(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-30
(45)【発行日】2023-09-07
(54)【発明の名称】基板状態測定装置、めっき装置、及び基板状態測定方法
(51)【国際特許分類】
C25D 21/12 20060101AFI20230831BHJP
C25D 5/02 20060101ALI20230831BHJP
C25D 7/12 20060101ALI20230831BHJP
C25D 17/00 20060101ALI20230831BHJP
H01L 21/288 20060101ALI20230831BHJP
H01L 21/66 20060101ALI20230831BHJP
【FI】
C25D21/12 C
C25D5/02 H
C25D7/12
C25D17/00 K
H01L21/288 E
H01L21/66 P
(21)【出願番号】P 2023096094
(22)【出願日】2023-06-12
(62)【分割の表示】P 2023505709の分割
【原出願日】2022-08-26
【審査請求日】2023-06-12
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100146710
【氏名又は名称】鐘ヶ江 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100186613
【氏名又は名称】渡邊 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100172041
【氏名又は名称】小畑 統照
(72)【発明者】
【氏名】下山 正
(72)【発明者】
【氏名】増田 泰之
(72)【発明者】
【氏名】樋渡 良輔
【審査官】瀧口 博史
(56)【参考文献】
【文献】特表2004-534908(JP,A)
【文献】特開2019-137898(JP,A)
【文献】特開2019-197032(JP,A)
【文献】特開2021-63306(JP,A)
【文献】特開2021-114073(JP,A)
【文献】特許第7074937(JP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0008132(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C25D 5/02
C25D 7/12
C25D 17/00
C25D 21/12
G01B 9/02 - 9/029
G01B 11/06
H01L 21/288
H01L 21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シード層と前記シード層上に形成されたレジスト層とを有する基板を支持して回転させられるように構成されたステージと、
前記ステージに支持された基板の板面を測定するための少なくとも1つの白色共焦点式センサと、
機械学習によって構築される学習モデルが格納された記憶部と、
を備え、
前記基板における被めっき領域の前記白色共焦点式センサによる検出情報を前記学習モデルに入力して当該学習モデルの学習を行うと共に、前記学習モデルを使用して前記被めっき領域のレジスト層の開口率を測定する、基板状態測定装置。
【請求項2】
前記基板における被めっき領域の前記白色共焦点式センサによる検出は、前記被めっき領域の25%以下の領域で行われる、請求項1に記載の基板状態測定装置。
【請求項3】
前記白色共焦点式センサを前記基板の板面に沿って移動させるように構成されるセンサ移動機構を備える、請求項1に記載の基板状態測定装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの白色共焦点式センサは、前記基板における前記被めっき領域を検出するための第1の白色共焦点式センサと、前記基板における前記被めっき領域でない領域を検出するための第2の白色共焦点式センサと、を含む請求項1に記載の基板状態測定装置。
【請求項5】
前記基板における給電部材と接触する領域である給電部材接触領域の前記白色共焦点式センサによる検出に基づいて、前記給電部材接触領域の状態を更に測定する、請求項1に記載の基板状態測定装置。
【請求項6】
前記基板におけるシール部材と接触する領域であるシール部材接触領域の前記白色共焦点式センサによる検出に基づいて、前記シール部材接触領域の状態を更に測定する、請求
項1に記載の基板状態測定装置。
【請求項7】
請求項1から6の何れか1項に記載の基板状態測定装置と、
給電部材を有し、前記基板を保持するための基板ホルダと、
めっき液を収容し、前記基板ホルダに保持された基板とアノードとを前記めっき液に浸漬させた状態で前記基板と前記アノードとの間に電圧を印加してめっきを行うためのめっき槽と、
を備えるめっき装置。
【請求項8】
シード層と前記シード層上に形成されたレジスト層とを有する基板をステージに配置するステップと、
前記ステージに配置された基板を回転させながら、前記基板における被めっき領域を白色共焦点式センサによって検出するステップと、
前記白色共焦点式センサによる検出情報を機械学習によって構築される学習モデルに入力して当該学習モデルの学習を行うと共に、前記学習モデルを使用して前記被めっき領域のレジスト層の開口率を測定するステップと、
を含む基板状態測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、基板状態測定装置、めっき装置、及び基板状態測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
めっき装置の一例としてカップ式の電解めっき装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。カップ式の電解めっき装置は、被めっき面を下方に向けて基板ホルダに保持された基板(例えば半導体ウェハ)をめっき液に浸漬させ、基板とアノードとの間に電圧を印加することによって、基板の表面に導電膜を析出させる。
【0003】
電解めっき装置で基板にめっきをするには、予め、シード層が形成された半導体ウェハ等の基板にレジストパターンを有するレジスト層を形成しておく。続いて、レジスト層が形成された基板に紫外光の照射等を行い、基板表面上のレジスト残渣を除去し(アッシング処理)且つレジスト表面の親水化処理(ディスカム処理)を行う。
【0004】
また、めっき装置では、一般に、めっき処理を施す基板の目標とするめっき膜厚や実めっき面積に基づいて、めっき電流値およびめっき時間等のパラメータをめっき処理レシピとして使用者が予め設定し、設定された処理レシピに基づいてめっき処理が行われる(例えば、特許文献2参照)。そして、同一キャリアの複数のウェハに対して、同一の処理レシピでめっき処理が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2008-19496号公報
【文献】特開2002-105695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記したように、めっき処理に先立って基板にはシード層およびレジスト層が形成されている。しかし、基板に形成されたシード層およびレジスト層などの状態によって、基板に形成されるめっき膜厚の均一性が損なわれる場合がある。一例として、基板は基板ホルダの給電部材(コンタクト)と接触して給電が行われるが、給電部材と接触する基板領域にレジスト残渣など通電障害となるものがあると、適正にめっき処理を施すことができなくなる。また、一例として、電解めっき装置では、給電部材と基板との接触周囲がシール部材によってめっき液から遮蔽される、いわゆるドライコンタクト方式が採用される場合がある。こうした場合、基板におけるシール部材との接触領域に凹凸または異物などがあると、給電部材と基板との接触部分にめっき液が浸入して、適正にめっき処理を施すことができなくなる。さらに、基板に形成したいめっきパターンに応じて、基板には所望のレジストパターンが形成されている。しかしながら、基板に形成されているレジストパターン、特に基板の開口率が異なると基板とアノードとの間に流れる電流密度が変化し、めっき膜圧の均一性、または、めっき処理にかかる時間に影響する。以上のように、めっき対象としての基板の状態が把握されていると、異常が生じている基板のめっき処理を避けたり、基板の状態に応じためっき処理を施したりして、めっき処理を好適に行うことができ得る。
【0007】
以上の実情に鑑みて、本願は、めっき対象としての基板の状態を測定することを1つの目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態によれば、基板状態測定装置が提案され、かかる基板状態測定装置は、シード層と前記シード層上に形成されたレジスト層とを有する基板を支持して回転させられるように構成されたステージと、前記ステージに支持された基板の板面を測定するための少なくとも1つの白色共焦点式センサと、を備え、前記基板における給電部材と接触する領域である給電部材接触領域の前記白色共焦点式センサによる検出に基づいて、前記給電部材接触領域の状態を測定する。
【0009】
一実施形態によれば、基板状態測定装置が提案され、かかる基板状態測定装置は、シード層と前記シード層上に形成されたレジスト層とを有する基板を支持して回転させられるように構成されたステージと、前記ステージに支持された基板の板面を測定するための少なくとも1つの白色共焦点式センサと、を備え、前記基板におけるシール部材と接触する領域であるシール部材接触領域の前記白色共焦点式センサによる検出に基づいて、前記シール部材接触領域の状態を測定する。
【0010】
一実施形態によれば、基板状態測定装置が提案され、かかる基板状態測定装置は、シード層と前記シード層上に形成されたレジスト層とを有する基板を支持して回転させられるように構成されたステージと、前記ステージに支持された基板の板面を測定するための少なくとも1つの白色共焦点式センサと、を備え、前記基板における被めっき領域の前記白色共焦点式センサによる検出に基づいて、前記被めっき領域の状態を測定する。
【0011】
別の一実施形態によれば、基板状態測定方法が提案され、かかる基板状態測定方法は、シード層と前記シード層上に形成されたレジスト層とを有する基板をステージに配置するステップと、前記ステージに配置された基板を回転させながら、前記基板における給電部材と接触する領域である給電部材接触領域を白色共焦点式センサによって検出するステップと、前記白色共焦点式センサによる検出に基づいて前記給電部材接触領域の状態を測定するステップと、を含む。
【0012】
別の一実施形態によれば、基板状態測定方法が提案され、かかる基板状態測定方法は、シード層と前記シード層上に形成されたレジスト層とを有する基板をステージに配置するステップと、前記ステージに配置された基板を回転させながら、前記基板におけるシール部材と接触する領域であるシール部材接触領域を白色共焦点式センサによって検出するステップと、前記白色共焦点式センサによる検出に基づいて前記シール部材接触領域の状態を測定するステップと、を含む。
【0013】
別の一実施形態によれば、基板状態測定方法が提案され、かかる基板状態測定方法は、シード層と前記シード層上に形成されたレジスト層とを有する基板をステージに配置するステップと、前記ステージに配置された基板を回転させながら、前記基板における被めっき領域を白色共焦点式センサによって検出するステップと、前記白色共焦点式センサによる検出に基づいて前記被めっき領域の状態を測定するステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、実施形態のめっき装置の全体構成を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態のめっき装置の全体構成を示す平面図である。
【
図3】
図3は、実施形態のめっきモジュールの構成を概略的に示す縦断面図である。
【
図4】
図4は、実施形態における基板の板面を模式的に示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態の基板状態測定モジュールの構成を概略的に示す縦断面図である。
【
図6】
図6は、実施形態の基板状態測定モジュールによる状態測定を説明するための模式図である。
【
図7】
図7は、本実施形態における白色共焦点式センサおよび基板断面の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、白色共焦点式センサによる信号検出値の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、基板状態測定モジュールによる基板状態測定方法の一例を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、本実施形態における基板状態測定モジュールの概略的な機能ブロック図である。
【
図11】
図11は、変形例の基板状態測定モジュールの構成を概略的に示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下で説明する図面において、同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0016】
図1は、本実施形態のめっき装置1000の全体構成を示す斜視図である。
図2は、めっき装置1000の全体構成を示す平面図である。
図1および
図2に示すように、めっき装置1000は、ロードポート100、搬送ロボット110、アライナ120、プリウェットモジュール200、プリソークモジュール300、めっきモジュール400、洗浄モジュール500、スピンリンスドライヤ600、搬送装置700、および、制御モジュール800を備える。
【0017】
ロードポート100は、めっき装置1000に図示していないFOUPなどのカセットに収納された、めっきする対象物である基板を搬入したり、めっき装置1000からカセットに基板を搬出するためのモジュールである。本実施形態では4台のロードポート100が水平方向に並べて配置されているが、ロードポート100の数および配置は任意である。搬送ロボット110は、基板を搬送するためのロボットであり、ロードポート100、アライナ120、および搬送装置700の間で基板を受け渡すように構成される。搬送ロボット110および搬送装置700は、搬送ロボット110と搬送装置700との間で基板を受け渡す際には、図示していない仮置き台を介して基板の受け渡しを行うことができる。
【0018】
アライナ120は、基板のオリエンテーションフラットやノッチなどの位置を所定の方向に合わせるためのモジュールである。本実施形態では2台のアライナ120が水平方向に並べて配置されているが、アライナ120の数および配置は任意である。プリウェットモジュール200は、めっき処理前の基板の被めっき面を純水または脱気水などの処理液(プリウェット液)で濡らすことで、基板表面に形成されたパターン内部の空気を処理液に置換する。プリウェットモジュール200は、めっき時にパターン内部の処理液をめっき液に置換することでパターン内部にめっき液を供給しやすくするプリウェット処理を施すように構成される。本実施形態では2台のプリウェットモジュール200が上下方向に並べて配置されているが、プリウェットモジュール200の数および配置は任意である。
【0019】
プリソークモジュール300は、例えばめっき処理前の基板の被めっき面に形成したシード層表面等に存在する電気抵抗の大きい酸化膜を硫酸や塩酸などの処理液でエッチング除去してめっき下地表面を洗浄または活性化するプリソーク処理を施すように構成される。本実施形態では2台のプリソークモジュール300が上下方向に並べて配置されているが、プリソークモジュール300の数および配置は任意である。めっきモジュール400は、基板にめっき処理を施す。本実施形態では、上下方向に3台かつ水平方向に4台並べて配置された12台のめっきモジュール400のセットが2つあり、合計24台のめっきモジュール400が設けられているが、めっきモジュール400の数および配置は任意で
ある。
【0020】
洗浄モジュール500は、めっき処理後の基板に残るめっき液等を除去するために基板に洗浄処理を施すように構成される。本実施形態では2台の洗浄モジュール500が上下方向に並べて配置されているが、洗浄モジュール500の数および配置は任意である。スピンリンスドライヤ600は、洗浄処理後の基板を高速回転させて乾燥させるためのモジュールである。本実施形態では2台のスピンリンスドライヤが上下方向に並べて配置されているが、スピンリンスドライヤの数および配置は任意である。搬送装置700は、めっき装置1000内の複数のモジュール間で基板を搬送するための装置である。制御モジュール800は、めっき装置1000の複数のモジュールを制御するように構成され、例えばオペレータとの間の入出力インターフェースを備える一般的なコンピュータまたは専用コンピュータから構成することができる。
【0021】
めっき装置1000による一連のめっき処理の一例を説明する。まず、ロードポート100にカセットに収納された基板が搬入される。続いて、搬送ロボット110は、ロードポート100のカセットから基板を取り出し、アライナ120に基板を搬送する。アライナ120は、基板のオリエンテーションフラットやノッチなどの位置を所定の方向に合わせる。搬送ロボット110は、アライナ120で方向を合わせた基板を搬送装置700へ受け渡す。
【0022】
搬送装置700は、搬送ロボット110から受け取った基板をプリウェットモジュール200へ搬送する。プリウェットモジュール200は、基板にプリウェット処理を施す。搬送装置700は、プリウェット処理が施された基板をプリソークモジュール300へ搬送する。プリソークモジュール300は、基板にプリソーク処理を施す。搬送装置700は、プリソーク処理が施された基板をめっきモジュール400へ搬送する。めっきモジュール400は、基板にめっき処理を施す。
【0023】
搬送装置700は、めっき処理が施された基板を洗浄モジュール500へ搬送する。洗浄モジュール500は、基板に洗浄処理を施す。搬送装置700は、洗浄処理が施された基板をスピンリンスドライヤ600へ搬送する。スピンリンスドライヤ600は、基板に乾燥処理を施す。搬送装置700は、乾燥処理が施された基板を搬送ロボット110へ受け渡す。搬送ロボット110は、搬送装置700から受け取った基板をロードポート100のカセットへ搬送する。最後に、ロードポート100から基板を収納したカセットが搬出される。
【0024】
<めっきモジュールの構成>
次に、めっきモジュール400の構成を説明する。本実施形態における24台のめっきモジュール400は同一の構成であるので、1台のめっきモジュール400のみを説明する。
図3は、本実施形態のめっきモジュール400の構成を概略的に示す縦断面図である。
図3に示すように、めっきモジュール400は、めっき液を収容するためのめっき槽410を備える。めっき槽410は、上面が開口した円筒形の内槽412と、内槽412の上縁からオーバーフローしためっき液を溜められるように内槽412の周囲に設けられた外槽414と、を含んで構成される。
【0025】
めっきモジュール400は、内槽412の内部を上下方向に隔てるメンブレン420を備える。内槽412の内部はメンブレン420によってカソード領域422とアノード領域424に仕切られる。カソード領域422とアノード領域424にはそれぞれめっき液が充填される。アノード領域424の内槽412の底面にはアノード430が設けられる。カソード領域422にはメンブレン420に対向する抵抗体450が配置される。抵抗体450は、基板Wfの被めっき面Wf-aにおけるめっき処理の均一化を図るための部
材である。なお、本実施形態ではメンブレン420が設けられる一例を示したが、メンブレン420は設けられなくてもよい。
【0026】
また、めっきモジュール400は、被めっき面Wf-aを下方に向けた状態で基板Wfを保持するための基板ホルダ440を備える。基板ホルダ440は、被めっき面Wf-aにおける一部の領域(被めっき領域)を露出させた状態で基板Wfの縁部を把持する。基板ホルダ440は、基板Wfに接触して図示しない電源から基板Wfに給電するための給電接点を備える。本実施形態では、基板ホルダ440の給電接点と基板Wfとの接触部分がめっき液または他の液体が遮蔽される、いわゆるドライコンタクト方式が採用される。基板ホルダ440は、めっき液が給電接点と基板Wfとの接触部分に作用しないように、基板Wfの給電接点接触領域(コンタクト領域CA)をシールするシール部材441を有する。
【0027】
図4は、本実施形態における基板Wfの板面(被めっき面Wf-a)を模式的に示す図である。本実施形態では、基板Wfは円形基板である。図示するように、基板Wfは、内周側に円形の被めっき領域PAが形成され、被めっき領域PAの外周側に基板ホルダ440の給電接点と接触するための円環状のコンタクト領域CAが形成されている。また、被めっき領域PAとコンタクト領域CAとの間には、基板ホルダ440のシール部材441が接触する円環状のシール部材接触領域(シール領域)SAが設けられている。なお、理解の容易のため、
図4では、シール領域SAにハッチングを付している。本実施形態では、コンタクト領域CAには、基板ホルダ440の給電接点と接触して導通可能なようにレジスト層RLに覆われることなくシード層SLが形成されている(
図6参照)。また、シール領域SAには、基板ホルダ440のシール部材441と接触してめっき液をシールするように、一様にレジスト層RLが形成されている(
図6参照)。そして、めっき領域PAには、めっき処理によって所望のめっきパターンが形成されるように、シード層SLに通じる開口を有するレジストパターンのレジスト層RLが形成されている(
図6参照)。
【0028】
再び
図3を参照し、めっきモジュール400は、基板ホルダ440を昇降させるための昇降機構442を備える。また、一実施形態では、めっきモジュール400は、基板ホルダ440を鉛直軸まわりに回転させる回転機構448を備える。昇降機構442および回転機構448は、例えばモータなどの公知の機構によって実現することができる。昇降機構442を用いて基板Wfをカソード領域422のめっき液に浸漬させることにより、基板Wfの被めっき領域PAがめっき液に暴露される。また、一実施形態では、回転機構448を用いて基板ホルダ440を回転させながらめっき処理が行われる。めっきモジュール400は、この状態でアノード430と基板Wfとの間に電圧を印加することによって、基板Wfの被めっき面Wf-a(被めっき領域PA)にめっき処理を施すように構成される。
【0029】
なお、上記しためっきモジュール400は、基板Wfの被めっき面Wf-aが下方に向けられた状態でめっき処理が施されるものとしたが、こうした例に限定されない。一例として、めっきモジュール400では、被めっき面Wf-aが上方または側方に向けられた状態でめっき処理が施されてもよい。
【0030】
<基板状態測定モジュール>
めっき装置1000は、めっきモジュール400でのめっき処理に先立って基板Wfの状態を測定するための基板状態測定モジュール130を備えている。基板状態測定モジュール130は、基板状態測定装置の一例に当たる。
図5は、一実施形態の基板状態測定モジュール130の構成を概略的に示す縦断面図であり、
図6は、基板状態測定モジュール130による状態測定を説明するための模式図である。この基板状態測定モジュール130は、一例として、アライナ120に設けられる。しかしながら、基板状態測定モジュー
ル130は、プリウェットモジュール200、プリソークモジュール300、または、搬送装置700の何れかに設けられてもよい。また、基板状態測定モジュール130は、独立したモジュールとして設けられてもよい。
【0031】
基板状態測定モジュール130は、基板Wfを支持して回転させられるように構成されたステージ132を備える。ステージ132を回転させる回転機構134は、例えばモータなどの公知の機構によって実現することができる。また、基板状態測定モジュール130は、ステージ132に載置された基板Wfの板面を測定するための白色共焦点式センサ136を備える。
図5に示す例では、白色共焦点式センサ136は、移動機構138によって移動可能に構成されている。これにより、白色共焦点式センサ136による検出位置を変更することができる。なお、限定するものではないが、移動機構138は、白色共焦点式センサ136を基板Wfの半径方向に沿って移動させるように構成されるとよい。本実施形態では、基板状態測定モジュール130は、1つの白色共焦点式センサ136を備え、
図6に示すように、移動機構138により白色共焦点式センサ136の検出位置をコンタクト領域CA、シール領域SA、およびめっき領域PAに変更できるようになっている。
【0032】
図7は、本実施形態における白色共焦点式センサおよび基板断面の一例を示す図であり、
図8は、白色共焦点式センサによる信号検出値の一例を示す図である。白色共焦点式センサ136は、複数の波長成分を有する照射光を発生する光源1364と、基板Wfからの反射光を受光する受光部1366と、受光部1366で受光された光の波長成分に基づいて光を反射する界面位置までの距離を計測する処理部1362と、を有する。
【0033】
照射光が基板Wfにおけるシード層SLが露出している領域に照射された際には、照射光がシード層SL表面で反射される。これにより、処理部1362によって算出される基板Wfまでの距離として、シード層SLまでの距離(
図5中、A1)を示す信号強度が大きく示される。一方、照射光が基板Wfにおけるレジスト層RLに照射された際には、照射光が主にレジスト層RL表面で反射される。これにより、処理部1362によって算出される基板Wfまでの距離として、レジスト層RLまでの距離(
図5中、A2)を示す信号強度が大きく示される。また、レジスト層RLが照射光の一部を透過させる場合には、レジスト層RLに照射された照射光の一部がレジスト層RL表面で反射され、照射光の別の一部がレジスト層RLを透過してレジスト層RL裏のシード層SLによって反射される。これにより、処理部1362によって算出される基板Wfまでの距離として、レジスト層RLまでの距離(A2)とシード層SLまでの距離(A1)とを示す信号強度がそれぞれ大きく示される。
【0034】
こうした白色共焦点式センサ136による検出に基づいて、基板状態測定モジュール130は基板Wfの状態を測定する。白色共焦点式センサ136による検出に基づく基板Wfの状態の測定は、一例として制御モジュール800で行われる。この場合、制御モジュール800は、基板状態測定モジュール130の一部を構成する。ただし、こうした例に限定されず、基板状態測定モジュール130は、制御モジュール800とは別に基板Wfの状態を測定するための構成を備えてもよい。
【0035】
図9は、基板状態測定モジュール130による基板状態測定方法の一例を示すフローチャートである。本実施形態の基板状態測定方法では、まず、ステージ132に基板Wfが配置される(ステップS10)。ステージ132への基板Wfの配置は、例えば搬送ロボット110によって行われる。
【0036】
続いて、ステージ132に配置された基板Wfを回転させながら、白色共焦点式センサ136によって給電部材接触領域(コンタクト領域)CAを検出し(ステップS12)、
この検出に基づいてコンタクト領域CAの状態を測定する(ステップS14)。白色共焦点式センサ136によるコンタクト領域CAの検出は、少なくとも基板Wfの1回転を伴って行われることが好ましい。
【0037】
ここで、ステップS12の処理は、第1の例として、コンタクト領域CA全域にわたって白色共焦点式センサ136と基板Wfとの距離を測定できるように、白色共焦点式センサ136のサンプリング周期に基づいてゆっくりとした速度で基板Wfを回転させて行われる。上記したようにコンタクト領域CAにはレジスト層RLに覆われることなくシード層SLが形成されており、好ましい基板Wfの状態においては、白色共焦点式センサ136による検出はコンタクト領域CA全域において一定となる。このため、第1の例においてステップS14の処理では、基板状態測定モジュール130(制御モジュール800)は、コンタクト領域CA全域において検出値が予め定めた正常領域内である場合には、コンタクト領域CAは正常と判断することができる。また、基板状態測定モジュール130は、正常領域から外れた検出値が測定される場合には、コンタクト領域CAに凹凸があって、基板ホルダ440の給電接点との接触不良が生じ得る異常であると判断することができる。なお、第1の例では、基板状態測定モジュール130は、基板Wfの傾斜、および、検出ノイズを考慮して、コンタクト領域CAの状態を測定することが好ましい。
【0038】
また、ステップS12の処理は、第2の例として、コンタクト領域CAに凹凸が含まれる場合に、白色共焦点式センサ136において複数の距離を示す信号強度が大きく示される程度に速い速度で基板Wfを回転させて行われる。この場合、好ましい基板Wfの状態においては、コンタクト領域CA全域で白色共焦点式センサ136によって単一の距離を示す信号強度が検出される。このため、第2の例においてステップS14の処理では、基板状態測定モジュール130(制御モジュール800)は、コンタクト領域CA全域において単一の距離が検出される場合には、コンタクト領域CAは正常と判断することができる。また、基板状態測定モジュール130は、所定距離離れた複数の距離を示す信号強度が測定される場合には、コンタクト領域CAに凹凸があって異常であると判断することができる。なお、第2の例では、基板状態測定モジュール130は、検出ノイズを考慮してコンタクト領域CAの状態を測定することが好ましい。また、第2の例は、基板Wfの傾斜による検出影響が小さい点で、第1の例に比べて優れていると考えられる。
【0039】
次に、基板状態測定方法では、ステージ132に配置された基板Wfを回転させながら、白色共焦点式センサ136によってシール部材接触領域(シール領域)SAを検出し(ステップS22)、この検出に基づいてシール領域SAの状態を測定する(ステップS24)。白色共焦点式センサ136によるシール領域SAの検出は、少なくとも基板Wfの1回転を伴って行われることが好ましい。
【0040】
ステップS22の処理は、第1の例として、ステップS12の第1の例の処理と同様に、ゆっくりとした速度で基板Wfを回転させて行うことができる。上記したようにシール領域SAには一様にレジスト層RLが形成されており、好ましい基板Wfの状態においては、白色共焦点式センサ136による検出はシール領域SA全域において一定となる。このため、第1の例においてステップS24の処理では、基板状態測定モジュール130(制御モジュール800)は、シール領域SA全域において検出値が予め定めた正常領域内である場合には、シール領域SAは正常と判断することができる。また、基板状態測定モジュール130は、正常領域から外れた検出値が測定される場合には、シール領域SAに凹凸があって異常であると判断することができる。
【0041】
また、ステップS22の処理は、第2の例として、ステップS12の第2の例の処理と同様に、速い速度で基板Wfを回転させて行うことができる。第2の例においてステップS24の処理では、基板状態測定モジュール130(制御モジュール800)は、シール
領域SA全域において一定数(1つまたは2つ)の距離が検出される場合には、シール領域SAは正常と判断することができる。また、基板状態測定モジュール130は、一例として検出される距離が変化する場合には、シール領域SAに凹凸があって異常であると判断することができる。
【0042】
次に、基板状態測定方法では、ステージ132に配置された基板Wfを回転させながら、白色共焦点式センサ136によって被めっき領域PAを検出し(ステップS32)、この検出に基づいて被めっき領域PAの状態を測定する(ステップS34)。白色共焦点式センサ136による被めっき領域PAの検出は、少なくとも基板Wfの1回転を伴って行われることが好ましい。また、白色共焦点式センサ136による被めっき領域PAの検出は、基板Wfの半径方向において異なる複数の位置で行われることが好ましい。白色共焦点式センサ136による被めっき領域PAの検出は、移動機構138による白色共焦点式センサ136の移動を伴って行われてもよい。ここで、白色共焦点式センサ136による被めっき領域PAの検出は、被めっき領域PAの25%以下の領域とすることが好ましい。
【0043】
ステップS32の処理は、検出領域全体にわたって白色共焦点式センサ136と基板Wfとの距離を測定できるように、白色共焦点式センサ136のサンプリング周期に基づいてゆっくりとした速度で基板Wfを回転させて行われることが好ましい。上記したように被めっき領域PAにはレジストパターンが存在するレジスト層RLが形成されており、白色共焦点式センサ136による検出は、レジストパターンに応じて変化する。ステップS34の処理では、一例として、基板状態測定モジュール130(制御モジュール800)は、白色共焦点式センサ136による検出に基づいて、レジスト層RLの開口率を測定するとよい。なお、基板状態測定モジュール130は、白色共焦点式センサ136による被めっき領域PAの検出に基づいて、基板Wfの状態として被めっき領域PAの正常/異常を測定してもよい。例えば、基板状態測定モジュール130は、被めっき領域PAのレジストパターンが異常である、または、被めっき領域PAのレジスト層RLに異常がある場合に、被めっき領域PAが異常であると判断してもよい。
【0044】
白色共焦点式センサ136による検出に基づいて基板Wfの状態を測定すると、基板状態測定モジュール130(制御モジュール800)は、基板Wfの状態が正常であるか判断する(ステップS40)。一例として、基板状態測定モジュール130は、コンタクト領域CAまたはシール領域SAの状態に基づいて、正常に基板Wfにめっき処理を施すことができると判断したときに、基板Wfの状態が正常であると判断する。一方、基板状態測定モジュール130は、コンタクト領域CAまたはシール領域SAの状態に基づいて、基板Wfが基板ホルダ440による保持に適さない状態であると判断したときに、基板Wfの状態が異常であると判断する。また、基板状態測定モジュール130は、被めっき領域PAの状態に基づいて、基板Wfの状態が異常であると判断してもよい。
【0045】
基板Wfの状態が正常であると判断されたときには(S40:Yes)、被めっき領域PAの状態に基づいて基板Wfにめっき処理が施され(ステップS42)、
図9に示すフローチャートは終了する。めっき処理では、例えば被めっき領域PAの開口率に基づいて基板Wfに印加される電圧が決定されてもよい。一方、基板Wfの状態が異常であると判断されたときには(S40:No)、めっき処理を施すことなく、基板Wfは図示しないFOUPなどのカセットに戻され(ステップS44)、
図9に示すフローチャートは終了する。この場合には、図示しないブザーまたはモニタなどを利用して、基板Wfの異常をユーザーに報知してもよい。こうした方法によれば、基板Wfの状態に基づいてめっき処理を施すことができる。また、基板Wfがめっき処理を施すことができないような状態であるときに、基板Wfへの処理を終了して、処理効率を向上させることができる。
【0046】
なお、
図9に示す基板状態測定方法では、白色共焦点式センサ136によって、コンタクト領域CA、シール領域SA、被めっき領域PAの順に検出するものとした。しかしながら、白色共焦点式センサ136による検出の順番は任意である。また、コンタクト領域CA、シール領域SA、被めっき領域PAのうち、少なくとも1つの検出が行われなくてもよい。例えば、基板ホルダ440がシール部材441を有しない場合などには、基板Wfにシール領域SAが無いため、ステップS22,S24の処理は行わないものとすればよい。また、
図9に示す基板状態測定方法では、被めっき領域PAの状態を測定した後に基板Wfの状態が正常であるか判断されるものとした。しかしながら、コンタクト領域CAまたはシール領域SAの状態の測定に基づいて先に基板Wfの状態が正常であるか判断し、基板Wfの状態が正常である場合に被めっき領域PAの状態を測定して、基板Wfにめっき処理を施すものとしてもよい。
【0047】
<機械学習を用いた基板の状態測定>
基板状態測定モジュール130による基板Wfの状態(コンタクト領域CAの状態,シール領域SAの状態,被めっき領域PAの状態(被めっき領域の開口率))測定は、機械学習によって構築される学習モデルを使用して行われてもよい。
図10は、本実施形態における基板状態測定モジュール130の概略的な機能ブロック図である。なお、
図10に示される機能ブロックは、基板状態測定モジュール130(基板状態測定装置)の一部として制御モジュール800によって実現されてもよい。基板状態測定モジュール130は、状態変数SVを取得する状態変数取得部142と、取得した状態変数SVに基づいて、記憶部150に記憶される学習モデルを学習・生成する学習モデル生成部144と、取得した状態変数SVと学習モデルとに基づいて基板Wfの状態を測定(意思決定)する意思決定部148と、を備える。なお、意思決定部148は、状態変数SVに基づいて、基板Wfの状態として、基板Wf表面の状態を示す画像情報を作成してもよい。
【0048】
状態変数取得部142は、所定時間(例えば、数msec、数十msec)ごとに、状態変数SVを取得する。一例として、所定時間は、学習モデル生成部144による学習周期と同一または対応した時間とすることができる。なお、本実施形態では、白色共焦点式センサ136からの入力が、状態変数取得部142による状態変数SVの取得に当たる。状態変数SVには、白色共焦点式センサ136による検出位置情報、または、基板Wfの回転速度などの情報が含まれてもよい。また、状態変数SVには、予めユーザーによってめっき装置1000に入力された情報が含まれてもよい。一例として、状態変数SVには、基板Wfの材質などの情報などが含まれてもよい。
【0049】
学習モデル生成部144は、機械学習と総称される任意の学習アルゴリズムに従って、学習モデル(状態変数SVに対する基板の状態)を学習する。学習モデル生成部144は、状態変数取得部142によって取得される状態変数SVに基づく学習を反復実行する。学習モデル生成部144は、複数の状態変数SVを取得し、状態変数SVの特徴を識別して相関性を解釈する。また、学習モデル生成部144は、現在の状態変数SVに対して基板状態が測定されたときの、次回に取得される状態変数SVの相関性を解釈する。そして、学習モデル生成部144は、学習を繰り返すことにより、取得される状態変数SVに対する基板Wfの状態の推定について最適化を図る。
【0050】
一例として、学習モデル生成部144は、教師あり学習によって構築される。教師あり学習は、めっき装置1000の設置場所において行われてもよいし、製造所、または専用の学習用場所において行われてもよい。学習モデル生成部144は、教師あり学習の一例として、基板の状態が予め測定されている、または基板の状態が予め判っている基板の測定情報を教師データとしてもよい。こうした基板としては、一例として、一定のレジストパターンのレジスト膜が形成された基板が用いられてもよい。
【0051】
また、学習モデル生成部144は、強化学習を実行して学習モデルを学習してもよい。強化学習は、ある環境において、現在状態(入力)に対して実行される行動(出力)に報酬を与え、最大の報酬が得られるような学習モデルを生成する手法である。強化学習を行う一例として、学習モデル生成部144は、状態変数SVに基づいて評価値を計算する評価値計算部145と、評価値に基づいて学習モデルの学習を行う学習部146と、を有する。一例として評価値計算部145は、めっき装置1000での基板Wfのめっき処理に要する時間が小さいほど、大きな報酬を与えるものとしてもよい。また、一例として、評価値計算部145は、基板Wfに形成されるめっき膜のプロファイルが一定であるほど、大きな報酬を与えるものとしてもよい。
【0052】
以上説明した実施形態の基板状態測定モジュール130は、基板Wfをステージ132に配置して、基板Wfを回転させながら白色共焦点式センサ136によって基板Wf表面を検出し、当該検出に基づいて基板Wfの状態を測定する。これにより、めっき対象としての基板Wfの状態を測定して、めっき処理を施すことができる。特に、コンタクト領域CA、シール領域SA、および、被めっき領域PAを検出して、基板の状態を測定することで、好適にめっき処理を施すことができる。
【0053】
<変形例>
図11は、変形例の基板状態測定モジュールの構成を概略的に示す縦断面図である。変形例の基板状態測定モジュール130Aについて、上記した実施形態の基板状態測定モジュール130と重複する部分については説明を省略する。変形例の基板状態測定モジュール130Aは、複数の白色共焦点式センサ136を備えている。一例として、基板状態測定モジュール130Aは、コンタクト領域CAを検出対象とする第1の白色共焦点式センサ136aと、シール領域SAを検出対象とする第2の白色共焦点式センサ136bと、被めっき領域PAを検出対象とする第3の白色共焦点式センサ136cと、の少なくとも2つを有する。これにより、それぞれの白色共焦点式センサ136によって基板Wfの状態を検出することができる。なお、第1~第3の白色共焦点式センサ136a~136cの少なくとも1つは、上記した実施形態の白色共焦点式センサ136と同様に移動機構138によって基板Wfに板面に沿って移動可能に構成されてもよい。また、特に、被めっき領域PAを検出対象とする白色共焦点式センサ136cは、
図11に示すように、基板Wfの半径方向において異なる被めっき領域PAを検出する複数のセンサが設けられてもよい。なお、変形例の基板状態測定モジュール130Aでは、第2および第3の白色共焦点式センサ136b,136cが、コンタクト領域CAでない領域を検出するための白色共焦点式センサの一例に当たる。
【0054】
本発明は、以下の形態としても記載することができる。
[形態1]形態1によれば、基板状態測定装置が提案され、かかる基板状態測定装置は、シード層と前記シード層上に形成されたレジスト層とを有する基板を支持して回転させられるように構成されたステージと、前記ステージに支持された基板の板面を測定するための少なくとも1つの白色共焦点式センサと、を備え、前記基板における給電部材と接触する領域である給電部材接触領域の前記白色共焦点式センサによる検出に基づいて、前記給電部材接触領域の状態を測定する。
形態1によれば、めっき対象としての基板の給電部材接触領域の状態を測定することができる。
【0055】
[形態2]形態2によれば、基板状態測定装置が提案され、かかる基板状態測定装置は、シード層と前記シード層上に形成されたレジスト層とを有する基板を支持して回転させられるように構成されたステージと、前記ステージに支持された基板の板面を測定するための少なくとも1つの白色共焦点式センサと、を備え、前記基板におけるシール部材と接触する領域であるシール部材接触領域の前記白色共焦点式センサによる検出に基づいて、前
記シール部材接触領域の状態を測定する。
形態2によれば、基板のシール部材接触領域の状態を測定することができる。
【0056】
[形態3]形態3によれば、基板状態測定装置が提案され、かかる基板状態測定装置は、シード層と前記シード層上に形成されたレジスト層とを有する基板を支持して回転させられるように構成されたステージと、前記ステージに支持された基板の板面を測定するための少なくとも1つの白色共焦点式センサと、を備え、前記基板における被めっき領域の前記白色共焦点式センサによる検出に基づいて、前記被めっき領域の状態を測定する。
形態3によれば、基板の被めっき領域の状態を測定することができる。
【0057】
[形態4]形態4によれば、形態3において、前記基板における被めっき領域の前記白色共焦点式センサによる検出は、前記被めっき領域の25%以下の領域で行われる。
【0058】
[形態5]形態5によれば、形態3または4において、前記被めっき領域の状態として、前記被めっき領域のレジスト層の開口率を測定する。
形態5によれば、被めっき領域の開口率を測定することができる。
【0059】
[形態6]形態6によれば、形態5において、機械学習によって構築される学習モデルが格納された記憶部を備え、前記白色共焦点式センサによる検出情報を前記学習モデルに入力して当該学習モデルの学習を行うと共に、前記学習モデルを使用して前記被めっき領域のレジスト層の開口率を測定する。
形態6によれば、学習モデルを使用して被めっき領域の開口率を好適に測定することができる。
【0060】
[形態7]形態7によれば、形態1から6において、前記白色共焦点式センサを前記基板の板面に沿って移動させるように構成される移動機構を備える。
形態7によれば、移動機構によって白色共焦点式センサによる検出位置を変更することができる。
【0061】
[形態8]形態8によれば、形態1から7において、前記少なくとも1つの白色共焦点式センサは、前記給電部材接触領域を検出するための第1の白色共焦点式センサと、前記基板における前記給電部材接触領域でない領域を検出するための第2の白色共焦点式センサと、を含む。
【0062】
[形態9]形態9によれば、形態1から8の何れかに記載の基板状態測定装置と、前記給電部材を有し、前記基板を保持するための基板ホルダと、めっき液を収容し、前記基板ホルダに保持された基板とアノードとを前記めっき液に浸漬させた状態で前記基板と前記アノードとの間に電圧を印加してめっきを行うためのめっき槽と、を備えるめっき装置が提案される。
【0063】
[形態10]形態10によれば、基板状態測定方法が提案され、かかる基板状態測定方法は、シード層と前記シード層上に形成されたレジスト層とを有する基板をステージに配置するステップと、前記ステージに配置された基板を回転させながら、前記基板における給電部材と接触する領域である給電部材接触領域を白色共焦点式センサによって検出するステップと、前記白色共焦点式センサによる検出に基づいて前記給電部材接触領域の状態を測定するステップと、を含む。
【0064】
[形態11]形態11によれば、基板状態測定方法が提案され、かかる基板状態測定方法は、シード層と前記シード層上に形成されたレジスト層とを有する基板をステージに配置するステップと、前記ステージに配置された基板を回転させながら、前記基板における
シール部材と接触する領域であるシール部材接触領域を白色共焦点式センサによって検出するステップと、前記白色共焦点式センサによる検出に基づいて前記シール部材接触領域の状態を測定するステップと、を含む。
【0065】
[形態12]形態12によれば、基板状態測定方法が提案され、かかる基板状態測定方法は、シード層と前記シード層上に形成されたレジスト層とを有する基板をステージに配置するステップと、前記ステージに配置された基板を回転させながら、前記基板における被めっき領域を白色共焦点式センサによって検出するステップと、前記白色共焦点式センサによる検出に基づいて前記被めっき領域の状態を測定するステップと、を含む。
【0066】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその均等物が含まれることはもちろんである。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、実施形態および変形例の任意の組み合わせが可能であり、特許請求の範囲および明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、または、省略が可能である。
【符号の説明】
【0067】
Wf…基板
RL…レジスト層
SL…シード層
CA…コンタクト領域
PA…被めっき領域
SA…シール領域
100…ロードポート
110…搬送ロボット
120…アライナ
130,130A…基板状態測定モジュール
132…ステージ
134…回転機構
136…白色共焦点式センサ
138…移動機構
150…記憶部
200…プリウェットモジュール
300…プリソークモジュール
400…めっきモジュール
410…めっき槽
430…アノード
440…基板ホルダ
441…シール部材
800…制御モジュール
1000…めっき装置
【要約】 (修正有)
【課題】めっき対象としての基板の状態を測定する基板状態測定装置、めっき装置及び基板状態測定方法を提供する。
【解決手段】基板状態測定装置において、基板Wfにおける給電部材と接触する領域である給電部材接触領域の白色共焦点式センサによる検出に基づいて、給電部材接触領域の状態を測定する状態測定モジュール130は、シード層と前記シード層上に形成されたレジスト層とを有する基板Wfを支持して回転させるステージ132と、ステージに支持された基板の板面を測定するための少なくとも1つの白色共焦点式センサ136と、その移動機構138と、含む。
【選択図】
図5