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特許7346615半導体工程用組成物及びそれを用いた半導体素子の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-08
(45)【発行日】2023-09-19
(54)【発明の名称】半導体工程用組成物及びそれを用いた半導体素子の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20230911BHJP
   B24B 37/00 20120101ALI20230911BHJP
   C09K 3/14 20060101ALI20230911BHJP
【FI】
H01L21/304 622X
H01L21/304 622B
H01L21/304 622D
B24B37/00 H
C09K3/14 550Z
C09K3/14 550D
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022001962
(22)【出願日】2022-01-07
(65)【公開番号】P2022107537
(43)【公開日】2022-07-21
【審査請求日】2022-01-07
(31)【優先権主張番号】10-2021-0002454
(32)【優先日】2021-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】505232852
【氏名又は名称】エスケー エンパルス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SK enpulse Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1043,Gyeonggi-daero,Pyeongtaek-si,Gyeonggi-do 17784, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】ホン、スンチョル
(72)【発明者】
【氏名】ハン、ドクス
(72)【発明者】
【氏名】パク、ハント
【審査官】湯川 洋介
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第01/057919(WO,A1)
【文献】特開2019-167405(JP,A)
【文献】国際公開第2021/095414(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/137220(WO,A1)
【文献】特開2020-164877(JP,A)
【文献】特開2015-029083(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0019187(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
B24B 37/00
C09K 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シラン組成物で表面が改質された研磨粒子;及び
少なくとも1種の添加剤;を含み、
下記式1の値が11.0超過、110.0以下であり、
シリコン貫通電極(Through Silicon Via、TSV)を有する半導体ウエハの表面研磨に適用される、
半導体工程用組成物。
(前記式1において、前記R は、前記半導体工程用組成物のシリコン酸化膜に対する研磨率(Å/min)であり、前記R は、前記半導体工程用組成物のシリコン窒化膜に対する研磨率(Å/min)であり、前記R Cu は、前記半導体工程用組成物の銅膜に対する研磨率(Å/min)であり、
前記シリコン酸化膜に対する研磨率、前記シリコン窒化膜に対する研磨率、及び前記銅膜に対する研磨率は、それぞれ3.0psiのキャリア加圧条件、120rpmのキャリア回転速度、117rpmの定盤回転速度条件の下で、それぞれの膜を有するウエハに対して、前記半導体工程用組成物を300mL/min流速の条件で投入しながら、60秒間研磨を行って算出された値である)
【請求項2】
下記式2の値が0.50超過、7.00以下である、請求項1に記載の半導体工程用組成物。
前記式(2)において、前記Rは、前記半導体工程用組成物のシリコン酸化膜に対する研磨率(Å/min)であり、前記Rは、前記半導体工程用組成物のシリコン窒化膜に対する研磨率(Å/min)である。)であり、
前記R及びRは、それぞれ3.0psiのキャリア加圧条件、120rpmのキャリア回転速度及び117rpmの定盤回転速度条件の下で、それぞれの膜を有するウエハに対して、前記半導体工程用組成物を300mL/min流速の条件で投入しながら、60秒間研磨を行って算出された値である。
【請求項3】
下記式3の値が1.00超過、7.00以下である、 請求項2に記載の半導体工程用組成物。
前記式3において、
前記Rは、請求項2で定義した通りであり、
前記RCuは、前記半導体工程用組成物の銅膜に対する研磨率(Å/min)であり、
前記Rcuは、それぞれ3.0psiのキャリア加圧条件、120rpmのキャリア回転速度及び117rpmの定盤回転速度条件の下で、それぞれの膜を有するウエハに対して、前記半導体工程用組成物を300mL/min流速の条件で投入しながら、60秒間研磨を行って算出された値である。
【請求項4】
前記RCuに対する前記Rの比率(R/RCu)が0.50超過、2.00以下である、請求項3に記載の半導体工程用組成物。
【請求項5】
前記研磨粒子は、シリカ(Silica、SiO)、セリア(Ceria、CeO)、アルミナ(Alumina、Al)、ジルコニア(Zirconia、ZrO)及びこれらの組み合わせからなる群より選択される1つを含む、請求項1に記載の半導体工程用組成物。
【請求項6】
前記添加剤は、有機酸及びアゾール(Azol)系化合物を含み、
前記有機酸に対する前記アゾール系化合物の重量比が3:1以上、10:1未満である、請求項1に記載の半導体工程用組成物。
【請求項7】
前記添加剤が、有機酸を含み、
前記研磨粒子100重量部に対して、前記有機酸が0.5重量部~6重量部である、請求項1に記載の半導体工程用組成物。
【請求項8】
前記研磨粒子は、前記半導体工程用組成物中の前記研磨粒子のゼータ電位が正(+)のゼータ電位値を有するように表面処理された粒子を含む、請求項1に記載の半導体工程用組成物。
【請求項9】
研磨面が備えられた研磨パッドが取り付けられた定盤を準備するステップ;
研磨対象を収容したキャリアを準備するステップ;
前記定盤及び前記キャリアを回転させ、前記研磨パッドの研磨面と前記研磨対象の被研磨面とが互いに当接するように配置した状態で回転させるステップ;及び
前記研磨面上に半導体工程用組成物を供給するステップ;を含み、
前記研磨対象は、シリコン貫通電極を有する半導体ウエハであり、
前記半導体工程用組成物は、シラン組成物で表面が改質された研磨粒子;及び少なくとも1種の添加剤を含下記式1の値が11.0超過、110.0以下である、
半導体素子の製造方法。
(前記式1において、前記R は、前記半導体工程用組成物のシリコン酸化膜に対する研磨率(Å/min)であり、前記R は、前記半導体工程用組成物のシリコン窒化膜に対する研磨率(Å/min)であり、前記R Cu は、前記半導体工程用組成物の銅膜に対する研磨率(Å/min)であり、
前記シリコン酸化膜に対する研磨率、前記シリコン窒化膜に対する研磨率、及び前記銅膜に対する研磨率は、それぞれ3.0psiのキャリア加圧条件、120rpmのキャリア回転速度、117rpmの定盤回転速度条件の下で、それぞれの膜を有するウエハに対して、前記半導体工程用組成物を300mL/min流速の条件で投入しながら、60秒間研磨を行って算出された値である)
【請求項10】
前記定盤及び前記キャリアの回転速度は、それぞれ10rpm~500rpmである、請求項9に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項11】
前記研磨面上に前記半導体工程用組成物を注入する流量が、10mL/min~1,000mL/minである、請求項9に記載の半導体素子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
半導体製造及び加工工程に適用可能な組成物に関するものであり、より具体的には、半導体製造及び加工中の研磨工程に適用できる組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing)は、研磨パッドと研磨対象の表面とを摩擦しながら、研磨パッドと研磨対象との界面に研磨スラリーを注入して試料の表面を目的とする水準に研磨する技術である。近代的な化学機械研磨が大規模半導体集積回路の製造に応用され、トランジスタなどの素子及び多層配線の層間絶縁膜表面の平坦化、タングステンや銅配線の形成などの必須技術として用いられている。毎年、半導体素子の集積度が増加し、チップ(Chip)の大きさが減少するにつれて、半導体素子の表面構造はより複雑になり、層間膜同士の段差もより大きくなっている。したがって、半導体素子の製造工程に適用される化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing、CMP)工程について、高分解能のリソグラフィ(Lithography)と原子水準の平坦化技術が求められている。このようなCMP工程は、物理的な摩擦力と化学的反応とを同時に活用して膜質を平坦化する工程であって、これに活用される工程部品及び/または工程液の微細な差によっても大いに異なる研磨結果を算出することができる。したがって、このような工程部品及び/または工程液の製造及び設計に求められる精密性がより高い水準に向上している実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
半導体ウエハの研磨工程、より具体的には、シリコン貫通電極(Through Silicon Via、TSV)が含まれた半導体ウエハの研磨工程を伴う半導体工程に適用され、優れた研磨性能を具現し、ディッシング(Dishing)、イロージョン(Erosion)、突出(Protrusion)などの欠陥を最小化し、互いに異なる複数の膜質が外部に露出した表面の研磨において、各膜質間のばらつきなしに平坦な研磨結果を具現できる半導体工程用組成物を提供しようとする。
【0004】
前記半導体工程用組成物を、TSVが形成された半導体ウエハの研磨に適用することによって、前記TSVで連結された複数の積層チップがエラーや不良なしにメモリチップの機能を具現できるように、不良率を極小化した半導体素子を製造する方法を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一具現例において、シラン組成物で表面が改質された研磨粒子;及び少なくとも1種の添加剤;を含み、シリコン貫通電極(Through Silicon Via、TSV)を有する半導体ウエハの表面研磨に適用される半導体工程用組成物を提供する。
【0006】
他の具現例において、研磨面が備えられた研磨パッドが取り付けられた定盤を準備するステップ;研磨対象を収容したキャリアを準備するステップ;前記定盤及び前記キャリアを回転させ、前記研磨パッドの研磨面と前記研磨対象の被研磨面とが互いに当接するように配置した状態で回転させるステップ;及び前記研磨面上に半導体工程用組成物を供給するステップ;を含み、前記研磨対象は、シリコン貫通電極を有する半導体ウエハであり、前記半導体工程用組成物は、研磨粒子及び少なくとも1種の添加剤を含み、シリコン貫通電極(Through Silicon Via、TSV)を有する半導体ウエハの表面研磨に適用される、半導体工程用組成物を提供する。
【発明の効果】
【0007】
一具現例に係る前記半導体工程用組成物は、半導体ウエハの研磨工程、より具体的にはシリコン貫通電極(Through Silicon Via、TSV)が含まれた半導体ウエハの研磨工程を伴う半導体工程に適用され、優れた研磨性能を具現し、ディッシング(Dishing)、イロージョン(Erosion)、突出(Protrusion)などの欠陥を最小化し、互いに異なる複数の膜質が外部に露出した表面の研磨において、各膜質間のばらつきなしに平坦な研磨結果を具現することができる。
【0008】
また、前記半導体工程用組成物を用いた半導体素子の製造方法を適用した場合、前記TSVなどの構造で連結された複数の積層チップがエラーや不良なしにメモリチップの機能を具現できるように不良率を極小化した半導体素子を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一具現例に係る前記半導体工程用組成物の研磨対象であって、シリコン貫通電極を有する半導体ウエハの研磨前の厚さ方向の断面図を概略的に示したものである。
図2】一具現例に係る前記半導体工程用組成物の研磨対象であって、シリコン貫通電極を有する半導体ウエハの研磨後の厚さ方向の断面図を概略的に示したものである。
図3図1に示した半導体ウエハのA部分の平面図を概略的に示した図である。
図4】一具現例に係る前記半導体素子の製造方法に関する構成を概略的に示した図である。
図5図5の(a)、(b)、(c)及び(d)は、それぞれ実施例1、実施例6、比較例2及び比較例4の半導体工程用組成物に対する被研磨面の撮影写真及び断面グラフを掲載したものである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の利点及び特徴、ならびにこれらを達成する方法は、後述する実施例を参照すれば明らかになるはすである。しかしながら、本発明は、以下に開示される実施例に限定されるものではなく、互いに異なる様々な形態で具現できるものであり、単に本実施例は、本発明の開示を完全にし、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求項の範疇によって定義されるだけである。
【0011】
本明細書において、「含む」、「含有する」、または「備える」とは、特に記載がない限り、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0012】
図面において、複数の層及び領域を明確に表現するために、厚さを拡大して示した。しかし、図面において、説明の便宜のため、一部の層及び領域の厚さを誇張して示した。明細書全体にわたって同一の参照符号は、同一の構成要素を指す。
【0013】
なお、本明細書において、層、膜、領域、板などの部分が他の部分「上に」または「上部に」あるとする場合、これは、他の部分「真上に」ある場合だけでなく、その中間に別の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分「真上に」あるとする場合には、中間に他の部分がないことを意味する。また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分「下に」または「下部に」あるとする場合、これは、他の部分「真下に」ある場合だけでなく、その中間に別の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分「真下に」あるとする場合には、中間に他の部分がないことを意味する。
【0014】
以下、本発明の一具現例に係る半導体工程用組成物は、図1図3に示される構造のシリコン貫通電極を有する半導体ウエハを研磨するために使用できるだけでなく、これに限定されず、シリコン貫通電極を有する;または、有しない様々な構造の半導体ウエハを研磨するために使用できることは言うまでもない。
【0015】
一具現例において、研磨粒子;及び少なくとも1種の添加剤を含み、下記式1の値が、約11.0超過、約110.0以下である、半導体工程用組成物を提供する。
【0016】
[式1]
【0017】
前記式1において、前記Rは、前記半導体工程用組成物のシリコン酸化膜に対する研磨率(Å/min)であり、前記Rは、前記半導体工程用組成物のシリコン窒化膜に対する研磨率(Å/min)であり、前記RCuは、前記半導体工程用組成物の銅膜に対する研磨率(Å/min)である。
【0018】
前記シリコン酸化膜に対する研磨率、前記シリコン窒化膜に対する研磨率、及び前記銅膜に対する研磨率は、それぞれ3.0psiのキャリア加圧条件、120rpmのキャリア回転速度、117rpmの定盤回転速度条件の下で、それぞれの膜を有するウエハに対して、前記半導体工程用組成物を300mL/min流速の条件で投入しながら、60秒間研磨を行って算出された値である。
【0019】
前記半導体工程用組成物は、銅膜、シリコン酸化膜及びシリコン窒化膜のそれぞれに対する研磨率の相関関係を示す前記式1の値が所定の範囲を満たすことによって、各膜質が所定の面積比で同時に含まれる被研磨面を研磨する半導体工程に適用され、優れた研磨性能を具現することができる。半導体素子の集積化が高度化しつつ、既存のワイヤを用いてチップ(Chip)を連結していたのとは異なり、チップ(Chip)に微細なビア(via)を形成した後、その内部に電極を設けて上部チップと下端チップとを電極で連結するパッケージング技術が発達するようになった。これをシリコン貫通電極(Through Silicon Via、TSV)と指す。前記TSVは、メモリチップを積層して大容量を具現する技術であって、既存のワイヤを用いてチップを連結するワイヤボンディング(Wire Bonding)技術よりも速度及び消費電力を大きく改善することができる。ただし、前記TSVを適用した半導体メモリチップは、微細な構造を精巧に加工する過程を通じて製造されるため、エラーのない機能を具現するためには、前記TSVの形成による表面の欠陥があってはならない。したがって、前記TSVが形成された半導体基板の加工に伴う化学機械研磨性能が最終的な半導体素子の機能を具現するにおいて極めて重要な要素であると言える。
【0020】
前記半導体工程用組成物は、前記式1の値が前記範囲を満たすことによって、前記TSVのような複雑な構造を有する半導体ウエハの化学機械研磨に適用され、研磨平坦性の面で優れた効果を具現することができる。前記半導体工程用組成物の前記式1の値は、従来の前記シリコン酸化膜、前記銅膜及び前記シリコン窒化膜のそれぞれに対する研磨率の一次元的比率で表される研磨選択比に比べて研磨性能の予測の面で顕著に向上した技術的手段として機能することができる。即ち、各膜質に対する一次元的な研磨選択比が所定の範囲を満たしても、前記TSVが形成された半導体ウエハに対する実質的な研磨性能は目的とする水準を達成できない場合があったのに対して、前記式1の値を所定の範囲で満たす前記半導体工程用組成物は、前記TSVが形成された半導体ウエハに対する研磨性能を目的とする水準に達成するにおいて、実質的に誤差なしに性能の具現が可能な相関関係を示すことが確認できた。
【0021】
具体的には、前記半導体工程用組成物の前記式1の値が、約11.0超過、約110.0以下であってもよいし、例えば、約12.0~約110.0、例えば、約20.0~約100.0、例えば、約20.0~約80.0、例えば、約30.0~約70.0、例えば、約30.0~約65.0、例えば、約30.0~約60.0であってもよい。前記式1の値が小さすぎるか、または、大きすぎる場合、前記TSVのような被研磨面の不連続の構造の境界を基準にいずれか一方が過度に過研磨(over-polished)され、過度なディッシング(Dishing)または過度な突出(Protrusion)のような副作用が発生することがある。すなわち、前記式1の値が前記範囲を満たす場合、これに対応する前記半導体工程用組成物の研磨性能が、前記TSVなどの構造において過度なディッシング(Dishing)または過度な突出(Protrusion)のような副作用なしに平坦な研磨が可能な利点を示す。
【0022】
前記半導体工程用組成物は、下記式3の値が、約1.00超過、約7.00以下であってもよいし、例えば、約1.00超過、約6.50以下であってもよいし、例えば、約1.00超過、約2.80以下であってもよいし、例えば、約1.00超過、約2.00以下であってもよいし、例えば、約1.00超過、約1.50以下であってもよい。
【0023】
[式3]
【0024】
前記式3において、
前記R及びRCuは、前記式1で定義した通りである。
【0025】
前記式1の値が前記範囲を満たすと共に、前記式3の値がこのような範囲を満たす場合、前記半導体工程用組成物の研磨性能が、前記TSVなどの不連続の構造が含まれた部分を研磨するにおいて、特に、突出(Protrusion)部分の発生なしに平坦な研磨が可能な利点を示す。
【0026】
前記半導体工程用組成物は、前記RCuに対する前記Rの比率(R/RCu)が、約0.50超過、約2.00以下であってもよいし、例えば、約0.50超過、約1.80以下であってもよいし、例えば、約0.50超過、約1.50以下であってもよいし、例えば、約0.50超過、約1.20未満であってもよい。前記式1の値が前記範囲を満たすと共に、前記R/RCuの値がこのような範囲を満たす場合、前記半導体工程用組成物の研磨性能が前記TSVなどの不連続の構造が含まれた部分を研磨するにおいて、特に、突出(Protrusion)部分の発生なしに平坦な研磨が可能な利点を示す。
【0027】
前記半導体工程用組成物は、下記式2の値が、約0.50超過、約7.00以下であってもよいし、例えば、約1.00超過、約7.00以下であってもよいし、例えば、約1.00超過、約2.00未満であってもよいし、例えば、約1.00超過、約1.90以下であってもよいし、例えば、約1.00超過、約1.70以下であってもよい。
【0028】
[式2]
【0029】
前記式2において、前記R及びRは、前記式1で定義した通りである。
【0030】
前記式1の値が前記範囲を満たすと共に、前記式2の値がこのような範囲を満たす場合、前記半導体工程用組成物の研磨性能が前記TSVなどの不連続の構造が含まれた部分を研磨するにおいて、特に、突出(Protrusion)部分の発生なしに平坦な研磨が可能な利点を示す。
【0031】
前記半導体工程用組成物において、前記Rは、約500Å/min~約5,000Å/min、例えば、約800Å/min~約5,000Å/min、例えば、約1,000Å/min~約5,000Å/min、例えば、約1,500Å/min~約5,000Å/min、例えば、約2,000Å/min~約5,000Å/min、例えば、約2,500Å/min~約5,000Å/min、例えば、約2,500Å/min~約3,500Å/min、例えば、約2,800Å/min~約3,500Å/min、例えば、約3,000Å/min~約3,500Å/minであってもよい。前記半導体工程用組成物が前記式1の値の範囲を満たすと共に、前記Rの値がこのような範囲を満たす場合、それの研磨性能が膜質の面で前記TSVのような局所的な不連続の構造が含まれた部分を研磨するにおいて、ディッシング(Dishing)または突出(Protrusion)のない研磨性能を具現するのにより有利である。
【0032】
前記半導体工程用組成物において、前記Rは、約400Å/min~約3,000Å/min、例えば、約450Å/min~約3,000Å/min、例えば、約450Å/min~約2,800Å/min、例えば、約1,500Å/min~約3,000Å/min、例えば、約1,600Å/min~約3,000Å/min、例えば、約1,800Å/min~約3,000Å/min、例えば、約1,900Å/min~約3,000Å/min、例えば、約2,000Å/min~約3,000Å/min、例えば、約2,000Å/min~約2,800Å/minであってもよい。前記半導体工程用組成物が前記式1の値の範囲を満たすと共に、前記Rの値がこのような範囲を満たす場合、それの研磨性能が膜質の点で前記TSVのような局所的な不連続の構造が含まれた部分を研磨するにおいて、ディッシング(Dishing)または突出(Protrusion)のない研磨性能を具現するのにより有利である。
【0033】
前記半導体工程用組成物において、前記RCuは、約400Å/min~約3,500Å/min、例えば、約450Å/min~約3,500Å/min、例えば、約450Å/min~約2,800Å/min、例えば、約450Å/min~約2,750Å/min、例えば、約450Å/min~約2,700Å/min、例えば、約1,000Å/min~約3,500Å/min、例えば、約1,000Å/min~約3,200Å/min、例えば、約1,300Å/min~約3,200Å/min、例えば、約1,500Å/min~約3,000Å/min、例えば、約1,500Å/min~約2,800Å/min、例えば、約1,500Å/min~約2,750Å/min、例えば、約1,500Å/min~約2,700Å/minであってもよい。前記半導体工程用組成物が前記式1の値の範囲を満たすと共に、前記RCuの値がこのような範囲を満たす場合、それの研磨性能が膜質の点で前記TSVのような局所的な不連続の構造が含まれた部分を研磨するにおいて、ディッシング(Dishing)または突出(Protrusion)のない研磨性能を具現するのにより有利である。
【0034】
前記半導体工程用組成物は、シリコン貫通電極(Through Silicon Via、TSV)を有する半導体ウエハの表面研磨に適用することができる。図1は、一具現例に係る前記半導体工程用組成物の研磨対象であって、シリコン貫通電極を有する半導体ウエハの研磨前の厚さ方向の断面図を概略的に示した図であり、図2は、一具現例に係る前記半導体工程用組成物の研磨対象であって、シリコン貫通電極を有する半導体ウエハの研磨後の厚み方向の断面図を模式的に示したものである。図3は、図1に示した半導体ウエハの一部分(A)の平面図を概略的に示したものである。図1図3に示しているように、前記半導体ウエハ(1)は、基板(50)と、前記基板(50)上に配置されるシリコン窒化膜(20)及びシリコン酸化膜(40)とを含んでもよい。前記シリコン窒化膜(20)は、前記基板(50)の少なくとも一部を覆うように配置されてもよい。より具体的には、前記シリコン窒化膜(20)は、前記基板(50)の一部を覆うように配置されてもよい。前記シリコン窒化膜(20)は、前記基板(50)と前記シリコン酸化膜(40)との間に配置される第1シリコン窒化膜(21)と、後述するビア(11)の内部に配置される第2シリコン窒化膜(22)とを含んでもよい。前記第1シリコン窒化膜(21)及び前記第2シリコン窒化膜(22)は、連続的に備えられもよいし、不連続的に備えられてもよい。他の面で説明すると、前記第1シリコン窒化膜(21)及び前記第2シリコン窒化膜(22)は一体に形成されてもよいし、別々に形成されてもよい。一例として、前記第1シリコン窒化膜(21)及び前記第2シリコン窒化膜(22)が連続的に備えられるか、または、一体に形成される場合、前記第2シリコン窒化膜(22)は、前記第1シリコン窒化膜(21)から折り曲げられて延びる構造を有してもよい。他の面で説明すると、前記第1シリコン窒化膜(21)及び前記第2シリコン窒化膜(22)が連続的に備えられるか、または、一体に形成される場合、前記第2シリコン窒化膜(22)は、前記第1シリコン窒化膜(21)から分岐した構造を有してもよい。
【0035】
前記第1シリコン窒化膜(21)は、前記基板(50)の表面の少なくとも一部を覆うように配置されてもよい。一具現例において、前記第1シリコン窒化膜(21)が前記基板(50)の表面の一部の面積を覆うように配置された場合、前記基板(50)の表面上の同一の高さに前記第1シリコン窒化膜(21)と共に、シリコン酸化膜(40)などの他の材料の膜質が同時に存在してもよい。他の具現例において、前記第1シリコン窒化膜(21)が前記基板(50)の表面の全面積を覆うように配置された場合、前記第1シリコン窒化膜(21)上に前記シリコン酸化膜(40)が配置されてもよい。別の具現例において、図面には具体的に示していないが、前記第1シリコン窒化膜(21)が前記基板(50)の表面の少なくとも一部を覆うように配置される場合、前記第1シリコン窒化膜(21)と前記基板(50)との間に前記シリコン酸化膜(40)とは別に追加のシリコン酸化膜が配置されてもよい。
【0036】
図2を参照すると、前記半導体ウエハ(1)において、前記半導体工程用組成物を用いて研磨される主な領域は、前記シリコン酸化膜(40)と前記シリコン貫通電極(10)とが同時に研磨される領域であってもよい。前記半導体工程用組成物は、前記式1の値が前述の範囲を満たすことによって、前記シリコン酸化膜(40)、前記導体充填電極(30)及び前記第2シリコン窒化膜(22)が、図1に示されているような構造で同時に存在する領域を研磨するにおいて、過度なディッシング(Dishing)及び/または突出(Protrusion)部分なしに平坦に研磨するのにより有利である。
【0037】
図1及び図2を参照すると、前記半導体工程用組成物を用いて研磨される領域には、前記第1シリコン窒化膜(21)と前記シリコン貫通電極(10)とが同時に研磨される領域が含まれてもよい。前記半導体工程用組成物は、前記式1の値が前述の範囲を満たすことによって、前記シリコン酸化膜(40)、前記導体充填電極(30)及び前記第2シリコン窒化膜(22)が、図1に示されているような構造で同時に存在する領域を研磨する工程と共に、これに続いて、前記第1シリコン窒化膜(21)と前記シリコン貫通電極(10)とが同時に研磨される領域を研磨するにおいても、過度なディッシング(Dishing)及び/または突出(Protrusion))部分なしに平坦に研磨する効果を具現することができる。
【0038】
一例として、前記基板(50)は、シリコン(Si)を含んでもよい。ただし、前記基板(50)の材質は、これに限定されない。
【0039】
前記半導体ウエハ(1)は、シリコン貫通電極(10)をさらに含んでもよい。前記シリコン貫通電極(10)は、前記半導体ウエハ(1)を貫通して形成されもよい。具体的には、前記シリコン貫通電極(10)は、前記基板(50)、前記シリコン酸化膜(40)及び、前記第1シリコン窒化膜(21)を貫通して形成されもよい。他の面で説明すると、前記シリコン貫通電極(10)は、前記半導体ウエハ(1)を貫通するように形成されたビア(11)の内部に、導体充填電極(30)と前記第2シリコン窒化膜(22)とが配置されることによって構成されもよい。前記第2シリコン窒化膜(22)は、前記導体充填電極(30)を包むように前記導体充填電極(30)の外側に配置されてもよい。前記ビア(11)は、前記基板(50)、前記第1シリコン窒化膜(21)及び前記シリコン酸化膜(40)を貫通するように形成されもよいし、前記ビア(11)の内部に前記導体充填電極(30)と前記第2シリコン窒化膜(22)とが配置されることによって、前記シリコン貫通電極(10)が形成されもよい。前記シリコン貫通電極(10)は、その構造において、前記ビア(11)、前記導体充填電極(30)及び前記第2シリコン窒化膜(22)の相互間で実質的に隙間が全くない場合だけでなく、工程的に不可避な微細な隙間を有する場合まで包括するものと理解される。
【0040】
前記導体充填電極(30)は、導電性を有する成分を含み、これは、特に制限されないが、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、ニッケル(Ni)及びこれらの組み合わせからなる群より選択された1つを含んでもよい。一具現例において、前記導体充填電極(30)は、銅(Cu)を含んでもよい。例えば、前記導体充填電極(30)は、銅(Cu)からなってもよい。
【0041】
前記シリコン酸化膜(40)は、絶縁膜として機能することができる。前記シリコン酸化膜(40)は、その表面上にそれの表面の少なくとも一部を覆うように配置される前記第1シリコン窒化膜(21)を含んでもよい。
【0042】
前記第1シリコン窒化膜(21)は、前記シリコン酸化膜(40)の表面の全体を覆うように配置されてもよいし、前記シリコン酸化膜(40)の表面の一部を覆うように配置されてもよい。前記シリコン窒化膜(20)は、絶縁膜またはバリア膜として機能することができる。具体的には、前記第1シリコン窒化膜(21)は、絶縁膜として機能することができ、前記第2シリコン窒化膜(22)は、絶縁膜及びバリア膜としての機能を兼ねることができる。前記第2シリコン窒化膜(22)は、前記導体充填電極(30)を囲むように前記導体充填電極(30)と共に前記ビア(11)の内部に配置されてもよい。前記第2シリコン窒化膜(22)は、前記導体充填電極(30)に含まれる銅原子が基板(50)に拡散することを防止することによって、バリア機能を行うことができる。
【0043】
このようなTSV構造を有する前記半導体ウエハ(1)の表面を被研磨面とすることによって、それを研磨対象とする前記半導体工程用組成物の用途において、前記式1の値が前記範囲を満たすことに対応する研磨性能の技術的利点を最大化することができる。
【0044】
図3を参照すると、前記ビア(11)の全直径(D1)に対する前記導体充填電極(30)の直径(D2)の比率(D2/D1)が、約0.5~約1.2であってもよいし、例えば、約0.7~約1.2であってもよいし、例えば、約0.7~約1.0であってもよい。前記半導体ウエハ(1)がこのようなTSV構造を有する表面を被研磨面とすることによって、それを研磨対象とする前記半導体工程用組成物の用途において、前記式1の値が前記範囲を満たすことに対応する研磨性能の技術的利点を最大化することができる。
【0045】
一具現例において、前記半導体ウエハ(1)は、前記ビア(11)と、前記ビア(11)の内部に配置される前記第2シリコン窒化膜(22)とを含み、前記ビア(11)全半径(D1/2)に対する前記第2シリコン窒化膜(22)の厚さ(T1)の比率(2T1/D1)が、約0.1~約0.5であってもよいし、例えば、約0.1~約0.3であってもよい。前記半導体ウエハ(1)がこのようなTSV構造を有する表面を被研磨面とすることによって、それを研磨対象とする前記半導体工程用組成物の用途において、前記式1の値が前記範囲を満たすことに対応する研磨性能の技術的利点を最大化することができる。
【0046】
前記半導体工程用組成物は、研磨粒子及び少なくとも1種の添加剤を含んでもよい。前記研磨粒子は、主に物理的なエッチング(etching)作用をする成分であって、研磨対象の被研磨面と機械的摩擦を通じて平坦化作用をすることができる。
【0047】
一具現例において、前記研磨粒子は、無機粒子、有機粒子または有無機複合粒子を含んでもよい。本明細書において、「無機粒子」または「有機粒子」とは、それぞれ無機成分及び有機成分が主成分である粒子形状の構成を意味し、それぞれが微量の異種成分、すなわち、前記無機粒子の場合は、微量の有機成分を、前記有機粒子の場合は、微量の無機成分を含む場合も包括する概念として理解されるべきである。ここで、「微量」とは、前記研磨粒子の全100重量%のうち、約0.005重量%~約0.03重量%水準の含有量を意味する。本明細書において、「有無機複合粒子」とは、有機成分及び無機成分を含み、いずれか一方の成分が50重量%~90重量%含まれた粒子を意味する。
【0048】
一具現例において、前記研磨粒子は、無機粒子を含んでもよい。前記無機粒子は、例えば、シリカ(Silica、SiO)、セリア(Ceria、CeO)、アルミナ(Alumina、Al)、ジルコニア(Zirconia、ZrO)及びこれらの組み合わせからなる群より選択される1つを含んでもよい。前記研磨粒子が無機粒子を含むことによって、前記半導体工程用組成物の適用において前記少なくとも1種の添加剤との化学的相溶性を予測範囲内で調節することができ、これにより、突然の研磨性能の変化による副作用を最小化することができる。
【0049】
前記研磨粒子は、コロイド状であってもよい。例えば、前記研磨粒子は、コロイダル無機粒子を含んでもよい。
【0050】
前記半導体工程用組成物の水素イオン濃度(pH)は、約2~約5であってもよいし、例えば、約3以上、約5以下であってもよいし、例えば、約3以上、約5未満であってもよいし、例えば、約4であってもよい。
【0051】
前記半導体工程用組成物中の前記研磨粒子のゼータ電位値は、正(+)の値を示してもよい。具体的には、前記半導体工程用組成物中の前記研磨粒子は、無機粒子を含み、正(+)のゼータ電位値を示してもよい。前記半導体工程用組成物中の前記研磨粒子のゼータ電位値は、約+5mV~約+50mVであってもよいし、例えば、約+10mV~約+40mVであってもよいし、例えば、約+10mV~約+30mVであってもよい。前記半導体工程用組成物中の前記研磨粒子のゼータ電位は、その測定方法が特に制限されないが、例えば、ゼータ電位測定装置(Malvern社、Zeta-sizer Nano ZS)を用いて前記半導体工程用組成物を測定用セル(cell)に約1mL程度投入後に測定することができる。例えば、前記ゼータ電位値は、約100回の測定の平均値であってもよい。
【0052】
前記半導体工程用組成物の水素イオン濃度(pH)が前述の範囲を満たすと共に、前記半導体工程用組成物中の前記研磨粒子のゼータ電位値が前述の範囲を満たす場合、半導体ウエハに対する研磨特性を好適に設計することができる。具体的には、前記研磨粒子は、前記半導体ウエハの被研磨面に対して所定の水準以上に吸着される必要があると共に、所定の水準以上に分離が容易である必要がる。仮に、前記研磨粒子が過度な吸着力で前記半導体ウエハの被研磨面に対して吸着され、分離が容易でない場合、前記被研磨面にスクラッチ(scratch)などの欠陥(defect)を発生させることがあり、これと逆に、前記研磨粒子が前記被研磨面に所定の引力で吸着できず、過度な流動性を有する場合、物理的な摩擦力が低下して研磨率が目的とする水準に達しないおそれがある。これを考慮した面で、前記半導体工程用組成物の水素イオン濃度(pH)が前述の範囲を満たすと共に、前記半導体工程用組成物中の前記研磨粒子のゼータ電位値が前述の範囲を満たす場合、前記研磨粒子が前記半導体ウエハの被研磨面に対して適正水準の吸着性を確保すると共に前記被研磨面から分離が容易となり、目的とする水準の研磨率の確保と共に欠陥防止効果を極大化するのに有利である。このような技術的効果は、前記半導体工程用組成物が適用される表面がシリコン窒化膜及び銅膜を含む場合、有意な研磨結果として発現することができ、特にシリコン酸化膜を含む研磨において、さらに極大化することができる。
【0053】
一具現例において、前記研磨粒子は、前記半導体工程組成物中の前記研磨粒子のゼータ電位値が正(+)の値を示すように表面処理された粒子を含んでもよい。具体的には、前記研磨粒子は、無機粒子を含んでもよいし、前記無機粒子は少なくとも1種の有機成分で表面処理された粒子を含んでもよい。前記無機粒子の表面処理に適用された少なくとも1種の有機成分は、前記研磨粒子の全100重量%のうち、約0.005重量%~1重量%であってもよいし、例えば、約0.005重量%~約0.03重量%であってもよい。
【0054】
一具現例において、前記無機粒子の表面処理のための前記少なくとも1種の有機成分は、例えば、アミノシラン(Amino silane)、アルコキシシラン(Alkoxy silane)、エトキシシラン(Ethoxy、silane)、エポキシシラン(Epoxy silane)及びこれらの組み合わせからなる群より選択される1つを含んでもよい。
【0055】
一具現例において、前記無機粒子は、シリカ(Silica、SiO)を含み、前記無機粒子の表面処理に適用された少なくとも1種の有機成分は、アミノシランまたはエポキシシランを含んでもよい。この場合、前記研磨粒子が前記半導体工程用組成物の前記式1の値を所定の範囲内で満たすのに有利な表面電荷を示してもよい。その結果、前記半導体ウエハの表面研磨において、シリコン貫通電極における過度なディッシング(Dishing)現象の防止の面でより有利である。より具体的には、前記半導体ウエハの表面研磨において導体充填電極における過度なディッシング(Dishing)現象の防止の面でより有利である。
【0056】
例えば、前記表面処理に適用された少なくとも1種の有機成分は、アミノシラン及びエポキシシランを含んでもよいし、前記アミノシランに対する前記エポキシシランのモル比が、約10:1~約5:1であってもよいし、例えば、約10:1~約6:1であってもよいし、例えば、約10:1~約7:1であってもよいし、例えば、約10:1~約8:1であってもよいし、例えば、約9.5:1~約8.5:1であってもよいし、例えば、約9:1であってもよい。
【0057】
他の具現例において、前記研磨粒子は、有無機複合粒子を含んでもよいし、前記有無機複合粒子は、例えば、高分子樹脂を含むコア;及び前記コアの表面に配置された無機成分を含むシェルからなるコア-シェル構造の粒子であってもよい。
【0058】
前記有無機複合粒子のコアは、高分子樹脂であって、例えば、ポリメチルメタクリレート(Polymethylmethacrylate、PMMA)樹脂、ポリスチレン(Polystyrene、PS)樹脂などを含んでもよい。前記シェルの無機成分は、例えば、シリカ(Silica、SiO)、セリア(Ceria、CeO)、アルミナ(Alumina、Al)、チタニア(Titania、TiO)、ジルコニア(Zirconia)、ZrO)、ゲルマニア(GeO)などを含んでもよい。
【0059】
前記研磨粒子に含まれた粒子は、例えば、平均粒径(D50)が、約5nm~約150nmであってもよいし、例えば、約5nm~約100nmであってもよいし、例えば、約5nm~約80nmであっでもよいし、例えば、約10nm~約80nmであってもよいし、例えば、約30nm~約50nm、例えば、約30nm~約45nm、例えば、約34nm~約44nmであってもよい。このような大きさの研磨粒子を適用することによって、前記半導体工程用組成物が前記式1の条件を満たすのにより有利である。
【0060】
例えば、前記研磨粒子は、それの粒子分布において、10%累積質量粒子大きさ分布直径(D10)が、約5nm~約50nm、例えば、約5nm~約35nm、例えば、約10nm~約35nm、例えば、約20nm~約35nm、例えば、約23nm~約33nmであってもよい。
【0061】
例えば、前記研磨粒子は、それの粒子分布において、90%累積質量粒子大きさ分布直径(D90)が、約40nm~約150nm、例えば、約40nm~約100nm、例えば、約45nm~約80nm、例えば、約45nm~約65nm、例えば、50nm~約60nmであってもよい。
【0062】
例えば、前記研磨粒子は、それの粒子分布において、10%累積質量粒子大きさ分布直径(D10)が、約23nm~約33nmであってもよいし、50%累積質量粒子大きさ分布直径(D50)が、約34nm~約44nmであってもよいし、90%累積質量粒径分布直径(D90)が、約50nm~約60nmであってもよい。
【0063】
前記研磨粒子は、それの粒子分布において、1.10≦D90/D50≦1.80、例えば、1.50≦D90/D10≦2.70、例えば、1.00≦D50/D10≦2.00の条件を満たしてもよい。このような粒子分布を有する研磨粒子を適用することによって、前記半導体工程用組成物が前記式1の値を所定の範囲で満たすのにより有利であり、これに対応する優れた研磨結果を算出するのにより有利である。
【0064】
前記研磨粒子の粒度分布を測定する方法は、特に制限されず、当該技術分野においてナノ(nm)大きさ水準の粒子パウダーに対する粒度分析のために使用される任意の汎用的な装置を用いて導出してもよい。
【0065】
前記半導体工程用組成物は、少なくとも1種の添加剤を含んでもよい。前記少なくとも1種の添加剤は、主に化学的反応を通じて研磨対象の表面状態を研磨に好適に調節する役割を果たすことができる。
【0066】
前記少なくとも1種の添加剤は、例えば、有機酸を含んでもよい。前記有機酸は、主に銅に対する研磨特性を調整するか、銅イオンなどの金属イオンをトラップ(trap)する錯化剤として機能することができる。例えば、前記有機酸は、酢酸(acetic acid)、ギ酸(formic acid)、安息香酸(benzoic acid)、ニコチン酸(nicotinic acid)、ピコリン酸(picolinic acid)、アラニン(alanine)、フェニルアラニン(phenylalanine)、バリン(valine)、ロイシン(leucine)、イソロイシン(isoleucine)、アルギニン(arginine)、アスパラギン酸(aspartic acid)、クエン酸(citric acid)、アジピン酸(adipic acid)、コハク酸(succinic acid)、シュウ酸(oxalic acid))、グリシン(glycine)、グルタミン酸(glutamic acid)、グルタル酸(glutaric acid)、フタル酸(phthalic acid)、ヒスチジン(histidine)、トレオニン(threonine)、セリン(serine)、システイン(cysteine)、メチオニン(methionine)、アスパラギン(asparagine)、チロシン(tyrosine)、ジヨードチロシン(diiodotyrosine)、トリプトファン(tryptophan)、プロリン(proline)、オキシプロリン(oxyproline)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、ニトロトリ酢酸(NDA)、イミノジ酢酸(IDA)及びこれらの組み合わせからなる群より選択される1つを含んでもよい。一具現例において、前記有機酸は、グリシンまたはエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)を含んでもよい。
【0067】
前記少なくとも1種の添加剤が前記有機酸を含み、前記研磨粒子100重量部に対して、前記有機酸が、約0.5重量部~約6重量部であってもよいし、例えば、約1重量部~約6重量部であってもよいし、例えば、約1重量部~約5重量部であってもよいし、例えば、約1重量部超過、約5重量部以下であってもよい。前記研磨粒子に対する前記有機酸の相対含有量がこのような範囲に該当することによって、銅膜質と異種成分の膜質を同時に含む表面において、その境界部分における優れた平坦化性能を示すのにより有利であり、例えば、前記銅膜質が、前述のような前記シリコン貫通電極(10)の導体充填電極(30)のような構造で含まれた被研磨面に対して過度なディッシング(Dishing)または過度な突出(Protrusion)のない優れた平坦性を具現するのにより有利である。
【0068】
前記少なくとも1種の添加剤は、例えば、アゾール(Azol)系化合物を含んでもよい。前記アゾール系化合物は、主に銅膜質の表面特性を調節する役割を果たすことができる。例えば、前記アゾール系化合物は、ベンゾトリアゾール(Benzotriazole、BTA)、5-メチル-1H-ベンゾトリアゾール(5-Methyl-1H-Benzotriazole、5-MBTA)、3-アミノ-1,2,4-トリアゾール(3-Amino-1,2,4-Triazole),5-フェニル-1H-テトラゾール(5-Phenyl-1H-Tetrazole),3-アミノ-5-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール(3-Amino-5-Methyl-4H-1,2,4-Triazole),5-アミノテトラゾール(5-Aminotetrazole,ATZ),1,2,4-トリアゾール(1,2、4-Triazole)、トリルトリアゾール(Tolitriazole)及びこれらの組み合わせからなる群より選択される1つを含んでもよい。一具現例において、前記アゾール系化合物は、5-アミノテトラゾール(5-Aminotetrazole、ATZ)、5-メチル-1H-ベンゾトリアゾール(5-Methyl-1H-Benzotriazole、5-MBTA)及びこれらの組み合わせからなる群より選択された1つを含んでもよい。
【0069】
一具現例において、前記少なくとも1種の添加剤は、有機酸及びアゾール系化合物を含み、前記有機酸に対する前記アゾール系化合物の重量比が、約3:1以上、約10:1未満であってもよいし、例えば、約3:1~約9.5:1、例えば、約3:1~約8:1、例えば、約4:1~約8:1、例えば、約4.5:1~約7.5:1、例えば、約5:1~約7.5:1であってもよい。前記半導体工程用組成物が有機酸及びアゾール系化合物を含み、前記有機酸に対する前記アゾール系化合物の重量比が前述の範囲を満たすことによって、前記半導体工程用組成物が銅膜質を含む表面を研磨する工程に適用されるとき、高い水準の研磨結果を算出することができ、例えば、前記銅膜質が前述のような前記シリコン貫通電極(10)の導体充填電極(30)のような構造で含まれた被研磨面に対して優れた平坦性を具現するのに有利である。一例として、前記半導体工程用組成物が、前記アゾール系化合物と前記有機酸の一例であるグリシンまたはエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)を含み、前記有機酸及び前記アゾール系化合物の重量比が前述の範囲を満たす場合、前記半導体工程用組成物が銅膜質の過度な腐食(corrosion)を防止すると共に、銅膜質の研磨率が一定水準以上で具現されることによって、前記シリコン貫通電極(10)を有する半導体ウエハ(1)の被研磨面に対する優れた平坦化効果を具現することができる。
【0070】
前記少なくとも1種の添加剤は、リン酸系化合物を含んでもよい。前記リン酸系化合物は、前記シリコン窒化膜(20)の研磨特性を調整する役割を果たすことができる。例えば、前記リン酸系化合物は、リンモリブデン酸(phosphomolybdic acid)、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)(nitrilotris(methylenephoshonic acid))、三塩化リン(phosphorus trichlorired)及びこれらの組み合わせからなる群より選択される1つを含んでもよい。一具現例において、前記リン酸系化合物は、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)(nitrilotris(methylenephoshonic acid))を含んでもよい。
【0071】
一具現例において、前記半導体工程組成物は、前記研磨粒子100重量部に対して、前記リン酸系化合物を約0.01重量部~約1.0重量部、例えば、約0.01重量部~約0.1重量部、例えば、約0.01重量部~約0.5重量部、例えば、約0.01重量部~約0.1重量部、例えば、約0.01重量部~約0.05重量部、例えば、約0.01重量部~約0.03重量部含んでもよい。前記研磨粒子の含有量に対する前記リン酸系化合物の相対含有量がこのような範囲を満たすことによって、前記シリコン窒化膜(20)に対する物理研磨特性と化学的研磨特性のバランスを適切に確保することができ、例えば、前記第2シリコン窒化膜(22)が、前述のように、前記シリコン貫通電極(10)の内面膜のような構造で含まれた被研磨面に対して優れた平坦性を具現するのにより有利である。
【0072】
一具現例において、前記少なくとも1種の添加剤である有機酸、アゾール系化合物及びリン酸系化合物を含み、前記有機酸及び前記アゾール系化合物の総100重量に対する前記リン酸系化合物の総重量が、約0.30重量部~約2.00重量部、例えば、約0.35重量部~約2.00重量部、例えば、約0.37重量部~約2.00重量部、例えば、約0.40重量部~約2.00重量部、例えば、約0.40重量部~約1.50重量部、例えば、約0.50重量部~約1.50重量部、例えば、約0.50重量部~約1.20重量部であってもよい。これを満たす場合、前記半導体工程用組成物が前記銅膜質と前記シリコン窒化膜とを同時に含む表面研磨において優れた平坦性及び表面特性を具現することができる。
【0073】
前記少なくとも1種の添加剤は、下記式1の化合物を含んでもよい。
【0074】
【化1】
【0075】
前記化学式1において、前記nは、1~10の整数であり、前記X及び前記Xは、互いに同一または異なっており、それぞれ独立に水素、ハロゲン基、置換または非置換の炭素数1~10のアルキル基、置換または非置換の炭素数3~10のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素数2~10のアルケニル基及び置換または非置換の炭素数2~10のアルキニル基からなる群より選択され、前記Xまたは前記Xのいずれか1つ以上はハロゲン基である。
【0076】
一具現例において、前記ハロゲン基は、フッ素基(-F)を含んでもよい。すなわち、前記式1の化合物は、フッ素系化合物であってもよい。
【0077】
一具現例において、前記nは、3~8の整数であってもよい。
【0078】
前記化学式1の化合物を含む場合、前記半導体工程用組成物が研磨プロセスに適用される前;及び/または前記研磨工程に適用している中に前記研磨粒子の研磨対象表面への過度な吸着を効果的に防止することができ、前記シリコン酸化膜の表面状態を研磨に有利な状態に維持することができる。また、前記化学式1の化合物がハロゲン基を含むことによって、前記半導体工程用組成物中の細菌及びカビの繁殖などを防止して長期間保管安定性を向上させる利点が得られる。
【0079】
前記少なくとも1種の添加剤は、前記化学式1の化合物を含み、かつポリエチレングリコール(polyethylen glycol)、ポリプロピレングリコール(polypropylene glycol)、ポリエチレン-プロピレン共重合体(polyethylene-propylene copolymer)、ポリアルキルオキシド(polyalkyloxide)、ポリオキシエチレンオキシド(polyoxyethyleneoxide、PEO)、ポリエチレンオキシド(polyethylene oxide)、ポリプロピレンオキシド(polypropylene oxide)、スルホン酸ナトリウムフッ素系化合物、リン酸エステルフッ素系化合物、酸化アミンフッ素系化合物、ベタインフッ素系化合物 、アンモニウムフッ素系化合物、ステアリン酸エステルフッ素系化合物、第四級アンモニウムフッ素系化合物、エチレンオキシド/プロピレンオキシドフッ素系化合物、ポリオキシエチレンフッ素系化合物及びこれらの組み合わせからなる群より選択される1つをさらに含んでもよい。
【0080】
前記少なくとも1種の添加剤が前記化学式1の化合物を含む場合、前記1の化合物の含有量は、前記研磨粒子100重量部に対して、約0.01重量部~約0.20重量部、例えば、約0.01重量部~約0.15重量部、例えば、約0.01重量部~約0.10重量部、例えば、約0.01重量部~約0.05重量部であってもよい。前記研磨粒子に対する前記化学式1の化合物の相対含有量がこのような範囲に該当することによって、前記化学式1の化合物が前記研磨粒子の過度な吸着を防止する効果の面でより有利であり、その結果、被研磨面の欠陥(defect)の発生を防止する効果を得るのにより有利である。さらに、突出(Protrusion)の発生を防止する面でより有利である。
【0081】
前記少なくとも1種の添加剤は、pH調整剤をさらに含んでもよい。前記pH調整剤は、例えば、塩酸(HCl)、リン酸(HPO)、硫酸(HSO)、硝酸(HNO)、水酸化アンモニウム(NHOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)及びこれらの組み合わせからなる群より選択される1つを含んでもよい。前記少なくとも1種の添加剤がpH調整剤を含む場合、前記研磨粒子100重量部に対して、約0.01重量部~約5重量部含んでもよい。
【0082】
前記半導体工程用組成物は、前述の各成分以外の残りの含有量の溶媒を含んでもよい。前記溶媒は、例えば、水(HO)であってもよいし、具体的に、超純水が適用されてもよい。
【0083】
前記半導体工程用組成物は、固形分含有量が、約5重量%から約20重量%であってもよい。前記固形分含有量が少なすぎる場合、シリコン酸化膜に対する研磨率が十分確保できないおそれがあり、多すぎる場合、前記研磨粒子の凝集などによる欠陥発生のおそれがある。すなわち、前記半導体工程用組成物が前述の各成分と前記溶媒とを含み、かつ前記範囲の固形分含有量を満たす場合、前記半導体工程用組成物を研磨工程に適用するとき、均一な流量で注入するのに有利であり、また、前記半導体工程用組成物の流通及び貯蔵過程で均一な分散性及び貯蔵安定性を確保するのに有利である。
【0084】
前述のように、前記半導体工程用組成物は、前記シリコン酸化膜、前記シリコン窒化膜及び前記銅膜質のそれぞれに対する研磨率を構成因子とする前記式1の値が所定の範囲を満たすことによって、異種膜質を同時に含む被研磨面に対して、突出(Protrusion)及び/または過度なディッシング(Dishing)を防止する面で優れた効果を具現することができる。より具体的には、前述のような、前記第2シリコン窒化膜(22)を内面膜として含み、前記銅で充填された導体充填電極(30)を含む前記シリコン貫通電極(10)が含まれた前記シリコン酸化膜(40)の表面を被研磨面とする場合、特に優れた平坦化効果を具現することができる。
【0085】
他の具現例において、研磨面が備えられた研磨パッドが取り付けられた定盤を準備するステップ;研磨対象を収容したキャリアを準備するステップ;前記定盤及び前記キャリアを回転させ、前記研磨パッドの研磨面と前記研磨対象の被研磨面とが互いに当接するように配置した状態で回転させるステップ;及び前記研磨面上に半導体工程用組成物を供給するステップ;を含み、前記研磨対象は、シリコン貫通電極を有する半導体ウエハであり、前記半導体工程用組成物は、シラン組成物で表面が改質された研磨粒子;及び少なくとも1種の添加剤を含んでもよい。
【0086】
前記半導体工程用組成物に関する事項はいずれも前記半導体工程用組成物に関して前述したものと同一のである。
【0087】
図4は、一具現例に係る前記半導体素子の製造方法に関する構成を概略的に示した図である。図4を参照すると、前記半導体素子の製造方法は、研磨面が備えられた研磨パッド(110)が取り付けられた定盤(120)を準備するステップ;及び研磨対象(130)を収容したキャリア(160)を準備するステップ;を含んでもよい。
【0088】
前記半導体素子の製造方法において、前記研磨対象(130)は、シリコン貫通電極(Through Silicon Via、TSV)を有する半導体ウエハであってもよい。前記TSVは、メモリチップを積層して大容量を具現する技術であり、既存のワイヤを用いてチップを連結するワイヤボンディング(Wire Bonding)技術よりも速度及び消費電力を大きく改善することができる。ただし、前記TSVを適用した半導体メモリチップは、微細な構造を精巧に加工する過程を通じて製造されるため、エラーのない機能を具現するためには、前記TSVの形成による表面の欠陥があってはならない。したがって、前記TSVが形成された半導体ウエハの加工に伴う化学機械研磨性能が最終的な半導体素子の機能を具現するにおいて極めて重要な要素であると言える。図1図4を参照すると、前記研磨対象(130)は、シリコン貫通電極(10)を有する半導体ウエハであってもよいし、前記半導体ウエハは、基板(50);前記基板(50)上に配置される第1シリコン窒化膜(21);前記第1シリコン窒化膜(21)上に配置されるシリコン酸化膜(40);及びシリコン貫通電極(10)を含んでもよい。ここで、前記シリコン貫通電極(10)は、導体充填電極(30)及び前記導体充填電極(30)の外側に位置するように配置された第2シリコン窒化膜(22)を含んでもよい。具体的には、前記導体充填電極(30)及び前記第2シリコン窒化膜(22)は、前記半導体ウエハを貫通して形成されるビア(11)の内部に配置されてもよい。前記基板(50)、前記第1シリコン窒化膜(21)、前記シリコン酸化膜(40)、前記シリコン貫通電極(10)、前記導体充填電極(30)及び前記第2シリコン窒化膜(22)に関する具体的な事項及びそれの技術的利点は、前記半導体工程用組成物に関して前述した事項が前記半導体素子の製造方法に統合し適用される。
【0089】
前記半導体素子の製造方法は、本発明の半導体工程用組成物を適用することによって、前記TSVによって、銅膜、シリコン酸化膜及びシリコン窒化膜を同時に含むようになる被研磨面に対する研磨結果において、突出(Protrusion)及び/または、ディッシング(Dishing)などのない優れた平坦性を具現することができる。
【0090】
例えば、前記半導体工程組成物は、前記RCuに対する前記Rの比率(R/RCu、式3)が、約1.00超過、約7.00以下であってもよいし、例えば、約1.00超過、約6.50以下であってもよいし、例えば、約1.00超過、約2.80以下であってもよいし、例えば、約1.00超過、約2.00以下であってもよいし、例えば、約1.00超過、約1.50以下であってもよい。
【0091】
例えば、前記半導体工程用組成物は、前記RCuに対する前記Rの比率(R/RCu)が、約0.50超過、約2.00以下であってもよいし、例えば、約0.50超過、約1.80以下であってもよいし、例えば、約0.50超過、約1.50以下であってもよいし、例えば、約0.50超過、約1.20未満であってもよい。
【0092】
例えば、前記半導体工程組成物は、前記Rに対する前記Rの比率(R/RN、式2)が、約0.50超過、約7.00以下であってもよいし、例えば、約1.00超過、約7.00以下であってもよいし、例えば、約1.00超過、約2.00未満であってもよいし、例えば、約1.00超過、約1.90以下であってもよいし、例えば、約1.00超過、約1.70以下であってもよい。
【0093】
例えば、前記Rは、約500Å/min~約5,000Å/min、例えば、約800Å/min~約5,000Å/min、例えば、約1,000Å/min~約5,000Å/min、例えば、約1,500Å/min~約5,000Å/min、例えば、約2,000Å/min~約5,000Å/min、例えば、約2,500Å/min~約5,000Å/min、例えば、約2,500Å/min~約3,500Å/min、例えば、約2,800Å/min~約3,500Å/min、例えば、約3,000Å/min~約3,500Å/minであってもよい。
【0094】
例えば、前記Rは、約400Å/min~約3,000Å/min、例えば、約450Å/min~約3,000Å/min、例えば、約450Å/min~約2,800Å/min、例えば、約1,500Å/min~約3,000Å/min、例えば、約1,600Å/min~約3,000Å/min、例えば、約1,800Å/min~約3,000Å/min、例えば、約1,900Å/min~約3,000Å/min、例えば、約2,000Å/min~約3,000Å/min、例えば、約2,000Å/min~約2,800Å/minであってもよい。
【0095】
例えば、前記RCuは、約400Å/min~約3,500Å/min、例えば、約450Å/min~約3,500Å/min、例えば、約450Å/min~約2,800Å/min、例えば、約450Å/min~約2,750Å/min、例えば、約450Å/min~約2,700Å/min、例えば、約1,000Å/min~約3,500Å/min、例えば、約1,000Å/min~約3,200Å/min、例えば、約1,300Å/min~約3,200Å/min、例えば、約1,500Å/min~約3,000Å/min、例えば、約1,500Å/min~約2,800Å/min、例えば、約1,500Å/min~約2,750Å/min、例えば、約1,500Å/min~約2,700Å/minであってもよい。
【0096】
前記R、R及びRCuのそれぞれの範囲と、これらの比率に関する説明及び技術的利点は、前記半導体工程用組成物に関して前述した事項が、前記半導体素子の製造方法にも同一に統合して解析適用されもよい。
【0097】
図4を参照すると、前記半導体素子の製造方法は、前記定盤(120)及び前記キャリア(160)を回転させ、前記研磨パッド(110)の研磨面と前記研磨対象(130)の被研磨面とが互いに当接するように配置された状態で回転させるステップを含んでもよい。
【0098】
前記研磨パッド(110)は、それの研磨面が最上部面となるように前記定盤(120)上に取り付けられ、前記研磨対象(130)は、それの被研磨面が最下部面となるように前記キャリア(160)に収容されることによって、前記研磨面と前記被研磨面とが互いに当接するように配置されてもよい。前記研磨面と前記被研磨面とが互いに当接するということは、直接に物理的に接触する場合だけでなく、前記半導体工程用組成物中の前記研磨粒子などを介して間接に接触する場合も含まれるものと解釈することができる。
【0099】
前記定盤(120)が回転するに伴い、前記研磨パッド(110)も実質的に同一の奇跡及び速度で回転し、前記キャリア(160)が回転するに伴い、前記研磨対象(130)も実質的に同一の奇跡及び速度で回転するようになる。前記定盤(120)及び前記キャリア(160)は、互いに同一の方向に回転してもよいし、異なる方向に回転してもよい。
【0100】
一具現例において、前記定盤(120)及び前記キャリア(160)の回転速度は、それぞれ約10rpm~約500rpmであってもよいし、例えば、約30rpm~約200rpmであってもよい。前記定盤(120)及び前記キャリア(160)がそれぞれ前記範囲の回転速度で回転する場合、それの遠心力による前記研磨面及び前記被研磨面の摩擦挙動が前記研磨面上に供給される前記半導体工程用組成物と相互連係して、前記被研磨面に対して研磨平坦性の確保と突出及びディッシングなどの副作用防止の面で優れた効果が得られるようにすることができる。より具体的には、前記TSVの構造によって、銅膜、シリコン酸化膜及びシリコン窒化膜を同時に含むようになる被研磨面に対する研磨結果においてより有利である。
【0101】
一具現例において、前記キャリア(160)の回転速度が、前記定盤(120)の回転速度より大きくてもよい。前記キャリア(160)を前記定盤(120)に対して高い速度で回転させることによって研磨安定性を確保すると共に、前記研磨対象(130)の被研磨面が欠陥(Defect)なしに研磨するのに有利である。
【0102】
一具現例において、前記半導体素子の製造方法は、前記定盤(120)及び前記キャリア(160)を回転させ、前記キャリア(160)の前記研磨面に対する加圧条件下で回転させてもよい。 前記キャリア(160)が所定の圧力条件下で前記研磨面に対して加圧されることによって、前記研磨対象(130)の被研磨面が前記研磨パッド(110)の研磨面と直接に接触して研磨されるとき;及び前記半導体工程用組成物(150)を介して間接に接触研磨されるとき;いずれも優れた研磨性能を具現することができる。例えば、前記キャリア(160)が前記研磨面に加圧される荷重は、約0.01psi~約20psiであってもよいし、例えば、約0.1psi~約15psiであってもよい。
【0103】
図4を参照すると、前記半導体素子の製造方法は、前記研磨面上に半導体工程用組成物(150)を供給するステップをさらに含んでもよい。より具体的には、前記半導体工程用組成物(150)は、供給ノズル(140)を通って前記研磨面上に供給されてもよい。
【0104】
一具現例において、前記供給ノズル(140)を通って噴射される前記半導体工程用組成物(150)の流量は、約10mL/min~約1,000mL/minであってもよいし、例えば、約10mL/min~約800mL/minであってもよいし、例えば、約50mL/min~約500mL/minであってもよい。前記式1を所定の範囲で満たす前記半導体工程用組成物(150)が前記範囲の流量で前記研磨面上に供給される場合、これを媒介とした前記研磨面と前記被研磨面との間の摩擦挙動が前記被研磨面の研磨性能を向上させるのにより有利である。より具体的には、前記TSVの構造によって、銅膜、シリコン酸化膜及びシリコン窒化膜を同時に含むようになる被研磨面に対する研磨結果において、研磨平坦性の確保と突出及びディッシングなどの副作用防止の面でより有利である。
【0105】
前記半導体工程用組成物は、研磨粒子;及び少なくとも1種の添加剤を含んでもよいし、前記研磨粒子及び前記少なくとも1種の添加剤に関する事項は、前記半導体工程用組成物について説明したものと同一である。すなわち、前記半導体工程用組成物に関して前述した、前記研磨粒子及び前記少なくとも1種の添加剤に対する全ての具体例及びこれらの技術的利点は、前記半導体製造方法に適用される前記半導体工程用組成物に統合して適用されてもよいし、前記半導体製造方法の他の構成、例えば、前記定盤及び前記キャリアなどの構造及び駆動に関して技術的目的の達成の面で有利な相互作用を達成することができる。
【0106】
図4を参照すると、一具現例において、前記半導体素子の製造方法は、前記研磨パッド(110)の研磨面をコンディショナー(170)を通じて加工するステップをさらに含んでもよい。前記研磨パッド(110)の研磨面は、前記半導体工程用組成物(150)が持続的に供給され、化学的な影響を受け、これと同時に、前記研磨対象(130)の被研磨面との物理的接触による物理的な影響を受けることになる。このような化学的/物理的影響によって前記研磨面の状態が変形されると、前記被研磨面に対する研磨性能を均一に維持しが難いことがある。前記コンディショナー(170)を通じて前記研磨面を加工するステップは、前記研磨面が研磨に適した状態を一定に維持するのに寄与する。
【0107】
例えば、前記コンディショナー(170)は、所定の速度で回転しながら、研磨面を粗面化する役割を果たすことができる。前記コンディショナー(170)の回転速度は、例えば、約10rpm~約500rpm、例えば、約50rpm~約500rpm、例えば、約100rpm~約500rpm、例えば、約200rpm~約500rpm、例えば、約200rpm超過、約400rpm未満であってもよい。
【0108】
前記コンディショナー(170)は、前記研磨パッド(110)の研磨面に対して所定の圧力で加圧されながら回転してもよい。例えば、前記コンディショナー(170)の前記研磨面への加圧圧力は、約1psi~約20psi、例えば、約1psi~約15psi、例えば、約5psi~約15psi、例えば、約5psiである。psi~約10psiであってもよい。
【0109】
前記コンディショナー(170)を通じて前述の工程条件下で表面処理することによって、前記研磨面が研磨工程全体にわたって最適な表面状態を維持することができ、前記半導体工程用組成物(150)の印加条件下で、研磨寿命が長期化する効果が得られる。
【0110】
以下では、本発明の具体的な実施例を提示する。ただし、下記に記載された実施例は、本発明を具体的に例示または説明するためのものに過ぎず、これにより、本発明の権利範囲は制限されて解釈されず、本発明の権利範囲は、特許請求の範囲によって決定されるものである。
【0111】
<実施例及び比較例>
【0112】
実施例1
【0113】
研磨粒子としてコロイダルシリカ(Nouryon、EXSKC-01)を使用し、前記シリカ粒子の表面をアミノシランに対するエポキシシランの重量比が9:1のシラン組成物で改質した。前記シリカ粒子にグリシン(Glycine、YUNWOO CHEMICAL社、A3-10)、アゾール系化合物(BNOCHEM社、BNO-CPA-001)、リン酸系化合物(BNOCHEM社、BNO-SNA-B1)及びフッ素系化合物(BNOCHEM社、BNO-BS-BOH)を混合し、前記シリカ粒子100重量部に対して、それぞれ下記表1の重量部を満たすように混合した。固形分が15.6重量%となるように超純水溶媒を混合して半導体工程用組成物を製造した。
【0114】
実施例2~3
【0115】
前記実施例1において、各成分の含有量を下記表1のように変更したことを除き、同一の方法で各々の半導体工程用組成物を製造した。
【0116】
実施例4
【0117】
前記実施例1において、グリシン(Glycine、YUNWOO CHEMICAL社、A3-10)及びフッ素系化合物(BNOCHEM社、BNO-BS-BOH)を排除し、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)を含め、各成分の含有量を下記表1のように変更したことを除き、同一の方法で各々の半導体工程用組成物を製造した。
【0118】
実施例5~6
【0119】
前記実施例1において、各成分の含有量を下記表1のように変更したことを除き、同一の方法で各々の半導体工程用組成物を製造した。
【0120】
比較例1
【0121】
前記実施例1において、表面を改質していないシリカ粒子を称し、各成分の含有量を下記表1のように混合したことを除き、同一の方法で各々の半導体工程用組成物を製造した。
【0122】
比較例2~4
【0123】
前記実施例1において、各成分の含有量を下記表1のように変更したことを除き、同一の方法で各々の半導体工程用組成物を製造した。
【0124】
<測定及び評価>
【0125】
実験例1:水素イオン濃度(pH)測定
【0126】
前記実施例及び前記比較例それぞれの半導体工程用組成物を20℃~25℃の常温条件下で、200rpmで撹拌しながら、水素イオン濃度(pH)測定装置(Horiba社、Laqua)を用いてpHを測定した。その結果は、下記表1に記載した通りである。
【0127】
実験例2:研磨率測定
【0128】
厚さが約20,000Åの銅膜ウエハ、厚さが約12,000Åのシリコン窒化膜ウエハ及び厚さが約20,000Åのシリコン酸化膜ウエハを準備した。図4に示しているように、研磨対象(130)として各々のウエハを被研磨面が下部に向けるようにキャリア(160)に収容した。研磨面が上部に向けるように研磨パッド(110、SKC社、HD-319B)が取り付けられた定盤(120)に対して、前記被研磨面と前記研磨面とが互いに当接するように前記キャリア(160)を位置させた後、60秒間前記キャリア(160)の前記研磨面に対する加圧圧力3.0psi、前記キャリア(160)の回転速度120rpm、前記定盤(120)の回転速度117rpmで各構成を動作させ、前記研磨面に対して前記実施例及び前記比較例それぞれの半導体工程用組成物を流速300ml/minの条件で印加し、研磨を行った。それと同時に、コンディショナー(170、SAESOL DIAMOND社、SKC-CI45)を250rpmの回転速度及び8psiの加圧圧力条件下で駆動して前記研磨面を加工した。各々のウエハに対して研磨後の厚さを測定し、研磨率(Å/min)を算出した。
【0129】
実験例3:研磨性能評価
【0130】
図3を参照すると、全直径(D1)が6μmのビア(11)内に銅を含み、平面基準直径(D2)が5μmの導体充填電極(30)と、前記導体充填電極(30)を囲むように、それの外側に位置し、平面基準厚さ(T1)が0.5μmの第2シリコン窒化膜(22)を有するシリコン貫通電極(10)を含むパターン(pattern)ウエハを準備した。図4に示しているように、研磨対象(130)として前記パターンウエハを被研磨面が下部に向けるようにキャリア(160)に収容した。研磨面が上部に向けるように研磨パッド(110)が取り付けられた定盤(120)に対して前記被研磨面と前記研磨面とが互いに当接するように前記キャリア(160)を位置させた後、60秒間前記キャリア(160)の前記研磨面に対する加圧圧力3.0psi、前記キャリア(160)の回転速度120rpm、前記定盤(120)の回転速度117rpmで各構成を動作させ、前記研磨面に対して前記実施例及び前記比較例それぞれの半導体工程用組成物を流速300ml/minの条件で印加し、研磨を行った。研磨完了後、500rpmのブラシ(Brush)回転速度で60秒間2,000cc/min噴射条件で洗浄液を噴射しながら、クリーニング(cleaning)工程を行った。続いて、前記パターンウエハの被研磨面に対して中心から末端までの直径を3等分して、各区域で1cm×1cm(横×縦)大きさのサンプリング(sampling)を行い、それぞれに対して、AFM分析装備(Park system社、NX-20)を用いて非接触式AFM分析を行った。具体的な分析面積は、80μm×80μm(横×縦)であり、チッププロファイリング(tip profiling)スキャン速度を8μm/sとした。
【0131】
それぞれに対して、導体充填電極(30)のディッシング(Dishing)程度を平面を基準としてディッシング(Dishing)が進行された方向を(+)値として下記表1に示した。すなわち、下記表1の値が(-)であることは、突出(Protrusion)が起こった程度を示したものである。
【0132】
また、それぞれに対して、シリコン酸化膜(40)の表面を基準面として第2シリコン窒化膜(22)の高さが2μmを超える場合にSiNラウンドエラー(SiN Round Error)が発生したものと評価する基準により、SiNラウンドエラー(Round Error)の発生(O)または未発生(X)を評価し、下記表1に示した。また、代表的に、前記実施例1、前記実施例6、前記比較例2及び前記比較例4の半導体工程用組成物に対する被研磨面の撮影写真と断面グラフとして原子間力顕微鏡(AFM、Atomic Force Microscope)を用いた撮影写真及び断面プロファイルグラフをそれぞれ図5の(a)、(b)、(c)及び(d)に掲載した。
【0133】
【表1】
【0134】
前記表1を参照すると、前記実施例1~前記実施例6の半導体工程用組成物は、それの前記式1の値が、約11.0超過、約110.0以下の範囲を満たす組成物であって、これを用いて前記TSV構造を有するパターンウエハを研磨する実質的な工程において、前記銅を含む導体充填電極のディッシング(Dishing)が15nm未満、具体的には10nm未満の範囲を満たす効果を示すことが確認できた。
【0135】
より具体的には、前記実施例1~前記実施例6の半導体工程用組成物を適用した場合、前記銅を含む導体充填電極のディッシング(Dishing)及び/または突出(Protrusion)が、約15nm未満、約-50nm以上、具体的には、約10nm未満、約-40nm以上であった 。前記銅を含む導体充填電極の場合、3次元パターンウエハにおいて垂直方向の電気的連結機能を行うものであって、研磨結果においてディッシング(Dishing)または突出(Protrusion)が過度な場合、機能の具現が難しいことがある。このとき、このような機能の具現に致命的なエラーを引き起こす面で、過度なディッシング(Dishing)は、垂直的な電気的連結を完全に遮断するので、所定の突出(Protrusion)に比べてさらに不利である。すなわち、前記実施例4~前記実施例5の半導体工程用組成物は、前記式1の値が所定の範囲を満たすことによって、それに対応する研磨性能を具現することによって、所定の突出(Protrusion)を発生させるが、過度なディッシング(Dishing)が発生する前記比較例1~4の半導体工程用組成物に比べては、前記TSVの機能の具現において一定水準以上の結果を算出することができる。
【0136】
より具体的には、前記実施例1~4の場合、前記式1の値が、約30.0~約60.0を満たす半導体工程用組成物であって、これに対応する研磨性能が前記銅を含む導体充填電極のディッシング(Dishing)及び/または突出(Protrusion)値を約-10nm以上、約10nm未満、具体的には、約-5nm以上、約10nm未満の水準に具現することが確認できるので、過度なディッシング(Dishing)だけでなく突出(Protrusion)も実質的にほとんどない向上された研磨性能を具現することが確認できた。
【0137】
これに対して、前記比較例1の半導体工程用組成物は、前記式1の値が11.0以下の範囲に該当するものであって、前記導体充填電極のディッシング(Dishing)値が、約90nm以上の水準に極めて低下した研磨性能を示すことが確認できた。
【0138】
また、前記比較例2~4の半導体工程用組成物は、前記式1の値が110.0超過の範囲に該当するものであって、前記導体充填電極のディッシング(Dishing)値が、約10nm超過、より具体的には約50nm以上であったので、目的とする水準の平坦性を確保できないことが確認できた。
【0139】
一方、前記実施例1~4の半導体工程用組成物は、前記式1の値が、約30.0~約60.0を満たすことによって、前述のように前記導体充填電極のディッシング(Dishing)及び突出(Protrusion)において優れた結果を示すと共に、前記第2シリコン窒化膜(22)のSiNラウンドエラー(Round Error)も発生しない結果を示すことが確認できた。
【0140】
一方、前記比較例1~2の半導体工程用組成物は、SiNラウンドエラー(Round Error)は発生しない代わりに、前記導体充填電極のディッシング(Dishing)が過度に発生する問題があり、前記比較例3~4の半導体工程用組成物は、前記導体充填電極のディッシング(Dishing)が過度に発生すると共に、SiNラウンドエラー(Round Error)も発生することが確認できた。
【符号の説明】
【0141】
1:半導体ウエハ
10:シリコン貫通電極
20:シリコン窒化膜
30:導体充填電極
40:シリコン酸化膜
50:基板
D1:ビアの直径
D2:導体充填電極の直径
T1:第2シリコン窒化膜の厚さ
21:第1シリコン窒化膜
22:第2シリコン窒化膜
110:研磨パッド
120:定盤
130:研磨対象
140:供給ノズル
150:半導体工程用組成物
160:キャリア
170:コンディショナー
図1
図2
図3
図4
図5