(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-25
(45)【発行日】2023-10-03
(54)【発明の名称】樹脂組成物及び成形体
(51)【国際特許分類】
C08L 23/16 20060101AFI20230926BHJP
C08K 7/02 20060101ALI20230926BHJP
C08K 3/08 20060101ALI20230926BHJP
C08L 23/10 20060101ALI20230926BHJP
C08L 23/26 20060101ALI20230926BHJP
【FI】
C08L23/16
C08K7/02
C08K3/08
C08L23/10
C08L23/26
(21)【出願番号】P 2018077372
(22)【出願日】2018-04-13
【審査請求日】2021-02-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100113000
【氏名又は名称】中山 亨
(74)【代理人】
【識別番号】100151909
【氏名又は名称】坂元 徹
(72)【発明者】
【氏名】大橋 龍二
(72)【発明者】
【氏名】神崎 進
【審査官】尾立 信広
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-094056(JP,A)
【文献】特開2009-138113(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/00-101/14
C08K 3/00-13/08
C08J 5/12-5/22
B29B 15/08-15/14
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロピレンに由来する単量体単位の含有量が93重量%以上99.5重量%以下であるエチレン-プロピレンランダム共重合体(ただし、該エチレン-プロピレンランダム共重合体の重量を100重量%とする)と、
ガラス繊維と、
変性ポリオレフィンと、
アルミニウム粒子とを含有する樹脂組成物の製造方法であって、
該製造方法は、下記工程(1)及び工程(2)を含み、
樹脂組成物中のガラス繊維の含有量は、樹脂組成物中の重合体成分100重量部に対して1重量部以上30重量部以下であり、
樹脂組成物中のアルミニウム粒子の含有量は、樹脂組成物中の重合体成分100重量部に対して0.01重量部以上10重量部以下であり、
樹脂組成物中の変性ポリオレフィンの含有量は、樹脂組成物中の重合体成分100重量部に対して0.5重量部以上3重量部以下であり、
変性ポリオレフィンは、不飽和カルボン酸に由来する単量体単位および不飽和カルボン酸無水物に由来する単量体単位からなる群から選択される少なくとも1種の単量体単位と、オレフィン単量体単位とを有する重合体であり、
前記樹脂組成物は、プロピレン単独重合体、
および熱可塑性エラストマ
ーからなる群より選ばれる一種以上の重合体を含有してもよく、
前記熱可塑性エラストマーは、密度が0.880g/cm
3未満のエチレン-プロピレン共重合体、および、プロピレン-1-ブテン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも一種の重合体であり、
樹脂組成物が
プロピレン単独重合体と熱可塑性エラストマーを含む場合、樹脂組成物中の上記エチレン-プロピレンランダム共重合体と上記プロピレン単独重合体と上記熱可塑性エラストマーの合計量100重量部に対して、上記エチレン-プロピレンランダム共重合体の含有量が40重量部以上98重量部以下であり、上記熱可塑性エラストマーの含有量が1重量部以上25重量部以下であり、
該樹脂組成物中の前記エチレン-プロピレンランダム共重合体とガラス繊維と変性ポリオレフィンとからなる厚み2mmの鏡面平板の全光線透過率が70%以上であり(ただし、前記鏡面平板は、下記射出成形条件により作製されたものである。)、
下記組成物前駆体中のガラス繊維の平均長さが400~800μmである樹脂組成物の製造方法。
射出成形条件:成形温度230℃及び金型温度50℃で、90mm×150mm×2mm厚の鏡面仕上げされた金型キャビティ内に射出成形する。
工程(1):エチレン-プロピレンランダム共重合体とガラス繊維と
変性ポリオレフィンとを溶融混練して組成物前駆体を得る工程(ただし、該樹脂組成物が、プロピレン単独重合体、
および熱可塑性エラストマ
ーからなる群より選ばれる一種以上の重合体を含有する場合は、当該群のうち該樹脂組成物が含む重合体と、エチレン-プロピレンランダム共重合体とガラス繊維と
変性ポリオレフィンとを溶融混練して組成物前駆体を得る工程)
工程(2):組成物前駆体とアルミニウム粒子とを溶融混練して樹脂組成物を得る工程
【請求項2】
上記アルミニウム粒子の平均粒子径が40μm以上70μm以下である請求項
1に記載の樹脂組成物の製造方法。
【請求項3】
前記エチレン-プロピレンランダム共重合体と、ガラス繊維と、変性ポリオレフィンと、熱可塑性エラストマーと、アルミニウム粒子とを含有する請求項1または2に記載の樹脂組成物の製造方法であって、
工程(1)が、エチレン-プロピレンランダム共重合体とガラス繊維と熱可塑性エラストマーと変性ポリオレフィンとを溶融混練して組成物前駆体を得る工程で
ある請求項
1または2に記載の樹脂組成物の製造方法。
【請求項4】
プロピレンに由来する単量体単位の含有量が93重量%以上99.5重量%以下であるエチレン-プロピレンランダム共重合体(ただし、該エチレン-プロピレンランダム共重合体の重量を100重量%とする)と、
ガラス繊維と、
変性ポリオレフィンと、
アルミニウム粒子とを含有する樹脂組成物からなる成形体の製造方法であって、
該製造方法は、下記工程(1’)及び工程(2’)を含み、
樹脂組成物中のガラス繊維の含有量は、樹脂組成物中の重合体成分100重量部に対して1重量部以上30重量部以下であり、
樹脂組成物中のアルミニウム粒子の含有量は、樹脂組成物中の重合体成分100重量部に対して0.01重量部以上10重量部以下であり、
樹脂組成物中の変性ポリオレフィンの含有量は、樹脂組成物中の重合体成分100重量部に対して0.5重量部以上3重量部以下であり、
変性ポリオレフィンは、不飽和カルボン酸に由来する単量体単位および不飽和カルボン酸無水物に由来する単量体単位からなる群から選択される少なくとも1種の単量体単位と、オレフィン単量体単位とを有する重合体であり、
前記樹脂組成物は、プロピレン単独重合体、
および熱可塑性エラストマ
ーからなる群より選ばれる一種以上の重合体を含有してもよく、
前記熱可塑性エラストマーは、密度が0.880g/cm
3未満のエチレン-プロピレン共重合体、および、プロピレン-1-ブテン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも一種の重合体であり、
樹脂組成物が
プロピレン単独重合体と熱可塑性エラストマーを含む場合、樹脂組成物中の上記エチレン-プロピレンランダム共重合体と上記プロピレン単独重合体と上記熱可塑性エラストマーの合計量100重量部に対して、上記エチレン-プロピレンランダム共重合体の含有量が40重量部以上98重量部以下であり、上記熱可塑性エラストマーの含有量が1重量部以上25重量部以下であり、
該樹脂組成物中の前記エチレン-プロピレンランダム共重合体とガラス繊維
と変性ポリオレフィンとからなる厚み2mmの鏡面平板の全光線透過率が70%以上であり(ただし、前記鏡面平板は、下記射出成形条件により作製されたものである。)、
下記組成物前駆体中のガラス繊維の平均長さが400~800μmである樹脂組成物からなる成形体の製造方法。
射出成形条件:成形温度230℃及び金型温度50℃で、90mm×150mm×2mm厚の鏡面仕上げされた金型キャビティ内に射出成形する。
工程(1’):エチレン-プロピレンランダム共重合体とガラス繊維と
変性ポリオレフィンとを溶融混練して組成物前駆体を得る工程(ただし、該樹脂組成物が、プロピレン単独重合体、
および熱可塑性エラストマ
ーからなる群より選ばれる一種以上の重合体を含有する場合は、当該群のうち該樹脂組成物が含む重合体と、エチレン-プロピレンランダム共重合体とガラス繊維と
変性ポリオレフィンとを溶融混練して組成物前駆体を得る工程)
工程(2’):組成物前駆体とアルミニウム粒子とを混練して成形体を得る工程
【請求項5】
プロピレンに由来する単量体単位の含有量が93重量%以上99.5重量%以下であるエチレン-プロピレンランダム共重合体(ただし、該エチレン-プロピレンランダム共重合体の重量を100重量%とする)と、
ガラス繊維と、
熱可塑性エラストマーと、プロピレン単独重合体と、変性ポリオレフィンと、
アルミニウム粒子とを含有する樹脂組成物の製造方法であって、
該製造方法は、下記工程(1)及び工程(2)を含み、
樹脂組成物中のガラス繊維の含有量は、樹脂組成物中の重合体成分100重量部に対して1重量部以上30重量部以下であり、
樹脂組成物中のアルミニウム粒子の含有量は、樹脂組成物中の重合体成分100重量部に対して0.01重量部以上10重量部以下であり
、
前記熱可塑性エラストマーは、密度が0.880g/cm
3未満のエチレン-プロピレン共重合体、および、プロピレン-1-ブテン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも一種の重合体であり
、
樹脂組成物中の上記エチレン-プロピレンランダム共重合体と上記プロピレン単独重合体と上記熱可塑性エラストマーの合計量100重量部に対して、上記エチレン-プロピレンランダム共重合体の含有量が40重量部以上98重量部以下であり、
上記プロピレン単独重合体の含有量が1重量部以上35重量部以下であり、上記熱可塑性エラストマーの含有量が1重量部以上25重量部以下であり、
該樹脂組成物中の重合体成分100重量部に対して、変性ポリオレフィンの含有量が0.5重量部以上3重量部以下であり、
変性ポリオレフィンは、不飽和カルボン酸に由来する単量体単位および不飽和カルボン酸無水物に由来する単量体単位からなる群から選択される少なくとも1種の単量体単位と、オレフィン単量体単位とを有する重合体であり、
該樹脂組成物中の前記エチレン-プロピレンランダム共重合体とガラス繊維とプロピレン単独重合体と熱可塑性エラストマーと変性ポリオレフィンとからなる厚み2mmの鏡面平
板の全光線透過率が70%以上であり(ただし、前記鏡面平板は、下記射出成形条件により作製されたものである。)、
下記組成物前駆体中のガラス繊維の平均長さが400~800μmである樹脂組成物の製造方法。
射出成形条件:成形温度230℃及び金型温度50℃で、90mm×150mm×2mm厚の鏡面仕上げされた金型キャビティ内に射出成形する。
工程(1):エチレン-プロピレンランダム共重合体とガラス繊維と
熱可塑性エラストマーとプロピレン単独重合体と変性ポリオレフィンとを溶融混練して組成物前駆体を得る工
程
工程(2):組成物前駆体とアルミニウム粒子とを溶融混練して樹脂組成物を得る工程
【請求項6】
上記アルミニウム粒子の平均粒子径が40μm以上70μm以下である請求項
5に記載の樹脂組成物の製造方法。
【請求項7】
工程(1)が、ガラス繊維とプロピレン単独重合体と変性ポリオレフィンとを含む組成物と、エチレン-プロピレンランダム共重合体と熱可塑性エラストマーとを溶融混練して組成物前駆体を得る工程である、請求項
5または6に記載の樹脂組成物の製造方法。
【請求項8】
温度230℃、荷重2.16kgの条件で測定される上記プロピレン単独重合体のメルトフローレートが350g/10分以下である請求項
5~7のいずれか一項に記載の樹脂組成物の製造方法。
【請求項9】
プロピレンに由来する単量体単位の含有量が93重量%以上99.5重量%以下であるエチレン-プロピレンランダム共重合体(ただし、該エチレン-プロピレンランダム共重合体の重量を100重量%とする)と、
ガラス繊維と、
熱可塑性エラストマーと、プロピレン単独重合体と、変性ポリオレフィンと、
アルミニウム粒子とを含有する樹脂組成物からなる成形体の製造方法であって、
該製造方法は、下記工程(1’)及び工程(2’)を含み、
樹脂組成物中のガラス繊維の含有量は、樹脂組成物中の重合体成分100重量部に対して1重量部以上30重量部以下であり、
樹脂組成物中のアルミニウム粒子の含有量は、樹脂組成物中の重合体成分100重量部に対して0.01重量部以上10重量部以下であり、
前記熱可塑性エラストマーは、密度が0.880g/cm
3未満のエチレン-プロピレン共重合体、および、プロピレン-1-ブテン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも一種の重合体であり
、
樹脂組成物中の上記エチレン-プロピレンランダム共重合体と上記プロピレン単独重合体と上記熱可塑性エラストマーの合計量100重量部に対して、上記エチレン-プロピレンランダム共重合体の含有量が40重量部以上98重量部以下であり、
上記プロピレン単独重合体の含有量が1重量部以上35重量部以下であり、上記熱可塑性エラストマーの含有量が1重量部以上25重量部以下であり、
該樹脂組成物中の重合体成分100重量部に対して、変性ポリオレフィンの含有量が0.5重量部以上3重量部以下であり、
変性ポリオレフィンは、不飽和カルボン酸に由来する単量体単位および不飽和カルボン酸無水物に由来する単量体単位からなる群から選択される少なくとも1種の単量体単位と、オレフィン単量体単位とを有する重合体であり、
該樹脂組成物中の前記エチレン-プロピレンランダム共重合体とガラス繊維とプロピレン単独重合体と熱可塑性エラストマーと変性ポリオレフィンとからなる厚み2mmの鏡面平
板の全光線透過率が70%以上であり(ただし、前記鏡面平板は、下記射出成形条件により作製されたものである。)、
下記組成物前駆体中のガラス繊維の平均長さが400~800μmである樹脂組成物からなる成形体の製造方法。
射出成形条件:成形温度230℃及び金型温度50℃で、90mm×150mm×2mm厚の鏡面仕上げされた金型キャビティ内に射出成形する。
工程(1’):エチレン-プロピレンランダム共重合体とガラス繊維と
熱可塑性エラストマーとプロピレン単独重合体と変性ポリオレフィンとを溶融混練して組成物前駆体を得る工
程
工程(2’):組成物前駆体とアルミニウム粒子とを混練して成形体を得る工程
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂組成物および該樹脂組成物からなる成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
家電製品や自動車の外装部品、内装部品、エンジンルーム部品等には、従来から、プロピレン樹脂からなる成形品が用いられている。そして、メタリック調の外観が求められる成形品用の材料として、例えば、特許文献1には、プロピレン系樹脂と光輝材と繊維長10~30μmの繊維状無機充填材を含む樹脂組成物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、成形品の衝撃強度の改良と、輝度感のさらなる向上が求められており、特に黒色の成形品とした場合に、輝度感と漆黒感の両立が求められている。
【0005】
かかる状況の下、本発明の目的は、黒色成形品とした場合に、輝度感と漆黒感に優れ、高い衝撃強度を有する成形品を与えることのできる樹脂組成物および該樹脂組成物からなる成形体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下を提供する。
[1] プロピレンに由来する単量体単位の含有量が93重量%以上99.5重量%以下であるエチレン-プロピレンランダム共重合体(ただし、該エチレン-プロピレンランダム共重合体の重量を100重量%とする)と、
繊維状フィラーと、
金属粒子とを含有する樹脂組成物であって、
前記樹脂組成物は、プロピレン単独重合体、熱可塑性エラストマーおよび変性ポリオレフィンからなる群より選ばれる一種以上の重合体を含有してもよく、
該樹脂組成物中の前記エチレン-プロピレンランダム共重合体と繊維状フィラーとプロピレン単独重合体と熱可塑性エラストマーと変性ポリオレフィンとからなる厚み2mmの鏡面平板の全光線透過率が70%以上であり(ただし、前記鏡面平板は、下記射出成形条件により作製されたものである。)、
該樹脂組成物中の繊維状フィラーの平均長さが400~800μmである樹脂組成物。
射出成形条件:成形温度230℃及び金型温度50℃で、90mm×150mm×2mm厚の鏡面仕上げされた金型キャビティ内に射出成形する。
[2] 上記金属粒子の平均粒子径が40μm以上70μm以下である[1]に記載の樹脂組成物。
[3] 樹脂組成物が、さらにプロピレン単独重合体と熱可塑性エラストマーとを含有し、
該樹脂組成物中の上記エチレン-プロピレンランダム共重合体と上記プロピレン単独重合体と上記熱可塑性エラストマーの合計量100重量部に対して、
上記エチレン-プロピレンランダム共重合体の含有量が40重量部以上98重量部以下であり、
上記プロピレン単独重合体の含有量が1重量部以上35重量部以下であり、
上記熱可塑性エラストマーの含有量が1重量部以上25重量部以下である[1]または[2]に記載の樹脂組成物。
[4] 上記熱可塑性エラストマーは、密度が0.880g/cm3未満のエチレン-プロピレン共重合体および
プロピレン-1-ブテン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも一種の重合体である[3]に記載の樹脂組成物。
[5] 温度230℃、荷重2.16kgの条件で測定される上記プロピレン単独重合体のメルトフローレートが350g/10分以下である[3]または[4]に記載の樹脂組成物。
[6] 樹脂組成物が、さらに変性ポリオレフィンを含有し、
該樹脂組成物中の重合体成分100重量部に対して、
変性ポリオレフィンの含有量が0.5重量部以上3重量部以下である[1]~[5]のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
[7] [1]~[6]のいずれか一項に記載の樹脂組成物からなる成形体。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、黒色成形品とした場合に、輝度感と漆黒感に優れ、高い衝撃強度を有する成形品を与えることのできる樹脂組成物および該樹脂組成物なる成形体を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
〔樹脂組成物〕
本発明に係る樹脂組成物は、
プロピレンに由来する単量体単位の含有量が93重量%以上99.5重量%以下であるエチレン-プロピレンランダム共重合体(ただし、該エチレン-プロピレンランダム共重合体の重量を100重量%とする)と、
繊維状フィラーと、
金属粒子とを
含有する樹脂組成物であって、
前記樹脂組成物は、プロピレン単独重合体、熱可塑性エラストマーおよび変性ポリオレフィンからなる群より選ばれる一種以上の重合体を含有してもよく、
該樹脂組成物中の前記エチレン-プロピレンランダム共重合体と繊維状フィラーとプロピレン単独重合体と熱可塑性エラストマーと変性ポリオレフィンとからなる厚み2mmの鏡面平板の全光線透過率が70%以上であり(ただし、前記鏡面平板は、下記射出成形条件により作製されたものである。)、
該樹脂組成物中の繊維状フィラーの平均長さが400~800μmである樹脂組成物である。
射出成形条件:成形温度230℃及び金型温度50℃で、90mm×150mm×2mm厚の鏡面仕上げされた金型キャビティ内に射出成形する。
【0009】
[エチレン-プロピレンランダム共重合体]
本発明に係る樹脂組成物に含まれるエチレン-プロピレンランダム共重合体は、エチレンに由来する単量体単位とプロピレンに由来する単量体単位とを有するランダム共重合体であって、プロピレンに由来する単量体単位の含有量が93重量%以上99.5重量%以下であるランダム共重合体(ただし、該エチレン-プロピレンランダム共重合体の重量を100重量%とする)である。
エチレン-プロピレンランダム共重合体に含有されるプロピレン由来する単量体単位の含有量は、好ましくは98重量%以下である。エチレン-プロピレンランダム共重合体の密度は、通常0.880g/cm3以上、0.910g/cm3以下である。
【0010】
温度230℃、荷重2.16kgの条件で測定されるエチレン-プロピレンランダム共重合体のメルトフローレートは、1g/10分~100g/10分であることが好ましく、4g/10分~80g/10分であることがより好ましい。
【0011】
本明細書において、メルトフローレートは、JIS K7210に準拠して測定される値をいう。また、メルトフローレートを、以下、MFRと記すことがある。
【0012】
[繊維状フィラー]
本発明に係る樹脂組成物に含まれる繊維状フィラーとしては、無機繊維、有機繊維が挙げられる。繊維状フィラーは無機繊維が好ましい。
無機繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維が挙げられ、有機繊維としては、ポリエステル繊維、アラミド繊維が挙げられる。
【0013】
本発明に係る樹脂組成物中の繊維状フィラーの平均長さは、400~800μmであり、好ましくは、450μm~700μmである。
本明細書において、樹脂組成物中の繊維状フィラーの平均長さは、特開2002-5924号公報に記載の方法で測定される重量平均繊維長を意味する。
樹脂組成物中の繊維状フィラーの平均長さは、樹脂組成物を溶融混練して製造するときの混練強度を適宜調整することにより、制御することができる。例えば、二軸混練機を使用すると、単軸混練機を使用する場合に比べ、混練強度が強く、混練前に比べ、繊維状フィラーの平均長さを短くすることができる。また、混練機中のスクリューの溝深さを大きくすることにより、混練強度を弱くすることができ、繊維状フィラーの平均長さを長くすることができる。
【0014】
本発明に係る樹脂組成物中の繊維状フィラーの含有量は、樹脂組成物中の重合体成分100重量部に対して、樹脂組成物からなる成形品の強度、耐熱性、寸法安定性や軽量化の観点から、好ましくは1重量部以上30重量部以下であり、より好ましくは1~20重量部であり、さらに好ましくは1~15重量部である。
また、繊維状フィラーの含有量は、樹脂組成物中の上記エチレン-プロピレンランダム共重合体と上記プロピレン単独重合体と上記熱可塑性エラストマーの合計量100重量部に対して、好ましくは1重量部以上30重量部以下であり、より好ましくは1~20重量部であり、さらに好ましくは1~15重量部である。
【0015】
[金属粒子]
本発明に係る樹脂組成物に含まれる金属粒子としては、例えば、アルミニウム、銅、銅合金、金、銀等が挙げられる。金属粒子の形状としては、例えば、球状粒子、りん片状粒子が挙げられる。本明細書において、りん片状粒子とは、短径に対する長径の比が5以上であり、厚みが0.5μm~10μmである粒子である。より深み感のあるメタリック調の成形品が得られることから、金属粒子は好ましくはアルミニウム粒子であり、より好ましくはアルミニウムりん片状粒子である。
【0016】
金属粒子の平均粒子径は、流動性を低下させずに、樹脂成形品の輝度感を良好なものにするという観点から40μm以上70μm以下が好ましく、40μm以上60μm以下がより好ましい。金属粒子の平均粒子径が70μmより大きいと、成形品のギラギラ感が強くなり、高級感を損なう場合がある。金属粒子の平均粒径が40μm未満であると、成形品のキラキラ感が小さくなる場合がある。金属粒子の「平均粒子径」とは、球状粒子については「平均直径」を意味し、りん片状粒子については「平均長径」を意味する。
【0017】
本発明に係る樹脂組成物中の金属粒子の含有量は、樹脂組成物中の重合体成分100重量部に対して、好ましくは0.01重量部以上15重量部以下であり、より好ましくは1重量部以上10重量部以下である。
また、金属粒子の含有量は、樹脂組成物中の上記エチレン-プロピレンランダム共重合体と上記プロピレン単独重合体と上記熱可塑性エラストマーの合計量100重量部に対して、好ましくは0.01重量部以上15重量部以下であり、より好ましくは1重量部以上10重量部以下である。
【0018】
[全光線透過率]
本発明に係る樹脂組成物中の前記エチレン-プロピレンランダム共重合体と繊維状フィラーとプロピレン単独重合体と熱可塑性エラストマーと変性ポリオレフィンとからなる厚み2mmの鏡面平板の全光線透過率は70%以上である。
全光線透過率は、樹脂組成物中の前記エチレン-プロピレンランダム共重合体と繊維状フィラーとプロピレン単独重合体と熱可塑性エラストマーと変性ポリオレフィンとからなる混合物を、以下の条件で射出成形して得られた試験片を、JIS7105-1981に準拠して測定する。
射出成形機:住友重機械工業製 SE130DU 型締力 130トン
成形温度:230℃
金型:成形品板厚 2mm厚、1点ゲート。
製品寸法:90mm×150mm×2mm厚(鏡面仕上げ)
金型温度:50℃
前記全光線透過率を70%以上とする方法として、樹脂組成物に含まれる重合体成分中のエチレン-プロピレンランダム共重合体の割合を多くする方法、樹脂組成物が熱可塑性エラストマーを含有する場合、該熱可塑性エラストマーを、エチレンに由来する単量体単位の含有量が4重量%以上10重量%以下であるエチレン-プロピレンランダム共重合体および1-ブテンに由来する単量体単位の含有量が4重量%以上10重量%以下であるプロピレン-1-ブテンランダム共重合体からなる群より選ばれる少なくとも一種の重合体とする方法が挙げられる。
樹脂組成物がエチレン-プロピレンランダム共重合体とプロピレン単独重合体と熱可塑性エラストマーとを含有する場合、前記全光線透過率を70%以上とするためには、該樹脂組成物中の上記エチレン-プロピレンランダム共重合体と上記プロピレン単独重合体と上記熱可塑性エラストマーの合計量100重量部に対して、
上記エチレン-プロピレンランダム共重合体の含有量を40重量部以上98重量部以下とし、
上記プロピレン単独重合体の含有量を1重量部以上35重量部以下とし、
上記熱可塑性エラストマーの含有量を1重量部以上25重量部以下とすることが好ましい。
【0019】
[熱可塑性エラストマー]
本発明に係る樹脂組成物は、成形体の衝撃強度の観点から、さらに熱可塑性エラストマーを含有することが好ましい。
【0020】
熱可塑性エラストマーとしては、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマーが挙げられる。
オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、プロピレン-1-ブテン共重合体、密度が0.880g/cm3未満のエチレン-プロピレン共重合体が挙げられる。プロピレン-1-ブテン共重合体中の1-ブテンに由来する単量体単位の含有量は、4重量%以上10重量%以下が好ましい。密度が0.880g/cm3未満のエチレン-プロピレン共重合体中のエチレンに由来する単量体単位の含有量は、4重量%以上10重量%以下が好ましい。
本明細書において、スチレン系熱可塑性エラストマーとは、芳香族ビニル化合物に由来する単量体単位からなる重合体ブロックと共役ジエン化合物に由来する単量体単位からなる重合体ブロックとを有するブロック共重合体およびその水素添加物を意味する。スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体などが挙げられる。
熱可塑性エラストマーは、好ましくは、密度が0.880g/cm3未満のエチレン-プロピレン共重合体およびプロピレン-1-ブテン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも一種の重合体である。
【0021】
[プロピレン単独重合体]
本発明に係る樹脂組成物は、成形体の剛性の観点から、さらにプロピレン単独重合体を含有することが好ましい。本発明に係る樹脂組成物は、プロピレン単独重合体を1種のみ含有してもよく、2種以上含有してもよい。
温度230℃、荷重2.16kgの条件で測定されるプロピレン単独重合体のメルトフローレートは、好ましくは400g/10分以下であり、より好ましくは350g/10分以下であり、さらに好ましくは、300g/10分以下であり、さらに好ましくは200g/10分以下である。本発明に係る樹脂組成物は、メルトフローレートが異なるプロピレン単独重合体を2種以上含有してもよい。
【0022】
本発明に係る樹脂組成物が、プロピレン単独重合体と熱可塑性エラストマーとを含有する場合、剛性と耐衝撃性の観点から、該樹脂組成物中の上記エチレン-プロピレンランダム共重合体と上記プロピレン単独重合体と上記熱可塑性エラストマーの合計量100重量部に対して、前記エチレン-プロピレンランダム共重合体の含有量は40重量部以上98重量部以下が好ましく、45重量部以上80重量部以下がより好ましく、
プロピレン単独重合体の含有量は1重量部以上35重量部以下が好ましく、10重量部以上30重量部以下がより好ましく、
熱可塑性エラストマーの含有量は1重量部以上25重量部以下が好ましく、1重量部以上20重量部以下がより好ましい。
【0023】
本発明に係る樹脂組成物が、プロピレン単独重合体を含有する場合、樹脂組成物中の上記エチレンープロピレンランダム共重合体100重量部に対し、プロピレン単独重合体の含有量が50重量部を超えると成形品意匠面に微細な凹凸が発生し、白っぽく見えるため漆黒感が損なわれることがある。
【0024】
[変性ポリオレフィン]
本発明に係る樹脂組成物は、成形体の衝撃強度の観点から、さらに変性ポリオレフィンを含有することが好ましい。
本明細書において、変性ポリオレフィンとは、不飽和カルボン酸に由来する単量体単位および不飽和カルボン酸無水物に由来する単量体単位からなる群から選択される少なくとも1種の単量体単位と、オレフィン単量体単位とを有する重合体である。なお、変性ポリオレフィンに含有される「不飽和カルボン酸に由来する単量体単位」および「不飽和カルボン酸無水物に由来する単量体単位」を、以下「特性単量体単位」と記載する。
【0025】
不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のモノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のジカルボン酸が挙げられる。
不飽和カルボン酸無水物としては、無水アクリル酸、無水メタクリル酸等のモノカルボン酸無水物、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水イタコン酸等のジカルボン酸無水物が挙げられる。
変性ポリオレフィンは、ジカルボン酸に由来する単量体単位およびジカルボン酸無水物に由来する単量体単位からなる群から選択される少なくとも1種の単量体単位を有する変性ポリオレフィンが好ましい。
【0026】
変性ポリオレフィンに含有されるオレフィンとしては、エチレン、プロピレンが挙げられる。
【0027】
変性ポリオレフィンの製造方法としては、例えば、
(1)不飽和カルボン酸および不飽和カルボン酸無水物からなる群から選択される少なくとも1種の単量体(以下、これを特性単量体と称する)と、オレフィンとを重合する方法、
(2)特性単量体と、オレフィン重合体とを反応させる方法、
等が挙げられる。
変性ポリオレフィンは、ランダム共重合体でもよく、グラフト共重合体でもよい。
【0028】
変性ポリオレフィンに含有される特性単量体単位の含有量は、好ましくは0.01~20重量%であり、より好ましくは0.1~10重量%であり、さらに好ましくは0.1~5重量%である。
一分子中に異なる種類の特性構成単位を含む場合には、該分子中に含まれる全ての特性構成単位の含有量の合計が、好ましくは0.01~20重量%であり、より好ましくは0.1~10重量%であり、さらに好ましくは0.1~5重量%である。
本発明に係る樹脂組成物は、変性ポリオレフィンを1種のみ含有してもよく、2種以上含有してもよい。
【0029】
本発明に係る樹脂組成物が、変性ポリオレフィンを含有する場合、該樹脂組成物中重合体成分100重量部に対して、変性ポリオレフィンの含有量は0.5重量部以上3重量部以下が好ましく、1.0重量部以上2.5重量部以下がより好ましい。
【0030】
本発明に係る樹脂組成物は、必要に応じて、添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、中和剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、加工助剤、着色剤、発泡剤、抗菌剤、有機系過酸化物、可塑剤、難燃剤、造核剤、分散剤、可塑剤、架橋剤、架橋助剤等が挙げられる。本発明に係る樹脂組成物は、これらの添加剤を1種のみ含有してもよく、2種以上含有してもよい。
【0031】
着色剤としては、無機顔料、有機顔料が挙げられる。無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、弁柄、カドミウムレッド、カドミウムイエロー、群青、コバルトブルー、チタンイエロー、鉛白、鉛丹、鉛黄、紺青等が挙げられる。
有機顔料としては、例えば、キナクリドン、ポリアゾイエロー、アンスラキノンイエロー、ポリアゾレッド、アゾレーキイエロー、ペリレン、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー、イソインドリノンイエロー等が挙げられる。
【0032】
[樹脂組成物の製造方法]
本発明に係る樹脂組成物の製造方法としては、例えば、
(1)所定量のエチレン-プロピレンランダム共重合体、繊維状フィラー、金属粒子および必要に応じて添加される他の成分を、ドライブレンドした後、溶融混練する方法、
(2)成形品の製造過程でエチレン-プロピレンランダム共重合体、繊維状フィラー、金属粒子および必要に応じて添加される他の成分を、直接、成形機の混練装置に投入して混練する方法
等が挙げられる。
また、本発明に係る樹脂組成物の製造においては、調整された濃度の金属粒子を含有する熱可塑性樹脂からなるマスターバッチを用いてもよい。
【0033】
〔成形体〕
本発明に係る樹脂組成物は、適切な成形方法によって成形品とすることができる。成形方法としては、例えば、射出成形法、射出圧縮成形法、圧縮成形法、押出成形法、ブロー成形法などが挙げられる。
本発明に係る樹脂組成物からなる成形体としては、射出成形体、圧縮成形体、押出成形体が挙げられ、好ましくは射出成形体である。 本発明に係る成形体の用途として、好ましくは自動車用部材であり、例えば、ドアートリム、ピラー、インストルメンタルパネル、バンパー等が挙げられる。
【実施例】
【0034】
以下、本発明について実施例及び比較例を用いて説明する。
【0035】
<エチレン-プロピレンランダム共重合体(1)>
MFR(230℃、荷重2.16kg):34g/10分
商品名:住友ノーブレン Z744E1(住友化学株式会社製)
エチレンに由来する単量体単位の含有量:2.5重量%
プロピレンに由来する単量体単位の含有量:97.5重量%
【0036】
<エチレン-プロピレンランダム共重合体(2)>
エチレン-プロピレン-ランダム共重合体(2a)(MFR(230℃、荷重2.16kg):1g/10分、エチレンに由来する単量体単位の含有量:6.6重量%、プロピレンに由来する単量体単位の含有量:93.4重量%)と、有機過酸化物マスターバッチ(パーカドックス14、化薬アクゾ株式会社製、1,3-ビス(tert-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン8質量%と、プロピレン単独重合体88質量%と、二酸化珪素4質量%のの混合物)とを、単軸押出機(田辺プラスチックス株式会社製、バレル内径:40mm、スクリュー回転数:100rpm、シリンダー温度:240℃)を用いて溶融混練して、エチレン-プロピレンランダム共重合体(2)を得た。エチレン-プロピレンランダム共重合体2のMFR(230℃、荷重2.16kg):70g/10分
エチレン-プロピレンランダム共重合体(2)のエチレンに由来する単量体単位の含有量:6.6重量%
エチレン-プロピレンランダム共重合体(2)のプロピレンに由来する単量体単位の含有量:93.4重量%
【0037】
<プロピレンブロック共重合体(1)>
The Polyolefin Company製 COSMOPLENE AZ564G(プロピレン単独重合体部分とエチレン-プロピレンランダム共重合体部分とからなるプロピレンブロック共重合体)
MFR(230℃、荷重2.16kg):38g/10分
【0038】
<プロピレン単独重合体(1)>
MFR(230℃、荷重2.16kg):120g/10分
商品名:住友ノーブレン U501E1(住友化学株式会社製)
【0039】
<プロピレン単独重合体(2)>
MFR(230℃、荷重2.16kg):320g/10分
【0040】
<プロピレン単独重合体(3)>
MFR(230℃、荷重2.16kg):28g/10分
【0041】
<熱可塑性エラストマー(1):プロピレン-1-ブテン共重合体>
MFR(230℃、2.16kg荷重):10g/10分
商品名:タフセレンH5002(住友化学株式会社製)
【0042】
<熱可塑性エラストマー(2):エチレン-プロピレン共重合体>
MFR(230℃、荷重2.16kg):25g/10分
商品名:Versify4200 (ダウ・ケミカル株式会社製)
密度:0.876g/cm3
エチレンに由来する単量体単位の含有量:7.7重量%
【0043】
<熱可塑性エラストマー(3):エチレン-オクテン共重合体>
MFR(190℃、荷重2.16kg):30g/10分
商品名:エンゲージ8407 (ダウ・ケミカル株式会社製)
密度:0.870g/cm3
【0044】
<ガラス繊維(A)>
商品名:日本電気硝子株式会社製T480H
繊維径:10μm
<ガラス繊維(B)>
商品名:日本電気硝子株式会社製T480
繊維径:13μm
【0045】
<変性ポリオレフィン(A)>
住友化学株式会社製「ノーブレン(登録商標) MPA101」(ポリプロピレンブロック共重合体、無水マレイン酸グラフト量=0.4質量%
MFR(230℃、荷重2.16kg):119g/10分
【0046】
<ガラス繊維含有ポリプロピレン(1)>
ガラス繊維(C)とプロピレン単独重合体と変性ポリオレフィンとを含む組成物。
商品名:住友ノーブレン GHH43
MFR(230℃、荷重2.16kg):5g/10分
ガラス繊維(C)含有量:30重量%
【0047】
<ガラス繊維含有ポリプロピレン(2)>
プロピレン単独重合体(1)67重量部と、変性ポリオレフィン(A)3重量部と、ガラス繊維(A)30重量部とを二軸混練機で溶融混練し、得られた組成物。
MFR(230℃、荷重2.16kg):36g/10分
【0048】
<ガラス繊維含有ポリプロピレン(3)>
プロピレン単独重合体(1)62重量部と、変性ポリオレフィン(A)3重量部と、ガラス繊維(A)35重量部とを二軸混練機で溶融混練し、得られた組成物。
MFR(230℃、荷重2.16kg):35g/10分
【0049】
<ガラス繊維含有ポリプロピレン(4)>
上記ガラス繊維含有ポリプロピレン(3)を、さらに二軸混練機で2回溶融混練し、得られた組成物。
【0050】
<ガラス繊維含有ポリプロピレン(5)>
上記ガラス繊維含有ポリプロピレン3を、さらに二軸混練機で4回溶融混練し、得られた組成物。
【0051】
<金属粒子含有マスターバッチ>
平均粒子径60μmの金属粒子(アルミニウム粒子)とカーボンブラックとを含有するマスターバッチ。
金属粒子の平均粒子径は、以下の方法により求めた。金属粒子含有マスターバッチを灰分化した。灰分として得られたアルミニウム粒子を走査型電子顕微鏡で観察し、観察像からアルミニウム粒子の平均粒子径を求めた。
【0052】
実施例で使用した射出成形機、金型、成形条件及び評価法は、以下のとおりであった。
(1)射出成形機および金型、成形条件
(1-1)輝度感外観評価用試験片の作製
射出成形機:住友重機械工業製 SE130DU 型締力 130トン
成形温度:230℃
金型:成形品板厚 3mm厚、1点ゲート。片側鏡面仕上げ。
製品寸法:90mm×150mm×3mm厚
金型温度:50℃
【0053】
(1-2)全光線透過率測定試験片の作製
射出成形機:住友重機械工業製 SE130DU 型締力 130トン
成形温度:230℃
金型:成形品板厚 2mm厚、1点ゲート。
製品寸法:90mm×150mm×2mm厚(鏡面仕上げ)
金型温度:50℃
【0054】
(1-3)機械物性用試験片作製
射出成形機:名機製作所 M70C 型締力 70トン
成形温度:197℃
金型:JIS K7139 A型多目的試験片
金型温度:38℃
【0055】
(2)輝度感外観評価
上記(1-1)で得られた輝度感外観評価用試験片の鏡面の輝度感を目視で観察し、漆黒感、輝度感を評価した。
【0056】
(3)全光線透過率
JIS K7105-1981に規定された「プラスチックの光学的特性試験方法」に従って、上記(1-2)で得られた全光線透過率測定試験片を測定した。株式会社東洋精機製作所製のDIRECT READING HAZEMETERを用いて全光線透過率(Tt)を測定した。
【0057】
(4)ガラス繊維の平均長さ
組成物中のガラス繊維の平均長さ(重量平均繊維長)は、特開2002-5924号公報に記載されている方法によって、測定した。
【0058】
(5)機械物性の測定方法
(5-1)シャルピー衝撃強度(単位:kJ/m2)
JIS K7111-1(ISO0179-1)に準拠し、温度-30℃で測定した。
(5-2)引張弾性率(単位:MPa)
JIS K7161に準拠し測定した。
【0059】
[実施例1]
エチレン-プロピレンランダム共重合体(2)87重量部、ガラス繊維(A)12重量部、変性ポリオレフィン(A)1重量部、ステアリン酸カルシウム(日本油脂製)0.05重量部、3,9-ビス[2-{3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(スミライザーGA80、住友化学株式会社製)0.05重量部、およびビス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト(ソングノックス626、Songwan製)0.1重量部を混合した後、二軸押出機((登録商標)TEX44αII:株式会社日本製鋼所製、バレル内径:44mm、スクリュー回転数:300rpm、シリンダー温度:200℃)を用いて溶融混練し、得られた溶融混練物を、その後に、ダイ部より押し出した。この押出物を冷水により冷却固化、切断して、組成物(1A)のペレットを得た。押出速度は70kg/時間であった。組成物(1A)中のガラス繊維の平均長さは、460μmであった。
上記組成物(1A)を上記(1-2)の方法で成形して得た全光線透過率測定試験片について、全光線透過率を測定したところ、72.3%であった。上記組成物(1A)を上記(1-3)の方法で成形して得た機械物性用試験片について、シャルピー衝撃強度と引張弾性率とを測定した。シャルピー衝撃強度は3.2kJ/m2、引張弾性率は1734MPaであった。
次に、上記組成物(1A)100重量部と金属粒子含有マスターバッチ10重量部とを混合して上記(1-1)の方法で成形して得た輝度感外観評価用試験片について、輝度感を評価した。漆黒感、輝度感、何れも良好であった。
【0060】
[実施例2]
エチレン-プロピレンランダム共重合体(1)44重量部、熱可塑性エラストマー(1)16重量部、ガラス繊維含有ポリプロピレン(1)40重量部、ステアリン酸カルシウム(日本油脂製)0.05重量部、3,9-ビス[2-{3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(スミライザーGA80、住友化学株式会社製)0.05重量部、およびビス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト(ソングノックス626、Songwan製)0.1重量部を混合した後、単軸押出機(田辺プラスチックス機械株式会社製、バレル内径:40mm、スクリュー回転数:100rpm、シリンダー温度:230℃)を用いて溶融混練し、組成物(2A)のペレットを得た。組成物(2A)中のガラス繊維の平均長さは、570μmであった。
実施例1と同様に、上記組成物(2A)の全光線透過率、シャルピー衝撃強度および引張弾性率を測定した。全光線透過率は72.9%、シャルピー衝撃強度は3.3kJ/m2、引張弾性率は2210MPaであった。
次に、上記組成物(2A)100重量部と金属粒子含有マスターバッチ10重量部とを混合して上記(1-1)の方法で成形して得た輝度感外観評価用試験片について、輝度感を評価した。漆黒感、輝度感、何れも良好であった。
【0061】
[実施例3]
エチレン-プロピレンランダム共重合体(1)の量を49重量部、熱可塑性エラストマー(1)の量を11重量部としたこと以外は、実施例2と同様に行い、組成物(3A)のペレットを得た。組成物(3A)中のガラス繊維の平均長さは、540μmであった。
実施例1と同様に、上記組成物(3A)の全光線透過率、シャルピー衝撃強度および引張弾性率を測定した。全光線透過率は73.9%、シャルピー衝撃強度は3.4kJ/m2、引張弾性率は2490MPaであった。
次に、上記組成物(3A)100重量部と金属粒子含有マスターバッチ10重量部とを混合して上記(1-1)の方法で成形して得た輝度感外観評価用試験片について、輝度感を評価した。漆黒感、輝度感何れも良好であった。
【0062】
[実施例4]
エチレン-プロピレンランダム共重合体(2)50重量部、熱可塑性エラストマー(1)10重量部、プロピレン単独重合体(2)5.7重量部、ガラス繊維含有ポリプロピレン(3)34.3重量部、ステアリン酸カルシウム(日本油脂製)0.05重量部、3,9-ビス[2-{3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(スミライザーGA80、住友化学株式会社製)0.05重量部、およびビス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト(ソングノックス626、Songwan製)0.1重量部を混合した後、実施例2と同様に溶融混練し、組成物(4A)のペレットを得た。組成物(4A)中のガラス繊維の平均長さは、510μmであった。
実施例1と同様に、上記組成物(4A)の全光線透過率、シャルピー衝撃強度および引張弾性率を測定した。全光線透過率は72.4%、シャルピー衝撃強度は3.2kJ/m2、引張弾性率は1820MPaであった。
次に、上記組成物(4A)100重量部と金属粒子含有マスターバッチ10重量部とを混合して上記(1-1)の方法で成形して得た輝度感外観評価用試験片について、輝度感を評価した。漆黒感、輝度感何れも良好であった。
【0063】
[実施例5]
実施例4記載の熱可塑性エラストマー(1)の代わりに熱可塑性エラストマー(2)を使用した以外は実施例4と同様に行い、組成物(5A)のペレットを得た。組成物(5A)中のガラス繊維の平均長さは、530μmであった。
実施例1と同様に、上記組成物(5A)の全光線透過率、シャルピー衝撃強度および引張弾性率を測定した。全光線透過率は71%、シャルピー衝撃強度は3.2kJ/m2、引張弾性率は2024MPaであった。
次に、上記組成物(5A)100重量部と金属粒子含有マスターバッチ10重量部とを混合して上記(1-1)の方法で成形して得た輝度感外観評価用試験片について、輝度感を評価した。漆黒感、輝度感何れも良好であった。
【0064】
[実施例6]
エチレン-プロピレンランダム共重合体(1)44重量部、熱可塑性エラストマー(1)16重量部、ガラス繊維含有ポリプロピレン(2)40重量部、ステアリン酸カルシウム(日本油脂製)0.05重量部、3,9-ビス[2-{3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(スミライザーGA80、住友化学株式会社製)0.05重量部、およびビス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト(ソングノックス626、Songwan製)0.1重量部を混合した後、実施例1と同様に溶融混練し、組成物(6A)のペレットを得た。組成物(6A)中のガラス繊維の平均長さは、520μmであった。
実施例1と同様に、上記組成物(6A)の全光線透過率、シャルピー衝撃強度および引張弾性率を測定した。全光線透過率は72.6%、シャルピー衝撃強度は3.1kJ/m2、引張弾性率は2312MPaであった。
次に、上記組成物(6A)100重量部と金属粒子含有マスターバッチ10重量部とを混合して上記(1-1)の方法で成形して得た輝度感外観評価用試験片について、輝度感を評価した。漆黒感、輝度感何れも良好であった。
【0065】
[実施例7]
エチレン-プロピレンランダム共重合体(1)44重量部、熱可塑性エラストマー(1)16重量部、プロピレン単独重合体(1)5.7重量部、ガラス繊維含有ポリプロピレン(3)34.3重量部、ステアリン酸カルシウム(日本油脂製)0.05重量部、3,9-ビス[2-{3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(スミライザーGA80、住友化学株式会社製)0.05重量部、およびビス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト(ソングノックス626、Songwan製)0.1重量部を混合した後、
実施例2と同様に溶融混練し、組成物(7A)のペレットを得た。組成物(7A)中のガラス繊維の平均長さは、530μmであった。
実施例1と同様に、上記組成物(7A)の全光線透過率、シャルピー衝撃強度および引張弾性率を測定した。全光線透過率は73.9%、シャルピー衝撃強度は3.2kJ/m2、引張弾性率は2308MPaであった。
次に、上記組成物(7A)100重量部と金属粒子含有マスターバッチ10重量部とを混合して上記(1-1)の方法で成形して得た輝度感外観評価用試験片について、輝度感を評価した。漆黒感、輝度感何れも良好であった。
【0066】
[比較例1]
実施例7記載のガラス繊維含有ポリプロピレン(3)の代わりにガラス繊維含有ポリプロピレン(4)を使用した以外は実施例7と同様に行い、組成物(8A)のペレットを得た。組成物(8A)中のガラス繊維の平均長さは、350μmであった。
実施例1と同様に、上記組成物(8A)の全光線透過率、シャルピー衝撃強度および引張弾性率を測定した。全光線透過率は73.4%、シャルピー衝撃強度は2.2kJ/m2、引張弾性率は1972MPaであった。
次に、上記組成物(8A)100重量部と金属粒子含有マスターバッチ10重量部とを混合して上記(1-1)の方法で成形して得た輝度感外観評価用試験片について、輝度感を評価した。漆黒感、輝度感何れも良好であった。
【0067】
[比較例2]
実施例7記載のガラス繊維含有ポリプロピレン(3)の代わりにガラス繊維含有ポリプロピレン(5)を使用した以外は実施例7と同様に行い、組成物(9A)のペレットを得た。組成物(9A)中のガラス繊維の平均長さは、300μmであった。
実施例1と同様に、上記組成物(9A)の全光線透過率、シャルピー衝撃強度および引張弾性率を測定した。全光線透過率は72.4%、シャルピー衝撃強度は1.6kJ/m2、引張弾性率は1836MPaであった。
次に、上記組成物(9A)100重量部と金属粒子含有マスターバッチ10重量部とを混合して上記(1-1)の方法で成形して得た輝度感外観評価用試験片について、輝度感を評価した。漆黒感、輝度感何れも良好であった。
【0068】
[比較例3]
エチレン-プロピレンランダム共重合体(2)50重量部、熱可塑性エラストマー(1)10重量部、プロピレン単独重合体(2)26重量部、ステアリン酸カルシウム(日本油脂製)0.05重量部、3,9-ビス[2-{3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(スミライザーGA80、住友化学株式会社製)0.05重量部、およびビス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト(ソングノックス626、Songwan製)0.1重量部を混合した後、二軸押出機((登録商標)TEX44αII:株式会社日本製鋼所製、バレル内径:44mm、スクリュー回転数:300rpm、シリンダー温度:200℃)の上流ホッパーから供給し、溶融混練し、さらに、ガラス繊維(B)12重量部を上記二軸混練機の下流側でサイドフィードし、溶融混練して、組成物(10A)のペレットを得た。組成物(10A)中のガラス繊維の平均長さは、890μmであった。
実施例1と同様に、上記組成物(10A)の全光線透過率、シャルピー衝撃強度および引張弾性率を測定した。全光線透過率は70.2%、シャルピー衝撃強度は6.5kJ/m2、引張弾性率は2397MPaであった。
次に、上記組成物(10A)100重量部と金属粒子含有マスターバッチ10重量部とを混合して上記(1-1)の方法で成形して得た輝度感外観評価用試験片について、輝度感を評価した。輝度感外観評価用試験片は、灰色っぽく艶感がなく、キラキラ感が少なかった。
【0069】
[比較例4]
実施例7に記載の熱可塑性エラストマー(1)の代わりに、熱可塑性エラストマー(3)を使用した以外は、実施例2と同様に行い、組成物(11A)のペレットを得た。組成物(11A)中のガラス繊維の平均長さは、570μmであった。
実施例1と同様に、上記組成物(11A)の全光線透過率、シャルピー衝撃強度および引張弾性率を測定した。全光線透過率は51.0%、シャルピー衝撃強度は3.7kJ/m2、引張弾性率は2652MPaであった。
次に、上記組成物(11A)100重量部と金属粒子含有マスターバッチ10重量部とを混合して上記(1-1)の方法で成形して得た輝度感外観評価用試験片について、輝度感を評価した。輝度感外観評価用試験片は、灰色っぽく、キラキラ感が少なかった。
【0070】
[比較例5]
実施例7に記載のエチレン-プロピレンランダム共重合体(1)の代わりにプロピレンブロック共重合体(1)を使用した以外は、実施例7と同様に行い、組成物(12A)のペレットを得た。組成物(12A)中のガラス繊維の平均長さは、590μmであった。
実施例1と同様に、上記組成物(12A)の全光線透過率、シャルピー衝撃強度および引張弾性率を測定した。全光線透過率は48.1%、シャルピー衝撃強度は4.2kJ/m2、引張弾性率は2086MPaであった。
次に、上記組成物(12A)100重量部と金属粒子含有マスターバッチ10重量部とを混合して上記(1-1)の方法で成形して得た輝度感外観評価用試験片について、輝度感を評価した。輝度感外観評価用試験片は、灰色っぽく、キラキラ感が少なかった
【0071】
[比較例6]
実施例3に記載のエチレン-プロピレンランダム共重合体(1)の代わりに、プロピレン単独重合体(1)を使用した以外は、実施例3と同様に行い、組成物(13A)のペレットを得た。組成物(13A)中のガラス繊維の平均長さは、570μmであった。
実施例1と同様に、上記組成物(13A)の全光線透過率、シャルピー衝撃強度および引張弾性率を測定した。全光線透過率は72.1%、シャルピー衝撃強度は3.3kJ/m2、引張弾性率は2635MPaであった。
次に、上記組成物(13A)100重量部と金属粒子含有マスターバッチ10重量部とを混合して上記(1-1)の方法で成形して得た輝度感外観評価用試験片について、輝度感を評価した。輝度感外観評価用試験片は、表面が荒れ、白味がかり艶感がなく、キラキラ感が少なかった。