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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-22
(45)【発行日】2023-10-02
(54)【発明の名称】封止組成物
(51)【国際特許分類】
   H10K 50/844 20230101AFI20230925BHJP
   H10K 71/50 20230101ALI20230925BHJP
【FI】
H10K50/844
H10K71/50
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021531789
(86)(22)【出願日】2019-12-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-28
(86)【国際出願番号】 KR2019017290
(87)【国際公開番号】W WO2020117024
(87)【国際公開日】2020-06-11
【審査請求日】2021-06-03
(31)【優先権主張番号】10-2018-0157182
(32)【優先日】2018-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】スン・ミン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ヨン・ボン・モク
(72)【発明者】
【氏名】スン・ナム・ムン
(72)【発明者】
【氏名】セ・ウ・ヤン
【審査官】小久保 州洋
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-505070(JP,A)
【文献】国際公開第2010/084939(WO,A1)
【文献】特開2013-020900(JP,A)
【文献】特表2016-524295(JP,A)
【文献】国際公開第2017/030047(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/021459(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/123197(WO,A1)
【文献】国際公開第2008/062866(WO,A1)
【文献】特開2008-115383(JP,A)
【文献】特開2014-127266(JP,A)
【文献】特表2016-513155(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10K 50/844
H10K 71/50
H05B 33/04
H01L 51/50 - 51/56
H05B 33/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オレフィン系樹脂を含む封止樹脂極性官能基を少なくとも一つ以上含む脂肪族炭化水素化合物で表面処理された水分吸着剤及び軟化点が130℃以下である粘着付与剤を含み、
前記水分吸着剤は、封止樹脂100重量部に対して220~1500重量部の範囲内に含まれることを特徴とし、
前記粘着付与剤は、封止樹脂100重量部に対して149~410重量部の範囲内に含まれることを特徴とする、封止組成物。
【請求項2】
前記封止樹脂は、ブチレンから誘導された高分子であることを特徴とする、請求項1に記載の封止組成物。
【請求項3】
前記封止樹脂は、ブチレン単量体の単独重合体;ブチレン単量体と重合可能な他の単量体を共重合した共重合体;ブチレン単量体を用いた反応性オリゴマー;又はこれらの混合物であることを特徴とする、請求項2に記載の封止組成物。
【請求項4】
前記脂肪族炭化水素化合物は、炭素数5~50の範囲内であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の封止組成物。
【請求項5】
前記水分吸着剤は、D90による粒度分析で粒径が8μm以下であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の封止組成物。
【請求項6】
前記粘着付与剤は、重量平均分子量が300~5000g/molの範囲内であることを特徴とする、請求項に記載の封止組成物。
【請求項7】
前記粘着付与剤は、分子構造内に炭素数が3~15の範囲内である単量体から重合された重合体であることを特徴とする、請求項またはに記載の封止組成物。
【請求項8】
活性エネルギー線重合性化合物をさらに含むことを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載の封止組成物。
【請求項9】
前記活性エネルギー線重合性化合物は、封止樹脂100重量部に対して2~35重量部の範囲内に含まれることを特徴とする、請求項に記載の封止組成物。
【請求項10】
ラジカル開始剤をさらに含むことを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載の封止組成物。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の封止組成物を含む封止層を含み、前記封止層は、単一層又は2層以上の多層構造であることを特徴とする、封止フィルム。
【請求項12】
前記封止層は、2層以上の多層構造であり、前記封止層は、水分吸着剤を含む第1層及び前記水分吸着剤を含まないか、前記第1層に比べて少ない含量で前記水分吸着剤を含む第2層を含むことを特徴とする、請求項11に記載の封止フィルム。
【請求項13】
前記第2層の厚さに対する前記第1層の厚さの割合が1.2~8の範囲内であることを特徴とする、請求項12に記載の封止フィルム。
【請求項14】
前記封止層上に形成されたメタル層をさらに含むことを特徴とする、請求項11から13のいずれか一項に記載の封止フィルム。
【請求項15】
基板;前記基板上に形成された有機電子素子;及び前記有機電子素子の全面を封止する請求項11から14のいずれか一項に記載の封止フィルムを含むことを特徴とする、有機電子装置。
【請求項16】
上部に有機電子素子が形成された基板に請求項11から14のいずれか一項に記載の封止フィルムが前記有機電子素子をカバーするように適用するステップを含むことを特徴とする、有機電子装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互引用
【0002】
本出願は、2018年12月7日に出願された大韓民国特許出願第10-2018-0157182号に基づく優先権の利益を主張し、当該大韓民国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として組み込まれる。
【0003】
技術分野
【0004】
本発明は、封止組成物、それを含む封止フィルム、これを含む有機電子装置及びこれを用いた有機電子装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0005】
有機電子装置(OED;organic electronic device)は、正孔及び電子を用いて電荷の交流を発生する有機材料層を含む装置を意味し、その例としては、光電池装置(photovoltaic device)、整流器(rectifier)、トランスミッター(transmitter)及び有機発光ダイオード(OLED;organic light emitting diode)などが挙げられる。
【0006】
前記有機電子装置のうち有機発光ダイオード(OLED:Organic Light Emitting Diode)は、既存の光源に比べて電力消費量が少なく、応答速度が速く、表示装置又は照明の薄型化に有利である。また、OLEDは、空間活用性に優れ、各種携帯用機器、モニター、ノートパソコン及びTVにわたる多様な分野において適用されるものと期待されている。
【0007】
OLEDの商用化及び用途の拡大において、最も主要な問題点は耐久性問題である。OLEDに含まれた有機材料及び金属電極などは水分などの外部的要因によって非常に容易に酸化され得る。したがって、OLEDを含む製品は、環境的要因に大きく敏感である。これによって、OLEDなどの有機電子装置に対する外部からの酸素又は水分などの浸透を効果的に遮断するために多様な方法が提案されている。
【0008】
また、OLEDが数年間の研究開発によって量産されているなか、ディスプレイの開発方向をますますベゼル部を減らすことを目標にしており、このようにベゼル部を減らすためには、外部から浸透する水分に対する遮断性能が極限まで到逹しなければならない状況にある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、外部から有機電子装置に流入する水分又は酸素を遮断することができ、ベゼル部が極めて小さい構造の有機電子装置を具現することができる封止組成物、これを含む封止フィルム及びこれを含む有機電子装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、封止組成物に関する。前記封止組成物は、例えば、OLEDなどの有機電子装置を封止又はカプセル化することに適用され得る。
【0011】
本明細書で用語「有機電子装置」は、互いに対向する一対の電極の間に正孔及び電子を用いて電荷の交流を発生する有機材料層を含む構造を有する物品又は装置を意味し、その例としては、光電池装置、整流器、トランスミッター及び有機発光ダイオード(OLED)などが挙げられるが、これらに制限されるものではない。本発明の一つの例示で、前記有機電子装置はOLEDであってもよい。
【0012】
例示的な封止組成物は、有機電子素子封止用組成物であってもよい。前記封止組成物は、封止樹脂及び脂肪族炭化水素化合物が表面処理された水分吸着剤を含むことができる。前記封止樹脂は、オレフィン系樹脂を含むことができる。本発明は、前記樹脂と特定の水分吸着剤を一緒に含むことで、苛酷な条件でも効果的に水分を遮断することができる。
【0013】
本発明の具体例で、前記封止樹脂は、架橋可能な樹脂又は硬化性樹脂であってもよい。一つの例示で、前記樹脂は、光硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂であってもよい。一つの例示で、前記封止樹脂は、ガラス転移温度が0℃未満、-10℃未満又は-30℃未満、-50℃未満又は-60℃未満であってもよく、下限は、特に限定されないが、-100℃以上であってもよい。上記で「ガラス転移温度」とは、前記封止樹脂単独組成に対して硬化又は架橋後のガラス転移温度であってもよい。
【0014】
本発明は、前記封止樹脂としてオレフィン系樹脂を含むことができる。前記オレフィン系樹脂は、オレフィン系化合物は単独重合体又は共重合体を含むことができる。一つの例示で、前記封止樹脂は、ブチレンから誘導された高分子であってもよい。本発明で用語「ブチレンから誘導された高分子」とは、前記高分子の重合単位のうち一つ以上がブチレンからなるものを意味することができる。前記ブチレンから誘導された高分子は、極性が非常に低く、透明であり、腐食の影響がほとんどないので、封止材又は密封材として用いられる場合、優れた水分遮断特性及び耐久信頼性を具現することができる。
【0015】
また、本発明で前記ブチレンから誘導された高分子は、ブチレン単量体の単独重合体;ブチレン単量体と重合可能な他の単量体を共重合した共重合体;ブチレン単量体を用いた反応性オリゴマー;又はこれらの混合物であってもよい。本発明で誘導された高分子は、単量体が重合された単位で重合体を形成しているものを意味することができる。前記ブチレン単量体は、例えば、1-ブテン、2-ブテン又はイソブチレンを含むことができる。
【0016】
前記ブチレン単量体あるいは誘導体と重合可能な他の単量体は、例えば、イソプレン、スチレン又はブタジエンなどを含むことができる。前記共重合体を用いることで、工程性及び架橋度などの物性を維持することができるので、有機電子装置に適用するとき封止成物自体の耐熱性を確保することができる。
【0017】
また、ブチレン単量体を用いた反応性オリゴマーは、反応性官能基を有するブチレン重合体を含むことができる。前記オリゴマーは、重量平均分子量500~5000g/molの範囲を有することができる。また、前記ブチレン重合体は、反応性官能基を有する他の重合体と結合されていてもよい。前記他の重合体は、アルキル(メタ)アクリレートであってもよいが、これに限定されるものではない。前記反応性官能基は、ヒドロキシ基、カルボキシル基、イソシアネート基又は窒素含有基であってもよい。また、前記反応性オリゴマーと前記他の重合体は、多官能性架橋剤により架橋されていてもよく、前記多官能性架橋剤は、イソシアネート架橋剤、エポキシ架橋剤、アジリジン架橋剤及び金属キレート架橋剤からなる群のうち選択された一つ以上であってもよい。
【0018】
一つの例示で、本発明のブチレンから誘導された高分子は、ジエン化合物と一つの炭素-炭素二重結合を含むオレフィン系化合物の共重合体であってもよい。このような共重合体は、封止樹脂の主鎖に二重結合などの不飽和基を含むことができる。ここで、オレフィン系化合物は、ブチレンなどを含むことができ、ジエンは、前記オレフィン系化合物と重合可能な単量体であってもよく、例えば、イソプレン又はブタジエンなどを含むことができる。例えば、一つの炭素-炭素二重結合を含むオレフィン系化合物及びジエンの共重合体は、ブチルゴムであってもよい。
【0019】
本発明で前記高分子は、粘着剤組成物がフィルム形状に成形が可能な程度の重量平均分子量(Mw:Weight Average Molecular Weight)を有することができる。例えば、前記高分子は、約1~200万g/mol、10万~150万g/mol、15万~130万g/mol、33万~100万g/mol又は35万~90万g/mol程度の重量平均分子量を有することができる。本発明で用語「重量平均分子量」は、GPC(Gel Permeation Chromatograph)で測定した標準ポリスチレンに対する換算数値を意味する。ただし、上記言及された重量平均分子量を樹脂成分が必ず有しなければならないものではない。例えば、樹脂成分の分子量がフィルムを形成する程度のレベルにならない場合には、別途のバインダー樹脂が組成物に配合され得る。本明細書で用語「高分子」と「樹脂成分」は同一の意味で用いられ得る。
【0020】
本発明の封止組成物は、水分吸着剤を含むことができる。本明細書で用語「水分吸着剤(moisture absorbent)」は、例えば、封止フィルムに浸透した水分乃至は湿気との化学的反応を通じて上記を除去できる化学反応性吸着剤を意味することができる。
【0021】
前記水分吸着剤は、上述したように、表面に脂肪族炭化水素化合物が表面処理されていてもよく、前記脂肪族炭化水素化合物は、極性官能基を少なくとも一つ以上含むことができる。前記極性官能基は、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アミン基、アクリル基、メタクリル基、アルデヒド基、エポキシ基、無水物基、アミド基、リン酸基(Phosphate)又はこれらの組み合わせを含むことができる。本発明は、前記水分吸着剤を用いることで、特に上述した封止樹脂との相溶性を増加させ、これによって、優れた水分遮断性能を具現することができる。
【0022】
本発明の具体例で、前記水分吸着剤は、表面に脂肪族炭化水素化合物が取り囲んでいてもよい。前記脂肪族炭化水素化合物は、例えば、分子構造内に極性官能基を含む化合物であってもよく、前記極性官能基を有する限り、その構造は特に制限されない。一つの例示で、前記極性官能基は、脂肪族炭化水素化合物の末端に位置することができる。一つの例示で、前記脂肪族炭化水素化合物は、炭素数5~50又は10~40の範囲内である化合物であってもよく、前記化合物は、直鎖、分枝鎖又は環型構造を有することができる。前記炭素数の下限は、例えば、8、10、13、15、16又は17以上であってもよく、上限は、例えば、45、40、35、30、28、25、23、20、19又は18以下であってもよい。前記脂肪族炭化水素化合物が水分吸着剤の表面を取り囲んでいる構造は、前記極性官能基が前記水分吸着剤と接するように表面に存在し、前記非極性の主鎖が極性官能基を通じてつながる構造を有することができる。前記構造は、水分吸着剤と封止樹脂との相溶性を増加させ、優れた水分遮断性能を具現することができ、従来に比べて多量の水分吸着剤を分散させ得る。前記脂肪族炭化水素化合物は、界面活性剤のうち一つを用いることができ、前記構造を有する限り、特に制限されず、例えば、ステアリン酸(Stearic acid)、パルミチン酸(palmitic acid)、オレイン酸(oleic acid)、オレイルアミン(oleylamine)、オクタデシルアミン(octadecylamine)、アラキドン酸(arachide acid)、リノール酸(linoleic acid)、ジブチルホスフェート(dibutyl phosphate)、ラウレス-4-カルボン酸(Laureth-4-carboxylic acid)、ラウレス-6-カルボン酸(Laureth-6-carboxylic acid)又はラウレス-11-カルボン酸(Laureth-11-carboxylic acid)を含むことができる。
【0023】
一つの例示で、前記水分吸着剤は、粒子の形態に粉砕されて封止組成物内に均一に分散した状態で存在することができる。ここで、均一に分散した状態は、封止組成物のいずれの部分でも同一又は実質的に同一の密度で水分吸着剤が存在する状態を意味することができる。上記で用いられる水分吸着剤としては、例えば、金属酸化物、硫酸塩又は有機金属酸化物などが挙げられる。具体的に、前記硫酸塩の例としては、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム又は硫酸ニッケルなどが挙げられ、前記有機金属酸化物の例としては、アルミニウムオキシドオクチレートなどが挙げられる。上記で金属酸化物の具体的な例としては、五酸化リン(P)、酸化リチウム(LiO)、酸化ナトリウム(NaO)、酸化バリウム(BaO)、酸化カルシウム(CaO)又は酸化マグネシウム(MgO)などが挙げられ、金属塩の例としては、硫酸リチウム(LiSO)、硫酸ナトリウム(NaSO)、硫酸カルシウム(CaSO)、硫酸マグネシウム(MgSO)、硫酸コバルト(CoSO)、硫酸ガリウム(Ga(SO)、硫酸チタン(Ti(SO)又は硫酸ニッケル(NiSO)などの硫酸塩、塩化カルシウム(CaCl)、塩化マグネシウム(MgCl)、塩化ストロンチウム(SrCl)、塩化イットリウム(YCl)、塩化銅(CuCl)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化タンタル(TaF)、フッ化ニオブ(NbF)、臭化リチウム(LiBr)、臭化カルシウム(CaBr)、臭化セシウム(CeBr)、臭化セレン(SeBr)、臭化バナジウム(VBr)、臭化マグネシウム(MgBr)、ヨウ化バリウム(BaI)又はヨウ化マグネシウム(MgI)などの金属ハロゲン化物;又は過塩素酸バリウム(Ba(ClO)又は過塩素酸マグネシウム(Mg(ClO)などの金属塩素酸塩などが挙げられるが、これに制限されるものではない。封止組成物に含まれ得る水分吸着剤としては、上述した構成のうち1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。一つの例示で、水分吸着剤として2種以上を用いる場合、焼成ドロマイト(calcined dolomite)などが用いられ得る。
【0024】
このような水分吸着剤は、用途に応じて適切なサイズに制御され得る。一つの例示で、水分吸着剤の平均粒径が8μm以下、7μm以下、6μm以下程度に制御され得る。下限は、特に限定されないが、0.1μm、0.5μm又は1μmであってもよい。前記粒径は、D90による粒度分析で測定されたものであってもよい。前記範囲のサイズを有する水分吸着剤は、水分との反応速度があまり速くないため、保管が容易であり、封止しようとする素子に損傷を与えず、効果的に水分を除去することができる。また、上記のように従来に比べて粒径が小さい水分吸着剤は、従来に比べて多量で封止組成物内に分散され得る。
【0025】
水分吸着剤の含量は、特に制限されず、目的とする遮断特性を考慮して適切に選択され得る。一つの例示で、前記水分吸着剤は、前記封止樹脂100重量部に対して、150~15000重量部、180~1400重量部、220~1300重量部、250~1200重量部、280~1100重量部又は300~1000重量部で含まれ得る。本発明は、従来技術に比べて多量の水分吸着剤を含むことができ、これによって、優れた水分遮断性能を具現することができる。従来には、上記のように多量の水分吸着剤を含む場合、凝集又は沈積が発生するか、フィルムに形成するとき層間クラックが発生したが、本発明は、前記特定の水分吸着剤を用いることで、このような問題を解決することができる。
【0026】
一つの例示で、封止組成物は、粘着付与剤をさらに含むことができ、前記粘着付与剤は、軟化点が145℃以下又は130℃以下であってもよい。前記粘着付与剤の軟化点は、例えば、20℃~130℃又は50℃~125℃の範囲内であってもよい。一つの例示で、前記粘着付与剤の重量平均分子量は、約300~5,000g/mol又は500~3500g/molの範囲内であってもよい。また、前記粘着付与剤は、分子構造内で炭素数が3~15又は5~10の範囲内である単量体から重合された重合体であってもよい。また、前記粘着付与剤は、分子構造内に環構造を有することができ、前記環構造は、単一環構造であってもよいが、これに限定されるものではなく、二環式又は三環式構造を有することができる。本発明は、前記特定の粘着付与剤を用いることで、上述した封止樹脂との相溶性を優秀にして本発明で目的にしようとする物性を具現することができる。一方、本明細書で軟化点は、特に別に規定しない限り、ASTM E28規格によって測定したものであってもよい。
【0027】
一つの例示で、前記粘着付与剤は、例えば、ピペリレン化合物、スチレン化合物、αメチルスチレン化合物、イソプレン化合物、シクロペンタジエン化合物又はジシクロペンタジエン化合物を含むことができる。前記粘着付与剤の含量は、必要に応じて適切に調節できる。前記粘着付与剤は、前記封止樹脂100重量部に対して、140~450重量部、149~410重量部又は150~405重量部の範囲内に含まれ得る。本発明の粘着付与剤は、上述した特定の封止樹脂及び水分吸着剤とともに相溶性に優れ、これによって、従来に比べて前記粘着付与剤の含量範囲を高く調節することができ、これによって、水分遮断性とともにフィルムの合着性能を効率的に具現する。
【0028】
本発明の具体例で、本発明の封止組成物は、上述した封止樹脂と共に活性エネルギー線の照射によって重合され得る活性エネルギー線重合性化合物を含むことができる。前記活性エネルギー線重合性化合物は、例えば、活性エネルギー線の照射による重合反応に参与できる官能基、例えば、アクリロイル基又はメタクリロイル基などのエチレン性不飽和二重結合を含む官能基、エポキシ基又はオキセタン基などの官能基を1個以上又は2個以上含む化合物を意味することができる。本発明は、前記封止樹脂が硬化又は架橋前に不飽和基を有することができ、前記不飽和基は、前記多官能性の活性エネルギー線重合性化合物の架橋時に一緒に架橋に参与できるようにする。一つの例示で、本発明の封止組成物は、前記封止樹脂と相溶性が高く、前記封止樹脂とともに特定の架橋構造を形成することができる活性エネルギー線重合性化合物が含まれて硬化又は架橋され得る。
【0029】
前記活性エネルギー線重合性化合物は、多官能性の活性エネルギー線重合性化合物であってもよく、例えば、多官能性アクリレート(MFA;Multifunctional acrylate)であってもよい。
【0030】
前記活性エネルギー線の照射によって重合され得る多官能性の活性エネルギー線重合性化合物は、下記化学式1を満足することができる。また、前記活性エネルギー線重合性化合物は、封止樹脂100重量部に対して、2重量部~35重量部、3~30重量部、5重量部~25重量部、8重量部~20重量部、10重量部~18重量部又は12重量部~18重量部で含まれ得る。
【0031】
【化1】
【0032】
前記化学式1で、Rは、水素又は炭素数1~4のアルキル基であり、nは、2~10又は2~6の数であり、Xは、炭素数3~30の直鎖、分枝鎖又は環状アルキル基から誘導された残基を示す。上記で、Xが環状アルキル基から誘導された残基である場合、Xは、例えば、炭素数3~30、炭素数6~28、炭素数8~22又は炭素数12~20の環状アルキル基から誘導された残基であってもよい。また、Xが直鎖型アルキル基から誘導された残基である場合、Xは、炭素数3~30、炭素数6~25又は炭素数8~20の直鎖アルキル基から誘導された残基であってもよい。また、Xが分枝鎖型アルキル基から誘導された残基である場合、Xは、炭素数3~30、炭素数5~25又は炭素数6~20の分枝鎖アルキル基から誘導された残基であってもよい。
【0033】
本明細書で用語「アルキル基から誘導された残基」とは、特定化合物の残基であって、アルキル基で構成されたものを意味することができる。一つの例示で、前記化学式1で、nが2である場合、前記Xは、アルキレン基であってもよい。また、nが3以上である場合、Xは、アルキル基の2以上の水素が脱離されて前記化学式1の(メタ)アクロイル基に結合されていてもよい。
【0034】
本明細書で用語「アルキル基」は、特に別に規定しない限り、炭素数1~30、炭素数1~25、炭素数1~20、炭素数1~16、炭素数1~12、炭素数1~8又は炭素数1~4のアルキル基を意味することができる。前記アルキル基は、直鎖型、分枝鎖型又は環状構造を有することができ、任意的に一つ以上の置換基によって置換されていてもよい。
【0035】
本明細書で用語「アルキレン基」は、特に別に規定しない限り、炭素数2~30、炭素数2~25、炭素数2~20、炭素数2~16、炭素数2~12、炭素数2~10又は炭素数2~8のアルキレン基を意味することができる。前記アルキレン基は、直鎖型、分枝鎖型又は環状構造を有することができ、任意的に一つ以上の置換基によって置換されていてもよい。
【0036】
前記活性エネルギー線の照射によって重合され得る活性エネルギー線重合性化合物は、前記化学式1を満足する限り、制限なしに用いられ得る。例えば、前記化合物は、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8-オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12-ドデカンジオール(dodecanediol)ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(dicyclopentanyl)ジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサン-1,4-ジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール(メタ)ジアクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチルプロパンジ(メタ)アクリレート、アダマンタン(adamantane)ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート又はこれらの混合物を含むことができる。
【0037】
活性エネルギー線重合性化合物としては、例えば、重量平均分子量が1,000g/mol未満、800g/mol以下又は450g/mol以下であってもよく、下限は、例えば、100g/mol以上であり、官能基を2個以上含む化合物を用いることができる。前記活性エネルギー線重合性化合物に含まれる環構造は、炭素環式構造又は複素環式構造;又は単環式又は多環式構造であってもよい。
【0038】
本発明の具体例で、封止組成物は、上述した活性エネルギー線重合性化合物の重合反応を誘導できるようにするラジカル開始剤をさらに含むことができる。ラジカル開始剤は、光開始剤又は熱開始剤であってもよい。光開始剤の具体的な種類は、硬化速度及び黄変可能性などを考慮して適切に選択され得る。例えば、ベンゾイン系、ヒドロキシケトン系、アミノケトン系又はホスフィンオキシド系光開始剤などを用いることができ、具体的には、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn-ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2,2-ジエトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノ-プロパン-1-オン、4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル-2-(ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p-フェニルベンゾフェノン、4,4’-ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2-メチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン、2-t-ブチルアントラキノン、2-アミノアントラキノン、2-メチルチオキサントン(thioxanthone)、2-エチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、p-ジメチルアミノ安息香酸エステル、オリゴ[2-ヒドロキシ-2-メチル-1-[4-(1-メチルビニル)フェニル]プロパノン]及び2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキシドなどを用いることができる。
【0039】
前記ラジカル開始剤は、前記活性エネルギー線重合性化合物100重量部に対して、0.2重量部~20重量部の割合で含まれてもよい。これを通じて、活性エネルギー線重合性化合物の反応を効果的に誘導し、また、硬化後に残存成分により硬化又は架橋された封止組成物の物性が悪くなることを防止することができる。
【0040】
一つの例示で、前記封止組成物は、必要な場合、無機フィラーをまた含むことができる。本明細書で用語「無機フィラー」は、水分との反応性がないか、上述した水分吸着剤に比べて低いが、水分あるいは湿気のフィルム内での移動を遮断するか妨害できる物質を意味することができる。無機フィラーとしては、例えば、クレイ、タルク、シリカ、針状シリカ、板状シリカ、多孔性シリカ、ゼオライト、チタニア又はジルコニアのうち1種又は2種以上を用いることができる。また、無機フィラーは、有機物の浸透が容易になるよう有機改質剤などによって表面処理が施され得る。このような有機改質剤としては、例えば、ジメチルベンジル水素化タロウ4級アンモニウム(dimethyl benzyl hydrogenated tallow quaternaty ammonium)、ジメチル水素化タロウ4級アンモニウム(dimethyl dihydrogenated tallow quaternary ammonium)、メチルタロウビス-2-ヒドロキシエチル4級アンモニウム(methyl tallow bis-2-hydroxyethyl quaternary ammonium)、ジメチル水素化タロウ2-エチルヘキシル4級アンモニウム(dimethyl hydrogenated tallow 2-ethylhexyl quaternary ammonium)、ジメチル脱水素化タロウ4級アンモニウム(dimethyl dehydrogenated tallow quaternary ammonium)又はこれらの混合物である有機改質剤などが用いられ得る。
【0041】
無機フィラーの含量は、特に制限されず、目的とする遮断特性を考慮して適切に選択され得る。一つの例示で、前記無機フィラーは、前記封止樹脂100重量部に対して5~100重量部で含まれ得る。
【0042】
また、前記封止組成物は、上述した構成外にも用途及び後述する製造工程によって多様な添加剤が含まれ得る。
【0043】
本発明の具体例で、前記封止組成物は、硬化又は未硬化状態で、常温で固相又半固相であってもよい。本明細書で用語「常温」とは、約15℃~35℃、20℃~30℃又は約25℃の温度であってもよい。
【0044】
また、本発明は、封止フィルムに関する。前記封止フィルムは、上述した封止組成物を含む封止層を含むことができる。前記封止層は、単一層又は2層以上の多層構造であってもよい。前記封止樹脂は、前記封止層内の全体樹脂成分の重量で、5wt%以上、10~85wt%、12~83wt%、15~80wt%、17~78wt%又は20~73wt%で含まれ得る。本明細書で樹脂成分は、前記封止樹脂又は上述した粘着付与剤(粘着付与樹脂)を含むことができる。また、上述した活性エネルギー線重合性化合物、粘着付与剤、ラジカル開始剤、水分吸着剤又は無機フィラーなどの成分は、前記封止層内に含まれ得るが、これに制限されるものではない。また、前記封止層は、前記成分が含まれた粘着剤又は接着剤であってもよく、上述した封止組成物は、粘着剤組成物又は接着剤組成物であってもよい。
【0045】
前記封止層は、単一層又は2層以上の多層構造であってもよい。前記封止層が多層構造である場合、前記封止樹脂は、前記2層以上の封止層のうち少なくとも一層に含まれ得る。
【0046】
一方、前記水分吸着剤の含量は、前記封止フィルムが有機電子素子の封止に適用される点を考慮するとき、素子の物理的、化学的損傷を防止するようにその含量が制御され得る。例えば、前記封止フィルムが有機電子素子の封止時に、前記素子に向く封止層に少量の水分吸着剤を構成するか、水分吸着剤を含まなくてもよい。一つの例示で、素子に向く封止層を第2層として定義するとき、前記第2層は、封止フィルムが含有する水分吸着剤の全体質量に対して0~20%の水分吸着剤を含むことができる。また、前記封止フィルムが有機電子素子の封止時に、前記第2層の一面(有機電子素子の方向と反対方向面)に形成された封止層を第1層として定義するとき、前記第1層は、封止フィルムが含有する水分吸着剤の全体質量に対して80~100%の水分吸着剤を含むことができる。また、上記のような構造で、本発明は、第2層厚さに対する第1層厚さの割合が1.2~8又は1.5~5の範囲内であってもよい。前記構造で本発明は、水分遮断性能を極大化するとともに有機電子素子の安定性を具現することができる。
【0047】
第2層と追加的に積層される第1層の積層順序は特に限定されない。また、封止フィルムは、3個以上の層で構成され得、例えば、前記第1層が2以上の層として含まれるか、前記第2層が2以上の層として含まれ得る。
【0048】
本発明の具体例で、前記封止フィルムは、メタル層をさらに含むことができる。前記メタル層は、単一層又は2以上の多層構造であってもよい。前記メタル層のうち少なくとも一層は、例えば、50~800W/mKの熱伝導度を有することができる。また、前記メタル層のうち少なくとも一層は、線膨脹係数が20ppm/℃以下であってもよい。
【0049】
本発明の具体例で、メタル層は、その熱伝導度が50W/mK以上、80W/mK以上、90W/mK以上、100W/mK以上、110W/mK以上、120W/mK以上、130W/mK以上、140W/mK以上、150W/mK以上、200W/mK以上又は210W/mK以上であってもよい。前記熱伝導度の上限は特に限定されず、800W/mK以下又は700W/mK以下であってもよい。上記のように、少なくとも一つのメタル層が高い熱伝導度を有することで、メタル層の接合工程時に接合界面から発生した熱をよりはやく放出させ得る。前記熱伝導度は、0~30℃の温度範囲のうちいずれか一つの温度で測定したものであってもよい。
【0050】
本明細書で用語「熱伝導度」とは、物質が伝導により熱を伝達することができる能力を示す程度であり、単位は、W/mKで示すことができる。前記単位は、同じ温度と距離で物質が熱伝逹する程度を示したものであって、距離の単位(メートル)と温度の単位(ケルビン)に対する熱の単位(ワット)を意味する。本明細書で前記熱伝導度は、ASTM E1461によって測定したときの熱伝導度を意味することができる。前記熱伝導度は、ASTM E1461によって測定された熱拡散率(Thermal diffusivity)と既に知られている比熱値を用いて計算することができる。
【0051】
一具体例で、前記メタル層のうち少なくとも一層は、線膨脹係数が20ppm/℃以下、18ppm/℃以下、15ppm/℃以下、13ppm/℃以下、9ppm/℃以下、5ppm/℃以下又は3ppm/℃以下の範囲内であってもよい。前記線膨脹係数の下限は特に限定されないが、0ppm/℃以上又は0.1ppm/℃以上であってもよい。本発明は、前記メタル層の線膨脹係数を調節することで、高温で駆動されるパネル内で前記フィルムの寸法安定性及び耐久信頼性を具現することができる。前記線膨脹係数は、ASTM E831による規格によって測定することができる。
【0052】
本発明の具体例で、前記封止フィルムのメタル層の厚さは、3μm~500μm、10μm~450μm、20μm~400μm、30μm~350μm又は40μm~200μmの範囲内であってもよい。本発明は、前記メタル層の厚さを制御することで、放熱効果が十分に具現されて薄膜の封止フィルムを提供することができる。前記メタル層は、薄膜のメタルホイル(Metal foil)又は高分子基材層にメタルが蒸着されていてもよい。前記メタル層は、上述した熱伝導度あるいは線膨脹係数を満足し、金属を含む素材であれば、特に制限されない。メタル層は、金属、酸化金属、窒化金属、炭化金属、オキシ窒化金属、オキシホウ化金属及びその配合物のうちいずれか一つを含むことができる。例えば、メタル層は、一つの金属に1以上の金属元素又は非金属元素が添加された合金を含むことができ、例えば、インバー(Invar)、ステンレススチール(SUS)を含むことができる。また、一つの例示で、メタル層は、鉄、クロム、銅、アルミニウムニッケル、酸化鉄、酸化クロム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化インジウムスズ、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ及びこれらの配合物を含むことができる。メタル層は、電解、圧延、加熱蒸発、電子ビーム蒸発、スパッタリング、反応性スパッタリング、化学気相蒸着、プラズマ化学気相蒸着又は電子サイクロトロン共鳴ソースプラズマ化学気相蒸着手段により蒸着され得る。本発明の一実施例で、メタル層は、反応性スパッタリングにより蒸着され得る。
【0053】
一つの例示で、本発明の封止フィルムは、前記メタル層上に形成される保護層をさらに含むことができる。前記保護層は、樹脂成分を含むことができる。前記保護層を構成する素材は特に制限されない。一つの例示で、前記保護層は、水分透過を遮断できる防湿層であってもよい。一つの例示で、前記保護層を構成する樹脂成分として、ポリオルガノシロキサン、ポリイミド、スチレン系樹脂又はエラストマー、ポリオレフィン系樹脂又はエラストマー、ポリオキシアルキレン系樹脂又はエラストマー、ポリエステル系樹脂又はエラストマー、ポリ塩化ビニル系樹脂又はエラストマー、ポリカーボネート系樹脂又はエラストマー、ポリフェニレンスルフィド系樹脂又はエラストマー、ポリアミド系樹脂又はエラストマー、アクリレート系樹脂又はエラストマー、エポキシ系樹脂又はエラストマー、シリコーン系樹脂又はエラストマー、及びフッ素系樹脂又はエラストマーからなる群より選択された1以上を含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0054】
本発明の具体例で、前記保護層とメタル層の間に粘着剤又は接着剤をさらに含むことができる。前記粘着剤又は接着剤の素材は特に制限されず、公知の材料を用いることができる。一つの例示で、前記粘着剤又は接着剤は、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系、シリコーン系又はゴム系粘着剤又は接着剤であってもよい。また、一具体例で、前記粘着剤又は接着剤の素材は、上述した封止層の素材と同一であるか、異なっていてもよい。
【0055】
一つの例示で、封止フィルムは、基材フィルム又は離型フィルム(以下、「第1フィルム」と称する場合がある)をさらに含み、前記封止層が前記基材又は離型フィルム上に形成されている構造を有することができる。前記構造は、また、前記封止層又はメタル層上に形成された基材又は離型フィルム(以下、「第2フィルム」と称する場合がある)をさらに含むことができる。図1は、基材フィルム又は離型フィルム1上に形成された封止層11を含む例示的な封止フィルム10を示した断面図である。また、図2は、前記封止層11上に形成された上述したメタル層12及び前記メタル層上に形成された上述した保護層13を含む例示的な封止フィルム10を示した断面図である。
【0056】
本発明で用いられる前記第1フィルムの具体的な種類は、特に限定されない。本発明では、前記第1フィルムとして、例えば、この分野における一般的な高分子フィルムを用いることができる。本発明では、例えば、前記基材又は離型フィルムとして、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリテトラフルオルエチレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン-酢酸ビニルフィルム、エチレン-プロピレン共重合体フィルム、エチレン-アクリル酸エチル共重合体フィルム、エチレン-アクリル酸メチル共重合体フィルム又はポリイミドフィルムなどを用いることができる。また、本発明の前記基材フィルム又は離型フィルムの一面又は両面には、適切な離型処理が行われていてもよい。基材フィルムの離型処理に用いられる離型剤の例としては、アルキド系、シリコーン系、フッ素系、不飽和エステル系、ポリオレフィン系又はワックス系などを用いることができ、このうち、耐熱性の側面から、アルキド系、シリコーン系又はフッ素系離型剤を用いることが好ましいが、これらに制限されるものではない。
【0057】
本発明で上記のような基材フィルム又は離型フィルム(第1フィルム)の厚さは、特に限定されず、適用される用途によって適切に選択され得る。例えば、本発明で前記第1フィルムの厚さは、10μm~500μm、好ましくは、20μm~200μm程度であってもよい。前記厚さが10μm未満であると、製造過程で基材フィルムの変形が容易に発生する恐れがあり、500μmを超過すると、経済性に劣る。
【0058】
本発明の封止フィルムに含まれる封止層の厚さは、特に制限されず、前記フィルムが適用される用途を考慮して下記の条件によって適切に選択できる。封止層の厚さは、5μm~200μm、10μm~100μm、15μm~60μm程度であってもよい。前記厚さは、封止層が多層である場合、多層の厚さを意味することができる。封止層の厚さが5μm未満である場合、十分な水分遮断能力を発揮することができず、200μmを超過する場合、工程性を確保しにくく、水分反応性に起因して厚さ膨張が大きいため、有機発光素子の蒸着膜に損傷を与えることがあり、経済性に劣る。
【0059】
また、本発明は、有機電子装置に関する。前記有機電子装置は、図3に示したように、基板21;前記基板21上に形成された有機電子素子22;及び前記有機電子素子22の全面を封止する上述した封止フィルム10を含むことができる。前記封止フィルムは、前記基板上に形成された有機電子素子の全面、例えば、上部及び側面を全て封止していてもよい。前記封止フィルム10は、封止組成物を架橋又は硬化された状態で含有する封止層11を含むことができる。また、前記封止層が有機電子素子の全面に接触するように有機電子装置が形成されていてもよい。
【0060】
上記で有機電子素子は、例えば、有機発光素子であってもよい。
【0061】
前記封止層は、有機電子装置で優れた水分遮断特性を示すと共に前記基板とメタル層を効率的に固定及び支持する構造用接着剤として形成され得る。図3は、封止層11、メタル層12及び保護層13が一体に含まれた封止フィルム10が有機電子素子22を全面封止する例示的な有機電子装置の断面図である。
【0062】
また、前記封止層は、前面発光(top emission)又は背面発光(bottom emission)などの有機電子装置の形態に関係なく安定的な封止層として形成され得る。
【0063】
また、本発明の有機電子素子は、保護膜(passivation layer)を含むことができる。前記保護膜は、素子の電極の損傷を防止することができるものであって、本技術分野の通常の素材で構成され得、例えば、無機物としてSiNx又はAlなど含むことができる。前記保護膜は、有機膜及び無機膜が相互に蒸着されているパッシベーション膜であってもよい。
【0064】
また、本発明は、有機電子装置の製造方法を提供する。前記製造方法は、上部に有機電子素子が形成された基板に上述した封止フィルムが前記有機電子素子をカバーするように適用するステップを含むことができる。また、前記製造方法は、前記封止フィルムを硬化又は架橋するステップをさらに含むことができる。前記封止フィルムの硬化又は架橋ステップは、封止層の硬化又は架橋を意味し、前記硬化は、前記封止フィルムが有機電子素子をカバーする前又は後に進行され得る。
【0065】
本明細書で用語「硬化」とは、加熱又はUVの照射工程などを経て本発明の封止層が架橋構造を形成して粘着剤の形態で製造することを意味することができる。または、接着剤組成物が接着剤として固化及び付着されることを意味することができる。
【0066】
一つの例示で、前記製造方法は、基板として用いられるガラス又は高分子フィルム上に真空蒸着又はスパッタリングなどの方法で透明電極を形成し、前記透明電極上に、例えば、正孔輸送層、発光層及び電子輸送層などにより構成される発光性有機材料の層を形成した後、その上部に電極層を追加で形成して有機電子素子を形成することができる。続いて、前記工程を経た基板の有機電子素子の全面を前記封止フィルムの封止層が覆うように位置させ得る。
【発明の効果】
【0067】
本発明は、外部から有機電子装置に流入する水分又は酸素を効果的に遮断することができ、ベゼル部が極めて小さい構造の有機電子装置を具現することができる封止組成物、これを含む封止フィルム及びこれを含む有機電子装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0068】
図1図1は、本発明の一つの例示による封止フィルムを示す断面図である。
図2図2は、本発明の一つの例示による封止フィルムを示す断面図である。
図3図3は、本発明の一つの例示による有機電子装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0069】
以下、本発明による実施例及び本発明によらない比較例を通じて本発明をより詳しく説明するが、本発明の範囲は、下記提示された実施例によって制限されるものではない。
【0070】
<実施例1>
【0071】
(1)封止層第1層溶液の製造
【0072】
水分吸着剤として表面にステアリン酸が表面処理されたCaO(Aldrich社)を溶剤であるトルエンに混合し、固形分50重量%の濃度で水分吸着剤溶液を製造した。
【0073】
上記とは別途に、常温で反応器に封止樹脂としてポリイソブチレン樹脂(BASF社のB50、重量平均分子量34万g/mol)100重量部及び粘着付与剤としてHIKOREZ社のH2100(軟化点102℃)340重量部を投入した。その後、活性エネルギー線重合性化合物として1,6-ヘキサンジオールジアクリレート5重量部及び光ラジカル開始剤(Irgacure 819)1重量部を投入し、トルエンで固形分が40重量%程度になるように希釈した。ここに、あらかじめ作っておいた前記水分吸着剤溶液を前記封止樹脂100重量部に対して水分吸着剤が570重量部になるように交ぜて均質化した。
【0074】
(2)封止層第2層溶液の製造
【0075】
常温で反応器に封止樹脂としてポリイソブチレン樹脂(BASF社のB50、重量平均分子量34万g/mol)100重量部及び粘着付与剤としてHIKOREZ社のH2100(軟化点102℃)150重量部を投入した。その後、活性エネルギー線重合性化合物として1,6-ヘキサンジオールジアクリレート5重量部及び光ラジカル開始剤(Irgacure 819)1重量部を投入し、トルエンで固形分が40重量%程度になるように希釈した。
【0076】
(3)封止フィルムの製造
【0077】
上記で用意した第1層の溶液を離型PETの離型面に塗布し、110℃で10分間乾燥して、厚さが40μmである層を形成した。
【0078】
上記で用意した第2層の溶液を離型PETの離型面に塗布し、130℃で3分間乾燥して、厚さが10μmである層を形成した。
【0079】
前記二つの層を合板して2層の封止層を有する封止フィルムを製造した。
【0080】
(4)メタル層が一体化された封止フィルムの製造
【0081】
上記で製造された2層の封止層の第1層面に離型処理されたPETを剥離させ、既に用意されたメタル層(アルミニウム)が前記第1層に接するように封止層を合板した。
【0082】
合板されたメタル一体型封止フィルムをナイフ裁断して目的とする形状の封止フィルムを製造した。
【0083】
<実施例2>
【0084】
第1層溶液を下記のように製造したこと以外は、実施例1と同一の方法で封止フィルムを製造した。
【0085】
(1)封止層第1層溶液の製造
【0086】
水分吸着剤として表面にステアリン酸が表面処理されたCaO(Aldrich社)を溶剤であるトルエンに混合し、固形分50重量%の濃度で水分吸着剤溶液を製造した。
【0087】
上記とは別途に、常温で反応器に封止樹脂としてブチルゴム(EXXON社のBR065)100重量部及び粘着付与剤としてSUKOREZ社のSU120(軟化点120℃)150重量部を投入した。その後、活性エネルギー線重合性化合物として1,6-ヘキサンジオールジアクリレート5重量部及び光ラジカル開始剤(Irgacure 819)1重量部を投入し、トルエンで固形分が45重量%程度になるように希釈した。ここに、あらかじめ作っておいた前記水分吸着剤溶液を前記封止樹脂100重量部に対して水分吸着剤が300重量部になるように交ぜて均質化した。
【0088】
<実施例3>
【0089】
第1層溶液を下記のように製造したこと以外は、実施例1と同一の方法で封止フィルムを製造した。
【0090】
(1)封止層第1層溶液の製造
【0091】
水分吸着剤として表面にステアリン酸が表面処理されたCaO(Aldrich社)を溶剤であるトルエンに混合し、固形分50重量%の濃度で水分吸着剤溶液を製造した。
【0092】
上記とは別途に、常温で反応器に封止樹脂としてポリイソブチレン樹脂(BASF社のB50、重量平均分子量34万g/mol)100重量部及び粘着付与剤としてHIKOREZ社のH2100(軟化点102℃)400重量部を投入した。その後、活性エネルギー線重合性化合物として1,6-ヘキサンジオールジアクリレート5重量部及び光ラジカル開始剤(Irgacure 819)1重量部を投入し、トルエンで固形分が48重量%程度になるように希釈した。ここに、あらかじめ作っておいた前記水分吸着剤溶液を前記封止樹脂100重量部に対して水分吸着剤が1000重量部になるように交ぜて均質化した。
【0093】
<実施例4>
【0094】
第1層溶液を下記のように製造したこと以外は、実施例1と同一の方法で封止フィルムを製造した。
【0095】
(1)封止層第1層溶液の製造
【0096】
水分吸着剤として表面にステアリン酸が表面処理されたCaO(Aldrich社)を溶剤であるトルエンに混合し、固形分50重量%の濃度で水分吸着剤溶液を製造した。
【0097】
上記とは別途に、常温で反応器に封止樹脂としてブチルゴム(EXXON社のBR065)100重量部及び粘着付与剤としてSUKOREZ社のSU120(軟化点120℃)148重量部を投入した。その後、活性エネルギー線重合性化合物として1,6-ヘキサンジオールジアクリレート5重量部及び光ラジカル開始剤(Irgacure 819)1重量部を投入し、トルエンで固形分が45重量%程度になるように希釈した。ここに、あらかじめ作っておいた前記水分吸着剤溶液を前記封止樹脂100重量部に対して水分吸着剤が300重量部になるように交ぜて均質化した。
【0098】
<実施例5>
【0099】
第1層溶液を下記のように製造したこと以外は、実施例1と同一の方法で封止フィルムを製造した。
【0100】
(1)封止層第1層溶液の製造
【0101】
水分吸着剤として表面にステアリン酸が表面処理されたCaO(Aldrich社)を溶剤であるトルエンに混合し、固形分50重量%の濃度で水分吸着剤溶液を製造した。
【0102】
上記とは別途に、常温で反応器に封止樹脂としてポリイソブチレン樹脂(BASF社のB50、重量平均分子量34万g/mol)100重量部及び粘着付与剤としてHIKOREZ社のH2100(軟化点102℃)420重量部を投入した。その後、活性エネルギー線重合性化合物として1,6-ヘキサンジオールジアクリレート5重量部及び光ラジカル開始剤(Irgacure 819)1重量部を投入し、トルエンで固形分が48重量%程度になるように希釈した。ここに、あらかじめ作っておいた前記水分吸着剤溶液を前記封止樹脂100重量部に対して水分吸着剤が1000重量部になるように交ぜて均質化した。
【0103】
<実施例6>
【0104】
第1層溶液を下記のように製造したこと以外は、実施例1と同一の方法で封止フィルムを製造した。
【0105】
(1)封止層第1層溶液の製造
【0106】
水分吸着剤として表面にステアリン酸が表面処理されたCaO(Aldrich社)を溶剤であるトルエンに混合し、固形分50重量%の濃度で水分吸着剤溶液を製造した。
【0107】
上記とは別途に、常温で反応器に封止樹脂としてポリイソブチレン樹脂(BASF社のB50、重量平均分子量34万g/mol)100重量部及び粘着付与剤としてHIKOREZ社のH2140(軟化点140℃)340重量部を投入した。その後、活性エネルギー線重合性化合物として1,6-ヘキサンジオールジアクリレート5重量部及び光ラジカル開始剤(Irgacure 819)1重量部を投入し、トルエンで固形分が40重量%程度になるように希釈した。ここに、あらかじめ作っておいた前記水分吸着剤溶液を前記封止樹脂100重量部に対して水分吸着剤が570重量部になるように交ぜて均質化した。
【0108】
<比較例1>
【0109】
第1層溶液を下記のように製造したこと以外は、実施例1と同一の方法で封止フィルムを製造した。
【0110】
(1)封止層第1層溶液の製造
【0111】
水分吸着剤としてCaO(Aldrich社)を溶剤であるトルエンに混合し、固形分50重量%の濃度で水分吸着剤溶液を製造した。
【0112】
上記とは別途に、常温で反応器に封止樹脂としてポリイソブチレン樹脂(BASF社のB50、重量平均分子量34万g/mol)100重量部及び粘着付与剤としてHIKOREZ社のH2100(軟化点102℃)380重量部を投入した。その後、活性エネルギー線重合性化合物として1,6-ヘキサンジオールジアクリレート5重量部及び光ラジカル開始剤(Irgacure 819)1重量部を投入し、トルエンで固形分が40重量%程度になるように希釈した。ここに、あらかじめ作っておいた前記水分吸着剤溶液を前記封止樹脂100重量部に対して水分吸着剤が570重量部になるように交ぜて均質化した。
【0113】
<比較例2>
【0114】
水分吸着剤として表面にステアリン酸の代わりにエポキシ系シランカップリング剤((3-グリシジルオキシプロピル)トリメトキシシラン、(3-Glycidyloxypropyl)trimethoxysilane)で表面処理したこと以外は、実施例1と同一の方法で封止フィルムを製造した。
【0115】
<実験例1-コーティング外観>
【0116】
実施例及び比較例で製造した封止フィルムのコーティング外観を肉眼観察し、水分吸着剤粒子の固まりが発生する場合、Xに分類し、固まり発生なしに外観が優れた場合、Oに分類した。
【0117】
<実験例2-合着性>
【0118】
実施例及び比較例で製造した封止フィルムを有機電子素子が形成されたガラス基板上に、封止層が前記素子を覆うようにラミネートし、オートクレーブを用いて40℃5気圧条件で加圧加熱圧着し、試片を製造した。その後、前記封止フィルムを再剥離し、その外観を観察した。気泡発生が全くなしに合着された場合、O、気泡が3個以下発生した場合、△、気泡が3個超過多量発生した場合、Xに分類した。
【0119】
<実験例3-裁断性>
【0120】
実施例及び比較例で製造した封止フィルムに対してナイフプレス裁断を行ったとき、フィルムの先端(角部)の形状を観察した。前記ナイフプレス裁断の場合、前記封止フィルムが脆い(brittle)場合、裁断時の応力によって先端が目的とする形状に裁断されない場合が多い。前記封止フィルムの先端の封止層の一部が落ちて遺失されて形状が直四角形の形態で維持されない場合、X、先端(角部、頂点部)が形状は維持されるが、一部封止層が落ちて遺失される場合、△、封止層の遺失なしに形状が維持されて先端が良好に裁断された場合、Oに分類した。
【0121】
<実験例4-水分遮断性>
【0122】
100mm×100mmサイズのガラス基板上にカルシウムを5mm×5mmのサイズ及び100nmの厚さで蒸着し、前記カルシウムの全面を覆うように実施例及び比較例の封止フィルムを付着した。上記得られた試片を85℃及び85%相対湿度の恒温恒湿チャンバで観察して水分浸透による酸化反応によってカルシウムが透明になり始めた時点を観察する。透明化開始時間が700時間以上である場合、O、透明化開始時間が700時間未満、500時間以上である場合、△、透明化開始時間が500時間未満である場合、Xで表示した。
【0123】
【表1】
【符号の説明】
【0124】
10:封止フィルム
1:離型フィルム又は基材フィルム
11:封止層
12:メタル層
13:保護層
21:基板
22:有機電子素子
図1
図2
図3