(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-22
(45)【発行日】2023-10-02
(54)【発明の名称】高いフローコンダクタンスのための対称型フローバルブ
(51)【国際特許分類】
F16K 51/02 20060101AFI20230925BHJP
F16K 1/00 20060101ALI20230925BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20230925BHJP
【FI】
F16K51/02 A
F16K1/00 E
H01L21/302 101G
(21)【出願番号】P 2022510086
(86)(22)【出願日】2020-08-13
(86)【国際出願番号】 US2020046203
(87)【国際公開番号】W WO2021034614
(87)【国際公開日】2021-02-25
【審査請求日】2022-04-20
(32)【優先日】2019-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】グエン, アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ヴィシュワナート, ヨガナンダ サロード
(72)【発明者】
【氏名】チャン, シュエ
(72)【発明者】
【氏名】ラヤロス, アニルクマール
(72)【発明者】
【氏名】ナイク, チェタン
(72)【発明者】
【氏名】ナラヤン, バラシャンドラ ジャタク
【審査官】冨永 達朗
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-227325(JP,A)
【文献】国際公開第2013/119430(WO,A1)
【文献】特開2003-247505(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 51/02
F16K 1/00
H01L 21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理チャンバにおいて使用する対称型フローバルブであって、
内部空間を画定している側壁、底板、および上板を有するバルブ本体であって、前記
上板は複数の軸対称に設けられた
第1の開口を含み、
前記底板は、ポンプポートに連結するように構成され
た1つまたは複数の第2の開口を含む、バルブ本体と
、
ポペットであって、少なくとも開位置と閉位置とに前
記ポペットを動かし、前記第1の開
口の1つを選択的に密閉する
か、または前記第2の開口の1つを選択的に密閉するように第1のアクチュエータに結合され
たポペットと、を備える対称型フローバルブ。
【請求項2】
前記ポペットがアルミニウム製またはステンレス鋼製である、請求項1に記載の対称型フローバルブ。
【請求項3】
前記
バルブ本体の上板が前記ポペットに取り外し可能に結合されている、請求項1に記載の対称型フローバルブ。
【請求項4】
前記バルブ本体は、1つまたは複数の側壁に、ポペット保守点検を容易にする保守点検ドアを含む、請求項1に記載の対称型フローバルブ。
【請求項5】
前記バルブ本体の形状が長方形、六角形、または八角形である、請求項1に記載の対称型フローバルブ。
【請求項6】
前記第1のアクチュエータと共に、前記内部空間内の前記ポペットを少なくとも前記開位置と前記閉位置に位置付けるように前記ポペットに結合された第2のアクチュエータをさらに備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の対称型フローバルブ。
【請求項7】
前記第1のアクチュエータが前記バルブ本体の前記底板または前記バルブ本体の前記上板に結合されている、請求項
1から5のいずれか一項に記載の対称型フローバルブ。
【請求項8】
前記ポペットは、
中央開口と、前記中央開口から径方向外側に延在する1つまたは複数の凹部
とを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の対称型フローバルブ。
【請求項9】
前記ポペットは、前記
閉位置において前記複数の軸対称に設けられた第1の開口の少なくとも1つを選択的に密閉するように構成された複数の部分と、前記複数の部分のそれぞれの間に設けられた1つまたは複数のスロット
とを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の対称型フローバルブ。
【請求項10】
前記ポペットは、前記ポペットの底面から前記ポペットの上面へ延在する1つまたは複数の切り欠きを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の対称型フローバルブ。
【請求項11】
前記上板は、3つの軸対称に設けられた
第1の開口を含み、前記ポペット
は、前記閉位置において前記3つの軸対称に設けられた第1の開口を選択的に密閉するように構成された複数の部分を含み、前記複数の部分は、前記上板の前記3つの軸対称に設けられた
第1の開口に対応する3つの隆起部を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の対称型フローバルブ。
【請求項12】
前記3つの隆起部が前記3つの軸対称に設けられた
第1の開口に嵌まる大きさになっている、請求項11に記載の対称型フローバルブ。
【請求項13】
前記ポペットは、
中央開口と、前記中央開口から径方向外側に延在する1つまたは複数の凹部
とを含む、請求項11に記載の対称型フローバルブ。
【請求項14】
前記ポペットは、切り欠きと、前記ポペットの側壁から前記切り欠き内に径方向内側に延在する結合要素とを含み、前記結合要素が、前記ポペットを前記第1のアクチュエータに結合するように構成されている、請求項11に記載の対称型フローバルブ。
【請求項15】
前記ポペットは、前記ポペットから径方向外側に延在する複数のウイングを含み、前記複数のウイングのそれぞれは、前記第1のアクチュエータを受ける結合要素を含む、請求項11に記載の対称型フローバルブ。
【請求項16】
チャンバ本体と、
請求項1から5のいずれか一項に記載の対称型フローバルブであって、前記対称型フローバルブの上板が前記チャンバ本体の底に結合されている、対称型フローバルブと、を備える基板処理チャンバ。
【請求項17】
前記底板の1つまたは複数の
第2の開口が3つの
第2の開口から成る、請求項16に記載の基板処理チャンバ。
【請求項18】
前記対称型フローバルブを通し
て6500
~7500リットル/秒をポンピングするように構成されている、請求項16に記載の基板処理チャンバ。
【請求項19】
前記
第1のアクチュエータが、前記バルブ本体の前記底板または前記バルブ本体の前記上板に結合されている、請求項16に記載の基板処理チャンバ。
【請求項20】
前記
第1のアクチュエータは、ストローク長
が3.0インチ
~4.0インチである、請求項16に記載の基板処理チャンバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般に半導体処理機器に関する。
【背景技術】
【0002】
基板処理チャンバは、一般に、基板処理チャンバを排気するための真空ポンプを有する真空システムに結合されている。しかし、発明者らは、基板処理チャンバ内の既存のフローバルブが流れを詰まらせ、基板処理チャンバに結合された真空ポンプへのフローコンダクタンスを妨げることを発見した。
【0003】
その結果、発明者らは、より高いフローコンダクタンスを提供するための改良型フローバルブを提供した。
【発明の概要】
【0004】
本明細書では、基板処理チャンバにおいて使用する対称型フローバルブの実施形態を提供する。実施形態によっては、基板処理チャンバにおいて使用する対称型フローバルブは、共に内部空間を画定している側壁、底板、および上板を有するバルブ本体であって、上板には1つまたは複数の軸対称に設けられた開口があり、底板にはポンプポートと連結するように構成された開口がある、バルブ本体と、内部空間に設けられたポペットであって、中央開口と、対称型フローバルブが閉位置であるときに上板の1つまたは複数の軸対称に設けられた開口を選択的に密閉するように構成された複数の部分と、がある、ポペットと、ポペットに結合された第1のアクチュエータであって、内部空間内のポペットを少なくとも開位置と閉位置とに位置付け、開位置では、上板の1つまたは複数の軸対称に設けられた開口に流れを通すことができるようにポペットが上板から離間されている、アクチュエータと、を含む。
【0005】
実施形態によっては、基板処理チャンバにおいて使用する対称型フローバルブは、内部空間を画定している側壁、底板、および上板を有するバルブ本体であって、底板はポンプポートと連結するように構成された1つの開口を含み、上板は、上板の中央周りに軸対称に配置された3つの開口を含む、バルブ本体と、内部空間に設けられ、中央開口があるポペットであって、上板の3つの開口に対応する3つの隆起部を含む、ポペットと、ポペットに結合された複数のアクチュエータであって、対象型フローバルブに気体流を通すことができるようにポペットが上板から離間されている開位置と、3つの隆起部が上板の3つの開口を覆って、対称型フローバルブに気体流をほぼ通さなくする閉位置とに、内部空間内のポペットを上げるか下げる、複数のアクチュエータと、を含む。
【0006】
実施形態によっては、基板処理チャンバは、チャンバ本体と、対称型フローバルブであって、共に内部空間を画定している側壁、底板、および上板を有するバルブ本体であって、上板には1つまたは複数の軸対称に設けられた開口があり、底板にはポンプポートと連結するように構成された1つまたは複数の開口がある、バルブ本体と、内部空間に設けられ、複数の部分を有するポペットと、ポペットに結合された複数のアクチュエータであって、対称型フローバルブに気体流を通すことができるように、ポペットが上板から離間されている開位置と、複数の部分が上板の1つまたは複数の軸対称に設けられた開口を覆って、対称型フローバルブに気体流をほぼ通さなくする閉位置とに、ポペットを動かすように構成されている、複数のアクチュエータと、を備える対称型フローバルブと、底板の1つまたは複数の開口のそれぞれに結合されたポンプと、を含む。
【0007】
本開示の他の実施形態およびさらなる実施形態は、以下に説明される。
【0008】
上記で簡単にまとめられ、以下でより詳細に議論される本開示の実施形態は、添付図面に示された本開示の例示的な実施形態を参照することによって理解することができる。しかしながら、添付図面は、本開示の典型的な実施形態のみを示すものであり、したがって、本開示は、他の同様に有効な実施形態を認めることができるため、範囲を限定するものとはみなされない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】本開示のいくつかの実施形態による、閉位置にある対称型フローバルブの断面側面図である。
【
図1B】本開示のいくつかの実施形態による、開位置にある対称型フローバルブの断面側面図である。
【
図2】本開示のいくつかの実施形態による、対称型フローバルブを有する基板処理チャンバの分解等角図である。
【
図3】本開示のいくつかの実施形態による、対称型フローバルブの分解等角図である。
【
図4】本開示のいくつかの実施形態による、対称型フローバルブの上面図である。
【
図5】本開示のいくつかの実施形態による、対称型フローバルブの概略等角図である。
【
図6A】本開示のいくつかの実施形態による、ポペットの上面図である。
【
図7A】本開示のいくつかの実施形態による、ポペットの上面等角図である。
【
図8A】本開示のいくつかの実施形態による、ポペットの上面等角図である。
【
図9】本開示のいくつかの実施形態による、ポペットの上面等角図である。
【
図10】本開示のいくつかの実施形態による、ポペットの上面等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
理解を容易にするために、図に共通する同一の要素を指定するため、可能な限り同一の参照番号が使用されている。図は縮尺通りに描かれておらず、分かりやすくするために簡略化されている場合がある。ある実施形態の要素および特徴は、これ以上言及することなく、他の実施形態に有益に組み込まれ得る。
【0011】
基板処理チャンバで使用するための対称型フローバルブの実施形態が本明細書に提供される。対称型フローバルブは、ポンプがチャンバ本体の内部空間を排気しているときに、チャンバ本体の間のインターフェースにおける詰まった流れを低減または防止するように構成される。対称型フローバルブは、既存の基板処理チャンバに、チャンバ本体を最小限の変更で、または全く変更せずに、より大きな容量のポンプを設置することを有利に促進する。実施形態によっては、対称型フローバルブは、最初は既存のフローバルブを通して毎秒約4000~約5000リットルをポンピングするように構成された基板処理チャンバに設置され得、その後、基板処理チャンバは対称型フローバルブを通して毎秒約6500~約7500リットルをポンピングできる。
【0012】
図1Aは、本開示のいくつかの実施形態による、閉位置にある対称型フローバルブ110の断面側面図を示す。実施形態によっては、対称型フローバルブ110は、チャンバ本体104とポンプ130との間に設けられる。対称型フローバルブ110は、側壁108、底板106、および上板112を有するバルブ本体102を含む。側壁108、底板106、および上板112は、一緒になってバルブ本体102の内部空間114を画定する。実施形態によっては、バルブ本体102は、約25.0インチ~約33.0インチの幅を有する。実施形態によっては、バルブ本体102は、約5.0インチ~約9.0インチの高さを有する。また、バルブ本体は、異なるサイズの基板処理チャンバおよびポンプと連結するために、適宜スケーリングされた他の寸法を有することができる。
【0013】
実施形態によっては、上板112は、1つまたは複数の開口120を含む。実施形態によっては、1つまたは複数の開口120は、チャンバ本体104の内部処理空間の中心軸に対して軸対称に設けられる。実施形態によっては、1つまたは複数の開口120は、3つの開口である(
図2参照)。実施形態によっては、1つまたは複数の開口120は、1つの開口である(
図4参照)。実施形態によっては、上板112は、底板106と実質的に同じサイズおよび幾何学的形状である。上板112は、上板112をチャンバ本体104に結合するためのファスナを受けるための開口を含み得る。
【0014】
底板106は、ポンプポート122と連結するように構成された開口118を含む。ポペット126は、上板112と底板106との間の内部空間114に設けられる。ポペット126は、中央開口136を含む。ポペット126は、アルミニウム、ステンレス鋼、または他の任意の適切な材料で作られ得る。実施形態によっては、ポペット126は、約0.5インチ~約2.5インチの厚さを有する。実施形態によっては、中央開口136は円形状である。実施形態によっては、ポペット126は、ポペット126から径方向外側に延在する複数のウイング132を含む。実施形態によっては、複数のウイング132は、ポペット126について互いに直径方向に対向する2つのウイングである。実施形態によっては、複数のウイング132は、バルブ本体102の側壁108において対応する開口128を通って延在している。実施形態によっては、複数のウイング132は、ポペット126の残部から取り外し可能に結合される。
【0015】
実施形態によっては、複数のウイング132のそれぞれ1つは、アクチュエータを受け取るための結合要素を含む。例えば、
図1Aに示すように、第1のシャフト146を有する第1のアクチュエータ142が複数のウイング132の1つに結合され、第2のシャフト148を有する第2のアクチュエータ144が複数のウイング132の別の1つに結合されている。第1のアクチュエータ142および第2のアクチュエータ144は、ポペット126を少なくとも開位置と閉位置に位置付けるように構成される。第1のアクチュエータ142および第2のアクチュエータ144は、対称型フローバルブ110を通るフローコンダクタンスを有利に制御するために、ポペットを内部空間114内に位置決めするように構成されている。実施形態によっては、第1のアクチュエータ142および第2のアクチュエータ144は、バルブ本体102の側壁108の外面に結合されている。実施形態によっては、第1のアクチュエータ142および第2のアクチュエータ144は、上板112の上面に結合されている。実施形態によっては、第1のアクチュエータ142および第2のアクチュエータ144のストローク長は、約3.0インチ~約4.0インチである。
【0016】
図1Aに示すように、閉位置では、ポペット126は、上板112に隣接して設けられる。ポペット126は、対称型フローバルブ110が閉位置にあるとき、上板112の1つまたは複数の開口120を選択的に封止するように構成されている。
図1Bは、本開示のいくつかの実施形態による、開位置にある対称型フローバルブの断面側面図を示す。開位置において、ポペット126は、1つまたは複数の開口120を通る流れを可能にするために、上板112から離間されている。実施形態によっては、上板112は、バルブ本体102の残部に取り外し可能に結合され、ポペット126の容易な取り付けおよび取り外しを有利に提供する。
【0017】
図2は、本開示のいくつかの実施形態による、対称型フローバルブ110を有する基板処理チャンバ202の分解等角図を示す。基板処理チャンバ202は、その中に配置された基板を処理するように構成されている。例えば、基板処理チャンバ202は、エッチングチャンバ、物理気相堆積チャンバ、または化学気相堆積チャンバであり得る。しかしながら、異なるプロセス用に構成された他のタイプの基板処理チャンバも、本明細書に記載の対称型フローバルブ110の実施形態と共に使用するために使用または変更することができる。基板処理チャンバ202は、独立した基板処理チャンバであり得るか、マルチチャンバ処理ツールの一部であり得る。実施形態によっては、バルブ本体102は、実質的に長方形の形状を有する。実施形態によっては、
図2に示すように、ポペット126および複数のウイング132は、完全にバルブ本体102内に設けられる。実施形態によっては、第1のアクチュエータ142および第2のアクチュエータ144は、底板106の底面に結合される。
【0018】
実施形態によっては、バルブ本体102の側壁108は、内部空間114内の構成要素を保守点検するための1つまたは複数の保守点検ドア206を含む。実施形態によっては、上板112は、上板112がチャンバ本体104に結合されたときに、密閉をもたらすためにOリングを収容するためのOリング溝208を含む。ポペットは、対称型フローバルブ110が閉位置にあるときに、上板112の1つまたは複数の開口120を選択的に封止するように構成された複数の部分210を含む。
【0019】
図3は、本開示のいくつかの実施形態による、対称型フローバルブの分解等角図を示している。実施形態によっては、バルブ本体102は、八角形の形状を有する。実施形態によっては、ポペット126は、複数の部分210の対応するものに結合された複数のカバープレート302を含む。複数のカバープレート302は、ポペット126全体を交換することなく、有利に交換され得る。実施形態によっては、複数のカバープレート302は、ポペット126の上面304に対して隆起し得る。実施形態によっては、ポペット126は、中央開口から径方向外側に延在する1つまたは複数の凹部306を含む。1つまたは複数の凹部306は、ポペット126の重みを軽くさせ、フローコンダクタンスのためのより大きな開口を提供するように構成される。
【0020】
図4は、本開示のいくつかの実施形態による、対称型フローバルブの上面図を表す。実施形態によっては、チャンバ本体104には、複数のスポーク406が径方向外側に延在しているフロア404があり、スポーク406間には複数の軸対称型チャンバポート416が画定されている。実施形態によっては、複数の軸対称型チャンバポート416は、3つのポート416を含む。実施形態によっては、対称型フローバルブ110は、より大きなポンプ130と同様のフローコンダクタンスをもたらすように構成されている3つのより小さいポンプに結合されている。実施形態によっては、底板408には、第1の円形開口412、第2の円形開口422、および第3の円形開口432が軸対称に設けられている。
【0021】
第1のポペット414、第2のポペット424、第3のポペット434がバルブ本体102に設けられ、対称型フローバルブ110が閉位置になると、それぞれ、第1の円形開口412、第2の円形開口422、第3の円形開口432を選択的に密閉するように構成されている。実施形態によっては、それぞれ、第1のポペット414が第1のアクチュエータ410に、第2のポペット424が第2のアクチュエータ420に、第3のポペットが第3のアクチュエータ430に結合されることによって、少なくとも閉位置と開位置とに第1のポペット414、第2のポペット424、および第3のポペット434が選択的に上げるか下げられる。開位置では、第1のポペット414、第2のポペット424、および第3のポペット434は底板408に対して上げられる。
【0022】
実施形態によっては、ポンピング効率を高めるために、第1の円形開口412、第2の円形開口422、および第3の円形開口432が複数のスポーク406の真下に設けられている。実施形態によっては、3つのより小さいポンプが軸対称型チャンバポート416と一直線にあり、フローコンダクタンスをより一様にするように、隣り合うスポーク406間に、第1の円形開口412、第2の円形開口422、および第3の円形開口432が設けられている。
【0023】
図5は、本開示のいくつかの実施形態による、対称型フローバルブの概略等角図を表す。実施形態によっては、バルブ本体102の形状が六角形である。実施形態によっては、
図5に示す通り、対称型フローバルブ110には、第1のアクチュエータ502、第2のアクチュエータ504、および第3のアクチュエータ506が上板112のあちこちに設けられている。実施形態によっては、アクチュエータのそれぞれは、バルブ本体102の同じ側に取り付けられている。実施形態によっては、アクチュエータの少なくとも1つがバルブ本体102の他とは異なる側に取り付けられている。例えば、
図5に表す通り、実施形態によっては、第1のアクチュエータ502および第2のアクチュエータ504が上板112の上面に結合されている。実施形態によっては、バルブ本体102には、ポペット保守点検を容易にする保守点検ドア206が第1のアクチュエータ502および第2のアクチュエータ504のそれぞれに隣接している。実施形態によっては、第3のアクチュエータ506は、バルブ本体102の側壁108および底板106のうちの少なくとも1つに結合され、第1のアクチュエータ502および第2のアクチュエータ504と反対方向に延在し、対称型フローバルブ110の保守点検を楽にするのに好都合であり、底構成要素との干渉を減らす。3つのアクチュエータ502、504、506によりポペット126の撓みが軽減されるのが好都合である。
【0024】
実施形態によっては、上板112には大まかなポンプポート520が設けられている。実施形態によっては、上板112の1つまたは複数の開口120の各開口間には大まかなポンプチャネル510が延在し、このポンプチャネル510は、大まかなポンプポート520に流体結合されている。実施形態によっては、大まかなポンプチャネル510は、上板112に埋め込まれている。実施形態によっては、大まかなポンプチャネル510は、上板112の上面から上板112に掘りこむ溝を成している。大まかなポンプポート520は、対称型フローバルブ110が閉位置であるときに、ポンプ130により高真空ポンピングになる前に、基板処理チャンバ202の大まかなポンピングをもたらすように構成されている。実施形態によっては、大まかなポンプチャネル510は、クロスすなわち「プラス」形状を呈し、クロスすなわち「プラス」形状の中心が、1つまたは複数の開口120のうちの開口のすべての間に設けられている。実施形態によっては、大まかなポンプチャネル510は、クロスすなわち「プラス」形状を呈し、クロスすなわち「プラス」形状の中心が、1つまたは複数の開口120のうちの隣り合う開口間に、上板112の周縁に近接して設けられている。実施形態によっては、大まかなポンプチャネル510の直径は、約0.3~約0.7インチである。
【0025】
図6Aは、本開示のいくつかの実施形態による、ポペットの上面図を表す。実施形態によっては、ポペット126は、複数の部分210のうちの隣り合う部分210間に設けられた1つまたは複数のスロット(細長穴)602を含む。1つまたは複数のスロット602によって有利には、ポペット126を通るフローコンダクタンスが向上し、さらにポペット126の重みを軽減することができる。実施形態によっては、1つまたは複数のスロット602は、4つのスロットを含む。
【0026】
図6Bは、
図6Aのポペットの底面図を表す。実施形態によっては、ポペット126は底面608に、複数の部分210の真下に位置付けられた切り欠き604を含む。切り欠き604によって、ポペット126の重みが軽減されるのが好都合である。実施形態によっては、ポペット126には、ポペット126の剛性を高めるリブ606が切り欠き604内に設けられている。リブ606は、例えば、ジグザクパターン(
図6Bに表す通り)、放射状のパターン、ハニカムパターンなど、ポペットの剛性を高めるのに望ましい如何なる幾何学的パターンにおいても設けられてよい。
図6Aおよび
図6Aのポペット126には、複数のウイング132のうちの2つのウイング132しか示していないが、ポペット126には、3つのアクチュエータを有する対称型フローバルブ110の実施形態で使用される場合は3つのウイング132、4つのアクチュエータを有する対称型フローバルブ1100の実施形態で使用される場合には4つのウイング132があってもよい。
【0027】
図7Aは、本開示のいくつかの実施形態によるポペットの上面等角図を表し、
図7Bは、本開示のいくつかの実施形態によるポペットの底面等角図を表す。実施形態によっては、ポペット126には、3つの凹部306が中央開口136から径方向外側に延在する。実施形態によっては、ポペット126の底面608には、環状切り欠き704がある。実施形態によっては、環状切り欠き704は、中央開口136および3つの凹部306で画定されている第1の側壁712とポペット126の外面で画定されている第2の側面714との間に延在する。環状切り欠き704によって、ポペット126の重みが軽減されるのが好都合である。実施形態によっては、ポペット126には、対称型フローバルブ110の2つ以上のアクチュエータ(例えば、アクチュエータ142、144、502、504、506)との結合に適合する1つまたは複数の結合要素702が第2の側壁174から径方向内側に延在する。実施形態によっては、1つまたは複数の結合要素702は、バルブ本体102の上板112に設けられた1つまたは複数のアクチュエータ(例えば、アクチュエータ142、144、502、504、506)に結合される。
【0028】
図8Aは、本開示のいくつかの実施形態によるポペットの上面等角図を表し、
図8Bは、本開示のいくつかの実施形態によるポペットの底面等角図を表す。実施形態によっては、ポペット126には、3つのスロット602が複数の部分210のうちの隣り合う部分210間に設けられている。実施形態によっては、ポペット126の底面608には、複数の部分210の真下に位置付けられた切り欠き604がある。実施形態によっては、切り欠き604のうちの少なくとも2つには、対称型フローバルブ110の2つ以上のアクチュエータ(例えば、アクチュエータ142、144、502、504、506)との結合に適合する結合要素802が切り欠き604の側壁から径方向内側に延在する。
【0029】
図9には、本開示のいくつかの実施形態によるポペットの上面等角図を表す。実施形態によっては、ポペット126には、複数のスポーク902がポペット126の中心から中央開口136まで延在する。複数のスポーク902が、ポペット126のさらなる構造上の支えとなるのが好都合である。実施形態によっては、複数のスポーク902は3つのスポークから成る。実施形態によっては、
図7A~
図9のポペット126には複数のウイング132がある。実施形態によっては、本明細書に開示されるポペット126のいずれにも、1つまたは複数のウイング132と1つまたは複数の結合要素702、802とが組み合わせられている。
【0030】
図10には、本開示のいくつかの実施形態によるポペットの上面等角図を表す。実施形態によっては、ポペット126の複数のウイング132が4つのウイング132を含む。4つのアクチュエータを有する対称型フローバルブ110は、有利には、ポペット126をさらに支持し、ポペット126の変形を減少する。実施形態によっては、4つのアクチュエータが上板112の上面に置かれていることがある。実施形態によっては、4つのアクチュエータが側壁108および底板106のうちの少なくとも1つに結合されていることがある。
【0031】
これまで述べたことは、本開示の実施形態が対象であるが、その基本的な範囲から外れない限り、本開示のその他の実施形態やさらなる実施形態を考案することができる。