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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-29
(45)【発行日】2023-09-06
(54)【発明の名称】光源モジュール
(51)【国際特許分類】
   F21V 23/00 20150101AFI20230830BHJP
   F21S 41/141 20180101ALI20230830BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20230830BHJP
   F21W 102/00 20180101ALN20230830BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230830BHJP
【FI】
F21V23/00 160
F21S41/141
F21S2/00 320
F21W102:00
F21Y115:10
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019098102
(22)【出願日】2019-05-24
(65)【公開番号】P2020194641
(43)【公開日】2020-12-03
【審査請求日】2022-04-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104949
【弁理士】
【氏名又は名称】豊栖 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100074354
【弁理士】
【氏名又は名称】豊栖 康弘
(72)【発明者】
【氏名】波多野 智彦
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-156265(JP,A)
【文献】特開2011-023140(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 23/00
F21S 41/141
F21S 2/00
F21W 102/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一又は複数の発光素子を含み、該一又は複数の発光素子を囲う空間を形成し、複数の導電領域を上面に有する発光装置と、
それぞれが装置側接続部及び外部側接続部を有する複数の導電パターンをその上面に有しており、該上面に前記発光装置の下面側が配される実装基板と、
それぞれが、一端で前記装置側接続部と接合し、他端で弾性を利用して前記導電領域に接することで、前記導電領域と導電パターンとを電気的に接続する複数の導電部材と、
を備え
前記複数の導電パターンは、1以上の第一導電パターンと、1以上の第二導電パターンとを含み、
前記発光装置は、第一側面と、該第一側面と反対側の第二側面とを有しており、
前記複数の導電領域は、前記第一側面側に設けられる第一導電領域と、前記第二側面側に設けられる第二導電領域とを含んでおり、
前記複数の導電部材は、
前記第一側面に面した位置に配され、前記第一導電領域と前記第一導電パターンとを電気的に接続する1以上の第一導電部材と、
前記第二側面に面した位置に配され、前記第二導電領域と前記第二導電パターンとを電気的に接続する1以上の第二導電部材と、
を含み、
複数の前記第一導電部材が、複数の前記第一導電領域と複数の前記第一導電パターンとを電気的に接続し、
複数の前記第二導電部材が、複数の前記第二導電領域と複数の前記第二導電パターンとを電気的に接続し、
複数の前記第一導電パターン及び複数の前記第二導電パターンは、1の前記第一導電パターンと1の前記第二導電パターンとからなる導電対を複数構成し、
前記複数の導電対は、第一導電対と、前記第一導電対よりも前記装置側接続部が前記外部側接続部より遠い第二導電対と、を含み、
前記第一導電対に係る前記第一導電パターンと前記発光装置との間を前記第二導電対に係る前記第一導電パターンが通過し、前記第一導電対に係る前記第二導電パターンと前記発光装置との間を前記第二導電対に係る前記第二導電パターンが通過する光源モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の光源モジュールであって、さらに、
前記複数の導電部材のうち2以上の導電部材を一体的に保持する導電保持部を備える光源モジュール。
【請求項3】
請求項2に記載の光源モジュールであって、
前記導電保持部が、前記発光装置を向く側面と反対側の側面において突出部を備える光源モジュール。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光源モジュールであって、
前記第一及び第二導電パターンに関して、前記第一導電対に係る導電パターンの面積が、前記第二導電対に係る導電パターンの面積よりも大きい光源モジュール。
【請求項5】
請求項1乃至のいずれか一項に記載の光源モジュールであって、さらに、
前記導電パターンの前記外部側接続部に接続されるコネクタを備える光源モジュール。
【請求項6】
請求項1乃至のいずれか一項に記載の光源モジュールであって、
前記複数の導電部材がそれぞれ、半田付けにより前記一端を前記装置側接続部と固定してなる光源モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、車載用のヘッドライト等に、発光ダイオードや半導体レーザなどの発光素子を適用することができる。特許文献1には、車輌用灯具に用いられる光源モジュールであって、半導体発光素子と、半導体発光素子の導通のための導電パターンが形成された回路基板と、外部電源に接続するための給電用アタッチメントと、を有する光源モジュールが開示されている。
【0003】
特許文献1の光源モジュールでは、外部電源と接続するための差込口と、発光素子と接続するための給電端子と、が一体となった給電用アタッチメントが用いられ、給電端子と回路基板の導電パターンを固定して、電気的な接続を図っている。
【0004】
一方で、給電に要する端子の数や配置は、光源モジュールをどのように構成するかによって変わり得るものある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2007-242267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
給電に要する端子の数や配置などの仕様に柔軟に対応することのできる光源モジュールを実現するには、なお改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一の形態に係る光源モジュールによれば、一又は複数の発光素子を含み、該一又は複数の発光素子を囲う空間を形成し、複数の導電領域を上面に有する発光装置と、それぞれが装置側接続部及び外部側接続部を有する複数の導電パターンをその上面に有しており、該上面に前記発光装置の下面側が配される実装基板と、それぞれが、一端で前記装置側接続部と接合し、他端で弾性を利用して前記導電領域に接することで、前記導電領域と導電パターンとを電気的に接続する複数の導電部材とを備えることができる。
【発明の効果】
【0008】
上記構成により、給電に要する端子の数や配置などの仕様に柔軟に対応可能な光源モジュールが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態1に係る光源モジュールを示す斜視図である。
図2図1の光源モジュールの分解斜視図である。
図3図1の光源モジュールの平面図である。
図4図2の発光装置を示す斜視図である。
図5】発光装置の内部の構造を示す斜視図である。
図6】発光装置の内部の構造を示す平面図である。
図7】実施形態1に係る実装基板の導電パターンを示す平面図である。
図8図2の導電集合体を示す斜視図である。
図9】実施形態2に係る光源モジュールの導電集合体を示す斜視図である。
図10】実施形態3に係る導電集合体を示す斜視図である。
図11】実施形態4に係る導電集合体を示す斜視図である。
図12】実施形態5に係る導電集合体を示す斜視図である。
図13】実施形態6に係る導電集合体を示す斜視図である。
図14図14Aは実施形態1に係る導電集合体の断面図、図14Bは実施形態3に係る導電集合体の断面図、図14Cは実施形態7に係る導電集合体の断面図、図14Dは実施形態8に係る導電集合体の断面図、図14Eは変形例に係る導電集合体の断面図である。
図15図3の光源モジュールのXV-XV線における断面図である。
図16】実施形態9に係る光源モジュールを示す平面図である。
図17図16の実装基板の導電パターンを示す平面図である。
図18図16の光源モジュールのXVIII-XVIII線における断面図である。
図19】実施形態10に係る光源モジュールを示す斜視図である。
図20】実施形態11に係る光源モジュールを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態に係る光源モジュールによれば、さらに、前記複数の導電部材のうち2以上の導電部材を一体的に保持する導電保持部を備えることができる。
【0011】
また、本発明の他の実施形態に係る光源モジュールによれば、上記構成に加えて、前記導電保持部が、前記発光装置を向く側面と反対側の側面において突出部を備えることができる。
【0012】
さらに、本発明の他の実施形態に係る光源モジュールによれば、上記いずれかの構成に加えて、前記複数の導電パターンは、1以上の第一導電パターンと、1以上の第二導電パターンとを含み、前記発光装置は、第一側面と、該第一側面と反対側の第二側面とを有しており、前記複数の導電領域は、前記第一側面側に設けられる第一導電領域と、前記第二側面側に設けられる第二導電領域とを含んでおり、前記複数の導電部材は、前記第一側面に面した位置に配され、前記第一導電領域と前記第一導電パターンとを電気的に接続する1以上の第一導電部材と、前記第二側面に面した位置に配され、前記第二導電領域と前記第二導電パターンとを電気的に接続する1以上の第二導電部材とを含むことができる。
【0013】
さらに、本発明の他の実施形態に係る光源モジュールによれば、上記いずれかの構成に加えて、複数の前記第一導電部材が、複数の前記第一導電領域と複数の前記第一導電パターンとを電気的に接続し、複数の前記第二導電部材が、複数の前記第二導電領域と複数の前記第二導電パターンとを電気的に接続することができる。
【0014】
さらに、本発明の他の実施形態に係る光源モジュールによれば、上記いずれかの構成に加えて、複数の前記第一導電パターン及び複数の前記第二導電パターンは、1の前記第一導電パターンと1の前記第二導電パターンとからなる導電対を複数構成し、前記複数の導電対は、第一導電対と、前記第一の導電対よりも前記装置側接続部が前記外部側接続部より遠い第二導電対と、を含み、前記第一導電対に係る前記第一導電パターンと前記発光装置との間を前記第二導電対に係る前記第一導電パターンが通過し、前記第一導電対に係る前記第二導電パターンと前記発光装置との間を前記第二導電対に係る前記第二導電パターンが通過するよう構成できる。
【0015】
さらに、本発明の他の実施形態に係る光源モジュールによれば、上記いずれかの構成に加えて、前記第一及び第二導電パターンに関して、前記第一導電対に係る導電パターンの面積を、前記第二導電対に係る導電パターンの面積よりも大きくすることができる。
【0016】
さらに、本発明の他の実施形態に係る光源モジュールによれば、上記いずれかの構成に加えて、さらに、前記導電パターンの前記外部側接続部に接続されるコネクタを備えることができる。
【0017】
さらに、本発明の他の実施形態に係る光源モジュールによれば、上記いずれかの構成に加えて、前記複数の導電部材をそれぞれ、半田付けにより前記一端を前記装置側接続部と固定することができる。
【0018】
以下、図面に基づいて実施形態を詳細に説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、及びそれらの用語を含む別の用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が制限されるものではない。また、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一もしくは同等の部分又は部材を示す。なお、本明細書において「備える」とは、別部材として備えるもの、一体の部材として構成するものの何れをも含む意味で使用する。
【0019】
さらに以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための発光装置を例示するものであって、本発明を以下に限定するものではない。また、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。また、一の実施の形態、実施例において説明する内容は、他の実施の形態、実施例にも適用可能である。また、図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張していることがある。
[実施形態1]
【0020】
実施形態1に係る光源モジュールの斜視図を図1に、分解斜視図を図2に、平面図を図3に、それぞれ示す。これらの図に示す光源モジュール100は、一以上の発光素子を含む発光装置10と、コネクタ50と、発光装置10とコネクタ50を上面に実装する実装基板20と、発光装置10と実装基板20とを電気的に接続する一対の導電部材30とを備える。
(発光装置10)
【0021】
発光装置10の斜視図を図4に、この発光装置10の内部の構造を示す斜視図を図5に、この発光装置10の内部の構造を示す平面図を図6に、それぞれ示す。図5及び図6では、パッケージ13を構成する構成要素の一部を取り除いている。また、図5では、発光素子14が気密封止された状態を示しており、図6では、発光素子14が気密封止されていない状態を示している。発光装置10は、パッケージ13、一又は複数の発光素子14、及び、一又は複数の状態検知部17を有する。また、発光装置10は、波長変換部16を有する。パッケージ13は、発光装置10の外形を構成する。また、パッケージ13は、その外形の内側において発光素子14を配置する。一又は複数の発光素子14は、パッケージ13の内側で、気密封止された空間内に配置される。開空間において発光素子14を配置した後に、蓋をして閉空間を形成することから、パッケージ13は複数のパーツで構成される。波長変換部16には、一又は複数の発光素子14からの光が入射される。図6では、発光素子14からの光が光反射部材15によって反射される。そして反射された光が波長変換部16へと入射する。なお、光反射部材を用いずに波長変換部16に光を入射させる構造の発光装置であってもよい。波長変換部16は、入射した光とは異なる波長の光を出射する。発光素子14からの光及び波長変換された光が、発光装置から外部に出射される。従って、パッケージ13には、光を取り出す領域が設けられている。発光装置10では、波長変換部16の上面が、パッケージ13における光の取出し領域となっている。状態検知部17は、発光装置10の動作状態を検知するための素子である。発光装置10では、状態検知部17として、発光素子14の動作状態を検知するための第一状態検知部17Aと、波長変換部16の動作状態を検知するための第二状態検知部17Bと、が発光装置10において設けられる。例えば、発光素子14の温度が高くなりすぎると発光素子14が適切に動作しなくなるため、サーミスタなどの温度を測定することのできる素子が第一状態検知部17Aとして利用される。また例えば、波長変換部16が外れてしまうと適切な出射光が得られないため、割れや剥離といった波長変換部16の異常を検知することのできる素子が第二状態検知部17Bとして利用される。図5では、パッケージ13を構成する構成要素の一部であって、第二状態検知部17Bが露出しないように保護する保護部材が除かれている。図6ではさらに、パッケージ13を構成する構成要素の一部であって、発光素子14及び第一状態検知部17Aが配置される空間を気密して封止する蓋部材が除かれている。
【0022】
発光装置10は、複数の導電領域12を、上面に設けている。複数の導電領域12には、一又は複数の発光素子14を、外部と電気的に接続させるための一対の導電領域12と、各状態検知部17について、外部と電気的に接続させるための一対の導電領域12と、が含まれる。対の導電領域12をそれぞれ、第一導電領域12A、第二導電領域12Bとよぶものとする。発光装置10の上面において、第一導電領域12Aは、発光装置10の第一側面11A側に設けられ、第二導電領域12Bは、この第一側面11Aと反対側の側面である第二側面11B側に設けられる。また発光装置10は、その上面において、第一側面11A側に3つの第一導電領域12Aを、第二側面11B側に3つの第二導電領域12Bを、それぞれ設けている。なお、発光装置10では、発光装置10の上面及び側面は、パッケージ13の上面及び側面でもある。
【0023】
発光素子14としては、半導体レーザ素子などの半導体発光素子を用いることができる。また、半導体発光素子は、波長変換部材を効率良く励起できる短波長の光を出射することが可能な窒化物半導体(InXAlYGa1-X-YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)を備えることが好ましい。また波長変換部16は、蛍光体を含有させて形成することができる。蛍光体としては、セリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット、セリウムで賦活されたルテチウム・アルミニウム・ガーネット、ユウロピウムおよび/若しくはクロムで賦活された窒素含有アルミノ珪酸カルシウム(カルシウムの一部をストロンチウムで置換可)、ユウロピウムで賦活されたサイアロン、ユウロピウムで賦活されたシリケート、ユウロピウムで賦活されたアルミン酸ストロンチウム、βサイアロン蛍光体、窒化物系蛍光体、硫化物系蛍光体、量子ドット蛍光体、または、KSF系蛍光体等のフッ化物系蛍光体などが挙げられる。
(実装基板20)
【0024】
実装基板20は、上面に発光装置10の下面側を配置してこれを実装している。この実装基板20は、その上面に複数の導電パターン21を形成している。複数の導電パターン21は、装置側接続部22と、外部側接続部24を含む。実装基板20の導電パターン21を、図7に示す。ここで、実線は導電パターン21が露出していることを、破線は導電パターン21が露出していないことを示す。露出していない部分には、例えば、導電パターンの上に絶縁膜が設けられている。従って、露出していない部分は、外部と接触させても電気的な接続を図れない部分ともいえる。複数の導電パターン21は、第一導電パターン群21A及び第二導電パターン群21Bを含んでいる。また、第一導電パターン群21Aにおいて3つの第一導電パターン21aを、第二導電パターン群21Bにおいて3つの第二導電パターン21bを有している。また、それぞれの導電パターン21は、一端に装置側接続部22を、他端に外部側接続部24を有する。また、一対の第一導電パターン21a及び第二導電パターン21bによって電気的な接続が図られる。従って、実装基板20は、一対の第一導電パターン21a及び第二導電パターン21bの単位で、外部側接続部24に近い方から順に、第一導電対23a、第二導電対23b、第三導電対23cを有する。第一導電パターン群21Aと第二導電パターン群21Bのそれぞれに関して、第一導電対23aに係る導電パターン21の外側を第二導電対23bに係る導電パターン21が通過し、第二導電対23bに係る導電パターン21の外側を、第三導電対23cに係る導電パターン21が通過している。また、第一導電パターン群21Aと第二導電パターン群21Bのそれぞれに関して、第一導電対23aに係る導電パターン21の装置側接続部22の外側に第二導電対23bに係る導電パターン21及び第三導電対23cに係る導電パターン21の露出していない部分が設けられ、第二導電対23bに係る導電パターン21の装置側接続部22の外側に、第三導電対23cに係る導電パターン21の露出していない部分が設けられる。
(コネクタ50)
【0025】
コネクタ50は、光源モジュール100を外部と接続するためのインターフェースを構成する。このコネクタ50は、第一導電パターン群21Aの外部側接続部24である第一外部側接続部24A及び第二導電パターン群21Bの外部側接続部24である第二外部側接続部24Bの上に配置され、外部側接続部24に電気的に接続される。図1図2に示す例では、外部機器との電気接続用のピン51を、樹脂等の絶縁性の部材で構成された枠体52で囲んで保護している。
(導電部材30)
【0026】
導電部材30は、導電領域12と導電パターン21とを電気的に接続する部材である。複数の導電部材30は、それぞれが、一端で装置側接続部22と接合し、他端で弾性を利用して導電領域12に接している。なお、「接している(接触している)」とは、接着剤などで接合されることで接触している状態だけでなく、圧力や重力などの外力を利用して接触している状態も含む。また、「弾性を利用して接している」とは、接着剤などを利用しておらず、接している状態が、弾性による作用のみで成立していることをいうものとする。一方で、接している状態が、弾性による作用だけでなく、例えば接着剤による接合など他の作用も有した上で、これらの作用によって成立している場合には「弾性を有した状態で接している」というものとする。発光装置10及び実装基板20を導電部材30で電気的に接続させる構成により、設計変更等に容易に対応できる利点が得られる。すなわち、従来のようにコネクタ一体型ホルダを使用せず、発光装置10と実装基板20とを導電部材30を介して接続するようにパーツ化したことで、発光装置の寸法やレイアウト等に設計変更が生じても、発光装置10、実装基板20、及び、導電部材30のうち必要なパーツだけを部分的に変更することで対応させることが可能となる。このようにホルダ全体を再設計するのでなく、部材毎に変更可能としたことでより柔軟な対応が可能となる。
【0027】
加えて、導電部材30の他端に弾性を付与したことで、導電部材30を高さ方向に弾性変形させることが可能となり、一端を実装基板20上に固定した導電部材30の高さと、同じく実装基板20上に実装された発光装置10の高さとの高低差を、吸収させることが可能となる。例えば発光装置の組立時における部材の製造公差を吸収することができる。また、発光装置の使用時における振動や衝撃に対し、導電領域12との接続部位における応力集中の緩和を図ることが可能となる。また、弾性を利用して導電領域12に接するようにすることで、振動や衝撃による応力を発光装置と実装基板の両方から受けずに済み、導電部材30の剥離や脱落のおそれを低減することができる。なお、光源モジュール100では、導電部材30は、弾性を利用した接触の他に発光装置10とは接しておらず、上記の観点から、光源モジュールはこのように構成されることが好ましい。
(導電保持部40)
【0028】
また複数の導電部材30を保持する導電保持部40を備えることが好ましい。導電保持部40は、複数の導電部材30を一体的に保持して導電集合体3を構成する。図1図3に示す例では、複数の導電集合体3として、発光装置10の第一側面11A側に第一導電集合体3Aを、第二側面11B側に第二導電集合体3Bを、それぞれ配置している。導電部材30の両端のそれぞれから延びる第一接続部31及び第二接続部32は、導電保持部40によって囲われず、導電保持部40から露出する。一方で、第一接続部31と第二接続部32の間にある導電部材30の中間部33は、導電保持部40によって囲われ、導電保持部40に埋没される。このように導電保持部40によって複数の導電部材30が一体的に保持された導電集合体3を用いることで、発光装置10と導電部材30との電気的な接続を容易に行える利点が得られる。つまり、個々に導電部材30を実装する替わりに、一対の導電集合体3(導電集合体3A及び導電集合体3B)を配置すればよい。導電保持部40は、絶縁性や成形性に優れた材料で形成される。例えば、LCP(Liquid Crystal Polymer)樹脂やポリアミド樹脂等の樹脂を採用して形成することができる。また、図1及び図2に示すように、導電部材30の第一接続部31及び第二接続部32から繋がる屈曲部は、導電保持部40から露出することが好ましい。これにより、導電部材30の弾性を発揮しやすい。導電保持部40は、例えば、実装時に実装基板20及び/又は発光装置10から離間する位置に形成されている。
【0029】
図1図3の例では、発光装置10は、平面視で矩形状の上面を有し、その上面の対向する辺の一方の側(第一側面11A側)に第一導電領域12Aを、他方の側(第二側面11B側)に第二導電領域12Bを、それぞれ複数設けている。
【0030】
また複数の導電部材30は、一以上の第一導電部材30Aと、一以上の第二導電部材30Bを含む。第一導電部材30Aは、第一側面11Aに面した位置に配されており、第一導電領域12Aと第一導電パターン21aとを電気的に接続する。また第二導電部材30Bは、第二側面11Bに面した位置に配されており、第二導電領域12Bと第二導電パターン21bとを電気的に接続する。一方、複数の導電保持部40は、第一導電保持部40Aと、第二導電保持部40Bを含む。第一導電保持部40Aは、一以上の第一導電部材30Aを一体的に保持する。また第二導電保持部40Bは、一以上の第二導電部材30Bを一体的に保持する。この状態で、複数の第一導電部材30Aが、一方の辺の側に設けられた複数の第一導電領域12Aと第一導電パターン群21Aとを電気的に接続している。また、複数の第二導電部材30Bが、対向する他方の辺の側に設けられた複数の第二導電領域12Bと第二導電パターン群21Bとを電気的に接続している。
(導電集合体3)
【0031】
導電集合体3の斜視図を図8に示す。この図に示す導電集合体3は、第一導電集合体3Aを示しており、3つの第一導電部材30Aを、第一導電保持部40Aが一体的に保持している。また、第一導電部材30Aの第一接続部31は、第一導電保持部40Aの下面から飛び出し、第二接続部32は、第一導電保持部40Aの上面から飛び出す。また、下面から飛び出した第一接続部31は、第一導電保持部40Aの対向する側面のうちの一方の側面に向かって延伸し、第一導電部材30Aの両端のうち第一接続部31側の端は、上面視で、この一方の側面(第一接続部31側の側面)よりも第一導電保持部40Aの外側にある。上面から飛び出した第二接続部32は、第一導電保持部40Aの対向する側面のうちの他方の側面、言い換えると、第一接続部31が延伸する側の側面とは反対側の側面に向かって延伸し、第二接続部32側の端は、上面視で、この他方の側面(第二接続部32側の側面)よりも第一導電保持部40Aの外側にある。このように複数の導電部材30を一体的にまとめることで、発光装置の製造工程において導電部材30を把持し位置決めする作業を容易に行える利点が得られる。発光装置10との電気的な接続においては、第二接続部32が延伸する側の側面が、発光装置10側を向く。この第一導電集合体3Aは、図2に示すように発光装置10の第一側面11A側に配置される。また第二導電集合体3Bは、第一導電集合体3Aと同様の形状及び構造をしており、第二側面11B側に配置される。導電集合体3は、導電保持部40が発光装置10と接しないように配置される。接しないことで、発光装置10による振動が導電集合体3に与える影響を低減することができる。導電保持部40は棒状に形成されて、各導電部材30を一定間隔に離した状態に保持する。各導電部材30は、中間部33が導電保持部40に埋設して形成される。
[実施形態2]
【0032】
また導電保持部40は、第一接続部31側の側面において、側方に部分的に突出した突出部42を備えてもよい。つまり、導電保持部40は、第一接続部31側の側面において凸形状を形成する。これによって製造工程において導電保持部40を突出部42でもって把持し易くできる。例えば通電集合体を実装するときに実装装置が吸着する領域として凸形状の最上面(突出した部分の面)、つまり、第一接続部31側の側面のうち最も外側の面を利用することができる。図8の例では、導電保持部40の延長方向の中央に突出部42を形成している。なお、突出部は図8の形態に限らず、例えば図9の斜視図に示す実施形態2に係る光源モジュールの導電集合体3bのように、複数の突出部42bを設けてもよい。複数の突出部42bはそれぞれ、上面視で、複数の導電部材30の間に設けられると好ましい。上面視で、突出部が導電部材を邪魔しないことで、導電集合体を実装するときに導電部材30と装置側接続部22との接続の状態を確認しやすくなる。
【0033】
各導電部材30は、細長い板状を屈曲させた形状で形成され、長手の一端側に装置側接続部22と接続する第一接続部31を、他端側に導電領域12と接続する第二接続部32を、有する。図8に示す例では、各導電部材30は、中間部33の下端から続く第一接続部31が屈曲して一方の方向に延伸し、中間部33の上端から続く第二接続部32が屈曲して第一接続部31の延伸する方向とは異なる方向に延伸する。また、第一接続部31と第二接続部32とは、中間部33から互いに反対の方向に延びる。
【0034】
導電部材30は、導電性と弾性に優れた材質とすることが好ましく、線径の小さいワイヤのような細い線状の材料ではなく、板状の金属板を折曲して形成することがより好ましい。細い線状の材料とは、例えば、線径が300μ以下の材料である。導電部材30の材質は、装置側接続部22や導電領域12を構成する金属板との間で、溶接や当接などで接触させる際の強度や相性なども考慮して決定される。例えばアルミニウムや銅、これらの合金などが利用できる。
【0035】
第一接続部31は、半田付けやレーザ溶接、超音波溶接等により装置側接続部22に接合される。このため第一接続部31は、装置側接続部22との接触面積を大きくするよう、平板状に形成することが好ましい。
【0036】
一方で第二接続部32も、同様に導電領域12と接合させることもできるが、好ましくは弾性を利用して接触させることが好ましい。例えば本実施形態に係る光源モジュールを車載用のヘッドライト光源として利用する場合、振動や衝撃によって導電部材と導電領域との接合部分に応力が印加されることが考えられる。特に半田付けして固定している場合は、接続部分が変形できないために応力の集中が避けられず、疲労破断や半田のクラックの発生等が考えられる。そこで、第二接続部32と導電領域12との間は溶接等で固定させず非固定状態とし、代わりに第二接続部32を導電領域12に対して付勢する押圧構造を設ける。このように第二接続部32を導電領域12に対して固定しないことで、第二接続部32を導電領域12に押圧状態としながらも、例えば振動や衝撃が生じた場合でも当接位置が変位することで応力が一点に集中する状態を緩和することができる。
(押圧構造)
【0037】
押圧構造は、第二接続部32に弾性を持たせつつ、導電領域12に圧接させる構造とできる。図8の例では、導電部材30の先端を折曲させた折曲片である第二接続部32を、導電領域12に押し付けるように当接させることで、第二接続部32に弾性を付与して導電領域12を押圧状態とすることができる。また押圧構造の弾性変形によって、発光装置の組立時における高さ方向(図8においてZ方向)の製造公差を吸収する効果も得られる。
[実施形態3]
【0038】
押圧構造は、図8の構成に限らず、第二接続部を導電領域に対して押圧可能な他の構造を適宜利用できる。例えば、図10に示す実施形態3に係る光源モジュールに用いる導電集合体3cにおいては、第二接続部32を、中間部33から上方に向けて延伸させ、そこからさらに折曲させて下方に向けて延伸させ、その先で発光装置10の導電領域12と接する領域が設けた形状としている。第二接続部32はU字を逆さにしたU字形状を有している。これにより、導電部材30の第二接続部32側において上方から下方に折り返す構造を設けることによって、発光装置10の上面側に印加する押圧力を高めることができる。加えて、U字状に折曲された第二接続部32が変形することで、先端が上下方向(図10においてZ方向)に加えて、矢印の方向(図10においてX方向)にも変形できるようになり、これらの方向への変形や振動に対する許容度が向上される。
[実施形態4]
【0039】
以上の例では、実装基板20と発光装置10との相対位置が、第一側面11Aや第二側面11Bと直交する方向(図1においてX方向)に位置ずれした場合の変位の許容度を与える構成について説明したが、本発明は押圧構造をこれに限定するものでない。例えば押圧構造は更に、第一側面11Aや第二側面11Bと平行な方向(図1においてY方向、すなわち実装基板20の長手方向)に応力が印加された場合にも、変位の許容度を与えるように構成してもよい。このような例を実施形態4に係る光源モジュールの押圧構造の例として、図11の斜視図に示す。この図に示す導電部材30dは、実装基板20側の導電部材30d1(基板側導電部材30d1)と、発光装置10側の導電部材30d2(装置側導電部材30d2)に二分割しており、基板側導電部材30d1の一端に設けられた第一接触片30d1aと、装置側導電部材30d2の一端に設けられた第二接触片30d2aとを、互いに押圧し合うように当接させて弾性構造を構成している。また、基板側導電部材30d1は、第一接触片30d1aと反対側の端を導電パターン21に接触させ、第二接触片30d2aと反対側の端を導電領域12に接触させる。この構成であれば、図11において直交する矢印で示すように、実装基板に対して発光装置がその長手方向、短手方向(X方向、Y方向)のいずれに相対移動した場合であっても、第一接触片30d1aと第二接触片30d2aとが相対移動することで、位置ずれを吸収し、導電部材と導電領域12との接続部位に応力が集中することを緩和できる。なお、第一接触片30d1aと第二接触片30d2aとは、接着していてもよいが、接着していなくてもこの効果を奏する。また、第一接触片30d1aと第二接触片30d2aとそれぞれ、折曲して形成されていることから、これらの折曲部分の角度によって、高さ方向(図11においてZ方向)への変位も許容される。
[実施形態5]
【0040】
上述した実施形態4では導電部材30dを2つの部材で構成しているが、実施形態5に係る光源モジュールの導電部材30eとして、図12の斜視図は、導電部材を一の部材とし、X方向、Y方向への位置ずれを吸収可能とした弾性構造を示す。この図に示す導電部材30eは、先端側の第一接続部31eから延長された中間の第一折曲位置35で折曲させて第一面34を形成しつつ、第一面34を構成する辺の内で、第一折曲位置35とほぼ直交する第二折曲位置36でさらにU字状に折曲させて、端縁をさらに折曲して導電領域12に当接させている。この構成であれば、U字状の折曲部分によってZ方向及びY方向への位置ずれを吸収し、さらに第一折曲位置35でもってX方向への位置ずれも吸収できる。
[実施形態6]
【0041】
また、導電部材30におけるU字状の折曲部分の位置を変更させてもよい。例えば実施形態6に係る光源モジュールの導電部材30fとして図13の斜視図に示す例では、図12における第一折曲位置35と第二折曲位置36を設けた位置を入れ替えている。すなわち、先端側の第一接続部31fから延長された中間の第一折曲位置35fでU字状に折曲させて第一面34fを形成しつつ、第一面34fを構成する辺の内、第一折曲位置35fとほぼ直交する第二折曲位置36fでさらに折曲させ、端縁をさらに折曲して導電領域12に当接させている。この構成によっても同様に、X方向、Y方向、Z方向のいずれの方向への位置ずれに対して、変位を吸収できる利点が得られる。
【0042】
なお、上述した図12図13の例では、いずれもU字状に折曲した部分を上に凸状に形成しているが、本発明はこの構成に限られず、例えば下に凸状としたU字状に折曲させてもよい。あるいは、弾性構造のU字状部分を、上下方向すなわち鉛直方向のみならず、水平方向とすることもできる。例えば変形例に係る光源モジュールの導電部材30を、図14Eの断面図に示す。この導電部材30gは、導電保持部40から表出した第二接続部32fを、発光装置10から遠ざかる方向に水平に折曲させた後、これをU曲させて、導電領域に接触させている。
[実施形態7]
【0043】
さらに導電部材は、導電保持部に埋設される中間部を、平板状とする他、折曲させてもよい。実施形態1の導電集合体3の断面図を図14Aに、実施形態3の導電集合体3cの断面図を図14Bに、それぞれ示す。これらの図に示す導電部材30、30cの中間部33は、平板状としている。これに対して、実施形態7に係る光源モジュールの導電集合体3hの断面図を図14Cに示す。この例では、中間部33hを折曲させており、この折曲された中間部33hを導電保持部40に埋設している。この構成であれば、導電部材30hをより強固に導電保持部40に固定できる。
[実施形態8]
【0044】
図14Dの断面図に示す実施形態8においては、導電部材30iの中間部33iの折曲をジグザグ状としてさらに接触面積を増やしている。
(導電パターン21)
【0045】
実装基板20は、上述の通りその上面に複数の導電パターン21として、第一導電パターン群21Aと、第二導電パターン群21Bを有している。図3図7に示す実装基板20の平面図では、左側に第一導電パターン群21Aを、右側に第二導電パターン群21Bを設けている。これら第一導電パターン群21A及び第二導電パターン群21Bは、それぞれ、装置側接続部22と外部側接続部24を含む。装置側接続部22は導電部材30の第一接続部31と接続される。また外部側接続部24は、コネクタ50と接続される。装置側接続部22と外部側接続部24とは、連続した導電パターン21の端縁にそれぞれ設けられており、導電パターン21によって装置側接続部22に接続された導電部材30と外部側接続部24に接続されたコネクタ50とが電気接続される。
【0046】
また第一導電パターン群21A及び第二導電パターン群21Bの装置側接続部22は、それぞれ、第一導電対23a、第二導電対23b、第三導電対23cを有している。図7においては、実装基板20の下から上に向かって第一導電対23a、第二導電対23b、第三導電対23cの順に並べられている。この第一導電パターン群21Aと第二導電パターン群21Bは、実装基板20の長手方向において左右対称に形成されている。この場合、第一導電パターン群21Aの第一導電対23aから第三導電対23cと、第二導電パターン群21Bの第一導電対23aから第三導電対23cが、それぞれ対称に左右に形成されている。
【0047】
また図7の例では、第一導電対23aに係る導電パターン21の面積が、第二導電対23b及び第三導電対23cに係る導電パターン21の面積よりも大きい。また、第一導電対23aによって電気的に接続される素子に対して流す電流が、第二導電対23bによって電気的に接続される素子、及び、第三導電対23cによって電気的に接続される素子に対して流す電流よりも大きい。より大きな電流が流れる第一導電対23aに係る導電パターン21の面積を大きくすることで放熱性を高め、第二導電対23b及び第三導電対23cに係る導電パターン21よりも大きな電流を通電させることができる。また、大電流用の第一導電対23aに係る導電パターン21の面積を広くすることで抵抗率を低減してジュール熱を低減させる効果も得られる。発光装置10においては、発光素子14の電気的な接続が第一導電対23aにより実現され、2つの状態検知部17のそれぞれの電気的な接続が第二導電対23bと第三導電対23cとによって実現される。
【0048】
第一導電パターン群21Aの第一導電対23a、第二導電対23b、第三導電対23cは、図1図2等に示すように、発光装置10の3つの第一導電領域12Aと、導電部材30を介して電気的に接続される。また第二導電パターン群21Bの第一導電対23a、第二導電対23b、第三導電対23cも同様に、発光装置10の3つの第二導電領域12Bと、導電部材30を介して電気的に接続される。また図7の平面図に示すように、第一導電パターン群21Aに関し、第一導電対23aに係る導電パターン21の装置側接続部22の外側を第二導電対23bに係る導電パターン21が通過し、第二導電対23bに係る導電パターン21の装置側接続部22の外側を第三導電対23cに係る導電パターン21が通過している。第二導電パターン群21Bにおいても同様である。
【0049】
実装基板20上に導電部材30やコネクタ50を実装する位置を示すため、図3の光源モジュールのXV-XV線における断面図を図15に示す。このような配置においては、図7の平面図に示すように第一導電対23aの装置側接続部22と、実装基板20の端縁との間の隙間d1に、第二導電対23bや第三導電対23cに係る導電パターン21を配置する必要がある。いいかえると、第一導電対23aは図7図15に示すように、他の導電パターン21を通過させるために実装基板20の端縁からd1という一定距離を空けて内側に配置する必要がある。この結果、第一導電対23aは発光装置10に近付くことになる。
【0050】
上述の通り、第一導電対23aに実装する導電部材30は、他端を第一導電領域12Aに押圧する押圧構造を設けている。図15の例では、金属板である導電部材30の上端を折曲して、第二接続部32を第一導電領域12Aに対して弾性的に押圧している。このような構造においては、第二接続部32と第一導電領域12Aとの距離が近すぎると、弾性を発揮させるためのストロークを確保し難くなる。一方で、発光装置10と第一導電対23aとの距離を離すほど、実装基板20の横幅は大きくなり、光源モジュールのサイズが大きくなる。実装基板20の装置側接続部22の位置は、このようなことを考慮して設計される。
[実施形態9]
【0051】
これに対して、実装基板の大きさを維持したまま、発光装置と第一導電対との距離を確保することにより第二接続部の弾性を発揮させ易くした発光装置として、実施形態9に係る光源モジュールを図16図18に示す。これらの図において、図16は実施形態9に係る光源モジュール200の平面図、図17はこの実装基板20の導電パターン21の平面図、図18図16の光源モジュールのXVIII-XVIII線における断面図を、それぞれ示している。これらの図において、上述した実施形態1等と同様の部材については、同じ符号を付して詳細説明を省略する。実施形態9の光源モジュール200においては、図16図17の平面図に示すように、第一導電パターン群21A及び第二導電パターン群21Bの装置側接続部22を、それぞれ平面視矩形状に形成された実装基板20の端縁に近接するように配置している。第一導電パターン群21Aと第二導電パターン群21Bのそれぞれに関して、第一導電対23aに係る導電パターン21と発光装置10との間を第二導電対23bに係る導電パターン21が通過し、第二導電対23bに係る導電パターン21と発光装置10との間を、第三導電対23cに係る導電パターン21が通過している。また、第一導電パターン群21Aと第二導電パターン群21Bのそれぞれに関して、第一導電対23aに係る導電パターン21の装置側接続部22と発光装置10との間に第二導電対23bに係る導電パターン21及び第三導電対23cに係る導電パターン21の露出していない部分が設けられ、第二導電対23bに係る導電パターン21の装置側接続部22と発光装置10との間に、第三導電対23cに係る導電パターン21の露出していない部分が設けられる。このような配置の結果、図18の断面図に示すように装置側接続部22を、実装基板20の端縁に近付けることが可能となる。すなわち、実装基板20の端縁と第一導電領域12Aとの距離d2を小さくすることができる結果、相対的に第一導電領域12Aと発光装置10との距離D2を広く確保することができる。これによって、導電部材30の第二接続部32と、第一導電領域12Aとの距離を大きくできる結果、第二接続部32のストロークを確保して、弾性を発揮させ易くでき、結果として導電部材30と発光装置10との電気接続の信頼性を向上できる。
【0052】
また第一導電パターン群21Aにおける装置側接続部22と、第二導電パターン群21Bにおける装置側接続部22との間の距離よりも、第一導電パターン群21Aにおける外部側接続部24と、第二導電パターン群21Bにおける外部側接続部24との間の距離が小さくなるように構成している。このような配置により、図7の平面図に示す配置では外部側接続部24の左右がデッドスペースとなっていたところ、図17の平面図に示すように実装基板20の端縁まで外部側接続部24を拡大することが可能となり、スペースを有効利用して導電パターン21の面積を広く確保することができ、より大電流の通電も可能で、また大面積化による抵抗率の低減によってジュール熱の発熱量を抑制できる利点も得られる。
【0053】
このように、装置側接続部22を跨ぐように導電部材30を配置することで、実装基板20を大型化させることなく導電部材30と導電領域12との距離を稼ぎ、第二接続部32の弾性を確実に発揮せしめる構造として導電部材30と発光装置10との電気接続の信頼性を高めることが可能となる。
[実施形態10]
【0054】
これまでの実施形態の例では導電保持部40によって複数の導電部材30が保持される構成を示したが、導電保持部を有さない例を実施形態10に係る光源モジュールとして、図19の斜視図に示す。これらの図に示す光源モジュール300において、上述した実施形態1と同じ部材については、同じ符号を付して詳細説明を省略する。このように、導電部材30A、30Bを直接、実装基板20の装置側接続部22と発光装置10の導電領域12に接続することで、更に部材を低減して軽量化が図られる。
[実施形態11]
【0055】
なお、図1図2の例ではコネクタ50を実装基板20に設けているが、コネクタは必ずしも必須でない。例えば実装基板に外部接続用の端子部を形成して、端子部に外部機器と接続するためのハーネス等を半田付け等により接続する構成としてもよい。このような例を実施形態11に係る光源モジュールとして、図20の斜視図に示す。これらの図に示す光源モジュール400において、上述した実施形態1と同じ部材については、同じ符号を付して詳細説明を省略する。このように、コネクタのような別部材を設けなくとも、実装基板20に直接ハーネスやワイヤなどを接続することにより、外部機器との電気接続を維持することができる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本実施形態に係る光源モジュールは、車両のヘッドライト光源、プロジェクタの光源、街路灯や工場等の照明器具、表示灯、ディスプレイ装置のバックライト等として利用することができる。
【符号の説明】
【0057】
100、200、300、400…光源モジュール
3、3b、3c、3h…導電集合体;3A…第一導電集合体;3B…第二導電集合体
10…発光装置
11A…第一側面;11B…第二側面
12…導電領域;12A…第一導電領域;12B…第二導電領域
13…パッケージ
14…発光素子
15…光反射部材
16…波長変換部
17…状態検知部;17A…第一状態検知部;17B…第二状態検知部
20…実装基板
21…導電パターン;21A…第一導電パターン群;21a…第一導電パターン;21B…第二導電パターン群;21b…第二導電パターン
22…装置側接続部
23a…第一導電対;23b…第二導電対;23c…第三導電対
24…外部側接続部;24A…第一外部側接続部;24B…第二外部側接続部
30、30c、30d、30e、30f、30g、30h、30i…導電部材
30d1…導電集合体側の導電部材;30d2…発光装置側の導電部材
30d1a…第一接触片;30d2a…第二接触片
30A…第一導電部材
30B…第二導電部材
31、31e、31f…第一接続部
32、32f…第二接続部
33、33c、33h、33i…中間部
34、34f…第一面
35、35f…第一折曲位置
36、36f…第二折曲位置
40…導電保持部;
40A…第一導電保持部
40B…第二導電保持部
42、42b…突出部
50…コネクタ
51…ピン
52…枠体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20