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特許7353981アミンのためのブロッキング剤、潜在性硬化剤及びポリウレタン組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-22
(45)【発行日】2023-10-02
(54)【発明の名称】アミンのためのブロッキング剤、潜在性硬化剤及びポリウレタン組成物
(51)【国際特許分類】
   C08G 18/32 20060101AFI20230925BHJP
【FI】
C08G18/32 053
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019562586
(86)(22)【出願日】2018-06-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-13
(86)【国際出願番号】 EP2018066179
(87)【国際公開番号】W WO2018234268
(87)【国際公開日】2018-12-27
【審査請求日】2021-06-08
(31)【優先権主張番号】17176691.8
(32)【優先日】2017-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】506416400
【氏名又は名称】シーカ テクノロジー アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100116975
【弁理士】
【氏名又は名称】礒山 朝美
(72)【発明者】
【氏名】ウルス ブルクハルト
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス クレーマー
【審査官】古妻 泰一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/179916(WO,A1)
【文献】特表2005-533916(JP,A)
【文献】特表2002-543221(JP,A)
【文献】米国特許第05288804(US,A)
【文献】特開昭48-096559(JP,A)
【文献】特開昭51-004138(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 18/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
- 70重量%~95重量%の、式(I)
【化1】
(式中、Rは、10~14個の炭素原子を有するアルキル基である)
のアルデヒド、及び
- 5重量%~30重量%の、前記式(I)の構造を有しないアルキルベンゼン化合物
を含むアルデヒド混合物の、アミンのためのブロッキング剤としての使用。
【請求項2】
前記式(I)の構造を有しない前記アルキルベンゼン化合物は、前記式(I)の前記アルデヒドよりも高い沸点を有することを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記アルキル基Rは、分岐していることを特徴とする、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
ホルミル基は、パラ位にあることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の使用。
【請求項5】
前記式(I)の前記アルデヒドは、4-デシルベンズアルデヒド、4-ウンデシルベンズアルデヒド、4-ドデシルベンズアルデヒド、4-トリデシルベンズアルデヒド及び4-テトラデシルベンズアルデヒドから選択され、前記アルデヒドの前記アルキル基は、分岐していることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項6】
前記式(I)の構造を有しない前記アルキルベンゼン化合物は、式
【化2】
(式中、R’は、6~20個の炭素原子を有するアルキレン基である)
の1つ以上の化合物を含むことを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の使用。
【請求項7】
前記アルデヒド混合物は、式
【化3】
の少なくとも1つのアルキルベンゼンのホルミル化の反応生成物であることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の使用。
【請求項8】
前記ホルミル化は、フッ化水素酸及び三フッ化ホウ素の存在下で一酸化炭素と共に実施されたものであることを特徴とする、請求項7に記載の使用。
【請求項9】
ブロックされる前記アミンは、少なくとも1つの第一級又は第二級アミノ基と、追加的に、第一級アミノ基、第二級アミノ基、水酸基及びシラン基から選択される少なくとも1つの反応基とを有することを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の使用。
【請求項10】
ブロックされる前記アミンは、第一級脂肪族ジアミン、第一級芳香族ジアミン、第一級脂肪族トリアミン、第一級及び第二級アミノ基を有する脂肪族ジアミン、2つの第一級及び第二級アミノ基を有する脂肪族ポリアミン、アミノアルコール、ジアルカノールアミン、アミノシラン並びにアルカノールアミノシランからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の使用。
【請求項11】
前記アルデヒド混合物は、ブロックされる前記アミンと反応し、それにより、
- 前記アルデヒド混合物は、任意に溶剤が添加されて、前記アミンと化合して反応混合物をもたらし、アルデヒド基は、ブロックされる前記アミンの第一級及び第二級アミノ基に関して、化学量論量又は化学量論的過剰量で存在し、及び
- 前記反応において生成された縮合水、及び任意に前記化合中又はその後に用いられた溶剤は、前記反応混合物から、任意に前記反応混合物の加熱及び/又は減圧の適用を伴う好適な方法を用いて除去されることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の使用。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載のアルデヒド混合物の使用から得られる、前記式(I)の前記アルデヒドによってブロックされたアミンを含む混合物。
【請求項13】
前記式(I)の前記アルデヒドによってブロックされたアミンが、式(II)及び/又は(III)
【化4】
(式中、
Xは、O、又はS、又はNRであり、ここで、Rは、1~18個の炭素原子を有する一価の有機基であり、
Yは、任意に置換されている1,2-エチレン又は1,3-プロピレン基である)
の官能基を有することを特徴とする、請求項12に記載の混合物。
【請求項14】
請求項12又は13に記載の混合物に含まれる少なくとも1つのブロックされたアミンを含むイソシアネート基を有する化合物を含有する組成物。
【請求項15】
- 少なくとも1つのポリイソシアネート及び/又はイソシアネート基を含有する少なくとも1つのポリウレタンポリマー、及び
- 式(IV)
【化5】
(式中、
nは、2又は3であり、
Aは、28~10000の範囲の分子量を有するn価の有機基である)
の少なくとも1つのポリアルジミン
を含むことを特徴とする、請求項14に記載のイソシアネート基を有する化合物を含有する組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に弾性接着剤、シーラント及びコーティングとしての用途のための、アミンのためのブロッキング剤、潜在性硬化剤及びそのポリウレタン組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
イソシアネート基と水分又は水との反応を介して架橋し、硬化してエラストマーをもたらすポリウレタン組成物は、例えば、アセンブリにおける構成要素の接合のため、接合部の充填のため、床のコーティングとして又は屋根のシールとして、建設業及び製造業における接着剤、シーラント又はコーティングとしてとりわけ用いられる。良好な接着性及び弾性のため、これらは、振動又は温度変化によって引き起こされて基材に作用する力を穏やかに減衰することが可能である。しかしながら、この種の組成物が高湿度及び/又は高温下で用いられる場合、その硬化は、多くの場合、十分な速度で溶解又は消散しない二酸化炭素ガスの放出のため、破断を生じさせる気泡の形成を伴って進行し、これにより接着性及び強度が損なわれる。気泡の形成を回避するために、潜在性硬化剤と呼ばれる化学的にブロックされたアミンを組成物に添加することが可能である。このアミンは、加水分解を介して水分と結合し、アミノ基を遊離させ、これが二酸化炭素の形成を伴うことなくイソシアネート基と反応する。用いられる潜在性硬化剤は、通常、アルジミン、ケチミン又はオキサゾリジン基を有する化合物である。しかしながら、公知の潜在性硬化剤は、多くの場合、室温で粘性が高い油であるか又は固形であり、従って例えば溶融又は溶解させる必要があるなど、その取り扱いに対する高い要求が存在するという不利益を有する。さらに、これらは、潜在性が十分ではなく、従って保管中にイソシアネート基を含有する組成物中において想定外に早期にイソシアネート基の架橋反応を引き起こす場合があり、組成物の保管安定性が低く、且つ/又は風乾時間が過度に短くなり、作業枠が過度に小さくなるほどにその硬化が加速される場合がある。しかも、公知の潜在性硬化剤の多くは、硬化時、潜在性硬化剤中においてブロッキング剤として機能し、加水分解によって放出される、きわめて揮発性で臭気が強いアルデヒド又はケトンによって引き起こされる厄介な臭気の導入をもたらす。
【0003】
国際公開第2004/013200号パンフレットは、潜在性硬化剤を含むポリウレタン組成物を開示しており、そのブロッキング剤は、非揮発性であり、従って硬化組成物中に留まる。これらの組成物は、完全に無臭であり、従って臭気の導入に係る問題なしに屋内空間又は大面積への塗布にも用いられ得る。しかしながら、これらは、種々の欠点を有する。非揮発性のブロッキング剤は、硬化組成物中において可塑剤として作用し、これは、機械的強度又は剛性を低下させ得る。可塑剤の含有量が高いとき、多くの場合に可塑剤の移行が増加し、これは、にじみ、べたつき、組成物のわずかに汚れた表面、基材の汚染若しくは損傷において又は組成物の被覆、とりわけオーバーコーティング、上塗り、重ね塗り若しくはオーバーボンディングに伴う問題において明白であり得る。
【0004】
最終的に、揮発性ブロッキング剤に代わる非揮発性物質はまた、明らかに高いコストをもたらす。一方では高い質量のため、定量的により多くのブロッキング剤が必要とされ、また他方ではその精製が高価であり、なぜなら、高価な器具が必要とされ、長時間が必要であり、且つ必要とされる高温下におけるポリマー形成及び他の分解反応のために多くの場合に収率が低くなる高減圧高温下で例えば蒸留を行う必要があるためである。
【0005】
国際公開第2013/179915号パンフレットは、蒸留又は分留形態において、エポキシ樹脂組成物のアミン成分中のブロッキング剤として用いられる分岐長鎖アルキルベンズアルデヒドを記載している。蒸留又は分留では、実施例2に記載されているとおり、アルデヒドは、オーバーヘッド蒸留され、8Torrで187~230℃の沸点を有する主画分として集められ、さらに用いられる。この過程では、高度に揮発性の画分及びとりわけ高沸点副産物も分離されていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明は、室温で液体及び低粘度であり、臭気の導入及び可塑剤の移行に係る問題を生じさせず、且つイソシアネート基を伴っていても保管安定性を有する安価なブロックされたアミン又は潜在性硬化剤の調製を可能とする、アミンの経済的なブロッキング剤を利用可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、主構成成分としてのアルキルベンズアルデヒドと、副構成成分としての追加的な主に高沸点であるアルキルベンゼン化合物とを含有するアルデヒド混合物の形態である、請求項1に記載されているブロッキング剤によって達成される。アルデヒド混合物は、とりわけ、アルキルベンゼンのホルミル化の未精製の粗生成物として又はわずかにのみ精製される粗生成物として得ることが可能であり、きわめて経済的であり、これにより、高沸点画分が除去された、精製された対応するブロッキング剤が用いられる場合よりも、明らかに安価なブロックされたアミンがまたもたらされる。驚くべきことに、ブロックされたアミン自体の特性及びこれらのブロックされたアミンを潜在性硬化剤として含有するイソシアネート基を含有する組成物の特性は、本発明に係るブロッキング剤の副構成成分によって損なわれず、驚くべきことにむしろ向上している。本発明に係るブロックされたアミンは、室温で典型的に液体であり、且つ低粘度であり、従って簡単に且つ溶剤を用いることなく利用可能である。驚くべきことに、これらは、さらに、高沸点構成成分が除去された後の対応する精製したブロッキング剤で調製された潜在性硬化剤よりも粘度が低く、これは、結果として高分子量縮合物をもたらす、高い分子量及び副構成成分の部分的なアルデヒド官能基の観点から意外である。さらに、これらは、低い結晶化温度を有し、これにより冷条件下での保管で非常に長期にわたって液体に維持される。最後に、これらは、ブロッキング剤の精製が行われないにもかかわらず、驚くべきことに淡色であり、またイソシアネートに関して驚くほど良好な潜在性を有する。
【0008】
本発明に係る潜在性硬化剤を伴って配合された水分硬化ポリウレタン組成物は、粘度が低く、長期にわたって保管が可能であり、容易に処理が可能であり、屋内空間でも臭気の問題がなく、大面積及び低排出用途に使用可能であり、且つ長い風乾時間及び速い硬化を有する。硬化した状態では、これらは、高い弾性を備えた良好な機械特性と、可塑剤移行に対する低い傾向とを有する。驚くべきことに、これらは、各所において、対応する精製したブロッキング剤由来の潜在性硬化剤を伴う同様の組成物と比較した場合に粘度、保管安定性及びとりわけ強度といった機械的特徴に関してさらに良好な特性を示す。
【0009】
本発明のさらなる態様は、さらなる独立請求項の主題である。本発明の特に好ましい実施形態は、従属請求項の主題である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、
- 70重量%~95重量%の、式(I)
【化1】
(式中、Rは、6~20個の炭素原子を有するアルキル基である)
のアルデヒドと、
- 5重量%~30重量%の、式(I)に対応していないアルキルベンゼン化合物と
を含むアルデヒド混合物の、アミンのためのブロッキング剤としての使用を提供する。
【0011】
アルデヒド混合物は、70重量%~92重量%の式(I)のアルデヒドと、8重量%~30重量%の、式(I)に対応していないアルキルベンゼン化合物とを含むことが好ましい。
【0012】
特に、式(I)に対応していないアルキルベンゼン化合物は、式(I)のアルデヒドよりも高い沸点を有する。
【0013】
好ましくは、Rは、8~16個の炭素原子、とりわけ10~14個の炭素原子を有するアルキル基である。
【0014】
特に好ましくは、Rは、10~14個の炭素原子を有するアルキル基であり、式(I)に対応していないアルキルベンゼン化合物は、少なくとも350g/モルの分子量を有する。
【0015】
好ましくは、アルキル基Rは、主に分岐している。
【0016】
特に、Rは、10~14個の炭素原子を有する主に分岐型であるアルキル基である。このようなアルデヒドは、とりわけ、低粘度のブロックされたアミンをもたらす。
【0017】
特に好ましくは、Rは、式
【化2】
(式中、R及びRは、それぞれの場合にアルキル基であり、且つそれぞれの場合に一緒になって9~13個の炭素原子を有する)
の基である。
【0018】
ホルミル基は、基Rに対してメタ又はパラ位であることが好ましい。
【0019】
特に好ましくは、ホルミル基は、パラ位である。
【0020】
きわめて好ましくは、式(I)のアルデヒドは、従って、式(Ia)
【化3】
(式中、R及びRは、既述の意味を有する)
のアルデヒドを表す。
【0021】
特に好ましい式(I)のアルデヒドは、4-デシルベンズアルデヒド、4-ウンデシルベンズアルデヒド、4-ドデシルベンズアルデヒド、4-トリデシルベンズアルデヒド及び4-テトラデシルベンズアルデヒドであり、ここで、4-アルキル基は、分岐型である。
【0022】
式(I)のアルデヒドは、好ましくは、4-デシルベンズアルデヒド、4-ウンデシルベンズアルデヒド、4-ドデシルベンズアルデヒド、4-トリデシルベンズアルデヒド及び4-テトラデシルベンズアルデヒドから選択され、このアルデヒドのアルキル基は、主に分岐型である。
【0023】
式(I)に対応していないアルキルベンゼン化合物は、式(I)のアルデヒドよりも主に高分子量であり、且つ部分的にアルデヒド官能性である。
【0024】
好ましくは、これらは、式
【化4】
(式中、R’は、6~20個の炭素原子を有するアルキレン基であり、及びRは、既述の意味を有する)
の1つ以上の化合物を含む。
【0025】
このような高分子量化合物は、式(I)に対応するアルデヒド(これらは、典型的には、缶出物と呼ばれる廃棄物として除去される)よりも実質的に高い沸点を有するため、オーバーヘッド蒸留又は分留を介した式(I)のアルデヒドの混合物の精製で分離される。本発明に係る使用おいて、しかしながら、式(I)に対応するアルデヒドは、式(I)のアルデヒドと一緒に用いられ、これにより、驚くべきことに、既述の予期していなかった利点がもたらされる。
【0026】
特に好ましくは、アルデヒド混合物は、5重量%~30重量%、とりわけ8重量%~30重量%の、式
【化5】
(式中、R及びR’は、既述の意味を有する)
の化合物から選択されるアルキルベンゼン化合物を含む。
【0027】
「第一級アミノ基」は、単一の有機基に結合し、2個の水素原子を有するアミノ基を指し;「第二級アミノ基」は、一緒に環の部分であり得る2つの有機基に結合し、1個の水素原子を有するアミノ基も指し;「第三級アミノ基」は、その2つ又は3つが1つ以上の環の部分でもあり得る3つの有機基に結合し、いかなる水素原子も有さないアミノ基を指す。
【0028】
「第一級ジアミン」は、2つの第一級アミノ基を有する化合物を指す。
【0029】
「芳香族」は、アミン又はイソシアネートを指し、そのアミノ又はイソシアネート基は、芳香族炭素原子に直接結合される。
【0030】
「脂肪族」は、アミン又はイソシアネートを指し、そのアミノ又はイソシアネート基は、脂肪族炭素原子に直接結合される。
【0031】
「シラン基」は、有機基に結合し、且つ1~3つ、とりわけ2又は3つの加水分解性のアルコキシ基をケイ素原子上に有するシリル基を指す。
【0032】
「分子量」は、分子又は分子残基の(g/モル単位での)モル質量を指す。「平均分子量」は、オリゴマー若しくはポリマー分子又は分子残基の多分散混合物の数平均分子量(M)を指す。それは、典型的には、標準としてのポリスチレンに対するゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定される。
【0033】
各事例における式中の点線は、置換基と、対応する分子基との間の結合を表す。
【0034】
ポリアミン、ポリオール又はポリイソシアネートなどの「ポリ」で始まる物質名は、形式上、その名称中の官能基を1つの分子当たり2つ以上含有する物質を指す。
【0035】
物質又は組成物は、それが、貯蔵の結果としてその使用にとって適切な程度にその用途又は使用特性の点でいかなる変化もなしに、長期間にわたり、典型的には少なくとも3カ月~最大で6カ月又はそれを超えて好適な容器中室温で貯蔵できる場合に「貯蔵安定性のある」又は「貯蔵できる」と呼ばれる。
【0036】
「室温」は、23℃の温度を指す。
【0037】
「可塑剤」は、硬化したポリマーに化学的に組み入れられず、典型的には、可塑化効果をポリマーにもたらす液体又は溶解した物質を指す。
【0038】
本発明に係る使用のアルデヒド混合物は、とりわけ、式
【化6】
(式中、Rは、既述の意味を有する)
の少なくとも1つのアルキルベンゼンのホルミル化の反応生成物である。
【0039】
これに関連して、反応生成物は、とりわけ、精製されなかったか、或いは例えば抽出又はとりわけ蒸留若しくは分留などの精製プロセスを通して、主構成成分(既述の式(I)のアルデヒド)と、副構成成分(ホルミル化の副産物を表す、既述の式(I)に対応していないアルキルベンゼン化合物)との両方が反応生成物中に可能な限り残留し、互いに分離していない程度にのみ精製された。このような反応生成物は、以下において「粗生成物」とも呼ばれる。
【0040】
ホルミル化は、好ましくは、ホルミル化試薬としての一酸化炭素(CO)と共に実施される。
【0041】
アルキルベンゼンのホルミル化は、酸触媒としてのフッ化水素酸及び三フッ化ホウ素(HF-BF又はHBF)の存在下で一酸化炭素と共に実施されることが好ましい。このプロセスは、温和な条件下で実行可能であり、従って特に選択的に進行するために特に有利である。蒸気圧が高いため、触媒は、容易に分離して再度用いることが可能であり、これにより他の触媒系におけるような高価な精製及び廃棄物の処分が回避される。
【0042】
好ましくは、この反応は、5~50bar、とりわけ10~30barの一酸化炭素分圧及び-50~+20℃、とりわけ-30~0℃の温度で実施される。
【0043】
アルキルベンゼン対HF対BFのモル比は、好ましくは、1対(2.5~30)対(1~5)、とりわけ1対(3~25)対(1.1~3)の範囲である。
【0044】
反応生成物は、好ましくは、氷及び水の混合物に加えられ、溶剤、とりわけヘキサン又はヘプタンなどのアルカンを用いて抽出される。その後、抽出物は、好ましくは、水又はとりわけ例えば水酸化ナトリウム水溶液といった水性塩基及び溶剤で洗浄することにより微量の酸が除去され、且つ任意選択により、存在する追加の低分子量構成成分が、その後、蒸留により反応混合物から除去される。
【0045】
このようにして得られた粗生成物は、任意選択により例えばろ過又は吸着といった好適な方法により、無色透明又は薄い色とされる。
【0046】
このようにして得られた粗生成物の追加の精製、とりわけ式(I)のアルデヒドの蒸留又は分留が不要であり、これは、製造に係る支出及びコストに関して特に有利である。
【0047】
アルデヒド混合物は、好ましくは、80重量%~95重量%の範囲の含有量の式(I)のアルデヒドと、5重量%~20重量%の含有量の、式(I)に対応していないアルキルベンゼン化合物とを含む。
【0048】
アルデヒド混合物は、好ましくは、低分子量構成成分を含まず、従って無臭である。特に、アルデヒド混合物は、溶剤、ベンズアルデヒド及びC1~5-アルキルベンズアルデヒドを含まない。
【0049】
アルデヒド混合物は、薄い色であることが好ましい。
【0050】
特に、アルデヒド混合物は、最大で12、好ましくは最大で10の、DIN ISO 4630に準拠したガードナー標準色数を有する。これにより得られる潜在性硬化剤も薄い色のポリウレタン組成物に好適である。
【0051】
好ましくは、本発明に係る使用によりブロックされるアミンは、少なくとも1つの第一級又は第二級アミノ基を有する。
【0052】
特に好ましくは、ブロックされるアミンは、少なくとも1つの第一級又は第二級アミノ基と、追加的に、第一級アミノ基、第二級アミノ基、水酸基及びシラン基から選択される少なくとも1つの反応基とを有する。
【0053】
このようなアミンは、とりわけイソシアネート基などの反応基を有する化合物のための潜在性硬化剤、及び/又は架橋剤、及び/又は粘着促進剤として好適である。ブロックされた形態では、防湿されていれば、このような化合物と反応しないか又は非常にゆっくりとのみ反応し、他方では、水分と接触すると加水分解で反応可能である。
【0054】
ブロッキングに好適なアミンは、とりわけ、第一級脂肪族ジアミン、第一級芳香族ジアミン、第一級脂肪族トリアミン、第一級及び第二級アミノ基を有する脂肪族ジアミン、2つの第一級及び第二級アミノ基を有する脂肪族ポリアミン、アミノアルコール、ジアルカノールアミン、アミノシラン並びにアルカノールアミノシランからなる群から選択される。
【0055】
好適な第一級脂肪族ジアミンは、とりわけ、1,2-エタンジアミン、1,2-プロパンジアミン、1,3-プロパンジアミン、1,4-ブタンジアミン、1,3-ブタンジアミン、2-メチル-1,2-プロパンジアミン、1,3-ペンタンジアミン、1,5-ペンタンジアミン、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジアミン、1,6-ヘキサンジアミン、1,5-ジアミノ-2-メチルペンタン、1,7-ヘプタンジアミン、1,8-オクタンジアミン、2,5-ジメチル-1,6-ヘキサンジアミン、1,9-ノナンジアミン、2,2(4),4-トリメチル-1,6-ヘキサンジアミン、1,10-デカンジアミン、1,11-ウンデカンジアミン、2-ブチル-2-エチル-1,5-ペンタンジアミン、1,12-ドデカンジアミン、1,2-シクロヘキサンジアミン、1,3-シクロヘキサンジアミン、1,4-シクロヘキサンジアミン、1-アミノ-3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン、4(2)-メチル-1,3-シクロヘキサンジアミン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4-アミノ-3-メチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4-アミノ-3-エチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4-アミノ-3,5-ジメチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4-アミノ-3-エチル-5-メチルシクロヘキシル)メタン、2,5(2,6)-ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、3(4),8(9)-ビス(アミノメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、1,3-ビス(アミノメチル)ベンゼン、1,4-ビス(アミノメチル)ベンゼン、3-オキサ-1,5-ペンタンジアミン、3,6-ジオキサオクタン-1,8-ジアミン、4,7-ジオキサデカン-1,10-ジアミン、4,7-ジオキサデカン-2,9-ジアミン、4,9-ジオキサドデカン-1,12-ジアミン、5,8-ジオキサドデカン-3,10-ジアミン、4,7,10-トリオキサトリデカン-1,13-ジアミン、200~4000g/モルの範囲の平均分子量を有するα,ω-ポリオキシプロピレンジアミン(とりわけJeffamine(登録商標)製品D-230、D-400、XTJ-582、D-2000、XTJ-578又はD-4000(すべてHuntsman製))、α,ω-ポリオキシプロピレン/ポリオキシエチレンジアミン(とりわけJeffamine(登録商標)製品ED-600、ED-900、ED-2003又はHK-511(すべてHuntsman製))、α,ω-ポリオキシプロピレン/ポリオキシ-1,4-ブチレンジアミン(とりわけJeffamine(登録商標)製品THF-100、THF-140、THF-230、XTJ-533又はXTJ-536(すべてHuntsman製))、α,ω-ポリオキシプロピレン/ポリオキシ-1,2-ブチレンジアミン(とりわけJeffamine(登録商標)製品XTJ-568又はXTJ-569(共にHuntsman製))又はα,ω-ポリオキシ-1,2-ブチレンジアミン(とりわけJeffamine(登録商標)XTJ-523(Huntsman製))である。
【0056】
好適な第一級芳香族ジアミンは、とりわけ、1,3-フェニレンジアミン、1,4-フェニレンジアミン、4(2)-メチル-1,3-フェニレンジアミン(TDA)、3,5-ジエチル-2,4(6)-トルエンジアミン(DETDA)又は4,4’-ジアミノジフェニルメタン(MDA)である。
【0057】
好適な第一級脂肪族トリアミンは、とりわけ、1,3,6-トリアミノヘキサン、1,4,8-トリアミノオクタン、4-アミノメチル-1,8-オクタンジアミン、5-アミノメチル-1,8-オクタンジアミン、1,6,11-トリアミノウンデカン、1,3,5-トリアミノシクロヘキサン、1,3,5-トリス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3,5-トリス(アミノメチル)ベンゼン、380~6000g/モルの範囲の平均分子量を有するトリメチロールプロパン-又はグリセロール-出発トリス(ω-ポリオキシプロピレンアミン)(とりわけJeffamine(登録商標)製品T-403、T-3000又はT-5000(すべてHuntsman製))又はトリメチロールプロパン-出発トリス(ω-ポリオキシプロピレン/ポリオキシ-1,2-ブチレンアミン)(とりわけJeffamine(登録商標)XTJ-566(Huntsman製))である。
【0058】
好適な第一級及び第二級アミノ基を有する脂肪族ジアミンは、とりわけ、N-メチル-1,2-エタンジアミン、N-エチル-1,2-エタンジアミン、N-ブチル-1,2-エタンジアミン、N-ヘキシル-1,2-エタンジアミン、N-(2-エチルヘキシル)-1,2-エタンジアミン、N-シクロヘキシル-1,2-エタンジアミン、N-ベンジル-1,2-エタンジアミン、4-アミノメチルピペリジン、3-(4-アミノブチル)ピペリジン、N-(2-アミノエチル)ピペラジン、N-(2-アミノプロピル)ピペラジン、N-ベンジル-1,2-プロパンジアミン、N-ベンジル-1,3-プロパンジアミン、N-メチル-1,3-プロパンジアミン、N-エチル-1,3-プロパンジアミン、N-ブチル-1,3-プロパンジアミン、N-ヘキシル-1,3-プロパンジアミン、N-(2-エチルヘキシル)-1,3-プロパンジアミン、N-ドデシル-1,3-プロパンジアミン、N-シクロヘキシル-1,3-プロパンジアミン、3-メチルアミノ-1-ペンチルアミン、3-エチルアミノ-1-ペンチルアミン、3-ブチルアミノ-1-ペンチルアミン、3-ヘキシルアミノ-1-ペンチルアミン、3-(2-エチルヘキシル)アミノ-1-ペンチルアミン、3-ドデシルアミノ-1-ペンチルアミン、3-シクロヘキシルアミノ-1-ペンチルアミン、脂肪ジアミンであって、N-ココアルキル-1,3-プロパンジアミン、N-オレイル-1,3-プロパンジアミン、N-ソヤアルキル-1,3-プロパンジアミン、N-獣脂アルキル-1,3-プロパンジアミン又はN-(C16~22-アルキル)-1,3-プロパンジアミン(例えば、商品名Duomeen(登録商標)でAkzo Nobelから入手可能であるもの又はアクリロニトリル、マレイン酸若しくはフマル酸ジエステル、シトラコン酸ジエステル、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド若しくはイタコン酸ジエステルへの脂肪族第一級ジアミンのマイケル付加の生成物(モル比1:1で反応)など)などの脂肪ジアミンである。
【0059】
好適な2つの第一級及び第二級アミノ基を有する脂肪族ポリアミンは、とりわけ、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン(BHMT)、ジエチレントリアミン(DETA)、ジプロピレントリアミン(DPTA)、N-(2-アミノエチル)-1,3-プロパンジアミン(N3-Amin)、N3-(3-アミノペンチル)-1,3-ペンタンジアミン又はN5-(3-アミノ-1-エチルプロピル)-2-メチル-1,5-ペンタンジアミンである。
【0060】
好適なアミノアルコールは、とりわけ、2-アミノエタノール、2-アミノ-1-プロパノール、1-アミノ-2-プロパノール、3-アミノ-1-プロパノール、4-アミノ-1-ブタノール、4-アミノ-2-ブタノール、2-アミノ-2-メチルプロパノール、5-アミノ-1-ペンタノール、6-アミノ-1-ヘキサノール、7-アミノ-1-ヘプタノール、8-アミノ-1-オクタノール、10-アミノ-1-デカノール、12-アミノ-1-ドデカノール若しくはその高級同族体、4-(2-アミノエチル)-2-ヒドロキシエチルベンゼン、3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサノール、グリコールの第一級アミノ基を有する誘導体であって、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジブチレングリコール又はこれらのグリコールの高級オリゴマー若しくはポリマーなど、とりわけ2-(2-アミノエトキシ)エタノール、2-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)エタノール又はα-(2-ヒドロキシメチルエチル)-ω-(2-アミノメチルエトキシ)ポリ(オキシ(メチル-1,2-エタンジイル)、3-(2-ヒドロキシエトキシ)プロピルアミン、3-(2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ)プロピルアミン又は3-(6-ヒドロキシヘキシルオキシ)プロピルアミン、N-メチルエタノールアミン、N-エチルエタノールアミン、N-(n-プロピル)エタノールアミン、N-イソプロピルエタノールアミン、N-(n-ブチル)エタノールアミン、N-イソブチルエタノールアミン、N-(2-ブチル)エタノールアミン、N-(tert-ブチル)エタノールアミン、N-ヘキシルエタノールアミン、N-イソヘキシルエタノールアミン又はN-(2-エチルヘキシル)エタノールアミン及びN-(2-アミノエチル)エタノールアミン又は上記のものなどの第一級脂肪族ジアミンとモノエポキシドとの反応生成物(モル比1:1)、とりわけ超化学量論量の1,2-プロパンジアミン又は2-メチル-1,5-ペンタンジアミンと、クレジルグリシジルエーテルとの反応生成物であって、その後に未反応の1,2-プロパンジアミン又は2-メチル-1,5-ペンタンジアミンを除去したもの;さらに、多価アミノアルコール、とりわけ上記の第一級脂肪族ジアミンのN,N’-ジアルコキシル化生成物であって、例えばJeffamine(登録商標)C-346(Huntsman製)など、又はモノグリシジルエーテルとの上記の第一級脂肪族ジアミンのN,N’-ジ付加体であって、とりわけフェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、tert-ブチルフェニルグリシジルエーテル、カルダノールグリシジルエーテル若しくは2-エチルヘキシルグリシジルエーテルなど、又はジグリシジルエーテル(とりわけブタンジオールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル又はビスフェノールFジグリシジルエーテルなど)の、モノアミン(とりわけイソプロピルアミン、n-ブチルアミン、イソブチルアミン、2-ブチルアミン、tert-ブチルアミン、n-ヘキシルアミン、イソヘキシルアミン、2-エチルヘキシルアミン又はベンジルアミンなど)とのα,ω-ジ付加体である。
【0061】
好適なジアルカノールアミンは、とりわけ、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン又は2-アミノ-2-エチル-1,3-プロパンジオールである。
【0062】
好適なアミノシランは、とりわけ、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン又は3-アミノプロピルジメトキシメチルシランである。
【0063】
好適なアルカノールアミノシランは、とりわけ、上記のアミノシランと、とりわけエチレンオキシド、プロピレンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル若しくはアルキルグリシジルエーテルなどのエポキシドとのアルコキシル化物若しくは付加物又はとりわけ3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン若しくは3-グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどのエポキシシランである。
【0064】
ブロッキングに好ましいアミンは、第一級脂肪族ジアミン、第一級脂肪族トリアミン又はジアルカノールアミンである。
【0065】
ブロッキングに特に好ましいアミンは、ジエタノールアミン、1,6-ヘキサンジアミン、1-アミノ-3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン、4(2)-メチル-1,3-シクロヘキサンジアミン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3-ビス(アミノメチル)ベンゼン、1,2-シクロヘキサンジアミン、1,3-シクロヘキサンジアミン、1,4-シクロヘキサンジアミン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、2,5(2,6)-ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、3(4),8(9)-ビス(アミノメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、200~4000g/モルの範囲の平均分子量を有するα,ω-ポリオキシプロピレンジアミン(とりわけJeffamine(登録商標)製品D-230、D-400、XTJ-582、D-2000、XTJ-578又はD-4000(すべてHuntsman製))及び380~6000g/モルの範囲に平均分子量を有するトリメチロールプロパン-又はグリセロール-出発トリス(ω-ポリオキシプロピレンアミン)(とりわけJeffamine(登録商標)製品T-403、T-3000又はT-5000(すべてHuntsman製))からなる群から選択される。
【0066】
これらのうち、ジエタノールアミン、1,6-ヘキサンジアミン、1-アミノ-3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン、1,3-ビス(アミノメチル)ベンゼン、およそ240g/モルの平均分子量を有するα,ω-ポリオキシプロピレンジアミン又はおよそ440g/モルの平均分子量を有するトリメチロールプロパン-出発トリス(ω-ポリオキシプロピレンアミン)が好ましい。
【0067】
これらのアミンは、低粘度のブロックされた形態で容易に入手可能であり、良好な保管安定性、良好な加工性、適度な風乾時間を有する速硬化及びとりわけ驚くほど高い伸長性を備える高い強度といった優れた機械特性を有するポリウレタン組成物を実現する。
【0068】
アルデヒド混合物の本発明に係る使用において、アルデヒド混合物は、好ましくは、ブロックされるアミンと反応し、それにより、
- アルデヒド混合物は、任意選択により溶剤が添加されて、アミンと化合して反応混合物をもたらし、アルデヒド基は、第一級又は第二級アミノ基に関して、好ましくは化学量論量又は化学量論的過剰量で存在し、及び
- 反応において生成された縮合水、及び任意選択により、化合中又はその後に用いられた溶剤は、反応混合物から、任意選択により反応混合物の加熱及び/又は減圧の適用を伴う好適な方法を用いて除去される。
【0069】
縮合水は、減圧の適用により、溶剤を用いることなく、加熱された反応混合物から除去されることが好ましい。
【0070】
この反応は、20℃~120℃、とりわけ40℃~100℃の範囲の温度で実施されることが好ましい。
【0071】
任意選択により、とりわけ酸触媒といった触媒が反応において用いられる。
【0072】
本発明のさらなる目的は、既述のアルデヒド混合物の本発明に係る使用によって得られるブロックされたアミンである。
【0073】
ブロックされたアミンは、とりわけ、式(II)及び/又は(III)
【化7】
(式中、
Xは、O、又はS、又はNRであり、ここで、Rは、1~18個の炭素原子を有する一価の有機基であり、
Yは、任意選択により置換されている1,2-エチレン又は1,3-プロピレン基であり、及び
Rは、既述の意味を有する)
の官能基を有する。
【0074】
好ましくは、式(II)又は(III)の官能基において、Rは、メタ位又はパラ位、特にパラ位にある。
【0075】
式(II)の官能基は、式(I)のアルデヒドの第一級アミノ基の縮合反応からもたらされる。これは、アルジミノ基を表す。
【0076】
式(III)の官能基は、---NH-Y-XHの基と式(I)のアルデヒドとの縮合反応からもたらされ、ここで、Y及びXは、既述の意味を有する。
【0077】
好ましくは、Rは、1~18個の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキル又はアリールアルキル基であり、これらは、任意選択により、カルボン酸エステル、ニトリル、ニトロ、ホスホン酸エステル、スルホン及びスルホン酸エステル基から選択される1又は2つの基を有する。
【0078】
好ましくは、Xは、Oである。
【0079】
好ましくは、NH及びXHは、2つの炭素原子によって互いに分離されている。
【0080】
このような式(III)の官能基は、オキサゾリジノ基を表す。これは、ポリウレタン組成物において潜在性硬化剤として用いられる場合、とりわけ反応性である。
【0081】
好ましくは、Yは、1,2-エチレン、若しくは1,3-プロピレン、若しくは1,2-プロピレン基であるか、又は3-アルキルオキシ-1,2-プロピレン若しくは3-アリールオキシ-1,2-プロピレン基であり、最後の2つの基は、任意選択により置換されており、且つ任意選択によりシラン基を有し、又はn=1及びX=Oである場合、式
【化8】
(式中、Eは、6~20個の炭素原子を有する二価炭化水素基であり、これは、任意選択により、1つ以上のエーテル、エステル又はグリシドキシ基を有し、及びRは、1~35個の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキル又はアラルキル基であり、これは、任意選択により、1つ以上のエーテル基を有する)
の基でもあり得る。
【0082】
特に好ましくは、Xは、Oであり、及びYは、1,2-エチレン又は任意選択により置換されている3-アルキルオキシ-1,2-プロピレン若しくは3-アリールオキシ-1,2-プロピレン基である。
【0083】
好ましくは、Rは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、2-ブチル、tert-ブチル、n-ヘキシル、イソヘキシル、2-エチルヘキシル、ドデシル、ベンジル又はメトキシ-末端ポリオキシプロピレン基であり、これは、オキシエチレン画分も含有することが可能である。
【0084】
好ましくは、Eは、96~1000g/モルの範囲の平均分子量を有する4,4’-メチレンジフェニル、4,4’-(2,2-プロピレン)ジフェニル、1,2-、若しくは1,3-、若しくは1,4-フェニル、1,4-ブチレン、1,6-ヘキシレン又はα,ω-ポリオキシプロピレンである。
【0085】
ブロックされたアミンは、潜在性硬化剤、及び/又は架橋剤、及び/又は粘着促進剤として有利に用いられ得る。
【0086】
粘着促進剤としての使用に関して、ブロックされたアミンは、少なくとも1つのシラン基を含むことが好ましい。粘着促進剤は、とりわけ、イソシアネート及び/又はシラン基を含有する組成物の採用に有用である。
【0087】
好ましくは、ブロックされたアミンは、とりわけイソシアネート基又はエポキシ基など、アミン水素と反応することが可能である反応基を含む組成物のための潜在性硬化剤として使用される。この使用に関して、ブロックされたアミンは、式(II)及び/又は(III)の官能基の他に、式(II)及び/又は(III)の官能基、水酸基、メルカプト基、第一級アミノ基並びに第二級アミノ基からなる群から選択される少なくとも1つの追加の反応基を含むことが好ましい。
【0088】
式(II)の官能基を2つ又は3つを有し、これによりジアルジミン又はトリアルジミンを表す潜在性硬化剤が好ましい。
【0089】
式(II)の官能基及び水酸基、又は第一級アミノ基、又は第二級アミノ基、特に水酸基を有し、これによりヒドロキシアルジミン又はアミノアルジミンを表す潜在性硬化剤がさらに好ましい。
【0090】
式(II)の官能基及び式(III)の官能基を有し、とりわけアルジミノ-オキサゾリジンを表す潜在性硬化剤がさらに好ましい。
【0091】
式(III)の官能基を2つ有し、とりわけビスオキサゾリジンを表す潜在性硬化剤がさらに好ましい。
【0092】
式(III)の官能基及び水酸基を有し、とりわけヒドロキシオキサゾリジンを表す潜在性硬化剤がさらに好ましい。
【0093】
ジアルジミン、トリアルジミン、ヒドロキシアルジミン、ビスオキサゾリジン及びヒドロキシオキサゾリジンが特に好ましい。
【0094】
ジアルジミン及びトリアルジミン、とりわけジアルジミンが最も好ましい。
【0095】
遊離OH又はNH基を含有する潜在性硬化剤は、ポリイソシアネートと混合されると反応して、イソシアネート基を含有する反応生成物をもたらし、これらは、それ自体として潜在性硬化剤を表すと共に、水分が進入すると架橋剤として作用する。
【0096】
ジエタノールアミンがブロックされるアミンとして用いられる場合、式
【化9】
のヒドロキシオキサゾリジンが得られる。
【0097】
このようなヒドロキシオキサゾリジンは、式
【化10】
(式中、Dは、6~15個の炭素原子を有する二価炭化水素基、とりわけ1,6-ヘキサメチレン、又は(1,5,5-トリメチルシクロヘキサン-1-イル)メタン-1,3、又は4(2)-メチル-1,3-フェニレンであり、及びRは、既述の意味を有する)
のビスオキサゾリジンをもたらすジイソシアネートとの反応又はカーボネートとの反応にとりわけ好適である。
【0098】
潜在性硬化剤は、イソシアネート基を含有する組成物、とりわけポリウレタン組成物にとりわけ好適である。
【0099】
潜在性硬化剤は、式(II)及び/又は(III)の官能基の他に、アミノ基を伴う、式(I)に対応していないアルキルベンゼン化合物の縮合反応に由来する追加の官能基の画分を有する。驚くべきことに、これらの画分は、潜在性硬化剤の使用に悪影響を及ぼさず、それどころか利点をもたらす。従って、潜在性硬化剤は、調製のために純粋な式(I)のアルデヒドの形態の精製されたブロッキング剤を用いた対応する潜在性硬化剤よりも粘度が低く、且つ低い結晶化温度を有し、従って強度が強く、保管安定性に悪影響が及ぼされないポリウレタン組成物が得られた。
【0100】
本発明の追加の主題は、既述の使用によって得られる少なくとも1つのブロックされたアミンを含むイソシアネート基を含有する組成物である。
【0101】
好ましくは、イソシアネート基を含有する組成物は、
- 少なくとも1つのポリイソシアネート及び/又はイソシアネート基を含有する少なくとも1つのポリウレタンポリマーと、
- 式(IV)、
【化11】
(式中、
nは、2又は3であり、
Aは、28~10000g/モルの範囲の分子量を有するn価の有機基であり、及び
Rは、既述の意味を有する)
の少なくとも1つのポリアルジミンと
を含む。
【0102】
好ましくは、Rは、メタ又はパラ位、とりわけパラ位にある。
【0103】
好ましくは、Aは、28~6000g/モルの範囲の分子量を有するn価の炭化水素基であり、これは、任意選択により、エーテル、エステル、カーボネート、ウレタン及び尿素基から選択される1つ以上の基を有する。
【0104】
好ましくは、nは、2である。
【0105】
好ましくは、Aは、任意選択により、エーテル酸素を有し、且つ28~6000g/モルの範囲の分子量を有するn価の脂肪族、脂環式又はアリール脂肪酸炭化水素基である。このような脂肪族アミン系のポリアルジミンが毒物学的観点で特に有利である。
【0106】
特に好ましくは、Aは、1,6-ヘキシレン、(1,5,5-トリメチルシクロヘキサン-1-イル)メタン-1,3、4(2)-メチル-1,3-シクロヘキシレン、1,3-シクロヘキシレンビス(メチレン)、1,4-シクロヘキシレンビス(メチレン)、1,3-フェニレンビス(メチレン)、1,2-シクロヘキシレン、1,3-シクロヘキシレン、1,4-シクロヘキシレン、メチレンビス(2-メチルシクロヘキサン-4-イル)、(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,5(2,6)-ジイル)ジメチレン、(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-3(4),8(9)-ジイル)ジメチレン、170~4000g/モルの範囲の平均分子量を有するα,ω-ポリオキシプロピレン及び330~6000g/モルの範囲の平均分子量を有するトリメチロールプロパン-又はグリセロール-出発トリス(ω-ポリオキシプロピレン)である。
【0107】
Aは、とりわけ、1,6-ヘキシレン、(1,5,5-トリメチルシクロヘキサン-1-イル)メタン-1,3、1,3-シクロヘキシレンビス(メチレン)、1,3-フェニレンビス(メチレン)、170~470g/モルの範囲の平均分子量を有するα,ω-ポリオキシプロピレン及び330~450g/モルの範囲の平均分子量を有するトリメチロールプロパン-出発トリス(ω-ポリオキシプロピレン)からなる群から選択される。
【0108】
このようなポリアルジミンは、とりわけ、容易に入手可能であり、室温で低粘度であり、且つ良好な機械特性、とりわけ高い強度及び高い伸長性を有する組成物を実現する。
【0109】
好適なポリイソシアネートは、とりわけ商業的に入手可能なポリイソシアネート、とりわけ次のものである。
- 芳香族ジ又はトリイソシアネート、好ましくはジフェニルメタン4,4’-若しくは2,4’-若しくは2,2’-ジイソシアネート又はこれらの異性体の任意の混合物(MDI)、トルイレン2,4-若しくは2,6-ジイソシアネート又はこれらの異性体の任意の混合物(TDI)、MDIとMDI同族体(ポリマーMDI又はPMDI)との混合物、フェニレン1,3-若しくは1,4-ジイソシアネート、2,3,5,6-テトラメチル-1,4-ジイソシアナトベンゼン、ナフタレン1,5-ジイソシアネート(NDI)、3,3’-ジメチル-4,4’-ジイソシアナトジフェニル(TODI)、ジアニシジンジイソシアネート(DADI)、トリス(4-イソシアナトフェニル)メタンまたトリス(4-イソシアナトフェニル)チオホスフェート;好ましくはMDI又はTDI;
- 脂肪族、脂環式又はアリール脂肪族ジ又はトリイソシアネート、好ましくはテトラメチレン1,4-ジイソシアネート、2-メチルペンタメチレン1,5-ジイソシアネート、ヘキサメチレン1,6-ジイソシアネート(HDI)、2,2,4-及び/若しくは2,4,4-トリメチルヘキサメチレン1,6-ジイソシアネート(TMDI)、デカメチレン1,10-ジイソシアネート、ドデカメチレン1,12-ジイソシアネート、リジンジイソシアネート若しくはリジンエステルジイソシアネート、シクロヘキサン1,3-若しくは1,4-ジイソシアネート、1-メチル-2,4-及び/若しくは2,6-ジイソシアナトシクロヘキサン(HTDI)、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン(IPDI)、ペルヒドロジフェニルメタン2,4’-及び/若しくは4,4’-ジイソシアネート(H12MDI)、1,3-若しくは1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、m-若しくはp-キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレン1,3-若しくは1,4-ジイソシアネート、1,3,5-トリス(イソシアナトメチル)ベンゼン、ビス(1-イソシアナト-1-メチルエチル)ナフタレン、特に3,6-ビス(9-イソシアナトノニル)-4,5-ジ(1-ヘプテニル)シクロヘキセン(ジメリルジイソシアネート)などのダイマー若しくはトリマー脂肪酸イソシアネート;好ましくはH12MDI又はHDI又はIPDI;
- 述べられたジ又はトリイソシアネートの、とりわけHDI、IPDI、MDI又はTDIに由来するオリゴマー又は誘導体、とりわけウレトジオン、若しくはイソシアヌレート、若しくはイミノオキサジアジンジオン基又はこれらの中の様々な基を含有するオリゴマー;又はエステル、若しくはウレア、若しくはウレタン、若しくはビウレット、若しくはアロファネート、若しくはカルボジイミド、若しくはウレトンイミン、若しくはオキサジアジントリオン基又はこれらの中の様々な基を含有する二官能性又は多官能性誘導体。実際には、この種のポリイソシアネートは、典型的には、異なる程度のオリゴマー化及び/又は化学構造を有する物質の混合物である。それらは、とりわけ2.1~4.0の平均NCO官能性を有する。
【0110】
ポリイソシアネートとしては、脂肪族、脂環式又は芳香族ジイソシアネート、とりわけHDI、IPDI、H12MDI、TDI又はMDI、とりわけHDI、IPDI、TDI又はMDIが好ましい。
【0111】
イソシアネート基を含有する好適なポリウレタンポリマーは、とりわけ、少なくとも1つのポリオールと超化学量論量の少なくとも1つのポリイソシアネートとの反応から得られる。この反応は、好ましくは、任意選択的に好適な触媒の存在下において50~160℃の範囲の温度で水分を排除して行われる。NCO/OH比は、好ましくは、1.3/1~2.5/1の範囲である。OH基の転化後に反応混合物中に残っているポリイソシアネート、とりわけモノマージイソシアネートは、高いNCO/OH比の場合に好ましい、とりわけ蒸留によって除去することができる。得られたポリウレタンポリマーは、好ましくは、0.5重量%~10重量%、とりわけ1重量%~5重量%、特に好ましくは1重量%~3重量%の範囲の遊離イソシアネート基の含有量を有する。ポリウレタンポリマーは、任意選択的に、可塑剤又は溶媒をさらに使用して調製することができ、その場合、使用される可塑剤又は溶媒はイソシアネートに対して反応性の高いいかなる基も含有しない。
【0112】
イソシアネート基を含有するポリウレタンポリマーの調製のためのポリイソシアネートとして、既に述べられたポリイソシアネート、とりわけジイソシアネート、好ましくはMDI、TDI、IPDI又はHDIが好ましい。
【0113】
好適なポリオールは、市販のポリオール又はそれらの混合物、とりわけ次のものである。
- ポリエーテルポリオール、とりわけポリオキシアルキレンジオール及び/若しくはポリオキシアルキレントリオール、とりわけエチレンオキシド、又は1,2-プロピレンオキシド、又は1,2-若しくは2,3-ブチレンオキシド、又はオキセタン、又はテトラヒドロフラン、又はそれらの混合物の重合生成物。ここで、これらは、2個以上の活性水素原子を有するスターター分子、とりわけ水、アンモニア又は多数のOH若しくはNH基を有する化合物、例えば1,2-エタンジオール、1,2-若しくは1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、異性体ジプロピレングリコール若しくはトリプロピレングリコール、異性体ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ウンデカンジオール、1,3-若しくは1,4-シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、1,1,1-トリメチロールエタン、1,1,1-トリメチロールプロパン、グリセロール又はアニリン又は前述の化合物の混合物などのスターター分子を用いて重合され得る。同様に、ポリマー粒子がその中に分散したポリエーテルポリオール、とりわけスチレン/アクリロニトリル(SAN)粒子、又はポリウレア、又はポリヒドラゾジカルボンアミド(PHD)粒子が分散したものが好適である。
【0114】
好ましいポリエーテルポリオールは、ポリオキシプロピレンジオール若しくはポリオキシプロピレントリオール又はエチレンオキシド末端(EO-エンドキャップされた)ポリオキシプロピレンジオール若しくはトリオールと呼ばれるものである。後者は、ポリオキシプロピレンジオール又はトリオールが、ポリプロポキシル化反応の終了時にエチレンオキシドでさらにアルコキシル化されることでとりわけ得られ、それにより最終的に第一級ヒドロキシル基を有する混合ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンポリオールである。
【0115】
好ましいポリエーテルポリオールは、0.02ミリ当量未満/g、とりわけ0.01ミリ当量未満/gの不飽和度を有する。
【0116】
- 公知の方法、とりわけヒドロキシカルボン酸若しくはラクトンの重縮合又は脂肪族及び/若しくは芳香族ポリカルボン酸と二価若しくは多価アルコールとの重縮合によって調製され、オリゴエステロールとも呼ばれるポリエステルポリオール。特に1,2-エタンジオール、ジエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセロール、1,1,1-トリメチロールプロパン又は前述のアルコール混合物などの二価アルコールと、特にコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸若しくはヘキサヒドロフタル酸又は前述の酸の混合物との反応からのポリエステルジオール又は特にε-カプロラクトンなどのラクトンからのポリエステルポリオールが好ましい。アジピン酸又はセバシン酸又はドデカンジカルボン酸と、ヘキサンジオール又はネオペンチルグリコールとからのポリエステルポリオールが特に好ましい。
【0117】
- 例えば、- ポリエステルポリオールを形成するために使用される - 上述のアルコールと、ジアルキルカーボネート、ジアリールカーボネート又はホスゲンとの反応によって得られるようなポリカーボネートポリオール。
【0118】
- 少なくとも2個のヒドロキシル基を有し、且つ上記のタイプのポリエーテル、ポリエステル及び/又はポリカーボネート構造を有する少なくとも2つの異なるブロック、とりわけポリエーテルポリエステルポリオールを有するブロックコポリマー。
【0119】
- ポリアクリレートポリオール及びポリメタクリレートポリオール。
【0120】
- ポリヒドロキシ官能性脂肪及び油、例えば天然脂肪及び油、とりわけヒマシ油;又は天然脂肪及び油の化学修飾によって得られるポリオール - 油脂化学ポリオールと呼ばれる -、例えば不飽和油のエポキシ化及びその後のカルボン酸若しくはアルコールでの開環によって得られるエポキシポリエステル又はエポキシポリエーテル又は不飽和油のヒドロホルミル化及び水素化によって得られるポリオール;又はアルコール分解若しくはオゾン分解などの分解プロセス及びこのようにして得られたその分解生成物若しくは誘導体の、例えばエステル交換若しくは二量化による、その後の化学結合によって天然脂肪及び油から得られるポリオール。天然脂肪及び油の好適な分解生成物は、とりわけ、脂肪酸及び脂肪アルコール並びにまた脂肪酸エステル、とりわけメチルエステル(FAME)であり、それらは、例えば、ヒドロホルミル化及び水素化によってヒドロキシ脂肪酸エステルに誘導体化することができる。
【0121】
- オリゴヒドロカーボンオールとも呼ばれる、ポリ炭化水素ポリオール、例えばポリヒドロキシ官能性ポリオレフィン、ポリイソブチレン、ポリイソプレン;例えば、Kraton Polymerによって製造されるようなポリヒドロキシ官能性エチレン/プロピレン、エチレン/ブチレン又はエチレン/プロピレン/ジエンコポリマー;アニオン重合からとりわけまた調製することができる、ジエン、とりわけ1,3-ブタジエンのポリヒドロキシ官能性ポリマー;1,3-ブタジエンなどのジエン若しくはジエン混合物と、スチレン、アクリロニトリル、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、イソブチレン及びイソプレンなどのビニルモノマーとのポリヒドロキシ官能性コポリマー、例えばエポキシド若しくはアミノアルコールと、カルボキシル末端アクリロニトリル/ブタジエンコポリマーとから、例えば調製可能なようなポリヒドロキシ官能性アクリロニトリル/ブタジエンコポリマー(Emerald Performance Materialsから、例えばHypro(登録商標)CTBN若しくはCTBNX若しくはETBN名で商業的に入手可能な);並びにジエンの水素化ポリヒドロキシ官能性ポリマー若しくはコポリマー。
【0122】
ポリオールの混合物もとりわけ好適である。
【0123】
ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリ(メタ)アクリレートポリオール又はポリブタジエンポリオールが好ましい。
【0124】
ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、とりわけ脂肪族ポリエステルポリオール又はポリカーボネートポリオール、とりわけ脂肪族ポリカーボネートポリオールが特に好ましい。
【0125】
ポリエーテルポリオール、とりわけポリオキシプロピレンジ若しくはトリオール又はエチレンオキシド-末端ポリオキシプロピレンジ若しくはトリオールが最も好ましい。
【0126】
400~20000g/モル、好ましくは1000~15000g/モルの範囲の平均分子量を有するポリオールが好ましい。
【0127】
1.6~3の範囲の平均OH官能性を有するポリオールが好ましい。
【0128】
室温で液体であるポリオールが好ましい。
【0129】
イソシアネート基を含有するポリウレタンポリマーの調製において、二官能性又は多官能性アルコール、とりわけ1,2-エタンジオール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジブロモネオペンチルグリコール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,2-オクタンジオール、1,8-オクタンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3-若しくは1,4-シクロヘキサンジメタノール、エトキシル化ビスフェノールA、プロポキシル化ビスフェノールA、シクロヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、ダイマー脂肪酸アルコール、1,1,1-トリメチロールエタン、1,1,1-トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、特にキシリトール、ソルビトール若しくはマンニトールなどの糖アルコール、又は特にサッカロースなどの糖、又は述べられたアルコールのアルコキシル化誘導体若しくは述べられたアルコールの混合物の画分を使用することも可能である。
【0130】
イソシアネート基を含有するポリウレタンポリマーは、好ましくは、1500~20000g/モル、とりわけ2000~15000g/モルの平均分子量を有する。
【0131】
それは、好ましくは、室温で液体である。
【0132】
ホットメルト接着剤における使用のために、室温で固体であるポリウレタンポリマーが好ましく、このポリマーは、室温で固体である少なくとも1つのポリオールから出発して調製される。室温で固体である好適なポリマーは、室温で結晶性、部分結晶性又はアモルファスである。その融点は、50~180℃、とりわけ70~150℃の範囲であることが好ましい。ポリエステルポリオール、とりわけヘキサンジオール及びアジピン酸、又はドデカン二酸、又はアクリレートポリオールから誘導されるものが好ましい。ポリウレタンポリマーは、とりわけ、室温で固体であるポリマーの融点を超える温度で調製される。
【0133】
組成物は、イソシアネート基を含有する少なくとも1つのポリウレタンポリマーを含むことが好ましい。
【0134】
イソシアネート基を含むポリウレタンポリマーに追加して、この組成物は、少なくとも1つのジイソシアネート及び/又はジイソシアネートの1つのオリゴマー若しくはポリマー、とりわけIPDIイソシアヌレート又はTDIオリゴマー又はTDI/HDI系混合イソシアヌレート又はHDIオリゴマー又は室温で液体であるMDIの一形態をさらに含有することが可能である。
【0135】
室温で液体であるMDIの一形態は、部分的化学変性(とりわけカルボジイミド化又はウレトンイミン形成又はポリオールとの付加物形成)によって液化された4,4’-MDI又は4,4’-MDIと他のMDI異性体(2,4’-MDI及び/又は2,2’-MDI)との混合物、並びに/又はブレンドにより選択的にもたらされるか若しくは製造プロセスからもたらされるMDIオリゴマー及び/又はMDI同族体(PMDI)である。
【0136】
好ましくは、組成物は、少なくとも1つのポリイソシアネート及び/又はイソシアネート基を含むポリウレタンポリマーと、式(IV)の少なくとも1つのポリアルジミンの他に、追加でとりわけ触媒、充填材、可塑剤及び溶剤から選択される1つ以上のさらなる構成成分とを含む。
【0137】
好適な触媒は、とりわけアルジミノ基の加水分解のための触媒、とりわけ有機酸、とりわけ2-エチルヘキサン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ネオデカン酸、安息香酸、サリチル酸又は2-ニトロ安息香酸などのカルボン酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸無水物又はメチルヘキサヒドロフタル酸無水物などの有機カルボン酸無水物、カルボン酸のシリルエステル、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸又は4-ドデシルベンゼンスルホン酸などの有機スルホン酸、スルホン酸エステル、他の有機若しくは無機酸又は前述の酸と酸エステルとの混合物である。カルボン酸、とりわけ安息香酸、2-ニトロ安息香酸又はとりわけサリチル酸などの芳香族カルボン酸が特に好ましい。
【0138】
好適な触媒は、さらに、イソシアネート基の反応を加速するための触媒、とりわけ特にジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジクロリド、ジブチルスズジアセチルアセトナート、ジメチルスズジラウレート、ジオクチルスズジアセテート、ジオクチルスズジラウレート又はジオクチルスズジアセチルアセトナートなどの有機スズ(IV)化合物、とりわけアルコキシド、カルボキシレ-ト、1,3-ジケトネート、オキシネート、1,3-ケトエステレート及び1,3-ケトアミデートから選択される配位子との、ビスマス(III)若しくはジルコニウム(IV)の錯体又は特に2,2’-ジモルホリノジエチルエーテル(DMDEE)などの第三級アミノ基を含有する化合物である。
【0139】
異なる触媒の組み合わせもとりわけ好適である。
【0140】
好適な充填材は、とりわけ、任意選択的に脂肪酸、とりわけステアレートでコートされた、細かくした又は沈澱炭酸カルシウム又はバライト、石英粉、石英砂、ドロマイト、ウォラストナイト、カオリン、か焼カオリン、雲母若しくはタルクなどの層状シリケート、ゼオライト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、熱分解法からの細分シリカなどのシリカ、セメント、石膏、フライアッシュ、工業的に生産されるカーボンブラック、黒鉛、例えばアルミニウム、銅、鉄、銀若しくはスチールの金属粉、PVC粉末又は中空ビーズである。
【0141】
好適な可塑剤は、とりわけ、フタレート、とりわけジイソノニルフタレート(DINP)、ジイソデシルフタレート(DIDP)若しくはジ(2-プロピルヘプチル)フタレート(DPHP)、水素化フタレート、とりわけ水素化ジイソノニルフタレート若しくはジイソノニルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸エステル(DINCH)、テレフタレート、とりわけジオクチルテレフタレート、トリメリテート、アジペート、とりわけジオクチルアジペート、アゼレート、セバケート、ベンゾエートなどのカルボン酸エステル、グリコールエーテル、グリコールエステル、有機リン酸若しくはスルホン酸エステル、ポリブテン、ポリイソブテン又は天然脂肪若しくは油から誘導される可塑剤、とりわけエポキシ化大豆油若しくはアマニ油である。
【0142】
好適な溶媒は、とりわけアセトン、メチルエチルケトン、メチルn-プロピルケトン、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルn-アミルケトン、メチルイソアミルケトン、アセチルアセトン、メシチルオキシド、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、エチルアセテート、プロピルアセテート、ブチルアセテート、n-ブチルプロピオネート、ジエチルマロネート、1-メトキシ-2-プロピルアセテート、エチル3-エトキシプロピオネート、ジイソプロピルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノ(2-エチルヘキシル)エーテル、トルエン、キシレン、ヘプタン、オクタン、ナフサ、ホワイトスピリット、石油エーテル若しくは石油スピリット、とりわけSolvessoTM製品(Exxon製の)及びさらに塩化メチレン、プロピレンカーボネート、ブチロラクトン、N-メチルピロリドン又はN-エチルピロリドンである。
【0143】
組成物は、ポリウレタン組成物のために一般に使用されるさらなる添加剤を含み得る。より具体的には、以下の補助剤及び添加剤が存在し得る:
- 無機若しくは有機顔料、とりわけ二酸化チタン、酸化クロム又は酸化鉄;
- 繊維、とりわけガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、セラミック繊維、ポリアミド繊維若しくはポリエチレン繊維などのポリマー繊維又は羊毛、セルロース、大麻若しくはサイザル麻などの天然繊維;
- 染料;
- 乾燥剤、とりわけモレキュラーシーブ粉末、酸化カルシウム、p-トシルイソシアネート、モノマージイソシアネートなどの高反応性イソシアネート又はオルトギ酸エステル;
- 接着促進剤、とりわけオルガノアルコキシシラン、とりわけ特に3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン若しくは3-グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどのエポキシシラン、(メタ)アクリロシラン、アンヒドリドシラン、カルバマトシラン、アルキルシラン若しくはイミノシラン又はこれらのシランのオリゴマー形態或いはチタネート;
- さらなる潜在的硬化剤又は架橋剤、とりわけアルジミン、ケチミン、エナミン又はオキサゾリジン;
- イソシアネート基の反応を加速するさらなる触媒、とりわけスズ、亜鉛、ビスマス、鉄、アルミニウム、モリブデン、ジオキソモリブデン、チタン、ジルコニウム若しくはカリウムの塩、石鹸若しくは錯体、とりわけスズ(II)2-エチルヘキサノエート、スズ(II)ネオデカノエート、亜鉛(II)アセテート、亜鉛(II)2-エチルヘキサノエート、亜鉛(II)ラウレート、亜鉛(II)アセチルアセトナート、アルミニウムラクテート、アルミニウムオレエート、ジイソプロポキシチタンビス(エチルアセトアセテート)若しくはカリウムアセテート;第三級アミノ基を含有する化合物、とりわけN-エチルジイソプロピルアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルアルキレンジアミン、ペンタメチルアルキレントリアミン及びその高級同族体、ビス(N,N-ジエチルアミノエチル)アジペート、トリス(3-ジメチルアミノプロピル)アミン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン(DBN)、N-アルキルモルホリン、N,N’-ジメチルピペラジン;4-ジメチルアミノピリジン、N-メチルイミダゾール、N-ビニルイミダゾール若しくは1,2-ジメチルイミダゾールなどの芳香族窒素化合物;水酸化ベンジルトリメチルアンモニウムなどの有機アンモニウム化合物又はアルコキシル化第三級アミン;公知の金属若しくはアミン触媒の改質である、「遅延作用」触媒と呼ばれるもの;
- レオロジー調整剤、とりわけ増粘剤、とりわけベントナイトなどの層状シリケート、ヒマシ油の誘導体、水素化ヒマシ油、ポリアミド、ポリアミドワックス、ポリウレタン、ウレア化合物、ヒュームドシリカ、セルロースエーテル又は疎水的に改質されたポリオキシエチレン;
- 天然樹脂、ロジン、セラック、アマニ油、ヒマシ油又は大豆油などの脂肪又は油;
- 非反応性ポリマー、とりわけエチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、イソプレン、酢酸ビニル若しくはアルキル(メタ)アクリレートからの、とりわけ不飽和モノマーのホモポリマー若しくはコポリマー、とりわけポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリイソブチレン、エチレン/酢酸ビニルコポリマー(EVA)又はアタクチックポリ-α-オレフィン(APAO);
- 難燃性物質、とりわけ既に述べられた水酸化アルミニウム若しくは水酸化マグネシウム及びまた特に有機リン酸エステル、例えば特にトリエチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート、ジフェニルクレジルホスフェート、イソデシルジフェニルホスフェート、トリス(1,3-ジクロロ-2-プロピル)ホスフェート、トリス(2-クロロエチル)ホスフェート、トリス(2-エチルヘキシル)ホスフェート、トリス(クロロイソプロピル)ホスフェート、トリス(クロロプロピル)ホスフェート、イソプロピル化トリフェニルホスフェート、異なる程度のイソプロピル化のモノ、ビス若しくはトリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)などの有機リン酸エステル又はアンモニウムポリホスフェート;
- 添加剤、とりわけ湿潤剤、レベリング剤、消泡剤、脱気剤、酸化、熱、光若しくはUV放射線に対する安定剤又は殺生物剤;
又は水分硬化組成物に習慣的に使用されるさらなる物質。
【0144】
ある種の物質を、それらを組成物に混ぜ入れる前に化学的に又は物理的に乾燥させることが合理的であり得る。
【0145】
2,2-ジメチル-3-ラウロイルオキシプロパナルから誘導されるポリアルジミンがさらなる潜在性硬化剤として特に好適である。
【0146】
組成物において、アルジミノ基とイソシアネート基との比は、好ましくは0.05~1.1の範囲、特に好ましくは0.1~1.0、とりわけ0.2~0.9である。
【0147】
組成物は、好ましくは、5重量%~90重量%、とりわけ10重量%~80重量%の範囲の含有量のポリイソシアネート及びイソシアネート基を含有するポリウレタンポリマーを含有する。
【0148】
組成物は、とりわけ、水分を排除して製造され、防水容器中周囲温度で貯蔵される。好適な防水容器は、とりわけ、任意選択的にコートされた金属及び/又はプラスチックからなり、とりわけドラム、輸送箱、ホブボック、バケツ、キャニスター、缶、バッグ、チューブラーバッグ、カートリッジ又はチューブである。
【0149】
組成物は、一成分組成物又は多成分、とりわけ二成分組成物の形態であり得る。
【0150】
「一成分」組成物と呼ばれる組成物は、組成物のすべての構成成分が同じ容器中にあり、それ自体貯蔵安定性があるものである。
【0151】
「二成分」組成物と呼ばれる組成物は、組成物の構成成分が2つの異なる成分中にあり、別個の容器中で貯蔵され、組成物の塗布の直前又は塗布中まで互いに混合されないものである。
【0152】
組成物は、好ましくは、一成分組成物である。好適なパッケージング及び貯蔵を仮定すると、それは、典型的には数カ月、最大で1年又はそれを超えて貯蔵安定性がある。
【0153】
組成物を塗布すると硬化のプロセスが始まる。これは硬化組成物をもたらす。
【0154】
一成分組成物の場合、それは、そのようなものとして塗布され、次に水分又は水の影響下で硬化し始める。硬化の加速のために、水を含有するか若しくは放出する加速剤成分及び/若しくは触媒を塗布時に組成物に混ぜ込むことができるか、又は組成物をその塗布後にそのような加速剤成分と接触させることができる。
【0155】
二成分組成物の場合、それは、2つの成分の混合後に塗布され、内部反応によって硬化し始め、硬化は、外部水分の作用によって完了し得る。二成分は、動的ミキサー又は静的ミキサーを用いて連続的又は回分式に混合することができる。
【0156】
硬化において、イソシアネート基は水分の影響下において、式(IV)のポリアルジミンのアルジミン基及び存在する任意のさらなるブロックされたアミノ基と反応する。イソシアネート基、とりわけアルジミノ基に対して過剰のイソシアネート基のいくつかは、水分の影響下で互いに及び/又は組成物中に存在する任意のさらなる反応基、とりわけヒドロキシル基若しくは遊離アミノ基と反応する。組成物の硬化をもたらすイソシアネート基のこれらの反応の全体は架橋とも呼ばれる。
【0157】
一成分組成物の硬化に必要とされる水分は、空気中(大気湿度)からの拡散を介して組成物に達することが好ましい。このプロセスにおいて、硬化組成物の固体層は、空気と接する組成物の表面上に形成される(「スキン」)。硬化は、外側から内側に向けた拡散方向に進行し、スキンが次第に厚くなり、最終的に塗布された組成物全体が包含される。水分は、組成物が適用された1つ以上の基材から追加的に又は全体的に組成物に到達することも可能であり、及び/或いは水分は、適用時に組成物に混合されるか、又は例えば塗布若しくは吹付けによって適用後に接触される加速剤成分に由来することが可能である。
【0158】
二成分組成物の硬化が完了するために必要とされる外部からの水分は、いずれも空気及び/又は基材に由来するものであることが好ましい。
【0159】
組成物は、好ましくは、周囲温度、とりわけ約0~50℃の範囲、好ましくは5~40℃の範囲で適用される。
【0160】
組成物がホットメルト接着剤である場合、これは、80~180℃の範囲の温度における溶融状態で適用されることが好ましい。
【0161】
組成物は、好ましくは、周囲温度で硬化される。
【0162】
本組成物は、比較的長いオープンタイムを有する。
【0163】
「オープンタイム」は、硬化プロセスが始まった後に組成物を加工又は再加工することができる期間を指す。
【0164】
スキンの形成までの時間(「スキン時間」)又は粘着性が存在しなくなるまでの時間(「不粘着時間」)は、オープンタイムの尺度である。
【0165】
架橋では、記載されているブロッキング剤、すなわちアルデヒド混合物が放出される。それは、実質的に非揮発性であり、無臭であり、大部分が硬化組成物中に残る。それは、可塑剤のように挙動するか又は振る舞う。従って、それは、原則としてそれ自体移行し、且つ/又は可塑剤の移行に影響を及ぼす可能性がある。ブロッキング剤は、硬化組成物に対する非常に良好な親和性を有し、それ自体ほとんど移行せず、またさらなる可塑剤の移行のいかなる増大も引き起こさない。
【0166】
組成物は、好ましくは、接着剤又はシーラント又はコーティングである。
【0167】
接着剤又はシーラント又はコーティングは、好ましくは、弾性がある。
【0168】
組成物は、とりわけ建設業及び製造業において、又は動力車建造における、とりわけ寄せ木細工接合、実装可能な構成要素の接合、空洞シーリング、アセンブリ、モジュール接合、車体接合、窓ペイン接合又は接合部シーリングのための、接合及びシーリング用途のための接着剤及び/又はシーラントとしてとりわけ好適である。
【0169】
動力車建造における弾性接合は、例えば、プラスチックカバー、装飾ストリップ、フランジ、泥よけ、運転室若しくは他の実装可能な構成要素などの部品の動力車の塗装された本体への接合による取り付け又は車体へのガラス製のペインの接合であり、ここで、動力車は、とりわけ自動車、トラック、バス、鉄道車両又は船である。
【0170】
組成物は、特に、とりわけ拡張接合部又は構造構成要素間の連結接合部などの建築における接合部に係るすべての種類の接合部、継ぎ目又は空洞の弾性シーリングのためのシーラントとして好適である。可撓性特性を有するシーラントは、とりわけ、構築構造物における拡張接合部のシーリングのために特に好適である。
【0171】
コーティングとして、本組成物は、とりわけバルコニー、テラス、オープンスペース、橋、駐車面のコーティングとして、床若しくは壁の保護のために、又はとりわけ平屋根若しくはわずかに傾斜した屋根領域若しくは屋上庭園として、屋根のシーリングのために、又は建物の屋内における防水シーリングのために(例えば、給排水ユニット又はキッチンにおけるタイル若しくは敷石の下)、若しくはキッチンにおける床仕上げ材、工業建築物若しくは製造空間として、若しくは収集タンク、チャネル、シャフト又は廃水処理場におけるシールとして、又は表面の保護のために、例えばワニス若しくはシールとして、若しくは空洞シーリングのための流延コンパウンドとして、継ぎ目シールとして、若しくはパイプの保護コーティングとして好適である。
【0172】
本組成物はまた、例えば、もはや目的に適っていない雨漏りをしている屋根のシート若しくは床仕上げ材のシール若しくはコーティングとして修理を目的として用いられ得、又はとりわけ高反応性のスプレーシールのための修復コンパウンドとして用いられ得る。
【0173】
組成物は、それが構造粘性特性によるペースト稠度を有するように調合することができる。この種の組成物は、実質的に丸形又は三角形の断面を有し得る例えばビーズの形態において、例えば市販のカートリッジ又はケグ又はホブボックから好適なデバイスを用いて塗布される。
【0174】
組成物は、それが流体であり且つ「セルフレベリング」であるか又はごくわずかにチキソトロピックであるようにさらに調合することができ、塗布のために注ぎ出すことができる。コーティングとして、それは、例えば、その後、例えばローラ、滑り棒、櫛目のアプリケータ又はこてを用いて、所望の層厚となるまで平坦に延展させることが可能である。一操作において、典型的には、0.5~3mm、とりわけ1.0~2.5mmの範囲の層厚で塗布される。
【0175】
組成物で接合又はシール又はコートすることができる好適な基材は、とりわけ、
- ガラス、ガラスセラミック、コンクリート、モルタル、繊維セメント、とりわけ繊維セメント板、煉瓦、タイル、石膏、とりわけ石膏板又は花崗岩若しくは大理石などの天然石;
- PCC(ポリマー改質セメントモルタル)又はECC(エポキシ樹脂改質セメントモルタル)をベースとする修理又はレベリングコンパウンド;
- 表面仕上げ金属を含む、アルミニウム、銅、鉄、スチール、非鉄金属又は亜鉛めっき若しくはクロムめっき金属などの合金などの金属又は合金;
- アスファルト又はビチューメン;
- 皮革、織物、紙、木材、フェノール樹脂、メラミン樹脂若しくはエポキシ樹脂などの樹脂で接合された木質系材料、樹脂/織物複合材料又はポリマー複合材料と呼ばれるさらなる材料;
- 各場合に未処理の若しくは例えばプラズマ、コロナ若しくは火炎によって表面処理された、硬質及び軟質PVC、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、PMMA、ABS、SAN、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、PUR、POM、TPO、PE、PP、EPM若しくはEPDMなどのプラスチック;
- 炭素繊維強化プラスチック(CFP)、ガラス繊維強化プラスチック(GFP)及びシート成形コンパウンド(SMC)などの繊維強化プラスチック;
- EPS、XPS、PUR、PIR、ロックウール、ガラスウール若しくは発泡ガラスでとりわけできた絶縁発泡体;
- 被覆若しくは塗装基材、とりわけ塗装タイル、被覆コンクリート、粉体塗装した金属若しくは合金又は塗装金属シート;
- ペイント又はワニス、とりわけ自動車トップコート
である。
【0176】
必要に応じて、基材は、とりわけ、物理的及び/若しくは化学的クリーニング法又は活性化剤若しくはプライマーの適用により、塗布前に前処理することができる。
【0177】
2つの同一の又は2つの異なる基材を接合及び/又はシールすることが可能である。
【0178】
組成物の塗布及び硬化は、組成物で接合又はシール又はコートされた物品を提供する。この物品は、構築構造物若しくはその一部、とりわけ地上若しくは地下の土木、橋、屋根、階段若しくはファサードにおける構築構造物であり得、又はそれは工業商品若しくは消費者商品、とりわけ窓、パイプ、風力タービンの回転翼の羽根、家庭用電化製品若しくは特に自動車、バス、トラック、鉄道車両、船、航空機若しくはヘリコプターなどの輸送手段又はそれらの実装可能な構成要素であり得る。
【0179】
本発明に係る組成物は、有利な特性を有する。この組成物は、反応性が高い芳香族イソシアネート基を伴っていても防湿状態で保管安定性である。この組成物は、十分に長い風乾時間を有し、材料をシームレスに延展させることが可能であり、又は塗布後一定の期間にわたって一緒に接合された物体の配置若しくは再調節が可能であり、これは、例えば、大面積若しくは長尺のシーリングストリップをコーティングする場合又は大型若しくは複雑な物体を接合する場合に重要である。硬化は、速く、高い信頼性で、且つ有害な臭気の導入を伴わず、気泡が形成されることなく進行し、従って、本組成物は、高空気湿度及び/若しくは高温などの気候的に好ましくない条件下又は水性の加速剤成分の使用を伴う場合などにおいても特に制限されることなく用いることが可能であり、且つ屋内空間若しくは大面積への塗布であっても躊躇することなく用いることが可能である。硬化に際して、本組成物は、急速に強度を高め、表面上に形成されるスキンは、非常に早期に驚くほど非粘着性となると共に乾燥するものであり、これは、これにより例えば粉塵による汚染が防止されるため、とりわけ建築現場での用途に非常に価値がある。硬化は、完了するまで進行し、高い機械的強度及び適度な弾性率を伴う伸長性を併せ持つ高品質の材料がもたらされ、従って可撓性製品にも好適である。遊離された非揮発性ブロッキング剤を含有するにもかかわらず、本組成物は、にじみ、変色、染みの形成、軟化又は基材の脱離などの可塑剤移行によりもたらされる欠陥のいずれもほとんど示すことがなく、従って応力亀裂を形成する多孔性の基材又はプラスチックでも且つ外層との組み合わせでも特に制限されることなく用いられ得る。
【実施例
【0180】
例示的な実施形態が以下に記載されており、これらは、記載されている本発明をさらに例示することを意図している。当然ながら、本発明は、これらの例示的に記載されている実施形態に限定されない。
【0181】
「標準気候条件」は、23±1℃の温度及び50±5%の相対空気湿度を指す。
【0182】
計測方法の記載:
アミン値(ブロックされたアミノ基を含む)は、滴定(酢酸中の0.1N HClO対クリスタルバイオレット)により測定した。
【0183】
粘度は、恒温Rheotec RC30コーンプレート粘度計(コーン直径50mm、コーン角1°、コーン先端プレート距離0.05mm、剪断速度10秒-1)で測定した。
【0184】
結晶化温度又はガラス転移温度は、Mettler Toledo DSC 3+700デバイスを用い、-80~+50℃の温度範囲、5K/分の加熱速度でDSCにより測定した。
【0185】
用いたアルデヒド:
アルデヒド-1:低分子量構成成分の蒸留分離後の一酸化炭素によるC10~14-アルキルベンゼンのHF-BFにより触媒されたホルミル化由来の粗生成物、85%~90重量%の主に分岐の4-(C10~14-アルキル)ベンズアルデヒド及び10%~15重量%の高沸点又は高分子量アルキルベンゼン化合物(GC-FIDにより計測)を含有;平均アルデヒド換算重量309g/当量;ガードナー標準色数10。
アルデヒド-2:高減圧下におけるアルデヒド-1のオーバーヘッド蒸留由来の画分化アルデヒド混合物、>98重量%の主に分岐の4-(C10~14-アルキル)ベンズアルデヒド(GC-FIDにより計測)を含有;平均アルデヒド換算重量290g/当量;ガードナー標準色数3。
アルデヒド-3:2,2-ジメチル-3-ラウロイルオキシプロパナル(284.4g/モル)
【0186】
アルデヒド-1は、本発明に係るアルデヒド混合物である。高沸点副産物が分離された対応する蒸留精製したアルデヒド-2及びアルデヒド-3も比較として用いる。
【0187】
ブロックされたアミン又は潜在性硬化剤の調製:
アルジミンA-1:
106.06gのアルデヒド-1を窒素雰囲気下で丸底フラスコに導入した。27.86gの3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルアミン(Vestamin(登録商標)IPD、Evonik製)を撹拌しながら添加し、その後、揮発性構成成分を80℃及び10mbarの減圧下で除去した。20℃で10.7Pa・sの粘度、143.5mg KOH/gのアミン値及び-46.1℃の結晶化温度を有する薄い色をした無臭の液体を得た。
【0188】
アルジミンA-2:
106.06gのアルデヒド-1を窒素雰囲気下で丸底フラスコに導入した。1,6-ヘキサンジアミン(Sigma-Aldrich製)の27.20gの70%水溶液を撹拌しながら添加し、その後、揮発性構成成分を80℃及び10mbarの減圧下で除去した。20℃で0.7Pa・sの粘度、158.6mg KOH/gのアミン値及び-66.5℃の結晶化温度を有する薄い色をした無臭の液体を得た。
【0189】
アルジミンR-1:
100.00gのアルデヒド-2を窒素雰囲気下で丸底フラスコに導入した。27.86gの3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルアミン(Vestamin(登録商標)IPD、Evonik製)を撹拌しながら添加し、その後、揮発性構成成分を80℃及び10mbarの減圧下で除去した。20℃で25.3Pa・sの粘度、152.1mg KOH/gのアミン値及び-40.6℃の結晶化温度を有する薄い黄色の無臭の液体を得た。
【0190】
アルジミンR-2:
100.00gのアルデヒド-2を窒素雰囲気下で丸底フラスコに導入した。1,6-ヘキサンジアミン(Sigma-Aldrich製)の27.20gの70%水溶液を撹拌しながら添加し、その後、揮発性構成成分を80℃及び10mbarの減圧下で除去した。20℃で1.0Pa・sの粘度、169.4mg KOH/gのアミン値及び-63.8℃の結晶化温度を有する薄い黄色の無臭の液体を得た。
【0191】
アルジミンR-3:
50.00gのアルデヒド-3を窒素雰囲気下で丸底フラスコに導入した。13.93gの3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルアミン(Vestamin(登録商標)IPD、Evonik製)を撹拌しながら添加し、その後、揮発性構成成分を80℃及び10mbarの減圧下で除去した。20℃で0.2Pa・sの粘度及び153.0mg KOH/gのアミン値を有する薄い黄色の無臭の液体を得た。
【0192】
アルジミンA-1及びA-2は、本発明に係る潜在性硬化剤であり、式(IV)に対応している。
【0193】
アルジミンR-1及びR-2及びR-3を比較として用いる。
【0194】
イソシアネート基を含有するポリマーの調製
ポリマーP1:
400gのポリオキシプロピレンジオール(Acclaim(登録商標)4200、Covestro製;OH価28.5mg KOH/g)及び52gのジフェニルメタン4,4’-ジイソシアネート(Desmodur(登録商標)44 MC L、Covestro製の)を80℃で公知のプロセスによって反応させて、室温で液体であり、1.85重量%の遊離イソシアネート基の含有量を有するNCO-末端ポリウレタンポリマーを得た。
【0195】
ポリマーP2:
590gのポリオキシプロピレンジオール(Acclaim(登録商標)4200、Covestro製;OH価28.5mg KOH/g)、1180gのポリオキシプロピレン/ポリオキシエチレントリオール(Caradol(登録商標)MD34-02、Shell製;OH価35.0mg KOH/g)及び230gのイソホロンジイソシアネート(Vestanat(登録商標)IPDI、Evonik製)を80℃で公知のプロセスによって反応させて、室温で液体であり、2.10重量%の遊離イソシアネート基の含有量を有するNCO-末端ポリウレタンポリマーを得た。
【0196】
ポリマーP3:
300.0gのポリオキシプロピレン/ポリオキシエチレンジオール(Desmophen(登録商標)L300、Covestro製;OH価190.0mg KOH/g)及び228.8gのイソホロンジイソシアネート(Vestanat(登録商標)IPDI、Evonik製)を60℃で公知のプロセスによって反応させて、室温で液体であり、7.91重量%の遊離イソシアネート基の含有量を有するNCO-末端ポリウレタンポリマーを得た。
【0197】
ポリウレタン組成物(一成分)
組成物Z1~Z6
各組成物について、表1に明記される原料を、1分間3000rpmで水分を排除した遠心ミキサー(SpeedMixerTM DAC 150、FlackTek Inc.)を用いて(重量部単位で)明記される量で混合した。各組成物を次のとおり試験した。
【0198】
貯蔵安定性の尺度として、粘度(1d RT)を製造の翌日に測定し、及び粘度(7d 60℃)を上記のように60℃の暖気循環オーブンにおける密閉容器中での7日間にわたる貯蔵後に測定した。
【0199】
オープンタイムの尺度として不粘着時間を測定した。この目的のために、数グラムの組成物を約2mmの層厚さで及び標準気候条件下でボール紙に塗布し、組成物の表面がLDPEピペットによって穏やかに軽くたたかれたとき、残渣がはじめてピペット上にもはや残らなくなるまでの時間を測定した。
【0200】
機械的特性を測定するために、各組成物をPTFE被覆フィルム上へ注いで厚さ2mmのフィルムを得、標準気候条件下で7日間貯蔵し、30mmの棒長さ及び4mmの棒幅である、75mmの長さを有する数個のダンベルをフィルムからパンチで切り取り、これらを引張強度(破断荷重)、破断点伸び、弾性率5%(0.5%~5%の伸びでの)及び弾性率50%(0.5%~50%伸びでの)について200mm/分の引張速度でDIN EN 53504に従って試験した。
【0201】
外観は、製造されたフィルムについて目視で評価した。「良い」は、気泡を伴わない非粘着性の表面を有する無色透明なフィルムを記載するために用いた。
【0202】
臭気は、新規に製造したフィルムから2cmの距離で鼻により嗅ぐことにより評価した。「あり」は、臭気が明らかに感じられたことを意味する。「なし」は、臭気が感じられなかったことを意味する。
【0203】
結果は、表1に報告されている。
【0204】
(Ref)と付した組成物は、比較例である。
【0205】
【表1】
【0206】
組成物Z7~Z10
各組成物について、表2に明記されている原料を、明記されている量(重量部)で、防湿しながら3000rpmで1分間、遠心ミキサー(SpeedMixer(商標)DAC 150、FlackTek Inc.)を用いて混合し、防湿して保管した。各組成物は、以下のとおりテストした。
【0207】
可塑剤の移行の尺度として、厚紙における斑点の形成を判定した。この目的のために、各組成物を、15mmの直径及び4mmの高さの丸いベース領域を有するように厚紙片に塗布し、7日間標準気候条件下で保管した。その後、厚紙上の各組成物の周囲に濃い卵形の染みが形成された。その寸法(高さ及び幅)を計測し、表2において移行として報告した。
【0208】
【表2】

本明細書に開示される発明は以下の態様を含む:
[1]
- 70重量%~95重量%の、式(I)
【化12】
(式中、Rは、6~20個の炭素原子を有するアルキル基である)
のアルデヒド、及び
- 5重量%~30重量%の、前記式(I)に対応しないアルキルベンゼン化合物
を含むアルデヒド混合物の、アミンのためのブロッキング剤としての使用。
[2]前記式(I)に対応しない前記アルキルベンゼン化合物は、前記式(I)の前記アルデヒドよりも高い沸点を有することを特徴とする、上記[1]に記載の使用。
[3]前記アルキル基Rは、主に分岐していることを特徴とする、上記[1]又は[2]に記載の使用。
[4]ホルミル基は、パラ位にあることを特徴とする、上記[1]~[3]のいずれか一つに記載の使用。
[5]前記式(I)の前記アルデヒドは、4-デシルベンズアルデヒド、4-ウンデシルベンズアルデヒド、4-ドデシルベンズアルデヒド、4-トリデシルベンズアルデヒド及び4-テトラデシルベンズアルデヒドから選択され、前記アルデヒドの前記アルキル基は、主に分岐していることを特徴とする、上記[1]~[4]のいずれか一つに記載の使用。
[6]前記式(I)に対応しない前記アルキルベンゼン化合物は、式
【化13】
(式中、R’は、6~20個の炭素原子を有するアルキレン基である)
の1つ以上の化合物を含むことを特徴とする、上記[1]~[5]のいずれか一つに記載の使用。
[7]前記アルデヒド混合物は、式
【化14】
の少なくとも1つのアルキルベンゼンのホルミル化の反応生成物であることを特徴とする、上記[1]~[6]のいずれか一つに記載の使用。
[8]前記ホルミル化は、フッ化水素酸及び三フッ化ホウ素の存在下で一酸化炭素と共に実施されたものであることを特徴とする、上記[7]に記載の使用。
[9]ブロックされる前記アミンは、少なくとも1つの第一級又は第二級アミノ基と、追加的に、第一級アミノ基、第二級アミノ基、水酸基及びシラン基から選択される少なくとも1つの反応基とを有することを特徴とする、上記[1]~[8]のいずれか一つに記載の使用。
[10]ブロックされる前記アミンは、第一級脂肪族ジアミン、第一級芳香族ジアミン、第一級脂肪族トリアミン、第一級及び第二級アミノ基を有する脂肪族ジアミン、2つの第一級及び第二級アミノ基を有する脂肪族ポリアミン、アミノアルコール、ジアルカノールアミン、アミノシラン並びにアルカノールアミノシランからなる群から選択されることを特徴とする、上記[1]~[9]のいずれか一つに記載の使用。
[11]前記アルデヒド混合物は、ブロックされる前記アミンと反応し、それにより、
- 前記アルデヒド混合物は、任意に溶剤が添加されて、前記アミンと化合して反応混合物をもたらし、アルデヒド基は、前記第一級及び第二級アミノ基に関して、化学量論量又は化学量論的過剰量で存在し、及び
- 前記反応において生成された縮合水、及び任意に前記化合中又はその後に用いられた溶剤は、前記反応混合物から、任意に前記反応混合物の加熱及び/又は減圧の適用を伴う好適な方法を用いて除去されることを特徴とする、上記[1]~[10]のいずれか一つに記載の使用。
[12]上記[1]~[11]のいずれか一つに記載のアルデヒド混合物の使用から得られるブロックされたアミン。
[13]式(II)及び/又は(III)
【化15】
(式中、
Xは、O、又はS、又はNR であり、ここで、R は、1~18個の炭素原子を有する一価の有機基であり、
Yは、任意に置換されている1,2-エチレン又は1,3-プロピレン基である)
の官能基を有することを特徴とする、上記[12]に記載のブロックされたアミン。
[14]上記[11]~[13]いずれか一つに記載の少なくとも1つのブロックされたアミンを含むイソシアネート基を含有する組成物。
[15]
- 少なくとも1つのポリイソシアネート及び/又はイソシアネート基を含有する少なくとも1つのポリウレタンポリマー、及び
- 式(IV)
【化16】
(式中、
nは、2又は3であり、
Aは、28~10000の範囲の分子量を有するn価の有機基である)
の少なくとも1つのポリアルジミン
を含むことを特徴とする、上記[14]に記載のイソシアネート基を含有する組成物。