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特許7351636一体化されたガス分配装置を有するモジュール型高周波源
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-19
(45)【発行日】2023-09-27
(54)【発明の名称】一体化されたガス分配装置を有するモジュール型高周波源
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/46 20060101AFI20230920BHJP
【FI】
H05H1/46 B
【請求項の数】 13
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019077561
(22)【出願日】2019-04-16
(65)【公開番号】P2019216086
(43)【公開日】2019-12-19
【審査請求日】2022-04-12
(31)【優先権主張番号】15/958,562
(32)【優先日】2018-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】グエン, ハン
(72)【発明者】
【氏名】チョア, タイ チョン
(72)【発明者】
【氏名】クラウス, フィリップ アレン
【審査官】鳥居 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-171541(JP,A)
【文献】特開2013-186970(JP,A)
【文献】国際公開第2018/034690(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05H 1/46
H01J 37/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理チャンバ向けのアプリケータフレームであって、
前記アプリケータフレームの第1主要面と、
前記第1主要面の反対側の、前記アプリケータフレームの第2主要面と、
前記第1主要面の凹部と、
前記凹部の底から前記第2主要面へ延在する貫通孔であって、前記凹部が、前記貫通孔と、前記第1または第2主要面に対して垂直に延在する軸の周りに実質的に同心円をなし、前記凹部が、
前記貫通孔の直径より大きい直径を有する、貫通孔と、
前記第1主要面または第2主要面に沿った方向の横方向チャネルであって、前記貫通孔の側壁と交差、前記アプリケータフレームに埋設された横方向チャネルとを備える、
アプリケータフレーム。
【請求項2】
複数の横方向チャネルを更に備える、請求項1に記載のアプリケータフレーム。
【請求項3】
前記複数の横方向チャネルが、前記アプリケータフレーム内の1を上回る数のz高さにおいて形成され、前記z高さは前記第1または第2主要面に垂直な方向における高さである、請求項2に記載のアプリケータフレーム。
【請求項4】
2つ以上の前記横方向チャネルが前記貫通孔と交差する、請求項2に記載のアプリケータフレーム。
【請求項5】
前記横方向チャネルのうちの少なくとも1つが、前記第2主要面まで延在する垂直チャネルと交差する、請求項2に記載のアプリケータフレーム。
【請求項6】
処理チャンバのリッドであるか、又は処理チャンバの側壁である、請求項1に記載のアプリケータフレーム。
【請求項7】
処理チャンバと、
前記処理チャンバ内で基板を支持するためのチャックと、
前記処理チャンバの一部分を形成しているアプリケータフレームであって、
前記処理チャンバの外側の第1主要面、
前記第1主要面の反対側の第2主要面、
複数の凹部、
前記凹部の底から前記第2主要面へ延在する複数の貫通孔であって、各凹部は、前記複数の貫通孔のうちの1つと、前記第1または第2主要面に対して垂直に延在する軸の周りに実質的に同心円をなし、各凹部が前記貫通孔の直径より大きい直径を有する、複数の貫通孔
及び、
前記第1主要面または第2主要面に沿った方向の複数の横方向チャネルであって、前記アプリケータフレームに埋設され、一又は複数の前記横方向チャネルが前記貫通孔のうちの少なくとも1つと交差する、複数の横方向チャネル、を備える、アプリケータフレームと、
複数の高周波発出モジュールを備えるモジュール型高周波発出源であって、
各高周波発出モジュールが、
発振モジュール、
前記発振モジュールに連結されている増幅モジュール、及び、
前記増幅モジュールに連結されているアプリケータであって、前記アプリケータフレームの前記貫通孔のうちの1つの前記第1主要面上の一端を密封する、アプリケータ、を備える、モジュール型高周波発出源と、を備える、
処理ツール。
【請求項8】
前記アプリケータの各々が、密封リングを押圧することにより、前記アプリケータフレームを通る複数の貫通孔のうちの1つを密封する、請求項に記載の処理ツール。
【請求項9】
記密封リングが、前記凹部のうちの1つによって画定される段差面に置かれる、複数の凹部を更に備える、請求項に記載の処理ツール。
【請求項10】
前記複数の横方向チャネルが一又は複数のガス源に流体連結される、請求項に記載の処理ツール。
【請求項11】
前記アプリケータフレームが、前記処理チャンバの側壁であるか、又は前記処理チャンバのリッドである、請求項に記載の処理ツール。
【請求項12】
前記アプリケータフレームが電気的に接地された層を備える、請求項に記載の処理ツール。
【請求項13】
前記アプリケータフレームの前記第2主要面の近くにガス分配プレートを更に備える、請求項に記載の処理ツール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は高周波発出源の分野に関し、ある特定の実施形態では、アプリケータフレームと一体化されたガス分配システムを含む、モジュール型の高周波発出源処理ツールに関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術についての説明
高周波放射システムの、プラズマ処理に使用するためのものを含む用途は、数多くの異なるテクノロジー(例えば半導体産業、ディスプレイテクノロジー、微小電気機械システム(MEMS)におけるものなど)の製造において、広範囲に使用されている。現在、単一アンテナによる無線周波数(RF)放射システムが、最もよく使用されている。しかし、より高い(マイクロ波周波数を含む)周波数でプラズマが生成される場合、プラズマ密度が高いプラズマ、及び/又は中性励起種の濃度が高いプラズマが、形成される。残念ながら、単一アンテナにより作り出される高周波放射システム(例えば、プラズマを形成するために使用されるもの)は、それらに固有の欠点に悩まされる。
【0003】
典型的な高周波放射システム(例えばマイクロ波プラズマを形成するためのもの)では、単体の大型の高周波又はマイクロ波の放射源(マグネトロンなど)と、マグネトロンから処理チャンバにマイクロ波放射を誘導するための伝送路とが使用される。例えば、半導体産業における典型的な大電力マイクロ波応用では、伝送路はマイクロ波導波管である。マイクロ波源の特定の周波数を搬送するよう設計された導波管の外部では、マイクロ波電力が距離と共に急速に減衰するので、導波管が使用される。マイクロ波放射を処理チャンバに伝送するには、更なる構成要素(例えばチューナ、カプラ、モード変換器など)も必要になる。これらの構成要素により、システムの構築が大型の(すなわち、少なくとも導波管と関連構成要素とを合わせたのと同等の大きさの)ものに制限され、かつ、その設計も大幅に制限される。これにより、プラズマを形成するために使用されうる高周波放射電磁界(radiation field)の形状寸法も制約を受ける。高周波放射電磁界の形状寸法は導波管の形状に類似するからである。
【0004】
したがって、高周波放射電磁界の形状寸法と処理されている基板の形状寸法とを合致させることは困難である。詳細には、プラズマを形成することと基板を放射に曝露することのいずれのためであっても、プロセスが基板(例えば、200mmの、300mmの、又はそれを上回る直径の、シリコンウエハ、ディスプレイ産業で使用されるガラス基板、又は、ロールツーロール製造で使用される連続基板など)の全面積に均一に実施される場合には、マイクロ波周波数の高周波放射電磁界を作り出すことは困難である。マイクロ波で生成されたプラズマの一部は、大表面全体にマイクロ波のエネルギーが広がることを可能にするために、スロットラインアンテナを使用しうる。しかし、かかるシステムは、複雑なものであり、特定の形状寸法を必要とし、かつ、プラズマに結合されうる電力密度に制限される。
【0005】
更に、高周波放射システムは、典型的には、非常に均一というわけではなく、かつ/又は空間的にチューニング可能な濃度を有しえない、放射電磁界及び/又はプラズマを生成する。処理される基板のサイズが大きくなり続けるにつれて、エッジ効果に対応することは、ますます困難になっている。加えて、放射電磁界及び/又はプラズマのチューニングが不可能であることは、入ってくる基板の不均一性に対応して処理レシピを改変し、設計的な補償を行うために不均一性が必要とされる処理システム(例えば、いくつかの処理チャンバにおける、回転するウエハの不均一な半径方向速度に適応するために不均一性が必要とされる処理システム)について放射電磁界密度及び/又はプラズマ密度を調整する能力を制限する。
【発明の概要】
【0006】
本書に記載の実施形態は、処理チャンバ向けのアプリケータフレームを含む。一実施形態では、このアプリケータフレームは、 アプリケータフレームの第1主要面と、第1主要面の反対側の、アプリケータフレームの第2主要面とを備える。一実施形態では、アプリケータフレームは、アプリケータフレームを貫通して延在する、貫通孔を更に備える。一実施形態では、アプリケータフレームは、アプリケータフレームに埋設された横方向チャネルも備える。一実施形態では、横方向チャネルは貫通孔と交差する。
【0007】
本書に記載の実施形態は、処理ツールを含む。一実施形態では、この処理ツールは、処理チャンバと、処理チャンバ内で基板を支持するためのチャックと、処理チャンバの一部分を形成しているアプリケータフレームとを備える。一実施形態では、このアプリケータフレームは、第1主要面と、第1主要面の反対側の第2主要面と、アプリケータフレームを貫通して延在する複数の貫通孔と、 アプリケータフレームに埋設された複数の横方向チャネルであって、一又は複数の横方向チャネルが貫通孔のうちの少なくとも1つと交差する、複数の横方向チャネルとを、備える。一実施形態では、処理ツールは、モジュール型高周波発出源を更に備える。この高周波源は、複数の高周波発出モジュールを備え、各高周波発出モジュールは、発振モジュールと、発振モジュールに連結されている増幅モジュールと、増幅モジュールに連結されているアプリケータであって、アプリケータフレームの貫通孔のうちの1つの一端を密封する、アプリケータとを、備える。
【0008】
本書に記載の実施形態は、ガス分配アセンブリを含む。一実施形態では、ガス分配アセンブリは、アプリケータフレームと複数のアプリケータとを備える。一実施形態では、アプリケータフレームは、第1主要面と、第1主要面の反対側の第2主要面と、アプリケータフレームを貫通して延在する複数の貫通孔と、アプリケータフレームに埋設された複数の横方向チャネルであって、貫通孔のうちの少なくとも1つと交差する、複数の横方向チャネルとを、備える。一実施形態では、各アプリケータが、複数の貫通孔のうちの1つの第1端部を密封する。
【0009】
上記の要約は、全ての実施形態の網羅的なリストを含むものではない。上記で要約した様々な実施形態の全ての好適な組合せにより実践可能なものだけでなく、以下の「発明を実施するための形態」において開示されている、特に、本出願と共に提出される特許請求の範囲において指摘されている、全てのシステム及び方法が含まれると、想定される。かかる組み合わせは、上記の要約において具体的に列挙されていない特定の利点も有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態による、モジュール型高周波発出源を含む処理ツールの概略図である。
図2A】一実施形態による、フィードバック制御を伴う、固体状態の高周波発出モジュールの概略ブロック図である。
図2B】一実施形態による、複数の発振モジュールとフィードバック制御とを含むモジュール型高周波発出源を有する処理ツールの、電子機器の一部分の概略ブロック図である。
図2C】一実施形態による、複数の発振モジュールを含むモジュール型高周波発出源を有する処理ツールの、電子機器の一部分の概略ブロック図である。
図3】一実施形態による、高周波放射と処理チャンバとを連結するために使用されうる、アプリケータの断面図である。
図4A】一実施形態による、一体化されたガス分配システムを有するアプリケータフレームの平面図である。
図4B】一実施形態による、線B-B’に沿った図4Aのアプリケータフレームの断面図である。
図4C】更なる一実施形態による、B-B’に沿った図4Aのアプリケータフレームの断面図である。
図4D】更なる一実施形態による、B-B’に沿った図4Aのアプリケータフレームの断面図である。
図4E】更なる一実施形態による、B-B’に沿った図4Aのアプリケータフレームの断面図である。
図4F】更なる一実施形態による、単一のチャネルが開口と交差している、一体化されたガス分配システムを有するアプリケータフレームの断面図である。
図4G】一実施形態による、種々のz高さに複数のチャネルがある、一体化されたガス分配システムを有するアプリケータフレームの断面図である。
図4H】更なる一実施形態による、一体化されたガス分配システムを有するアプリケータフレームの断面図である。
図5A】一実施形態による、一体化されたガス分配システムを有するアプリケータフレームを通る開口内に配置されたアプリケータの平面図である。
図5B】一実施形態による、一体化されたガス分配システムを有するアプリケータフレームを通る開口内に配置されたアプリケータの平面図であり、アプリケータフレームの表面に対向するガス分配プレートを更に含む。
図5C】更なる一実施形態による、一体化されたガス分配システムを有するアプリケータフレームを通る開口内に配置されたアプリケータの平面図である。
図6A】一実施形態による、高周波放射と処理チャンバとを連結するために使用されうる、アプリケータのアレイの平面図である。
図6B】更なる一実施形態による、高周波放射と処理チャンバとを連結するために使用されうる、アプリケータのアレイの平面図である。
図6C】一実施形態による、アプリケータのアレイと、プラズマの状態を検出するための複数のセンサとの平面図である。
図6D】一実施形態による、多ゾーン処理ツールの2つのゾーン内に形成されている、アプリケータのアレイの平面図である。
図7】一実施形態による、モジュール型高周波放射源と併せて使用されうる、例示的なコンピュータシステムのブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本書に記載の実施形態によるデバイスは、一体化されたガス分配システムを含むアプリケータフレームと併せて使用される、モジュール型高周波発出源を含む。以下の説明では、実施形態の網羅的な理解を提供するために、多数の具体的な詳細事項が明記される。当業者には、これらの具体的な詳細がなくとも実施形態は実践可能であることが、自明となろう。他の事例では、実施形態が不必要に不明瞭にならないように、周知の態様については詳しく説明しない。更に、添付の図面に示す様々な実施形態は例示的な表現であり、必ずしも縮尺どおりには描かれていないことを、理解されたい。
【0012】
実施形態は、高周波発出モジュールのアレイを備えるモジュール型高周波発出源を含む。一実施形態によれば、各高周波発出モジュールは、発振モジュールと、増幅モジュールと、アプリケータとを備える。一実施形態では、アプリケータは、放射電磁界及び/又はプラズマを生成するために、高周波放射を処理ツール内に連結する。複数の高周波発出モジュールを使用することで、アプリケータが、処理ツールの必要性に合致するように、種々の構成に配置されることが可能になる。一部の実施形態では、アプリケータは、アプリケータフレームを通過している開口内に配置されうる。一実施形態では、アプリケータフレームを通る開口は、一体化されたガス分配システムの一部でありうる。
【0013】
実施形態は、高周波発出モジュールのアレイを備えるモジュール型高周波発出源を含む。本書で使用される場合、「高周波(high-frequency)」電磁放射は、無線周波数(radio frequency)放射、超高周波放射、極超高周波放射、及びマイクロ波放射を含む。「高周波」とは、0.1MHz~300GHzの周波数のことでありうる。一実施形態によれば、各高周波発出モジュールは、発振モジュールと、増幅モジュールと、アプリケータとを備える。一実施形態では、発振モジュール及び増幅モジュールは、全て固体状態電子部品である複数の電気部品を備える。
【0014】
処理チャンバにおいては、処理チャンバ内での適切なガスの分配が必要とされる。典型的には、ガスは、チャンバの上側部分に流し込まれ、ガス分配プレート(シャワーヘッドなど)を用いて分配される。シャワーヘッドは、ガスを流し、望ましいエリア全体に分配するための、チャネルを含む。微小なチャネルは精密に製造される必要があり、これによって、コストは相対的に高くなる。したがって、本書に記載の実施形態は、ガス分配システムをアプリケータフレームと一体化させる。アプリケータフレームは、アプリケータと処理チャンバとを連結するために使用される。一実施形態では、アプリケータフレームは、各アプリケータを収納するための複数の貫通孔を含む。アプリケータにより、貫通孔は部分的に充填されうる。ガスが処理チャンバに入るための垂直経路を提供するために、アプリケータフレームを通る横方向チャネルが開口と交差しうる。したがって、一部の実施形態では、更なる垂直チャネルは省略されうる。更に、ガス分配システムをアプリケータフレームと一体化させることにより、実施形態で、典型的には処理ツールに必要とされる専用のガス分配システムが省略されることが可能になる。
【0015】
例えば、マグネトロンの代わりに固体状態電子機器を使用することで、高周波放射源のサイズ及び複雑性を大幅に低減することが可能になる。詳細には、固体状態部品は、上述のマグネトロンハードウェアよりもずっと小型である。加えて、固体状態部品を使用することで、高周波放射を処理チャンバに伝送するのに必要な、場所を取る導波管をなくすことが可能になる。その代わりに、高周波放射は、同軸配線を用いて伝送されうる。導波管をなくすことで、大面積のモジュール型高周波発出源を構築することも可能になり、この場合、形成されるプラズマのサイズが導波管のサイズによって制限されなくなる。代わりに、高周波発出モジュールのアレイは、いかなる基板形状にも合致する、思い通りに大きな(かつ思い通りの形状の)プラズマの形成を可能にする、所与のパターンに構築されうる。更に、アプリケータの断面形状は、アプリケータのアレイが、可能な限り密に、ひとまとめにパッキングされうるように選ばれうる(すなわち最密アレイ)。
【0016】
高周波発出モジュールのアレイを使用することで、各高周波発出モジュール向けの増幅モジュールの電力設定を個別に変更することによって放射電磁界及び/又はプラズマ密度を局所的に変更する能力における、より大きなフレキシビリティも提供される。これにより、放射電磁界曝露及び/又はプラズマ処理における均一性の最適化(例えば、ウエハエッジ効果に関して行われる調整、入ってくるウエハの不均一性に関して行われる調整など)が可能となり、また、設計的な補償を行うために不均一性が必要とされる処理システム(例えば、いくつかの処理チャンバにおいて回転するウエハの不均一な半径方向速度に適応するために不均一性が必要とされる処理システム)について放射電磁界曝露及び/又はプラズマ密度を調整する能力が可能になる。
【0017】
更なる実施形態は、放射電磁界及び/又はプラズマをモニタする一又は複数のセンサも含みうる。かかる実施形態により、プラズマの密度、電界強度、又は他の任意のプラズマ特性若しくは放射電磁界特性を各アプリケータによって局所的に測定するため、及び、この測定をフィードバックループの一部として使用して各高周波発出モジュールに印加される電力を制御するための、方策がもたらされる。したがって、各高周波発出モジュールが個別のフィードバックを有しうる。又は、アレイの中の高周波発出モジュールのサブセットが、制御ゾーンごとにグループ化されてよく、この場合、フィードバックループは、ゾーン内の高周波発出モジュールのサブセットを制御する。
【0018】
高周波発出モジュールを個別に使用することで、放射電磁界及び/又はプラズマのチューニング可能性が強化されることに加えて、既存の放射源及び/又はプラズマ源において現在使用可能なものよりも高い、電力密度が提供される。例えば、高周波発出モジュールにより、典型的なRFプラズマ処理システムのおよそ5倍かそれを上回る、電力密度が可能になりうる。例えば、プラズマ化学気相堆積プロセスでの典型的な電力は、およそ3,000Wであり、300mm直径のウエハにおよそ4W/cmの電力密度を提供する。これに対して、実施形態による高周波発出モジュールは、およそ1のアプリケータパッキング密度でおよそ24W/cmの電力密度を提供するために、300Wの電力増幅器を、4cm直径のアプリケータと共に使用しうる。1/3のアプリケータパッキング密度で、かつ1000Wの電力増幅器を使用すると、27W/cmの電力密度が提供される。1のアプリケータパッキング密度で、かつ1000Wの電力増幅器を使用すると、80W/cmの電力密度が提供される。
【0019】
高周波放射源及び/又はプラズマ(マイクロ波プラズマなど)を作り出すための一般的なアプローチは、単一の発振モジュール、並びに、高周波エネルギーと基板とを結合するため、及び/又は、プラズマを形成する場合には高周波エネルギーとプロセスガスとを結合するための、単一の電極又はアプリケータの使用を伴う。しかし、複数の電極/アプリケータ構造体を、この複数の電極/アプリケータの各々に電力供給するために分岐している単一の発振モジュールと共に使用することには、欠点がある。詳細には、電磁放射が単一の発振モジュールによって生成されることにより、各アプリケータが発出する電磁放射が互いに同じ周波数に、かつ決まった位相になるので、干渉縞が必然的に生じることになる。この干渉縞により、不均一な放射電磁界及び/又はプラズマをもたらす、局所的な最大値及び最小値が発生する。
【0020】
したがって、実施形態は高周波発出モジュールのアレイを含み、各高周波発出モジュールは専用の発振モジュールを有する。複数の発振モジュールが使用される場合、第1発振モジュールによって生成される電磁放射は、第2発振モジュールによって生成される電磁放射に干渉しないことがある。なぜなら、第1と第2の発振モジュールは、同じ周波数であるわけでもなく、それらの間に制御された位相差があるわけでもないことがあるからである。プラズマが形成される実施形態では、干渉縞は存在しないので、プラズマの均一性が向上する。同様に、プラズマが形成されない(例えばマイクロ波加熱又はマイクロ波硬化の)場合、干渉縞は回避され、一実施形態では、基板のより均一な加熱又は硬化が得られる。更なる一実施形態では、単一の発振モジュールが、2つ以上の(ただし全てではない)高周波発出モジュールの間で共有されうる。かかる実施形態では、同一の発振モジュールを共有する複数の高周波発出モジュールは、位相ロック型(phaselocked)高周波発出モジュールと称されうる。
【0021】
ここで図1を参照するに、一実施形態による、遠隔プラズマ処理ツール100の断面図が示されている。一部の実施形態では、処理ツール100は、プラズマを利用する任意の種類の処理工程に適した処理ツールでありうる。例えば、処理ツール100は、プラズマ化学気相堆積(PECVD)、プラズマ原子層堆積(PEALD)、エッチング及び選択的除去のプロセス、並びにプラズマ洗浄に使用される、処理ツールでありうる。
【0022】
通常、実施形態は、チャンバ178を含む処理ツール100を含む。処理ツール100において、チャンバ178は真空チャンバでありうる。真空チャンバは、チャンバからガスを除去して望ましい減圧を提供するための、ポンプ(図示せず)を含みうる。更なる実施形態は、チャンバ178内に処理ガスを提供するための一又は複数のガスライン170と、チャンバ178から副生成物を除去するための排気ライン172とを含む、チャンバ178を含みうる。更なる一実施形態では、チャンバ178は、圧力を1気圧以上に維持するための、圧力容器でありうる。図示していないが、処理ツール100は、処理ガスを基板174全体に均一に分配するためのシャワーヘッドを含みうることを、認識されたい。一部の実施形態では、処理ツール100は、オプションで、チャンバを含まないことがある(すなわち、処理ツール100は無チャンバ型処理ツールでありうる)。
【0023】
一実施形態では、基板174は、チャック176上に支持されうる。例えば、チャック176は、静電チャックなどの任意の好適なチャックでありうる。このチャックは、処理中に基板174の温度制御を行うための、冷却ライン及び/又はヒータも含みうる。本書に記載の高周波発出モジュールがモジュール型構成であることにより、実施形態は、処理ツール100が任意のサイズの基板174に適応することを可能にする。例えば、基板174は、半導体ウエハ(例えば200mm、300mm、又は450mm以上)でありうる。代替的な実施形態は、半導体ウエハ以外の基板174も含む。例えば、実施形態は、(例えばディスプレイテクノロジー向けの)ガラス基板を処理するよう構成された、処理ツール100を含みうる。
【0024】
一実施形態によれば、処理ツール100は、モジュール型高周波発出源104を含む。モジュール型高周波発出源104は、高周波発出モジュール105のアレイを備えうる。一実施形態では、各高周波発出モジュール105は、発振モジュール106と、増幅モジュール130と、アプリケータ142とを含みうる。一実施形態では、発振モジュール106及び増幅モジュール130は、固体状態電気部品である電気部品を備えうる。一実施形態では、複数の発振モジュール106の各々は、別個の増幅モジュール130に通信可能に連結されうる。一部の実施形態では、発振モジュール106と増幅モジュール130との間には1:1の比率がありうる。例えば、各発振モジュール106は、単一の増幅モジュール130に電気的に連結されうる。一実施形態では、複数の発振モジュール106は、1を上回る数の周波数における、制御された位相関係を有さない電磁放射を生成しうる。したがって、チャンバ178内で誘起される電磁放射が、望ましくない干渉縞をもたらす様態で相互作用することはない。
【0025】
一実施形態では、各発振モジュール106は電磁放射を生成し、この電磁放射が増幅モジュール130に伝送される。電磁放射は、増幅モジュール130によって処理された後に、アプリケータ142に伝送される。一実施形態によれば、アプリケータ142のアレイは、チャンバ178に連結され、アプリケータフレーム150上に、アプリケータフレーム150内に、又はアプリケータフレーム150を通って配置される。一実施形態では、アプリケータ142は各々、チャンバ178内に電磁放射を発出するためのアンテナとして機能する。一部の実施形態では、アプリケータ142は、プラズマを発生させるために、チャンバ178内で電磁放射と処理ガスとを結合させる。
【0026】
ここで図2Aを参照するに、一実施形態による、モジュール型高周波発出源104の高周波発出モジュール105における電子機器の概略ブロック図が示されている。一実施形態では、各発振モジュール106は、望ましい周波数の高周波電磁放射を発生させるように電圧被制御発振器20に入力電圧を提供するための、電圧制御回路10を含む。実施形態は、およそ1V~10VDCの入力電圧を含みうる。電圧被制御発振器20は電子発振器であり、その発振周波数は入力電圧によって制御される。一実施形態によれば、電圧制御回路10からの入力電圧により、電圧被制御発振器20は望ましい周波数で発振することになる。一実施形態では、高周波電磁放射は、およそ0.1MHz~30MHzの周波数を有しうる。一実施形態では、高周波電磁放射は、およそ30MHz~300MHzの周波数を有しうる。一実施形態では、高周波電磁放射は、およそ300MHz~1GHzの周波数を有しうる。一実施形態では、高周波電磁放射は、およそ1GHz~300GHzの周波数を有しうる。一実施形態では、複数の発振モジュール106のうちの一又は複数は、別の周波数で電磁放射を発出しうる。
【0027】
一実施形態によれば、電磁放射は、電圧被制御発振器120から増幅モジュール130に伝送される。増幅モジュール130は、ドライバ/前置増幅器234と、主電力増幅器236であって、その各々が電力供給源239に連結されている主電力増幅器236とを含みうる。一実施形態によれば、増幅モジュール130はパルスモードで動作しうる。例えば、増幅モジュール130は、1%~99%のデューティサイクルを有しうる。より詳細な実施形態では、増幅モジュール130は、およそ15%~50%のデューティサイクルを有しうる。
【0028】
一実施形態では、電磁放射は、増幅モジュール130によって処理された後に、アプリケータ142に伝送されうる。しかし、出力インピーダンスの不整合により、アプリケータ142に伝送される電力の一部が反射されうる。したがって、一部の実施形態は、順方向電力283及び反射電力282のレベルを感知し、制御回路モジュール221にフィードバックすることを可能にする、検出モジュール281を含む。検出モジュール281は、システム内の一又は複数の別々の場所に配置されうることを、認識されたい。一実施形態では、制御回路モジュール221は、順方向電力283及び反射電力22をインタープリット(interprets)し、かつ、発振モジュール106と通信可能に連結されている制御信号285のレベル、及び、増幅モジュール130と通信可能に連結されている制御信号286のレベルを決定する。一実施形態では、制御信号285は、増幅モジュール130に結合される高周波放射を最適化するよう、発振モジュール106を調整する。一実施形態では、制御信号286は、アプリケータ142に連結される出力電力を最適化するよう、増幅モジュール130を調整する。一実施形態では、発振モジュール106及び増幅モジュール130のフィードバック制御により、反射電力のレベルが順方向電力のおよそ5%を下回ることが可能になりうる。一部の実施形態では、発振モジュール106及び増幅モジュール130のフィードバック制御により、反射電力のレベルが順方向電力のおよそ2%を下回ることも可能になりうる。
【0029】
したがって、実施形態により、処理チャンバ178内に連結される順方向電力のパーセンテージの増大、及び、プラズマに結合される使用可能電力の増大が、可能になる。更に、フィードバック制御を使用するインピーダンスチューニングは、典型的なスロットプレートアンテナにおけるインピーダンスチューニングよりも優れている。スロットプレートアンテナでは、インピーダンスチューニングは、アプリケータ内に形成された2つの誘電体スラグを移動させることを伴う。これはアプリケータ内の2つの別個の構成要素の機械的運動を伴い、これにより、アプリケータの複雑性が増大する。更に、この機械的運動は、電圧被制御発振器20によって提供されうる周波数の変化ほどには精密ではないことがある。
【0030】
ここで図2Bを参照するに、一実施形態による、高周波発出モジュール105のアレイを有する、モジュール型高周波発出源104の固体状態電子機器の一部分の概略図が示されている。図示している実施形態では、各高周波発出モジュール105は、別個の増幅モジュール130に通信可能に連結されている、1つの発振モジュール106を含む。増幅モジュール130の各々は、別々のアプリケータ142に連結されうる。一実施形態では、制御回路モジュール221は、発振モジュール106及び増幅モジュール130に通信可能に連結されうる。
【0031】
図示している実施形態では、発振モジュール106及び増幅モジュール130の各々は、単一の基板290(プリント基板(PCB)など)上に形成される。しかし、発振モジュール106及び増幅モジュール130は、2つ以上の別々の基板290の上にも形成されうることを、認識されたい。図示している実施形態では、4つの高周波発出モジュール105が示されている。しかし、モジュール型高周波発出源104は、2つ以上の高周波発出モジュール105を含みうることを、認識されたい。例えば、モジュール型高周波発出源104は、2つ以上の高周波発出モジュール、5つ以上の高周波発出モジュール、10以上の高周波発出モジュール、又は25以上の高周波発出モジュールを含みうる。
【0032】
ここで図2Cを参照するに、一実施形態による、高周波発出モジュール105のアレイを有する、モジュール型高周波発出源104の固体状態電子機器の一部分の概略図が示されている。図2Cは、制御回路が省略されていることを除けば、図2Bに示したシステムと実質的に類似している。詳細には、一部の実施形態では、検出器によって提供されるフィードバック制御、及び制御回路は必要ではないことがある。
【0033】
ここで図3を参照するに、一実施形態による、アプリケータ142の切り欠き図が示されている。一実施形態では、電磁放射は、アプリケータ142を通って軸方向に延在する単極子367に連結している同軸ケーブル361によって、アプリケータ142に伝送される。電磁放射が高周波放射である一実施形態では、単極子367は、誘電体共振キャビティ363の中央内部に形成されたチャネル368内に延在していることもある。誘電体共振キャビティ363は、誘電体材料(例えば石英、酸化アルミニウム、酸化チタンなど)でありうる。更なる実施形態は、材料を含まない共振キャビティ363を含むこともある(すなわち、誘電体共振キャビティ363は空気又は真空でありうる)。一実施形態によれば、この誘電体共振器は、誘電体共振器が高周波放射の共振をサポートするように寸法設定される。通常、誘電体共振キャビティ363のサイズは、誘電体共振キャビティ363を形成するのに使用される材料の誘電率、及び高周波放射の周波数に依拠する。例えば、誘電率が高い材料であれば、形成される共振キャビティ363の小型化が可能になる。誘電体共振キャビティ363が円形断面を含む一実施形態では、誘電体共振キャビティ363の直径は、およそ1cm~15cmになりうる。一実施形態では、単極子367に対して垂直な平面に沿った誘電体共振キャビティ363の断面は、誘電体共振キャビティ363が共振をサポートするよう寸法設定されている限り、任意の形状でありうる。図示している実施形態では、単極子367に対して垂直な平面に沿った断面は円形であるが、多角形(例えば三角形や長方形など)、対称多角形(例えば正方形、五角形、六角形など)、楕円形等といった、他の形状も使用されうる。
【0034】
一実施形態では、誘電体共振キャビティ363の断面は、単極子367に対して垂直な全ての平面において同じではないことがある。例えば、アプリケータハウジング365の開放端部に近い底部拡張部の断面は、チャネル368に近い誘電体共振キャビティの断面よりも広くなる。誘電体共振キャビティ363は、種々の寸法の断面を有することに加えて、種々の形状の断面を有しうる。例えば、誘電体共振キャビティ363のチャネル368に近い部分が円形形状の断面を有しうる一方で、誘電体共振キャビティ363のアプリケータハウジング365の開放端部に近い部分は、対称多角形(例えば五角形や六角形など)でありうる。しかし、実施形態は、単極子367に対して垂直な全ての平面において均一な断面を有する誘電体共振キャビティ363も含みうることを、認識されたい。
【0035】
一実施形態によれば、アプリケータ142は、インピーダンスチューニングバックショート366も含みうる。バックショート366は、アプリケータハウジング365の外表面上で摺動する、変位可能型包囲体(displaceable enclosure)でありうる。インピーダンスの調整が行われる必要がある場合、アクチュエータ(図示せず)が、バックショート366の表面と誘電体共振キャビティ363の上面との間の距離Dを変化させるよう、アプリケータハウジング365の外表面に沿ってバックショート366を摺動させうる。これにより、実施形態は、システム内のインピーダンスを調整するための、1を上回る数の方策を提供する。一実施形態によれば、インピーダンスチューニングバックショート366は、インピーダンス不整合に対応するために、上述したフィードバックプロセスと併せて使用されうる。あるいは、インピーダンス不整合を調整するために、フィードバックプロセス又はインピーダンスチューニングバックショート36が独立的に使用されうる。
【0036】
一実施形態によれば、アプリケータ142は、高周波電磁界を処理チャンバ178内に直接連結させる、誘電体アンテナとして機能する。誘電体共振キャビティ363に入っている単極子367の特定の軸方向配置により、TM01δモード励起が発生しうる。しかし、種々のアプリケータ構成により、種々のモードの励起が可能になりうる。例えば、図3ではある軸方向配置を図示しているが、単極子367は、それ以外の配向からも誘電体共振キャビティ363に入りうることを、認識されたい。かかる一実施形態では、単極子367は、誘電体共振キャビティ363に横方向に(すなわち、誘電体共振キャビティ363の側壁を通って)入りうる。
【0037】
図3に示しているアプリケータ142は本来例示的なものであり、実施形態は説明されている設計に限定されるわけではないことを、認識されたい。例えば、図3のアプリケータ142は、マイクロ波放射を発出することに特に適している。しかし、実施形態は、任意の高周波電磁放射を発出するよう構成されている、任意のアプリケータ設計を含みうる。
【0038】
ここで図4Aを参照するに、一実施形態による、アプリケータフレーム150の一部分の平面図が示されている。一実施形態では、アプリケータフレーム150は、モノリス(monolithic)層でありうるか、又は1を上回る数の材料の複合物でありうる。例えば、アプリケータフレームは導電性材料と誘電体材料とを含みうる。一実施形態では、導電性材料が接地されうる。
【0039】
一実施形態では、アプリケータフレーム150は、アプリケータフレーム150を貫通している複数の開口452を含みうる。一実施形態では、開口452は各々、直径がより大きな凹部451と同心円をなしうる。凹部451は、アプリケータフレーム150に形成されるが、アプリケータフレーム150を貫通するわけではない。図示している実施形態では、開口452及び凹部451は実質的に円形である。しかし、開口452及び凹部451の断面は任意の形状でありうること、及び、開口452と凹部451の断面形状が合致する必要はないことを、認識されたい。一実施形態では、開口452及び凹部451は、開口452及び凹部451の中に設置されるアプリケータ142の形状に、実質的に合致する。更に、開口452及び凹部451は、任意の望ましいパターンに配置されうる。開口452及び凹部451が形成されうるパターンの例については、図6Aから図6Dに関連してより詳細に後述する。
【0040】
一実施形態では、実質的に横方向の複数のチャネル453を備えるガス分配システムが、アプリケータフレーム150と一体化される。横方向チャネル453は、それらがアプリケータフレーム150に埋設されていることを示すために、図4Aでは点線で示されている。一実施形態では、横方向チャネル453は、アプリケータフレーム150を通じて一又は複数のガスを分配するために使用されうる。一実施形態では、アプリケータフレーム150のエッジにある入口(図示せず)が、横方向チャネル453と一又は複数のガス源とを流体連結する。
【0041】
一実施形態では、ガスは、貫通孔452においてアプリケータフレーム150から出る。例えば、一又は複数の横方向チャネル453は、貫通孔452と交差しうる。アプリケータ142が貫通孔452内に設置されると、より詳細に後述するように、開口の上側部分が密封され、ガスは、アプリケータフレーム150から、貫通孔452の底面の外に出ることになる。図4Aでは、横方向チャネル453の単純化された図を示している。しかし、横方向チャネル453は、(例えば、任意の数の異なるガスのための個別経路を提供するための)任意の数の経路を含みうることを、認識されたい。
【0042】
ここで図4Bを参照するに、一実施形態による、図4Aの線B-B’に沿ったアプリケータフレーム150の断面図が示されている。図4Bでは、アプリケータフレーム150は、第1材料層150と第2材料層150とを含む、複合構成要素として示されている。一実施形態では、第1材料層150は、導電性材料であってよく、かつ接地されうる。一実施形態では、第2材料層150は誘電体材料でありうる。
【0043】
一実施形態では、凹部451は、アプリケータフレームの第1主要面457に形成されてよく、棚状面456で終端しうる。一実施形態では、開口452は、アプリケータフレーム150を貫通して延在しうる。例えば、図示している実施形態では、側壁495を有する開口452は、棚状面456から第2主要面458まで延在する。凹部451を省略する実施形態では、開口452は、第1主要面457から第2主要面458まで延在しうる。
【0044】
一実施形態では、第1主要面457はチャンバ178の外部にあってよく、第2主要面458はチャンバ内部に面していることがある。例えば、アプリケータフレーム150がチャンバリッドの一部分を形成している場合、第1主要面457はリッドの外側部分であってよく、第2主要面58はリッドの内側部分でありうる。同様に、アプリケータフレーム150がチャンバ側壁の一部分を形成している場合、第1主要面457はチャンバ側壁の外側部分であってよく、第2主要面58はチャンバ側壁の内側部分でありうる。
【0045】
一実施形態では、一又は複数の横方向チャネル453は、開口452の側壁459と交差しうる。図示している実施形態では、第1横方向チャネル453及び第2横方向チャネル453が、開口452と交差している。そのため、チャネル453及び453は、矢印で示しているように、開口452においてアプリケータフレーム150から出る処理ガスを供給しうる一実施形態では、第1横方向チャネル453と第2横方向チャネル453は、一又は複数の同じ処理ガスを開口452に供給する。更なる一実施形態では、第1横方向チャネル453と第2横方向チャネル453とは、別々の処理ガスを開口452に供給する。一実施形態では、横方向チャネル453及び453は、多層のアプリケータフレーム150の1つの層内に形成されうる。
【0046】
図4Cに示している更なる一実施形態では、横方向チャネル453は、アプリケータフレーム150の2つの材料層の間の接合境界に形成されうる。例えば、図4Cでは、第1と第2の横方向チャネル453及び453は、第1材料層150と第2材料層150との間に形成される。一実施形態では、第1及び第2の材料層150及び150は導電性材料であってよく、第3材料層150は誘電体材料でありうる。一部の実施形態では、複数の材料層150A~Cのうちの1つは接地導体でありうる。
【0047】
ここで図4Dを参照するに、更なる一実施形態による、アプリケータフレーム150の断面図が示されている。図4Dでは、アプリケータフレーム150は、第1誘電体層150と第2誘電体層150とを備える一実施形態では、導電性材料層150が、第1誘電体層150と第2誘電体層150との間に形成されうる。一実施形態では、導電性材料150は接地されうる。一実施形態では、接地導体は、導電性メッシュ、プレート、又は他の任意の好適な接地基準でありうる。
【0048】
ここで図4Eを参照するに、更なる一実施形態による、アプリケータフレーム150の断面図が示されている。図4Eでは、アプリケータフレーム150は、第1導電層150と第2導電層150とを備える一実施形態では、誘電体層150が、第1と第2の導電層150と150とを分離させうる。
【0049】
図4Bから図4Eに示しているアプリケータフレームは本来例示的なものであることを、認識されたい。例えば、アプリケータフレーム150は、任意の数の層を備え、かつ任意の数の異なる材料を含みうる。一実施形態では、アプリケータフレームは、接地層と誘電体層とを備えうる。一実施形態では、アプリケータフレームは接地層だけを備えうる。一部の実施形態では、アプリケータフレーム150は、金属、半導体、誘電体などのうちの一又は複数を含みうる。例えば、アプリケータフレーム150は、アルミニウム、シリコン、及び石英のうちの一又は複数を含みうる。
【0050】
図4Bから図4Eには、開口452と交差している2つのチャネル453及び453が示されているが、任意の数のチャネル453が開口452と交差しうることを、認識されたい。例えば、図4Fには、一実施形態による、開口452と交差している単一のチャネル453を有するアプリケータフレーム150の断面図が示されている。一実施形態では、アプリケータフレーム150の全部の開口452に、少なくとも1つのチャネル453が交差しうる。更なる実施形態は、全ての開口452にチャネル453が交差するわけではない、アプリケータフレーム150を含みうる。
【0051】
チャネル453内を流れるガスの出口路として開口452を使用することで、アプリケータフレームの製造上複雑性が減少する。詳細には、開口452はアプリケータ142と処理チャンバ178とを連結するために既に必要とされているので、垂直出口経路(点線で示している)は既に存在しており、横方向チャネルを製造することだけが必要になる。したがって、一部の実施形態では、ガス分配システムに更なる垂直チャネルは必要なくなる。
【0052】
本書で使用される場合、「横方向チャネル(lateral channel)」は、主要面457又は458に実質的に平行に通っているチャネルのことである。例えば、非平面のアプリケータフレーム(例えばドーム状、円筒形など)では、横方向チャネルは、アプリケータフレーム150の外形に合致しうる。ドーム状のアプリケータフレームという特定の例では、横方向チャネルは、ドーム状の外形に沿い、湾曲した経路を有しうる。一実施形態では、横方向チャネルは、横方向チャネルの長さ全体にわたって、主要面457と458の一方から実質的に同じ距離だけ離間していることがある。一部の実施形態では、横方向チャネルはプレナムのことでありうる。
【0053】
ここで図4Gを参照するに、別の実施形態による、埋設されたチャネルを備える一体化されたガス分配システムを有する、アプリケータフレーム150の断面図が示されている。図示している実施形態では、ガス分配システムは、アプリケータフレーム150の1を上回る数のz高さにおいて形成されている、複数の横方向チャネル53を含む。本書で使用される場合、z高さとは、図における垂直寸法のことである。例えば、第1及び第2のチャネル453及び453は第1のz高さにおいて形成されてよく、第3チャネル453は第2のz高さにおいて形成されている。一実施形態では、第1のz高さにの一又は複数のチャネル453(例えば453と453)が、第2のz高さの一又は複数のチャネル(例えば453)と同じ開口42と交差しうる。したがって、点線の矢印で示しているように、種々のz高さのチャネル453が、アプリケータフレームからの同じ出口路を共有しうる。
【0054】
ここで図4Hを参照するに、更なる一実施形態による、埋設されたチャネルを備える一体化されたガス分配システムを有する、アプリケータフレームの断面図が示されている。図示している実施形態では、アプリケータフレームは、開口452と交差する横方向区域だけを備える第1チャネル53及び53と、横方向部分と垂直部分とを含む第2チャネル54及び54とを、含む。かかる一実施形態は、開口452の数及び/又は場所が望ましいガス分配を得るのに十分なカバレッジ(coverage)を提供しない場合には、有利でありうる。図示している実施形態では、第1チャネル53は全て同じz高さにあり、第2チャネル54は全て同じz高さにある。しかし、一部の実施形態では、横方向部分だけを有する第1チャネル53と、横方向部分及び垂直部分を有する第2チャネル54とは、実質的に同じz高さにおいて形成されうることを、認識されたい。
【0055】
ここで図5A-5Cを参照するに、一実施形態による、アプリケータ12を支持するアプリケータフレーム150の断面図が示されている。図5Aでは、アプリケータ142が開口452内に設置されている。アプリケータ142の一部分は、凹部451によって形成された段差面456に支持される。一実施形態では、アプリケータ142は、Oリング591などによって段差面456から分離されうる。一実施形態では、装着ハードウェアによってアプリケータ142に圧力が印加される結果として、アプリケータ142がOリング591を押圧しうる。例えば、装着ハードウェアは、ブラケット590及びファスナ(ボルトやピンなど)592を含みうる。装着ハードウェアは任意の形態をとってよく、実施形態は、本書で示している実施形態によって限定されるわけではないことを、認識されたい。押圧された密封部材591が開口452の上端を閉鎖することにより、チャネル453及び453内を流れるガスは、開口452の底部端から出てチャンバ178に入ることになる。
【0056】
一実施形態では、アプリケータ142の一部分は、開口452内へ、下方に延在する。アプリケータ142の少なくとも一部分の幅は、開口452の幅を下回る。そのため、開口の側壁459とアプリケータ142の側壁との間に、間隙Gが形成される。間隙Gは、チャネルからのガスが開口452の底部から出る、望ましい流れを提供するのに十分なものでありうる。一実施形態では、アプリケータ142の底面は、アプリケータフレーム150の第2主要面458と実質的に同一平面になる。一実施形態では、アプリケータ142の底面は、第2主要面58を越えて延在する。一実施形態では、アプリケータ142の底面は開口452から出ない。
【0057】
ここで図5Bを参照するに、一実施形態による、アプリケータ142を支持しており、かつガス分配プレート596の近くにある、アプリケータフレーム150の断面図が示されている。一実施形態では、ガス分配プレート596は、第2主要面458から離間していることがある。一実施形態では、ガス分配プレート596と第2主要面458との間のスペースは、この2つの構成要素の間でプラズマを形成するのに十分なものでありうる。
【0058】
一実施形態では、ガス分配プレートは、第1の点線の矢印で示しているように第2主要面458からガス分配プレート596を通ってガスが流れることを可能にするために、ガス分配プレートを貫通する開口597を有しうる。一実施形態では、ガス分配プレート596は、処理空間に第2ガスを注入するために、内部ガス分配ネットワークも含みうる。例えば、ガス分配プレート596は、第2の点線の矢印で示しているように、ガス分配プレートの中のプレナム内を流れる第2ガスを処理空間に注入することを可能にするための、複数の出口598を含みうる。一実施形態では、ガス分配プレート596は、任意の数のチャネル及び/又は入口と出口を備えうる。アプリケータフレームの外部でガス分配プレートを使用することで、チャンバ178内へのガス流の制御における、更なるフレキシビリティが提供されうる。
【0059】
ここで図5Cを参照するに、更なる一実施形態による、アプリケータを支持しているアプリケータフレーム150の断面図が示されている。図示している実施形態では、アプリケータフレーム150は、凹部を伴わない開口452を備える。かかる実施形態では、アプリケータ142の一部分が、アプリケータフレーム150の第1主要面457に支持されうる。例えば、密封リング591が、第1主要面457と直接接触していることがある。実施形態は、アプリケータ142を支持するいかなる構成にも限定されるわけではないことを、認識されたい。実施形態は、チャネルがアプリケータフレーム150を通る開口と交差し、開口の一端が、少なくとも部分的に、アプリケータ142によって密封される、全ての構成を含む。
【0060】
図6Aでは、アレイ140のアプリケータ142は、基板174の中心から外側に延在している一連の同心リング状に、ひとまとめにパッキングされている。しかし、実施形態はかかる構成に限定されるわけではなく、処理ツール100の必要性に応じて、任意の好適な間隔及び/又はパターンが使用されうる。更に、実施形態により、上述したような、任意の対称断面を有するアプリケータ142が可能になる。したがって、アプリケータ向けに選ばれる断面形状は、パッキング効率を向上させるよう選ばれうる。
【0061】
ここで図6Bを参照するに、一実施形態による、非円形断面を有するアプリケータ142のアレイ140の平面図が示されている。図示している実施形態は、六角形の断面を有するアプリケータ142を含む。かかるアプリケータを使用することで、パッキング効率の向上が可能になりうる。各アプリケータ142の周縁が、隣り合ったアプリケータ142とほぼ完全に接合しうるからである。したがって、アプリケータ142の各々同士の間の間隔が最小化されうることから、プラズマの均一性がより一層向上しうる。図4Bは、側壁面を共有している隣り合った複数のアプリケータ142を示しているが、実施形態は、隣り合ったアプリケータ142同士の間に間隔を含む、対称的に成形された非円形のアプリケータも含みうることを、認識されたい。
【0062】
ここで図6Cを参照するに、一実施形態による、アプリケータ142のアレイ140の更なる平面図が示されている。図4Cのアレイ140は、複数のセンサ690も含まれていることを除けば、図4Aに関連して上述したアレイ140に実質的に類似している。複数のセンサにより、モジュール型高周波源10の各々の更なるフィードバック制御を提供するために使用されうる、プロセスモニタ能力が向上する。一実施形態では、センサ690は、一又は複数の異なるセンサタイプ690(例えばプラズマ密度センサ、プラズマ発出センサ、放射電磁界密度センサ、放射発出センサなど)を含みうる。センサを基板174の表面全体にわたるように配置することで、処理チャンバ178の所与の場所における放射電磁界及び/又はプラズマの特性をモニタすることが可能になる。
【0063】
一実施形態によれば、全部のアプリケータ142が、別個のセンサ690と対にされうる。かかる実施形態では、各センサ690からの出力が、そのセンサ690が対にされているアプリケータ142のそれぞれにフィードバック制御を提供するために使用されうる。更なる実施形態は、各センサ690と複数のアプリケータ142とを対にすることを含みうる。例えば、各センサ690は、そのセンサ690の近くに配置されている複数のアプリケータ142に、フィードバック制御を提供しうる。更に別の実施形態では、複数のセンサ690からのフィードバックが、多入力多出力(MIMO)制御システムの一部として使用されうる。かかる一実施形態では、各アプリケータ142は、複数のセンサ690からのフィードバックに基づいて調整されうる。例えば、第1アプリケータ142の直近にある第1センサ690は、第1センサ690よりも第1アプリケータ142から遠くに配置されている第2センサ690が第1アプリケータ142に作用させる制御作動力(control effort)を上回る制御作動力を、第1アプリケータ142に提供するよう、重み付けされうる。
【0064】
ここで図6Dを参照するに、一実施形態による、多ゾーン処理ツール100内に配置されたアプリケータ142のアレイ140の更なる平面図が示されている。一実施形態では、多ゾーン処理ツール100は任意の数のゾーンを含みうる。例えば、図示している実施形態はゾーン675~675を含む。各ゾーン675は、種々のゾーン675を通って回転する基板174に、別々の処理動作を実施するよう構成されうる。図示しているように、第1アレイ140はゾーン675内に配置され、第2アレイ140はゾーン675内に配置されている。しかし、実施形態は、デバイスの必要性に応じて種々のゾーン675のうちの一又は複数にアプリケータ142のアレイ140を有する、多ゾーン処理ツール100を含みうる。実施形態によって提供される、空間的にチューニング可能なプラズマ及び/又は放射電磁界の密度により、回転する基板174が種々のゾーン675を通過する際の、基板174の不均一な径方向速度に適応することが可能になる。
【0065】
一実施形態では、発振モジュール106とアプリケータ142との比率は1:1でありうる(すなわち、全部のアプリケータ142が別個の発振モジュール106に連結される)。更なる実施形態では、発振モジュール106とアプリケータ142との比率は、1:2、1:3、1:4などでありうる。例えば、アプリケータの2つのアレイ140及び140を含む実施形態では、各発振モジュール106が、第1アレイ140の第1アプリケータ142、及び第2アレイ140の第2アプリケータ142に連結されうる。
【0066】
ここで図7を参照するに、一実施形態による、処理ツール100の例示的なコンピュータシステム760のブロック図が示されている。一実施形態では、コンピュータシステム760は、処理ツール100に連結され、かつ、処理ツール100における処理を制御する。コンピュータシステム760は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、イントラネット、エクストラネット、又はインターネットにおいて、他の機械に接続(例えば、他の機械とネットワーク化)されうる。コンピュータシステム760は、クライアント-サーバネットワーク環境においてはサーバ若しくはクライアントマシンの役割で、又は、ピアツーピア(若しくは分散型)ネットワーク環境においてはピアマシンとして、動作しうる。コンピュータシステム760は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、セットトップボックス(STB)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、携帯電話、ウェブアプライアンス、サーバ、ネットワークルータ、スイッチ若しくはブリッジでありうるか、又は、任意の機械であって、その機械によって行われるアクションを特定する(連続した又は別様な)命令セットを実行可能な機械でありうる。更に、コンピュータシステム760として単一の機械のみを示しているが、「機械(machine)」という語は、本書に記載の方法のうちの一又は複数の任意のものを実施するために、命令セット(又は複数の命令セット)を個別に又は連携的に実行する機械(コンピュータなど)の任意の集合体を含むとも、解釈すべきである。
【0067】
コンピュータシステム760は、命令が記憶されている非一過性の機械可読媒体を有する、コンピュータプログラム製品又はソフトウェア722を含んでよく、命令は、実施形態によるプロセスを実施するコンピュータシステム760(又はその他の電子デバイス)をプログラムするために使用されうる。機械可読媒体は、機械(コンピュータなど)が可読な形態で情報を記憶又は伝送するための、任意の機構を含む。例えば、機械可読(例えばコンピュータ可読)媒体は、機械(コンピュータなど)が可読な記憶媒体(例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイスなど)や、機械(コンピュータなど)が可読な伝送媒体(電気的形態、光学的形態、音響的形態、又はその他の形態の、例えば赤外信号やデジタル信号といった伝播信号)等を、含む。
【0068】
一実施形態では、コンピュータシステム760は、バス730を介して互いに通信する、システムプロセッサ702と、メインメモリ704(例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、シンクロナスDRAM(SDRAM)又はランバスDRAM(RDRAM)といったダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)など)と、スタティックメモリ706(例えばフラッシュメモリやスタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)など)と、二次メモリ718(データ記憶デバイスなど)とを、含む。
【0069】
システムプロセッサ702は、一又は複数の汎用処理デバイス(例えばマイクロシステムプロセッサや中央処理装置など)のことである。より詳細には、システムプロセッサは、複合命令セット演算(CISC)マイクロシステムプロセッサ、縮小命令セット演算(RISC)マイクロシステムプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロシステムプロセッサ、その他の命令セットを実装するシステムプロセッサ、又は、命令セットの組み合わせを実装するシステムプロセッサでありうる。システムプロセッサ702は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号システムプロセッサ(DSP)、ネットワークシステムプロセッサなどといった、一又は複数の特殊用途処理デバイスでもありうる。システムプロセッサ702は、本書に記載の動作を実施するための処理論理726を実行するよう設定される。
【0070】
コンピュータシステム760は、その他のデバイス又は機械と通信するためのシステムネットワークインターフェースデバイス708を、更に含みうる。コンピュータシステム760は、ビデオディスプレイユニット710(液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオードディスプレイ(LED)、又は陰極線管(CRT)など)、英数字入力デバイス712(キーボードなど)、カーソル制御デバイス714(マウスなど)、及び信号生成デバイス716(スピーカなど)も含みうる。
【0071】
二次メモリ718は、本書に記載の方法又は機能のうちの一又は複数の任意ものを具現化する、一又は複数の命令セット(例えばソフトウェア722)が記憶されている、機械アクセス可能記憶媒体731(又は、より具体的には、コンピュータ可読記憶媒体)を含みうる。ソフトウェア722は、コンピュータシステム760によって実行されている間、完全に又は少なくとも部分的に、メインメモリ704及び/又はシステムプロセッサ702内に常駐していてもよく、メインメモリ704及びシステムプロセッサ702は更に、機械可読記憶媒体を構成する。ソフトウェア722は更に、システムネットワークインターフェースデバイス708を介して、ネットワーク720経由で送信又は受信されうる。
【0072】
例示的な一実施形態では、機械アクセス可能記憶媒体731を単一の媒体として示しているが、「機械可読記憶媒体(machine-readable storage medium)」という語は、一又は複数の命令セットを記憶する単一の媒体又は複数の媒体(例えば、集中データベース若しくは分散データベース、並びに/又は、関連のキャッシュ及びサーバ)を含むと、解釈すべきである。「機械可読記憶媒体」という語は、機械によって実行される命令セットを記憶すること又は符号化することが可能であり、かつ、方法のうちの一又は複数の任意のものを機械に実施させる、任意の媒体を含むとも、解釈すべきである。したがって、「機械可読記憶媒体」という語は、固体状態メモリと、光媒体及び磁気媒体とを含むがそれらに限定されるわけではないと、解釈すべきである。
【0073】
前述の明細書において、特定の例示的な実施形態について説明してきた。以下の特許請求の範囲から逸脱しなければ、かかる実施形態に様々な改変が加えられうることが、自明となろう。したがって、本明細書及び図面は、限定を意味するのではなく、例示を意味すると見なすべきである。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図6D
図7