(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-28
(45)【発行日】2023-09-05
(54)【発明の名称】プラズマソース用の磁気シールド
(51)【国際特許分類】
H05H 1/46 20060101AFI20230829BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20230829BHJP
【FI】
H05H1/46 L
H01L21/302 101B
(21)【出願番号】P 2021503907
(86)(22)【出願日】2019-07-25
(86)【国際出願番号】 US2019043502
(87)【国際公開番号】W WO2020023784
(87)【国際公開日】2020-01-30
【審査請求日】2022-07-20
(32)【優先日】2018-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】モピデヴィ・ヘマ スワループ
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン・ニール マーティン ポール
(72)【発明者】
【氏名】ピース・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】アンダーソン・トーマス
【審査官】大門 清
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2004/0175953(US,A1)
【文献】特表2012-522330(JP,A)
【文献】特開2004-241592(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0060517(US,A1)
【文献】米国特許第09384948(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05H 1/46
H01L 21/31
H01L 21/3065
C23C 16/505
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマソース用の磁気シールドであって、前記磁気シールドは、
強磁性材料のバーの構成を含む閉鎖ケージを備え、前記閉鎖ケージは、前記プラズマソース用のRFソースコイルを完全に囲み閉じ込めるようにサイズ決めされ構成され、強磁性バーの前記構成は、前記閉鎖ケージの第1および第2の閉鎖側を画定し、前記閉鎖ケージの各閉鎖側は、前記閉鎖側の中央領域とその外縁との間に延びる放射状に間隔を空けた強磁性バーのアレイを含む、磁気シールド。
【請求項2】
請求項1記載の磁気シールドであって、前記強磁性材料は、ニッケル亜鉛(NiZn)フェライト、マグネシウム亜鉛(MgZn)フェライト、ニッケルマグネシウム(NiMg)合金で作られたフェライト、マンガン亜鉛(MnZn)フェライト、鉄粉、およびこれらの組み合わせを含む材料の群のうちの1つ以上を含む、磁気シールド。
【請求項3】
請求項2に記載の磁気シールドであって、前記
閉鎖ケージの閉鎖側は、輪郭が円形である、磁気シールド。
【請求項4】
請求項3に記載の磁気シールドであって、前記
閉鎖ケージの前記閉鎖側の1つの円周が、前記RFソースコイルの外周の円周から実質的に等距離にある、磁気シールド。
【請求項5】
請求項4に記載の磁気シールドであって、強磁性バーの前記構成は、強磁性バーのアレイであって、各々が、前記
閉鎖ケージの前記閉鎖側のうちの1つの前記強磁性バーのそれぞれの強磁性バーに直交して構成された、強磁性バーのアレイを更に含む、磁気シールド。
【請求項6】
ウェハー処理チャンバであって、前記RFソースコイルと、
請求項1に記載の磁気シールドと、を含む、ウェハー処理チャンバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、2018年7月25日に出願された「MAGNETIC SHIELDING FOR PLASMA SOURCES」と題する、米国特許出願公開第16/045,635号の優先権の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、一例では、プラズマソースエンクロージャによって引き起こされる渦電流損失を低減させるために使用できるプラズマソースの磁気シールドに関する。
【背景技術】
【0003】
現在、半導体製造における特定の電磁適合性および無線周波数(RF)干渉要件を満たすために、エッチング、クリーニング、および堆積ツールの全てではないにしても大部分のRFシステムは、金属製エンクロージャ内に取り囲まれている必要がある。金属製エンクロージャを配置するというこの要件は、一般に、望ましくない容量性および/または誘導性の寄生効果を引き起こす可能性があり、その結果、個々のRFサブシステムおよびRFシステム全体の設計に影響を及ぼす可能性がある。
【0004】
より具体的には、プラズマソースの場合、RFソースコイルから発する磁場が、金属製エンクロージャ上に循環電流を発生させ、その結果、熱が発生し、そうでない場合にはウェハー処理の目的でプラズマに供給されるはずであった有用な電力が浪費される。
【0005】
本開示は、とりわけ、これらの欠点に対処することを追求する。このセクションに記載される情報は、以下の開示された主題のいくつかの状況を当業者に提供するために提示されており、認められた先行技術として見なされるべきではないことに留意されたい。
【発明の概要】
【0006】
いくつかの例では、プラズマソース用の磁気シールドが提供され、磁気シールドは、バックシェル(フラックスバックシェルとも称される)を含み、バックシェルは、強磁性材料のバーの構成によって少なくとも部分的に画定されるケージを含み、ケージは、少なくとも、プラズマソース用のRFソースコイルの上面の上に延びるようにサイズ決めされ構成されている。
【0007】
いくつかの例では、強磁性バーの構成は、開放側を有する開放ケージを画定し、RFソースコイルの底部側は使用時に開放側に面している。いくつかの例では、強磁性バーの構成は、閉鎖ケージを画定している。ケージは、少なくとも強磁性材料のプレートを含んでもよく、プレートは、ケージの少なくとも1つの壁を画定するか、またはそれに含まれ、プレートは、強磁性バーの構成に対向して平行に配置されている。
【0008】
いくつかの例では、強磁性材料は、ニッケル亜鉛(NiZn)フェライト、マグネシウム亜鉛(MgZn)フェライト、ニッケルマグネシウム(NiMg)合金で作られたフェライト、マンガン亜鉛(MnZn)フェライト、鉄粉、およびこれらの組み合わせを含む材料の群のうちの1つ以上を含む。いくつかの実施例では、強磁性バーの構成は、少なくともケージの第1の壁を画定し、構成は、ケージの第1の壁の第1の中央領域と、第1の壁の外形寸法との間に延びる放射状であって間隔を空けたバーの第1のアレイを含む。いくつかの例では、ケージは、円形である少なくとも1つの壁を含む。円形の円周は、RFソースコイルの外側ターンの円周から実質的に等距離にあってよい。第1の中央領域は、強磁性材料で作られた中央バーを含む。別の例では、強磁性バーの構成は、ケージの第2の壁を画定している。その構成は、第2の壁の第2の中央領域と、第2の壁の外形寸法との間に延びる放射状であって間隔を空けたバーの第2のアレイを含み、第1のアレイは第2のアレイに対向して平行である。
【0009】
いくつかの例では、強磁性バーの構成は、互いに直交して構成された強磁性バーのアレイを含み、強磁性バーの直交したアレイは、ケージの少なくとも1つの壁を画定するか、またはそれに含まれる。
【0010】
いくつかの例では、ウェハー処理チャンバが設けられている。例示的なウェハー処理チャンバは、チャンバプラズマソース用のRFソースコイルと、バックシェルを備える磁気シールドとを含み、バックシェルは、少なくとも部分的に強磁性材料のバーの構成によって画定されるケージを備え、ケージは、RFソースコイルを少なくとも部分的に取り囲むようにサイズ決めされ構成されている。ウェハー処理チャンバ内のバックシェルは、上で概要を述べたバックシェル要素のうちの1つ以上を有してよい。
【0011】
いくつかの例では、プラズマソース用のRFソースコイルを磁気的にシールドする方法が説明されている。RFソースコイル用のバックシェルが提供される。バックシェルは、強磁性材料のバーの構成によって少なくとも部分的に画定されるケージを含む。ケージは、少なくともRFソースコイルの上面の上に延びるようにサイズ決めされ構成されている。RFソースコイルはケージ内に配置されている。
【0012】
いくつかの例では、強磁性バーの構成は、開放側を有する開放ケージを画定している。RFソースコイルは、RFソースコイルの底部側がケージの開放側に面するようにケージ内に配置されている。
【0013】
くつかの例では、ケージは、少なくとも強磁性材料のプレートを更に含み、そのプレートは、ケージの少なくとも1つの壁を画定するか、またはそれに含まれ、プレートは、強磁性バーの構成に対向して平行に配置され、ケージ内に配置されたRFソースコイルを有することは、プレートと強磁性バーの構成との間に配置されたRFソースコイルを有することを更に含む。
【0014】
いくつかの例では、プラズマソース用の磁気シールドが提供され、磁気シールドは、バックシェルを含み、バックシェルは、強磁性材料の要素の構成を含み、バックシェルは、少なくとも、プラズマソース用のRFソースコイルの一部の上に延びるようにサイズ決めされ構成されている。
【0015】
いくつかの例では、強磁性要素の構成は、開放側を有する開放ケージを画定し、RFソースコイルの底部側は使用時に開放側に面している。
【0016】
いくつかの例では、強磁性要素の構成は、閉鎖ケージを画定している。
【0017】
いくつかの例では、バックシェルは、強磁性要素の構成に含まれる1つ以上の強磁性バーによって画定されるケージを含み、ケージは強磁性材料のプレートを更に含み、プレートは、ケージの少なくとも1つの壁を画定するか、または少なくとも1つの壁に含まれ、プレートは、強磁性バーの構成に対向して平行に配置されている。
【0018】
いくつかの例では、強磁性材料は、ニッケル亜鉛(NiZn)フェライト、マグネシウム亜鉛(MgZn)フェライト、ニッケルマグネシウム(NiMg)合金で作られたフェライト、マンガン亜鉛(MnZn)フェライト、鉄粉、およびこれらの組み合わせを含む材料の群のうちの1つ以上を含む。
【0019】
いくつかの実施例では、強磁性要素の構成は、少なくともケージの第1の壁を画定し、構成は、第1の壁の第1の中央領域と、第1の壁の外形寸法との間に延びる放射状であって間隔を空けたバーの第1のアレイを含む。
【0020】
いくつかの例では、第1の中央領域は、強磁性材料の中央バーを含む。
【0021】
いくつかの例では、強磁性要素の構成は、ケージの第2の壁を画定し、構成は、第2の壁の第2の中央領域と、第2の壁の外形寸法との間に延びる放射状であって間隔を空けたバーの第2のアレイを含み、第1のアレイは第2のアレイに対向して平行に配置されている。
【0022】
いくつかの例では、ケージは、円形である少なくとも1つの壁を含む。
【0023】
いくつかの例では、円形の円周は、RFソースコイルの外周の円周から実質的に等距離にある。
【0024】
いくつかの例では、強磁性要素の構成は、互いに直交して構成された強磁性バーのアレイを含み、強磁性バーの直交したアレイは、ケージの少なくとも1つの壁を画定するか、またはそれに含まれる。
【0025】
いくつかの例では、ウェハー処理チャンバは、上で概要を述べたように、RFソースコイルおよび磁気シールドを含む。
【0026】
いくつかの実施形態は、添付図面の図において例として示しており、限定として示すものではない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】
図1は、本開示の方法および特徴を用いてよい例示的な反応チャンバの概略図である。
【0028】
【
図2】
図2は、本開示の方法および特徴を用いてよい別の例示的な反応チャンバの概略図である。
【0029】
【
図3A】
図3Aは、例示的な実施形態による、磁気シールドの透視図である。
【
図3B】
図3Bは、例示的な実施形態による、磁気シールドの側面図である。
【0030】
【
図4A】
図4Aは、例示的な実施形態による、磁気シールドの透視図である。
【
図4B】
図4Bは、例示的な実施形態による、磁気シールドの側面図である。
【0031】
【
図5A】
図5Aは、例示的な実施形態による、磁気シールドの透視図である。
【
図5B】
図5Bは、例示的な実施形態による、磁気シールドの側面図である。
【0032】
【
図6A】
図6Aは、例示的な実施形態による、磁気シールドの透視図である。
【
図6B】
図6Bは、例示的な実施形態による、磁気シールドの側面図である。
【0033】
【
図7】
図7は、様々な例示的実施形態によって示されるような、渦電流損失低減のパーセンテージを比較したグラフである。
【0034】
【
図8】
図8は、例示的実施形態による、方法のフローチャートである。
【0035】
【
図9】
図9は、1つ以上の例示的な方法の実施形態を実現してよい機械、または1つ以上の例示的な実施形態を制御してよい機械の例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下の説明は、本発明の例示的な実施形態を具体化するシステム、方法、技術、命令シーケンス、および計算機プログラム製品を含む。以下の記載には、説明の目的で、例示的実施形態の完全な理解を提供するために多数の具体的な詳細が記述されている。しかしながら、これらの具体的な詳細がなくても、本開示を実施し得ることが当業者には明白であろう。
【0037】
本特許文書の開示の一部には、著作権保護の対象である資料が含まれている場合がある。著作権所有者は、特許商標庁の特許ファイルまたは記録に記載されている特許文書または特許開示の、何人による複製にも異議を唱えないが、それ以外の場合、一切の著作権を留保する。次の告知:Copyright Lam Research Corporation,2018,All Rights Reserved、が本明細書の一部を構成する後述するデータおよび図面に適用される。
【0038】
本開示のいくつかの例が、フィルム堆積および制御試験のための適切なチャンバの変更と共に使用され得る、例示的なチャンバを、添付図面の
図1に示す。典型的なプラズマエッチング(または堆積)装置はリアクタを備え、リアクタ内にはチャンバがあり、チャンバを通って反応性ガス(単数または複数)が流れる。チャンバ内では、ガスは、典型的には、無線周波数(RF)エネルギーによってイオン化されてプラズマになる。プラズマガスの反応性の高いイオンは、処理されて集積回路(IC)になる半導体ウェハー表面上のポリマーマスクなど、特定の材料と反応することができる。
【0039】
エッチングに先立って、ウェハーはチャンバ内に置かれ、チャックまたはホルダーによって適切な位置に保持され、チャックまたはホルダーはウェハーの上部表面をプラズマガスに曝露させる。当技術分野において知られている、いくつかのタイプのチャックがある。チャックは等温面を提供し、ウェハーにとってヒートシンクとして機能する。あるタイプでは、半導体ウェハーは、機械的クランプ手段によって、エッチングのための所定位置に保持される。別のタイプのチャックでは、半導体ウェハーは、チャックとウェハーとの間の電界によって生成される静電力によって所定位置に保持される。
【0040】
図1は、代表的な容量結合プラズマ処理チャンバ100を示し、基板をエッチングするために典型的に使用されるタイプの例示的なプラズマ処理チャンバを表す。当技術分野において知られているように、フィルム堆積のために適切な変更を行ってよい。チャック102は、エッチング中にウェハー104などの基板を上に配置してよい被加工物ホルダーである。チャック102は、任意の好適なチャッキング技術、例えば、静電的、機械的、クランプ、真空などによって実現されてよい。エッチング中、チャック102には、典型的には、デュアルRF周波数(低周波数および高周波数)が、例えば2MHzおよび27MHzが、デュアル周波数源106によって同時に供給される。
【0041】
上部電極108が、ウェハー104の上方に位置している。上部電極108は接地されている。
図1は、上部電極108の表面が、チャック102およびウェハー104の表面よりも大きいエッチングリアクタを示す。エッチング中、プラズマ110はエッチャントソースガスから形成され、エッチャントソースガスは、ガスライン112を介して供給され、排気ライン114を介してポンプで排出される。電気絶縁リング109が、接地された処理チャンバ100から上部電極108を絶縁する。
【0042】
閉じ込めリング116は、
図1のチャック102のように、上部電極108と底部電極との間に置かれてよい。一般に、閉じ込めリング116は、エッチングプラズマ110をウェハー104の上方の領域に閉じ込めて、プロセス制御を改善し、再現性を確保するのに役立つ。
【0043】
RF電力がRF電源106からチャック102に供給されると、等電位力線が、ウェハー104の上に生じる。等電位力線は、ウェハー104とプラズマ110との間にあるプラズマシースを横切る電気力線である。プラズマ処理中、正イオンは等電位力線を横切って加速してウェハー104の表面に衝突し、それにより、エッチング方向性の改善などの所望のエッチング効果がもたらされる。上部電極108およびチャック102の形状に起因して、磁力線は、ウェハー表面全体にわたって均一ではない場合があり、ウェハー104のエッジで大幅に変動する場合がある。それに応じて、プロセスの均一性をウェハー表面全体にわたって、特にウェハーエッジに沿って改善するために、フォーカスリング118が設けられる場合がある。
図1を参照すると、ウェハー104は、フォーカスリング118内に配置されて示されており、フォーカスリング118は、セラミック、石英、またはプラスチックなどの好適な誘電体材料から形成されてよい。したがって、フォーカスリング118の存在により、等電位力線がウェハー104の表面全体にわたって実質的に均一に配置されることが可能になる。
【0044】
導電性の金属製エンクロージャまたはシールド120が、フォーカスリング118を実質的に取り囲んでいる。導電性シールド120は、プラズマ処理チャンバ100内で実質的に接地されるように構成されている。シールド120は、不要な等電位力線が、フォーカスリング118の外側に存在することを防止している。
【0045】
フォーカスリング118および/または金属製エンクロージャ120はまた、半導体製造における特定の電磁適合性および無線周波数(RF)干渉要件を満たす役割を担ってよい。エッチング、クリーニング、および堆積ツールにおける、全てではないにしても大部分のRFシステムは、そのような金属製エンクロージャ120内に取り囲まれている必要がある。しかし、金属製エンクロージャ120の使用は、一般に、望ましくない容量性および/または誘導性の寄生効果を引き起こす可能性があり、その結果、個々のRFサブシステムおよびRFシステム全体の設計に悪影響を及ぼす可能性がある。より具体的には、プラズマソースの場合、RFソースコイルから発する磁場が、金属製エンクロージャ上に循環電流を発生させる可能性があり、その結果、熱が発生し、そうでない場合にはウェハー処理の目的でプラズマ110に供給されるはずであった有用な電力が浪費される。これらの循環電流は一般に渦電流として知られており、これが更に、ソースコイルのインダクタンスをキャンセルする。いくつかの例では、本開示は、プラズマソースエンクロージャによって誘発される渦電流損失を低減させるために使用できる磁気シールドシステムおよび方法について説明する。
【0046】
代表的なウェハー処理システム200の別の例を
図2に概略的に示す。ここで、RF発生器202が、RF電力をシステム200に供給し、RFマッチ204の機能は、ウェハー処理用途にとって有用な電力を伝達するために、動的プラズマ負荷を相殺することである。RFマッチ204の出力は、RFソースコイル206に接続され、これが、プロセスレシピステップに応じた特定の圧力および化学物質において、ウェハー処理チャンバ210内でプラズマガス(ガス供給ボックス208によって供給される)を点火させる。
【0047】
本開示の一態様は、RFソースコイル206が存在するウェハー処理チャンバ210内の領域209に関する。RFソースコイル(またはプラズマアンテナ)206の目的は、供給されたガス(またはプラズマ110)の原子を、エッチング、堆積などのウェハー処理を支援する荷電粒子に分解するために、関心の対象である周波数(例えば、100kHz~300MHz)において強い交番磁場を発生させることである。RFソースコイル206からの強い磁場は渦電流損失を生成し、システム200の全体的な効率を低下させる。この問題に対処するための従来の試みは、上述したタイプの大きな金属製エンクロージャ(例えば、金属製エンクロージャ120、
図1)を提供することを含むが、これは依然として上述した欠点を被っている。その上、サイズおよびエネルギーを重視する半導体製造会社では、製造装置の全体的なサイズもしくは「フットプリント」、または顧客要件によって課されるサイズ制約を低減させるための努力が増え続けている。したがって、従来の金属製エンクロージャ120は、次第に非実用的になっている。
【0048】
いくつかの例では、本明細書で論じられる問題に対処するために「バックシェル」が提供される。一般的に言えば、バックシェルは、処理チャンバ(例えば、
図1の100、または
図2の210)内の磁束線のパスを「戻す」、偏向させる、または変化させるように構成されている。いくつかの例では、バックシェルは、ニッケル亜鉛(NiZn)フェライト、マグネシウム亜鉛(MgZn)フェライト、マンガン亜鉛(MnZn)フェライト、ニッケルマグネシウム(NiMg)合金で作られたフェライト、鉄粉、またはそれらの異なるタイプの組み合わせなどの、強磁性材料のバーまたはブロックの構成を含む。バックシェルは、平面領域またはグリッド状の磁気シールドを含み得る。いくつかの例では、磁気シールドは、電力損失を低減させシステム効率を増加させるために、以下に説明するように設計および構成された金属板またはフェライトケージと共に提供される。いくつかの例では、コールドプレートまたは他の熱分散方法を使用して、強磁性材料の熱暴走を回避してもよい。いくつかのバックシェルの例は、特定の利点をもたらし得る磁気フェライトケージを含む。例えば、ある構成では、フェライトケージは個別のフェライトバーのアセンブリを含み、フェライト材料のブロック全体から機械加工する必要はない。したがって、それに応じて製造コストは削減される。更に、アセンブリ内にエアギャップを形成することができ、それにより、フェライト材料を比較的急速に冷却することが可能になり、バックシェルの全体的な構成が、熱的により安定した設計になる。
【0049】
本開示は、高RF電力環境および大部分の熱分散方法と互換性のあるバックシェル設計の例について説明する。いくつかの例は、プラズマエッチング用途の飽和しないギャップ有りフェライトコンポーネントを含む。以下で更に説明するように、金属製エンクロージャにおける渦電流損失は、様々なバックシェル設計および磁気概念にわたって約4%~90%削減できる。
【0050】
ここで、プラズマソース用の例示的な磁気シールド300の透視図を示す
図3Aを参照する。磁気シールド300は、ウェハー処理システム200内に、例えば、
図2に示すウェハー処理システム200の領域209内に配置されたバックシェル303を含む。この領域209内に配置されたバックシェル303の側面図を
図3Bに示す。
【0051】
RFソースコイル206は、RFソースコイル206に電力を供給するための電源接続点206Aおよび206Bを有する。RFソースコイル206用の他の電源構成が可能である。
図3A~
図3Bに示すように、RFソースコイル206は、実質的にバックシェル303によって閉じ込められている。この場合、バックシェル303は、一般的な全体的構成で取り囲まれた円形ケージを画定している。バックシェル303の上部301は、水平に配置され放射状に延びる複数の強磁性バー302を含む。この例では、12個のそのようなバー302が設けられ、それらは図示するように、互いに均等に放射状に間隔を空けている。各強磁性バー302は、バックシェル303の強磁性の内側円形プレート304から、306で示す、バックシェル303の周辺部の対応する外側の点まで、放射状に外向きに延びている。それぞれの周辺部の点306において、各水平バー302は、対応する垂直に配置された強磁性バー308に接触するか、またはそれに接合される。内側プレート304、水平バー302、および垂直バー308は、示されるように、バックシェル303の上部301を画定し、組み合わせて、開放ケージまたはバスケットを画定する。開放ケージは、下部強磁性プレートまたはディスク312によって閉じられるか、またはそれを少なくとも含む、開放された下部開口部を有する。RFソースコイル206は、取り囲まれたケージの上部301および下部強磁性プレートまたはディスク312によって画定される容積内にある。いくつかの例では、センターバーまたは「コア」305が、バックシェル303のシールドまたは磁束成形能力を強化するために提供されている。開放ケージは、開放側と、使用時に開放側に面する、RFソースコイルの底部側とを有する。
【0052】
ここで、
図4A~
図4Bを参照する。ここでは、これらの図に示す磁気シールド400はバックシェル403も含むが、この場合、バックシェル403によって画定されるケージの開いた下部開口部は、上述したバー302の上部セットと同様の構成で、放射状に間隔を置いた強磁性バー414の下部セットによって橋渡しされるか、またはその下部セットを少なくとも含む。
図4A~
図4Bに示す図では、バーの上部セットには402と番号が付けられている。各強磁性バー402は、バックシェル403の強磁性の内側円形プレート404から、406で示す、バックシェル403の周辺部の対応する外側の点まで、放射状に外向きに延びている。見えないが、対応する強磁性の内側円形プレート404が、バックシェル403の下側に設けられている。上述した実施形態におけるように、バックシェル403は、取り囲まれた円形ケージを全体的構成で画定し、RFソースコイル206は、バックシェル403によって実質的に取り囲まれている。例えばケージの1つの壁が円形プレートによって画定される上述した構成とは対照的に、この例ではケージは実質的にバーで構成されている。
【0053】
バックシェル403の上部401は、バー402の上部セットを含み、この例では、12個のそのようなバー402が設けられ、それらは図示するように、互いに均等に放射状に間隔を置いている。各バー402は、バックシェル403の強磁性の内側円形プレート404から、406で示す、バックシェル403の周辺部の外側の点まで、放射状に外向きに延びている。それぞれの周辺部の点406において、各水平バー402は、対応する垂直に配置された強磁性バー408に接触するか、またはそれに接合される。垂直の強磁性バー408の下端は、上述した放射状に間隔を置いた強磁性バー414の下部セットにそれぞれ接合されている。内側プレート404(およびその下側の同等物)、水平バー402および414、ならびに垂直バー408は、示すように、バックシェル403のための取り囲まれた強磁性ケージを一緒に画定する。RFソースコイル206は、使用時には、バックシェル403の取り囲まれたケージ内に存在している。いくつかの例では、センターバーまたは「コア」405が、バックシェル403のシールドまたは磁束成形能力を強化するために提供されている。
【0054】
ここで、
図5A~
図5Bを参照する。これらの図は、例示的な磁気シールド500の透視図および側面図を再び示す。上述したコンポーネントと類似のものには、それに応じて番号が付けられている。この例におけるケージ構成の要素は、強磁性バー502および514の上部セットおよび下部セットを含み、それぞれが、(この場合)比較的幅の広いバーを4個だけ含む。バー502と514は、実質的に十字構成または直角構成で構成されている。各バー502と
514は、それぞれの半径方向外側端部506において、それぞれの垂直に構成された強磁性バー508に接合されている。バー508はそれぞれ、バー508が接合するバー502および514の幅と整合する幅を有する。
【0055】
代替のケージ構成が、内側プレートの形状とサイズによって更に提供される。上記の実施形態では、内側プレート304および404は円形である。ここでは、内側プレートは代わりに、矩形の強磁性プレート504を含む。見えないが、対応する強磁性の内側矩形プレートが、バックシェル503の下側に設けられている。水平バー502および514、垂直バー508、矩形プレート504(およびその下部の対応物)は、示されるように、バックシェル503用の取り囲まれた強磁性ケージを一緒に画定する。RFソースコイル206は、使用時には、バックシェル503の取り囲まれたケージ内に存在している。いくつかの例では、センターバーまたはコア(見えていない)が、バックシェル503のシールドまたは磁束成形能力を強化するために提供されている。
【0056】
ここで、
図6A~
図6Bを参照する。
図6A~
図6Bに示す例示的な磁気シールド600は、
図3A~
図3Bに示す磁気シールド300のバックシェル303の上部301に非常に類似したコンポーネントを有し、それに対応して番号が付けられている。しかしながら、この例では、下部の強磁性部品はない。バックシェル603の下部入口は開いたままであり、例えば、上述したタイプのプレート304またはバー302、308の下部セットによって閉じられたり、橋渡しされたりしていない。RFソースコイル206は、使用時には、バックシェル603の開いた入口ケージにおける領域内に、またはその近くの領域209内にある。
【0057】
本明細書では、水平、垂直、上部および下部などの用語は、図面に示されているこれらの例示的な向きを参照して使用されていることが理解されよう。使用時には、例えば、示されるように、RFソースコイル206が使用時に水平面ではなく垂直面に向いている場合、例示的なバックシェル303、403、503、および603、ならびにそれらを備えるコンポーネントは、それに応じて、対応する異なる向きをとることになる。
【0058】
ここで
図7を参照する。
図7は、上述したいくつかの実施形態のシールド効果、すなわち、渦電流損失低減を比較したグラフを示す。
図6A~
図6Bに示す開いた入口を有するバージョンの磁気シールド600は、試験されたものの中で最も性能が低く、渦電流損失の低減は、ある周波数範囲にわたって5%の範囲であった。コア405を備える
図4A~
図4Bの磁気シールド400は、示されるようにシールドとしてより良い試験結果を達成し、渦電流損失の低減は、同じ周波数範囲にわたって20~30%の範囲であった。コアがない
図4A~
図4Bの磁気シールド400は、示されるようにシールドとして著しく優れた性能を示し、渦電流の低減は、同じ周波数範囲にわたって90~95%の範囲であった。
【0059】
上述した例示的なバックシェル構成の更なる組み合わせが可能である。例えば、
図3A~
図6Bに示す磁気シールド300、400、500、および600は、円形のケージ構成を含む。適切な変更により、正方形または矩形のケージ構成が可能である。これらの構成は、バー302またはプレート304がケージの側面を構成することによって形成されてよい。バー302は、例えば、所与の用途に適合するように、例えば、規則的にまたは不規則に間隔を置いていてもよく、または互いに対して異なる寸法および厚さであってよい。上述した円形ケージ構成の規則的に間隔を置いたバー302は、いくつかの例では、規則的に間隔を置いていなくてよい。ケージの様々な組み合わせおよびサイズが可能である。
【0060】
磁気シールド300、400、500、600用の他の構成可能な設計パラメータは、異なるバー302間の間隔、使用されるバー302の数、バー302とRFソースコイル206との間隔、バーとエンクロージャとの間隔、異なるシールド概念の様々な組み合わせ、および異なる強磁性材料の1つ以上の組み合わせ、を含んでよい。特別に設計された、または最適化されたソリューションは、異なる用途に対しては異なる場合がある。いくつかの設計基準には、100W~50kWの範囲のソース電力レベル、100kHz~300MHzの範囲のソース周波数、エンクロージャおよび強磁性材料自体における損失の周波数依存性、ならびに様々なRFソースコイルの形状などの態様が含まれる場合がある。
【0061】
例えば、Ferroxcubeの材料(材料-4B2)からのNiZnフェライトの周波数依存の透磁率、誘電率、および損失特性を、特定の用途用に構成された磁気バックシェルの設計時に考慮に入れてよい。NiZnは、場合によっては、その誘電率が低いことにより、RFソースコイル206のコイルと、それを取り囲むバックシェル(例えば、303、403、503、および603)との間の容量性寄生効果が低減されることに起因して、好ましい場合がある。MnZn材料などのより高い透磁率を有する材料は、磁場を閉じ込めるには有利な場合があるが、これら材料は、より高い誘電定数を含む場合があり、それにより、接地基準へのRF結合の増加を引き起こす場合がある。したがって、バックシェル材料およびコンポーネントの多くの組み合わせおよび構成が可能である。
【0062】
本開示はまた、例示的な方法を含む。一例では、
図8を参照すると、プラズマソースのためのRFソースコイル206を磁気的にシールドする方法800は、少なくとも、動作802において、RFソースコイル206用のバックシェル(例えば、303、403、503、および603)を提供することと、動作804において、強磁性材料のバーの構成(例えば、
図3A~
図6Bで説明し示した水平バーまたは垂直バー)を使用して、バックシェル(例えば、303、403、503、および603)用のケージを画定することにより、バックシェル(例えば、303、403、503、および603)を形成することと、動作806において、使用時にRFソースコイル206を少なくとも部分的に取り囲むように、ケージをサイズ決めし構成することと、を含む。
【0063】
いくつかの例では、方法800は、ケージの少なくとも1つの壁の中央領域と、その外形寸法との間に延びる放射状であって間隔を空けたバーのアレイを形成することによって、ケージの少なくとも1つの壁を画定することを更に含む。方法800はまた、本明細書に記載のバックシェルの特徴または要素のうちの任意の1つ以上を含むようにバックシェルを形成することを含んでよい。
【0064】
いくつかの例では、非一時的な機械可読媒体が命令924を含み、命令924は、機械900によって読み取られた時に、少なくとも上で概要を述べた非限定的な例示的動作を含む方法における動作を、機械900に制御させる。
図9は、本明細書に記載される1つ以上の例示的なプロセスの実施形態を実現してよいマシン、または本明細書に記載される1つ以上の例示的なプロセスの実施形態を制御してよいマシン900の例を示すブロック図である。代替的実施形態では、マシン900は、独立型装置として動作してもよく、または他の機械に接続(例えば、ネットワーク化)されてよい。ネットワーク展開では、マシン900は、サーバークライアントネットワーク環境において、サーバーマシン、クライアントマシン、またはその両方の能力で動作してよい。一例では、マシン900は、ピアツーピア(P2P)(または他の分散型)ネットワーク環境においてピアマシンとして機能してよい。更に、単一のマシン900のみが示されているが、「マシン」という用語はまた、命令924のセット(または複数のセット)を個別にまたは共同で実行して、クラウドコンピューティング、サービス型ソフトウェア(SaaS)、または他のコンピュータクラスタ構成を介するような本明細書に記載される方法論のうちの任意の1つ以上を実行するマシンの集合を含むと解釈されなければならない。
【0065】
本明細書に記載されるような例は、ロジック、および/または複数のコンポーネントもしくはメカニズムを含んでもよく、またはそれらによって動作してよい。回路機構は、ハードウェア(例えば、単純な回路、ゲート、ロジックなど)を含む有形のエンティティにおいて実装される回路の集合である。回路機構の構成要素は、時間、および基盤となるハードウェアのばらつきに対して柔軟であり得る。回路機構は、動作時に、特定の動作を単独でまたは組み合わせて実行してよい要素を含む。一例では、回路機構のハードウェアは、特定の動作(例えば、ハードワイヤード)を実行するように不変に設計されてよい。一例では、回路機構のハードウェアは、特定の動作の命令924を符号化するように物理的に(例えば、磁気的に、電気的に、不変質量粒子(invariant massed particle)の可動配置などによって)変更されたコンピュータ可読媒体を含む、可変的に接続された物理コンポーネント(例えば、実行ユニット、トランジスタ、単純な回路など)を含んでよい。物理コンポーネントを接続する際に、ハードウェアコンポーネントの基盤となる電気的特性は変更される(例えば、絶縁体から導体へ、またはその逆に)。命令924は、組み込みハードウェア(例えば、実行ユニットまたはローディング機構)が、可変な接続を介して、ハードウェア内に回路機構の要素を構築して、動作時に特定の動作の一部を実行させることを可能にする。それに応じて、コンピュータ可読媒体は、装置が動作している時に、回路機構の他のコンポーネントに通信可能に結合される。一例では、物理コンポーネントのいずれも、複数の回路機構の複数の要素において使用されてよい。例えば、動作中、実行ユニットは、ある時点で第1の回路機構の第1の回路で使用され、別の時点で第1の回路機構内の第2の回路によって、または第2の回路機構内の第3の回路によって再利用されてよい。
【0066】
マシン(例えば、コンピュータシステム)900は、ハードウェアプロセッサ902(例えば、中央処理装置(CPU)、ハードウェアプロセッサコア、またはそれらの任意の組み合わせ)、グラフィックス処理装置(GPU)903、メインメモリ904、およびスタティックメモリ906を含んでもよく、これらの一部または全ては、インターリンク(例えば、バス)908を介して互いに通信してよい。マシン900は、ディスプレイ装置910、英数字入力装置912(例えば、キーボード)、およびユーザインターフェース(UI)ナビゲーション装置914(例えば、マウス)を更に含んでよい。一例では、ディスプレイ装置910、英数字入力装置912、およびUIナビゲーション装置914は、タッチスクリーンディスプレイであってよい。マシン900は、加えて、大容量記憶装置(例えば、駆動ユニット)916、信号生成装置918(例えば、スピーカー)、ネットワークインターフェース装置920、および全地球測位システム(GPS)、コンパス、加速度計、または別のセンサなどの1つ以上のセンサ921、を含んでよい。マシン900は、シリアル(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB))接続、パラレル接続、または他の有線もしくは無線(例えば、赤外線(IR)、近距離無線通信(NFC)など)接続などの出力コントローラ928を含んで、1つ以上の周辺機器(プリンタ、カードリーダーなど)と通信するか、またはこれらを制御してよい。
【0067】
大容量記憶装置916は機械可読媒体922を含んでもよく、これには、本明細書に記載される技術または機能のいずれか1つ以上によって具現化または利用されるデータ構造または命令924(例えば、ソフトウェア)の1つ以上のセットが格納される。命令924はまた、マシン900による命令の実行中に、完全にまたは少なくとも部分的に、メインメモリ904内、スタティックメモリ906内、ハードウェアプロセッサ902内、またはGPU903内に存在してよい。一例では、ハードウェアプロセッサ902、GPU903、メインメモリ904、スタティックメモリ906、または大容量記憶装置916のうちの1つ、またはこれらの任意の組み合わせが、機械可読媒体922を構成してよい。
【0068】
機械可読媒体922は単一の媒体として示されているが、用語「機械可読媒体」は、1つ以上の命令924を格納するように構成された単一の媒体、または複数の媒体(例えば、集中型または分散型データベース、および/または関連するキャッシュおよびサーバー)を含んでよい。
【0069】
用語「機械可読媒体」は、マシン900による実行のために命令924を記憶、符号化、または搬送し、マシン900に本開示の技術のいずれか1つ以上を実行させることができる任意の媒体、あるいは、そのような命令によって使用されるか、もしくはそのような命令924に関連付けられたデータ構造を記憶、符号化、または搬送することができる任意の媒体を含んでよい。非限定的な機械可読媒体の例には、固体メモリ、ならびに光学および磁気媒体が含まれてよい。一例では、集合的な(massed)機械可読媒体は、不変(例えば、静止)質量を有する複数の粒子を有する機械可読媒体922を備える。それに応じて、集合的な機械可読媒体は、一時的な伝搬信号ではない。集合的な機械可読媒体の具体例としては、半導体メモリデバイス(例えば、電気的プログラマブル読出し専用メモリ(EPROM;Electrically Programmable Read-Only Memory)、電気的消去可能プログラマブル読出し専用メモリ(EEPROM;Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory))およびフラッシュメモリデバイスなどの不揮発性メモリ、内部ハードディスクおよびリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、ならびにCD-ROMおよびDVD-ROMディスクが挙げられる。命令924は更に、ネットワークインターフェース装置920を介して伝送媒体を使用して、通信ネットワーク926上を送信または受信されてよい。
【0070】
特定の例示的な実施形態を参照して実施形態について説明してきたが、これら実施形態に対して、本発明のより広い範囲から逸脱することなく、様々な変更および変形を行ってよいことが明らかであろう。それに応じて、本明細書および図面は、制限的な意味というよりも例証と見なされることを意図している。本明細書の一部を形成する添付の図面は、主題が実施され得る特定の実施形態を、限定ではなく例示として示す。示される実施形態は、本明細書で開示される教示を当業者が実施することを可能にするのに十分に詳細に説明されている。構造的および論理的置換および変更を、本開示の範囲から逸脱することなく行ってよいように、他の実施形態を利用し、そこから導出してよい。したがって、「発明を実施するための形態」は、限定的な意味で解釈されるべきではなく、様々な実施形態の範囲は、添付の請求項と、そのような請求の範囲が権利を有する等価物の全範囲とによってのみ規定される。
【0071】
本発明の主題のそのような実施形態は、本明細書において、単に便宜上、用語「発明」によって、個別におよび/または集合的に言及される場合があり、1つ以上の発明または発明概念が開示されている場合は、本出願の範囲を、任意の単一の発明または発明概念に自発的に限定することは意図しない。したがって、本明細書では特定の実施形態を図示し説明してきたが、同じ目的を達成するために企図された任意の構成を、示された特定の実施形態の代わりに使用してよいことを理解されたい。本開示は、様々な実施形態の任意のおよび全ての適合形態または変形形態を網羅することを意図している。上記の実施形態の組み合わせ、および本明細書に具体的に記載されていない他の実施形態が、上記の明細書を検討することで当業者には明らかであろう。
本発明は、たとえば、以下のような態様で実現することもできる。
適用例1:
プラズマソース用の磁気シールドであって、前記磁気シールドは、
バックシェルを備え、前記バックシェルは、強磁性材料の要素の構成を含み、前記バックシェルは、少なくとも前記プラズマソース用のRFソースコイルの一部の上に、延びるようにサイズ決めされ構成されている、磁気シールド。
適用例2:
請求項1の磁気シールドであって、強磁性要素の前記構成は、開放側を有する開放ケージを画定し、前記RFソースコイルの底部側は使用時に前記開放側に面している、磁気シールド。
適用例3:
請求項1の磁気シールドであって、強磁性要素の前記構成が、閉鎖ケージを画定する、磁気シールド。
適用例4:
請求項1の磁気シールドであって、前記バックシェルは、強磁性要素の前記構成に含まれる1つ以上の強磁性バーによって画定されるケージを含み、前記ケージは強磁性材料のプレートを更に含み、前記プレートは、前記ケージの少なくとも1つの壁を画定するか、または前記少なくとも1つの壁に含まれ、前記プレートは、強磁性バーの前記構成に対向して平行に配置されている、磁気シールド。
適用例5:
請求項1の磁気シールドであって、前記強磁性材料は、ニッケル亜鉛(NiZn)フェライト、マグネシウム亜鉛(MgZn)フェライト、ニッケルマグネシウム(NiMg)合金で作られたフェライト、マンガン亜鉛(MnZn)フェライト、鉄粉、およびこれらの組み合わせを含む材料の群のうちの1つ以上を含む、磁気シールド。
適用例6:
請求項4の磁気シールドであって、強磁性要素の前記構成は、前記ケージの第1の壁を画定し、前記構成は、前記第1の壁の第1の中央領域と前記第1の壁の外形寸法との間に延びる放射状であって間隔を空けたバーの第1のアレイを含む、磁気シールド。
適用例7:
請求項6の磁気シールドであって、前記第1の中央領域は、強磁性材料の中央バーを含む、磁気シールド。
適用例8:
請求項6の磁気シールドであって、強磁性要素の前記構成は、前記ケージの第2の壁を画定し、前記構成は、前記第2の壁の第2の中央領域と前記第2の壁の外形寸法との間に延びる放射状であって間隔を空けたバーの第2のアレイを含み、前記第1のアレイは前記第2のアレイに対向して平行に配置されている、磁気シールド。
適用例9:
請求項8の磁気シールドであって、前記ケージは、円形である少なくとも1つの壁を含む、磁気シールド。
適用例10:
請求項9の磁気シールドであって、前記円形の円周が、前記RFソースコイルの外周の円周から実質的に等距離にある、磁気シールド。
適用例11:
請求項4の磁気シールドであって、強磁性要素の前記構成は、互いに直交して構成された強磁性バーのアレイを含み、強磁性バーの前記直交したアレイは、前記ケージの少なくとも1つの壁を画定するか、または前記少なくとも1つの壁に含まれる、磁気シールド。
適用例12:
ウェハー処理チャンバであって、前記RFソースコイルと、請求項1の磁気シールドと、を含む、ウェハー処理チャンバ。