(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-14
(45)【発行日】2023-09-25
(54)【発明の名称】メモリシステム
(51)【国際特許分類】
G06F 12/00 20060101AFI20230915BHJP
G06F 12/02 20060101ALI20230915BHJP
G11C 5/04 20060101ALI20230915BHJP
H01L 25/04 20230101ALI20230915BHJP
H01L 25/18 20230101ALI20230915BHJP
H01L 25/07 20060101ALI20230915BHJP
H01L 25/065 20230101ALI20230915BHJP
【FI】
G06F12/00 550K
G06F12/02 510M
G11C5/04 220
H01L25/04 Z
H01L25/08 C
(21)【出願番号】P 2019083570
(22)【出願日】2019-04-25
【審査請求日】2022-03-28
(31)【優先権主張番号】10-2018-0152528
(32)【優先日】2018-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】310024033
【氏名又は名称】エスケーハイニックス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SK hynix Inc.
【住所又は居所原語表記】2091, Gyeongchung-daero,Bubal-eub,Icheon-si,Gyeonggi-do,Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100163050
【氏名又は名称】小栗 眞由美
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】リ, ドンウク
【審査官】北村 学
(56)【参考文献】
【文献】特開昭57-015298(JP,A)
【文献】特開2005-191172(JP,A)
【文献】特開2009-277334(JP,A)
【文献】特開2014-220627(JP,A)
【文献】特開2015-230611(JP,A)
【文献】特開2016-048592(JP,A)
【文献】特開2018-160055(JP,A)
【文献】特表2013-504130(JP,A)
【文献】特表2015-535101(JP,A)
【文献】特表2016-512360(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0176187(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0181428(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC G06F 12/00 - 12/06
G11C 5/04
H01L 25/00 - 25/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1動作を処理する第1チップと、
第2動作を処理する第2チップと、
前記第1チップと前記第2チップとの間に具備されて複数のメモリが積層され、共有バスを介して前記複数のメモリと前記第1チップ、前記第2チップを連結するスタックメモリと、
前記複数のメモリの下部に形成されて前記共有バスと前記第1チップ、前記第2チップを電気的に連結するバッファ層と、
を備え、
前記バッファ層は、
前記第1チップと前記共有バスとの間を連結する第1インタフェース部と、
前記第2チップと前記共有バスとの間を連結する第2インタフェース部と、
前記複数のメモリと前記第1チップ、前記第2チップとの間を連結する前記共有バスと、を備えるメモリシステム。
【請求項2】
前記スタックメモリは、
高帯域幅メモリ(HBM;High Bandwidth Memory)である請求項1に記載のメモリシステム。
【請求項3】
前記第1チップ、前記第2チップおよび前記バッファ層の下側に形成されたインタフェースチャンネルと、を備える請求項1に記載のメモリシステム。
【請求項4】
前記共有バスは、
前記第1インタフェース部と前記第2インタフェース部との間を電気的に連結する水平バスと、
前記水平バスと垂直な方向に延長されて、前記水平バスと前記複数のメモリをそれぞれ電気的に連結する垂直バスと、を備える請求項1に記載のメモリシステム。
【請求項5】
前記垂直バスは、
平行に配置された複数のライン形態を有する請求項4に記載のメモリシステム。
【請求項6】
前記垂直バスは、
前記複数のメモリを貫通して最上部メモリの下部面と接続される請求項4に記載のメモリシステム。
【請求項7】
前記インタフェースチャンネルは、
前記第1インタフェース部と前記第1チップとの間を連結する第1バスと、
前記第2インタフェース部と前記第2チップとの間を連結する第2バスと、を備える請求項3に記載のメモリシステム。
【請求項8】
前記第1チップは、
前記第1インタフェース部と前記第1バスを介して連結される第3インタフェース部を備える請求項7に記載のメモリシステム。
【請求項9】
前記第2チップは、
前記第2インタフェース部と前記第2バスを介して連結される第4インタフェース部を備える請求項7に記載のメモリシステム。
【請求項10】
前記共有バスは、
T字状を有する、請求項1に記載のメモリシステム。
【請求項11】
前記第1チップおよび前記第2チップは、
システムオンチップ(System‐On‐Chip;SOC)である請求項1に記載のメモリシステム。
【請求項12】
前記複数のメモリのそれぞれは、
前記共有バスを介して受信されるデータを保存するメモリコアと、
前記第1チップと送受信される信号をバッファリングして前記共有バスに提供する第1バッファと、
前記第2チップと送受信される信号をバッファリングして前記共有バスに提供する第2バッファと、
前記共有バスと前記メモリコアとの間の信号をバッファリングする第3バッファと、を備える請求項1に記載のメモリシステム。
【請求項13】
前記メモリコアは、
前記第1チップから印加されるデータを保存する第1チップ割り当て領域と、
前記第2チップから印加されるデータを保存する第2チップ割り当て領域と、
前記第1チップ、前記第2チップから印加されるデータを保存する共通領域と、を含む請求項12に記載のメモリシステム。
【請求項14】
前記メモリコアは、
リード動作時に分割された領域と関係なくデータをリードする請求項13に記載のメモリシステム。
【請求項15】
前記第1チップから印加されるデータは前記共有バスを介して前記共通領域に保存され、
前記共通領域でリードされたデータは第2チップで処理されて前記共有バスを介して前記第2チップ割り当て領域に保存され、
前記第2チップ割り当て領域に保存されたデータは前記共有バスを介して前記第1チップに伝達される請求項13に記載のメモリシステム。
【請求項16】
前記複数のメモリそれぞれは、
前記メモリコアの動作状態によって前記第1チップと前記第2チップのアクセス動作タイミングを制御する制御部を備える請求項12に記載のメモリシステム。
【請求項17】
前記制御部は、
前記第1バッファ、前記第2バッファおよび前記第3バッファのうち少なくともいずれか一つが動作する場合、ビジー信号を活性化させ、
前記ビジー信号が活性化されると、前記第1チップ及び前記第2チップのうちいずれか一つ
だけが
前記メモリコアにアクセスする請求項16に記載のメモリシステム。
【請求項18】
前記スタックメモリは、
前記第1チップと前記第2チップとの間に複数個具備され、
複数のスタックメモリは前記共有バスにより前記第1チップ、前記第2チップと電気的に連結される請求項1に記載のメモリシステム。
【請求項19】
前記複数のスタックメモリと前記第1チップ、前記第2チップはインタポーザチャンネルを介して電気的に連結され、
前記複数のスタックメモリそれぞれはインタポーザチャンネルを介して連結される請求項18に記載のメモリシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はメモリシステムに関し、高い帯域幅(Bandwidth)を有する高帯域幅メモリ(HBM;High Bandwidth Memory)に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、スマートホン、タブレットPCのような移動通信端末機の普及が大衆化している。そして、ソーシャルネットワークサービス(SNS、Social Network Service)、モノのインターネット(M2M、Machine to Machine)、センサネットワーク(Sensor Network)などの使用が増加している。これにより、データの量、生成速度およびその多様性が幾何級数的に増加している。ビッグデータの処理のためにはメモリの速度も重要であるが、保存容量の大きいメモリ装置およびメモリモジュールが求められる。
【0003】
そこで、メモリシステムはメモリの物理的限界を克服しながらデータの保存容量を増やすために複数の統合されたメモリを具備する。一例として、クラウドデータセンタ(Cloud Data Center)のサーバ構造(Server Architecture)がビックデータアプリケーション(Big‐Data Application)を効率よく実行させるための構造に変わりつつある。
【0004】
ビッグデータを効率よく処理するために複数のメモリが統合されたプールメモリ(Pooled Memory)を使用する。プールメモリは大量の容量と高い帯域幅(Bandwidth)を提供することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態は、メモリ内に共有チャンネルを具備して多数のチップが共有チャンネルを介してメモリを共有することができるようにするメモリシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態によるメモリシステムは、第1動作を処理する第1チップと、第2動作を処理する第2チップと、第1チップと第2チップとの間に具備されて複数のメモリが積層され、共有バスを介して複数のメモリと第1チップ、第2チップを連結するスタックメモリとを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態は、多数のチップがメモリ内部の共有チャンネルを介して連結されてデータの伝送効率を向上させ、データの伝送時に消耗される電力を減少させることができるようにする効果を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態によるメモリシステムの構成図である。
【
図5】
図2のメモリにおいてメモリコアの割り当て領域を説明するための図である。
【
図6】本発明の他の実施形態によるメモリシステムの構成図である。
【
図7】本発明のまた他の実施形態によるメモリシステムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明しようとする。本発明の実施形態を説明することにおいて、ある部分が他の部分と「連結」されているとするとき、これは「直接的に連結」されている場合のみならず、その中間に他の素子を挟んで「電気的に連結」されている場合も含む。また、ある部分がある構成要素を「包含」または「具備」するとするとき、これは特別に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素をさらに含むか、具備することができることを意味する。また、明細書全体の記載において一部の構成要素を単数形に記載したからといって、本発明がそれに限られるものではなく、該構成要素が複数個からなり得ることが分かるべきである。
【0010】
図1は、本発明の実施形態に係るメモリシステムの構成図である。
【0011】
本発明の実施形態に係るメモリシステム10はスタックメモリ100と、複数のチップCHIP1、CHIP2と、インタフェースチャンネル200と、を備える。
【0012】
ここで、スタックメモリ100は、チップCHIP1とチップCHIP2との間に配置され、二つのチップCHIP1、CHIP2により共有される。すなわち、二つのチップCHIP1、CHIP2は、一つのスタックメモリ100を共有する構造で結合されてもよい。実施形態によって、2つ以上のチップがスタックメモリ100に備えられてもよい。
【0013】
スタックメモリ100は、複数のメモリM1~M4が順次に積層されて多数のメモリM1~M2が統合されたパッケージ(Package)形態のメモリ装置であってもよい。それぞれのメモリM1~M4は、ディーラム(DRAM)、PCRAM(Phase Change Random Access Memory)、ReRAM(Resistive Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash memory)など全ての種類のメモリのうち一つであってもよい。実施形態によって、多数のメモリM1~M4は同一のメモリ形態であってもよく、互いに異なるタイプのメモリであってもよい。
【0014】
それぞれのメモリM1~M4はコンタクトCを介して連結される。そして、それぞれのメモリM1~M4は貫通電極(Through Silicon Via;TSV)101を介してそれぞれ電気的に連結される。ここで、貫通電極101はそれぞれのメモリM1~M4に電源(Power)を伝達するために使用されることができる。
【0015】
本発明の実施形態では、スタックメモリ100に4つのメモリM1~M4が積層されたことを一例として説明した。しかし、本発明の実施形態は、これに限定されるものではなく、スタックメモリ100に具備されるメモリの個数は十分に変更可能である。
【0016】
スタックメモリ100は貫通電極101を介して各メモリM1~M4を電気的に連結させることにより、入出力ユニットの数を増やして帯域幅(Bandwidth)を増加させた高帯域幅メモリ(High Bandwidth Memory;HBM)であってもよい。高帯域幅メモリは既存のメモリより高い帯域幅(Bandwidth)と容量(Density)を有するメモリであって、3D-TSV技術に基づきメモリチップを積層し、I/O帯域幅を高めるために多数のデータピンを置いて動作させるメモリである。
【0017】
そして、多数のメモリM1~M4の下部にはバッファ層110が形成されることができる。バッファ層110はインタフェース部120、130と共有バス140を含む。ここで、バッファ層110は各メモリM1~M4とバスBUS1、BUS2を電気的に連結するためのインタポーザ(Interposer)であってもよい。
【0018】
インタフェース部120はコンタクトノードCNDを介してインタフェースチャンネル200のバスBUS1と連結される。これにより、インタフェース部120はバスBUS1を介してチップCHIP1と電気的に連結されることができる。そして、インタフェース部130はコンタクトノードCNDを介してインタフェースチャンネル200のバスBUS2と連結される。これにより、インタフェース部130はバスBUS2を介してチップCHIP2と電気的に連結されることができる。
【0019】
ここで、インタフェース部120、130はスタックメモリ100と二つのチップCHIP1、CHIP2が電気的に連結されて相互信号を交換するための物理的階層(Physical Layer、PHY)を備えることができる。
【0020】
そして、共有バス140はインタフェース部120、130とそれぞれのメモリM1~M4との間に連結される。共有バス140はインタフェース部120、130を介して受信された信号を各メモリM1~M4に伝達するか、各メモリM1~M4の信号をインタフェース部120、130を介してチップCHIP1、CHIP2に伝達する。ここで、共有バス140はそれぞれのメモリM1~M4に信号(Signal)を伝達するために使用されることができる。
【0021】
共有バス140は二つのインタフェース部120、130の間に第1方向に配置された水平バス141と、水平バス141と垂直な方向(第2方向)に延長される垂直バス142とを含むことができる。水平バス141は二つのインタフェース部120、130により共有される。
【0022】
ここで、水平バス141は二つのインタフェース部120、130を電気的に連結するために水平のライン形態で配置される。そして、垂直バス142は水平バス141と各メモリM1~M4を電気的に連結するために垂直のライン形態で配置される。ここで、共有バス140は水平バス141と垂直バス142の配置形状によって「T」字状を有することができる。
【0023】
実施形態によって、垂直バス142は複数のメモリM1~M3を貫通して最上部のメモリM4の下部面と接続されるように一体型のライン形態で形成されることができる。そして、垂直バス142はスタックメモリ100の中央側に複数個、例えば、3つの垂直ラインが平行に配置されることができる。
【0024】
本発明の実施形態では、垂直バス142が複数のメモリM1~M3を貫通する一体型のライン形態からなることを一例として説明した。しかし、本発明の実施形態において、垂直バス142の構造は、これに限定されるものではなく、垂直バス142がコンタクト(図示せず)を介してそれぞれのメモリM1~M4を電気的に連結する貫通電極の形態で形成されることもでき、その他の異なる形態としても具現されることができる。
【0025】
チップCHIP1はバスBUS1を介してスタックメモリ100と信号を交換する。ここで、チップCHIP1はシステムオンチップ(System‐On‐Chip;SOC)の形態であってもよい。また、チップCHIP1はプロセッサ、例えば、中央処理装置(Central Processing Unit;CPU)として具現されることができる。
【0026】
本発明の実施形態では、チップCHIP1が中央処理装置からなることを一例として説明した。しかし、本発明の実施形態は、これに限定されるものではなく、チップCHIP1の種類は十分に変更可能である。
【0027】
また、チップCHIP1はスタックメモリ100と信号を交換するためのインタフェース部300を含む。インタフェース部300はコンタクトノードCNDを介してバスBUS1と連結されることができる。バスBUS1はスタックメモリ100のインタフェース部120と連結されるので、バスBUS1を媒介としてチップCHIP1のインタフェース部300とスタックメモリ100のインタフェース部120が互いに電気的に連結されることができる。
【0028】
インタフェース部300はチップCHIP1とスタックメモリ100との間でメモリインタフェーシングをするための回路構造、例えば、物理的階層(Physical layer;PHY)を備えることができる。
【0029】
そして、チップCHIP2はバスBUS2を介してスタックメモリ100と信号を交換する。ここで、チップCHIP2はシステムオンチップ(System‐On‐Chip;SOC)の形態であってもよい。また、チップCHIP2はプロセッサ、例えば、グラフィック処理装置(Graphics Processing Unit;GPU)または加速器(Accelerator)として具現されることができる。
【0030】
本発明の実施形態では、チップCHIP2がグラフィック処理装置または加速器からなることを一例として説明した。しかし、本発明の実施形態は、これに限定されるものではなく、チップCHIP2の種類は十分に変更可能である。
【0031】
また、チップCHIP2はスタックメモリ100と信号を交換するためのインタフェース部310を含む。インタフェース部310はコンタクトノードCNDを介してバスBUS2と連結されることができる。バスBUS2はスタックメモリ100のインタフェース部130と連結されるので、バスBUS2を媒介としてチップCHIP2のインタフェース部310とスタックメモリ100のインタフェース部130が互いに電気的に連結されることができる。
【0032】
インタフェース部310は、チップCHIP2とスタックメモリ100との間でメモリインタフェーシングをするための回路構造、例えば、物理的階層(Physical layer;PHY)を備えることができる。
【0033】
インタフェースチャンネル200はチップCHIP1、CHIP2とスタックメモリ100の下部に形成される。インタフェースチャンネル200はチップCHIP1、CHIP2とスタックメモリ100との間で信号を交換するために設けられたインタポーザ(Interposer)チャンネルであってもよい。
【0034】
このようなインタフェースチャンネル200はバスBUS1、BUS2と、入出力バスIO_A、IO_Bを含む。バスBUS1はコンタクトノードCNDを介してインタフェース部300とインタフェース部120を相互連結する。そして、バスBUS2はコンタクトノードCNDを介してインタフェース部310とインタフェース部130を相互連結する。ここで、バスBUS1、BUS2はインタフェース部300、120、130、310を互いに電気的に連結するためのインタポーザ(Interposer)チャンネルであってもよい。
【0035】
そして、入出力バスIO_AはチップCHIP1と外部の装置(または、チップ)との間を連結するためのバスである。そして、入出力バスIO_BはチップCHIP2と外部の装置(または、チップ)との間を連結するためのバスである。
【0036】
既存のようにメモリとチップが一対一マッチングされる構造である場合、各チップ別にデータ伝送のためのメモリを別途に具備しなければならない。このような場合、メモリのデータ転送時、メモリ間に連結されるチャンネルがないため毎回他のチップを通過してデータを伝達しなければならないので、データの転送効率が低下する恐れがある。それで、本発明の実施形態は、スタックメモリ100の共有バス140を介して多数のチップCHIP1、CHIP2がスタックメモリ100を共有する。実施形態によって、第1チップCHIP1と第2チップCHIP2との間でスタックメモリ100を経由せずに共有バス140を介してデータを直接に伝達することもできる。以上のように、本発明の実施形態はデータの伝送効率を向上させ、データ伝送による電力消耗を減少させることができるようにする。
【0037】
図2は、
図1のメモリM1に関する詳細構成図である。本発明の実施形態において複数のメモリM1~M4の詳細構造は全て同一であるので、
図2の実施形態ではメモリM1の詳細構成を一例として説明することとする。
図2の実施形態では、メモリM1の詳細構成のうちデータの伝送時に必要な主要構成に対してのみ示すこととする。
【0038】
メモリM1は共有バス140、複数のバッファB1~B3およびメモリコア160を備えている。
【0039】
バッファB1はチップCHIP1から印加される信号をバッファリングして共有バス140に伝達する。逆に、バッファB1は共有バス140から印加される信号をバッファリングしてチップCHIP1に伝達することができる。
【0040】
バッファB2はチップCHIP2から印加される信号をバッファリングして共有バス140に伝達する。逆に、バッファB2は共有バス140から印加される信号をバッファリングしてチップCHIP2に伝達することができる。
【0041】
そして、バッファB3は共有バス140に印加される信号をバッファリングしてメモリコア160に伝達する。逆に、バッファB3はメモリコア160から印加される信号をバッファリングして共有バス140に伝達することができる。
【0042】
本発明の実施形態では、それぞれのチップCHIP1、CHIP2がメモリコア160を経由せずに共有バス140を介して直接データを送受信することもできる。また、本発明の実施形態では、それぞれのチップCHIP1、CHIP2が共有バス140を介してアドレス、コマンドおよび制御信号を送受信することもできる。
【0043】
メモリコア160は、データを保存するための多数個のメモリセル160_1およびメモリセル160_1のコア動作のための回路が配置されることができる。
【0044】
また、一つのスタックメモリ100が多数のチップCHIP1、CHIP2に共有される場合、チップCHIP1、CHIP2間にアクセスタイミングを調節しなければならない。
図2の実施形態では、チップCHIP1、CHIP2のうちいずれか一つのチップ(例えば、チップCHIP1)が優先権を有し、共有バス140のアクセスタイミングを設定することができる。本発明の実施形態は、チップCHIP1で制御信号CONを生成してチップCHIP2に伝達することによりアクセスタイミングを調節することができる。
【0045】
例えば、チップCHIP1がメモリコア160にアクセスする場合、チップCHIP1が活性化された制御信号CONをチップCHIP2に伝達してチップCHIP2を待機状態に制御することができる。そして、チップCHIP1でメモリコア160のアクセス動作が終了した場合、非活性化された制御信号CONをチップCHIP2に伝達してチップCHIP2でアクセス動作が行われるようにする。実施形態によって、一つのスタックメモリ100は第1チップCHIP1、第2チップCHIP2および第3チップCHIP3(図示せず)により共有されることもできる。
【0046】
このような構成を有するメモリM1の動作を説明すると次の通りである。
【0047】
まず、チップCHIP1はホスト(図示せず)から処理命令(任意のアドレスに記録されたデータに対する処理命令および処理タイプなど)が印加されると、メモリM1にアクセスする。チップCHIP1から印加されるデータはバッファB1でバッファリングされて共有バス140に伝達される。共有バス140に印加されたデータはバッファB3でバッファリングされて(1)のような経路を介してメモリセル160_1の特定領域(例えば、共通領域、後述する)に保存される。
【0048】
その後、チップCHIP2はメモリセル160_1の特定領域(例えば、共通領域)に保存されたデータ(チップCHIP1により記録されたデータ)をリードして演算処理を行う。すなわち、チップCHIP2はライト動作時にメモリコア160にデータを保存するか、リード動作時にメモリコア160に保存されたデータをリードすることができる。
【0049】
例えば、メモリセル160_1でリードされたデータはバッファB3とバッファB2を介してバッファリングされてチップCHIP2に伝達されて処理されることができる。そして、チップCHIP2で処理されたデータはバッファB2でバッファリングされて共有バス140に伝達される。共有バス140に印加されたデータはバッファB3でバッファリングされて(2)のような経路を介してメモリセル160_1の特定領域(例えば、第2チップ割り当て領域、後述する)に保存される。
【0050】
次に、チップCHIP1は(3)のような経路を介してメモリセル160_1の特定領域(例えば、第2チップ割り当て領域)に保存されたデータをリードしてチップCHIP2のデータ処理結果を確認し、他の処理を行うことができる。
【0051】
以上のように、本発明の実施形態は、複数のチップCHIP1、CHIP2間に送受信されるデータをスタックメモリ100内で処理してデータ転送効率を高めることができる。
【0052】
図3は、
図1のメモリM1に関する他の実施形態である。
図3の実施形態は、
図2に対比して制御部170をさらに備える。
【0053】
制御部170はメモリコア160とチップCHIP1、CHIP2との間のアクセスタイミングを調節する。すなわち、一つのスタックメモリ100を多数のチップCHIP1、CHIP2が共有する場合、チップCHIP1、CHIP2間に割り込みが発生して共有バス140上でデータの衝突が生じる恐れがある。
【0054】
したがって、本発明の実施形態による制御部170は、メモリコア160とチップCHIP1、CHIP2との間に相互信号を伝達することにおいて、メモリコア160のアクセス状態を判断してメモリコア160とチップCHIP1、CHIP2間のアクセスタイミング調節機能を行うことができる。すなわち、
図3の実施形態では、制御部170が主体となってメモリコア160とチップCHIP1、CHIP2間のアクセスタイミングを調節することができる。
【0055】
制御部170はメモリコア160の動作状態を感知してそれぞれがチップCHIP1、CHIP2にビジー信号BUSYを出力してメモリコア160とチップCHIP1、CHIP2間の動作タイミングを調節することができる。このような制御部170はバッファB1~B3のうち少なくともいずれか一つがライトまたはリード動作である時にビジー信号BUSYを活性化させる。
【0056】
例えば、制御部170はノードNDAに印加されるライト信号NDA_WT、リード信号NDA_RDと、ノードNDBに印加されるライト信号NDB_WT、リード信号NDB_RDおよびノードNDCに印加されるライト信号NDC_WT、リード信号NDC_RDが入力されてメモリコア160の動作状態を感知し、ビジー信号BUSYを制御する。
【0057】
図4は、
図3の制御部170に関する詳細回路図である。
【0058】
制御部170は、スタックメモリ100のノードNDA、NDB、NDCに印加されるライト信号またはリード信号のうち少なくともいずれか一つが活性化された場合、ビジー信号BUSYを活性化させる。
【0059】
例えば、ビジー信号BUSYが非活性状態では、それぞれのチップCHIP1、CHIP1でメモリコア160にアクセスすることが可能である。一方、チップCHIP1のリード動作(または、ライト動作)時に制御部170はビジー信号BUSYを活性化させる。他のチップCHIP2はビジー信号BUSYが活性化されると、メモリコア160が使用中の状態と判断してスタックメモリ100にアクセスせず、待機状態となる。
【0060】
このような制御部170は複数のオアロジック、例えば、オアゲートOR1~OR4を含む。オアゲートOR1はライト信号NDA_WTとリード信号NDA_RDをオア演算する。そして、オアゲートOR2はライト信号NDB_WTとリード信号NDB_RDをオア演算する。また、オアゲートOR3はライト信号NDC_WTとリード信号NDC_RDをオア演算する。そして、オアゲートOR4は複数のオアゲートOR1~OR3の出力をオア演算してビジー信号BUSYを生成する。
【0061】
図5は、
図2のメモリM1においてメモリコア160の割り当て領域を説明するための図である。
【0062】
メモリコア160は、ライト動作時に共有バス140を介して印加されるデータを保存するか、リード動作時に保存されたデータを共有バス140に出力することができる。メモリコア160はライト動作時にローアドレスを介してデータの保存領域を区分して割り当てることができる。このようなメモリコア160は、複数の分割領域に割り当てられることができる第1チップ割り当て領域161、第2チップ割り当て領域162および共通領域163を含むことができる。
【0063】
メモリコア160は、チップCHIP1から印加されるデータを保存するための第1チップ割り当て領域161を含むことができる。すなわち、第1チップ割り当て領域161はチップCHIP1から印加されるデータを保存するために個別的に割り当てられたメモリ領域である。
【0064】
そして、メモリコア160はチップCHIP2から印加されるデータを保存するための第2チップ割り当て領域162を含むことができる。すなわち、第2チップ割り当て領域162はチップCHIP2から印加されるデータを保存するために個別的に割り当てられたメモリ領域である。
【0065】
また、メモリコア160はチップCHIP1から印加されるデータまたはチップCHIP2から印加されるデータを全て保存することができるようにする共通領域163を含むことができる。すなわち、共通領域163はチップCHIP1、CHIP2のリソース(Resource)によってデータを保存するために共通に割り当てられたメモリ領域である。
【0066】
本発明の実施形態では、メモリコア160の分割領域が3つに区分されることを一例として説明した。しかし、本発明の実施形態は、これに限定されるものではなく、第1チップ割り当て領域161、第2チップ割り当て領域162および共通領域163がそれぞれ複数の領域に分割されることができる。
【0067】
そして、メモリM1のリード動作時には、それぞれのチップCHIP1、CHIP2に対してメモリコア160の第1チップ割り当て領域161、第2チップ割り当て領域162および共通領域163のリードデータRDを全て共通にリードすることができる。すなわち、リード動作時にはチップCHIP1、CHIP2の区分なしに第1チップ割り当て領域161、第2チップ割り当て領域162および共通領域163に全てアクセス可能である。
【0068】
図6は、本発明の他の実施形態によるメモリシステムの構成図である。
【0069】
図6の実施形態によるメモリシステム10は、
図1の実施形態に対比してチップCHIP1とチップCHIP2との間に一つのスタックメモリ100を具備するものではなく、複数のスタックメモリ100、100_1を具備することが異なる。スタックメモリ100とスタックメモリ100_1それぞれは複数のメモリを含むことができる。そして、
図6の実施形態に示されていない残りの構成要素は
図1と同一であるため、その詳細な構成の言及および説明は省略することとする。
【0070】
図6の実施形態では、チップCHIP1とチップCHIP2との間に二つのスタックメモリ100、100_1が具備されることを一例として説明した。しかし、本発明の実施形態は、これに限られるものではなく、チップCHIP1、CHIP2の間に二つ以上のスタックメモリが具備されることもできる。
【0071】
チップCHIP1とスタックメモリ100は、インタフェース部120を介して連結されることができる。スタックメモリ100は内部に具備された共有バス140を介してそれぞれのインタフェース部120、130と連結されることができる。そして、スタックメモリ100のインタフェース部130は隣接したスタックメモリ100_1のインタフェース部120_1に連結されることができる。
【0072】
そして、チップCHIP2とスタックメモリ100_1はインタフェース部130_1を介して連結されることができる。スタックメモリ100_1は内部に具備された共有バス140_1を介してそれぞれのインタフェース部120_1、130_1と連結されることができる。
【0073】
このようなスタックメモリ100、100_1は内部に具備されたインタフェース部120、130、120_1、130_1と共有バス140、140_1を介して互いに電気的に連結されることにより、各チップCHIP1、CHIP2のデータを相互伝達することができる。
【0074】
例えば、チップCHIP1のデータはスタックメモリ100を経由してスタックメモリ100_1に保存されることができる。そして、チップCHIP2のデータはスタックメモリ100_1を経由してスタックメモリ100に保存されることができる。
【0075】
以上のように、本発明の実施形態は、複数個のスタックメモリ100、100_1をチェーン形態で連結してメモリ間のデータ共有が制限されず、チップCHIP1、CHIP2間に信号を伝達するためのメモリを拡張させることができる。
【0076】
図7は、本発明のまた他の実施形態によるメモリシステムの構成図である。
【0077】
複数のメモリを一つのパッケージ構造内に統合して、一つのパッケージ製品が高速動作および大容量データ処理、多機能動作を行うことができるようにする試みなどが提示されている。このような統合されたパッケージ構造としてシステムインパッケージ(SIP:System In Package)技術が注目されている。プロセッサダイ(micro‐processor die)とメモリダイ(memory die)をインタポーザインタコネクト(interposer interconnect)技術を用いてシステムインパッケージで構成されることができる。
【0078】
図7の実施形態は、メモリシステムがシステムインパッケージの形態で具現される例を示す。
図7の実施形態によるメモリシステム10はシステムインパッケージSIP1、SIP2を備えることができる。
図7の実施形態で、システムインパッケージSIP1、SIP2の構成は互いに同一であるので、システムインパッケージSIP1の詳細構成を一例として説明することとする。
【0079】
システムインパッケージSIP1は複数のスタックメモリ100~100_3と、複数のチップCHIP1、CHIP2とを備える。
図7の実施形態では、システムインパッケージSIP1に4つのスタックメモリ100~100_3が具備されることを一例として説明する。しかし、本発明の実施形態は、これに限定されるものではなく、スタックメモリ100~100_3の個数は十分に変更可能である。
【0080】
スタックメモリ100~100_3は、チップCHIP1とチップCHIP2との間に配置されることができる。例えば、4つのスタックメモリ100~100_3はローおよびカラム方向にマトリックス形態で配置されることができる。
【0081】
チップCHIP1と隣接して配置されたスタックメモリ100、100_2は、インタフェース部120a、120bを介してチップCHIP1のインタフェース部300a、300bと電気的に連結される。そして、チップCHIP2と隣接して配置されたスタックメモリ100_1、100_3は、インタフェース部130_1a、130_1bを介してチップCHIP2のインタフェース部310a、310bと電気的に連結される。そして、スタックメモリ100、100_2のインタフェース部130a、130bは、スタックメモリ100_1、100_3のインタフェース部120_1a、120_1bと互いに連結される。
【0082】
チップCHIP1、CHIP2とスタックメモリ100~100_3に具備されたそれぞれのインタフェース部300a、300b、120a、120b、130a、130b、120_1a、120_1b、130_1a、130_1b、310a、310bは、インタポーザ(Interposer)チャンネルICNを介して互いに連結されることができる。ここで、インタポーザチャンネルICNは、
図1のバスBUS1、BUS2またはインタフェースチャンネル200に対応されることができる。
【0083】
そして、システムインパッケージSIP1とシステムインパッケージSIP2は、チャンネルCNを介して連結されることができる。ここで、システムインパッケージSIP1、SIP2を相互連結するチャンネルCNはPCB(Printed Circuit Board)チャンネルからなることができる。
【0084】
本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須的特徴を変更せずに他の具体的な形態で実施されることができるので、以上で述べた実施形態は全ての面で例示的なものであり、限定的なものでないものとして理解すべきである。本発明の範囲は、詳細な説明よりは後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味および範囲、並びに等価概念から導出される全ての変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれるものとして解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0085】
100 : スタックメモリ100
CHIP1、CHIP2: 複数のチップ
200 : インタフェースチャンネル