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特許7340912汎用マルチプロトコル産業用データロガー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-31
(45)【発行日】2023-09-08
(54)【発明の名称】汎用マルチプロトコル産業用データロガー
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/02 20060101AFI20230901BHJP
【FI】
H01L21/02 Z
【請求項の数】 18
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018175540
(22)【出願日】2018-09-20
(65)【公開番号】P2019062198
(43)【公開日】2019-04-18
【審査請求日】2021-09-15
(31)【優先権主張番号】15/717,124
(32)【優先日】2017-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アレス・ジャンハー
(72)【発明者】
【氏名】ベザド・ラジェバルディ
【審査官】平野 崇
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-502051(JP,A)
【文献】特表2006-501680(JP,A)
【文献】特表2005-536891(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理システムの第1の構成部品と第2の構成部品との間で送信されるデータを捕捉するためのデータ捕捉モジュールであって、
前記第1の構成部品から前記第2の構成部品に送信される第1のデータを受信するように構成された第1のポートと、
前記第2の構成部品から前記第1の構成部品に送信される第2のデータを受信するように構成された第2のポートと、
(i)前記第1のデータを複製し、(ii)前記複製された第1のデータを前記第2のポートに転送し、(iii)前記第1のデータを出力するように構成された第1のデータストリーム転送モジュールと、
(i)前記第2のデータを複製し、(ii)前記複製された第2のデータを前記第1のポートに転送し、(iii)前記第2のデータを出力するように構成された第2のデータストリーム転送モジュールと、
前記第1のデータストリーム転送モジュールから出力された前記第1のデータ、および、前記第2のデータストリーム転送モジュールから出力された前記第2のデータを圧縮するように構成されたデータ圧縮モジュールと、
前記圧縮された第1のデータおよび前記圧縮された第2のデータを格納するように構成されたデータ記憶装置と、を備え、
前記第1のポートは、前記複製された第2のデータを前記第1の構成部品に送信するように構成され、前記第2のポートは、前記複製された第1のデータを前記第2の構成部品に送信するように構成される、データ捕捉モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載のデータ捕捉モジュールであって、さらに、
前記第1のポートで受信された前記第1のデータを前記第1のデータストリーム転送モジュールに提供するように構成された第1の物理層デバイスと、
前記第2のポートで受信された前記第2のデータを前記第2のデータストリーム転送モジュールに提供するように構成された第2の物理層デバイスと、を備える、データ捕捉モジュール。
【請求項3】
請求項1に記載のデータ捕捉モジュールであって、さらに、
(i)前記第1のデータストリーム転送モジュールおよび前記第2のデータストリーム転送モジュールと(ii)前記データ圧縮モジュールとの間に配置されたメディア・アクセス・コントロール(MAC)処理モジュールを備え、
前記MAC処理モジュールは、前記第1のデータおよび前記第2のデータにタイムスタンプを挿入するように構成される、データ捕捉モジュール。
【請求項4】
請求項3に記載のデータ捕捉モジュールであって、さらに、
マスタ・クロック信号に基づいて前記タイムスタンプを生成するように構成された同調化モジュールを備える、データ捕捉モジュール。
【請求項5】
請求項1に記載のデータ捕捉モジュールであって、さらに、
前記第1のデータストリーム転送モジュールと前記データ圧縮モジュールとの間に配置され、前記データ圧縮モジュールが前記第1のデータを圧縮する前に前記第1のデータを格納するように構成された第1のハードウェア・バッファと、
前記第2のデータストリーム転送モジュールと前記データ圧縮モジュールとの間に配置され、前記データ圧縮モジュールが前記第2のデータを圧縮する前に前記第2のデータを格納するように構成された第2のハードウェア・バッファと、
を備える、データ捕捉モジュール。
【請求項6】
請求項1に記載のデータ捕捉モジュールであって、さらに、
前記格納された圧縮データへのアクセスを提供するように構成された第3のポートを備える、データ捕捉モジュール。
【請求項7】
請求項1に記載のデータ捕捉モジュールであって、
前記第1のデータおよび前記第2のデータは、所定のデータ通信プロトコルに従って前記基板処理システムの前記第1の構成部品と前記第2の構成部品との間で送信され、
前記データ圧縮モジュールは、前記所定のデータ通信プロトコルに対応するデータ圧縮プロトコルを用いて前記第1のデータおよび前記第2のデータを圧縮するように構成される、データ捕捉モジュール。
【請求項8】
請求項1に記載のデータ捕捉モジュールであって、
前記データ圧縮モジュールは、(i)前記第1のデータおよび前記第2のデータに基づいて複数のデータ圧縮プロトコルのうちの1つを選択し、(ii)前記選択されたデータ圧縮プロトコルを用いて前記第1のデータおよび前記第2のデータを圧縮するように構成される、データ捕捉モジュール。
【請求項9】
基板処理システムであって、
請求項1に記載のデータ捕捉モジュールと、
前記第1の構成部品と、
前記第2の構成部品と、を備え、
前記第1の構成部品および前記第2の構成部品のうちの1つは、前記データ捕捉モジュールを含む、基板処理システム。
【請求項10】
請求項9に記載の基板処理システムであって、
(i)前記第1の構成部品は、基板処理ツールのツール・コントローラ、チャンバ・コントローラ、基板処理チャンバ、およびポート・サーバのうちの1つに相当し、
(ii)前記第2の構成部品は、前記基板処理ツールの前記ツール・コントローラ、前記チャンバ・コントローラ、前記基板処理チャンバ、および前記ポート・サーバのうちの別の1つに相当する、基板処理システム。
【請求項11】
基板処理システムの第1の構成部品と第2の構成部品との間で送信されるデータを捕捉するための方法であって、
前記第1の構成部品から前記第2の構成部品に送信される第1のデータを第1のポートで受信することと、
前記第2の構成部品から前記第1の構成部品に送信される第2のデータを第2のポートで受信することと、
前記第1のデータを複製し、前記複製された第1のデータを前記第2のポートに転送し、前記第1のデータを出力することと、
前記第2のデータを複製し、前記複製された第2のデータを前記第1のポートに転送し、前記第2のデータを出力することと、
前記複製された第2のデータを前記第1のポートから前記第1の構成部品に送信することと、
前記複製された第1のデータを前記第2のポートから前記第2の構成部品に送信することと、
前記第1のデータおよび前記第2のデータを圧縮することと、
前記圧縮された第1のデータおよび前記圧縮された第2のデータを格納することと、
を含む、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、さらに、
第1の物理層デバイスを用いて前記第1のポートから前記第1のデータを提供することと、
第2の物理層デバイスを用いて前記第2のポートから前記第2のデータを提供することと、
を含む、方法。
【請求項13】
請求項11に記載の方法であって、さらに、
前記第1のデータおよび前記第2のデータにタイムスタンプを挿入することを含む、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、さらに、
マスタ・クロック信号に基づいて前記タイムスタンプを生成することを含む、方法。
【請求項15】
請求項11に記載の方法であって、さらに、
前記第1のデータの圧縮前に前記第1のデータをバッファリングすることと、
前記第2のデータの圧縮前に前記第2のデータをバッファリングすることと、
を含む、方法。
【請求項16】
請求項11に記載の方法であって、さらに、
第3のポートを用いて前記格納された圧縮データへのアクセスを提供することを含む、方法。
【請求項17】
請求項11に記載の方法であって、
前記第1のデータおよび前記第2のデータは、所定のデータ通信プロトコルに従って前記基板処理システムの前記第1の構成部品と前記第2の構成部品との間で送信され、
前記第1のデータおよび前記第2のデータを圧縮することは、前記所定のデータ通信プロトコルに対応するデータ圧縮プロトコルを用いることを含む、方法。
【請求項18】
請求項11に記載の方法であって、さらに、
(i)前記第1のデータおよび前記第2のデータに基づいて複数のデータ圧縮プロトコルのうちの1つを選択することと、
(ii)前記選択されたデータ圧縮プロトコルを用いて前記第1のデータおよび前記第2のデータを圧縮することと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理システムにおいてデータを監視および格納することに関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書に記載される背景技術の説明は、一般に、本開示の内容を提示するためである。本背景技術欄に記載される範囲において、現在名前を挙げられている発明者の発明、および、出願時に先行技術とみなされない説明の態様は、いずれも本開示の先行技術として明示的にも黙示的にも認められない。
【0003】
基板処理システムは、半導体ウエハなどの基板のエッチング、堆積、および/または、他の処理を行うのに用いられてよい。基板上で行われうるプロセスの例には、プラズマ強化化学気相堆積(PECVD)プロセス、化学強化プラズマ気相堆積(CEPVD)プロセス、イオン注入プロセス、ならびに/または、他のエッチング、堆積、および洗浄プロセスが含まれるが、これらに限定されない。基板は、基板処理システムの処理チャンバにおいて、台座、静電チャック(ESC)などの基板支持体上に配置されてよい。例えば、PECVDプロセスにおけるエッチング中に、1つ以上の前駆体を含むガス混合物は処理チャンバに導入され、プラズマがぶつかって基板がエッチングされる。
【発明の概要】
【0004】
基板処理システムの第1の構成部品と第2の構成部品との間で送信されるデータを捕捉するためのデータ捕捉モジュールは、第1の構成部品から第2の構成部品に送信される第1のデータを受信するように構成された第1のポートと、第2の構成部品から第1の構成部品に送信される第2のデータを受信するように構成された第2のポートと、第1のデータを複製し、複製された第1のデータを第2のポートに転送し、第1のデータを出力するように構成された第1のデータストリーム転送モジュールと、第2のデータを複製し、複製された第2のデータを第1のポートに転送し、第2のデータを出力するように構成された第2のデータストリーム転送モジュールと、を備える。第1のポートは、複製された第2のデータを第1の構成部品に送信するように構成され、第2のポートは、複製された第1のデータを第2の構成部品に送信するように構成される。データ圧縮モジュールは、第1のデータストリーム転送モジュールから出力された第1のデータ、および、第2のデータストリーム転送モジュールから出力された第2のデータを圧縮するように構成される。データ格納装置は、圧縮された第1のデータ、および、圧縮された第2のデータを格納するように構成される。
【0005】
他の特徴では、データ捕捉モジュールは、さらに、第1のポートで受信した第1のデータを第1のデータストリーム転送モジュールに提供するように構成された第1の物理層デバイスと、第2のポートで受信した第2のデータを第2のデータストリーム転送モジュールに提供するように構成された第2の物理層デバイスと、を備える。媒体アクセス制御(MAC)処理モジュールは、(i)第1および第2のデータストリーム転送モジュールと(ii)データ圧縮モジュールとの間に配置され、第1のデータおよび第2のデータにタイムスタンプを挿入するように構成される。同期化モジュールは、マスタ・クロック信号に基づいてタイムスタンプを生成するように構成される。
【0006】
他の特徴では、データ捕捉モジュールは、さらに、第1のデータストリーム転送モジュールとデータ圧縮モジュールとの間に配置された第1のハードウェア・バッファを備える。第1のハードウェア・バッファは、データ圧縮モジュールが第1のデータを圧縮する前に第1のデータを格納するように構成される。第2のハードウェア・バッファは、第2のデータストリーム転送モジュールとデータ圧縮モジュールとの間に配置される。第2のハードウェア・バッファは、データ圧縮モジュールが第2のデータを圧縮する前に第2のデータを格納するように構成される。データ捕捉モジュールは、格納された圧縮データへのアクセスを提供するように構成された第3のポートを備える。
【0007】
他の特徴では、第1のデータおよび第2のデータは、所定のデータ通信プロトコルに従って基板処理システムの第1の構成部品と第2の構成部品との間に送信され、データ圧縮モジュールは、所定のデータ通信プロトコルに対応するデータ圧縮プロトコルを用いて第1のデータおよび第2のデータを圧縮するように構成される。データ圧縮モジュールは、(i)第1のデータおよび第2のデータに基づいて複数のデータ圧縮プロトコルのうちの1つを選択し、(ii)選択されたデータ圧縮プロトコルを用いて第1のデータおよび第2のデータを圧縮するように構成される。
【0008】
他の特徴では、第1の構成部品および第2の構成部品のうちの1つは、データ捕捉モジュールを備える。第1の構成部品は、基板処理ツールのツール・コントローラ、チャンバ・コントローラ、基板処理チャンバ、およびポート・サーバのうちの1つに相当し、第2の構成部品は、基板処理ツールのツール・コントローラ、チャンバ・コントローラ、基板処理チャンバ、およびポート・サーバのうちの別の1つに相当する。
【0009】
基板処理システムの第1の構成部品と第2の構成部品との間で送信されるデーを捕捉するための方法は、第1の構成部品から第2の構成部品に送信される第1のデータを第1のポートで受信することと、第2の構成部品から第1の構成部品に送信される第2のデータを第2のポートで受信することと、第1のデータを複製することと、複製された第1のデータを第2のポートに転送することと、第1のデータを出力することと、第2のデータを複製することと、複製された第2のデータを第1のポートに転送することと、第2のデータを出力することと、複製された第2のデータを第1のポートから第1の構成部品に送信することと、複製された第1のデータを第2のポートから第2の構成部品に送信することと、第1のデータおよび第2のデータを圧縮することと、圧縮された第1のデータおよび圧縮された第2のデータを格納することと、を含む。
【0010】
他の特徴では、この方法は、さらに、第1の物理層デバイスを用いて第1のデータを第1のポートから提供することと、第2の物理層デバイスを用いて第2のデータを第2のポートから提供することと、タイムスタンプを第1のデータおよび第2のデータに挿入することと、マスタ・クロック信号に基づいてタイムスタンプを生成することと、第1のデータを圧縮する前に第1のデータをバッファリングすることと、第2のデータを圧縮する前に第2のデータをバッファリングすることと、格納された圧縮データへのアクセスを第3のポートを用いて提供することと、を含む。
【0011】
他の特徴では、第1のデータおよび第2のデータは、所定のデータ通信プロトコルに従って基板処理システムの第1の構成部品と第2の構成部品との間で送信され、第1のデータおよび第2のデータを圧縮することは、所定のデータ通信プロトコルに対応するデータ圧縮プロトコルを用いることを含む。この方法は、さらに、第1のデータおよび第2のデータに基づいて複数のデータ圧縮プロトコルのうちの1つを選択することと、選択されたデータ圧縮プロトコルを用いて第1のデータおよび第2のデータを圧縮することと、を含む。
【0012】
本開示のさらなる適用範囲は、発明を実施するための形態、請求項、および図面から明らかになるだろう。発明を実施するための形態および特定の例は、例示のみを目的とし、本開示の範囲を制限する意図はない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本開示は、発明を実施するための形態および添付の図面からより詳細に理解されるだろう。
【0014】
図1】本開示によるデータ捕捉モジュールを組み込んだ例示的な基板処理システムの機能ブロック図。
【0015】
図2】本開示による例示的なデータ監視システムの機能ブロック図。
【0016】
図3】本開示による例示的なデータ捕捉モジュールの機能ブロック図。
【0017】
図4】本開示による例示的なデータ捕捉方法の工程図。
【0018】
図面では、類似および/または同一の要素を見分けるために参照番号は再使用されてよい。
【発明を実施するための形態】
【0019】
基板処理システムは、その動作に関連するデータを監視するための1つ以上の構成部品を備えてよい。例示的なデータには、基板処理ツールとの間で送信されるデータ、および、システム・コントローラと基板処理チャンバとの間で送信されるデータが含まれるが、それらに限定されない。そのデータには、ツールに送信される制御データやセンサデータなどが含まれてよい。例示的な構成部品には、ホスト・コンピューティング・デバイス(例えば、パソコン(PC))、埋め込みシステム入出力(I/O)コントローラ、および民生(COTS)I/Oデバイスが含まれる。様々な構成部品は、イーサネット(登録商標)・プロトコル、インターネット・プロトコル(IP)、イーサキャットなどのネットワーク層プロトコルを用いて通信してよい。このシステムは、データ探知機、または、ホストコンピュータで実行されるデータ・ロギング・ソフトウェア・アプリケーションなどのデータ・ロギング・デバイスを備えてよい。
【0020】
基板処理システムによって生成される大量のデータ、ならびに、限られた帯域幅および格納有効性のため、データ・ロギング・デバイスは、一部のデータのみをサンプリングするように構成される(例えば、サンプリングレートに従って、選択されたトリガ・イベントもしくは条件に応じて)、および/または、データをフィルタリングしてよい。従って、格納されたデータは、システムによって生成された全てのデータの一部でしかなく、サンプリングされないデータまたはフィルタリングされないデータは、復元可能ではない。さらに、データは、オペレーショナル・テクノロジ(OT)または情報技術(IT)トラフィック・タイプのうちの1つだけに対応してよく、データ・ロギング・デバイスは、トラフィック・タイプのうちの選択された1つに限定されてよい。
【0021】
本開示の原理によるデータ監視システムおよびその方法は、基板処理システム間で、および、基板処理システム内で通信される全てのデータを監視/捕捉、圧縮、および格納するように構成されたデータ捕捉モジュールを実装する。例えば、データ捕捉モジュールは、OTトラフィック・タイプおよびITトラフィック・タイプの両方を含む、(例えば、アプリケーションや他の制御層などのネットワーク層および上位層から独立した)データリンク層上の全ての通信トラフィックを連続的に監視する。生フレームは、可逆データ圧縮方法によって圧縮され、集積不揮発性メモリに格納される。従って、全てのデータ・フレーム/パケットは捕捉され格納されてよく、失われるまたは除去されるデータはない。いくつかの例では、各データ・フレームは、(セントラル・クロックまたはマスタ・システム・クロックを用いて)対応するタイムスタンプで格納されてよい。
【0022】
図1を参照すると、基板処理システム100の一例が示されている。基板処理システム100は、処理チャンバ108内でプラズマを生成するように構成されたRF生成システム104を備える。処理チャンバ108は、基板116を支持する基板支持体112を備える。基板支持体112は、静電チャック、機械式チャック、または他の種類のチャックを備えてよい。プラズマは、成膜するため、または基板116をエッチングするために生成される。ガス供給システム120は、上部電極(例えば、シャワーヘッド124)を介して処理チャンバ108にガス混合物(例えば、プロセスガス、パージガス)を供給するのに用いられてよい。
【0023】
1つ以上のコントローラ(例えば、ツール・コントローラ128、チャンバ・コントローラ132)は、成膜およびエッチング、基板支持体112の加熱および冷却などを含むがそれらに限定されない様々なプロセスを制御するのに用いられてよい。いくつかの例では、1つのコントローラ(例えば、システム・コントローラ136)は、ツール・コントローラ128およびチャンバ・コントローラ132の両方の機能を実現する。コントローラ128/132 54は、温度や圧力などのプロセス・パラメータを監視し、ガス混合物の供給、ストライキング、プラズマの維持および消火、反応物の除去、冷却ガスの供給などを制御する。
【0024】
コントローラ128/132は、基板処理システム100の構成部品から、RF生成システム104、ガス供給システム120、処理チャンバ108、および/または、基板処理システム100の他の構成部品の入力信号制御動作に基づいて、入力信号(例えば、センサデータ、制御データ)を受信してよい。例えば、RF生成システム104、ガス供給システム120、処理チャンバ108、および/または、基板処理システム100の他の構成部品全体にわたって配置された1つ以上のセンサ140は、センサデータを提供する。センサ140は、例えば、供給されたRF電圧、温度、ガスおよび/または冷媒流量、ならびに、ガスおよび/または冷媒圧力を検出する。
【0025】
上部電極124は、処理チャンバ108にガスを導入および分配する。基板支持体112は、下部電極として機能する導電性ベースプレート144を備える。ベースプレート144は、少なくとも一部がセラミック材料で形成されうる加熱プレート148を支持してよい。熱抵抗層152は、加熱プレート148とベースプレート144との間に配置されてよい。ベースプレート144は、ベースプレート144を通って冷媒を流すための1つ以上の冷媒流路156を備えてよい。RF生成システム104は、バイアスRF電圧を生成して、動作時に、下部電極(例えば、基板支持体112のベースプレート144)および上部電極124のうちの1つが付勢される。上部電極124およびベースプレート144のうちのもう一方は、DC接地もしくはAC接地されてよい、または、浮遊電位とされてよい。
【0026】
本開示の原理による基板処理システム100は、1つ以上のデータ捕捉モジュール160を備える。データ捕捉モジュール160は、以下により詳細に説明されるように、コントローラ128/132、処理チャンバ108、RF生成システム104、ガス供給システム120、センサ140、および/または、基板処理システム100の他の構成部品の間で通信される全てのデータを監視、捕捉、圧縮、および格納するように構成される。
【0027】
図2を参照すると、図1の基板処理システム200の関連部品を備える例示的なデータ監視システム200が示されている。データ監視システム200は、本システム200の構成部品間で送信されるデータを捕捉および格納するように配置および構成された1つ以上のデータ捕捉モジュール204-1、204-2、および204-3(まとめてデータ捕捉モジュール204という)を備える。別個の独立型モジュールとして示されるが、いくつかの例では、データ捕捉モジュール204は、1つのデータ捕捉モジュール204に相当してよい。いくつかの例では、データ捕捉モジュール204は、ツール・コントローラ212、チャンバ・コントローラ216などの内部に統合されてよい。
【0028】
データ捕捉モジュール204は、データ監視システム200のそれぞれの構成部品間でインラインに配置される。例えば、データ捕捉モジュール204-1は、ツール・コントローラ212とチャンバ・コントローラ216との間に配置される。従って、ツール・コントローラ212とチャンバ・コントローラ216との間でいずれの方向にも送信される全てのデータは、データ捕捉モジュール204-1を通る。同様に、データ捕捉モジュール204-2は、チャンバ・コントローラ216と基板処理チャンバ220との間に配置される。データ捕捉モジュール204-3は、チャンバ・コントローラ216と、基板処理チャンバ220に相当する基板処理ツール(図示せず)のポート・サーバ224との間に配置される。
【0029】
データ捕捉モジュール204は、(例えば、データリンク層の全てのデータを捕捉することによって)リアルタイムでデータを監視し、圧縮し、格納する。例えば、データ捕捉モジュール204およびデータ捕捉モジュール204の構成部品の間ならびにそれらの内部のデータ経路は、リアルタイムのデータ捕捉を実現するためにハードウェアによって実装される。さらに、データ捕捉モジュール204が上述のように様々な構成部品の間のデータフローに対してインラインで配置されるため、パケット転送に関連する遅延が回避され、外部ハブおよび外部スイッチが削除されるなどする。データ捕捉モジュール204に格納されたデータは、続いて(例えば、専用データ管理装置やホストPCなどに相当しうる、データ捕捉モジュール204とインタフェースするように構成されたアクセス・モジュール228を介して)ユーザによってアクセスされてよい。
【0030】
次に図3を参照すると、例示的なデータ捕捉モジュール300が示されている。データ捕捉モジュール300は、概略的に示されたポート304-1、304-2、および304-3(まとめてポート304という)を備える。ポート304は、データ捕捉モジュール300および1つ以上の外部デバイス内にある物理層デバイス308-1、308-2、および308-3(まとめて物理層デバイス308という)の間のデータ・インタフェースに相当する。例えば、物理層デバイス308-1および308-2は、以下により詳細に説明されるように、データフロー経路(例えば、ツール・コントローラ212とチャンバ・コントローラ216との間のデータフロー経路、チャンバ・コントローラ216と基板処理チャンバ220との間のデータフロー経路、チャンバ・コントローラ216とポート・サーバ224との間のデータフロー経路)におけるそれぞれのデバイスによって送信されたデータを受信してよい。これに対して、物理層デバイス308-3は、データ捕捉モジュール300内に格納されたデータへのアクセスを提供するように構成されたデータ管理インタフェースに相当してよい。例えば、以下に説明されるデータ補足モジュール300は、チャンバ・コントローラ216とポート・サーバ224との間にインラインで配置されるデータ捕捉モジュール204-3に類似している。
【0031】
一例では、物理層デバイス308-1および308-2は各々、データストリーム転送モジュール312-1および312-2(まとめてデータストリーム転送モジュール312という)と通信する。各データストリーム転送モジュール312は、物理層デバイス308-1および308-2のそれぞれから(データフロー経路の対応する方向で)データを受信し、受信したデータをメディア・アクセス・コントロール(MAC)処理モジュール316に転送し、物理層デバイス308-1および308-2の他方に提供されるべきデータを複製する。このようにして、いずれかの方向(例えば、チャンバ・コントローラ216からポート・サーバ224、および/または、ポート・サーバ224からチャンバ・コントローラ216)に送信される全てのデータは、データ捕捉モジュール300を通って捕捉されて格納される。言い換えれば、データ捕捉モジュール300は、全二重プロトコルを支持する。さらに、データストリーム転送モジュール312が、データ捕捉モジュール300内でのその後の処理(例えば、圧縮、格納)前に物理層デバイス308を介して受信したそれぞれのデータを複製して転送するため、データは、挿入される遅延なしにデータ捕捉モジュール300を通り、その結果、リアルタイムのデータ転送がなされる。別々のモジュール312として示されているが、データストリーム転送モジュール312は、1つのデータストリーム転送モジュール312として実装されてよい。
【0032】
MAC処理モジュール316は、それぞれのデータストリーム転送モジュール312から受信したデータの二重ストリームを処理する。例えば、MAC処理モジュール316は、それぞれのデータストリームのデータパケットにタイムスタンプを挿入してよい。データ監視システム200が複数のデバイス(例えば、複数のデータ源、複数のデータ捕捉モジュール300)を備えうるため、ローカル・タイムスタンプは一致しなくてよい。従って、捕捉されたデータは、ローカル・タイムスタンプではなくマスタ・クロックまたはグローバル・クロックにより格納されてよい。例えば、同期化モジュール320は、(例えば、物理層デバイス308-3を介して受信した外部マスタ・クロック信号に従って)マスタ・クロック信号324を受信し、マスタ・クロック信号324によって示された時間に従ってタイムスタンプを生成してよい。同期化モジュール320は、タイムスタンプをMAC処理モジュール320に提供する。
【0033】
MAC処理モジュール316は、データ(タイムスタンプを含む)をデータ処理モジュール328に転送する。いくつかの例では、データ捕捉モジュール300は、それぞれのデータストリームのハードウェア・バッファ332-1および332-2(まとめてハードウェア・バッファ332という)を備える。例えば、後続の処理(例えば、圧縮、格納などのMAC処理モジュール316によって実行される処理に続くデータ処理)は、データのリアルタイムの捕捉より多くの時間を必要とする可能性がある。従って、ハードウェア・バッファ332は、後続の処理の前に、捕捉されたデータを一時的に格納してよい。データがMAC処理モジュール316によって挿入されたタイムスタンプを含むため、一時的なバッファリングによって引き起こされる後続処理での遅延は、正確なタイミング情報によるデータの格納には影響せず、データ捕捉モジュール300は、ポート304で受信される全てのデータを捕捉し続けることができる。
【0034】
データ処理モジュール328は、データに対して1つ以上の前処理機能を実行してよい。例えば、データ処理モジュール328は、データストリームを1つのデータストリームに合成し、異なるデータストリームからのデータパケットをタイムスタンプに従ってアラインし、いずれのデータストリーム(よって、物理層デバイス304およびそれぞれのデータソースのうちいずれの物理層デバイスおよびデータソース)にデータパケットが送信されたかなどを示すためにデータパケットを変更してよい。データパケットは、データパケットソース、データパケットの宛先などを示す情報をさらに含んでよい。
【0035】
データ処理モジュール328は、データをデータ圧縮モジュール336に提供する。データ圧縮モジュール336は、任意の適したデータ圧縮プロトコルに従ってデータを圧縮する。例えば、データ監視システム200の構成部品間で送信されるデータは、EtherCatプロトコル、伝送制御プロトコル(TCP)、インターネット・プロトコル(IP)、TCP/IP、ユーザ・データグラム・プロトコル(UDP)などを含むがこれらに限定されない、1つ以上の通信プロトコルに従って送信されてよい。物理層デバイス308-1および308-2は、通信プロトコルに対応するフォーマットでデータを受信し、データは、同じフォーマットで(データストリーム転送モジュール312、MAC処理モジュール316、データ処理モジュール328、およびハードウェア・バッファ332を介して)データ圧縮モジュール336に提供される。言い換えると、データパケットのコンテンツへのわずかな変更(例えば、タイムスタンプの追加)以外、データは、異なるフォーマットまたはプロトコルへの変更なしに圧縮され格納される。さらに、データ捕捉モジュール300は、物理層デバイス308によって受信されたいかなるデータも除去しない。
【0036】
従って、データ圧縮モジュール336は、1つ以上のデータ圧縮プロトコルに従ってデータに圧縮を実行するように構成されている。いくつかの例では、データ圧縮モジュール336は、データ監視システム内で実行される所定の通信プロトコルまたはデータフォーマットに従ってデータ圧縮プロトコルを実行するように構成されている。他の例では、データ圧縮モジュール336は、複数のデータ圧縮プロトコルを実行し、受信したデータのフォーマットに従って複数のデータ圧縮プロトコルのうちの1つを選択するように構成されている。例えば、データがEtherCatデータに対応する場合、データ圧縮モジュール336は、EtherCatデータ圧縮プロトコルを選択し、それに応じてEtherCatデータを圧縮してよい。これに対して、データがTCP/IPデータである場合は、データ圧縮モジュール336は、TCP/IPデータ圧縮プロトコルを選択し、それに応じてTCP/IPデータを圧縮してよい。1つのデータストリームとして示されているが、いくつかの例では、データ圧縮モジュール336は、各データストリーム(すなわち、ポート304-1を介して受信したデータおよびポート304-2を介して受信したデータを含む、それぞれのデータストリーム)を独立して受信、圧縮、および格納するように構成されてよい。
【0037】
データ圧縮モジュール336は、圧縮データを(例えば、データ記憶インタフェース344を介して)データ記憶装置340に提供する。例示のみでは、データ記憶装置340は、高容量(例えば、10テラバイト以上の)ディスクおよび/または半導体記憶装置に相当する。いくつかの例では、データ記憶装置340の少なくとも一部は、データ捕捉モジュール300の外部(例えば、クラウドストレージ内)に配置されてよい。いくつかの例では、データ記憶装置340は、最も古い格納データを自動的に削除/上書きするリング記憶バッファとして構成されてよい。
【0038】
データ捕捉モジュール300は、データ記憶装置340に格納された圧縮データへのアクセスを提供するように構成されたデータ管理モジュール348を備えてよい。例えば、データ管理モジュール348は、(例えば、物理層デバイス308-3およびMAC処理モジュール316を介して)外部データアクセス装置352とデータ記憶装置340との間のインタフェースとして機能する。例えば、データアクセス装置352は、アクセス・モジュール228を実行するように構成されたホストPCなどのデバイスに相当してよい。ユーザは、データアクセス装置352を介して、格納された圧縮データを取得し、検索し、ソート処理し、変更(例えば、削除)してよい。例えば、データは、ソース、宛先、タイムフレームに従って(例えば、タイムスタンプに従って)検索および取得されてよい。
【0039】
このようにして、上述のデータ捕捉モジュール300は、受信データを独立して圧縮および格納しながら、データ監視システム200の対応する構成部品間で送信される全てのデータを監視および受信するように構成されている。言い換えれば、全てのデータは、リアルタイムで(例えば、ポート304、物理層デバイス308、およびデータストリーム転送モジュール312に対応するデータ転送経路で)受信および捕捉されてよいが、データの圧縮および格納は、(例えば、MAC処理モジュール316、ハードウェア・バッファ332、データ圧縮モジュール336など、ならびに、関連する処理および機能に相当する)別々の独立したハードウェア経路で実行される。
【0040】
次に図4を参照すると、404において本開示の原理による例示的なデータ捕捉方法400が開始する。例えば、データ捕捉モジュール300の構成部品は、方法400を実行するように構成されている。408において、データ捕捉モジュール300は、基板処理システムの構成部品間で送信されたデータパケットを含む双方向データストリームを(例えば、それぞれのポート304、物理層デバイス308などを介して)受信する。412において、データ捕捉モジュール300(例えば、データストリーム転送モジュール312)は、データストリームで受信したデータパケットを複製する。416において、データ捕捉モジュール300は、受信したデータパケットをデータ捕捉モジュール300の上流ハードウェア構成部品(例えば、MAC処理モジュール316やハードウェア・バッファ332)にも提供しながら、ポート304から送信される複製データパケットを転送する。
【0041】
420において、データ捕捉モジュール300(例えば、データ圧縮モジュール336)は、受信したデータパケットを圧縮する。例えば、データ圧縮モジュール336は、所定のデータ圧縮プロトコルに従ってデータパケットを圧縮する。別の例では、データ圧縮モジュール336は、データパケットのフォーマットを(例えば、データ監視システム200内でデータパケットを送信するのに用いられる対応する通信プロトコルに従って)決定し、所定のフォーマットに従って複数の利用可能なデータ圧縮プロトコルからデータ圧縮プロトコルを選択する。424において、圧縮データは(例えば、データ記憶装置340に)格納される。方法400は、428において終了する。
【0042】
前述の説明は、本質的に例示のみであり、本開示、その適用または使用を限定する意図はない。本開示の広義の教示は、様々な形式で実施されうる。そのため、本開示は特定の例を含むが、図面、明細書、および添付の請求項を検討すると他の変更が明らかになるため、本開示の真の範囲は限定されるべきではない。方法内の1つ以上の工程は、本開示の原理を変更することなく異なる順序で(または同時に)実行されてよいことを理解されたい。さらに、各実施形態が特定の特徴を有するように上述されているが、本開示の実施形態に対して記載された1つ以上のそれらの特徴は、他の実施形態において、および/または、他の実施形態の特徴と組み合わせて(その組み合わせが明記されていなくても)実施されうる。言い換えれば、記載の実施形態は互いに排他的ではなく、1つ以上の実施形態の互いの順列は、本開示の範囲内である。
【0043】
要素間(例えば、モジュール間、回路素子間、半導体層間)の空間関係および機能関係は、「接続された」、「係合された」、「結合された」、「隣接する」、「近接する」、「上に」、「上方に」、「下方に」、および「配された」を含む様々な用語を用いて説明される。「直接的」と明記されない限り、第1の要素と第2の要素との間の関係が上記の開示に記載されるときは、その関係は、第1の要素と第2の要素との間に他の介在要素が存在しない直接的関係でありうるが、第1の要素と第2の要素との間に1つ以上の介在要素が(空間的または機能的に)存在する間接的関係でもありうる。本明細書では、A、B、およびCのうち少なくとも1つ、との表現は、非排他的な論理である、または、を用いる論理(AまたはBまたはC)を意味すると解釈されるべきであり、「少なくとも1つのA、少なくとも1つのB、および少なくとも1つのC」を意味すると解釈されるべきでない。
【0044】
いくつかの実施形態では、コントローラは、上述の例の一部でありうるシステムの一部である。かかるシステムは、処理ツール、チャンバ、処理用プラットフォーム、および/または、特定の処理部品(ウエハ台座、ガス流システムなど)を含む、半導体処理装置を備えうる。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、処理後の動作を制御するための電子機器と統合されてよい。電子機器は、システムの様々な部品または副部品を制御しうる「コントローラ」と呼ばれてよい。コントローラは、処理条件および/またはシステムの種類に応じて、処理ガスの供給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、無線周波数(RF)生成器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体供給設定、位置動作設定、ツール、他の搬送ツール、および/または、特定のシステムに接続またはインタフェースされたロードロックに対して搬入出するウエハ搬送を含む、本明細書に開示のプロセスを制御するようにプログラムされてよい。
【0045】
概して、コントローラは、命令を受け取り、命令を発行し、動作を制御し、クリーニング動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなどの様々な集積回路、ロジック、記憶装置、および/または、ソフトウェアを有する電子機器として定義されてよい。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェア形式のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されるチップ、および/または、1つ以上のマイクロプロセッサ、もしくは、プログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行するマイクロコントローラを含んでよい。プログラム命令は、様々な個別設定(またはプログラムファイル)の形式でコントローラに伝達される命令であって、特定のプロセスを半導体ウエハ上でもしくは半導体ウエハ用に、またはシステムに対して実行するための動作パラメータを定義してよい。いくつかの実施形態では、動作パラメータは、プロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であって、1つ以上の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、および/もしくは、ウエハダイの製作中における1つ以上の処理工程を実現してよい。
【0046】
いくつかの実施形態では、コントローラは、システムと統合または結合された、そうでなければシステムにネットワーク接続された、もしくはこれらが組み合わされたコンピュータの一部であってよく、またはそのコンピュータに結合されてよい。例えば、コントローラは、「クラウド」内にあってよい、または、ウエハ処理のリモートアクセスを可能にするファブホストコンピュータシステムの全てもしくは一部であってよい。コンピュータは、システムへのリモートアクセスを可能にして、製造動作の進捗状況を監視し、過去の製造動作の経歴を調査し、複数の製造動作から傾向または実施の基準を調査し、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に続く処理工程を設定し、または、新しいプロセスを開始してよい。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ローカルネットワークまたはインターネットを含みうるネットワークを通じて、プロセスレシピをシステムに提供できる。リモートコンピュータは、次にリモートコンピュータからシステムに伝達されるパラメータおよび/もしくは設定のエントリまたはプログラミングを可能にするユーザインタフェースを含んでよい。いくつかの例では、コントローラは、1つ以上の動作中に実施される各処理工程のためのパラメータを特定するデータ形式の命令を受け取る。パラメータは、実施されるプロセスの種類、および、コントローラがインタフェースするまたは制御するように構成されるツールの種類に固有であってよいことを理解されたい。そのため、上述のように、コントローラは、例えば、互いにネットワーク接続される1つ以上の個別のコントローラを含むことや、本明細書に記載のプロセスや制御などの共通の目的に向かって協働することによって分散されてよい。かかる目的で分散されたコントローラの例は、遠隔に(例えば、プラットフォームレベルで、または、リモートコンピュータの一部として)位置し、協働してチャンバにおけるプロセスを制御する1つ以上の集積回路と連通する、チャンバ上の1つ以上の集積回路であろう。
【0047】
制限するのではなく、例示のシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属めっきチャンバまたはモジュール、クリーンチャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理気相堆積(PVD)チャンバまたはモジュール、化学気相堆積(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、トラックチャンバまたはモジュール、ならびに、半導体ウエハの製作および/もしくは製造において関連もしくは使用しうる任意の他の半導体処理システムを含んでよい。
【0048】
上述のように、ツールによって実施されるプロセス工程に応じて、コントローラは、他のツール回路もしくはモジュール、他のツール部品、クラスタツール、他のツールインタフェース、隣接するツール、近接するツール、工場全体に設置されたツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または、半導体製造工場においてツール位置および/もしくはロードポートに対してウエハ容器を搬入出する材料搬送に用いられるツール、のうちの1つ以上と連通してよい。
図1
図2
図3
図4