(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-25
(45)【発行日】2023-10-03
(54)【発明の名称】ヒートシンク
(51)【国際特許分類】
F28D 15/02 20060101AFI20230926BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20230926BHJP
H01L 23/427 20060101ALI20230926BHJP
H01L 23/36 20060101ALI20230926BHJP
【FI】
F28D15/02 G
H05K7/20 D
H05K7/20 R
H01L23/46 B
H01L23/36 Z
F28D15/02 106F
(21)【出願番号】P 2022136993
(22)【出願日】2022-08-30
【審査請求日】2022-09-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(74)【代理人】
【識別番号】100143959
【氏名又は名称】住吉 秀一
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 義勝
(72)【発明者】
【氏名】内村 泰博
(72)【発明者】
【氏名】岡田 博
【審査官】河野 俊二
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-269676(JP,A)
【文献】特開平04-335949(JP,A)
【文献】特開平10-253273(JP,A)
【文献】特開2006-032798(JP,A)
【文献】特開平11-201667(JP,A)
【文献】米国特許第10638639(US,B1)
【文献】特開2012-182159(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/36
F28D 15/02
H05K 7/20
H01L 23/427
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面と前記第1の面に対向した第2の面とを有し、前記第2の面に発熱体が熱的に接続されるベース部と、
前記ベース部の前記第1の面に立設された放熱フィンと、を備え、
前記ベース部と前記放熱フィンが一体成形されているヒートシンクであり、
前記ヒートシンクに、熱伝導部材の少なくとも一部分が埋設され、
前記ベース部の延在方向に延在したブロック部を有し、前記ブロック部に前記熱伝導部材の少なくとも一部分が埋設され、
前記ブロック部が、前記ベース部の前記第2の面から前記ベース部の厚さ方向へ突出した前記第2の面の凸部であるヒートシンク。
【請求項2】
第1の面と前記第1の面に対向した第2の面とを有し、前記第2の面に発熱体が熱的に接続されるベース部と、
前記ベース部の前記第1の面に立設された放熱フィンと、を備え、
前記ベース部と前記放熱フィンが一体成形されているヒートシンクであり、
前記ヒートシンクに、熱伝導部材の少なくとも一部分が埋設され、
前記ベース部の延在方向に延在したブロック部を有し、前記ブロック部に前記熱伝導部材
の少なくとも一部分が埋設され
、
前記放熱フィンが、前記放熱フィンの高さ方向の先端部と前記ベース部からの立ち上がり開始部である基部とを有し、前記ブロック部が、前記放熱フィンの前記先端部と前記基部との間の中間部に設けられてい
るヒートシンク。
【請求項3】
第1の面と前記第1の面に対向した第2の面とを有し、前記第2の面に発熱体が熱的に接続されるベース部と、
前記ベース部の前記第1の面に立設された放熱フィンと、を備え、
前記ベース部と前記放熱フィンが一体成形されているヒートシンクであり、
前記ヒートシンクに、熱伝導部材の少なくとも一部分が埋設され、
前記熱伝導部材の少なくとも一部領域が、前記ベース部の前記第2の面から露出している露出部を有し、前記露出部が、前記発熱体と直接接触し、
前記熱伝導部材が、前記ベース部の厚さ方向に突出した突出部を有し、前記突出部により前記露出部が形成されているヒートシンク。
【請求項4】
第1の面と前記第1の面に対向した第2の面とを有し、前記第2の面に発熱体が熱的に接続されるベース部と、
前記ベース部の前記第1の面に立設された放熱フィンと、を備え、
前記ベース部と前記放熱フィンが一体成形されているヒートシンクであり、
前記ヒートシンクに、熱伝導部材の少なくとも一部分が埋設され、
前記ベース部の延在方向に延在したブロック部を有し、前記ブロック部に前記熱伝導部材の少なくとも一部分が埋設され、
前記ブロック部が、前記ベース部の前記第1の面から前記ベース部の厚さ方向へ突出した前記第1の面の凸部であり、
前記ブロック部に、前記ブロック部以外の前記第1の面に立設された前記放熱フィンよりも低い前記放熱フィンが立設されているヒートシンク。
【請求項5】
前記ブロック部に立設された前記放熱フィンが、前記ブロック部以外の前記第1の面に立設された前記放熱フィンと、高さが揃っている請求項4に記載のヒートシンク。
【請求項6】
前記ベース部が、第1の方向と第1の方向に直交した第2の方向とを有し、前記放熱フィンが、前記ベース部の第2の方向に対して斜め方向、且つ第1の方向に対して斜め方向に延在している請求項1乃至5のいずれか1項に記載のヒートシンク。
【請求項7】
前記放熱フィンが、前記ベース部の外方向へ向かうに従って、重力方向の上方から下方へ向かって延在する配置となっている請求項1乃至5のいずれか1項に記載のヒートシンク。
【請求項8】
前記熱伝導部材が、前記発熱体と熱的に接続される受熱部を有する請求項1乃至
5のいずれか1項に記載のヒートシンク。
【請求項9】
前記熱伝導部材が、前記発熱体と熱的に接続される受熱部を有する請求項6に記載のヒートシンク。
【請求項10】
前記熱伝導部材が、前記発熱体と熱的に接続される受熱部を有する請求項7に記載のヒートシンク。
【請求項11】
前記熱伝導部材全体が、前記ヒートシンクに埋設されている請求項1乃至
5のいずれか1項に記載のヒートシンク。
【請求項12】
前記熱伝導部材全体が、前記ヒートシンクに埋設されている請求項6に記載のヒートシンク。
【請求項13】
前記熱伝導部材全体が、前記ヒートシンクに埋設されている請求項7に記載のヒートシンク。
【請求項14】
前記熱伝導部材の少なくとも一部領域が、前記第2の面の凸部から露出している露出部を有し、前記露出部が、前記発熱体と直接接触する請求項
1に記載のヒートシンク。
【請求項15】
前記熱伝導部材が、前記ベース部の延在方向に沿って伸延している請求項1乃至
5のいずれか1項に記載のヒートシンク。
【請求項16】
前記熱伝導部材が、前記ベース部の延在方向に沿って伸延している請求項6に記載のヒートシンク。
【請求項17】
前記熱伝導部材が、前記ベース部の延在方向に沿って伸延している請求項7に記載のヒートシンク。
【請求項18】
前記熱伝導部材が、前記ベース部の厚さ方向に曲げられた段差部を有し、前記段差部により前記露出部が形成されている請求項
14に記載のヒートシンク。
【請求項19】
前記熱伝導部材が、前記ベース部の厚さ方向に突出した突出部を有し、前記突出部により前記露出部が形成されている請求項
14に記載のヒートシンク。
【請求項20】
前記熱伝導部材が、ヒートパイプまたはベーパーチャンバである請求項1乃至
5のいずれか1項に記載のヒートシンク。
【請求項21】
前記熱伝導部材が、ヒートパイプまたはベーパーチャンバである請求項6に記載のヒートシンク。
【請求項22】
前記熱伝導部材が、ヒートパイプまたはベーパーチャンバである請求項7に記載のヒートシンク。
【請求項23】
前記ヒートシンクが鋳造部材であり、前記熱伝導部材の凝縮部の少なくとも一部が、鋳包みによって前記ヒートシンクに埋設されている請求項1乃至5のいずれか1項に記載のヒートシンク。
【請求項24】
前記ヒートシンクが鋳造部材であり、前記熱伝導部材の凝縮部の少なくとも一部が、鋳包みによって前記ヒートシンクに埋設されている請求項6に記載のヒートシンク。
【請求項25】
前記ヒートシンクが鋳造部材であり、前記熱伝導部材の凝縮部の少なくとも一部が、鋳包みによって前記ヒートシンクに埋設されている請求項7に記載のヒートシンク。
【請求項26】
前記ヒートパイプまたは前記ベーパーチャンバの内部に作動流体を注入するために使用された、封止された注入管が、前記ヒートシンクの周縁部よりも内方向に設けられている請求項
20に記載のヒートシンク。
【請求項27】
前記ヒートパイプまたは前記ベーパーチャンバの内部に作動流体を注入するために使用された、封止された注入管が、前記ヒートシンクの周縁部よりも内方向に設けられている請求項21に記載のヒートシンク。
【請求項28】
前記ヒートパイプまたは前記ベーパーチャンバの内部に作動流体を注入するために使用された、封止された注入管が、前記ヒートシンクの周縁部よりも内方向に設けられている請求項22に記載のヒートシンク。
【請求項29】
前記ヒートパイプが、扁平加工された扁平型ヒートパイプである請求項
20に記載のヒートシンク。
【請求項30】
前記ヒートパイプが、扁平加工された扁平型ヒートパイプである請求項21に記載のヒートシンク。
【請求項31】
前記ヒートパイプが、扁平加工された扁平型ヒートパイプである請求項22に記載のヒートシンク。
【請求項32】
前記熱伝導部材の長手方向の形状は、平面視にて曲げ部を有する形状である請求項1乃至
5のいずれか1項に記載のヒートシンク。
【請求項33】
前記熱伝導部材の長手方向の形状は、平面視にて曲げ部を有する形状である請求項6に記載のヒートシンク。
【請求項34】
前記熱伝導部材の長手方向の形状は、平面視にて曲げ部を有する形状である請求項7に記載のヒートシンク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発熱体が熱的に接続されるベース部と放熱フィンを備えたヒートシンクに関し、特に、熱伝導部材が埋設されたヒートシンクに関する。
【背景技術】
【0002】
所定の空間内に設置された電子部品等の発熱体を冷却する手段として、発熱体が熱的に接続されるベース部に放熱フィンが設けられたヒートシンクが使用される場合がある。また、各種機器の高機能化に伴って機器に搭載されている電子部品等の発熱体の発熱量が増大しており、ヒートシンクの冷却性能を向上させることがますます重要となっている。
【0003】
ヒートシンクの冷却性能を向上させるために、ヒートシンクに設けられた放熱フィンのフィン効率を向上させることが必要となる。そこで、ヒートシンクのベース部に、その平面方向に沿ってヒートパイプを設けて、ヒートパイプの熱輸送機能によって、発熱体からの熱を放熱フィンが設けられているベース部の領域全体に輸送することが行われている。発熱体からの熱を、ヒートパイプを用いて放熱フィンが設けられているベース部の領域全体に輸送することで、ベース部を均熱化して放熱フィン全体の熱的負荷を均一化し、放熱フィンのフィン効率を向上させている。
【0004】
ヒートシンクのベース部にヒートパイプを設けるにあたっては、ヒートパイプと放熱フィンとの熱的接続性を向上させることが必要である。そこで、ヒートパイプ用のコンテナの少なくとも一部と複数の放熱フィンの一端部とを、放熱フィンがコンテナに対して起立した状態となるようにキャビティの内部に保持し、ついでそのキャビティに溶湯を注入するとともに、その溶湯を凝固させることによって放熱フィンの一端部とコンテナとを一体に鋳包んで連結させたヒートシンクが提案されている(特許文献1)。
【0005】
特許文献1では、ヒートパイプのコンテナと放熱フィンの一端部とを、溶湯を凝固させることによって形成されたベース部であるカバーによって一体に鋳包んで、放熱フィンがコンテナに対して起立した状態に連結していることから、放熱フィンとヒートパイプのコンテナとの間の熱的接続性を向上させている。
【0006】
一方で、特許文献1では、別体である放熱フィンとカバーとヒートパイプのコンテナとを鋳包んで一体としているので、放熱フィンとカバーとの間には接触抵抗があり、放熱フィンとカバーとの間の熱的接続性、すなわち、カバーから放熱フィンへの熱伝達性に改善の必要性があった。また、特許文献1では、放熱フィンとカバーとの接触抵抗の点から、放熱フィン全体における熱的負荷を均一化して放熱フィンのフィン効率を向上させる点でも問題があった。
【0007】
また、例えば、携帯電話基地局には、近年、無線通信量がますます増大していることから、アンテナやアンプ等の比較的発熱量の少ない電子部品とFPGA(Fieid Programmable Gate Array)等の発熱量の多い電子部品が、多数、複雑に配置された基板が使用されている。前記基板に搭載された多様な発熱量を有する多数の電子部品がヒートシンクに熱的に接続されると、ヒートシンクのベース部の均熱性を保つことが難しくなることにより、放熱フィンへも均等に熱が伝わりにくくなり、放熱フィンのフィン効率が低下することがあった。
【0008】
また、電子部品同士の干渉を防止するために、ヒートシンクのベース部の受熱面に電子部品の位置と形状に対応した凹部であるシールド部を形成し、前記シールド部に電子部品を収容することで、基板に搭載された電子部品をシールドする場合がある。ヒートシンクのベース部の受熱面にシールド部が設けられていると、ベース部材にヒートパイプ等の熱伝導部材を設ける際に、シールド部を回避するように熱伝導部材を配置させる必要がある。従って、ベース部の受熱面にシールド部が設けられていると、ヒートパイプ等の熱伝導部材の配置の自由度が低下するので、放熱フィン全体における熱的負荷を均一化して放熱フィンのフィン効率を向上させる点で問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記事情に鑑み、本発明は、ベース部と放熱フィンの熱的接続性に優れ、また、熱伝導部材の配置の自由度に優れたヒートシンクを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の構成の要旨は、以下の通りである。
[1]第1の面と前記第1の面に対向した第2の面とを有し、前記第2の面に発熱体が熱的に接続されるベース部と、
前記ベース部の前記第1の面に立設された放熱フィンと、を備え、
前記ベース部と前記放熱フィンが一体成形されているヒートシンクであり、
前記ヒートシンクに、熱伝導部材の少なくとも一部分が埋設されているヒートシンク。
[2]前記ベース部の延在方向に延在したブロック部を有し、前記ブロック部に前記熱伝導部材が埋設されている[1]に記載のヒートシンク。
[3]前記熱伝導部材が、前記ベース部に埋設されている[1]に記載のヒートシンク。
[4]前記ブロック部が、前記ベース部の前記第1の面から前記ベース部の厚さ方向へ突出した前記第1の面の凸部である[2]に記載のヒートシンク。
[5]前記ブロック部が、前記ベース部の前記第2の面から前記ベース部の厚さ方向へ突出した前記第2の面の凸部である[2]に記載のヒートシンク。
[6]前記放熱フィンが、前記放熱フィンの高さ方向の先端部と前記ベース部からの立ち上がり開始部である基部とを有し、前記ブロック部が、前記放熱フィンの前記先端部と前記基部との間の中間部に設けられている[2]に記載のヒートシンク。
[7]前記熱伝導部材が、前記発熱体と熱的に接続される受熱部を有する[1]乃至[6]のいずれか1つに記載のヒートシンク。
[8]前記熱伝導部材全体が、前記ヒートシンクに埋設されている[1]乃至[6]のいずれか1つに記載のヒートシンク。
[9]前記熱伝導部材の少なくとも一部領域が、前記ベース部の前記第2の面から露出している露出部を有し、前記露出部が、前記発熱体と直接接触する[1]に記載のヒートシンク。
[10]前記熱伝導部材の少なくとも一部領域が、前記第2の面の凸部から露出している露出部を有し、前記露出部が、前記発熱体と直接接触する[5]に記載のヒートシンク。
[11]前記熱伝導部材が、前記ベース部の延在方向に沿って伸延している[1]乃至[6]のいずれか1つに記載のヒートシンク。
[12]前記熱伝導部材が、前記ベース部の厚さ方向に曲げられた段差部を有し、前記段差部により前記露出部が形成されている[9]または[10]に記載のヒートシンク。
[13]前記熱伝導部材が、前記ベース部の厚さ方向に突出した突出部を有し、前記突出部により前記露出部が形成されている[9]または[10]に記載のヒートシンク。
[14]前記熱伝導部材が、ヒートパイプまたはベーパーチャンバである[1]乃至[6]のいずれか1つに記載のヒートシンク。
[15]前記ヒートシンクが鋳造部材であり、前記熱伝導部材が、鋳包みによって前記ヒートシンクに埋設されている[1]乃至[6]のいずれか1つに記載のヒートシンク。
[16]前記ヒートパイプまたは前記ベーパーチャンバの内部に作動流体を注入するために使用された、封止された注入管が、前記ヒートシンクの周縁部よりも内方向に設けられている[14]に記載のヒートシンク。
[17]前記ヒートパイプが、扁平加工された扁平型ヒートパイプである[14]に記載のヒートシンク。
【0012】
本発明のヒートシンクの態様では、ヒートシンクは、発熱体が熱的に接続されるベース部と、熱交換手段である放熱フィンと、熱伝導部材と、を備えている。また、本発明のヒートシンクの態様では、ベース部と放熱フィンが一体成形されているので、ベース部と放熱フィンは一体の部材であり、ベース部と放熱フィンの間に境界部は形成されていない。
【0013】
また、本発明のヒートシンクの態様では、ヒートシンクに、熱伝導部材の少なくとも一部分が埋設されているので、熱伝導部材の少なくとも一部領域の外周面はベース部の表面から露出していない。
【発明の効果】
【0014】
本発明のヒートシンクの態様によれば、第1の面と前記第1の面に対向した第2の面とを有し、前記第2の面に発熱体が熱的に接続されるベース部と、前記ベース部の前記第1の面に立設された放熱フィンと、を備え、前記ベース部と前記放熱フィンが一体成形されているので、前記ベース部と前記放熱フィンとの間の接触抵抗が抑制されて、前記ベース部と前記放熱フィンとの間の熱的接続性が向上する。また、本発明のヒートシンクの態様によれば、ヒートシンクに熱伝導部材の少なくとも一部分が埋設されているので、ヒートシンクにおける熱伝導部材の配置の自由度に優れ、また、ヒートシンクにおける熱伝導部材の熱的接続性に優れている。従って、本発明のヒートシンクの態様によれば、多様な発熱量を有する多数の電子部品がヒートシンクに熱的に接続されても、ヒートシンクのベース部の均熱性を保つことができ、放熱フィン全体においてベース部からの熱伝達が均等化されることから、ベース部から放熱フィンへの熱伝達が円滑化され、また、放熱フィン全体における熱的負荷を均一化する。従って、本発明のヒートシンクでは、放熱フィンのフィン効率を向上させるので、ヒートシンクの放熱特性が向上する。
【0015】
本発明のヒートシンクの態様によれば、前記ベース部の延在方向に延在したブロック部を有し、前記ブロック部に前記熱伝導部材が埋設されていることにより、熱伝導部材の埋設部位を確実に確保することができる。
【0016】
本発明のヒートシンクの態様によれば、前記熱伝導部材が、前記ベース部に埋設されていることにより、熱伝導部材の熱伝導機能によってベース部全体が円滑に均熱化されて放熱フィン全体においてベース部からの熱伝達が均等化されるので、放熱フィン全体における熱的負荷をさらに均一化して放熱フィンのフィン効率をさらに向上させることができる。
【0017】
本発明のヒートシンクの態様によれば、前記ブロック部が、前記ベース部の前記第1の面から前記ベース部の厚さ方向へ突出した前記第1の面の凸部であることにより、熱伝導部材の熱伝導機能によってベース部全体が確実に均熱化されて放熱フィン全体においてベース部からの熱伝達が確実に均等化される。従って、放熱フィン全体における熱的負荷をさらに均一化して放熱フィンのフィン効率をさらに向上させることができ、また、放熱フィンの熱交換機能を確実に向上させることができる。
【0018】
本発明のヒートシンクの態様によれば、前記ブロック部が前記放熱フィンの前記先端部と前記基部との間の中間部に設けられていることにより、熱伝導部材の熱伝導機能によって放熱フィン全体が確実に均熱化されるので、放熱フィンのフィン効率を確実に向上させることができる。
【0019】
本発明のヒートシンクの態様によれば、前記熱伝導部材全体が前記ヒートシンクに埋設されていることにより、ヒートシンクにおける熱伝導部材の熱的接続性がさらに向上する。
【0020】
本発明のヒートシンクの態様によれば、前記熱伝導部材の少なくとも一部領域が前記ベース部の前記第2の面から露出している露出部を有し、前記露出部が前記発熱体と直接接触することにより、発熱体と熱伝導部材との間の熱的接続性がさらに向上するので、ヒートシンクの放熱特性がさらに向上する。
【0021】
本発明のヒートシンクの態様によれば、前記熱伝導部材がヒートパイプまたはベーパーチャンバであることにより、熱伝導部材は熱輸送特性を備えているので、放熱フィン全体における熱的負荷をさらに均一化して放熱フィンのフィン効率をさらに向上させることができる。
【0022】
本発明のヒートシンクの態様によれば、前記ヒートシンクが鋳造部材であり、前記熱伝導部材が鋳包みによって前記ヒートシンクに埋設されていることにより、ヒートシンクにおける熱伝導部材の熱的接続性がさらに向上する。
【0023】
本発明のヒートシンクの態様によれば、前記ヒートパイプまたは前記ベーパーチャンバの封止された注入管が前記ヒートシンクの周縁部よりも内方向に設けられていることにより、ヒートシンクが風雨等に曝される外部環境に設置されてもヒートパイプまたはベーパーチャンバの腐食が防止されるので、ヒートシンクの耐久性が向上する。
【0024】
本発明のヒートシンクの態様によれば、前記ヒートパイプが扁平型ヒートパイプであることにより、ヒートシンクの小型化に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の第1実施形態例に係るヒートシンクを説明する斜視図である。
【
図2】本発明の第1実施形態例に係るヒートシンクの構造を説明する説明図である。
【
図3】本発明の第1実施形態例に係るヒートシンクの熱伝導部材の配置を平面方向から説明する説明図である。
【
図4】本発明の第1実施形態例に係るヒートシンクの
図3におけるA-A線の側面断面図である。
【
図5】本発明の第1実施形態例に係るヒートシンクに設けられたヒートパイプに使用された注入管の説明図である。
【
図6】本発明の第1実施形態例に係るヒートシンクに設けられたヒートパイプに使用された注入管を説明する側面断面図である。
【
図7】本発明の第1実施形態例に係るヒートシンクの使用方法例を示す説明図である。
【
図8】本発明の第2実施形態例に係るヒートシンクの側面断面図である。
【
図9】本発明の第3実施形態例に係るヒートシンクの側面断面図である。
【
図10】本発明の第4実施形態例に係るヒートシンクの側面断面図である。
【
図11】本発明の第4実施形態例に係るヒートシンクを説明する底面方向からの斜視図である。
【
図12】本発明の第5実施形態例に係るヒートシンクの側面断面図である。
【
図13】本発明の第5実施形態例に係るヒートシンクに使用されるヒートパイプの説明図である。
【
図14】本発明の第6実施形態例に係るヒートシンクの側面断面図である。
【
図15】本発明の第7実施形態例に係るヒートシンクの側面断面図である。
【
図16】本発明の第7実施形態例に係るヒートシンクを説明する底面方向からの斜視図である。
【
図17】本発明の第8実施形態例に係るヒートシンクに設けられたヒートパイプに使用された注入管の説明図である。
【
図18】本発明の第9実施形態例に係るヒートシンクに設けられたヒートパイプに使用された注入管の説明図である。
【
図19】本発明の第9実施形態例に係るヒートシンクに設けられたヒートパイプに使用された注入管を説明する側面断面図である。
【
図20】本発明の第10実施形態例に係るヒートシンクに設けられたヒートパイプに使用された注入管の説明図である。
【
図21】本発明の第10実施形態例に係るヒートシンクに設けられたヒートパイプに使用された注入管を説明する側面図である。
【
図22】本発明の第11実施形態例に係るヒートシンクの熱伝導部材の配置を平面方向から説明する説明図である。
【
図23】本発明の第12実施形態例に係るヒートシンクの熱伝導部材の配置を平面方向から説明する説明図である。
【
図24】本発明の第13実施形態例に係るヒートシンクの放熱フィンの配置を平面方向から説明する説明図である。
【
図25】本発明の第14実施形態例に係るヒートシンクの放熱フィンの配置を平面方向から説明する説明図である。
【
図26】本発明の第15実施形態例に係るヒートシンクの放熱フィンの配置を平面方向から説明する説明図である。
【
図27】本発明の第16実施形態例に係るヒートシンクの側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、本発明の第1実施形態例に係るヒートシンクについて、図面を用いながら説明する。なお、
図1は、本発明の第1実施形態例に係るヒートシンクを説明する斜視図である。
図2は、本発明の第1実施形態例に係るヒートシンクの構造を説明する説明図である。
図3は、本発明の第1実施形態例に係るヒートシンクの熱伝導部材の配置を平面方向から説明する説明図である。
図4は、本発明の第1実施形態例に係るヒートシンクの
図3におけるA-A線の側面断面図である。
【0027】
図1、2に示すように、第1実施形態例に係るヒートシンク1は、平板状のベース部20と、ベース部20の表面に設けられた複数の放熱フィン10、10、10・・・と、を備えている。ベース部20は、第1の面21と第1の面21に対向した第2の面22とを有している。ベース部20の第2の面22上に、発熱体100が熱的に接続される。ベース部20の第1の面21上には、複数の放熱フィン10、10、10・・・が立設されている。
【0028】
ベース部20は、第1の方向L1と第1の方向L1に直交した第2の方向L2とを有する板状部位である。ベース部20の形状は、特に限定されないが、ヒートシンク1では、説明の便宜上、平面視(放熱フィン10と対向した位置から視認した状態)にて四角形状としている。発熱体100が、ベース部20の第2の面22と当接することで、ベース部20は発熱体100と熱的に接続される。従って、ベース部20の第2の面22は、受熱面として機能する。
【0029】
板状である複数の放熱フィン10、10、10・・・が、ベース部20上に立設されている。放熱フィン10は、ベース部20の第1の面21上に、第1の面21の延在方向に対して所定の角度にて立設されている。ヒートシンク1では、放熱フィン10は、第1の面21の延在方向に対して略垂直方向に立設されている。また、それぞれの放熱フィン10は、ベース部20の第2の方向L2の一端から他端まで延在している。ヒートシンク1では、説明の便宜上、放熱フィン10は、ベース部20の第2の方向L2の一端から他端まで略直線状に延在している。それぞれの放熱フィン10は、ベース部20の第2の方向L2に対して略平行方向、第1の方向L1に対して略直交方向に延在している。また、放熱フィン10は、ベース部20の第2の方向L2の一端から他端まで略同じ高さとなっている。
【0030】
複数の放熱フィン10、10、10・・・が、ベース部20の第1の面21上に、所定間隔にて並列配置されて、放熱フィン群11を形成している。ヒートシンク1では、ベース部20の第1の方向L1の一端から他端にわたって複数の放熱フィン10、10、10・・・が並列配置されて、放熱フィン群11を形成している。複数の放熱フィン10、10、10・・・のフィンピッチは、特に限定されず、ヒートシンク1では、放熱フィン群11全体にわたって、複数の放熱フィン10、10、10・・・が略等間隔に並列配置されている。
【0031】
ヒートシンク1では、ベース部20と複数の放熱フィン10、10、10・・・が一体成形されている。すなわち、ベース部20と複数の放熱フィン10、10、10・・・を複合化することで、複数の放熱フィン10、10、10・・・がベース部20上に立設されている態様ではない。従って、ベース部20と複数の放熱フィン10、10、10・・・は一体の部材であり、ベース部20と複数の放熱フィン10、10、10・・・との間には、接合部、接着部、継ぎ目等の境界部は形成されていない。
【0032】
放熱フィン10は、ベース部20の第2の面22上には設けられていない。従って、放熱フィン10は、ベース部20の片面に設けられている。放熱フィン10は、薄い平板状の部位であり、主表面12と側面13を有している。放熱フィン10は、主に、主表面12が放熱フィン10の放熱に寄与する。側面13の幅が、放熱フィン10の厚さを構成する。
【0033】
ベース部20と複数の放熱フィン10、10、10・・・は一体成形されているので、放熱フィン10の材質とベース部20の材質は同じである。放熱フィン10とベース部20の材質は、特に限定されず、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等を挙げることができる。
【0034】
図2、3、4に示すように、ヒートシンク1には、熱伝導部材31の少なくとも一部分が埋設されている。ヒートシンク1では、ベース部20の延在方向に延在した、ブロック状の部位であるブロック部40を有し、ブロック部40に熱伝導部材31が埋設されている。ヒートシンク1では、ブロック部40は、ベース部20の第2の方向L2の一端から他端へ向かって延在している。また、説明の便宜上、ブロック部40は、ベース部20の第2の方向L2の一端から他端へ向かって略直線状に延在している。従って、ブロック部40は、放熱フィン10の延在方向に沿って延在している。
【0035】
ヒートシンク1では、ブロック部40は、ベース部20の第1の面21からベース部20の厚さ方向へ突出した第1の面21の凸部である。放熱フィン群11を構成する放熱フィン10は、ブロック部40上にも立設されている。ブロック部40は、ベース部20及び複数の放熱フィン10、10、10・・・と一体成形されている。従って、ブロック部40は、第1の面21と連続して形成されており、ブロック部40と第1の面21との間には、接合部、接着部、継ぎ目等の境界部は形成されていない。
【0036】
ベース部20の第2の面22には複数の発熱体100、100、100・・・が熱的に接続されていることから、第1の面21の凸部であるブロック部40は、ベース部20の第1の方向L1の一端から他端にわたって複数設けられている。複数のブロック部40、40、40・・・は、所定の間隔にて並列に位置されている。
【0037】
ブロック部40がベース部20の第2の方向L2の一端から他端へ向かって延在していることに対応して、熱伝導部材31は、ベース部20の第2の方向L2の一端から他端へ向かって伸延している。また、ブロック部40がベース部20の第2の方向L2の一端から他端へ向かって略直線状に延在していることに対応して、熱伝導部材31は、ベース部20の第2の方向L2の一端から他端へ向かって略直線状に伸延している。従って、熱伝導部材31は、ベース部20の延在方向に沿って伸延している。また、熱伝導部材31は、放熱フィン10の延在方向に沿って伸延している。すなわち、熱伝導部材31は、放熱フィン10の延在方向に対して略平行方向に伸延している。また、第1の面21の凸部である複数のブロック部40、40、40・・・のそれぞれに、熱伝導部材31が設けられている。従って、複数のブロック部40、40、40・・・が、ベース部20の第1の方向L1の一端から他端にわたって、所定の間隔にて並列に位置されていることに対応して、複数の熱伝導部材31、31、31・・・が、ベース部20の第1の方向L1の一端から他端にわたって、所定の間隔にて並列に位置されている。上記から、複数の熱伝導部材31、31、31・・・が、ベース部20の第1の方向L1方向に沿って、熱伝導部材31の外周面を対向させた状態で並列配置されている。
【0038】
図3、4に示すように、ヒートシンク1では、熱伝導部材31全体が、ヒートシンク1に埋設されている。具体的には、熱伝導部材31全体が、ブロック部40に埋設されている。従って、熱伝導部材31の外面は、ブロック部40から露出していない。すなわち、熱伝導部材31の外面は、ベース部20の外面から露出しておらず、ヒートシンク1の外面からも露出していない。
【0039】
熱伝導部材31は、発熱体100と熱的に接続される受熱部32を有している。また、熱伝導部材31は、受熱部32以外の部位34を有している。熱伝導部材31は、受熱部32にて発熱体100から受熱すると、熱伝導部材31の伸延方向に沿って発熱体100からの熱を受熱部32から受熱部32以外の部位34へ伝導する。なお、熱伝導部材31が、複数の発熱体100、100、100・・・と熱的に接続される場合には、複数の発熱体100、100、100・・・のうち、発熱量の多い発熱体100と熱的に接続される部位が受熱部32として機能する。
【0040】
ヒートシンク1では、熱伝導部材31として熱輸送部材であるヒートパイプ30が設けられている。ヒートパイプ30は、一方の端部と他方の端部が封止された管形状のコンテナ33と、コンテナ33に収容された毛細管力を有するウィック構造体(図示せず)と、コンテナ33の内部空間に封入された水等の作動流体(図示せず)と、を有する。コンテナ33は、その内部空間が密閉された管材である。また、コンテナ33の内部空間は、脱気処理により減圧されている。ヒートパイプ30は、受熱部32は蒸発部として機能し、受熱部32以外の部位34は凝縮部として機能する。
【0041】
コンテナ33の長手方向に対して直交方向(径方向)の形状は、円形状、楕円形状、扁平形状、矩形状等、特に限定されないが、ヒートシンク1では、円形状となっている。
【0042】
ヒートシンク1は鋳造部材であり、熱伝導部材31(ヒートパイプ30)が、鋳包みによってヒートシンク1に埋設されている。ヒートパイプ30がヒートシンク1のブロック部40と一体に鋳包まれて、ヒートパイプ30が第1の面21の凸部であるブロック部40に埋設、固定されている。上記から、ヒートパイプ30は、ベース部20にはんだ接合にて固定されている必要はない。従って、ヒートパイプ30のコンテナ33の外面に、別途、はんだ接合に必要なメッキ層を形成する必要はない。
【0043】
ヒートパイプ30のコンテナ33の材料は、ベース部20の材料と同じでもよく、異なっていてもよい。ヒートパイプ30のコンテナ33の材料としては、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金、ステンレス等を挙げることができる。
【0044】
次に、ヒートパイプ30の内部へ作動流体を注入するために使用される注入管について説明する。
図5は、本発明の第1実施形態例に係るヒートシンクに設けられたヒートパイプに使用された注入管の説明図である。
図6は、本発明の第1実施形態例に係るヒートシンクに設けられたヒートパイプに使用された注入管を説明する側面断面図である。
【0045】
ヒートパイプ30は、コンテナ33の内部空間を減圧処理後、コンテナ33の内部空間と連通し且つコンテナ33から伸延している注入管から、コンテナ33の内部空間へ作動流体を注入し、作動流体の注入後に注入管の所定部を封止して、作動流体をコンテナ33の内部空間に封入することで、作製する。
図5、6に示すように、ヒートパイプ30の内部に作動流体を注入するために使用された、封止された注入管35が、ヒートシンク1の周縁部23よりも内方向に設けられている。従って、封止された注入管35は、ヒートシンク1の周縁部23から外方向へ突出した態様とはなっていない。
【0046】
ヒートシンク1では、封止された注入管35は、ヒートパイプ30の伸延方向に対して鉛直方向へ伸延していることで、ヒートシンク1の周縁部23よりも内方向に設けられている。ヒートシンク1では、封止された注入管35は、ヒートパイプ30のコンテナ33から第2の面22方向へ伸延している。なお、ヒートシンク1では、封止された注入管35の鉛直方向の寸法は、ベース部20の厚さよりも小さい寸法となっている。従って、ヒートシンク1が、冷却対象である発熱体100が搭載された基板に接続されると、封止された注入管35は、ヒートシンク1に発熱体100が搭載された基板が接続された構造体の内部に位置することとなり、前記構造体の外部環境に露出していない態様となる。なお、注入管35の取り付け位置は、特に限定されないが、ヒートシンク1では、封止された注入管35は、コンテナ33の一方の端部に設けられている。また、コンテナ33の一方の端部に設けられている、封止された注入管35の形状は、L字状となっている。
【0047】
次に、ヒートシンク1の使用方法例について説明をする。
図7は、本発明の第1実施形態例に係るヒートシンクの使用方法例を示す説明図である。
【0048】
図7に示すように、筐体102に基板101が格納されており、基板101に搭載された様々な発熱量を有する多数の発熱体100、100、100・・・をヒートシンク1のベース部20に熱的に接続することで、ヒートシンク1は、多数の発熱体100、100、100・・・を冷却することができる。
図7では、基板101は重力方向に沿って延在していることに対応して、ヒートシンク1のベース部20が重力方向に沿って延在し、放熱フィン10が重力方向に沿って延在するように、ヒートシンク1を設置している。ベース部20の受熱面は、多数の発熱体100、100、100・・・の位置と形状に対応した凹部であるシールド部が形成されており、シールド部に発熱体100を収容することで、基板101に搭載された発熱体100を電磁的にシールドし、また、発熱体100をベース部20の受熱面に熱的に接続する。
【0049】
多数の発熱体100、100、100・・・がベース部20の受熱面に熱的に接続されると、多数の発熱体100、100、100・・・からの熱がベース部20へ伝達される。このとき、多数の発熱体100、100、100・・・は、その機能によって、異なる発熱量を有し、また、多数の発熱体100、100、100・・・は、その機能によって、基板101の所定の部位に配置されているので、多数の発熱体100、100、100・・・からの熱がベース部20へ伝達されると、ベース部20の部位によって受熱量が相違する。一方で、第1の面21の凸部であるブロック部40に埋設されているヒートパイプ30は、ベース部20を介して発熱体100と熱的に接続される受熱部32を有している。従って、ヒートパイプ30は、その熱輸送機能によって、発熱体100からの熱を受熱部32である蒸発部から受熱部32以外の部位34である凝縮部へ輸送することで、発熱体100からベース部20へ伝達された熱は、ベース部20全体にわたって拡散していく。ベース部20を拡散していった熱は、ベース部20から放熱フィン10へ伝達され、放熱フィン10へ伝達された熱は、放熱フィン10の熱交換作用によってヒートシンク1の外部へ放出される。なお、放熱フィン10の熱交換作用を促進する冷却風は、送風ファン等の強制冷却手段を用いずとも、例えば、自然対流により、重力方向下方から上方へ向かって発生する。また、必要に応じて、放熱フィン10の熱交換作用を促進させるために、強制冷却手段を用いてもよい。
【0050】
様々な発熱量を有する多数の発熱体100、100、100・・・が搭載された基板101としては、例えば、携帯電話用の基地局に設置される基板等が挙げられる。また、携帯電話用の基地局としては、鉄塔の先端部に取り付けられる基地局が挙げられる。
【0051】
次に、ヒートシンク1の製造方法例について説明する。先ず、ヒートシンク1の形状に対応した金型を用意する。次に、ヒートパイプ30となる、注入管35を有するコンテナ33を、金型の所定の位置に配置する。このとき、コンテナ33の内部空間は、予め、脱気処理をして減圧状態としておく。次に、金型に溶融金属を圧入してヒートシンク1と注入管35を有するコンテナ33を一体化して、注入管35を有するコンテナ33をヒートシンク1に鋳包みによって埋設する。次に、注入管35を介してコンテナ33の内部空間へ水等の作動流体を注入後、注入管35を封止することで、ヒートパイプ30が埋設されたヒートシンク1を得ることができる。その後、必要に応じて、ベース部20の第2の面22に所望のシールド部を形成する。
【0052】
ヒートシンク1では、第1の面21と第1の面21に対向した第2の面22とを有し、第2の面22に発熱体100が熱的に接続されるベース部20と、ベース部20の第1の面21に立設された放熱フィン10と、を備え、ベース部20と放熱フィン10が一体成形されているので、ベース部20と放熱フィン10との間の接触抵抗が抑制されて、ベース部20と放熱フィン10との間の熱的接続性が向上する。従って、ヒートシンク1では、様々な発熱量を有する多数の発熱体100がヒートシンク1のベース部20に熱的に接続されても、ベース部20から放熱フィン10への熱伝達が円滑化される。また、ヒートシンク1では、第1の面21の凸部であるブロック部40に熱伝導部材31(ヒートシンク1では、ヒートパイプ30)の少なくとも一部が埋設されているので、ベース部20の第2の面22にシールド部が形成されていても、熱伝導部材31(ヒートパイプ30)の配置の自由度に優れ、また、ヒートシンク1における熱伝導部材31(ヒートパイプ30)の熱的接続性に優れている。従って、ヒートシンク1では、様々な発熱量を有する多数の発熱体(例えば、電子部品)100がヒートシンク1のベース部20に熱的に接続されても、熱伝導部材31(ヒートパイプ30)によってベース部20全体にわたって熱が拡散されてベース部20全体が均熱化されることから、ヒートシンク1のベース部20の均熱性を保つことができ、放熱フィン10全体においてベース部20からの熱伝達が均等化される。従って、ヒートシンク1では、放熱フィン10全体における熱的負荷を均一化して放熱フィン10のフィン効率を向上させる。上記から、ヒートシンク1では、様々な発熱量を有する多数の発熱体100が熱的に接続されても放熱特性が向上する。
【0053】
また、ヒートシンク1では、ベース部20と放熱フィン10が一体成形されていることから、ヒートシンク1が屋外に設置されてもベース部20と放熱フィン10との間に雨水や埃等が侵入することを防止できるので、優れた耐久性を有する。
【0054】
特に、ヒートシンク1では、ベース部20の延在方向に延在したブロック部40を有し、ブロック部40に熱伝導部材31(ヒートパイプ30)が埋設されていることにより、熱伝導部材31(ヒートパイプ30)の埋設部位を確実に確保することができる。
【0055】
特に、ヒートシンク1では、ブロック部40が、ベース部20の第1の面21からベース部20の厚さ方向へ突出した第1の面21の凸部であることにより、熱伝導部材31の熱伝導機能(ヒートパイプ30の熱輸送機能)によってベース部20全体が確実に均熱化されて放熱フィン10全体においてベース部20からの熱伝達が確実に均等化される。従って、ヒートシンク1では、放熱フィン10全体における熱的負荷をさらに均一化して放熱フィン10のフィン効率をさらに向上させることができ、また、放熱フィン10の熱交換機能を確実に向上させることができる。
【0056】
特に、ヒートシンク1では、熱伝導部材31(ヒートパイプ30)全体がヒートシンク1に埋設されていることにより、ヒートシンク1における熱伝導部材31(ヒートパイプ30)の熱的接続性がさらに向上する。
【0057】
特に、ヒートシンク1では、熱伝導部材31としてヒートパイプ30が使用されていることにより、熱伝導部材31は優れた熱輸送特性を備えているので、放熱フィン10全体における熱的負荷をさらに均一化して放熱フィン10のフィン効率をさらに向上させることができる。
【0058】
特に、ヒートシンク1では、ヒートシンク1が鋳造部材であり、熱伝導部材31(ヒートパイプ30)が鋳包みによってヒートシンク1に埋設されていることにより、ヒートシンク1における熱伝導部材31(ヒートパイプ30)の熱的接続性がさらに向上する。
【0059】
特に、ヒートシンク1では、ヒートパイプ30の封止された注入管35がヒートシンク1の周縁部23よりも内方向に設けられていることにより、ヒートシンク1が風雨等に曝される外部環境に設置されてもヒートパイプ30の腐食が防止されるので、ヒートシンク1の耐久性が向上する。
【0060】
特に、ヒートシンク1では、ヒートパイプ30が扁平型ヒートパイプであることにより、ヒートシンク1の小型化に寄与できる。
【0061】
次に、本発明の第2実施形態例に係るヒートシンクについて、図面を用いながら説明する。第2実施形態例に係るヒートシンクは、第1実施形態例に係るヒートシンクと主要な構成要素は共通しているので、第1実施形態例に係るヒートシンクと同じ構成要素については同じ符号を用いて説明する。なお、
図8は、本発明の第2実施形態例に係るヒートシンクの側面断面図である。
【0062】
第1実施形態例に係るヒートシンク1では、ヒートパイプ30のコンテナ33の長手方向に対して直交方向(径方向)の形状は、円形状となっていたが、それに代えて、
図8に示すように、第2実施形態例に係るヒートシンク2では、ヒートパイプ30のコンテナ33の長手方向に対して直交方向(径方向)の形状は、扁平形状となっている。ヒートシンク2では、ヒートパイプ30は、コンテナ33が扁平加工された扁平型ヒートパイプである。
【0063】
このように、本発明のヒートシンクでは、ヒートパイプ30のコンテナ33の径方向の形状は、特に限定されず、ヒートシンクの使用条件等に応じて、適宜、選択可能である。
【0064】
ヒートシンク2でも、ベース部20と放熱フィン10が一体成形されているので、ベース部20と放熱フィン10との間の接触抵抗が抑制されて、ベース部20と放熱フィン10との間の熱的接続性が向上する。従って、ヒートシンク2でも、様々な発熱量を有する多数の発熱体100がヒートシンク2のベース部20に熱的に接続されても、ベース部20から放熱フィン10への熱伝達が円滑化される。また、ヒートシンク2でも、第1の面21の凸部であるブロック部40にヒートパイプ30の少なくとも一部が埋設されているので、ベース部20の第2の面22にシールド部が形成されていても、ヒートパイプ30の配置の自由度に優れ、また、ヒートシンク2におけるヒートパイプ30の熱的接続性に優れている。従って、ヒートシンク2でも、様々な発熱量を有する多数の発熱体100がヒートシンク2のベース部20に熱的に接続されても、ヒートパイプ30によってベース部20全体にわたって熱が拡散されてベース部20全体が均熱化されて放熱フィン10全体においてベース部20からの熱伝達が均等化される。従って、ヒートシンク2でも、放熱フィン10全体における熱的負荷を均一化して放熱フィン10のフィン効率を向上させる。上記から、ヒートシンク2でも、様々な発熱量を有する多数の発熱体100が熱的に接続されても放熱特性が向上する。
【0065】
次に、本発明の第3実施形態例に係るヒートシンクについて、図面を用いながら説明する。第3実施形態例に係るヒートシンクは、第1~第2実施形態例に係るヒートシンクと主要な構成要素は共通しているので、第1~第2実施形態例に係るヒートシンクと同じ構成要素については同じ符号を用いて説明する。なお、
図9は、本発明の第3実施形態例に係るヒートシンクの側面断面図である。
【0066】
第1~第2実施形態例に係るヒートシンク1、2では、ヒートパイプ30が埋設されているブロック部40は第1の面21の凸部であったが、それに代えて、
図9に示すように、第3実施形態例に係るヒートシンク3では、放熱フィン10が、放熱フィン10の高さ方向の先端部15とベース部20からの立ち上がり開始部である基部16とを有し、ヒートパイプ30が埋設されているブロック部40が、放熱フィン10の先端部15と基部16との間の中間部17に設けられている。ヒートシンク3では、それぞれのブロック部40は、複数の放熱フィン10、10、10・・・に跨がって形成されている。
【0067】
ヒートシンク3では、ヒートパイプ30が埋設されているブロック部40が放熱フィン10の先端部15と基部16との間の中間部17に設けられていることにより、ヒートパイプ30の熱輸送機能によって放熱フィン10全体が確実に均熱化される。ヒートシンク3では、複数の放熱フィン10、10、10・・・には、ブロック部40が設けられている放熱フィン10と、ブロック部40が設けられていない放熱フィン10が存在する。複数の放熱フィン10、10、10・・・のうち、発熱体100の配置状況や発熱体100の発熱量に応じて、放熱フィン10全体にわたっての均熱化が難しい放熱フィン10にブロック部40が設けられている。
【0068】
ヒートシンク3でも、ベース部20と放熱フィン10が一体成形されているので、ベース部20と放熱フィン10との間の接触抵抗が抑制されて、ベース部20と放熱フィン10との間の熱的接続性が向上する。また、ヒートパイプ30が埋設されているブロック部40が放熱フィン10の中間部17に設けられているので、ベース部20の第2の面22にシールド部が形成されていても、ヒートパイプ30の配置の自由度に優れ、また、ヒートシンク3におけるヒートパイプ30の熱的接続性に優れている。従って、ヒートシンク3でも、様々な発熱量を有する多数の発熱体100がヒートシンク3のベース部20に熱的に接続されても、ヒートパイプ30によって放熱フィン10全体が確実に均熱化されることから、放熱フィン10全体における熱的負荷を均一化して放熱フィン10のフィン効率を向上させることができる。上記から、ヒートシンク3でも、様々な発熱量を有する多数の発熱体100が熱的に接続されても放熱特性が向上する。
【0069】
次に、本発明の第4実施形態例に係るヒートシンクについて、図面を用いながら説明する。第4実施形態例に係るヒートシンクは、第1~第3実施形態例に係るヒートシンクと主要な構成要素は共通しているので、第1~第3実施形態例に係るヒートシンクと同じ構成要素については同じ符号を用いて説明する。なお、
図10は、本発明の第4実施形態例に係るヒートシンクの側面断面図である。
図11は、本発明の第4実施形態例に係るヒートシンクを説明する底面方向からの斜視図である。
【0070】
第1~第3実施形態例に係るヒートシンク1、2、3では、熱伝導部材としてヒートパイプ30が使用されていたが、これに代えて、
図10、11に示すように、第4実施形態例に係るヒートシンク4では、熱伝導部材として、熱輸送部材であるベーパーチャンバ50が使用されている。
【0071】
ベーパーチャンバ50は、一方の板状体と他方の板状体を有する積層体の周縁部が封止された平面型のコンテナ53と、コンテナ53に収容された毛細管力を有するウィック構造体(図示せず)と、コンテナ53の内部空間に封入された水等の作動流体(図示せず)と、を有する。薄板形状であるコンテナ53は、その内部空間が密閉された部材である。また、コンテナ53の内部空間は、脱気処理により減圧されている。ベーパーチャンバ50は、受熱部は蒸発部として機能し、受熱部以外の部位は凝縮部として機能する。
【0072】
ベーパーチャンバ50のコンテナ53の材料は、ベース部20の材料と同じでもよく、異なっていてもよい。ベーパーチャンバ50のコンテナ53の材料としては、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金、ステンレス等を挙げることができる。
【0073】
また、ヒートシンク4でも、ベーパーチャンバ50の内部に作動流体を注入するために使用された、封止された注入管(図示せず)が、ヒートシンク4の周縁部よりも内方向に設けられている。また、ヒートシンク4でも、封止された注入管は、ベーパーチャンバ50の延在方向に対して鉛直方向へ伸延していることで、ヒートシンク4の周縁部よりも内方向に設けられている。
【0074】
また、第1~第3実施形態例に係るヒートシンク1、2、3では、ヒートパイプ30が埋設されているブロック部40が設けられていたが、これに代えて、
図10、11に示すように、第4実施形態例に係るヒートシンク4では、熱伝導部材であるベーパーチャンバ50が、ベース部20に埋設されている。従って、ヒートシンク4では、熱伝導部材を埋設するためのブロック部は形成されていない。ヒートシンク4は、鋳造部材であり、ベーパーチャンバ50が、鋳包みによってヒートシンク4に埋設されている。ベーパーチャンバ50がヒートシンク4のベース部20と一体に鋳包まれて、ベーパーチャンバ50がベース部20に埋設、固定されている。
【0075】
また、第1~第3実施形態例に係るヒートシンク1、2、3では、熱輸送部材であるヒートパイプ30全体が、ブロック部40に埋設されていたが、これに代えて、
図10、11に示すように、第4実施形態例に係るヒートシンク4では、ベーパーチャンバ50の少なくとも一部領域が、ベース部20の第2の面22から露出している露出部51を有し、露出部51が、発熱体100と直接接触する態様となっている。
【0076】
ヒートシンク4では、ベーパーチャンバ50が、ベース部20の厚さ方向に突出した突出部52を有し、突出部52により露出部51が形成されている。具体的には、突出部52の平坦面となっている先端が、露出部51となっている。ヒートシンク4では、コンテナ53の一部領域に凸部である突出部52が形成され、コンテナ53の一部領域がベース部20の第2の面22から露出している。突出部52の内部は空間であり、コンテナ53の内部空間と連通している。ベーパーチャンバ50に形成される突出部52の個数は、一つでも複数でもよく、ヒートシンク4では、複数(2個)設けられている。
【0077】
ヒートシンク4でも、ベース部20と放熱フィン10が一体成形されているので、ベース部20と放熱フィン10との間の接触抵抗が抑制されて、ベース部20と放熱フィン10との間の熱的接続性が向上する。従って、ヒートシンク4でも、様々な発熱量を有する多数の発熱体100がヒートシンク4のベース部20に熱的に接続されても、ベース部20から放熱フィン10への熱伝達が円滑化される。また、ヒートシンク4では、ベース部20に薄板状のベーパーチャンバ50が埋設されているので、ベース部20の第2の面22にシールド部が形成されていても、ベーパーチャンバ50の配置の自由度に優れ、また、ヒートシンク4におけるベーパーチャンバ50の熱的接続性に優れている。従って、ヒートシンク4でも、様々な発熱量を有する多数の発熱体100がヒートシンク4のベース部20に熱的に接続されても、ベーパーチャンバ50の熱輸送特性によってベース部20全体にわたって熱が拡散されてベース部20全体が均熱化されて放熱フィン10全体においてベース部20からの熱伝達が均等化される。従って、ヒートシンク4でも、放熱フィン10全体における熱的負荷を均一化して放熱フィン10のフィン効率を向上させる。上記から、ヒートシンク4でも、様々な発熱量を有する多数の発熱体100が熱的に接続されても放熱特性が向上する。
【0078】
特に、ヒートシンク4では、熱伝導部材であるベーパーチャンバ50が、ベース部20に埋設されていることにより、ベーパーチャンバ50の熱輸送機能によってベース部20全体が円滑に均熱化されて放熱フィン10全体においてベース部20からの熱伝達が均等化されるので、放熱フィン10全体における熱的負荷をさらに均一化して放熱フィン10のフィン効率をさらに向上させることができる。
【0079】
特に、ヒートシンク4では、ベーパーチャンバ50の一部領域がベース部20の第2の面22から露出している露出部51を有し、露出部51が発熱体100と直接接触することが可能であることにより、発熱体100とベーパーチャンバ50との間の熱的接続性がさらに向上するので、ヒートシンク4の放熱特性がさらに向上する。
【0080】
次に、本発明の第5実施形態例に係るヒートシンクについて、図面を用いながら説明する。第5実施形態例に係るヒートシンクは、第1~第4実施形態例に係るヒートシンクと主要な構成要素は共通しているので、第1~第4実施形態例に係るヒートシンクと同じ構成要素については同じ符号を用いて説明する。なお、
図12は、本発明の第5実施形態例に係るヒートシンクの側面断面図である。
図13は、本発明の第5実施形態例に係るヒートシンクに使用されるヒートパイプの説明図である。
【0081】
上記した第1、第2実施形態例に係るヒートシンク1、2では、第1の面21の凸部であるブロック部40がベース部20の第2の方向L2の一端から他端へ向かって略直線状に延在していることに対応して、ヒートパイプ30は、ベース部20の第2の方向L2の一端から他端へ向かって略直線状に伸延していた。これに代えて、
図12、13に示すように、第5実施形態例に係るヒートシンク5では、熱伝導部材であるヒートパイプ70が、ベース部20の厚さ方向に曲げられた段差部62を有しており、段差部62によって、ベース部20の第2の面22から露出している、ヒートパイプ70の露出部61が形成されている。ヒートシンク5では、段差部62は、ヒートパイプ70の長手方向の中央部73に形成されている。ヒートパイプ70の一方の端部71と他方の端部72には、段差部は形成されておらず、ヒートパイプ70の一方の端部71と他方の端部72は、略直線状に伸延している。
【0082】
また、ヒートシンク5では、第1の面21の凸部であるブロック部40に加えて、さらに、ベース部20の第2の面22からベース部20の厚さ方向へ突出した第2の面22の凸部であるブロック部60が設けられている。ヒートパイプ70のうち、ヒートパイプ70の一方の端部71と他方の端部72は、第1の面21の凸部であるブロック部40に埋設され、ヒートパイプ70の長手方向の中央部73に位置する段差部62は、第2の面22の凸部であるブロック部60に埋設されている。ヒートパイプ70の一方の端部71から中央部73へ向かうに従って、ヒートパイプ70は、第1の面21の凸部であるブロック部40から第2の面22の凸部であるブロック部60へ向かって伸延する。また、ヒートパイプ70の中央部73から他方の端部72へ向かうに従って、ヒートパイプ70は、第2の面22の凸部であるブロック部60から第1の面21の凸部であるブロック部40へ向かって伸延する。従って、ヒートパイプ70の中央部73の領域が、第2の面22の凸部(ブロック部60)から露出している露出部61を有し、露出部61が、発熱体100と直接接触する。
【0083】
段差部62の段差の程度は、ヒートパイプ70の一方の端部71と他方の端部72が埋設されている部位の第2の面22に対する高さに応じて、適宜選択可能である。従って、ブロック部60を設けずに、ヒートパイプ70の中央部73の領域が、第2の面22から露出している露出部61を有し、露出部61が、発熱体100と直接接触してもよい。
【0084】
ヒートシンク5では、段差部62によって露出部61が形成されているヒートパイプ70と、第1の面21の凸部であるブロック部40に埋設されており露出部が形成されていない、略直線状に伸延しているヒートパイプ30が設けられている。ヒートシンク5では、ヒートパイプ70の長手方向に対して直交方向(径方向)の形状は、円形となっている。また、ヒートパイプ30の長手方向に対して直交方向(径方向)の形状も、円形となっている。
【0085】
ヒートシンク5でも、ベース部20と放熱フィン10が一体成形されているので、ベース部20と放熱フィン10との間の接触抵抗が抑制されて、ベース部20と放熱フィン10との間の熱的接続性が向上する。また、ヒートシンク5でも、第1の面21の凸部であるブロック部40にヒートパイプ70の一方の端部71と他方の端部72が埋設されているので、ベース部20の第2の面22にシールド部が形成されていても、ヒートパイプ70の配置の自由度に優れ、また、ヒートシンク5におけるヒートパイプ30、70の熱的接続性に優れている。従って、ヒートシンク5でも、様々な発熱量を有する多数の発熱体100がヒートシンク5のベース部20に熱的に接続されても、ヒートパイプ30、70によってベース部20全体にわたって熱が拡散されてベース部20全体が均熱化されて放熱フィン10全体においてベース部20からの熱伝達が均等化される。従って、ヒートシンク5でも、放熱フィン10全体における熱的負荷を均一化して放熱フィン10のフィン効率を向上させる。
【0086】
特に、ヒートシンク5では、ヒートパイプ70の一部領域がベース部20の第2の面22から露出している露出部61を有し、露出部61が発熱体100と直接接触することが可能であることにより、発熱体100とヒートパイプ70との間の熱的接続性がさらに向上するので、ヒートシンク5の放熱特性がさらに向上する。
【0087】
次に、本発明の第6実施形態例に係るヒートシンクについて、図面を用いながら説明する。第6実施形態例に係るヒートシンクは、第1~第5実施形態例に係るヒートシンクと主要な構成要素は共通しているので、第1~第5実施形態例に係るヒートシンクと同じ構成要素については同じ符号を用いて説明する。なお、
図14は、本発明の第6実施形態例に係るヒートシンクの側面断面図である。
【0088】
第5実施形態例に係るヒートシンク5では、ヒートパイプ30、70の長手方向に対して直交方向(径方向)の形状は円形であったが、これに代えて、
図14に示すように、第6実施形態例に係るヒートシンク6では、長手方向の中央部73に段差部62を有するヒートパイプ70の径方向の形状は扁平形状であり、段差部を有さず略直線状に伸延しているヒートパイプ30の径方向の形状は扁平形状となっている。従って、ヒートパイプ30、70は、いずれも、コンテナが扁平加工された扁平型ヒートパイプである。
【0089】
このように、本発明のヒートシンクでは、段差部62を有するヒートパイプ70の径方向の形状は、特に限定されず、ヒートシンクの使用条件等に応じて、適宜、選択可能である。
【0090】
ヒートシンク6でも、ベース部20と放熱フィン10が一体成形されているので、ベース部20と放熱フィン10との間の接触抵抗が抑制されて、ベース部20と放熱フィン10との間の熱的接続性が向上する。また、ヒートシンク6でも、第1の面21の凸部であるブロック部40にヒートパイプ70の一方の端部71と他方の端部72が埋設されているので、ベース部20の第2の面22にシールド部が形成されていても、ヒートパイプ70の配置の自由度に優れ、また、ヒートシンク6におけるヒートパイプ30、70の熱的接続性に優れている。従って、ヒートシンク6でも、様々な発熱量を有する多数の発熱体100がヒートシンク6のベース部20に熱的に接続されても、ヒートパイプ30、70によってベース部20全体にわたって熱が拡散されてベース部20全体が均熱化されて放熱フィン10全体においてベース部20からの熱伝達が均等化される。従って、ヒートシンク6でも、放熱フィン10全体における熱的負荷を均一化して放熱フィン10のフィン効率を向上させる。
【0091】
次に、本発明の第7実施形態例に係るヒートシンクについて、図面を用いながら説明する。第7実施形態例に係るヒートシンクは、第1~第6実施形態例に係るヒートシンクと主要な構成要素は共通しているので、第1~第6実施形態例に係るヒートシンクと同じ構成要素については同じ符号を用いて説明する。なお、
図15は、本発明の第7実施形態例に係るヒートシンクの側面断面図である。
図16は、本発明の第7実施形態例に係るヒートシンクを説明する底面方向からの斜視図である。
【0092】
第4実施形態例に係るヒートシンク4では、ベーパーチャンバ50の一部領域が、ベース部20の厚さ方向に突出した突出部52を有し、突出部52により露出部51が形成されていたが、
図15、16に示すように、第7実施形態例に係るヒートシンク7では、ベーパーチャンバ50は突出部を有しておらず、ベーパーチャンバ50全体が平坦な形状となっている。従って、ヒートシンク7では、ベーパーチャンバ50には、露出部が形成されていない。
【0093】
ヒートシンク7では、ベーパーチャンバ50全体が、ベース部20に埋設されている。従って、ヒートシンク7では、熱伝導部材を埋設するためのブロック部は形成されていない。上記から、ヒートシンク7では、ベーパーチャンバ50は、発熱体100に直接接触する態様ではない。
【0094】
ヒートシンク7でも、ベース部20と放熱フィン10が一体成形されているので、ベース部20と放熱フィン10との間の接触抵抗が抑制されて、ベース部20と放熱フィン10との間の熱的接続性が向上する。また、ヒートシンク7では、ベース部20に薄板状のベーパーチャンバ50が埋設されているので、ベース部20の第2の面22にシールド部が形成されていても、ベーパーチャンバ50の配置の自由度に優れ、また、ヒートシンク7におけるベーパーチャンバ50の熱的接続性に優れている。従って、ヒートシンク7でも、様々な発熱量を有する多数の発熱体100がヒートシンク7のベース部20に熱的に接続されても、ベーパーチャンバ50によってベース部20全体にわたって熱が拡散されてベース部20全体が均熱化されて放熱フィン10全体においてベース部20からの熱伝達が均等化される。従って、ヒートシンク7でも、放熱フィン10全体における熱的負荷を均一化して放熱フィン10のフィン効率を向上させる。
【0095】
次に、本発明の第8実施形態例に係るヒートシンクについて、図面を用いながら説明する。第8実施形態例に係るヒートシンクは、第1~第7実施形態例に係るヒートシンクと主要な構成要素は共通しているので、第1~第7実施形態例に係るヒートシンクと同じ構成要素については同じ符号を用いて説明する。なお、
図17は、本発明の第8実施形態例に係るヒートシンクに設けられたヒートパイプに使用された注入管の説明図である。
【0096】
第1実施形態例に係るヒートシンク1では、ヒートパイプ30の内部に作動流体を注入するために使用された、封止された注入管35が、ヒートシンク1の周縁部23よりも内方向に設けられていたが、これに代えて、
図17に示すように、第8実施形態例に係るヒートシンク8では、封止された注入管35が、ヒートシンク1の周縁部23よりも外方向に伸延している。従って、封止された注入管35は、ヒートシンク1の周縁部23から外方向へ突出した態様となっている。
【0097】
また、第1実施形態例に係るヒートシンク1では、封止された注入管35の鉛直方向の寸法は、ベース部20の厚さよりも小さい寸法となっていたが、これに代えて、
図17に示すように、第8実施形態例に係るヒートシンク8では、封止された注入管35の鉛直方向の寸法は、ベース部20の厚さよりも大きい寸法となっている。ヒートシンク8では、封止された注入管35は、ヒートパイプ30のコンテナ33からベース部20の第2の面22方向へ伸延し、第2の面22の位置からベース部20の厚さ方向に突出している。
【0098】
ヒートシンク8では、封止された注入管35の先端部は外部環境に露出する可能性があるので、必要に応じて、注入管35の外面に耐食性を付与させる。注入管35の外面に耐食性を付与させる手段としては、例えば、耐食性を有する有機溶剤等を注入管35の外面に塗布することが挙げられる。このように、封止された注入管35は、ヒートシンクから外部環境に露出する態様としても、外部環境に露出しない態様としてもよい。
【0099】
次に、本発明の第9実施形態例に係るヒートシンクについて、図面を用いながら説明する。第9実施形態例に係るヒートシンクは、第1~第8実施形態例に係るヒートシンクと主要な構成要素は共通しているので、第1~第8実施形態例に係るヒートシンクと同じ構成要素については同じ符号を用いて説明する。なお、
図18は、本発明の第9実施形態例に係るヒートシンクに設けられたヒートパイプに使用された注入管の説明図である。
図19は、本発明の第9実施形態例に係るヒートシンクに設けられたヒートパイプに使用された注入管を説明する側面断面図である。
【0100】
第1実施形態例に係るヒートシンク1では、封止された注入管35は、略直線状に伸延しているヒートパイプ30のコンテナ33の一方の端部から第2の面22方向へ伸延していたが、これに代えて、
図18、19に示すように、第9実施形態例に係るヒートシンク9では、ヒートパイプ30のコンテナ33は、ベース部20の延在方向に沿って略直線状に伸延している中央部及び他方の端部とベース部20の厚さ方向に伸延した一方の端部とを有し、コンテナ33の一方の端部の端面は第2の面22から露出している。封止された注入管35は、コンテナ33の一方の端部の端面から、第2の面22の延在方向に対して鉛直方向へ伸延し、封止された注入管35全体が第2の面22から突出している。
【0101】
このように、封止された注入管35は、ヒートシンク9の周縁部23よりも内方向に設けられ、封止された注入管35全体が、ベース部20の外側に位置している態様としてもよい。
【0102】
ヒートシンク9でも、ベース部20と放熱フィン10が一体成形されているので、ベース部20と放熱フィン10との間の接触抵抗が抑制されて、ベース部20と放熱フィン10との間の熱的接続性が向上する。従って、ヒートシンク9でも、様々な発熱量を有する多数の発熱体100がヒートシンク9のベース部20に熱的に接続されても、ベース部20から放熱フィン10への熱伝達が円滑化される。また、ヒートシンク9でも、ヒートパイプ30の少なくとも一部が埋設されているので、ベース部20の第2の面22にシールド部が形成されていても、ヒートパイプ30の配置の自由度に優れ、また、ヒートシンク9におけるヒートパイプ30の熱的接続性に優れている。従って、ヒートシンク9でも、様々な発熱量を有する多数の発熱体100がヒートシンク9のベース部20に熱的に接続されても、ヒートパイプ30によってベース部20全体にわたって熱が拡散されてベース部20全体が均熱化されて放熱フィン10全体においてベース部20からの熱伝達が均等化される。従って、ヒートシンク9でも、放熱フィン10全体における熱的負荷を均一化して放熱フィン10のフィン効率を向上させる。上記から、ヒートシンク9でも、様々な発熱量を有する多数の発熱体100が熱的に接続されても放熱特性が向上する。
【0103】
また、ヒートシンク9でも、ヒートパイプ30の封止された注入管35がヒートシンク9の周縁部23よりも内方向に設けられていることにより、ヒートシンク9に発熱体100が搭載された基板が接続された構造体の内部に、封止された注入管35が位置することとなる。従って、封止された注入管35は、前記構造体の外部環境に露出していない態様となる。上記から、ヒートシンク9が風雨等に曝される外部環境に設置されても、ヒートパイプ30のコンテナ33及び封止された注入管35の腐食が防止されるので、ヒートシンク9の耐久性が向上する。
【0104】
次に、本発明の第10実施形態例に係るヒートシンクについて、図面を用いながら説明する。第10実施形態例に係るヒートシンクは、第1~第9実施形態例に係るヒートシンクと主要な構成要素は共通しているので、第1~第9実施形態例に係るヒートシンクと同じ構成要素については同じ符号を用いて説明する。なお、
図20は、本発明の第10実施形態例に係るヒートシンクに設けられたヒートパイプに使用された注入管の説明図である。
図21は、本発明の第10実施形態例に係るヒートシンクに設けられたヒートパイプに使用された注入管を説明する側面図である。
【0105】
第9実施形態例に係るヒートシンク9では、ヒートパイプ30のコンテナ33はベース部20の厚さ方向に伸延した一方の端部を有し、コンテナ33の一方の端部の端面は第2の面22から露出していた。これに代えて、
図20、21に示すように、第10実施形態例に係るヒートシンク80では、ヒートパイプ30のコンテナ33はベース部20の延在方向に沿って略直線状に伸延しており、コンテナ33の一方の端部の端面はヒートシンク80の周縁部23から露出している。封止された注入管35は、コンテナ33の一方の端部の端面から、第2の面22の延在方向に対して平行方向へ伸延し、封止された注入管35全体がヒートシンク80の周縁部23から突出している。
【0106】
このように、封止された注入管35は、ヒートシンク80の周縁部23よりも外方向に設けられ、封止された注入管35全体が、周縁部23の外側に位置している態様としてもよい。ヒートシンク80では、封止された注入管35は外部環境に露出する可能性があるので、必要に応じて、注入管35の外面に耐食性を付与させる。注入管35の外面に耐食性を付与させる手段としては、例えば、耐食性を有する有機溶剤等を注入管35の外面に塗布することが挙げられる。
【0107】
ヒートシンク80でも、ベース部20と放熱フィン10が一体成形されているので、ベース部20と放熱フィン10との間の接触抵抗が抑制されて、ベース部20と放熱フィン10との間の熱的接続性が向上する。従って、ヒートシンク80でも、様々な発熱量を有する多数の発熱体100がヒートシンク80のベース部20に熱的に接続されても、ベース部20から放熱フィン10への熱伝達が円滑化される。また、ヒートシンク80でも、ヒートパイプ30の少なくとも一部が埋設されているので、ベース部20の第2の面22にシールド部が形成されていても、ヒートパイプ30の配置の自由度に優れ、また、ヒートシンク80におけるヒートパイプ30の熱的接続性に優れている。従って、ヒートシンク80でも、様々な発熱量を有する多数の発熱体100がヒートシンク80のベース部20に熱的に接続されても、ヒートパイプ30によってベース部20全体にわたって熱が拡散されてベース部20全体が均熱化されて放熱フィン10全体においてベース部20からの熱伝達が均等化される。従って、ヒートシンク80でも、放熱フィン10全体における熱的負荷を均一化して放熱フィン10のフィン効率を向上させる。上記から、ヒートシンク80でも、様々な発熱量を有する多数の発熱体100が熱的に接続されても放熱特性が向上する。
【0108】
次に、本発明の第11実施形態例に係るヒートシンクについて、図面を用いながら説明する。第11実施形態例に係るヒートシンクは、第1~第10実施形態例に係るヒートシンクと主要な構成要素は共通しているので、第1~第10実施形態例に係るヒートシンクと同じ構成要素については同じ符号を用いて説明する。なお、
図22は、本発明の第11実施形態例に係るヒートシンクの熱伝導部材の配置を平面方向から説明する説明図である。
【0109】
第1実施形態例に係るヒートシンク1では、熱伝導部材31は、放熱フィン10の延在方向に沿って伸延していたが、これに代えて、
図22に示すように、第11実施形態例に係るヒートシンク81では、長手方向の形状が略直線状である熱伝導部材31は、放熱フィン10の延在方向に対して、所定の角度にて伸延している。従って、ヒートシンク81では、熱伝導部材31は、放熱フィン10の延在方向に対して平行方向には伸延していない。
【0110】
熱伝導部材31の放熱フィン10の延在方向に対する角度は、特に限定されないが、ヒートシンク81では、熱伝導部材31は、放熱フィン10の延在方向に対して略直交方向に沿って伸延している。ヒートシンク81でも、熱伝導部材31として、例えば、ヒートパイプ30が挙げられる。ヒートシンク81では、複数のヒートパイプ30、30、30・・・が、放熱フィン10の延在方向に沿って並列に配置されている。
【0111】
このように、本発明のヒートシンクでは、発熱体100の位置等に応じて、ベース部20全体を均熱化させるための熱伝導部材31の配置は、適宜選択可能である。
【0112】
ヒートシンク81でも、ベース部20と放熱フィン10が一体成形されているので、ベース部20と放熱フィン10との間の接触抵抗が抑制されて、ベース部20と放熱フィン10との間の熱的接続性が向上する。従って、ヒートシンク81でも、様々な発熱量を有する多数の発熱体100がヒートシンク81のベース部20に熱的に接続されても、ベース部20から放熱フィン10への熱伝達が円滑化される。また、ヒートシンク81でも、ヒートパイプ30の少なくとも一部が埋設されているので、ベース部20の第2の面22にシールド部が形成されていても、ヒートパイプ30の配置の自由度に優れ、また、ヒートシンク81におけるヒートパイプ30の熱的接続性に優れている。従って、ヒートシンク81でも、様々な発熱量を有する多数の発熱体100がヒートシンク81のベース部20に熱的に接続されても、ヒートパイプ30によってベース部20全体にわたって熱が拡散されてベース部20全体が均熱化されて放熱フィン10全体においてベース部20からの熱伝達が均等化される。従って、ヒートシンク81でも、放熱フィン10全体における熱的負荷を均一化して放熱フィン10のフィン効率を向上させる。上記から、ヒートシンク81でも、様々な発熱量を有する多数の発熱体100が熱的に接続されても放熱特性が向上する。
【0113】
次に、本発明の第12実施形態例に係るヒートシンクについて、図面を用いながら説明する。第12実施形態例に係るヒートシンクは、第1~第11実施形態例に係るヒートシンクと主要な構成要素は共通しているので、第1~第11実施形態例に係るヒートシンクと同じ構成要素については同じ符号を用いて説明する。なお、
図23は、本発明の第12実施形態例に係るヒートシンクの熱伝導部材の配置を平面方向から説明する説明図である。
【0114】
第1実施形態例に係るヒートシンク1では、熱伝導部材31は、長手方向の形状が略直線状の形状であり、放熱フィン10の延在方向に沿って伸延していたが、これに代えて、
図23に示すように、第12実施形態例に係るヒートシンク82では、熱伝導部材31の長手方向の形状は、曲げ部を有する形状となっている。曲げ部を有する形状としては、平面視コ字状、L字状、U字状等、特に限定されないが、ヒートシンク82では、説明の便宜上、コ字状としている。
【0115】
ヒートシンク82では、熱伝導部材31は、放熱フィン10の延在方向に沿って略直線状に伸延している中央部93と、放熱フィン10の延在方向に対して所定の角度にて略直線状に伸延している一方の端部91及び他方の端部92と、を有している。なお、ヒートシンク82では、熱伝導部材31の一方の端部91と他方の端部92は、放熱フィン10の延在方向に対して略直交方向に沿って伸延している。ヒートシンク82でも、熱伝導部材31として、例えば、ヒートパイプ30が挙げられる。また、ヒートシンク82では、複数のヒートパイプ30、30、30・・・が、中央部93同士が対向する態様にて配置されている。
【0116】
このように、本発明のヒートシンクでは、発熱体100の位置等に応じて、ベース部20全体を均熱化させるための熱伝導部材31の形状は、適宜選択可能である。
【0117】
ヒートシンク82でも、ベース部20と放熱フィン10が一体成形されているので、ベース部20と放熱フィン10との間の接触抵抗が抑制されて、ベース部20と放熱フィン10との間の熱的接続性が向上する。従って、ヒートシンク82でも、様々な発熱量を有する多数の発熱体100がヒートシンク82のベース部20に熱的に接続されても、ベース部20から放熱フィン10への熱伝達が円滑化される。また、ヒートシンク82でも、ヒートパイプ30の少なくとも一部が埋設されているので、ベース部20の第2の面22にシールド部が形成されていても、ヒートパイプ30の配置の自由度に優れ、また、ヒートシンク82におけるヒートパイプ30の熱的接続性に優れている。従って、ヒートシンク82でも、様々な発熱量を有する多数の発熱体100がヒートシンク82のベース部20に熱的に接続されても、ヒートパイプ30によってベース部20全体にわたって熱が拡散されてベース部20全体が均熱化されて放熱フィン10全体においてベース部20からの熱伝達が均等化される。従って、ヒートシンク82でも、放熱フィン10全体における熱的負荷を均一化して放熱フィン10のフィン効率を向上させる。上記から、ヒートシンク82でも、様々な発熱量を有する多数の発熱体100が熱的に接続されても放熱特性が向上する。
【0118】
次に、本発明の第13実施形態例に係るヒートシンクについて、図面を用いながら説明する。第13実施形態例に係るヒートシンクは、第1~第12実施形態例に係るヒートシンクと主要な構成要素は共通しているので、第1~第12実施形態例に係るヒートシンクと同じ構成要素については同じ符号を用いて説明する。なお、
図24は、本発明の第13実施形態例に係るヒートシンクの放熱フィンの配置を平面方向から説明する説明図である。また、
図24では、放熱フィンの配置を説明する便宜上、熱伝導部材の記載を省略している。
【0119】
第1実施形態例に係るヒートシンク1では、それぞれの放熱フィン10は、ベース部20の第2の方向L2に対して略平行方向、且つ第1の方向L1に対して略直交方向に延在していたが、これに代えて、
図24に示すように、第13実施形態例に係るヒートシンク83では、それぞれの放熱フィン10は、ベース部20の第2の方向L2に対して斜め方向、且つ第1の方向L1に対して斜め方向に延在している。ヒートシンク83では、それぞれの放熱フィン10は、略直線状に延在している。ヒートシンク83では、複数の放熱フィン10、10、10・・・が、ベース部20の第1の面21上に、所定間隔にて並列配置されている。また、複数の放熱フィン10、10、10・・・が、第2の方向L2に沿って略等間隔に並列配置されている。また、複数の放熱フィン10、10、10・・・が、第1の方向L1に沿って並列配置されている。
【0120】
図24に示すように、ヒートシンク83では、それぞれの放熱フィン10は、ベース部20の外方向へ向かうに従って図の上方へ延在(例えば、重力方向の下方から上方へ向かって延在)する配置となっている。具体的には、
図24において、ベース部20の左側に配置された放熱フィン10は、ベース部20の外方向(
図24の左方向)へ向かうに従って図の上方へ延在(例えば、重力方向の下方から上方へ向かって延在)する配置となっている。また、ベース部20の右側に配置された放熱フィン10は、ベース部20の外方向(
図24の右方向)へ向かうに従って図の上方へ延在(例えば、重力方向の下方から上方へ向かって延在)する配置となっている。
【0121】
ベース部20の第1の方向L1に対する放熱フィン10の延在方向の角度は、特に限定されないが、例えば、40°~70°の範囲が挙げられる。
【0122】
ヒートシンク83では、例えば、冷却風が、第2の方向L2に沿って重力方向の下方から上方へ向かって供給される場合に、ベース部20の第1の面21上をベース部20の第1の方向L1における外方向へ流れる。
【0123】
このように、本発明のヒートシンクでは、ベース部20の第1の面21上における冷却風の流通方向を調整するために、第1の面21上に立設された放熱フィン10の延在方向は、適宜選択可能である。
【0124】
次に、本発明の第14実施形態例に係るヒートシンクについて、図面を用いながら説明する。第14実施形態例に係るヒートシンクは、第1~第13実施形態例に係るヒートシンクと主要な構成要素は共通しているので、第1~第13実施形態例に係るヒートシンクと同じ構成要素については同じ符号を用いて説明する。なお、
図25は、本発明の第14実施形態例に係るヒートシンクの放熱フィンの配置を平面方向から説明する説明図である。また、
図25では、放熱フィンの配置を説明する便宜上、熱伝導部材の記載を省略している。
【0125】
第13実施形態例に係るヒートシンク83では、それぞれの放熱フィン10は、ベース部20の外方向へ向かうに従って図の上方へ延在(例えば、重力方向の下方から上方へ向かって延在)する配置となっていたが、これに代えて、
図25に示すように、本発明の第14実施形態例に係るヒートシンク84では、それぞれの放熱フィン10は、ベース部20の外方向へ向かうに従って図の下方へ延在(例えば、重力方向の上方から下方へ向かって延在)する配置となっている。上記から、ヒートシンク84では、上記した第13実施形態例に係るヒートシンク83と同様に、それぞれの放熱フィン10は、ベース部20の第2の方向L2に対して斜め方向方向、且つ第1の方向L1に対して斜め方向に延在している。
【0126】
具体的には、
図25において、ベース部20の左側に配置された放熱フィン10は、ベース部20の外方向(
図25の左方向)へ向かうに従って図の下方へ延在(例えば、重力方向の上方から下方へ向かって延在)する配置となっている。また、ベース部20の右側に配置された放熱フィン10は、ベース部20の外方向(
図25の右方向)へ向かうに従って図の下方へ延在(例えば、重力方向の上方から下方へ向かって延在)する配置となっている。
【0127】
ベース部20の第1の方向L1に対する放熱フィン10の延在方向の角度は、特に限定されないが、例えば、40°~70°の範囲が挙げられる。
【0128】
ヒートシンク84では、例えば、冷却風が、第2の方向L2に沿って重力方向の下方から上方へ向かって供給される場合に、ベース部20の第1の面21上をベース部20の第1の方向L1における内方向へ流れる。
【0129】
次に、本発明の第15実施形態例に係るヒートシンクについて、図面を用いながら説明する。第15実施形態例に係るヒートシンクは、第1~第14実施形態例に係るヒートシンクと主要な構成要素は共通しているので、第1~第14実施形態例に係るヒートシンクと同じ構成要素については同じ符号を用いて説明する。なお、
図26は、本発明の第15実施形態例に係るヒートシンクの放熱フィンの配置を平面方向から説明する説明図である。また、
図26では、放熱フィンの配置を説明する便宜上、熱伝導部材の記載を省略している。
【0130】
第1実施形態例に係るヒートシンク1では、それぞれの放熱フィン10は、ベース部20の第2の方向L2に対して略平行方向、且つ第1の方向L1に対して略直交方向に延在していたが、これに代えて、
図26に示すように、第15実施形態例に係るヒートシンク85では、ベース部20の第2の方向L2に対して斜め方向に延在している斜めの放熱フィン10と、ベース部20の第2の方向L2に対して略平行方向に延在している平行な放熱フィン10と、を有している。また、ヒートシンク85では、ベース部20の第2の方向L2に対して略平行方向に延在している平行部位と、ベース部20の第2の方向L2に対して斜め方向に延在している斜め部位と、を有する複合型の放熱フィン10を有している。
【0131】
ヒートシンク85では、
図26において、ベース部20の上側(例えば、重力方向上方)に配置された放熱フィン10は、平行な放熱フィン10であり、ベース部20の下側(例えば、重力方向下方)に配置された放熱フィン10は、斜めの放熱フィン10となっている。また、複合型の放熱フィン10は、ベース部20の上側(例えば、重力方向上方)に平行部位が位置し、ベース部20の下側(例えば、重力方向下方)に斜め部位が位置している。複数の平行な放熱フィン10、10、10・・・と複数の複合型の放熱フィン10、10、10・・・の平行部位は、所定の間隔にて並列配置されている。また、複数の斜めの放熱フィン10、10、10・・・と複数の複合型の放熱フィン10、10、10・・・の斜め部位は、所定の間隔にて並列配置されている。
【0132】
ヒートシンク85では、ベース部20の左側に配置された斜めの放熱フィン10と複合型の放熱フィン10の斜め部位は、ベース部20の外方向(
図26の左方向)へ向かうに従って図の下方へ延在(例えば、重力方向の上方から下方へ向かって延在)する配置となっている。また、ベース部20の右側に配置された斜めの放熱フィン10と複合型の放熱フィン10の斜め部位は、ベース部20の外方向(
図26の右方向)へ向かうに従って図の下方へ延在(例えば、重力方向の上方から下方へ向かって延在)する配置となっている。
【0133】
ベース部20の第1の方向L1に対する斜めの放熱フィン10と複合型の放熱フィン10の斜め部位の延在方向の角度は、特に限定されないが、例えば、40°~70°の範囲が挙げられる。
【0134】
ヒートシンク85では、例えば、冷却風が、第2の方向L2に沿って重力方向の下方から上方へ向かって供給される場合に、ベース部20の下側(重力方向下方)ではベース部20の第1の面21上をベース部20の第1の方向L1における内方向へ流れ、ベース部20の上側(重力方向上方)ではベース部20の第1の面21上を第2の方向L2に沿って流れる。
【0135】
ヒートシンク83、84、85でも、ベース部20と放熱フィン10が一体成形されているので、ベース部20と放熱フィン10との間の接触抵抗が抑制されて、ベース部20と放熱フィン10との間の熱的接続性が向上する。従って、ヒートシンク83、84、85でも、様々な発熱量を有する多数の発熱体100がヒートシンク83、84、85のベース部20に熱的に接続されても、ベース部20から放熱フィン10への熱伝達が円滑化される。また、ヒートシンク83、84、85でも、熱伝導部材(図示せず)の少なくとも一部が埋設されているので、ベース部20の第2の面22にシールド部が形成されていても、熱伝導部材の配置の自由度に優れ、また、ヒートシンク83、84、85における熱伝導部材の熱的接続性に優れている。従って、ヒートシンク83、84、85でも、様々な発熱量を有する多数の発熱体100がヒートシンク83、84、85のベース部20に熱的に接続されても、熱伝導部材によってベース部20全体にわたって熱が拡散されてベース部20全体が均熱化されて放熱フィン10全体においてベース部20からの熱伝達が均等化される。従って、ヒートシンク83、84、85でも、放熱フィン10全体における熱的負荷を均一化して放熱フィン10のフィン効率を向上させる。上記から、ヒートシンク83、84、85でも、様々な発熱量を有する多数の発熱体100が熱的に接続されても放熱特性が向上する。
【0136】
次に、本発明の第16実施形態例に係るヒートシンクについて、図面を用いながら説明する。第16実施形態例に係るヒートシンクは、第1~第15実施形態例に係るヒートシンクと主要な構成要素は共通しているので、第1~第15実施形態例に係るヒートシンクと同じ構成要素については同じ符号を用いて説明する。なお、
図27は、本発明の第16実施形態例に係るヒートシンクの側面断面図である。
【0137】
第1実施形態例に係るヒートシンク1では、熱伝導部材31全体がヒートシンク1に埋設されており、熱伝導部材31は、ベース部20を介して発熱体100と熱的に接続されていた。これに代えて、
図27に示すように、第16実施形態例に係るヒートシンク86では、熱伝導部材31は、ベース部20とは別体のブロック状部材95を介して発熱体100と熱的に接続されている。ヒートシンク86では、熱伝導部材31のうち、発熱体100に対向する部位にブロック状部材95が接続されており、さらに、ブロック状部材95が発熱体100と熱的に接続されている。上記から、ヒートシンク86では、発熱体100の熱は、発熱体100からブロック状部材95へ伝達され、発熱体100からブロック状部材95へ伝達された熱は、ブロック状部材95から熱伝導部材31へ伝達される。
【0138】
ヒートシンク86でも、熱伝導部材31のうち、ブロック状部材95が接続されていない部分については、鋳包みによってヒートシンク86に埋設されている。従って、熱伝導部材31のうち、ブロック状部材95が接続されていない部分については、鋳包みによって熱伝導部材31の外周面全体がヒートシンク86に埋設されている。また、熱伝導部材31のうち、発熱体100に対向する部位にブロック状部材95が接続されていることで、熱伝導部材31全体が、ヒートシンク86に埋設されている。ブロック状部材95は、ベース部20の第2の面22に設けられた凹部96に嵌合されることで、熱伝導部材31と熱的に接続されている。また、必要に応じて、ブロック状部材95は、熱伝導部材31に接合されていてもよい。接合手段としては、例えば、ろう付け、はんだ付け等が挙げられる。
【0139】
ブロック状部材95は、発熱体100と対向する部位がベース部20の第2の面22と同一平面上に位置している。従って、ブロック状部材95のうち、発熱体100と対向する部位である、ベース部20からの表出部97は、第2の面22と同一平面上に位置する平面部となっている。ブロック状部材95の表出部97が、発熱体100と接触して、ブロック状部材95が発熱体100と熱的に接続される。なお、ブロック状部材95は、ベース部20の第2の面22からベース部20の厚さ方向に沿って突出した凸部を有していてもよい。すなわち、ブロック状部材95のうち、発熱体100と対向する部位は、ベース部20の第2の面22から突出していて、ブロック状部材95の凸部が、発熱体100と接触して、ブロック状部材95が発熱体100と熱的に接続されていてもよい。
【0140】
ブロック状部材95としては、熱伝導性を有する中実の部材が挙げられる。また、ブロック状部材95の材質としては、例えば、銅、銅合金等の金属が挙げられる。ヒートシンク86では、熱伝導部材31として、上記各実施形態例と同じく、ヒートパイプ30が挙げられる。
【0141】
ヒートシンク86でも、ベース部20と放熱フィン10が一体成形されているので、ベース部20と放熱フィン10との間の接触抵抗が抑制されて、ベース部20と放熱フィン10との間の熱的接続性が向上する。従って、ヒートシンク86でも、様々な発熱量を有する多数の発熱体100がヒートシンク86のベース部20に熱的に接続されても、ベース部20から放熱フィン10への熱伝達が円滑化される。また、ヒートシンク86でも、熱伝導部材31の少なくとも一部が埋設されているので、ベース部20の第2の面22にシールド部が形成されていても、熱伝導部材31の配置の自由度に優れ、また、ヒートシンク86における熱伝導部材31の熱的接続性に優れている。従って、ヒートシンク86でも、様々な発熱量を有する多数の発熱体100がヒートシンク86のベース部20に熱的に接続されても、熱伝導部材31によってベース部20全体にわたって熱が拡散されてベース部20全体が均熱化されて放熱フィン10全体においてベース部20からの熱伝達が均等化される。従って、ヒートシンク86でも、放熱フィン10全体における熱的負荷を均一化して放熱フィン10のフィン効率を向上させる。上記から、ヒートシンク86でも、様々な発熱量を有する多数の発熱体100が熱的に接続されても放熱特性が向上する。
【0142】
次に、本発明のヒートシンクの他の実施形態例について説明する。上記各実施形態例のヒートシンクでは、熱伝導部材として、熱輸送部材であるヒートパイプまたはベーパーチャンバが使用されていたが、熱伝導性を有する部材であれば、特に限定されず、熱輸送部材に代えて、中実である金属製(例えば、銅製)の棒状部材または板状部材、中実であるグラファイト製の棒状部材または板状部材を使用してもよい。また、上記各実施形態例のヒートシンクでは、ヒートパイプはブロック部に埋設されていたが、これに代えて、ヒートパイプ全体がベース部に埋設されていてもよい。
【0143】
また、上記各実施形態例のヒートシンクでは、ベース部の形状は、平面視(放熱フィンと対向した位置から視認した状態)にて四角形状であったが、ベース部の形状は、ヒートシンクの使用条件等により、適宜選択可能であり、平面視にて、曲部を有する形状、切り欠き部を有する形状等でもよい。また、上記各実施形態例のヒートシンクでは、放熱フィンは、ベース部の第2の方向の一端から他端まで略直線状に延在していたが、放熱フィンは、ベース部の第2の方向の形状は、特に限定されず、これに代えて、曲げ部を有する形状にしてもよい。
【0144】
また、第1実施形態例のヒートシンクでは、封止された注入管の鉛直方向の寸法は、ベース部の厚さよりも小さい寸法となっていたが、これに代えて、ベース部の厚さよりも大きい寸法とし、封止された注入管の先端部が、ベース部の第2の面から突出している態様としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0145】
本発明のヒートシンクは、ベース部と放熱フィンの熱的接続性に優れ、また、熱伝導部材の配置の自由度に優れており、さらに、ベース部と放熱フィンとの間に雨水や埃等が侵入することを防止でき、優れた耐久性を有するので、特に、携帯電話基地局等の屋外に設置される通信機器に搭載されている発熱体を冷却する分野で利用価値が高い。
【符号の説明】
【0146】
1、2、3、4、5、6、7、8、9 ヒートシンク
80、81、82、83、84、85、86 ヒートシンク
10 放熱フィン
20 ベース部
21 第1の面
22 第2の面
30、70 ヒートパイプ
50 ベーパーチャンバ
【要約】
【課題】ベース部と放熱フィンの熱的接続性に優れ、また、熱伝導部材の配置の自由度に優れたヒートシンクを提供する。
【解決手段】第1の面と前記第1の面に対向した第2の面とを有し、前記第2の面に発熱体が熱的に接続されるベース部と、前記ベース部の前記第1の面に立設された放熱フィンと、を備え、前記ベース部と前記放熱フィンが一体成形されているヒートシンクであり、前記ヒートシンクに、熱伝導部材の少なくとも一部分が埋設されているヒートシンク。
【選択図】
図1