(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-29
(45)【発行日】2023-10-10
(54)【発明の名称】複数の荷電粒子ビームを用いてサンプルを検査する方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/66 20060101AFI20231002BHJP
H01J 37/22 20060101ALI20231002BHJP
【FI】
H01L21/66 J
H01J37/22 502H
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022058539
(22)【出願日】2022-03-31
(62)【分割の表示】P 2020514216の分割
【原出願日】2018-09-25
【審査請求日】2022-04-19
(32)【優先日】2017-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】リウ,クオ-シー
(72)【発明者】
【氏名】リウ,シュエドン
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ジャウー,ジャック
【審査官】堀江 義隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-297278(JP,A)
【文献】特表2017-504175(JP,A)
【文献】特開2013-128069(JP,A)
【文献】特開2006-153871(JP,A)
【文献】特開2011-187191(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/66
H01J 37/20 - 37/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータの少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに前記コンピュータに方法を実行させる命令セットを格納する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記方法は、
複数の荷電粒子ビームによってサンプル上に複数のプローブスポットを生成すること、
前記サンプル上のある領域にわたって前記複数のプローブスポットを走査しながら、それぞれ前記複数の荷電粒子ビームと前記サンプルの相互作用を表す複数の信号セットを前記複数のプローブスポットから記録すること、
前記複数の信号セットから前記領域の複数の像をそれぞれ生成すること、を含む、
非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項2】
前記方法がさらに前記複数の像から前記領域の合成像を生成することを含む、
請求項1に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項3】
前記複数のプローブスポットが、異なるサイズ又は異なる強度を有する、請求項1に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項4】
前記複数のプローブスポットが離間している、請求項1に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項5】
前記複数のプローブスポットが、走査されている間に互いに対して移動する、請求項1に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項6】
前記複数のプローブスポットが前記領域にわたってそれぞれ走査される期間が異なる、請求項1に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項7】
前記期間が時間的に連続していない、請求項6に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項8】
前記期間が部分的な重なりを有する、請求項6に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項9】
前記複数の信号セットが、前記期間の全体にわたって記録されるわけではない、請求項6に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項10】
前記領域の前記複数の像のそれぞれが、前記複数の信号セットの1つのみから生成される、請求項1に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項11】
前記領域の前記複数の像を生成することが
、信号の大きさ又は前記複数のプローブスポットの位置について前記複数の信号セットをデジタル化することを含む、請求項1に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項12】
前記領域の前記複数の像
が、信号の大きさを表すデジタル値の寄せ集めである、請求項2に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記領域の前記合成像が、前記デジタル値の平均値の寄せ集めである、請求項12に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記領域の前記合成像を生成することが、前記領域の前記複数の像を平均化することを含む、請求項2に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記複数の像を平均化することが、単純平均、加重平均又は移動平均による、請求項14に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
[0001] この出願は、2017年9月29日に出願された米国出願第62/566,177号の優先権を主張し、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] この開示は、集積回路(IC)の製造などのデバイス製造プロセスで使用される、ウェーハ及びマスクなどのサンプルを検査(例えば、観察、測定、及び撮像)する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] デバイス製造プロセスは、所望のパターンを基板に適用することを含み得る。代替的にマスク又はレチクルと呼ばれるパターニングデバイスを用いて、所望のパターンを生成することができる。このパターンを、基板(例えばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えばダイの一部、1つのダイ、又はいくつかのダイを含む)に転写することができる。パターンの転写は通常、基板上に設けた放射感応性材料(レジスト)の層への結像により行われる。一般的に、1枚の基板は、順次パターンが付与される隣接したターゲット部分のネットワークを含む。この転写のためにリソグラフィ装置を使用できる。リソグラフィ装置の1つのタイプはステッパと呼ばれ、パターン全体をターゲット部分に1回で露光することによって各ターゲット部分が照射される。リソグラフィ装置の別のタイプはスキャナと呼ばれ、基板を所与の方向と平行あるいは逆平行に同期的にスキャンしながら、パターンをこの所与の方向に放射ビームでスキャンすることにより、各ターゲット部分が照射される。また、パターンを基板にインプリントすることによっても、パターニングデバイスから基板へとパターンを転写することが可能である。
【0004】
[0004] デバイス製造プロセスの1つ以上のステップ(例えば露光、レジスト処理、エッチング、現像、ベーキング等)を監視するため、デバイス製造プロセスによってパターン付与された基板又はそれに用いられるパターニングデバイスのようなサンプルを検査し、サンプルの1つ以上のパラメータを測定することができる。1つ以上のパラメータは例えば、基板又はパターニングデバイス上のパターンのエッジと意図されたパターン設計の対応するエッジとの距離であるエッジ配置誤差(EPE:edge place error)を含み得る。また、検査は、パターン欠陥(例えば接続の失敗又は分離の失敗)及び望ましくない粒子を見出すことができる。
【0005】
[0005] デバイス製造プロセスで用いられる基板及びパターニングデバイスの検査は、歩留まりの向上を促進することができる。検査から得られた情報を用いて、欠陥の識別やデバイス製造プロセスの調整を実行できる。
【発明の概要】
【0006】
[0006] 本明細書には、複数の荷電粒子ビームによってサンプル上に複数のプローブスポットを生成すること、サンプル上のある領域にわたって複数のプローブスポットを走査しながら、それぞれ複数の荷電粒子ビームとサンプルの相互作用を表す複数の信号セットを複数のプローブスポットから記録すること、複数の信号セットから領域の複数の像をそれぞれ生成すること、及び、複数の像から領域の合成像を生成すること、を含む方法が開示されている。
【0007】
[0007] ある実施形態によれば、複数のプローブスポットは異なるサイズ又は異なる強度を有する。
【0008】
[0008] ある実施形態によれば、複数のプローブスポットは離間している。
【0009】
[0009] ある実施形態によれば、複数のプローブスポットは、走査されている間に互いに対して移動する。
【0010】
[0010] ある実施形態によれば、複数のプローブスポットが領域にわたってそれぞれ走査される期間は異なる。
【0011】
[0011] ある実施形態によれば、期間は時間的に連続していない。
【0012】
[0012] ある実施形態によれば、期間は部分的な重なりを有する。
【0013】
[0013] ある実施形態によれば、複数の信号セットは、期間の全体にわたって記録されるわけではない。
【0014】
[0014] ある実施形態によれば、領域の複数の像のそれぞれは、複数の信号セットの1つのみから生成される。
【0015】
[0015] ある実施形態によれば、領域の複数の像を生成することは、信号の大きさ又は複数のプローブスポットの位置について複数の信号セットをデジタル化することを含む。
【0016】
[0016] ある実施形態によれば、領域の複数の像は、信号の大きさを表すデジタル値の寄せ集めである。
【0017】
[0017] ある実施形態によれば、領域の合成像は、デジタル値の平均値の寄せ集めである。
【0018】
[0018] ある実施形態によれば、領域の合成像を生成することは、領域の複数の像を平均化することを含む。
【0019】
[0019] ある実施形態によれば、複数の像を平均化することは、単純平均、加重平均又は移動平均による。
【0020】
[0020] ある実施形態によれば、方法は、別の荷電粒子ビームからサンプル上に追加のスポットを生成することをさらに含む。
【0021】
[0021] ある実施形態によれば、追加のスポットは、複数のプローブスポットと異なるサイズ又は異なる強度を有する。
【0022】
[0022] ある実施形態によれば、方法は、追加のスポットを使用して、領域を電荷で充電することをさらに含む。
【0023】
[0023] ある実施形態によれば、方法は、複数のプローブスポットを走査する前又は間に、追加のスポットを走査することをさらに含む。
【0024】
[0024] ある実施形態によれば、別のビームとサンプルの相互作用を表す信号が追加のスポットから記録されない。
【0025】
[0025] 本明細書に開示されるのは、命令が記録されている非一時的(non-transitory)コンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラム製品である。命令は、コンピュータによって実行された場合に上記の方法のいずれかを実施する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】[0026] 荷電粒子ビーム検査を実行できる装置を概略的に示す。
【
図2A】[0027] 単一のソースからの複数の荷電粒子ビームを使用して荷電粒子ビーム検査を実行できる装置(「マルチビーム」装置)を概略的に示す。
【
図2B】[0028] 代替的なマルチビーム装置を概略的に示す。
【
図2C】[0029] 代替的なマルチビーム装置を概略的に示す。
【
図3】[0030] 1つの荷電粒子ビームを使用してサンプルを検査することを概略的に示す。
【
図4】[0031] ある実施形態に係る、複数の荷電粒子ビームを使用してサンプルを検査することを概略的に示す。
【
図5】[0032] ある実施形態に係る、複数の荷電粒子ビームを使用してサンプルを検査することを概略的に示す。
【
図6】[0033] ある実施形態に係る、像の平均化を概略的に示す。
【
図7】[0034] ある実施形態に係る、複数の荷電粒子ビームを使用してサンプルを検査することを概略的に示す。
【
図8】[0035] ある実施形態に係る、複数の荷電粒子ビームを使用してサンプルを検査することを概略的に示す。
【
図9】[0036] ある実施形態に係る、複数の荷電粒子ビームを使用してサンプルを検査する方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[0037] サンプル(例えば基板及びパターニングデバイス)を検査するには様々な技法がある。検査技法の1つの種類である光学検査では、光ビームを基板又はパターニングデバイスへ誘導し、光ビームとサンプルの相互作用(例えば散乱、反射、回折)を表す信号を記録する。検査技法の別の種類である荷電粒子ビーム検査では、荷電粒子(例えば電子)のビームをサンプルへ誘導し、荷電粒子とサンプルの相互作用(例えば二次放出及び後方散乱放出)を表す信号を記録する。
【0028】
[0038] 本明細書で使用する「又は」という用語は、特に記述されない限り、実行不可能な場合を除いて、全ての可能な組み合わせを包含する。例えば、データベースがA又はBを含むことができると記述されている場合は、特に記述されない又は実行不可能でない限り、データベースは、A、又はB、又はA及びBを含むことができる。第2の例として、データベースがA、B、又はCを含むことができると記述されている場合は、特に記述されない又は実行不可能でない限り、データベースは、A、又はB、又はC、又はA及びB、又はA及びC、又はB及びC、又はA及びB及びCを含むことができる。
【0029】
[0039]
図1は、荷電粒子ビーム検査を実行することができる装置100を概略的に示す。装置100は、荷電粒子ビームを生成し制御するように構成されたコンポーネントを含み得る。それらのコンポーネントは例えば、自由空間に荷電粒子を生成することができるソース10、ビーム抽出電極11、コンデンサレンズ12、ビームブランキング偏向器13、アパーチャ14、スキャン偏向器15、及び対物レンズ16である。装置100は、E×B荷電粒子迂回デバイス17や信号検出器21のような、荷電粒子ビームとサンプルの相互作用を表す信号を検出するように構成されたコンポーネントを含み得る。また、装置100は、信号を処理するか又は他のコンポーネントを制御するように構成されたプロセッサ等のコンポーネントも含み得る。
【0030】
[0040] 検査プロセスの一例では、荷電粒子ビーム18が、ステージ30上に位置決めされたサンプル9(例えばウェーハ又はマスク)へ誘導される。ビーム18とサンプル9の相互作用を表す信号20が、E×B荷電粒子迂回デバイス17によって信号検出器21へ導かれる。プロセッサは、ステージ30を移動させるか又はビーム18をスキャンすることができる。
【0031】
[0041] 荷電粒子ビーム検査は、荷電粒子ビーム検査で使用される荷電粒子の波長が光学検査で使用される光よりも短いために光学検査よりも解像度が高い可能性がある。基板及びパターニングデバイス上のパターンの寸法がデバイス製造プロセスの発展に伴い小さくなればなるほど、荷電粒子ビーム検査はより広く用いられるようになる。荷電粒子ビーム検査のスループットは、使用される荷電粒子間の相互作用(例えばクーロン効果)に起因して比較的低い。スループットを高めるために複数の荷電粒子ビームが使用される可能性がある。
【0032】
[0042] ある実施例では、複数の荷電粒子ビームがサンプル上の複数の領域を同時に走査することができる。複数のビームによる走査は、同期していても、独立していてもよい。複数の領域は、重なりを有していても、傾いて連続エリアを覆っていても、互いに孤立していてもよい。ビームとサンプルの相互作用から生成される信号は、複数の検出器によって収集することができる。検出器の数は、ビームの数より少なくても、ビームの数と同じでも、ビームの数より多くてもよい。複数のビームは、個別に制御されても、一括制御されてもよい。
【0033】
[0043] 複数の荷電粒子ビームは、サンプルの表面に複数のプローブスポットを形成することができる。プローブスポットは、それぞれ又は同時に表面上の複数の領域を走査することができる。ビームの荷電粒子は、プローブスポットの位置から信号を生成することができる。信号の1つの例は二次電子である。二次電子は通常、50eV未満のエネルギーを有する。信号の別の例は、ビームの荷電粒子が電子である場合は後方散乱電子である。後方散乱電子は通常、ビームの電子の入射エネルギーに近いエネルギーを有する。プローブスポットの位置からの信号は、複数の検出器によってそれぞれ又は同時に収集することができる。
【0034】
[0044] 複数のビームは、それぞれ複数のソースからのものであっても、1つのソースからのものであってもよい。ビームが複数のソースからのものである場合、複数のコラムが走査を行い、ビームを表面に集束させることができ、ビームにより生成された信号は、コラムの検出器によってそれぞれ検出することができる。複数のソースからのビームを使用する装置は、マルチコラム装置と呼ばれることがある。コラムは、独立しているか、又は多軸の磁気又は電磁複合対物レンズを共有することができる。開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,294,095号参照。マルチコラム装置により生成されるプローブスポットは、30~50mmの距離だけ離間している可能性がある。
【0035】
[0045] ビームが単一のソースからのものである場合、ソース変換ユニットを使用して、単一ソースの複数の虚像又は実像を形成することができる。各像及び単一ソースは、ビーム(全てが同じソースからのものであるときは「ビームレット」とも呼ばれる)のエミッタと見なすことができる。ソース変換ユニットは、単一ソースからの荷電粒子を複数のビームレットに分割し得る複数の開口部を有する導電層を有することができる。ソース変換ユニットは、単一ソースの複数の虚像又は実像を形成するためにビームレットに影響を及ぼし得る光学素子を有することができる。各像は、ビームレットの1つを放出するソースと見なすことができる。ビームレットは、数ミクロンの距離だけ離間している可能性がある。投影システム及び偏向走査ユニットを有し得る1つのコラムを使用して、走査を行いビームレットをサンプルの複数の領域に集束させることができる。ビームレットにより生成された信号は、それぞれ、単一のコラムの内部にある検出器の複数の検出素子によって検出することができる。単一ソースからの複数のビームを使用する装置は、マルチビーム装置と呼ばれることがある。
【0036】
[0046] 単一ソースの像を形成するものに、少なくとも2つの方法がある。第1の方法は、各光学素子が、1つのビームレットを集束させることにより1つの実像を形成する静電マイクロレンズを有する。例えば、開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,244,949号参照。第2の方法は、各光学素子が、1つのビームレットを偏向させることにより1つの虚像を形成する静電マイクロ偏向器を有する。例えば、開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,943,349号及び米国特許出願第15/065,342号参照。第2の方法における荷電粒子間の相互作用(例えばクーロン効果)は、実像がより高い電流密度を有するため、第1の方法のものより弱い可能性がある。
【0037】
[0047]
図2Aは、単一のソースからの複数の荷電粒子ビームを使用して荷電粒子ビーム検査を実行し得る装置400を概略的に示している。すなわち、装置400はマルチビーム装置である。装置400は、自由空間に荷電粒子を生成し得るソース401を有する。ある実施例では、荷電粒子は電子であり、ソース401は電子銃である。装置400は、サンプル407の表面上に荷電粒子とともに複数のプローブスポットを生成し、サンプル407の表面上のプローブスポットを走査し得る光学系419を有する。光学系419は、集光レンズ404と、集光レンズ404に対して上流側又は下流側にある主開口405とを有することができる。本明細書で使用される「コンポーネントAがコンポーネントBに対して上流側にある」という表現は、荷電粒子ビームが装置の通常動作時にコンポーネントBに到達する前にコンポーネントAに到達することを意味する。本明細書で使用される「コンポーネントBがコンポーネントAに対して下流側にある」という表現は、荷電粒子ビームが装置の通常動作時にコンポーネントAに到達した後にコンポーネントBに到達することを意味する。光学系419は、ソース401の複数の虚像(例えば、虚像402及び403)を形成するように構成されたソース変換ユニット410を有する。虚像及びソース401は、それぞれビームレット(例えばビームレット431、432及び433)のエミッタと見なすことができる。ソース変換ユニット410は、ソース401からの荷電粒子を複数のビームレットに分割できる複数の開口部を備えた導電層412と、ソース401の虚像を形成するためにビームレットに影響を及ぼし得る光学素子411とを有することができる。光学素子411は、ビームレットを偏向させるように構成されたマイクロ偏向器であってよい。ビームレットの電流は、導電層412の開口部のサイズや集光レンズ404の収束力の影響を受ける可能性がある。光学系419は、複数のビームレットを集束させることによって、サンプル407の表面上に複数のプローブスポットを形成するように構成された対物レンズ406を備える。ソース変換ユニット410は、プローブスポットの収差(例えば、フィールド曲率及び非点収差)を低減又は除去するように構成されたマイクロ補償器を有することもできる。
【0038】
[0048]
図2Bは、代替的なマルチビーム装置を概略的に示している。集光レンズ404は、ソース401からの荷電粒子を平行にする。ソース変換ユニット410の光学素子411は、マイクロ補償器413を備えることができる。マイクロ補償器413は、マイクロ偏向器から分離していても、マイクロ偏向器と一体化していてもよい。分離している場合、マイクロ補償器413は、マイクロ偏向器に対して上流側に配置することができる。マイクロ補償器413は、集光レンズ404又は対物レンズ406のオフアクシス収差(例えば、フィールド曲率、非点収差及びディストーション)を補償するように構成される。オフアクシス収差は、オフアクシス(すなわち、装置の一次光軸に沿っていない)ビームレットにより形成されるプローブスポットのサイズ又は位置に悪影響を及ぼす可能性がある。対物レンズ406のオフアクシス収差は、ビームレットの偏向によって完全には除去されない可能性がある。マイクロ補償器413は、対物レンズ406の残存オフアクシス収差(すなわち、オフアクシス収差のビームレットの偏向により除去し得ない部分)、又はプローブスポットのサイズの不均一性を補償することができる。各マイクロ補償器413は、導電層412の開口部の1つと位置合わせされる。マイクロ補償器413は、それぞれ4つ以上の極を有することができる。ビームレットの電流は、導電層412の開口部のサイズ及び/又は集光レンズ404の位置の影響を受ける可能性がある。
【0039】
[0049]
図2Cは、代替的なマルチビーム装置を概略的に示している。ソース変換ユニット410の光学素子411は、事前曲げマイクロ偏向器414を備えることができる。事前曲げマイクロ偏向器414は、ビームレットが導電層412の開口部を通過する前にビームレットを曲げるように構成されたマイクロ偏向器である。
【0040】
[0050] 単一ソースからの複数の荷電粒子ビームを使用する装置のさらなる説明は、開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2016/0268096号、第2016/0284505号及び第2017/0025243号、米国特許第9,607,805号、米国特許出願第15/365,145号、第15/213,781号、第15/216,258号及び第62/440,493号、並びにPCT出願第PCT/US17/15223号に見ることができる。
【0041】
[0051] サンプル(例えば、基板又はパターニングデバイス)のある領域を1つの荷電粒子ビームで検査する場合、ビームとサンプルの相互作用を表す信号が、その領域のビームにより形成されたプローブスポットから記録される。この信号はランダムノイズを含む可能性がある。ランダムノイズを低減するために、プローブスポットはその領域を複数回走査することができ、同じ位置から異なる時間に記録した信号を平均化することができる。
図3は、1つの荷電粒子ビームを使用してサンプルを検査することを概略的に示している。
図3は、サンプルに対するプローブスポット310の移動を示す。サンプルは、プローブスポット310の走査中に移動することができる。プローブスポット310の直径はWである。この実施例に示す検査対象の領域300の形状は矩形であるが、必ずしもそうとは限らない。便宜上、2つの方向x及びyを、サンプルに対して移動しない基準フレーム(「RF」)に定義する。x方向とy方向は互いに直交する。期間T10中に、プローブスポット310は、領域300の全域にわたって走査する。これは、領域300内のあらゆる位置が、期間T10中のある時点においてプローブスポット310内にあることを意味する。例えば、プローブスポット310が、(実線矢印で表された)長さLだけx方向に移動する可能性がある場合、その間はビームとサンプルの相互作用を表す信号はプローブスポット310から記録され、長さLだけ-x方向に、(点線矢印で表された)幅Wだけ-y方向に移動する可能性がある場合、その間はビームとサンプルの相互作用を表す信号はプローブスポット310から記録されない。これらのプローブスポット310の進退移動は、プローブスポット310が領域300の全域にわたって走査するまで反復される可能性がある。領域の全域をカバーするプローブスポット310の別の動きも可能である可能性がある。領域300の像351は、期間T10中に記録された信号から生成することができる。例えば、像351は、信号を大きさ又は空間についてデジタル化することによって生成することができる。像351は、プローブスポット310が領域300内の複数の位置にあったときにそれぞれ記録された信号の大きさを表すデジタル値の寄せ集めであってよい。「像」という語が使用されているが、像351は、必ずしも人間の目で容易に感知できる形態ではない。例えば、像351は、コンピュータメモリに格納されている値であってよい。像352及び353などの追加の像を、期間T10と異なるT20及びT30などの期間中に、同じか又は異なる方法で取得することができる。期間T10、T20及びT30は、時間的に連続していない可能性がある。同じ荷電粒子ビームにより生成されたプローブスポット310から取得した像は平均化される(例えば単純平均、加重平均、移動平均など)。例えば、像351、352及び353が、プローブスポット310が領域300内の複数の位置にあったときに記録された信号の大きさを表すデジタル値の寄せ集めである場合、像351、352及び353を平均化することは、同じ位置におけるデジタル値を平均することによって行うことができる。つまり、像351、352及び353の平均値は、それぞれ複数の位置における像351、352及び353のデジタル値の平均値の寄せ集めであってよい。
【0042】
[0052]
図4は、ある実施形態に係る、複数の荷電粒子ビームを使用してサンプルを検査することを概略的に示している。この実施例では、3つのビームがサンプル上に3つのプローブスポット310A~310Cを生成する。
図4は、サンプルに対する3つのプローブスポット310A~310Cの移動を示す。3つのプローブスポット310A~310Cは一列に配置されているが、必ずしもそうでなくてもよい。この実施例では、3つのプローブスポット310A~310Cの幅はWである。プローブスポットの幅は必ずしも同じではない。3つのプローブスポット310A~310Cは、互いに対して移動するか、又は移動しない可能性がある。この実施例における検査対象の領域300の形状は矩形であるが、必ずしもそうとは限らない。この実施例では、期間T41、T42及びT43中に、3つのプローブスポット310A~310Cは、それぞれ領域300の全域にわたって走査される。これは、領域300内のあらゆる位置が、それぞれ期間T41~T43中のある時点においてプローブスポット310A~310C内にあることを意味する。例えば、3つのプローブスポット310A~310Cが、(実線矢印で表された)長さLだけx方向に移動する可能性がある場合、その間はビームとサンプルの相互作用を表す信号はプローブスポット310から記録され、長さLだけ-x方向に、(点線矢印で表された)幅Wだけ-y方向に移動する可能性がある場合、その間はビームとサンプルの相互作用を表す信号は、3つのプローブスポット310A~310Cから記録されない。これらの進退移動は、3つのプローブスポット310A~310Cのそれぞれが領域300の全域にわたって走査されるまで反復される可能性がある。3つのプローブスポット310A~310Cは、期間T41、T42又はT43の初めに異なる位置にある可能性があり、これらの位置は領域300の外側にある可能性がある。例えば、
図4に示すように、期間T41の初めに、プローブスポット310Aは領域300のy方向の端にあり、プローブスポット310Bはプローブスポット310Aに隣接し、領域300の外側にあり、プローブスポット310Cはプローブスポット310Bに隣接し、領域300のさらに外側にある。3つのプローブスポット310A~310Cは、期間T41、T42又はT43の継続中、異なる位置にある可能性がある。例えば、
図4に示すように、期間T41、T42又はT43の継続中のあるときに、プローブスポット310A~310Cは互いに隣接し、領域300の内側にある。同様に、3つのプローブスポット310A~310Cは、期間T43の終わりに異なる位置にある可能性があり、これらの位置は領域300の外側にある可能性がある。例えば、
図4に示すように、期間T43の終わりに、プローブスポット310Cは領域300の-y方向の端にあり、プローブスポット310Bはプローブスポット310Cに隣接し、領域300の外側にあり、プローブスポット310Aはプローブスポット310Bに隣接し、領域300のさらに外側にある。領域300の像361は、期間T41中にプローブスポット310Aから記録された信号から形成することができる。領域300の像362は、期間T42中にプローブスポット310Bから記録された信号から形成することができる。領域300の像363は、期間T43中にプローブスポット310Cから記録された信号から形成することができる。例えば、像361~363は、信号を大きさ又は空間についてデジタル化することによって生成することができる。像361~363は、プローブスポット310A~310Cがそれぞれ領域300内の複数の位置にあったときに記録された信号の大きさを表すデジタル値の寄せ集めであってよい。「像」という語が使用されているが、像361~363は、必ずしも人間の目で容易に感知できる形態ではない。例えば、像361~363は、コンピュータメモリに格納されている値であってよい。期間T41、T42及びT43は、(この実施例のように)一部が重なる、(
図5に示す実施例のように)完全に重なる、又は全く重ならない可能性がある。期間T10、T20及びT30は時間的に連続していない可能性がある。この実施例では、期間T41、T42及びT43は、長さが同じであるが、開始時刻及び終了時刻が異なる。像361~363は平均化される(例えば単純平均、加重平均、移動平均など)。例えば、像361~363が、プローブスポット310A~300Cが領域300内の複数の位置にあったときに記録された信号の大きさを表すデジタル値の寄せ集めである場合、像361~363を平均化することは、同じ位置におけるデジタル値を平均することによって行うことができる。つまり、像361~363の平均は、それぞれ複数の位置における像361~363のデジタル値の平均値の寄せ集めであってよい。この実施例では、3つのプローブスポット310A~310Cのうちの2つは、これらの2つのプローブスポットを生成したビームとサンプルの相互作用を表す信号が記録されるとき、同時に領域300内の同じ位置にない。
【0043】
[0053]
図5は、ある実施形態に係る、複数の荷電粒子ビームを使用してサンプルを検査することを概略的に示している。示されるこの実施例では、3つのビームがサンプル上に3つのプローブスポット310A~310Cを生成する。
図5は、サンプルに対する3つのプローブスポット310A~310Cの移動を示す。3つのプローブスポット310A~310Cは一列に配置されているが、必ずしもそうでなくてもよい。この実施例では、3つのプローブスポット310A~310Cの幅はWである。プローブスポットの幅は必ずしも同じではない。3つのプローブスポット310A~310Cは、互いに対して移動するか、又は移動しない可能性がある。この実施例に示された検査対象の領域300の形状は矩形であるが、必ずしもそうとは限らない。この実施例では、期間T40中に、3つのプローブスポット310A~310Cのそれぞれは、領域300の全域にわたって走査される。これは、領域300内のあらゆる位置が、期間T40中のある時点において各プローブスポット310A~310C内にあることを意味する。例えば、3つのプローブスポット310A~310Cが、(実線矢印で表された)長さLだけx方向に移動する可能性がある場合、その間はビームとサンプルの相互作用を表す信号がプローブスポット310から記録され、長さLだけ-x方向に、(点線矢印で表された)幅W又はその倍数だけ-y方向又はy方向に移動する可能性がある場合、その間はビームとサンプルの相互作用を表す信号が3つのプローブスポット310A~310Cから記録されない。これらの進退移動は、3つのプローブスポット310A~310Cのそれぞれが領域300の全域にわたって走査するまで反復される可能性がある。3つのプローブスポット310A~310Cは、期間T40の初めに異なる位置にある可能性がある。例えば、
図5に示すように、期間T40の初めに、プローブスポット310Cは領域300のy方向の端にあり、プローブスポット310Bはプローブスポット310Cに隣接し、領域300の内側にあり、プローブスポット310Aはプローブスポット310Bに隣接し、領域300のさらに内側にある。同様に、3つのプローブスポット310A~310Cは、期間T40の間又は終わりに異なる位置にある可能性がある。領域300の像361は、期間T40中にプローブスポット310Aから記録された信号から形成することができる。領域300の像362は、期間T40中にプローブスポット310Bから記録された信号から形成することができる。領域300の像363は、期間T40中にプローブスポット310Cから記録された信号から形成することができる。例えば、像361~363は、信号を大きさ及び空間の両方についてデジタル化することによって生成することができる。像361~363は、プローブスポット310A~310Cがそれぞれ領域300内の複数の位置にあったときに記録された信号の大きさを表すデジタル値の寄せ集めであってよい。「像」という語が使用されているが、像361~363は、必ずしも人間の目で容易に感知できる形態ではない。例えば、像361~363は、コンピュータメモリに格納されている値であってよい。期間T40は時間的に連続していない可能性がある。像361~363は平均化される(例えば単純平均、加重平均、移動平均など)。例えば、像361~363が、プローブスポット310A~300Cが領域300内の複数の位置にあったときに記録された信号の大きさを表すデジタル値の寄せ集めである場合、像361~363を平均化することは、同じ位置におけるデジタル値を平均することによって行うことができる。つまり、像361~363の平均は、それぞれ複数の位置における像361~363のデジタル値の平均値の寄せ集めであってよい。この実施例では、3つのプローブスポット310A~310Cのうちの2つは、これらの2つのプローブスポットを生成したビームとサンプルの相互作用を表す信号が記録されるとき、同時に領域300内の同じ位置にない。
【0044】
[0054]
図6は、ある実施形態に係る、像の平均化を概略的に示している。複数の信号セット(例えばセット611~613)が、複数の期間(例えば、期間T41~T43)中に複数のプローブスポット(例えば、プローブスポット310A~310C)から記録される。信号セットは、ここで示される実施例ではアナログ信号であってよい。像(例えば、像661~663)は、信号セットを大きさ及び空間の両方についてそれぞれデジタル化することによって形成することができる。この実施例に示される値及び影は、デジタル化された信号の大きさを表す。像内の対応する位置にあるデジタル化された信号の大きさを平均することによって、平均化された像(例えば、平均化された像669)が形成される。別の平均化する方法も可能である。
【0045】
[0055]
図7は、ある実施形態に係る、複数の荷電粒子ビームを使用してサンプルを検査することを概略的に示している。ここに示すこの実施例では、
図5に示した実施例と同様に、3つのビームがサンプル上に3つのプローブスポット310A~310Cを生成する。
図7は、サンプルに対する3つのプローブスポット310A~310Cの移動を示す。
図5に示した実施例では、プローブスポット310A~310Cは互いに隣接している。
図7に示す実施例では、3つのプローブスポット310A~310Cは、例えば幅Wの倍数だけ離間している可能性がある。プローブスポット310A~310Cを離間させることによって、プローブスポット310A~310Cを生成するビームの相互作用、又はプローブスポット310A~310Cから記録された信号の干渉を低減することができる。
【0046】
[0056]
図8は、ある実施形態に係る、複数の荷電粒子ビームを使用してサンプルを検査することを概略的に示している。ここでは、撮像用の信号を生成すること以外の目的で、1つ以上の追加の荷電粒子ビームが使用される場合がある。
図8に示す実施例は、
図4に示した実施例と類似しているが、プローブスポット310A~310Cが領域300にわたって走査する前に、領域300に電荷を充電するための追加の荷電粒子ビームによりサンプル上に生成されたスポット310Dを有する。スポット310Dは、プローブスポット310A~310Cと異なるサイズ又は異なる強度を有することができる。スポット310Dは、プローブスポット310A~310Cが領域300を走査する前又は間に領域300を走査することができる。ある実施形態では、スポット310Dから信号は記録されない。
【0047】
[0057]
図9は、ある実施形態に係る、複数の荷電粒子ビームを使用してサンプルを検査する方法のフローチャートを示している。手順910において、複数のプローブスポット920が複数の荷電粒子ビームによってサンプル上に生成される。複数のプローブスポット920は、同じサイズ又は異なるサイズを有することができる。複数のプローブスポット920は、同じ強度又は異なる強度を有することができる。複数のプローブスポット920は、互いに隣接しているか、又は離間している可能性がある。追加のスポットを追加の荷電粒子ビームによってサンプル上に生成することができ、追加のスポットは、プローブスポット920と異なるサイズ又は強度を有することができる。手順930において、プローブスポット920がサンプル上のある領域にわたって走査される間、それぞれ複数の荷電粒子ビームとサンプルの相互作用を表す複数の信号セット940がプローブスポット920から記録される。プローブスポット920は、領域にわたって走査される間、互いに対して移動することができる。プローブスポット920は、異なる期間中、領域にわたって走査される可能性がある。プローブスポット920は、間の領域を走査することなく、領域の異なる部分にわたって走査される可能性がある。信号セット940は、プローブスポット920が領域にわたって走査される間ずっと記録されるわけではない。手順950において、領域の複数の像960が、信号セット940からそれぞれ生成される。各像960は、信号セット940の1つのみから生成することができる。像960は、信号セット940を信号の大きさ及びプローブスポット920の位置についてデジタル化することによって生成することができる。像960は有限サイズの画素を有することができる。像960は、人間の目で容易に感知できる形態でない場合がある。例えば、像960は、コンピュータ可読記憶媒体に格納されている信号の大きさを表すデジタル値の寄せ集めであってよい。手順970において、領域の合成像980が複数の像960から生成される。合成像980は、像960と同様、人間の目で容易に感知できる形態でない場合がある。ある実施形態では、合成像980は、像960のデジタル値の平均値の寄せ集めであってよい。
【0048】
[0058] 実施形態を以下の条項を用いてさらに説明することができる。
【0049】
1. 複数の荷電粒子ビームによってサンプル上に複数のプローブスポットを生成すること、
サンプル上のある領域にわたって複数のプローブスポットを走査しながら、それぞれが複数の荷電粒子ビームとサンプルの相互作用を表す複数の信号セットを複数のプローブスポットから記録すること、
複数の信号セットから領域の複数の像をそれぞれ生成すること、及び
複数の像から領域の合成像を生成すること、を含む方法。
【0050】
2. 複数のプローブスポットが異なるサイズ又は異なる強度を有する、条項1に記載の方法。
【0051】
3. 複数のプローブスポットが離間している、条項1に記載の方法。
【0052】
4. 複数のプローブスポットが、走査されている間に互いに対して移動する、条項1に記載の方法。
【0053】
5. 複数のプローブスポットがそれぞれ領域にわたって走査される期間が異なる、条項1に記載の方法。
【0054】
6. 期間が時間的に連続していない、条項5に記載の方法。
【0055】
7. 期間が部分的な重なりを有する、条項5に記載の方法。
【0056】
8. 複数の信号セットが、期間の全体にわたって記録されるわけではない、条項5に記載の方法。
【0057】
9. 領域の複数の像のそれぞれが、複数の信号セットの1つのみから生成される、条項1に記載の方法。
【0058】
10. 領域の複数の像を生成することが、信号の大きさ又は複数のプローブスポットの位置について複数の信号セットをデジタル化することを含む、条項1に記載の方法。
【0059】
11. 領域の複数の像が、信号の大きさを表すデジタル値の寄せ集めである、条項1に記載の方法。
【0060】
12. 領域の合成像が、デジタル値の平均値の寄せ集めである、条項11に記載の方法。
【0061】
13. 領域の合成像を生成することが、領域の複数の像を平均化することを含む、条項1に記載の方法。
【0062】
14. 複数の像を平均化することが、単純平均、加重平均又は移動平均による、条項13に記載の方法。
【0063】
15. 別の荷電粒子ビームからサンプル上に追加のスポットを生成することをさらに含む、条項1に記載の方法。
【0064】
16. 追加のスポットが、複数のプローブスポットと異なるサイズ又は異なる強度を有する、条項15に記載の方法。
【0065】
17. 追加のスポットを使用して、領域を電荷で充電することをさらに含む、条項15に記載の方法。
【0066】
18. 複数のプローブスポットを走査する前又は間に、追加のスポットを走査することをさらに含む、条項15に記載の方法。
【0067】
19. 別のビームとサンプルの相互作用を表す信号が追加のスポットから記録されない、条項15に記載の方法。
【0068】
20. コンピュータによって実行されるとき条項1から19の何れかに記載の方法を実行する命令を記録させた、非一時的コンピュータ可読媒体を備えたコンピュータプログラム製品。
【0069】
[0059] 上記の開示は、マルチビーム装置(すなわち、単一ソースからの複数の荷電粒子ビームを使用して荷電粒子ビーム検査を実行できる装置)についてなされているが、実施形態は、マルチコラム装置(すなわち、複数のソースから生成される複数の荷電粒子ビームを使用して荷電粒子ビーム検査を実行できる装置)に適用できる可能性がある。マルチコラム装置についてのさらなる説明は、開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,294,095号に見ることができる。
【0070】
[0060] 本明細書に開示される概念は、クロムオンガラス(chrome on glass)等、シリコンウェーハ又はパターニングデバイスのようなサンプルに対する検査のために使用できるが、開示される概念は、例えばシリコンウェーハ以外のサンプルの検査のように、任意のタイプのサンプルと共に使用できることは理解されよう。
【0071】
[0061] 上述の記載は、限定でなく例示を意図している。従って、以下に述べる特許請求の範囲の範囲から逸脱することなく記載されるように変更が実施されることは当業者には明らかであろう。