(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-11
(45)【発行日】2023-09-20
(54)【発明の名称】ガス生成装置
(51)【国際特許分類】
C01B 13/11 20060101AFI20230912BHJP
【FI】
C01B13/11 G
(21)【出願番号】P 2022204382
(22)【出願日】2022-12-21
【審査請求日】2022-12-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】230112025
【氏名又は名称】小林 英了
(74)【代理人】
【識別番号】230117802
【氏名又は名称】大野 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100106840
【氏名又は名称】森田 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】小澤 卓
(72)【発明者】
【氏名】荒木 裕二
(72)【発明者】
【氏名】中川 洋一
(72)【発明者】
【氏名】木村 梨沙
【審査官】森坂 英昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-020105(JP,A)
【文献】特開平11-314904(JP,A)
【文献】特開2005-162611(JP,A)
【文献】特開平11-343105(JP,A)
【文献】特開平08-206490(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 13/00 - 13/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極面を有する第1電極が備えられる中央部材と、
前記第1電極面と対向する第2電極面を有する第2電極が備えられるベース部材と、
前記第1電極面と前記第2電極面との間に形成される放電空間と、
を備え、
前記中央部材は、
前記放電空間に材料ガスを供給するための材料ガス供給口と、
前記第1電極面と前記第2電極面との間に電圧が印加され前記放電空間において放電が発生することにより前記材料ガスから生成される生成ガスを、装置外部へ送出するための生成ガス送出口と、
を備え、
前記第2電極は、前記第2電極面となる表面を有する誘電板と、前記誘電板の前記第2電極面と反対側の裏面において前記第1電極に対応する位置に形成される導電膜とで構成され、
前記誘電板と前記中央部材との間には、シール部材が配置され、
前記材料ガス供給口は、前記第1電極の外側に配置され、
前記生成ガス送出口は、前記第1電極の中心部に配置され、
前記シール部材は、前記第1電極の外側、かつ、前記材料ガス供給口の外側に配置され
、
前記中央部材と前記ベース部材との間には、前記第1電極面と前記第2電極面との間の電極間距離が所定の基準距離となるように調整するためのシム部材が挿入されるシム部材挿入部が形成され、
前記シム部材は、前記シール部材より外側に配置され、
それぞれ異なる厚みを有する前記複数のシム部材の中から、前記シム部材挿入部のベース部材側の端面から前記第2電極面までの距離と前記基準距離との和と等しい厚みを有するシム部材が、前記シム部材挿入部に挿入されるシム部材として選択される、ガス生成装置。
【請求項2】
前記第1電極および前記第2電極は、円形状であり、
前記材料ガス供給口は、前記第1電極の径方向外側に配置され、
前記生成ガス送出口は、前記第1電極の径方向内側に配置され、
前記シール部材は、前記第1電極の径方向外側に配置されている、請求項1に記載のガス生成装置。
【請求項3】
中央部材と、前記中央部材の上下両側に配置される一対のベース部材とを備えるガス生成装置において行われる電極間距離の調整方法であって、
前記中央部材には、上下両側にそれぞれ第1電極面を有する第1電極が備えられ、
前記ベース部材には、前記第1電極面と対向する第2電極面を有する第2電極が備えられ、
前記一対のベース部材のうち、一方のベース部材と前記中央部材との間には、第1シム部材挿入部が形成され、
前記一対のベース部材のうち、他方のベース部材と前記中央部材との間には、第2シム部材挿入部が形成されており、
前記調整方法は、
前記一方のベース部材について、前記第1シム部材挿入部のベース部材側の端面から前記第2電極面までの距離を測定するステップと、
それぞれ異なる厚みを有する複数のシム部材の中から、前記第1シム部材挿入部のベース部材側の端面から前記第2電極面までの距離と前記基準距離との和と等しい厚みを有するシム部材を、第1シム部材として選択するステップと、
前記選択した第1シム部材を、前記第1シム部材挿入部に挿入するステップと、
前記他方のベース部材について、前記第2シム部材挿入部のベース部材側の端面から前記第2電極面までの距離を測定するステップと、
それぞれ異なる厚みを有する前記複数のシム部材の中から、前記第2シム部材挿入部のベース部材側の端面から前記第2電極面までの距離と前記基準距離との和と等しい厚みを有するシム部材を、第2シム部材として選択するステップと、
前記選択した第2シム部材を、前記第2シム部材挿入部に挿入するステップと、
を含む、電極間距離の調整方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極間で放電を発生させることによって生成ガス(例えば、オゾンガス)を生成するガス生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電極間で放電を発生させることによってオゾンガスを生成するオゾン発生装置が知られている。例えば、従来のオゾン発生装置は、互いに対向する電極面を有する対の電極、対の電極の間に高電圧を印加する高圧交流電源、対向する電極面の間に配置される誘電体、及び対向する電極面の間に原料ガスを流すためのガス流路を備え、対の電極の少なくとも一方の電極面は、互いにほぼ平行に伸長する多数の溝を備えている。そして、原料ガスが、多数の溝と誘電体の間の空間を多数の溝を横切る方向に流されることにより、オゾンガスの発生効率を高くし、高濃度のオゾンガスを発生させることを可能としている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、近年では、生成ガス(例えば、オゾンガス)の発生効率をさらに高くして、同じ電圧でさらに高濃度の生成ガスを生成すること、あるいは、同じ濃度の生成ガスを小さい電圧で発生させることが求められている。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、生成ガスの発生効率をさらに高くすることのできるガス生成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のガス生成装置は、中央部材と、前記中央部材の上下両側に配置される一対のベース部材とを備えるガス生成装置において、前記中央部材には、上下両側にそれぞれ第1電極面を有する第1電極が備えられ、前記ベース部材には、前記第1電極面と対向する第2電極面を有する第2電極が備えられ、前記第1電極面と前記第2電極面との間には、放電空間が形成され、前記中央部材は、前記放電空間に材料ガスを供給するための材料ガス供給口と、前記第1電極面と前記第2電極面との間に電圧が印加され前記放電空間において放電が発生することにより前記材料ガスから生成される生成ガスを、装置外部へ送出するための生成ガス送出口と、を備え、前記第2電極は、前記第2電極面となる表面を有する誘電板と、前記誘電板の前記第2電極面と反対側の裏面において前記第1電極に対応する位置に形成される導電膜とで構成され、前記中央部材と前記ベース部材との間には、前記第1電極面と前記第2電極面との間の電極間距離が所定の基準距離となるように調整するためのシム部材が挿入されるシム部材挿入部が形成され、前記シム部材挿入部に挿入されるシム部材は、それぞれ異なる厚みを有する複数のシム部材の中から、当該シム部材挿入部のベース部材側の端面から前記第2電極面までの距離の測定結果に基づいて、選択されている。
【0007】
この構成によれば、中央部材の上下両側に配置される一対のベース部材のそれぞれにおいて、中央部材とベース部材との間のシム部材挿入部に、シム部材(そのシム部材挿入部のベース部材側の端面から第2電極面までの距離の測定結果に基づいて選択されたシム部材)が挿入されて、第1電極面と第2電極面との間の電極間距離が所定の基準距離となるように調整される。このようにして、上下両側の電極間距離を揃えることができ、その結果、オゾンガスの発生効率を高くすることが可能になる。すなわち、同じ電圧で高濃度のオゾンガスを発生させることができ、あるいは、同じ濃度のオゾンガスを小さい電圧で発生させることができる。
【0008】
また、本発明のガス生成装置では、それぞれ異なる厚みを有する前記複数のシム部材の中から、前記シム部材挿入部のベース部材側の端面から前記第2電極面までの距離と前記基準距離との和と等しい厚みを有するシム部材が、前記シム部材挿入部に挿入されるシム部材として選択されてもよい。
【0009】
この構成によれば、それぞれ異なる厚みを有する複数のシム部材の中から、シム部材挿入部のベース部材側の端面から第2電極面までの距離と基準距離との和と等しい厚みを有するシム部材が、そのシム部材挿入部に挿入されるシム部材として選択される。これにより、第1電極面と第2電極面との間の電極間距離が所定の基準距離となるように調整することができる。
【0010】
本発明の方法は、上記のガス生成装置において行われる電極間距離の調整方法であって、前記一対のベース部材のうち、一方のベース部材と前記中央部材との間に形成される第1シム部材挿入部のベース部材側の端面から前記第2電極面までの距離を測定するステップと、それぞれ異なる厚みを有する複数のシム部材の中から、前記測定結果に基づいて、前記電極間距離が前記基準距離となる第1シム部材を選択するステップと、前記選択した第1シム部材を、前記中央部材と前記一方のベース部材との間の第1シム部材挿入部に挿入するステップと、前記一対のベース部材のうち、他方のベース部材と前記中央部材との間に形成される第2シム部材挿入部のベース部材側の端面から前記第2電極面までの距離を測定するステップと、それぞれ異なる厚みを有する前記複数のシム部材の中から、前記測定結果に基づいて、前記電極間距離が前記基準距離となる第2シム部材を選択するステップと、前記選択した第2シム部材を、前記中央部材と前記他方のベース部材との間の第2シム部材挿入部に挿入するステップと、を含んでいる。
【0011】
この方法によっても、上記の装置と同様に、中央部材の上下両側に配置される一対のベース部材のそれぞれにおいて、中央部材とベース部材との間のシム部材挿入部に、シム部材(そのシム部材挿入部のベース部材側の端面から第2電極面までの距離の測定結果に基づいて選択されたシム部材)が挿入されて、第1電極面と第2電極面との間の電極間距離が所定の基準距離となるように調整される。このようにして、上下両側の電極間距離を揃えることができ、その結果、オゾンガスの発生効率を高くすることが可能になる。すなわち、同じ電圧で高濃度のオゾンガスを発生させることができ、あるいは、同じ濃度のオゾンガスを小さい電圧で発生させることができる。
【0012】
本発明のガス生成装置は、第1電極面を有する第1電極が備えられる中央部材と、前記第1電極面と対向する第2電極面を有する第2電極が備えられるベース部材と、前記第1電極面と前記第2電極面との間に形成される放電空間と、を備え、前記中央部材は、前記放電空間に材料ガスを供給するための材料ガス供給口と、前記第1電極面と前記第2電極面との間に電圧が印加され前記放電空間において放電が発生することにより前記材料ガスから生成される生成ガスを、装置外部へ送出するための生成ガス送出口と、を備え、前記第2電極は、前記第2電極面となる表面を有する誘電板と、前記誘電板の前記第2電極面と反対側の裏面において前記第1電極に対応する位置に形成される導電膜とで構成され、前記誘電板と前記中央部材との間には、シール部材が配置され、前記材料ガス供給口は、前記第1電極の外側に配置され、前記生成ガス送出口は、前記第1電極の中心部に配置され、前記シール部材は、前記第1電極の外側に配置されている。
【0013】
この構成によれば、材料ガス供給口が第1電極の外側に配置され、生成ガス送出口が第1電極の中心部に配置されるので、材料ガスの流れが外側から中心部に向けた方向となる。そして、第2電極の導電膜は第1電極に対応する位置に形成されている(第1電極の外側には形成されていない)。したがって、放電空間において第1電極に対応する位置で放電が発生して材料ガスから生成ガスが生成されることとなり、第1電極の外側では放電が発生せず材料ガスから生成ガスが生成されない。この場合、シール部材が第1電極の外側に配置されているので、シール部材の付近で生成ガスが発生しないようにすることができ、シール部材が生成ガスによって腐食するのを防止することができる。
【0014】
また、本発明のガス生成装置では、前記第1電極および前記第2電極は、円形状であり、前記材料ガス供給口は、前記第1電極の径方向外側に配置され、前記生成ガス送出口は、前記第1電極の径方向内側に配置され、前記シール部材は、前記第1電極の径方向外側に配置されてもよい。
【0015】
この構成によれば、第1電極および第2電極が円形状であり、材料ガス供給口が第1電極の径方向外側に配置され、生成ガス送出口が第1電極の径方向内側に配置されるので、材料ガスの流れが径方向外側から径方向内側に向けた方向となり、第1電極の径方向外側では放電が発生せず材料ガスから生成ガスが生成されない。この場合、シール部材が第1電極の径方向外側に配置されているので、シール部材の付近で生成ガスが発生しないようにすることができ、シール部材が生成ガスによって腐食するのを防止することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、オゾンの発生効率をさらに高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施の形態におけるガス生成装置の説明図(側断面図)である。
【
図2】本発明の実施の形態におけるガスの流れを示す説明図(平面図)である。
【
図3】本発明の実施の形態におけるトレンチ溝のピッチPと第1電極の直径Dの説明図である。
【
図4】本発明の実施の形態におけるトレンチ溝の体積VTとガス導入空間の体積VGの説明図である。
【
図5】本発明の実施の形態におけるオゾンガス発生効率を示すグラフである。
【
図6】本発明の実施の形態における冷却流路の一例を示す図(平面図)である。
【
図7】本発明の実施の形態における冷却流路の他の例を示す図(平面図)である。
【
図8】本発明の実施の形態における冷却流路の他の例を示す図(平面図)である。
【
図9】本発明の実施の形態における冷却流路の他の例を示す図(平面図)である。
【
図10】本発明の実施の形態における第2電極の説明図である。
【
図11】本発明の実施の形態におけるシム部材の斜視図である。
【
図12】本発明の実施の形態における測定位置(9点)の一例を示す図(平面図)である。
【
図13】本発明の実施の形態における選択されるシム部材の厚さcの説明図である。
【
図14】本発明の実施の形態において電極間距離を調整するときのフロー図である。
【
図15】第1電極の他の例を示す図(平面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態のガス生成装置について、図面を用いて説明する。本実施の形態では、オゾンガスの生成に用いられるガス生成装置(オゾンガス生成装置)の場合を例示する。
【0019】
本発明の実施の形態のガス生成装置の構成を、図面を参照して説明する。
図1は、本実施の形態のガス生成装置の説明図(側断面図)である。
図1に示すように、ガス生成装置1は、装置中央に配置される平面視で円形状の中央部材2と、中央部材2を挟むように中央部材2の外側(
図1における上下両側)に配置される平面視で円形状の一対のベース部材3を備えている。
【0020】
中央部材2には、オゾンガスの材料ガス(酸素を含むガス)が供給される材料ガス供給口4と、材料ガスから生成されたオゾンガスが送出される生成ガス送出口5が設けられている。また、中央部材2の表面には、平面視で円形状の第1電極6が設けられている。本実施の形態では、第1電極6は、低圧側の電極であり、グランドに接続されている。第1電極6の電極面(第1電極面7)は、第1電極6の外側(
図1における上側と下側)の両面に設けられている。また、第1電極面7には、平面視で同心円状に配置される複数のトレンチ溝8が形成されている(
図2参照)。
【0021】
ベース部材3は、平面視で円形状の第2電極9と、第2電極9の外側に配置される平面視で円形状の絶縁板10とを備えている。第2電極9の電極面(第2電極面11)は、第1電極6と対向するように設けられており、第1電極面7と第2電極面11の間に放電空間12が形成されている。本実施の形態では、第2電極9は、高圧側の電極であり、電圧印加用のケーブル13が接続されている。例えば、第2電極9は、サファイアなどの誘電体で構成される。絶縁板10は、アルミナなどの絶縁体で構成される。
【0022】
ベース部材3の内部には、冷却媒体(例えば冷却水)が流される冷却流路14が形成されており、ベース部材3には、冷却媒体の供給口と排出口が設けられている(図示せず)。冷却流路14は、絶縁板10の外側に配置されているが、この場合、第2電極9と絶縁板10は互いに接触しており、絶縁板10とベース部材3は互いに接触している。そのため、冷却流路14の冷却効果は、絶縁板10を介して第2電極9に伝達され、第2電極9を冷却することができる。
【0023】
図2に示すように、第1電極6の外縁部には、材料ガス供給口4と連通する材料ガス出口15が設けられている。また、第1電極6の中央部には、生成ガス送出口5と連通する生成ガス入口16が設けられている。さらに、放電空間12は、材料ガス供給口4(材料ガス出口15)から供給される材料ガスを導入するためのガス導入空間17に接続されている。本実施の形態では、放電空間12は、平面視で円形状であり、ガス導入空間17は、平面視で放電空間12の径方向外側に配置されている。この場合、ガス導入空間17は、第1電極6の周りを囲うように平面視で円環状に形成されている。
【0024】
図2において矢印で示すように、材料ガス供給口4から供給された材料ガスは、材料ガス出口15から中央部材2の内部に供給され、ガス導入空間17へ導入された後、ガス導入空間17から第1電極面7と第2電極面11との間の空間(放電空間12)を横切るように流れる。そして、第1電極面7と第2電極面11との間に電圧が印加されると、放電空間12で放電が発生し、材料ガスからオゾンガスが生成される。生成されたオゾンガスは、生成ガス入口16から生成ガス送出口5を経て装置外部へ送出される。
【0025】
図3は、トレンチ溝8のピッチPと第1電極6の直径Dの説明図である。本実施の形態では、トレンチ溝8のピッチPは、0.30mm~1.50mmに設定されており、より好ましくは、0.30mm~0.60mmに設定されている。ここで、第1電極6の直径Dは、100mm~150mmであり、より好ましくは、110mm~130mmである。したがって、本実施の形態では、トレンチ溝8のピッチPの第1電極6の直径Dに対する比P/Dは、0.0020~0.0150に設定されており、より好ましくは、0.0023~0.0055に設定されている。
【0026】
図4は、トレンチ溝8の体積VTとガス導入空間17の体積VGの説明図である。本実施の形態では、トレンチ溝8によって形成されるトレンチ空間の体積VTは、0.21cm
3~3.91cm
3に設定されており、より好ましくは、0.25cm
3~2.94cm
3に設定されている。また、ガス導入空間17の体積VGは、12.8cm
3~19.3cm
3に設定されており、より好ましくは、14.0cm
3~16.7cm
3に設定されている。したがって、本実施の形態では、トレンチ溝8によって形成されるトレンチ空間の体積VTのガス導入空間17の体積VGに対する比VT/VGは、0.016~0.203に設定されており、より好ましくは、0.018~0.176に設定されており、さらに好ましくは、0.019~0.163に設定されている。
【0027】
図6は、冷却流路14の一例を示す図(平面図)である。
図6に示すように、冷却流路14は、ベース部材3の内部に冷却媒体が流入する入口部18と、ベース部の内部から冷却媒体が流出する出口部19と、入口部18と出口部19との間に設けられる冷却部20を備えている。そして、冷却部20は、入口部18に接続されるの第1の部分流路21と、第1の部分流路21に接続される第2の部分流路22と、第2の部分流路22に接続される第3の部分流路23を備えている。ここで、第1の部分流路21と第2の部分流路22と第3の部分流路23は、いずれもベース部材3と同心円弧状である。また、第2の部分流路22は、第1の部分流路21より径方向内側に配置され第1の部分流路21より曲率半径の小さく、第3の部分流路23は、第2の部分流路22より径方向外側に配置され第2の部分流路22より曲率半径の大きい。
【0028】
図6の例では、流路断面視において、冷却流路14の入口部18の流路径d1は、5mm~10mmであり、冷却部20の流路径d2は、10mm~15mmであり、冷却流路14の出口部19の流路径d3は、5mm~10mmである。また、平面視において、冷却部20の面積S1は、35.8~80.7cm
2であり、第1電極6の面積S2は、78.5cm
2~176.6cm
2である。
【0029】
図7は、冷却流路14の他の例を示す図(平面図)である。
図7の例では、冷却部20は、さらに、第3の部分流路23に接続される第4の部分流路24と、第4の部分流路24に接続される第5の部分流路25を備えている。ここで、第4の部分流路24と第5の部分流路25は、いずれもベース部材3と同心円弧状である。また、第4の部分流路24は、第3の部分流路23より径方向外側に配置され第3の部分流路23より曲率半径の大きく、第5の部分流路25は、第4の部分流路24より径方向外側に配置され第4の部分流路24より曲率半径の大きい。
【0030】
図7の例では、流路断面視において、冷却流路14の入口部18の流路径d1は、5mm~10mmであり、冷却部20の流路径d2は、5mm~10mmであり、冷却流路14の出口部19の流路径d3は、5mm~10mmである。また、平面視において、冷却部20の面積S1は、38.1cm
2~85.7cm
2であり、第1電極6の面積S2は、78.5cm
2~176.6cm
2である。
【0031】
図8は、冷却流路14の他の例を示す図(平面図)である。
図8の例では、冷却流路14の入口部18の流路径d1は、5mm~10mmであり、冷却部20の流路径d2は、15mm~25mmであり、冷却流路14の出口部19の流路径d3は、5mm~10mmである。また、平面視において、冷却部20の面積S1は、55.0cm
2~123.8cm
2であり、第1電極6の面積S2は、78.5cm
2~176.6cm
2である。
【0032】
図9は、冷却流路14の他の例を示す図(平面図)である。
図9の例では、冷却流路14の入口部18の流路径d1は、5mm~10mmであり、冷却部20の流路径d2は、20mm~25mmであり、冷却流路14の出口部19の流路径d3は、5mm~10mmである。また、平面視において、冷却部20の面積S1は、72.5cm
2~163.0cm
2であり、第1電極6の面積S2は、78.5cm
2~176.6cm
2である。
【0033】
すなわち、本実施の形態では、流路断面視において、入口部18の流路径d1の冷却部20の流路径d2に対する比d1/d2は、0.25~1.0に設定されており、より好ましくは、0.27~1.0に設定されている。また、冷却部20の流路径d2の出口部19の流路径d3に対する比d2/d3は、1.0~4.0に設定されており、より好ましくは、1.0~3.66に設定されている。また、平面視において、冷却流路14の冷却部20の面積S1の第1電極6の面積S2に対する比S1/S2は、0.45~0.93に設定されている。
【0034】
図10は、本実施の形態における第2電極9の説明図である。
図10に示すように、第2電極9は、第2電極面11となる表面を有する誘電板26と、誘電板26の第2電極面11と反対側の裏面において第1電極6に対応する位置に形成される導電膜27とで構成される。また、中央部材2とベース部材3との間には、シム部材28が挿入されるシム部材挿入部29が形成される。
【0035】
図11は、シム部材28の斜視図である。
図11(a)に示すように、シム部材28は、円環形状をしており、中央部材2とベース部材3との間のシム部材挿入部29に挿入されて、第1電極面7と第2電極面11との間の電極間距離が所定の基準距離となるように調整するための部材である。本実施の形態では、それぞれ異なる厚みを有する複数のシム部材28が予め用意されており、シム部材挿入部29のベース部材3側の端面から第2電極面11までの距離の測定結果に基づいて、予め用意された複数のシム部材28の中から、シム部材挿入部29に挿入されるシム部材28が選択される。
【0036】
図11(b)には、シム部材28の他の例が示される。
図11(b)に示すように、円環形状のシム部材28は、4つに分割されていてもよい。また、
図11(c)には、シム部材28の他の例が示される。
図11(c)に示すように、円環形状のシム部材28は、2つに分割されていてもよい。このように複数に分割されたシム部材28を使用することも可能である。なお、シム部材28を分割する位置や数は、これに限定されない。分割されたシム部材28であっても、中央部材2とベース部材3との間のシム部材挿入部29に挿入することにより、第1電極面7と第2電極面11との間の電極間距離が所定の基準距離となるように調整することが可能である。また、シム部材28は、シール部材30の外側に配置されているため、シム部材28が分割されていても、シール部材30による気密性に影響はない(気密性は保たれる)。
【0037】
本実施の形態では、シム部材挿入部29に接する中央部材2の端面とトレンチの頂上は同じ高さ(同一平面)である。よって、誘電板26からシム部材挿入部29に接する中央部材2の端面までの距離と、誘電板26からトレンチの頂上までの距離は同じになる。そこで、本実施の形態では、所定の測定位置P(
図12の例では9点)において、
図13に示すように、シム部材挿入部29のベース部材3側の端面から第2電極面11までの距離aが測定される。そして、測定した距離aと所定の基準距離b(誘電板26からトレンチの頂上までの距離であって、予め設定される距離。例えば0.01mm~0.5mm)との和に等しい厚みc(あるいは、最も近い厚み)を有するシム部材28が、シム部材挿入部29に挿入されるシム部材28として選択される。測定位置Pは、中心1点と、外形と同心円で外形より小さい円周上の複数の点とすることができる。複数の点は、中心の点に対して対面の位置に設定することができる。また、複数の点の個数は、
図12の例のように4点に限られず、4点より多くの個数であってもよい。
【0038】
また、
図13に示すように、誘電板26と中央部材2との間には、Oリングなどのシール部材30が配置されている。本実施の形態では、材料ガス供給口4は、第1電極6の外側に配置されており、生成ガス送出口5は、第1電極6の中心部に配置されており、シール部材30は、第1電極6の外側に配置されている。より具体的には、材料ガス供給口4は、第1電極6の径方向外側に配置されており、生成ガス送出口5は、第1電極6の径方向内側に配置されており、シール部材30は、第1電極6の径方向外側に配置されている。
【0039】
以上のように構成されたガス生成装置1について、
図14のフロー図を参照してその動作を説明する。
【0040】
本発明の実施の形態のガス生成装置1で電極間の距離を調整する場合には、まず、一対のベース部材3のうち、一方のベース部材3と中央部材2との間に形成されるシム部材挿入部29のベース部材3側の端面から第2電極面11までの距離aを測定する(S1)。
【0041】
つぎに、それぞれ異なる厚みを有する複数のシム部材28の中から、上記のステップ1の測定結果に基づいて、電極間距離が基準距離となるシム部材28を選択する。具体的には、電極間の基準距離bを取得し(S2)、シム部材挿入部29に挿入するシム部材28の厚さcを算出し(S3)、算出した厚さcと等しい厚さ(あるいは、最も近い厚さ)を有するシム部材28を選択する(S4)。そして、上記のステップ4で選択したシム部材28を、一方のベース部材3と中央部材2との間のシム部材挿入部29に挿入する(S5)。
【0042】
その後、上下両側ともシム部材28が挿入されたか否かを判定する(S6)。一方のシム部材28しか挿入されていない場合には、他方のシム部材28について、上記のステップS1~S5を繰り返す。
【0043】
すなわち、他方のベース部材3と中央部材2との間に形成されるシム部材挿入部29のベース部材3側の端面から第2電極面11までの距離aを測定する(S1)。
【0044】
つぎに、それぞれ異なる厚みを有する複数のシム部材28の中から、上記のステップ1の測定結果に基づいて、電極間距離が基準距離となるシム部材28を選択する。具体的には、電極間の基準距離bを取得し(S2)、シム部材挿入部29に挿入するシム部材28の厚さcを算出し(S3)、算出した厚さcと等しい厚さ(あるいは、最も近い厚さ)を有するシム部材28を選択する(S4)。そして、上記のステップ4で選択したシム部材28を、他方のベース部材3と中央部材2との間のシム部材挿入部29に挿入する(S5)。そして、上下両側ともシム部材28が挿入された場合には、電極間の距離の調整を終了する。
【0045】
このような本実施の形態のガス生成装置1によれば、第1電極6の直径Dに対してトレンチ溝8のピッチPが小さく設定されるので、オゾンガスが発生する部分(トレンチ溝8によって第1電極6に形成される山の頂点部)を増やすことができる。これにより、オゾンガスの発生効率を高くすることが可能になる。すなわち、同じ電圧で高濃度のオゾンガスを発生させることができ、あるいは、同じ濃度のオゾンガスを小さい電圧で発生させることができる。
【0046】
また、ガス導入空間17の体積VGに対してトレンチ空間の体積VTが小さく設定されるので、材料ガスがガス導入空間17からトレンチ空間に流れ込むときに圧力損失が生じる。これにより、材料ガスがガス導入空間17に満たされた後にトレンチ空間に流れ込むようになり、材料ガスの流れに偏り(片流れ)が発生するのを抑制することができる。したがって、材料ガスの少ない部分で局所放電が発生するのを抑えることができる。これにより、局所放電の発生に起因して生成ガスが分解するのを抑えることができ、その結果、オゾンガスの発生効率を高くすることが可能になる。すなわち、同じ電圧で高濃度のオゾンガスを発生させることができ、あるいは、同じ濃度のオゾンガスを小さい電圧で発生させることができる。また、材料ガスの流れに偏り(片流れ)が発生するのを抑制することができるので、局所放電の発生により起因して電極がダメージを受けるのを抑えることができる。
【0047】
また、本実施の形態では、第1電極6の直径Dに対してトレンチ溝8のピッチPがより小さく設定されるので、オゾンガスが発生する部分(トレンチ溝8によって第1電極6に形成される山の頂点部)をより増やすことができる。これにより、オゾンガスの発生効率をより高くすることが可能になる(
図5参照)。また、ガス導入空間17の体積VGに対してトレンチ空間の体積VTがより小さく設定されるので、材料ガスがガス導入空間17からトレンチ空間に流れ込むときにより大きな圧力損失を生じさせることができる。これにより、オゾンガスの発生効率をより高くすることが可能になる。
【0048】
また、本実施の形態では、材料ガスが、放電空間12の径方向外側に配置されたガス導入空間17に満たされた後に、径方向内側に向けて放電空間12やトレンチ空間に流れ込むようになり、材料ガスの流れに偏り(片流れ)が発生するのを抑制することができる。これにより、局所放電の発生に起因して生成ガスが分解するのを抑えることができ、その結果、オゾンガスの発生効率を高くすることが可能になる。また、材料ガスの流れに偏り(片流れ)が発生するのを抑制することができるので、局所放電の発生により起因して電極がダメージを受けるのを抑えることができる。
【0049】
また、本実施の形態では、冷却流路14の入口部18の流路径d1が冷却部20の流路径d2に対して小さく設定され、冷却流路14の冷却部20の流路径d2が出口部19の流路径d3に対して大きく設定されるので、冷却流路14の冷却部20において高い冷却効果を得ることができるとともに、冷却流路14の入口部18と出口部19との間における冷却媒体の圧力損失を小さく抑えることができる。
【0050】
また、本実施の形態では、冷却流路14の冷却部20の面積S1が第1電極6の面積S2に対して大きく設定されるので、冷却流路14の冷却部20において高い冷却効果を得ることができる。
【0051】
また、本実施の形態では、冷却流路14の冷却部20において、冷却媒体が、第1の部分流路21から第2の部分流路22を経て径方向内側へ流れ、第2の部分流路22から第3の部分流路23を経て径方向外側へ流れる。このとき、第1の部分流路21、第2の部分流路22、第3の部分流路23が、ベース部材3と同心円弧状とされているので、円形状のベース部材3の全体を均一に冷却することができる。
【0052】
また、本実施の形態では、冷却流路14の冷却部20において、冷却媒体が、さらに、第3の部分流路23から第4の部分流路24を経て径方向外側へ流れ、第4の部分流路24から第5の部分流路25を経て径方向外側へ流れる。このとき、第1の部分流路21、第2の部分流路22、第3の部分流路23、第4の部分流路24、第5の部分流路25が、ベース部材3と同心円弧状とされているので、円形状のベース部材3の全体を均一に冷却することができる。
【0053】
この場合、冷却流路14とケーブル13の配線穴は、同一平面上に設けられている(
図1参照)。そのため、冷却媒体をベース部材3の上下方向から入れる構造とするよりも、側面方向から入れる構造としたほうが、スペースを小さくすることができる。ただし、ケーブル13の配線部には、冷却水路14を設けることができない。本実施の形態では、できる限り近くまで冷却流路14を設けて、ベース部材3の全体を冷やすことができる構造を採用している。なお、冷却流路14の入口部18と出口部19は、逆であってもよい。
【0054】
また、本実施の形態では、中央部材2の上下両側に配置される一対のベース部材3のそれぞれにおいて、中央部材2とベース部材3との間のシム部材挿入部29に、シム部材28(そのシム部材挿入部29のベース部材3側の端面から第2電極面11までの距離の測定結果に基づいて選択されたシム部材28)が挿入されて、第1電極面7と第2電極面11との間の電極間距離が所定の基準距離となるように調整される。このようにして、上下両側の電極間距離を揃えることができ、その結果、オゾンガスの発生効率を高くすることが可能になる。すなわち、同じ電圧で高濃度のオゾンガスを発生させることができ、あるいは、同じ濃度のオゾンガスを小さい電圧で発生させることができる。
【0055】
また、本実施の形態では、それぞれ異なる厚みを有する複数のシム部材28の中から、シム部材挿入部29のベース部材3側の端面から第2電極面11までの距離と基準距離との和と等しい厚みを有するシム部材28が、そのシム部材挿入部29に挿入されるシム部材28として選択される。これにより、第1電極面7と第2電極面11との間の電極間距離が所定の基準距離となるように調整することができる。
【0056】
また、本実施の形態では、中央部材2の上下両側に配置される一対のベース部材3のそれぞれにおいて、中央部材2とベース部材3との間のシム部材挿入部29に、シム部材28(そのシム部材挿入部29のベース部材3側の端面から第2電極面11までの距離の測定結果に基づいて選択されたシム部材28)が挿入されて、第1電極面7と第2電極面11との間の電極間距離が所定の基準距離となるように調整される。このようにして、上下両側の電極間距離を揃えることができ、その結果、オゾンガスの発生効率を高くすることが可能になる。すなわち、同じ電圧で高濃度のオゾンガスを発生させることができ、あるいは、同じ濃度のオゾンガスを小さい電圧で発生させることができる。
【0057】
上下両側の電極間距離を揃えるとガス発生効率が高くなる理由は、以下のとおりである。(1)中央部材2を共有する上下のベース部材3は、1つの高圧電源から電圧が供給される(
図1参照)。(2)高圧電源は、上下のベース部材3に同一の電圧を供給する(個別の電圧制御をしていない)。(3)上記(1)(2)から上下の放電空間の距離を同じにすると高濃度のガスが発生する。例えば、高電圧部には、電圧5~15kV、周波数20~40kHzの高周波・高電圧が印加される。なお、高圧電源が1つである、トレンチ電極(第1電極6)が両サイド使用となっている理由は、コストダウンや省スペースのためである。
【0058】
また、本実施の形態では、材料ガス供給口4が第1電極6の外側に配置され、生成ガス送出口5が第1電極6の中心部に配置されるので、材料ガスの流れが外側から中心部に向けた方向となる。そして、第2電極9の導電膜27は第1電極6に対応する位置に形成されている(第1電極6の外側には形成されていない)。したがって、放電空間12において第1電極6に対応する位置で放電が発生して材料ガスから生成ガスが生成されることとなり、第1電極6の外側では放電が発生せず材料ガスから生成ガスが生成されない。この場合、シール部材30が第1電極6の外側に配置されているので、シール部材30の付近で生成ガスが発生しないようにすることができ、シール部材30が生成ガスによって腐食するのを防止することができる。
【0059】
また、本実施の形態では、第1電極6および第2電極9が円形状であり、材料ガス供給口4が第1電極6の径方向外側に配置され、生成ガス送出口5が第1電極6の径方向内側に配置されるので、材料ガスの流れが径方向外側から径方向内側に向けた方向となり、第1電極6の径方向外側では放電が発生せず材料ガスから生成ガスが生成されない。この場合、シール部材30が第1電極6の径方向外側に配置されているので、シール部材30の付近で生成ガスが発生しないようにすることができ、シール部材30が生成ガスによって腐食するのを防止することができる。
【0060】
以上、本発明の実施の形態を例示により説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において目的に応じて変更・変形することが可能である。
【0061】
例えば、以上の説明では、電極間で放電を発生させることによってオゾンガスを生成する例について説明したが、電極間で放電を発生させることによって生成できるものであれば、オゾンガスに限られず、その他の生成ガスについても同様に実施可能である。
【0062】
また、
図2では、第1電極6に、材料ガス出口15が1つ設けられている例について説明したが、第1電極6には、複数の材料ガス出口15が設けられても良い。例えば、
図15に示すように、第1電極6に、材料ガス出口15が2つ設けられていても良い。
【産業上の利用可能性】
【0063】
以上のように、本発明にかかるガス生成装置は、生成ガスの発生効率をさらに高くすることができるという効果を有し、例えばオゾンガスを生成するオゾンガス生成装置等として有用である。
【符号の説明】
【0064】
1 ガス生成装置
2 中央部材
3 ベース部材
4 材料ガス供給口
5 生成ガス送出口
6 第1電極
7 第1電極面
8 トレンチ溝
9 第2電極
10 絶縁板
11 第2電極面
12 放電空間
13 ケーブル
14 冷却流路
15 材料ガス出口
16 生成ガス入口
17 ガス導入空間
18 入口部
19 出口部
20 冷却部
21 第1の部分流路
22 第2の部分流路
23 第3の部分流路
24 第4の部分流路
25 第5の部分流路
26 誘電板
27 導電膜
28 シム部材
29 シム部材挿入部
30 シール部材
【要約】
【課題】 生成ガスの発生効率をさらに高くすることのできるガス生成装置を提供する。
【解決手段】 ガス生成装置1の中央部材2とベース部材3との間には、第1電極面7と第2電極面11との間の電極間距離が所定の基準距離となるように調整するためのシム部材28が挿入されるシム部材挿入部29が形成される。シム部材挿入部29に挿入されるシム部材28は、それぞれ異なる厚みを有する複数のシム部材28の中から、シム部材挿入部29のベース部材3側の端面から第2電極面11までの距離aの測定結果に基づいて、選択される。
【選択図】
図1