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特許7343158法的推論提示方法、法的推論提示プログラム及び法的推論提示システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-04
(45)【発行日】2023-09-12
(54)【発明の名称】法的推論提示方法、法的推論提示プログラム及び法的推論提示システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/18 20120101AFI20230905BHJP
【FI】
G06Q50/18
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019155281
(22)【出願日】2019-08-28
(65)【公開番号】P2021033803
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2022-06-29
(73)【特許権者】
【識別番号】504202472
【氏名又は名称】大学共同利用機関法人情報・システム研究機構
(74)【代理人】
【識別番号】100119677
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100115794
【弁理士】
【氏名又は名称】今下 勝博
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 健
(72)【発明者】
【氏名】高橋 和子
【審査官】貝塚 涼
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-092834(JP,A)
【文献】特開2004-227385(JP,A)
【文献】Zohreh Shams,ArgPROLEG: 民法要件事実論のための議論枠組み,第93回人工知能基本問題研究会資料(SIG-FPAI-B304),日本,一般社団法人人工知能学会,2014年03月03日,第87-92頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原告側のコンピュータが、請求の趣旨をインタフェースから入力する原告側の請求趣旨入力手順と、
前記原告側のコンピュータ又はサーバが、前記請求の趣旨の成立のための法律要件と、前記法律要件の成立のための要件事実と、をデータベースから検索する原告側の法律要件検索手順と、
前記原告側のコンピュータが、前記請求の趣旨、前記法律要件及び前記要件事実が関連付けられたブロック図をインタフェースへと出力する原告側の法律要件出力手順と、
前記原告側のコンピュータが、前記要件事実の有無をインタフェースから入力する原告側の要件事実入力手順と、
前記原告側のコンピュータ又は前記サーバが、前記要件事実の有無に基づいて、前記法律要件の成否を判定し、前記法律要件の成否に基づいて、前記請求の趣旨の成否を判定する原告側の法律要件判定手順と、
前記原告側のコンピュータが、前記要件事実の有無と、前記法律要件の成否と、前記請求の趣旨の成否と、が反映された前記ブロック図をインタフェースへと出力する原告側の要件成否反映手順と、
被告側のコンピュータが、反論の意図をインタフェースから入力する被告側の反論意図入力手順と、
前記被告側のコンピュータ又は前記サーバが、前記請求の趣旨の不成立のための抗弁要件と、前記抗弁要件の成立のための抗弁事実と、をデータベースから検索する被告側の法律要件検索手順と、
前記被告側のコンピュータが、前記請求の趣旨、前記法律要件、前記要件事実、前記抗弁要件及び前記抗弁事実が関連付けられた前記ブロック図をインタフェースへと出力する被告側の法律要件出力手順と、
を順に備えることを特徴とする法的推論提示方法。
【請求項2】
前記被告側のコンピュータが、前記抗弁事実の有無及び前記要件事実の不存在の少なくともいずれかをインタフェースから入力する被告側の要件事実入力手順と、
前記被告側のコンピュータ又は前記サーバが、前記抗弁事実の有無が入力されたときにこれに基づいて、前記抗弁要件の成否を判定し、前記要件事実の不存在が入力されたときにこれに基づいて、前記法律要件の不成立を判定し、前記抗弁要件の成否及び前記法律要件の不成立の少なくともいずれかに基づいて、前記請求の趣旨の成否を判定する被告側の法律要件判定手順と、
前記被告側のコンピュータが、前記抗弁事実の有無及び前記要件事実の不存在の少なくともいずれかと、前記抗弁要件の成否及び前記法律要件の不成立の少なくともいずれかと、前記請求の趣旨の成否と、が反映された前記ブロック図をインタフェースへと出力する被告側の要件成否反映手順と、
を更に順に備えることを特徴とする、請求項に記載の法的推論提示方法。
【請求項3】
前記原告側のコンピュータが、再反論の意図をインタフェースから入力する原告側の再反論意図入力手順と、
前記原告側のコンピュータ又は前記サーバが、前記抗弁要件の不成立のための再抗弁要件と、前記再抗弁要件の成立のための再抗弁事実と、をデータベースから検索する原告側の再抗弁要件検索手順と、
前記原告側のコンピュータが、前記請求の趣旨、前記法律要件、前記要件事実、前記抗弁要件、前記抗弁事実、前記再抗弁要件及び前記再抗弁事実が関連付けられた前記ブロック図をインタフェースへと出力する原告側の再抗弁要件出力手順と、
を更に順に備えることを特徴とする、請求項2に記載の法的推論提示方法。
【請求項4】
前記原告側のコンピュータが、前記再抗弁事実の有無及び前記抗弁事実の不存在の少なくともいずれかをインタフェースから入力する原告側の再抗弁事実入力手順と、
前記原告側のコンピュータ又は前記サーバが、前記再抗弁事実の有無が入力されたときにこれに基づいて、前記再抗弁要件の成否を判定し、前記抗弁事実の不存在が入力されたときにこれに基づいて、前記抗弁要件の不成立を判定し、前記再抗弁要件の成否及び前記抗弁要件の不成立の少なくともいずれかに基づいて、前記請求の趣旨の成否を判定する原告側の再抗弁要件判定手順と、
前記原告側のコンピュータが、前記再抗弁事実の有無及び前記抗弁事実の不存在の少なくともいずれかと、前記再抗弁要件の成否及び前記抗弁要件の不成立の少なくともいずれかと、前記請求の趣旨の成否と、が反映された前記ブロック図をインタフェースへと出力する原告側の再抗弁要件成否反映手順と、
を更に順に備えることを特徴とする、請求項3に記載の法的推論提示方法。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の法的推論提示方法の各手順を順に、前記原告側のコンピュータ、前記被告側のコンピュータ又は前記サーバに実行させるための法的推論提示プログラム。
【請求項6】
請求項5に記載の法的推論提示プログラムを格納される法的推論提示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、法的推論を分かり易く提示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
法的推論を分かり易く提示する技術が、特許文献1に開示されている。ここで、特許文献1では、原告及び被告の要件事実を全て揃えたうえで、請求の趣旨、法律要件及び要件事実が関連付けられたブロック図を提示し、法的推論を分かり易く提示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6112542号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1では、原告の主張及び被告の反論の各段階において、充足すべき法律要件及び立証すべき要件事実を提示し、要件事実の有無に基づいて法律要件の成否を判定し、原告と被告の間で双方向にやり取りすることができない。
【0005】
そこで、前記課題を解決するために、本開示は、原告の主張及び被告の反論の各段階において、充足すべき法律要件及び立証すべき要件事実を提示し、要件事実の有無に基づいて法律要件の成否を判定し、原告と被告の間で双方向にやり取りすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、原告の主張及び被告の反論の各段階において、充足すべき法律要件及び立証すべき要件事実を、データベースから検索しブロック図として提示する。そして、原告の主張及び被告の反論の各段階において、インタフェースから入力した要件事実の有無に基づいて、法律要件の成否を判定しブロック図として提示する。
【0007】
具体的には、本開示は、請求の趣旨をインタフェースから入力する原告側の請求趣旨入力手順と、前記請求の趣旨の成立のための法律要件と、前記法律要件の成立のための要件事実と、をデータベースから検索する原告側の法律要件検索手順と、前記請求の趣旨、前記法律要件及び前記要件事実が関連付けられたブロック図をインタフェースへと出力する原告側の法律要件出力手順と、を順に備えることを特徴とする法的推論提示方法である。
【0008】
この構成によれば、原告の主張の段階において、充足すべき法律要件及び立証すべき要件事実を提示し、法的推論の過程を分かり易く提示することができる。
【0009】
また、本開示は、前記要件事実の有無をインタフェースから入力する原告側の要件事実入力手順と、前記要件事実の有無に基づいて、前記法律要件の成否を判定し、前記法律要件の成否に基づいて、前記請求の趣旨の成否を判定する原告側の法律要件判定手順と、前記要件事実の有無と、前記法律要件の成否と、前記請求の趣旨の成否と、が反映された前記ブロック図をインタフェースへと出力する原告側の要件成否反映手順と、を更に順に備えることを特徴とする法的推論提示方法である。
【0010】
この構成によれば、原告の主張の段階において、要件事実の有無に基づいて法律要件の成否を判定し、法的推論の結果を分かり易く提示することができる。
【0011】
また、本開示は、反論の意図をインタフェースから入力する被告側の反論意図入力手順と、前記請求の趣旨の不成立のための抗弁要件と、前記抗弁要件の成立のための抗弁事実と、をデータベースから検索する被告側の法律要件検索手順と、前記請求の趣旨、前記法律要件、前記要件事実、前記抗弁要件及び前記抗弁事実が関連付けられた前記ブロック図をインタフェースへと出力する被告側の法律要件出力手順と、を更に順に備えることを特徴とする法的推論提示方法である。
【0012】
この構成によれば、被告の反論の段階において、充足すべき抗弁要件及び立証すべき抗弁事実を提示し、法的推論の過程を分かり易く提示することができる。
【0013】
また、本開示は、前記抗弁事実の有無及び前記要件事実の不存在の少なくともいずれかをインタフェースから入力する被告側の要件事実入力手順と、前記抗弁事実の有無が入力されたときにこれに基づいて、前記抗弁要件の成否を判定し、前記要件事実の不存在が入力されたときにこれに基づいて、前記法律要件の不成立を判定し、前記抗弁要件の成否及び前記法律要件の不成立の少なくともいずれかに基づいて、前記請求の趣旨の成否を判定する被告側の法律要件判定手順と、前記抗弁事実の有無及び前記要件事実の不存在の少なくともいずれかと、前記抗弁要件の成否及び前記法律要件の不成立の少なくともいずれかと、前記請求の趣旨の成否と、が反映された前記ブロック図をインタフェースへと出力する被告側の要件成否反映手順と、を更に順に備えることを特徴とする法的推論提示方法である。
【0014】
この構成によれば、被告の反論の段階において、抗弁事実の有無に基づいて抗弁要件の成否を判定し、法的推論の結果を分かり易く提示することができる。
【0015】
また、本開示は、以上に記載の法的推論提示方法の各手順を順にコンピュータ又はサーバに実行させるための法的推論提示プログラムである。
【0016】
この構成によれば、原告の主張及び被告の反論の各段階において、充足すべき法律要件及び立証すべき要件事実を提示し、要件事実の有無に基づいて法律要件の成否を判定し、原告と被告の間で双方向にやり取りすることができる。
【0017】
また、本開示は、以上に記載の法的推論提示プログラムを格納される法的推論提示システムである。
【0018】
この構成によれば、原告の主張及び被告の反論の各段階において、充足すべき法律要件及び立証すべき要件事実を提示し、要件事実の有無に基づいて法律要件の成否を判定し、原告と被告の間で双方向にやり取りすることができる。
【発明の効果】
【0019】
このように、本開示は、原告の主張及び被告の反論の各段階において、充足すべき法律要件及び立証すべき要件事実を提示し、要件事実の有無に基づいて法律要件の成否を判定し、原告と被告の間で双方向にやり取りすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本開示の法的推論提示システムの構成を示す図である。
図2】本開示の法的推論提示システムの構成を示す図である。
図3】本開示の原告側の主張手順を示すフローチャートである。
図4】本開示の原告側のステップSP1の処理内容を示す図である。
図5】本開示の原告側のステップSP2、SP3の処理内容を示す図である。
図6】本開示の原告側のステップSP4の処理内容を示す図である。
図7】本開示の原告側のステップSP5、SP6の処理内容を示す図である。
図8】本開示の原告側の主張手順終了後の表示画面を示す図である。
図9】本開示の被告側の反論手順を示すフローチャートである。
図10】本開示の被告側のステップSD2、SD3の処理内容を示す図である。
図11】本開示の被告側のステップSD4の処理内容を示す図である。
図12】本開示の被告側のステップSD5、SD6の処理内容を示す図である。
図13】本開示の被告側の反論手順終了後の表示画面を示す図である。
図14】本開示の原告側の再反論手順を示すフローチャートである。
図15】本開示の原告側のステップSP8、SP9の処理内容を示す図である。
図16】本開示の原告側のステップSP10の処理内容を示す図である。
図17】本開示の原告側のステップSP11、SP12の処理内容を示す図である。
図18】本開示の原告側の再反論手順終了後の表示画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
添付の図面を参照して本開示の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本開示の実施の例であり、本開示は以下の実施形態に制限されるものではない。
【0022】
(法的推論提示システムの構成)
本開示の法的推論提示システムの構成を図1に示す。原告側のコンピュータCPは、原告の主張の段階において、充足すべき法律要件及び立証すべき要件事実を、データベース3Pから検索しブロック図として提示し、インタフェース1Pから入力した要件事実の有無に基づいて、法律要件の成否を判定しブロック図として提示する。被告側のコンピュータCDは、被告の反論の段階において、充足すべき法律要件及び立証すべき要件事実を、データベース3Dから検索しブロック図として提示し、インタフェース1Dから入力した要件事実の有無に基づいて、法律要件の成否を判定しブロック図として提示する。
【0023】
原告側のコンピュータCPは、インタフェース1P、法律要件検索部2P、データベース3P、法律要件出力部4P、法律要件判定部5P及び要件成否反映部6Pを備える。被告側のコンピュータCDは、インタフェース1D、法律要件検索部2D、データベース3D、法律要件出力部4D、法律要件判定部5D及び要件成否反映部6Dを備える。原告側のコンピュータCPと被告側のコンピュータCDは、直接的に通信する。
【0024】
本開示の法的推論提示システムの構成を図2に示す。サーバSは、原告の主張及び被告の反論の各段階において、充足すべき法律要件及び立証すべき要件事実を、データベース3から検索しブロック図として提示し、インタフェース1から入力した要件事実の有無に基づいて、法律要件の成否を判定しブロック図として提示する。
【0025】
サーバSは、インタフェース1、法律要件検索部2、データベース3、法律要件出力部4、法律要件判定部5及び要件成否反映部6を備える。原告側のコンピュータCPは、インタフェース1Pを備える。被告側のコンピュータCDは、インタフェース1Dを備える。原告側のコンピュータCPと被告側のコンピュータCDは、サーバS経由で通信する。
【0026】
以下では、図1に示した法的推論提示システムを説明する。ここで、図2に示した法的推論提示システムも同様である。つまり、サーバSの法律要件検索部2、データベース3、法律要件出力部4、法律要件判定部5及び要件成否反映部6は、それぞれ、コンピュータCP、CDの法律要件検索部2P、2D、データベース3P、3D、法律要件出力部4P、4D、法律要件判定部5P、5D及び要件成否反映部6P、6Dと同様である。
【0027】
(原告側の主張手順)
本開示の原告側の主張手順を示すフローチャートを図3に示す。
【0028】
法律要件検索部2Pは、請求の趣旨をインタフェース1Pから入力する(ステップSP1)。本開示の原告側のステップSP1の処理内容を図4に示す。
【0029】
法律要件検索部2Pは、請求の趣旨の概要をデータベース3Pから検索し、法律要件出力部4Pは、請求の趣旨の概要をインタフェース1Pへと出力する。図4の上段では、「何をしたいですか?」のブロックの下位に、「解除をしたい」のブロック、「お金を請求したい」のブロック及び「人を追い出したい」のブロック等が並列にインタフェース1Pに表示される。そして、「解除をしたい」のブロックがインタフェース1Pで選択される。
【0030】
法律要件検索部2Pは、「解除をしたい」の詳細をデータベース3Pから検索し、法律要件出力部4Pは、「解除をしたい」の詳細をインタフェース1Pへと出力する。図4の中段では、「解除をしたい」のブロックの下位に、「売買契約の解除」のブロック、「賃貸借契約の解除」のブロック及び「請負の解除」のブロック等が並列にインタフェース1Pに表示される。そして、「売買契約の解除」のブロックがインタフェース1Pで選択される。
【0031】
法律要件検索部2Pは、「売買契約の解除」のブロックをデータベース3Pから検索し、法律要件出力部4Pは、「売買契約の解除」のブロックをインタフェース1Pへと出力する。後述の図5の左上では、「趣旨p、詳細-3340、成否u」のブロックにおいて、「趣旨p」が「売買契約の解除」に代えてインタフェース1Pに表示される。
【0032】
ここで、画面表示される各ブロックを説明する。各ブロックの上段は、請求の趣旨、法律要件、要件事実、抗弁要件、抗弁事実、再抗弁要件及び再抗弁事実について、概要を示す。各ブロックの中段は、請求の趣旨、法律要件、要件事実、抗弁要件、抗弁事実、再抗弁要件及び再抗弁事実について、詳細を示す。各ブロックの下段は、請求の趣旨、法律要件、要件事実、抗弁要件、抗弁事実、再抗弁要件及び再抗弁事実について、成否を示す。qは入力待ちを示し、uは成否不明を示し、〇は成立を示し、×は不成立を示す。
【0033】
請求の趣旨及び法律要件は、これの成立のための法律要件及び要件事実と関連付けて、原則ルールとしてデータベース3P、3Dのうちのルールベースに格納される。抗弁要件及び再抗弁要件は、これの成立のための抗弁事実及び再抗弁事実と関連付けて、例外ルールとしてデータベース3P、3Dのうちのルールベースに格納される。要件事実、抗弁事実及び再抗弁事実は、データベース3P、3Dのうちのファクトベースに格納される。
【0034】
法律要件検索部2Pは、請求の趣旨の成立のための法律要件と、法律要件の成立のための要件事実と、をデータベース3Pから検索する(ステップSP2)。法律要件出力部4Pは、請求の趣旨、法律要件及び要件事実が関連付けられたブロック図をインタフェース1Pへと出力する(ステップSP3)。本開示の原告側のステップSP2、SP3の処理内容を図5に示す。
【0035】
法律要件検索部2Pは、以下の法律要件及び要件事実をデータベース3Pから検索する:(1)請求の趣旨pの成立のための法律要件r又は法律要件q、(2)法律要件rの成立のための要件事実r1、(3)法律要件qの成立のための法律要件q1又は要件事実q2、(4)法律要件q1の成立のための要件事実q11-1、q11-2、法律要件q12又は要件事実q13、(5)法律要件q12の成立のための要件事実q12-1。
【0036】
法律要件検索部2Pは、以下の請求の趣旨、法律要件及び要件事実の成否を判定する:(1)要件事実r1の成否qに伴って、法律要件rの成否u、(2)要件事実q12-1の成否qに伴って、法律要件q12の成否u、(3)要件事実q11-1、q11-2の成否q、法律要件q12の成否u及び要件事実q13の成否qに伴って、法律要件q1の成否u、(4)法律要件q1の成否u及び要件事実q2の成否qに伴って、法律要件qの成否u、(5)法律要件rの成否u及び法律要件qの成否uに伴って、請求の趣旨pの成否u。
【0037】
法律要件出力部4Pは、以下の請求の趣旨、法律要件及び要件事実をインタフェース1Pへと出力する:(1)「請求の趣旨p、成否u」のブロック、(2)「請求の趣旨p、成否u」のブロックの下位に、「法律要件r、成否u」のブロック又は「法律要件q、成否u」のブロック、(3)「法律要件r、成否u」のブロックの下位に、「要件事実r1、成否q」のブロック、(4)「法律要件q、成否u」のブロックの下位に、「法律要件q1、成否u」のブロック又は「要件事実q2、成否q」のブロック、(5)「法律要件q1、成否u」のブロックの下位に、「要件事実q11-1、q11-2、成否q」のブロック、「法律要件q12、成否u」のブロック又は「要件事実q13、成否q」のブロック、(6)「法律要件q12、成否u」のブロックの下位に、「要件事実q12-1、成否q」のブロック。
【0038】
このように、原告の主張の段階において、充足すべき法律要件及び立証すべき要件事実を提示し、法的推論の過程を分かり易く提示することができる。
【0039】
法律要件判定部5Pは、要件事実の有無をインタフェース1Pから入力する(ステップSP4)。本開示の原告側のステップSP4の処理内容を図6に示す。
【0040】
法律要件判定部5Pは、以下の要件事実の有無をインタフェース1Pから入力する:(1)要件事実r1の成否〇、(2)要件事実q11-1、q11-2の成否〇、(3)要件事実q12-1の成否〇、(4)要件事実q13の成否〇。一方で、要件事実q2の成否については、インタフェース1Pから入力されていない。
【0041】
法律要件判定部5Pは、要件事実の有無に基づいて、法律要件の成否を判定し、法律要件の成否に基づいて、請求の趣旨の成否を判定する(ステップSP5)。要件成否反映部6Pは、要件事実の有無と、法律要件の成否と、請求の趣旨の成否と、が反映されたブロック図をインタフェース1Pへと出力する(ステップSP6)。本開示の原告側のステップSP5、SP6の処理内容を図7に示す。
【0042】
法律要件判定部5Pは、以下の請求の趣旨及び法律要件の成否を判定する:(1)要件事実r1の成否〇に伴って、法律要件rの成否〇、(2)要件事実q12-1の成否〇に伴って、法律要件q12の成否〇、(3)要件事実q11-1、q11-2の成否〇、法律要件q12の成否〇又は要件事実q13の成否〇に伴って、法律要件q1の成否〇、(4)法律要件q1の成否〇に伴って、法律要件qの成否〇、(5)法律要件rの成否〇又は法律要件qの成否〇に伴って、請求の趣旨pの成否〇。
【0043】
要件成否反映部6Pは、以下の請求の趣旨及び法律要件の変更をインタフェース1Pへと出力する:(1)「請求の趣旨p、成否〇」のブロック、(2)「請求の趣旨p、成否〇」のブロックの下位に、「法律要件r、成否〇」のブロック又は「法律要件q、成否〇」のブロック、(3)「法律要件q、成否〇」のブロックの下位に、「法律要件q1、成否〇」のブロック、(4)「法律要件q1、成否〇」のブロックの下位に、「法律要件q12、成否〇」のブロック。一方で、要件事実q2の系統については、インタフェース1Pへと出力されていない。
【0044】
原告側のコンピュータCPは、被告側のコンピュータCDに、図7に示したブロック図を送信する。以上をもって、原告の主張手順SP1~SP6が終了する。
【0045】
このように、原告の主張の段階において、要件事実の有無に基づいて法律要件の成否を判定し、法的推論の結果を分かり易く提示することができる。
【0046】
本開示の原告側の主張手順終了後の表示画面の具体的な請求原因の主張(無断転貸による賃貸借契約解除)の例を図8に示す。「請求の趣旨:無断転貸解除、詳細:原告、被告、平成19年3月16日」のブロックの下位に、以下のブロックがANDで表示される:(1)「法律要件:賃貸借契約成立、詳細:原告、被告」のブロック、(2)「要件事実:引渡し、詳細:原告、被告」のブロック、(3)「法律要件:賃貸借契約成立、詳細:被告、訴外A」のブロック、(4)「要件事実:引渡し、詳細:被告、訴外A」のブロック、(5)「要件事実:使用収益、詳細:訴外A」のブロック、(6)「要件事実:無断転貸による解除の意思表示、詳細:原告、被告、平成19年3月16日」のブロック。「法律要件:賃貸借契約成立、詳細:原告、被告」のブロックの下位に、「要件事実:合意による賃貸借契約成立、詳細:原告、被告」のブロックが表示される。「法律要件:賃貸借契約成立、詳細:被告、訴外A」のブロックの下位に、「要件事実:合意による賃貸借契約成立、詳細:被告、訴外A」のブロックが表示される。
【0047】
「要件事実:合意による賃貸借契約成立、詳細:原告、被告」の成否〇に伴って、「法律要件:賃貸借契約成立、詳細:原告、被告」の成否〇が表示される。「要件事実:合意による賃貸借契約成立、詳細:被告、訴外A」の成否〇に伴って、「法律要件:賃貸借契約成立、詳細:被告、訴外A」の成否〇が表示される。以下の成否〇のANDに伴って、「請求の趣旨:無断転貸解除、詳細:原告、被告、平成19年3月16日」の成否〇が表示される:(1)「法律要件:賃貸借契約成立、詳細:原告、被告」の成否〇、(2)「要件事実:引渡し、詳細:原告、被告」の成否〇、(3)「法律要件:賃貸借契約成立、詳細:被告、訴外A」の成否〇、(4)「要件事実:引渡し、詳細:被告、訴外A」の成否〇、(5)「要件事実:使用収益、詳細:訴外A」の成否〇、(6)「要件事実:無断転貸による解除の意思表示、詳細:原告、被告、平成19年3月16日」の成否〇。
【0048】
(被告側の反論手順)
本開示の被告側の反論手順を示すフローチャートを図9に示す。法律要件検索部2Dは、反論の意図をインタフェース1Dから入力する(ステップSD1)。
【0049】
法律要件検索部2Dは、請求の趣旨の不成立のための抗弁要件と、抗弁要件の成立のための抗弁事実と、をデータベース3Dから検索する(ステップSD2)。法律要件出力部4Dは、請求の趣旨、法律要件、要件事実、抗弁要件及び抗弁事実が関連付けられたブロック図をインタフェース1Dへと出力する(ステップSD3)。本開示の被告側のステップSD2、SD3の処理内容を図10に示す。
【0050】
法律要件検索部2Dは、以下の抗弁要件及び抗弁事実をデータベース3Dから検索する:(1)請求の趣旨pの不成立のための抗弁要件s、(2)抗弁要件sの成立のための抗弁事実t、(3)法律要件q1の不成立のための抗弁要件w、(4)抗弁要件wの成立のための抗弁事実y、(5)法律要件q12の不成立のための抗弁要件z、(6)抗弁要件zの成立のための抗弁事実a。
【0051】
法律要件検索部2Dは、以下の請求の趣旨、法律要件、抗弁要件及び抗弁事実の成否を判定する:(1)抗弁事実tの成否qに伴って、抗弁要件sの成否u、(2)抗弁事実yの成否qに伴って、抗弁要件wの成否u、(3)抗弁要件wの成否uに伴って、法律要件q1、qの成否u、(4)抗弁事実aの成否qに伴って、抗弁要件zの成否u、(5)抗弁要件zの成否uに伴って、法律要件q12、q1、qの成否u、(6)抗弁要件sの成否u又は法律要件qの成否uに伴って、請求の趣旨pの成否u。
【0052】
法律要件出力部4Dは、以下の請求の趣旨、法律要件、抗弁要件及び抗弁事実をインタフェース1Dへと出力する:(1)「請求の趣旨p、成否u」のブロック、(2)「請求の趣旨p、成否u」のブロックの下位に、「抗弁要件sの成否u」のブロック又は「法律要件qの成否u」のブロック、(3)「抗弁要件sの成否u」のブロックの下位に、「抗弁事実tの成否q」のブロック、(4)「法律要件qの成否u」のブロックの下位に、「法律要件q1、q12の成否u」のブロック、(5)「法律要件q1の成否u」のブロックの下位に、「抗弁要件wの成否u」のブロック、(6)「抗弁要件wの成否u」のブロックの下位に、「抗弁事実yの成否q」のブロック、(7)「法律要件q12の成否u」のブロックの下位に、「抗弁要件zの成否u」のブロック、(8)「抗弁要件zの成否u」のブロックの下位に、「抗弁事実aの成否q」のブロック。
【0053】
このように、被告の反論の段階において、充足すべき抗弁要件及び立証すべき抗弁事実を提示し、法的推論の過程を分かり易く提示することができる。
【0054】
法律要件判定部5Dは、抗弁事実の有無及び要件事実の不存在の少なくともいずれかをインタフェース1Dから入力する(ステップSD4)。本開示の被告側のステップSD4の処理内容を図11に示す。
【0055】
法律要件判定部5Dは、以下の抗弁事実の有無及び要件事実の不存在をインタフェース1Dから入力する:(1)要件事実r1の成否u、(2)抗弁事実tの成否〇(ただし、要件事実q11-1、q11-2、q13の系統のみ。)、(3)抗弁事実yの成否〇(ただし、要件事実q11-1、q11-2の系統のみ。)、(4)抗弁事実aの成否〇。一方で、(2)以外の抗弁事実tの成否及び(3)以外の抗弁事実yの成否については、インタフェース1Dから入力されていない。
【0056】
法律要件判定部5Dは、抗弁事実の有無が入力されたときにこれに基づいて、抗弁要件の成否を判定し、要件事実の不存在が入力されたときにこれに基づいて、法律要件の不成立を判定し、抗弁要件の成否及び法律要件の不成立の少なくともいずれかに基づいて、請求の趣旨の成否を判定する(ステップSD5)。要件成否反映部6Dは、抗弁事実の有無及び要件事実の不存在の少なくともいずれかと、抗弁要件の成否及び法律要件の不成立の少なくともいずれかと、請求の趣旨の成否と、が反映されたブロック図をインタフェース1Dへと出力する(ステップSD6)。本開示の被告側のステップSD5、SD6の処理内容を図12に示す。
【0057】
法律要件判定部5Dは、以下の請求の趣旨、法律要件及び抗弁要件の成否を判定する:(1)要件事実r1の成否uに伴って、法律要件rの成否u、(2)抗弁事実tの成否〇に伴って、抗弁要件sの成否〇(ただし、要件事実q11-1、q11-2、q13の系統のみ。)、(3)抗弁事実yの成否〇に伴って、抗弁要件wの成否〇(ただし、要件事実q11-1、q11-2の系統のみ。)、(4)抗弁要件wの成否〇に伴って、法律要件q1、qの成否×(ただし、要件事実q11-1、q11-2の系統のみ。)、(5)抗弁事実aの成否〇に伴って、抗弁要件zの成否〇、(6)抗弁要件zの成否〇に伴って、法律要件q12、q1、qの成否×、(7)法律要件rの成否uに伴って、抗弁要件sの成否〇又は法律要件qの成否×に関わらず、請求の趣旨pの成否u。
【0058】
要件成否反映部6Dは、以下の法律要件及び抗弁要件の変更をインタフェース1Dへと出力する:(1)「請求の趣旨p、成否u」のブロックの下位に、「法律要件r、成否u」のブロック、(2)「請求の趣旨p、成否u」のブロックの下位に、「抗弁要件s、成否〇」のブロック(ただし、要件事実q11-1、q11-2、q13の系統のみ。)、(3)「請求の趣旨p、成否u」のブロックの下位に、「法律要件q、q1、成否×」のブロック(ただし、要件事実q11-1、q11-2の系統のみ。)、(4)「法律要件q1、成否×」のブロックの下位に、「抗弁要件w、成否〇」のブロック(ただし、要件事実q11-1、q11-2の系統のみ。)、(5)「請求の趣旨p、成否u」のブロックの下位に、「法律要件q、q1、q12、成否×」のブロック(ただし、要件事実q12-1の系統のみ。)、(6)「法律要件q12、成否×」のブロックの下位に、「抗弁要件z、成否〇」のブロック(ただし、要件事実q12-1の系統のみ。)。なお、要件事実q13の系統において、抗弁事実yの成否が入力されていないため(図11を参照。)、抗弁要件wのブロックが除去され、法律要件q、q1の成否〇が表示される(図12を参照。)。
【0059】
被告側のコンピュータCDは、原告側のコンピュータCPに、図12に示したブロック図を送信する。以上をもって、被告の反論手順SD1~SD6が終了する。
【0060】
このように、被告の反論の段階において、抗弁事実の有無に基づいて抗弁要件の成否を判定し、法的推論の結果を分かり易く提示することができる。
【0061】
本開示の被告側の反論手順終了後の表示画面の具体的な法律的反論(無断転貸による賃貸借契約解除に対する反論)の例を図13に示す。「請求の趣旨:無断転貸解除、詳細:原告、被告、平成19年3月16日」のブロックの下位に、「抗弁要件:転貸承諾、詳細:原告、被告、平成19年3月16日」のブロックと、「抗弁要件:信頼関係破壊なしの評価根拠事実」のブロックと、がORで表示される。「抗弁要件:転貸承諾、詳細:原告、被告、平成19年3月16日」のブロックの下位に、「抗弁要件:意思表示の効力、転貸承諾、詳細:原告、被告、平成18年12月6日」のブロックと、「抗弁事実:先立つ日、詳細:平成18年12月6日、平成19年3月16日」のブロックと、がANDで表示される。「抗弁要件:意思表示の効力、転貸承諾、詳細:原告、被告、平成18年12月6日」のブロックの下位に、「抗弁事実:意思表示、転貸承諾、詳細:原告、被告、平成18年12月6日」のブロックが表示される。「抗弁要件:信頼関係破壊なしの評価根拠事実」のブロックの下位に、「抗弁事実:信頼関係破壊なしの評価根拠事実にあたる事情、詳細:毎日の使用時間が短時間」のブロックが表示される。
【0062】
「抗弁事実:意思表示、転貸承諾、詳細:原告、被告、平成18年12月6日」の成否×に伴って、「抗弁要件:意思表示の効力、転貸承諾、詳細:原告、被告、平成18年12月6日」の成否×が表示される。「抗弁要件:意思表示の効力、転貸承諾、詳細:原告、被告、平成18年12月6日」の成否×に伴って、「抗弁事実:先立つ日、詳細:平成18年12月6日、平成19年3月16日」の成否〇に関わらず、「抗弁要件:転貸承諾、詳細:原告、被告、平成19年3月16日」の成否×が表示される。「抗弁事実:信頼関係破壊なしの評価根拠事実にあたる事情、詳細:毎日の使用時間が短時間」の成否〇に伴って、「抗弁要件:信頼関係破壊なしの評価根拠事実」の成否〇が表示される。「抗弁要件:信頼関係破壊なしの評価根拠事実」の成否〇に伴って、「抗弁要件:転貸承諾、詳細:原告、被告、平成19年3月16日」の成否×に関わらず、「請求の趣旨:無断転貸解除、詳細:原告、被告、平成19年3月16日」の成否×が表示される。
【0063】
(原告側の再反論手順)
本開示の原告側の再反論手順を示すフローチャートを図14に示す。法律要件検索部2Pは、再反論の意図をインタフェース1Pから入力する(ステップSP7)。
【0064】
法律要件検索部2Pは、抗弁要件の不成立のための再抗弁要件と、再抗弁要件の成立のための再抗弁事実と、をデータベース3Pから検索する(ステップSP8)。法律要件出力部4Pは、請求の趣旨、法律要件、要件事実、抗弁要件、抗弁事実、再抗弁要件及び再抗弁事実が関連付けられたブロック図をインタフェース1Pへと出力する(ステップSP9)。本開示の原告側のステップSP8、SP9の処理内容を図15に示す。
【0065】
法律要件検索部2Pは、以下の再抗弁要件及び再抗弁事実をデータベース3Pから検索する:(1)抗弁要件sの不成立のための再抗弁要件u、(2)再抗弁要件uの成立のための再抗弁事実v、(3)抗弁要件zの不成立のための再抗弁要件b、(4)再抗弁要件bの成立のための再抗弁事実c。
【0066】
法律要件検索部2Pは、以下の請求の趣旨、法律要件、抗弁要件、再抗弁要件及び再抗弁事実の成否を判定する:(1)再抗弁事実vの成否qに伴って、再抗弁要件uの成否u、(2)再抗弁要件uの成否uに伴って、抗弁要件sの成否u、(3)再抗弁事実cの成否qに伴って、再抗弁要件bの成否u、(4)再抗弁要件bの成否uに伴って、抗弁要件zの成否u、(5)抗弁要件zの成否uに伴って、法律要件q12、q1、qの成否u、(6)法律要件rの成否u、抗弁要件sの成否u又は法律要件qの成否u(ただし、要件事実q12-1の系統のみ。)に伴って、請求の趣旨pの成否u。
【0067】
法律要件出力部4Pは、以下の法律要件、抗弁要件、再抗弁要件及び再抗弁事実をインタフェース1Pへと出力する:(1)「請求の趣旨p、成否u」のブロックの下位に、「抗弁要件sの成否u」のブロック又は「法律要件qの成否u」のブロック(ただし、要件事実q12-1の系統のみ。)、(2)「抗弁要件sの成否u」のブロックの下位に、「再抗弁要件uの成否u」のブロック、(3)「再抗弁要件uの成否u」のブロックの下位に、「再抗弁事実vの成否q」のブロック、(4)「法律要件qの成否u」のブロックの下位に、「法律要件q1、q12の成否u」のブロック、(5)「法律要件q12の成否u」のブロックの下位に、「抗弁要件zの成否u」のブロック、(6)「抗弁要件zの成否u」のブロックの下位に、「再抗弁要件bの成否u」のブロック、(7)「再抗弁要件bの成否u」のブロックの下位に、「再抗弁事実cの成否q」のブロック。
【0068】
このように、原告の再反論の段階において、充足すべき再抗弁要件及び立証すべき再抗弁事実を提示し、法的推論の過程を分かり易く提示することができる。
【0069】
法律要件判定部5Pは、再抗弁事実の有無及び抗弁事実の不存在の少なくともいずれかをインタフェース1Pから入力する(ステップSP10)。本開示の原告側のステップSP10の処理内容を図16に示す。
【0070】
法律要件判定部5Pは、以下の再抗弁事実の有無及び抗弁事実の不存在をインタフェース1Pから入力する:(1)抗弁事実tの成否u(ただし、要件事実q11-1、11-2の系統のみ。)、(2)再抗弁事実vの成否〇(ただし、要件事実q13の系統のみ。)。一方で、(2)以外の再抗弁事実vの成否及び再抗弁事実cの成否については、インタフェース1Pから入力されていない。
【0071】
法律要件判定部5Pは、再抗弁事実の有無が入力されたときにこれに基づいて、再抗弁要件の成否を判定し、抗弁事実の不存在が入力されたときにこれに基づいて、抗弁要件の不成立を判定し、再抗弁要件の成否及び抗弁要件の不成立の少なくともいずれかに基づいて、請求の趣旨の成否を判定する(ステップSP11)。要件成否反映部6Pは、再抗弁事実の有無及び抗弁事実の不存在の少なくともいずれかと、再抗弁要件の成否及び抗弁要件の不成立の少なくともいずれかと、請求の趣旨の成否と、が反映されたブロック図をインタフェース1Pへと出力する(ステップSP12)。本開示の原告側のステップSP11、SP12の処理内容を図17に示す。
【0072】
法律要件判定部5Pは、以下の請求の趣旨、法律要件、抗弁要件及び再抗弁要件の成否を判定する:(1)要件事実tの成否uに伴って、抗弁要件sの成否u(ただし、要件事実q11-1、11-2の系統のみ。)、(2)再抗弁事実vの成否〇に伴って、再抗弁要件uの成否〇(ただし、要件事実q13の系統のみ。)、(3)再抗弁要件uの成否〇に伴って、抗弁要件sの成否×(ただし、要件事実q13の系統のみ。)、(4)抗弁要件sの成否×(ただし、要件事実q13の系統のみ。)に伴って、法律要件rの成否u、抗弁要件sの成否u(ただし、要件事実q11-1、11-2の系統のみ。)又は法律要件qの成否×(ただし、要件事実q12-1の系統のみ。)に関わらず、請求の趣旨pの成否〇。
【0073】
要件成否反映部6Pは、以下の請求の趣旨、法律要件、抗弁要件及び再抗弁要件の変更をインタフェース1Pへと出力する:(1)「請求の趣旨p、成否〇」のブロック、(2)「請求の趣旨p、成否〇」のブロックの下位に、「抗弁要件s、成否×」のブロック(ただし、要件事実q13の系統のみ。)、(3)「抗弁要件s、成否×」のブロックの下位に、「再抗弁要件u、成否〇」のブロック(ただし、要件事実q13の系統のみ。)。なお、要件事実q12-1の系統において、再抗弁事実cの成否が入力されていないため(図16を参照。)、再抗弁要件bのブロックが除去され、抗弁要件zの成否〇及び法律要件q12、q1、qの成否×が表示される(図17を参照。)。
【0074】
原告側のコンピュータCPは、被告側のコンピュータCDに、図17に示したブロック図を送信する。以上をもって、原告の再反論手順SP7~SP12が終了する。
【0075】
このように、原告の再反論の段階において、再抗弁事実の有無に基づいて再抗弁要件の成否を判定し、法的推論の結果を分かり易く提示することができる。
【0076】
本開示の原告側の再反論手順終了後の表示画面の具体的な法律的再反論(無断転貸による賃貸借契約解除の反論「信頼関係破壊なしの評価根拠事実」に対する再反論)の例を図18に示す。「抗弁要件:信頼関係破壊なしの評価根拠事実」のブロックの下位に、「再抗弁要件:信頼関係破壊なしの評価障害事実」のブロックが表示される。「再抗弁要件:信頼関係破壊なしの評価障害事実」のブロックの下位に、「再抗弁事実:信頼関係破壊なしの評価障害事実にあたる事情、詳細:転借人の使用に関して苦情あり」のブロックが表示される。
【0077】
「再抗弁事実:信頼関係破壊なしの評価障害事実にあたる事情、詳細:転借人の使用に関して苦情あり」の成否〇に伴って、「再抗弁要件:信頼関係破壊なしの評価障害事実」の成否〇が表示される。「再抗弁要件:信頼関係破壊なしの評価障害事実」の成否〇に伴って、「抗弁事実:信頼関係破壊なしの評価根拠事実にあたる事情、詳細:毎日の使用時間が短時間」の成否〇に関わらず、「抗弁要件:信頼関係破壊なしの評価根拠事実」の成否×が表示される。「抗弁要件:信頼関係破壊なしの評価根拠事実」の成否×又は「抗弁要件:転貸承諾、詳細:原告、被告、平成19年3月16日」の成否×に伴って、「請求の趣旨:無断転貸解除、詳細:原告、被告、平成19年3月16日」の成否〇が表示される。
【0078】
(変形例)
本実施形態では、図5図10及び図15に示したように、請求の趣旨に関わる法律要件、要件事実、抗弁要件、抗弁事実、再抗弁要件及び再抗弁事実を表示するにあたり、上位ノードから下位ノードまで全てを一度に表示している。変形例として、請求の趣旨に関わる法律要件、要件事実、抗弁要件、抗弁事実、再抗弁要件及び再抗弁事実を表示するにあたり、原告又は被告が選択した上位ノードについてはその下位ノードを表示する一方で、原告又は被告が選択しない上位ノードについてはその下位ノードを表示しなくてもよく、上位ノードから下位ノードへと段階を踏んで表示してもよい。
【0079】
他の変形例として、(1)原告の主張と被告の主張とを、色彩等を用いて明確に区別してもよく、(2)現段階の主張を表示するとともに、前段階の主張も表示してもよく、(3)新たな事実が判明したときに、一度除去された事実ブロックを再度復活させてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本開示の法的推論提示方法、法的推論提示プログラム及び法的推論提示システムは、原告の主張及び被告の反論の各段階において、充足すべき法律要件及び立証すべき要件事実を提示し、要件事実の有無に基づいて法律要件の成否を判定し、原告と被告の間で双方向にやり取りすることができる。
【符号の説明】
【0081】
CP、CD:コンピュータ
S:サーバ
1P、1D、1:インタフェース
2P、2D、2:法律要件検索部
3P、3D、3:データベース
4P、4D、4:法律要件出力部
5P、5D、5:法律要件判定部
6P、6D、6:要件成否反映部
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
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