(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-21
(45)【発行日】2023-09-29
(54)【発明の名称】UMベース構成
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20230922BHJP
【FI】
H01L21/68 N
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018136555
(22)【出願日】2018-07-20
【審査請求日】2021-07-01
(32)【優先日】2017-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100101502
【氏名又は名称】安齋 嘉章
(72)【発明者】
【氏名】ビジャイ ディー パルキー
(72)【発明者】
【氏名】ロジャー アラン リンドレイ
【審査官】杢 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-195346(JP,A)
【文献】国際公開第2013/047555(WO,A1)
【文献】特開2014-139989(JP,A)
【文献】特開2011-151336(JP,A)
【文献】国際公開第2016/153582(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板支持体のボンディング層構造であって、
貫通する
第1のフローアパーチャを有
し、電極が配置されている第1の本体と、
貫通する
第2のフローアパーチャを有
し、チャネルが配置されている第2の本体と、
第1の本体と第2の本体との間に配置されたボンディング層であって、
貫通する第1の開口部を有
し、第1の本体と接着している第1のボンディング層と、
貫通する第2の開口部を有
し、第1のボンディグ層と直接的に接触する第2のボンディング層であって、第2の開口部は第1の開口部の
第1の直径よりも大きい
第2の直径を有する第2のボンディング層を有するボンディング層を備えるボンディング層構造。
【請求項2】
第1の層及び第2の層は複数のボンディング材料シートを備える請求項1記載のボンディング層構造。
【請求項3】
ボンディング層は、シリコーン、アクリル、又はパーフルオロポリマーを含む有機材料を含む請求項1記載のボンディング層構造。
【請求項4】
ボンディング層に隣接して配置された多孔性プラグを更に備える請求項1記載のボンディング層構造。
【請求項5】
第1の本体を貫くフローアパーチャ、第2の本体を貫くフローアパーチャ、第1のボンディング層を貫く開口部、及び第2のボンディング層を貫く開口部の中央は、それらを通って伸びる軸に沿って整合している請求項1記載のボンディング層構造。
【請求項6】
ボンディング層は、有機材料を含む請求項1記載のボンディング層構造。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(技術分野)
本開示の実施形態は、一般に、静電チャック用のボンディング層に関する。
(関連技術の説明)
【0002】
静電チャックは様々な製造及び処理作業で用いられる。半導体製造において、静電チャックは、通常、処理チャンバ内で基板を支持するのに用いられる。半導体製造により、静電チャックを含む基板支持体は、処理チャンバの環境及び周囲温度と基板処理温度との間の範囲の温度に曝される。基板の温度を所望の設定値に維持するため、セラミックから形成される静電チャックは、温度制御ベースに接続される。セラミックチャック部と温度制御ベースとの間の伝導性のボンディング材料はこれら2つを連結する。
【0003】
基板支持体はボンディング材料を含んでおり、ボンディング材料は、基板支持体を貫通するいずれかの裏面ガス流路において静電チャックと冷却ベースとの間の界面で露出している。基板支持体は、製造処理の処理ガス及び処理反応副産物に曝される。これらのガス及び副産物の中には、ボンディング材料と接触するとボンディング材料を劣化させるものもある。ボンディング材料におけるむらは、その製造及び形成の際にも生じる。接着強度及び材料特性におけるこれらのばらつきは、ボンディング材料を静電チャック及び温度制御ベースから剥離させる、又は、ボンディング材料での熱伝達を局所的に変化させる可能性があり、これは静電チャックのチャック面にわたって温度のばらつきを引き起こす。更に、静電チャックと温度制御ベースとが異なる熱膨張係数をもつこともある。基板支持体の温度が処理作業中等に上昇すると、又は誘電体と温度制御ベースとの温度が異なると、静電チャックと温度制御ベースとで熱膨張が異なることによりボンディング材料における応力が増加する。この応力の増加により、局所的な応力がボンディング材料のボンディング強度を上回るとボンディング材料の局所的な剥離が引き起こされる可能性がある。
【概要】
【0004】
本開示は、一般に、金属体にセラミック体を固定するボンディング層に関する。フローアパーチャは本体を貫通する。プラグ及びシールはオプションでフローアパーチャ内に配置され、ボンディング層を保護する。ある実施形態では、ボンディング層は2つの層を備え、段階的な接合プロファイルを形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本開示の上述した構成を詳細に理解することができるように、上で簡単に要約した開示のより具体的な説明を実施形態を参照しながら行う。実施形態のいくつかは添付図面に示される。しかしながら、添付図面は例示的な実施形態のみを示し、それ故、その範囲を限定すると解釈されず、他の同様に効果的な実施形態を含み得ること留意すべきである。
【
図2B】一実施形態による静電チャックと温度制御部材とを一緒に固定するボンディング構造の断面概略図である。
【
図3】一実施形態による静電チャックと温度制御部材とを一緒に固定するボンディング構造の断面概略図である。
【
図4】一実施形態による静電チャックと温度制御部材とを一緒に固定するボンディング構造の断面概略図である。
【0006】
理解を容易にするために、可能な限り同一の参照番号を用いて、図面で共通する同一の要素を示した。一実施形態の要素及び構成は、それらを他の実施形態に対して更に引用することなく、他の実施形態に有益に組み込んでもよいと考えられる。
【詳細な説明】
【0007】
本開示は、静電チャックを温度制御ベースに接合する方法である。実施形態によると、ボンディング層は、静電チャックを備える誘電体と温度制御ベースとの間に形成される。フローアパーチャは誘電体を貫通し、温度制御ベース内のフローアパーチャと整合する。ボンディング層は開口部を有して構成され、開口部は誘電体及び温度制御ベースのアパーチャと整合する。一態様では、多孔性のプラグをフローアパーチャ内に配置して、ボンディング層をフローアパーチャ内に存在するガスから保護してもよい。他の態様では、シールをフローアパーチャ内に配置して、ボンディング層をフローアパーチャ内に存在するガスに対して密閉する。
【0008】
図1は、処理チャンバ内で用いられる基板支持体の例示的な概略断面図である。基板支持体100は、静電チャックを構成する誘電体102と温度制御ベース104とを備える。誘電体はセラミック材料(例えば、アルミナ又は窒化アルミナ)を含む。温度制御ベース104は金属(例えば、アルミニウム)を含む。温度制御ベース104は円筒状の支持柱(図示せず)に固定され、支持柱は処理チャンバの壁を貫通して基板支持体100を支持する。代替的に、温度制御ベースをチャンバ内部のベースに固定することもできる。基板支持体100は、一般的に、円形形状を有するが、基板を支持することができる他の形状、例えば長方形状あるいは卵状を用いることができる。ボンディング層106は、温度制御ベース104に面している誘電体102の下面と、温度制御ベース104の円筒状支持柱の反対側にあり、誘電体102に面している上面との間に配置される。基板Wは、ボンディング層106の反対側の面である誘電体102の上面上に脱着可能に配置することができる。ボンディング層106は誘電体102を温度制御ベース104に固定し、かつ熱的に接続する。
【0009】
電極108は誘電体102内に配置される。電極108は電源(図示せず)に接続され、電源は電極に電圧を印加して誘電体102の上面と基板Wとの界面において電磁界を形成する。電磁界は基板Wに相互に作用して、基板Wを誘電体102の表面にチャックする。電極にバイアスをかけてモノポーラ又はバイポーラチャックを提供してもよい。
【0010】
温度制御ベース104内に配置されたチャネル110は、温度制御ベース104内で流体を循環させる。流体は、典型的には、Galden(商標名)のような液体であり、温度制御ユニット(図示せず)からチャネル110を通り、温度制御ユニットに戻る。ある処理では、流体は、誘電体102及びその上に配置された基板Wの温度を下げる目的で、温度制御ベース104を冷却するために用いられる。反対に、流体は温度制御ベース104の温度を上げて、誘電体102及びその上の基板Wを加熱するために用いられてもよい。他の実施形態では、抵抗ヒータ(図示せず)を温度制御ベース内に配置してもよい。場合によっては、抵抗ヒータからの熱を、温度制御ベース104から流体への熱伝達と合わせて、誘電体102又は基板Wを設定温度に維持するために用いてもよい。
【0011】
フローアパーチャ112は基板支持体100内に配置される。
図1に示すように、フローアパーチャ112は、誘電体102、ボンディング層106、及び温度制御ベース104を貫通するように形成される。この構成において、フローアパーチャ112から導入されたガスは、基板Wの誘電体102に面する側と誘電体102の対向面との間の領域に存在する。ガスは、基板Wと誘電体102との間で熱伝導路としてガスを機能させるのに十分な圧力に維持される。ガス源(図示せず)はフローアパーチャ112に接続されている。処理時には、ヘリウムのようなガスがガス源から流れ、フローアパーチャ112を介して基板Wの下面(この面はチャンバの処理エリアには露出しない)に送られる。ガスによっては、フローアパーチャ112でガスに曝されるボンディング層106を劣化させることが知られている。
【0012】
図2A及び
図2Bは、誘電体102、温度制御ベース104、及び中間ボンディング層106の断面概略図である。
図2A~
図2Bにおいて、基板支持体100は、
図1のものと同様の誘電体102及び温度制御ベース104を備える。ここで、ボンディング層106は、二部層106a、106bを備える。
図2A~
図2Bの実施形態では、ボンディング層106a、106bはボンディング材料の複数枚のシートを備える。ボンディング層106a、106bは、有機材料(例えば、シリコーン、アクリル、パーフルオロポリマー、又はこれらの組み合わせ)を含むが、他の材料も考えられる。ある実施形態では、ボンディング層306は無機材料(例えばアルミナ、窒化アルミニウム、又は炭化ケイ素)を追加的に含み、ボンディング層306の特定の性質(例えば、熱伝導性)を向上させる。ボンディング層106aは、誘電体102の表面208上に配置される。ボンディング層106bは、温度制御ベース104の対向面210上に配置される。ボンディング層106a、106bは、それらで完成されたボンディング層106を形成する(
図2B)前に、誘電体102及び温度制御ベース104にそれぞれ接着され(
図2A)、それによりボンディング材料の接合性を向上させ、かつボンディング材料の厚さの均一性を高める。最終的なボンディング層106は硬化処理によって形成される。ボンディング層106は、約100マイクロメートルから800マイクロメートルの範囲の厚さを有する可能性があり、必要に応じて、より厚く又は薄く形成されて所望の材料特性、接合強度、及び誘電体102と温度制御ベース104との間での熱伝導特性を実現してもよい。
図2A~2Bでは、ボンディング材料のシートが用いられているが、ボンディング層を形成可能ないかなる方法(例えば、キャスティング、ペースト塗布、誘電体102及び温度制御ベース104のそれぞれの表面上でのボンディング材料のスプレー又は成型)を用いてもよいと理解される。更に、異なる数の層を、ボンディング層106を形成するのに用いてもよい。
【0013】
フローアパーチャ112は基板支持体100を貫通する。説明を簡単にするために
図2A~2Bには1つのフローアパーチャを示しているが、複数のアパーチャを用いてもよいと理解される。フローアパーチャ112は、誘電体102、ボンディング層106、及び温度制御ベース104を貫いて形成される。フローアパーチャ112の温度制御ベース104内に配置された部分は2つの部分を備える。第1部分は、温度制御ベース104の本体中央の方に誘電体102に対向する面210から内側に伸びる。第1部分は、温度制御ベース104を部分的に貫通しており、円筒状の凹部212を形成するカウンターボアである。第2部分は凹部212から温度制御ベース104の残りの部分を通って伸び、円形の断面を有する。第1部分及び第2部分は、
図2A~2Bに示すように、第2部分の直径が第1部分の直径よりも小さいような直径をそれぞれ有する。ボンディング層106は温度制御ベース104の表面210に隣接して配置される。開口部がボンディング層106a、106bのそれぞれを貫いて形成され、これらの開口部は凹部212の中央に整合し、各ボンディング層106a、106Bを貫くアパーチャを形成する。ボンディング層106bの開口部214は、凹部212の直径以上の直径を有する。ボンディング層106aの開口部216は、開口部214よりも小さい直径を有する。ある実施形態では、開口部216は凹部212の直径と実質的に等しい直径を有してもよい。ボンディング層106を貫く開口部214、216は、ボンディング層106a、106bが
図2Bに示すように組み合わせられた際に、「段階的な接合」を形成する。
【0014】
一連のベーン218が誘電体102内に形成されており、これらは、凹部212及び開口部214、216に整合して部分的にフローアパーチャ112を規定するように構成される。誘電体102の隣接する側壁と共に3つの通路を規定する2個のベーンが
図2A~
図2Bには示されているが、適用可能な任意の枚数のベーンを本明細書の実施形態で実施することができる。プラグ220は、誘電体102内にオプションで配置され、フローアパーチャ112に整合する。プラグ220はセラミックのような多孔性材料から形成され、セラミックはアルミナ又はジルコニアであってよい。プラグ220は、多孔性(例えば10%~80%の範囲の多孔率)を有し、これによって、凹部212から開口部214、216を経てベーン218の間の通路までのガスの通路を可能にし、誘電体102上に支持されたときの基板Wと誘電体102との間のエリアと流体的に連通する。更に、プラグ220は、基板Wが誘電体102上にないときに、粒子、イオン化した粒子、又はイオン化したガスが、処理エリアからベーン218の間の通路を経て、開口部214、216によって規定されるガス容積エリアへと至るのを防ぐ。
【0015】
図2A~2Bに示す段階的な接合は、有利なことに、2部層の形成、その後の完成したボンディング層の形成によって、ボンディング層の均一性を高める。ボンディング材料の均一性を高めることによって、処理ガスに曝されることによるボンディング材料の劣化に対する耐性を高めることができる。更に、誘電体と温度制御ベースとの間のボンディング層に亘って接着がむらのないものとなり、温度制御ベース及び誘電体の一方又は両方の熱膨張によって引き起こされる応力による局所的な剥離を防ぐ。
【0016】
図3は、
図1及び
図2A~2Bのものと同様の基板支持体100の概略断面を示す。
図3の基板支持体100は
図1~2Bと同一の構成要素を含み、これらは同一の参照番号を共有して、簡潔のために説明されない。ボンディング層306は、誘電体102と温度制御ベース104との間に配置され、誘電体102と温度制御ベース104とを一緒に固定する。
図3の実施形態では、1枚のシートのボンディング材料が用いられる。しかし、ボンディング材料を付加する他の方法(例えば、キャスティング、ペースト塗布、スプレー又は成型、又は複数層のシート材料の使用)が理解される。ボンディング層306は、有機材料(例えば、シリコーン、アクリル、パーフルオロポリマー、又はこれらの組み合わせ)を含むが、接合を形成可能な他の材料が考えられている。ある実施形態では、ボンディング層306は無機材料(例えば、アルミナ、窒化アルミニウム、又は炭化ケイ素)を追加的に含み、ボンディング層306の特定の性質(例えば、熱伝導性)を向上させる。環状の開口部302がボンディング層306を貫いて形成され、円筒状の凹部212及びベーン218と整合するように構成される。凹部212及びベーン218は環状の開口部302との組み合わせで、フローアパーチャ112を部分的に規定する。再度、1つのフローアパーチャ112が
図3に示されているが、適用可能な任意の数のアパーチャを用いてもよい。開口部302の直径は円筒状の凹部212の直径より小さく、これによって、ボンディング層306の縁を凹部212の上方に位置させることでショルダーが形成される。ショルダー及び開口部302は、オプションで配置されるベーン218又はプラグ220へのガス流に対するチョークとして機能する。また、開口部302はプラグ220の直径より小さい直径を有し、これによって、ボンディング層306が
図3に示すようにプラグ220の下に伸びる。ここで、プラグ220が再度用いられ、処理環境からの粒子、イオン化された材料粒子、又はイオン化されたガスが、誘電体102上に基板Wが存在しないときにボンディング材料に達することを防ぐ。凹部212の上方までボンディング層306を伸ばすことによって、腐食性の処理ガスに曝される温度制御ベース104の表面積が減少し、これによって、金属製の温度制御ベース104の腐食を著しく低減する。
【0017】
図4は、
図1~
図3のものと同様の基板支持体100を示し、同一の構成要素は同一の参照番号を共有する。再度、簡潔のために同一の構成要素の説明はしない。ボンディング層406は、誘電体102と温度制御ベース104との間に配置され、かつこれらを一緒に固定する。1つのフローアパーチャ112が基板支持体100内に配置されるように示されるが、適用可能な任意の個数が用いられてもよい。環状の開口部414がボンディング層406を貫いて形成され、フローアパーチャ112を部分的に規定する。開口部414は円筒状の凹部212よりも実質的に大きい直径を有する。Oリングのようなシール404は、開口部414の拡張された直径内にオプションで配置される。シール404は、フローアパーチャ112内を流れるガスに対してボンディング層406を密閉するように機能する。シール404は、ガスケミストリによる劣化に耐えることが可能な材料を含む。ある実施形態では、シール404は、ポリマー(例えば、パーフルオロポリマー(例えばViton(登録商標)又はXPE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、又は、シリコーン)を含む。追加的な石油系ポリマーのような他の材料も考えられる。フローアパーチャ112を流れる処理ガスとの接触に適した任意の材料を用いてよい。
【0018】
図2A~
図3のプラグ220と類似するプラグ420は、ベーン218に隣接して誘電体102内にオプションで配置される。プラグ420とベーン218とは一体で設けられてもよい。プラグ420はセラミックのような多孔性材料を含む。その多孔性は、例えば10%~80%の多孔率の範囲を有し、これによって、プラグ420を通って、ベーン218が誘電体102の隣接する側壁とともに規定する通路へのガスの流れを可能にする。プラグ420も、プラグ220と同様に、誘電体102上に基板Wが存在しないときに、イオン化された材料粒子及びイオン化されたガスが処理環境からボンディング材料に到達することを防ぐために使用される。プラグ420はリング408を受けるように構成されている。リング408はシール404に隣接して配置され、シール404及びプラグ402の両方と接する。リング408は金属又はセラミック材料を含んでもよい。リング408はシール404用の改良されたシール表面を提供する。シール404はリング408と接して第1のシールポイントを形成する。リング408の反対では、シール404は温度制御ベース104と接して第2のシールポイントを形成する。第1のシールポイント及び第2のシールポイントは、ガスがシール404を迂回するのを防ぎ、ボンディング層406をフローアパーチャ112内のガスから隔離する。本明細書の実施形態は、ボンディング層406を処理ガスから保護する改良されたシールを提供し、これによって、ボンディング材料の寿命及び耐久性を向上させる。
【0019】
ある実施形態では、ボンディング層406のボンディング材料は、1つ以上の所望の特性(例えば熱伝達又は高温接着性)を向上させるように選択することができる。所望の特性を有する材料の中には、逆に、フローアパーチャ112内の処理ガスに曝されることで引き起こされる劣化に対する耐性に劣るものもある。
図4に示されるシール404及びリング408を用いると、シール404がボンディング層406を処理ガスから隔離するので、耐性の低い材料をボンディング材料として選択することができる。第2のシール(図示せず)をボンディング層406の外周に配置して、それにより、シール404、誘電体102、及び温度制御ベース104との組み合わせでボンディング層406をカプセル化してもよい。従って、基板支持体100は、所望の特性をもつボンディング層を、ボンディング層の寿命及び耐久性を減らすことなく有することができる。
【0020】
本明細書で開示された実施形態は静電チャックに限定されないことが理解される。実施形態は、ボンディング層を用いるいかなる構成で実施することができる。更に、本明細書で開示された例示的なジオメトリは実施形態の範囲を限定しないことが理解される。フローアパーチャ及び物体の他のジオメトリが考えられた。
【0021】
上記は本開示の実施形態を対象としているが、本開示の他の及び更なる実施形態は本開示の基本的な範囲から逸脱することなく創作することができ、その範囲は以下の特許請求の範囲に基づいて定められる。