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特許7344503ペロブスカイト型酸化物粒子生成用の未焼成酸化物粒子、未焼成酸化物粒子及びペロブスカイト型酸化物粒子の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-06
(45)【発行日】2023-09-14
(54)【発明の名称】ペロブスカイト型酸化物粒子生成用の未焼成酸化物粒子、未焼成酸化物粒子及びペロブスカイト型酸化物粒子の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C01G 51/00 20060101AFI20230907BHJP
   C01G 49/00 20060101ALI20230907BHJP
   H01M 4/86 20060101ALI20230907BHJP
   H01M 4/88 20060101ALI20230907BHJP
   H01M 8/12 20160101ALI20230907BHJP
【FI】
C01G51/00 A
C01G49/00 D
C01G49/00 H
C01G51/00 B
H01M4/86 T
H01M4/88 T
H01M8/12 101
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019123890
(22)【出願日】2019-07-02
(65)【公開番号】P2021008387
(43)【公開日】2021-01-28
【審査請求日】2022-03-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000004293
【氏名又は名称】株式会社ノリタケカンパニーリミテド
(73)【特許権者】
【識別番号】301021533
【氏名又は名称】国立研究開発法人産業技術総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】犬飼 浩之
(72)【発明者】
【氏名】申 ウソク
(72)【発明者】
【氏名】鶴田 彰宏
【審査官】青木 千歌子
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2011-0096998(KR,A)
【文献】特開平04-254419(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01G 51/00
C01G 49/00
H01M 4/86
H01M 4/88
H01M 8/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均粒径が30~200nmで、
平均アスペクト比が1.0~1.6の球状であり、
ランタンまたはランタン及びストロンチウムからなるA群元素と、コバルトまたはコバルト及び鉄からなるB群元素とを、等モル有し、
非晶質の上記A群元素を含む上記B群元素の酸化物からなる
ペロブスカイト型酸化物粒子生成用の未焼成酸化物粒子。
【請求項2】
平均粒径が30~200nmで、
平均アスペクト比が1.0~1.6の球状であり、
ランタンまたはランタン及びストロンチウムからなるA群元素と、コバルトまたはコバルト及び鉄からなるB群元素とを、等モル有し、
非晶質の上記A群元素を含む上記B群元素の酸化物からなる
ペロブスカイト型酸化物粒子生成用の未焼成酸化物粒子の製造方法であって、
ポリオール、水、ポリビニルピロリドンとを含み、ランタン源または上記ランタン源及びストロンチウム源と、コバルト源または上記コバルト源及び鉄源とが溶解された、pH7.0以上の反応混合液を得る反応混合液調製工程と、
上記反応混合液を加熱して結晶粒子を析出させ、その後、常温まで自然冷却してスラリーを得る加熱冷却工程と、
上記スラリーを水またはアルコールで洗浄し乾燥させて、上記ペロブスカイト型酸化物粒子生成用の未焼成酸化物粒子を得る洗浄乾燥工程と、を備える
ペロブスカイト型酸化物粒子生成用の未焼成酸化物粒子の製造方法。
【請求項3】
請求項2に記載のペロブスカイト型酸化物粒子生成用の未焼成酸化物粒子の製造方法であって、
前記反応混合液に含まれる前記ポリオールは、ジエチレングリコールである
ペロブスカイト型酸化物粒子生成用の未焼成酸化物粒子の製造方法。
【請求項4】
平均粒径が30~200nmで、
平均アスペクト比が1.0~1.6の球状であり、
ABO3で示されるペロブスカイト型結晶構造を有し、
Aサイトに、ランタンまたはランタン及びストロンチウムを有し、
Bサイトに、コバルトまたはコバルト及び鉄を有する
酸化物からなる
ペロブスカイト型酸化物粒子の製造方法であって、
請求項2または請求項3に記載のペロブスカイト型酸化物粒子生成用の未焼成酸化物粒子の製造方法で製造したペロブスカイト型酸化物粒子生成用の未焼成酸化物粒子を焼成して、
粒子相互の焼結を防止しつつ、前記A群元素と前記B群元素とを反応させて上記ペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物として、上記ペロブスカイト型酸化物粒子を得る焼成工程を備える
ペロブスカイト型酸化物粒子の製造方法。
【請求項5】
平均粒径が30~200nmで、
平均アスペクト比が1.0~1.6の球状であり、
ABO3で示されるペロブスカイト型結晶構造を有し、
Aサイトに、ランタンまたはランタン及びストロンチウムを有し、
Bサイトに、コバルトまたはコバルト及び鉄を有する
酸化物からなる
ペロブスカイト型酸化物粒子の製造方法であって、
平均粒径が30~200nmで、
平均アスペクト比が1.0~1.6の球状であり、
ランタンまたはランタン及びストロンチウムからなるA群元素と、コバルトまたはコバルト及び鉄からなるB群元素とを、等モル有し、
非晶質の上記A群元素を含む上記B群元素の酸化物からなる
未焼成酸化物粒子を焼成して、
粒子相互の焼結を防止しつつ、上記A群元素と上記B群元素とを反応させて上記ペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物として、上記ペロブスカイト型酸化物粒子を得る焼成工程を備える
ペロブスカイト型酸化物粒子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペロブスカイト型酸化物粒子生成用の未焼成酸化物粒子、この未焼成酸化物粒子の製造方法、及び、ペロブスカイト型酸化物粒子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
固体酸化物型燃料電池の空気極などには、ランタンコバルト系ペロブスカイト型酸化物やランタン鉄系ペロブスカイト型酸化物の粒子が用いられる。このようなペロブスカイト型酸化物の粒子の製造手法としては、例えば、特許文献1,2が挙げられる。
【0003】
このうち特許文献1には、所定の元素からなるペロブスカイト複合酸化物粉体であって、平均粒径が1μm以下であり、且つ粒度分布の幅が所定範囲内に制限された固体電解質型燃料電池の空気極原料粉体が記載されている。またその製造方法として、出発原料である各金属を含む硝酸塩を水に溶解させ、この溶液に中和剤のNH4OHを用いて、各元素を含む塩を共沈させる。この塩を洗浄した後に1000℃で仮焼し、仮焼物を粉砕し、さらにジェットミルで粗大粒子を除去して、空気極原料粉体を得る手法が開示されている。
また、特許文献2には、出発原料である各金属を含む硝酸塩を水に溶解させた溶液に、炭酸アンモニウム溶液を加えて中和させ、ペロブスカイト型酸化物の非晶質の前駆体を析出させて、ウェットケーキを得る。さらにこれをペレット状に成形し乾燥させた後、焼成して、ペロブスカイト型複合酸化物を得る手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2006-32132号公報
【文献】特開2014-162703号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1,2に記載の手法で、微小の粒子を得るには、結局、焼成体を粉砕して粒子を得ることになり、粒子の形状が不定形となるため、この粒子を用いてペーストとし塗布しても、粒子を十分充填できず低く塗膜の密度を高くできない。また、粒径が200nm以下の微小な粒子とすることも難しい。
【0006】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであって、ごく微小の粒径であり、しかも、ペーストとし印刷、乾燥して塗膜を形成した場合に、充填率が高く塗膜密度の高い塗膜とすることができるペロブスカイト型酸化物粒子を容易に得ることができるペロブスカイト型酸化物粒子生成用の未焼成酸化物粒子を提供する。さらに、安価な原材料を用い、低コストで上述の未焼成酸化物粒子を製造できる未焼成酸化物粒子の製造方法を提供する。あるいは、ごく微小の粒径、小さなアスペクト比を有する球状の酸化物粒子を製造できる酸化物粒子の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
先ず、平均粒径が30~200nmで、平均アスペクト比が1.0~1.6の球状であり、組成式がABO3で示されるペロブスカイト型結晶構造を有し、Aサイトに、ランタンまたはランタン及びストロンチウムを有し、Bサイトに、コバルトまたはコバルト及び鉄を有する酸化物からなるペロブスカイト型酸化物粒子とするのが好ましい
【0008】
の、ペロブスカイト型酸化物粒子は、Aサイトがランタンまたはランタン及びストロンチウムであり、Bサイトがコバルトまたはコバルト及び鉄であり、組成式がABO3で示されるペロブスカイト型酸化物の粒子である。即ち、組成式La1-xSrxCo1-yFey3-z(0≦x<1、0≦y<1、0≦z<1)で示される酸化物の粒子である。そして、このペロブスカイト型酸化物粒子は、ごく微小の平均粒径(30~200nm)を有している。しかも、平均アスペクト比が1に近い(1.0~1.6の範囲の)球状の粒子であるので、これをペーストとし印刷、乾燥して塗膜を形成すると、粒子の充填率を高くでき、塗膜密度の高い塗膜とすることができる。
【0009】
なお、組成式La1-xSrxCo1-yFey3-z(0≦x<1、0≦y<1、0≦z<1)で示される酸化物のペロブスカイト型酸化物において、AサイトとBサイトの元素の量比が1:1からずれていても許容される。
【0010】
ペロブスカイト型酸化物粒子の平均粒径及び平均アスペクト比は、以下の手法で取得する。即ち、走査型電子顕微鏡(例えば、日本電子製)を用い、5万倍の倍率でペロブスカイト型酸化物粒子の群を観察し、無作為に抽出した30ヶの粒子について、長径及び短径をそれぞれ計測する。そして、これらを平均した値を、当該粒子の粒径とする。さらに、粒子30個分の粒径の平均を、当該ペロブスカイト型酸化物粒子の平均粒径とする。また、各粒子についての長径と短径の比(長径/短径)であるアスペクト比を求める。そして、粒子30個分のアスペクト比の平均を、当該ペロブスカイト型酸化物粒子の平均アスペクト比とする。
【0011】
上記課題を解決するための本発明の一態様は、平均粒径が30~200nmで、平均アスペクト比が1.0~1.6の球状であり、ランタンまたはランタン及びストロンチウムからなるA群元素と、コバルトまたはコバルト及び鉄からなるB群元素とを、等モル有し、非晶質の上記A群元素を含む上記B群元素の酸化物からなるペロブスカイト型酸化物粒子生成用の未焼成酸化物粒子である。
【0012】
このペロブスカイト型酸化物粒子生成用の未焼成酸化物粒子は、平均粒径が30~200nmのごく微小で、しかも平均アスペクト比が1に近い(1.0~1.6の範囲の)球状である。そして、A群元素とB群元素とを等モル有している。このため、この未焼成酸化物粒子は、適切な条件で焼成すれば、容易に、平均粒径が30~200nmのごく微小で、しかも平均アスペクト比が1に近い(1.0~1.6の範囲の)球状で、Aサイトに、ランタンまたはランタン及びストロンチウムを有し、Bサイトに、コバルトまたはコバルト及び鉄を有するペロブスカイト型酸化物粒子を得ることができる。
【0013】
なお、この未焼成酸化粒粒子では、A群元素とB群元素とを等モル有しているとした。但し、A群元素とB群元素とで構成される、組成式ABO3で示されるペロブスカイト型結晶構造の酸化物が、この結晶構造を維持できる範囲内での、A群元素とB群元素とのモル比の変動は、等モルの範囲内として許容される。即ち、組成式La1-xSrxCo1-yFey3-z(0≦x<1、0≦y<1、0≦z<1)で示されるペロブスカイト型酸化物において、AサイトとBサイトの元素の量比が1:1からずれが生じていても許容される。
【0014】
ペロブスカイト型酸化物粒子生成用の未焼成酸化物粒子の平均粒径及び平均アスペクト比の算出方法は、前述の酸化物粒子の場合と同様である。即ち、走査型電子顕微鏡(例えば、日本電子製)を用い、5万倍の倍率でペロブスカイト型酸化物粒子生成用の未焼成酸化物粒子の群を観察し、無作為に抽出した30ヶの粒子について、長径及び短径をそれぞれ計測する。そして、これらを平均した値を、当該粒子の粒径とする。さらに、粒子30個分の粒径の平均を、当該未焼成酸化物粒子の平均粒径とした。また、各粒子についての長径と短径の比(長径/短径)であるアスペクト比を求める、そして、粒子30個分のアスペクト比の平均を、当該未焼成酸化物粒子の平均アスペクト比とする。
【0015】
さらに他の解決手段は、平均粒径が30~200nmで、平均アスペクト比が1.0~1.6の球状であり、ランタンまたはランタン及びストロンチウムからなるA群元素と、コバルトまたはコバルト及び鉄からなるB群元素とを、等モル有し、非晶質の上記A群元素を含む上記B群元素の酸化物からなり、ペロブスカイト型酸化物粒子生成用の未焼成酸化物粒子の製造方法であって、ポリオール、水、ポリビニルピロリドンとを含み、ランタン源または上記ランタン源及びストロンチウム源と、コバルト源または上記コバルト源及び鉄源とが溶解された、pH7.0以上の反応混合液を得る反応混合液調製工程と、上記反応混合液を加熱して結晶粒子を析出させ、その後、常温まで自然冷却してスラリーを得る加熱冷却工程と、上記スラリーを水またはアルコールで洗浄し乾燥させて、上記ペロブスカイト型酸化物粒子生成用の未焼成酸化物粒子を得る洗浄乾燥工程と、を備えるペロブスカイト型酸化物粒子生成用の未焼成酸化物粒子の製造方法とすると良い。
【0016】
この未焼成酸化物粒子の製造方法では、安価な原材料を用い、しかも、簡単な手法で、球状の未焼成酸化物粒子を得ることができる。また、反応混合液のpHを7.0以上とすることで、加熱冷却工程における加熱によって、結晶粒子を析出させることができる。
【0017】
反応混合液に用いるポリオール(多価アルコール)としては、ジエチレングリコール(DEG:沸点245℃)のほか、エチレングリコール(沸点198℃)、プロピレングリコール(沸点188℃)なども挙げられる。このうち、ジエチレングリコール(DEG)を用いるのが、高沸点であり、より高い温度で加熱還流できる点で良い。これらの溶媒は、加熱還流すると酸化されてアルデヒドを生じ、このアルデヒドにより金属が還元されて、前駆体(核)が析出する。
また、反応混合液に溶解された、ランタン源、ストロンチウム源、コバルト源、及び、鉄源は、未焼成酸化物粒子におけるA群元素及びB群元素の出発原料である。ランタン源、ストロンチウム源、コバルト源、及び、鉄源としては、例えば、酢酸ランタン、酢酸コバルトなどの酢酸塩や、硝酸ランタン、硝酸鉄などの硝酸塩を用いると良い。酢酸イオンや硝酸イオンは、水やポリオールに溶解しやすく、洗浄後に残留したとしても、加熱して分解させることで気体になるので、ペロブスカイト型酸化物粒子生成用の未焼成酸化物粒子内に残留した場合でも、その後の加熱により、分解除去できるからである。そのほか、各金属の塩化物塩、水酸化物をも用い得るが、水やポリオールへの溶解度が低い場合には、必要量を溶解できず、金属元素の組成比にずれを生じるおそれがあるので、使用量等を考慮して選択するとよい。
なお、ポリビニルピロリドン(PVP)は、加熱冷却工程で析出する結晶粒子が、球状化するのに寄与する。
また、反応混合液を加熱するに当たっては、溶媒の蒸発等によって反応混合液の濃度が変化するのを抑制し、かつ加熱温度を所定の温度に保つため、加熱還流を行うのが好ましい。
【0018】
上述のペロブスカイト型酸化物粒子生成用の未焼成酸化物粒子の製造方法であって、前記反応混合液に含まれる前記ポリオールは、ジエチレングリコールであるペロブスカイト型酸化物粒子生成用の未焼成酸化物粒子の製造方法とすると良い。
【0019】
この未焼成酸化物粒子の製造方法では、反応混合液に含まれる前記ポリオールとして、ジエチレングリコールを用いる。ジエチレングリコールは、エチレングリコール、プロピレングリコールなど、他のポリオールに比して沸点(245℃)及び引火点が高く、高温での反応が可能である。また有毒な蒸気を発生せず、皮膚吸収されないため、扱いやすい点でさらに好ましい。
【0020】
さらに他の解決手段は、平均粒径が30~200nmで、平均アスペクト比が1.0~1.6の球状であり、ABO3で示されるペロブスカイト型結晶構造を有し、Aサイトに、ランタンまたはランタン及びストロンチウムを有し、Bサイトに、コバルトまたはコバルト及び鉄を有する酸化物からなるペロブスカイト型酸化物粒子の製造方法であって、前述のペロブスカイト型酸化物粒子生成用の未焼成酸化物粒子の製造方法で製造したペロブスカイト型酸化物粒子生成用の未焼成酸化物粒子を焼成して、粒子相互の焼結を防止しつつ、前記A群元素と前記B群元素とを反応させて上記ペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物として、上記ペロブスカイト型酸化物粒子を得る焼成工程を備えるペロブスカイト型酸化物粒子の製造方法である。
【0021】
このペロブスカイト型酸化物粒子の製造方法では、前述の製造方法で製造したペロブスカイト型酸化物粒子生成用の未焼成酸化物粒子を用い、未焼成酸化物粒子を粒子相互の焼結を防止しつつ焼成するので、製造方法全体としても、安価で容易に、平均粒径が30~200nmで、平均アスペクト比が1.0~1.6の球状のペロブスカイト型酸化物粒子を容易に得ることができる。
【0022】
なお、焼成工程において、粒子相互の焼結を防止しつつ、A群元素とB群元素とを反応させてペロブスカイト型結晶構造の酸化物を生成するには、焼成温度及び焼成時間を調整すると良い。例えば、大気雰囲気下で焼成温度を500-700℃程度とし、焼成時間を1~4時間程度にする焼成工程が挙げられる。
【0023】
さらに他の解決手段は、平均粒径が30~200nmで、平均アスペクト比が1.0~1.6の球状であり、ABO3で示されるペロブスカイト型結晶構造を有し、Aサイトに、ランタンまたはランタン及びストロンチウムを有し、Bサイトに、コバルトまたはコバルト及び鉄を有する酸化物からなるペロブスカイト型酸化物粒子の製造方法であって、平均粒径が30~200nmで、平均アスペクト比が1.0~1.6の球状であり、ランタンまたはランタン及びストロンチウムからなるA群元素と、コバルトまたはコバルト及び鉄からなるB群元素とを、等モル有し、非晶質の上記A群元素を含む上記B群元素の酸化物からなる未焼成酸化物粒子を焼成して、粒子相互の焼結を防止しつつ、上記A群元素と上記B群元素とを反応させて上記ペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物として、上記ペロブスカイト型酸化物粒子を得る焼成工程を備えるペロブスカイト型酸化物粒子の製造方法とすると良い。
【0024】
このペロブスカイト型酸化物粒子の製造方法では、未焼成酸化物粒子を粒子相互の焼結を防止しつつ焼成して、ペロブスカイト型酸化物粒子を得るので、未焼成酸化物粒子とほぼ同じ大きさや形状のペロブスカイト型酸化物粒子を得ることができる。このため、平均粒径が30~200nmで、平均アスペクト比が1.0~1.6の球状のペロブスカイト型酸化物粒子を容易に得ることができる。
【0025】
なお、この焼成工程においても、粒子相互の焼結を防止しつつ、A群元素とB群元素とを反応させてペロブスカイト型結晶構造の酸化物を生成するには、焼成温度及び焼成時間を調整すると良い。例えば、大気雰囲気下で焼成温度を500-700℃程度とし、焼成時間を1~4時間程度にする焼成工程が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】実施形態に係るペロブスカイト型酸化物粒子生成用の未焼成酸化物粒子、及び、ペロブスカイト型酸化物粒子の製造工程を示すフローチャートである。
図2】実施例1に係るペロブスカイト型酸化物粒子生成用の未焼成酸化物粒子のSEM写真である。
図3】実施例1に係るペロブスカイト型酸化物粒子のSEM写真である。
図4】実施例1に係るペロブスカイト型酸化物粒子生成用の未焼成酸化物粒子のXRDパターン及びCoOのXRDピークパターンを示すグラフである。
図5】実施例1に係るペロブスカイト型酸化物粒子のXRDパターン及びLaCoO3及びCo34のXRDピークパターンを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(実施形態)
実施形態(実施例1~8)に掛かるペロブスカイト型酸化物粒子生成用の未焼成酸化物粒子Pm、ペロブスカイト型酸化物粒子Pp、及びこれらの製造について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る未焼成酸化物粒子Pm、及び、ペロブスカイト型酸化物粒子Ppの製造の流れを示すフローチャートである。
【0028】
本実施形態では、まず、DEG準備工程SAで、ポリオールの1種であるジエチレングリコール(DEG)を用意する。元素源準備工程SBでは、出発原料、即ち、酢酸塩、硝酸塩などからなるペロブスカイト型酸化物粒子Ppを構成する各元素(金属イオン)源を用意する。また、PVP準備工程SCでは、ポリビニルピロリドン(PVP)を用意する。PVPは、後述する加熱冷却工程S2において析出する結晶粒子が、球状化するのに寄与する。アルカリ水溶液準備工程SDでは、KOHの水溶液を準備する。以下では、実施例1に即して説明する(表1参照)。
【0029】
【表1】
【0030】
(実施例1)
反応混合液調製工程S1において、反応混合液を調製する。具体的には、まず、ジエチレングリコール(DEG)70mLと、水酸化カリウム(KOH)水溶液10mLを併せた合計80mLの混合溶媒を用意した。なお、KOHの濃度は、混合溶媒(80mL)において、0.50M(=0.50mol/L)となる濃度に調製してある。この混合溶媒に、La源である酢酸ランタン1.5水和物を3.43g(0.01mol)と、酢酸コバルト4水和物を2.49g(0.01mol)を秤量し溶解させた。また、水溶性の高分子であるポリビニルピロリドン(PVP、分子量10000g/mol)を8g(=100g/Lの割合で)溶解して、pH9.4のアルカリ性の反応混合液を調製した。
【0031】
その後、加熱冷却工程S2では、反応混合液を200℃で8時間にわたり加熱還流して、結晶粒子を析出させる。これを、室温まで自然冷却して、結晶粒子を含むスラリーを得る。
【0032】
洗浄乾燥工程S3では、得られたスラリーを遠心分離して固相分と液相分を分離し、得られた固形分をアルコール洗浄後、90℃で1時間乾燥させて、粉末状の未焼成酸化物粒子Pmを回収した。得られた未焼成酸化物粒子Pmは、図2に示すSEM写真から判るように、いずれも球状である。この実施例1の未焼成酸化物粒子Pmの平均粒径は66nmであり、平均アスペクト比は1.1であった。また、粒径のばらつきの大きさを示す変動係数(CV値)は、15%であった(表1参照)。
【0033】
なお、本実施形態(実施例及び比較例)における、平均粒径、平均アスペクト比、CV値の取得に当たっては、試料の粒子を、日本電子製走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、5万倍の倍率で撮影し(図2参照)、画像から算出した。具体的には、撮影された画像から、無作為に30個の粒子を抽出し、各粒子の長径および短径を計測する。これらを平均した値をその粒子の粒径とし、長径と短径の比をその粒子のアスペクト比とした。粒子30個分の粒径の平均値を平均粒径とし、平均のアスペクト比を平均アスペクト比とした。また、粒径の変動係数(CV値)は、CV値=粒径分布の標準偏差/平均粒子径×100(%)により算出した。粒子の形状が板状の場合には、平面に沿う最大径をその粒子の粒径とした。
【0034】
また、図4に示すように、上段に示す未焼成酸化物粒子PmのXRDパターンが、下段に示すCoOのXRDピークパターンに合致していることから、この未焼成酸化物粒子Pmは、酸化コバルトCoOからなる酸化物の結晶粒子であることが判る。その一方、ランタン(La元素)による結晶ピークが表れていないことから、この粒子には、ランタンを非晶質として含んでいることが判る。なお、XRDパターンの取得には、RIGAKU社製のX線回折装置RINT-TTRIIIを用いた。具体的には、CuKα線(加速電圧40kV,電流50mA)を用い、スキャンスピード1°/min、スラップ幅0.01°、測定温度25度(室温)で測定を行った。
【0035】
その後、焼成工程S4で、得られた未焼成酸化物粒子Pmを、大気雰囲気炉で600℃で4時間焼成した。これにより、未焼成酸化物粒子を粒子相互の焼結を防止しつつ、焼成して、焼成前の未焼成酸化物粒子Pmと同等の大きさで、いずれも球状の酸化物粒子を得た(図3参照)。この酸化物粒子は、図5に示すように、上段に示すこの酸化物粒子PpのXRDパターンが、下段に示すLaCoO3のピークパターン、及びCo34のXRDピークパターンに合致していることから、ペロブスカイト構造のLaCoO3を主成分(メインピークを示す成分)とし、副成分としてCo34を含むペロブスカイト型酸化物粒子Ppが得られたことが判る。この実施例1のペロブスカイト型酸化物粒子Ppの平均粒径は、65nmであり、平均アスペクト比は、1.1であった。また、粒径のばらつきの大きさを示す変動係数(CV値)は、15%であった(表1参照)。
【0036】
(実施例2,3,4)
実施例2では、反応混合液調製工程S1において、実施例1で用いた酢酸ランタンの代わりに、硝酸ランタン6水和物を4.33g(0.01mol)を用い、他は実施例1と同様にして、未焼成酸化物粒子Pm及びペロブスカイト型酸化物粒子Ppを得た。
実施例3では、反応混合液調製工程S1において、La源として硝酸ランタン6水和物3.90g(0.009mol)を用いたのに加えて、A群元素のSr源として酢酸ストロンチウム0.5水和物0.21g(0.001mol)を用い、他は実施例1と同様にして、未焼成酸化物粒子Pm及びペロブスカイト型酸化物粒子Ppを得た。
また、実施例4では、La源として硝酸ランタン6水和物2.60g(0.006mol)とSr源として酢酸ストロンチウム0.5水和物0.86g(0.004mol)を用い、他は実施例1と同様にして、未焼成酸化物粒子Pm及びペロブスカイト型酸化物粒子Ppを得た。
これにより、それぞれペロブスカイト構造のLaCoO3,La0.9Sr0.1CoO3、La0.6Sr0.4CoO3を主成分(メインピークの成分)とする球状の粒子が得られた。
なお、これら実施例2,3,4の未焼成酸化物粒子Pm及びペロブスカイト型酸化物粒子Ppの平均粒径、平均アスペクト比、及びCV値は、表1に示すとおりである。
【0037】
(実施例5)
実施例5では、反応混合液調製工程S1において、実施例1で用いた酢酸コバルトの代わりに、硝酸鉄(III)9水和物4.04g(0.01mol)を用い、他は実施例1と同様にして、ペロブスカイト型酸化物粒子Ppを得た。これにより、ペロブスカイト構造のLaFeO3を主成分(メインピークの成分)とする球状の粒子が得られた。
この実施例5の未焼成酸化物粒子Pm及びペロブスカイト型酸化物粒子Ppの平均粒径、平均アスペクト比、及びCV値も、表1に示すとおりである。
【0038】
(実施例6)
実施例6では、反応混合液調製工程S1において、La源とSr源として、硝酸ランタン6水和物2.60g(0.006mol)と酢酸ストロンチウム0.5水和物0.86g(0.004mol)を用い、Co源及びFe源として、酢酸コバルト0.50g(0.002mol)、硝酸鉄(III)9水和物3.23g(0.008mol)を用い、他は実施例1と同様にして、ペロブスカイト型酸化物粒子Ppを得た。これにより、ペロブスカイト構造のLa0.6Sr0.4Co0.2Fe0.83を主成分(メインピークの成分)とする球状の粒子が得られた。
この実施例6の未焼成酸化物粒子Pm及びペロブスカイト型酸化物粒子Ppの平均粒径、平均アスペクト比、及びCV値も、表1に示すとおりである。
【0039】
(実施例7,8、比較例1)
実施例7,8,及び比較例1では、実施例1に比して、使用するアルカリ水溶液(KOH)の濃度を低くし(0.50Mから0.25Mとし)た。併せて、反応混合液(DEGとアルカリ水溶液の混合溶媒)におけるジエチレングリコール(DEG)と水の比率を異ならせた。即ち、DEGと水の比率を、実施例7では実施例1と同じ70mL対10mLとする一方、実施例8では50mL対30mL、比較例1では30mL対50mLとした。そして、他は実施例1と同様にして、未焼成酸化物粒子Pm及びペロブスカイト型酸化物粒子Ppを得た。これにより、ペロブスカイト構造のLaCoO3を主成分(メインピークの成分)とする粒子を得た。
但し、実施例7,8では、球状の粒子Pm,Ppが得られたが、比較例1では、球状と板状の粒子が混在していた。また、実施例7,8及び比較例1を比較すると、水の割合が多くなるほど、未焼成酸化物粒子Pm及びペロブスカイト型酸化物粒子Ppの平均粒径が大きくなる傾向(例えば粒子Ppについて、実施例7では92nm、実施例8では149nm、比較例1では173nm)が見られ、平均アスペクト比も、水が多くなるほど大きく(粒子がいびつに)なる傾向(粒子Pm,Ppについて、実施例7では1.2、実施例8では1.5、比較例1では1.7)が見られた。したがって、平均アスペクト比が1.6以下になるようにするのが好ましいことがわかる。
【0040】
(比較例2)
比較例2では、反応混合液調製工程S1において、実施例1で用いたKOHに代えて、水を用い、他は実施例1と同様にして、加熱冷却工程S2を行った。しかし、比較例2においては、生成物はほとんど得られなかった。わずかに回収された沈殿物は、XRDにおいて、結晶を示すピークが観察されず、非晶質の物質であった。また、これを焼成した粒子はLaCoO3であったが、粒子の形状は不定形であった。このことから、加熱冷却工程S2で未焼成酸化物粒子のスラリーを得るのには、反応混合液を中性あるいはアルカリ性にすることが必要であることが判る。
【0041】
(比較例3)
比較例3では、反応混合液調製工程S1において、実施例5と同じく、La源とSr源として、硝酸ランタン6水和物2.60g(0.006mol)と酢酸ストロンチウム0.5水和物0.86g(0.004mol)を用い、Co源及びFe源として、酢酸コバルト0.50g(0.002mol)、硝酸鉄(III)9水和物3.23g(0.008mol)を用いたが、アルカリ水溶液として、KOH水溶液の代わりに、炭酸アンモニウム水溶液(DEGとの混合後に0.50Mとなる濃度)を使用し、他は実施例1及び実施例5と同様にして、加熱冷却工程S2を行った。
【0042】
しかし、非晶質の沈殿物は得られたものの、球状の酸化物粒子は得られなかった。この沈殿物を焼成(焼成工程S4)した粉末は、ペロブスカイト構造のLa0.6Sr0.4Co0.2Fe0.83であったが、粒子の形状は不定形であり、しかも強く凝集し粒子同士が結合して大きな塊となった。粉砕して得られた粒子も不定形で、粒径も不均一であり、平均粒径も大きい(433nm)ものとなった。この結果から、反応混合液調製工程S1において、アルカリ水溶液として、KOHの水溶液を用いるのが好ましいことが判る。
【0043】
(比較例4)
比較例4では、実施例1と異なり、反応混合液調製工程S1において、PVPを用いないで、他は実施例1と同様にして、加熱冷却工程S2を行った。
回収された沈殿物は、XRDにおいて、CoO結晶を示すピークが観察された。また、これを焼成した粒子はLaCoO3であったが、粒子の形状は不定形であった。このことから、球状の未焼成酸化物粒子Pm及びペロブスカイト型酸化物粒子Ppを得るにあたり、反応混合液に添加したPVPが寄与していることが判る。
【0044】
(得られたペロブスカイト型酸化物粒子を用いたペーストにより塗膜の評価)
実施例1~8あるいは比較例1~4のいずれかで得られたペロブスカイト型酸化物粒子Ppと、ビヒクル(溶媒のターピネオール溶媒と、バインダのエチルセルロースとの、9:1の混合物)とを重量比で7:3(粒子:溶媒:エチルセルロース=7:2.7:0.3)の割合として混合してペーストを製造した。このペーストを、ジルコニア基板の上に、直径10mm厚み10μmの円形に印刷した。さらに、80℃で1時間乾燥させ、溶媒を揮発させて酸化物粒子の試供塗膜を形成した。そして、試供塗膜の重量を7/7.3倍して、この試供塗膜に含まれる粒子の重量を算出した。
さらに、それぞれの試供塗膜に含まれる粒子Ppの重量を、試供塗膜の体積で除して、試供塗膜における粒子Pp分の密度を算出する。さらにこれを、予め得ておいた、各例のペロブスカイト型酸化物粒子が集合した粉末の真密度で除して、R値を得た(R値=(塗膜の重量×7/7.3)/塗膜の体積/粒子Ppの真密度×100%)。このR値は、粒子Ppの真密度を基準(100%)として、当該ペロブスカイト型酸化物粒子Ppを塗膜にした場合の、充填割合(充填率)を示している。つまりR値が大きいほど、塗膜内に粒子Ppがより充填され、密度が高くなっていることを示している。各例について、このR値の算出結果をも表1に示す。
なお、粒子Ppの真密度は、乾式自動密度計(島津製作所製アキュピックII1340シリーズ)を用いて測定した。
【0045】
表1から理解できるように、この実施例1~8のペロブスカイト型酸化物粒子Ppは、ごく微小の平均粒径(30~200nm)を有している。しかも、実施例1~8のペロブスカイト型酸化物粒子Ppは、平均アスペクト比が1に近い(1.0~1.6の範囲の)球状の粒子であるので、これをペーストとし印刷、乾燥して塗膜を形成すると、粒子の充填率を高くでき、R値の高い、即ち、塗膜密度の高い塗膜を形成することができる。
【0046】
さらに、焼成前の未焼成酸化物粒子Pmは、平均粒径が30~200nmのごく微小で、しかも平均アスペクト比が1に近い(1.0~1.6の範囲の)球状である。そして、A群元素とB群元素とを等モルで含んでいる。このため、この未焼成酸化物粒子は、適切な条件(本実施例1~8では、600℃、4時間)で焼成すれば、容易に、平均粒径が30~200nmのごく微小で、しかも平均アスペクト比が1に近い(1.0~1.6の範囲の)球状で、Aサイトに、ランタンまたはランタン及びストロンチウムを有し、Bサイトに、コバルトまたはコバルト及び鉄を有するペロブスカイト型酸化物粒子Ppを得ることができる。
【0047】
また、実施例1~8に用いた、未焼成酸化物粒子Pmを製造する方法によれば、安価な原材料を用い、しかも、簡単な手法で、球状の未焼成酸化物粒子Pmを得ることができる。また、反応混合液のpHを7.0以上とすることで、加熱冷却工程における加熱によって、結晶粒子を析出させることができる。
特に、実施例1~8では、反応混合液に用いるポリオールが、ジエチレングリコールであるので、高沸点であり、より高い温度で加熱還流でき、さらに好ましい。
【0048】
実施例1~8のペロブスカイト型酸化物粒子Ppの製造方法では、前述の製造方法で製造した未焼成酸化物粒子Pmを用い、未焼成酸化物粒子Pmを粒子相互の焼結を防止しつつ焼成するので、製造方法全体としても、安価で容易に、平均粒径が30~200nmで、平均アスペクト比が1.0~1.6の球状のペロブスカイト型酸化物粒子Ppを容易に得ることができる。
【0049】
また、実施例1~8のペロブスカイト型酸化物粒子Ppの製造方法では、未焼成酸化物粒子Pmを粒子相互の焼結を防止しつつ焼成して、ペロブスカイト型酸化物粒子Ppを得るので、未焼成酸化物粒子Pmとほぼ同じ大きさや形状のペロブスカイト型酸化物粒子Ppを得ることができる。このため、平均粒径が30~200nmで、平均アスペクト比が1.0~1.6の球状のペロブスカイト型酸化物粒子Ppを容易に得ることができる。
【0050】
以上において、本発明を実施形態(実施例1~8)に即して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0051】
Pm (ペロブスカイト型酸化物粒子生成用の)未焼成酸化物粒子
Pp ペロブスカイト型酸化物粒子
SA DEG準備工程
SB 元素源準備工程
SC PVP準備工程
SD アルカリ水溶液準備工程
S1 反応混合液調製工程
S2 加熱冷却工程
S3 洗浄乾燥工程
S4 焼成工程
図1
図2
図3
図4
図5