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特許7353188パルプ化プロセスのスループットを増加させる、及び/又はエネルギー使用量を減少させる方法
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  • 特許-パルプ化プロセスのスループットを増加させる、及び/又はエネルギー使用量を減少させる方法 図1
  • 特許-パルプ化プロセスのスループットを増加させる、及び/又はエネルギー使用量を減少させる方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-21
(45)【発行日】2023-09-29
(54)【発明の名称】パルプ化プロセスのスループットを増加させる、及び/又はエネルギー使用量を減少させる方法
(51)【国際特許分類】
   D21C 1/00 20060101AFI20230922BHJP
   D21C 3/00 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
D21C1/00
D21C3/00 Z
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019570364
(86)(22)【出願日】2018-06-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-13
(86)【国際出願番号】 EP2018065478
(87)【国際公開番号】W WO2018234097
(87)【国際公開日】2018-12-27
【審査請求日】2021-06-10
(31)【優先権主張番号】62/522,387
(32)【優先日】2017-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ランドルフ,ジョン アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】リス,ローレンス ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ライフェルト,フェルディナント
(72)【発明者】
【氏名】フェッセンベッカー,アヒム
【審査官】斎藤 克也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0105392(US,A1)
【文献】特開2009-263855(JP,A)
【文献】特開2011-026752(JP,A)
【文献】特開2004-204370(JP,A)
【文献】特開2008-045262(JP,A)
【文献】国際公開第2015/036655(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0133643(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D21B1/00-1/38
D21C1/00-11/14
D21D1/00-99/00
D21F1/00-13/12
D21G1/00-9/00
D21H11/00-27/42
D21J1/00-7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルプ化プロセスのスループットを増加させる、及び/又はエネルギー使用量を減少させる方法であって、
A 複数のリグノセルロースチップを用意するステップ、
B
(i)水、及び
(ii)複数のリグノセルロースチップの全重量に基づいて0.01~10重量%の量で存在し、糖とアルコールとの反応生成物を含む、潤滑添加剤
を含む、リファイニング組成物を用意するステップ、
C リファイニング組成物を複数のリグノセルロースチップに適用するステップ、並びに
D 複数のリグノセルロースチップを機械的にリファイニングしてパルプを生成するステップ
を含み、
リファイニング組成物をリグノセルロースチップに適用するステップを5分未満の時間行ってから、又は該ステップと同時に、木材チップを機械的にリファイニングしてパルプを生成するステップを行い、
潤滑添加剤が、以下の一般構造:
【化1】
(式中、nは、平均値であり、0より大きく、それぞれのRは、8~14個の炭素原子を有するアルキル基であり、
n+1の平均が、潤滑添加剤の重合度であり、1.2~2.5である)
を有し、
リファイニング組成物が、6~8のpHを有する、方法。
【請求項2】
潤滑添加剤が、リファイニング組成物中に、複数のリグノセルロースチップの全重量に基づいて0.2~10重量%の量で存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
水が、リファイニング組成物中に、リファイニング組成物の全重量に基づいて50~99.5重量%の量で存在する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
リファイニング組成物が、潤滑添加剤及び水からなる、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
リファイニング組成物を複数のリグノセルロースチップに適用するステップを4分以内の時間行ってから、木材チップを機械的にリファイニングしてパルプを生成するステップを行う、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
リファイニング組成物を複数のリグノセルロースチップに適用するステップを、木材チップを機械的にリファイニングしてパルプを生成するステップと同時に行う、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
複数のリグノセルロースチップを機械的にリファイニングしてパルプを生成するステップが、複数のリグノセルロースチップを第1のリファイナーで機械的にリファイニングするステップ、次いで複数のリグノセルロースチップを第2のリファイナーでさらに機械的にリファイニングするステップを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
複数のリグノセルロースチップを機械的にリファイニングするステップ中に、複数のリグノセルロースチップに適用された、リファイニング組成物の全重量の25~100重量%が、前記第1のリファイナーで適用される、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
複数のリグノセルロースチップを機械的にリファイニングしてパルプを生成するステップが、複数のリグノセルロースチップを第1のリファイナーで機械的にリファイニングするステップ、複数のリグノセルロースチップを第2のリファイナーでさらに機械的にリファイニングするステップ、及び複数のリグノセルロースチップを第3のリファイナーでさらに機械的にリファイニングするステップを含む、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項10】
リファイニング組成物を複数のリグノセルロースチップに適用するステップが、リファイニング組成物の全て又は一部を、第1のリファイナー、第2のリファイナー、及び/又は第3のリファイナーにおいて、複数のリグノセルロースチップに直接適用するステップとしてさらに規定される、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
リファイニング組成物が、複数のリグノセルロースチップに適用されるときに5~99℃の温度を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
複数のリグノセルロースチップを機械的にリファイニングしてパルプを生成するステップが、1kg/時~100トン/時の速度で行われる、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
リファイニングするステップ中のエネルギー使用量が、特許請求される潤滑添加剤を使用しない、同様の方法のリファイニングするステップ中の同様のエネルギー使用量よりも、少なくとも5パーセント少ない、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
特許請求される潤滑添加剤を使用しない同様の方法の比較のスループットよりも、少なくとも1パーセントより多いスループットを有し、特許請求される潤滑添加剤を使用しない、同様の方法のリファイニングするステップ中の同様のエネルギー使用量と同じ又はそれより少ない、リファイニングするステップ中のエネルギー使用量を有する、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は全般に、パルプ化プロセスのスループットを増加させる、及び/又はエネルギー使用量を減少させる方法に関する。この方法は、特定の潤滑添加剤を含むリファイニング組成物を用いる。
【背景技術】
【0002】
パルプ産業界において知られているように、リグノセルロース材料、例えば木材チップは、パルプを製造するために様々なパルプ化プロセスで化学的及び/又は機械的にリファイニングされる。パルプを製造するのに用いられるリグノセルロース材料は、4種の主要な成分、セルロース繊維、リグニン(セルロース繊維を共に結合する三次元ポリマー)、ヘミセルロース(より短い分枝炭水化物ポリマー)、及び水を含む。パルプ化プロセスでは、リグノセルロース材料内のセルロース繊維が分離され、分離されたセルロース繊維をパルプと称する。化学的パルプ化プロセスでは、様々な腐食性化学物質を用いて、リグニン及びヘミセルロースが分解され、リグノセルロース材料内のセルロース繊維が分離されてパルプを生成する。機械的パルプ化プロセスでは、リグノセルロース材料内のセルロース繊維を、機械的にリファイニングして、すなわち物理的に引き裂いて、分離されたセルロース繊維を含むパルプを生成する。
【0003】
パルプ工場では、ストーン砕木パルプ(SGW)、加圧砕木パルプ(PGW)、リファイナーメカニカルパルプ(RMP)、加圧RMP(PRMP)、サーモRMP(TRMP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、サーモケミメカニカルパルプ(TCMP)、サーモメカニカルケミパルプ(TMCP)、長繊維ケミメカニカルパルプ(LFCMP)、及び化学的に処理された長繊維(CTLF)を含む、パルプ産業界で既知の、様々な機械的パルプ化プロセスを用いて、パルプ製造ラインでパルプを製造する。多くの最新のパルプ工場では、木材チップを、リファイナープレートと称される、鎬造りの金属製ディスクの間ですり砕くことによって機械的にリファイニングする、資本集約型の連続したパルプ製造ラインが使用される。パルプ製造ラインのスループットには制限があり得、機械的パルプ化プロセスは相当なエネルギー量を必要とする。改善された機械的パルプ化プロセスを開発する機会が残されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の方法は、パルプ化プロセスのスループットを増加させる、及び/又はエネルギー使用量を減少させるものであり、複数のリグノセルロースチップを用意するステップ、リファイニング組成物を用意するステップ、リファイニング組成物を複数のリグノセルロースチップに適用するステップ、及び複数のリグノセルロースチップを機械的にリファイニングしてパルプを生成するステップを含む。リファイニング組成物は、水、及び糖とアルコールとの反応生成物を含む潤滑添加剤を含む。リファイニング組成物をリグノセルロースチップに適用するステップを5分未満の時間行ってから、又は該ステップと同時に、木材チップを機械的にリファイニングしてパルプを生成するステップを行う。有利なことに、この方法によって、所望の化学的性質及び物理的性質、例えば、強度、明度、不透明度、ろ水度を有するパルプが効率的に製造される。
【0005】
本開示の他の利点は、添付の図面に関連して考える場合、以下の詳細な説明を参照することによってより良く理解されるものとして、容易に認識されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本開示の、パルプ化プロセスのスループットを増加させる、及び/又はエネルギー使用量を減少させる方法の様々な実施形態を説明するフロー図である。
図2】リグノセルロースチップに適用される本開示の潤滑組成物を含む、複数のリグノセルロースチップの水の吸収量を示す棒グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示は、パルプ化プロセスのスループットを増加させる、及び/又はエネルギー使用量を減少させる方法を提供する。本明細書に詳細に記載されるように、この方法は、複数のリグノセルロースチップを用意するステップ、リファイニング組成物を用意するステップ、リファイニング組成物を複数のリグノセルロースチップに適用するステップ、及び複数のリグノセルロースチップを機械的にリファイニングしてパルプを生成するステップを含む。本開示の方法を、当分野で既知の、任意の機械的パルプ化プロセスに適用することができる。本発明の方法は、セルロースの分離及び回収に関する、こうした方法の1つ以上のステップを含んでもよいが、こうしたステップは必要ではない。
【0008】
用語「リグノセルロースチップ」は、リグノセルロース材料のチップを説明するのに用いられる。リグノセルロース材料は、特に限定されず、木材、バガス、わら、フラックス残留物、木の実の殻、穀粒の殻、若しくはリグニン及びセルロースを含む任意の材料、並びにその組み合わせに由来する材料(又はその前駆材料)として、又は木材、バガス、わら、フラックス残留物、木の実の殻、穀粒の殻、若しくはリグニン及びセルロースを含む任意の材料、並びにその組み合わせに由来する材料(又はその前駆材料)を含むものとして、又は木材、バガス、わら、フラックス残留物、木の実の殻、穀粒の殻、若しくはリグニン及びセルロースを含む任意の材料、並びにその組み合わせに由来する材料(又はその前駆材料)から本質的になるものとして(例えば、非リグノセルロース材料を含まない)、又は木材、バガス、わら、フラックス残留物、木の実の殻、穀粒の殻、若しくはリグニン及びセルロースを含む任意の材料、並びにその組み合わせに由来する材料(又はその前駆材料)からなるものとしてさらに規定することができる。様々な実施形態において、リグノセルロース材料は、当分野で理解されるように、様々な種類の硬質木材及び/又は軟質木材から製造される。リグノセルロース材料は、丸太、産業用木材残留物、枝、粗いパルプ材などを細かく砕き、おが屑、チップ、フレーク、ウエハー、ストランド、スクリム、繊維、シートなどの形態の破片にすることなど、様々な方法から誘導することができる。最も典型的には、リグノセルロース材料は、リグノセルロースチップ、木材チップ、木材片、又は木材パルプとしてさらに規定される。
【0009】
リファイニング組成物
リファイニング組成物は、糖とアルコールとの反応生成物を含む潤滑添加剤、及び水を含む。
【0010】
I 潤滑添加剤
潤滑添加剤は、酸媒体中で、単糖類、又は単糖類に加水分解可能な化合物を、アルコール、例えば脂肪アルコールと反応させることによって製造される。
【0011】
糖は、式[C6H12O6]n+1(式中、nは、0以上の平均値である)を有する。様々な実施形態において、nは、0、1、2、3、4、5、6、7、又は8の平均値である。様々な実施形態において、nは、0~8、1~7、1~3、1~2、2~6、3~5、又は4~5の平均値である。様々な実施形態において、n+1は、1~3、1~2.5、1~2、1.5~3、1.5~2.5、1.5~2、1.2~2.5、1.1~1.9、1.2~1.8、1.3~1.7、1.4~1.6、1.4~1.8、又は1.5の値を有する。他の実施形態において、n+1は、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、又は2の平均値である。
【0012】
前述の式を有する、任意の糖又はその任意の異性体を使用することができる。例えば、糖は、アルドヘキソース又はケトヘキソースであってもよい。様々な実施形態において、糖は、アロース、アルトロース、ガラクトース、グルコース、グロース、イドース、マンノース、タロース、及びその組み合わせから選択される。他の実施形態において、糖は、フラクトース、プシコース、ソルボース、タガトース、及びその組み合わせから選択される。またさらなる実施形態において、糖は、グルコース、フラクトース、及びガラクトースから選択される。さらなる実施形態において、糖は、グルコース又はフラクトース又はガラクトースである。糖は、それぞれ式C6H12O6を有する、前述の糖の、任意の1種以上であってもよい。さらに、糖は、nが0より大きい場合、前述の糖の、任意の1種以上の複合体であってもよい。これらの複合体は、代替的に、炭水化物と記載されてもよい。
【0013】
典型的には、潤滑添加剤は、グルコースから形成され、すなわち、グルコースをその構成要素として含む。任意の既知の、グルコースの異性体又はアノマーを用いることができると考えられる。例えば、グルコースは、4つの光学中心を有し、したがって、グルコースは、15種の光学立体異性体を有することができ、そのいずれも使用することができる。
【0014】
アルキルアルコールは、式ROH(式中、Rは、1~20個の炭素原子を有するアルキル基である)を有する。アルキル基は、1~20個の、任意の数の炭素原子、又は任意の値、又はその間の値の範囲を有することができる。様々な実施形態において、Rは、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、又は16個の炭素原子を有するアルキル基である。他の実施形態において、Rは、8~12個の炭素原子を有するアルキル基である。さらなる実施形態において、Rは、8~14個の炭素原子を有するアルキル基である。他のさらなる実施形態において、Rは、8~16個の炭素原子を有するアルキル基である。アルキル基は、直鎖状であっても、分枝鎖状であっても、又は環状であってもよい。様々な実施形態において、アルキル基は、1個以上のC=C二重結合を有するアルケニル基としてさらに規定される。1個以上のC=C二重結合は、アルケニル基のいずれの位置に存在してもよい。
【0015】
特定の一実施形態において、アルキルアルコールは、式ROH(式中、Rは、1~20個の炭素原子を有するアルキル基である)を有する第1のアルキルアルコール、及び式R'OH(式中、R'は、独立して、1~20個の炭素原子を有するアルキル基である)を有する、第2の、異なるアルキルアルコールを含むものとしてさらに規定される。R及びR'のそれぞれは、上記の任意の値であってもよい。様々な実施形態において、R及び/又はR'は、それぞれ独立して、8、10、12、14、又は16である。他の実施形態において、R及び/又はR'は、それぞれ独立して、9、11、13、15、又は17である。さらに、上記の値を含む、及び上記の値の間の、全ての、値及び値の範囲は、非限定的な実施形態において用いるために、本明細書で明確に考慮される。
【0016】
アルキルアルコールと糖とを結合させて、式[C6H12O6][C6H11O5]nORを有する潤滑添加剤を生成する。式のそれぞれの部分は、C6H12O6の、任意の異性体であってもよい。言い換えれば、C6H12O6の任意の構造又は形態は、前述の式のいずれかの部分において用いることができる。「第1の」[C6H12O6]は、前述の式の「第2の」[C6H12O6]とは異なる異性体であってもよい。様々な、追加の非限定的な実施形態において、上記の値の間の、及び上記の値を含む、全ての、値及び値の範囲は、本明細書で明確に考慮される。
【0017】
さらに、Rは、1~20個の炭素原子を有する、直鎖状、分枝鎖状、環状などの、任意のアルキル基であってもよい。言い換えれば、Rは、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、又は20個の炭素原子を有することができる。様々な実施形態において、Rは、2~19個、3~18個、4~17個、5~16個、6~15個、7~14個、8~12個、8~13個、8~14個、9~10個、10~11個、10~12個、8~12個、8~10個、8~14個、10~14個、10~12個、6~14個、6~12個、6~8個、6~10個、又は6~12個の炭素原子を有する。一実施形態において、Rは、直鎖状であり、10個の炭素原子を有する。他の実施形態において、Rは、C8~C10、C10~C12、C12~C14、C8、C10、C12、C14、若しくはC16、又はその任意の組み合わせである。この式において、nは、平均値であり、又は0以上の数字である。様々な、追加の非限定的な実施形態において、上記の値の間の、及び上記の値を含む、全ての、値及び値の範囲は、本明細書で明確に考慮される。
【0018】
様々な実施形態において、潤滑添加剤は、一般に、以下の構造を有すると説明することができる。
【0019】
【化1】
(式中、nは、上記の通りである)
【0020】
他の実施形態において、nは1以上である。様々な実施形態において、n+1の平均は、潤滑添加剤の重合度であり、1.2~2.5、1.3~1.7、又は1.5~1.7である。様々な実施形態において、n+1の平均は、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、又は2.5である。様々な、追加の非限定的な実施形態において、上記の値の間の、及び上記の値を含む、全ての、値及び値の範囲は、本明細書で明確に考慮される。
【0021】
さらなる実施形態において、潤滑添加剤は以下の構造を有する。
【0022】
【化2】
(式中、Rは、上記のいずれか、例えばC8~C14又はその間のいずれかであってもよい)
【0023】
市販の潤滑添加剤の好適な例には、それらに限定されないが、BASF社から市販されている、DISPONIL(登録商標)及びGlucopon(登録商標)の製品が挙げられる。
【0024】
相溶性の観点から、潤滑添加剤は、アルカリ溶液、亜硫酸塩溶液、及びある種の酸性溶液に可溶性である。したがって、リファイニング組成物では、潤滑添加剤を、広範囲の他の成分と共に使用することができる。
【0025】
さらに、潤滑添加剤は、溶液中で、水酸化ナトリウム及び亜硫酸ナトリウムなどの電解質に対して耐性がある。したがって、潤滑添加剤を含むリファイニング組成物は、電解質の存在下で、特に安定であり、有効である。
【0026】
機械的パルプ化プロセスにおいて、潤滑添加剤は、リグノセルロースチップを迅速に湿潤させ、製造されたパルプで生成された製品に悪影響を及ぼすことなく、リグノセルロースチップをリファイニングするのに必要なエネルギー消費量を有効に減少させる。より詳細には、潤滑添加剤は、パルプ及びパルプから生成された製品の重要な特性に影響を及ぼさない。
【0027】
様々な実施形態において、潤滑添加剤は、リファイニング組成物中に、複数のリグノセルロースチップの全重量に基づいて、10重量%未満、9重量%未満、8重量%未満、7重量%未満、6重量%未満、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、0.5重量%未満、0.4重量%未満、0.3重量%未満、0.2重量%未満の量で存在する。他の実施形態において、潤滑添加剤は、複数のリグノセルロースチップの全重量に基づいて、0.01~10重量%、0.2~10重量%、0.5~8重量%、又は1~5重量%の量で存在する。前述の値の1つ以上は、前述の範囲内の、整数と小数の両方の、任意の値若しくは値の範囲であってもよく、及び/又は±5%、±10%、±15%、±20%、±25%、±30%など変化してもよいと考えられる。
【0028】
II 水
リファイニング組成物は、水も含む。水は、種類又は純度に特に限定されず、蒸留水、井戸水、水道水などを含んでもよい。さらに、リファイニング組成物に存在する水の量は、やはり特に限定されない。様々な実施形態において、水は、リファイニング組成物中に、リファイニング組成物の全重量に基づいて、5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%、90重量%、91重量%、92重量%、93重量%、94重量%、95重量%、96重量%、97重量%、98重量%、又は99重量%よりも多い量で存在する。他の実施形態において、水は、リファイニング組成物の全重量に基づいて、50~99.5重量%、80~99.5重量%、90~99重量%、又は95~99重量%の量で存在する。前述の値の1つ以上は、前述の範囲内の、整数と小数の両方の、任意の値若しくは値の範囲であってもよく、及び/又は±5%、±10%、±15%、±20%、±25%、±30%など変化してもよいと考えられる。
【0029】
III追加の添加剤(複数可)
潤滑添加剤及び水に加えて、リファイニング組成物は、それらに限定されないが、腐食防止剤、界面活性剤、pH調節剤、増粘剤、安定剤、臭気剤、着色剤、及びその組み合わせなどの、1種以上の追加の添加剤を含むことができる。含まれる場合、添加剤を、組成物中に、様々な量で含むことができる。いくつかの実施形態において、含まれる添加剤は、非イオン性、アニオン性、又はカチオン性であってよい。
【0030】
いくつかの実施形態において、リファイニング組成物は、腐食防止剤を含むことができる。腐食防止剤は、一般的な用語において、添加すると、エタノール処理の様々な物質に曝露された金属の腐食率を低減する物質として規定することができる。この目的で、腐食防止剤は、方法に用いられる装置の表面の腐食を防止するのに有用である。方法は、当分野で既知の、任意の腐食防止剤を含むことができる。勿論、リファイニング組成物は、1種以上の腐食防止剤、すなわち様々な腐食防止剤の組み合わせを含むことができる。一実施形態において、腐食防止剤は、両性界面活性剤を含む。したがって、腐食防止剤は、両性界面活性剤であってもよく、又は1種以上の追加の成分、例えば水を含んでもよい。腐食防止剤が水を含む場合、両性界面活性剤を様々な濃度でもたらすことができる。本開示において、好適な両性界面活性剤には、ベタイン、イミダゾリン、及びプロピオン酸塩が挙げられる。好適な両性界面活性剤のさらなる例には、スルタイン、アンホプロピオン酸塩、アンホジプロピオン酸塩、アミノプロピオン酸塩、アミノジプロピオン酸塩、アンホ酢酸塩、アンホ二酢酸塩、及びアンホヒドロキシプロピルスルホン酸塩が挙げられる。ある実施形態において、両性界面活性剤は、プロピオン酸塩又はアンホ二酢酸塩の少なくとも一方である。好適な両性界面活性剤の、さらなる特定の例には、N-アシルアミノ酸、例えばN-アルキルアミノ酢酸塩及びココアンホ二酢酸ニナトリウム、及びアミンオキシド、例えばステアラミンオキシドが挙げられる。一実施形態において、両性界面活性剤は、ココアンホ二酢酸ニナトリウムを含む。
【0031】
いくつかの実施形態において、リファイニング組成物は、界面活性剤を含むことができる。界面活性剤は、典型的には、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、及びイオン界面活性剤の群から選択される。本開示において、好適な両性界面活性剤には、ポリアルキレンオキシド、アルキルポリアルキレンオキシド、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、アルキルポリグルコシド、アルキルポリグルコシドのアニオン誘導体、脂肪アルコール、脂肪アルコールのアニオン誘導体、及びリン酸エステルが挙げられる。
【0032】
しかし、他の実施形態において、リファイニング組成物は、潤滑添加剤及び水からなるか、又は潤滑添加剤及び水から本質的になる。リファイニング組成物が、潤滑添加剤及び水から本質的になる実施形態は、特許請求される発明の、基本的な特徴及び新規の特徴に、実質的に影響を及ぼすことがある、任意の追加の添加剤又は他の成分を含まない。
【0033】
いくつかの実施形態において、組成物は、それらに限定されないが、界面活性剤、腐食防止剤、キレート剤、ポリマー、アクリルポリマー、酸、塩基、アルコール、及び/又はポリオールなどの添加剤を含まない。さらに他の実施形態において、リファイニング組成物は、界面活性剤、腐食防止剤、キレート剤、ポリマー、アクリルポリマー、酸、塩基、アルコール、及び/又はポリオールを含まない。本明細書において使用される場合、リファイニング組成物に含まれ得る成分に関する、用語「含まない(free of)」は、リファイニング組成物の全重量に基づいて、成分を0.5重量%未満、又は0.1重量%未満、又は0.01重量%未満、又は0重量%含むものとして規定することができる。
【0034】
IV リファイニング組成物の特性
リファイニング組成物は、中性pHで有効であり、したがって性質上、腐食性ではない。多くの実施形態において、リファイニング組成物は、1.5~12、4~10、5~9、6~8、又は6.5~7.5のpHを有する。様々な非限定的な実施形態において、前述した値の間の、全ての値及び値の範囲が、本明細書で明確に考慮される。
【0035】
いくつかの実施形態において、リファイニング組成物は、ASTM D2281を用いて測定される、100秒未満のドレイブスぬれ時間を有する。様々な実施形態において、リファイニング組成物は、ASTM D2281を用いて測定される、95秒未満、90秒未満、85秒未満、80秒未満、75秒未満、70秒未満、65秒未満、60秒未満、55秒未満、50秒未満、45秒未満、40秒未満、35秒未満、30秒未満、25秒未満、20秒未満、15秒未満、10秒未満、又は5秒未満のドレイブスぬれ時間を有し、又はそのいずれかの範囲若しくは複数の範囲が、前述した値内の、任意の、及び全ての、小数値及び小数値の範囲を含む。他の実施形態において、リファイニング組成物は、ASTM D2281を用いて測定される、1~20秒、2~18秒、3~17秒、4~16秒、5~15秒、6~14秒、7~13秒、8~12秒、9~11秒、又は10~11秒のドレイブスぬれ時間を有する。100秒未満のドレイブスぬれ時間は、水及びリファイニング組成物が、リグノセルロース材料と相互作用し、リグノセルロース材料に浸透するように、分岐蒸解添加剤(branched digestion additive)が、有効にリグノセルロース材料を湿潤させることを示す。様々な実施形態において、リファイニング組成物は、任意のドレイブスぬれ時間、又は0~100秒までの、整数と小数の両方の時間の範囲を有することが明確に考慮される。
【0036】
方法
本開示の方法は、パルプ化プロセスのスループットを増加させる、及び/又はエネルギー使用量を減少させる。パルプ化プロセスにおいて、リグノセルロースチップを機械的にリファイニングして、パルプを製造する。リグノセルロースチップは、4種の主要な成分、セルロース繊維、リグニン(セルロース繊維を共に結合する三次元ポリマー)、ヘミセルロース(より短い分枝炭水化物ポリマー)、及び水を含む。パルプ化プロセスでは、リグノセルロースチップ内のセルロース繊維をリファイニングして、すなわち物理的に引き裂いて、分離されたセルロース繊維を含むパルプを生成する。
【0037】
前述したように、本開示の方法は、リグノセルロースチップを用意するステップを含む。用意するステップは、特に限定されず、搬送すること、供給することなどを含んでもよい。様々な実施形態において、用意するステップは、リグノセルロース材料又はその前駆材料を、すり砕くこと、削り取ること、粉砕すること、細かく砕くこと、細断すること、及び切断することによって、前述の1種以上の形態のリグノセルロースチップを供給するものとしてさらに定めてもよい。一実施形態において、リグノセルロース材料は、リグノセルロースチップ、例えば木材チップを含む、又はそれから本質的になる、又はそれからなる。
【0038】
本開示の方法は、リファイニング組成物を用意するステップも含む。リファイニング組成物は、前述した通りである。用意するステップは、特に限定されず、搬送すること、供給することなどを含んでもよい。様々な実施形態において、用意するステップは、1種以上の形態のリファイニング組成物、例えば、希釈されるべき濃縮物として供給するものとしてさらに定めてもよい。
【0039】
いくつかの実施形態において、潤滑添加剤は、そのままの状態(ニート)で提供され、次いで、リファイニング組成物をリグノセルロースチップに適用するステップの前に、溶媒、例えば、水で希釈して、潤滑組成物を生成する。
【0040】
本明細書において、リファイニング組成物は、使用前に混合することができる、2種以上の個別の成分で供給することができるとも考えられる。例えば、リファイニング組成物は、一方の成分が潤滑添加剤を含み、他方の成分が水及び他の添加剤を含む、2種の成分系で供給することができる。この例において、2種の成分を、分離して、且つ使用位置のその場で、使用直前に共に混合して、必要ならば、水で希釈して提供することができる。
【0041】
本開示の方法は、リファイニング組成物を複数のリグノセルロースチップに適用するステップを含む。いくつかの実施形態において、リファイニング組成物は、複数のリグノセルロースチップに、5~99℃、5~85℃、5~45℃、又は15~35℃の温度で適用される。様々な非限定的な実施形態において、前述した値の間の、全ての値及び値の範囲が、本明細書で明確に考慮される。
【0042】
リファイニング組成物は、複数のリグノセルロースチップに適用される。いくつかの実施形態において、リファイニング組成物は、複数のリグノセルロースチップの全重量に基づいて、0.5~125重量%、5~100重量%、又は10~80重量%の量で適用される。或いは、リファイニング組成物は、潤滑添加剤が、リファイニングされる、複数のリグノセルロースチップの全重量に基づいて、0.01~10重量%、0.01~5重量%、0.01~2.0重量%、0.01~1.0重量%、0.1~0.7重量%、又は0.1~0.5重量%の量で存在するような量で適用される。様々な非限定的な実施形態において、前述した値の間の、全ての値及び値の範囲が、本明細書で明確に考慮される。
【0043】
本開示の方法は、複数のリグノセルロースチップを機械的にリファイニングしてパルプを生成するステップを含む。複数のリグノセルロースチップを機械的にリファイニングするステップ中に、リグノセルロースチップ内のセルロース繊維は、引き裂かれて、分離されたセルロース繊維を含むパルプを生成する。典型的な一実施形態において、複数のリグノセルロースチップを機械的にリファイニングするステップは、リファイナープレートと称される、鎬造りの金属製ディスクの間でセルロースチップをすり砕くことによって機械的にリファイニングする、リファイナーにおいて行われる。
【0044】
様々な実施形態において、複数のリグノセルロースチップを機械的にリファイニングしてパルプを生成するステップは、1個以上のリファイナー、例えば、第1のリファイナー、第2のリファイナー、及び第3のリファイナーの任意の組み合わせで行われる。一例で、方法の実施形態は、1個のリファイナーで複数のリグノセルロースチップを機械的にリファイニングしてパルプを生成する、単一のステップを含む。別の例において、方法の実施形態は、第1のリファイナーで複数のリグノセルロースチップを機械的にリファイニングするステップ、次いで第2のリファイナーで複数のリグノセルロースチップをさらに機械的にリファイニングするステップを含む。さらに別の例において、方法の実施形態は、第1のリファイナーで複数のリグノセルロースチップを機械的にリファイニングするステップ、第2のリファイナーで複数のリグノセルロースチップをさらに機械的にリファイニングするステップ、及び第3のリファイナーで複数のリグノセルロースチップをまたさらに機械的にリファイニングするステップを含む。図1は、第1のリファイナー、第2のリファイナー、及び第3のリファイナーを使用する、本開示のパルプ化プロセスのスループットを増加させる、及び/又はエネルギー使用量を減少させる方法の、様々な実施形態を説明するフロー図である。
【0045】
リファイニング組成物により、複数のリグノセルロースチップを機械的にリファイニングしてパルプを生成するステップ中の、スループットが増え、及び/又はエネルギー使用量が減る。有利なことに、リグノセルロースチップを、リファイニング組成物に浸漬させる必要はない。リファイニング組成物により、ほとんどドウェル時間がない、リグノセルロースチップをリファイニングするステップ中に必要とされるエネルギー量が減る。この目的で、本開示の方法において、リファイニング組成物をリグノセルロースチップに適用するステップを5分未満の時間行ってから、又は該ステップと同時に、木材チップを機械的にリファイニングしてパルプを生成するステップを行う。いくつかの実施形態において、リファイニング組成物を複数のリグノセルロースチップに適用するステップを4分以内、3分以内、2分以内、1分以内の時間行ってから、木材チップを機械的にリファイニングしてパルプを生成するステップを行う。
【0046】
多くの実施形態において、リファイニング組成物を複数のリグノセルロースチップに適用するステップは、木材チップを機械的にリファイニングしてパルプを生成するステップと同時に行う。
【0047】
多くの実施形態において、リファイニング組成物を複数のリグノセルロースチップに適用するステップは、1つ以上のサブステップ、又はリファイニング組成物を適用することを含む。例えば、方法の一実施形態において、複数のリグノセルロースチップを機械的にリファイニングするステップ中に、第1のリファイナーにおいて、リファイニング組成物の全量の5~100重量%又は25~100重量%が、複数のリグノセルロースチップに適用される。いくつかの実施形態において、リファイニング組成物の、全て又は一部は、第1のリファイナー、第2のリファイナー、及び/又は第3のリファイナーにおいて、複数のリグノセルロースチップに適用される。様々な非限定的な実施形態において、前述した値の間の、全ての値及び値の範囲、例えば、第1のリファイナー、第2のリファイナー、及び第3のリファイナーにおいて適用される、リファイニング組成物を適用する部分が、本明細書で明確に考慮される。
【0048】
いくつかの実施形態において、方法は、複数のリグノセルロースチップを機械的にリファイニングしてパルプを生成するステップが、1kg/時~1000トン/時、50kg/時~700トン/時、500kg/時~500トン/時、又は1トン/時~300トン/時の速度で行われる、連続した方法としてさらに規定される。様々な非限定的な実施形態において、前述した値の間の、全ての値及び値の範囲が、本明細書で明確に考慮される。
【0049】
方法の多くの実施形態において、リファイニングするステップ中のエネルギー使用量は、特許請求される潤滑添加剤を使用しない、同様の方法のリファイニングするステップ中の同様のエネルギー使用量よりも、少なくとも5パーセント、少なくとも6パーセント、少なくとも7パーセント、少なくとも8パーセント、少なくとも9パーセント、少なくとも10パーセント、少なくとも11パーセント、少なくとも12パーセント、少なくとも13パーセント、少なくとも14パーセント、少なくとも15パーセント、少なくとも16パーセント、少なくとも17パーセント、少なくとも18パーセント、少なくとも19パーセント、少なくとも20パーセント、少なくとも25パーセント、少なくとも30パーセント、少なくとも35パーセント、少なくとも40パーセント、少なくとも45パーセント少ない。或いは、方法のいくつかの実施形態において、リファイニングするステップ中のエネルギー使用量は、リファイニングするステップ中に特許請求される潤滑添加剤を使用しない、同様の方法のリファイニングするステップ中の同様のエネルギー使用量よりも、1~50パーセント、5~50パーセント、5~40パーセント、5~30パーセント、5~20パーセント、10~20パーセント、又は8~16パーセント少ない。
【0050】
方法の多くの実施形態において、リファイニングするステップ中のエネルギー使用量は、界面活性剤又は潤滑添加剤を使用しない、同様の方法のリファイニングするステップ中の同様のエネルギー使用量よりも、少なくとも5パーセント、少なくとも6パーセント、少なくとも7パーセント、少なくとも8パーセント、少なくとも9パーセント、少なくとも10パーセント、少なくとも11パーセント、少なくとも12パーセント、少なくとも13パーセント、少なくとも14パーセント、少なくとも15パーセント、少なくとも16パーセント、少なくとも17パーセント、少なくとも18パーセント、少なくとも19パーセント、少なくとも20パーセント、少なくとも25パーセント、少なくとも30パーセント、少なくとも35パーセント、少なくとも40パーセント、又は少なくとも45パーセント少ない。或いは、方法のいくつかの実施形態において、リファイニングするステップ中のエネルギー使用量は、リファイニングするステップ中に界面活性剤又は潤滑添加剤を使用しない、同様の方法のリファイニングするステップ中の同様のエネルギー使用量よりも、1~50パーセント、5~50パーセント、5~40パーセント、5~30パーセント、5~20パーセント、10~20パーセント、又は8~16パーセント少ない。
【0051】
方法の多くの実施形態において、リファイニングするステップ中のエネルギー使用量が、リファイニングするステップ中に特許請求される潤滑添加剤を使用しない、同様の方法のリファイニングするステップ中の同様のエネルギー使用量と同じ又はそれより少ない場合、スループットは、特許請求される潤滑添加剤を使用しない、同様の方法の比較のスループットよりも、少なくとも1パーセント、少なくとも5パーセント、少なくとも6パーセント、少なくとも7パーセント、少なくとも8パーセント、少なくとも9パーセント、少なくとも10パーセント、少なくとも11パーセント、少なくとも12パーセント、少なくとも13パーセント、少なくとも14パーセント、少なくとも15パーセント、少なくとも16パーセント、少なくとも17パーセント、少なくとも18パーセント、少なくとも19パーセント、又は少なくとも20パーセント多い。或いは、方法のいくつかの実施形態において、リファイニングするステップ中のエネルギー使用量が、リファイニングするステップ中に特許請求される潤滑添加剤を使用しない、同様の方法のリファイニングするステップ中の同様のエネルギー使用量と同じ又はそれより少ない場合、スループットは、特許請求される潤滑添加剤を使用しない、同様の方法の比較のスループットよりも、1~20パーセント、5~20パーセント、10~20パーセント、又は8~16パーセント多い。
【0052】
方法の多くの実施形態において、リファイニングするステップ中のエネルギー使用量が、リファイニングするステップ中に界面活性剤又は潤滑添加剤を使用しない、同様の方法のリファイニングするステップ中の同様のエネルギー使用量と同じ又はそれより少ない場合、スループットは、界面活性剤又は潤滑添加剤を使用しない、同様の方法の比較のスループットよりも、少なくとも1パーセント、少なくとも5パーセント、少なくとも6パーセント、少なくとも7パーセント、少なくとも8パーセント、少なくとも9パーセント、少なくとも10パーセント、少なくとも11パーセント、少なくとも12パーセント、少なくとも13パーセント、少なくとも14パーセント、少なくとも15パーセント、少なくとも16パーセント、少なくとも17パーセント、少なくとも18パーセント、少なくとも19パーセント、又は少なくとも20パーセント多い。或いは、方法のいくつかの実施形態において、リファイニングするステップ中に界面活性剤又は特許請求される潤滑添加剤を使用しない、同様の方法のリファイニングするステップ中の同様のエネルギー使用量と同じ又はそれより少ない場合、スループットは、界面活性剤又は潤滑添加剤を使用しない、同様の方法の比較のスループットよりも、1~20パーセント、5~20パーセント、10~20パーセント、又は8~16パーセント多い。
【0053】
前述したように、パルプ工場では、問題なことにエネルギー大量消費となる機械的パルプ化プロセスが使用される。したがって、エネルギー使用量を増加させることなく、機械的パルプ化のスループットを増加させる方法、又は標準のスループットで、こうした機械的パルプ化プロセスのエネルギー使用量を減少させる方法のいずれかの解決法が必要である。勿論、こうした解決法によりパルプ品質を落としてはならない。理論に捉われることなく、潤滑添加剤は、リファイニング組成物の水の表面張力を下げ、水が複数のリグノセルロースチップにより良好に浸透することができ、複数のリグノセルロースチップを「膨張させ」、且つ軟らかくする、より多くの水吸収量をもたらし、低減されたエネルギーでリファイニングすることができ、それによってパルプ品質(又はパルプから生成される紙の品質)に影響を及ぼさないと考えられる。
【0054】
方法の多くの実施形態において、本開示の方法で製造されたパルプは、50~800、75~600、又は100~300の、カナダ標準ろ水度(「CSF」)に従って測定されるフィブリル化度を有する。或いは、本開示の方法で製造されたパルプは、特許請求される潤滑添加剤を使用しない、同様の方法によって製造されたパルプのフィブリル化度の、約±5%、約±10%、約±15%、約±20%、約±25%のCSFを有する。さらなる非限定的な実施形態において、前述の範囲の終点内の、及び前述の範囲の終点を含む、全ての、値及び値の範囲は、本明細書で明確に考慮される。
【0055】
CSFは、水1リットル中の繊維質パルプ材料3グラムが排水することができる率を測定する経験的試験手順である。CSF測定は、TAPPI T227試験方法に従って行われる。CSF測定の実施において、より多くフィブリル化された繊維質パルプ材料は、より低い水排出率、したがってより低い「ml CSF」値を有することになり、あまりフィブリル化されていない繊維質パルプ材料は、より高い「ml CSF」値を有することになると留意されたい。
【0056】
方法の多くの実施形態において、本開示の方法で製造されたパルプは、TAPPI T494に従って試験される、100~8000N/m、600~6000N/m、又は1200~4000N/mの湿潤引張強さを有する。
【0057】
本開示の組成物及び方法を説明する以下の実施例は例示のためであり、本開示を限定する意図はない。
【実施例
【0058】
[実施例1]
水吸収量
実施例1の潤滑添加剤を含むリファイニング組成物の系列は、本開示に従って生成される。比較のリファイニング組成物の2つの系列も生成されるが、本開示では示さない。
【0059】
トウヒキューブ(spruce cube)(リグノセルロースチップ)の試料1~500gを、リファイニング組成物のそれぞれに沈めて、混合物を生成し、その混合物を90℃で30分間撹拌する。トウヒキューブのそれぞれの試料を、リファイニング組成物から分離し、再び重さを量る。トウヒキューブの試料の重量パーセントの増加を測定し、図2の棒グラフに記録する。実施例1のリファイニング組成物並びに比較例1及び比較例2のリファイニング組成物に関する詳細をすぐ下に示す。
【0060】
図2に関して、水を含むリファイニング組成物、中性pH(7)を有する水を含むリファイニング組成物、アルカリ性pH(12)を有する水を含むリファイニング組成物、酸性pH(1.5)を有する水を含むリファイニング組成物、及び亜硫酸塩溶液を含むリファイニング組成物を、実施例1の潤滑添加剤と共に生成し、黒色で示す。実施例1の潤滑添加剤は、式[C6H12O6]n+1(式中、nは、1~2の平均値である)を有する糖と、式ROH(式中、Rは、8~10個の炭素原子を有するアルキル基である)を有するアルキルアルコールとの反応生成物を含む。
【0061】
さらに図2に関して、界面活性剤又は潤滑添加剤を含まない、比較のリファイニング組成物の系列は、水(pH7)、アルカリ性pH(12)の水、酸性pH(1.5)の水、及び亜硫酸塩溶液を含んで生成され、比較例1と称し、白色で示す。これらのリファイニング組成物は、本質的に、界面活性剤又は潤滑添加剤を含まない対照組成物である。
【0062】
さらに図2に関して、水中のリファイニング組成物、中性pH(7)水中のリファイニング組成物、アルカリ性pH(12)水中のリファイニング組成物、酸性pH(1.5)のリファイニング組成物、及び亜硫酸塩溶液中のリファイニング組成物を、比較例2のアルコールエトキシレート界面活性剤と共に生成し、灰色で示す。
【0063】
図2に示すように、実施例1のリファイニング組成物は、比較例1及び比較例2と比較して、トウヒキューブの試料の水吸収量を促進する。さらに、実施例1の潤滑添加剤は、酸性、塩基性、中性などの広範囲の状態にわたって、良好に作用する。実施例1の潤滑添加剤は、リファイニング組成物の水の表面張力を下げ、水が複数のトウヒキューブにより良好に浸透することができ、その結果、トウヒキューブを膨張させ、且つ軟らかくする、より多くの水吸収量をもたらす。
【0064】
[実施例2]
増えたスループット及び/又は減ったエネルギー使用量
水及び潤滑添加剤を含むリファイニング組成物を、実施例2の方法で使用する。実施例2の方法は、本開示に従うものである。実施例1の方法の潤滑添加剤は、式[C6H12O6]n+1(式中、nは、1~2の平均値である)を有する糖と、式ROH(式中、Rは、8~10個の炭素原子を有するアルキル基である)を有するアルキルアルコールとの反応生成物を含む。
【0065】
実施例1のリファイニング組成物を、第1のリファイナー、第2のリファイナー、及び第3のリファイナーを備える、連続した機械的リファイニング方法に導入する。リファイニング組成物は、リファイニングされるリグノセルロースチップの全重量に基づいて0.4重量%の潤滑添加剤が添加されるような量で、第1のリファイナーに添加する。実験の結果を、以下の表1に示す。
【0066】
【表1】
【0067】
上記の表1を参照すると、潤滑添加剤及び水を含むリファイニング組成物を使用する実施例2の方法により、対照の方法によって生成されるパルプと同様の品質のパルプが生成され、対照の方法よりも、KW/時で15%少ないエネルギーが使用される。
【0068】
前述の値の1つ以上は、変化分が本開示の範囲内にとどまる限り、±5%、±10%、±15%、±20%、±25%、±30%など変化してもよいと理解されるべきである。さらに、前述の値それぞれの、範囲内又は間の、整数と小数の両方の、全ての、値及び値の範囲は、様々な非限定的な実施形態において明確に考慮される。また、添付の特許請求の範囲は、詳細な説明に記載された、任意の特定の化合物、組成物、又は方法を表すのに限定されず、添付の特許請求の範囲に記載の範囲内に含まれる、特定の実施形態の間で変わることができることを理解されたい。様々な実施形態の、特定の特徴又は態様を説明するのを本明細書で依拠された、任意のマーカッシュ群について、全ての他のマーカッシュ構成要素から独立した、それぞれのマーカッシュ群の各構成要素から、異なる結果、特殊な結果、及び/又は予期しない結果を得ることがあり得ると理解されたい。マーカッシュ群の各構成要素は、個別に、及び/又は組み合わせて依存してもよく、添付の特許請求の範囲に記載の範囲内の、特定の実施形態を十分に支持する。
【0069】
また、本開示の様々な実施形態を説明するのに依拠される、任意の範囲及び下位範囲は、独立して、及び集合的に、添付の特許請求の範囲に記載の範囲内に含まれると理解されるべきであり、整数値及び/又は小数値を含む全ての範囲を、こうした値が本明細書に明記されていなくても説明し、且つ考慮していると理解される。当業者は、列挙された範囲及び下位範囲が、本開示の様々な実施形態を十分に説明し、且つ可能にし、こうした範囲及び下位範囲が、適切な、2分の1、3分の1、4分の1、5分の1などにさらに線引きすることができることを容易に認識する。単なる一例として、「0.1~0.9の」範囲は、低い方の3分の1、すなわち0.1~0.3、中間の3分の1、すなわち0.4~0.6、及び高い方の3分の1、すなわち0.7~0.9にさらに線引きすることができ、それらは、個別に、及び集合的に、添付の特許請求の範囲に記載の範囲内にあり、個別に、及び/又は集合的に依存してもよく、添付の特許請求の範囲に記載の範囲内の、特定の実施形態を十分に支持することができる。さらに、範囲を規定する、又は修飾する言語、例えば「少なくとも」、「より多い」、「未満」、「以下」などに関して、こうした言語は、下位範囲及び/又は上限若しくは下限を含むことを理解されたい。別の例として、「少なくとも10」の範囲には、本質的に、少なくとも10~35の下位範囲、少なくとも10~25の下位範囲、25~35の下位範囲などが含まれ、それぞれの下位範囲は、個別に、及び/又は集合的に依存してもよく、添付の特許請求の範囲に記載の範囲内の、特定の実施形態を十分に支持する。最後に、開示された範囲内の個々の数は、依存してもよく、添付の特許請求の範囲に記載の範囲内の、特定の実施形態を十分に支持する。例えば、「1~9の」範囲は、3などの様々な個々の整数だけでなく、4.1などの小数点を含む個々の数(すなわち小数)も含み、それらは依存してもよく、添付の特許請求の範囲に記載の範囲内の、特定の実施形態を十分に支持することができる。
【0070】
独立請求項、並びに単項従属及び多項従属の両方の従属請求項の、全ての組み合わせの内容が本明細書において明確に考慮されているが、簡潔性のために詳細には記載されてはいない。本開示は例示的に説明しており、用いた用語は、言葉の性質上、限定するものではなく説明する意図であると理解されたい。本開示の多くの改変及び変更が、上記の教示を鑑みて可能であり、本開示は詳細に記載されたもの以外で実施することができる。
本発明は、以下の実施形態を包含する。
(実施形態1)
パルプ化プロセスのスループットを増加させる、及び/又はエネルギー使用量を減少させる方法であって、
A 複数のリグノセルロースチップを用意するステップ、
B
(i)水、及び
(ii)複数のリグノセルロースチップの全重量に基づいて0.01~10重量%の量で存在し、糖とアルコールとの反応生成物を含む、潤滑添加剤
を含む、リファイニング組成物を用意するステップ、
C リファイニング組成物を複数のリグノセルロースチップに適用するステップ、並びに
D 複数のリグノセルロースチップを機械的にリファイニングしてパルプを生成するステップ
を含み、
リファイニング組成物をリグノセルロースチップに適用するステップを5分未満の時間行ってから、又は該ステップと同時に、木材チップを機械的にリファイニングしてパルプを生成するステップを行う、方法。
(実施形態2)
糖が、式[C 6 H 12 O 6 ] n+1 (式中、nは、0、1、2、3、4、5、6、7、又は8の平均値である)を有する、実施形態1に記載の方法。
(実施形態3)
アルキルアルコールが、式ROH(式中、Rは、1~20個の炭素原子を有するアルキル基である)を有する、実施形態1又は2に記載の方法。
(実施形態4)
アルキルアルコールが、式ROH(式中、Rは、1~20個の炭素原子を有するアルキル基である)を有する第1のアルキルアルコール、及び前記第1のアルキルアルコールとは異なる、式R'OH(式中、R'は、独立して、1~20個の炭素原子を有するアルキル基である)を有する第2のアルキルアルコールを含むものとしてさらに規定される、実施形態1から3のいずれか一項に記載の方法。
(実施形態5)
潤滑添加剤が、以下の一般構造:
【化3】
(式中、nは、平均値であり、0より大きく、それぞれのRは、2~19個の炭素原子を有するアルキル基である)
を有する、実施形態1から4のいずれか一項に記載の方法。
(実施形態6)
n+1の平均が、潤滑添加剤の重合度であり、1.2~2.5である、実施形態1から5のいずれか一項に記載の方法。
(実施形態7)
Rが、8~14個の炭素原子を有するアルキル基である、実施形態1から6のいずれか一項に記載の方法。
(実施形態8)
潤滑添加剤が、リファイニング組成物中に、複数のリグノセルロースチップの全重量に基づいて0.2~10重量%の量で存在する、実施形態1から7のいずれか一項に記載の方法。
(実施形態9)
水が、リファイニング組成物中に、リファイニング組成物の全重量に基づいて50~99.5重量%の量で存在する、実施形態1から8のいずれか一項に記載の方法。
(実施形態10)
リファイニング組成物が、6~8のpHを有する、実施形態1から9のいずれか一項に記載の方法。
(実施形態11)
リファイニング組成物が、潤滑添加剤及び水から本質的になる、実施形態1から10のいずれか一項に記載の方法。
(実施形態12)
リファイニング組成物を複数のリグノセルロースチップに適用するステップを4分以内の時間行ってから、木材チップを機械的にリファイニングしてパルプを生成するステップを行う、実施形態1から11のいずれか一項に記載の方法。
(実施形態13)
リファイニング組成物を複数のリグノセルロースチップに適用するステップを、木材チップを機械的にリファイニングしてパルプを生成するステップと同時に行う、実施形態1から12のいずれか一項に記載の方法。
(実施形態14)
複数のリグノセルロースチップを機械的にリファイニングしてパルプを生成するステップが、複数のリグノセルロースチップを第1のリファイナーで機械的にリファイニングするステップ、次いで複数のリグノセルロースチップを第2のリファイナーでさらに機械的にリファイニングするステップを含む、実施形態1から13のいずれか一項に記載の方法。(実施形態15)
複数のリグノセルロースチップを機械的にリファイニングするステップ中に、複数のリグノセルロースチップに適用された、リファイニング組成物の全重量の25~100重量%が、前記第1のリファイナーで適用される、実施形態12に記載の方法。
(実施形態16)
複数のリグノセルロースチップを機械的にリファイニングしてパルプを生成するステップが、複数のリグノセルロースチップを第1のリファイナーで機械的にリファイニングするステップ、複数のリグノセルロースチップを第2のリファイナーでさらに機械的にリファイニングするステップ、及び複数のリグノセルロースチップを第3のリファイナーでさらに機械的にリファイニングするステップを含む、実施形態12又は13に記載の方法。
(実施形態17)
リファイニング組成物を複数のリグノセルロースチップに適用するステップが、リファイニング組成物の全て又は一部を、第1のリファイナー、第2のリファイナー、及び/又は第3のリファイナーにおいて、複数のリグノセルロースチップに直接適用するステップとしてさらに規定される、実施形態14に記載の方法。
(実施形態18)
リファイニング組成物が、複数のリグノセルロースチップに適用されるときに5~99℃の温度を有する、実施形態1~17のいずれか一項に記載の方法。
(実施形態19)
複数のリグノセルロースチップを機械的にリファイニングしてパルプを生成するステップが、1kg/時~100トン/時の速度で行われる、実施形態1~18のいずれか一項に記載の方法。
(実施形態20)
リファイニングするステップ中のエネルギー使用量が、特許請求される潤滑添加剤を使用しない、同様の方法のリファイニングするステップ中の同様のエネルギー使用量よりも、少なくとも5パーセント少ない、実施形態1~19のいずれか一項に記載の方法。
(実施形態21)
特許請求される潤滑添加剤を使用しない同様の方法の比較のスループットよりも、少なくとも1パーセントより多いスループットを有し、特許請求される潤滑添加剤を使用しない、同様の方法のリファイニングするステップ中の同様のエネルギー使用量と同じ又はそれより少ない、リファイニングするステップ中のエネルギー使用量を有する、実施形態1~20のいずれか一項に記載の方法。
(実施形態22)
パルプが、TAPPI T227に従って試験される50~800のカナダ標準ろ水度(CSF)を有する、及び/又はTAPPIT494に従って試験される100~8000N/mの湿潤引張強さを有する、実施形態1~21のいずれか一項に記載の方法。

図1
図2