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▶ サイマー リミテッド ライアビリティ カンパニーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-29
(45)【発行日】2023-10-10
(54)【発明の名称】ガス放電光源における予測装置
(51)【国際特許分類】
   H01S 3/00 20060101AFI20231002BHJP
   H01S 3/032 20060101ALI20231002BHJP
【FI】
H01S3/00 G
H01S3/032
【請求項の数】 30
(21)【出願番号】P 2022527857
(86)(22)【出願日】2020-12-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-21
(86)【国際出願番号】 US2020062742
(87)【国際公開番号】W WO2021126520
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-07-04
(31)【優先権主張番号】62/949,723
(32)【優先日】2019-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513192029
【氏名又は名称】サイマー リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ミナカイス,マシュー
【審査官】村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-043219(JP,A)
【文献】特表2019-509626(JP,A)
【文献】特開2013-219157(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0188278(US,A1)
【文献】特開2017-163036(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0262772(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第107181163(CN,A)
【文献】特開2017-034830(JP,A)
【文献】特開2018-097723(JP,A)
【文献】特開2018-067051(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 3/00-3/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ビームを発する光学システムの性能条件に関する性能測定基準を受け取ることと、
前記性能測定基準及び所定の学習モデルに基づいて、前記光学システムに対する提案された変更の有効性を推定することと、
前記光学システムに対する前記提案された変更が有効であろうと推定される場合、前記光学システムに変更コマンドを出力することと、
を行う決定モジュールを含む、
装置。
【請求項2】
前記決定モジュールは、前記光学システムに対する前記提案された変更が有効でないであろうと前記決定モジュールが推定する場合、前記光学システムに維持コマンドを出力する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記決定モジュールは、前記光ビームの前記性能条件が向上されるであろうか否かを決定することにより、前記提案された変更の前記有効性を推定する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記性能条件は、前記光ビームにおけるビーム品質エラーのタイプ、ある期間にわたるガス混合物における放電事象の発生回数、前記光ビームのビーム品質におけるエラーに関連する1つ又は複数の障害、前記光ビームの前記ビーム品質、前記光ビームの前記ビーム品質におけるエラー、前記光ビームの動作パラメータ又は特性に関連するエラー事象、障害シグネチャに対する各エラー事象の解析、及び、前記光学システムの構成の変更、の1つ又は複数を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記決定モジュールは、前記提案された変更の前記有効性を、前記光学システムに対する前記変更がもたらされる前に推定する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記決定モジュールと通信するインターフェースモジュールをさらに含み、
前記インターフェースモジュールは、前記性能測定基準を提供し、
前記インターフェースモジュールは、複数のビーム品質検出モジュールを含み、
前記複数のビーム品質検出モジュールは、
それぞれ前記光ビームの各スペクトル特徴におけるエラーを検出し、及び前記光ビームの前記各スペクトル特徴エラーを示すエラー事象信号を生成する1つ又は複数のスペクトル特徴検出モジュールと、
前記光ビームのエネルギーにおけるエラーを検出し、及び前記光ビームの前記エネルギーエラーを示すエラー事象信号を生成するエネルギー検出モジュールと、を含み、
前記スペクトル特徴は、前記光ビームの帯域幅又は波長を含み、
前記性能測定基準は、前記各スペクトル特徴及びエネルギーにおける前記エラー事象に基づいて生成される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記インターフェースモジュールは、障害シグネチャのセットに対して各ビーム品質エラー事象を解析するとともに、前記ビーム品質エラー事象を既知の障害シグネチャに分類する尤度スコアを生成する障害シグネチャモジュールを含み、
前記性能測定基準は、前記障害シグネチャモジュールからの前記出力に関するデータを含む、請求項に記載の装置。
【請求項8】
前記所定の学習モデルは、入力として前記性能測定基準を受け取るとともに、前記推定を出力する、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記所定の学習モデルは、前記光学システムのタイプ、構成及び/又は経年数に基づいて構築される、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記光学システムに対する前記提案された変更は、前記光学システム内のガス混合物の提案された再充填及び前記光学システムの構成の提案された変更の1つ又は複数を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記決定モジュールは、前記光学システムの前記構成に対するプローブされた変更にも基づいて、前記光学システム内の前記ガス混合物の提案された再充填の有効性を推定する、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
複数のテスト光学システムに基づく訓練データセットを受け取ることであって、前記訓練データセットは、各テスト光学システムの複数の変更のそれぞれについて、
前記変更前の前記テスト光学システムに関する性能条件の複数の値と、
前記変更後の前記テスト光学システムに関する前記性能条件の複数の値と、
を含むことと、
光学システムにおける提案された変更の有効性を、前記光学システムの性能条件に関する性能測定基準に基づいて推定する予測モデルを前記訓練データセットに基づいて生成することと、
を含む、方法。
【請求項13】
前記予測モデルを生成することは、各変更について、前記変更後の前記テスト光学システムに関する前記性能条件の前記複数の値を、前記変更前の前記テスト光学システムに関する前記性能条件の前記複数の値と比較することを含み、
前記比較は、前記変更の前記有効性を示す、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記予測モデルを生成することは、前記性能測定基準を維持コマンド又は変更コマンドの一方にマッピングすることを含み、
前記維持コマンド及び前記変更コマンドは、前記光学システムに対する前記提案された変更の前記推定された有効性に基づく、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記性能条件は、前記光学システムから生成された光ビームのビーム品質エラー率、前記光学システムから生成された光ビームにおけるビーム品質エラーのタイプ、ある期間にわたる前記光学システムのガス混合物における放電事象の発生回数、前記光学システムから生成された前記光ビームのビーム品質における前記エラーに関連する1つ又は複数の障害、前記光学システムの動作効率における異常、前記光学システムから生成された前記光ビームの1つ又は複数のスペクトル特徴におけるエラー、前記光ビームの動作パラメータ又は特性に関連するエラー事象、障害シグネチャに対する各エラー事象の解析、及び、前記光学システムの構成の変更、の1つ又は複数を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記提案された変更の前記有効性の前記推定は、前記提案された変更後の前記光学システムの性能条件が、前記提案された変更前の前記光学システムの前記条件に対して向上するか否かを示す、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記提案された変更が有効でないであろうと前記予測モデルが推定する尤度を減少させるように前記予測モデルを調節することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記予測モデルは、前記光学システムに対する前記提案された変更の前記有効性を推定する、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記光学システムに対する前記提案された変更は、前記光学システム内のガス混合物の提案された再充填及び前記光学システムの構成の提案された変更の1つ又は複数を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
光ビームを発する光学システムの性能条件に関する性能測定基準を受け取ることと、
前記性能測定基準及び所定の学習モデルに基づいて、前記光学システムに対する提案された変更の有効性を推定することと、
前記提案された変更が有効であろうと推定される場合、前記光学システムに対する変更を指示することと、
を含む、方法。
【請求項21】
前記提案された変更が有効でないであろうと推定される場合、前記変更を遅らせることをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記変更を遅らせた後、
前記光学システムの性能条件に関する性能測定基準を受け取ることと、
前記性能測定基準及び前記所定の学習モデルに基づいて、前記光学システムに対する提案された変更の前記有効性を推定することと、
をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記性能条件は、前記光ビームにおけるビーム品質エラーのタイプ、ある期間にわたるガス混合物における放電事象の発生回数、前記光ビームのビーム品質における前記エラーに関連する1つ又は複数の障害、前記光ビームの前記ビーム品質、前記光ビームの前記ビーム品質におけるエラー、前記光ビームの動作パラメータ又は特性に関連するエラー事象、障害シグネチャに対する各エラー事象の解析、及び、前記光学システムの構成の変更、の1つ又は複数を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記所定の学習モデルは、前記提案された変更の前記有効性を、前記光学システムに対する前記変更をもたらす前に推定する、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記性能条件は、ある期間にわたるガス混合物における放電事象のカウントを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
前記所定の学習モデルは、サポートベクターマシンである、請求項20に記載の方法。
【請求項27】
前記所定の学習モデルは、分離超平面を含み、
前記超平面は、前記性能測定基準をイエス又はノーの何れかとして分類し、イエス分類は、前記提案された変更が有効であろうことを示し、ノー分類は、前記提案された変更が有効でないであろうことを示す、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
コンピュータによって実行されると、前記コンピュータに、
光ビームを発する光学システムの性能条件に関する性能測定基準を受け取ることと、
前記性能測定基準及び所定の学習モデルに基づいて、前記光学システムに対する提案された変更の有効性を推定することと、
前記提案された変更が有効であろうと推定される場合、前記光学システムに対する変更を指示することと、
を含む方法を行わせる命令を保存する、
非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項29】
光ビームを発する光学システムの性能条件に関する性能測定基準を受け取ることと、
前記性能測定基準及び所定の学習モデルに基づいて、前記光学システムのガス混合物の提案された再充填の有効性を推定することと、
前記光学システムの前記ガス混合物の前記提案された再充填が有効であろうと推定される場合、前記光学システムに再充填コマンドを出力することと、
を行う決定モジュールを含む、
装置。
【請求項30】
光ビームを発する光学システムの性能条件に関する性能測定基準を受け取ることと、
前記性能測定基準及び所定の学習モデルに基づいて、前記光学システムのガス混合物の提案されたガス再充填の有効性を推定することと、
前記提案されたガス再充填が有効であろうと推定される場合、前記光学システムに対するガス再充填を指示することと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、参照により全体として本明細書に援用される、2019年12月18日に出願された「PREDICTIVE APPARATUS IN A GAS DISCHARGE LIGHT SOURCE」という名称の米国特許出願第62/949,723号に対する優先権を主張するものである。
【0002】
[0002] 本開示は、光リソグラフィシステムの光源に対する変更が光源の動作条件を向上させるであろうか否かを予測する予測モデルを使用する装置に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] フォトリソグラフィで使用されるガス放電光源の一種は、エキシマ光源又はレーザと呼ばれる。一般的に、エキシマレーザは、アルゴン、クリプトン又はキセノンを含み得る1つ又は複数の貴ガス及びフッ素又は塩素を含み得る反応性ガスの組み合わせを使用する。エキシマレーザは、電気的シミュレーション(供給されるエネルギー)及び(ガス混合物の)高圧の適切な条件下でエキシマ(疑似分子)を生成することができ、エキシマは、電圧が印加された状態でのみ存在する。電圧が印加された状態のエキシマは、紫外線領域の増幅光を生じさせる。エキシマ光源は、単一のガス放電チャンバ又は複数のガス放電チャンバを使用し得る。エキシマ光源の動作時、エキシマ光源は、深紫外線(DUV)光ビームを生成する。DUV光は、例えば、約100ナノメータ(nm)~約400nmの波長を含み得る。
【0004】
[0004] DUV光ビームは、(シリコンウェーハなどの)基板のターゲット部分上に所望のパターンを施す機械であるフォトリソグラフィ露光装置又はスキャナに向けられ得る。DUV光ビームは、マスクを通してウェーハのフォトレジスト上にDUV光ビームを投影する投影光学システムと相互作用する。このようにして、チップ設計の1つ又は複数の層がフォトレジスト上にパターン形成され、その後、ウェーハがエッチング及び洗浄される。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 幾つかの一般的態様では、装置は、光ビームを発する光学システムの性能条件に関する性能測定基準を受け取ることと、性能測定基準及び所定の学習モデルに基づいて、光学システムに対する提案された変更の有効性を推定することと、光学システムに対する提案された変更が有効であろうと推定される場合、光学システムに変更コマンドを出力することとを行うように構成された決定モジュールを含む。
【0006】
[0006] 実装形態は、以下の特徴の1つ又は複数を含み得る。例えば、決定モジュールは、光学システムに対する提案された変更が有効でないであろうと決定モジュールが推定する場合、光学システムに維持コマンドを出力するように構成され得る。
【0007】
[0007] 決定モジュールは、光ビームの性能条件が向上されるであろうか否かを決定することにより、提案された変更の有効性を推定するように構成され得る。決定モジュールは、ビーム品質におけるエラー率が減少されるであろうか否かを決定することにより、光ビームの性能条件が向上されるか否かを決定し得る。
【0008】
[0008] 性能条件は、光ビームにおけるビーム品質エラーのタイプ、ある期間にわたるガス混合物における放電事象の発生回数、光ビームのビーム品質におけるエラーに関連する1つ又は複数の障害、光ビームのビーム品質及び光ビームのビーム品質におけるエラーの1つ又は複数を含み得る。性能条件は、ガス混合物を含む1つ又は複数のチャンバに関連した圧力、温度、設定又は動作モードなど、ガス混合物を含む1つ又は複数のチャンバに関する構成を含む、光学システムの構成を含み得る。性能条件は、光ビームの動作パラメータ又は特性に関連するエラー事象、障害シグネチャに対する各エラー事象の解析及び光学システムの構成の変更を含み得る。
【0009】
[0009] 決定モジュールは、提案された変更の有効性を、光学システムに対する変更がもたらされる前に推定するように構成され得る。
【0010】
[0010] 装置は、決定モジュールと通信するインターフェースモジュールを含み得、インターフェースモジュールは、性能測定基準を提供する。インターフェースモジュールは、複数の解析サブモジュールを含む。複数の解析サブモジュールは、それぞれ光ビームの各スペクトル特徴におけるエラーを検出し、及び光ビームの各スペクトル特徴エラーを示すエラー事象信号を生成するように構成された1つ又は複数のスペクトル特徴検出モジュールと、光ビームのエネルギーにおけるエラーを検出し、及び光ビームのエネルギーエラーを示すエラー事象信号を生成するように構成されたエネルギー検出モジュールとを含むビーム品質検出サブモジュールを含む。スペクトル特徴は、光ビームの帯域幅又は波長を含み得、性能測定基準は、各スペクトル特徴及びエネルギーにおけるエラー事象に基づいて生成され得る。インターフェースモジュールは、光学システムのガス混合物における放電事象の発生を検出し、及びある期間にわたる放電事象のカウントを示すエラー事象信号を生成するように構成された放電カウント検出モジュールを含み得る。性能測定基準は、放電検出モジュールからの生成された信号に関するデータを含み得る。期間は、最後にガス混合物が再充填されてから測定され得る。期間は、ガス混合物を含む1つ又は複数のチャンバが光学システムにおいて1つ又は複数の新しいチャンバと交換されてから測定され得る。インターフェースモジュールは、障害シグネチャのセットに対して各ビーム品質エラー事象を解析し、及びビーム品質エラー事象を既知の障害シグネチャに分類する尤度スコアを生成するように構成された障害シグネチャモジュールを含み得る。性能測定基準は、障害シグネチャモジュールからの出力に関するデータを含み得る。
【0011】
[0011] 所定の学習モデルは、入力として性能測定基準を受け取ることができ、及び推定を出力することができる。所定の学習モデルは、サポートベクターマシンを含み得る。所定の学習モデルは、分離超平面を含み得、超平面は、性能測定基準をイエス又はノーの何れかとして分類し、イエス分類は、提案された変更が有効であろうことを示し、及びノー分類は、提案された変更が有効でないであろうことを示す。
【0012】
[0012] 所定の学習モデルは、光学システムのタイプ、構成及び/又は経年数に基づいて構築され得る。
【0013】
[0013] 提案された変更の有効性の推定は、提案された変更後の光学システムの性能条件が、提案された変更前の光学システムの条件に対して向上するか否かを示し得る。
【0014】
[0014] 決定モジュールは、提案された変更後の光学システムの性能条件を、提案された変更前の光学システムの性能条件と比較することにより、提案された変更の有効性を推定するように構成され得る。決定モジュールは、性能条件が所定の量だけ向上するであろうことを比較が示す場合、変更コマンドを出力するように構成され得る。
【0015】
[0015] 光学システムに対する提案された変更は、光学システム内のガス混合物の提案された再充填及び光学システムの構成の提案された変更の1つ又は複数を含み得る。決定モジュールは、光学システムの構成に対するプローブされた変更にも基づいて、光学システム内のガス混合物の提案された再充填の有効性を推定するように構成され得る。
【0016】
[0016] 他の一般的態様では、方法は、複数のテスト光学システムに基づく訓練データセットを受け取ることと、光学システム対する提案された変更の有効性を、光学システムの性能条件に関する性能測定基準に基づいて推定する予測モデルを訓練データセットに基づいて生成することとを含む。訓練データセットは、各テスト光学システムの複数の変更のそれぞれについて、変更前のテスト光学システムに関する性能条件の複数の値と、変更後のテスト光学システムに関する性能条件の複数の値とを含む。
【0017】
[0017] 実装形態は、以下の特徴の1つ又は複数を含み得る。例えば、予測モデルは、テスト光学システムに対する各変更について、変更後のテスト光学システムに関する性能条件の複数の値を、変更前のテスト光学システムに関する性能条件の複数の値と比較することによって生成され得、比較は、変更の有効性を示す。
【0018】
[0018] 予測モデルは、学習モデルであり得る。学習モデルは、サポートベクターマシンを含み得る。学習モデルは、予測モデルとして使用できる限り、サポートベクターマシン以外の任意の構造であり得る。具体的には、学習モデルの態様は、データセットをアセンブルすること、障害シグネチャ検出(FSD)を用いて入力ベクトルをアセンブルすること、データセットを訓練すること、データセットをテストすること及びその後、学習モデルを適用することを含む。例えば、他の実装形態では、学習モデルは、ニューラルネットワーク、決定木又はK最近傍モデルを含む。
【0019】
[0019] 予測モデルは、性能測定基準を維持コマンド又は変更コマンドの一方にマッピングすることによって生成され得、維持コマンド及び変更コマンドは、光学システムに対する提案された変更の推定された有効性に基づく。
【0020】
[0020] 訓練データセットは、複数のテスト光学システムに対する少なくとも数千の変更を含み得る。
【0021】
[0021] 性能条件は、光学システムから生成された光ビームのビーム品質エラー率、光学システムから生成された光ビームにおけるビーム品質エラーのタイプ、ある期間にわたる光学システムのガス混合物における放電事象の発生回数、光学システムから生成された光ビームのビーム品質におけるエラーに関連する1つ又は複数の障害、光学システムの動作効率における異常及び光学システムから生成された光ビームの1つ又は複数のスペクトル特徴におけるエラーの1つ又は複数を含み得る。性能条件は、光ビームの動作パラメータ又は特性に関連するエラー事象、障害シグネチャに対する各エラー事象の解析及び光学システムの構成の変更の1つ又は複数を含み得る。
【0022】
[0022] 本方法は、光学システムの性能条件に関する性能測定基準を予測モデルに適用する前に予測モデルをテストすることも含み得る。予測モデルは、複数のテスト光学システムのそれぞれに対する複数の変更のそれぞれ及び複数のテスト光学システムのそれぞれについて、変更前のテスト光学システムに関する性能条件の複数の値と、変更後のテスト光学システムに関する性能条件の複数の値とを含むテストデータセットを使用することであって、テストデータセットは、訓練データセットから除外される、使用することと、変更前のテスト光学システムに関する性能条件の複数の値を予測モデルに適用し、及び予測モデルのそれぞれの実際の出力を、テストデータセットからの変更後のテスト光学システムに関する性能条件の関連する値と比較することとによってテストされ得る。
【0023】
[0023] 提案された変更の有効性の推定は、提案された変更後の光学システムの性能条件が、提案された変更前の光学システムの条件に対して向上するか否かを示し得る。
【0024】
[0024] 本方法は、提案された変更が有効でないであろうと予測モデルが推定する尤度を減少させるように予測モデルを調節することも含み得る。
【0025】
[0025] 予測モデルは、光学システムのタイプ、構成及び/又は経年数に基づいて生成され得る。
【0026】
[0026] 予測モデルは、テスト光学システムの中の又はテスト光学システムとは別個の光学システムに対する提案されたガス変更の有効性を推定するように構成され得る。
【0027】
[0027] 光学システムに対する提案された変更は、光学システム内のガス混合物の提案された再充填及び光学システムの構成の提案された変更の1つ又は複数を含み得る。
【0028】
[0028] 他の一般的態様では、方法は、光ビームを発する光学システムの性能条件に関する性能測定基準を受け取ることと、性能測定基準及び所定の学習モデルに基づいて、光学システムに対する提案された変更の有効性を推定することと、提案された変更が有効であろうと推定される場合、光学システムに対する変更を指示することとを含む。
【0029】
[0029] 実装形態は、以下の特徴の1つ又は複数を含み得る。例えば、光学システムに対する変更は、光学システムに変更コマンドを出力することによって指示され得る。
【0030】
[0030] 本方法は、提案された変更が有効でないであろうと推定される場合、変更を遅らせることをさらに含み得る。変更は、光学システムに維持コマンドを出力することによって遅らされ得る。
【0031】
[0031] 本方法はまた、変更を遅らせた後、光学システムの性能条件に関する性能測定基準を受け取ることと、性能測定基準及び所定の学習モデルに基づいて、光学システムに対する提案された変更の有効性を推定することとを含み得る。
【0032】
[0032] 提案された変更の有効性は、変更を実施することによって光ビームの性能条件が向上されるであろうか否かを決定することによって推定され得る。光ビームの性能条件が向上されるか否かの決定は、変更によってビーム品質におけるエラー率が減少されるであろうか否かを決定することを含み得る。
【0033】
[0033] 性能条件は、光ビームにおけるビーム品質エラーのタイプ、ある期間にわたるガス混合物における放電事象の発生回数、光ビームのビーム品質におけるエラーに関連する1つ又は複数の障害、光ビームのビーム品質及び光ビームのビーム品質におけるエラーの1つ又は複数を含み得る。性能条件は、光ビームの動作パラメータ又は特性に関連するエラー事象、障害シグネチャに対する各エラー事象の解析及び光学システムの構成の変更の1つ又は複数を含み得る。
【0034】
[0034] 所定の学習モデルは、提案された変更の有効性を、光学システムに対する変更をもたらす前に推定するように構成され得る。
【0035】
[0035] 性能条件は、ある期間にわたるガス混合物における放電事象のカウントを含み得る。
【0036】
[0036] 所定の学習モデルは、入力として性能測定基準を受け取り得、及び推定を出力する。
【0037】
[0037] 所定の学習モデルは、サポートベクターマシンを含み得る。所定の学習モデルは、分離超平面を含み得、超平面は、性能測定基準をイエス又はノーの何れかとして分類し、イエス分類は、提案された変更が有効であろうことを示し、及びノー分類は、提案された変更が有効でないであろうことを示す。提案された変更の有効性の推定は、提案された変更後の光学システムの条件が、提案された変更前の光学システムの条件に対して向上するか否かを示し得る。ガス混合物は、エネルギーがガス混合物に提供されるときに誘導放出を介して反転分布が生じるように構成された利得媒体を含み得る。
【0038】
[0038] 光学システムに対する提案された変更は、光学システム内のガス混合物の提案された再充填及び光学システムの構成の提案された変更の1つ又は複数を含み得る。
【0039】
[0039] 他の一般的態様では、非一時的コンピュータ可読媒体は、コンピュータによって実行されると、コンピュータに、複数のテスト光学システムに基づく訓練データセットを受け取ることであって、訓練データセットは、各テスト光学システムの複数の変更のそれぞれについて、変更前のテスト光学システムに関する性能条件の複数の値と、変更後のテスト光学システムに関する性能条件の複数の値とを含む、受け取ることと、光学システムにおける提案された変更の有効性を、光学システムの性能条件に関する性能測定基準に基づいて推定する予測モデルを訓練データセットに基づいて生成することとを含む方法を行わせる命令を保存する。光学システムは、テスト光学システムの中のものであり得るか、又はテスト光学システムとは別個であり得る。
【0040】
[0040] 他の一般的態様では、非一時的コンピュータ可読媒体は、コンピュータによって実行されると、コンピュータに、光ビームを発する光学システムの性能条件に関する性能測定基準を受け取ることと、性能測定基準及び所定の学習モデルに基づいて、光学システムに対する提案された変更の有効性を推定することと、提案された変更が有効であろうと推定される場合、光学システムに対する変更を指示することとを含む方法を行わせる命令を保存する。
【0041】
[0041] 他の一般的態様では、装置は、光ビームを発する光学システムの性能条件に関する性能測定基準を受け取ることと、性能測定基準及び所定の学習モデルに基づいて、光学システムのガス混合物の提案された再充填の有効性を推定することと、光学システムのガス混合物の提案された再充填が有効であろうと推定される場合、光学システムに再充填コマンドを出力することとを行うように構成された決定モジュールを含む。
【0042】
[0042] さらなる一般的態様では、方法は、複数のテスト光学システムに基づく訓練データセットを受け取ることであって、訓練データセットは、各テスト光学システムの複数のガス再充填のそれぞれについて、ガス再充填前のテスト光学システムに関する性能条件の複数の値と、ガス再充填後のテスト光学システムに関する性能条件の複数の値とを含む、受け取ることと、光学システムにおけるガス混合物の提案されたガス再充填の有効性を、光学システムの性能条件に関する性能測定基準に基づいて推定する予測モデルを訓練データセットに基づいて生成することと、を含む。光学システムは、テスト光学システムの中のものであり得るか、又はテスト光学システムとは別個であり得る。
【0043】
[0043] 他の一般的態様では、方法は、光ビームを発する光学システムの性能条件に関する性能測定基準を受け取ることと、性能測定基準及び所定の学習モデルに基づいて、光学システムのガス混合物の提案されたガス再充填の有効性を推定することと、提案されたガス再充填が有効であろうと推定される場合、光学システムに対するガス再充填を指示することとを含む。
【0044】
[0044] さらなる一般的態様では、非一時的コンピュータ可読媒体は、コンピュータによって実行されると、コンピュータに、複数のテスト光学システムに基づく訓練データセットを受け取ることであって、訓練データセットは、各テスト光学システムの複数のガス再充填のそれぞれについて、ガス再充填前のテスト光学システムに関する性能条件の複数の値と、ガス再充填後のテスト光学システムに関する性能条件の複数の値とを含む、受け取ることと、光学システムにおける提案されたガス再充填の有効性を、光学システムの性能条件に関する性能測定基準に基づいて推定する予測モデルを訓練データセットに基づいて生成することと、を含む方法を行わせる命令を保存し、光学システムは、テスト光学システムとは別個である。
【0045】
[0045] さらに他の一般的態様では、非一時的コンピュータ可読媒体は、コンピュータによって実行されると、コンピュータに、光ビームを発する光学システムの性能条件に関する性能測定基準を受け取ることと、性能測定基準及び所定の学習モデルに基づいて、光学システムにおける提案されたガス再充填の有効性を推定することと、提案されたガス再充填が有効であろうと推定される場合、光学システムに対するガス再充填を指示することとを含む方法を行わせる命令を保存する。
【0046】
[0046] 上記及び本明細書に記載される技術の何れかの実装形態は、プロセス、装置、制御システム、非一時的機械可読コンピュータ媒体に保存された命令及び/又は方法を含み得る。1つ又は複数の実装形態の詳細は、添付の図面及び以下の説明に記載される。他の特徴は、説明及び図面並びに特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】[0047]少なくとも部分的に光学システムの性能条件に基づいて、光学システムに対する提案された変更が光学システムの動作を向上させるであろうか否かを予測するように構成された予測装置のブロック図である。
図2A】[0048]第1のタイプの性能条件のセットに関するエラー事象の総数対時間のグラフであり、再充填手順は、第1のタイプの性能条件のセットに関するエラー事象にほとんど影響しない。
図2B】[0049]第2のタイプの性能条件のセットに関するエラー事象の総数対時間のグラフであり、再充填手順は、第2のタイプの性能条件のセットに関するエラー事象により大きい影響を及ぼす。
図3】[0050]光学システムの実装形態と、図1の予測装置と通信し、及び光学システムからのデータの取得及び解析を行うように構成されたインターフェースモジュールの実装形態とのブロック図である。
図4】[0051]図1又は図3の予測装置と通信するガス供給システムを含む光学システムの実装形態のブロック図である。
図5】[0052]デュアルステージ光源を含む光学システムの実装形態のブロック図である。
図6】[0053]図1又は図3の予測装置の決定モジュールで使用するために学習モデルを構築するように構成された訓練装置のブロック図である。
図7】[0054]図6の訓練装置によって行うことができる、学習モデルを構築するための手順の実装形態のフローチャートである。
図8】[0055]例えば、図7の手順を使用して構築された学習モデルをテストするための手順の実装形態のフローチャートである。
図9】[0056]光学システムに対する提案された変更が光学システムの動作を向上させるであろうか否かを予測するための、図1又は図3の予測装置によって行われる手順の実装形態のフローチャートである。
図10A】[0057]図1及び図3の光学システムによって生成された光ビームを受け取るように構成されたリソグラフィ露光装置の実装形態のブロック図である。
図10B】[0058]図10Aのリソグラフィ露光装置内の投影光学システムの実装形態のブロック図である。
図11A】[0059]各エラー事象に適用された障害シグネチャアルゴリズムのセットから出力された尤度スコアの一例の表であり、各エラー事象は、光学システムの性能条件に対応する。
図11B】[0060]各障害シグネチャアルゴリズムに関する図11Aの出力スコアがどのように使用されるかを示す表である。
図12】[0061]構成パラメータ変更のセットの一例の表であり、各構成パラメータ変更は、光学システムの性能条件に対応する。
【発明を実施するための形態】
【0048】
[0062] 図1を参照すると、モニタリング装置100は、出力装置115が使用するための光ビーム110を生成する光学システム105の動作をモニタリングする。モニタリング装置100は、光学システム105に対する提案された変更が光学システム105の動作を向上させるであろうか否かを予測する。例えば、提案された変更は、光学システム105内のガス混合物120の提案されたガス再充填であり得る。モニタリング装置100は、少なくとも部分的に光学システム105の性能条件に基づいて、この予測を行う。具体的には、機械学習を用いて所定の学習モデル125を作成し、モニタリング装置100は、この所定の学習モデル125を使用して、何れの性能条件が光学システム105の健全性又は動作により又は最も関連するかを決定又は推定する。例えば、提案された変更がガス混合物120の提案されたガス再充填である場合、所定の学習モデル125は、何れの性能条件がガス混合物120の健全性又は動作により関連するかを決定又は推定する。このようにして、モニタリング装置100は、提案されたガス再充填の有効性129、すなわち光学システム105がガス混合物120の提案されたガス再充填によって良い影響を受けるであろうか否かを識別又は予測することができる。別の例として、提案された変更が光学システム105の構成の変更である場合、所定の学習モデル125は、光学システム105の構成の提案された変更が光学システム105の動作を向上させるであろうか否かを決定する。
【0049】
[0063] 図面では、2つの要素をつなぐ実線は、データ(例えば、情報及び/又はコマンド信号)が流れることができるデータパスを示す。データは、無線又は有線接続上を流れることができる。また、破線は、光が伝搬することができる光路を示し、二重線(例えば、図3に示される)は、流体が流れることができる流体路を示す。
【0050】
[0064] 出力装置115は、フォトリソグラフィシステム(スキャナとも呼ばれる)であり得、光ビーム110は、ウェーハを露光させるためにスキャナによって使用されるパルス光ビームであり得る。パルス光ビーム110は、一連の光パルスであり、各パルスは、ガス混合物120を励起することによって形成される。パルス光ビーム110は、繰り返し率を有する。繰り返し率は、ある時間の測定単位内で生じる光パルスの数である。例えば、繰り返し率は、1秒以内に生じる光パルスの数であり得る。繰り返し率は、ガス混合物120内の利得媒体が時間の測定単位内で励起される回数によって決定される。さらに、パルス光ビーム110は、パルス光ビーム110の品質に関係する1つ又は複数の仕様に関連付けられる。仕様は、例えば、パルス光ビーム110の様々な特性に関する許容値及び/又は許容値の範囲を含み得る。例えば、仕様は、パルスエネルギー、波長、帯域幅、繰り返し率及び/又はパルス長に関係する値又はこれらの特性の何れかの測定から導出された値を含み得る。パルス光ビーム110が仕様の範囲内である場合、目下の適用にとって関心のある特性の全ては、範囲内であるか、又は仕様に明記されたその特性に関する値に等しい。パルス光ビーム110が仕様の範囲外である場合、目下の適用にとって関心のある特性の1つ又は複数は、範囲外であるか、又はその特性に関する値に等しくない。光学システム105は、光ビーム110が仕様の範囲内であるときに最適な性能を有する。
【0051】
[0065] ガス混合物120は、実際のガス寿命及び想定されるガス寿命を有する。実際のガス寿命は、ガス混合物120が仕様の範囲内の光パルスを生成することが可能な期間である。想定されるガス寿命及び実際のガス寿命は、例えば、ガス混合物120によって生成されるパルスの総数又は光学システム105が特定の繰り返し率で動作する総時間として測定することができる。例えば、ガス混合物120が実際のガス寿命の終わりに達すると、ガス混合物120は、もはや仕様の範囲内の光パルスを生成できない可能性がある。
【0052】
[0066] 他の事象は、ガス混合物120が仕様の範囲内の光パルスを生成できないことを生じさせ得る。例えば、ガス混合物120を保持するか又は含む密閉チャンバ(ガス放電チャンバ)は、その耐用期間の終わりに達し得る。代わりに、光学システム105内の1つ又は複数のモジュールは、それらの耐用期間の終わりに達し得る。代わりに、光学システム105内の1つ又は複数のモジュールは、ミスアライメント状態になり得る。
【0053】
[0067] 想定されるガス寿命は、光学システム105に類似した光学システムの性能の知識に基づく実際のガス寿命の慎重な推定である。想定されるガス寿命は、所定の一定値であり得、想定されるガス寿命は、あらゆる光学システムにおけるガス混合物が、想定される寿命よりも短い実際の寿命を有する可能性が非常に低いようなものである。しかしながら、個々の光学システム及びガス混合物は、稼働中に異なる状態を経験する。そのため、特定のガス混合物(ガス混合物120など)の実際のガス寿命は、別のガス混合物の実際のガス寿命と異なり得る。また、想定されるガス寿命は、慎重な推定であるため、通常の動作条件下で使用される特定のガス混合物の実際のガス寿命は、想定されるガス寿命よりも長い可能性が高い。
【0054】
[0068] 一般的な光学システムでは、想定される寿命に達すると、ガス混合物120は、再充填手順と呼ばれる手順を使用して交換される。再充填手順は、ガス混合物120の除去及び交換を含む。また、再充填手順は、多くの場合、ガス混合物120の材料を消費(浪費)する。さらに、光学システム105は、再充填手順中に動作させることができない。少なくともこれらの理由から、光学システム105に対して行われる再充填手順の回数を減らすことが望ましい。また、そのような再充填手順が光学システム105の動作を向上させるであろう場合にのみ、再充填手順を行うことが望ましい。再充填中、ガス混合物120の中身は、望ましい混合比、濃度及び圧力に戻る。例えば、ガス混合物120の特定の成分の特定の圧力及び濃度に達するのに十分な量で新しいガスが導入される。再充填後、光学システム105の動作は、理想的には、再充填前の動作と比較して向上されるはずである。
【0055】
[0069] 例えば、図2Aを参照して、仮定のガス混合物に対する再充填手順230Aの効果を説明する。この例では、第1のタイプの性能条件[pci1]のセットに関するエラー事象の総数対時間のグラフである。再充填手順230A前及び再充填手順230A後(光学システム105において新しいガス混合物が使用されている)の両方の第1のタイプの性能条件のセットに関するエラー事象の総数が示されている。この比較は、第1のタイプの性能条件のセットに関するエラー事象の数が再充填手順230Aによって減少していないことを実証している。したがって、図2Aは、再充填が、観察されるエラー事象の防止又は減少に成功しなかった状況を示す。
【0056】
[0070] 対照的に、図2Bを参照して、仮定のガス混合物に対する再充填手順230Bの効果を説明する。図2Bは、第2のタイプの性能条件[pci2]のセットに関するエラー事象の総数対時間のグラフを示す。再充填手順230B前及び再充填手順230B後(光学システム105において新しいガス混合物が使用されている)の両方の第2のタイプの性能条件のセットに関するエラー事象の総数が示されている。この比較は、第2のタイプの性能条件のセットに関するエラー事象の数が再充填手順230Bによって減少したことを実証している。したがって、図2Bは、再充填が、観察されるエラー事象の防止又は減少に成功した状況を示す。第2のタイプの性能条件のセットは、第1のタイプの性能条件の他のセットよりもガス混合物120の健全性又は動作により関連すると考えることができる。具体的には及び一般に、ガス混合物120の健全性又は動作により関連する性能条件のエラー事象の率は、再充填手順230の動作によって減少する。
【0057】
[0071] しかしながら、特に決定において多数の性能条件の様々な組み合わせが考慮される場合、何れの性能条件が特定の再充填手順によって影響を受けるであろうかは、あまり理解されていない。この解析は、少なくとも部分的に、性能条件に関する大量の情報が解析される必要があるため、複雑である。例えば、モニタリング装置100は、多数の異なるタイプの性能条件に関する情報を受け取り得る。幾つかの実装形態では、30を超える性能条件のタイプ(又は性能条件のエラー率)がモニタリング装置100によってモニタリング及び解析される。このため、モニタリング装置100は、ガス混合物120の健全性又は動作とは無関係の性能条件エラー率を排除するか又は減少させようと無駄な試みをして、不要な再充填を行うことを回避するために、(所定の学習モデル125による)データ駆動型機械学習手法を用いる。モニタリング装置100は、所定の学習モデル125を用いて、性能条件の何れの組み合わせ及びエラー率が再充填手順によって改善されるであろうか(すなわち再充填手順によって改善されると予想することができるか)を識別する。さらに、モニタリング装置100は、所定の学習モデル125を用いて、何れの組み合わせ及びエラー事象の率が、再充填手順を含まない光学システム105の一態様に対する別の変更によって改善されるであろうか(すなわち他の変更によって改善されると予想することができるか)を識別し得る。
【0058】
[0072] 性能条件は、パルス光ビーム110の特性が仕様に適合するか否かに関係する(又はそれを決定するために使用することができる)任意の情報を含む。各性能条件は、2つのみの可能な値を有する二値数値データであり得、これらの値の一方は、パルス光ビーム110の特性が仕様に適合することを示し、これらの値の他方は、パルス光ビーム110の特性が仕様に適合しないことを示す。幾つかの実装形態では、性能条件は、二値ではない数値データである。例えば、性能条件は、メトロロジーモジュール(図3のメトロロジーモジュール360など)の一部であるデバイスによって検出又は検知された測定値であり得る。さらに別の例では、各性能条件は、測定値と期待値又は理想値との間の差を表す数値であり得る。
【0059】
[0073] 性能条件は、光ビーム110の動作パラメータ又は特性に関係し得る。一例として、性能条件は、光ビーム110のエネルギー、波長、パルス長、繰り返し率及び帯域幅を含み得る。性能条件は、光ビーム110又は光学システム105の任意の動作パラメータ又は特性に関連するエラー事象を含み得る。例えば、エラー事象は、光ビーム110又は光学システム105の動作パラメータ又は特性が閾値を超える事象であり、これが起こったとき、エラー事象(エラー事象前後の時間ウィンドウに関連付けられたデータを含む)がメモリ内で記録及び/又は保存される。
【0060】
[0074] 幾つかの実装形態において、エラー事象は、障害シグネチャアルゴリズムのセット(複数の障害シグネチャアルゴリズム)に対して解析され得る。各障害シグネチャアルゴリズムは、特定の故障モード又は故障シグネチャを表すように設計される。各障害シグネチャアルゴリズムは、エラー事象を既知の故障モード又は故障シグネチャに分類しようとしてスコアを出力する。一例として、特定の故障シグネチャに関するアルゴリズムは、その特定の故障シグネチャがエラー事象に存在する尤度スコアを出力することができる。図11Aは、各エラー事象(BQi、iは、1~Nの範囲にわたる)に関する障害シグネチャアルゴリズムのセットの出力の一例を示し、図11Bは、以下でより詳細に説明されるように、各障害シグネチャアルゴリズムから出力されたスコアがどのように使用されるかを示す。
【0061】
[0075] 幾つかの実装形態において、以下で説明されるように、性能条件は、光学システム105の構成の変更に関係する。例えば、性能条件は、ガス混合物120中の成分の濃度の変更、ガス混合物120の温度の変更、エネルギーをガス混合物120に供給するエネルギー源に印加される電圧の変更及びどのように新しい成分がガス混合物120に付加されるかに関する条件の変更の1つ又は複数を含み得る。
【0062】
[0076] 性能条件は、光学システム105内のコンポーネントの動作パラメータ又は特性に関係し得る。例えば、性能条件は、ガス混合物120から出力されたパルスの数、光学システム105から出力された光ビーム110のパルスの数及び光学システム105内の光発振器又は光増幅器などのコンポーネントに関連する効率又は効率異常を含み得る。性能条件は、障害シグネチャ又は光学システム105の動作の状態を含み得る。
【0063】
[0077] 性能条件は、光ビーム110におけるビーム品質エラーのタイプ、ある期間にわたるガス混合物120における放電事象の発生回数、光ビーム110のビーム品質におけるエラーに関連する1つ又は複数の障害、光ビーム110のビーム品質及び光ビーム110のビーム品質におけるエラーの1つ又は複数を含む。
【0064】
[0078] ある例では、性能条件は、光学システム105の主発振器(MO)の(ガス混合物120を保持する/含む)ガス放電チャンバにおけるエネルギー出力の単一パルス「ドロップアウト」である「MOドロップアウト」を含み得る。例えば、MOが1ミリジュール(mJ)のパルスを発射している場合、MOから発された光ビームのエネルギーは、単一のパルスに関して0.1mJに低下し、その後、1mJに戻り、これは、MOドロップアウト事象を示し得る。一般的に、MOドロップアウトは、ガスの健全性ではなく、ガス放電チャンバの経年数に関係すると考えられている。別の例では、性能条件は、電圧の上昇がエネルギーの損失をもたらす動作領域内にMOが移ることを指す「MOロールオーバ」を含み得る。要するに、これは、MOガス放電チャンバの慢性的効率損失と考えることができる。一般的に、MOロールオーバ状態は、再充填によって改善されると考えられている。
【0065】
[0079] 図1を再び参照すると、モニタリング装置100は、性能測定基準107を受け取るように構成された決定モジュール127を含む。性能測定基準107は、光学システム105の性能条件に関係する。すなわち、性能測定基準107は、光学システム105の1つ又は複数の性能条件に関する情報を含む。性能測定基準107は、光学システム105の性能条件の値の線形アレイであり得る。代わりに、性能測定基準107は、光学システム105の性能条件の値から決定又は計算された数又は値であり得る。
【0066】
[0080] 各性能条件は、光学システム105の健全性又は動作に関係する指標を提供する。上述の通り、全ての性能条件が光学システム105又はガス混合物120の健全性又は動作に関係するわけではない。また、性能条件の幾つかの組み合わせは、性能条件の他の組み合わせよりもガス混合物120の健全性又は動作をより示す可能性がある。性能条件の幾つかの組み合わせは、時間の経過と共に、光学システム105の健全性又は動作に対する影響に変化を及ぼす可能性もある。例えば、幾つかの性能条件は、特定の期間にわたり、光学システム105が使用された後、光学システム105の耐用期間のより早い時期と比較して、光学システム105の健全性又は動作に対するより大きい影響を有する可能性がある。光学システム105の性能条件に関係する性能測定基準107の情報は、性能条件のエラー若しくはエラー率又は性能条件に関連した障害に関する情報を含み得る。したがって、一部の状況では、性能条件の特定の組み合わせに関するエラー率が上昇した場合、モニタリング装置100は、再充填手順230が必要であると決定し得る。
【0067】
[0081] 決定モジュール127は、受け取った性能測定基準107及び所定の学習モデル125に基づいて、光学システム105に対する提案された変更の有効性129を推定するように構成される。提案された変更は、光学システム105のガス混合物120の提案された再充填又は光学システム105の構成の提案された変更であり得る。決定モジュール127は、コマンド109を光学システム105に出力するようにも構成され、コマンド109は、有効性129の推定に依存するか、又は有効性129の推定に直接関連がある。例えば、コマンド109は、光学システム105のガス混合物120の提案された再充填が有効129であろうと推定される場合、ガス混合物120を再充填することを光学システム105に示す再充填コマンドであり得る。
【0068】
[0082] 具体的には、所定の学習モデル125は、入力として性能測定基準107を受け取り、決定モジュール127が使用するための有効性129の推定を出力する。性能測定基準107は、提案された変更(提案されたガス再充填など)前に存在する性能条件に関する情報を含む。有効性129の推定は、提案された(及び依然として生じていない)変更が光学システム105の性能条件のエラー率の大幅な減少を生じさせるか否かに関する予測である。
【0069】
[0083] 幾つかの実装形態において、例えば光学システム105のガス混合物120の提案された再充填が有効(129)でないであろうと決定モジュール127が推定する場合、決定モジュール127は、ガス混合物120の使用を延長するために、光学システム105に対して(コマンド109として)維持コマンドを出力する。他の実装形態において、光学システム105のガス混合物120の提案された再充填が有効(129)でないであろうと決定モジュール127が推定する状況では、決定モジュール127は、コマンド109を光学システム105に送信することを遅らせ、コマンド109を遅らせることにより、光学システム105は、現在のステータスを維持する。
【0070】
[0084] さらに他の実装形態では、コマンドを出力する代わりに、決定モジュール127は、別のコントローラに対して又はさらにフィールドサービスエンジニアに対して提案を出力し、コントローラ/フィールドサービスエンジニアは、提案された再充填が行われるべきか否かに関する決定を下すことができる。
【0071】
[0085] 決定モジュール127は、1つ又は複数のプログラマブルプロセッサを含み得るか又はそれにアクセスし得、入力データに演算を行い、及び適切な出力を生成することによって所望の機能を行うための命令プログラムをそれぞれ実行することができる。決定モジュール127は、デジタル電子回路構成、コンピュータハードウェア、ファームウェア又はソフトウェアの何れかに実装され得る。さらなる実装形態では、決定モジュール127は、決定モジュール127から出力された情報、光学システム105からの情報又はさらに性能測定基準107を保存するように構成されたメモリにアクセスし、このような情報は、装置100の動作中に決定モジュール127による様々な使用のために利用可能である。メモリは、読出し専用メモリ及び/又はランダムアクセスメモリであり得、コンピュータプログラム命令及びデータを有形に具現化するのに適したストレージデバイスを提供し得る。モニタリング装置100は、1つ又は複数の入力デバイス(キーボード、タッチ対応デバイス、音声入力デバイスなど)及び音声出力又はビデオ出力などの1つ又は複数の出力デバイスも含み得る。
【0072】
[0086] ガス混合物120は、(例えば、図3に示されるようなエネルギー源324を介して)エネルギーがガス混合物120に提供されるとき、誘導放出を介してガス混合物120の利得媒体において生じる反転分布から光ビーム110を生成する。ガス混合物120の濃度状態は、ガス混合物120中の化学成分の相対量の指標を提供する。例えば、ガス混合物120は、利得媒体及び緩衝ガスの混合物を含み得、利得媒体は、単一原子、分子又は疑似分子であり得るガス混合物120中のレーザ活性エンティティである。反転分布は、利得媒体において生じる。利得媒体は、貴ガス及びハロゲンを含み得、緩衝ガスは、不活性ガスを含み得る。使用され得る貴ガスは、例えば、アルゴン、クリプトン又はキセノンを含む。ハロゲンガスは、例えば、フッ素であり得る。不活性ガスは、例えば、ヘリウム又はネオンを含み得る。一例として、ガス混合物120は、約193ナノメータ(nm)の波長の光ビーム110を生成するフッ化アルゴン(ArF)を含み得る。別の例として、ガス混合物120は、約248nmの波長の光ビーム110を生成するフッ化クリプトン(KrF)を含み得る。
【0073】
[0087] 所定の学習モデル125は、データセットをアセンブルすること、障害シグネチャ検出(FSD)を用いて入力ベクトルをアセンブルすること、データセットを訓練すること、データセットをテストすること及びその後、学習モデルを適用することを可能にする任意の構造であり得る。例えば、幾つかの実装形態では、学習モデルは、ニューラルネットワーク、決定木又はK最近傍モデルを含む。
【0074】
[0088] 本明細書で詳細に説明する幾つかの実装形態では、所定の学習モデル125は、サポートベクターマシンである。サポートベクターマシンは、各入力(性能測定基準107)を有効性129に関係する2つのクラスの一方に分類する。この例では、第1のクラスは、正であり、これは、提案された変更(提案されたガス再充填など)が有効であり、及び光学システム105の性能条件を向上させるであろうことを意味し、第2のクラスは、ニュートラル又は正ではなく、これは、提案された変更(提案されたガス再充填など)が有効ではなく、したがって光学システム105の性能条件を向上させないであろうことを意味する。
【0075】
[0089] サポートベクターマシンは、分離超平面を利用することができ、超平面は、入力データ(すなわち性能測定基準107)を第1のクラス又は第2のクラスとして分類し、このような超平面は、多次元性能測定基準107を解析することができる。サポートベクターマシンは、データを効率的な方法で分離し、それによって分類を出力するように、入力データの解析に関する境界及び制約も定義する。
【0076】
[0090] 所定の学習モデル125は、以下で説明されるように、光学システム105のタイプ、構成、構成の変更及び/又は経年数に基づいて構築され得る。
【0077】
[0091] 図3を参照すると、幾つかの実装形態において、モニタリング装置100は、モニタリング装置300として実装することができ、光学システム105は、光ビーム310を生成する光学システム305として設計することができる。光学システム305は、ガス混合物320から光ビーム310を生成する光源340及びガス混合物320と流体連通したガス供給システム350を含む。
【0078】
[0092] 図3には示されないが、光源340は、光ビーム310を生成するためにガス混合物320と組み合わせて使用される、他のガス混合物及び他の光学コンポーネントを含み得る。これらの他のガス混合物は、ガス供給システム350と流体連通し得るが、別個に連通し得る。
【0079】
[0093] ガス混合物320は、光源340内のガスサブシステム322の一部である。ガスサブシステム322は、ガス混合物320及びガス混合物320内の利得媒体を励起するためのエネルギー源324を保持する密閉チャンバ(ガス放電チャンバ)を形成する容器323などの他のコンポーネントを含み得る。エネルギー源324は、カソード及びアノードを含み得、ガス放電チャンバ323は、カソード及びアノード214b並びにガス混合物320を封入し得る。カソードとアノードとの電位差は、ガス混合物320において電界を形成する。電界は、ガス混合物320内で利得媒体にエネルギーを提供し、このようなエネルギーは、反転分布を生じさせ、及び誘導放出を介した光パルスの生成を可能にするのに十分なものである。このような電位差の反復的生成により、最終的に光ビーム310を作り上げる一連の光パルスが形成される。「放電事象」は、ガス混合物320の利得媒体における放電及び光パルスの放出を生じさせるのに十分な電位差を形成する電圧の印加である。
【0080】
[0094] 図5は、ガスサブシステム322及び2つのチャンバを含む光源340の実装形態を示し、各チャンバは、それ自体のガス混合物を保持又は保有している。
【0081】
[0095] ガス供給システム350は、1つ又は複数のガス源、ガスをガスサブシステム322のチャンバに供給するように構成された流体導管及びガス源とチャンバとの間に1つ又は複数の流体制御弁を含む弁システムを含む。図4は、ガス供給システム350の実装形態450を示す。
【0082】
[0096] モニタリング装置300は、決定モジュール127のように、光学システム305の性能条件に関係する性能測定基準307を受け取る決定モジュール327を含む。すなわち、性能測定基準307は、光学システム305の1つ又は複数の性能条件に関する情報を含む。
【0083】
[0097] 加えて、モニタリング装置300は、決定モジュール327と通信するインターフェースモジュール360も含む。インターフェースモジュール360は、光学システム305及び光ビーム310からのデータの取得及び解析を行い、性能測定基準307の計算及び構築を行い、その後、性能測定基準307を提供するように構成される。
【0084】
[0098] インターフェースモジュール360は、複数の解析サブモジュール360iと、解析サブモジュール360iの1つ又は複数からの情報の受け取り及び保存を行うメモリ361と、解析サブモジュール360iの1つ又は複数及びメモリ361からの出力にアクセスし、及び性能測定基準307を構築する出力サブモジュール362とを含む。この図示例では、解析サブモジュール360iは、4つの解析サブモジュール360A、360B、360C及び360Dを含む。各解析サブモジュール360iは、光学システム305のある専用の態様と相互作用するように構成され、これは、光ビーム310と相互作用する可能性を含む。各解析サブモジュール360iは、それが専念する光学システム305の態様に関するデータ又は情報の検知、検出又は受信を行うハードウェアを含む。インターフェースモジュール360は、このデータ又は情報から光学システム305の性能条件を準備し、決定モジュール327が使用するために性能条件から性能測定基準307を構築する。インターフェースモジュール360は、1つ又は複数のプログラマブルプロセッサを含み得るか又はそれにアクセスし得、入力データに演算を行い、及び適切な出力を生成することによって所望の機能を行うための命令プログラムをそれぞれ実行することができる。インターフェースモジュール360は、デジタル電子回路構成、コンピュータハードウェア、ファームウェア又はソフトウェアの何れかに実装され得る。
【0085】
[0099] この実装形態では、解析サブモジュール360iの少なくとも2つは、ビーム品質検出サブモジュール360C及び360Dである。例えば、ビーム品質検出サブモジュール360Cは、光ビーム310のスペクトル特徴のエラーを検出し、及び光ビーム310の各スペクトル特徴エラーを示す信号を生成するように構成されたスペクトル特徴検出サブモジュールであり得る。光ビーム310のスペクトル特徴は、光ビーム310の光スペクトル(又は発光スペクトル)のどのような特徴であり得る。光ビーム310の波長又は光周波数の関数として、どのように光エネルギー又は光パワーが分布するかに関する情報を含む光スペクトルである。したがって、例えば、光ビーム310のスペクトル特徴は、特定の光エネルギー若しくは光パワーの波長又は光スペクトルの幅(帯域幅と呼ばれる)であり得る。別の例として、ビーム品質検出サブモジュール360Dは、光ビーム310のエネルギーにおけるエラーを検出し、及び光ビーム310のエネルギーエラーを示す信号を生成するように構成されたエネルギー検出サブモジュールであり得る。
【0086】
[0100] ビーム品質検出サブモジュール360C及び360Dは、光ビーム310を検知できる任意の場所に配置され得る、それぞれのセンサを含み得る。例えば、センサは、光学システム305内、光学システム305と出力装置115との間又は出力装置115内に存在し得る。
【0087】
[0101] サブモジュール360C及び360Dのそれぞれの出力は、センサからの実際の測定データであり得るか、又は特定の期間にわたりセンサから受信されたデータの平均であり得る。例えば、ビーム品質検出サブモジュール360Dがエネルギー検出サブモジュールである場合、それは、ドーズを推定するために使用されるエネルギーセンサを含み得、出力は、2つの値(一方は、ドーズが仕様内であることを示し、他方は、ドーズが仕様外であることを示す)を有し得る。ドーズは、ウェーハのエリアに届けられる光エネルギーの量である。ドーズを決定するために、エネルギーセンサは、ある期間にわたるエネルギー量を測定し、及びその期間にわたり発された光ビーム310のパルス数もカウントする。これらの実装形態では、エネルギーセンサは、エネルギーを測定する検出器及び光ビーム310の経路内にあるビームスプリッタを含み得る。ビームスプリッタは、各パルスの光の一部を検出器に向ける。検出器は、ある期間にわたり、エネルギー量を測定する。さらに、その期間にわたり生じたパルスの数は、検出器によって測定されたエネルギーから導出することができる。例えば、検出されたエネルギーが閾値より大きい場合、パルスが存在すると見なされる。検出されたエネルギーが閾値より小さい場合、パルスは、存在しない。したがって、エネルギーセンサからのデータは、ドーズに基づいてビーム品質測定基準を決定するために使用することができる。
【0088】
[0102] 解析サブモジュール360C、360Dからの出力は、光ビーム310又は光学システム305の任意の動作パラメータ又は特性に関連するエラー事象を含み得る。上述の通り、エラー事象は、光ビーム310又は光学システム305の動作パラメータ又は特性が閾値を超える事象である。これが起こったとき、エラー事象(エラー事象前後の時間ウィンドウに関連付けられたデータを含む)は、出力モジュール362によるアクセスのためにメモリ361内に記録及び/又は保存される。
【0089】
[0103] 解析サブモジュール360iの少なくとも1つは、ガス混合物320における放電事象の発生を検出し、及びある期間にわたる放電事象のカウントを示す信号を生成するように構成された放電カウント検出サブモジュール360Bである。最後にガス混合物320が再充填されてからの期間が測定され得るか、又は光学システム305内のガス混合物320を含む1つ若しくは複数のチャンバの交換からの期間が測定され得る。
【0090】
[0104] 解析サブモジュール360iの少なくとも1つは、障害シグネチャのセットに対して各エラー事象を解析し、及びエラー事象を既知の障害シグネチャに分類する尤度スコアを生成するように構成された障害シグネチャサブモジュール360Aである。特定の故障シグネチャに関するアルゴリズムは、その特定の故障シグネチャがエラー事象に存在する尤度スコアを出力することができる。図11Aは、各エラー事象(BQi、iは、1~Nの範囲にわたる)に関する障害シグネチャアルゴリズムのセットの出力の一例を示し、図11Bは、以下でより詳細に説明されるように、各障害シグネチャアルゴリズムから出力されたスコアがどのように使用されるかを示す。
【0091】
[0105] 図4を参照すると、ガス供給システム450の実装形態が示されている。ガス供給システム450は、1つ又は複数のガス源451A、451B、451Cと、ガスをガスサブシステム322内のチャンバ323に供給するための導管と、ガス源451A、451B、451Cとガスサブシステム322内のチャンバとの間に1つ又は複数の流体制御弁を含む弁システム452とを含む。ガス源451A、451B、451Cは、例えば、図5を参照して説明したように、ガス混合物を備えたガス放電チャンバをそれぞれ含む複数のステージを光源340が含む場合など、ガスを複数のチャンバに供給することができる。ガス源451A、451B、451Cは、例えば、密閉ガスボトル及び/又はキャニスタであり得る。一例として、ガス混合物320は、アルゴン、ネオン及び場合により合計で全圧Pとなる異なる分圧の他のガスを含む他のガスと共にフッ素などのハロゲンを含み得る。さらに、1つ又は複数のガス源451A、451B、451Cは、弁システム452内の流体制御弁のセットを通してチャンバ323に接続される。この設計により、ガスは、ガス混合物320の特定の成分相対量でチャンバ323内に噴射され得る。例えば、ガス混合物320の利得媒体がフッ化アルゴン(ArF)である場合、ガス源の1つ451Aは、ハロゲンであるフッ素、貴ガスであるアルゴン及びネオンのような不活性ガスを含む緩衝ガスなどの1つ又は複数の他の希ガスを含むガスの混合物を含み得る。説明した混合物は、3成分ミックスと呼ばれる場合がある。この例では、ガス源451Bは、アルゴンと、フッ素を完全に除いた1つ又は複数の他のガスとを含むガスの混合物を含み得る。説明した混合物は、2成分ミックスと呼ばれる場合がある。3つのガス源451A、451B、451Cのみが示されているが、ガス供給システム450は、3つより少ない又は3つより多いガス源を有し得る。
【0092】
[0106] 決定モジュール327は、ガス再充填において、弁システム452に特定のガス源451A、451B、451Cからチャンバ323内にガスを移動させるための1つ又は複数の信号を使用して、弁システム452と通信することができる。追加的又は代替的に、決定モジュール327は、再充填前に、弁システム452にチャンバ323から全てのガスを最初に放出させる1つ又は複数の信号を使用して、弁システム452と通信することができ、このような放出されたガスは、ガス廃棄場所490に排出され得る。
【0093】
[0107] 図示されないが、弁システム452の流体制御弁は、ガスサブシステム322の各チャンバ又は光源340の各チャンバに割り当てられた複数の弁を含み得る。例えば、弁システム452は、第1の速度において、ガスがチャンバ内に入ること及びガスがチャンバから排出されることを可能にする噴射弁と、第1の速度と異なる第2の速度において、ガスがチャンバ内に入ること及びチャンバから排出されることを可能にするチャンバ充填弁とを含み得る。
【0094】
[0108] 図5を参照すると、光学システム305の実装形態505が示されている。光学システム505は、第1のガスサブシステム522Aと、第1のガスサブシステム522Aと光連通した第2のガスサブシステム522Bとを有する光源540を含むデュアルチャンバ光学システム505である。第1のガスサブシステム522Aは、主発振器システムであり、第2のガスサブシステム522Bは、パワー増幅器システムである。主発振器システム522Aは、主発振器ガス放電チャンバ523Aを含み、パワー増幅器システム522Bは、パワー増幅器ガス放電チャンバ523Bを含む。主発振器ガス放電チャンバ523Aは、エネルギー源524Aとして、チャンバ523A内のガス混合物520Aにパルスエネルギー源を提供する2つの細長い電極を含む。パワー増幅器ガス放電チャンバ523Bは、エネルギー源524Bとして、チャンバ523B内のガス混合物520Bにパルスエネルギー源を提供する2つの細長い電極を含む。
【0095】
[0109] 主発振器システム522Aは、パルス増幅光ビーム(シード光ビームと呼ばれる)508をパワー増幅器システム522Bに提供する。主発振器ガス放電チャンバ523Aは、増幅が生じる利得媒体を含むガス混合物520Aを収容し、主発振器システム522Aは、光共振器などの光フィードバック機構を含む。光共振器は、主発振器ガス放電チャンバ523Aの一方の側のスペクトル光学システム541と、主発振器ガス放電チャンバ523Aの第2の側の出力カプラ542との間に形成される。パワー増幅器ガス放電チャンバ523Bは、主発振器システム522Aからのシード光ビーム508でシーディングされたときに増幅が生じる利得媒体を含むガス混合物520Bを収容する。パワー増幅器システム522Bが再生リング共振器として設計される場合、それは、パワーリング増幅器と呼ばれ、この場合、十分な光フィードバックがリング設計から提供され得る。パワー増幅器システム522Bは、(リング増幅器への入力がリング増幅器から出る出力と交差する)循環及びループ経路を形成するために、(例えば、反射により)パワー増幅器ガス放電チャンバ523B内に戻るように光ビームを返すビームリターン(反射器など)543も含み得る。例えば、主発振器システム522Aは、1パルス当たり約1ミリジュール(mJ)のシードパルスエネルギーを有するパルスシード光ビーム508を発することができ、これらのシードパルスは、パワー増幅器システム522Bにより、約10~15mJに増幅させることができる。
【0096】
[0110] 各放電チャンバ523A、523Bで使用されるガス混合物(例えば、ガス混合物520A、520B)は、必要とされる波長、帯域幅及びエネルギー付近の増幅光ビームを生成するために適切なガスの組み合わせであり得る。例えば、上述の通り、ガス混合物520A、520Bは、約193nmの波長の光を発するフッ化アルゴン(ArF)又は約248nmの波長の光を発するフッ化クリプトン(KrF)を含み得る。
【0097】
[0111] 図6を参照すると、訓練装置650が学習モデル125を構築している。訓練装置650は、訓練データセット654を受け取り、及び訓練データセット654に基づいて学習モデル125を生成するように構成された訓練モジュール652を含む。訓練モジュール652は、1つ又は複数のプログラマブルプロセッサを含み得るか又はそれにアクセスし得、入力データに演算を行い、及び適切な出力を生成することによって所望の機能を行うための命令プログラムをそれぞれ実行することができる。訓練モジュール652は、デジタル電子回路構成、コンピュータハードウェア、ファームウェア又はソフトウェアの何れかに実装され得る。さらなる実装形態では、訓練モジュール652は、訓練モジュール652から出力された情報、訓練データセット654を生成するために使用された情報又は訓練データセット654を保存するように構成されたメモリにアクセスする。メモリは、読出し専用メモリ及び/又はランダムアクセスメモリであり得、コンピュータプログラム命令及びデータを有形に具現化するのに適したストレージデバイスを提供し得る。訓練モジュール652は、1つ又は複数の入力デバイス(キーボード、タッチ対応デバイス、音声入力デバイスなど)及び音声出力又はビデオ出力などの1つ又は複数の出力デバイスも含み得る。
【0098】
[0112] 訓練データセット654は、複数のテスト光学システム605t-i(i=1、2、3、...X)から形成され、テスト光学システム605t-iのそれぞれに対して行われた1つ又は複数のシステム変更kに基づく。テスト光学システム605t-iは、決定モジュール127、327によって解析される光学システム105を含み得るか、又はそのような光学システム105とは別個であり得る。各システム変更kは、テスト光学システム605t-i内のガス混合物620-iの再充填又はテスト光学システム605t-iの構成の変更であり得る。
【0099】
[0113] 訓練データセット654は、2つの多次元行列を含み、各多次元行列は、pcセット(i、k)と呼ばれる。第1の行列[事前pcセット(i、k)]は、各テスト光学システム605t-i及びそのテスト光学システム605t-iのシステム変更前に取得された各システム変更kに関する性能条件の複数の値を含む。第2の行列[事後pcセット(i、k)]は、各テスト光学システム605t-i及びそのテスト光学システム605t-iのシステム変更後に取得された各システム変更kに関する同じ性能条件の複数の値を含む。セット中の値iは、システム変更が行われるテスト光学システム605t-i(iは、1~Xの範囲にわたる)に対応し、値kは、i番目のテスト光学システム605t-iに対して行われる特定のシステム変更に対応する(kは、1~Yの範囲にわたる)。各テスト光学システム605t-iに関するシステム変更kの総数Yは、異なり得る。すなわち、幾つかのテスト光学システム605t-iに対して行われるシステム変更の数は、他のものより多くてもよい。
【0100】
[0114] 性能条件の複数の値であるpcセットのそれぞれは、複数の性能条件を含み、それらの複数の性能条件における別個の性能条件の総数は、任意の数であり得、インターフェースモジュール360によって何個の性能条件がモニタリング又は追跡されるかにのみ依存する。例えば、一部の状況では、複数の値のpcセット中に数十の性能条件が存在し得る。
【0101】
[0115] したがって、テスト光学システム605t-iのそれぞれに対して幾つかのガス再充填が行われるため、訓練データセット654は、各テスト光学システム605t-iごとに性能条件の値の幾つかのセットを含む。例えば、訓練データセット654は、数百又は数千回のガス再充填に関する性能条件の複数の値を含むことがあり、これらは、数十又は数百の異なるテスト光学システム605t-iに関連付けられ得る。加えて、訓練データセット654は、テスト光学システム605t-iの構成に対する数十、又は数百、又は数千の変更に関する性能条件の複数の値を含み得る。
【0102】
[0116] 学習モデル125は、非常に多くの異なるシステム変更k(ガス再充填及び構成に対する変更を含む)並びに非常に多くの異なるテスト光学システム605t-iから構築されるため、学習モデル125は、モジュール式であり得る。これは、訓練モジュール652に入力される訓練データセット654を生成するために使用されるテスト光学システム605t-iに類似した設計を有する他の光学システム105に対して学習モデル125が使用され得ることを意味する。
【0103】
[0117] 学習モデル125は、予測モデル125である。幾つかの実装形態では、学習モデル125は、上述の通り、決定モジュール127(図1)によって使用されるとき、各入力(性能測定基準107)を有効性129に関係する2つのクラスの一方に分類するサポートベクターマシンを含む。提案されたシステム変更(ガス再充填など)の有効性129の推定は、光学システム105の性能条件が、提案されたシステム変更により向上するであろうか否かを示す。第1のクラスは、正であり、これは、提案されたシステム変更が有効であり、及び光学システム105の性能条件を向上させるであろうことを意味し、第2のクラスは、ニュートラル又は正ではなく、これは、提案されたシステム変更が有効ではなく、したがって光学システム105の性能条件を向上させないであろうことを意味する。
【0104】
[0118] 学習モデル125は、最初にアナログ出力を生成し、これは、超平面の何れの側に観測(性能測定基準107)が存在するか、及びそれが超平面からどの程度離れているかを示す。アナログ出力は、値において+1~-1の範囲であり、及び閾値は、単純化された形式で0となり得る。
【0105】
[0119] 学習モデル125は、アナログデータに基づいて、二値出力(正又はニュートラルのクラス)を決定する。したがって、学習モデル125は、任意の正の値を第1の正のクラス(+1)に割り当て、及び任意の負の値を第2のニュートラルのクラス(-1)に割り当てることができる。学習モデル125は、0により近い値を信頼性が多少より劣る状態で割り当てる。したがって、例えば、入力ベクトルκ(性能測定基準107)を所与として、正であり、及び小さい大きさ(例えば、+0.2)を有するアナログ出力は、入力ベクトルκが超平面の「正」側に存在するが、超平面に近接しており、したがって正のクラスとして分類されるとき、幾らかの不確実性にさらされることを示す。一方、負であり、及び大きい大きさ(例えば、-0.9)を有するアナログ出力は、入力ベクトルκが超平面の「負」側に存在するが、超平面から比較的遠く離れており、したがってニュートラルのクラスとして正しく分類される可能性が高いことを示す。
【0106】
[0120] 図7を参照すると、学習モデル125が手順760に従って訓練される。訓練モジュール652は、手順760を行う。最初に、訓練モジュール652は、訓練データセット654を受け取る(762)。次に、訓練モジュール652は、訓練データセット654に基づいて学習モデル125を生成する(764)。幾つかの実装形態において、生成された学習モデル125は、以下で説明するように、テストデータセットを使用して検証される(766)。生成された学習モデル125は、決定モジュール127が使用するために出力される。
【0107】
[0121] 訓練モジュール652は、各システム変更k及び各テスト光学システム605t-iに関して、システム変更後に測定された性能条件の複数の値であるpcセット(i、k)を、そのシステム変更前に測定された性能条件の複数の値であるpcセット(i、k)と比較することにより、学習モデル125を生成する(764)ことができる。最終的に、学習モデル125の生成(764)は、特定のコマンド109(これは、再充填コマンド若しくは維持コマンド又は光学システム105の構成を変更するコマンドであり得る)に対する(性能条件の複数の値を含む)性能測定基準107のマッピングを含む。
【0108】
[0122] 上述の通り、手順760は、学習モデル125をテストする任意選択の手順766も含み得る。学習モデル125が出力制約の適切なセットを用いて動作していることを確実にするために、学習モデル125は、決定モジュール127によって使用される前にテストされ得る(766)。テスト766は、学習モデル125の精度を決定するために行うことができる。例えば、テスト766は、58%の確率でガス再充填が不要であると学習モデル125が正確に予測し、したがって58%の確率で節約につながったと決定し得る。テスト766は、28%の確率でガス再充填が不要であると学習モデル125が正確に予測したと決定し得る。テスト766は、6%の確率でガス再充填が必要であると学習モデル125が不正確に予測し、及び8%の確率でガス再充填が不要であると学習モデル125が不正確に予測したと決定し得る。この例では、学習モデル125は、86%正確である。テスト766の結果を用いて、ガス再充填が不要であると学習モデル125が不正確に予測したパーセンテージが3%などのより低い値よりも小さくなるように、学習モデル125を調整することができる。学習モデル125をこのように調整することにより、ガス再充填が不要であると学習モデル125が不正確に予測したときの光学システム105に対する損害のリスクを減らすことができる。学習モデル125は、学習モデル125における分離超平面を調整する設定可能パラメータを用いて調整することができ、この調整は、学習モデル125の決定をより慎重にする。
【0109】
[0123] 幾つかの実装形態において、調整は、閾値を0から僅かに外れた値に変更することによって行われる。例えば、調整が、より正の決定(したがって+1の第1の正のクラス)を下すように学習モデル125を偏らせることを目的とする場合、閾値は、-0.2に変更され得る。他の実装形態では、調整は、手順760中にペナルティ関数を挿入することによって行われ、ペナルティ関数は、起こり得る結果のそれぞれにペナルティスコアを割り当て、その後、訓練中の各観測は、生成された学習モデル125が、最低ペナルティ係数を有する結果に本質的に偏るように、ペナルティ関数によってスケーリングされる。
【0110】
[0124] 加えて、幾つかの実装形態において、訓練モジュール652は、光学システム105のタイプ、構成及び/又は経年数にも基づいて学習モデル125を生成する(764)。この情報は、光学システム105をモニタリングすることができるインターフェースモジュール360から取得することができる。例えば、幾つかの性能条件は、比較的新しい光学システム105の場合、ガス再充填によって向上するであろうが、他の性能条件は、比較的古い光学システム105の場合、ガス再充填によって向上するであろう。別の例として、MOドロップアウトは、一般的に、光学システム505内の主発振器システム522Aのガス放電チャンバ523Aの耐用期間の終わりに関連付けられる。したがって、MOドロップアウトが高い率で生じていること及びチャンバ523Aが古いことも示す情報を学習モデル125が受け取る場合、学習モデル125が光学システム505の問題をチャンバ523A内のガス混合物520Aの健全性に帰する可能性が低い。一方、主発振器システム522AのMOドロップアウトが高い率で生じていること及びチャンバ523Aが新しいことを示す情報を学習モデル125が受け取る場合、光学システム505の問題がチャンバ523A内のガス混合物520Aの健全性に関係すると学習モデル125が結論付ける可能性がより高い。
【0111】
[0125] 図8を参照すると、学習モデル125をテストする手順766が行われる。手順766は、専用テストモジュールによって行われ得る。手順766は、テストデータセット868を受け取ること(870)を含む。テストデータセット868は、システム変更kのセットの前に測定されたテスト性能条件の値のセット(pc-tセット(i、k))及びシステム変更kのセットの後に測定されたテスト性能条件の値のセット(pc-tセット(i、k))を含む。テストデータセット868は、テストデータセット868が訓練手順760中に使用されないことを除き、訓練データセット654に類似した方法で生成され得る。このように、テストデータセット868は、訓練手順760をそれ寄りに偏らせない。
【0112】
[0126] 次に、テストデータセット868は、訓練手順760から生成された学習モデル125に適用される(872)。テストデータセット868は、システム変更kのセットの前に測定されたテスト性能条件の値pc-tセット(i、k)を学習モデル125に入力し、次に光学システム105の各システム変更(例えば、ガス混合物120の各ガス再充填又は構成の各変更)の有効性129を推定することにより、学習モデル125に適用され得る(872)。有効性129は、システム変更(すなわちガス再充填又は構成の変更)が光学システム105の性能条件のエラー率の許容可能な低下を引き起こすであろうか否かに関する予測である。
【0113】
[0127] 専用テストモジュールは、学習モデル125から出力された有効性129をシステム変更kのセットの後に実際に測定されたテスト性能条件の値のセット(pc-tセット(i、k))と比較することにより、学習モデル125が許容可能であるか否かを決定する(874)。874において、有効性129が、特定のパーセンテージを超える精度を有するか否かを決定することができる。例えば、専用テストモジュールは、どの程度の頻度において、ガスの再充填が必要であると学習モデル125が正確に予測するか、及びどの程度の頻度において、ガスの再充填が不要であると学習モデル125が正確に予測するかを決定する。別の例として、専用テストモジュールは、テスト性能条件pc-tセット(i、k)を使用した有効性129の精度を、訓練データセット654を使用した有効性129の精度と比較することができる。学習モデル125は、これらの2つの精度が互いに数パーセンテージポイントの範囲内であれば、十分な近似及び一般化可能と見なすことができる。専用テストモジュールから出力された有効性129は、システム変更がテスト性能条件の値のエラーを大幅に減少させるであろうか否かを示し、これは、システム変更kのセットの後に実際に測定されたテスト性能条件の値のセット(pc-tセット(i、k))と比較される。
【0114】
[0128] 学習モデル125が許容可能であると専用テストモジュールが決定した場合(874)、学習モデル125は、決定モジュール127によって使用するために出力される(876)。一方、学習モデル125が多過ぎる不正確な予測をもたらしたと専用テストモジュールが決定した場合、専用テストモジュールは、不正確な予測の数を減らすように、学習モデル125を調整することができる(878)。
【0115】
[0129] 図9を参照すると、手順980は、光学システム105の提案されたシステム変更が光学システム105の動作を向上させるであろうか否かを予測するために決定モジュール127によって行われる。例えば、手順980は、光学システム105内の1つ又は複数の変更が光学システム105の動作を向上させるであろうか否かを予測する。1つ又は複数の変更は、光学システム105内のガス混合物120のガス再充填、光学システム105の構成の変更並びにガス混合物120のガス再充填及び光学システム105の構成の変更の両方を含む。
【0116】
[0130] 決定モジュール127は、光学システム105のステータス変更を行うことができるか否かに関するクエリーを受け取る(981)。クエリー(981)は、定期的に生じ得、例えば、それは、設定された頻度で生じ得、この頻度は、光学システム105の健全性又は経年数などのファクタに依存し得る。例えば、クエリー(981)は、数分ごと、数百分ごと又は数日ごとに生じ得る。クエリー(981)は、光学システム105の外部で生成され得るか、又はそれは、特定の状況下で出力装置115によって生成され得るか、又はクエリー(981)は、フィールドエンジニア若しくはオペレータによって生成され得る。クエリー(981)は、光学システム105又は出力装置115のモニタリングされた態様が閾値を超えたときに生成され得る。
【0117】
[0131] 例えば、クエリー(981)は、性能条件エラー率が閾値を超えたときに生成され得る。性能条件エラー率は、光学システム105の性能条件のセットのエラー率であり得る。性能条件エラー率は、メトロロジーモジュール360の出力から決定され得る。クエリー(981)は、インターフェースモジュール360によって生成され、及び決定モジュール127に供給され得る。
【0118】
[0132] クエリー(981)は、光学システム105のガス混合物120のガス再充填のリクエストを含み得る。
【0119】
[0133] クエリーが受け取られると(981)、決定モジュール127は、例えば、インターフェースモジュール360から性能測定基準107を受け取る(982)。決定モジュール127は、性能測定基準107及び所定の学習モデル125に基づいて、光学システム105の提案されたシステム変更(例えば、ガス混合物120の提案されたガス再充填)の有効性129を推定する(983)。したがって、決定モジュール127は、不要なガス再充填が回避されるように又は必要なガス再充填が行われるように、ガス再充填を行う前に、(学習モデル125を用いて)ガス混合物120の提案されたガス再充填の有効性129を推定するように構成される。決定モジュール127は、(ガス再充填を行う代わりに又はガス再充填の実施に加えて)光学システム105の動作を向上させるために光学システム105の構成を変更することがより合理的であるか否かを決定することもできる。
【0120】
[0134] 決定モジュール127は、提案されたガス再充填が有効であろうと推定される場合(982)、光学システム105におけるガス再充填を指示109する(984)。
【0121】
[0135] 決定モジュール127は、例えば、光学システム105にガス混合物を再充填するように指示するガス再充填コマンド109を光学システム105に出力することにより、ガス再充填を指示する(984)ことができる。
【0122】
[0136] 手順980は、提案されたガス再充填が有効(129)でないであろうと推定される(983)場合、ガス再充填を遅らせる(ステップ981に戻ることで表される)ことも含み得る。また、決定モジュール127は、代替的に、ガス混合物の使用を延長するために光学システム105に維持コマンド109を出力することにより、ガス再充填を遅らせることができる。決定モジュール127は、代替的に、構成の特定の変更が光学システム105の動作に向上をもたらすであろうとそれが決定した場合、光学システム105の構成の変更を指示又は提案することができる。
【0123】
[0137] したがって、決定モジュール127がガス再充填を遅らせること(及びガス混合物12の耐用期間を延長させること)を決定すると、手順980は、さらなるステータス変更クエリー(981)(この時点において、決定モジュール127は、性能測定基準107を受け取り(982)、及び光学システム105に対する提案されたシステム変更の有効性129を推定する(983))を待つことに戻る。このように、ガス混合物120は、可能な限り使用される(ただし、過度に使用されない)。モニタリング装置100は、光学システム105がガス混合物120の使用を最適化することを可能にする。また、モニタリング装置100は、資源の保護を促進し、及びガス再充填の数を減らす可能性を提供する。
【0124】
[0138] 決定モジュール127は、光学システム105によって生成された光ビーム110の性能条件がガス再充填によって向上されるであろうか否かを決定又は推定することにより、提案された再充填の有効性129を推定することができる。例えば、決定モジュール127は、学習モデル125を使用して、ガス再充填の実施の結果としてビーム品質におけるエラー率が減少されるであろうか否かを決定する。
【0125】
[0139] モニタリングされ、及び性能測定基準107に含まれる性能条件は、光ビーム110におけるビーム品質エラーのタイプ、ある期間にわたるガス混合物120における放電事象の発生回数、光ビーム110のビーム品質におけるエラーに関連する1つ又は複数の障害、光ビーム110のビーム品質及び光ビーム110のビーム品質におけるエラーの1つ又は複数を含む。性能条件は、ある期間又は使用期間にわたるガス混合物120における放電事象のカウントを含み得る。モニタリングされる性能条件は、全てのエラー事象、すなわち光ビーム110又は光学システム105の動作パラメータ又は特性が閾値を超える事象及び各エラー事象に関連するメタデータを含み得る。性能条件は、各エラー事象を既知の故障モード又は故障シグネチャに分類するための、各エラー事象に関する障害シグネチャアルゴリズムから出力されたスコアも含み得る。加えて、性能条件は、光学システム105の構成の変更を含み得る。
【0126】
[0140] 図10A及び図10Bを参照すると、出力装置115の実装形態1015が示されている。この実装形態では、出力装置115は、光ビーム110がウェーハ1092に到達する前に通過する投影光学システム1091と、センサ1060を含むセンサシステム又はメトロロジーシステムとを含むリソグラフィ露光装置1015である。リソグラフィ露光装置1015は、液浸システム又はドライシステムであり得る。
【0127】
[0141] センサ1060は、メトロロジーモジュール360の一部であり得るか、又はメトロロジーモジュール360と通信することができる。センサ1060は、例えば、ウェーハ1092における光ビーム110の画像を捕捉することができるカメラ若しくは他のデバイスであり得るか、又はx-y面内のウェーハ1092における光エネルギーの量を表すデータを捕捉することができるエネルギーセンサであり得る。
【0128】
[0142] 例えば、投影光学システム1091から出力された露光ビーム1093を用いて、ウェーハ1092上の放射感応性フォトレジスト材料の層を露光することにより、マイクロ電子フィーチャがウェーハ1092上に形成される。特に、図10Bを参照すると、投影光学システム1091は、スリット1094、マスク1095及びレンズシステム1096を含む投影対物系を含む。レンズシステム1096は、1つ又は複数の光学素子を含む。光ビーム110は、リソグラフィ露光装置1015内に入り、スリット1094に衝突し、ビーム110の少なくも一部がスリット1094を通過して、露光ビーム1093を形成する。図10A及び図10Bの例では、スリット1094は、長方形であり、光ビーム110を細長い長方形に整形された光ビーム(露光ビーム1093)に整形する。マスク1095上にパターンが形成され、このパターンは、整形された光ビームの何れの部分がマスク1095によって透過され、及び何れの部分がマスク1095によってブロックされるかを決定する。パターンの設計は、ウェーハ1092上に形成される特定のマイクロ電子回路設計によって決定される。
【0129】
[0143] 決定モジュール127は、ガス再充填をトリガするか否かの決定において、性能条件のエラー率のみを考慮するわけではない。より正確に言えば、決定モジュール127は、ガス再充填が有効であろうか否かを推定するために、エラーのタイプ又は種類に関する性能測定基準107内の情報も使用する。
【0130】
[0144] 次に、性能測定基準107の一例を説明する。性能測定基準107は、以下で説明されるものよりも少ない要素又は多い要素を含み得、この例は、限定を意図したものではない。
【0131】
[0145] この例では、性能測定基準107を定義するために、以下のデータの1つ又は複数が使用される:エラー事象(BQ)及び/又は光学システムに関するステータスに関するデータを含む第1のメタデータのセットκmeta、各エラー事象BQに関するスコアのセットを含む第2のデータのセットκFSD(スコアは、エラー事象BQを既知の障害シグネチャに分類する)並びに光学システム105の構成に対する可能な/プロービング変更のセットを含む第3のデータのセットκconfig。性能測定基準107は、以下に説明するように、これらのデータのセットの1つ又は複数から構築される。
【0132】
[0146] 幾つかの実装形態では、性能測定基準107は、これらのデータのセットの2つ、具体的には第1のメタデータのセットκmeta及び第2のデータのセットκFSDから構築される。これは、以下に説明される。
【0133】
[0147] 第1のメタデータのセットκmetaは、以下の情報を含み得る:最後のガス再充填からのガス混合物320に供給されたエネルギーのパルス総数であるshotsGas、ガス放電チャンバ323が光源340内に最初に設置されたときからの、ガス放電チャンバ323内のガス混合物320に供給されたエネルギーのパルス総数であるshotsChamber及びエラー事象に関連する性能条件のタイプであるtypeBQ。第1のメタデータのセットκmetaは、リストされたものよりも少ない情報又は多い情報を含むことが可能である。
【0134】
[0148] 第2のデータのセットκFSDは、インターフェースモジュール360内の障害シグネチャサブモジュール360Aから出力された、各エラー事象BQに関して決定されたスコアのセットであるscoresFSDを含み得る。
【0135】
[0149] 各性能条件エラー事象BQは、第1のメタデータのセットκmeta及び第2のデータのセットκFSDを生成する。例えば、ガス再充填前に20個の性能条件エラー事象BQが存在する場合、20個の行が存在し、各行は、行列を形成するように、メタデータ及び障害シグネチャサブモジュール360Aから出力されたスコアのセットに対応する1つ又は複数の列を含む。この行列情報は、以下のように、学習モデル125のための性能測定基準307として使用するために、線形アレイκにさらに変換され得る。
【0136】
[0150] shotsGas及びshotsChamberに関するデータは、提案されたガス再充填前のそのような小さい時間ウィンドウにおいて、性能条件エラー事象BQ間で大きく変化しないはずであると想定することができる。したがって、ガス再充填時のshotsGas及びshotsChamberの値は、第1のメタデータのセットκmetaにおいて、線形アレイκへの入力のために使用され得る。
【0137】
[0151] データtypeBQに関して、対応する入力は、性能条件エラー事象の各タイプに割り当てられた性能条件エラー事象BQの分数として定義される。実例を以下に提供する。この特定の例では、5つの性能条件エラー事象が存在する(光ビーム110のエネルギーEに関して3つのエラー事象、光ビーム110の波長Wに関して1つのエラー事象及び光ビーム110の帯域幅Bに関して1つのエラー事象)。このデータは、以下のように、1×3のアレイ[0.6、0.2、0.2]に変換する(これは、第1のメタデータのセットκmetaにおいて使用され得る)。
【0138】
【表1】
【0139】
[0152] また、scoresFSDに対応する入力は、同じ方法で変換され、1×βアレイをもたらし、アレイ内の各要素は、β個の障害シグネチャのそれぞれにおいて識別されたBQの分数を表し、βは、障害シグネチャサブモジュール360Aによって解析される障害シグネチャのセット内の障害シグネチャの数に対応する。例えば、βは、1より大きい値であり得、10より大きくてもよいか又は20より大きくてもよく、以下で説明する特定の例では、βは、28である。
【0140】
[0153] その後、学習モデル125のための性能測定基準307として使用することができる線形アレイκは、以下のように上記のアレイの各々の連結によって与えられる。
κ=[κmeta κFSD]、又は
κ=[shotsGas(1×1) shotsChamber(1×1) typeBQ(1×3) scoresFSD(1×28)]
式中、
κmeta=[shotsGas(1×1) shotsChamber(1×1) typeBQ(1×3)]及び
κFSD=[scoresFSD(1×20)]
であり、shotsGas(1×1)は、最後のガス再充填からのガス混合物320に供給されたエネルギーのパルス総数であり、shotsChamber(1×1)は、ガス放電チャンバ323が光源340内に最初に設置されたときからの、ガス放電チャンバ323内のガス混合物320に供給されたエネルギーのパルス総数であり、typeBQ(1×3)は、3つのタイプの性能条件エラー事象BQの線形アレイであり、scoresFSD(1×28)は、28個のスコアの線形アレイであり、各スコアは、インターフェースモジュール360内の障害シグネチャサブモジュール360Aによって決定される。
【0141】
[0154] この連結された線形アレイκ307は、手順980のステップ982において学習モデル125に入力される。サポートベクターマシンを含み得る学習モデル125は、線形アレイκ307を有効性129に関係する2つのクラスの一方に分類する。第1のクラスは、正であり、これは、提案されたガス再充填が有効であり、及び光学システム105の性能条件を向上させるであろうことを意味し、第2のクラスは、ニュートラル又は正ではなく、これは、提案されたガス再充填が有効ではなく、したがって光学システム105の性能条件を向上させないであろうことを意味する。決定モジュール127は、決定されたクラスに基づいて有効性129を決定し、コマンド109を光学システム305に出力する。
【0142】
[0155] 図11A及び11Bは、どのようにサブアレイκFSDが形成され得るかの別の例を示す。この例では、最後のガス再充填からN個のBQ(性能条件エラー事象)が存在し、各性能条件エラー事象BQは、障害シグネチャサブモジュール360Aによって32個のスコアを生成し、図11Aに示されるように、[N×32]の行列がもたらされる。別の言い方をすれば、障害シグネチャサブモジュール360Aは、32個の解析(1つのエラー事象BQに関連するエラー事象ファイルごとに1つずつ)を実行する。図11Aの各列は、32個の解析のそれぞれによって関連付けられた尤度スコアを表し、これらの尤度スコアは、1より大きいスコアが、関連する障害シグネチャが存在すると考えられることを示唆するように調節されたものである。この例では、BQ1は、F101障害シグネチャに関して1.54のスコア、F102障害シグネチャに関して0.29のスコア、F103障害シグネチャに関して0.03のスコアなどを生成する。その目的は、この[N×32]の行列を、性能測定基準307として使用されるアレイκを形成するために他のサブアレイと連結させることができる[1×32]のサブアレイκFSDに変換することである。
【0143】
[0156] 図11Bは、どのようにこれらの尤度スコアがインターフェースモジュール360によって使用されるかを示す。具体的には、インターフェースモジュール360は、図11Bの行列の各要素が二値決定、すなわち障害シグネチャが存在するか否かを表すように、(障害シグネチャサブモジュール360A又は出力サブモジュール362を用いて)各スコアを閾値処理する。次に、各要素が、特定のウィンドウ内の全てのエラー事象ファイル内で生じた各障害シグネチャの総回数を表すように、列が総計される。次に、各要素が、エラー事象BQのサンプルの中で各障害シグネチャがどの程度広まっているかを示す分数を表すように、各要素がエラー事象ファイルの総数によって除算され、最終形態は、サブアレイκFSDである。図11Bに示されるように、スコアが1.00以上である場合、そのスコアに対して1の値が指定され、スコアが1.00未満である場合、そのスコアに対して0の値が指定される。
【0144】
[0157] 幾つかの実装形態では、学習モデル125のための性能測定基準307として使用することができる線形アレイκは、各サブアレイκmeta及びκFSDの連結によって与えられるだけでなく、光学システム105の構成変更のセットに関係する第3のサブアレイκconfigも含む。例えば、線形アレイκは、
κ=[κmeta κFSD κconfig
に対応し得る。この第3のサブアレイκconfigは、学習モデル125を形成するための訓練中に構成変更が使用された場合、性能測定基準107に含まれ得、なぜなら、これは、提案されたガス再充填が光学システム105の動作を向上させるであろうか否かだけでなく、光学システム105の構成における特定の変更が光学システム105の動作を向上させるであろうか否かも解析するために学習モデル125が装備されることを意味するからである。一例として、ガス再充填は、1つ又は複数の性能条件に関連するエラー事象を減少させるように見えるが、エラー事象の減少は、実際には、(訓練中にガス再充填と一緒に生じた又は時間的にオーバーラップした)光学システム105の構成の変更によるものであった可能性がある。学習モデル125は、何れの変更(ガス再充填若しくは構成変更の何れか一方)が光学システム105の動作の向上をもたらすか、又は両方の変更(ガス再充填及び構成変更の両方)が光学システム105の動作の向上をもたらすであろうか否かを区別することができる。
【0145】
[0158] この例では、サブアレイκconfigは、アレイ[κc1、κc2、...、κc11]で表すことができ、各κciは、光学システム105の構成パラメータの変更(Δcpi)に対応する。κciの値の一例は、光学システム105(これは、図3に示される光学システム305又は図5に示されるような光学システム505であり得る)に関して、図12の表に示される。図12の表では、例えば、κc1は、それぞれ各ガスサブシステム322/522A/522Bのチャンバ323/523A/523B内の成分の1つの濃度の変更に対応し、κc2は、各ガスサブシステム322/522A/522Bのチャンバ323/523A/523B内の別の成分の濃度の変更に対応し、κc3は、各サブシステム322/522A/522Bのチャンバ323/523A/523B内に成分がどのように噴射されるかに関する特性の変更に対応し、及びκc8は、光学システム305又は505のコンポーネントに関連したターゲット温度の変更に対応する。
【0146】
[0159] したがって、この例では、決定モジュール127は、ガス再充填又は光学システム105に対する構成変更の有効性129を決定する際、これらの構成変更も考慮する。例えば、上述の通り、(主発振器システム522A上のドロップアウトなどの)ガスの健全性に最も関係するエラー事象BQの1つのエラー率をガス再充填が減少させる可能性がある。しかしながら、エラー事象BQ(この場合、主発振器システム522A上のドロップアウト)のエラー率の低下は、ガス再充填に加えて又はガス再充填があるにしても、構成変更によっても引き起こされる可能性もある。例えば、主発振器システム522Aのチャンバ523Aの温度の変更は、主発振器システム522A上のMOドロップアウトのエラー率の低下をもたらし得る。
【0147】
[0160] 他の実装形態は、請求項の範囲内である。
【0148】
[0161] 例えば、他の実装形態では、学習モデル125は、ニューラルネットワーク、決定木、K最近傍モデル(サポートベクターマシンの代わりに)又は類似の入力/出力構造を備えた他の機械学習モデルを含む。学習モデルの態様は、データセットをアセンブルすること、障害シグネチャ検出(FSD)を用いて入力ベクトルをアセンブルすること、データセットを訓練すること、データセットをテストすること及びその後、学習モデルを適用することを含む。
【0149】
[0162] 本発明の他の態様は、以下の番号が付けられた条項に記載される。
1.光ビームを発する光学システムの性能条件に関する性能測定基準を受け取ることと、
性能測定基準及び所定の学習モデルに基づいて、光学システムに対する提案された変更の有効性を推定することと、
光学システムに対する提案された変更が有効であろうと推定される場合、光学システムに変更コマンドを出力することと、
を行うように構成された決定モジュールを含む、
装置。
2.決定モジュールは、光学システムに対する提案された変更が有効でないであろうと決定モジュールが推定する場合、光学システムに維持コマンドを出力するように構成される、条項1に記載の装置。
3.決定モジュールは、光ビームの性能条件が向上されるであろうか否かを決定することにより、提案された変更の有効性を推定するように構成される、条項1に記載の装置。
4.光ビームの性能条件が向上されるか否かを決定することは、ビーム品質におけるエラー率が減少されるであろうか否かを決定することを含む、条項3に記載の装置。
5.性能条件は、光ビームにおけるビーム品質エラーのタイプ、ある期間にわたるガス混合物における放電事象の発生回数、光ビームのビーム品質におけるエラーに関連する1つ又は複数の障害、光ビームのビーム品質、光ビームのビーム品質におけるエラー、光ビームの動作パラメータ又は特性に関連するエラー事象、障害シグネチャに対する各エラー事象の解析及び光学システムの構成の変更の1つ又は複数を含む、条項1に記載の装置。
6.決定モジュールは、提案された変更の有効性を、光学システムに対する変更がもたらされる前に推定するように構成される、条項1に記載の装置。
7.決定モジュールと通信するインターフェースモジュールをさらに含み、インターフェースモジュールは、性能測定基準を提供し、インターフェースモジュールは、複数のビーム品質検出モジュールを含み、複数のビーム品質検出モジュールは、
それぞれ光ビームの各スペクトル特徴におけるエラーを検出し、及び光ビームの各スペクトル特徴エラーを示すエラー事象信号を生成するように構成された1つ又は複数のスペクトル特徴検出モジュールと、
光ビームのエネルギーにおけるエラーを検出し、及び光ビームのエネルギーエラーを示すエラー事象信号を生成するように構成されたエネルギー検出モジュールと、
を含み、スペクトル特徴は、光ビームの帯域幅又は波長を含み、性能測定基準は、各スペクトル特徴及びエネルギーにおけるエラー事象に基づいて生成される、条項1に記載の装置。
8.インターフェースモジュールは、
光学システムのガス混合物における放電事象の発生を検出し、及びある期間にわたる放電事象のカウントを示す信号を生成するように構成された放電カウント検出モジュール
を含み、性能測定基準は、放電検出モジュールからの生成された信号に関するデータを含む、条項7に記載の装置。
9.期間は、最後にガス混合物が再充填されてから測定されるか、又はガス混合物を含む1つ若しくは複数のチャンバが光学システムに追加されてから測定される、条項8に記載の装置。
10.インターフェースモジュールは、
障害シグネチャのセットに対して各ビーム品質エラー事象を解析し、及びビーム品質エラー事象を既知の障害シグネチャに分類する尤度スコアを生成するように構成された障害シグネチャモジュール
を含み、性能測定基準は、障害シグネチャモジュールからの出力に関するデータを含む、条項7に記載の装置。
11.所定の学習モデルは、入力として性能測定基準を受け取り、及び推定を出力する、条項1に記載の装置。
12.所定の学習モデルは、サポートベクターマシンである、条項1に記載の装置。
13.所定の学習モデルは、分離超平面を含み、超平面は、性能測定基準をイエス又はノーの何れかとして分類し、イエス分類は、提案された変更が有効であろうことを示し、及びノー分類は、提案された変更が有効でないであろうことを示す、条項12に記載の装置。
14.所定の学習モデルは、光学システムのタイプ、構成及び/又は経年数に基づいて構築される、条項1に記載の装置。
15.提案された変更の有効性の推定は、提案された変更後の光学システムの性能条件が、提案された変更前の光学システムの条件に対して向上するか否かを示す、条項1に記載の装置。
16.決定モジュールは、提案された変更後の光学システムの性能条件を、提案された変更前の光学システムの性能条件と比較することにより、提案された変更の有効性を推定するように構成され、決定モジュールは、性能条件が所定の量だけ向上するであろうことを比較が示す場合、変更コマンドを出力するように構成される、条項1に記載の装置。
17.光学システムに対する提案された変更は、光学システム内のガス混合物の提案された再充填及び光学システムの構成の提案された変更の1つ又は複数を含む、条項1に記載の装置。
18.決定モジュールは、光学システムの構成に対するプローブされた変更にも基づいて、光学システム内のガス混合物の提案された再充填の有効性を推定するように構成される、条項17に記載の装置。
19.複数のテスト光学システムに基づく訓練データセットを受け取ることであって、訓練データセットは、各テスト光学システムの複数の変更のそれぞれについて、
変更前のテスト光学システムに関する性能条件の複数の値と、
変更後のテスト光学システムに関する性能条件の複数の値と、
を含むことと、
光学システムにおける提案された変更の有効性を、光学システムの性能条件に関する性能測定基準に基づいて推定する予測モデルを訓練データセットに基づいて生成することと、
を含む、方法。
20.予測モデルを生成することは、各変更について、変更後のテスト光学システムに関する性能条件の複数の値を、変更前のテスト光学システムに関する性能条件の複数の値と比較することを含み、比較は、変更の有効性を示す、条項19に記載の方法。
21.予測モデルは、学習モデルである、条項19に記載の方法。
22.学習モデルは、サポートベクターマシンを含む、条項21に記載の方法。
23.予測モデルを生成することは、性能測定基準を維持コマンド又は変更コマンドの一方にマッピングすることを含み、維持コマンド及び変更コマンドは、光学システムに対する提案された変更の推定された有効性に基づく、条項19に記載の方法。
24.訓練データセットは、複数のテスト光学システムからの少なくとも数千の変更を含む、条項19に記載の方法。
25.性能条件は、光学システムから生成された光ビームのビーム品質エラー率、光学システムから生成された光ビームにおけるビーム品質エラーのタイプ、ある期間にわたる光学システムのガス混合物における放電事象の発生回数、光学システムから生成された光ビームのビーム品質におけるエラーに関連する1つ又は複数の障害、光学システムの動作効率における異常、光学システムから生成された光ビームの1つ又は複数のスペクトル特徴におけるエラー、光ビームの動作パラメータ又は特性に関連するエラー事象、障害シグネチャに対する各エラー事象の解析及び光学システムの構成の変更の1つ又は複数を含む、条項19に記載の方法。
26.光学システムの性能条件に関する性能測定基準を予測モデルに適用する前に予測モデルをテストすることをさらに含み、予測モデルをテストすることは、
複数の変更のそれぞれ及び複数のテスト光学システムのそれぞれについて、変更前のテスト光学システムに関する性能条件の複数の値と、変更後のテスト光学システムに関する性能条件の複数の値とを含むテストデータセットを使用することであって、テストデータセットは、訓練データセットから除外されることと、
変更前のテスト光学システムに関する性能条件の複数の値を予測モデルに適用し、及び予測モデルのそれぞれの実際の出力を、テストデータセットからの変更後のテスト光学システムに関する性能条件の関連する値と比較することと、
を含む、条項19に記載の方法。
27.提案された変更の有効性の推定は、提案された変更後の光学システムの性能条件が、提案された変更前の光学システムの条件に対して向上するか否かを示す、条項19に記載の方法。
28.提案された変更が有効でないであろうと予測モデルが推定する尤度を減少させるように予測モデルを調節することをさらに含む、条項19に記載の方法。
29.予測モデルを生成することは、光学システムのタイプ、構成及び/又は経年数にも基づく、条項19に記載の方法。
30.予測モデルは、光学システムに対する提案された変更の有効性を推定するように構成される、条項19に記載の方法。
31.光学システムに対する提案された変更は、光学システム内のガス混合物の提案された再充填及び光学システムの構成の提案された変更の1つ又は複数を含む、条項19に記載の方法。
32.光学システムは、テスト光学システムとは別個である、条項19に記載の方法。
33.光ビームを発する光学システムの性能条件に関する性能測定基準を受け取ることと、
性能測定基準及び所定の学習モデルに基づいて、光学システムに対する提案された変更の有効性を推定することと、
提案された変更が有効であろうと推定される場合、光学システムに対する変更を指示することと、
を含む、方法。
34.光学システムに対する変更を指示することは、光学システムに変更コマンドを出力することを含む、条項33に記載の方法。
35.提案された変更が有効でないであろうと推定される場合、変更を遅らせることをさらに含む、条項33に記載の方法。
36.変更を遅らせることは、光学システムに維持コマンドを出力することを含む、条項35に記載の方法。
37.変更を遅らせた後、
光学システムの性能条件に関する性能測定基準を受け取ることと、
性能測定基準及び所定の学習モデルに基づいて、光学システムに対する提案された変更の有効性を推定することと、
をさらに含む、条項35に記載の方法。
38.提案された変更の有効性を推定することは、光ビームの性能条件が向上されるであろうか否かを決定することを含む、条項33に記載の方法。
39.光ビームの性能条件が向上されるか否かを決定することは、ビーム品質におけるエラー率が減少されるであろうか否かを決定することを含む、条項38に記載の方法。
40.性能条件は、光ビームにおけるビーム品質エラーのタイプ、ある期間にわたるガス混合物における放電事象の発生回数、光ビームのビーム品質におけるエラーに関連する1つ又は複数の障害、光ビームのビーム品質、光ビームのビーム品質におけるエラー、光ビームの動作パラメータ又は特性に関連するエラー事象、障害シグネチャに対する各エラー事象の解析及び光学システムの構成の変更の1つ又は複数を含む、条項33に記載の方法。
41.所定の学習モデルは、提案された変更の有効性を、光学システムに対する変更をもたらす前に推定するように構成される、条項33に記載の方法。
42.性能条件は、ある期間にわたるガス混合物における放電事象のカウントを含む、条項33に記載の方法。
43.所定の学習モデルは、入力として性能測定基準を受け取り、及び推定を出力する、条項33に記載の方法。
44.所定の学習モデルは、サポートベクターマシンである、条項33に記載の方法。
45.所定の学習モデルは、分離超平面を含み、超平面は、性能測定基準をイエス又はノーの何れかとして分類し、イエス分類は、提案された変更が有効であろうことを示し、及びノー分類は、提案された変更が有効でないであろうことを示す、条項44に記載の方法。
46.提案された変更の有効性の推定は、提案された変更後の光学システムの条件が、提案された変更前の光学システムの条件に対して向上するか否かを示す、条項44に記載の方法。
47.光学システムに対する提案された変更は、光学システム内のガス混合物の提案された再充填及び光学システムの構成の提案された変更の1つ又は複数を含む、条項33に記載の方法。
48.光学システム内のガス混合物の提案された再充填の有効性を推定することは、光学システムの構成に対する可能な変更にも基づく、条項47に記載の方法。
49.非一時的コンピュータ可読媒体であって、コンピュータによって実行されると、コンピュータに、
複数のテスト光学システムに基づく訓練データセットを受け取ることであって、訓練データセットは、各テスト光学システムの複数の変更のそれぞれについて、
変更前のテスト光学システムに関する性能条件の複数の値と、
変更後のテスト光学システムに関する性能条件の複数の値と、
を含むことと、
光学システムにおける提案された変更の有効性を、光学システムの性能条件に関する性能測定基準に基づいて推定する予測モデルを訓練データセットに基づいて生成することと、
を含む方法を行わせる命令を保存する、非一時的コンピュータ可読媒体。
50.非一時的コンピュータ可読媒体であって、コンピュータによって実行されると、コンピュータに、
光ビームを発する光学システムの性能条件に関する性能測定基準を受け取ることと、
性能測定基準及び所定の学習モデルに基づいて、光学システムに対する提案された変更の有効性を推定することと、
提案された変更が有効であろうと推定される場合、光学システムに対する変更を指示することと、
を含む方法を行わせる命令を保存する、非一時的コンピュータ可読媒体。
51.光ビームを発する光学システムの性能条件に関する性能測定基準を受け取ることと、
性能測定基準及び所定の学習モデルに基づいて、光学システムのガス混合物の提案された再充填の有効性を推定することと、
光学システムのガス混合物の提案された再充填が有効であろうと推定される場合、光学システムに再充填コマンドを出力することと、
を行うように構成された決定モジュールを含む、
装置。
52.複数のテスト光学システムに基づく訓練データセットを受け取ることであって、訓練データセットは、各テスト光学システムの複数のガス再充填のそれぞれについて、
ガス再充填前のテスト光学システムに関する性能条件の複数の値と、
ガス再充填後のテスト光学システムに関する性能条件の複数の値と、
を含むことと、
光学システムにおけるガス混合物の提案されたガス再充填の有効性を、光学システムの性能条件に関する性能測定基準に基づいて推定する予測モデルを訓練データセットに基づいて生成することと、
を含む、方法。
53.光ビームを発する光学システムの性能条件に関する性能測定基準を受け取ることと、
性能測定基準及び所定の学習モデルに基づいて、光学システムのガス混合物の提案されたガス再充填の有効性を推定することと、
提案されたガス再充填が有効であろうと推定される場合、光学システムに対するガス再充填を指示することと、
を含む、方法。
54.非一時的コンピュータ可読媒体であって、コンピュータによって実行されると、コンピュータに、
複数のテスト光学システムに基づく訓練データセットを受け取ることであって、訓練データセットは、各テスト光学システムの複数のガス再充填のそれぞれについて、
ガス再充填前のテスト光学システムに関する性能条件の複数の値と、
ガス再充填後のテスト光学システムに関する性能条件の複数の値と、
を含むことと、
光学システムにおける提案されたガス再充填の有効性を、光学システムの性能条件に関する性能測定基準に基づいて推定する予測モデルを訓練データセットに基づいて生成することと、
を含む方法を行わせる命令を保存する、非一時的コンピュータ可読媒体。
55.非一時的コンピュータ可読媒体であって、コンピュータによって実行されると、コンピュータに、
光ビームを発する光学システムの性能条件に関する性能測定基準を受け取ることと、
性能測定基準及び所定の学習モデルに基づいて、光学システムにおける提案されたガス再充填の有効性を推定することと、
提案されたガス再充填が有効であろうと推定される場合、光学システムに対するガス再充填を指示することと、
を含む方法を行わせる命令を保存する、非一時的コンピュータ可読媒体。
【0150】
[0163] 本開示の幅及び範囲は、上記の例示的実施形態の何れによっても限定されるものではなく、以下の請求項及びそれらの均等物に従ってのみ定義されるものとする。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図12