2は、静電チャック部材2の平面図である。
本実施形態のガス流路60は、静電チャック部材2の中心軸Cを中心として円環状に延びる。すなわち、ガス流路60は、誘電体基板11の中心に対し円弧状に延びる。本実施形態の誘電体基板11には、2つのガス流路60が設けられる。複数のガス流路60は、同心円状に配置される内周流路61と外周流路62とを含む。内周流路61は、前記誘電体基板の中心に対し円弧状に延びる。外周流路62は、内周流路61の同心円状外側に配置され円弧状に延びる。
【0033】
複数の第1ガス孔67は、周方向に沿って等間隔に配置される。同様に、複数の第2ガス孔68は、周方向に沿って等間隔に配置される。第1ガス孔67と第2ガス孔68とは、1つのガス流路60の経路において周方向に交互に配置される。
【0034】
図1に示すように、本実施形態のガス流路60は、横断面が略台形状である。ガス流路60の内側面は、底面部60aと、天面部60bと、一対の側面部60c、60dと、を有する。
【0035】
底面部60aおよび天面部60bは、載置面2sと略平行に延びる平面である。底面部60aは、載置面2sと同方向(上側)を向く。天面部60bは、載置面2sと反対方向(下側)を向く。天面部60bは、底面部60aと対向する。底面部60aは、第1支持板11aに設けられる。天面部60bは、第2支持板11bに設けられる。
【0036】
一対の側面部60c、60dは、底面部60aと天面部60bとを繋ぐ。側面部60c、60dは、第2支持板11bと接合層11dとに跨って設けられる。すなわち、側面部60c、60dの少なくとも一部は、接合層11dに設けられる。
【0037】
ガス流路60の高さ寸法(厚さ方向に沿う寸法であり、底面部60aと天面部60bとの距離寸法)は、30μm以上500μm以下であることが好ましい。また、ガス流路60の幅寸法は、500μm以上3000μm以下であることが好ましい。ガス流路60の高さ寸法および幅寸法をこのような範囲とすることで、ガス流路60の流路断面積を十分に確保しつつ誘電体基板11の強度の低下を抑制できる。
【0038】
一対の側面部60c、60dのうち、一方はガス流路60の円弧内周側に配置される内周側面部60cであり、他方は円弧外周側に配置される外周側面部60dである。したがって、内周側面部60cは、中心軸Cの径方向外側を向き、外周側面部60dは、中心軸Cの径方向内側を向く。内周側面部60cおよび外周側面部60dは、静電チャック部材2の中心軸Cを中心とする円錐面である。
【0039】
図3は、図1の領域IIIの拡大図である。
一対の側面部60c、60dの少なくとも一方は、厚さ方向(Z軸方向)に対して傾斜する。本実施形態では、一対の側面部60c、60dがともに厚さ方向に対して傾斜する。本実施形態では、内周流路61の内周側面部60cは、厚さ方向に対して傾斜角度θ1で傾斜し、外周側面部60dは、厚さ方向に対して傾斜角度θ2で傾斜する。同様に、外周流路62の内周側面部60cは、厚さ方向に対して傾斜角度θ3で傾斜し、外周側面部60dは、厚さ方向に対して傾斜角度θ4で傾斜する。
【0040】
内周側面部60cが厚さ方向に対し傾斜することで、ガス流路60の高さ寸法は、ガス流路60の幅中央から静電チャック部材2の径方向内側に向かうに従い徐々に小さくなる。このため、ガス流路60中に流れる伝熱ガスGの冷却効果は、ガス流路60の中央から静電チャック部材2の径方向内側に向かうに従い徐々に弱まる。同様に、外周側面部60dが厚さ方向に対し傾斜することで、ガス流路60の高さ寸法は、ガス流路60の幅中央から静電チャック部材2の径方向外側に向かうに従い徐々に小さくなる。このため、ガス流路60中に流れる伝熱ガスGの冷却効果は、ガス流路60の中央から静電チャック部材2の径方向外側に向かうに従い徐々に弱まる。本実施形態によれば、ガス流路60が設けられる領域とガス流路60が設けられない領域との境界部分において、伝熱ガスGによる冷却効率を徐々に弱めることができる。このため、ガス流路60が設けられる領域とガス流路60が設けられない領域との境界部分で急激な温度勾配が生じにくい。結果的に、載置面2sに搭載されるウエハWの温度分布の不均一を抑制することができる。
【0041】
本実施形態によれば、ガス流路60は、円弧状に延びる。このため、ウエハWが円板状である場合に、ウエハWを搭載する載置面2sをウエハWの中心軸C周りに環状に冷却することができウエハWの温度分布を均一にしやすい。
【0042】
本実施形態の1つのガス流路60において、外周側面部60dの傾斜角度θ2、θ4は、内周側面部60cの傾斜角度θ1、θ3より大きい(θ1<θ2、θ3<θ4)。一般的なウエハWの加工工程において、ウエハWの温度は、中心軸Cに対し径方向外側に向かうに従い高くなりやすい。このため、ガス流路60に対し中心軸Cの径方向外側の温度勾配は、径方向内側の温度勾配よりも大きくなりやすい。本実施形態によれば、温度勾配が大きくなりやすい外周側面部60dにおいて、傾斜角度を大きくして温度勾配をより緩やかとすることでウエハWに生じる温度分布の不均一をより小さくすることができる。
【0043】
本実施形態において、外周流路62の外周側面部60dの傾斜角度θ4は、内周流路61の外周側面部60dの傾斜角度θ2以上である(θ2≦θ4)。本実施形態によれば、ウエハWの温度が高くなりやすい径方向外側の領域において載置面2sの温度勾配をより緩やかにすることができウエハWに生じる温度分布の不均一をより小さくすることができる。
【0044】
同様に、本実施形態において、外周流路62の内周側面部60cの傾斜角度θ3は、内周流路61の内周側面部60cの傾斜角度θ1以上である(θ1≦θ3)。本実施形態によれば、ウエハWの温度が高くなりやすい径方向外側の領域において載置面2sの温度勾配をより緩やかにすることができウエハWに生じる温度分布の不均一をより小さくすることができる。
【0045】
上述したように、本実施形態のガス流路60の側面部60c、60dの傾斜角度θ1、θ2、θ3、θ4は、以下の関係を満たすことが好ましい。
θ1≦θ3、 θ2≦θ4、 θ1<θ2、 θ3<θ4
【0046】
また、内周流路61および外周流路62の内周側面部60cの傾斜角度θ1、θ3は、0°以上20°以下が好ましく、さらには0°以上15°以下が好ましく、さらに0°以上10°以下がより好ましい。さらに、内周流路61および外周流路62の外周側面部60dの傾斜角度θ2、θ4は、3°以上70°以下が好ましく、さらには5°以上60°以下が好ましく、さらに5°以上50℃以下がより好ましい。傾斜角度θ1、θ2、θ3、θ4が、上記の範囲を満たすことで、側面部60c、60dが傾斜することによる温度分布の不均一の抑制の効果を十分に得ることができ、さらに静電チャック部材2の強度の極端な低下を抑制できる。
【0047】
本実施形態によれば、誘電体基板11は、厚さ方向に積層される第1支持板11aおよび第2支持板11bを有する。ガス流路60は、第1支持板11aと第2支持板11bとの間に設けられる。このため、ガス流路60を後加工で形成する場合などと比較して、複雑なガス流路60を容易に形成することができる。
【0048】
本実施形態において、接合層11dの熱伝導率は、第1支持板11aおよび第2支持板11bの熱伝導率より高いことが好ましい。上述したように、接合層11dは、ガス流路60に露出する。すなわち、ガス流路60を通過する伝熱ガスGは、接合層11dにおいて静電チャック部材2の熱を伝熱ガスGに効率的に伝えることができる。
【0049】
図1に示すように、吸着電極13は、誘電体基板11の内部に埋め込まれる。吸着電極13は、誘電体基板11の載置面2sに沿って板状に延びる。吸着電極13は、電圧を印加されることで、誘電体基板11の載置面2sにウエハWを保持する静電吸着力を生じさせる。
【0050】
吸着電極13は、絶縁性物質と導電性物質の複合体から構成される。吸着電極13に含まれる絶縁性物質は、特に限定されないが、例えば、酸化アルミニウム(Al)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ケイ素(Si)、酸化イットリウム(III)(Y)、イットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)およびSmAlOからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。吸着電極13に含まれる導電性物質は、炭化モリブデン(MoC)、モリブデン(Mo)、炭化タングステン(WC)、タングステン(W)、炭化タンタル(TaC)、タンタル(Ta)、炭化ケイ素(SiC)、カーボンブラック、カーボンナノチューブおよびカーボンナノファイバーからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0051】
吸着電極13には、吸着電極13に直流電圧を印加するための給電端子16が接続されている。給電端子16は、吸着電極13から下側に向かって延びる。給電端子16は、基台3、および誘電体基板11の一部を厚さ方向に貫通する端子用貫通孔17の内部に挿入されている。給電端子16の外周側には、絶縁性を有する端子用碍子23が設けられる。すなわち、給電端子16は、端子用碍子23の挿通孔15に挿入される。端子用碍子23は、金属製の基台3と給電端子16とを絶縁する。
【0052】
給電端子16は、外部の電源21に接続されている。電源21は、吸着電極13に電圧を付与する。給電端子16の数、形状等は、吸着電極13の形態、すなわち単極型か、双極型かにより決定される。
【0053】
基台3は、静電チャック部材2を下側から支持する。基台3は、平面視で円板状の金属部材である。基台3を構成する材料は、熱伝導性、導電性、加工性に優れた金属、またはこれらの金属を含む複合材であれば特に制限されるものではない。基台3を構成する材料としては、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ステンレス鋼(SUS)、チタン(Ti)等の合金が好適に用いられる。基台3を構成する材料は、熱伝導性、導電性、加工性の観点からアルミニウム合金が好ましい。基台3における少なくともプラズマに曝される面は、アルマイト処理またはポリイミド系樹脂による樹脂コーティングが施されていることが好ましい。また、基台3の全面が、前記のアルマイト処理または樹脂コーティングが施されていることがより好ましい。基台3にアルマイト処理または樹脂コーティングを施すことにより、基台3の耐プラズマ性が向上するとともに、異常放電が防止される。したがって、基台3の耐プラズマ安定性が向上し、また、基台3の表面傷の発生も防止することができる。
【0054】
基台3の躯体は、プラズマ発生用内部電極としても機能をも有する。基台3の躯体は、図示略の整合器を介して外部の高周波電源22に接続されている。
【0055】
基台3は、接着剤によって静電チャック部材2に固定されている。すなわち、静電チャック部材2と基台3との間には、静電チャック部材2と基台3とを互いに接着する接着層55が設けられる。接着層55の内部には、静電チャック部材2を加熱するヒータが埋め込まれていてもよい。
【0056】
基台3および接着層55には、これらを上下に貫通するガス導入孔30が複数設けられている。ガス導入孔30は、載置面2sに開口する。ガス導入孔30は、図示を省略するガス供給装置に繋がる。ガス導入孔30は、静電チャック部材2の第1ガス孔67に繋がる。ガス導入孔30は、第1ガス孔67に伝熱ガスGを供給する。ガス導入孔30は、筒状の碍子24に囲まれる。碍子24の外周面は、例えば接着剤などによって基台3に固定される。
【0057】
次に、本実施形態の静電チャック部材2の製造方法について説明する。本実施形態の静電チャック部材2の製造方法は、支持板準備工程、第1接合工程、第2接合工程、ガス孔形成工程、および端子接続工程を有する。
【0058】
支持板準備工程は、第1支持板11a、第2支持板11b、および第3支持板11cを準備する工程である。以下の説明では、第1支持板11a、第2支持板11b、および第3支持板11cの形成材料が酸化アルミニウム-炭化ケイ素(Al-SiC)複合焼結体であることとする。
【0059】
支持板準備工程では、炭化ケイ素粉末および酸化アルミニウム粉末を含む混合粉末を所望の形状に成形し、その後、例えば1600℃~2000℃の温度、非酸化性雰囲気、好ましくは不活性雰囲気下にて所定時間、焼成することにより、第1支持板11a、第2支持板11b、および第3支持板11cを得ることができる。
【0060】
第1接合工程は、第1支持板11aと第2支持板11bとを互いに接合するとともに支持板間にガス流路60を形成する工程である。第1接合工程の予備工程として第1支持板11aと第2支持板11bの互いに接合される面には、研磨が施される。ガス流路形成工程は、凹溝形成工程と、塗布工程と、接合工程と、を有する。すなわち、静電チャック部材2の製造方法は、凹溝形成工程と、塗布工程と、接合工程と、を有する。
【0061】
図4に示すように凹溝形成工程では、第2支持板11bに凹溝60Aを形成する。凹溝60Aの側面部60c、60dは、第2支持板11bの厚さ方向に対して傾く。すなわち、凹溝60Aは、開口側に向かうに従い幅寸法を大きくする。
【0062】
本実施形態によれば、凹溝形成工程において形成される凹溝60Aは、開口側に向かうに従い幅寸法を大きくする。このため、厚さ方向に対して傾斜する側面部60c、60dを有するガス流路60を容易に形成することができる。
【0063】
凹溝60Aは、ブラスト加工やロータリー加工によって形成することができる。特に、凹溝60Aは、ロータリー加工によって形成することが好ましい。ロータリー加工では、加工対象である第2支持板11bを中心軸C周りに回転させながら工具を加工面に押し当てて凹溝60Aを加工する。ロータリー加工では、凹溝60Aの加工時に、工具を加工面から徐々に離間させることで容易に傾斜する側面部60c、60dを形成することができる。
【0064】
本実施形態では、第2支持板11bのみに凹溝60Aを形成する場合について説明した。しかしながら、凹溝60Aは、第1支持板11aのみに凹溝60Aを形成してもよいし、第1支持板11aと第2支持板11bとにそれぞれ凹溝60Aを形成してもよい。すなわち、凹溝形成工程は、第1支持板11a又は第2支持板11bのうち少なくとも一方に凹溝60Aを設ける工程であればよい。なお、第1支持板11aと第2支持板11bとにそれぞれ凹溝60Aを形成する場合、第1支持板11aおよび第2支持板11bの凹溝60Aは、厚さ方向からみて互いに重なり合う。この構成を採用する場合、形成されるガス流路60の厚さ方向の寸法を大きくし易い。
【0065】
図5に示す塗布工程では、まず、第1支持板11aおよび第2支持板11bと同一組成または主成分が同一の粉末材料を含む接合層ペースト11dAを用意する。次いで、第2支持板11bにおいて、凹溝60Aを形成した面の凹溝60A以外に接合層ペースト11dAを塗布する。なお、本実施形態では、第2支持板11bに接合層ペースト11dAを塗布する場合について説明したが、第1支持板11aに接合層ペースト11dAを塗布してもよい。接合層ペースト11dAは、第1支持板11aおよび第2支持板11bの少なくとも一方に塗布されればよい。
【0066】
図6に示す接合工程では、第1支持板11aと第2支持板11bとを接合層ペースト11dAを介して厚さ方向に積層し、高温、高圧下にてホットプレスして一体化する。このホットプレスにおける雰囲気は、真空、あるいはAr、He、N等の不活性雰囲気が好ましい。また、圧力は1MPa~50MPaであることが好ましく、5MPa~20MPaがより好ましい。温度は1600℃~1900℃であることが好ましく、1650℃~1850℃がより好ましい。接合工程のホットプレスにより、接合層ペースト11dAは焼成、固化されて接合層11dが形成されるとともに接合層11dを介して第1支持板11aと第2支持板11bとが接合一体化される。なお、以下の説明において、第1接合工程によって接合一体化された第1支持板11aと第2支持板11bとの接合体を、接合支持板11Aと呼ぶ。
【0067】
本実施形態では、第1支持板11aと第2支持板11bとが、接合層11dを介して接合される。しかしながら、第1支持板11aと第2支持板11bとは、直接的に接合されていてもよい。この場合、第1支持板11aと第2支持板11bの互いに対向する面を研磨したのちに上述の接合工程を行うことが好ましい。
【0068】
第2接合工程は、第3支持板11cと接合支持板11Aとを互いに接合するとともに、支持板間に吸着電極13を形成する工程である。第2接合工程では、まず第3支持板11c又は接合支持板11Aの何れか一方の一面に、導電性セラミックスなどの導電材料のペーストを塗布するとともに、上記導電材料の塗膜を形成した領域以外に接合層ペーストを塗布する。次いで、第3支持板11cおよび接合支持板11Aを、ペーストを塗布した面を挟んで重ね合わせ、高温、高圧下にてホットプレスして一体化する。このホットプレスにより、導電材料のペーストが焼成されて吸着電極13となるとともに、第3支持板11cと接合支持板11Aとが接合一体化される。
【0069】
ガス孔形成工程は、第1支持板11a、第2支持板11b、および第3支持板11cを接合した接合体に、第1ガス孔67、および第2ガス孔68を形成して、ガス流路60を外部に開口させる工程である。ガス孔形成工程が行われた後には、洗浄工程が行われる。洗浄工程では、第1ガス孔67、又は第2ガス孔68から水又は洗浄液を流入させ、ガス流路60内のパーティクルを洗い流す。
【0070】
端子接続工程は、第1支持板11a、第2支持板11b、および第3支持板11cを接合した接合体に貫通孔を設け当該貫通孔に給電端子16を配置するとともに給電端子と吸着電極13を接合する工程である。
静電チャック部材2は、以上の工程を経ることで製造される。また、製造された静電チャック部材2は、端子用碍子23および伝熱ガスGの流路用の碍子24を設けた基台3に搭載されて静電チャック装置1を構成する。
【0071】
(変形例)
図7は、変形例の静電チャック部材102の部分断面模式図である。
上述の実施形態と同様に、静電チャック部材102は、誘電体基板11と、誘電体基板11の内部に埋め込まれる吸着電極13と、を備える。また、誘電体基板11の内部には、ガス流路60が設けられる。
【0072】
本変形例の静電チャック部材102によれば、誘電体基板の内部に埋め込まれる副電極層113をさらに備える。本変形例の副電極層113は、第1支持板11aと第2支持板11bとの間に配置される。すなわち、副電極層113は、ガス流路60と同一平面上に配置される。なお、本変形例の副電極層113は、ガス流路60に露出することがないが、副電極層113は、ガス流路60に露出していてもよい。
【0073】
副電極層113には、図示略の給電端子が接続される。副電極層113は、例えば、ヒータ電極として機能する。この場合、ヒータ電極としての副電極層113は、電流が流されることで発熱する。さらに、副電極層113は、RF(Radio Frequency、高周波)電極として機能するものであってもよい。この場合、RF電極としての副電極層113は、電圧が付与されることで、板状試料上にプラズマを生成する。
【0074】
本変形例の副電極層113は、ガス流路60と同一平面上に配置されるため、ガス流路60とともに、第1支持板11aと第2支持板11bとの間に形成することができる。このため、製造方法が必要以上に煩雑となることを抑制しつつ、高機能の静電チャック部材102を提供できる。
【0075】
以上に、本発明の様々な実施形態を説明したが、各実施形態における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはない。
【符号の説明】
【0076】
1…静電チャック装置、2,102…静電チャック部材、2s…載置面、3…基台、11…誘電体基板、11a…第1支持板、11b…第2支持板、11d…接合層、13…吸着電極、60…ガス流路、60a…底面部、60b…天面部、60c…側面部、60c…内周側面部、60d…外周側面部、60A…凹溝、61…内周流路、62…外周流路、113…副電極層、W…ウエハ(試料)、θ1,θ2,θ3,θ4…傾斜角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7