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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-21
(45)【発行日】2023-09-29
(54)【発明の名称】電線、ケーブル、及び電線の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01B 7/02 20060101AFI20230922BHJP
   C08F 291/00 20060101ALI20230922BHJP
   H01B 7/18 20060101ALI20230922BHJP
   H01B 13/14 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
H01B7/02 F
C08F291/00
H01B7/18 H
H01B13/14 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019104463
(22)【出願日】2019-06-04
(65)【公開番号】P2020198240
(43)【公開日】2020-12-10
【審査請求日】2021-09-16
【審判番号】
【審判請求日】2022-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000005083
【氏名又は名称】株式会社プロテリアル
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】飯貝 勝也
(72)【発明者】
【氏名】折内 卓矢
【合議体】
【審判長】恩田 春香
【審判官】柴垣 俊男
【審判官】松永 稔
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-028863(JP,A)
【文献】特開2014-218067(JP,A)
【文献】特開2003-160702(JP,A)
【文献】特表2009-522408(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導体と、
前記導体を被覆し、架橋した単層からなる絶縁層と、
を備える電線であって、
前記絶縁層は、(a)ポリオレフィン及び相溶化剤を含むベースポリマ、(b)前記ベースポリマ100質量部に対し0.5質量部以上3質量部以下の光ラジカル発生剤、及び(c)前記ベースポリマ100質量部に対し1質量部以上5質量部以下の反応性モノマを含む樹脂組成物が架橋されたものであり、
前記相溶化剤の添加量は、前記ベースポリマ100質量部に対し3質量部以上35質量部以下であり、かつ、前記反応性モノマの添加量以上であり、
前記絶縁層の比誘電率は2.5より小さい電線。
【請求項2】
請求項1に記載の電線であって、
前記ポリオレフィンは、ポリプロピレン、超高分子量ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、及び超低密度ポリエチレンから成る群から選択される1以上である電線。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電線であって、
前記相溶化剤の比誘電率は2.8以下である電線。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の電線であって、
前記相溶化剤は、水添スチレンブタジエンラバー、スチレン・エチレンブチレン・オレフィン結晶ブロックコポリマー、オレフィン結晶・エチレンブチレン・オレフィン結晶ブロックコポリマー、及びスチレン・エチレンブチレン・スチレンブロックコポリマーから成る群から選択される1以上である電線。
【請求項5】
少なくとも1以上の請求項1~4のいずれか1項に記載の電線と、
前記電線を束ねるシースと、
を備えるケーブル。
【請求項6】
導体と、前記導体を被覆する単層からなる絶縁層と、を備える電線の製造方法であって、
前記導体を樹脂組成物で被覆して前記絶縁層を形成し、
紫外線を照射することで前記絶縁層を架橋し、
前記樹脂組成物は、(a)ポリオレフィン及び相溶化剤を含むベースポリマ、(b)前記ベースポリマ100質量部に対し0.5質量部以上3質量部以下の光ラジカル発生剤、及び(c)前記ベースポリマ100質量部に対し1質量部以上5質量部以下の反応性モノマを含み、
前記相溶化剤の添加量は、前記ベースポリマ100質量部に対し3質量部以上35質量部以下であり、かつ、前記反応性モノマの添加量以上であり、
前記絶縁層の比誘電率は2.5より小さい電線の製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載の電線の製造方法であって、
前記ポリオレフィンは、ポリプロピレン、超高分子量ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、及び超低密度ポリエチレンから成る群から選択される1以上である電線の製造方法。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の電線の製造方法であって、
前記相溶化剤の比誘電率は2.8以下である電線の製造方法。
【請求項9】
請求項6~8のいずれか1項に記載の電線の製造方法であって、
前記相溶化剤は、水添スチレンブタジエンラバー、スチレン・エチレンブチレン・オレフィン結晶ブロックコポリマー、オレフィン結晶・エチレンブチレン・オレフィン結晶ブロックコポリマー、及びスチレン・エチレンブチレン・スチレンブロックコポリマーから成る群から選択される1以上である電線の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電線、ケーブル、及び電線の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電線及びケーブルは、導体と、絶縁層とを備える。絶縁層は導体を被覆する。近年、電子機器、自動車等の車両、工業用のロボット、医療等の用途において、多数本の細径薄肉の電線又はケーブルを、限られた空間内で使用する例が増えている。
【0003】
電線又はケーブルを、大量のデータを送るデータ通信、又は高速のデータ通信に使用する場合、伝送ロスを抑制し、信号の遅延時間を短縮するために、絶縁層の比誘電率は小さいことが好ましい。
また、絶縁層を構成する樹脂が熱で流動すると、電線及びケーブルが変形したり、電線及びケーブルが隣接線と短絡したりする。そのため、絶縁層を構成する樹脂は、耐熱変形性が高い樹脂であることが好ましい。
【0004】
比誘電率が小さく、耐熱変形性が高い樹脂として、架橋したポリオレフィンがある。絶縁層を構成する樹脂を架橋する技術は特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2002-133962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
細径薄肉の電線又はケーブルにおける絶縁層を架橋する方法として、紫外線架橋がある。ポリオレフィンを含む絶縁層に対し紫外線架橋を行うためには、反応性モノマや光ラジカル発生剤を絶縁層に添加する必要がある。反応性モノマや光ラジカル発生剤は、ポリオレフィンを含む絶縁層からブリードし易い。ブリードを抑制する方法として、種々の粉体から成る造核剤や増粘剤を絶縁層に添加する方法がある。しかしながら、造核剤や増粘剤を絶縁層に添加すると、絶縁層の比誘電率が大きくなってしまう。
【0007】
よって、ポリオレフィンを含み、架橋した絶縁層からのブリードを抑制するとともに、絶縁層の比誘電率を小さくすることは困難であった。
本開示の1つの局面は、ポリオレフィンを含み、架橋した絶縁層からのブリードを抑制することができ、絶縁層の比誘電率が小さい電線、ケーブル、及び電線の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の1つの局面は、導体と、前記導体を被覆し、架橋した絶縁層と、を備える電線であって、前記絶縁層は、(a)ポリオレフィン及び相溶化剤を含むベースポリマ、(b)前記ベースポリマ100質量部に対し0.5質量部以上3質量部以下の光ラジカル発生剤、及び(c)前記ベースポリマ100質量部に対し1質量部以上5質量部以下の反応性モノマを含む樹脂組成物が架橋されたものであり、前記絶縁層の比誘電率は2.5より小さい電線である。
【0009】
本開示の1つの局面である電線は、ポリオレフィンを含み、架橋した絶縁層からのブリードを抑制することができる。また、本開示の1つの局面である電線は、比誘電率が小さい絶縁層を備える。
本開示の別の局面は、導体と、前記導体を被覆する絶縁層と、を備える電線の製造方法であって、前記導体を樹脂組成物で被覆して前記絶縁層を形成し、紫外線を照射することで前記絶縁層を架橋し、前記樹脂組成物は、(a)ポリオレフィン及び相溶化剤を含むベースポリマ、(b)前記ベースポリマ100質量部に対し0.5質量部以上3質量部以下の光ラジカル発生剤、及び(c)前記ベースポリマ100質量部に対し1質量部以上5質量部以下の反応性モノマを含み、前記絶縁層の比誘電率は2.5より小さい電線の製造方法である。
【0010】
本開示の別の局面により製造した電線は、ポリオレフィンを含み、架橋した絶縁層からのブリードを抑制することができる。また、本開示の別の局面により製造した電線は、比誘電率が小さい絶縁層を備える。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】電線の構成を表す断面図である。
図2】電線の製造装置の構成を表す説明図である。
図3】成型装置の構成を表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の例示的な実施形態について図面を参照しながら説明する。
1.電線の構成
(1-1)導体
導体は特に限定されない。導体として、例えば、金属導体が挙げられる。また、導体として、例えば、金属導体と、金属導体を覆う何らかの被覆とを備えるものが挙げられる。導体の線径は、32AWG以下が好ましく、34AWG以下がさらに好ましく、36AWG以下が特に好ましい。導体の線径が32AWG以下の場合、絶縁層に有機過酸化物架橋やシラン-水架橋を行うと、樹脂組成物の押出作業が困難になる。導体の線径が32AWG以下の場合、絶縁層に電子線架橋を行うと、電子線照射時に断線リスクが増加する。導体の線径が32AWG以下であっても、絶縁層に紫外線架橋を行うことができる。
【0013】
(1-2)絶縁層
本開示の電線は絶縁層を備える。絶縁層は導体を被覆している。絶縁層は、樹脂組成物で導体を被覆することで形成できる。絶縁層はポリオレフィン及び相溶化剤を含む。ポリオレフィンと相溶化剤との混合物はベースポリマである。
【0014】
ポリオレフィンとして、例えば、ポリプロピレン(PP)、超高分子量ポリエチレン(UHMW-PE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)等が挙げられる。ポリオレフィンとして、これらを単独で使用してもよいし、複数種類を組み合せて使用してもよい。また、ポリオレフィンは、樹脂の一部を他の官能基に置き換えたもの、又は、樹脂の一部を他の官能基で変性したものであってもよい。
【0015】
相溶化剤は樹脂である。相溶化剤は、反応性モノマや光ラジカル発生剤を溶解させつつ、ポリオレフィンに対して溶解・微分散することで、ポリオレフィン内での架橋を均一に進める作用を持つ。また、相溶化剤は、モノマ類のブリードを抑制する作用を持つ。相溶化剤の比誘電率は小さいことが好ましく、2.8以下であることが好ましい。相溶化剤の比誘電率が小さい場合、絶縁層の比誘電率が一層小さくなる。
【0016】
相溶化剤として、例えば、水添スチレンブタジエンラバー、スチレン・エチレンブチレン・オレフィン結晶ブロックコポリマー、オレフィン結晶・エチレンブチレン・オレフィン結晶ブロックコポリマー、スチレン・エチレンブチレン・スチレンブロックコポリマー(これらを以下では特定の相溶化剤とする)等が挙げられる。また、エチレン酢酸ビニル共重合体の一部も、その量と特性、用途が適合すれば、相溶化剤として使用可能である。
【0017】
特定の相溶化剤を使用した場合、さらに以下の効果が得られる。
(i)特定の相溶化剤の比誘電率は2.4~2.5である。特定の相溶化剤を使用する場合、絶縁層の比誘電率を一層小さくすることができる。また、絶縁層の比誘電率を小さく保ったまま、特定の相溶化剤の添加量を多くすることができる。その結果、相溶化剤の効果を一層高めることができる。
【0018】
(ii)特定の相溶化剤における反応性モノマの最大溶解量は、ポリオレフィンにおける反応性モノマの最大溶解量より大きい。そのため、特定の相溶化剤中の反応性モノマや光ラジカル発生剤の濃度が高くなる。その結果、絶縁層の架橋が進み易くなる。また、相溶化剤とポリオレフィンとの界面でも架橋が進み易くなる。
【0019】
(iii)特定の相溶化剤は、ポリオレフィンに対する溶解・微分散性に優れる。そのため、絶縁層の全体にわたって多数の架橋起点が生じる。その結果、絶縁層は、均質な架橋体になり易い。
(iv) 特定の相溶化剤は、ポリオレフィンに対する溶解・微分散性に優れる。そのため、絶縁層の機械特性が向上する。また、絶縁層において、相分離に起因する引張強度の悪化や伸びの悪化が生じ難い。
【0020】
相溶化剤の添加量は、反応性モノマや光ラジカル発生剤の性状や量、相溶化剤の電気的特性、相溶化剤の機械的特性、ポリオレフィンの特性等に応じて、絶縁層が目的の特性を得るように適宜設定できる。具体的には、相溶化剤の添加量は、ベースポリマ100質量部に対して3質量部以上35質量部以下とすることが好ましく、さらに好ましくは5質量部以上20質量部以下である。3質量部以上とすることにより、相溶化剤としての作用が発揮される。35質量部以下とすることにより、相溶化剤に反応性モノマや開始剤が多く溶解することを抑制し、ポリオレフィン中への反応性モノマや開始剤の溶解量を確保し、樹脂組成物全体としての架橋性を確保するためである。相溶化剤の電気的特性として、比誘電率や体積抵抗等が挙げられる。相溶化剤の機械的特性として、伸びや引張強度等が挙げられる。
【0021】
相溶化剤の添加量は、反応性モノマの添加量以上であることが好ましい。相溶化剤の添加量が反応性モノマの添加量以上である場合、反応性モノマのブリードを一層抑制できる。
絶縁層は光ラジカル発生剤を含む。光ラジカル発生剤は、架橋反応の起点となる。光ラジカル発生剤は、紫外線を照射されるとラジカルを発生する。発生したラジカルは、樹脂と反応性モノマとをグラフトさせるとともに、グラフトしたモノマ間の架橋反応を誘起する。
【0022】
光ラジカル発生剤の添加量は、絶縁層の特性に応じて設定できる。光ラジカル発生剤の添加量は、ベースポリマ100質量部に対し、0.5質量部以上3質量部以下とする。
光ラジカル発生剤の添加量が、ベースポリマ100質量部に対し、0.5質量部以上である場合、絶縁層の架橋性が高くなる。光ラジカル発生剤の添加量が、ベースポリマ100質量部に対し、3質量部以下である場合、絶縁層の伸び、引張強度等の機械特性が向上する。また、光ラジカル発生剤の添加量が、ベースポリマ100質量部に対し、3質量部以下である場合、電線の製造コストを低減することができる。
【0023】
光ラジカル発生剤として、例えば、アセトフェノン、4,4’-ジメトキシベンジル、ジフェニルエタンジオン、2-ヒドロキシ-2-フェニルアセトフェノン、ジフェニルケトン、ベンゾフェノン-2-カルボン酸、4,4'-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、4-ベンゾイル安息香酸、2,2'-ビス(2-クロロフェニル)-4,4',5,5'-テトラフェニル-1,2'-ビイミダゾール 、2-ベンゾイル安息香酸メチル、2-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン 、2-ベンジル-2-(ジメチルアミノ)-4'-モルホリノブチロフェノン、2,3-ボルナンジオン、2-クロロチオキサントン、4,4'-ジクロロベンゾフェノン、2,2-ジエトキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2,4-ジエチルチオキサンテン-9-オン、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、1,4-ジベンゾイルベンゼン、2-エチルアントラキノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン、2-ヒドロキシ-4'-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-メチルプロピオフェノン、フェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィン酸リチウム、2-メチル-4'-(メチルチオ)-2-モルホリノプロピオフェノン、2-イソニトロソプロピオフェノン、2-フェニル-2-(p-トルエンスルホニルオキシ)アセトフェノン、フェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド等が挙げられる。光ラジカル発生剤として、これらのうちの1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0024】
絶縁層は反応性モノマを含む。反応性モノマは、架橋助剤として機能する。反応性モノマは、例えば、ラジカル又はカチオンで架橋、重合反応する官能基を有するモノマである。ラジカル又はカチオンで架橋、重合反応する官能基として、例えば、アクリル基、メタクリル基、ビニル基、ビニルエーテル基、オキセタン基、エポキシ基、脂環式エポキシ基、アミノ基、アリル基、マレイン酸、無水マレイン酸等が挙げられる。反応性モノマは、単官能モノマであってもよいし、多官能モノマであってもよい。反応性モノマとして、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0025】
反応性モノマの添加量は、絶縁層の特性に応じて設定できる。反応性モノマの添加量は、ベースポリマ100質量部に対し、1質量部以上5質量部以下とする。
反応性モノマの添加量が、ベースポリマ100質量部に対し、1質量部以上である場合、絶縁層の架橋性が高くなる。反応性モノマの添加量が、ベースポリマ100質量部に対し、5質量部以下である場合、ブリードを一層抑制することができる。
【0026】
絶縁層は、例えば、紫外線吸収剤、光安定剤等の添加剤をさらに含んでいてもよい。添加剤は、絶縁層に機能性を付与する。紫外線吸収剤は、使用目的に適合するものであれば、特に限定されない。紫外線吸収剤として、例えば、サリチル酸誘導体、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、蓚酸アニリド誘導体、2-エチル・ヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニル・アクリレート等が挙げられる。サリチル酸誘導体として、例えば、フェニル・サリシレート、p-第三-ブチルフェニル・サリシレート等が挙げられる。
【0027】
ベンゾフェノン系として、例えば、2,4-ジヒドロキシ・ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ・ベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシ・ベンゾフェノン、2,2‘ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシ・ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシ・ベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシ・ベンゾフェノン、4-ドデシロキシ-2-ヒドロキシ・ベンゾフェノン、3,5-ジ-第三ブチル-4-ヒドロキシベンゾイル酸,n-ヘキサデシルエステル、ビス(5-ベンゾイル-4-ヒドロキシ-2-メトキシフェニル)メタン、1,4-ビス(4-ベンゾイル-3-ヒドロキシフェノキシ)ブタン、1,6-ビス(4-ベンゾイル-3-ヒドロキシフェノキシ)ヘキサン等が挙げられる。
【0028】
ベンゾトリアゾール系として、例えば、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチル-フェニル)ベンゾトリアゾール、 2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-第三ブチル-フェニル)ベンゾトリアゾール、 2-(2’-ヒドロキシ-3’-ジ-第三ブチル-5’-メチル-フェニル)-5-クロロ・ベンゾトリアゾール、 2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-第三ブチル-フェニル)-5-クロロ・ベンゾトリアゾール、 2-(2’-ヒドロキシ-5’-第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、 2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-第三アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、 2,2’-メチレンビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェノール]、 2-[2-ヒドロキシ-3,5-ビス(α,α-ジメチルベンジル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、その他ベンゾトリアゾール誘導体等が挙げられる。紫外線吸収剤として、これらのうちの1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0029】
光安定剤は特に限定されない。光安定剤として、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤が挙げられる。ヒンダードアミン系光安定剤として、例えば、ポリ[[6-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)イミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル][(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]] 、 ポリ[(6-モルホリノ-s-トリアジン-2,4-ジイル)[2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル]イミノ]-ヘキサメチレン[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]] 、N,N’-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン・2,4-ビス[N-ブチル-N-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)アミノ]-6-クロロ-1,3,5-トリアジン縮合物、ジブチルアミン・1,3,5-トリアジン・N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル-1,6-ヘキサメチレンジアミン・N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物等が挙げられる。光安定剤として、これらのうちの1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0030】
絶縁層は、例えば、プロセス油、加工助剤、難燃助剤、酸化防止剤、滑剤、無機充填剤、銅害防止剤、安定剤、着色剤等の添加物を必要に応じてさらに含んでいてもよい。
本開示の電線は、例えば、図1に示す構成を有する。電線1は、導体3と、絶縁層5とを備える。絶縁層5は導体3を被覆している。絶縁層5は架橋している。絶縁層5の比誘電率は2.5より小さい。絶縁層の成分として、比誘電率が小さい成分を選択することにより、絶縁層5の比誘電率を小さくすることができる。
【0031】
2.ケーブルの構成
本開示のケーブルは、少なくとも1以上の電線と、シースとを備える。電線は、前記「1.電線の構成」の項で述べたものである。シースは、少なくとも1以上の電線を束ねる。シースの組成は、例えば、電線の絶縁層の組成として例示したものである。シースの厚みは0.1mm以上2.0mm以下であることが好ましい。
【0032】
3.電線及びケーブルの製造方法
前記「1.電線の構成」の項で述べた電線は、例えば、以下の方法で製造できる。まず、導体を、樹脂組成物により押出被覆する。導体は、例えば、前記「(1-1)導体」の項で述べた導体である。樹脂組成物は、例えば、前記「(1-2)絶縁層」の項で述べた絶縁層と同様の組成を有する。押出被覆の結果、樹脂組成物から成る絶縁層が形成される。次に、例えば、絶縁層の温度が融点以上である状態で、絶縁層に紫外線照射を行う。その結果、絶縁層が架橋する。絶縁層の比誘電率は2.5より小さい。
【0033】
紫外線照射は、例えば、メタルハライドランプ、又は紫外線LEDを用いて行うことができる。紫外線照射は、発光波長が異なる複数種類の紫外線LEDを用いて行うことが好ましい。この場合、樹脂や添加剤により特定波長の紫外線が吸収・遮蔽されても、他の波長の紫外線により架橋が進むので、安定した架橋度の製品を得やすい。
【0034】
紫外線LEDが照射する紫外線は、光ラジカル発生剤の反応波長に近い波長にピークを持つものであることが好ましい。光ラジカル発生剤の反応波長に近い波長として、例えば、405nm、395nm、385nm、365nm、300nm、285nm等が挙げられる。例えば、第1の紫外線LEDと、第2の紫外線LEDとを組み合わせて使用することができる。第1の紫外線LEDが照射する紫外線は、光ラジカル発生剤の反応波長に近い第1の波長にピークを持つ。第2の紫外線LEDが照射する紫外線は、光ラジカル発生剤の反応波長に近い波長であって、第1の波長とは異なる波長にピークを持つ。
【0035】
また、例えば、光ラジカル発生剤の反応波長とは異なる波長にピークを持つ紫外線を照射する紫外線LEDを使用することもできる。
メタルハライドランプは、放電管とも呼ばれる。メタルハライドランプは、無電極であってもよいし、有電極であってもよい。メタルハライドランプの発光時のピーク波長は、光ラジカル発生剤に適合する波長であることが好ましい。メタルハライドランプは、電極間に特定元素を封入して発光波長を調整したものであってもよい。
【0036】
押出被覆の後、絶縁層を加熱することが好ましい。加熱は、紫外線照射の前、及び紫外線照射の後のうちの少なくとも一方で行うことができる。絶縁層を加熱することにより、絶縁層の架橋が促進される。
【0037】
前記の電線の製造方法は、例えば、図2図3に示す製造装置101を用いて実施できる。図2に示すように、製造装置101は、送出機103と、成型装置105と、架橋ユニット107と、冷却装置109と、巻取機111と、を備える。
【0038】
送出機103は、導体3を送り出す。成型装置105は、送り出された導体3を、樹脂組成物により押出被覆する。その結果、導体3と絶縁層とを備える電線1が形成される。
成型装置105は押出機である。図3に示すように、成型装置105は、駆動装置117と、樹脂投入口119と、スクリュー121と、シリンダー123と、成型ヘッド125と、を備える。駆動装置117はスクリュー121を回転駆動する。樹脂組成物は、樹脂投入口119から、シリンダー123の内部に投入される。投入された樹脂組成物は、回転するスクリュー121により溶融、混練を受けながら、シリンダー123の内部を進み、成型ヘッド125から押し出され、導体3を被覆する。
【0039】
例えば、樹脂組成物の各成分を別々に、樹脂投入口119に投入することができる。また、例えば、樹脂組成物の各成分を、予め、ミキサー、ブレンダー、ロール等で混練し、ペレット化しておいてから、樹脂投入口119に投入することができる。
【0040】
架橋ユニット107は、樹脂組成物から成る絶縁層を架橋させる。架橋ユニット107は、第1加熱装置127と、紫外線照射装置129と、第2加熱装置131と、を備える。電線1上の任意の部分は、まず、第1加熱装置127において加熱され、次に、紫外線照射装置129において紫外線を照射され、最後に、第2加熱装置131において加熱される。
【0041】
第1加熱装置127は、紫外線架橋が生じ易い温度にまで、絶縁層の温度を上昇させる。第2加熱装置131は、紫外線照射装置129を通過した後でも紫外線架橋が継続するように、絶縁層の温度を維持する。
【0042】
紫外線照射装置129は、例えば、メタルハライドランプ、又は紫外線LEDを備える。紫外線照射装置129は、例えば、発光波長が異なる複数種類の紫外線LEDを備える。冷却装置109は、架橋後の電線1を冷却し、絶縁層を固化させる。巻取機111は冷却後の電線1を巻き取る。冷却装置109は、例えば、水冷式の冷却装置、又は空冷式の冷却装置である。製造上の問題がない場合、製造装置101は、第1加熱装置127、第2加熱装置131や冷却装置109を備えなくてもよい。
【0043】
本開示のケーブルは、例えば、前記の方法で製造した1以上の電線を、シースを用いて公知の方法で束ねることで製造できる。
4.電線、ケーブル、及び電線の製造方法が奏する効果
本開示の電線及びケーブルは、ポリオレフィンを含み、架橋した絶縁層からのブリードを抑制することができる。また、本開示の電線及びケーブルは、比誘電率が小さい絶縁層を備える。本開示の電極の製造方法により製造した電線は、ポリオレフィンを含み、架橋した絶縁層からのブリードを抑制することができる。また、本開示の電極の製造方法により製造した電線は、比誘電率が小さい絶縁層を備える。
【0044】
5.実施例
(5-1)電線の製造
表1の「樹脂組成物の配合」の行に記載された樹脂組成物の原料を、ニーダーにて配合・混練した。その結果、ペレット化された、実施例1~5及び比較例1~4の樹脂組成物が得られた。
【0045】
【表1】
表1における配合量の単位は質量部である。表1における「実1」~「実5」は、それぞれ、実施例1~実施例5を意味する。表1における「比1」~「比4」は、それぞれ、比較例1~比較例4を意味する。表1に記載された原料は以下のものである。
【0046】
B028:低密度ポリエチレン(宇部丸善ポリエチレン、MFR0.4@190℃)
0434N:直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)(プライムポリマ、MFR4.0@190℃)
Hizex5305E:高密度ポリエチレン(HDPE)(プライムポリマ、MFR0.8@190℃)
DYNAPON6200P:オレフィン結晶・エチレンブチレン・オレフィン結晶ブロックコポリマー(JSR、MFR2.5@230℃、21.2N)
TAIC:反応性モノマ(トリアリルイソシアヌレート)
Irg-TPO:光ラジカル発生剤(BASF、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド)
MFRとはマスフローレートを意味する。MFRの測定方法は、JIS K 7120に規定された測定方法である。さらにポリエチレンのMFRの測定条件は、JIS K 6922に規定された標準条件であって、測定温度190℃、測定荷重21.2N(2.16kgf)である。DYNAPON6200PのMFRの測定温度は230℃、測定荷重は21.2N(2.16kgf)である。DYNAPON6200Pの比誘電率は2.35である。B028、0434N、及びHizex5305Eはポリオレフィンに対応する。DYNAPON6200Pは相溶化剤に対応する。B028、0434N、Hizex5305E、及びDYNAPON6200Pはベースポリマに対応する。
【0047】
各実施例及び各比較例の樹脂組成物を用いて、以下の方法で電線を製造した。まず、樹脂組成物を、図2図3に示す製造装置101における樹脂投入口119に投入した。そして、送出機103により送り出された銅導体を、樹脂組成物により押出被覆し、電線を形成した。銅導体の線径は36AWGであった。36AWGは、直径0.05mmの素線を7本撚り合わせたものであった。電線の外径は0.52~0.56mmであった。
【0048】
さらに、電線の絶縁層を架橋ユニット107により架橋し、冷却装置109により電線を冷却し、巻取機111に電線を巻き取った。ただし、比較例3の場合のみ、紫外線照射装置129は紫外線を照射しなかった。
【0049】
銅導体は導体に対応する。成型装置105として、大宮精機製20mm単軸押出機(L/D=25)を用いた。押出における温度及び線速は一定とした。押出速度は30mm/minであった。
紫外線照射装置129は、2台のメタルハライドランプを備えていた。2台のメタルハライドランプは、いずれも、オーク製作所製の高圧メタルハライドランプ(SMXシリーズ6kWランプ)であった。2台のメタルハライドランプのうち1台は、上方から電線に紫外線を照射し、他の1台は、下方から電線に紫外線を照射した。
【0050】
(5-2)電線の評価方法
(i)ブリード確認
各実施例及び各比較例の電線を、製造後、室温で30日間放置した。次に、電線の表面を目視観察し、ブリードの有無を確認した。ブリードの有無を表1に示す。
【0051】
(ii)架橋度の測定
各実施例及び各比較例の絶縁層の架橋度をJIS C 3005に規定されたキシレン抽出法で測定した。キシレン抽出法における抽出の条件は、110℃、24時間抽出であった。測定した架橋度を表1に示す。
【0052】
(iii)加熱変形試験
加熱時の樹脂組成物の変形や流動性を評価するために、以下の方法で加熱変形試験を行った。各実施例及び各比較例の樹脂組成物と同一組成のコンパウンドから、ロール練り、及びプレス成型により、厚さ2mmのシートを作成した。
【0053】
次に、作成したシートに対し、コンベア式の照射装置を用いて、2V/cmの紫外線照射を行った。コンベア式の照射装置は、オーク製メタルハイドライドランプを内蔵していた。次に、シートから、所定の幅と長さとを有する試験片を切り出した。
【0054】
次に、切り出した試験片を用いて、加熱変形試験を行った。加熱変形試験は、JIS:C3005に準拠し、120℃で行った。合格基準は変形率50%未満とした。評価結果を表1に示す。表1において「○」は合格を意味し、「×」は不合格を意味する。なお、試験片の架橋度は、対応する実施例又は比較例の絶縁層の架橋度と同等であることを確認した。
【0055】
(iv)比誘電率の測定
加熱変形試験の場合と同様の方法で試験片を作成した。ただし、試験片の厚さは1mmとした。次に、総研電気株式会社製の電気絶縁材料C&Tanδ測定器(DAC-IM-D6)を使用し、電極径76mmの条件で、試験片の静電容量を測定した。次に、静電容量から、試験片の比誘電率を算出した。測定結果を表1に示す。なお、試験片の架橋度は、対応する実施例又は比較例の絶縁層の架橋度と同等であることを確認した。
【0056】
(5-3)電線の評価結果
実施例1~5では、ブリードは発生しなかった。実施例1~5では、架橋度が高かった。実施例1~5では、加熱変形性の評価結果は合格であった。実施例1~5では、絶縁層の比誘電率は2.5より小さかった。
【0057】
実施例2、3は、実施例1に比べて、オレフィンの種類が異なっていた。実施例4、5は、実施例1に比べて、オレフィンの添加量が少なく、相溶化剤、反応性モノマ、及び光ラジカル発生剤の添加量が多かった。実施例4、5では、実施例1に比べて、架橋度は増大していたが、架橋度の増大量は比較的小さかった。
【0058】
実施例1~5のように、特定の相溶化剤をベースポリマに添加するとともに、適切な量の反応性モノマ及び光ラジカル発生剤を樹脂組成物に添加することで、絶縁層の比誘電率を小さくし、絶縁層からのブリードを抑制することができた。
【0059】
比較例1は、相溶化剤が添加されず、反応性モノマ及び光ラジカル発生剤の添加量が少ない点で実施例1と相違する。比較例1では、ブリードは無かった。比較例1では、紫外線照射を行っても架橋度が低かった。比較例1では、絶縁層の変形や流動化を抑制できず、加熱変形性の評価結果が不合格であった。
【0060】
比較例2は、相溶化剤が添加されなかった点で実施例1と相違する。比較例2は、充分な架橋を進めることができる量の反応性モノマや光ラジカル発生剤を含んでいた。比較例2では、加熱変形試験の評価結果は合格であった。比較例2では、ブリードが発生した。
【0061】
比較例3は、紫外線照射を行わなかった点で実施例1と相違する。比較例3では、ブリードは無かった。比較例3では、架橋度が低いため、加熱変形性の評価結果は不合格であった。
比較例4は、実施例5に比べて、反応性モノマ及び光ラジカル発生剤の添加量が一層多い点で相違する。比較例4では、架橋度は実施例5と同程度であった。比較例4ではブリードが発生した。
【0062】
6.他の実施形態
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
【0063】
(1)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。
【0064】
(2)上述した電線、ケーブルの他、これらのいずれかを構成要素とするシステム、ケーブルの製造方法、絶縁層の架橋方法等、種々の形態で本開示を実現することもできる。
【符号の説明】
【0065】
1…電線、3…導体、5…絶縁層、101…製造装置、103…送出機、105…成型装置、107…架橋ユニット、109…冷却装置、111…巻取機、117…駆動装置、119…樹脂投入口、121…スクリュー、123…シリンダー、125…成型ヘッド、127…第1加熱装置、129…紫外線照射装置、131…第2加熱装置
図1
図2
図3