(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-29
(45)【発行日】2023-10-10
(54)【発明の名称】高温炒め調理方法及び高温炒め調理用炒め油
(51)【国際特許分類】
A23L 5/10 20160101AFI20231002BHJP
A23D 9/00 20060101ALI20231002BHJP
A23D 9/013 20060101ALI20231002BHJP
【FI】
A23L5/10 Z
A23D9/00 506
A23D9/013
(21)【出願番号】P 2019175962
(22)【出願日】2019-09-26
【審査請求日】2022-06-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000227009
【氏名又は名称】日清オイリオグループ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】岡田 孝宏
(72)【発明者】
【氏名】田中 妙子
(72)【発明者】
【氏名】小澤 朋子
(72)【発明者】
【氏名】生稲 淳一
【審査官】高山 敏充
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-039021(JP,A)
【文献】特開2019-092403(JP,A)
【文献】国際公開第2004/016090(WO,A1)
【文献】特開2007-068462(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
A23D
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(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
炒め調理方法において、
炒め調理時の加熱面温度が220℃以上であり、
乳化剤として、下記の乳化剤A及び/又は乳化剤B
のみを0.2~12質量%含有する炒め油で炒める、炒め調理方法。
乳化剤A:ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンの平均重合度が4以上で、平均エステル化率が25~50%であるポリグリセリン脂肪酸エステル。
乳化剤B:ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル。
【請求項2】
炒め油中の油脂を構成する脂肪酸中の多価不飽和脂肪酸の割合が35質量%以下である、請求項
1に記載の炒め調理方法。
【請求項3】
炒め油中の油脂の30~100質量%が、キャノーラ油、パーム系油から選ばれる1種以上である、請求項1
又は2に記載の炒め調理方法。
【請求項4】
炒め調理時の加熱面温度が230℃以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の炒め調理方法。
【請求項5】
乳化剤として、下記の乳化剤A及び/又は乳化剤B
のみを0.2~12質量%含有し、
炒め調理時の加熱面温度が220℃以上で使用する高温炒め調理用炒め油。
乳化剤A:ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンの平均重合度が4以上で、平均エステル化率が25~50%であるポリグリセリン脂肪酸エステル。
乳化剤B:ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱面が220℃以上の高温で炒める炒め調理方法及び高温炒め調理用炒め油に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、炒め調理は、少量の油脂組成物を用いて、食品素材を炒めて調理される。炒め調理において、食品素材が調理器具に付着して焦げが発生しやすい。これらを改善するために、多価アルコールの脂肪酸エステルを配合した炒め調理用油脂組成物が提案されてきた。例えば、特許文献1には、ジグリセリンモノオレイン酸エステルとポリグリセリン脂肪酸エステルを含有する炒め物用油脂組成物の例があり、特許文献2には、レシチンとポリグリセリン脂肪酸エステル等を含有する離型性および焦付き防止の調理用油脂の例が提案されている。これらの改善効果は、多価アルコールの脂肪酸エステルの量と比例するが、多価アルコールの脂肪酸エステルは風味が悪く、炒め調理品に多価アルコールの脂肪酸エステルの風味が感じられるものとなっていた。
【0003】
炒め調理において、食品素材に熱を加え、蛋白変性、水分蒸発等を行うため、高温で行うことが好ましいが、高温では食品素材が焦げやすい、油の酸化等の問題が発生するため、120~180℃程度で炒め調理が行われることが多く、炒め調理の加熱面(例えば、フライパン表面)は180~200℃が好ましいとされ、それ以上の温度での炒め調理が行われていなかった。
【文献】特開2007-105035号公報
【文献】特開平8-89186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、高温での炒め調理を実現することである。また、高温での炒め調理時の食品素材の付着を抑え、焦げ付きを抑える炒め調理方法及び高温炒め調理用炒め油を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、特定の配合の高温炒め調理用炒め油を用い、炒め調理時に220℃以上の加熱面で加熱することで、上記課題を解決できること見出し、本発明を完成させた。
【0006】
すなわち、本発明は、下記の[1]~[6]を提供する。
[1] 炒め調理方法において、炒め調理時の加熱面温度が220℃以上であり、下記の乳化剤A及び/又は乳化剤Bを0.2~12質量%含有する炒め油で炒める、炒め調理方法。 乳化剤A:ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンの平均重合度が4以上で、平均エステル化率が25~50%であるポリグリセリン脂肪酸エステル。 乳化剤B:ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル。
[2] 前記炒め油中の、乳化剤A及び/又は乳化剤B以外の乳化剤が、3質量%以下である、[1]に記載の炒め調理方法。
[3] 炒め油中の油脂を構成する脂肪酸中の多価不飽和脂肪酸の割合が35質量%以下である、[1]又は[1]の炒め調理方法。
[4] 炒め油中の油脂の30~100質量%が、キャノーラ油、パーム系油から選ばれる1種以上である、[1]~[3]のいずれかの炒め調理方法。
[5] 炒め調理時の加熱面温度が230℃以上である、[1]~[4]のいずれかの炒め調理方法。
[6] 下記の乳化剤A及び/又は乳化剤Bを0.2~12質量%含有し、炒め調理時の加熱面温度が220℃以上で使用する高温炒め調理用炒め油。 乳化剤A:ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンの平均重合度が4以上で、平均エステル化率が25~50%であるポリグリセリン脂肪酸エステル。 乳化剤B:ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、加熱面温度が220℃以上での炒め調理を実現でき、加熱温度が高いため、炒め調理の時間も短くなる。高温での炒め調理においては、焦げ付きを抑制できる。また、高温での炒め調理において、発煙も少ない高温炒め調理の環境を実現できるため、高温炒め調理の作業環境を改善することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明について詳細に例示説明する。なお、本発明の実施の形態において、A(数値)~B(数値)は、A以上B以下を意味する。
【0009】
[炒め調理方法]
本発明の炒め調理方法は、後述する炒め油を用い、高温で加熱を行うことを特徴とする。そのため、炒め調理時の加熱面温度が220℃以上である。加熱面は、炒め調理品の原材料が直接接触する面であり、この温度が高いほど、いわゆる調理品への“火のとおり”が早くなり、調理時間も短時間で完了する。なお、本発明において加熱面温度は、炒め調理品の原材料との接触により温度低下を起こすので、炒め調理時の最高温度を意味する。炒め調理時の加熱面は、230℃以上が好ましく、250℃以上がより好ましく、270℃以上がさらに好ましい。なお、高温になるほど、焦げやすくなるが、調理時間を短縮することで調整が可能である。また、加熱面が400℃でも実施は可能である。加熱面が350℃超えると調理条件によっては引火等の危険性もあるため、加熱面は330℃以下が好ましく、300℃以下がより好ましく、290℃以下がさらに好ましい。
【0010】
炒め調理時の原材料あるいは調理品の加熱面との接触部の温度は、加熱面温度と同じかやや低い温度になる。しかし、原材料あるいは調理品の大半の炒め調理時の温度は、加熱面に対する原材料の負荷(原材料の量や原材料の水分量)により加熱面温度より大きく低下する。炒め調理時の原材料あるいは調理品の加熱面の接触部を除く部分の温度は、150~300℃が好ましく、180~250℃がより好ましく、200~230℃がさらに好ましい。また、炒め調理の加熱時間は、加熱面温度、原材料の量、原材料の水分に応じて適宜調整すればよい。例えば、1~20分の範囲で行うことができる。
【0011】
なお、本発明の炒め調理方法を適用する炒め調理品は、通常炒め調理品として市販あるいは紹介されている炒め調理品に適用することができる。特に限定するものではないが、焼きそば、焼きうどん、炒飯、スパゲッティ、野菜炒め、肉炒め等を挙げられる。なお、米、小麦、イモ等の澱粉系食材を用いた炒飯、餃子、焼きそば、スパゲッティ等の炒め調理品は、炒め調理のおいて焦げやすく、本発明の効果が高く好ましい。
【0012】
[炒め油]
本願発明の炒め油は、下記の乳化剤A及び/又は乳化剤Bを0.2~12質量%含有することで、炒め調理における焦げ付きを抑制することができる。乳化剤A及び/又は乳化剤Bは、0.5~10質量%含有することが好ましく、3~10質量%含有することがより好ましい。
【0013】
<乳化剤A>
乳化剤Aは、構成するポリグリセリンの平均重合度が4以上で、平均エステル化率が25~50%であるポリグリセリン脂肪酸エステルである。このようなポリグリセリン脂肪酸エスエルを用いることで、高温での炒め調理において、炒め調理の焦げを抑制することができる。
【0014】
重合度の大きいポリグリセリン脂肪酸エステルは、分子量が大きいため、高温で発煙しにくく、また、分解しにくいので良好である。一般的に、ポリグリセリン脂肪酸エステルは、重合度4以上のものは、単離することが困難なため、本発明において、乳化剤Aは、様々な重合度のポリグリセリン脂肪酸エステルの混合物であることを許容する。本発明において、平均重合度(百分率)は、ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンの重合度の平均を示すものである。乳化剤Aのポリグリセリン脂肪酸エステルのより好ましい平均重合度は5~12であり、平均重合度は6~10がさらに好ましい。
【0015】
乳化剤Aのポリグリセリン脂肪酸エステルは、平均エステル化率が25~50%である。平均エステル化率が25%以上であれば、炒め油中に乳化剤Aが溶解あるいは分散することができる。また、平均エステル化率が50%以下であれば、高温での炒め調理時に食品素材の付着が抑えられ、焦げ付きが抑制される。乳化剤Aの平均エステル化率は30~50%であることがより好ましく、40~50%であることがさらに好ましい。
【0016】
なお、エステル化率は、ポリグリセリン脂肪酸エステルにおいて、ポリグリセリンの水酸基がどれくらいエステル化されているかで示され、(多価アルコールの脂肪酸エステルのエステル結合数)/(多価アルコールの脂肪酸エステルを構成する多価アルコールの水酸基数)を100分率で表したものである。本発明において多価アルコールの脂肪酸エステルは、複数の構造を有する多価アルコールの脂肪酸エステルの混合物であることを許容するので、個々の成分のエステル化率を加重平均した平均エステル化率を用いる。平均エステル化率の算出は、例えば、エステル価(日本油化学会制定 基準油脂分析試験法2.3.3-2013)とヒドロキシル価(日本油化学会制定 基準油脂分析試験法2.3.6.2-2013)から算出することができる。
平均エステル化率=エステル価/(エステル価+ヒドロキシル価) ×100
【0017】
乳化剤Aは、低温での炒め油の溶解性を高めるために、融点が低いことが好ましく、高温での炒め調理において酸化を受けにくくするために、構成する脂肪酸の不飽和度が低い方か好ましい。ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸は通常用いられる炭素数12~22の直鎖状脂肪酸を用いることができるが、ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸の50質量%以上がオレイン酸であることが好ましく、構成脂肪酸の70~100質量%がオレイン酸であることがより好ましく、構成脂肪酸の80~98質量%がオレイン酸であることがさらに好ましい。また、ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸中の多価不飽和脂肪酸は、30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることがさらに好ましい。多価不飽和脂肪酸としては、リノール酸、リノレン酸を用いることが好ましい。オレイン酸、多価不飽和脂肪酸以外のポリグリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸は飽和脂肪酸であり、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸を用いることが好ましい。
【0018】
<乳化剤B>
乳化剤Bは、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステルである。また、ポリグリセリンの平均重合度は、前述の乳化剤Aと同様に5以上であることが好ましい。
【0019】
乳化剤Bは、HLB値が8以下であることが好ましい。HLBは、親水性疎水性バランス(Hydrophile Lipophile Balance)の略であって、乳化剤が親水性か親油性かを知る指標となるもので、0~20の値をとる。HLB値が小さい程、親油性が強いことを示す。焦げ付きを防止するためには、HLB値が8以下であることが好ましい。また、HLB値が高いと遊離の水酸基が多くなるため、高温での分解等が発生し、発煙等の原因となる。そのため、HLB値は、3以下であることがより好ましい。
【0020】
本発明において、HLB値の算出はアトラス法の算出法を用いる。アトラス法の算出法は、
HLB=20×(1-S/A)
S:ケン化価
A:エステル中の脂肪酸の中和価
からHLB値を算出する方法を言う。同算出方法では、HLB値は、算術平均として算出される。
【0021】
<油脂>
本発明の炒め油は、乳化剤以外の主成分として通常の食用油脂を用いることができる。例えば、大豆油、菜種油、綿実油、サフラワー油、コーン油、米油、ゴマ油、オリーブ油、えごま油、亜麻仁油、落花生油、ぶどう種子油、ヤシ油、パーム核油、パーム油等の植物油脂、乳脂、ラード等の動物油脂、中鎖脂肪酸トリグリセリド等の合成油を単独で、あるいは混合して用いることができる。また、パームオレイン、パームスーパーオレイン、パームミッドフラクション、パームステアリン等の植物油の分別油や、油脂あるいは油脂と脂肪酸低級アルコールエステルを原料にしたエステル交換油等を用いることができる。また、エステル交換油は、エステル交換後に分別を行ったものも用いることができる。なお、パーム系油は、パーム油及びパーム油由来の分別油である。
【0022】
本発明において、炒め調理は高温で行うので、高温耐性のある油脂が好ましい。多価不飽和脂肪酸が多いと、酸化安定性が低下するため、油脂を構成する脂肪酸中の多価不飽和脂肪酸の割合が35質量%以下である油脂が好ましく、より好ましくはキャノーラ油、パーム系油を用いた炒め油である。さらに好ましくは、ハイオレイックのキャノーラ油である。
【0023】
本発明の炒め油中の油脂の30~100質量%がキャノーラ油、パーム系油から選ばれる1種以上であることがより好ましい。
【0024】
本発明の炒め油は、油脂を85.0~99.8質量%含有することが好ましく、88.00~99.8質量%がより好ましく、90~99.5質量%含有することがさらに好ましく、90.0~97.0質量%含有することが最も好ましい。
【0025】
<その他の成分>
本発明の炒め油は、上記乳化剤A及び乳化剤B以外の乳化剤を必要に応じて配合してもよい。しかし、乳化剤A、Bより分子量の小さい乳化剤は、発煙等の問題を起こす可能性があるので、炒め油中に3質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以下であることがさらに好ましい。
【0026】
本発明の炒め油は、ハンドリング時の泡立ちを抑制するために、シリコーンオイルを添加してもよい。シリコーンオイルは、油脂中に0.5~10質量ppm含有するように添加することが好ましい。シリコーンオイルとしては、ジメチルポリシロキサン構造を持ち、動粘度が25℃で100~5000mm2/sのものが好ましい。シリコーンオイルの動粘度は、500~2000mm2/sがより好ましく、800~1100mm2/sであることがさらに好ましく、900~1100mm2/sであることが最も好ましい。シリコーンオイルは、食品用途として市販されているものを用いることができる。なお、ここでいう「動粘度」とは、JIS K 2283(2000)に準拠して測定される値を指すものとする。シリコーンオイルは、シリコーンオイル以外に微粒子シリカを含むものを用いるのも好ましい。
【0027】
また、上記成分以外にも、炒め油に一般的に配合される原材料を使用することができる。具体的には、例えば、pH調整剤、調味剤、着色料、香料、酸化防止剤、糖類、糖アルコール類、安定剤、乳化剤等を使用することができる。これらの成分の量は、本発明の効果を損なわない限り任意の量とすることができるが、例えば、炒め油中に2.0質量%以下含有させることができ、好ましくは0~1.0質量%、より好ましくは0~0.5質量%含有させることができる。
【実施例】
【0028】
次に、実施例、比較例及び参考例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに何ら制限されるものではない。また。以下において「%」とは、特別な記載がない場合、質量%を示す。
【0029】
[炒め油]
以下の原材料を、表1の配合にてブレンドし、炒め油(配合1~7)を得た。
油脂1:精製菜種(キャノーラ)油(日清オイリオグループ株式会社製)、
油脂2:精製パームオレイン(ヨウ素価65)(日清オイリオグループ株式会社製)、
乳化剤A1:ペンタオレイン酸デカグリセリン(商品名「リョートーポリグリエステルO-50D」三菱化学フーズ株式会社、HLB8.0、平均エステル化率:約42%)、
乳化剤A2:トリオレイン酸ペンタグリセリン(「サンソフトA-173E」太陽化学株式会社製、HLB7、平均エステル化率:約43%)、
乳化剤B1:ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル:太陽化学株式会社製)
乳化剤C1:モノオレイン酸ジグリセリン(「ポエムDO-100V」理研ビタミン株式会社製、平均エステル化率:約25%)
乳化剤C2:脱糖レシチン(日清オイリオグループ株式会社製、アセトン不溶分:約40%)
【0030】
[焼きそば]
300℃に加熱した鉄板に炒め油3gを塗り、そば麺150gを入れ、炒めながら、焼きそばソース(オタフクソース株式会社製)22gを添加し、さらに炒めた(加熱しながら混ぜた)。炒め時の発煙状況を確認した。その後、そば麺を皿に移して焦げ状況を評価した。各評価は、5人で確認し、合議にて結果を決めた。結果を表1に示した。
【0031】
<炒め時の発煙>
◎:発煙はみられないか、配合1の発煙より少ない。
〇:発煙はみられるが、配合1と同等の発煙である。
△:発煙はみられるが、配合1よりやや多い。
×:発煙が酷い。
【0032】
<焦げ状況>
◎:焦げ付きが鉄板、焼きそばにみられない。
〇:焦げ付きが鉄板、焼きそばにみられるが、配合1より少ない。
△:配合1と同程度の焦げ付きが鉄板、焼きそばにみられる。
×:配合1より焦げ付きが酷い。
【0033】
【0034】
配合1~3(比較例1~3)に比べて、配合4~7(実施例1~4)は、高温炒め調理において、焦げ付きや炒め時の発煙で改善がみられた。