(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-28
(45)【発行日】2023-10-06
(54)【発明の名称】加工装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/301 20060101AFI20230929BHJP
H01L 21/677 20060101ALI20230929BHJP
H01L 21/683 20060101ALI20230929BHJP
B23Q 7/00 20060101ALI20230929BHJP
B23Q 7/04 20060101ALI20230929BHJP
【FI】
H01L21/78 N
H01L21/68 B
H01L21/68 P
B23Q7/00 J
B23Q7/04 K
(21)【出願番号】P 2019215408
(22)【出願日】2019-11-28
【審査請求日】2022-09-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福岡 武臣
【審査官】三浦 みちる
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-032867(JP,A)
【文献】特開平06-112299(JP,A)
【文献】実開平01-079900(JP,U)
【文献】特開2001-024050(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/301
H01L 21/677
H01L 21/683
B23Q 7/00
B23Q 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工物を加工する加工装置であって、
被加工物を保持する保持領域と、一端が該保持領域に接続し他端が下面に開口する第1吸引路と、一端が該保持領域に接続し他端が上面に開口する第2吸引路と、を備える治具テーブルと、
該治具テーブルが着脱可能に固定され、該第1吸引路から該保持領域に負圧を作用させるテーブルベースと、
該テーブルベースに固定された該治具テーブルが保持する被加工物を加工する加工ユニットと、
被加工物が加工される加工領域と、該治具テーブルが該テーブルベースに着脱される着脱領域と、の間で該テーブルベースを移動する移動ユニットと、
加工前の被加工物が支持された該治具テーブルを仮置きする仮置き領域と、
該治具テーブルの該第2吸引路に負圧を作用させつつ、該仮置き領域に載置された該治具テーブルを該テーブルベースに搬送する搬送ユニットと、を備え、
該搬送ユニットは、
該治具テーブルの両脇を上方から把持する一対の把持爪と、
該把持爪で把持された該治具テーブルの該第2吸引路の開口に上方から接続し、該保持領域に吸引力を作用させて被加工物を保持する吸引配管と、
該吸引配管を昇降させ、該第2吸引路の該開口に接続する作用位置と、該開口から離れた上昇位置とに該吸引配管を位置付ける昇降ユニットと、を有し、
該把持爪は、リンク機構を介して該昇降ユニットに固定され、該昇降ユニットの昇降動作で回動して開閉し、該治具テーブルを把持する加工装置。
【請求項2】
該第1吸引路及び該第2吸引路それぞれの他端側には逆止弁が配置されている請求項1に記載の加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
切削装置に代表される、チャックテーブルで被加工物を保持し、加工ユニットでチャックテーブルに保持された被加工物を加工する加工装置が知られている。通常、それぞれの被加工物は、環状フレームに粘着テープで1枚ずつ固定され、1枚ずつ加工する度にチャックテーブルに着脱される。しかし、粘着テープは使い捨てのためコストが高くなる。そこで、チャックテーブルに直接被加工物を固定して加工する、所謂治具ダイサーが用いられる場合がある。
【0003】
治具ダイサーは、被加工物をチャックテーブルに搬入、搬出するが、被加工物が小さい場合や、特殊な形状の場合、搬送が難しい。そこで、予め被加工物をセットした治具テーブルをチャックテーブルとして、治具テーブルごとテーブルベースに搬送する方法が考案された。この場合、搬送中に被加工物が離脱することが懸念されるため、治具テーブルの負圧を維持させる機構を持たせた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に示された方法は、被加工物を保持面との隙間からエアーが侵入し、吸引力が低下しやすく、搬送中の被加工物の脱落する虞があり、搬送中も被加工物に負圧を作用させる機構が望まれている。さらに、搬送機構は、治具テーブルを固定するクランプ機構も備えるため、吸引機構とクランプ機構それぞれを作用位置と退避位置とに位置付けるアクチュエータを必要とし、構成が複雑で大きくなってしまい、重量も大きくなるという問題があった。
【0006】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、搬送中の被加工物の脱落を抑制できるとともに、構成の複雑化を抑制することができる加工装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の加工装置は、被加工物を加工する加工装置であって、被加工物を保持する保持領域と、一端が該保持領域に接続し他端が下面に開口する第1吸引路と、一端が該保持領域に接続し他端が上面に開口する第2吸引路と、を備える治具テーブルと、該治具テーブルが着脱可能に固定され、該第1吸引路から該保持領域に負圧を作用させるテーブルベースと、該テーブルベースに固定された該治具テーブルが保持する被加工物を加工する加工ユニットと、被加工物が加工される加工領域と、該治具テーブルが該テーブルベースに着脱される着脱領域と、の間で該テーブルベースを移動する移動ユニットと、加工前の被加工物が支持された該治具テーブルを仮置きする仮置き領域と、該治具テーブルの該第2吸引路に負圧を作用させつつ、該仮置き領域に載置された該治具テーブルを該テーブルベースに搬送する搬送ユニットと、を備え、該搬送ユニットは、該治具テーブルの両脇を上方から把持する一対の把持爪と、該把持爪で把持された該治具テーブルの該第2吸引路の開口に上方から接続し、該保持領域に吸引力を作用させて被加工物を保持する吸引配管と、該吸引配管を昇降させ、該第2吸引路の該開口に接続する作用位置と、該開口から離れた上昇位置とに該吸引配管を位置付ける昇降ユニットと、を有し、該把持爪は、リンク機構を介して該昇降ユニットに固定され、該昇降ユニットの昇降動作で回動して開閉し、該治具テーブルを把持することを特徴とする。
【0008】
前記加工装置では、該第1吸引路及び該第2吸引路それぞれの他端側には逆止弁が配置されても良い。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、搬送中の被加工物の脱落を抑制できるとともに、構成の複雑化を抑制することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る加工装置の構成例を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態1に係る加工装置の治具テーブルを模式的に示す斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1に示された加工装置の治具テーブルの断面図である。
【
図4】
図4は、
図1に示された加工装置のテーブルベースの一部を断面で示す側面図である。
【
図5】
図5は、
図1に示された加工装置の搬送ユニットを一部断面で示す側面図である。
【
図6】
図6は、
図5に示された搬送ユニットが治具テーブルを把持する状態を一部断面で示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0012】
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1に係る加工装置を図面に基づいて説明する。
図1は、実施形態1に係る加工装置の構成例を示す斜視図である。
図2は、実施形態1に係る加工装置の治具テーブルを模式的に示す斜視図である。
図3は、
図1に示された加工装置の治具テーブルの断面図である。
図4は、
図1に示された加工装置のテーブルベースの一部を断面で示す側面図である。
図5は、
図1に示された加工装置の搬送ユニットを一部断面で示す側面図である。
図6は、
図5に示された搬送ユニットが治具テーブルを把持する状態を一部断面で示す側面図である。
【0013】
実施形態1に係る
図1に示す加工装置1は、被加工物200を切削(加工に相当)する切削装置である。実施形態1では、平面形状が矩形の平板状に形成され、セラミックス基板、フェライト基板、ニッケル、樹脂及び鉄の少なくとも一方を含む基板、又はガラス基板である。
【0014】
図1に示された加工装置1は、被加工物200を治具テーブル10で保持して切削ブレード31で切削(加工に相当)する切削装置である。加工装置1は、
図1に示すように、被加工物200を保持領域121で吸引保持する治具テーブル10と、治具テーブル10が着脱自在に固定されるテーブルベース20と、切削ブレード31で治具テーブル10が保持する被加工物200を切削する加工ユニットである切削ユニット30と、治具テーブル10に保持された被加工物200を撮影する図示しない撮像ユニットと、制御ユニット100とを備える。
【0015】
また、加工装置1は、
図1に示すように、テーブルベース20と切削ユニット30とを相対的に移動させる移動ユニット40を備える。移動ユニット40は、テーブルベース20を水平方向と平行なX軸方向に加工送りする加工送りユニットであるX軸移動ユニット41と、切削ユニット30を水平方向と平行でかつX軸方向に直交するY軸方向に割り出し送りする割り出し送りユニットであるY軸移動ユニット42と、切削ユニット30をX軸方向とY軸方向との双方と直交する鉛直方向に平行なZ軸方向に切り込み送りする切り込み送りユニットであるZ軸移動ユニット43と、テーブルベース20をX軸方向とY軸方向との双方に対して直交するZ軸方向と平行な軸心回りに回転する回転移動ユニット44とを少なくとも備える。
【0016】
X軸移動ユニット41は、被加工物200が加工される加工領域2と、治具テーブル10がテーブルベース20に着脱される着脱領域3との間でテーブルベース20を加工送り方向であるX軸方向に移動させることで、テーブルベース20と切削ユニット30とを相対的にX軸方向に沿って加工送りするものである。Y軸移動ユニット42は、切削ユニット30を割り出し送り方向であるY軸方向に移動させることで、テーブルベース20と切削ユニット30とを相対的にY軸方向に沿って割り出し送りするものである。Z軸移動ユニット43は、切削ユニット30を切り込み送り方向であるZ軸方向に移動させることで、テーブルベース20と切削ユニット30とを相対的にZ軸方向に沿って切り込み送りするものである。回転移動ユニット44は、テーブルベース20を支持し、テーブルベース20とともにX軸移動ユニット41によりX軸方向に移動する。
【0017】
X軸移動ユニット41、Y軸移動ユニット42及びZ軸移動ユニット43は、軸心回りに回転自在に設けられた周知のボールねじ、ボールねじを軸心回りに回転させる周知のモータ及びテーブルベース20又は切削ユニット30をX軸方向、Y軸方向又はZ軸方向に移動自在に支持する周知のガイドレールを備える。
【0018】
治具テーブル10は、テーブルベース20に固定されると、X軸移動ユニット41により切削ユニット30の下方の加工領域2と、切削ユニット30の下方から離間してテーブルベース20に着脱される着脱領域3とに亘ってX軸方向に移動自在に設けられ、かつ回転移動ユニット44によりZ軸方向と平行な軸心回りに回転自在に設けられている。治具テーブル10は、
図1、
図2及び
図3に示すように、ベース部11と、保持部12と、凸部13とを備える。ベース部11は、平面形状が矩形状でかつ厚手の平板状に形成され、テーブルベース20上に固定される。
【0019】
保持部12は、ベース部11上に設けられている。保持部12は、実施形態1では、長手方向がX軸方向と平行な平板状に形成され、X軸方向に間隔をあけて複数の保持領域121を備えている。保持領域121は、保持部12の上面122に設けられて、被加工物200を吸引保持するものであって、上面122に複数の吸引口が形成されている。凸部13は、ベース部11上に設けられ、保持部12のX軸方向の中央部のY軸方向の隣りに配置されている。凸部13の上面131は、保持部12の上面122と同一平面上に配置されている。
【0020】
また、治具テーブル10は、
図3に示すように、第1吸引路14と、第2吸引路15とを備える。第1吸引路14は、保持部12とベース部11内に設けられた空間である。第1吸引路14は、一端が各保持部12の保持領域121の中央に開口して保持領域121に接続しているとともに保持部12をZ軸方向に貫通して他端がベース部11の下面に開口した保持領域接続部141と、ベース部11を貫通しているとともに、一端が複数の保持領域接続部141の全てに接続し、他端がベース部11の下面111に開口したベース部貫通部142と、一端がベース部貫通部142に接続しかつ他端がベース部11の上面112の凸部13の下面に重なる位置に開口した第2吸引路接続部143とを備える。なお、実施形態1では、ベース部貫通部142の一部と保持領域接続部141は、第1吸引路14兼第2吸引路15になっている。
【0021】
第2吸引路15は、凸部13内に設けられた空間である。第2吸引路15は、凸部13の中央をZ軸方向に貫通して、一端が第1吸引路14の第2吸引路接続部143に接続して第1吸引路14を介して保持領域121に接続している。第2吸引路15は、他端が凸部13の上面131の中央に開口している。以下、第2吸引路15の上面131に開口した孔を開口151と記す。
【0022】
また、治具テーブル10は、第1吸引路14のベース部貫通部142の他端側に配置された第1逆止弁16と、第2吸引路15の他端側に配置された第2逆止弁17とを備える。このため、治具テーブル10は、第1吸引路14及び第2吸引路15のそれぞれの他端側に第1逆止弁16、第2逆止弁17が配置されている。
【0023】
第1逆止弁16は、保持領域121からベース部11の下面111即ち第1吸引路14の保持領域接続部141からベース部貫通部142に向かって気体が流れる場合、開いて、保持領域121からベース部11の下面111即ち第1吸引路14の保持領域接続部141からベース部貫通部142に向かう気体の流れを許容する。第1逆止弁16は、ベース部11の下面111即ち第1吸引路14のベース部貫通部142から保持領域接続部141を介して保持領域121に向かって気体が流れる場合、及び第1吸引路14内の気体が流れていない場合、閉じる。
【0024】
第2逆止弁17は、第2吸引路15の他端から凸部13の上面131に向かって気体が流れる場合、開いて、保持領域121から第1吸引路14の保持領域接続部141を介してベース部貫通部142に向かう気体の流れを許容する。第2逆止弁17は、凸部13の上面131から第2吸引路15の他端に向かって気体が流れる場合、及び第2吸引路15内の気体が流れていない場合、閉じる。
【0025】
また、治具テーブル10のベース部11は、下面111の第1吸引路14のベース部貫通部142の他端の周りに嵌合凹部113を設けている。嵌合凹部113は、ベース部11の下面111から凹に形成されている。
【0026】
テーブルベース20は、回転移動ユニット44に支持されて、X軸移動ユニット41により加工領域2と、治具テーブル10が着脱される着脱領域3とに亘ってX軸方向に移動自在に設けられ、かつ回転移動ユニット44によりZ軸方向と平行な軸心回りに回転自在に設けられている。テーブルベース20は、平面形状が矩形状でかつ厚手の平板状に形成され、上面21に治具テーブル10が載置される。
【0027】
テーブルベース20は、上面21の中央に設けられかつ嵌合凹部113内に侵入して嵌合する嵌合凸部211と、嵌合凸部211及びテーブルベース20の中央をZ軸方向に貫通した第3吸引路22と、上面21の嵌合凸部211の周りに開口した第4吸引路23とを備えている。嵌合凸部211は、テーブルベース20の上面21から凸に形成されている。
【0028】
第3吸引路22及び第4吸引路23は、テーブルベース20内に形成された空間である。第3吸引路22は、テーブルベース20の上面21に治具テーブル10が載置され、嵌合凸部211が嵌合凹部113に嵌合すると、第1吸引路14のベース部貫通部142とそれぞれ開閉弁を介して接続する。第3吸引路22及び第4吸引路23は、エジェクタ等で構成される吸引源24に接続している。
【0029】
テーブルベース20は、上面21に治具テーブル10が載置されると、嵌合凸部211が嵌合凹部113に嵌合し、第3吸引路22が第1吸引路14のベース部貫通部142と接続し、第4吸引路23の開口が治具テーブル10のベース部11の下面111に対面する。テーブルベース20は、吸引源24により第4吸引路23が吸引されて、治具テーブル10を上面21に吸引保持して、治具テーブル10を上面21に固定する。また、テーブルベース20は、吸引源24により第3吸引路22が吸引されて、第1逆止弁16が開き、第2逆止弁17が閉じて、第1吸引路14から治具テーブル10の保持領域121に負圧を作用させて、保持領域121上に被加工物200を吸引保持する。こうして、実施形態1に係る治具テーブル10は、被加工物200を粘着テープなどの保持部材を介することなく直接保持領域121に吸引保持するものである。
【0030】
切削ユニット30は、テーブルベース20に固定された治具テーブル10が保持する被加工物200を切削する切削ブレード31を着脱自在に装着した加工ユニットである。切削ユニット30は、テーブルベース20に固定された治具テーブル10に保持された被加工物200に対して、Y軸移動ユニット42によりY軸方向に移動自在に設けられ、かつ、Z軸移動ユニット43によりZ軸方向に移動自在に設けられている。
【0031】
切削ユニット30は、
図1に示すように、Y軸移動ユニット42及びZ軸移動ユニット43などを介して、装置本体4から立設した支持フレーム5に設けられている。切削ユニット30は、Y軸移動ユニット42及びZ軸移動ユニット43により、テーブルベース20に固定された治具テーブル10の保持領域121の任意の位置に切削ブレード31を位置付け可能となっている。
【0032】
切削ユニット30は、切削ブレード31と、Y軸移動ユニット42及びZ軸移動ユニット43によりY軸方向及びZ軸方向に移動自在に設けられたスピンドルハウジング32と、スピンドルハウジング32に軸心回りに回転可能に設けられかつ図示しないモータにより回転されるとともに先端に切削ブレード31が装着されるスピンドル33とを備える。
【0033】
切削ブレード31は、略リング形状を有する極薄の切削砥石である。実施形態1において、切削ブレード31は、円環状の円形基台と、円形基台の外周縁に配設されて被加工物200を切削する円環状の切り刃とを備える所謂ハブブレードである。切り刃は、ダイヤモンドやCBN(Cubic Boron Nitride)等の砥粒と、金属や樹脂等のボンド材(結合材)とからなり所定厚みに形成されている。なお、本発明では、切削ブレード31は、切り刃212のみで構成された所謂ワッシャーブレードでもよい。切削ブレード31は、スピンドル33がモータにより軸心回りに回転することで、回転される。なお、切削ユニット30の切削ブレード31及びスピンドル33の軸心は、Y軸方向と平行である。
【0034】
撮像ユニットは、テーブルベース20に固定された治具テーブル10に保持された切削前の被加工物200の分割すべき領域を撮影する撮像素子を備えている。撮像素子は、例えば、CCD(Charge-Coupled Device)撮像素子又はCMOS(Complementary MOS)撮像素子である。撮像ユニットは、テーブルベース20に固定された治具テーブル10に保持された被加工物200を撮影して、被加工物200と切削ブレード31との位置合わせを行なうアライメントを遂行するため等の画像を得、得た画像を制御ユニット100に出力する。
【0035】
また、加工装置1は、治具テーブル10のX軸方向の位置を検出するため図示しないX軸方向位置検出ユニットと、切削ユニット30のY軸方向の位置を検出するための図示しないY軸方向位置検出ユニットと、切削ユニット30のZ軸方向の位置を検出するためのZ軸方向位置検出ユニットとを備える。X軸方向位置検出ユニット及びY軸方向位置検出ユニットは、X軸方向、又はY軸方向と平行なリニアスケールと、読み取りヘッドとにより構成することができる。Z軸方向位置検出ユニットは、モータのパルスで切削ユニット30のZ軸方向の位置を検出する。X軸方向位置検出ユニット、Y軸方向位置検出ユニット及びZ軸方向位置検出ユニットは、治具テーブル10のX軸方向、切削ユニット30のY軸方向又はZ軸方向の位置を制御ユニット100に出力する。なお、実施形態1では、加工装置1の各構成要素のX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の位置は、予め定められた図示しない基準位置を基準とした位置で定められる。
【0036】
制御ユニット100は、加工装置1の各構成要素をそれぞれ制御して、被加工物200に対する加工動作を加工装置1に実施させるものである。なお、制御ユニット100は、CPU(central processing unit)のようなマイクロプロセッサを有する演算処理装置と、ROM(read only memory)又はRAM(random access memory)のようなメモリを有する記憶装置と、入出力インターフェース装置とを有するコンピュータである。制御ユニット100の演算処理装置は、記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムに従って演算処理を実施して、加工装置1を制御するための制御信号を、入出力インターフェース装置を介して加工装置1の各構成要素に出力する。
【0037】
制御ユニット100は、加工動作の状態や画像などを表示する液晶表示装置などにより構成される図示しない表示ユニットと、オペレータが加工内容情報などを登録する際に用いる入力ユニットとに接続されている。入力ユニットは、表示ユニットに設けられたタッチパネルと、キーボード等の外部入力装置とのうち少なくとも一つにより構成される。
【0038】
また、加工装置1は、
図1に示すように、仮置き領域50と、搬送ユニット60と、アンロードテーブル70とを備える。
【0039】
仮置き領域50は、切削前の被加工物200が支持された治具テーブル10を仮置きするものであって、装置本体4の上面の着脱領域3に位置付けられたテーブルベース20のY軸方向の隣りに配置されている。仮置き領域50は、各保持領域121上に被加工物200が載置された治具テーブル10を仮置きする。
【0040】
アンロードテーブル70は、切削後の被加工物200が支持された治具テーブル10を載置するものであって、装置本体4の上面のテーブルベース20とX軸方向に並ぶ位置に配置されている。アンロードテーブル70は、移動機構71より着脱領域3に位置付けられたテーブルベース20とX軸方向に並ぶ
図1に示す位置と、着脱領域3に位置付けられたテーブルベース20上の位置とに亘って、X軸方向に移動自在に支持されている。
【0041】
搬送ユニット60は、治具テーブル10の第2吸引路15に負圧を作用させつつ、仮置き領域50に載置された治具テーブル10をテーブルベース20に搬送するとともに、テーブルベース20上の治具テーブル10をアンロードテーブル70上に搬送するものである。搬送ユニット60は、治具テーブル10のY軸方向の両脇を把持する把持ユニット61と、把持ユニット61を支持するとともにZ軸方向に昇降させるZ軸移動ユニット62と、Z軸移動ユニット62毎把持ユニット61をY軸方向させるY軸移動ユニット63とを備える。
【0042】
Z軸移動ユニット62は、長手方向がZ軸方向と平行で、かつシリンダ621とシリンダ621から伸縮自在なロッド622を備えるエアシリンダである。Z軸移動ユニット62は、シリンダ621から伸張するロッド622の先端が下方に向かうにように配置され、ロッド622の先端に把持ユニット61を取り付けている。Z軸移動ユニット62は、ロッド622を伸縮することで、把持ユニット61を昇降させる。
【0043】
Y軸移動ユニット63は、装置本体4から立設した第2支持フレーム6に支持され、Z軸移動ユニット62のシリンダ621をY軸方向に移動させる。Y軸移動ユニット63は、Z軸移動ユニット62のシリンダ621をY軸方向に移動させることで、把持ユニット61をY軸方向に移動させる。
【0044】
把持ユニット61は、
図5及び
図6に示すように、ユニット本体64と、一対の把持爪65と、吸引配管66と、リンク機構67と、昇降ユニット68とを有する。ユニット本体64は、Z軸移動ユニット62のロッド622の先端に取り付けられている。実施形態1において、ユニット本体64は、
図1に示すように、Z軸方向に間隔をあけた一対の水平板641と、一対の水平板641同士を連結した連結棒642とを備えている。
【0045】
一対の把持爪65は、治具テーブル10のY軸方向の両脇を上方から把持するものである。一対の把持爪65は、下方側の水平板641のY軸方向の両端部にX軸方向と平行な軸心651回りに回転自在に支持されている。一対の把持爪65は、軸心651回りに回転自在に支持される回転支持部652と、回転支持部652から互いに直交する方向に延在した第1延在部653と、第2延在部654とを備える。第1延在部653は、第1延在部653がZ軸方向と平行になると治具テーブル10の下面111のY軸方向の端を支えて把持する爪部655を備える。一対の把持爪65は、第1延在部653がY軸方向と平行でかつ第2延在部654が回転支持部652からZ軸方向に沿って上方に向かう
図5に示す開放位置と、第1延在部653が回転支持部652からZ軸方向に沿って下方に向かいかつ第2延在部654がY軸方向と平行な
図6に示す把持位置とに亘って軸心651回りに回転自在に水平板641に支持されている。
【0046】
吸引配管66は、一対の把持爪65で把持された治具テーブル10の第2吸引路15の開口151に上方から接続し、保持領域121に吸引力を作用させて、把持爪65で把持した治具テーブル10の保持領域121に被加工物200を吸引保持するものである。吸引配管66は、長手方向がZ軸方向と平行な直線状のパイプであり、下方側の水平板641に取り付けられたスライド支持部材643に対して昇降ユニット68でZ軸方向に移動自在に支持されている。吸引配管66は、上端側がエジェクタ等の吸引源69に接続している。吸引配管66は、
図5に示すように、Z軸方向に沿って上昇して、下端661が下方側の水平板641に設けられた通し孔644内に没した上昇位置に位置すると、下端661が把持爪65が把持した治具テーブル10の第2吸引路15の開口151から離れる。
【0047】
また、吸引配管66は、
図6に示すように、Z軸方向に沿って下降して、下端661が通し孔644内を通って下方側の水平板641の下面よりも下方に突出した作用位置に位置すると、治具テーブル10の第2吸引路15の開口151と接続する。吸引配管66は、下端661が治具テーブル10の第2吸引路15の開口151と接続し、吸引源69により吸引される。すると、第2逆止弁17が開き、吸引源69が第2吸引路15を通して第1吸引路14内を吸引するとともに、第1逆止弁16が閉じて、保持領域121に吸引力を作用させて、保持領域121に被加工物200を吸引保持する。
【0048】
リンク機構67は、吸引配管66のZ軸方向の移動と、一対の把持爪65の開放位置と把持位置との間の移動とを連動させるものである。リンク機構67は、一対のリンクアーム671と、一つのリンク部材672とを備える。リンクアーム671は、直線状に延びた棒状に形成され、一端が把持爪65の第2延在部654にX軸方向と平行な軸心673回りに回転自在に連結されている。また、リンクアーム671は、他端同士がX軸方向と平行な軸心674回りに回転自在に連結されている。リンク部材672は、軸心674と吸引配管66とを連結している。また、リンク部材672は、吸引配管66の上端部が固定されている。
【0049】
リンク機構67は、吸引配管66がZ軸方向に沿って上昇して、下端661が下方側の水平板641に設けられた通し孔644を通って上昇位置に位置すると、軸心673を介して一対のリンクアーム671が第2延在部654を上方に引き上げて一対の把持爪65を開放位置に位置付ける。また、リンク機構67は、吸引配管66がZ軸方向に沿って下降して、下端661が通し孔644内を通って下方側の水平板641の下面よりも下方に突出する作用位置に位置すると、軸心673を介して一対のリンクアーム671の第2延在部654を下方に向けて移動させて一対の把持爪65を把持位置に位置付ける。
【0050】
昇降ユニット68は、下方の水平板641上に配置され、吸引配管66をZ軸方向に沿って昇降させるものである。昇降ユニット68は、上方に向かって伸張し、下方に向かって縮小する伸縮ロッド681を備える。伸縮ロッド681は、リンク部材672に接続している。昇降ユニット68は、伸縮ロッド681が伸縮することで、リンク部材672をZ軸方向に昇降する。昇降ユニット68は、リンク部材672をZ軸方向に昇降して、リンク部材672に上端部が固定された吸引配管66をZ軸方向に沿って昇降させることで、作用位置と上昇位置とに亘って昇降させる。こうして、昇降ユニット68は、吸引配管66を昇降させ、第2吸引路15の開口151に接続する作用位置と、第2吸引路15の開口151から離れた上昇位置とに吸引配管66を位置付けることとなる。また、昇降ユニット68は、リンク部材672の昇降に伴いリンク機構67のリンクアーム671の他端を昇降して、把持爪65を開放位置と把持位置とに亘って開閉する。
【0051】
こうして、実施形態1に係る搬送ユニット60の把持ユニット61は。把持爪65がリンク機構67を介して昇降ユニット68の昇降動作を連動して回転するように取り付けられて、昇降ユニット68の吸引配管66の昇降動作で連動して、開放位置と把持位置とに亘って回動して、爪部655間を開閉して、治具テーブル10を把持位置で把持する。
【0052】
加工装置1は、加工動作開始前に、オペレータが、各保持領域121に被加工物200が載置された治具テーブル10を仮置き領域50に載置し、加工内容情報を制御ユニット100に登録する。その後、加工装置1は、オペレータから加工動作の開始指示があった場合に加工動作を開始する。
【0053】
加工装置1は、加工動作を開始すると、制御ユニット100が昇降ユニット68を制御して
図5に示すように吸引配管66を上昇位置に位置付けるとともに一対の把持爪65を開放位置に位置付ける。また、加工装置1は、制御ユニット100がX軸移動ユニット41を制御してテーブルベース20を着脱領域3に位置付ける。加工装置1は、制御ユニット100が移動機構71を制御して、アンロードテーブル70を着脱領域3に位置付けられたテーブルベース20とX軸方向に並ぶ位置に位置付ける。
【0054】
加工装置1は、制御ユニット100が搬送ユニット60のY軸移動ユニット63を制御して、把持ユニット61を仮置き領域50に載置された治具テーブル10の上方に位置付ける。加工装置1は、制御ユニット100が搬送ユニット60のZ軸移動ユニット62等を制御して把持ユニット61を下降させて、下方の水平板641を仮置き領域50に載置された治具テーブル10の直上に位置付けた後、昇降ユニット68を制御して
図6に示すように吸引配管66を作用位置に位置付けるとともに一対の把持爪65を把持位置に位置付ける。
【0055】
すると、一対の把持爪65の爪部655が仮置き領域50上の治具テーブル10の下方に侵入して下面111を支持して仮置き領域50上の治具テーブル10のY軸方向の両脇を把持するとともに、吸引配管66の下端661が治具テーブル10の第2吸引路15の開口151に接続する、加工装置1は、制御ユニット100が吸引源69を制御して、吸引源69により吸引配管66内を吸引する。すると、第2逆止弁17が開き、第1逆止弁16が閉じて、吸引源69の吸引力が第2吸引路15を介して、第1吸引路14の第2吸引路接続部143、ベース部貫通部142及び保持領域接続部141を通して保持領域121に作用して、治具テーブル10の保持領域121に被加工物200が吸引保持される。
【0056】
加工装置1は、制御ユニット100がZ軸移動ユニット62を制御して治具テーブル10を把持した把持ユニット61を上昇させるとともに、Y軸移動ユニット63を制御して治具テーブル10を把持した把持ユニット61をY軸方向に移動して、着脱領域3に位置付けられたテーブルベース20の上方に位置付ける。加工装置1は、制御ユニット100が搬送ユニット60のZ軸移動ユニット62等を制御して把持ユニット61を下降させて、把持ユニット61が把持した治具テーブル10をテーブルベース20の上面21に載置するとともに、嵌合凹部113に嵌合凸部211を嵌合させる。こうして、加工装置1は、治具テーブル10の搬送中において、第2逆止弁17が開き、第1逆止弁16が閉じる。
【0057】
加工装置1は、制御ユニット100が吸引源24,69を制御して、吸引源24により第3吸引路22及び第4吸引路23内を吸引するとともに、吸引源69による吸引配管66内の吸引を停止する。すると、治具テーブル10がテーブルベース20に吸引保持されて、吸引源24に吸引力によりテーブルベース20に固定されるとともに、第1逆止弁16が開き、第2逆止弁17が閉じて、吸引源24に吸引力により被加工物200がテーブルベース20に固定された治具テーブル10の保持領域121に吸引保持される。
【0058】
加工装置1は、制御ユニット100が昇降ユニット68を制御し、吸引配管66を上昇位置に位置付けるとともに一対の把持爪65を開放位置に位置付けて、一対の把持爪65の治具テーブル10の把持を解除する。加工装置1は、制御ユニット100が搬送ユニット60のZ軸移動ユニット62及びY軸移動ユニット63を制御して、把持ユニット61を上昇させるとともに、テーブルベース20に固定された治具テーブル10の上方から把持ユニット61を退避する。
【0059】
加工装置1は、制御ユニット100がX軸移動ユニット41を制御して、テーブルベース20に固定された治具テーブル10を加工領域2に向かって移動して、撮像ユニットが被加工物200を撮影して、撮像ユニットが撮影して得た画像に基づいて、アライメントを遂行する。
【0060】
加工装置1は、制御ユニット100が移動ユニット40を制御して被加工物200と切削ユニット30とを相対的に移動させながら、切削ブレード31で各保持領域121に保持された被加工物200を切削する。加工装置1は、テーブルベース20に固定された治具テーブル10の各保持領域121に保持された全ての被加工物200が切削されると、制御ユニット100がX軸移動ユニット41を制御して、テーブルベース20に固定された治具テーブル10を着脱領域3に向かって移動して、着脱領域3において治具テーブル10の移動を停止する。こうして、加工装置1は、被加工物200の切削中において、第1逆止弁16が開き、第2逆止弁17が閉じる。
【0061】
加工装置1は、制御ユニット100が吸引源24の吸引を停止してテーブルベース20への治具テーブル10の固定を解除した後、仮置き領域50からテーブルベース20に搬送した時と同様に、把持ユニット61でテーブルベース20上の治具テーブル10を把持した後、治具テーブル10を把持した把持ユニット61を上昇させる。加工装置1は、制御ユニット100が移動機構71を制御して、アンロードテーブル70を着脱位置のテーブルベース20の上方に位置付けて、仮置き領域50からテーブルベース20に搬送した時と同様に、把持ユニット61で把持した治具テーブル10をアンロードテーブル70上に載置する。加工装置1は、把持ユニット61の治具テーブル10の把持を停止し、アンロードテーブル70上から把持ユニット61を退避させた後、アンロードテーブル70を着脱領域3に位置付けられたテーブルベース20とX軸方向に並ぶ位置まで移動させて、加工動作を終了する。
【0062】
以上説明したように、実施形態1に係る加工装置1は、治具テーブル10が上面131に開口しかつ第1吸引路14を介して保持領域121に接続する第2吸引路15を備え、搬送ユニット60が把持爪65で把持された治具テーブル10の第2吸引路15の開口151に接続し、保持領域121に吸引力を作用させる吸引配管66を備えているので、搬送ユニット60の搬送中にも治具テーブル10の保持領域121に被加工物200を吸引保持することができる。
【0063】
また、実施形態1に係る加工装置1は、吸引配管66の作用位置と上昇位置との間の移動と、一対の把持爪65の開放位置と把持位置との間の移動とを連動させるリンク機構67を備えている。このために、実施形態1に係る加工装置1は、吸引配管66の作用位置と上昇位置との間の移動と、一対の把持爪65の開放位置と把持位置との間の移動とを一つの昇降ユニット68により実現することができ、部品点数の増加を抑制することができる。その結果、実施形態1に係る加工装置1は、搬送中の被加工物200の治具テーブル10からの脱落を抑制できるとともに、加工装置1自体の構成の複雑化を抑制することができるという効果を奏する。
【0064】
また、実施形態1に係る加工装置1は、第1吸引路14のベース部貫通部142の他端側に設けられた第1逆止弁16と、第2吸引路15の他端側に設けられた第2逆止弁17とを備え、治具テーブル10の搬送中において第2逆止弁17が開き第1逆止弁16が閉じ、被加工物200の切削中において第1逆止弁16が開き第2逆止弁17が閉じる。その結果、実施形態1に係る加工装置1は、治具テーブル10の搬送中及び被加工物200の切削中には、被加工物200を保持領域121に吸引保持でき、治具テーブル10をテーブルベース20に固定することができる。
【0065】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。なお、前述した実施形態1では、搬送ユニット60のY軸移動ユニット63及びZ軸移動ユニット62を設けて、把持ユニット61をY軸方向及びZ軸方向に移動させたが、本発明では、加工装置1は、切削ユニット30のスピンドルハウジング32を支持した移動部材34(
図1に示す)に把持ユニット61のユニット本体64を着脱する着脱機構を設けて、治具テーブル10を搬送する際に、着脱機構により移動部材34にユニット本体64を取り付けて、Y軸移動ユニット42及びZ軸移動ユニット43により、把持ユニット61をY軸方向及びZ軸方向に移動させても良い。この場合、切削中には、加工装置1は、移動部材34からユニット本体64を取り外して、把持ユニット61を治具テーブル10から退避する図示しない退避位置に位置付けるのが望ましい。また、実施形態1では、加工装置1は、被加工物200を切削する切削装置であってが、本発明では、切削装置に限定されない。
【符号の説明】
【0066】
1 加工装置
2 加工領域
3 着脱領域
10 治具テーブル
14 第1吸引路
15 第2吸引路
16 第1逆止弁(逆止弁)
17 第2逆止弁(逆止弁)
20 テーブルベース
30 切削ユニット(加工ユニット)
40 移動ユニット
50 仮置き領域
60 搬送ユニット
65 把持爪
66 吸引配管
67 リンク機構
68 昇降ユニット
121 保持領域
151 開口
200 被加工物