(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-27
(45)【発行日】2023-10-05
(54)【発明の名称】基板支持装置及び基板支持装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20230928BHJP
H01L 21/304 20060101ALN20230928BHJP
【FI】
H01L21/68 N
H01L21/304 644C
(21)【出願番号】P 2019070492
(22)【出願日】2019-04-02
【審査請求日】2021-09-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】230112025
【氏名又は名称】小林 英了
(74)【代理人】
【識別番号】230117802
【氏名又は名称】大野 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100106840
【氏名又は名称】森田 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】宮▲崎▼ 充
(72)【発明者】
【氏名】井上 拓也
【審査官】三浦 みちる
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-294920(JP,A)
【文献】特開2010-074108(JP,A)
【文献】特開2000-068243(JP,A)
【文献】特開2004-079587(JP,A)
【文献】特開2006-222190(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の周縁部に当接し、前記基板を回転させる複数の支持部と、
複数の支持部が設けられた一対の被駆動部と、
一方の被駆動部と他方の被駆動部とを連結する連結部と、
前記連結部の少なくとも一部を
第二方向に沿って移動させることで、前記被駆動部の各々を
前記第二方向に直交する第一方向に沿って直線状で近接又は離隔させる駆動部と、
一方の被駆動部に設けられ、当該一方の被駆動部を前記第一方向で直線状に移動させるための第一被ガイド部材と、
他方の被駆動部に設けられ、当該他方の被駆動部を前記第一方向で直線状に移動させるための第二被ガイド部材と、
前記第一被ガイド部材を前記第一方向に沿ってガイドする第一ガイドと、
前記第二被ガイド部材を前記第一方向に沿ってガイドする第二ガイドと、
前記第一ガイド及び前記第二ガイドが設けられた基台と、
を備え、
前記基台に前記支持部が通過する前記第一方向に沿った
同じ方向で延在する複数の長孔が設けられ
、
前記被駆動部が近接した状態で前記基板が回転される、基板支持装置。
【請求項2】
基板の周縁部に当接し、前記基板を回転させる複数の支持部と、
複数の支持部が設けられた一対の被駆動部と、
一方の被駆動部と他方の被駆動部とを連結する連結部と、
前記連結部の少なくとも一部を移動させることで、前記被駆動部の各々を第一方向に沿って直線状で近接又は離隔させる駆動部と、
を備え、
前記連結部は基板の面内方向であって前記第一方向に直交する第二方向に沿って移動可能な基端部を有し、
前記基端部を第二方向に沿って移動して一対のアームが開閉することで、前記被駆動部の各々が第一方向に沿って直線状で近接又は離隔
し、
前記被駆動部が近接した状態で前記基板が回転される、
基板支持装置。
【請求項3】
一方の被駆動部に、複数の支持部と、当該一方の被駆動部を前記第一方向で直線状に移動させるための複数の第一被ガイド部材が設けられ、
他方の被駆動部に、複数の支持部と、当該他方の被駆動部を前記第一方向で直線状に移動させるための複数の第二被ガイド部材が設けられ、
一方の被駆動部に設けられた支持部の間に複数の第一被ガイド部材が設けられ、
他方の被駆動部に設けられた支持部の間に複数の第二被ガイド部材が設けられる、請求項1又は2に記載の基板支持装置。
【請求項4】
前記駆動部から前記連結部又は前記駆動部から前記連結部を介して前記被駆動部に加わる力を検知する第一検知部と、
前記第一検知部で検知される力を第一範囲の値にするよう前記駆動部を制御する制御部と、
をさらに備える、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の基板支持装置。
【請求項5】
前記連結部は開閉する一対のアームを有し、
一方の被駆動部に複数の支持部が設けられ、一方の被駆動部に設けられた支持部の各々は一方のアームに対して基板の面内方向で揺動可能となり、
他方の被駆動部に複数の支持部が設けられ、他方の被駆動部に設けられた支持部の各々が他方のアームに対して基板の面内方向で揺動可能となる、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の基板支持装置。
【請求項6】
前記駆動部はモータであり、
前記モータのトルクを検知する第二検知部と、
前記第二検知部で検知されるトルクを第二範囲の値にするように前記モータを制御する制御部をさらに備える、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の基板支持装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の基板支持装置を制御するための基板支持装置の制御方法であって、
前記連結部の少なくとも一部を移動させることで、前記被駆動部の各々を前記第一方向に沿って直線状で離間させる工程と、
前記基板を複数の支持部の間に設ける工程と、
前記連結部を移動させて前記一対の被駆動部を前記第一方向に沿って直線状で近接させることで、前記支持部によって前記基板の周縁部を支持する工程と、
前記支持部を回転させることで前記基板を回転させる工程と、
を備える基板支持装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を回転可能に支持するための基板支持装置と、当該基板支持装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ウェハ等の基板を支持するスピンチャック等が知られている。特許文献1では、回転軸と、ウェハを挟持するとともに、その挟持を解除することができる複数の挟持部材とを有するスピンチャックが開示されている。4つの支持部が設けられている態様では、従来、一方側の2つの支持部は基板の面内方向で移動しないように固定されて固定側クランプ機構となっており、他方側の2つの支持部が基板の面内方向で移動する駆動側クランプ機構となっていた。
【0003】
スピンドル等から構成される支持部は使用されることで減耗する。例えば基板の一例であるウェハを用いた場合には、ウェハエッジとの接触で支持部は減耗する。このように支持部が減耗すると、ウェハを支持部で支持(保持)する際にウェハは固定側クランプ機構側に減耗量分移動することになる。このように支持部が減耗することに起因して基板を支持する位置がずれてしまい、ひいては基板の洗浄位置がずれてしまうことがことが課題となってきた。
【0004】
また、基板を支持する圧力(クランプ圧力)の調整を、基板支持装置の出荷時や顧客への引き渡しの際にロードセル治具を用いて行うことが一般的である。しかしながら、前述したように、支持部が減耗すると、基板に実際に加わる圧力が当初調整していた圧力からずれてしまうこととなる。定期的にロードセル治具を用いて圧力調整を行ってもよいが、利用を繰り返すうちに圧力がずれてしまい、圧力調整を行うまでの間に許容している圧力とは異なる圧力で基板が支持され、洗浄等の処理が行われてしまうこともある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、支持部が減耗しても基板を当初と同様の態様で支持できる基板支持装置等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による基板支持装置は、
基板の周縁部に当接し、前記基板を回転させる複数の支持部と、
複数の支持部が設けられた一対の被駆動部と、
一方の被駆動部と他方の被駆動部とを連結する連結部と、
前記連結部の少なくとも一部を移動させることで、前記被駆動部の各々を第一方向に沿って直線状で近接又は離隔させる駆動部と、
を備えてもよい。
【0008】
本発明による基板支持装置は、
一方の被駆動部に設けられ、当該一方の被駆動部を前記第一方向で直線状に移動させるための第一被ガイド部材と、
他方の被駆動部に設けられ、当該他方の被駆動部を前記第一方向で直線状に移動させるための第二被ガイド部材と、
前記第一被ガイド部材を前記第一方向に沿ってガイドする第一ガイドと、
前記第二被ガイド部材を前記第一方向に沿ってガイドする第二ガイドと、
をさらに備えてもよい。
【0009】
本発明による基板支持装置は、
前記第一ガイド及び前記第二ガイドが設けられた基台をさらに備え、
前記基台には前記支持部が通過する前記第一方向に沿った長孔が設けられてもよい。
【0010】
本発明による基板支持装置において、
一方の被駆動部に、複数の支持部と、当該一方の被駆動部を前記第一方向で直線状に移動させるための複数の第一被ガイド部材が設けられ、
他方の被駆動部に、複数の支持部と、当該他方の被駆動部を前記第一方向で直線状に移動させるための複数の第二被ガイド部材が設けられ、
一方の被駆動部に設けられた支持部の間に複数の第一被ガイド部材が設けられ、
他方の被駆動部に設けられた支持部の間に複数の第二被ガイド部材が設けられてもよい。
【0011】
本発明による基板支持装置において、
前記連結部は基板の面内方向であって前記第一方向に直交する第二方向に沿って移動可能な基端部を有し、
前記基端部を第二方向に沿って移動することで前記一対のアームが開閉してもよい。
【0012】
本発明による基板支持装置は、
前記駆動部から前記連結部に加わる力を検知する第一検知部と、
前記第一検知部で検知される力を第一範囲の値にするよう前記駆動部を制御する制御部と、
をさらに備えてもよい。
【0013】
本発明による基板支持装置において、
前記連結部は開閉する一対のアームを有し、
一方の被駆動部に複数の支持部が設けられ、一方の被駆動部に設けられた支持部の各々は一方のアームに対して基板の面内方向で揺動可能となり、
他方の被駆動部に複数の支持部が設けられ、他方の被駆動部に設けられた支持部の各々が他方のアームに対して基板の面内方向で揺動可能となってもよい。
【0014】
本発明による基板支持装置において、
前記駆動部はモータであり、
前記モータのトルクを検知する第二検知部と、
前記第二検知部で検知されるトルクを第二範囲の値にするように前記モータを制御する制御部をさらに備えてもよい。
【0015】
本発明による基板支持装置の制御方法は、
前述したいずれかの基板支持装置を制御するための基板支持装置の制御方法であって、
前記連結部の少なくとも一部を移動させることで、前記被駆動部の各々を前記第一方向に沿って直線状で離間させる工程と、
前記基板を複数の支持部の間に設ける工程と、
前記連結部を移動させて前記一対の被駆動部を前記第一方向に沿って直線状で近接させることで、前記支持部によって前記基板の周縁部を支持する工程と、
前記支持部を回転させることで前記基板を回転させる工程と、
を備えてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一態様として、一方の被駆動部と他方の被駆動部とを連結する連結部が設けられ、駆動部によって連結部の少なくとも一部を移動させることで、被駆動部の各々を第一方向に沿って直線状で近接又は離隔させる態様を採用した場合には、一方の被駆動と他方の被駆動部を同じタイミングで移動させることができ、支持部によって基板を支持する位置(クランプ位置)のずれを生じ難くすることができる。さらに、従来なら交換されるはずの予め想定している以上の減耗量まで減耗した支持部を継続して使用した場合であっても、基板を支持する位置のずれを抑制できるので、従来よりも支持部の耐用使用時間をより長期とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、本発明の第1の実施の形態で用いられうる基板支持装置を下方側か見た底面図である。
【
図2】
図2は、本発明の第1の実施の形態で用いられうる基板支持装置を第二方向に沿って見た側方図であって、洗浄部材及び洗浄液供給部を模式的に示した図である。
【
図3】
図3は、本発明の第1の実施の形態で用いられうる基板支持装置を第一方向に沿って見た側方図である。
【
図4】
図4は、本発明の第1の実施の形態で用いられうる基板支持装置を上方側から見た平面図である。
【
図5】
図5は、本発明の第1の実施の形態で用いられうる長孔と支持部の関係を示した平面図である。
【
図6】
図6は、本発明の第1の実施の形態で用いられうる第一検知部、第二検知部及び制御部の関係を示した図である。
【
図7】
図7は、本発明の第1の実施の形態で用いられうる基板支持装置の別の態様を下方側か見た底面図である。
【
図8】
図8は、本発明の第1の実施の形態による基板洗浄装置を含む基板処理装置の全体構成を示す概略平面図である。
【
図9】
図9は、本発明の第2の実施の形態で用いられうる基板支持装置を下方側か見た底面図である。
【
図10】
図10は、本発明の第2の実施の形態で用いられうる基板支持装置を第二方向に沿って見た側方図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
第1の実施の形態
《構成》
基板洗浄装置等を含む基板処理装置の第1の実施の形態について説明する。
【0019】
図8に示すように、本実施の形態の基板処理装置は、略矩形状のハウジング310と、多数の基板Wをストックする基板カセットが載置されるロードポート312と、を有している。ロードポート312は、ハウジング310に隣接して配置されている。ロードポート312には、オープンカセット、SMIF(Standard Mechanical Interface)ポッド、又はFOUP(Front Opening Unified Pod)を搭載することができる。SMIFポッド、FOUPは、内部に基板カセットを収納し、隔壁で覆うことにより、外部空間とは独立した環境を保つことができる密閉容器である。基板Wとしては、例えば半導体ウェハ等を挙げることができる。
【0020】
ハウジング310の内部には、複数(
図8に示す態様では4つ)の研磨ユニット314a~314dと、研磨後の基板Wを洗浄する第1洗浄ユニット316及び第2洗浄ユニット318と、洗浄後の基板Wを乾燥させる乾燥ユニット320とが収容されている。研磨ユニット314a~314dは、基板処理装置の長手方向に沿って配列され、洗浄ユニット316、318及び乾燥ユニット320も基板処理装置の長手方向に沿って配列されている。本実施の形態の基板処理装置によれば、直径300mm又は450mmの半導体ウェハ、フラットパネル、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)やCCD(Charge Coupled Device)等のイメージセンサ、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)における磁性膜の製造工程において、種々の基板Wを、研磨処理することができる。なお、別の実施の形態の基板処理装置としては、ハウジング310内に基板Wを研磨する研磨ユニットを設けず、基板Wの洗浄処理及び乾燥処理を行う装置としてもよい。
【0021】
ロードポート312、ロードポート312側に位置する研磨ユニット314a及び乾燥ユニット320に囲まれた領域には、第1搬送ロボット322が配置されている。また、研磨ユニット314a~314d並びに洗浄ユニット316、318及び乾燥ユニット320と平行に、搬送ユニット324が配置されている。第1搬送ロボット322は、研磨前の基板Wをロードポート312から受け取って搬送ユニット324に受け渡したり、乾燥ユニット320から乾燥後の基板Wを受け取ったりする。
【0022】
第1洗浄ユニット316と第2洗浄ユニット318との間に、これら第1洗浄ユニット316と第2洗浄ユニット318の間で基板Wの受け渡しを行う第2搬送ロボット326が配置され、第2洗浄ユニット318と乾燥ユニット320との間に、これら第2洗浄ユニット318と乾燥ユニット320の間で基板Wの受け渡しを行う第3搬送ロボット328が配置されている。さらに、ハウジング310の内部には、基板処理装置の各機器の動きを制御する制御部50が配置されている。本実施の形態では、ハウジング310の内部に制御部50が配置されている態様を用いて説明するが、これに限られることはなく、ハウジング310の外部に制御部50が配置されてもよいし、制御部50は遠隔地に設けられてもよい。制御部50が遠隔地に設けられる場合には、基板処理装置の各機器が遠隔制御されることになる。
【0023】
第1洗浄ユニット316として、洗浄液の存在下で、基板Wの直径のほぼ全長にわたって直線状に延びるロール洗浄部材を接触させ、基板Wに平行な中心軸周りに自転させながら基板Wの表面をスクラブ洗浄するロール洗浄装置が使用されてもよい。例えば、水平方向、垂直方向又は水平方向に傾斜した方向で基板Wを保持してこれを回転させながらロール洗浄部材を基板Wに接触させて洗浄処理してもよい。また、第2洗浄ユニット318として、洗浄液の存在下で、鉛直方向に延びる円柱状のペンシル洗浄部材の接触面を接触させ、ペンシル洗浄部材を自転させながら一方向に向けて移動させて、基板Wの表面をスクラブ洗浄するペンシル洗浄装置が使用されてもよい。また、乾燥ユニット320として、水平に保持しつつ回転する基板Wに向けて、移動する噴射ノズルからIPA蒸気を噴出して基板Wを乾燥させ、さらに基板Wを高速で回転させて遠心力によって基板Wを乾燥させるスピン乾燥ユニットが使用されてもよい。
【0024】
なお、第1洗浄ユニット316としてロール洗浄装置ではなく、第2洗浄ユニット318と同様のペンシル洗浄装置を使用したり、二流体ジェットにより基板Wの表面を洗浄する二流体ジェット洗浄装置を使用したりしてもよい。また、第2洗浄ユニット318としてペンシル洗浄装置ではなく、第1洗浄ユニット316と同様のロール洗浄装置を使用したり、二流体ジェットにより基板Wの表面を洗浄する二流体ジェット洗浄装置を使用したりしてもよい。
【0025】
本実施の形態の洗浄液には、純水(DIW)等のリンス液と、アンモニア過酸化水素(SC1)、塩酸過酸化水素(SC2)、硫酸過酸化水素(SPM)、硫酸加水、フッ酸等の薬液が含まれている。本実施の形態で特に断りのない限り、洗浄液は、リンス液、薬液、又は、リンス液及び薬液の両方を意味している。
【0026】
図2に示すように、本実施の形態の基板洗浄装置は、基板Wを回転可能に支持するスピンドル装置等からなる基板支持装置100と、基板Wを洗浄するための一つ又は複数の洗浄部材200と、基板Wに洗浄液を供給する一つ又は複数の洗浄液供給部250と、を有してもよい。本実施の形態では、基板Wの面内方向が水平方向となるようにして支持される態様を用いて説明するが、これに限られることはなく、基板Wの面内方向が垂直方向となってもよいし、水平方向から傾斜する方向となってもよい。また、
図2では洗浄部材200の一例としてロール洗浄部材を図示している。
【0027】
図1乃至
図4に示すように、基板支持装置100は、基板Wの周縁部に当接し、基板Wを回転させる複数の支持部10と、複数の支持部10が設けられた一対の被駆動部30と、一方の被駆動部31と他方の被駆動部32とを連結する連結部20と、連結部20を移動させることで、一対の被駆動部30を第一方向で近接又は離隔させる駆動部40と、を有してもよい。支持部10は、基板Wを回転させながら支持するための部材であり、例えばスピンドルである。一対の被駆動部30は第一方向に沿って直線状で近接又は離隔してもよい。本実施の形態では4つの支持部10が設けられる態様を用いて説明するが、これに限られることはなく、3つ又は5つ以上の支持部10が設けられてもよく、例えば6つの支持部10が設けられてもよい。本実施の形態において、
図1の左右方向を「第一方向」と呼び、
図1の上下方向を「第二方向」と呼び、
図1の紙面の法線方向(
図2の上下方向)を「第三方向」と呼ぶ。本実施の形態の支持部10は基板Wの周縁部を支持しているだけではなく保持又は把持する機能も有しており、保持部としても機能する。
【0028】
本実施の形態では、一方の被駆動部31に2つの支持部10が設けられ、他方の被駆動部32に2つの支持部10が設けられているが、これに限られることはない。例えば6つの支持部10が設けられる態様では、一方の被駆動部31に3つの支持部10が設けられ、他方の被駆動部32に3つの支持部10が設けられてもよい。支持部10の材料は例えばウレタン等であってもよい。
【0029】
一方の被駆動部31に設けられた1つの支持部10に当該支持部10を回転させるモータ等の支持駆動部(図示せず)が設けられ、当該支持部10と一方の被駆動部31に設けられた別の(1つの)支持部10にベルト(図示せず)が巻き掛けられてもよい。この場合には、支持駆動部が設けられた支持部10が駆動側となり、支持部10とともにベルトが巻き掛けられた支持部10が従動側となる。同様に、他方の被駆動部32に設けられた1つの支持部10に当該支持部10を回転させる支持駆動部(図示せず)が設けられ、当該支持部10と他方の被駆動部32に設けられた別の(1つの)支持部10にベルト(図示せず)が巻き掛けられてもよい。この場合にも、支持駆動部が設けられた支持部10が駆動側となり、支持部10とともにベルトが巻き掛けられた支持部10が従動側となる。
【0030】
図1に示すように、一方の被駆動部31には、当該一方の被駆動部31を第一方向で直線状に移動させるためのスライドコア等の第一被ガイド部材81が設けられてもよい。他方の被駆動部32には、当該他方の被駆動部32を第一方向で直線状に移動させるためのスライドコア等の第二被ガイド部材82が設けられてもよい。基台90(
図2参照)には、第一被ガイド部材81をガイドするレール等からなる第一ガイド71が設けられてもよい。また、基台90には、第二被ガイド部材82をガイドするレール等からなる第二ガイド72が設けられてもよい。
【0031】
図5に示すように、基台90には支持部10の各々の移動を可能とする第一方向に沿って直線状に延びた長孔91が設けられてもよい。但し、このような態様に限られることはなく、支持部10と基台90が干渉しないように任意の形状の孔が設けられてもよい。
【0032】
図1に示すように、一方のアーム26は一方の被駆動部31の長手方向の中央部に設けられ、他方のアーム27は他方の被駆動部32の長手方向の中央部に設けられてもよい。但し、これに限られることはなく、
図7に示すように、一方のアーム26は一方の被駆動部31の長手方向の端部に設けられ、他方のアーム27は他方の被駆動部32の長手方向の端部に設けられてもよい。被駆動部31,32の長手方向の中央部とは長手方向に5等分したときの中央位置の領域(3つ目の領域)を意味し、被駆動部31,32の長手方向の端部とは長手方向に5等分したときの端部領域(端から1つ目の領域)を意味している。なお、アーム26,27が被駆動部31,32の長手方向の中央部に設けられることで、被駆動部31,32の第一方向に沿った直線状の移動をスムーズに行わせることができ、ひいては支持部10による基板Wの支持位置の精度を高めることができる。
【0033】
図1に示すように、連結部20は基板Wの面内方向であって第一方向に直交する第二方向に沿って直線状に移動可能な基端部21を有してもよい。基端部21を第二方向に沿って直線状に移動することで一対のアーム25が開閉するようになってもよい。
【0034】
一方の被駆動部31に、当該一方の被駆動部31を第一方向で直線状に移動させるための複数(
図1では2つ)の第一被ガイド部材81が設けられてもよい。他方の被駆動部32に、当該他方の被駆動部32を第一方向で直線状に移動させるための複数(
図1では2つ)の第二被ガイド部材82が設けられてもよい。
【0035】
一方の被駆動部31に設けられた支持部10の間に複数の第一被ガイド部材81が設けられ、第一方向に沿って見たときに第一被ガイド部材81の両側方に支持部10が設けられてもよい。また、他方の被駆動部32に設けられた支持部10の間に複数の第二被ガイド部材82が設けられ、第一方向に沿って見たときに第二被ガイド部材82の両側方に支持部10が設けられてもよい。
【0036】
図1に示すように、連結部20は開閉する一対のアーム25を有してもよい。一方の被駆動部31に設けられた支持部10は一方のアーム(第一アーム)26に対して基板Wの面内方向で揺動可能(首振り可能)となってもよい。他方の被駆動部32に設けられた支持部10は他方のアーム(第二アーム)27に対して基板Wの面内方向で揺動可能(首振り可能)となってもよい。この場合には例えば
図2に示すように、
図2の下方領域の機構で支持部10が第一方向に沿って移動可能となり、
図2の上方領域の機構で支持部10が揺動可能(首振り可能)となってもよい。
【0037】
図6に示すように、駆動部40から連結部20に加わる力を検知する第一検知部61が設けられてもよい。第一検知部61は制御部50と通信可能となり、制御部50によって、第一検知部61で検知される力が第一範囲の値にするよう駆動部40が制御されてもよい。第一検知部61で検知される力と基板Wに実際に加わる力との相関関係を予め測定しておき、記憶部55で記憶してもよい。この場合には、第一検知部61で検知される力から基板Wに実際に加わっている力を例えば制御部50で推測することができる。
【0038】
駆動部40はモータであってもよい。モータのトルクを検知する第二検知部62が設けられてもよい。制御部50は、第二検知部62で検知されるトルクを第二範囲の値にするように駆動部40であるモータを制御してもよい。駆動部40はエアシリンダ等のシリンダであってもよい。この場合には、シリンダから加わるエア等の気体の圧力を第二検知部62が検知するようにしてもよい。なお、第二検知部62によってモータのトルクを検知する場合には連結部20に加わる力を検知する第一検知部61を設けなくてもよいが、第二検知部62に加えて第一検知部61を設けることで、外乱の影響を受け難く高い精度での制御を実現できる。
【0039】
第二検知部62で検知されるトルク等の情報と基板Wに実際に加わる力との相関関係を予め測定しておき、記憶部55で記憶してもよい。この場合には、第二検知部62で検知されるトルク等の情報から基板Wに実際に加わっている力を例えば制御部50で推測することができる。
【0040】
駆動部40によって連結部20の基端部21が
図1及び
図7の下方に移動すると、支持部10の間の間隔が狭まって基板Wが支持部10によって保持されることとなる。逆に、駆動部40によって連結部20の基端部21が
図1及び
図7の上方に移動すると、支持部10の間の間隔が広がって基板Wが支持部10から解放(アンクランプ)されることとなる。
【0041】
《方法》
本実施の形態の基板支持装置100を用いた基板洗浄方法の一例は、以下のようになる。なお、上記と重複することになるので簡単に説明するに留めるが、上記「構成」で述べた全ての態様を「方法」において適用することができる。また、逆に、「方法」において述べた全ての態様を「構成」において適用することができる。また、本実施の形態の方法を実施させるためのプログラムは記録媒体に記録されてもよく、この記録媒体をコンピュータで読み取ることで、本実施の形態の方法が基板処理装置で実施されてもよい。
【0042】
まず、駆動部40が連結部20を
図1及び
図7の上方に移動させることで、一対の被駆動部30が第一方向に沿って直線状で離間され、基板Wを受け入れ可能とする。なお、既に基板Wが支持部10で保持されている場合には、このように駆動部40が連結部20を
図1及び
図7の上方に移動させることで、処理済みの基板Wを搬送ユニット324又は搬送ロボット326,328によって除去することができるようになる。
【0043】
次に、搬送ユニット324又は搬送ロボット326,328によって次に洗浄される基板Wが支持部10の間に位置付けられる。
【0044】
そして、駆動部40が連結部20を
図1及び
図7の下方に移動させることで、一対の被駆動部30が第一方向に沿って直線状で近接され、基板Wの周縁部が支持部10によって支持(保持)される。
【0045】
このように基板Wが支持部10によって支持(保持)されると、基板Wが支持部10によって回転される。
【0046】
そして、このように回転している基板Wの表面に対して、洗浄液を供給しながらロール洗浄部材やペンシル洗浄部材等の洗浄部材200を押し付けることで、基板Wの表面が洗浄されることとなる。
【0047】
基板Wの洗浄処理が終了すると、駆動部40が連結部20を
図1及び
図7の上方に移動させることで、一対の被駆動部30が第一方向に沿って直線状で離間され、処理済みの基板Wを搬送ユニット324又は搬送ロボット326,328によって除去することができるようになる。
【0048】
《効果》
次に、上述した構成からなる本実施の形態による効果であって、未だ説明していないものを中心に説明する。「構成」で記載されていない場合であっても、「効果」で説明するあらゆる構成を本件発明において採用することができる。
【0049】
一方の被駆動部31と他方の被駆動部32とを連結する連結部20が設けられ、駆動部40によって連結部20を移動させることで、一対の被駆動部30を第一方向に沿って直線状で近接又は離隔させる態様を採用した場合には、一方の被駆動部31と他方の被駆動部32を同じタイミングで移動させることができ、支持部10によって基板Wを支持する位置(クランプ位置)のずれを生じ難くすることができる。
【0050】
支持部10の周縁部に基板Wを搬送するときの基板Wの面内方向での移動を規制するための基板ガイド15(
図4参照)が設けられてもよい。従来のように、一方側の2つの支持部が基板Wの面内方向で移動しないように固定されて固定側クランプ機構となり、他方側の2つの支持部が基板Wの面内方向で移動する駆動側クランプ機構となる態様において、基板ガイド15を採用した場合には、支持部が減耗すると基板ガイド15と接触する位置で基板が回転することとなり、基板ガイド15が減耗する可能性もある。これに対して、本実施の形態の態様を用いることで、支持部10が減耗しても基板Wを保持する位置が大きくは変化しないことから、基板ガイド15が減耗する事態が発生することを防止できる。なお、このような基板ガイド15を設けることで、洗浄等の処理が済んだ基板Wが支持部10に食い込んで支持部10と一緒に面内方向で移動してしまうことを規制できる。
【0051】
連結部20に連結された一方の被駆動部31と他方の被駆動部32の両方を同じタイミングで回転移動(揺動)させることで基板Wを支持部10でクランプさせることも考えられるが、この場合には、連結部20の移動距離と比較して支持部10の基板Wに対する移動距離が短くなり、支持部10が減耗している場合には支持部10が基板Wの周縁部に当接するタイミングのずれが大きくなってしまうこともある。また、回転軸(揺動軸)での摩擦の影響によっても支持部10が基板Wの周縁部に当接するタイミングのずれが大きくなってしまうこともある。これに対して、前述したように、一方の被駆動部31と他方の被駆動部32を直線状で移動させることで、連結部20の移動距離に対する支持部10の移動距離を大きくすることができ、支持部10が減耗している場合であっても、支持部10が基板Wの周縁部に当接するタイミングのずれを小さくすることができる。また、一方の被駆動部31及び他方の被駆動部32が直線状で移動する場合には、被ガイド部材とガイドとの間の摩擦のような部材間の摩擦による影響も受け難い。この結果、基板Wの支持位置のずれを防止でき、ひいては基板Wの洗浄効率を高めることができる。
【0052】
また、本実施の形態のように、全ての支持部10が同じ第一方向に沿って直線状に移動する態様を採用することで、全ての支持部10が同じ単純な直線移動を行うことから、支持部10が基板Wの周縁に当接するタイミングをより精度良く合わせることができ、ひいては基板Wの支持位置のずれを防止できる。
【0053】
一方の被駆動部31及び他方の被駆動部32の第一方向に沿った直線状の移動距離は5mm以下であってもよく、2mm~3mmとなってもよい。この態様を採用した場合には、従来の固定側クランプ機構及び駆動側クランプ機構を有する態様では10mmほど移動していたものを、このように短い移動距離とすることもできる。このような短い移動距離を採用することで、支持部10が移動しても支持部10の頂面上に基板Wを維持することができ、前述した基板ガイド15を設けなくても、洗浄等の処理済みの基板Wが支持部10の頂面から落下してしまうことを防止できる。なお、駆動部40としてモータを採用することで、このような短い移動距離をより確実に実現できる。一般にエアシリンダ等のシリンダでは移動距離が大きくなるが、モータを利用することで短い移動距離も容易に実現できるためである。
【0054】
一方の被駆動部31の移動距離と他方の被駆動部32の移動距離とが略同一又は同一となっている態様を採用してもよい。この場合には、一方の被駆動部31と他方の被駆動部32が基板Wの周縁部に当接するタイミングをより合致させることができ、支持部10によって基板Wを支持する位置のずれを生じ難くすることができる。なお移動距離が略同一とは、一方の被駆動部31の第一方向に沿った直線状の移動距離L1と他方の被駆動部32の第一方向に沿った直線状の移動距離L2との差が長い方の移動距離の5%以内となっていることを意味し、L1≧L2の場合にはL1-L2≦0.05×L1となり、L1<L2の場合にはL2-L1≦0.05×L2となることを意味している。
【0055】
一方の被駆動部31に当該一方の被駆動部31を第一方向で直線状に移動させるための第一被ガイド部材81が設けられ、他方の被駆動部32に当該他方の被駆動部32を第一方向で直線状に移動させるための第二被ガイド部材82が設けられる場合には、簡易な構成で第一方向に沿った直線状の移動を実現できる。
【0056】
図5に示すように、基台90に支持部10の各々の移動を可能とする第一方向に沿った長孔91が設けられる態様を採用した場合には、支持部10を長孔91に沿って第一方向に沿って移動させることができる。支持部10と長孔91との第二方向に沿った間には空間が設けられており、支持部10と基台90は第二方向において接触しないようになってもよい。このような態様を採用した場合には、支持部10と基台90との第二方向における間で摩擦力が発生しないことから、支持部10と基台90との間の摩擦の影響によって、支持部10が基板Wの周縁部に当接するタイミングがずれてしまうことを防止できる。また、長孔91を採用することで、基台90に設ける孔の領域を極力小さくすることができる。
【0057】
一方の被駆動部31に設けられた支持部10の間に複数の第一被ガイド部材81が設けられ、他方の被駆動部32に設けられた支持部10の間に複数の第二被ガイド部材82が設けられる態様を採用した場合には、第二方向に沿った大きさを大きくすることなく、一方の被駆動部31及び他方の被駆動部32の第一方向に沿った移動を複数のガイド71,72及び被ガイド部材81,82によってより確実なものとすることができる。つまり、複数のガイド71,72の間に支持部10を設けることも考えられるが、この場合には、第二方向に沿った大きさが大きくなってしまう。他方、本態様を採用することで、第二方向に沿った大きさが大きくなることを防止できる。また、複数のガイド71,72及び被ガイド部材81,82を設けることで、一つのガイド71,72及び被ガイド部材81,82が設けられる態様と比較して、第一方向に沿った直線状の移動をより確実なものとすることができる。
【0058】
連結部20の基端部21を第一方向と直交する第二方向に沿って直線状に移動することで一対のアーム25が開閉する態様を採用した場合には、基端部21を直線状に移動させるという簡易な駆動態様で、一方のアーム26及び他方のアーム27の各々を同じタイミングで開閉することができる。
【0059】
駆動部40から連結部20に加わる力を検知する第一検知部61を設けた場合には、駆動部40から連結部20に加わる力を検知することで、ひいては支持部10が基板Wを支持する力(クランプ力)を検知することができる。そして、制御部50が第一検知部61で検知される力を第一範囲の値にするよう駆動部40を制御する態様を採用することで、支持部10による基板Wの支持力を常時所望の範囲の値とすることができる。
【0060】
一方の被駆動部31に設けられた複数の支持部10が一方のアーム26に対して基板Wの面内方向で揺動可能となる態様(首振り機構)を採用した場合には、一方の被駆動部31に設けられた支持部10の各々を基板Wの周縁部に当接させることができる。また、他方の被駆動部32に設けられた複数の支持部10が他方のアーム27に対して基板Wの面内方向で揺動可能となる態様(首振り機構)を採用した場合には、他方の被駆動部32に設けられた支持部10の各々を基板Wの周縁部に当接させることができる。このため、支持部10が4つ以上設けられる態様では、4つ以上の支持部10によって基板Wの周縁部を支持することができる。なお、上記首振り機構は、一方の被駆動部31及び他方の被駆動部32のいずれか一方にだけ設けられてもよい。但し、一方の被駆動部31及び他方の被駆動部32のいずれにも首振り機構が設けられている場合には、完全に円形とはなっていない基板Wに対して支持部10がより精度よく追従することができる点で有益である。
【0061】
駆動部40がモータからなり、第二検知部62でモータのトルクを検知し、制御部50が第二検知部62で検知されるトルクを第二範囲の値にするようにモータを制御する態様を採用した場合には、支持部10による基板Wの支持力を常時所望の範囲の値とすることができる。モータは分解能が高く制御性能が高いことから、このようにモータを採用することで、被駆動部30の移動をより高い精度で制御することができる。このため、支持部10が基板Wの周縁部に当接するタイミングをより高い精度で合致させたり、支持部10による基板Wの支持力(把持力)をより高い精度で制御できたりするようになる。
【0062】
第一検知部61及び第二検知部62の両方を用いることで外乱による影響を受け難くすることができることは、既に述べたとおりである。駆動部40がモータからなる場合には、第一検知部61で一次的な検知を行い、第二検知部62で二次的な詳細な検知を行ってもよい。この場合には、第一検知部61で駆動部40から連結部20に加わる力が一定の範囲内にあることが確認された後で、制御部50が第二検知部62を起動し、第二検知部62で検知されるモータのトルクが一定の範囲内になるように制御するようにしてもよい。
【0063】
第2の実施の形態
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0064】
本実施の形態では、
図9に示すように、一方のアーム26と他方のアーム27とが駆動部40の設けられた基端部21を介して直線状に連結されている。そして、連結部20の一部を構成する一方のアーム26及び他方のアーム27を駆動部40で第一方向に沿った直線状で移動させることで、一対の被駆動部31,32の各々が第一方向に沿って直線状で同時に近接及び離隔可能となっている。また、一方の被駆動部31と他方の被駆動部32とは同時かつ同一又は略同一距離だけ移動するように構成されてもよい。その他の構成については、第1の実施の形態と同様であり、第1の実施の形態で説明したあらゆる態様を採用することができる。第1の実施の形態で説明した部材については同じ符号を用いて説明する。本実施の形態の基端部21は一方のアーム26と他方のアーム27を把持するグリッパ等から構成されてもよい。
【0065】
連結部20の一部を構成する一方のアーム26及び他方のアーム27を駆動部40によって同時に同一又は略同一距離だけ移動させることで、一対の被駆動部30を第一方向に沿って直線状で近接又は離隔させる態様を採用した場合には、一方の被駆動部31と他方の被駆動部32を同じタイミングで同一又は略同一の距離だけ移動させることができ、支持部10によって基板Wを支持する位置(クランプ位置)のずれを生じ難くすることができる。
【0066】
図9及び
図10に示すように、駆動部40から連結部20の一方のアーム26及び/又は他方のアーム27を介して一方の被駆動部31及び/又は他方の被駆動部32に加わる力を検知する第一検知部61'が設けられてもよい。なお、
図9及び
図10では一方のアーム26と一方の被駆動部31との間に第一検知部61'が設けられる態様となっているが、このような態様に限られることはなく、一方のアーム26と一方の被駆動部31との間と他方のアーム27と他方の被駆動部32との間の両方に第一検知部61'が設けられてもよい。
【0067】
図9及び
図10に示す態様では、一方のアーム26及び他方のアーム27、一つの第一ガイド71及び一つの第二ガイド72が第一方向に沿って直線状に設けられている。つまり、第三方向に沿って見たときに、一方のアーム26、他方のアーム27、一つの第一ガイド71及び一つの第二ガイド72の各々が第一方向に沿った同じ直線上に配置されている。このため、一方のアーム26及び他方のアーム27を移動させることで、一つの第一ガイド71に沿って第一被ガイド部材81を第一方向に直線状に効率よく移動させ、かつ一つの第二ガイド72に沿って第二被ガイド部材82を第一方向に直線状に効率よく移動させることができる。
【0068】
上述した各実施の形態の記載及び図面の開示は、特許請求の範囲に記載された発明を説明するための一例に過ぎず、上述した各実施の形態の記載又は図面の開示によって特許請求の範囲に記載された発明が限定されることはない。また、出願当初の請求項の記載はあくまでも一例であり、明細書、図面等の記載に基づき、請求項の記載を適宜変更することもできる。本実施の形態の基板支持装置100は、IPAモジュール、PENモジュール、2流体ジェットモジュール等の様々なモジュールで採用できる。また、基板支持装置とともに、ベベル洗浄装置や基板Wの回転検知機構が設けられてもよい。
【符号の説明】
【0069】
10・・・支持部、20・・・連結部、21・・・基端部、25・・・一対のアーム、30・・・被駆動部、31・・・一方の被駆動部、32・・・他方の被駆動部、31a・・・第一長孔、32a・・・第二長孔、40・・・駆動部、50・・・制御部、61・・・第一検知部、62・・・第二検知部、81・・・第一被ガイド部材、82・・・第二被ガイド部材、W・・・基板