(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-29
(45)【発行日】2023-09-06
(54)【発明の名称】過酸化水素水溶液に対する保護膜形成組成物
(51)【国際特許分類】
G03F 7/11 20060101AFI20230830BHJP
C08G 8/16 20060101ALI20230830BHJP
C08K 5/13 20060101ALI20230830BHJP
C08K 5/132 20060101ALI20230830BHJP
C08L 101/00 20060101ALI20230830BHJP
【FI】
G03F7/11 503
G03F7/11 502
C08G8/16
C08K5/13
C08K5/132
C08L101/00
(21)【出願番号】P 2022029645
(22)【出願日】2022-02-28
(62)【分割の表示】P 2019515689の分割
【原出願日】2018-04-10
【審査請求日】2022-03-24
(31)【優先権主張番号】P 2017092007
(32)【優先日】2017-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2017237886
(32)【優先日】2017-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003986
【氏名又は名称】日産化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲徳▼永 光
(72)【発明者】
【氏名】橋本 雄人
(72)【発明者】
【氏名】橋本 圭祐
(72)【発明者】
【氏名】坂本 力丸
【審査官】高橋 純平
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/084855(WO,A1)
【文献】特開2007-099943(JP,A)
【文献】特開2006-251562(JP,A)
【文献】国際公開第2015/093323(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/11
C08G 8/16
C08K 5/13
C08K 5/132
C08L 101/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上の保護膜を過酸化水素水溶液に浸漬してから保護膜が剥がれるまでの浸漬時間
を向上
させる方法であって、
樹脂
又はモノマー、架橋剤、架橋触媒
として酸触媒又は熱酸発生剤、及び溶剤を含み、前記樹脂は、重量平均分子量1000以上のポリマー
であり、
前記モノマーは、分子量
150乃至600以下のモノマーであり、
前記架橋剤は、架橋形成置換基を有するメラミン系化合物、置換尿素系化合物又はフェノール系化合物であり、
前記樹脂
又はモノマーに対し前記架橋剤を5質量%乃至40質量%含有する組成物に
おいて、前記樹脂
又はモノマーに対し80質量%を上限として下記式(1a)、式(1b)又は式(1c)で表される化合物を添加する
ことで形成される保護膜が、
前記樹脂又はモノマー、架橋剤、酸触媒又は熱酸発生剤及び溶剤を含み、前記樹脂又はモノマーに対し、前記架橋剤を5質量%乃至40質量%含むが、前記式(1a)、式(1b)又は式(1c)で表される化合物を含まない組成物から形成される保護膜と比較して、過酸化水素水溶液に対する浸漬時間
を向上
させる方法。
【化1】
(式中、Xはカルボニル基又はメチレン基を表し、l及びmはそれぞれ独立に3≦l+m≦10の関係式を満たす0乃至5の整数を表し、nは2乃至5の整数を表し、u及びvはそれぞれ独立に3≦u+v≦8の関係式を満たす0乃至4の整数を表し、R
1、R
2、R
3及びR
4はそれぞれ独立に水素原子、ヒドロキシ基、置換基としてヒドロキシ基を少なくとも1つ有してもよく主鎖に二重結合を少なくとも1つ有してもよい炭素原子数1乃至10の炭化水素基、又は置換基としてヒドロキシ基を少なくとも1つ有してもよい炭素原子数6乃至20のアリール基を表し、R
1、R
2、R
3及びR
4が該炭素原子数1乃至10の炭化水素基を表す場合、R
1及びR
2は、それらが結合する環炭素原子と一緒になって、ベンゼン環を形成してもよく、R
3及びR
4は、それらが結合する環炭素原子と一緒になって、ベンゼン環を形成してもよく、該ベンゼン環は置換基としてヒドロキシ基を少なくとも1つ有してもよく、j及びkはそれぞれ独立に0又は1を表す。)
【請求項2】
前記モノマーは下記式(2)で表される化合物である、請求項1に記載の過酸化水素水溶液に対する浸漬時間
を向上
させる方法。
【化2】
(式中、2つのArはそれぞれアリール基を表し、該アリール基は置換基として少なくとも1つのヒドロキシ基を有し、Qはベンゼン環又はナフタレン環を少なくとも1つ有する二価の連結基、又はメチレン基を表す。)
【請求項3】
前記式(1a)で表される化合物は、下記式(1a-1)乃至式(1a-5)で表される化合物であり、前記式(1b)で表される化合物は、下記式(1b-1)又は式(1b-2)で表される化合物であり、下記式(1c)で表される化合物は、下記式(1c-1)
で表される化合物である、請求項1または請求項2に記載の過酸化水素水溶液に対する浸漬時間
を向上
させる方法。
【化3】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リソグラフィープロセスにおいて、過酸化水素水溶液に対する耐性に優れた保護膜を形成するための組成物に関する。さらに前記保護膜を適用してパターンを形成する方法に関する。さらに、過酸化水素水溶液に対する浸漬時間の向上方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基板とその上に形成されるレジスト膜との間にレジスト下層膜を設け、所望の形状のレジストパターンを形成する、リソグラフィープロセスが知られている。しかしながら、従来のレジスト下層膜、例えば下記特許文献1に記載されている、アミノプラスト系架橋剤を含む組成物から形成されたレジスト下層膜は、過酸化水素水溶液に対する耐性に劣る。そのため、このようなレジスト下層膜を、過酸化水素水溶液を用いたウエットエッチングプロセスにおけるマスクとして使用することができなかった。
【0003】
下記特許文献2には、保護されたカルボキシル基を有する化合物、カルボキシル基と反応可能な基を有する化合物、及び溶剤を含むリソグラフィー用下層膜形成組成物、又はカルボキシル基と反応可能な基と保護されたカルボキシル基とを有する化合物、及び溶剤を含むリソグラフィー用下層膜形成組成物が記載されており、当該組成物はアミノプラスト系架橋剤を必須成分として含まない。しかしながら特許文献2には、当該組成物から形成されたレジスト下層膜の過酸化水素水溶液に対する耐性について、何ら記載も示唆もない。
【0004】
下記特許文献3には、塩基性過酸化水素水溶液に対する耐性を有するレジスト下層膜を用いたパターン形成方法が記載されている。そして、当該レジスト下層膜を形成するための組成物は、重量平均分子量1000乃至100,000の、エポキシ基を有するポリマー、及び溶剤を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第4145972号公報
【文献】国際公開第2005/013601号
【文献】国際公開第2015/030060号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
過酸化水素水溶液に対する耐性を、従来よりも更に向上させた保護膜の要求は、近年ますます強まっている。本発明は、過酸化水素水溶液に対する耐性を有する保護膜を形成するための新規な組成物、当該保護膜を用いたパターン形成方法、及び過酸化水素水溶液に対する浸漬時間の向上方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の発明者は、フェノール性ヒドロキシ基を複数有する、ベンゾフェノン誘導体、ジフェニルメタン誘導体又は安息香酸誘導体、及び架橋剤を、樹脂成分の含有量に対し特定量含む組成物を適用することによって、上記課題を解決することができた。ここで、前記フェノール性ヒドロキシ基とは、ベンゼン環に結合したヒドロキシ基を意味する。
【0008】
本発明の第一態様は、樹脂、下記式(1a)、式(1b)又は式(1c)で表される化合物、架橋剤、架橋触媒及び溶剤を含み、前記樹脂に対し、前記式(1a)、式(1b)
又は式(1c)で表される化合物を80質量%を上限として含有し前記架橋剤を5質量%乃至40質量%含有する、過酸化水素水溶液に対する保護膜形成組成物である。
【化1】
(式中、Xはカルボニル基又はメチレン基を表し、l及びmはそれぞれ独立に3≦l+m≦10の関係式を満たす0乃至5の整数を表し、nは2乃至5の整数を表し、u及びvはそれぞれ独立に3≦u+v≦8の関係式を満たす0乃至4の整数を表し、R
1、R
2、R
3及びR
4はそれぞれ独立に水素原子、ヒドロキシ基、置換基としてヒドロキシ基を少なくとも1つ有してもよく主鎖に二重結合を少なくとも1つ有してもよい炭素原子数1乃至10の炭化水素基、又は置換基としてヒドロキシ基を少なくとも1つ有してもよい炭素原子数6乃至20のアリール基を表し、R
1、R
2、R
3及びR
4が該炭素原子数1乃至10の炭化水素基を表す場合、R
1及びR
2は、それらが結合する環炭素原子と一緒になって、ベンゼン環を形成してもよく、R
3及びR
4は、それらが結合する環炭素原子と一緒になって、ベンゼン環を形成してもよく、該ベンゼン環は置換基としてヒドロキシ基を少なくとも1つ有してもよく、j及びkはそれぞれ独立に0又は1を表す。)
【0009】
前記樹脂は、例えば、重量平均分子量1000以上のポリマー、又は分子量600以下のモノマーである。前記モノマーは、例えば、下記式(2)で表される化合物である。
【化2】
(式中、2つのArはそれぞれアリール基を表し、該アリール基は置換基として少なくとも1つのヒドロキシ基を有し、Qはベンゼン環又はナフタレン環を少なくとも1つ有する二価の連結基又はメチレン基を表す。)
【0010】
前記式(1a)で表される化合物は、例えば、下記式(1a-1)乃至式(1a-5)で表される化合物であり、前記式(1b)で表される化合物は、例えば、下記式(1b-1)又は式(1b-2)で表される化合物であり、前記式(1c)で表される化合物は、例えば、下記式(1c-1)で表される化合物である。
【化3】
【0011】
前記保護膜形成組成物は、レジスト下層膜形成用の組成物でもある。
【0012】
本発明の第二態様は、表面に無機膜が形成されていてもよい半導体基板上に、本発明の第一態様の過酸化水素水溶液に対する保護膜形成組成物を用いて保護膜を形成し、前記保護膜上にレジストパターンを形成し、前記レジストパターンをマスクとして前記保護膜をドライエッチングし前記無機膜又は前記半導体基板の表面を露出させ、ドライエッチング後の前記保護膜をマスクとして、過酸化水素水溶液を用いて前記無機膜又は前記半導体基板をウエットエッチング及び洗浄する、パターン形成方法である。
【0013】
本発明の第三態様は、基板上の保護膜を過酸化水素水溶液に浸漬してから保護膜が剥がれるまでの浸漬時間の向上方法であって、樹脂、架橋剤、架橋触媒及び溶剤を含み、前記樹脂は、重量平均分子量1000以上のポリマーまたは分子量600以下のモノマーであ
り、前記樹脂に対し前記架橋剤を5質量%乃至40質量%含有する組成物に、前記樹脂に対し80質量%を上限として下記式(1a)、式(1b)又は式(1c)で表される化合物を添加する、過酸化水素水溶液に対する浸漬時間の向上方法である。
【化4】
(式中、Xはカルボニル基又はメチレン基を表し、l及びmはそれぞれ独立に3≦l+m≦10の関係式を満たす0乃至5の整数を表し、nは2乃至5の整数を表し、u及びvはそれぞれ独立に3≦u+v≦8の関係式を満たす0乃至4の整数を表し、R
1、R
2、R
3及びR
4はそれぞれ独立に水素原子、ヒドロキシ基、置換基としてヒドロキシ基を少なくとも1つ有してもよく主鎖に二重結合を少なくとも1つ有してもよい炭素原子数1乃至10の炭化水素基、又は置換基としてヒドロキシ基を少なくとも1つ有してもよい炭素原子数6乃至20のアリール基を表し、R
1、R
2、R
3及びR
4が該炭素原子数1乃至10の炭化水素基を表す場合、R
1及びR
2は、それらが結合する環炭素原子と一緒になって、ベンゼン環を形成してもよく、R
3及びR
4は、それらが結合する環炭素原子と一緒になって、ベンゼン環を形成してもよく、該ベンゼン環は置換基としてヒドロキシ基を少なくとも1つ有してもよく、j及びkはそれぞれ独立に0又は1を表す。)
【0014】
前記モノマーは下記式(2)で表される化合物である。
【化5】
(式中、2つのArはそれぞれアリール基を表し、該アリール基は置換基として少なくとも1つのヒドロキシ基を有し、Qはベンゼン環又はナフタレン環を少なくとも1つ有する二価の連結基、又はメチレン基を表す。)
【0015】
前記式(1a)で表される化合物は、下記式(1a-1)乃至式(1a-5)で表される化合物であり、前記式(1b)で表される化合物は、下記式(1b-1)又は式(1b-2)で表される化合物であり、下記式(1c)で表される化合物は、下記式(1c-1)で表される化合物である。
【化6】
【0016】
前記過酸化水素水溶液として、例えば、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、シアン化ナトリウム、シアン化カリウム、トリエタノールアミン又は尿素を含む塩基性過酸化水素水溶液、及び塩酸又は硫酸を含む酸性過酸化水素水溶液が挙げられる。前記過酸化水素水溶液がアンモニアを含む塩基性過酸化水素水溶液である場合、当該塩基性過酸化水素水溶液は、例えば、25質量%乃至30質量%のアンモニア水溶液(A)、30質量%乃至36質量%の過酸化水素水溶液(B)及び水(C)の混合物であり、前記アンモニア水溶液(A)に対する前記過酸化水素水溶液(B)の体積比:(B)/(A)は例えば0.1乃至20.0、及び前記アンモニア水溶液(A)に対する前記水(C)の体積比:(C)/(A)は例えば1.0乃至50.0である。
【発明の効果】
【0017】
本発明の保護膜形成組成物から形成される保護膜は、過酸化水素水溶液に対する耐性を
有する。そのため、本発明の保護膜形成組成物から形成される保護膜は、過酸化水素水溶液を用いたエッチングプロセス及び洗浄プロセスにおけるマスクとして使用できる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の保護膜形成組成物に含まれる成分について、以下に詳細を説明する。
【0019】
[樹脂]
本発明の保護膜形成組成物は、樹脂を必須成分として含む。当該樹脂として、重量平均分子量1000以上のポリマーを用いることができる。当該ポリマーは特に限定されないが、例えば、ポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ノボラック樹脂、マレイミド樹脂、アクリル樹脂、及びメタクリル樹脂が挙げられる。前記ポリマーの重量平均分子量の上限は、例えば100,000、又は50,000である。
【0020】
前記樹脂として、前記重量平均分子量1000以上のポリマーに代えて、分子量600以下のモノマーを用いてもよい。当該モノマーは例えば前記式(2)で表される化合物であり、その分子量は、例えば150乃至600である。式(2)において、Arで表されるアリール基として、例えば、フェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基、アントリル基、及びフェナントリル基が挙げられる。また、Qがベンゼン環又はナフタレン環を少なくとも1つ有する二価の連結基を表す場合、当該二価の連結基として、例えば、メチレン基の2つの水素原子のうち少なくとも1つがフェニル基、ビフェニリル基又はナフチル基で置換された二価の基、フェニレン基、ビフェニリレン基及びナフチレン基からなる群から選択される二価の芳香族基、並びに当該二価の芳香族基とメチレン基、エーテル基(-O-基)又はスルフィド基(-S-基)とを有する二価の基が挙げられる。当該モノマーとして、例えば、下記式(2-1)乃至式(2-3)で表される化合物が挙げられる。
【化7】
【0021】
[式(1a)、式(1b)又は式(1c)で表される化合物]
本発明の保護膜形成組成物は、前記式(1a)、式(1b)又は式(1c)で表される化合物を必須成分として含む。当該式(1a)で表される化合物として、例えば下記式で
表される化合物が挙げられる。
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【0022】
前記式(1a)で表される化合物の中で、例えば、2,3,3’,4,4’,5’-ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4-トリヒドロキシジフェニルメタン、及び2,3,4,4’-テトラヒドロキシジフェニルメタンは、容易に入手可能である点で好ましい。また、前記式(1a)で表される化合物の中で、過酸化水素水溶液に対する耐性向上の点から、フェノール性ヒドロキシ基を複数有するベンゾフェ
ノン誘導体がより好ましい。
【0023】
前記式(1b)で表される化合物として、下記式(1b-A)乃至式(1b-P)で表される化合物が挙げられる。
【化20】
【0024】
前記式(1c)で表される化合物として、例えば、下記式(1c-A)、式(1c-B)及び式(1c-C)で表される化合物が挙げられる。式(1c)において、R
1、R
2、R
3及びR
4が炭素原子数1乃至10の炭化水素基を表す場合、該炭素原子数1乃至10の炭化水素基として、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、エチリデン基、イソプロピリデン基等のアルキリデン基、及びアリリデン基が挙げられる。また、R
1、R
2、R
3及びR
4が炭素原子数6乃至20のアリール基を表す場合、該炭素原子数6乃至20のアリール基として、例えば、フェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基、アントリル基、及びフェナントリル基が挙げられる。
【化21】
【0025】
本発明の保護膜形成組成物は、前記式(1a)、式(1b)又は式(1c)で表される化合物を、前記樹脂の含有量に対し、例えば0.01質量%乃至80質量%、好ましくは0.1質量%乃至75質量%含むものである。前記式(1a)、式(1b)又は式(1c)で表される化合物の含有量が0.01質量%未満である場合、本発明の効果が得られないことがある。一方、前記式(1a)、式(1b)又は式(1c)で表される化合物の含有量が80質量%を超える場合、保護膜形成組成物を基板上に均一に塗布することが困難になることがある。
【0026】
[架橋剤]
本発明の保護膜形成組成物は架橋剤を必須成分として含む。当該架橋剤として、少なくとも2つの架橋形成置換基を有する架橋性化合物、例えば、メチロール基、メトキシメチル基等の架橋形成置換基を有する、メラミン系化合物、置換尿素系化合物又はフェノール系化合物が好ましく用いられる。前記メラミン系化合物、及び置換尿素系化合物として、例えば、テトラメトキシメチルグリコールウリル、テトラブトキシメチルグリコールウリル、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサブトキシメチルメラミン、テトラメトキシメチルベンゾグアナミン、テトラブトキシメチルベンゾグアナミン、テトラメトキシメチル尿素、テトラブトキシメチル尿素、及びテトラメトキシメチルチオ尿素が挙げられる。前記フェノール系化合物として、例えば、下記式(3-1)乃至式(3-28)で表される化合物が挙げられる。なお、下記式中“Me”はメチル基を表す。
【化22】
【化23】
【0027】
上記フェノール系化合物のうち、例えば、式(3-23)で表される化合物は商品名:TMOM-BP(本州化学工業(株)製)、式(3-20)で表される化合物は商品名:TM-BIP-A(旭有機材工業(株)製)として入手することができる。
【0028】
これらの架橋剤は1種単独で含有してもよいし、2種以上の組み合わせで含有することもできる。また、前記架橋触媒の中で過酸化水素水溶液に対する耐性向上の点から、式(3-23)で表される化合物、式(3-24)、式(3-25)及び式(3-20)で表される化合物、並びに当該化合物の架橋形成置換基がプロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類と反応した誘導体が特に好ましい。
【0029】
本発明の保護膜形成組成物は、前記架橋剤を、前記樹脂の含有量に対し5質量%乃至40質量%、好ましくは10質量%乃至30質量%含むものである。前記架橋剤の含有量が過少である場合及び過剰である場合、形成される膜のレジスト溶剤に対する耐性が得られにくくなることがある。
【0030】
[架橋触媒]
本発明の保護膜形成組成物は、架橋反応を促進する架橋触媒(酸触媒)を必須成分として含む。当該架橋触媒として、例えば、ピリジニウムp-トルエンスルホナート、ピリジニウムp-ヒドロキシベンゼンスルホナート、ピリジニウムトリフルオロメタンスルホナート、p-トルエンスルホン酸、p-ヒドロキシベンゼンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、サリチル酸、カンファースルホン酸、5-スルホサリチル酸、クロロベンゼンスルホン酸、4-フェノールスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、クエン酸、安息香酸等のスルホン酸化合物及びカルボン酸化合物、並びにトリフルオロメタンスルホン酸の第4級アンモニウム塩であるK-PURE〔登録商標〕TAG2689、同TAG2690、同TAG2678、同CXC-1614(以上、キングインダストリーズ社製)、2,4,4,6-テトラブロモシクロヘキサジエノン、ベンゾイントシレート、2-ニトロベンジルトシレート、その他有機スルホン酸アルキルエステル等の熱酸発生剤が挙げられる。これらの酸触媒は1種単独で含有してもよいし、2種以上の組み合わせで含有することもできる。また、前記架橋触媒の中で、過酸化水素水溶液に対する耐性向上の点から、トリフルオロメタンスルホン酸を発生させる、ピリジニウムトリフルオロメタンスルホナート及びTAG2689が特に好ましい。
【0031】
本発明の保護膜形成組成物は、前記架橋触媒を、前記架橋剤の含有量に対し、例えば、1質量%乃至30質量%、好ましくは5質量%乃至15質量%含むものである。
【0032】
[溶剤]
本発明の保護膜形成組成物は、上記各成分を、溶剤に溶解させることによって調製でき、均一な溶液状態で用いられる。前記溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、4-メチル-2-ペンタノール、2―ヒドロキシイソ酪酸メチル、2―ヒドロキシイソ酪酸エチル、エトキシ酢酸エチル、酢酸2-ヒドロキシエチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸メチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、2-ヘプタノン、メトキシシクロペンタン、アニソール、γ-ブチロラクトン、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、及びN,N-ジメチルアセトアミドが挙げられる。これらの溶剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0033】
[その他の成分]
本発明の保護膜形成組成物は、任意成分として、半導体基板に対する塗布性を向上させるために界面活性剤を含有することができる。前記界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤、エフトップ〔登録商標〕EF301、同EF303、同EF352(以上、三菱マテリアル電子化成(株)製)、メガファック〔登録商標〕F171、同F173、同R-30、同R-30N、同R-40、同R-40-LM(以上、DIC(株)製)、フロラードFC430、同FC431(以上、住友スリーエム(株)製)、アサヒガード〔登録商標〕AG710、サーフロン〔登録商標〕S-382、同SC101、同SC102、同SC103、同SC104、同SC105、同SC106(以上、旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)を挙げることができる。これらの界面活性剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明の保護膜形成組成物が界面活性剤を含む場合、その含有量は、前記樹脂に対し、例えば、0.005質量%乃至10質量%、好ましくは0.01質量%乃至5質量%である。
【0034】
調製した保護膜形成組成物は、孔径が例えば0.2μm又は0.1μmのフィルター及び/又は0.01μmのフィルターを用いてろ過した後、使用することが好ましい。
【0035】
本発明の保護膜形成組成物を用いたパターン形成方法について、以下に説明する。
【0036】
本発明の保護膜形成組成物が塗布される半導体基板としては、例えば、シリコン基板、ゲルマニウム基板、及びヒ化ガリウム、リン化インジウム、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウム等の化合物半導体ウエハが挙げられる。表面に無機膜が形成された半導体基板を用いる場合、当該無機膜は、例えば、ALD(原子層堆積)法、CVD(化学気相堆積)法、反応性スパッタ法、イオンプレーティング法、真空蒸着法、スピンコーティング法(スピンオングラス:SOG)により形成される。前記無機膜として、例えば、ポリシリコン膜、酸化ケイ素膜、窒化珪素膜、BPSG(Boro-Phospho Silicate Glass)膜、窒化チタン膜、窒化酸化チタン膜、タングステン膜、窒化ガリウム膜、及びヒ化ガリウム膜が挙げられる。
【0037】
このような半導体基板上に、スピナー、コーター等の適当な塗布方法により本発明の保護膜形成組成物を塗布する。その後、ホットプレート等の加熱手段を用いてベークすることにより保護膜を形成する。ベーク条件としては、ベーク温度100℃乃至400℃、ベーク時間0.3分乃至60分間の中から適宜、選択される。好ましくは、ベーク温度120℃乃至350℃、ベーク時間0.5分乃至30分間、より好ましくは、ベーク温度150℃乃至300℃、ベーク時間0.8分乃至10分間である。形成される保護膜の膜厚としては、例えば0.001μm乃至10μm、好ましくは0.002μm乃至1μm、より好ましくは0.005μm乃至0.5μmである。ベーク時の温度が、上記範囲より低い場合には架橋が不十分となり、形成される保護膜の、レジスト溶剤又は過酸化水素水溶液に対する耐性が得られにくくなることがある。一方、ベーク時の温度が上記範囲より高
い場合は、保護膜が熱によって分解してしまうことがある。
【0038】
次いで前記保護膜の上に、レジストパターンを形成する。レジストパターンの形成は一般的な方法、すなわち、フォトレジスト溶液を前記保護膜上へ塗布し、プリベーク、露光、PEBと略称される露光後ベーク(必要な場合)、現像、及びリンスによって行なうことができる。前記レジストパターンの形成に使用するフォトレジスト溶液としては、露光に使用される光に感光するものであれば特に限定はなく、ポジ型フォトレジストが使用できる。酸により分解してアルカリ溶解速度を上昇させる基を有するバインダーと光酸発生剤からなる化学増幅型フォトレジスト、酸により分解してフォトレジストのアルカリ溶解速度を上昇させる低分子化合物とアルカリ可溶性バインダーと光酸発生剤とからなる化学増幅型フォトレジスト、酸により分解してアルカリ溶解速度を上昇させる基を有するバインダーと酸により分解してフォトレジストのアルカリ溶解速度を上昇させる低分子化合物と光酸発生剤からなる化学増幅型フォトレジスト、露光部と未露光部のアルカリ溶解速度の差を利用したDNQ-ノボラック型の非化学増幅型フォトレジストが挙げられる。例えば、住友化学(株)製,商品名:PAR710、東京応化工業(株)製,商品名:TDUR-P3435LP、THMR-iP1800及び信越化学工業(株)製,商品名:SEPR430が挙げられる。ポジ型フォトレジストに代えて、ネガ型フォトレジストを使用することもできる。
【0039】
前記露光は、所定のパターンを形成するためのマスク(レチクル)を通して行われ、例えば、i線、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、EUV(極端紫外線)またはEB(電子線)が使用される。前記現像にはアルカリ現像液が用いられ、現像温度5℃乃至50℃、現像時間10秒乃至300秒から適宜選択される。前記アルカリ現像液としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、コリンなどの水酸化四級アンモニウムの水溶液、エタノールアミン、プロピルアミン、エチレンジアミンなどのアミン水溶液等のアルカリ性水溶液を挙げることができる。さらに、これらの現像液に界面活性剤などを加えることもできる。アルカリ現像液に代えて、酢酸ブチル等の有機溶媒で現像を行い、フォトレジストのアルカリ溶解速度が向上していない部分を現像する方法を用いることもできる。
【0040】
次いで、形成したレジストパターンをマスクとして、前記保護膜をドライエッチングする。その際、用いた半導体基板の表面に前記無機膜が形成されている場合、その無機膜の表面を露出させ、用いた半導体基板の表面に前記無機膜が形成されていない場合、その半導体基板の表面を露出させる。
【0041】
さらに、ドライエッチング後の保護膜(その保護膜上にレジストパターンが残存している場合、そのレジストパターンも)をマスクとして、過酸化水素水溶液を用いてウエットエッチングすることにより、所望のパターンが形成される。ウエットエッチングの薬液としては、塩基性を示す物質、例えば、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、シアン化ナトリウム、シアン化カリウム、トリエタノールアミン等の有機アミンと過酸化水素水とを混合しpHを塩基性にした塩基性過酸化水素水溶液、及び塩酸、硫酸等の無機酸と過酸化水素水とを混合した酸性過酸化水素水溶液を挙げることができる。その他、pHを塩基性にすることができるもの、例えば、尿素と過酸化水素水を混合し、加熱により尿素の熱分解を引き起こすことでアンモニアを発生させ、最終的にpHを塩基性にするものも、ウエットエッチングの薬液として使用できる。塩基性過酸化水素水溶液及び酸性過酸化水素水溶液の使用温度は25℃乃至90℃であることが望ましく、40℃乃至80℃であることがさらに望ましい。ウエットエッチング時間としては、0.5分乃至30分であることが望ましく、1分乃至20分であることがさらに望ましい。
【実施例】
【0042】
本明細書の下記合成例1乃至合成例6で得られた樹脂(ポリマー)の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと略称する。)による測定結果である。測定には東ソー(株)製GPC装置を用い、測定条件等は次のとおりである。GPCカラム:Shodex KF803L、Shodex KF802、Shodex
KF801〔登録商標〕(昭和電工(株))
カラム温度:40℃
溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
流量:1.0ml/分
標準試料:ポリスチレン(東ソー(株)製)
【0043】
<合成例1>
【化24】
二口フラスコに、ジフェニルアミン(関東化学(株)製)6.84g、3-ヒドロキシジフェニルアミン(東京化成工業(株)製)7.49g、エチルヘキシルアルデヒド(東京化成工業(株)製)10.36g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート25.0g、及びメタンスルホン酸(東京化成工業(株)製)0.31gを入れた。その後、窒素下で120℃まで加熱し、約5時間還流撹拌した。反応終了後、テトラヒドロフラン(関東化学(株)製)20gで希釈し、メタノール(関東化学(株)製)、超純水、30質量%アンモニア水(関東化学(株)製)の混合溶媒に対して反応溶液を滴下することで、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過後、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥し、樹脂を23.8g得た。得られた樹脂は、上記式(4-1)で表される2種の繰り返し単位を有するポリマー(式中、p及びqはそれぞれ独立に2乃至500の繰り返し単位数を表す。)であり、GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは10,200であった。
【0044】
<合成例2>
【化25】
二口フラスコに、ジフェニルアミン(関東化学(株)製)9.90g、エチルヘキシルアルデヒド(東京化成工業(株)製)10.00g、1,1,1-トリス(4-ヒドロキシフェニル)エタン(東京化成工業(株)製)5.97g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート23.4g、及びメタンスルホン酸(東京化成工業(株)製)1.50gを入れた。その後、窒素下で150℃まで加熱し、約18時間還流撹拌した。反応終了後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート48.8gで希釈し、メタノール(関東化学(株)製)/水=70/30(Vol/Vol)の混合溶媒に対してポリマー溶液を滴下することで、再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過後、ろ物を60℃で一晩減圧乾燥し、樹脂を21.6g得た。得られた樹脂は、上記式(4-2)で表される分岐ポリマー(式中、r、s及びtはそれぞれ独立に2≦r+s+t≦500を満たす繰り返し単位数を表し、r、s又はtは0であってもよい。)であり、GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは2,300であった。
【0045】
<合成例3>
【化26】
500mL四つ口フラスコに、α,α’-ジヒドロキシ-1,3-ジイソプロピルベンゼン(東京化成工業(株)製)37.33g、N,N’-1,4-フェニレンジアミン(東京化成工業(株)製)50.00g、パラトルエンスルホン酸一水和物(東京化成工業
(株)製)1.53g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート207.3gを入れた。その後、窒素下で還流するまで加熱し、約16時間撹拌した。反応終了後、メタノール(関東化学(株)製)1600gへ再沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過後、ろ物を50℃で16時間減圧乾燥し、樹脂を56.04g得た。得られた樹脂は、上記式(4-3)で表される繰り返し単位を有するポリマー(式中、uは2乃至500の繰り返し単位数を表す。)であり、GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは2,700であった。
【0046】
<合成例4>
ナスフラスコに、エポキシ樹脂(製品名:EPICLON〔登録商標〕HP-6000(DIC(株)製)10.00g、4-ヘプチロキシ安息香酸(東京化成工業(株)製)2.91g、ラウリン酸(東京化成工業(株)製)5.75g、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド(北興化学工業(株)製)0.38g、プロピレングリコールモノメチルエーテル44.41gを加え、窒素雰囲気下、還流下で16時間加熱撹拌した。得られた溶液に陽イオン交換樹脂(製品名:ダウエックス〔登録商標〕550A、ムロマチテクノス(株))19.0g、陰イオン交換樹脂(製品名:アンバーライト〔登録商標〕15JWET、オルガノ(株))19.0gを加えて、室温で4時間イオン交換処理した。前記イオン交換樹脂を分離後、樹脂溶液を得た。得られた樹脂溶液中の樹脂はポリマーであり、GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは1,500あった。
【0047】
<合成例5>
【化27】
モノアリルジグリシジルイソシアヌル酸(四国化成工業(株)製)10.00g、3,3’-ジチオジプロピオン酸(東京化成工業(株)製)7.48g、及びエチルトリフェニルホスホニウムブロミド(北興化学工業(株)製)0.66gをプロピレングリコールモノメチルエーテル72.94gに溶解させた後、125℃で4時間反応させ、樹脂溶液を得た。得られた樹脂溶液に含まれる樹脂は、上記式(4-4)で表される2種の繰り返し単位を有するポリマー(式中、v及びwはそれぞれ独立に2乃至500の繰り返し単位数を表す。)であり、GPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量4,800であった。
【0048】
<合成例6>
【化28】
ベンジルメタクリレート(東京化成工業(株)製)2.04g(34mol%)、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート(東京化成工業(株)製)1.62g(33mol%)、γ-ブチロラクトンメタクリレート(大阪有機化学工業(株)製)1.91g(33mol%)、及びアゾイソブチロニトリル(東京化成工業(株)製)0.30gをプロピレングリコールモノメチルエーテル11.74gに溶解させた。その溶液を、100℃に昇温したプロピレングリコールモノメチルエーテル11.74gにゆっくりと滴下し、滴下後100℃で2時間反応させ、樹脂溶液を得た。得られた樹脂溶液に含まれる樹脂は、上記式(4-5)で表される繰り返し単位を有するポリマー(式中、x、y及びzはそれぞれ独立に2≦x+y+z≦500を満たす繰り返し単位数を表し、x、y又はzは0であってもよい。)であり、GPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量9,800であった。
【0049】
(比較例1)
合成例1で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は30.00質量%)を得た。この樹脂溶液2.74gに、1質量%界面活性剤(DIC(株)製、R-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.08g、TMOM-BP(本州化学工業(株)製)0.25g、2質量%ピリジニウムp-ヒドロキシベンゼンスルホナート含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.62g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート5.65g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル2.67gを加え、孔径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0050】
(比較例2)
合成例1で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は30.00質量%)を得た。この樹脂溶液2.74gに、1質量%界面活性剤(DIC(株)製、R-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.08g、TMOM-BP(本州化学工業(株)製)0.25g、1質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル1.23g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート5.65g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル2.06gを加え、孔径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0051】
(比較例3)
合成例1で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は30.00質量%)を得た。この樹脂溶液2.74gに、1質量%界面活性剤(DIC(株)製、R-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.08g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.25g、2質量%ピリジニウムp-ヒドロキシベンゼンスルホナート含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.62g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート5.65g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル2.67gを加え、孔径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0052】
(比較例4)
合成例1で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は30.00質量%)を得た。この樹脂溶液2.74gに、1質量%界面活性剤(DIC(株)製、R-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.08g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.25g、1質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル1.25g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート5.65g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル2.06gを加え、孔径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0053】
(比較例5)
合成例1で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は30.00質量%)を得た。この樹脂溶液2.74gに、1質量%界面活性剤(DIC(株)製、R-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.08g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.25g、2質量%K-PURE〔登録商標〕TAG2689(キングインダストリーズ社製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.62g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート5.65g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル2.67gを加え、孔径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0054】
(比較例6)
合成例2で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は18.91質量%)を得た。この樹脂溶液2.25gに、1質量%界面活性剤(DIC(株)製、R-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.09g、TMOM-BP(本州化学工業(株)製)0.13g、1質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.64g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.02g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル3.88gを加え、孔径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0055】
(比較例7)
合成例3で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は30.30質量%)を得た。この樹脂溶液2.25gに、1質量%界面活性剤(DIC(株)製、R-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.14g、TMOM-BP(本州化学工業(株)製)0.14g、2質量%ピリジニウムp-ヒドロキシベンゼンスルホナート含有プロピレングリコールモノメチルエーテル1.02g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト4.99g、プロピレングリコールモノメチルエーテル1.23g、及び乳酸エチル2.23gを加え、孔径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0056】
(比較例8)
合成例4で得たプロピレングリコールモノメチルエーテル樹脂溶液(固形分は13.67質量%)3.50gに、1質量%界面活性剤(DIC(株)製、R-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.05g、TMOM-BP(本州化学工業(株)製)0.14g、1質量%K-PURE〔登録商標〕TAG2689(キングインダストリーズ社製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.72g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1.86g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル0.72gを加え、孔径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0057】
(比較例9)
1,1’-メチレンビス(ナフタレン-2-オール)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル樹脂溶液(固形分は30.40質量%)1.19gに、1質量%界面活性剤(DIC(株)製、R-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.07g、TMOM-BP(本州化学工業(株)製)0.11g、2質量%ピリジニウムp-ヒドロキシベンゼンスルホナート含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.54g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1.58g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル2.51gを加え、孔径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0058】
(比較例10)
1,1’-メチレンビス(ナフタレン-2-オール)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル樹脂溶液(固形分は30.40質量%)1.98gに、1質量%界面活性剤(DIC(株)製、R-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.12g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.18g、2質量%ピリジニウムp-ヒドロキシベンゼンスルホナート含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.90g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2.64g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル4.18gを加え、孔径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0059】
(比較例11)
合成例5で得られた樹脂溶液(固形分20質量%)3.84gに、PL-LI(みどり化学(株)製)0.077g、p-ヒドロキシベンゼンスルホン酸(東京化成工業(株)製)0.0077g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1.92g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル14.16gを加え、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0060】
(比較例12)
合成例5で得られた樹脂溶液(固形分20質量%)3.84gに、TMOM-BP(本州化学工業(株)製)0.077g、p-ヒドロキシベンゼンスルホン酸(東京化成工業(株)製)0.0077g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1.92g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル14.16gを加え、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0061】
(比較例13)
合成例6で得られた樹脂溶液(固形分20質量%)3.35gに、PL-LI(みどり
化学(株)製)0.067g、p-ヒドロキシベンゼンスルホン酸(東京化成工業(株)製)0.0067g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1.92g、プロピレングリコールモノメチルエーテル14.65gを加え、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0062】
(比較例14)
合成例6で得られた樹脂溶液(固形分20質量%)3.35gに、TMOM-BP(本州化学工業(株)製)0.067g、p-ヒドロキシベンゼンスルホン酸(東京化成工業(株)製)0.0067g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1.92g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル14.65gを加え、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0063】
(比較例15)
合成例5で得られた樹脂溶液(固形分20質量%)2.02gに、TMOM-BP(本州化学工業(株)製)0.040g、ピリジニウムトリフルオロメタンスルホナート(東京化成工業(株)製)0.0040g、没食子酸(東京化成工業(株)製)0.40g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1.92g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル15.65gを加え、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0064】
(比較例16)
合成例1で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は30.00質量%)を得た。この樹脂溶液2.20gに、1質量%界面活性剤(DIC(株)製、R-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.07g、TMOM-BP(本州化学工業(株)製)0.13g、2質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.33g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1.15g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル6.12gを加え、孔径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0065】
(実施例1)
合成例1で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は30.00質量%)を得た。この樹脂溶液1.22gに、1質量%界面活性剤(DIC(株)製、R-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.04g、TMOM-BP(本州化学工業(株)製)0.11g、2質量%ピリジニウムp-ヒドロキシベンゼンスルホナート含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.27g、8.85質量% 没食子酸(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.10g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.77g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル3.50gを加え、孔径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0066】
(実施例2)
合成例1で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は30.00質量%)を得た。この樹脂溶液1.22gに、1質量%界面活性剤(DIC(株)製、R-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.04g、TMOM-BP(本州化学工業(株)製)0.11g、1質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.55g、8.85質量%没食子酸(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.10g、プロピレング
リコールモノメチルエーテルアセテート0.77g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル3.23gを加え、孔径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0067】
(実施例3)
合成例1で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は30.00質量%)を得た。この樹脂溶液1.77gに、1質量%界面活性剤(DIC(株)製、R-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.05g、TMOM-BP(本州化学工業(株)製)0.16g、2質量%ピリジニウムp-ヒドロキシベンゼンスルホナート含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.40g、4.50質量%2,3,3’,4,4’,5’-ヘキサヒドロキシベンゾフェノン(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.30g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1.50g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル5.48gを加え、孔径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0068】
(実施例4)
合成例1で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は30.00質量%)を得た。この樹脂溶液1.77gに、1質量%界面活性剤(DIC(株)製、R-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.05g、TMOM-BP(本州化学工業(株)製)0.16g、1質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.80g、4.50質量% 2,3,3’,4,4’,5’-ヘキサヒドロキシベンゾフェノン(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.30g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1.50g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル5.44gを加え、孔径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0069】
(実施例5)
合成例1で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は30.00質量%)を得た。この樹脂溶液1.42gに、1質量%界面活性剤(DIC(株)製、R-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.04g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.13g、2質量%ピリジニウムp-ヒドロキシベンゼンスルホナート含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.32g、8.85質量%没食子酸(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.12g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.90g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル4.09gを加え、孔径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0070】
(実施例6)
合成例1で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は30.00質量%)を得た。この樹脂溶液1.42gに、1質量%界面活性剤(DIC(株)製、R-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.04g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.13g、2質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.32g、8.85質量%没食子酸(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.12g、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテルアセテート0.90g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル4.09gを加え、孔径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0071】
(実施例7)
合成例1で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は30.00質量%)を得た。この樹脂溶液1.42gに、1質量%界面活性剤(DIC(株)製、R-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.04g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.13g、2%K-PURE〔登録商標〕TAG2689(キングインダストリーズ社製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.32g、8.85質量%没食子酸(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.12g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.90g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル4.09gを加え、孔径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0072】
(実施例8)
合成例1で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は30.00質量%)を得た。この樹脂溶液1.77gに、1質量%界面活性剤(DIC(株)製、R-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.05g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.16g、2質量%ピリジニウムp-ヒドロキシベンゼンスルホナート含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.40g、4.50質量%2,3,3’,4,4’,5’-ヘキサヒドロキシベンゾフェノン(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.30g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1.50g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル5.84gを加え、孔径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0073】
(実施例9)
合成例1で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は30.00質量%)を得た。この樹脂溶液1.77gに、1質量%界面活性剤(DIC(株)製、R-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.05g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.16g、1質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.80g、4.50質量%2,3,3’,4,4’,5’-ヘキサヒドロキシベンゾフェノン(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.30g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1.50g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル5.44gを加え、孔径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0074】
(実施例10)
合成例1で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は30.00質量%)を得た。この樹脂溶液1.77gに、1質量%界面活性剤(DIC(株)製、R-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.05g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.16g、2質量%K-PURE〔登録商標〕TAG2689(キングインダストリーズ社製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.40g、4.50質量%2,3,3’,4,4’,5’-ヘキサヒドロキシベンゾフェノン(東京化成工業(株)製)含有プロピレ
ングリコールモノメチルエーテル0.30g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1.50g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル5.84gを加え、孔径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0075】
(実施例11)
合成例2で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は18.91質量%)を得た。この樹脂溶液2.25gに、1質量%界面活性剤(DIC(株)製、R-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.09g、TMOM-BP(本州化学工業(株)製)0.13g、1質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.64g、8.85質量%没食子酸(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.12g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.02g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル3.77gを加え、孔径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0076】
(実施例12)
合成例3で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は30.30質量%)を得た。この樹脂溶液2.89gに、1質量%界面活性剤(DIC(株)製、R-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.18g、TMOM-BP(本州化学工業(株)製)0.18g、2質量%ピリジニウムp-ヒドロキシベンゼンスルホナート含有プロピレングリコールモノメチルエーテル1.31g、8.85質量%没食子酸(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.25g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート4.36g、プロピレングリコールモノメチルエーテル0.67g、及び乳酸エチル2.18gを加え、孔径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0077】
(実施例13)
合成例3で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は30.30質量%)を得た。この樹脂溶液1.69gに、1質量%界面活性剤(DIC(株)製、R-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.10g、TMOM-BP(本州化学工業(株)製)0.10g、2質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.77g、8.85質量%没食子酸(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.14g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2.54g、プロピレングリコールモノメチルエーテル0.39g、及び乳酸エチル1.27gを加え、孔径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0078】
(実施例14)
合成例3で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は30.30質量%)を得た。この樹脂溶液1.69gに、1質量%界面活性剤(DIC(株)製、R-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.10g、TMOM-BP(本州化学工業(株)製)0.10g、2質量%K-PURE〔登録商標〕TAG2689(キングインダストリーズ社製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.77g、8.85質量%没食子酸(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.14g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2.54g、プロピレングリコールモノ
メチルエーテル0.39g、及び乳酸エチル1.27gを加え、孔径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0079】
(実施例15)
合成例4で得たプロピレングリコールモノメチルエーテル樹脂溶液(固形分は13.67質量%)3.50gに、1質量%界面活性剤(DIC(株)製、R-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.05g、TMOM-BP(本州化学工業(株)製)0.14g、2質量%K-PURE〔登録商標〕TAG2689(キングインダストリーズ社製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.36g、8.85質量%没食子酸(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.14g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1.86g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル0.96gを加え、孔径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0080】
(実施例16)
合成例4で得たプロピレングリコールモノメチルエーテル樹脂溶液(固形分は13.67質量%)3.50gに、1質量%界面活性剤(DIC(株)製、R-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.05g、TMOM-BP(本州化学工業(株)製)0.14g、2質量%K-PURE〔登録商標〕TAG2689(キングインダストリーズ社製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.36g、8.85質量%没食子酸(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.27g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1.86g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル0.84gを加え、孔径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0081】
(実施例17)
合成例4で得たプロピレングリコールモノメチルエーテル樹脂溶液(固形分は13.67質量%)5.00gに、1質量%界面活性剤(DIC(株)製、R-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.07g、TMOM-BP(本州化学工業(株)製)0.21g、2質量%K-PURE〔登録商標〕TAG2689(キングインダストリーズ社製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.51g、8.85質量% 没食子酸(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル1.93g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2.66g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル0.21gを加え、孔径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0082】
(実施例18)
1,1’-メチレンビス(ナフタレン-2-オール)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル樹脂溶液(固形分は30.40質量%)1.19gに、1質量%界面活性剤(DIC(株)製、R-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.07g、TMOM-BP(本州化学工業(株)製)0.11g、2質量%ピリジニウムp-ヒドロキシベンゼンスルホナート含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.54g、8.85質量%没食子酸(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.20g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1.55g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル2.32gを加え、孔径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、保護膜形成組成
物の溶液を調製した。
【0083】
(実施例19)
1,1’-メチレンビス(ナフタレン-2-オール)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル樹脂溶液(固形分は30.40質量%)1.98gに、1質量%界面活性剤(DIC(株)製、R-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.12g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.18g、2質量%ピリジニウムp-ヒドロキシベンゼンスルホナート含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.90g、8.85質量%没食子酸(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.34g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2.64g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル3.87gを加え、孔径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0084】
(実施例20)
1,1’-メチレンビス(ナフタレン-2-オール)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル樹脂溶液(固形分は30.40質量%)1.98gに、1質量%界面活性剤(DIC(株)製、R-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.12g、PL-LI(みどり化学(株)製)0.18g、2質量%ピリジニウムp-ヒドロキシベンゼンスルホナート含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.90g、4.50質量%2,3,3’,4,4’,5’-ヘキサヒドロキシベンゾフェノン(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.67g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2.64g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル3.54gを加え、孔径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0085】
(実施例21)
合成例5で得られた樹脂溶液(固形分20質量%)3.68gに、PL-LI(みどり化学(株)製)0.066g、p-ヒドロキシベンゼンスルホン酸(東京化成工業(株)製)0.0066g、没食子酸(東京化成工業(株)製)0.033g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1.92g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル14.16gを加え、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0086】
(実施例22)
合成例5で得られた樹脂溶液(固形分20質量%)3.68gに、PL-LI(みどり化学(株)製)0.073g、ピリジニウムトリフルオロメタンスルホナート(東京化成工業(株)製)0.0073g、没食子酸(東京化成工業(株)製)0.037g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1.92g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル14.16gを加え、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0087】
(実施例23)
合成例5で得られた樹脂溶液(固形分20質量%)3.68gに、TMOM-BP(本州化学工業(株)製)0.073g、p-ヒドロキシベンゼンスルホン酸(東京化成工業(株)製)0.0073g、没食子酸(東京化成工業(株)製)0.037g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1.92g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル14.16gを加え、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0088】
(実施例24)
合成例5で得られた樹脂溶液(固形分20質量%)3.68gに、TMOM-BP(本州化学工業(株)製)0.073g、ピリジニウムトリフルオロメタンスルホナート(東
京化成工業(株)製)0.0073g、没食子酸(東京化成工業(株)製)0.037g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1.92g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル14.16gを加え、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0089】
(実施例25)
合成例6で得られた樹脂溶液(固形分20質量%)3.68gに、PL-LI(みどり化学(株)製)0.073g、p-ヒドロキシベンゼンスルホン酸(東京化成工業(株)製)0.0073g、没食子酸(東京化成工業(株)製)0.037g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1.92g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル14.16gを加え、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0090】
(実施例26)
合成例6で得られた樹脂溶液(固形分20質量%)3.68gにPL-LI(みどり化学(株)製)0.073g、ピリジニウムトリフルオロメタンスルホナート(東京化成工業(株)製)0.0073g、没食子酸(東京化成工業(株)製)0.037g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1.92g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル14.16gを加え、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0091】
(実施例27)
合成例6で得られた樹脂溶液(固形分20質量%)3.68gに、TMOM-BP(本州化学工業(株)製)0.073g、p-ヒドロキシベンゼンスルホン酸(東京化成工業(株)製)0.0073g、没食子酸(東京化成工業(株)製)0.037g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1.92g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル14.16gを加え、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0092】
(実施例28)
合成例6で得られた樹脂溶液(固形分20質量%)3.68gに、TMOM-BP(本州化学工業(株)製)0.073g、ピリジニウムトリフルオロメタンスルホナート(東京化成工業(株)製)0.0073g、没食子酸(東京化成工業(株)製)0.037g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1.92g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル14.16gを加え、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0093】
(実施例29)
合成例5で得られた樹脂溶液(固形分20質量%)3.52gに、TMOM-BP(本州化学工業(株)製)0.070g、ピリジニウムトリフルオロメタンスルホナート(東京化成工業(株)製)0.007g、没食子酸(東京化成工業(株)製)0.070g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1.92g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル14.42gを加え、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0094】
(実施例30)
合成例5で得られた樹脂溶液(固形分20質量%)3.26gに、TMOM-BP(本州化学工業(株)製)0.065g、ピリジニウムトリフルオロメタンスルホナート(東京化成工業(株)製)0.0065g、没食子酸(東京化成工業(株)製)0.130g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1.92g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル14.64gを加え、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0095】
(実施例31)
合成例5で得られた樹脂溶液(固形分20質量%)3.02gに、TMOM-BP(本州化学工業(株)製)0.060g、ピリジニウムトリフルオロメタンスルホナート(東京化成工業(株)製)0.006g、没食子酸(東京化成工業(株)製)0.180g、
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1.92g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル14.83gを加え、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0096】
(実施例32)
合成例5で得られた樹脂溶液(固形分20質量%)2.82gに、TMOM-BP(本州化学工業(株)製)0.056g、ピリジニウムトリフルオロメタンスルホナート(東京化成工業(株)製)0.0056g、没食子酸(東京化成工業(株)製)0.224g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1.92g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル14.99gを加え、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0097】
(実施例33)
合成例5で得られた樹脂溶液(固形分20質量%)2.65gに、TMOM-BP(本州化学工業(株)製)0.053g、ピリジニウムトリフルオロメタンスルホナート(東京化成工業(株)製)0.0053g、没食子酸(東京化成工業(株)製)0.265g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1.92g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル15.14gを加え、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0098】
(実施例34)
合成例5で得られた樹脂溶液(固形分20質量%)2.49gに、TMOM-BP(本州化学工業(株)製)0.050g、ピリジニウムトリフルオロメタンスルホナート(東京化成工業(株)製)0.005g、没食子酸(東京化成工業(株)製)0.30g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1.92g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル15.27gを加え、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0099】
(実施例35)
合成例5で得られた樹脂溶液(固形分20質量%)2.29gに、TMOM-BP(本州化学工業(株)製)0.046g、ピリジニウムトリフルオロメタンスルホナート(東京化成工業(株)製)0.0046g、没食子酸(東京化成工業(株)製)0.322g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1.92g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル15.43gを加え、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0100】
(実施例36)
合成例5で得られた樹脂溶液(固形分20質量%)3.68gに、TMOM-BIP-A(本州化学工業(株)製)0.074g、ピリジニウムトリフルオロメタンスルホナート(東京化成工業(株)製)0.0074g、没食子酸(東京化成工業(株)製)0.037g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1.92g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル14.29gを加え、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0101】
(実施例37)
合成例5で得られた樹脂溶液(固形分20質量%)3.68gに、TMOM-BIP-S(本州化学工業(株)製)0.074g、ピリジニウムトリフルオロメタンスルホナート(東京化成工業(株)製)0.0074g、没食子酸(東京化成工業(株)製)0.037g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1.92g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル14.29gを加え、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0102】
(実施例38)
合成例5で得られた樹脂溶液(固形分20質量%)3.68gに、TMOM-BP(本州化学工業(株)製)0.074g、ピリジニウムトリフルオロメタンスルホナート(東
京化成工業(株)製)0.0074g、3,4-ジヒドロキシ安息香酸(東京化成工業(株)製)0.037g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1.92g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル15.65gを加え、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0103】
(実施例39)
合成例5で得られた樹脂溶液(固形分20質量%)3.68gに、TMOM-BP(本州化学工業(株)製)0.074g、ピリジニウムトリフルオロメタンスルホナート(東京化成工業(株)製)0.0074g、2,3,3’,4,4’,5’-ヘキサヒドロキシベンゾフェノン(東京化成工業(株)製)0.037g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1.92g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル15.65gを加え、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0104】
(実施例40)
合成例1で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は30.00質量%)を得た。この樹脂溶液2.20gに1質量%界面活性剤(DIC(株)製、R-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.07g、TMOM-BP(本州化学工業(株)製)0.13g、2質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.33g、5.26質量%没食子酸(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.31g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1.15g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル5.82gを加え、孔径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0105】
(実施例41)
合成例1で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は30.00質量%)を得た。この樹脂溶液2.20gに1質量%界面活性剤(DIC(株)製、R-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.07g、TMOM-BP(本州化学工業(株)製)0.13g、2質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.33g、9.38質量% 2,3,3’,4,4’,5’-ヘキサヒドロキシベンゾフェノン(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.18g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1.22g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル5.96gを加え、孔径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0106】
(実施例42)
合成例1で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は30.00質量%)を得た。この樹脂溶液3.30gに1質量%界面活性剤(DIC(株)製、R-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.10g、TMOM-BP(本州化学工業(株)製)0.20g、2質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.50g、9.53質量%2,3,4-トリヒドロキシベンゾフェノン(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.26g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1.73g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル8.94gを加え、孔径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0107】
(実施例43)
合成例1で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は30.00質量%)を得た。この樹脂溶液2.20gに1質量%界面活性剤(DIC(株)製、R-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.07g、TMOM-BP(本州化学工業(株)製)0.13g、2質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.33g、8.33質量%2,3’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.20g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1.15g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル5.93gを加え、孔径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0108】
(実施例44)
合成例1で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は30.00質量%)を得た。この樹脂溶液2.20gに1質量%界面活性剤(DIC(株)製、R-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.07g、TMOM-BP(本州化学工業(株)製)0.13g、2質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.33g、9.39質量%2,3,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.18g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1.15g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル5.96gを加え、孔径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0109】
(実施例45)
合成例1で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は30.00質量%)を得た。この樹脂溶液3.30gに1質量%界面活性剤(DIC(株)製、R-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.10g、TMOM-BP(本州化学工業(株)製)0.20g、2質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.50g、9.70質量%5,5’,6,6’-テトラヒドロキシ-3,3,3’,3’-テトラメチル-1,1’-スピロビインダン(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.26g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1.73g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル8.94gを加え、孔径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0110】
(実施例46)
合成例1で得た樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解後、イオン交換を経て樹脂溶液(固形分は30.00質量%)を得た。この樹脂溶液2.20gに、1質量%界面活性剤(DIC(株)製、R-40)含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.07g、TMOM-BP(本州化学工業(株)製)0.13g、2質量%ピリジニウムp-トルエンスルホナート(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.33g、9.42質量%2,3,4-トリヒドロキシジフェニルメタン(東京化成工業(株)製)含有プロピレングリコールモノメチルエーテル0.18g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1.15g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル5.96gを加え、孔径0.1μmのポ
リテトラフルオロエチレン製マイクロフィルターにて濾過して、保護膜形成組成物の溶液を調製した。
【0111】
[塗布性試験]
比較例1乃至比較例15及び実施例1乃至実施例39で調製した保護膜形成組成物の溶液を、それぞれスピンコーターを用いてシリコンウェハー上に塗布し、ホットプレート上で240℃90秒間ベークし、保護膜を形成した。この時点で塗布性を確認し、均一な膜が形成されたサンプルを○、不均一な膜が形成されたサンプルを×として、下記表1乃至表4に表した。
なお、表1乃至表4及び表6乃至表9中に記載した略号とその意味は下記のとおりである。また、当該表中に記載した略語の下の数値は、樹脂の含有量に対する架橋剤、又は式(1a)、式(1b)もしくは式(1c)で表される添加剤の質量%濃度を表し、架橋剤の含有量に対する架橋触媒(酸触媒)の質量%濃度を表す。
TMOM-BP :3,3’,5,5’-テトラメトキシメチル-4,4-ジヒドロキシビフェニル
TMOM-BIPA:テトラメトキシメチルビスフェノールA
TMOM-BIPS:テトラメトキシメチルビスフェノールS
PL-LI :1,3,4,6-テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリルPyPTS :ピリジニウムp-トルエンスルホナート
PyPSA :ピリジニウムp-ヒドロキシベンゼンスルホナート
PyTFMS :ピリジニウムトリフルオロメタンスルホナート
PSA :p-ヒドロキシベンゼンスルホン酸
TAG :TAG2689
GA :没食子酸
DHBA :3,4-ジヒドロキシ安息香酸
HHBP :2,3,3’,4,4’,5’-ヘキサヒドロキシベンゾフェノンMBNAO :1,1’-メチレンビス(ナフタレン-2-オール)
TrHBP :2,3,4-トリヒドロキシベンゾフェノン
TeHBP-1 :2,3’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン
TeHBP-2 :2,3,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン
THTMSI :5,5’,6,6’-テトラヒドロキシ-3,3,3’,3’-テトラメチル-1,1’-スピロビインダン
THDPM :2,3,4-トリヒドロキシジフェニルメタン
【0112】
【0113】
上記表1乃至表4の結果より、実施例1乃至実施例46で調製した保護膜形成組成物は、シリコンウェハーに対する塗布性に優れていることが明らかとなった。一方、式(1a)、式(1b)又は式(1c)で表される化合物を過剰量含有する、比較例15で調製した保護膜形成組成物は、シリコンウェハー上に均一な膜を形成できないことが明らかとなった。
【0114】
[レジスト溶剤への溶出試験]
比較例1乃至比較例14、比較例16及び実施例1乃至実施例46で調製した保護膜形成組成物の溶液を、それぞれスピンコーターを用いてシリコンウェハー上に塗布し、ホットプレート上、180℃乃至300℃、60秒又は90秒でベークすることによって、保護膜を形成した。これら保護膜をレジストに使用する溶剤である、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、及びシクロヘキサノンに浸漬した。なお、塗布性評価で不均一な膜を形成したサンプルは評価から除外した。均一な膜を形成した保護膜はいずれの溶剤にも不溶であった。
【0115】
[塩基性過酸化水素水溶液への耐性試験]
比較例1乃至比較例14、比較例16及び実施例1乃至実施例46で調製した保護膜形成組成物を用いて、窒化チタン膜が表面に形成されたシリコン基板上に保護膜を作製した。この保護膜に対して、カッターナイフを用いて1mm×1mm(100マス)のクロスカット傷をつけた試料を作製した。これらの試料を、下記表5に示した組成の塩基性過酸化水素水溶液に、同表に示す温度で浸漬させ、その後水洗、乾燥後の保護膜の剥離状態を目視で確認した。結果を下記表6乃至表9に示す。表6乃至表9中の浸漬時間は、前記試料を塩基性過酸化水素水溶液に浸漬開始してから保護膜が剥がれるまでの時間を示している。
【0116】
【0117】
【0118】
上記表6乃至表9の結果より、実施例1乃至実施例46で調製した保護膜形成組成物を
用いて作製した保護膜は、樹脂及び架橋剤の含有量が同一条件で、式(1a)、式(1b)又は式(1c)で表される化合物を含まない比較例1乃至比較例14及び比較例16で調製した保護膜形成組成物を用いて作製した保護膜と比較して、浸漬時間が長くなることが明らかとなった。すなわち、式(1a)、式(1b)又は式(1c)で表される化合物の添加による、塩基性過酸化水素水溶液に対する保護膜の耐性を向上させる効果が明らかとなった。また、架橋剤及び架橋触媒の種類を変更しても、式(1a)、式(1b)又は式(1c)で表される化合物の添加による、塩基性過酸化水素水溶液に対する保護膜の耐性を向上させる効果が得られた。