(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-07
(45)【発行日】2023-09-15
(54)【発明の名称】空間プラズマ原子層堆積(PE-ALD)処理ツール用のマイクロ波プラズマ源
(51)【国際特許分類】
H05H 1/46 20060101AFI20230908BHJP
C23C 16/511 20060101ALI20230908BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20230908BHJP
【FI】
H05H1/46 B
C23C16/511
H01L21/31 C
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022093643
(22)【出願日】2022-06-09
(62)【分割の表示】P 2020544609の分割
【原出願日】2019-03-01
【審査請求日】2022-07-04
(32)【優先日】2018-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】クデラ, ジョゼフ
(72)【発明者】
【氏名】田中 努
(72)【発明者】
【氏名】ガラチチェンコ, アレキサンダー ヴィー.
(72)【発明者】
【氏名】ジルノ, ドミートリイ エー.
(72)【発明者】
【氏名】シェルヴェガー, アヴィナッシュ
(72)【発明者】
【氏名】ベラ, カロル
(72)【発明者】
【氏名】リー, シアオプー
(72)【発明者】
【氏名】スブラマニ, アナンタ ケー.
(72)【発明者】
【氏名】フォスター, ジョン シー.
【審査官】中尾 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-260593(JP,A)
【文献】特開平08-078190(JP,A)
【文献】特開2006-107829(JP,A)
【文献】特開2007-157535(JP,A)
【文献】特表2015-534214(JP,A)
【文献】特表2016-535410(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0002019(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05H 1/46
C23C 16/511
H01L 21/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ源アセンブリであって、
長さを画定する第1の端部および第2の端部を有し、厚さおよび幅を有する給電電極の前記長さに沿って延在する長軸を有する給電電極と、
前記給電電極の第1の側面側の接地電極であって、前記給電電極からある距離だけ離間している接地電極と、
前記給電電極の第2の側面側の誘電体であって、前記誘電体および前記接地電極は前記給電電極を囲み、前記誘電体は前記給電電極に隣接する内面および前記内面の反対側の外面を有する、誘電体と、
第1のフィードを介して前記給電電極の前記第1の端部に電気的に結合された第1のマイクロ波ジェネレータと、
第2のフィードを介して前記給電電極の前記第2の端部に電気的に結合された第2のマイクロ波ジェネレータと
を備えるプラズマ源アセンブリ。
【請求項2】
前記接地電極は、第2の誘電体によって前記給電電極から離間している、請求項
1に記載のプラズマ源アセンブリ。
【請求項3】
プラズマ源アセンブリであって、
長さを画定する第1の端部および第2の端部を有し、厚さおよび幅を有する給電電極の前記長さに沿って延在する長軸を有する給電電極と、
第1のフィードを介して前記給電電極の前記第1の端部に電気的に結合された第1のマイクロ波ジェネレータと、
第2のフィードを介して前記給電電極の前記第2の端部に電気的に結合された第2のマイクロ波ジェネレータと
を備え、
前記給電電極は平坦な導体である
、プラズマ源アセンブリ。
【請求項4】
プラズマ源アセンブリであって、
長さを画定する第1の端部および第2の端部を有し、厚さおよび幅を有する給電電極の前記長さに沿って延在する長軸を有する給電電極と、
第1のフィードを介して前記給電電極の前記第1の端部に電気的に結合された第1のマイクロ波ジェネレータと、
第2のフィードを介して前記給電電極の前記第2の端部に電気的に結合された第2のマイクロ波ジェネレータと
を備え、
前記給電電極の前記幅が前記第1の端部から前記第2の端部まで変化する
、プラズマ源アセンブリ。
【請求項5】
前記給電電極から前記接地電極までの前記距離が前記第1の端部から前記第2の端部まで変化する、請求項
1に記載のプラズマ源アセンブリ。
【請求項6】
前記給電電極から前記誘電体の前記外面までの距離が前記第1の端部から前記第2の端部まで変化する、請求項
1に記載のプラズマ源アセンブリ。
【請求項7】
前記給電電極が、前記誘電体の前記内面からある距離だけ移動して空隙を形成する、請求項
1に記載のプラズマ源アセンブリ。
【請求項8】
プラズマ源アセンブリであって、
長さを画定する第1の端部および第2の端部を有し、厚さおよび幅を有する給電電極の前記長さに沿って延在する長軸を有する給電電極と、
第1のフィードを介して前記給電電極の前記第1の端部に電気的に結合された第1のマイクロ波ジェネレータと、
第2のフィードを介して前記給電電極の前記第2の端部に電気的に結合された第2のマイクロ波ジェネレータと
を備え、
前記給電電極が、前記第1の端部に第1の脚部と、前記第2の端部に第2の脚部とをさらに備える
、プラズマ源アセンブリ。
【請求項9】
前記第1のフィードおよび前記第2のフィードは、前記給電電極の前記長軸に対してある角度で延在し、前記第1の脚部および前記第2の脚部は前記給電電極と同軸である、請求項
8に記載のプラズマ源アセンブリ。
【請求項10】
前記第1の脚部の端部および前記第2の脚部の端部に位置づけされた1または複数のスタブチューナをさらに備える、請求項
9に記載のプラズマ源アセンブリ。
【請求項11】
前記スタブチューナが、前記第1の脚部に隣接して位置づけされたスライド短絡部と、前記第2の脚部に隣接して位置づけされたスライド短絡部とを備える、請求項
10に記載のプラズマ源アセンブリ。
【請求項12】
プラズマ源アセンブリであって、
長さを画定する第1の端部および第2の端部を有し、厚さおよび幅を有する給電電極の前記長さに沿って延在する長軸を有する給電電極と、
第1のフィードを介して前記給電電極の前記第1の端部に電気的に結合された第1のマイクロ波ジェネレータと、
第2のフィードを介して前記給電電極の前記第2の端部に電気的に結合された第2のマイクロ波ジェネレータと
を備え、
前記第1のマイクロ波ジェネレータおよび前記第2のマイクロ波ジェネレータが、約900MHzから約930MHzの範囲または約2.4GHzから約2.5GHzの範囲の周波数で動作
し、
前記第1のマイクロ波ジェネレータおよび前記第2のマイクロ波ジェネレータは、異なる周波数で動作する、プラズマ源アセンブリ。
【請求項13】
前記誘電体の前記外面に対する前記給電電極の距離が、前記給電電極の前記長さにわたって変化する、請求項
1に記載のプラズマ源アセンブリ。
【請求項14】
前記接地電極に対する前記給電電極の前記距離が、前記給電電極の前記長さにわたって変化する、請求項
1に記載のプラズマ源アセンブリ。
【請求項15】
プラズマ源アセンブリであって、
長さを画定する第1の端部および第2の端部を有し、厚さおよび幅を有する給電電極の前記長さに沿って延在する長軸を有する給電電極と、
第1のフィードを介して前記給電電極の前記第1の端部に電気的に結合された第1のマイクロ波ジェネレータと、
第2のフィードを介して前記給電電極の前記第2の端部に電気的に結合された第2のマイクロ波ジェネレータと
を備え、
前記給電電極の前記厚さまたは前記幅の一方または両方が、前記給電電極の前記長さに沿って変化する
、プラズマ源アセンブリ。
【請求項16】
請求項1
から15のいずれか一項に記載のプラズマ源アセンブリを備えるガス分配アセンブリ。
【請求項17】
プラズマ源アセンブリを備えるガス分配アセンブリであって、前記プラズマ源アセンブリが、
長さを画定する第1の端部および第2の端部を有し、厚さおよび幅を有する給電電極の前記長さに沿って延在する長軸を有する給電電極と、
第1のフィードを介して前記給電電極の前記第1の端部に電気的に結合された第1のマイクロ波ジェネレータと、
第2のフィードを介して前記給電電極の前記第2の端部に電気的に結合された第2のマイクロ波ジェネレータと
を備える、ガス分配アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の実施形態は、概して、プラズマ基板処理のための装置に関する。より具体的には、本開示の実施形態は、空間原子層堆積バッチプロセッサのような処理チャンバで使用するためのモジュール式マイクロ波プラズマ源に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]原子層堆積(ALD)とプラズマALD(PEALD)は、高アスペクト比の構造における膜厚とコンフォマリティ(共形性)の制御を提供する堆積技法である。半導体業界ではデバイスの寸法が縮小し続けているため、ALD/PEALDを使用することへの関心および応用が増加している。場合によっては、PEALDのみが所望の膜厚とコンフォマリティの仕様を満たし得る。
【0003】
[0003]半導体デバイスの形成は、通常、複数のチャンバを含む基板処理プラットフォームで行われる。場合によっては、マルチチャンバ処理プラットフォームまたはクラスタツールの目的は、制御された環境で基板に2つ以上のプロセスを順次実施することである。しかしながら、マルチチャンバ処理プラットフォームは、基板上で単一の処理ステップしか実施し得ない場合があり、追加のチャンバにより、基板がプラットフォームによって処理される速度を最大化することが意図される。後者の場合、基板に対して実施されるプロセスは通常バッチプロセスであり、25または50などの比較的多数の基板が所定のチャンバで同時に処理される。バッチ処理は、原子層堆積(ALD)プロセスおよび一部の化学気相堆積(CVD)プロセスなどの、経済的に実行可能な方法で個々の基板に対して実施するには時間がかかりすぎるプロセスにおいて、特に有益である。
【0004】
[0004]通常、PEALDツールは、数十MHzまでのRF/VHF周波数帯の容量性プラズマ源を使用する。これらのプラズマは適度な密度を有し、比較的高いイオンエネルギーを有し得る。代わりに、特定の共振または波動伝播電磁モードにおいてGHz範囲の周波数でマイクロ波フィールドを使用すると、非常に高い電荷とラジカル密度および非常に低いイオンエネルギーのプラズマが生成され得る。プラズマ密度は1012/cm3以上の範囲であり得、イオンエネルギーは約5~10eVの低さであり得る。上記プラズマ特徴は、最新のシリコンデバイスの損傷のない処理においてますます重要になりつつある。
【0005】
[0005]マイクロ波プラズマの課題の1つは、放電の安定性と均一性の制御である。マイクロ波帯では、通常、電磁(EM)場の波長は処理中の基板よりも短く、波とプラズマの相互作用は非常に強くなり得る。このため、マイクロ波プラズマは不安定になりやすく、空間的に非常に不均一であり、電源入力(複数可)のみで局所化もあり得、より大きい処理ウエハ/基板では容易には広がらない。
【0006】
[0006]したがって、当技術分野において、マイクロ波プラズマを形成する改善された装置および方法が必要である。
【発明の概要】
【0007】
[0007]本開示の1または複数の実施形態は、長さを画定する第1の端部および第2の端部を有し、給電電極の長さに沿って延在する軸を有する給電電極を備えるプラズマ源アセンブリを対象とする。給電電極は幅を有する。接地電極は給電電極の第1の側面にある。接地電極は、給電電極からある距離だけ離間している。誘電体は、給電電極の第2の側面にある。誘電体および接地電極は給電電極を囲む。誘電体は、給電電極に隣接する内面および内面の反対側の外面を有する。第1のマイクロ波ジェネレータは、第1のフィード(feed)を介して給電電極の第1の端部に電気的に結合される。第2のマイクロ波ジェネレータは、第2のフィードを介して給電電極の第2の端部に電気的に結合される。
【0008】
[0008]本開示の追加の実施形態は、第1の端部および第2の端部を有し、プラズマ源アセンブリの長軸に沿って延在する軸を有する平坦な給電電極を備えるプラズマ源アセンブリを対象とする。給電電極は幅を有する。接地電極は、給電電極の第1の側面にある。接地電極は、第2の誘電体によって給電電極から離間し、ガス入口を含む。誘電体は、給電電極の第2の側面にある。誘電体および第2の誘電体は給電電極を囲み、給電電極と接地電極との間の電気接触を防止する。誘電体は、プラズマ源アセンブリの長軸に沿って延在するガスチャネルを有する。ガス入口は、長軸に沿って延在する1または複数のプレナムと流体連結している。1または複数のプレナムは、1または複数のガス導管を介してガスチャネルと流体連結している。第1のマイクロ波ジェネレータは、第1のフィードを介して給電電極の第1の端部に電気的に結合される。第1のマイクロ波ジェネレータは第1の周波数で動作する。第2のマイクロ波ジェネレータは、第2のフィードを介して給電電極の第2の端部に電気的に結合される。第2のマイクロ波ジェネレータは第2の周波数で動作する。第1の周波数および第2の周波数は、約900MHzから約930MHzの範囲または約2.4GHzから約2.5GHzの範囲であり、第1の周波数および第2の周波数は異なる。
【0009】
[0009]本開示のさらなる実施形態は、プラズマを提供する方法を対象とする。第1のマイクロ波ジェネレータから給電電極の第1の端部へ第1のマイクロ波電力が提供される。第2のマイクロ波ジェネレータから給電電極の第2の端部へ第2のマイクロ波電力が提供される。第1のマイクロ波電力および第2のマイクロ波電力は、約900MHzから約930MHzの範囲または約2.4GHzから約2.5GHzの範囲の周波数で動作する。給電電極は、誘電体と、給電電極の第1の側面の接地電極とに囲まれる。プラズマは、第1の側面とは異なる給電電極の第2の側面の誘電体に隣接して形成される。
【0010】
[0010]本開示の追加の実施形態は、長さを画定する第1の端部および第2の端部を有する給電電極を備えるプラズマ源アセンブリを対象とする。給電電極は、給電電極の長さに沿って延在する軸を有する。給電電極は幅を有する。接地電極は給電電極の第1の側面にある。接地電極は、給電電極からある距離だけ離間している。誘電体は、給電電極の第2の側面にある。誘電体および接地電極は給電電極を囲む。誘電体は、給電電極に隣接する内面および内面の反対側の外面を有する。第1のフィードは給電電極に電気的に結合され、第2のフィードは給電電極に電気的に結合される。第1のフィードは第1のマイクロ波ジェネレータに電気的に結合され、第2のフィードは疑似負荷に電気的に結合される。
【0011】
[0011]上述した本開示の実施形態の特徴を詳細に理解できるように、一部が添付の図面に例示されている実施形態を参照しながら、上記に要約した本開示の実施形態をより具体的に説明する。しかし、添付の図面は本開示の典型的な実施形態のみを示すものであり、したがって、実施形態の範囲を限定するものと見なすべきではなく、本開示は他の等しく有効な実施形態も許容しうることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の1または複数の実施形態に係る、基板処理システムを示す概略断面図である。
【
図2】本開示の1または複数の実施形態に係る、基板処理システムを示す斜視図である。
【
図3】本開示の1または複数の実施形態に係る、基板処理システムを示す概略図である。
【
図4】本開示の1または複数の実施形態に係る、ガス分配アセンブリの前部を示す概略図である。
【
図5】本開示の1または複数の実施形態に係る、処理チャンバを示す概略図である。
【
図6A】ストリップライン型給電電極プラズマ源における電気的結合を示す概略図である。
【
図6B】ストリップライン型給電電極プラズマ源における電気的結合を示す概略図である。
【
図6C】ストリップライン型給電電極プラズマ源における電気的結合を示す概略図である。
【
図6D】給電電極と設置電極と分離させる機能として、ストリップライン型給電電極プラズマ源において結合された電気的結合を示す概略図である。
【
図6E】給電電極と設置電極と分離させる機能として、ストリップライン型給電電極プラズマ源において結合された電気的結合を示す概略図である。
【
図6F】給電電極の断面幅の機能として、ストリップライン型給電電極プラズマ源において電気的結合を示す概略図である。
【
図6G】給電電極の断面幅の機能として、ストリップライン型給電電極プラズマ源において電気的結合を示す概略図である。
【
図7】本開示の1または複数の実施形態に係る、プラズマ源アセンブリを示す概略断面図である。
【
図8】本開示の1または複数の実施形態に係る、プラズマ源アセンブリを示す等角図である。
【
図9】本開示の1または複数の実施形態に係る、プラズマ源アセンブリを示す概略断面図である。
【
図10】ライン10-10’に沿った
図8のプラズマ源アセンブリを示す断面図である。
【
図10A】本開示の1または複数の実施形態に係るプラズマ源アセンブリを示す概略底面図である。
【
図14】本開示の1または複数の実施形態に係る、プラズマ源アセンブリのガス入口プレートと凹部とを示す部分概略図である。
【
図15】ライン15-15’に沿って切り取った、
図8のプラズマ源アセンブリを示す断面図である。
【
図16】ライン16-16’に沿って切り取った、
図8のプラズマ源アセンブリを示す断面図である。
【
図16A】1または複数の実施形態に係る、ライン16-16’に沿って切り取った、
図8のプラズマ源アセンブリを示す断面図である。
【
図17】ライン17-17’に沿って切り取った、
図8のプラズマ源アセンブリを示す断面図である。
【
図18】本開示の1または複数の実施形態に係る、プラズマ源アセンブリを通るガス流路を示す概略図である。
【
図19】本開示の1または複数の実施形態に係る、プラズマ源アセンブリを示す概略断面図である。
【
図20】本開示の1または複数の実施形態に係る、プラズマ源アセンブリを示す概略断面図である。
【
図21】本開示の1または複数の実施形態に係る、プラズマ源アセンブリを示す概略断面図である。
【
図22A】本開示の1または複数の実施形態に係る、プラズマ源アセンブリを示す概略断面図である。
【
図22B】本開示の1または複数の実施形態に係る、給電電極の長さの中心に向かってフィードが移動している、
図22Aのプラズマ源アセンブリを示す概略断面図である。
【
図23A】本開示の1または複数の実施形態に係る、プラズマ源アセンブリを示す概略断面図である。
【
図23B】本開示の1または複数の実施形態に係る、給電電極の長さの中心に向かってフィードが移動している、
図23Aのプラズマ源アセンブリを示す概略断面図である。
【
図24】本開示の1または複数の実施形態に係る、プラズマ源アセンブリを示す断面図である。
【
図25A】一方の端部から電力供給される給電電極の軸位置の関数としての電力を示すグラフである。
【
図25B】両方の端部から電力供給される給電電極の軸位置の関数としての電力を示すグラフである。
【
図26A】給電電極の両方の端部に加えられた電力の関数として生成されたプラズマを示す概略図である。
【
図26B】給電電極の両方の端部に加えられた電力の関数として生成されたプラズマを示す概略図である。
【
図26C】給電電極の両方の端部に加えられた電力の関数として生成されたプラズマを示す概略図である。
【
図27A】本開示の1または複数の実施形態に係る、異なるプラズマ結合を有するプラズマ源アセンブリを示す概略断面側面図である。
【
図27B】本開示の1または複数の実施形態に係る、異なるプラズマ結合を有するプラズマ源アセンブリを示す概略断面側面図である。
【
図27C】本開示の1または複数の実施形態に係る、異なるプラズマ結合を有するプラズマ源アセンブリを示す概略断面側面図である。
【
図27D】本開示の1または複数の実施形態に係る、異なるプラズマ結合を有するプラズマ源アセンブリを示す概略断面側面図である。
【
図27E】本開示の1または複数の実施形態に係る、様々な幅の給電電極を有するプラズマ源アセンブリを示す概略前面図である。
【
図28】本開示の1または複数の実施形態に係る、1つのフィードが疑似負荷と電気的に接続しているプラズマ源アセンブリを示す概略断面図である。
【
図29】本開示の1または複数の実施形態に係る、2を上回るフィードを有するプラズマ源アセンブリを示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0049]本開示の実施形態は、スループットを最大化して処理効率を改善する連続基板堆積のための基板処理システムを提供する。本開示の1または複数の実施形態は、空間原子層堆積チャンバに関して説明される。しかしながら、当業者は、これが単に1つの可能な構成であり、他の処理チャンバおよびプラズマ源モジュールが使用可能であることを認識するであろう。
【0014】
[0050]本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される「基板」および「ウエハ」という用語は互換的に使用され、両方ともプロセスが作用する表面または表面の一部を指す。また、文脈が明らかにそうでない場合を除き、基板についての言及は基板の一部のみを指し得ることも当業者には理解されよう。さらに、基板上への堆積についての言及は、ベア基板と、その上に堆積または形成された1または複数の膜または特徴を有する基板の両方を意味し得る。
【0015】
[0051]本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される「反応性ガス」、「前駆体」、「反応物」などの用語は、基板表面と反応する種を含むガスを意味するように互換的に使用される。例えば、第1の「反応性ガス」は、単に基板の表面に吸着し、第2の反応性ガスとのさらなる化学反応に利用可能であり得る。
【0016】
[0052]本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される「パイ形」および「くさび形」という用語は、円のセクタである本体を説明するために互換的に使用される。たとえば、くさび形のセグメントは円または円盤形構造の小部分であってよく、複数のくさび形のセグメントを接続して円形の本体が形成され得る。セクタは、円の2つの半径および交差する円弧で囲まれた円の一部として定義され得る。パイ形セグメントの内側エッジは、尖っていてよい、または先端を切った形の平坦なエッジであってよい、あるいは丸い形であってよい。いくつかの実施形態では、セクタは、リングまたは環の一部として定義され得る。
【0017】
[0053]基板の経路は、ガスポートに垂直であり得る。いくつかの実施形態では、ガスインジェクタアセンブリのそれぞれは、基板が横断する経路に実質的に垂直な方向に延在する複数の細長いガスポートを備え、ガス分配アセンブリの前面はプラテンに実質的に平行である。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される「実質的に垂直」という用語は、基板の移動の一般的な方向がガスポートの軸にほぼ垂直な(例:約45oから90oの)平面に沿っていることを意味する。くさび形のガスポートの場合、ガスポートの軸は、ポートの長さに沿って延在するポートの幅の中点として定義される線とみなされ得る。
【0018】
[0054]
図1に、インジェクタまたはインジェクタアセンブリとも称されるガス分配アセンブリ120、およびサセプタアセンブリ140を含む処理チャンバ100の断面を示す。ガス分配アセンブリ120は、処理チャンバ内で使用されるいずれかの種類のガス送達装置である。ガス分配アセンブリ120は、サセプタアセンブリ140に面する前面121を含む。前面121は、ガスの流れをサセプタアセンブリ140に向けて送達するために、任意の数または様々な開口部を有し得る。ガス分配アセンブリ120はまた、図示した実施形態では、実質的に丸い外周エッジ124も含む。
【0019】
[0055]使用される特定の種類のガス分配アセンブリ120は、使用される特定のプロセスに応じて変化し得る。本開示の実施形態は、サセプタとガス分配アセンブリとの間の間隙が制御される任意の種類の処理システムで使用され得る。様々な種類のガス分配アセンブリ(例えば、シャワーヘッド)を使用することができるが、本開示の実施形態は、複数の実質的に平行なガスチャネルを有する空間ALDガス分配アセンブリで特に有用であり得る。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される用語「実質的に平行」とは、ガスチャネルの長軸が同じ一般的な方向に延在することを意味する。ガスチャネルの平行性には若干の欠陥がある場合がある。複数の実質的に平行なガスチャネルは、少なくとも1つの第1の反応性ガスAチャネル、少なくとも1つの第2の反応性ガスBチャネル、少なくとも1つのパージガスPチャネル、および/または少なくとも1つの真空Vチャネルを含み得る。第1の反応性ガスAチャネル、第2の反応性ガスBチャネル、およびパージガスPチャネルから流れるガスは、ウエハの上面に向けて方向づけされる。一部のガス流は、ウエハの表面を横切って水平に移動し、パージガスPチャネルを通じて処理領域外に出る。ガス分配アセンブリの一方の端部からもう一方の端部に移動する基板は順に各処理ガスに曝露され、基板表面に層が形成される。
【0020】
[0056]いくつかの実施形態では、ガス分配アセンブリ120は、単一のインジェクタユニットでできた剛性の静止した本体である。1または複数の実施形態では、ガス分配アセンブリ120は、
図2に示すように、複数の個々のセクタ(たとえば、インジェクタユニット122)で構成される。単一部品本体またはマルチセクタ本体のいずれかが、記載される本開示の様々な実施形態とともに使用され得る。
【0021】
[0057]サセプタアセンブリ140は、ガス分配アセンブリ120の下に位置づけされる。サセプタアセンブリ140は、上面141と、上面141内の少なくとも1つの凹部142とを含む。サセプタアセンブリ140は、底面143とエッジ144も有する。凹部142は、処理される基板60の形状およびサイズに応じて、任意の適切な形状およびサイズとすることができる。
図1に示す実施形態では、凹部142は、ウエハの底部を支持する平坦な底部を有するが、凹部の底は変化し得る。いくつかの実施形態では、凹部は、凹部の外周エッジの周りに、ウエハの外周エッジを支持するサイズのステップ領域を有する。ステップによって支持されるウエハの外周エッジの量は、例えば、ウエハの厚さおよびウエハの裏面にすでに存在する特徴の存在に応じて変化し得る。
【0022】
[0058]いくつかの実施形態では、
図1に示すように、サセプタアセンブリ140の上面141の凹部142は、凹部142に支持される基板60がサセプタ140の上面141と実質的に同一平面にある上面61を有するようなサイズである。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される「実質的に同一平面」という用語は、ウエハの上面とサセプタアセンブリの上面が±0.2mm以内で同一平面にあることを意味する。幾つかの実施形態では、上面は±0.15mm、±0.10mm、または±0.05mm以内で同一平面にある。幾つかの実施形態の凹部142は、ウエハの内径(ID)がサセプタの中心(回転軸)から約170mmから約185mmの範囲内に位置するようにウエハを支持する。いくつかの実施形態では、凹部142は、ウエハの外径(OD)がサセプタの中心(回転軸)から約470mmから約485mmの範囲に位置するようにウエハを支持する。
【0023】
[0059]
図1のサセプタアセンブリ140は、サセプタアセンブリ140を持ち上げ、下げ、回転させ得る支柱160を含む。サセプタアセンブリは、支柱160の中心内にヒータ、またはガスライン、または電気部品を含み得る。支柱160は、サセプタアセンブリ140とガス分配アセンブリ120との間の間隙を増加または減少させ、サセプタアセンブリ140を適切な位置に移動させる主要な手段であり得る。サセプタアセンブリ140はまた、サセプタアセンブリ140とガス分配アセンブリ120との間に所定の間隙170ができるようにサセプタアセンブリ140への微調整ができるようにする微調整アクチュエータ162も含み得る。いくつかの実施形態では、間隙170の距離は、約0.1mmから約5.0mmの範囲、または約0.1mmから約3.0mmの範囲、または約0.1mmから約2.0mmの範囲、または約0.2mmから約1.8mmの範囲、または約0.3mmから約1.7mmの範囲、または約0.4mmから約1.6mmの範囲、または約0.5mmから約1.5mmの範囲、または約0.6mmから約1.4mmの範囲、または約0.7mmから約1.3mmの範囲、または約0.8mmから約1.2mmの範囲、または約0.9mmから約1.1mmの範囲、または約1mmである。
【0024】
[0060]図示した処理チャンバ100は、サセプタアセンブリ140が複数の基板60を保持し得るカルーセルタイプのチャンバである。
図2に示すように、ガス分配アセンブリ120は、ウエハがインジェクタユニットの下に移動したときに、各インジェクタユニット122がウエハ上に膜を堆積させ得る複数の個別のインジェクタユニット122を含み得る。図示した2つのパイ形インジェクタユニット122は、サセプタアセンブリ140のほぼ反対側およびその上に位置づけされている。この数のインジェクタユニット122は、単なる例示目的のために示されている。それより多いまたは少ないインジェクタユニット122が含まれ得ることを理解すべきである。いくつかの実施形態では、サセプタアセンブリ140の形状に一致する形状を形成するのに十分な数のパイ形インジェクタユニット122が存在する。いくつかの実施形態では、個々のパイ形インジェクタユニット122のそれぞれは、他のインジェクタユニット122のいずれにも影響を与えることなく、独立して移動、除去、および/または交換することができる。例えば、ロボットがサセプタアセンブリ140とガス分配アセンブリ120との間の領域にアクセスして基板60をロード/アンロードすることを可能にするために、1つのセグメントが持ち上げられ得る。
【0025】
[0061]複数のガスインジェクタを有する処理チャンバを使用して、複数のウエハを同時に処理し、ウエハが同じプロセスフローを受けるようにすることが可能である。たとえば、
図3に示すように、処理チャンバ100には4つのガスインジェクタアセンブリと4つの基板60がある。処理の際、基板60は、インジェクタアセンブリ30の間に位置づけされ得る。サセプタアセンブリ140を45°回転17させると、ガス分配アセンブリ120の間にある各基板60が、ガス分配アセンブリ120の下の点線の円で示すように、膜堆積のためにガス分配アセンブリ120に移動する。さらに45°回転すると、基板60がインジェクタアセンブリ30から離れるように移動する。空間ALDインジェクタを用いて、インジェクタアセンブリに対するウエハの移動中に膜がウエハ上に堆積される。いくつかの実施形態では、サセプタアセンブリ140は増分で回転し、基板60がガス分配アセンブリ120の下で停止するのを防ぐ。基板60とガス分配アセンブリ120の数は、同じでも異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、ガス分配アセンブリがあるのと同じ数のウエハが処理される。1または複数の実施形態では、処理されるウエハの数は、ガス分配アセンブリの数の分数または整数倍である。たとえば、4つのガス分配アセンブリがある場合、4xウエハが処理され、ここで、xは1以上の整数値である。
【0026】
[0062]
図3に示す処理チャンバ100は、単に1つの可能な構成の描写であり、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。ここで、処理チャンバ100は、複数のガス分配アセンブリ120を含む。図示した実施形態では、処理チャンバ100の周りに等間隔に配置された4つのガス分配アセンブリ(インジェクタアセンブリ30とも称される)がある。図示した処理チャンバ100は八角形であるが、当業者は、これが1つの可能な形状であり、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことを理解するであろう。図示したガス分配アセンブリ120は台形であるが、単一の円形構成要素であり得る、または、
図2に示すように、複数のパイ形セグメントで構成され得る。
【0027】
[0063]
図3に示す実施形態は、ロードロックチャンバ180、または緩衝ステーションのような補助チャンバを含む。このチャンバ180は、例えば基板(基板60とも称される)の処理チャンバ100からのロード/アンロードを可能にするために処理チャンバ100の側面に接続される。ウエハロボットは、基板をサセプタ上に移動するために、チャンバ180内に位置づけされ得る。
【0028】
[0064]カルーセル(たとえば、サセプタアセンブリ140)の回転は、連続的または非連続的であり得る。連続処理では、ウエハは常に回転しているため、各インジェクタに順に曝露される。非連続処理では、ウエハがインジェクタ領域へ移動して停止し、その後にインジェクタ間の領域84へ移動して停止し得る。例えば、ウエハがインジェクタを横切って(またはインジェクタに隣接して停止して)インジェクタ内領域から次のインジェクタ内領域上へ移動するようにカルーセルが回転し、そしてそこでカルーセルが再び一時停止し得る。インジェクタ間の一時停止により、各層の堆積間の追加の処理ステップ(たとえば、プラズマへの曝露)のための時間が得られる。
【0029】
[0065]
図4に、インジェクタユニット122とも称され得るガス分配アセンブリ220のセクタまたは一部を示す。インジェクタユニット122は、個々に、または他のインジェクタユニットと組み合わせて使用することができる。例えば、
図5に示すように、
図4のインジェクタユニット122のうちの4つが組み合わされて、単一のガス分配アセンブリ220を形成する。(4つのインジェクタユニットを分離する線は、明確にするために示されていない。)
図4のインジェクタユニット122は、パージガスポート155および真空ポート145に加えて、第1の反応性ガスポート125と第2の反応性ガスポート135の両方を有するが、インジェクタユニット122は、これらの構成要素をすべて必要とするわけではない。
【0030】
[0066]
図4および
図5の両方を参照すると、1または複数の実施形態に係るガス分配アセンブリ220は、各セクタが同一または異なる複数のセクタ(またはインジェクタユニット122)を備え得る。ガス分配アセンブリ220は、処理チャンバ内に位置づけされ、ガス分配アセンブリ220の前面121に複数の細長いガスポート125、135、145を備える。複数の細長いガスポート125、135、145および真空ポート155は、内周エッジ123に隣接するエリアからガス分配アセンブリ220の外周エッジ124に隣接するエリアに向かって延在する。図示した複数のガスポートは、第1の反応性ガスポート125、第2の反応性ガスポート135、第1の反応性ガスポートのそれぞれを囲む真空ポート145および第2の反応性ガスポートおよびパージガスポート155を含む。
【0031】
[0067]
図4または
図5に示す実施形態を参照すると、ポートが少なくともおおよそ内周領域から少なくともおおよそ外周領域まで延在すると記載されるが、ポートは、内領域から外領域まで半径方向以外にも延在し得る。真空ポート145が反応性ガスポート125および反応性ガスポート135を取り囲むので、ポートは接線方向に延在し得る。
図4および
図5に示す実施形態では、くさび形反応性ガスポート125、135は、真空ポート145によって、内周領域および外周領域に隣接するものを含むすべてのエッジにおいて取り囲まれる。
【0032】
[0068]
図4を参照すると、基板が経路127に沿って移動すると、基板表面の各部分が様々な反応性ガスに曝される。経路127をたどるために、基板はパージガスポート155、真空ポート145、第1の反応性ガスポート125、真空ポート145、パージガスポート155、真空ポート145、第2の反応性ガスポート135および真空ポート145に曝される、すなわちそれらを「見る」。したがって、
図4に示す経路127の端部において、基板は、第1の反応性ガスポート125および第2の反応性ガスポート135からのガス流に曝されて層を形成している。図示のインジェクタユニット122は四分円であるが、それより大きくても小さくてもよい。
図5に示すガス分配アセンブリ220は、直列に接続された
図4の4つのインジェクタユニット122の組み合わせと考えることができる。
【0033】
[0069]
図4のインジェクタユニット122は、反応性ガスを分離するガスカーテン150を示す。用語「ガスカーテン」は、反応性ガスを混合から分離するガス流または真空の任意の組み合わせを説明するために使用される。
図4に示すガスカーテン150は、第1の反応性ガスポート125の隣の真空ポート145の一部、中央のパージガスポート155、および第2の反応性ガスポート135の隣の真空ポート145の一部を備える。このガス流と真空の組み合わせは、第1の反応性ガスと第2の反応性ガスの気相反応を防止または最小化するために使用され得る。
【0034】
[0070]
図5を参照すると、ガス流とガス分配アセンブリ220からの真空との組み合わせにより、複数の処理領域250への分離が形成される。処理領域は、ガスカーテン150が間にある個々の反応性ガスポート125、135の周りに大まかに画定される。
図5に示す実施形態は、間に8つの分離したガスカーテン150を有する8つの分離した処理領域250を構成する。処理チャンバは、少なくとも2つの処理領域を有し得る。幾つかの実施形態では、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11または12個の処理領域がある。
【0035】
[0071]処理中に、基板はいずれかの所定の時点で複数の処理領域250に曝露され得る。しかしながら、異なる処理領域に曝露された部分には、2つを分離するガスカーテンがある。例えば、基板の前縁が第2の反応性ガスポート135を含む処理領域に入る場合、基板の中央部分はガスカーテン150の下にあり、基板の後縁は第1の反応性ガスポート125を含む処理領域にある。
【0036】
[0072]例えばロードロックチャンバであり得るファクトリインターフェース280は、処理チャンバ100に接続されて示される。基板60は、基準フレームを提供するためにガス分配アセンブリ220の上に重ねて示される。多くの場合、基板60は、ガス分配アセンブリ120(ガス分配プレートとも称される)の前面121の近くに保持されるサセプタアセンブリ上に位置し得る。基板60は、ファクトリインターフェース280を介して処理チャンバ100の基板支持体またはサセプタアセンブリ上(
図3を参照)にロードされる。基板が第1の反応性ガスポート125に隣接し、2つのガスカーテン150a、150bの間にあるため、基板60を処理領域内に位置づけして示すことができる。経路127に沿って基板60を回転させると、基板が処理チャンバ100の周りを反時計回りに移動する。したがって、基板60は、その間のすべての処理領域を含む、第1の処理領域250aから第8の処理領域250hに曝露される。図示のガス分配アセンブリを使用して、処理チャンバの周りの各サイクルにおいて、基板60は、第1の反応性ガスおよび第2の反応性ガスの4つのALDサイクルに曝露される。
【0037】
[0073]
図5のようなバッチプロセッサの従来のALDシーケンスは、ポンプ/パージセクションを間に置いて、空間的に分離されたインジェクタからの化学物質AとBの流れをそれぞれ維持する。従来のALDシーケンスには、堆積膜の不均一性をもたらす可能性のある開始パターンと終了パターンとがある。発明者らは、驚くべきことに、空間ALDバッチ処理チャンバで実施される時間ベースのALDプロセスが、より高い均一性の膜を提供することを発見した。ガスA、反応性ガスなし、ガスB、反応性ガスなしへの曝露の基本プロセスは、インジェクタの下で基板をスイープして、表面を化学物質AとBでそれぞれ飽和させ、膜に開始パターンと終了パターンが形成されないようにする。発明者らは、驚くべきことに、時間ベースのアプローチが、ターゲットの膜厚が薄い(たとえば、20ALDサイクル未満)場合に特に有益であり、開始および終了パターンがウエハ内均一性性能に大きな影響を与えることを発見した。本発明者らはまた、本書に記載したように、SiCN、SiCO、およびSiCON膜を生成する反応プロセスが、時間領域プロセスでは達成できないことを発見した。処理チャンバのパージに使用される時間により、基板表面から材料が剥離してしまう。ガスカーテン下の時間が短いため、記載の空間ALDプロセスでは剥離は発生しない。
【0038】
[0074]したがって、本開示の実施形態は、各処理領域がガスカーテン150によって隣接領域から分離された複数の処理領域250a~250hを有する処理チャンバ100を含む処理方法を対象とする。例えば、
図5に示す処理チャンバ。処理チャンバ内のガスカーテンおよび処理領域の数は、ガス流の配置に応じて任意の適切な数であり得る。
図5に示す実施形態は、8つのガスカーテン150および8つの処理領域250a~250hを有する。ガスカーテンの数は一般に、処理領域の数と等しい、またはそれを上回る。たとえば、領域250aに反応性ガスの流れがなく、単にローディングエリアとして機能する場合、処理チャンバには7つの処理領域と8つのガスカーテンがある。
【0039】
[0075]複数の基板60は、基板支持体、例えば
図1および
図2に示すサセプタアセンブリ140上に位置づけされる。複数の基板60は、処理のために処理領域の周りを回転する。一般に、反応性ガスがチャンバに流入していない期間を含む処理全体を通してガスカーテン150が係合される(ガス流および真空オン)。
【0040】
[0076]第1の反応性ガスAは1または複数の処理領域250に流入し、不活性ガスは第1の反応性ガスAが流入していない、いずれかの処理領域250に流入する。例えば、第1の反応性ガスが処理領域250hを通って処理領域250bに流入する場合、不活性ガスは処理領域250aに流入する。不活性ガスは、第1の反応性ガスポート125または第2の反応性ガスポート135を通って流れ得る。
【0041】
[0077]処理領域内の不活性ガスの流れは、一定であり得るまたは変化し得る。幾つかの実施形態では、反応性ガスは不活性ガスと一緒に流される。不活性ガスは、キャリアおよび希釈剤として機能する。キャリアガスに対する反応性ガスの量は少ないため、同時に流れることで、隣接する領域間の圧力差を減少させることにより、処理領域間のガス圧力のバランス調整が容易になり得る。
【0042】
[0078]本開示のいくつかの実施形態は、マイクロ波プラズマ源を対象とする。マイクロ波プラズマ源を空間ALD処理チャンバに関して説明するが、当業者は、モジュールが空間ALDチャンバに限定されず、マイクロ波プラズマが使用可能ないずれかのインジェクタの状況に適用可能であることを理解するであろう。
【0043】
[0079]本開示のいくつかの実施形態は、モジュール式プラズマ源アセンブリ、すなわち、容易に処理システムに挿入および処理システムから取り外すことができる源を有利に提供する。例えば、
図5に示すようなマルチパート(多部分)ガス分配アセンブリを変更して、1つのくさび形ガスポートを取り外し、ガスポートをモジュール式プラズマ源アセンブリに交換することができる。
【0044】
[0080]本開示のいくつかの実施形態は、プラズマを「電力吸収媒体」としてだけでなく、「導波媒体」の一部としても使用する進行波型プラズマアプリケータを有利に提供する。本開示のいくつかの実施形態は、空間的に拡張されたマイクロ波プラズマを付与するプラズマ給電電極を有利に提供する。プラズマ給電電極の概念は、「表面波プラズマ技術」とも称される。本開示のいくつかの実施形態は、プラズマアプリケータ(またはストリップライン型給電電極)内の反射電力を最小化または除去して、不均一性を引き起こす定在波を最小化または除去する。
【0045】
[0081]本開示のいくつかの実施形態は、プラズマがストリップライン型給電電極の2つの「接地電極」の1つとして機能する「ストリップライン型給電電極」を組み込む。例えば、
図6Aは、接地電極310から離間しているストリップライン型給電電極350を示す。電界線352は、単一の接地電極が存在する場合の給電電極350と接地電極310との間の電子的結合を示すために示されている。
図6Bは、接地電極310と接地電極310aとの間にあり、それらから離間しているストリップライン型給電電極350を示す。電介線352は、給電電極350と接地電極310との間の電子的結合を示し、電界線352aは、給電電極350と接地電極310aとの間の電子的結合を示す。
図6Cは、プラズマ353が反対側にある、接地電極310から離間した給電電極350を示す。プラズマ353は、接地電極310の代わりとして機能し得る。給電電極350の寸法、給電電極350と接地電極310との間の間隔、給電電極350とプラズマ353との間の間隔、および誘電体材料354の組成および寸法は、伝送線路伝搬の定数に影響を及ぼし得る。いくつかの実施形態では、電極の幅は、電極の長さよりも短い。図示した力線は、説明を目的としたものであり、使用中の特定の電界を表すものではなく、本開示の範囲を限定するものと見なされるべきではない。
【0046】
[0082]給電電極に沿った波の伝播(および減衰)は、ストリップラインの形状寸法とプラズマの関数である。
図6Dおよび
図6Eは、給電電極350と接地電極310との間の距離の影響を示す図である。
図6Dでは、給電電極(給電電極350)は、
図6Eのプラズマと比較して、プラズマ353に比較的近い。プラズマへの電力結合(電力損失)は、
図6Eよりも
図6Dでより強い(すなわち、波はより速く減衰し、軸方向にそれほど伝播しない)。ストリップが金属接地に近い場合(損失のない電極の場合)、ストリップラインの電圧は低くなり、プラズマへの結合は弱くなる、すなわち、軸方向の電力損失(波の減衰)が弱まり、波はさらに伝播する。
【0047】
[0083]さらに、ストリップ(給電電極350)の幅は、波の伝播(減衰)定数に影響を与える可能性がある、すなわち、軸方向プラズマプロファイルに影響を与える可能性がある。
図6Fに、
図6Gの給電電極350よりも狭い幅を有する給電電極350を示す。他の考慮事項が等しい場合、
図6Fのプラズマ353は、
図6Gのプラズマよりも狭い幅に制限される。
【0048】
[0084]
図7~
図29を参照すると、本開示の1または複数の実施形態は、モジュール式マイクロ波プラズマ源300を対象とする。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される「モジュール式」という用語は、プラズマ源300が処理チャンバに取り付けまたは処理チャンバから取り外し可能であることを意味する。モジュール式源は、通常、1人で移動、取り外し、または取り付けが可能である。
【0049】
[0085]いくつかの実施形態のプラズマアプリケータ(ストリップライン型給電電極350、ストリップライン型電極または高温電極とも称される)は、
図7に示すように、2つのマイクロ波(MW)ジェネレータ(プラズマアプリケータの各端部に1つのMWジェネレータが電気的に結合されている)によって給電される線形プラズマ源である。第1のMWジェネレータ361と第2のMWジェネレータ362をわずかに異なる周波数に調整して、定在波の問題を最小限に抑えることができる。特定の動作理論に縛られることなく、2つのジェネレータを使用すれば、2つのプラズマアプリケータの端部間の電力バランスと、両端間のプラズマスキューの制御も可能になると考えられる。ストリップライン型給電電極350は、様々な形状寸法(例えば、プラズマ353/接地電極310までのストリップ型電極の幅/形状および/または距離)を有して、プラズマプロファイルを制御し得る。
図7に示すストリップライン型給電電極350は、誘電体320により、接地電極310およびプラズマから分離されている。
【0050】
[0086]
図8を参照すると、本開示の1または複数の実施形態は、接地電極310および誘電体320を含むプラズマ源アセンブリ300を対象とする。図示されたプラズマ源アセンブリ300は、
図5のものと同様に、ガス分配アセンブリで使用可能であり得るくさび形構成要素である。図示したプラズマ源アセンブリ300は、長軸の境界を形成する内周エッジ301および外周エッジ302を有する。
【0051】
[0087]接地電極310および誘電体320は、ハウジング(図示せず)内に囲まれ得る、またはアセンブリ300の外面を形成し得る。
図8に示す実施形態では、誘電体320は、上部322から差し込まれて段状外面を形成する下部321を有する。段状外面は、ガス分配アセンブリ内に位置づけされたときにアセンブリ300を支持し得る(上部322の露出した底部上の)支持面を提供し得る。これは、アセンブリ300がそれ自体の重量を支持することを可能にする1つの可能な構成の描写であり、他の構成は本開示の範囲内である。
【0052】
[0088]
図9は、接地電極310およびハウジング307が段状になっているプラズマ源アセンブリ300の1または複数の実施形態を示す断面図である。接地電極310は、Oリング313とは分離した構成要素である下部311および上部312として示されている。下部311と上部312は、取り外し可能なハードウェア(例:ボルト)または永久結合(例:はんだ結合)を含むがこれらに限定されない任意の適切な構成要素で接続され得る。図示した実施形態は、アセンブリ300がガス分配アセンブリ120内に支持され得る2つの領域を提供する。図示した段状ハウジング307は、ガス分配アセンブリ120内に形成されたレッジ128上にあり、接地電極310の上部312は、ガス分配アセンブリ120の上面126上にある。図示した実施形態では、アセンブリ300は、上部312を通過してガス分配アセンブリ120に入るボルト317によって適所に保持される。
【0053】
[0089]
図9に示す誘電体320は、ストリップライン型給電電極350を含む内部にアクセスするために誘電体320を開くことを可能にする複数の部分を有する。接地電極310および誘電体320は、Oリング323と接続して、以下に説明するように、ガス経路330の気密シールを形成し得る。説明を簡単にするために、様々なOリングは他の図面および図示した実施形態には示されていない。しかしながら、当業者は、Oリングの一般的な有用性およびOリングが使用され得る適切な位置を認識するであろう。
【0054】
[0090]
図10に、線10-10´に沿って切り取った
図8のプラズマ源アセンブリ300の断面図を示す。プラズマ源アセンブリ300は、第1の端部355および第2の端部357を備えた給電電極350を有する。給電電極350は、プラズマ源アセンブリ300の長軸に沿って延在し、その結果、第1の端部355は内周エッジ301に隣接し、第2の端部357は外周エッジ302に隣接している。ここで使用する「隣接する」という用語は、第1の構成要素が第2の構成要素の近くにまたは隣に位置づけされることを意味する。
【0055】
[0091]
図10Aは、内周エッジ301および外周エッジ302を有するくさび形プラズマアセンブリ300を示す概略図である。アセンブリ300の長軸303は、内周エッジ301および外周エッジ302を通って延在する点線でマークされ、第1のエッジ304と第2のエッジ305の真ん中にある。給電電極350は、長さLおよび幅Wを有する。長さLは、第1の端部355から第2の端部357まで測定される。幅Wは、
図9に示すように、アセンブリ300の前面324によって形成される平面と同様の平面において、長軸303に垂直に測定される。給電電極350は、給電電極の第1の端部から第2の端部までの長さに沿って延びる軸を有する。いくつかの実施形態では、給電電極350は、実質的に平行な側面を有する。
図10Aを参照すると、側面は、給電電極の端部355、357の間に延在する。「実質的に平行」という用語は、一方の側面によって形成される主平面が、もう一方の側面によって形成される主平面の±10°以内にあることを意味する。いくつかの実施形態では、給電電極350の幅Wは、電極350の長さLにわたって実質的に同じまま(例えば、平均の10%以内)である。いくつかの実施形態では、電極350の側面は、電極の上部または下部のいずれかで内側に傾斜し、台形の断面を形成する。
【0056】
[0092]給電電極350は、動作温度に耐え得る任意の適切な材料でできていてよい。いくつかの実施形態では、給電電極350は、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、またはタンタル(Ta)の1または複数を含む。幾つかの実施形態では、給電電極350は、タングステンを含む、本質的にタングステンからなる、またはタングステンからなる。ここで使用する用語「本質的に~からなる」は、給電電極350が、原子ベースで、記載された材料の約95%、98%または99%以上であることを意味する。いくつかの実施形態では、給電電極350は、モリブデンを含む、本質的にモリブデンからなる、またはモリブデンからなる。いくつかの実施形態では、給電電極350は、タンタルを含む、本質的にタンタルからなる、またはタンタルからなる。
【0057】
[0093]給電電極350の幅Wは、任意の適切な幅であり得る。いくつかの実施形態では、給電電極350は、約2mmから約50mmの範囲、または約4mmから約40mmの範囲、または約5mmから約30mmの範囲、または約7mmから約20mmの範囲、または約8mmから約15mmの範囲の幅Wを有する。幾つかの実施形態では、給電電極350の幅Wは約10mmである。
【0058】
[0094]いくつかの実施形態では、給電電極350の幅Wは、第1の端部355から第2の端部357に変化する。いくつかの実施形態では、給電電極350の幅Wの形状は、アセンブリ300の形状に一致する。例えば、くさび形アセンブリ300は、外側エッジにおける幅と内側エッジにおける幅との比率が類似しているくさび形給電電極350を有し得る。
【0059】
[0095]接地電極310は、給電電極350の第1の側面に位置づけされる。接地電極310の位置は、給電電極350の上と称され得る。ただし、「上」、「下」等のような相対的用語の使用は特定の物理的関係を表すものではなく、相対的な関係を意図するものである。たとえば、
図10の座標軸は、接地電極310がZ軸において給電電極350よりも上に位置づけられていることを示す。幾つかの実施形態では、給電電極350の第1の側面は、給電電極350の第2の側面とはZ軸において異なる給電電極350の側面である。
【0060】
[0096]接地電極310は、アルミニウム、ステンレス鋼、および銅を含むがこれらに限定されない任意の適切な材料でできていてよい。接地電極310は、任意の適切な電気的特性を有し得る。いくつかの実施形態では、接地電極は、電気的接地と電気的に接触する導電性材料である。
【0061】
[0097]
図10に示すように、接地電極310は、給電電極350から距離D
1だけ離間させることができる。距離D
1は、接地電極310を給電電極350から分離して、それらの間の直接の電気的接触を防ぐための任意の適切な距離であってよい。いくつかの実施形態では、接地電極310は、第2の誘電体325によって給電電極350から離間している。第2の誘電体325は、誘電体320と同じであり得るか、または異なる材料であり得る。誘電体320および/または第2の誘電体325は、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、窒化ケイ素、セラミック、石英、空気を含むがこれらに限定されない任意の適切な材料でできていてよい。いくつかの実施形態では、誘電体320および/または第2の誘電体325は、誘電体材料と空隙の組み合わせを含む。給電電極350の第2の側面の誘電体320は、給電電極350に隣接するかまたは対向する内面326と、内面326の反対側の外面327とを有する。
【0062】
[0098]
図10に示す実施形態では、誘電体320は、支持されるおよび/またはハウジング307内にある。誘電体320および第2の誘電体325は、給電電極350を囲み、接地電極310、または接地電極310の反対側の給電電極350の側面のガスまたは構成要素のいずれかとの直接の電気的接触を防止する。図示した実施形態では、誘電体320により、ガスチャネル370内のガスから給電電極350が分離される。
【0063】
[0099]第1のマイクロ波ジェネレータ361(
図7を参照)は、第1のフィード381を介して給電電極350の第1の端部355に電気的に結合される。第1のフィード381は、第1のマイクロ波ジェネレータ361から給電電極350に電力を伝送することができる任意の適切な導電性材料でできている。
図10および
図11の詳細図に示す実施形態では、第1のフィード381は、接地電極310と電気的に接触することなく、開口部314を通って接地電極310を通過する。
【0064】
[00100]第2のマイクロ波ジェネレータ362(
図7を参照)は、第2のフィード382を介して給電電極の第2の端部357に電気的に結合される。第2のフィード382は、第2のマイクロ波ジェネレータ362から給電電極へ電力を伝送し得る任意の適切な導電性材料でできている。
図10に示す実施形態および
図12の詳細図では、第2のフィード382は、接地電極310と電気的に接触することなく、開口部315を通って接地電極310を通過する。
【0065】
[00101]第1のフィード381および第2のフィード382は、任意の適切な技術によって接地電極310との電気的接触から絶縁することができる。
図9を再び参照すると、第1のフィード381は、同軸フィードライン383として示されている。同軸フィードライン383は、絶縁体384を備えた内部導体(第1のフィード381)と、同軸構成で配置された外部導体385とを含む。外部導体385は完全な電気回路を形成するために接地電極310と電気的に接触している。例示の実施形態では、絶縁体384は、第2の誘電体325で終端する。しかしながら、絶縁体384は、給電電極350を含むがこれに限定されない任意の適切な点で終端し得る。いくつかの実施形態の第2のフィード382は、第1のフィード381と同じ構成要素を含む。
【0066】
[00102]
図11の詳細図を参照すると、給電電極350は、接地電極310から距離D
1だけ分離され、ガスチャネル370から距離D
2だけ分離され得る。距離D
1および距離D
2は、同じまたは異なる寸法であり得る。幾つかの実施形態では、距離D
1および距離D
2は、約4mmから約15mmの範囲、または約5mmから約14mmの範囲、または約7mmから約13mmの範囲、または約9mmから約12mmの範囲、または約11mmである。
【0067】
[00103]いくつかの実施形態では、距離D1は、第1の端部355と第2の端部357との間で実質的に同じままである。ここで使用する「実質的に同じ」という用語は、第1の端部355から第2の端部357までの平均厚さに対して厚さが10%、5%、2%または1%を超えて変動しないことを意味する。いくつかの実施形態では、距離D1は、第1の端部355と第2の端部357との間で変化する。例えば、幾つかの実施形態では、第2の誘電体325は、第1の端部355よりも第2の端部357の近くの方が厚くなっているので、距離D1は第1の端部355よりも第2の端部357の方が大きい。いくつかの実施形態では、第2の誘電体325は第1の端部355よりも第2の端部357の近くの方が薄くなっている。
【0068】
[00104]いくつかの実施形態では、距離D2は、第1の端部355と第2の端部357との間で実質的に同じままである。いくつかの実施形態では、距離D2は、第1の端部355と第2の端部357との間で変化する。例えば、幾つかの実施形態では、第2の誘電体325は、第1の端部355よりも第2の端部357の近くの方が厚いので、距離D2は第1の端部355よりも第2の端部357の方が大きくなっている。いくつかの実施形態では、第2の誘電体325は、第1の端部355よりも第2の端部357の近くの方が薄くなっている。
【0069】
[00105]
図10および詳細
図13を参照すると、プラズマ源アセンブリ300のいくつかの実施形態は、接地電極310の上部にガス入口410を含む。ここで使用する接地電極310の「上部」は、給電電極350から最も遠い接地電極310の表面であり、物理的配向を意味しない。いくつかの実施形態のガス入口410は、接地電極310の上部の反対側に位置するアセンブリ300の底部でガスチャネル370と流体連結しているため、ガスがアセンブリ300の上部からアセンブリの本体を通って、アセンブリ300の下に位置する処理チャンバのプロセス領域内に流れることができる。
【0070】
[00106]
図13~
図17を参照すると、いくつかの実施形態のガス流路405が示されている。
図15は、
図8の線15-15´に沿って切り取った断面図であり、給電電極350の第1の端部355におけるアセンブリ300の端部の一部を示す。
図16は、給電電極350の第1の端部355と中央に位置するガス入口410との間の
図8の線16-16´に沿って切り取った断面図である。
図17は、中央に位置するガス入口410における
図8の線17-17´に沿って切り取った断面図である。図示した実施形態は、給電電極350の長さの中心にガス入口410を有するが、これは単に1つの可能な構成の描写であることが理解されるであろう。
【0071】
[00107]
図13および
図14に示すように、いくつかの実施形態は、接地電極310の凹部319、または接地電極310から分離されている場合はハウジングに適合し得るガス入口プレート440を含む。ガス挿入プレート440は、任意の適切な形状またはサイズであり得る。図示した実施形態では、ガス挿入プレート440は、中央桁441および2つの端桁442を備えたIビームのような形状である。ガス入口410は、中央桁441の中心に位置しているため、ガス入口410を通って流れるガスのコンダクタンスは、各端桁442でほぼ同じである。
【0072】
[00108]ガス挿入プレート440は、接地電極310の上部の下のレッジ421上にある。レッジ421の幅は、ガス挿入プレート440のエッジを支持するための任意の適切な幅であり得る。ガス入口410を通って流れるガスは、端桁442の端部の下の凹部319の底部423とガス挿入プレート440と貫通孔424とによって画定されるガス空間420内に流れる。
【0073】
[00109]ガス流路405は、
図18の概略図に示されている。孔424を通って流れるガスは、チューブ426を通過して、長軸に沿って延在する1または複数のプレナム428に入る。1または複数のプレナム428は、1または複数のガス導管430と流体連結して、ガス入口プレート440から接地電極310および誘電体320を通ってプラズマ源アセンブリ300の長軸に沿って延在するガスチャネル370に流れるガス流を提供する。ガスチャネル370は、ハウジング307の前面324または誘電体320から測定して、任意の適切な深さとすることができる。いくつかの実施形態では、ガスチャネル370は、約5mmから約30mmの範囲、または約10mmから約25mmの範囲、または約15mmから約20mmの範囲の深さを有する。
【0074】
[00110]ガス空間420およびガス挿入プレート440は、
図17の断面図に見ることができる。2つのプレナム428および導管430は、
図16の断面図に示されている。導管430は、ガスチャネル370と流体連結している。
図15~
図17の断面図では、ハウジング307および誘電体320は、導管430への境界を形成する。いくつかの実施形態では、導管430は、完全に誘電体320内に形成される。幾つかの実施形態では、
図16Aに示すように、導管430、およびオプションのプレナム428は、完全に金属ハウジング307内に形成される。当業者は、開示された構成のいずれかが完全に金属ハウジング307内にある導管430を有し得ることを認識するであろう。
【0075】
[00111]
図17を参照すると、給電電極の断面形状が長方形として示されている。給電電極350の断面形状は、任意の適切な形状であり得る。例えば、給電電極350は、第1の端部から第2の端部まで延在する円筒形であり得、断面形状は、円形または楕円形である。いくつかの実施形態では、給電電極は、平坦な導体である。ここで使用する「平坦な導体」という用語は、
図17のように、断面が長方形である直角プリズム形状の導電性材料を意味する。平坦な導体は、高さまたは厚さTを有する。厚さTは、例えば、給電電極350の材料に応じた任意の適切な厚さであり得る。いくつかの実施形態では、給電電極350は、約5μmから約5mm、0.1mmから約5mmの範囲、または約0.2mmから約4mmの範囲、または約0.3mmから約3mmの範囲、または約0.5mmから約2.5mmの範囲、または約1mmから約2mmの範囲の厚さを有する。
【0076】
[00112]いくつかの実施形態では、誘電体320および/または第2の誘電体325の幅W
dは、同じままであるか、または電極の長さに沿って変化し得る。いくつかの実施形態では、誘電体320(オプションとして第2の誘電体325を含む)は、給電電極350の第1の端部355から第2の端部357まで均一な幅W
dを有する。いくつかの実施形態では、誘電体320は、(
図9に示すような)実質的に平行な側面を有する。側面は、給電電極の端部355、357の間に延在する。「実質的に平行」という用語は、一方の側面によって形成される主平面が他方の側面によって形成される主平面の±10°であることを意味する。
図15に示すように、主平面は、湾曲した側面の部分を除外する。いくつかの実施形態では、誘電体320の幅W
dは、電極350の長さLにわたって実質的に同じまま(例えば、平均の10%以内)である。いくつかの実施形態では、誘電体320の幅W
dはハウジング307の幅とともに変化し、その結果、誘電体320の幅とハウジング307の幅との比は、ハウジングの内側端部から外側端部までほぼ同じままである。いくつかの実施形態では、誘電体320の幅W
dは、λ/2を超えず、ラムダ(λ)はマイクロ波波長である。
【0077】
[00113]
図7を参照すると、第1のマイクロ波ジェネレータ361は、第1のフィード381を介して給電電極350の第1の端部355に電気的に結合され、第2のマイクロ波ジェネレータ362は、第2のフィード382を介して給電電極350の第2の端部357に電気的に結合される。第1のフィード381および第2のフィード382は、
図9に関して上記に説明されている。第1のマイクロ波ジェネレータ361は、第1の周波数f1で動作し、第2のマイクロ波ジェネレータ362は、第2の周波数f2で動作する。幾つかの実施形態では、第1の周波数f1および第2の周波数f2は、約300MHzから約300GHzの範囲、または約900MHzから約930MHzの範囲、または約1GHzから約10GHzの範囲、または約1.5GHzから約5GHzの範囲、または約2GHzから約3GHzの範囲、または約2.4GHzから約2.5GHzの範囲、または約2.44GHzから約2.47GHzの範囲、または約2.45GHzから約2.46GHzの範囲である。幾つかの実施形態では、周波数f1および周波数f2は、それぞれ約915MHz±15%、または915MHz±10%である。幾つかの実施形態では、周波数f1は周波数f2の0.05GHz以内である。幾つかの実施形態では、周波数f1は周波数f2とは異なる(すなわち、約900MHzから約930MHzの範囲では周波数における差が5MHzを上回る、あるいは1GHzから10GHzの範囲では周波数における差が0.05GHzを上回る)。幾つかの実施形態では、周波数f1は周波数f2とは異なり、それぞれが約900MHzから約930MHzの範囲、約2.4GHzから約2.5GHzの範囲、または2.45GHz±10%、または2.45GHz±5%、または915MHz±15%、または915MHz±10%の範囲である。
【0078】
[00114]第1のマイクロ波ジェネレータ361および第2のマイクロ波ジェネレータ362は、任意の適切な電力で動作し得る。マイクロ波ジェネレータの電力は、プラズマパラメータを調整するために独立して制御され得る。いくつかの実施形態では、マイクロ波ジェネレータの電力は、約100Wから約5kWの範囲、または約500Wから約2kWの範囲、または約1kWである。
【0079】
[00115]使用時は、第1のマイクロ波ジェネレータ361と第2のマイクロ波ジェネレータ362を使用して、給電電極350の両端部にマイクロ波電力が加えられ得る。プラズマ353によって電力が吸収されない場合、電力はマイクロ波ジェネレータの出力においてサーキュレータを介して疑似負荷(「整合終端負荷」とも称される)にルーティングされ得る。これは、内蔵または外部サーキュレータを介して行われ得る。幾つかの実施形態では、第2のマイクロ波ジェネレータ362は、第1のマイクロ波ジェネレータ361の整合終端負荷であるため、1つのジェネレータが第1のフィード381と第2のフィード382の両方に電力を供給し得る。幾つかの実施形態では、第2のマイクロ波ジェネレータ362は疑似負荷である。
【0080】
[00116]
図19に、第1のスライド短絡部461が第1のフィード381に隣接して位置づけされ、第2のスライド短絡部462が第2のフィード382に隣接して位置づけされる、本開示の1または複数の実施形態の概略図を示す。いくつかの実施形態のスライド短絡部461、462は、同軸のフィードの周りに位置づけされた同軸のスライド短絡タイプのチューナである。幾つかの実施形態では、第1の可動短絡部463および第2の可動短絡部464は、第1のスライド短絡部461および第2のスライド短絡部462と共に使用され、電源入力において「Lタイプ」のマッチングネットワークを形成する。同調セクション(スリーブと短絡部が位置づけされた部分)は、電源接続の大気側に位置し得る。
【0081】
[00117]
図20は、同軸スライド短絡タイプのチューナ471、472が、第1のフィード381に隣接する第1の脚部391の第1の端部355、および第2のフィード382に隣接する第2の脚部392の第2の端部357に位置づけされている、開示の1または複数の実施形態を示す概略図である。第1の脚部391と第2の脚部392は、調整可能な長さの短絡された同軸線であってよい。スライド金属短絡部は、可変伝送線同調要素を形成し得る。図示したマイクロ波ジェネレータは、給電電極350とほぼ同軸に位置づけされ、脚部391、392が給電電極350の軸に対してある角度をなしている。
【0082】
[00118]
図21に、第1のスタブチューナ481が給電電極350の第1の端部355で第1のフィード381に隣接して位置づけされ、第2のスタブチューナ482が給電電極350の第2の端部357で第2のフィード382に隣接して位置づけされている、本開示の1または複数の実施形態の概略図を示す。スタブチューナ481、482は、給電電極350の長さに沿った任意の点に位置づけされ得、給電電極350に近づけたり、給電電極350から遠ざけたりすることができる。例えば、第2のスタブチューナ482は、第1のスタブチューナ481よりも給電電極350の近くに示されている。第1のマイクロ波ジェネレータ361および第2のマイクロ波ジェネレータ362は、ほぼ同軸配置で給電電極350に電気的に結合される。幾つかの実施形態では、1または複数のスタブチューナは、電力反射を最小限に抑えるために、約20オームから約80オームの範囲、または約40オームから約60オームの範囲、または約50オームの抵抗を有する。
【0083】
[00119]
図22Aは、
図20の構成と同様の構成を有する本開示の1または複数の実施形態を示す概略図である。ここで、脚部391、392は、給電電極350とほぼ同軸に示され、同軸のスライド短絡タイプのチューナ471、472は同軸配向である。第1のフィード381および第2のフィード382は、給電電極350の軸に対して角度をなしている。
図22Bは、
図22Aの実施形態を示す概略図であり、第1のフィード381および第2のフィード382は、給電電極350の長さの中心に向かって移動している。フィードを電極の長さの中心に移動することにより、チューナが給電電極の端部でプラズマプロファイルを制御することが可能になる一方で、プラズマを生成するために利用可能な電力が増加し得る。
【0084】
[00120]
図23Aに、
図21の構成と同様の構成を有する本開示の1または複数の実施形態の概略図を示す。ここで、脚部391、392は、給電電極350とほぼ同軸として示され、スタブチューナ481、482は第1のフィード381と第2のフィード382の外側の脚部391、392に隣接して位置している。
図23Bは、
図23Aの実施形態を示す概略図であり、
図22Aおよび
図22Bの違いと同様に、第1のフィード381および第2のフィード382は、給電電極350の長さの中心に向かって移動している。
図23Aおよび
図23Bに示すチューナは、図示した垂直配向だけでなく水平配向もあり得る。
【0085】
[00121]いくつかの実施形態では、
図23Aと同様であるがスタブチューナ481、482がない場合、給電電極350は、第1のフィード381および第2のフィード382のそれぞれを約1/16λ、1/8λまたは1/4λだけ越えて延在する。幾つかの実施形態では、給電電極350は、約1/16λ、1/8λまたは1/4λ以下の量だけ、第1のフィード381および第2のフィード382のそれぞれを越えて延在する。例えば、
図23Aに示す実施形態は、第1のフィード381と第2のフィード382のそれぞれの外側に脚部391、392を有する。フィード間にない給電電極350のこれらの部分は、脚部、延在部、またはスタブと称され得る。幾つかの実施形態では、最も近いフィードに対する給電電極350の端部の距離は、約0.1mmから約10mmの範囲、または約0.5mmから約8mmの範囲、または約1mmから約7.5mmの範囲、または約2mmから約6mmの範囲、または約3mmから約4.5mmの範囲である。幾つかの実施形態では、脚部391、392の長さは、プラズマの均一性を高めるための同調要素として使用され得る。
【0086】
[00122]
図24は、本開示の1または複数の実施形態に係るプラズマアセンブリ300を示す概略断面図である。ここで、ハウジング307は、誘電体320と接地電極310の両方の周りにある。ハウジング307は、導電性または非導電性であり得る。例示の実施形態は、誘電体320の長さD
L、ガスチャネル370内に形成されたプラズマ353の長さP
L、給電電極350の長さW
L、および電力入力間の距離D
Iの測定値を示す。幾つかの実施形態では、長さD
Lは、約150mmから約500mmの範囲、または約200mmから約450mmの範囲、または約250mmから約400mmの範囲、または約300mmから約350mmの範囲である。いくつかの実施形態では、プラズマの長さP
Lは、長さD
L以下である。いくつかの実施形態では、プラズマの長さP
Lは、長さD
Lよりも約10mm短い。給電電極350の長さW
Lは、ほぼプラズマP
Lの長さである。幾つかの実施形態では、給電電極350の長さW
Lは、誘電体の長さD
L以下である。入力間の長さD
1は、給電電極350の長さW
L以下である。
【0087】
[00123]本開示の追加の実施形態は、プラズマを生成または提供する方法を対象とする。第1のマイクロ波電力は、第1のマイクロ波ジェネレータから給電電極の第1の端部に加えられ、第2のマイクロ波電力は、第2のマイクロ波ジェネレータから給電電極の第2の端部に加えられる。第1のマイクロ波電力と第2のマイクロ波電力は、約2.4GHzから約2.5GHzの範囲の周波数で動作する。給電電極は、給電電極の第1の側面に接地電極がある誘電体に囲まれている。プラズマは、第1の側面とは異なる給電電極の第2の側面の誘電体に隣接して形成される。
【0088】
[00124]プラズマ生成中、プロセスチャンバまたはチャネル370内の圧力は、任意の適切な温度であり得る。いくつかの実施形態では、チャネル370内の圧力は、約1mTorrから約100Torrの範囲であるか、または、約10mTorrから約10Torrの範囲、または約50mTである。
【0089】
[00125]実施例
[00126]デュアル(2つの)マイクロ波フィードとストリップライン型給電電極を有するプラズマ源アセンブリが構築され、2.4~2.5GHzで動作する2つの1kWジェネレータによって電力供給された。ストリップラインは、アルミニウムの本体、銅のストリップ、誘電体としての石英を有した。形状寸法は、回路で約50オームの特性インピーダンスを維持して、電力反射を最小限に抑えるように構成された。アプリケータの両端部に2つのスタブチューナが装備された。プラズマは、N2とAr/N2を使用して、トール範囲のガス圧で340x75mmのプラズマエリアに生成された。
【0090】
[00127]くさび形プラズマ源アセンブリは、くさび形誘電体で構築された。マイクロ波フィードはアセンブリの上部に対してまっすぐであり、スタブチューナの代わりに短絡の調整可能な同軸線が使用され、ストリップ材料はモリブデンであった。パイを覆うプラズマは、最大数トールのN2およびAr/N2ガス混合物で生成された。
【0091】
[00128]
図25Aは、さまざまな電力プロファイルの軸位置(給電電極の長さに正規化)の関数としての電力(入力電力に正規化)を示すグラフである。電力は、約800Wで給電電極の片側に加えられた。
図25Bは、約800Wが給電電極の一方の端部に加えられ、約600Wが給電電極のもう一方の端部に加えられたデュアル電力給電電極の軸位置(給電電極の長さに正規化)の関数としての電力(入力電力に正規化)を示すグラフである。波によって運ばれたエネルギーがプラズマで消散したため、アンテナの電力は波の発射点から反対側のアンテナ端部(またはプラズマ端部)に向かって減少した。
【0092】
[00129]
図26Aから
図26Cに、デュアル給電電極を使用した波の伝播を示す。
図26Aでは、給電電極350の端部に供給される電力は、給電電極の全長にわたってプラズマを形成するのに十分ではない。
図26Bでは、給電電極に加えられる電力は、
図26Aにおけるよりも大きいが、全長にわたってプラズマを形成するにはまだ不十分である。
図26Cに、両端部に十分な電力が加えられて給電電極の長さにわたって完全なプラズマを形成する給電電極を示す。いくつかの実施形態では、形成されるプラズマは過剰密度である(電子密度ρ
eは限界プラズマ密度ρ
cよりも高い)。さらに、形成されるプラズマは、定在波カットオフ密度よりも大きい電子密度ρ
eを有し得る。たとえば、2.45GHzでは、限界プラズマ密度はρ
c=7×10
10cm
-3であり、例えば比誘電率が4(石英)である誘電体に沿った定在波伝搬のカットオフ密度は~3×10
11cm
-3である。
【0093】
[00130]当業者は、
図26Cのプラズマが、給電電極の全長にわたって生成されるが、プラズマは均一ではない可能性があることを認識するであろう。給電電極の端部に加えられる電力は、給電電極のプラズマへの電子的結合の完全性および均一性、および結果として得られるプラズマ密度(電子密度)に影響を及ぼし得る1つの要因である。
【0094】
[00131]使用される導電性媒体(すなわち、プラズマが点火されるガス源)は、プラズマの均一性と電子密度に影響を与え得る。幾つかの実施形態では、プラズマの電子密度は、アルゴンをプラズマガスに追加することによって調整可能である。例えば、プラズマが窒素プラズマを使用して点火された場合、チャンバ壁への電力損失、イオン化の損失をもたらす原子衝突(すなわち、イオンではない励起原子の生成)、原子の振動状態または回転状態に変化を与えるエネルギーからの損失などにより、電子密度の不均一が起こり得る。窒素にアルゴンの流れを追加すると、アルゴンは窒素ほどの損失を受けないため、均一性を高めることができる。
【0095】
[00132]プラズマの電子密度および/または均一性を変更するために、さまざまな要因が変更可能である。
図27Aに、接地電極310と誘電体320の外面327との間に均一な距離を有する直線状の給電電極350を示す。プラズマ353は、給電電極350の長さにわたって不完全であるように示されている。図の下に示す曲線は、
図27Aの実施形態の軸方向電力密度(プラズマ)プロファイルを示し、電極の中央付近でのプラズマ密度の減少を示している。
【0096】
[00133]
図27Bは、給電電極350が給電電極350の長さの中央近辺でプラズマ353により近くなるように、誘電体320の外面327との間の給電電極の距離を変化させた実施形態を示す。誘電体320の外面327に対する給電電極350の距離が短くなると、プラズマ353への電子的結合が増加する。給電電極350の幅または厚さは、電極の長さにわたってほぼ同じままである。図の下に示す曲線は、
図27Aの軸方向電力密度(プラズマ)プロファイルよりも給電電極の長さにわたってより均一である、
図27Bの実施形態の軸方向電力密度(プラズマ)プロファイルを示している。
【0097】
[00134]図示した実施形態はまた、接地電極310に対する給電電極の距離を電極の長さにわたって変化させることも考えられ得る。接地電極310に対する距離が短くなると、接地への電子的結合が増加することによってプラズマ353への電子的結合が減少し得る。この実施形態は、
図6Dおよび
図6Eに関して説明したものと同様である。
【0098】
[00135]
図27Cに、外面327が電極の長さの中央付近で給電電極350により近くなるように誘電体320の形状が変更された実施形態を示す。この実施形態の給電電極350は、平坦な電極であり、プラズマ353への電子的結合は、誘電体320の厚さによって調整される。
【0099】
[00136]
図27Dに、給電電極350の形状が電極の長さに沿って変化する実施形態を示す。この実施形態では、給電電極350は、中央付近よりも電極の端部付近の方が厚い。電極の厚さを変更することにより、接地電極310および/または誘電体320のうちの1つまたは複数への電気的結合が変化し得る。
【0100】
[00137]
図27Eは、給電電極350の幅が電極の長さに沿って変化する実施形態を示す上面図である。ここで、給電電極の幅は、電極の中央部分で最大である。第1のフィード381および第2のフィード382は、例示の目的のために想像線で示されている。給電電極の長さに沿ったフィードの位置は変更可能である。
【0101】
[00138]
図28は、給電電極350との2つの接続ポートが存在するプラズマ源アセンブリの実施形態を示す図であり、1つはマイクロ波源フィードを有し、もう1つは疑似および/または無効負荷で終端されている。第1のフィード381と第2のフィード382は、給電電極350に電気的に結合されている。マイクロ波ジェネレータ361は、第1のフィード381に電気的に接続され、第2のフィード382は、疑似負荷397と電気的に結合される。マイクロ波ジェネレータは、固定または可変周波数ジェネレータで、一方のポートを通して電極に電力を供給し、もう一方のポートは「終端」されていてよい。一端または両端部に電力制御とオプションのチューナが含まれ得る。いくつかの実施形態では、チューナを給電電極の両端間に分布させて、変更可能なエンドツーエンドの電力/プラズマ軸方向分布プロファイル制御を得ることができる。いくつかの実施形態では、例えば、
図27Aから
図27Eに示すように、軸方向に変化するアプリケータの形状寸法(ストリップラインの:幅/形状/位置および/または誘電体の寸法または誘電体材料の誘電率)を使用した追加の固定軸方向プラズマ/膜プロファイル制御が含まれる。
【0102】
[00139]疑似負荷397は、整合終端負荷または無効負荷(固定または可動短絡)、または疑似負荷と無効負荷との組み合わせであり得る。いくつかの実施形態では、疑似負荷は、第1のマイクロ波ジェネレータからの整合終端負荷である。
【0103】
[00140]
図29に、給電電極に電気的に結合された少なくとも1つの追加のフィード398が存在するプラズマ源アセンブリの別の実施形態を示す。少なくとも1つの追加のフィード398の位置および数は変更可能である。幾つかの実施形態では、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10の追加のフィード、または1から10の範囲の追加のフィードが存在する。追加のフィード398のそれぞれは、他のどのフィードからも独立して位置づけすることができる。
【0104】
[00141]マイクロ波ジェネレータの数は、フィードの数に応じて変更可能である。たとえば、図示した実施形態には3つのフィードがあり、給電電極に電力を提供する3つのマイクロ波ジェネレータも有し得る。幾つかの実施形態では、マイクロ波ジェネレータはフィードよりも少ない。例えば、第1のフィード381はマイクロ波ジェネレータに接続され、他のフィード(第2のフィード382および追加のフィード398)は疑似負荷および/または無効負荷に接続され得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの疑似負荷は、第1のマイクロ波ジェネレータの整合終端負荷である。少なくとも1つのマイクロ波ジェネレータはフィードに接続される。電力制御およびオプションのチューナを各ポートに配置するか、ポート間に分散させて、変更可能なエンドツーエンドの電力/プラズマ軸方向分布プロファイルを得ることができる。追加の(固定)軸方向プラズマ/膜プロファイル制御は、軸方向に変化するアプリケータの形状寸法(給電電極の幅/形状/位置および/または誘電体の寸法または誘電体材料の誘電率)によって可能である。
【0105】
[00142]本開示の第1の実施形態は、長さを画定する第1の端部および第2の端部を有し、厚さおよび幅を有する給電電極の長さに沿って延在する長軸を有する給電電極と、給電電極の第1の側面の接地電極であって、給電電極からある距離だけ離間している接地電極と、給電電極の第2の側面の誘電体であって、誘電体および接地電極は給電電極を囲み、給電電極に隣接する内面および内面の反対側の外面を有する誘電体と、第1のフィードを介して給電電極の第1の端部に電気的に結合された第1のマイクロ波ジェネレータと、第2のフィードを介して給電電極の第2の端部に電気的に結合された第2のマイクロ波ジェネレータとを備えるプラズマ源アセンブリを対象とする。
【0106】
[00143]第2の実施形態では、第1の実施形態が変更され、接地電極は、第2の誘電体によって給電電極から離間している。
【0107】
[00144]第3の実施形態では、第1の実施形態または第2の実施形態のいずれかが変更され、給電電極は平坦な導体である。
【0108】
[00145]第4の実施形態では、第1から第3の実施形態のいずれかが変更され、給電電極の幅の1または複数が第1の端部から第2の端部で変化し、給電電極から接地電極までの距離が第1の端部から第2の端部で変化する、または、給電電極から誘電体の外面までの距離が第1の端部から第2の端部で変化する。
【0109】
[00146]第5の実施形態では、第1から第4の実施形態のいずれかが変更され、給電電極が誘電体の内面からある距離だけ移動して、空隙を形成する。
【0110】
[00147]第6の実施形態では、第1から第5の実施形態のいずれかは、給電電極の長さに沿った1または複数の位置に位置する1または複数のスタブチューナをさらに備えるように変更される。
【0111】
[00148]第7の実施形態では、第1から第6の実施形態のいずれかが変更され、スタブチューナは、第1のフィードおよび第2のフィードに隣接して位置付けされたスライド短絡部を備える。
【0112】
[00149]第8の実施形態では、第1から第7の実施形態のいずれかが変更され、スタブチューナが第1のフィードおよび第2のフィードに隣接して位置づけされる。
【0113】
[00150]第9の実施形態では、第1から第8の実施形態のいずれかが変更され、給電電極は、第1の端部に第1の脚部および第2の端部に第2の脚部をさらに備える。
【0114】
[00151]第10の実施形態では、第1から第9の実施形態のいずれかが変更され、第1のフィードおよび第2のフィードは給電電極と同軸であり、第1の脚部および第2の脚部は給電電極の軸に対してある角度で延在する。
【0115】
[00152]第11の実施形態では、第1から第10の実施形態のいずれかは、給電電極の長さに沿って位置づけされた1または複数のスタブチューナをさらに備えるように変更される。
【0116】
[00153]第12の実施形態では、第1から第11の実施形態のいずれかが変更され、スタブチューナは、第1の脚部の端部に位置づけされたスライド短絡部および第2の脚部の端部に位置づけされたスライド短絡部を備える。
【0117】
[00154]第13の実施形態では、第1から第12の実施形態のいずれかが変更され、スタブチューナは第1の脚部に隣接して位置づけされ、1つのスタブチューナは第2の脚部に隣接して位置づけされる。
【0118】
[00155]第14の実施形態では、第1から第13の実施形態のいずれかが変更され、第1のフィードおよび第2のフィードは、給電電極の軸に対してある角度で延在し、第1の脚部および第2の脚部は、給電電極と同軸である。
【0119】
[00156]第15の実施形態では、第1から第14の実施形態のいずれかが、第1の脚部の端部および第2の脚部の端部に位置づけされた1または複数のスタブチューナをさらに備えるように変更される。
【0120】
[00157]第16の実施形態では、第1から第15の実施形態のいずれかが変更され、スタブチューナは、第1の脚部に隣接して位置づけされたスライド短絡部および第2の脚部に隣接して位置づけされたスライド短絡部を備える。
【0121】
[00158]第17の実施形態では、第1から第16の実施形態のいずれかが変更され、第1のマイクロ波ジェネレータおよび第2のマイクロ波ジェネレータは、約900MHzから約930MHzの範囲または約2.4GHzから約2.5GHzの範囲の周波数で動作する。
【0122】
[00159]第18の実施形態では、第1から第17の実施形態のいずれかが変更され、第1のマイクロ波ジェネレータと第2のマイクロ波ジェネレータは異なる周波数で動作する。
【0123】
[00160]第19の実施形態では、第1から第18の実施形態のいずれかは、接地電極にガス入口をさらに備えるように変更され、ガス入口は、長軸に沿って延在する1または複数のプレナムと流体連結しており、1または複数のガス導管と流体連結している1または複数のプレナムは、ガス入口から、接地電極および誘電体を通ってプラズマ源アセンブリの長軸に沿って延在するガスチャネルまで流れるガスの流れを提供する。
【0124】
[00161]第20の実施形態では、第1から第19の実施形態のいずれかが変更され、誘電体の外面に対する給電電極の距離が、給電電極の長さにわたって変化する。
【0125】
[00162]第21の実施形態では、第1から第20の実施形態のいずれかが変更され、接地電極に対する給電電極の距離が、給電電極の長さにわたって変化する。
【0126】
[00163]第22の実施形態では、第1から第21の実施形態のいずれかが変更され、給電電極の厚さまたは幅の1または複数が、給電電極の長さに沿って変化する。
【0127】
[00164]第23の実施形態では、第1から第22の実施形態のいずれかが、第3のフィードを介して給電電極に電気的に結合された第3のマイクロ波ジェネレータをさらに備えるように変更され、第3のフィードは、第1のフィードと第2のフィードとの間の給電電極の長さに沿って位置する。
【0128】
[00165]第24の実施形態では、第1から第23の実施形態のいずれかが、第4のフィードを介して給電電極に電気的に結合された第4のマイクロ波ジェネレータをさらに備えるように変更され、第4のフィードは、第1のフィードと第2のフィードとの間の給電電極の長さに沿って位置する。
【0129】
[00166]第25の実施形態では、第1から第24の実施形態のいずれかが、第5のフィードを介して給電電極に電気的に結合された第5のマイクロ波ジェネレータをさらに備えるように変更され、第5のフィードは、第1のフィードと第2のフィードとの間の給電電極の長さに沿って位置する。
【0130】
[00167]第26の実施形態は、第1の実施形態から第25の実施形態のいずれかのプラズマ源アセンブリを備えるガス分配アセンブリを対象とする。
【0131】
[00168]第27の実施形態は、第1の端部および第2の端部を有し、プラズマ源アセンブリの長軸に沿って延在する軸を有する平坦な給電電極であって、幅を有する給電電極と、給電電極の第1の側面の接地電極であって、第2の誘電体によって給電電極から離間し、ガス入口を含む接地電極と、給電電極の第2の側面の誘電体であって、誘電体および第2の誘電体とは給電電極を囲んで給電電極と接地電極との間の電気的接触を防止し、誘電体はプラズマ源アセンブリの長軸に沿って延在するガスチャネルを有し、ガス入口は、長軸に沿って延在する1または複数のプレナムと流体連結しており、1または複数のプレナムは、1または複数のガス導管を介してガスチャネルと流体連結している、誘電体と、第1のフィードを介して給電電極の第1の端部に電気的に結合され、第1の周波数で動作する第1のマイクロ波ジェネレータと、第2のフィードを介して給電電極の第2の端部に電気的に結合され、第2の周波数で動作する第2のマイクロ波ジェネレータとを備えるプラズマ源アセンブリであって、第1の周波数および第2の周波数は、約900MHzから約930MHzの範囲内、または約2.4GHzから約2.5GHzの範囲内であり、第1の周波数と第2の周波数とは異なる、プラズマ源アセンブリを対象とする。
【0132】
[00169]第28の実施形態は、プラズマを提供する方法を対象とし、本方法は、第1のマイクロ波ジェネレータから第1のマイクロ波電力を給電電極の第1の端部に、第2のマイクロ波電力を第2のマイクロ波ジェネレータから給電電極の第2の端部に提供することを含み、第1のマイクロ波電力と第2のマイクロ波電力は、約900MHzから約930MHzの範囲、または約2.4GHzから約2.5GHzの範囲の周波数で動作し、給電電極は、誘電体と給電電極の第1の側面の接地電極に囲まれ、給電電極の第1の側面とは異なる第2の側面の誘電体に隣接して形成され、プラズマ源アセンブリは、長さを画定する第1の端部および第2の端部を有し、幅を有する給電電極の長さに沿って延びる軸を有する給電電極と、給電電極の第1の側面の接地電極であって、給電電極からある距離だけ離間している接地電極と、給電電極の第2の側面の誘電体であって、誘電体および接地電極は給電電極を囲み、給電電極に隣接する内面および内面の反対側の外面を有する誘電体と、給電電極に電気的に結合された第1のフィードと、給電電極に電気的に結合された第2のフィードとを備え、第1のフィードは第1のマイクロ波ジェネレータと電気的に結合され、第2のフィードは疑似負荷と電気的に結合される。
【0133】
[00170]第29の実施形態では、第28の実施形態が変更され、疑似負荷は第1のマイクロ波ジェネレータの整合終端負荷である。
【0134】
[00171]第30の実施形態では、第28から第29の実施形態のいずれかは、給電電極に電気的に結合された少なくとも1つの追加のフィードをさらに備えるように変更される。
【0135】
[00172]第31の実施形態では、第28から第30の実施形態のいずれかが変更され、給電電極の長さに沿った点で給電電極に電気的に結合される1から10の範囲の追加のフィードが存在する。
【0136】
[00173]第32の実施形態では、第28から第31の実施形態のいずれかが、追加のフィードの少なくとも1つに電気的に結合された少なくとも1つの追加のマイクロ波ジェネレータをさらに備えるように変更される。
【0137】
[00174]第33の実施形態では、第28から第32の実施形態のいずれかが変更され、第1のマイクロ波ジェネレータが第1のフィードに電気的に結合され、疑似負荷が他のフィードに電気的に結合される。
【0138】
[00175]第34の実施形態では、第28から第32の実施形態のいずれかが変更され、疑似負荷の少なくとも1つは、第1のマイクロ波ジェネレータの整合終端負荷である。
【0139】
[00176]1または複数の実施形態によれば、基板は、層を形成する前および/または後に処理を受ける。この処理は、同じチャンバで、または1または複数の分離した処理チャンバで実施され得る。いくつかの実施形態では、さらなる処理のために、基板を、第1のチャンバから分離した第2の処理チャンバに直接移動させる。基板は、第1のチャンバから分離した処理チャンバへ直接移動させ得る、または基板は、第1のチャンバから1または複数の移送チャンバへ移動させてから、分離した処理チャンバへ移動させ得る。したがって、処理装置は、移送ステーションと連通する複数のチャンバを備え得る。この種の装置は、「クラスタツール」または「クラスタシステム」などと称され得る。
【0140】
[00177]一般に、クラスタツールは、基板の中心の検出と配向、脱ガス、アニーリング、堆積、および/またはエッチングを含むさまざまな機能を実施する複数のチャンバを備えるモジュール式システムである。1または複数の実施形態によれば、クラスタツールは少なくとも第1のチャンバと、中央の移送チャンバとを含む。中央の移送チャンバは、処理チャンバとロードロックチャンバ間で基板を往復させ得るロボットを収容し得る。移送チャンバは、通常、真空状態に維持され、基板をあるチャンバから別のチャンバへ、および/またはクラスタツールの前端に位置づけされたロードロックチャンバへ往復させるための中間段階を提供する。ただし、チャンバの正確な配置と組み合わせは、本書に記載のプロセスの特定のステップを実施する目的で変更され得る。使用できる他の処理チャンバは、周期的層堆積(CLD)、原子層堆積、化学気相堆積(CVD)、物理的気相堆積(PVD)、エッチング、前洗浄、化学洗浄、RTPなどの熱処理、プラズマ窒化、脱ガス、配向、水酸化、およびその他の基板プロセスを含むが、これに限定されない。クラスタツールのチャンバでプロセスを実行することによって、後続の膜が堆積する前に酸化することなく、大気中の不純物による基板の表面汚染が回避され得る。
【0141】
[00178]1または複数の実施形態によれば、基板は、継続的に真空または「ロードロック」状態にあり、あるチャンバから次のチャンバに移動するときに周囲空気に曝露されない。したがって、移送チャンバは真空下にあり、真空圧下で「ポンプダウン」される。処理チャンバまたは移送チャンバに、不活性ガスが存在し得る。幾つかの実施形態では、不活性ガスは、基板の表面に層を形成した後、反応物の一部またはすべてを除去するためのパージガスとして使用される。1または複数の実施形態によれば、反応物が堆積チャンバから移送チャンバおよび/または追加の処理チャンバに移動するのを防ぐために、堆積チャンバの出口にパージガスが注入される。従って、不活性ガスの流れは、チャンバの出口でカーテンを形成する。
【0142】
[00179]処理中、基板は加熱または冷却され得る。このような加熱または冷却は、基板支持体(サセプタなど)の温度の変更、および基板表面に加熱または冷却されたガスを流すことを含むがこれに限定されない任意の適切なパラメータを変更することによって達成され得る。いくつかの実施形態では、基板支持体は、基板温度を導電的に変化させるように制御できるヒータ/クーラを含む。1または複数の実施形態では、使用されるガス(反応性ガスまたは不活性ガス)は、加熱または冷却されて基板温度を局所的に変化させる。いくつかの実施形態では、ヒータ/クーラは、基板表面に隣接するチャンバ内に位置づけされ、対流により基板温度を変化させる。
【0143】
[00180]基板は、処理中に固定する、または回転させることも可能である。回転する基板は、連続的または個別のステップで回転させることができる。たとえば、基板をプロセス全体で回転させたり、異なる反応性ガスまたはパージガスへの曝露の間に基板を少しだけ回転させたりすることができる。処理中に基板を(連続的または段階的に)回転させて、例えばガス流の形状寸法の局所的な変動などの影響を最小限に抑えることによって、より均一な堆積またはエッチングが実現されやすくなり得る。
【0144】
[00181]上記は本開示の実施形態を対象としているが、本開示の他のおよびさらなる実施形態は、その基本的な範囲から逸脱することなく考案されてもよく、その範囲は以下の特許請求の範囲によって決定される。