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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-11
(45)【発行日】2023-09-20
(54)【発明の名称】積み替え装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/00 20060101AFI20230912BHJP
   B65G 47/53 20060101ALI20230912BHJP
【FI】
B65G1/00 501B
B65G1/00 521A
B65G47/53 B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019118926
(22)【出願日】2019-06-26
(65)【公開番号】P2021004121
(43)【公開日】2021-01-14
【審査請求日】2022-05-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000148357
【氏名又は名称】株式会社前川製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】成田 吉廣
(72)【発明者】
【氏名】古賀 成人
(72)【発明者】
【氏名】新井 豊
【審査官】中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-217405(JP,A)
【文献】特開2013-112519(JP,A)
【文献】特開平06-115637(JP,A)
【文献】特開平05-162813(JP,A)
【文献】実開昭52-095752(JP,U)
【文献】国際公開第2013/098834(WO,A1)
【文献】特開昭63-024826(JP,A)
【文献】特開平1-252405(JP,A)
【文献】特開2000-327113(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00-1/20;
47/53
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カートンが配置された凍結ラックが搬入されるとともに、前記凍結ラックを水平面の第1方向にチェーンによって移動させる棚搬送台車と、
前記第1方向に対して交差する第2方向に向けて、前記棚搬送台車上の前記凍結ラックに配置された前記カートンを押し出すプッシャーと、
前記プッシャーによって押し出された前記カートンを受け取るとともに、前記カートンを下流に移動させる受け取りコンベアと、
前記受け取りコンベアによって移動された前記カートンを受け取って一旦保管するとともに、前記カートンを下流に移動させるバッファーコンベアと、
前記バッファーコンベアの下流に設けられ、前記カートンの下流側への移動を停止可能な第1ストッパと、
前記バッファーコンベアによって移動された前記カートンを受け取って、前記バッファーコンベアよりも高速で前記カートンを下流に移動させる切り離しコンベアと、
前記切り離しコンベアの下流に設けられ、前記カートンの下流側への移動を停止可能な第2ストッパと、
前記切り離しコンベアによって移動された前記カートンを受け取って、パレタイジング作業の位置まで前記カートンを移動させる搬送コンベアと、を有する、積み替え装置。
【請求項2】
前記凍結ラックには、前記カートンが鉛直方向に沿って複数段配置され、
前記プッシャーおよび前記受け取りコンベアは互いに同期して前記鉛直方向に沿って移動可能に設けられる、請求項1に記載の積み替え装置。
【請求項3】
前記棚搬送台車、前記プッシャー、前記受け取りコンベア、前記バッファーコンベア、前記第1ストッパ、前記切り離しコンベア、および前記第2ストッパは、前記第1方向に沿って、一対設けられる、請求項1または2に記載の積み替え装置。
【請求項4】
前記搬送コンベアは、一対の前記第2ストッパの下流に、それぞれ設けられる、請求項3に記載の積み替え装置。
【請求項5】
前記搬送コンベアは、一対の前記第2ストッパの下流に、互いに合流するように1本設けられる、請求項3に記載の積み替え装置。
【請求項6】
前記搬送コンベアは、
前記切り離しコンベアから移動された前記カートンを90°だけ方向転換して移動させる直角移載装置と、
前記直角移載装置に連続して設けられ前記直角移載装置から移動された前記カートンを移動させる直線移載装置と、を有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の積み替え装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凍結後の凍結ラックのカートンをパレットに積み替える荷役を軽減させる積み替え装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被凍結食品を凍結する凍結庫、および保管するための保管庫を備えた冷凍倉庫には、被凍結食品の生産者から、被凍結食品がチルド状態で収容されたカートン(段ボール箱)が冷蔵車等で持ち込まれる。
【0003】
持ち込まれたカートンは、冷凍倉庫内の荷捌室において人手によって、凍結ラックに積み替えられる。そして、凍結ラックは段積みされた状態で1~2晩凍結室に配置される。そして、一晩凍結室に配置されたカートンは、人手によって凍結ラックからパレットに積み替えられて、冷凍室に保管される。さらに、冷凍倉庫の外で、パレットに段積みされた段ボール箱を積み降ろすデパレタイジング作業が行われる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
上述したように従来から、凍結後の凍結ラック上のカートンをパレットに積み替える積み替え作業は、人手によって行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平9-323830号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように人手による積み替え作業では、凍結ラック上のカートンが配置されるあらゆる位置に対して、作業者がアクセスして作業をしなければならず、無理な体勢から腰を痛めるなど作業者に対して大きな負担となっている。また、低温環境下での作業も大きな負担となっている。このような状況であるため、従事する作業者が年々減少して人手不足が深刻な問題となっている。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために発明されたものであり、凍結後の凍結ラック上のカートンをパレットに積み替える積み替え作業において、作業者の積み替え作業の負担を軽減しうる積み替え装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
記目的を達成する本発明に係る積み替え装置は、カートンが配置された凍結ラックが搬入されるとともに、前記凍結ラックを水平面の第1方向にチェーンによって移動させる棚搬送台車と、前記第1方向に対して交差する第2方向に向けて、前記棚搬送台車上の前記凍結ラックに配置された前記カートンを押し出すプッシャーと、前記プッシャーによって押し出された前記カートンを受け取るとともに、前記カートンを下流に移動させる受け取りコンベアと、前記受け取りコンベアによって移動された前記カートンを受け取って一旦保管するとともに、前記カートンを下流に移動させるバッファーコンベアと、前記バッファーコンベアの下流に設けられ、前記カートンの下流側への移動を停止可能な第1ストッパと、前記バッファーコンベアによって移動された前記カートンを受け取って、前記バッファーコンベアよりも高速で前記カートンを下流に移動させる切り離しコンベアと、前記切り離しコンベアの下流に設けられ、前記カートンの下流側への移動を停止可能な第2ストッパと、前記切り離しコンベアによって移動された前記カートンを受け取って、パレタイジング作業の位置まで前記カートンを移動させる搬送コンベアと、を有する。
【0009】
上述のように構成された積み替え装置によれば、切り離しコンベアは、バッファーコンベアよりも高速でカートンを下流に移動させることができる。よって、カートンの流れ方向に対して複数列だけ設けられるカートンを、1列ごとに分離して、下流に送ることができる。よって、凍結後の凍結ラック上のカートンをパレットに積み替える積み替え作業において、作業者の積み替え作業の負担を軽減しうる積み替え装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態に係る積み替え装置の概略上面図である。
図2】棚搬送台車の構成を説明するための概略斜視図である。
図3図1の矢印Aから視た図である。
図4図1の矢印Bから視た図である。
図5】カートンの凍結ラックに対する配置方法のパターンを示す図である。
図6】第2実施形態に係る積み替え装置の概略上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態を、図1図4を参照しつつ説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0012】
図1は、第1実施形態に係る積み替え装置1の全体構成図である。図2は、棚搬送台車10の構成を説明するための概略斜視図である。図3は、図1の矢印Aから視た図である。図4は、図1の矢印Bから視た図である。以下の説明において、図1の左右方向をX方向(第1方向に相当)と称し、図1の上下方向をY方向(第2方向)と称し、鉛直方向をZ方向と称する。
【0013】
積み替え装置1は、凍結後の凍結ラックR上のカートンCを1つ1つに分離する。分離された1つ1つのカートンCは作業者によって、パレットPに積み替えられる。すなわち、積み替え装置1は、凍結後の凍結ラックのカートンをパレットに積み替える積み替え作業の一部を行う。積み替え装置1は、図1に示すように、左ライン1Aと、右ライン1Bと、を有する。ここで、カートンCとは、被凍結食品が収容される収容部材であって、例えば段ボール箱である。積み替え装置1のラインの数は、処理能力に応じて適宜変更することができる。本実施形態に係る積み替え装置1は、例えば、バッチ式凍結における荷役作業に好適に用いることができる。
【0014】
積み替え装置1は、図1に示すように、一対の棚搬送台車10と、一対のプッシャー20と、一対の受け取りコンベア30と、一対のバッファーコンベア40と、一対の切り離しコンベア50と、一対の搬送コンベア60と、を有する。
【0015】
一対の棚搬送台車10には、図1に示すように、被凍結食品が入ったカートンCが収容された凍結ラックRが搬入される。なお、図1では、凍結ラックRの図示は省略されている。凍結ラックRは例えばフォークリフトLによって、棚搬送台車10に搬入される。被凍結食品としては特に限定されないが、例えば、鶏肉等である。
【0016】
棚搬送台車10は、図2に示すように、台車13と、台車13の上部に設置され凍結ラックRを支持する支持部材14と、台車13の車輪13Aが移動可能なレール15と、台車13を移動させるチェーン16と、を有する。このように構成された棚搬送台車10において、チェーン16によって台車13を移動させることによって、台車13上の凍結ラックRを、所定の方向に移動させる。このように構成された棚搬送台車10によれば、1トンを超える凍結ラックRの機械による位置出し作業を不要とすることができる。
【0017】
凍結ラックRに配置されるカートンCの個数としては、図1図3に示すように、例えば、X方向に4行、Y方向に3列、Z方向に6段である。なお、凍結ラックRに配置されるカートンCの数は、上記に限定されない。以下の説明において、X方向に配置される数を行で示し、Y方向に配置される数を列で示し、例えば、図1の棚搬送台車10に配置されているカートンCの状態は、4行×3列=12個のカートンCと記載する。
【0018】
棚搬送台車10は、カートンCが収容された凍結ラックRがフォークリフトLによって移送されてきた際に投入される投入ステーション11を有する。
【0019】
左ライン1Aの棚搬送台車10は、図1に示すように、凍結ラックRをX方向の右向きに移動させる。また、右ライン1Bの棚搬送台車10は、図1に示すように、凍結ラックRをX方向の左向きに移動させる。
【0020】
棚搬送台車10としては、凍結ラックRを移動させることができる構成であれば特に限定されない。
【0021】
一対のプッシャー20は、図1に示すように、一対の棚搬送台車10のY方向の上側に配置されている。プッシャー20は、図1に示すように、棚搬送台車10によってX方向に移動された凍結ラックR内のカートンCを、Y方向の下向きに押し出す。このとき、プッシャー20は、凍結ラックRの1段に配置されている4行×3列=12個のカートンCをまとめて、Y方向の下向きに押し出すことができる。
【0022】
一対のプッシャー20は、昇降装置(不図示)によって、Z方向に昇降可能に配置されている。昇降装置としては公知のものを用いることができるため、ここでは詳細な説明は省略する。このようにプッシャー20が構成されるため、凍結ラックRに6段積まれたカートンCを順々にY方向の下向きに押し出すことができる。
【0023】
一対の受け取りコンベア30は、図1に示すように、一対の棚搬送台車10のY方向の下側に配置されている。一対の受け取りコンベア30は、プッシャー20によって押し出された4行×3列=12個のカートンCを受け取る。一対の受け取りコンベア30は、昇降装置(不図示)によって、Z方向に昇降可能に配置されている。一対の受け取りコンベア30は、一対のプッシャー20と同期して、Z方向に昇降する。
【0024】
一対の受け取りコンベア30は、受け取ったカートンCを下流側のバッファーコンベア40に移動させる。一対の受け取りコンベア30としては、プッシャー20によって押し出されたカートンCを受け取って、バッファーコンベア40に移動させることができる構成であれば特に限定されない。
【0025】
一対のバッファーコンベア40は、図1に示すように、一対の受け取りコンベア30のY方向の下側に配置されている。バッファーコンベア40は、受け取りコンベア30によって下流側に向けて移動された4行×3列=12個のカートンCを受け取る。
【0026】
バッファーコンベア40は、受け取ったカートンCを一旦保管して、Y方向の下側の切り離しコンベア50に移動させる。バッファーコンベア40としては、受け取りコンベア30によって移動されたカートンCを受け取って、切り離しコンベア50に移動させることができる構成であれば特に限定されない。
【0027】
一対の切り離しコンベア50は、図1に示すように、一対のバッファーコンベア40のY方向の下側に配置されている。一対の切り離しコンベア50は、バッファーコンベア40よりも高速でカートンCを下流に移動させる。切り離しコンベア50は、バッファーコンベア40によって下流側に向けて移動された4行×1列=4個のカートンCを受け取る。
【0028】
切り離しコンベア50は、受け取ったカートンCを下流側の搬送コンベア60に移動させる。切り離しコンベア50としては、バッファーコンベア40によって移動されたカートンCを受け取って、搬送コンベア60に移動させることができる構成であれば特に限定されない。
【0029】
一対のバッファーコンベア40および一対の切り離しコンベア50の間には、図4に示すように、バッファーコンベア40から切り離しコンベア50へのカートンCの移動を停止可能な第1ストッパS1が設けられる。第1ストッパS1は、切り離しコンベア50上にカートンCがいなくなったことを検知すると、鉛直方向の下向きに退避して、カートンCがバッファーコンベア40から切り離しコンベア50に移動する。切り離しコンベア50上にカートンCがいなくなったことを検知する方法としては、特に限定されないが、例えば、光電センサの投受光と拡散反射センサを用いることができる。
【0030】
また、一対の切り離しコンベア50および一対の搬送コンベア60の間には、図4に示すように、切り離しコンベア50から搬送コンベア60へのカートンCの移動を停止可能な第2ストッパS2が設けられる。第2ストッパS2は、後述する搬送コンベア60の直角移載装置61上にカートンCがいなくなったことを検知すると、鉛直方向の下向きに退避して、カートンCが切り離しコンベア50から搬送コンベア60に移動する。直角移載装置61上にカートンCがいなくなったことを検知する方法としては、特に限定されないが、例えば、投光センサおよび受光センサを用いることができる。
【0031】
一対の搬送コンベア60は、図1に示すように、一対の切り離しコンベア50のY方向の下側に、X方向に延在するように配置されている。一対の搬送コンベア60は、図1に示すように、Y方向に並んで配置される。一対の搬送コンベア60は、切り離しコンベア50によって移動されたカートンCを受け取って、パレタイジング作業の位置までカートンCを移動させる。
【0032】
搬送コンベア60は、図1に示すように、切り離しコンベア50からY方向の下向きに移動されたカートンCを90°だけ方向転換して、X方向の右向きに移動させる直角移載装置61と、直角移載装置61の右側に連続して設けられ直角移載装置61から移動されたカートンCをX方向の右向きに移動させる直線移載装置62と、を有する。
【0033】
搬送コンベア60としては、切り離しコンベア50によって移動されたカートンCを受け取って、パレタイジング作業の位置まで移動させることができる構成であれば特に限定されない。
【0034】
次に、第1実施形態に係る積み替え装置1の使用方法について説明する。
【0035】
まず、被凍結食品が入ったカートンCが冷凍倉庫(不図示)に搬入されて、人手によって、凍結ラックRの最下段から最上段まで収容される。ここでは、図1図3に示すように、1段辺り4行×3列=12個のカートンCが6段分だけ収容される。
【0036】
なお、本実施形態において、凍結ラックRの1段辺りの高さは、6段すべて同じとなるように設定されている。しかしながら、6段すべて同じ高さでなくてもよく、このとき多種のカートンCに対応することが可能である。
【0037】
次に、凍結庫で凍結されたカートンCが収容された凍結ラックRは、フォークリフトLで搬出されて、棚搬送台車10の投入ステーション11に移送される。そして、棚搬送台車10によって、凍結ラックRは、左ライン1Aでは右向きに、右ライン1Bでは左向きにそれぞれ移動され、プッシャー20および受け取りコンベア30の間に配置される。
【0038】
次に、プッシャー20および受け取りコンベア30は、凍結ラックRの最下段に対応する位置まで、互いに同期して鉛直方向に上昇する。そして、プッシャー20によって凍結ラックRの最下段に位置する4行×3列=12個のカートンCが押し出されて、12個のカートンCは受け取りコンベア30上に移動される。
【0039】
次に、12個のカートンCを受け取った受け取りコンベア30は、バッファーコンベア40の高さまで鉛直方向に下降する。そして、受け取りコンベア30上のカートンCは、バッファーコンベア40に移動される。
【0040】
ここで、空になった受け取りコンベア30は、次のカートンCを受け取るために、プッシャー20と同期して、凍結ラックRの下から2段目に対応する位置まで鉛直方向に上昇する。受け取りコンベア30およびプッシャー20は、上述の工程を凍結ラックRの全ての段に対して実施する。
【0041】
次に、12個のカートンCを受け取ったバッファーコンベア40は、4行×3列=12個のカートンCを一旦保管する。そして、バッファーコンベア40は、1行×3列=3個のカートンCを切り離しコンベア50に移動させる。具体的には、第1ストッパS1を鉛直方向の下向きに退避させた状態で、バッファーコンベア40は、4行×3列=12個のカートンCを下流側に移動する。このとき、切り離しコンベア50の移送速度は、バッファーコンベア40の移送速度よりも早くなるように設定されているため、4行×3列=12個のカートンCのうち、下流側の4行×1列=4個のカートンCが、その上流に位置する4行×2列=8個のカートンCから次第に離れるように下流に移動する。そして、下流側の4行×1列=4個のカートンCが第1ストッパS1上を通過した後、第1ストッパS1は鉛直方向の上向きに突出して、4行×2列=8個のカートンCが下流側に移動するのを防止する。
【0042】
次に、切り離しコンベア50に移動された4行×1列=4個のカートンCは、搬送コンベア60の直角移載装置61に移動される。具体的には、直角移載装置61にカートンCがいないことを上述したセンサによって検知すると、第2ストッパS2が鉛直方向の下向きに退避して、4行×1列=4個のカートンCは、切り離しコンベア50から搬送コンベア60に移動される。
【0043】
そして、バッファーコンベア40、第1ストッパS1、切り離しコンベア50、および第2ストッパS2の動作によって、所定の間隔で、4行×1列=4個のカートンCを順々に下流に移動させる。
【0044】
そして、直角移載装置61に移動された4行×1列=4個のカートンCは、直線移載装置62上を下流側に移動して、パレタイジング作業の位置に移動される。
【0045】
そして、パレタイジング作業の位置に移動されたカートンCは、人手によってパレットP上に段積みされる。そしてカートンCが段積みされたパレットPは、フォークリフトによって冷凍保管庫へ搬出される。
【0046】
ここで従来では、凍結された被凍結食品が収容されたカートンCは、人手によって凍結ラックRからパレットに積み替えられていた。このため、凍結ラックRの高い段からカートンCを積み下ろす作業や低い段から持ち上げる作業が発生して、作業者に非常に負担であった。さらに、凍結ラック上のカートンが配置されるあらゆる位置に対して、作業者がアクセスして作業をしなければならず、無理な体勢から腰を痛めるなど作業者に対して大きな負担となっていた。これに対して、第1実施形態に係る積み替え装置1によれば、自動的にカートンCが凍結ラックRから積み下ろされて、1つ1つ分離された状態でパレタイジング作業の位置に移動してくるため、作業者は一定の高さで作業をでき、労働負荷が低減する。また、人手も低減することができるため、人手が不足する地域でも凍結ラックRからパレットPへの積み替え作業を好適に行うことができる。
【0047】
<カートンの配置方法>
以下、カートンCの凍結ラックRに対する配置方法について説明する。上述した実施形態では、図1図3に示すように、凍結ラックRに対して4行×3列=12個のカートンCを同じ向きとなるように配置することができる。
【0048】
なお、図5に示すように、例えばパターンA、パターンB、パターンC、パターンDなどのように凍結ラックRに対してカートンCを配置することができる。パターンAでは、上の2列が縦置きで、下の1列が横置きとなっており、パターンBでは、上の2列が同じ形状で、下の1列が比較的大きいカートンが配置されており、パターンCでは、上の1列が比較的小さいカートンが配置されており、下の2列が比較的大きいカートンが配置されている。パターンDでは、上から1列目が3個配置されて、2列目が1個配置されて、3列目が1個配置されている。このように、パターンA~Cのように、カートンCのサイズが多種かつ縦横混在にわたっても、図5に示すように、横方向が同サイズであって同一方向となるように配置することで、本願発明の積み替え装置1を用いることができる。さらに、パターンDのようにプッシャー20でカートンCを押し出した際に、配列を保つような配置方法であれば、本願発明の積み替え装置1を用いることができる。
【0049】
以上説明したように、第1実施形態に係る積み替え装置1は、カートンCが配置された凍結ラックRが搬入されるとともに、凍結ラックRを水平面のX方向に移動させる棚搬送台車10と、X方向に対して交差するY方向に向けて、棚搬送台車10上の凍結ラックRに配置されたカートンCを押し出すプッシャー20と、プッシャー20によって押し出されたカートンCを受け取るとともに、カートンCを下流に移動させる受け取りコンベア30と、受け取りコンベア30によって移動されたカートンCを受け取って一旦保管するとともに、カートンCを下流に移動させるバッファーコンベア40と、バッファーコンベア40の下流に設けられ、カートンCの下流側への移動を停止可能な第1ストッパS1と、バッファーコンベア40によって移動されたカートンCを受け取って、バッファーコンベア40よりも高速でカートンCを下流に移動させる切り離しコンベア50と、切り離しコンベア50の下流に設けられ、カートンCの移動を停止可能な第2ストッパS2と、切り離しコンベア50によって移動されたカートンCを受け取って、パレタイジング作業の位置までカートンCを移動させる搬送コンベア60と、を有する。このように構成された積み替え装置1によれば、切り離しコンベア50は、バッファーコンベア40よりも高速でカートンCを下流に移動させることができる。よって、カートンCの流れ方向に対して複数列だけ設けられるカートンCを、1列ごとに分離して、下流に送ることができる。よって、凍結後の凍結ラックR上のカートンCをパレットPに積み替える積み替え作業において、作業者の積み替え作業の負担を軽減しうる積み替え装置1を提供することができる。
【0050】
また、凍結ラックRには、カートンCがZ方向に沿って複数段配置され、プッシャー20および受け取りコンベア30は、互いに同期してZ方向に沿って移動可能に設けられる。このように構成された積み替え装置1によれば、複数段カートンCが収容された凍結ラックRに対して、積み替え装置1を用いることができるため、より多くのカートンCを効率よく積み替えることができる。
【0051】
また、棚搬送台車10、プッシャー20、受け取りコンベア30、バッファーコンベア40、第1ストッパS1、切り離しコンベア50、および第2ストッパS2は、第1方向に沿って、一対設けられる。このように構成された積み替え装置1によれば、カートンCを搬送するラインが2ライン設けられるため、より多くのカートンCを効率よく積み替えることができる。また、積み替え装置1を使用する際に、要求される能力に応じて、ラインの個数を組み替えることが好ましい。
【0052】
また、搬送コンベア60は、一対の第2ストッパS2の下流に、それぞれ設けられる。このように構成された積み替え装置1によれば、後述する第2実施形態に係る積み替え装置2のようにお互いのカートンCが来るタイミングを考慮する必要がなくなるため、より多くのカートンCを効率よく積み替えることができる。
【0053】
<第2実施形態>
次に、図6を参照して、本発明の第2実施形態に係る積み替え装置2の構成について説明する。
【0054】
図6は、第2実施形態に係る積み替え装置2の概略上面図である。第1実施形態と共通する部分は説明を省略し、第2実施形態のみに特徴のある箇所について説明する。なお、上述した第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付して説明し、重複した説明は省略する。第2実施形態は、第1実施形態と比較して、搬送コンベア160が1本から構成される点が異なる。
【0055】
第2実施形態に係る積み替え装置2は、図6に示すように、一対の棚搬送台車10と、一対のプッシャー20と、一対の受け取りコンベア30と、一対のバッファーコンベア40と、一対の切り離しコンベア50と、搬送コンベア160と、を有する。一対の棚搬送台車10、一対のプッシャー20、一対の受け取りコンベア30、一対のバッファーコンベア40、および一対の切り離しコンベア50の構成は、上述した第1実施形態に係る積み替え装置1と同様であるため、説明は省略する。
【0056】
搬送コンベア160は、図6に示すように、一対の切り離しコンベア50の下流に、互いに合流するように1本設けられる。このように構成された積み替え装置2によれば、搬送コンベア60が一対設けられる上述の第1実施形態に係る積み替え装置1と比較して、積み替え装置2全体を小型化することができ、省スペース化を達成しうる。なお、搬送コンベア160が1本設けられる構成である場合、第1ラインから流れるカートンCおよび第2ラインから流れるカートンCが互いに干渉しないように、カートンCを送るタイミングを設定する必要がある。
【0057】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内で種々改変することができる。
【0058】
例えば、上述した実施形態では、凍結ラックRには、カートンCが複数段(6段)積み重ねられていたが、凍結ラックRには、カートンCが1段のみ配置されていてもよい。
【0059】
また、上述した実施形態では、積み替え装置1は、左ライン1Aおよび右ライン1Bの2ラインから構成されていたが、積み替え装置は、1ラインまたは3ライン以上であってもよい。
【0060】
また、上述した実施形態では、プッシャー20は、凍結ラックRの最下段から最上段まで順に4行×3列=12個のカートンCを押し出していたが、プッシャー20は、凍結ラックRの最上段から最下段まで順に4行×3列=12個のカートンCを押し出してもよい。さらに、複数の段のうちランダムに押し出してもよく、ロッドに応じて出したい段から順番にカートンCを押し出してもよい。
【符号の説明】
【0061】
1、2 積み上げ装置、
10 棚搬送台車、
20 プッシャー、
30 受け取りコンベア、
40 バッファーコンベア、
50 切り離しコンベア、
60、160 搬送コンベア、
C カートン、
R 凍結ラック、
S1 第1ストッパ、
S2 第2ストッパ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6