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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-06
(45)【発行日】2023-09-14
(54)【発明の名称】発光素子
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/04 20100101AFI20230907BHJP
   H01L 33/38 20100101ALI20230907BHJP
   H01L 33/32 20100101ALI20230907BHJP
【FI】
H01L33/04
H01L33/38
H01L33/32
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021108451
(22)【出願日】2021-06-30
(65)【公開番号】P2023006060
(43)【公開日】2023-01-18
【審査請求日】2022-07-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 敬人
(72)【発明者】
【氏名】田中 秀俊
(72)【発明者】
【氏名】西山 浩史
(72)【発明者】
【氏名】八木 健太郎
【審査官】右田 昌士
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0001389(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0027820(US,A1)
【文献】特開2013-093542(JP,A)
【文献】特開2013-168444(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0198561(US,A1)
【文献】特開2010-056488(JP,A)
【文献】特開2015-070079(JP,A)
【文献】特開2016-115920(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第1641889(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00 - 33/64
H01S 5/00 - 5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面視において、第1方向に延びる長辺と、前記第1方向に直交する第2方向に延び、前記長辺よりも短い短辺とを有する窒化物半導体からなる積層体であって、第1n型層と、前記第1n型層上に配置された第1活性層と、前記第1活性層上に配置された第1p型層と、前記第1p型層上に配置されたトンネル接合層と、前記トンネル接合層上に配置された第2n型層と、前記第2n型層上に配置された第2活性層と、前記第2活性層上に配置された第2p型層と、を有し、前記第2n型層の厚さは前記第1n型層の厚さよりも薄い前記積層体と、
前記第1n型層と電気的に接続された第1電極と、
前記第2n型層と電気的に接続された第2電極と、
前記第2p型層と電気的に接続された第3電極と、
を備え、
前記第1活性層の発光ピーク波長と前記第2活性層の発光ピーク波長とは異なり、
前記第1n型層は、前記第1電極と接する第1n側コンタクト部を有し、
前記第2n型層は、前記第2電極と接する第2n側コンタクト部を有し、
上面視において、前記第1n側コンタクト部の中心は、前記第2n側コンタクト部の中心を通り前記第1方向に平行な線上から離れた位置に配置され
複数の前記第2n側コンタクト部が前記第1方向において互いに離れて位置し、
上面視において、前記第2n側コンタクト部と前記第1n側コンタクト部との最短距離は、前記第1方向において隣り合う前記第2n側コンタクト部間の距離よりも短い発光素子。
【請求項2】
上面視において、前記第1n側コンタクト部は、前記第2n側コンタクト部の中心を通り前記第2方向に平行な線上に位置する請求項1に記載の発光素子。
【請求項3】
前記第1電極と電気的に接続された第1外部接続部と、
前記第2電極と電気的に接続された第2外部接続部と、
前記第3電極と電気的に接続された第3外部接続部と、
を備え、
上面視において、前記第1外部接続部及び前記第2外部接続部は、前記第3外部接続部の中心を通り前記第1方向に平行な線上に位置する請求項1または2に記載の発光素子。
【請求項4】
上面視において、前記第3外部接続部は、前記第1外部接続部と前記第2外部接続部との間に位置する請求項3に記載の発光素子。
【請求項5】
前記第2n型層は、上面視において、前記第1方向に交差する方向に離れて位置する2つの前記第2n側コンタクト部を有し、前記2つの第2n側コンタクト部の間に前記第1n側コンタクト部が位置する請求項1~4のいずれか1つに記載の発光素子。
【請求項6】
上面視において、2つの前記第1n側コンタクト部が前記第1方向に交差する方向に離れて位置し、前記2つの第1n側コンタクト部の間に前記第2n側コンタクト部が位置する請求項1~4のいずれか1つに記載の発光素子。
【請求項7】
前記第2n側コンタクト部の数は、前記第1n側コンタクト部の数よりも多い請求項1~6のいずれか1つに記載の発光素子。
【請求項8】
前記第2p型層の上面に設けられ、前記第2p型層よりも抵抗率が低い第4電極をさらに備え、前記第3電極は、前記第4電極の上面に設けられる請求項1~のいずれか1つに記載の発光素子。
【請求項9】
前記積層体は、前記第1外部接続部、前記第2外部接続部、及び前記第3外部接続部が配置された面の反対側に光取り出し面を有し、
前記第1活性層は、前記光取り出し面と前記第2活性層との間に位置し、
前記第1活性層の発光ピーク波長は、前記第2活性層の発光ピーク波長よりも短い請求項3または4に記載の発光素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、緑色を発光する第1活性領域を含む第1LEDと、青色を発光する第2活性領域を含む第2LEDとがトンネル接合を介して積層された構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開第2009/0001389号明細書
【文献】特表2017-513225号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、発光分布のムラの少ない、色度調整が可能な発光素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、発光素子は、上面視において、第1方向に延びる長辺と、前記第1方向に直交する第2方向に延び、前記長辺よりも短い短辺とを有する窒化物半導体からなる積層体であって、第1n型層と、前記第1n型層上に配置された第1活性層と、前記第1活性層上に配置された第1p型層と、前記第1p型層上に配置されたトンネル接合層と、前記トンネル接合層上に配置された第2n型層と、前記第2n型層上に配置された第2活性層と、前記第2活性層上に配置された第2p型層と、を有する前記積層体と、前記第1n型層と電気的に接続された第1電極と、前記第2n型層と電気的に接続された第2電極と、前記第2p型層と電気的に接続された第3電極と、を備える。前記第1活性層の発光ピーク波長と前記第2活性層の発光ピーク波長とは異なる。前記第1n型層は、前記第1電極と接する第1n側コンタクト部を有する。前記第2n型層は、前記第2電極と接する第2n側コンタクト部を有する。上面視において、前記第1n側コンタクト部の中心は、前記第2n側コンタクト部の中心を通り前記第1方向に平行な線上から離れた位置に配置されている。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、発光分布のムラの少ない、色度調整が可能な発光素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の第1実施形態の発光素子の模式上面図である。
図2図1のII-II線における模式断面図である。
図3】本発明の第2実施形態の発光素子の模式上面図である。
図4】本発明の第3実施形態の発光素子の模式上面図である。
図5】本発明の第4実施形態の発光素子の模式上面図である。
図6】本発明の第5実施形態の発光素子の模式上面図である。
図7】本発明の第6実施形態の発光素子の模式上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照し、実施形態について説明する。各図面中、同じ構成には同じ符号を付している。なお、各図面は、実施形態を模式的に示したものであるため、各部材のスケール、間隔若しくは位置関係などが誇張、又は部材の一部の図示を省略する場合がある。また、断面図として、切断面のみを示す切断部端面図を示す場合がある。
【0009】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態の発光素子1の模式上面図である。
図2は、図1のII-II線における模式断面図である。
【0010】
発光素子1は、基板100と、基板100上に配置された積層体200とを有する。積層体200は、基板100上に配置された第1発光部10と、第1発光部10上に配置されたトンネル接合層30と、トンネル接合層30上に配置された第2発光部20とを有する。
【0011】
基板100は、例えば、C面、R面、及びA面のいずれかを主面とするサファイアやスピネル(MgAl)のような絶縁性基板を用いることができる。また、基板100として、GaN、SiC(6H、4H、3Cを含む)、ZnS、ZnO、GaAs、Siなどの導電性の基板を用いてもよい。また、発光素子1は、基板100を有していなくてもよい。
【0012】
図1に示すように、積層体200は、上面視において、第1方向Xに延びる一対の長辺201と、第1方向Xに直交する第2方向Yに延び、長辺201よりも短い一対の短辺202とを有する。積層体200の上面視における形状は、例えば長方形である。この長方形における角部は、直角でもよいし、丸みを帯びていてもよい。
【0013】
積層体200は、窒化物半導体からなる。本明細書において「窒化物半導体」とは、例えば、InAlGa1-x-yN(0≦x≦1,0≦y≦1,x+y≦1)なる化学式において組成比x及びyをそれぞれの範囲内で変化させた全ての組成の半導体を含むものとする。また、上記化学式において、N(窒素)以外のV族元素もさらに含むもの、導電型などの各種の物性を制御するために添加される各種の元素をさらに含むものも「窒化物半導体」に含まれるものとする。
【0014】
第1発光部10は、基板100上に配置された第1n型層11と、第1n型層11上に配置された第1活性層12と、第1活性層12上に配置された第1p型層13とを有する。トンネル接合層30は、第1p型層13上に配置されている。第2発光部20は、トンネル接合層30上に配置された第2n型層21と、第2n型層21上に配置された第2活性層22と、第2活性層22上に配置された第2p型層23とを有する。
【0015】
例えば、MOCVD(metal organic chemical vapor deposition)法により、第1n型層11、第1活性層12、第1p型層13、トンネル接合層30、第2n型層21、第2活性層22、及び第2p型層23が順に基板100上に形成される。
【0016】
第1n型層11及び第2n型層21は、n型不純物として、例えば、Si(シリコン)を含む。第1p型層13及び第2p型層23は、p型不純物として、例えば、Mg(マグネシウム)を含む。第1活性層12及び第2活性層22は、光を発する発光層であり、例えば複数の障壁層と、複数の井戸層を含むMQW(Multiple Quantum well)構造を有する。第1活性層12の発光ピーク波長と、第2活性層22の発光ピーク波長とは異なる。
【0017】
トンネル接合層30は、第1p型層13よりも高いp型不純物濃度を有するp型層と、第2n型層21よりも高いn型不純物濃度を有するn型層のうち少なくとも1つの半導体層を含む。
【0018】
第1n型層11の上面は、第1n側コンタクト部11aを有する。第1n側コンタクト部11aには、第1活性層12、第1p型層13、トンネル接合層30、及び第2発光部20が設けられず、第1n側コンタクト部11aは、第1活性層12、第1p型層13、トンネル接合層30、及び第2発光部20から露出している。
【0019】
また、第1n型層11の上面は、外周部11bを有する。外周部11bには、第1活性層12、第1p型層13、トンネル接合層30、及び第2発光部20が設けられず、外周部11bは、第1活性層12、第1p型層13、トンネル接合層30、及び第2発光部20から露出している。図1に示すように、外周部11bは、積層体200の最外周に位置し、積層体200の長辺201及び短辺202に沿って連続している。
【0020】
第2n型層21の上面は、第2n側コンタクト部21aを有する。第2n側コンタクト部21aには、第2活性層22及び第2p型層23が設けられず、第2n側コンタクト部21aは、第2活性層22及び第2p型層23から露出している。
【0021】
図1に示すように、上面視において、複数の第1n側コンタクト部11aが第1方向Xにおいて互いに離れて配置されている。また、上面視において、複数の第2n側コンタクト部21aが第1方向Xにおいて互いに離れて配置されている。
【0022】
本実施形態においては、第1n側コンタクト部11aの数と第2n側コンタクト部21aの数が等しい。図1においては、例えば、3つの第2n側コンタクト部21aが第1方向Xにおいて互いに離れて配置され、3つの第1n側コンタクト部11aが第1方向Xにおいて互いに離れて配置されている。第2n側コンタクト部21aの数は1つまたは2つであってもよく、4つ以上であってもよい。また、第1n側コンタクト部11aの数は1つまたは2つであってもよく、4つ以上であってもよい。
【0023】
上面視において、第1n側コンタクト部11aの中心は、第2n側コンタクト部21aの中心を通り第1方向Xに平行な第1線L1上から離れた位置に配置されている。上面視において、第1n側コンタクト部11aと第2n側コンタクト部21aは、第1方向Xに交差する方向において離れて位置する。例えば、上面視において、第1n側コンタクト部11aは、第2n側コンタクト部21aの中心を通り第2方向Yに平行な第2線L2上に位置する。
【0024】
図2に示すように、発光素子1は、さらに、第1電極41、第2電極42、第3電極43、第4電極44、第1絶縁膜61、第2絶縁膜62、及びカバー膜63を備える。
【0025】
第1絶縁膜61は、積層体200における基板100とは反対側の表面、及びカバー膜63を覆い、積層体200を保護している。第1絶縁膜61は、例えば、SiN、SiO等を用いることができる。
【0026】
第1絶縁膜61上に、第1電極41、第2電極42、及び第3電極43が配置されている。第1電極41は、金属材料からなる。第1電極41として、例えば、Au、Pt、Pd、Rh、Ni、W、Mo、Cr、Ti、Al、Cuなどの金属、又はこれらの金属を含む合金を用いることができる。第1電極41は、単層構造としてもよいし、複数の層が積層された積層構造としてもよい。第1電極41は、例えば、Ti層、Al-Si-Cu合金層、Ti層、Pt層、Au層、Ti層がこの順に積層された積層構造とすることができる。第2電極42及び第3電極43として、第1電極41と同様の金属材料を用いることができる。
【0027】
第1電極41の一部は、第1絶縁膜61に形成された第1開口部61aを通じて、第1n側コンタクト部11aの一部に接し、第1n型層11と電気的に接続されている。
【0028】
第2電極42の一部は、第1絶縁膜61に形成された第2開口部61bを通じて、第2n側コンタクト部21aの一部に接し、第2n型層21と電気的に接続されている。
【0029】
第3電極43は、カバー膜63及び第1絶縁膜61を介して、第4電極44の上面に配置されている。第3電極43の一部は、第1絶縁膜61に形成された第3開口部61c及びカバー膜63に形成された第4開口部63aを通じて、第4電極44の一部に接している。第3電極43は、第4電極44を介して第2p型層23と電気的に接続されている。
【0030】
第4電極44は、第2p型層23の上面に配置され、第2p型層23と電気的に接続されている。第4電極44の抵抗率は、第2p型層23の抵抗率よりも低い。第4電極44は、金属材料からなる。第4電極44として、例えば、Ag、Al、Rh、Ni、Ti、Ptなどの金属、又はこれらの金属を含む合金を用いることができる。第4電極44は、後述する第3外部接続部53及び第3電極43を通じて供給される電流を第2p型層23の面方向に拡散させる。
【0031】
カバー膜63は、第4電極44の側面及び上面を覆い、第4電極44を保護している。カバー膜63は、絶縁膜である。カバー膜63の材料として、例えば、Si、Ti、Zr、Nb、Ta、Al、Hfからなる群より選択された少なくとも一種を含有する酸化物または窒化物を用いることができる。カバー膜63は、例えばSiN、SiO等を用いることができる。
【0032】
図1に示すように、第1電極41は、第1部分41aと、第1部分41aから第1方向Xに延伸する第1延伸部41bとを有する。第2電極42は、第2部分42aと、第2部分42aから第1方向Xに延伸する第2延伸部42bとを有する。上面視において、第1電極41の第1部分41aと第2電極42の第2部分42aは、第1方向Xにおいて離れて位置する。上面視において、第3電極43は、第1電極41の第1部分41aと第2電極42の第2部分42aとの間において第1方向Xに延びている。上面視において、第1電極41の第1延伸部41bと第2電極42の第2延伸部42bは、第2方向Yにおいて離れて位置する。上面視において、第3電極43は、第2方向Yにおいて第1延伸部41bと第2延伸部42bとの間に位置する。
【0033】
第2絶縁膜62は、第1絶縁膜61、第1電極41、第2電極42、及び第3電極43を覆っている。第2絶縁膜62は、第1絶縁膜61、第1電極41、第2電極42、及び第3電極43を保護している。また、第2絶縁膜62は、第1電極41と第2電極42との間、第1電極41と第3電極43との間、及び第2電極42と第3電極43との間に配置されている。第2絶縁膜62は、第1電極41と第2電極42との間、第1電極41と第3電極43との間、及び第2電極42と第3電極43との間を電気的に絶縁する。第2絶縁膜62は、例えば、SiN、SiO等を用いることができる。
【0034】
発光素子1は、さらに、第2絶縁膜62上に配置された第1外部接続部51、第2外部接続部52、及び第3外部接続部53を備える。
【0035】
第1外部接続部51として、例えば、Ti、Pt、Rh、Au、Ni、Ta、Zrなどの金属、又はこれらの金属を含む合金を用いることができる。第1外部接続部51は、単層構造としてもよいし、複数の層が積層された積層構造としてもよい。第1外部接続部51は、例えば、Ti層、Pt層、Au層がこの順に積層された積層構造を有する金属層であってもよい。第2外部接続部52及び第3外部接続部53として、第1外部接続部51と同様の金属材料を用いることができる。
【0036】
第1外部接続部51の一部は、第2絶縁膜62に形成された第5開口部62aを通じて第1電極41の第1部分41aの一部に接し、第1電極41と電気的に接続されている。
【0037】
第2外部接続部52の一部は、第2絶縁膜62に形成された第6開口部62bを通じて第2電極42の第2部分42aの一部に接し、第2電極42と電気的に接続されている。
【0038】
第3外部接続部53の一部は、第2絶縁膜62に形成された第7開口部62cを通じて第3電極43の一部に接し、第3電極43と電気的に接続されている。
【0039】
第1外部接続部51、第2外部接続部52、及び第3外部接続部53は、例えば、はんだなどの導電性部材を介して、外部回路と電気的に接続される。
【0040】
図1に示すように、上面視において、第1外部接続部51及び第2外部接続部52は、第3外部接続部53の中心を通り第1方向Xに平行な第3線L3上に位置する。すなわち、上面視における形状が長方形の積層体200の長辺方向に沿って、第1外部接続部51、第2外部接続部52、及び第3外部接続部53が互いに離れて配置されている。このような配置により、第1外部接続部51、第2外部接続部52、及び第3外部接続部53のうちの2つまたは3つを積層体200の短辺方向に沿って配置する場合に比べて、第1外部接続部51、第2外部接続部52、及び第3外部接続部53の面積を大きくすることができる。これにより、第1外部接続部51、第2外部接続部52、及び第3外部接続部53に対するはんだなどの導電性部材の接合面積を大きくでき、接合信頼性を高め、且つ接合部の抵抗を低減できる。
【0041】
また、上面視において、第3外部接続部53は、第1外部接続部51と第2外部接続部52との間に位置することが好ましい。これにより、第3外部接続部53から第2発光部20に対して電流を効率よく広げることができる。
【0042】
図2に示すように、積層体200は、第1外部接続部51、第2外部接続部52、及び第3外部接続部53が配置された面の反対側に光取り出し面203を有する。光取り出し面203は、基板100と第1活性層12との間に位置する。第1活性層12は、光取り出し面203と第2活性層22との間に位置する。
【0043】
第1活性層12の発光ピーク波長は、第2活性層22の発光ピーク波長よりも短いことが好ましい。例えば、第1活性層12の発光ピーク波長は、430nm以上480nm以下であり、第1活性層12は青色光を発光する。例えば、第2活性層22の発光ピーク波長は、500nm以上540nm以下であり、第2活性層22は緑色光を発光する。第1活性層12からの光及び第2活性層22からの光は、主に光取り出し面203から積層体200の外部に取り出される。第2活性層22よりも発光ピーク波長が短い第1活性層12を、光取り出し面203と第2活性層22との間に位置させることで、第2活性層22から光取り出し面203に向かう光が第1活性層12で吸収されにくくなる。
【0044】
本実施形態によれば、第1外部接続部51、第2外部接続部52、及び第3外部接続部53のうちの2つを選択して電圧を印加することで、発光素子1が発する光の色度調整が可能となる。
【0045】
第2外部接続部52に正電位を印加し、第1外部接続部51に第2外部接続部52に印加する電位よりも低い電位を印加すると、第1活性層12に順方向電圧がかかり、第1活性層12が発光する。このとき、発光素子1は、例えば、第1活性層12による青色光を発光する。
【0046】
第3外部接続部53に正電位を印加し、第2外部接続部52に第3外部接続部53に印加する電位よりも低い電位を印加すると、第2活性層22に順方向電圧がかかり、第2活性層22が発光する。このとき、発光素子1は、例えば、第2活性層22による緑色光を発光する。
【0047】
第3外部接続部53に正電位を印加し、第1外部接続部51に第3外部接続部53に印加する電位よりも低い電位を印加すると、第2活性層22及び第1活性層12に順方向電圧がかかり、第2活性層22と第1活性層12の両方が発光する。このとき、トンネル接合層30におけるトンネル接合(pn接合)には逆方向電圧が印加されることになる。そのため、トンネル接合層30においては、トンネル効果により電流を流す。つまり、トンネル接合層30においては、価電子帯に存在する電子を、伝導帯にトンネリングさせることで電流を流す。
【0048】
このように第1活性層12と第2活性層22の両方を発光させた場合には、発光素子1は、例えば青色光と緑色光とが混合された光を発光する。また、第1活性層12と第2活性層22のそれぞれに供給する電流値や、オンオフのデューティー比を制御することで、第1活性層12の発光と第2活性層22の発光により得られる光の色度を調整できる。
【0049】
第2活性層22のみを発光させるときや、第2活性層22と第1活性層12の両方を発光させるときには、第3外部接続部53がアノード端子として機能する。第3外部接続部53は、第3電極43を介して第4電極44と電気的に接続されている。第4電極44は、第3外部接続部53の面積及び第3電極43の面積よりも大きな面積で第2p型層23の上面に配置されている。このため、第3外部接続部53から供給される電流は、第4電極44によって第2p型層23の面方向に拡散させることができる。
【0050】
第1活性層12のみを発光させるときは、第2外部接続部52がアノード端子として機能する。第2外部接続部52は、第2電極42を介して、第2n型層21と電気的に接続されている。第2n型層21は、金属材料からなる第4電極44よりもシート抵抗が高く、第2電極42を通じて供給される電流は第2n型層21の面方向に拡散しにくい。さらに、以下に説明するように、第2n型層21を厚くできないことも、第2n型層21のシート抵抗を高くする。
【0051】
第1n型層11よりも上の各層を形成するときは、すでに形成された下の層に熱ダメージを与える懸念があるため、第1n型層11よりも上の各層の成膜時間は、第1n型層11の成膜時間よりも短くすることが好ましい。この場合、第1n型層11よりも上の各層は、第1n型層11よりも薄くなる。第2n型層21の厚さが第1n型層11よりも薄くなると、第2n型層21のシート抵抗が第1n型層11のシート抵抗よりも高くなる。そのため、第2電極42を通じて第2n型層21に供給された電流は面方向に拡散しにくくなる。電流の拡散性が低いと、第2n側コンタクト部21aと第1n側コンタクト部11aとの間の電流経路において第2n側コンタクト部21aの近くの電流密度が相対的に高くなり、発光分布(明るさや色度の分布)のムラが生じ得る。
【0052】
本実施形態によれば、第1活性層12のみを発光させるときのアノード側の第2n側コンタクト部21aと、カソード側の第1n側コンタクト部11aとの間の上面視における距離が短くなるようにする。これにより、第2n側コンタクト部21aの近くで電流密度が高くなることを抑制し、発光分布のムラを少なくすることができる。
【0053】
具体的には、本実施形態によれば、積層体200の上面視における形状を長方形にし、第1n側コンタクト部11aの中心が、第2n側コンタクト部21aの中心を通り第1方向Xに平行な第1線L1上から離れた位置に配置するようにしている。上面視において、積層体200の長辺方向(第1方向X)に対して交差する線上に、第1n側コンタクト部11aの中心と第2n側コンタクト部21aの中心とが位置するようにしている。例えば、第1n側コンタクト部11aを第2n側コンタクト部21aよりも一方の長辺201に近い位置に配置し、第2n側コンタクト部21aを第1n側コンタクト部11aよりも他方の長辺201に近い位置に配置している。
【0054】
このような実施形態と、積層体200の上面視における形状を正方形にした比較例とにおいて、積層体200の長辺201の長さを同じにした場合には、実施形態の方が第1n側コンタクト部11aと第2n側コンタクト部21aとの間の上面視における距離を短くすることができる。また、実施形態と、積層体200の上面視における形状を正方形にした比較例とにおいて、積層体200の短辺202の長さを同じにした場合には、実施形態の方が発光面積を大きくできる。したがって、実施形態によれば、発光面積を大きく確保しつつ、発光分布のムラを少なくすることができる。
【0055】
また、上面視において、第1n側コンタクト部11aを、第2n側コンタクト部21aの中心を通り第2方向Yに平行な第2線L2上に位置させることで、第1n側コンタクト部11aが第2線L2から第1方向Xにずれて位置する場合に比べて、第1n側コンタクト部11aと第2n側コンタクト部21aとの上面視での距離を短くすることができる。
【0056】
また、上面視において、複数の第2n側コンタクト部21aを第1方向Xにおいて互いに離れて配置し、複数の第1n側コンタクト部11aを第1方向Xにおいて互いに離れて配置している。これにより、積層体200の長辺方向(第1方向X)における電流密度分布の偏りを小さくできる。この場合、第2n側コンタクト部21aと第1n側コンタクト部11aとの上面視における最短距離が、第1方向Xにおいて隣り合う第2n側コンタクト部21a間の距離、及び第1方向Xにおいて隣り合う第1n側コンタクト部11a間の距離よりも短くすることで、第2n側コンタクト部21aの近くで電流密度が高くなることをより抑制できる。これにより、発光分布のムラを少なくすることができる。
【0057】
以下、第2~第6実施形態について説明する。第2~第6実施形態において、第1実施形態と異なる構成を主に説明し、第1実施形態と同様の構成については説明を省略する場合がある。
【0058】
[第2実施形態]
図3は、本発明の第2実施形態の発光素子2の模式上面図である。
【0059】
第2実施形態の発光素子2では、第2n側コンタクト部21aの数が、第1n側コンタクト部11aの数よりも多い。上面視において、第1n側コンタクト部11aは、第2n側コンタクト部21aの中心を通り第2方向Yに平行な第2線L2上に位置せず、第1n側コンタクト部11aと第2n側コンタクト部21aは、第1方向X及び第2方向Yに対して傾斜した方向において離れて位置する。
【0060】
前述したように、第2n側コンタクト部21aの近くで電流密度が高くなりやすい。そのため、第2n側コンタクト部21aの数を第1n側コンタクト部11aの数よりも多くすることで、第2n側コンタクト部21aの近くで電流密度が高くなることをより抑制できる。これにより、発光分布のムラを少なくすることができる。
【0061】
[第3実施形態]
図4は、本発明の第3実施形態の発光素子3の模式上面図である。
【0062】
上面視において、複数の第2n側コンタクト部21aが第1方向Xにおいて互いに離れて配置されている。上面視において、複数の第1n側コンタクト部11aが第1方向Xにおいて互いに離れて配置されている。上面視において、第2n側コンタクト部21aは、第1n側コンタクト部11aよりも、積層体200の長辺201に近い位置に配置されている。複数の第2n側コンタクト部21aは、上面視において第2方向Yに離れて位置する2つの第2n側コンタクト部21aの対を含む。第2方向Yに離れて位置する2つの第2n側コンタクト部21aの対が複数、第1方向Xにおいて離れて配置されている。各対を構成する2つの第2n側コンタクト部21aの中心は、第2方向Yに平行な第2線L2上に位置する。
【0063】
また、前述した複数の第2n側コンタクト部21aの対とは別に、上面視において、第1方向X及び第2方向Yに対して傾斜した方向に離れて位置する2つの第2n側コンタクト部21aを対とすることもできる。この傾斜した方向に位置する対を構成する2つの第2n側コンタクト部21aの間に第1n側コンタクト部11aが位置する。なお、第2方向Yに離れて位置する2つの第2n側コンタクト部21aの対の間に、第1n側コンタクト部11aが位置してもよい。
【0064】
第3実施形態においても、上記実施形態と同様、発光面積を大きく確保しつつ、発光分布のムラを少なくすることができる。また、第2n側コンタクト部21aの数を第1n側コンタクト部11aの数よりも多くすることで、第2n側コンタクト部21aの近くで電流密度が高くなることをより抑制できる。
【0065】
上面視において、第1n側コンタクト部11aは、第2方向Yの中央部において、第2発光部20、トンネル接合層30、第1p型層13、及び第1活性層12に形成された開口部を通じて、第2発光部20、トンネル接合層30、第1p型層13、及び第1活性層12から露出している。
【0066】
上面視において、第1電極41は、第1外部接続部51と接続される第1部分41aと、第1部分41aから第1方向Xに延伸する第1延伸部41bとを有する。第1電極41は、第1絶縁膜61に形成された第1開口部61a、カバー膜63に形成された第8開口部63b、及び第4電極44に形成された第9開口部44aを通じて、第2発光部20、トンネル接合層30、第1p型層13、及び第1活性層12から露出する第1n側コンタクト部11aに接し、第1n型層11と電気的に接続されている。第1外部接続部51は、第2絶縁膜62に形成された第5開口部62aを通じて第1電極41の第1部分41aに接し、第1電極41と電気的に接続されている。
【0067】
上面視において、第2電極42は、第2部分42aと、第2部分42aから第1方向Xに延伸する2つの第2延伸部42bとを有する。上面視において、第1電極41の第1部分41aと第2電極42の第2部分42aは、第1方向Xにおいて離れて位置する。上面視において、第2電極42の2つの第2延伸部42bの間に第1電極41の第1延伸部41bが位置する。
【0068】
第2電極42は、第1絶縁膜61に形成された第2開口部61bを通じて、第2n側コンタクト部21aに接し、第2n型層21と電気的に接続されている。第2外部接続部52は、第2絶縁膜62に形成された第6開口部62bを通じて、第2電極42の第2部分42aに接し、第2電極42と電気的に接続されている。
【0069】
上面視において、第3電極43は、第1電極41の第1部分41aと第2電極42の第2部分42aとの間において第1方向Xに延びている。上面視において、第3電極43は、第2電極42の2つの第2延伸部42bの間に位置する。第3電極43は、第1絶縁膜61に形成された第3開口部61c及びカバー膜63に形成された第4開口部63aを通じて第4電極44に接し、第4電極44を介して第2p型層23と電気的に接続されている。第3外部接続部53は、第2絶縁膜62に形成された第7開口部62cを通じて第3電極43に接し、第3電極43と電気的に接続されている。
【0070】
[第4実施形態]
図5は、本発明の第4実施形態の発光素子4の模式上面図である。
【0071】
上面視において、複数の第2n側コンタクト部21aが第1方向Xにおいて互いに離れて配置されている。上面視において、複数の第1n側コンタクト部11aが第1方向Xにおいて互いに離れて配置されている。上面視において、第1n側コンタクト部11aは、第2n側コンタクト部21aよりも、積層体200の長辺201に近い位置に配置されている。複数の第1n側コンタクト部11aは、上面視において第2方向Yに離れて位置する2つの第1n側コンタクト部11aの対を含む。第2方向Yに離れて位置する2つの第1n側コンタクト部11aの対が複数、第1方向Xにおいて離れて配置されている。各対を構成する2つの第1n側コンタクト部11aの中心は、第2方向Yに平行な第2線L2上に位置する。
【0072】
また、複数の第1n側コンタクト部11aは、上面視において、第1方向X及び第2方向Yに対して傾斜した方向に離れて位置する2つの第1n側コンタクト部11aを含む。上面視において、第1方向X及び第2方向Yに対して傾斜した方向に離れて位置する2つの第1n側コンタクト部11aの間に第2n側コンタクト部21aが位置する。なお、第2方向Yに離れて位置する2つの第1n側コンタクト部11aの間に、第2n側コンタクト部21aが位置するようにしてもよい。
【0073】
第4実施形態においても、上記実施形態と同様、発光面積を大きく確保しつつ、発光分布のムラを少なくすることができる。図5に示す例においては、第2n側コンタクト部21aの数が、第1n側コンタクト部11aの数よりも少ない。第2n側コンタクト部21aの数は、第1n側コンタクト部11aの数よりも多くすることもできる。
【0074】
上面視において、第1電極41は、第1部分41aと、第1部分41aから第1方向Xに延伸する2つの第1延伸部41bとを有する。上面視において、第2電極42は、第2部分42aと、第2部分42aから第1方向Xに延伸する第2延伸部42bとを有する。上面視において、第1電極41の第1部分41aと第2電極42の第2部分42aは、第1方向Xにおいて離れて位置する。上面視において、第1電極41の2つの第1延伸部41bの間に第2電極42の第2延伸部42bが位置する。
【0075】
上面視において、第2n側コンタクト部21aは、第2方向Yの中央部において、第2p型層23及び第2活性層22に形成された開口部を通じて、第2p型層23及び第2活性層22から露出している。第2電極42は、第1絶縁膜61に形成された第2開口部61b、カバー膜63に形成された第10開口部63c、及び第4電極44に形成された第11開口部44bを通じて、第2p型層23及び第2活性層22から露出する第2n側コンタクト部21aに接し、第2n型層21と電気的に接続されている。第2外部接続部52は、第2絶縁膜62に形成された第6開口部62bを通じて第2電極42の第2部分42aに接し、第2電極42と電気的に接続されている。
【0076】
上面視において、第3電極43は、第1電極41の第1部分41aと第2電極42の第2部分42aとの間において第1方向Xに延びている。上面視において、第3電極43は、第1電極41の2つの第1延伸部41bの間に位置する。第3電極43は、第1絶縁膜61に形成された第3開口部61c及びカバー膜63に形成された第4開口部63aを通じて第4電極44に接し、第4電極44を介して第2p型層23と電気的に接続されている。第3外部接続部53は、第2絶縁膜62に形成された第7開口部62cを通じて第3電極43に接し、第3電極43と電気的に接続されている。
【0077】
第3実施形態及び第4実施形態において、第1n側コンタクト部11aの数及び第2n側コンタクト部21aの数は、図示する数に限らない。また、第1n側コンタクト部11aは、第1方向Xに延びるライン状に形成されてもよい。第2n側コンタクト部21aは、第1方向Xに延びるライン状に形成されてもよい。
【0078】
[第5実施形態]
図6は、本発明の第5実施形態の発光素子5の模式上面図である。
【0079】
第1n側コンタクト部11aは、上面視において、積層体200の長方形の第1の角部から第1方向Xに延伸している。第2n側コンタクト部21aは、上面視において、積層体200の長方形の第1の角部の対角に位置する第2の角部から第1方向Xに延伸している。第1n側コンタクト部11aは、第2n側コンタクト部21aよりも、積層体200の一方の長辺201に近い位置で第1方向Xに延伸し、第2n側コンタクト部21aは、第1n側コンタクト部11aよりも、積層体200の他方の長辺201に近い位置で第1方向Xに延伸している。第1n側コンタクト部11aの延伸部と、第2n側コンタクト部21aの延伸部は、上面視において第2方向Yに離れて位置する。上面視において、第1n側コンタクト部11aは、第2n側コンタクト部21aの延伸部を第2方向Yにおいて2等分する中心線L4上から離れた位置に配置されている。
【0080】
第2p型層23の上面に配置された第4電極44は、第1活性層12及び第2活性層22からの光の波長に対して透光性を有する透光性導電膜である。透光性導電膜として、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、ZnO(Zinc Oxide)などの酸化膜を用いることができる。
【0081】
第5実施形態及び後述する第6実施形態では、図2に示すカバー膜63が設けられず、第4電極44は第1絶縁膜61により直接覆われている。第1絶縁膜61は、第1活性層12及び第2活性層22からの光の波長に対して透光性を有する。また、第5実施形態及び第6実施形態では、第2絶縁膜62と、第1外部接続部51~第3外部接続部53を設けていない。
【0082】
第1電極41は、第1n側コンタクト部11aに接し、第1n型層11と電気的に接続されている。第1電極41は、第1部分41aと第1延伸部41bとを有する。上面視において、第1部分41aは積層体200の長方形における上記第1の角部に配置され、第1延伸部41bは第1部分41aから第1方向Xに延伸している。
【0083】
第2電極42は、第2n側コンタクト部21aに接し、第2n型層21と電気的に接続されている。第2電極42は、第2部分42aと第2延伸部42bとを有する。上面視において、第2部分42aは積層体200の長方形における上記第2の角部に配置され、第2延伸部42bは第2部分42aから第1方向Xに延伸している。
【0084】
第3電極43は、第4電極44に接し、第4電極44を介して、第2p型層23と電気的に接続されている。上面視において、第3電極43は、第1電極41の第1延伸部41bと、第2電極42の第2延伸部42bとの間に位置する。第3電極43は、第3部分43aと、2つの第3延伸部43bとを有する。上面視において、第3部分43aは、積層体200の長方形の中央部に位置する。2つの第3延伸部43bは、第3部分43aから、第1方向Xに平行な方向おいて互いに反対方向に延伸している。
【0085】
前述した第1実施形態~第4実施形態の発光素子1~発光素子4は、第1外部接続部51~第3外部接続部53を実装基板に対向させ、積層体200の第1n型層11に含まれる光取り出し面203を実装基板の表面(実装面)の反対側に向けた、いわゆるフリップチップ実装を採用することが好ましい。
【0086】
第5実施形態の発光素子5は、第1電極41~第4電極44を実装基板の表面の反対側に向けて実装する、いわゆるフェイスアップ実装を採用することが好ましい。第1活性層12及び第2活性層22からの光は、主に、第2p型層23、及び透光性導電膜である第4電極44を介して発光素子5の外部に取り出される。第1電極41の第1部分41a、第2電極42の第2部分42a、及び第3電極43の第3部分43aは、例えば、ワイヤなどの導電性部材を介して、実装基板の回路と電気的に接続される。
【0087】
第5実施形態と、積層体200の上面視における形状を正方形にした比較例とにおいて、積層体200の長辺201の長さを同じにした場合には、第5実施形態の方が第1n側コンタクト部11aと第2n側コンタクト部21aとの間の上面視における距離を短くすることができる。また、第5実施形態と、積層体200の上面視における形状を正方形にした比較例とにおいて、積層体200の短辺202の長さを同じにした場合には、第5実施形態の方が発光面積を大きくできる。したがって、第5実施形態によれば、発光面積を大きく確保しつつ、発光分布のムラを少なくすることができる。
【0088】
[第6実施形態]
図7は、本発明の第6実施形態の発光素子6の模式上面図である。
【0089】
第6実施形態の発光素子6も、第5実施形態の発光素子5と同様、第1電極41~第4電極44を実装基板の表面の反対側に向けて実装する、いわゆるフェイスアップ実装を採用することが好ましい。第1活性層12及び第2活性層22からの光は、主に、第2p型層23、及び透光性導電膜である第4電極44を介して発光素子6の外部に取り出される。
【0090】
第1n側コンタクト部11aは、上面視において、積層体200の長方形の一方の短辺202側から第1方向Xに延伸している。第2n側コンタクト部21aは、上面視において、積層体200の長方形の他方の短辺202側から第1方向Xに延伸している。上面視において、第2n側コンタクト部21aは、第2方向Yにおいて離れて配置された2つの延伸部を有する。上面視において、第1n側コンタクト部11aの延伸部の一部は、第2n側コンタクト部21aの2つの延伸部の間に位置する。上面視において、第1n側コンタクト部11aは、第2n側コンタクト部21aの各延伸部を第2方向Yにおいて2等分する中心線L4上から離れた位置に配置されている。
【0091】
第1電極41は、第1n側コンタクト部11aに接し、第1n型層11と電気的に接続されている。第1電極41は、第1部分41aと第1延伸部41bとを有する。上面視において、第1部分41aは、積層体200の長方形における一方の短辺202の近くに配置され、第1延伸部41bは第1部分41aから第1方向Xに延伸している。
【0092】
第2電極42は、第2n側コンタクト部21aに接し、第2n型層21と電気的に接続されている。第2電極42は、第2部分42aと、2つの第2延伸部42bとを有する。各第2延伸部42bは、第2n側コンタクト部21aの各延伸部上に配置されている。上面視において、第2部分42aは積層体200の長方形における他方の短辺202の近くに配置され、第2延伸部42bは第2部分42aから第1方向Xに延伸している。
【0093】
第3電極43は、第4電極44に接し、第4電極44を介して、第2p型層23と電気的に接続されている。上面視において、第3電極43は、第2電極42の2つの第2延伸部42bの間に位置する。第3電極43は、第3部分43aと、第3部分43aから第1方向Xに延伸する第3延伸部43bとを有する。さらに、第3電極43は、第3延伸部43bから第1方向Xに延伸する2つの第4延伸部43cを有する。上面視において、第1電極41の第1延伸部41bの一部は、第3電極43の2つの第4延伸部43cの間に位置する。
【0094】
第6実施形態の発光素子6は、第1n側コンタクト部11aと第2n側コンタクト部21aとの間の上面視における距離を短くすることができる。これにより、第2n側コンタクト部21aの近くで電流密度が高くなることを抑制し、発光分布のムラを少なくすることができる。
【0095】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。本発明の上述した実施形態を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての形態も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0096】
1~6…発光素子、10…第1発光部、11…第1n型層、11a…第1n側コンタクト部、12…第1活性層、13…第1p型層、20…第2発光部、21…第2n型層、21a…第2n側コンタクト部、22…第2活性層、23…第2p型層、30…トンネル接合層、41…第1電極、42…第2電極、43…第3電極、44…第4電極、51…第1外部接続部、52…第2外部接続部、53…第3外部接続部、61…第1絶縁膜、62…第2絶縁膜、63…カバー膜、100…基板、200…積層体、201…長辺、202…短辺、203…光取り出し面、X…第1方向、Y…第2方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7