(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-08
(45)【発行日】2023-09-19
(54)【発明の名称】基板搬送装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20230911BHJP
B65G 49/07 20060101ALI20230911BHJP
【FI】
H01L21/68 A
B65G49/07 D
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021110082
(22)【出願日】2021-07-01
(62)【分割の表示】P 2018501291の分割
【原出願日】2016-07-11
【審査請求日】2021-07-01
(32)【優先日】2015-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522041444
【氏名又は名称】ブルックス オートメーション ユーエス、エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キャベニー、ロバート ティー
【審査官】三浦 みちる
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/085483(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0139770(US,A1)
【文献】特開2001-112223(JP,A)
【文献】特表2014-520681(JP,A)
【文献】特開昭62-246495(JP,A)
【文献】特開2003-143807(JP,A)
【文献】特開2006-314157(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
B65G 49/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームと、
前記フレームに接続される駆動セクションと
を備える基板搬送装置であって、
前記駆動セクションが、
少なくとも1つの同軸シャフトスピンドルを有する複数駆動シャフトスピンドルと、
直列に配置される複数の異なる交換可能な
複合モータモジュールの少なくとも1つの交換可能な複合モータモジュールであって、前記直列の異なる
複合モータモジュールのそれぞれが、前記同軸シャフトスピンドルの対応するシャフトに動作可能に連結されるモータを有し、前記駆動セクションの対応する独立した駆動軸を画定し、それぞれの
複合モータモジュールの前記モータが、それぞれ、前記フレームに固定されるモータステータと、前記対応するシャフトに結合されるモータロータとを有する、少なくとも1つの交換可能な複合モータモジュールと、
それぞれの
複合モータモジュールの前記モータステータと前記モータロータとの間に配置され、それぞれのモータステータとモータロータとを互いから密封するキャンシールと
を含み、
前記少なくとも1つの交換可能な複合モータモジュールが、前記同軸シャフトスピンドルへの連結のために、前記同軸シャフトスピンドルに連結可能な他の異なる交換可能な複合モータモジュールから選択可能であり、前記複合モータモジュールのそれぞれが、前記同軸シャフトスピンドルへの連結から独立して、異なる所定の特性を有し、複合
モータモジュールの前記異なる所定の特性が、
同軸シャフトスピンドルの位置から独立して、対応する駆動軸の1つまたは複数の異なる所定の駆動特性を画定し、少なくとも1つの複合モータモジュールの選択によって、前記同軸シャフトスピンドルの異なる所定の駆動特性が決定される、
基板搬送装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの複合モータモジュールの選択によって、前記独立した駆動軸のうちの別の駆動軸とは異なる対応する軸の前記異なる所定の駆動特性が決定される、請求項1記載の基板搬送装置。
【請求項3】
前記キャンシールが、前記駆動セクションの異なる交換可能な
複合モータモジュールの間のインターフェースを横切って広がる、請求項1記載の基板搬送装置。
【請求項4】
前記同軸シャフトスピンドルが、3軸スピンドルを備える、請求項1記載の基板搬送装置。
【請求項5】
前記
複合モータモジュールのうちの少なくとも1つの
複合モータモジュールが、シャフトスピンド
ル機械軸受を有し、前記シャフトスピンド
ル機械軸受は、
前記シャフトスピンドル機械軸受の少なくとも一部が、前記少なくとも1つの同軸シャフトスピンドルの回転軸に対して半径方向で前記モータステータの一部と並ぶように、それぞれの
モータステータ内で入れ子状にされる、請求項1記載の基板搬送装置。
【請求項6】
前記
複合モータモジュールのうちの少なくとも1つの
複合モータモジュールが、コンパクトな高さのモジュールであり、前記コンパクトな高さのモジュールのモジュール高さが、前記シャフトスピンド
ル機械軸受から独立している、請求項5記載の基板搬送装置。
【請求項7】
フレームと、
前記フレームに接続される駆動セクションと
を備える基板搬送装置であって、
前記駆動セクションが、
少なくとも1つの駆動シャフトを有する駆動シャフトスピンドルと、
直列で配置される複数の交換可能な
複合モータモジュールの少なくとも1つの交換可能な複合モータモジュールであって、前記直列の異なる
複合モータモジュールのそれぞれが、前記駆動シャフトスピンドルの対応する駆動シャフトに動作可能に連結されるモータを有し、前記駆動セクションの対応する独立した駆動軸を画定し、それぞれの
複合モータモジュールの前記モータが、それぞれ、前記フレームに固定されるモータステータと、前記対応する
駆動シャフトに結合されるモータロータとを有し、前記少なくとも1つの交換可能な複合モータモジュールが、
前記駆動シャフトスピンドルへの連結のために、前記
駆動シャフトスピンドルに連結可能な他の交換可能な複合モータモジュールから選択可能である、少なくとも1つの交換可能な複合モータモジュールと、
前記
複合モータモジュールへの所定の共通の連結を有する線形滑動キャリッジであって、前記線形滑動キャリッジが、前記
駆動シャフトスピンドルへの前記線形滑動キャリッジの連結をもたらすために、調節可能な長さを有する、線形滑動キャリッジと
を含む、
基板搬送装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの交換可能な複合モータモジュールの選択によって、前記独立した駆動軸のうちの別の駆動軸とは異なる対応する軸の異なる所定の駆動特性が決定される、請求項7記載の基板搬送装置。
【請求項9】
前記直列で配置される複数の交換可能な
複合モータモジュールが、2つの
複合モータモジュールを備え、前記少なくとも1つの駆動シャフトが、2つの駆動シャフトを備え、それぞれの駆動シャフトが、前記2つの
複合モータモジュールのそれぞれ1つに対応する、請求項7記載の基板搬送装置。
【請求項10】
前記直列で配置される複数の交換可能な
複合モータモジュールが、3つの
複合モータモジュールを備え、前記少なくとも1つの駆動シャフトが、3つの駆動シャフトを備え、それぞれの駆動シャフトが、前記3つの
複合モータモジュールのそれぞれ1つに対応する、請求項7記載の基板搬送装置。
【請求項11】
それぞれの
複合モータモジュールの前記モータステータと前記モータロータとの間に配置され、それぞれのモータステータとモータロータとを互いから密封するキャンシールをさらに備える請求項7記載の基板搬送装置。
【請求項12】
それぞれの
複合モータモジュールが、前記
駆動シャフトスピンドルへの連結から独立して、異なる所定の特性を有し、
前記複合
モータモジュールの前記異なる所定の特性が、
駆動シャフトスピンドルの位置から独立して、対応する駆動軸の1つまたは複数の異なる所定の駆動特性を画定し、少なくとも1つの複合モータモジュールの選択によって、前記
駆動シャフトスピンドルの異なる所定の駆動特性が決定される、請求項7記載の基板搬送装置。
【請求項13】
前記
複合モータモジュールの選択によって、前記線形滑動キャリッジの高さが画定される、請求項7記載の基板搬送装置。
【請求項14】
フレームと、
前記フレームに接続される駆動セクションと
を備える基板搬送装置であって、
前記駆動セクションが、
少なくとも1つの駆動シャフトを有する駆動シャフトスピンドルと、
直列で配置される複数の異なる交換可能な
複合モータモジュールの少なくとも1つの交換可能な複合モータモジュールであって、前記直列の異なる
複合モータモジュールのそれぞれが、前記駆動シャフトスピンドルの対応する駆動シャフトに動作可能に連結されるモータを有し、前記駆動セクションの対応する独立した駆動軸を画定し、それぞれの
複合モータモジュールの前記モータが、それぞれ、前記フレームに固定されるモータステータと、前記対応する
駆動シャフトに結合されるモータロータと、前記フレームに固定される、シャフトスピンド
ル機械軸受とを有し、前記シャフトスピンド
ル機械軸受の少なくとも一部
は、
前記シャフトスピンドル機械軸受の一部が、前記少なくとも1つの駆動シャフトの回転軸に対して半径方向で前記モータステータの一部と並ぶように、前記モータステータ内で入れ子状にされる、少なくとも1つの交換可能な複合モータモジュールと
を含み、
前記少なくとも1つの交換可能な複合モータモジュールが、
前記駆動シャフトスピンドルへの連結のために、前記
駆動シャフトスピンドルに連結可能な他の異なる交換可能な複合モータモジュールから選択可能である、
基板搬送装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つの交換可能な複合モータモジュールの選択によって、前記独立した駆動軸のうちの別の駆動軸とは異なる対応する軸の異なる所定の駆動特性が決定される、請求項14記載の基板搬送装置。
【請求項16】
それぞれの
複合モータモジュールの前記モータステータと前記モータロータとの間に配置され、それぞれのモータステータとモータロータとを互いから密封するキャンシールを、前記駆動セクションがさらに備える、請求項14記載の基板搬送装置。
【請求項17】
前記キャンシールが、前記駆動セクションの異なる交換可能な
複合モータモジュールの間のインターフェースを横切って広がる、請求項16記載の基板搬送装置。
【請求項18】
前記異なる交換可能な
複合モータモジュールのそれぞれが、前記
駆動シャフトスピンドルへの連結から独立して、異なる所定の特性を有し、
前記複合
モータモジュールの前記異なる所定の特性が、
駆動シャフトスピンドルの位置から独立して、対応する駆動軸の1つまたは複数の異なる所定の駆動特性を画定し、少なくとも1つの複合モータモジュールの選択により、前記
駆動シャフトスピンドルの異なる所定の駆動特性が決定される、請求項14記載の基板搬送装置。
【請求項19】
前記駆動シャフトスピンドルが、3軸スピンドルを備える、請求項14記載の基板搬送装置。
【請求項20】
前記
複合モータモジュールのうちの少なくとも1つの
複合モータモジュールが、コンパクトな高さのモジュールであり、前記コンパクトな高さのモジュールのモジュール高さが、前記シャフトスピンド
ル機械軸受から独立している、請求項14記載の基板搬送装置。
【請求項21】
基板搬送装置のフレームを提供することと、
前記フレームに接続される駆動セクションを提供することであって、前記駆動セクションが、
少なくとも1つの同軸シャフトスピンドルを有する複数駆動シャフトスピンドルと、
直列に配置される複数の異なる交換可能な
複合モータモジュールの少なくとも1つの交換可能な複合モータモジュールであって、前記直列の異なる
複合モータモジュールのそれぞれが、前記同軸シャフトスピンドルの対応するシャフトに動作可能に連結されるモータを有し、前記駆動セクションの対応する独立した駆動軸を画定し、それぞれの
複合モータモジュールの前記モータが、それぞれ、前記フレームに固定されるモータステータと、前記対応するシャフトに結合されるモータロータとを有する、少なくとも1つの交換可能な複合モータモジュールと、
それぞれの
複合モータモジュールの前記モータステータと前記モータロータとの間に配置され、それぞれのモータステータとモータロータとを互いから密封するキャンシールと
を含む、駆動セクションを提供することと、
前記同軸シャフトスピンドルへの連結のために、前記同軸シャフトスピンドルに連結可能な他の異なる交換可能な複合モータモジュールから、前記少なくとも1つの交換可能な複合モータモジュールを選択することであって、前記複合モータモジュールのそれぞれが、前記同軸シャフトスピンドルへの連結から独立して、異なる所定の特性を有し、
前記複合
モータモジュールの前記異なる所定の特性が、
同軸シャフトスピンドルの位置から独立して、対応する駆動軸の1つまたは複数の異なる所定の駆動特性を画定し、少なくとも1つの複合モータモジュールの選択によって、前記同軸シャフトスピンドルの異なる所定の駆動特性が決定される、前記少なくとも1つの交換可能な複合モータモジュールを選択することと
を含む方法。
【請求項22】
前記少なくとも1つの交換可能な複合モータモジュールの選択によって、前記独立した駆動軸のうちの別の駆動軸とは異なる対応する軸の前記異なる所定の駆動特性が決定される、請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記キャンシールが、前記駆動セクションの異なる交換可能な
複合モータモジュールの間のインターフェースを横切って広がる、請求項21記載の方法。
【請求項24】
前記同軸シャフトスピンドルが、3軸スピンドルを備える、請求項21記載の方法。
【請求項25】
前記
複合モータモジュールのうちの少なくとも1つの
複合モータモジュールが、シャフトスピンド
ル機械軸受を有し、前記シャフトスピンド
ル機械軸受は、
前記シャフトスピンドル機械軸受の少なくとも一部が、前記少なくとも1つの同軸シャフトスピンドルの回転軸に対して半径方向で前記モータステータの一部と並ぶように、それぞれの
モータステータ内で入れ子状にされる、請求項21記載の方法。
【請求項26】
前記
複合モータモジュールのうちの少なくとも1つの
複合モータモジュールが、コンパクトな高さのモジュールであり、前記コンパクトな高さのモジュールのモジュール高さが、前記シャフトスピンド
ル機械軸受から独立している、請求項25記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2015年7月13日に出願された米国仮特許出願第62/191,836号の利益を主張し、その開示内容の全ては、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[技術分野]
例示的な実施形態は、概して、基板処理システムに関し、より詳細には、モータ構成要素のその場での較正なしに再構成可能で交換可能な基板搬送装置に関する。
【背景技術】
【0003】
一般的に、例示的な目的のみのために、基板またはウェハ搬送装置である、基板処理装置内で基板を搬送する搬送装置は、特定の構成のために特別に構成されている。たとえば、駆動軸の数およびモータ特性は、搬送装置の組立時に固定される。実際には、これらの基板搬送装置は、基板搬送装置を実質的に解体し、新たに再構築することなく再構成することができない。これは、従来の基板搬送装置の互換性及び相互運用性を制限し、ほとんど類似しているものの交換可能ではない搬送装置を有する製造施設(すなわちFAB)の操作をもたらす。一例として、FABオペレータは、従来の3軸、4軸および5軸のロボット(それぞれが対応する処理ステーションまたはツール用のものであり、3軸、4軸または5軸の搬送装置が適切である)を有することができる。概して類似の構成(たとえば、従来のロボットは全てSCARA、リープフロッグ(leap frog)などの同じタイプのアームを有することができる)でも、従来の3軸、4軸および5軸の搬送装置は互換性がなく、従来の搬送装置の再構成(たとえば、3軸搬送装置から5軸搬送装置への再構成、またはその逆の再構成)は、従来の搬送装置を完全に分解して再構築することを伴う。
【0004】
さらに、従来の搬送装置が垂直またはZ軸移動を含む場合、搬送装置の搬送アームの回転を提供するモータは、一般的に、Z軸駆動部に駆動連結されたキャリッジに取り付けられる。キャリッジは、一般的に、所定の数のモータに対して寸法決めされ、キャリッジ内のモータの数は、一般的に変更することができない。少なくとも輸送装置の生産の観点から、またエンドユーザーの立場からは、異なる数の積み重ねられたモータおよび異なる量のZ軸移動を有する搬送装置を収容するために、複数のキャリッジおよび駆動ハウジングフレームが必要とされる。
【発明の概要】
【0005】
変化するモータスタックの高さに適応する共通のキャリッジに挿入し、共通のキャリッジから取り外すことができる、低減された高さのモジュール式モータを備えた搬送装置を有することが有利である。また、搬送装置の再構成を行うために、交換して、互いに組み合わせて使用することができる、低減された高さのモジュール式モータを備えた搬送装置を有することが有利である。
【0006】
開示される実施形態の前述の態様および他の特徴は、添付図面に関連して以下の記載において説明される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1A】開示される実施形態の態様を組み込んだ基板処理装置の概略図である。
【
図1B】開示される実施形態の態様を組み込んだ基板処理装置の概略図である。
【
図1C】開示される実施形態の態様を組み込んだ基板処理装置の概略図である。
【
図1D】開示される実施形態の態様を組み込んだ基板処理装置の概略図である。
【
図2A】開示される実施形態の態様による搬送アームの概略図である。
【
図2B】開示される実施形態の態様による搬送アームの概略図である。
【
図2C】開示される実施形態の態様による搬送アームの概略図である。
【
図2D】開示される実施形態の態様による搬送アームの概略図である。
【
図2E】開示される実施形態の態様による搬送アームの概略図である。
【
図3A】開示される実施形態の態様による基板搬送装置の一部の概略図である。
【
図3B】開示される実施形態の態様による基板搬送装置の一部の概略図である。
【
図3C】開示される実施形態の態様による基板搬送装置の一部の概略図である。
【
図3D】開示される実施形態の態様による基板搬送装置の一部の概略図である。
【
図4A】開示される実施形態の態様による基板搬送装置の一部の概略図である。
【
図4B】開示される実施形態の態様による基板搬送装置の一部の概略図である。
【
図4C】開示される実施形態の態様による基板搬送装置の一部の概略図である。
【
図5】開示される実施形態の態様による基板搬送装置の一部の概略図である。
【
図6】開示される実施形態の態様による基板搬送装置の一部の概略図である。
【
図7】開示される実施形態の態様による基板搬送装置の一部の概略図である。
【
図8A】開示される実施形態の態様による基板搬送装置の一部の異なる構成を示す概略図である。
【
図8B】開示される実施形態の態様による基板搬送装置の一部の異なる構成を示す概略図である。
【
図8C】開示される実施形態の態様による基板搬送装置の一部の異なる構成を示す概略図である。
【
図9】開示される実施形態の態様によるフローダイアグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1A~1Dを参照すると、本明細書においてさらに説明する、開示される実施形態の態様を組み込む基板処理装置またはツールの概略図が示される。開示される実施形態の態様を図面に関連して説明するが、開示される実施形態の態様は、様々な形態で具体化され得ることが理解されるべきである。さらに、任意の適切なサイズ、形状または種類の要素または材料が使用されてもよい。
【0009】
以下において、より詳細に説明するように、開示される実施形態の態様は、少なくとも1つの駆動軸の低トルク付与または高トルク付与を可能にする再構成可能な駆動スピンドルを有する基板搬送装置を提供し、その駆動スピンドルは、モジュール式駆動セクションに接続され、モジュール式駆動セクションにより駆動される。モジュール式駆動セクションは、積み重ねで配置される複数の異なる交換可能なモータモジュールを含んでおり、それぞれのモータモジュールは、搬送装置の同軸スピンドルアセンブリのそれぞれのシャフトを駆動し、駆動セクションの対応する駆動軸を画定する密封されたモータを含んでいる。異なる交換可能なモータモジュールは、積み重ね内の配置のために、他の異なる交換可能なモータモジュールから選択可能であり、モータモジュールのそれぞれは、積み重ね内での駆動モジュールの配置から独立して、異なる所定の特性を有している。各駆動部の所定の特性は、同軸スピンドル内のシャフト位置から独立した駆動軸(たとえばそれぞれのモータモジュールに共通の駆動軸)に対応している。また、開示される実施形態の態様は、モータモジュールの導入の際、モータモジュールのさらなる調整が必要ないように、モータモジュールの導入を提供する。開示される実施形態の態様は、モジュール式モータ構成を提供し、モジュール式モータ構成は、モータのトルク性能の線形領域での利得の増加を提供する一方で、搬送装置の駆動セクションの高さを小さくするとともに、搬送装置の製造およびメンテナンスのためのコストを削減する。また、開示される実施形態の態様により、Z軸キャリッジが提供され、Z軸キャリッジは、搬送装置に追加のコストを加えることなく、変化する高さを有するモータの積み重ねのための共通する解を提供する。したがって、開示される実施形態の態様は、共通のフレーム内で、長さとスピンドルアセンブリの種類との複数の異なる組み合わせを有する、本明細書に記載されるモータモジュールとZ軸キャリッジとの相互作用のための共通の構成要素を活用する。
【0010】
図1Aおよび1Bを参照すると、たとえば、半導体ツールステーション11090などの、開示される実施形態の態様による処理装置が示される。半導体ツール11090が図中に示されるが、本明細書において説明する、開示される実施形態の態様は、ロボットマニピュレータを使用する任意のツールステーションまたは応用例に適用されてもよい。この例では、ツール11090は、クラスタツールとして示されているが、開示される実施形態の態様は、たとえば、
図1Cおよび1Dに示され、ならびにその開示内容の全てが、参照により本明細書に組み込まれる、2013年3月19日に発行された、「Linearly Distributed Semiconductor Workpiece Processing Tool」と題される米国特許第8,398,355号明細書に記載されるものなどの、線形ツールステーションなどの、任意の適切なツールステーションに適用されてもよい。ツールステーション11090は、概して、大気フロントエンド11000、真空ロードロック11010、および真空バックエンド11020を含む。他の態様では、ツールステーションは、任意の適切な構成を有してもよい。フロントエンド11000、ロードロック11010、およびバックエンド11020のそれぞれの構成要素は、たとえば、クラスタ型アーキテクチャ制御などの任意の適切な制御アーキテクチャの一部であってもよい制御装置11091に接続されてもよい。制御システムは、その開示内容の全てが、参照により本明細書に組み込まれる、2011年3月8日に発行された、「Scalable Motion Control System」と題される米国特許第7,904,182号明細書に記載されるものなどの、主制御装置、クラスタ制御装置、および自律型遠隔制御装置を有する閉ループ制御装置であってもよい。他の態様では、任意の適切な制御装置および/または制御システムが利用されてもよい。
【0011】
本明細書に記載されるような、基板搬送装置の制御装置11091および/または制御装置300C(
図3A)は、モータモジュールの導入の際に、モータモジュールのさらなる調整が必要ないように、異なるモータモジュールの導入をもたらすために、本明細書に記載される処理装置を操作するための非一時的プログラムを含む任意の適切なメモリ300CMおよびプロセッサ300PRを含んでいる。たとえば、一態様において、制御装置11091および/または制御装置300Cは、モータモジュールの固有の属性(たとえば、モータエンコーダとモータ巻線位相角との間の位相差/角度などの任意の適切な駆動特性)を格納し、取り出し、認証するように構成されるメモリ300CMおよびプロセッサ300PRを含んでいる。これらのモータモジュールの固有の属性は、一態様では、それぞれのモータモジュールが駆動セクションに導入されるときに、メモリ401CRが制御装置300Cおよび/または制御装置11091と通信するように、それぞれのモータモジュール401のメモリ401CR(カード、チップまたは他の適切な記憶媒体であってもよい)に記憶される。制御装置300Cは、それぞれのモータモジュール401のメモリ401CRに記憶されて、メモリ401CRから取得されるモータモジュールの固有の属性に基づいて、モータモジュールの回転位置を確証するように構成される。一例として、
図4Aを参照すると、本明細書に記載の各モータモジュール401は、モータモジュール401の製造または組み立て時に作成される固有の数を有し、この固有の数は、モータモジュールのモータ401Mの電気的な巻線位相角とエンコーダ410との位置合わせと相関する(たとえば
図4A参照)。この固有の数は、初期化および動作中のモータ401Mの整流を最適化する。不正確な数を有することは、基板搬送停止エラーを発生させ、わずかにずれている場合には、位相間の電力分配の非効率性による過度の加熱を発生させる。この固有の数および上述したような他の適切なモータモジュールの固有の属性は、各モータモジュール401のメモリ401CRに格納される。基板搬送制御装置300C(または制御装置11091)は、モータスタック310内の各モータモジュール401について固有の数(およびそれぞれの固有の数/モータモジュールに関連する固有の位相値)を基盤として使用し、命令された軌道運動パラメータを生成し、所望のトルク、位置および時間の要件を達成する。このように、本明細書で説明される各モータモジュール401は、真に交換可能であり、モータモジュールをさらに調整することなく、基板搬送装置に導入することができる。
【0012】
一態様では、フロントエンド11000は、概して、ロードポートモジュール11005、および、たとえばイクイップメントフロントエンドモジュール(EFEM)などのミニエンバイロメント11060を含む。ロードポートモジュール11005は、300mmロードポートのSEMI規格E15.1、E47.1、E62、E19.5またはE1.9、前開き型または底開き型ボックス/ポッドおよびカセットに適合した、ボックスオープナー/ローダーツール標準(BOLTS)インターフェースであってもよい。他の態様では、ロードポートモジュールは、200mmウェハインターフェース、450mmウェハインターフェース、または、たとえば、より大型もしくはより小型のウェハまたは平面パネルディスプレイのための平面パネルのような、他の任意の適切な基板インターフェースとして構成されてもよい。
図1Aには2つのロードポートモジュール11005が示されているが、他の態様では、任意の適切な数のロードポートモジュールが、フロントエンド11000に組み込まれてもよい。ロードポートモジュール11005は、オーバーヘッド型搬送システム、無人搬送車、有人搬送車、レール型搬送車、または他の任意の適切な搬送手段から、基板キャリアまたはカセット11050を受容するように構成されていてもよい。ロードポートモジュール11005は、ロードポート11040を通じて、ミニエンバイロメント11060と接合してもよい。一態様では、ロードポート11040は、基板カセット11050とミニエンバイロメント11060との間で、基板の通過を可能にしてもよい。
【0013】
一態様では、ミニエンバイロメント11060は、概して、本明細書において説明する、開示される実施形態の1つまたは複数の態様を組み込む任意の適切な移送ロボット11013を含む。一態様では、ロボット11013は、その開示内容の全てが、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,002,840号明細書に記載されるものなどの、トラック搭載ロボットであってもよく、他の態様では、任意の適切な構成を有する他の任意の適切な搬送ロボットであってもよい。ミニエンバイロメント11060は、複数のロードポートモジュール間に基板移送用の被制御クリーンゾーンを設けてもよい。
【0014】
真空ロードロック11010は、ミニエンバイロメント11060とバックエンド11020との間に位置付けられて、ミニエンバイロメント11060およびバックエンド11020と接続されてもよい。なお、本明細書において使用される真空という用語は、基板が処理される、10-5Torr以下のような高真空を意味してもよい。ロードロック11010は概して、大気および真空スロットバルブを含む。スロットバルブは、大気フロントエンドから基板を搭載した後に、ロードロック内を排気するために使用され、窒素などの不活性ガスを用いてロック内に通気するときに、搬送チャンバ内の真空を維持するために使用される環境隔離を提供してもよい。一態様では、ロードロック11010は、処理に望ましい位置に基板の基準をアライメントするためのアライナ11011を含む。他の態様では、真空ロードロックは、処理装置の任意の適切な場所に設置されていてもよく、任意の適切な構成および/または測定機器を有していてもよい。
【0015】
真空バックエンド11020は概して、搬送チャンバ11025、1つもしくは複数の処理ステーションまたは処理モジュール11030、および、任意の適切な移送ロボットまたは装置11014を含む。移送ロボット11014は、以下において説明されるが、ロードロック11010と様々な処理ステーション11030との間で基板を搬送するために、搬送チャンバ11025内に設置されていてもよい。処理ステーション11030は、様々な、成膜、エッチング、または他の種類の処理を通じて、基板上に電気回路または他の望ましい構造体を形成するために、基板に対して動作してもよい。典型的な処理は、限定されないが、プラズマエッチングまたは他のエッチング処理、化学蒸着(CVD)、プラズマ蒸着(PVD)、イオン注入などの注入、測定、急速熱処理(RTP)、乾燥細片原子層成膜(ALD)、酸化/拡散、窒化物の形成、真空リソグラフィ、エピタキシ(EPI)、ワイヤボンダ、および蒸発のような、真空を使用する薄膜処理、または他の真空圧を使用する薄膜処理を含む。搬送チャンバ11025から処理ステーション11030に、またはその逆に、基板を通過させることを可能にするために、処理ステーション11030は、搬送チャンバ11025に接続される。一態様では、ロードポートモジュール11005およびロードポート11040は、ロードポートに取り付けられるカセット11050が、移送チャンバ11025の真空環境および/または処理モジュール11030の処理真空と実質的に直接適合する(たとえば、処理真空および/または真空環境が、処理モジュール11030とカセット11050との間で延在し、共通である)ように、真空バックエンド11020に実質的に直接連結される(たとえば、一態様では、少なくともミニエンバイロメント11060が省略され、他の態様では、真空ロードロック11010も省略されて、カセット11050が、真空ロードロック11010と類似の方法で真空にまで排気される)。
【0016】
次に
図1Cを参照すると、ツールインターフェースセクション2012が、概して搬送チャンバ3018の長手方向軸Xに(たとえば内向きに)向くが、長手方向軸Xからずれるように、ツールインターフェースセクション2012が搬送チャンバモジュール3018に取り付けられている、線形基板処理システム2010の概略平面図が示されている。搬送チャンバモジュール3018は、すでに参照により本明細書に組み込まれた、米国特許第8,398,355号明細書に記載されたように、他の搬送チャンバモジュール3018A、3018I、3018Jを接続部2050、2060、2070に取り付けることによって、任意の適切な方向に延長されてもよい。各搬送チャンバモジュール3018、3019A、3018I、3018Jは、基板を、処理システム2010の全体に亘って、および、たとえば、(一態様において、上述した処理モジュール11030に実質的に類似する)処理モジュールPMの内外へ搬送するために、本明細書において説明する、開示される実施形態の1つまたは複数の態様を含んでもよい、任意の適切な基板搬送部2080を含んでいる。理解できるように、各チャンバモジュールは、隔離された、または制御された雰囲気(たとえば、N2、清浄空気、真空)を維持することが可能であってもよい。
【0017】
図1Dを参照すると、線形搬送チャンバ416の長手方向軸Xに沿った、例示的な処理ツール410の概略的な立面図が示されている。
図1Dに示される、開示される実施形態の態様では、ツールインターフェースセクション12は典型的に、搬送チャンバ416に接続されてもよい。この態様では、インターフェースセクション12は、ツール搬送チャンバ416の一方の端部を画定してもよい。
図1Dに見られるように、搬送チャンバ416は、たとえば、インターフェースステーション12から反対の端部に、別のワークピース進入/退出ステーション412を有していてもよい。他の態様では、搬送チャンバからワークピースを挿入/除去するための、他の進入/退出ステーションが設けられてもよい。一態様では、インターフェースセクション12および進入/退出ステーション412は、ツールからのワークピースの搭載および取出しを可能にしてもよい。他の態様では、ワークピースは、一方の端部からツールに搭載され、他方の端部から取り出されてもよい。一態様では、搬送チャンバ416は、1つまたは複数の搬送チャンバモジュール18B、18iを有してもよい。各チャンバモジュールは、隔離された、または制御された雰囲気(たとえば、N2、清浄空気、真空)を保持することが可能であってもよい。既に述べられたように、
図1Dに示される搬送チャンバ416を形成する搬送チャンバモジュール18B、18i、ロードロックモジュール56A、56、およびワークピースステーションの構成/配置は例示的なものに過ぎず、他の態様では、搬送チャンバは、任意の望ましいモジュール配置で配置された、より多くのまたはより少ないモジュールを有してもよい。示される態様では、ステーション412はロードロックであってもよい。他の態様では、ロードロックモジュールは、(ステーション412に類似の)端部進入/退出ステーションの間に設置されてもよく、または、(モジュール18iに類似の)隣の搬送チャンバモジュールは、ロードロックとして動作するように構成されてもよい。
【0018】
既に述べられたように、搬送チャンバモジュール18B、18iは、搬送チャンバモジュール18B、18iに設置され、本明細書において説明する、開示される実施形態の1つまたは複数の態様を含んでもよい1つまたは複数の対応する搬送装置26B、26iを有してもよい。それぞれの搬送チャンバモジュール18B、18iの搬送装置26B、26iは、搬送チャンバ内に線形に分散されたワークピース搬送システムを提供するために連携してもよい。この態様では、(
図1Aおよび1Bに図示されるクラスタツールの搬送装置11013、11014に実質的に類似であってもよい)搬送装置26Bは、一般的なSCARAアーム構成を有してもよい(他の態様では、搬送アームは、たとえば、
図2Bに示される線形摺動アーム214、または任意の適切なアーム連係機構を有する他の適切なアームに実質的に類似の配置などの、他の任意の所望の配置を有してもよい)。アーム連係機構の適切な例は、たとえば、その開示内容の全てが、参照により本明細書に組み込まれる、2009年8月25日に発行された米国特許第7,578,649号明細書、1998年8月18日に発行された米国特許第5,794,487号明細書、2011年5月24日に発行された米国特許第7,946,800号明細書、2002年11月26日に発行された米国特許第6,485,250号明細書、2011年2月22日に発行された米国特許第7,891,935号明細書、2013年4月16日に発行された米国特許第8,419,341号明細書、ならびに、2011年11月10日に出願された、「Dual Arm Robot」と題される米国特許出願第13/293,717号明細書、および2013年9月5日に出願された、「Linear Vacuum Robot with Z Motion and Articulated Arm」と題される米国特許出願第13/861,693号明細書に見ることができる。開示される実施形態の態様では、少なくとも1つの移送アームは、アッパーアーム、バンド駆動式フォアアーム、およびバンド拘束式エンドエフェクタを含む、従来のSCARA(水平多関節ロボットアーム)型設計から、または伸縮アーム、もしくは他の任意の適切なアーム設計から得られてもよい。移送アームの適切な例は、たとえば、その開示内容の全てが、参照により本明細書に組み込まれる、2008年5月8日に出願された、「Substrate Transport Apparatus with Multiple Movable Arms Utilizing a Mechanical Switch Mechanism」と題される米国特許出願第12/117,415号明細書、および2010年1月19日に発行された、米国特許第7,648,327号明細書に見ることができる。移送アームの動作は、互いから独立してもよく(たとえば、各アームの伸長/後退は、他のアームから独立してもよい)、ロストモーションスイッチによって動作されてもよく、またはアームが少なくとも1つの共通駆動軸を共有するように、任意の適切な方法で、動作可能に連結されてもよい。さらに他の態様では、搬送アームは、フロッグレッグアーム216(
図2A)構成、リープフロッグアーム217(
図2D)構成、左右対称型アーム218(
図2C)構成などの、他の任意の望ましい構成を有してもよい。別の態様では、
図2Eを参照すると、移送アーム219は、少なくとも第1および第2関節アーム219A、219Bを含み、各アーム219A、219Bは、共通する移送平面内で少なくとも2つの基板S1、S2を隣り合って保持するように構成されるエンドエフェクタ219Eを含み(エンドエフェクタ219Eの各基板保持位置は、基板S1、S2を取り出し、設置するための共通の駆動部を共有する)、基板S1、S2の間の間隔DXは、隣り合う基板保持位置の間の固定された間隔に対応する。搬送アームの適切な例は、たとえば、その開示内容の全てが、参照により本明細書に組み込まれる、2001年5月15日に発行された米国特許第6,231,297号明細書、1993年1月19日に発行された米国特許第5,180,276号明細書、2002年10月15日に発行された米国特許第6,464,448号明細書、2001年5月1日に発行された米国特許第6,224,319号明細書、1995年9月5日に発行された米国特許第5,447,409号明細書、2009年8月25日に発行された米国特許第7,578,649号明細書、1998年8月18日に発行された米国特許第5,794,487号明細書、2011年5月24日に発行された米国特許第7,946,800号明細書、2002年11月26日に発行された米国特許第6,485,250号明細書、2011年2月22日に発行された米国特許第7,891,935号明細書、2011年11月10日に出願され、「Dual Arm Robot」と題された米国特許出願第13/293,717号明細書、および2011年10月11日に出願され、「Coaxial Drive Vacuum Robot」と題された米国特許出願第13/270,844号明細書に見られる。
【0019】
図1Dに示される、開示される実施形態の態様では、搬送装置26Bのアームは、取り出し/配置場所から素早くウェハを交換する(たとえば、基板保持位置からウェハを取り出し、その後すぐに同じ基板保持位置にウェハを設置する)搬送を可能にする、いわゆる迅速交換配置(fast swap arrangement)を提供するように配置されてもよい。搬送アーム26Bは、任意の適切な数の自由度(たとえば、Z軸運動を伴う、肩および肘関節部の周りの独立回転)を各アームに提供するために、任意の適切な駆動セクション(たとえば、同軸配置駆動シャフト、並置駆動シャフト、水平方向に隣接するモータ、垂直方向に積み重ねられたモータなど)を有してもよい。
図1Dに見られるように、この態様では、モジュール56A、56、30iは、搬送チャンバモジュール18Bと18iとの間に介在して設置されてもよく、適切な処理モジュール、(1つまたは複数の)ロードロックLL、(1つまたは複数の)バッファステーション、(1つまたは複数の)測定ステーション、または他の任意の望ましい(1つまたは複数の)ステーションを画定してもよい。たとえば、ロードロック56A、56、およびワークピースステーション30iなどの中間モジュールはそれぞれ、搬送チャンバの線形軸Xに沿った搬送チャンバの全長に亘って、ワークピースの搬送を可能にするために搬送アームと連携する静止型ワークピース支持部/棚56S1、56S2、30S1、30S2を有していてもよい。例として、(1つまたは複数の)ワークピースが、インターフェースセクション12によって、搬送チャンバ416に搭載されてもよい。(1つまたは複数の)ワークピースは、インターフェースセクションの搬送アーム15を用いて、ロードロックモジュール56Aの(1つまたは複数の)支持部上に位置決めされてもよい。ロードロックモジュール56A内で、(1つまたは複数の)ワークピースは、モジュール18B内の搬送アーム26Bによって、ロードロックモジュール56Aとロードロックモジュール56との間で移動させられてもよく、同様の連続的な方法で、(モジュール18i内の)アーム26iを用いて、ロードロック56とワークピースステーション30iとの間で、および、モジュール18i内のアーム26iを用いて、ステーション30iとステーション412との間で移動させられてもよい。(1つまたは複数の)ワークピースを反対の方向に移動させるために、この処理は全体的に、または部分的に逆行されてもよい。したがって、一態様では、ワークピースは、軸Xに沿って任意の方向に、および搬送チャンバに沿って任意の位置に移動させられてもよく、搬送チャンバと通信する、任意の望ましいモジュール(処理モジュール、あるいは別のモジュール)に、または任意の望ましいモジュールから、搭載または取り出されてもよい。他の態様では、静止型ワークピース支持部または棚を有する中間搬送チャンバモジュールは、搬送チャンバモジュール18Bと18iの間には設けられなくてもよい。そのような態様では、隣接する搬送チャンバモジュールの搬送アームは、搬送チャンバを通してワークピースを移動させるために、ワークピースを、エンドエフェクタまたは1つの搬送アームから直接、別の搬送アームのエンドエフェクタへ受け渡してもよい。処理ステーションモジュールは、様々な、成膜、エッチング、または他の種類の処理を通じて、基板上に電気回路または他の望ましい構造体を形成するために、基板に対し動作してもよい。基板が、搬送チャンバから処理ステーションに、またはその逆に、受け渡されることを可能にするために、処理ステーションモジュールは、搬送チャンバモジュールに接続される。
図1Dに示された処理装置と類似の一般的特徴を有する処理ツールの適切な例は、既に参照により本明細書に組み込まれている米国特許第8,398,355号明細書に記載されている。
【0020】
次に
図3A、3Bおよび3Cを参照すると、上述した搬送装置は、搬送装置のフレームF(
図1C)に接続される駆動セクションまたはユニット300を含む。一態様において、駆動セクション300は、たとえば、フレーム300Fの一方の端部(たとえば上部300FTまたは底部300FB)に連結されるフランジ305によってなど、任意の適切な方法で、基板搬送装置のフレームFに接続されるフレームまたは支持構造300Fを含む。他の態様では、フレーム300Fは、たとえば、本明細書に記載されているような基板処理装置に取り付けるための側部取付配置を有する側部取付フレームである。フレーム300Fの側部取付部は、フレームの側部300FSに従属してもよく、一態様では、フレーム300Fの互換性を可能にする動的連結を画定してもよい。一態様では、フレーム300Fは、その開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、2013年11月5日に発行された米国特許第8,573,919号明細書に記載されたものと実質的に類似している。
【0021】
駆動セクション300のフレーム300Fは、たとえば、上部300FT、底部300FBおよび少なくとも1つの側部300FSを有する略円筒形状または溝形状など、任意の適切な形状および構成を有する。一態様では、フレーム300Fは、モノコック構造または半モノコック構造である(すなわち、フレーム300Fによって形成された壁部または外殻部は、荷重軸受であり、フレーム330Fに付与される荷重を支える)。一態様では、フレーム300Fは、一体構造(すなわち、一体部材)である。一態様では、フレーム300Fは、鍛造され、鋳造され、押出され、またはステンレス鋼もしくはアルミニウム合金などの任意の適切な金属から任意の他の適切な方法で形成される。他の態様では、フレーム300Fは、任意の適切なプラスチック、セラミックおよび/または複合材料で構成することができる。一態様では、フレーム300Fの底部300FBは、フレーム300Fの内部空間を少なくとも部分的に画定するために、任意の適切な方法で底部FBに連結されるエンドプレート300EPを含む。一態様では、エンドプレート300EPは、電子機器パッケージまたは制御装置300Cなどの構成要素のための取り付けプラットフォームを提供する。制御装置300Cは、モータスタック310の個々のモータモジュールを制御するように構成された任意の適切な制御装置である。制御装置300Cは、一態様では、任意の適切な方法で制御装置11091に接続され、駆動セクション300に関連する基板搬送装置の動作をもたらすために、制御装置11091と通信してもよい。
【0022】
モータスタック310は、任意の適切な方法でフレーム300F内に移動可能に取り付けられる。たとえば、
図3Dを参照すると、可変長(すなわち、Z高さDZ)を有する可動キャリッジ320は、フレーム300F内に取り付けられ、Z方向に沿ったモータスタック310の移動(たとえば、直線的なスライド移動)のために、モータスタックを移動可能に支持するように構成される。一態様では、可動キャリッジ320は、すべてのストロークに共通の構成要素を使用して、約50mm、約100mm、約135mmおよび/または約150mmのZ軸ストロークZS(
図8A~8C)を搬送装置に提供する。他の態様では、可動キャリッジは、約150mmより大きい、または約50mmより小さい、およびその間の任意の適切なZ軸ストロークを提供する。本明細書で説明するように、可動キャリッジは、モータ/スピンドルの位置合わせを改善しながら、スピンドルアセンブリの種類および量の柔軟性を可能にする。キャリッジ320は、1つまたは複数のガイドレール320R1、320R2と、第1または上部スライド部材320S1と、第2または下部スライド部材320SS2とを含み、1つまたは複数のガイドレール320R1、320R2は、第1および第2スライド部材320S1、320S2の両方に共通であり、第1および第2のスライド部材320S1、320S2は、互いに分離されている。1つまたは複数のガイドレール320R1、320R2は、任意の適切な方法でフレーム300Fに連結される。一態様では、1つまたは複数のガイドレール320R1、320R2がフレーム300Fに機械的に連結され、他の態様では、1つまたは複数のガイドレール320R1、320R2がフレーム300Fと一体的に形成される。たとえば、一態様において、1つまたは複数のガイドレール320R1、320R2は、単一の一体部材としてフレーム300Fと一体的に形成される。第1および第2スライド部材320S1、320S2のそれぞれが、1つまたは複数のガイドレール320R1、320R2の長さに沿って、第1および第2スライド部材320S1、320S2の他方から独立して、自由に移動できるように、第1および第2スライド部材320S1、320S2は、1つまたは複数のガイドレール320R1、320R2に移動可能に取り付けられている(第1および第2のスライド部材320S1、320S2のそれぞれは、別個の対応する線形レール用プラテン320SP1、320SP2を含む)。一態様では、第1および第2のスライド部材320S1、320S2のそれぞれの独立した移動は、モータスタック310に含まれるモータモジュール401の数および構成に応じてキャリッジ320が異なるスピンドル長さを構成するように、本明細書に記載されるキャリッジ320の可変Z高さDZを提供する。
【0023】
第1のスライド部材320S1は、モータスタック310内の最上部(すなわち上部)のモータモジュール401と連結し、最上部のモータモジュール401を空間的に配置するように構成されるモータ取付部320M1を含む。たとえば、モータ取付部320M1は、モータスタック310の上部をフレーム300F内の所定の位置に配置し、モータスタック310の上部を左右に動かないように固定する(1つまたは複数の)任意の適切な位置決め特徴部370を含む。一態様では、位置決め特徴部370は、モータモジュール401の対応するピンまたはスロットに係合するように構成されたピンまたはスロットであり、他の態様では、位置決め特徴部370は、嵌合溝または任意の他の保持特徴部である。第2のスライド部材320S2は、最下部(すなわち底部)のモータモジュール401の少なくとも一部が連結されるモータ取付部320M2を含む。一態様では、
図4Bも参照すると、モータスタックベース部材310Bが、モータ取付部320M2に連結され、モータ取付部320M2の少なくとも一部を形成する。モータスタックベース部材310Bは、モータスタック310を少なくとも部分的に支持するために、第2スライド部材320S2から延在し、第2スライド部材320S2から片持ち支持される。一態様において、モータスタックベース部材310Bは、底部のモータモジュール401を、フレーム300F内のスピンドルアセンブリSPAの中心線CLの位置に対して、所定の位置(たとえば、X、Y、Z軸のそれぞれの所定の位置、ならびに所定の回転、すなわちθの向き)に位置決めするために、底部のモータモジュール401の動的嵌合特徴部401Kと接合し、係合する動的位置決め特徴部310BKを含む。
図4Aに示されるスピンドルアセンブリSPAは、2つのモータモジュール401A、401Bに対応する2つの駆動シャフト450、451を有する同軸スピンドルアセンブリとして示されているが、他の態様では、同軸スピンドルアセンブリSPAは、駆動セクション300に配置された任意の適切な数のモータモジュール401に対応する(たとえば、2つより多い、または少ない)任意の適切な数の駆動シャフトを有する。たとえば、
図6は、3つの駆動シャフトを有する3軸スピンドルアセンブリに対応する3つのモータモジュール401A、401B、401Cを有する3軸駆動部を図示している。
【0024】
一態様では、モータスタックベース部材310Bは、モータスタック310(ひいては、モータスタック310に連結された搬送アーム)のZ軸位置に関する基準点RDBを形成する。一態様では、駆動セクション300のZ軸駆動モジュール315は、モータスタックベース部材310B、第1および第2のスライド部材320S1、320S2、ならびに1つまたは複数のレール320R1、320R2に沿ってZ方向に一体として連結されるモータスタック310の変位をもたらすために、任意の適切な方法でモータスタックベース部材310Bに連結される。一態様では、可変長キャリッジ320が採用されることで、キャリッジ320とモータスタック310との間の共通の連結が、本明細書で説明するように、干渉を起こさず、可変モータスタック高さおよびZ駆動部を収容するためのスペースを確保し、モータスタックベース部材310Bによって形成されるZ軸位置基準点は、底部のモータモジュール401上の対応する基準面と接合し、モータスタック310の上部の位置が、モータスタック310の異なる高さDZ1、DZ2、DZ3とともに変化する(
図8A~8Cを参照)。
【0025】
固定プラットフォーム330は、フレーム330F内に配置され、任意の適切な方法でフレーム330Fに接続される。固定プラットフォーム330は、任意の適切なZ軸駆動モジュール315を支持するように構成される(たとえば、Z軸駆動モジュールが任意の適切な方法で固定プラットフォーム330に取り付けられる)。Z軸駆動モジュールは、モータスタック310をZ軸に沿って移動させるために、キャリッジスライド部材320S1、320S2およびモータスタックベース部材310Bのうちの1つまたは複数に動作可能に連結される。一態様では、Z軸駆動モジュールは、一態様では、ボールねじ駆動部または任意の他の適切なリニアアクチュエータである。
【0026】
図4Aを参照すると、モータモジュール401Aは、モータモジュール高さSHAを有するハウジング401Hを含む。本明細書で説明されるように、モータモジュールの構成要素は、ハウジング401H内に配置され、モータモジュール高さSHAに拘束される。一態様では、モータモジュール401Aは、駆動セクション300の単一の軸または共通の軸を画定するモータ401Mを含む。モータは、ステータ401Sおよび対応するロータ401Rを含む。ステータ401Sは、少なくとも部分的にハウジング401H内に固定される。ロータ401Rは、任意の適切な方法でハウジング401H内に移動可能に取り付けられる。たとえば、一態様では、少なくとも1つの機械軸受401Bをハウジング401H内に固定するために、少なくとも1つの機械軸受の外輪がハウジングに固定されるように、少なくとも1つの機械軸受401Bがハウジング内に配置される。少なくとも1つの機械軸受401Bの内輪は、ロータ401Rがステータ401Sと動作可能に相互作用するように、ハウジング401H内で移動可能にロータ401Rを支持するために、ロータ401Rに連結される。従来の駆動モータとは異なり、ハウジング401Hの軸受/ロータ支持部401HSは、少なくとも1つの機械軸受401Bがステータ401S内で少なくとも部分的に入れ子状にされて、従来のモータと比較して、機械式駆動シャフト軸受401B、401B’から独立して(
図4Aおよび
図5参照)、コンパクトなモータモジュール高さを有するモータモジュールを形成するように、少なくとも1つの機械軸受401Bを位置付けるように配置される。たとえば、
図4Aに見られるように、ロータ401Rが、溝断面を有するように形成され、軸受/ロータ支持部401HSが、少なくとも部分的にロータ401Rの溝内に配置されるように、コンパクトなモータモジュール高さが達成される。一態様では、モータハウジング401Hは、1つまたは複数の凹部または切欠き部NR(
図6)を含み、1つまたは複数の凹部または切欠き部NRは、キャリッジスライド320S1、320S2の1つまたは複数がモータ401Mの範囲内に収まることを可能にし、それによって、モータハウジング401Hおよびキャリッジスライド320S1、320S2がレール320R1、320R2をその範囲内に収め、駆動セクションの直径/範囲が縮小される。(ロータおよび軸受支持部が、実質的にインラインであり、軸受がステータの上に位置するように互いに積み重ねられている)従来のモータの構造と比較すると、開示される実施形態の態様は、従来のモータと比較して、モジュール高さSHAが低減されている、はるかにコンパクトなモータを提供する。本明細書に記載される開示される実施形態の態様はまた、自己充足モータモジュール401を提供し、モータモジュール401のモータ401Mなどのモータ、軸受401Bなどの軸受、ロータ401Rなどのロータ、およびエンコーダ410は、スピンドルアセンブリSPAのそれぞれの駆動シャフトから独立した自己充足モジュールユニットである。たとえば、スピンドルアセンブリSPAのそれぞれの駆動シャフトは、一態様では、任意の適切な方法でモータモジュールが組み立てられた後、それぞれのモータモジュール401に導入される。たとえば、それぞれの駆動シャフトは、軸受401Bの内輪にそれぞれの駆動シャフトを押し付けることによって自己充足モータモジュール401に導入される。
【0027】
一態様では、モータモジュール401Aは、たとえば制御装置300Cと通信してモータ401Mの回転θ位置(ひいては、駆動セクション300に連結される移送アームの少なくとも対応する部分の位置)の表示をもたらす任意の適切なエンコーダ410を含む。一態様では、
図7も参照すると、エンコーダ410は、任意の適切なセンサ410Sおよび少なくとも1つのエンコーダトラック410Tを含む。センサ410Sは、センサ410Sが少なくとも1つのエンコーダトラック410Tを読み取るように配置されるように、任意の適切な方法でハウジング401Hに取り付けられる。エンコーダトラック410Tは、一態様では、絶対スケールおよび増分スケールのうちの1つまたは複数を含む。
【0028】
さらに
図4Aを参照すると、上述したように、モータモジュール401は、任意の適切な数の駆動軸を有する駆動セクション300を形成するために、モータスタック310に積み重ねられ得るモジュラーユニットである。一例として、
図4Aは、2軸駆動セクション300を形成する2つのモータモジュール401A、401Bを有するモータスタックを図示している。各モータモジュール401A、401Bのハウジング401Hは、モータスタック310内で一方のモータモジュール401A、401Bをモータモジュール401A、401Bの他方に対して空間的に配置するように構成される任意の適切な位置特徴部700(
図7)を含む。たとえば、1つのモータモジュール401A、401Bのハウジング401Hは、モータモジュール401A、401Bを、互いに対するX、Yおよびθの方向と、フレーム300F内のスピンドルアセンブリSPAの中心線CLとにおいて、位置合わせするために、別のモータモジュール401A、401Bの別のハウジング401Hの対応するピンおよび凹部に係合する少なくとも1つのピンおよび少なくとも1つの凹部を含み、この例ではモータモジュール401Aである底部のモータモジュールが、モータスタックベース部材310Bとのインターフェースを通してモータスタックの基準点を形成している。他の態様では、(1つまたは複数の)ハウジング401Hは、モータスタック310内の別のハウジング401Hに対して一方のハウジング401Hを位置決めするための任意の適切な位置決め特徴部を有する。
【0029】
モータモジュール401A、401Bは、各モータモジュール401A、401Bのステータ401Sが互いに隣接するようにモータスタック310内に配置され、非磁性のキャンシール(can seal)または隔離壁470が、各ハウジング401Hの間に跨って、各ロータ401Rが動作する環境からそれぞれのステータ401Sを気密に隔離する共通密封部を形成する。一態様では、キャンシール470は、缶のような形状を有するか、そうでなければ円筒構成を有する密封部を備える。キャンシール470は、一態様では、その開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、2014年11月13日に出願され、「Sealed Robot Drive」と題された米国特許出願第14/540,072号明細書に記載されているものと実質的に同様である。一態様では、キャンシール470は、モータモジュール401のハウジング401H(たとえば、ステータハウジング)内に一体化されるが、別の態様では、キャンシール470(
図4D参照)は、ステータがキャンシール470を構造的に支持するように、ステータと一体的に形成されるか、そうでなければステータと一体化されてもよい(たとえば、駆動部ハウジングから分離してもよい)。一態様では、キャンシール470は、交換可能なモジュールの選択を提供し、そこでは、モータスタック310内にモータモジュール401A、401Bを積み重ねる際にモータモジュール401A、401Bの間に密封部が挿入される。一態様では、キャンシール470は、キャンシール470とハウジング401Hとの間に配置される1つまたは複数の密封部480で、ハウジング401Hを密封する。
【0030】
モータモジュール401Bは、モータモジュール401Aと実質的に同様である。
図4Aに示される態様では、モータモジュール401Bは、モータモジュール401Aに対して反転されて図示され、各モータモジュール401A、401Bのステータ401Sは互いに隣接して配置される。他の態様では、モータモジュール401A、401Bは、モータスタック310の上部310Tまたはモータスタック310の底部310Bの方にステータが配置されるように、同じ向きを有する。本明細書で使用される上部および下部という用語は、中心線CLが垂直に配置されるように位置合わせされている駆動セクション300およびモータスタック310に対して言及するが、中心線CLが水平に配置されている態様では、モータスタック310および駆動セクション300の終端を記述するために、上部および底部以外の用語が使用されてもよい。本明細書で記載されるように、一方のモータモジュール401のステータ401Sが別のモータモジュール401のステータ401Sに隣接して配置されていない場合、キャップまたは中間ベース600Bが、モータモジュール401に取り付けられて、キャンシール470に対するインターフェースを提供し、積み重ねられたモータモジュール401の間に密封面を提供する。一態様では、任意の適切な密封部460が、各モータモジュール401の上部および底部に配置され、モータモジュール間に密封部を形成し、底部のモータモジュール401Aとモータスタックベース部材310Bとの間に密封部を形成し、キャンシール470と協働して、モータスタック310の可動部分は、密封された雰囲気内に配置される。
【0031】
ここで
図5を参照すると、一態様では、モータモジュール401は、異なるトルク量など異なるそれぞれの駆動特性を提供するように構成される。
図5に示される態様では、低トルクモータモジュールであるモータモジュール401Aを有する2軸モータスタック310が示されており、(トルク出力を除いてモータモジュール401Aと実質的に同様である)モータモジュール401Cは、低トルクモータモジュール401Aよりも高い/大きいトルクを出力する高トルクモータモジュールである。モータモジュール401Cのハウジング401H’の高さSHBは、たとえばモータモジュール401Cの増加したトルク構成により、モータモジュール401Aのモジュール高さSHA(
図4A)よりも大きい。この態様において、モータモジュール401Cは、ステータ401S’およびロータ401R’を有するモータ401M’を含む。ロータ401R’は、スピンドルアセンブリSPAの駆動シャフトが連結される(1つまたは複数の)軸受401B’の内輪に連結されている。モータモジュール401Cは、上述したエンコーダ410を含む(エンコーダトラック410Tが
図5に図示されている)。なお、モータモジュール401Cのエンコーダトラック410Rは、一態様では駆動シャフトに配置され、他の態様では、エンコーダトラック410Tは、上述のようにして軸受401B’の内輪に連結される。
図5から分かるように、高トルクモータモジュール401Cおよび低トルクモータモジュール401Aのステータ401S、401S’は、互いに近接して配置され、キャンシール470は、高トルクモータモジュール401Cと低トルクモータモジュール401Aとの間に跨り、高トルクモータモジュール401Cと低トルクモータモジュール401Aとの両方に共通である。なお、低トルクモータモジュール401は、(たとえば、モータスタックの基準点を形成する)モータスタック310内の底部のモータモジュールとして示されているが、他の態様では、高トルクモータモジュール401Cは、モータスタック310の基準点を形成するように、モータスタックの底部に配置される。他の態様では、より大きなトルクを達成するために、任意の適切な数のモータモジュール401A、401B、401Cが組み合わされ、組み合わされたモータモジュールが共通の駆動シャフトを共有し、組み合わされたモータモジュールによって生成されるトルクが共通の駆動シャフトに共通に印加される。たとえば、モータモジュール401A、401Bは、組み合わされたモータモジュールの出力が各モータモジュール401A、401Bの単独の出力の2倍になるように、共通の駆動シャフトを共有してもよい。理解されるように、組み合わせられたモータモジュールは、高トルクモータモジュールおよび/または低トルクモータモジュールの任意の適切な組み合わせとすることができる。
【0032】
図6を参照すると、
図4Aに関して上述したように配置される2つの低トルクモータモジュール401A、401Bと、高トルクモータモジュール401Cとを有する3軸モータスタックが示される。この態様では、モータモジュール401A、401Bのステータ401Sは、互いに隣接して配置され、共通のキャンシール470を共有する。奇数個のモータモジュールのために、モータ401M’のステータ401S’が対になるステータは存在しない。このように、中間ベース600Bは、モータモジュール401Cの一端に連結されてキャンシール470’(キャンシール470’は、キャンシール470と実質的に同様であるが、キャンシール470’は、倍数のステータよりもむしろ単一のステータに相当する長さを有する)に対するインターフェースを形成するとともに、モータスタック310内の別のモータモジュール401Bとのインターフェースを形成する。モータモジュール401A、401B、401Cは、たとえば、スピンドルアセンブリSPAにおける各駆動シャフトの所定のトルク出力に応じて、モータスタック310内で任意の順序で配置され、底部の駆動モジュールが、例示目的のみで、最も内側の駆動シャフトに対応し、上部のモータモジュールが、最も外側の駆動シャフトに対応する。
【0033】
ここで
図8A、8Bおよび8Cを参照すると、上述したように、キャリッジスライド320S1のキャリッジスライド320S2からの距離は、モータスタック310の高さに依存し、モータスタックシェル(すなわち、組み合わされたモータモジュールハウジング401H、401H’がモータスタックシェルを形成する)は、キャリッジ320の少なくとも一部を形成し(たとえば、モータスタックは、キャリッジスライド320S1、320S2を互いに結合する)、モータスタック高さSHは、キャリッジ320の長さを設定する。たとえば、
図8Aは、モジュール高さSHAをそれぞれ有するモータモジュール401A、401Bを有するモータスタック310を図示し、キャリッジが、モジュール高さSHAの2倍に実質的に等しい長さDZ1を有する。
図8Bは、モータモジュール401A、401Cを有するモータスタック310を図示し、モータモジュール401Aが、モジュール高さSHAを有し、モータモジュール401Cが、モジュール高さSHBを有し、キャリッジが、モジュール高さSHAとモジュール高さSHBとを足した高さに実質的に等しい長さDZ2を有する。
図8Cは、モータモジュール401A、401Bおよび401Cを有するモータスタック310を図示し、モータモジュール401A、401Bが、それぞれモジュール高さSHAを有し、モータモジュール401Cが、モジュール高さSHBを有し、キャリッジが、モジュール高さSHAの2倍とモジュール高さSHBとを足した高さに実質的に等しい長さDZ2を有する。理解されるように、キャリッジ320は、モータスタック310内に配置されたモータモジュール401の数および種類(たとえば、高トルクまたは低トルク)に応じて、任意の他の適切な長さを有していてもよい。
図8A~8Cに図示される構成のそれぞれ、および開示される実施形態の態様は、概して、ウェハ移送面WTPに対して、本明細書で説明されるそれぞれのZストロークZSを提供する。たとえば、製造設備のフロアからのウェハ移送面WTPのウェハの高さは、半導体製造装置材料協会(Semiconductor Equipment and Material International)の規格によって規定される。上述したように、本明細書に記載のモータモジュール401は、本明細書に記載のZストロークZSを可能にしながら、従来の基板搬送モータ/モータモジュールと比較して、たとえば製造施設フロアからの所定の高さのウェハ移送面に対して導入されるモータモジュールの数を増やしたり、導入されるモータモジュールの能力を高めたり(モータモジュール401Cなどの高トルクモータモジュール)することができるコンパクトなモータモジュール高さを有する。
【0034】
ここで
図4Aおよび9を参照して、開示される実施形態の態様の例示的な動作を説明する。一態様では、少なくとも1つのモータモジュール401が、いくつかの異なるモータモジュール401A、401B、401Cから選択される(
図9、ブロック900)。選択された(1つまたは複数の)モータモジュールは、駆動セクション300および少なくとも制御装置300Cに連結される(
図9、ブロック910)。たとえば、(1つまたは複数の)モータモジュール401は、上述したようにキャリッジ310に取り付けられるか、そうでなければ連結される。(1つまたは複数の)選択されたモータモジュール401のそれぞれに対するモータモジュールの固有の属性は、たとえば制御装置300Cおよび/または制御装置11091によって、それぞれのメモリ401CRから得られる(
図9、ブロック920)。制御装置300Cおよび/または制御装置11091は、(1つまたは複数の)選択されたモータモジュール401の固有の属性に基づいて、モータモジュールが駆動セクション300に導入された後にモータモジュールをさらに調整することなく(たとえば、駆動セクションのモータモジュールのその場調製(in situ tuning)なしに)、所望のトルク、位置および時間の要求を達成するために、それぞれの(1つまたは複数の)モータモジュール401のための命令された軌道運動パラメータを生成することによって、本明細書に記載される基板搬送装置を動作させる(
図9、ブロック930)。
【0035】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様:
フレームと、
フレームに接続される駆動セクションと
を備える基板搬送装置であって、
駆動セクションが、
少なくとも1つの同軸シャフトスピンドルを有する複数駆動シャフトスピンドルと、
積み重ねで配置される複数の異なる交換可能なモータモジュールであって、モータモジュールのそれぞれが、同軸シャフトスピンドルの対応するシャフトに動作可能に連結されるモータを有し、駆動セクションの対応する独立した駆動軸を画定し、それぞれのモジュールのモータが、それぞれ、フレームに固定されるモータステータと、対応するシャフトに結合されるモータロータとを有する、モータモジュールと、
それぞれのモータモジュールのモータステータとモータロータとの間に配置され、それぞれのモータステータとモータロータとを互いから密封するキャンシールと
を含み、
積み重ね内の異なる交換可能なモータモジュールの少なくとも1つが、積み重ね内での配置のために、積み重ねで配置可能な他の異なる交換可能なモータモジュールから選択可能であり、モータモジュールのそれぞれが、積み重ね内の配置から独立して、異なる所定の特性を有し、モジュールの異なる所定の特性が、シャフトスピンドルの位置から独立して、対応する駆動軸の異なる所定の駆動特性を画定し、少なくとも1つのモータモジュールの選択によって、別の独立した駆動軸とは異なる対応する軸の異なる所定の駆動特性が決定される、
基板搬送装置。
【0036】
キャンシールが、駆動セクションの異なる交換可能なモジュールの間のインターフェースを横切って広がる、上記の基板搬送装置。
【0037】
積み重ねの高さが、可変であり、少なくとも1のモジュールの選択により、積み重ねの高さが変更される、上記の1つまたは複数の基板搬送装置。
【0038】
同軸シャフトスピンドルが、3軸スピンドルを備える、上記の1つまたは複数の基板搬送装置。
【0039】
モータモジュールの少なくとも1つが、それぞれのステータ内で入れ子状にされる、シャフトスピンドルの機械軸受を有する、上記の1つまたは複数の基板搬送装置。
【0040】
少なくとも1つのモータモジュールが、コンパクトな高さのモジュールであり、コンパクトな高さのモジュールのモジュール高さが、シャフトスピンドルの機械軸受から独立している、上記の1つまたは複数の基板搬送装置。
【0041】
駆動セクションが、積み重ねの上部のモータモジュールおよび底部のモータモジュールに接続するZキャリッジをさらに含む、上記の1つまたは複数の基板搬送装置。
【0042】
モータモジュールが、積み重ねを形成するために互いに連結され、積み重ねの連結されたモータモジュールが、Zキャリッジを画定する、上記の1つまたは複数の基板搬送装置。
【0043】
フレームと、
フレームに接続される駆動セクションと
を備える基板搬送装置であって、
駆動セクションが、
少なくとも1つの駆動シャフトを有する駆動シャフトスピンドルと、
積み重ねで配置される複数の交換可能なモータモジュールであって、モータモジュールのそれぞれが、駆動シャフトスピンドルの対応する駆動シャフトに動作可能に連結されるモータを有し、駆動セクションの対応する独立した駆動軸を画定し、それぞれのモジュールのモータが、それぞれ、フレームに固定されるモータステータと、対応するシャフトに結合されるモータロータとを有する、モータモジュールと、
積み重ね内のモータモジュールへの所定の共通の連結を有する線形滑動キャリッジであって、線形滑動キャリッジが、所定の共通の連結とともに、それぞれの積み重ね高さを有する異なる積み重ねに対して、線形滑動キャリッジの連結をもたらすために、調節可能な長さを有する、線形滑動キャリッジと
を含み、
積み重ね内の交換可能なモータモジュールの少なくとも1つが、積み重ね内の配置のために、積み重ね内で配置可能な他の交換可能なモータモジュールから選択可能である、
基板搬送装置。
【0044】
線形滑動キャリッジの所定の共通の連結が、積み重ね内の底部のモータモジュールと係合する連結部を有し、連結部が、積み重ねのZ高さ位置を固定するZ軸基準点を画定する、上記の1つまたは複数の基板搬送装置。
【0045】
線形滑動キャリッジの所定の共通の連結が、積み重ね内の上部のモータモジュールと係合する別の連結部を有し、別の連結部が、連結部と別の連結部との間の長さが可変長であるように構成される、上記の1つまたは複数の基板搬送装置。
【0046】
連結部と別の連結部との間の長さが、積み重ねの高さによって設定される、上記の1つまたは複数の基板搬送装置。
【0047】
連結部および別の連結部が、別々の対応する線形レール用プラテンを有する、上記の1つまたは複数の基板搬送装置。
【0048】
積み重ねで配置される複数の交換可能なモータモジュールが、2つのモータモジュールを備え、少なくとも1つの駆動シャフトが、2つの駆動シャフトを備え、それぞれの駆動シャフトが、2つのモータモジュールのそれぞれ1つに対応する、上記の1つまたは複数の基板搬送装置。
【0049】
積み重ねで配置される複数の交換可能なモータモジュールが、3つのモータモジュールを備え、少なくとも1つの駆動シャフトが、3つの駆動シャフトを備え、それぞれの駆動シャフトが、3つのモータモジュールのそれぞれ1つに対応する、上記の1つまたは複数の基板搬送装置。
【0050】
それぞれのモータモジュールのモータステータとモータロータとの間に配置され、それぞれのモータステータとモータロータとを互いから密封するキャンシールをさらに備える上記の1つまたは複数の基板搬送装置。
【0051】
積み重ね内のそれぞれのモータモジュールが、積み重ね内の配置から独立して、異なる所定の特性を有し、モジュールの異なる所定の特性が、シャフトスピンドルの位置から独立して、対応する駆動軸の異なる所定の駆動特性を画定し、少なくとも1つのモータモジュールの選択によって、別の独立した駆動軸とは異なる対応する軸の異なる所定の駆動特性が決定される、上記の1つまたは複数の基板搬送装置。
【0052】
モータモジュールの選択によって、線形滑動キャリッジの高さが画定される、上記の1つまたは複数の基板搬送装置。
【0053】
フレームと、
フレームに接続される駆動セクションと
を備える基板搬送装置であって、
駆動セクションが、
少なくとも1つの駆動シャフトを有する駆動シャフトスピンドルと、
積み重ねで配置される複数の異なる交換可能なモータモジュールであって、モータモジュールのそれぞれが、駆動シャフトスピンドルの対応する駆動シャフトに動作可能に連結されるモータを有し、駆動セクションの対応する独立した駆動軸を画定し、それぞれのモジュールのモータが、それぞれ、フレームに固定されるモータステータと、対応するシャフトに結合されるモータロータと、フレームに固定される、シャフトスピンドルの機械軸受とを有し、シャフトスピンドルの機械軸受の少なくとも一部が、ステータ内で入れ子状にされる、モータモジュールと
を含み、
積み重ね内の異なる交換可能なモータモジュールの少なくとも1つが、積み重ね内の配置のために、積み重ね内で配置可能な他の異なる交換可能なモータモジュールから選択可能である、
基板搬送装置。
【0054】
それぞれのモータモジュールのモータステータとモータロータとの間に配置され、それぞれのモータステータとモータロータとを互いから密封するキャンシールを、駆動セクションがさらに備える、上記の1つまたは複数の基板搬送装置。
【0055】
キャンシールが、駆動セクションの異なる交換可能なモジュールの間のインターフェースを横切って広がる、上記の1つまたは複数の基板搬送装置。
【0056】
異なる交換可能なモータモジュールのそれぞれが、積み重ね内の配置から独立して、異なる所定の特性を有し、モジュールの異なる所定の特性が、シャフトスピンドルの位置から独立して、対応する駆動軸の異なる所定の駆動特性を画定し、少なくとも1つのモータモジュールの選択により、別の独立した駆動軸とは異なる対応する軸の異なる所定の駆動特性が決定される、上記の1つまたは複数の基板搬送装置。
【0057】
積み重ねの高さが、可変であり、少なくとも1つのモジュールの選択により、積み重ねの高さが変更される、上記の1つまたは複数の基板搬送装置。
【0058】
駆動シャフトスピンドルが、3軸スピンドルを備える、上記の1つまたは複数の基板搬送装置。
【0059】
少なくとも1つのモータモジュールが、コンパクトな高さのモジュールであり、コンパクトな高さのモジュールのモジュール高さが、シャフトスピンドルの機械軸受から独立している、上記の1つまたは複数の基板搬送装置。
【0060】
駆動セクションが、積み重ねの上部のモータモジュールおよび底部のモータモジュールに接続するZキャリッジをさらに含む、上記の1つまたは複数の基板搬送装置。
【0061】
モータモジュールが、積み重ねを形成するために互いに連結され、積み重ねの連結されたモータモジュールが、Zキャリッジを画定する、上記の1つまたは複数の基板搬送装置。
【0062】
上述の記載は、開示される実施形態の態様の例示にすぎないことを理解されるべきである。当業者によって、様々な代替例および修正例が、開示される実施形態の態様から逸脱することなく案出され得る。したがって、開示された実施形態の態様は、添付の請求項の範囲に該当する、そのような代替例、修正例、および変形例のすべてを含むことを意図している。さらに、異なる特徴が、相互に異なる従属または独立請求項に詳述されるという一事実は、これらの特徴の組み合わせを有利に使用することが出来ないということを意味せず、そのような組み合わせは、本発明の態様の範囲内に留まる。