(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-28
(45)【発行日】2023-10-06
(54)【発明の名称】基板処理チャンバの漂遊プラズマ防止装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20230929BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20230929BHJP
C23C 16/44 20060101ALI20230929BHJP
H05H 1/00 20060101ALN20230929BHJP
H05H 1/46 20060101ALN20230929BHJP
【FI】
H01L21/302 101G
H01L21/302 101B
H01L21/31 C
C23C16/44 B
H05H1/00 A
H05H1/46 M
(21)【出願番号】P 2021567792
(86)(22)【出願日】2020-05-14
(86)【国際出願番号】 US2020032813
(87)【国際公開番号】W WO2020232205
(87)【国際公開日】2020-11-19
【審査請求日】2022-01-12
(32)【優先日】2019-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ワカバヤシ, レイン
(72)【発明者】
【氏名】ノールバクシュ, ハミド
【審査官】桑原 清
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1306689(KR,B1)
【文献】特開2002-050616(JP,A)
【文献】特表2016-535410(JP,A)
【文献】特開昭63-029520(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H01L 21/31
C23C 16/44
H05H 1/00
H05H 1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理チャンバ内の漂遊プラズマを防止するための装置であって、
誘電体材料から形成された管状本体であって、該管状本体の第1の端部から第2の端部まで内部を通る中央開口部を画定する管状本体と、
前記管状本体の第1の端部から半径方向に延びるフランジと
、
プラグと
を備
え、前記管状本体が、前記中央開口部に配置された前記プラグの第1の部分に沿って前記プラグを取り囲み、前記管状本体の前記第2の端部が、前記プラグの端面と重なる、装置。
【請求項2】
前記装置は
、プラスチック材料から形成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記装置は、ポリオキシメチレン(POM)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のうちの少なくとも1つから形成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記フランジは、前記管状本体の前記第2の端部と反対側の前記フランジの側部上に傾斜した外側半径を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記プラグが、光学的に透明な材料を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記中央開口部が
、0.2
~0.4インチの直径を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記フランジが、少なくと
も1インチの外径また
は0.1
~0.15インチの厚さのうちの少なくとも1つを有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記中央開口部
が0.2
~0.4インチの直径を有し、前記フランジが少なくと
も1インチの外径
と0.1
~0.15インチの厚さを有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
基板を処理するための装置であって、
チャンバ壁
であって、該チャンバ壁の内部空間対向
側の内部に
凹部が形成されたチャンバ壁と、
前記凹部内に部分的に配置される漂遊プラズマを防止するための装
置であっ
て、
誘電体材料から形成された管状本体であって、前記管状本体の第1の端部から第2の端部まで内部を通る中央開口部を画定する管状本体と、
前記管状本体の前記第1の端部から半径方向に延びるフランジであって、前記管状本体は前記凹部内に延び、前記フランジは前記凹部の周囲の前記チャンバ壁に沿って延びる、
フランジと
を備える、
漂遊プラズマを防止するための装置と、
前記チャンバ壁に隣接して配置されたライナと
を備え、漂遊プラズマを防止するための前記装置が、前記チャンバ壁と前記ライナとの間に配置される、基板を処理するための装置。
【請求項10】
漂遊プラズマを防止するための前記装置の前記フランジと前記ライナとの対向面の間に画定された間隙をさらに含み、前記間隙を横切って測定される距離は
、0.5
~1.5mmである、請求項
9に記載の装置。
【請求項11】
前記チャンバ壁を貫通して形成された窓をさらに含み、前記凹部が前記窓の一部である、請求項9
または10に記載の装置。
【請求項12】
基板を処理するための装置であって、
チャンバ壁であって、該チャンバ壁の内部空間対向側の内部に凹部が形成されたチャンバ壁と、
前記チャンバ壁を貫通して形成された窓であって、前記凹部が前記窓の一部である、窓と、
前記凹部内に部分的に配置される漂遊プラズマを防止するための装置と
を備え、漂遊プラズマを防止するための前記装置は、
誘電体材料から形成された管状本体であって、前記管状本体の第1の端部から第2の端部まで内部を通る中央開口部を画定する管状本体と、
前記管状本体の前記第1の端部から半径方向に延びるフランジであって、前記管状本体は前記凹部内に延び、前記フランジは前記凹部の周囲の前記チャンバ壁に沿って延びる、フランジと
を備え、前記窓は、前記チャンバ壁を通して配置された開口部と、前記開口部を部分的に満たすプラグとから形成され、前記管状本体は、前記管状本体の前記第2の端部が前記プラグの端面に近接して終端するように、前記開口部内に延びる
、基板を処理するための装置。
【請求項13】
前記プラグが、主として前記開口部を通って延び、前記チャンバ壁の内部空間対向面に近接するが、到達せずに終端となる、請求項
12に記載の装置。
【請求項14】
前記プラグが、前記チャンバ壁の外面に近接する前記開口部の第1の端部にのみ近接して配置される、請求項
12に記載の装置。
【請求項15】
基板を処理するための装置であって、
チャンバ壁であって、該チャンバ壁の内部空間対向側の内部に凹部が形成されたチャンバ壁と、
前記チャンバ壁を貫通して形成された窓であって、前記凹部が前記窓の一部である、窓と、
前記凹部内に部分的に配置される漂遊プラズマを防止するための装置と
を備え、漂遊プラズマを防止するための前記装置は、
誘電体材料から形成された管状本体であって、前記管状本体の第1の端部から第2の端部まで内部を通る中央開口部を画定する管状本体と、
前記管状本体の前記第1の端部から半径方向に延びるフランジであって、前記管状本体は前記凹部内に延び、前記フランジは前記凹部の周囲の前記チャンバ壁に沿って延びる、フランジと
を備え、前記窓は、前記チャンバ壁を貫通して配置された開口部と、前記開口部を部分的に満たすプラグとから形成され、前記管状本体は、前記管状本体の前記第2の端部が前記プラグの端面に重なるように、前記開口部内に延びる
、基板を処理するための装置。
【請求項16】
前記プラグの第1の端部は、前記管状本体が前記プラグの第1の部分に沿って前記プラグに重なるように、前記第1の端部に近接する前記第1の部分内に、より小さな半径を画定する肩部を含む、請求項
15に記載の装置。
【請求項17】
プラズマ処理チャンバ内の漂遊プラズマを低減または防止する方法であって、
前記プラズマ処理チャンバのチャンバ壁
とライナとの間に誘電体材料を含む漂遊プラズマ防止装置を配置して、前記漂遊プラズマ防止装置と前記ライナとの対向面の間に、前記チャンバ壁と前記ライナとの間の距離よりも小さい間隙を画定すること、を含む方法。
【請求項18】
前記チャンバ壁は、前記チャンバ壁の内部空間対向側
で内部に形成された凹部を含み、前記方法は、前記漂遊プラズマ防止装置を前記凹部内に部分的に配置することをさらに含む、請求項
17に記載の方法。
【請求項19】
前記漂遊プラズマ防止装置と前記ライナとの対向面の間の前記間隙を横切って測定される距離は
、0.5
~1.5mmである、請求項
18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示の実施形態は概して、基板処理装置に関し、より具体的には、プラズマ強化基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 半導体業界では、デバイスは、エッチングおよび堆積などの多数の製造工程によって製造されており、作り出される構造のサイズは縮小を続けている。処理副生成物がチャンバ壁の上に堆積すること、および、基板上に望ましくない再堆積が起こることを最小限に抑えるため、ライナが処理チャンバ内に設けられることが多い。加えて、多くのエッチングおよび堆積処理は、しばしば、基板の処理を補助するためにプラズマを利用する。デバイスの幾何学的形状が小さくなるにつれて、いくつかの処理は、より高い電力のプラズマ処理を利用する。本発明者らは、これらのより高い出力のプラズマ処理が、これまではプラズマの発光や侵入から安全であったチャンバの位置で、望ましくないプラズマ発光を引き起こしうることを観察した。
【0003】
[0003] そこで、本発明者らは、基板処理チャンバ用の漂遊プラズマ防止装置を提供した。
【発明の概要】
【0004】
[0004] 本明細書では、基板処理チャンバのための漂遊プラズマ防止装置が提供される。いくつかの実施形態では、基板処理チャンバ内の漂遊プラズマを防止するための装置は、誘電体材料から形成され、管状本体の第1の端部から第2の端部まで通過する中央開口部を画定する管状本体と、管状本体の第1の端部から半径方向に延びるフランジとを含む。装置は、ポリオキシメチレン(POM)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの処理適合性プラスチック材料から形成することができる。
【0005】
[0005] いくつかの実施形態では、基板を処理するための装置は、チャンバ壁の内部空間対向側面上にその中に形成された凹部を有するチャンバ壁と、凹部内に部分的に配置された漂遊プラズマを防止するための装置とを含む。漂遊プラズマを防止するための装置は、誘電体材料で形成され、管状本体の第1の端部から第2の端部まで通過する中央開口部を画定する管状本体と、管状本体の第1の端部から半径方向に延びるフランジとを含み、管状本体は凹部内に延び、フランジは凹部の周囲のチャンバ壁に沿って延びる。いくつかの実施形態では、チャンバ壁に隣接してライナが配置され、漂遊プラズマを防止するための装置は、チャンバ壁とライナとの間に配置される。
【0006】
[0006] いくつかの実施形態では、プラズマ処理チャンバ内の漂遊プラズマを低減または防止する方法は、チャンバ壁とプラズマ処理チャンバのライナとの間に誘電体材料を含む漂遊プラズマ防止装置を配置して、漂遊プラズマ防止装置とライナとの対向面の間に、チャンバ壁とライナとの間の距離よりも小さい間隙を画定することを含みうる。漂遊プラズマ防止装置は、本明細書に開示された実施形態のいずれかに記載されたものとすることができる。プラズマ処理チャンバ内では、漂遊プラズマ防止装置を所定の位置に置いてプラズマ処理を行うことができる。
【0007】
[0007] 本開示の他の実施形態およびさらなる実施形態について、以下で説明する。
【0008】
[0008] 上記で簡潔に要約され、以下でより詳細に説明される本開示の実施形態は、添付の図面に示す本開示の例示的な実施形態を参照することにより、理解することができる。しかしながら、本開示は他の等しく有効な実施形態を許容しうることから、添付の図面は、本開示の典型的な実施形態のみを例示しており、したがって、範囲を限定していると見なされるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の少なくともいくつかの実施形態によるプラズマ防止装置を有する半導体処理チャンバの断面図である。
【
図2A】本発明の少なくともいくつかの実施形態によるプラズマ防止装置の詳細な部分図である。
【
図2B】本発明の少なくともいくつかの実施形態によるプラズマ防止装置の詳細な部分図である。
【
図2C】本発明の少なくともいくつかの実施形態によるプラズマ防止装置の詳細な部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0011] 理解を容易にするために、可能な場合には、図面に共通する同一の要素を指し示すのに同一の参照番号を使用した。図は縮尺どおりではなく、分かりやすくするために簡略化されていることがある。一実施形態の要素および特徴は、さらなる記述がなくとも、その他の実施形態に有益に組み込まれうる。
【0011】
[0012] 本開示の実施形態は概して、処理チャンバ内の望ましくない漂遊プラズマ形成を防止または制限するのに適したプラズマ防止装置に関する。本発明者らは、プラズマ防止装置が、高プラズマ出力方式での処理に特に有用であることを観察した。加えて、本発明者らは、開示された装置が、チャンバ壁と、チャンバ壁に隣接するライナとの間の位置における望ましくないプラズマ発光(plasma light up)を防止するのに有用であることを発見した。加えて、本発明者らは、開示された装置が、発光分光法(OES)などに使用されるような、チャンバ壁を貫通して、またはチャンバ壁およびライナを貫通して窓が形成される位置において、チャンバ壁とチャンバ壁に隣接するライナとの間の望ましくないプラズマ発光を防止するのに有用であることを発見した。
【0012】
[0013]
図1は、本開示の少なくともいくつかの実施形態によるプラズマ防止装置を有する半導体処理チャンバ100の一実施形態の断面図である。処理チャンバ100は、内部空間106を囲むチャンバ本体102およびリッド104を含む。本明細書に記載のプラズマ防止装置は、処理チャンバの特定の位置における望ましくないプラズマ形成が懸念される他の構成を有する多くの異なる処理チャンバにおいて使用することができるため、
図1に記載の処理チャンバ100は、例示的なものであり、本開示を限定することを意味するものではない。
【0013】
[0014] チャンバ本体102は、典型的には、アルミニウム、ステンレス鋼または他の適切な材料から製造される。チャンバ本体102は、一般的に、処理チャンバ100の内部空間106を少なくとも部分的に画定するチャンバ壁(例えば、側壁108)および底部110を含む。処理チャンバ100への基板144の出し入れを容易にするために、基板支持アクセスポート(図示せず)が側壁108に画定され、スリットバルブによって選択的に密封される。
【0014】
[0015] 1つまたは複数のライナが、チャンバ本体102の内部空間106内に配置されてもよい。例えば、外側ライナ116は、チャンバ本体102の側壁108に立てかけて、またはその上に配置されてもよい。外側ライナ116は、酸化アルミニウムから製造されてもよく、および/または、イットリア、イットリア合金、またはY2O3など、これらの酸化物などのプラズマまたはハロゲン含有ガス耐性材料でコーティングされてもよい。
【0015】
[0016] 処理チャンバ100内には、例えば、発光分光法(OES)を介した処理のモニタリングおよび制御、または処理チャンバ100の内部空間106内への観察を必要とする他の技術を容易にするために、窓112が形成されてもよい。窓112は、側壁108およびライナ(例えば、外側ライナ116)を貫通して形成することができる。漂遊プラズマ防止装置は、側壁108と窓112に近接した外側ライナ116との間に配置され、プラズマ発光を防止するように配置されてもよい。漂遊プラズマ防止装置は、
図2A~
図2Cを参照して以下でより詳細に説明される。
【0016】
[0017] 排気口126はチャンバ本体102に画定され、内部空間106をポンプシステム128に連結する。ポンプシステム128は、一般的に、排気して処理チャンバ100の内部空間106の圧力を調整するために利用される1つまたは複数のポンプおよびスロットルバルブを含む。一実施形態では、ポンプシステム128は、内部空間106内の圧力を維持する。
【0017】
[0018] リッド104は、チャンバ本体102の側壁108上に密閉支持される。リッド104を開いて、処理チャンバ100の内部空間106をより大きくすることができる。リッド104は、任意選択で、光学的処理のモニタリングを容易にする窓142を含むことができる。一実施形態では、窓142は、光学的モニタリングシステム140によって利用される信号の伝送を可能にする石英または他の適切な材料から構成される。
【0018】
[0019] 処理ガスおよび/または洗浄ガスを内部空間106に提供するために、ガスパネル158が処理チャンバ100に連結される。処理ガスの例には、とりわけ、C2F6、SF6、SiCl4、HBr、NF3、CF4、Cl2、CHF3、CF4、およびSiF4などのハロゲン含有ガス、ならびにO2またはN2Oなどの他のガスが含まれうる。キャリアガスの例には、N2、He、Ar、処理に対して不活性な他のガス、および非反応性ガスが含まれる。ガスパネル158からガス分配アセンブリ130を通って処理チャンバ100の内部空間106にガスを送達することができるように、入口ポート132’および任意選択で132”がリッド104に設けられる。
【0019】
[0020] 基板支持アセンブリ148が、ガス分配アセンブリ130の下の処理チャンバ100の内部空間106に配置される。基板支持アセンブリ148は、処理の間、基板144を保持する。エッジ堆積リング146は、基板144をその上に受け入れる一方で、基板支持アセンブリ148をプラズマおよび堆積材料から保護するような大きさとなっている。内側ライナ118は、基板支持アセンブリ148の周囲にコーティングされてもよい。内側ライナ118は、外側ライナ116に使用される材料と実質的に同様のハロゲン含有ガス耐性材料とすることができる。一実施形態では、内側ライナ118は、外側ライナ116と同じ材料から製造することができる。
【0020】
[0021] 一実施形態では、基板支持アセンブリ148は、取付プレート162と、ベース164と、静電チャック166とを含む。取付プレート162は、チャンバ本体102の底部110に連結されており、流体、電力線、およびセンサリードなどのユーティリティを、とりわけベース164および静電チャック166までルーティングするための通路を含む。
【0021】
[0022] ベース164または静電チャック166の少なくとも一方は、基板支持アセンブリ148の横方向温度プロファイルを制御するために、少なくとも1つのオプションの埋設ヒータ176、および、複数の導管170を含みうる。導管170は、導管を通して温度調節流体を循環させる流体源172に、流体連結される。ヒータ176は、電源178によって調節される。導管170およびヒータ176は、ベース164の温度を制御し、それによって静電チャック166を加熱および/または冷却するために、利用される。
【0022】
[0023] 静電チャック166は、チャック電源182を使用して制御される、少なくとも1つのクランプ電極180を備える。電極180は、さらに、処理チャンバ100内にプラズマ形成フォーム処理および/または他のガスを維持するための整合回路188を介して、1つまたは複数のRF電源184に連結されてもよい。RF電源184は一般的に、約50kHzから約3GHzまでの周波数で約10,000ワットまでの電力を有するRF信号を生成することが可能である。
【0023】
[0024] ガス分配アセンブリ130は、リッド104の内部表面114に連結される。ガス分配アセンブリ130は、ガス分配プレート194を有する。ガス分配アセンブリ130は、リッド104とガス分配プレート194との間に画定されたプレナム127を有する。ガス分配プレート194は、導電性ベースプレート196に連結されていてよく、またはそれを有していてもよい。導電性ベースプレート196は、RF電極として機能することができる。ガス分配プレート194は、基板144に面しているガス分配プレート194の下面に形成された複数の開口134を有する平らなディスクであってもよい。また、ガス分配プレート194は、窓142に対応する部分138を有していてもよい。部分138は、光学的処理のモニタリングを容易にするために、窓142と同様の材料で製造されてもよい。開口134は、ガスが入口ポート132(132’、132”として示される)からプレナム127を通って流入し、処理チャンバ100内で処理される基板144の表面を横切る所定の分布で、開口134から処理チャンバ100の内部空間106へ流出することを可能にする。内部空間106に入るガスは、処理チャンバ100の内部空間106にプラズマを維持するために、RF電極によってエネルギーが与えられてもよい。静電チャック166に連結された1つまたは複数のRF源を有するものとして説明したが、1つまたは複数のRF源は、代替的にまたは追加的に、導電性ベースプレート196、あるいはリッド104内にまたはその近傍に配置された何らかの他の電極に連結されてもよい。
【0024】
[0025]
図2A~
図2Cは、本開示の少なくともいくつかの実施形態によるプラズマ防止装置(例えば、
図1に示す処理チャンバ内で使用される)の詳細な部分図である。
図2A~
図2Cに示されるように、凹部は、チャンバ壁の内部空間対向側面のチャンバ壁(例えば、側壁108)に形成される。漂遊プラズマ防止装置206は、凹部内に部分的に配置される。いくつかの実施態様では、プラズマ発光を防止するため、漂遊プラズマ防止装置206は、側壁108と窓112に近接した外側ライナ116との間に配置されてもよい。例えば、凹部は、処理チャンバ100内に、例えば、側壁108および外側ライナ116を通って形成された窓112の一部であってもよい。漂遊プラズマ防止装置206の寸法は、処理チャンバの構成(例えば、側壁108の厚さ、側壁108と外側ライナ116との間の距離または間隙等)に応じて変えてもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、寸法は、チャンバ本体(例えば、側壁108)または窓112における外側ライナ116へのプラズマ漏洩を防止するのに十分な長さとなるように、側壁108と外側ライナ116との間の間隙内のプラズマクリープ長さ(plasma creepage length)を増大させるように選択されてもよい。
【0025】
[0026] 窓112は、一般的に、チャンバ壁(側壁108)を通って配置された開口部と、開口部を密封するプラグ202とから形成される。プラグ202は、漂遊プラズマ防止装置206が開口部内に部分的に配置され、その中に保持されうるように、開口部の深さ方向に延び、部分的に満たす。対応するプラグ204を外側ライナ116の開口部を通って配置し、チャンバ本体102の外側から内部空間106への見通し線を提供することもできる。プラグ202またはプラグ204は、石英などの光学的に透明な処理適合性材料で作ることができる。
【0026】
[0027] 例えば、漂遊プラズマ防止装置206は、誘電体材料から形成され、管状本体208の第1の端部から第2の端部まで内部を通る中央開口部210を画定する管状本体208を含む。中央開口部は、窓112を通る任意の信号の完全性が維持されるように、窓112を通る見通し線を維持する。中央開口部210は、約0.2~約0.4インチ、または約0.25~約0.35インチ、または約0.3インチなど、窓112を通る任意の信号の完全性を維持するのを容易にするのに適した直径を有する。
図2Aに示すようないくつかの実施形態では、管状本体208は、約1.5~約2インチの長さを有することができるが、他の実施形態では、より大きな長さを含む他の寸法を使用することができる(例えば、
図2Cを参照)。
【0027】
[0028] フランジ212は、管状本体208の第1の端部から半径方向に延びている。いくつかの実施態様では、フランジ212は、管状本体208の第2の端部と反対側のフランジ212の側部上に、湾曲した、または傾斜した外側半径を有する。凹部内に挿入されると、管状本体208は、凹部内に延び、フランジ212は、凹部の周囲のチャンバ壁の内部空間対向面に沿って延びる。フランジ212は、一般的に、フランジ212と外側ライナ116との対向面の間に狭い間隙を画定する厚さを有する。いくつかの実施形態では、フランジ212の厚さは、約0.1~約0.15インチ、またはいくつかの実施形態では約0.125インチとすることができる。いくつかの実施形態では、間隙を横切って測定される距離は、約0.5~約1.5mm、またはいくつかの実施形態では約1mmとなりうる。例えば、いくつかの実施形態では、フランジ212は、フランジ212と外側ライナ116との対向面の間に約1mmの間隙を画定するために、約1/8インチの厚さを有することができる。他の寸法は、側壁108と外側ライナ116との間の間隔、ならびにプラズマ処理を実行する際の処理チャンバ内の処理条件に応じて使用することができる。狭い間隙は、有利には、窓112の位置(例えば、側壁108または窓112における外側ライナ116)でのプラズマ漏洩を制限または防止する。
【0028】
[0029] いくつかの実施形態では、フランジは、間隙に沿ったプラズマクリープ(plasma creepage)を防止するために間隙の長さを有利に増加させるために、約1~約1.5インチ以上の外径を有してもよい。いくつかの実施形態では、フランジ212の直径は、間隙の厚さよりも少なくとも約10倍大きい(例えば、1mmの間隙について、フランジ212は、少なくとも約0.4インチの直径を有することができる)。いくつかの実施形態では、フランジ212の直径は、間隙の厚さよりも少なくとも約20倍大きい(例えば、1mmの間隙について、フランジ212は、少なくとも約0.8インチの直径を有することができる)。いくつかの実施形態では、フランジ212の直径は、間隙の厚さの少なくとも約30倍大きい(例えば、1mm間隙の場合、フランジ212は、少なくとも約1.2インチの直径を有することができる)。
【0029】
[0030] いくつかの実施形態では、また、
図2Aに描かれているように、凹部内に挿入されると、管状本体208は、管状本体208の第2の端部がプラグ202の端部表面の近くで終わるように、凹部内に延びることができるか、またはチャンバ壁(側壁108)に形成された開口部内に延びることができる。いくつかの実施形態では、また、
図2Aにも描かれているように、プラグ202は、主に開口部を通って延び、チャンバ壁(例えば、側壁108)の内部空間対向面に近接するが、到達せずに終端となる。
【0030】
[0031] いくつかの実施形態では、
図2Bに示すように、管状本体208は、凹部内に挿入されると、管状本体208の第2の端部がプラグ202の端面と重なるように開口内に延びる。いくつかの実施態様では、また、
図2Bにも描かれているように、プラグ202の第1の端部は、管状本体208が第1の部分に沿ってプラグ202に重なるように、第1の端部に近接するプラグ202の第1の部分においてより小さな半径を規定する肩部214を含む。
【0031】
[0032] いくつかの実施形態では、
図2Cに描かれるように、プラグ202は、チャンバ壁(例えば、側壁108)の外面に近接する開口部の第1の端部にのみ近接して配置されうる。このような実施形態では、管状本体208は、管状本体208の第2の端部がプラグ202の端面に近接して終端し、側壁108に形成された開口部(または凹部)を実質的に並べる、または覆うように、開口部の全体、または実質的に全体を並べるように選択された長さを有することができる。
【0032】
[0033] 漂遊プラズマ防止装置206は、誘電体処理適合性プラスチック材料(例えば、処理温度、圧力、エッチング化学物質などの化学物質に耐えることができる)から形成される。例えば、漂遊プラズマ防止装置206は、ポリオキシメチレン(POM)(例えば、DELRIN(登録商標))、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のうちの少なくとも1つから形成することができる。いくつかの実施形態では、漂遊プラズマ防止装置206は、PTFE(例えば、TEFLON(登録商標))から形成される。
【0033】
[0034] 動作中、プラズマ処理チャンバ内の漂遊プラズマを低減または防止する方法は、チャンバ壁とプラズマ処理チャンバのライナとの間に誘電体材料を含む漂遊プラズマ防止装置を配置して、漂遊プラズマ防止装置とライナとの対向面の間に、チャンバ壁とライナとの間の距離よりも小さい間隙を画定することを含むことができる。漂遊プラズマ防止装置は、上記に開示された実施形態のいずれかに記載されたものとすることができる。プラズマ処理チャンバは、上述のようなものであってもよく、または、少なくとも上述のようなチャンバ壁およびライナを含んでもよい。プラズマ処理チャンバ内では、漂遊プラズマ防止装置を所定の位置に置いてプラズマ処理を行うことができる。漂遊プラズマ防止装置は、例えば、プラズマ処理チャンバの側壁およびライナを通る窓開口部のエッジまたはコーナー付近のプラズマ発光を有利に低減または排除することができる。
【0034】
[0035] 上記は本開示の実施形態を対象とするが、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく、本開示の他の実施形態およびさらなる実施形態を考案することが可能である。