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特許7359876ニューロモルフィックスイッチング用の二重酸化物アナログスイッチ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-02
(45)【発行日】2023-10-11
(54)【発明の名称】ニューロモルフィックスイッチング用の二重酸化物アナログスイッチ
(51)【国際特許分類】
   H10B 63/00 20230101AFI20231003BHJP
   H01L 21/28 20060101ALI20231003BHJP
   H10N 70/20 20230101ALI20231003BHJP
【FI】
H10B63/00
H01L21/28 301B
H01L21/28 301R
H10N70/20
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021573806
(86)(22)【出願日】2020-05-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-22
(86)【国際出願番号】 US2020034500
(87)【国際公開番号】W WO2020251747
(87)【国際公開日】2020-12-17
【審査請求日】2022-02-15
(31)【優先権主張番号】62/860,313
(32)【優先日】2019-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】カマラナサン, ディーパク
(72)【発明者】
【氏名】クマール, アルチャナ
(72)【発明者】
【氏名】クリシュナン, シッダールス
【審査官】小山 満
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0123033(US,A1)
【文献】韓国登録特許第10-1940669(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0375021(US,A1)
【文献】国際公開第2017/106317(WO,A1)
【文献】STATHOPOULOS,Spyros, et al,Multibit memory operation of metal-oxide bi-layer memristors,SCIENTIFIC REPORTS,Nature Publishing Group,2017年12月13日,p.1-7,Supplementary information(p.1-9)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10B 63/00
H10N 70/20
H01L 21/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニューロモルフィック用途のための半導体構造であって、
基板材料の上に重なる第1の層であって、第1の酸化物材料を含む、第1の層;
前記第1の層に隣接して配置された第2の層であって、第2の酸化物材料を含む、第2の層;及び
前記第2の層の上に重なって堆積された電極材料を含み、
前記第1の酸化物材料及び前記第2の酸化物材料は、前記第1の酸化物材料の酸素親和性に対する前記第2の酸化物材料の酸素親和性が、前記半導体構造にセット電流が印加された時に、前記半導体構造におけるバルクスイッチングを引き起こし、フィラメントの形成を妨げるのに十分な、前記第2の酸化物材料と前記第1の酸化物材料との間の酸素交換を引き起こすことによって特徴付けられる、
ューロモルフィック用途のための半導体構造。
【請求項2】
前記第1の層が前記基板材料と接触して形成される、請求項1に記載のニューロモルフィック用途のための半導体構造。
【請求項3】
前記第1の層と接触する前記基板材料が電極材料を含む、請求項1に記載のニューロモルフィック用途のための半導体構造。
【請求項4】
前記電極材料が、白金、窒化チタン、又は窒化タンタルのうちの少なくとも1つを含む、請求項3に記載のニューロモルフィック用途のための半導体構造。
【請求項5】
前記第1の酸化物材料及び前記第2の酸化物材料が、酸化チタン、酸化ハフニウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化タンタル、酸化ジスプロシウム、酸化スカンチウム(scantium oxide)、又は酸化ランタンのうちの1つ以上を含む、請求項1に記載のニューロモルフィック用途のための半導体構造。
【請求項6】
前記第1の層が酸化ケイ素を含み、前記第2の層が酸化チタンを含む、請求項5に記載のニューロモルフィック用途のための半導体構造。
【請求項7】
前記第1の層と前記基板材料との間に配置された抵抗性材料をさらに含み、前記抵抗性材料が、ケイ素、ゲルマニウム、ガリウム、又は炭素のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載のニューロモルフィック用途のための半導体構造。
【請求項8】
1Vターンオン電圧における前記半導体構造のセット電流及びリセット電流が、100μA以下である、請求項1に記載のニューロモルフィック用途のための半導体構造。
【請求項9】
ニューロモルフィック用途のためのデバイスを形成する方法であって、
基板の上に重なるケイ素含有材料の層を形成することであって、前記基板が金属電極材料を含み、前記金属電極材料上に前記ケイ素含有材料が形成される、ケイ素含有材料の層を形成すること;及び
前記ケイ素含有材料の上に重なる金属酸化物材料の層を形成することを含み、
前記ケイ素含有材料がアモルファスシリコンを含み、前記金属酸化物材料の前記層を形成することが、前記アモルファスシリコンを酸化ケイ素へと遷移させる、
ニューロモルフィック用途のためのデバイスを形成する方法。
【請求項10】
前記酸化ケイ素が、2nm以下の厚さによって特徴付けられ、前記アモルファスシリコンの少なくとも一部が、前記遷移中に前記金属電極材料に近接して維持される、請求項に記載のニューロモルフィック用途のためのデバイスを形成する方法。
【請求項11】
前記金属電極材料が、白金、窒化チタン、又は窒化タンタルのうちの少なくとも1つを含む、請求項9に記載のニューロモルフィック用途のためのデバイスを形成する方法。
【請求項12】
前記金属酸化物材料が5nm以上の厚さによって特徴付けられ、前記金属酸化物材料が、酸化チタン、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化ジスプロシウム、酸化スカンチウム(scantium oxide)、又は酸化ランタンのうちの1つ以上を含む、請求項9に記載のニューロモルフィック用途のためのデバイスを形成する方法。
【請求項13】
前記金属酸化物材料の上に重なる追加の電極材料を形成することをさらに含む、請求項9に記載のニューロモルフィック用途のためのデバイスを形成する方法。
【請求項14】
ニューロモルフィック用途のためのデバイスを形成する方法であって、
基板の上に重なるケイ素含有材料の層を形成することであって、前記基板が金属電極材料を含み、前記金属電極材料上に前記ケイ素含有材料が形成される、ケイ素含有材料の層を形成すること;及び
前記ケイ素含有材料の上に重なる金属酸化物材料の層を形成すること;を含み、
形成されたニューロモルフィックデバイスが、前記ニューロモルフィックデバイス内のフィラメント状スイッチングに対するバルクスイッチングによって特徴付けられ、形成され前記デバイスが、100μA以下の1Vターンオン電圧での前記ニューロモルフィックデバイスのセット電流及びリセット電流によって特徴付けられる、
ューロモルフィック用途のためのデバイスを形成する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その内容全体があらゆる目的で参照することによって本明細書に組み込まれる、2019年6月12日出願の米国仮出願第62/860,313号の優先権の利益を主張する。
【0002】
本発明の技術は半導体プロセス及び機器に関する。より詳細には、本技術は、ニューロモルフィック用途のための半導体デバイスの製造に関する。
【背景技術】
【0003】
集積回路は、基板表面に複雑にパターン化された材料層を生成するプロセスによって可能となる。基板上にパターン化された材料を製造するには、材料を堆積及び除去するための制御された方法が必要である。しかしながら、新しいデバイス設計では、高品質の材料層の製造には新しい課題が含まれる。
【0004】
したがって、高品質のデバイスと構造を製造するために使用することができる改善されたシステム及び方法が必要とされている。本技術は、これら及び他の必要性に対処するものである。
【発明の概要】
【0005】
ニューロモルフィック用途のための例示的な半導体構造は、基板材料の上に重なる第1の層を含みうる。第1の層は、第1の酸化物材料であるか、又は第1の酸化物材料を含みうる。構造は、第1の層に隣接して配置された第2の層を含みうる。第2の層は、第2の酸化物材料であるか、又は第2の酸化物材料を含みうる。構造はまた、第2の層の上に重なって堆積された電極材料も含みうる。
【0006】
幾つかの実施形態では、第1の層は、基板材料と接触して形成されうる。第1の層と接触する基板材料は、電極材料であるか、又は電極材料を含みうる。該電極材料は、白金、窒化チタン、又は窒化タンタルのうちの少なくとも1つであるか、又はそれらを含みうる。第1の酸化物材料及び第2の酸化物材料は、酸化チタン、酸化ハフニウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化タンタル、酸化ジスプロシウム、酸化スカンチウム(scantium oxide)、又は酸化ランタンのうちの1つ以上であるか、又はそれらを含みうる。第1の層は、酸化ケイ素であるか、又は酸化ケイ素を含んでよく、第2の層は、酸化チタンであるか、又は酸化チタンを含みうる。構造はまた、第1の層と基板材料との間に配置された抵抗性材料も含みうる。抵抗性材料は、ケイ素、ゲルマニウム、ガリウム、又は炭素のうちの1つ以上であるか、又はそれらを含みうる。抵抗性材料は、アモルファスシリコンであるか、又はアモルファスシリコンを含みうる。1Vターンオン電圧での半導体構造のセット電流及びリセット電流は、約100μA以下でありうる。
【0007】
本技術はまた、ニューロモルフィック用途のためのデバイスを形成する方法も包含しうる。該方法は、基板の上に重なるケイ素含有材料の層を形成することを含みうる。基板は、その上にケイ素含有材料が形成される金属電極材料であるか、又はそれを含みうる。該方法は、ケイ素含有材料の上に重なる金属酸化物材料の層を形成することを含みうる。
【0008】
幾つかの実施形態では、ケイ素含有材料はアモルファスシリコンであるか、又はアモルファスシリコンを含んでよく、金属酸化物材料の層を形成することにより、アモルファスシリコンを酸化ケイ素へと遷移させることができる。酸化ケイ素は、約2nm以下の厚さによって特徴付けることができる。アモルファスシリコンの少なくとも一部は、遷移中に金属電極材料に近接して維持されうる。金属電極材料は、白金、窒化チタン、又は窒化タンタルのうちの少なくとも1つを含みうる。金属酸化物材料は、酸化チタン、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化ジスプロシウム、酸化スカンチウム(scantium oxide)、又は酸化ランタンのうちの1つ以上であるか、又はそれらを含みうる。方法はまた、金属酸化物材料の上に重なる追加の電極材料を形成することも含みうる。金属酸化物材料は、約5nm以上の厚さによって特徴付けることができる。形成されたニューロモルフィックデバイスは、該ニューロモルフィックデバイス内のフィラメント状スイッチングに対するバルクスイッチングによって特徴付けることができる。形成されたデバイスは、約100μA以下の1Vターンオン電圧でのニューロモルフィックデバイスのセット電流及びリセット電流によって特徴付けることができる。
【0009】
このような技術は、従来のシステム及び技術に対して多くの利点を提供することができる。例えば、プロセスは、高電流状態と低電流状態との間の複数の中間動作状態に基づいて、セル動作ごとに複数のビットを含むことができる構造を製造することができる。加えて、該プロセスは、従来のデバイスよりも中間状態の安定性の向上をもたらすことができる。これら及び他の実施形態は、それらの利点及び特徴部の多くとともに、以下の説明及び添付の図と併せて、より詳細に説明される。
【0010】
開示される技術の性質及び利点は、明細書の残りの部分及び図面を参照することによってさらに理解を深めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本技術の幾つかの実施形態による例示的な処理システムの一実施形態の上面図
図2】本技術の幾つかの実施形態によるニューロモルフィック用途のための構造を製造する方法における例示的な動作を示すフロー図
図3A-3D】本技術の幾つかの実施形態に従って処理されている基板の断面図
図4】本技術の幾つかの実施形態によるフィラメント状デバイス動作のチャート
図5】本技術の幾つかの実施形態によるニューロモルフィック動作を実行する構造のチャート
図6】本技術の幾つかの実施形態によるニューロモルフィック動作を実行する構造のチャート
図7A-7B】本技術の幾つかの実施形態によるニューロモルフィック動作を実行する構造のチャート
【発明を実施するための形態】
【0012】
幾つかの図が概略図として含まれている。図面は例示を目的とするものであり、特に縮尺又は比率が明確に述べられていない限り、縮尺又は比率が考慮されるべきではないものと理解されたい。さらには、概略図として、図面は理解を助けるために提供されており、現実的な表現と比較してすべての態様又は情報を含まない場合があり、説明目的のために誇張された素材を含む場合がある。
【0013】
添付の図面において、類似の構成要素及び/又は特徴部は、同一の参照符号を有しうる。さらには、同種のさまざまな構成要素は、類似の構成要素間を区別する文字により、参照符号に従って区別することができる。本明細書において第1の参照符号のみが用いられる場合、その記載は、文字に関わりなく、同じ第1の参照符号を有する類似の構成要素のうちのいずれにも適用可能である。
【0014】
半導体処理で製造されるデバイスが小型化され続けるにつれて、デバイスの設置面積を削減し続けつつ、デバイスの機能を向上させるための代替的な構造が求められている。例えば、従来のメモリ構造は特定の制限を含む。ダイナミックランダムアクセスメモリは、比較的有益な速度を特徴とするが、揮発性の構造である。したがって、システムの電源がオフの場合、メモリはデータを失う傾向がある。フラッシュメモリは、この損失の影響を受けず、パワーサイクリングの間、データを維持するが、しかしながら、読み取り及び書き込みのプロセスは複数のサイクルで実行され、これにより、処理が遅くなる可能性がある。したがって、さまざまな新しい材料層を用いた、改善されたメモリ構造が開発されている。例えば、導電性ブリッジングRAM、酸化物RAM、磁気RAM、相関電子RAM、抵抗性RAM、及び他のメモリ構造が開発されている。これらの構造の多くには、製造されるセルの動作特性を向上させることができる、遷移金属又はメタロイドを利用した新しい材料層が含まれている。
【0015】
概して、金属-絶縁体-金属又は抵抗性のメモリ構造の誘電体材料は、金属電極間に電圧を印加することによって、高抵抗状態と低抵抗状態の間で切り替えられる。セット電圧などの電圧を印加することによって、均質化又は局所化することができる誘電体材料を介して導電性経路を形成することができる。この経路は、相変化、フィラメントの形成、エレクトロフォーメーション、又は金属-絶縁体遷移によるものであってよく、これにより、材料がメモリ又はスイッチの一方又は両方として動作可能となりうる。リセットなどで導電性経路を遮断することにより、材料はより高い抵抗状態へと戻ることができる。
【0016】
これらの抵抗性メモリ構造は、多くの場合、電極間にフィラメント又は導電性経路を生成することによって動作する。しかしながら、これらのフィラメントを生成するこのような動作は、安定した中間状態を維持するのが困難な場合があることから、セルを1ビットデータに制限する可能性のある、高いオンオフダイナミックレンジでの基本的なコンダクタンスの制約を受けうる。例えば、従来のフィラメント状デバイスは、2つの電極間に金属酸化物材料を含みうる。酸化物の特性により、十分な電圧が印加されていない場合には、デバイスの低電流状態又は高抵抗状態でありうる導電性経路が存在しない可能性がある。十分な電圧パルスが印加されると、導電性フィラメントが形成され、これにより、デバイスは高電流状態又は低抵抗状態へと急速に遷移されうる。これらの2つの安定状態は、データ0又は1ストレージであってよく、1ビットセルを生成する。閾値及びスイッチング動作の理由から、中間ストレージ状態は、維持することができないことが多く、これらのデバイスは1ビットデータに制限される。
【0017】
ストレージをセルあたり2ビットデータ又は4ビットデータに増加させるために、2^(ビット数)の安定したストレージレベルを提供することができる。上記の抵抗性RAMはこれらの状態を生成することができない可能性があるが、ニューロモルフィック用途のためのセルは、0と1の低電流状態と高電流状態との間の安定したストレージ値の数を増加させることによって、ストレージ及び機能を向上させることができる。本技術は、セルごとに2つ以上の安定したストレージ状態を生成することにより、フィラメント状の抵抗性RAMに関連する問題を克服する。従来の抵抗性RAMよりも1桁以上低い可能性のあるセット電流及びリセット電流によって特徴付けられる二重酸化物構造を形成することにより、複数の中間状態を提供して、ストレージを4、8、16、又はそれより高レベルのストレージへと増加させることができる。
【0018】
残りの開示は本構造及び方法を用いることができるスイッチなどの特定の構造を日常的に特定するが、システム及び方法は、開発されたデバイスの機能又は特性から利益を得ることができる任意の数の構造及びデバイスに等しく適用可能であることが容易に理解されよう。したがって、この技術は、特定の構造のみでの使用に限定されると見なされるべきではない。さらには、本技術の基礎を提供するために例示的なツールシステムについて説明するが、本技術は、説明する動作の一部又はすべてを実行することができる任意の数の半導体処理チャンバ及びツールで製造することができるものと理解されたい。
【0019】
図1は、以下に説明する動作の幾つか又はすべてを実行するように特別に構成されうる、本技術の幾つかの実施形態による、堆積、エッチング、ベーキング、及び硬化チャンバの処理システム100の一実施形態の上面図を示している。この図では、一対の前方開口型統一ポッド(FOUP)102により、さまざまなサイズの基板が供給され、該基板は、ロボットアーム104に受け入れられて、低圧保持領域106内に置かれ、その後、タンデムセクション109a~cに位置付けられた基板処理チャンバ108a~fのうちの1つの中に配置される。タンデムシステムが示されているが、スタンドアロンチャンバを組み込んだプラットフォームが本技術に等しく包含されるものと理解されたい。第2のロボットアーム110を使用して、基板ウエハを保持領域106から基板処理チャンバ108a~fへと搬送したり、戻したりすることができる。各基板処理チャンバ108a~fは、周期的層堆積(CLD)、原子層堆積(ALD)、化学気相堆積(CVD)、物理的気相堆積(PVD)、並びに、エッチング、予洗浄、アニール、プラズマ処理、ガス抜き、配向、及び他の基板プロセスを含めた幾つもの堆積プロセスを含む、多くの基板処理動作を実行するように装備されうる。
【0020】
基板処理チャンバ108a~fは、基板又はウエハ上で材料膜を堆積させ、アニールし、硬化し、及び/又はエッチングするための1つ以上のシステム構成要素を含みうる。一構成において、2対の処理チャンバ、例えば108c~d及び108e~fは、基板上に材料を堆積させるために使用することができ、第3の対の処理チャンバ、例えば108a~bは、堆積した膜を硬化、アニール、又は処理するために使用することができる。別の構成では、例えば108a~fなどの3対のチャンバすべてを、基板上での膜の堆積及び硬化の両方を行うように構成することができる。記載されるプロセスのいずれか1つ以上を、異なる実施形態に示される製造システムから分離された追加のチャンバで行うことができる。材料膜のための堆積、エッチング、アニーリング、及び硬化チャンバの追加の構成がシステム100において企図されていることが認識されよう。さらには、特定の動作のいずれかを実行するためのチャンバを組み込むことができる、他の任意の数の処理システムを本技術とともに利用することができる。幾つかの実施形態では、記載された保持及び移送領域などのさまざまなセクションで減圧環境を維持しつつ、複数の処理チャンバへのアクセスを提供することができるチャンバシステムは、個別のプロセス間の特定の減圧環境を維持しつつ、複数のチャンバ内で動作を実行することを可能にしうる。
【0021】
システム100、又はより具体的には、システム100又は他の処理システムに組み込まれたチャンバを使用して、本技術の幾つかの実施形態による構造を製造することができる。図2は、本技術の幾つかの実施形態によるニューロモルフィック用途のための半導体構造を形成する方法200における例示的な動作を示している。方法200は、例えば、システム100に組み込まれたチャンバなどの1つ以上の処理チャンバにおいて実行することができる。方法200は、フロントエンド処理、堆積、エッチング、研磨、洗浄、又は記載された動作の前に実行することができる任意の他の動作を含めた、本方法の開始前の1つ以上の動作を含んでいても、含んでいなくてもよい。該方法は、図に示されているように、本技術による方法の幾つかの実施形態に具体的に関連付けられても、関連付けられなくてもよい、幾つかの任意選択的な動作を含むことができる。方法200は、図3A-3Dに概略的に示される動作を説明しており、その例示が方法200の動作と併せて説明される。図3は、限定された詳細を伴う部分的な概略図のみを示しており、幾つかの実施形態では、基板は、図に示されるような態様、並びに本技術の任意の態様のいずれかから依然として利益を得ることができる代替の構造的態様を有する任意の数のトランジスタ又は半導体セクションを含むことができるものと理解されたい。
【0022】
方法200は、半導体構造を特定の製造動作へと発展させるための任意選択的な動作を含みうる。幾つかの実施形態では、方法200は、ベース構造上で実行することができるが、幾つかの実施形態では、該方法は、その後のトランジスタ又は他の材料形成において実行されてもよい。図3Aに示されるように、半導体構造は、フロントエンド又は他の処理が完了した後のデバイス300を表しうる。例えば、基板305は、平面材料であってよく、あるいは、支柱、トレンチ、又は、本技術に同様に包含されると理解されるであろう他の構造として構成された複数の材料を含みうる構造化されたデバイスであってもよい。基板305は、金属を含む任意の数の導電性及び/又は誘電性材料を含んでよく、これには、これらの材料のいずれかの遷移金属、遷移後金属、メタロイド、酸化物、窒化物、及び炭化物、並びに構造内に組み込むことができる他の任意の材料が含まれうる。
【0023】
1つ以上の材料層は、基板305の一部又は全部の上に形成され、また基板内に少なくとも部分的に形成されて、実施形態では誘電体材料内の平坦化された導電性材料でありうる構造を生成しうる。例えば、幾つかの実施形態では、電極材料310は、任意選択的に、基板305の上に重なって形成されるか、又は基板材料305の一部内に凹設されうる。1つの非限定的な例として、基板305の露出面には、そこに導電性材料が形成されうる、酸化ケイ素又は他の任意の誘電体などの誘電体材料がありうる。電極材料310は、基板にわたる連続層であってもよく、又は図示されるように基板の表面にわたって断続的に形成されてもよい。1つの非限定的な例では、導電性材料は、基板305にわたって断続的に形成されうる金属であるか、又はそれを含みうる。金属は、例えば、タンタル、プラセオジム、ハフニウム、チタン、イリジウム、ロジウム、白金、若しくはメモリ構造の電極として動作するか、又は代替構造に存在しうる任意の他の材料を含んでよく、幾つかの実施形態では、材料の組合せ、並びにこれらの材料のいずれかの酸化物又は窒化物を含みうる。
【0024】
電極材料310は、幾つかの実施形態では、エッチング、平坦化、又は他の方法で処理されて断続的なパターンを生成することができ、これにより、エッチング又は他の形成のいずれかによって電極材料310のセグメント間の基板305の一部を露出させることができる。単一の例として示されているが、電極材料310の任意の数のセクションが含まれてよいものと理解されたい。加えて、真っ直ぐな側壁を含むものとして概略的に示されているが、電極材料310の形成又は除去プロセスは、角度のある側壁を生成してもよい。したがって、幾つかの実施形態では、電極材料310のセグメントは、錐台形状によって、又はセグメントの1つ以上の面に沿った角度のある表面によって特徴付けることができる。電極材料310を含みうる基板305は、半導体処理チャンバの処理領域に収容又は位置づけられてよく、方法200を実行して、基板上にニューロモルフィック用途のための半導体構造を形成することができる。
【0025】
方法200は、動作205において、基板及び電極材料310の上に重なる第1の酸化物材料の層を形成することを含みうる。第1の酸化物材料は、構造デバイスの電極間にスイッチング材料を生成するために第2の酸化物材料と共に動作することができる幾つかの材料であるか、又はそれらを含みうる。第1の酸化物材料は、該第1の酸化物材料320と共に図3Bに示されるように、電極材料310にわたって形成されてよく、かつ、材料全体にわたって延在して、電極材料310並びに基板材料305の両方の領域の上に重なることができる。
【0026】
第1の酸化物材料は、化学気相堆積、物理的気相堆積、又は原子層堆積を含む任意の数の堆積技法によって形成することができる。加えて、第1の酸化物材料は、以下に説明するように、酸素を含まない可能性のある材料が最初に形成され、続いて材料を第1の酸化物材料へと遷移させるための二次動作が続く、遷移動作によって生成されうる。第1の酸化物材料は、遷移金属、メタロイド、又は卑金属を含む1つ以上の金属又は金属酸化物材料であるか、又はそれらを含みうる。限定的とは見なされないこのリストからの例示的な材料には、該材料の任意の酸化状態又は化合物を含みうる、酸化チタン、酸化ハフニウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化タンタル、酸化ジスプロシウム、酸化スカンチウム(scantium oxide)、又は酸化ランタンが含まれる。
【0027】
方法200はまた、動作210において、第1の酸化物材料に隣接して又は接触して第2の酸化物材料の層を形成することも含みうる。第2の酸化物材料は、第1の酸化物材料と同じであっても異なっていてもよく、幾つかの実施形態では、上記の形成動作及び材料のいずれかを含むこともできる。本技術の幾つかの実施形態では、第2の酸化物材料は、材料間の酸素親和性に基づいて、第1の酸化物材料とともに選択することができる。例えば、第1の酸化物材料は、フィラメント形成とは対照的に、材料層にわたるアナログバルクスイッチングを促進する、弱い酸素交換層を提供しうる。したがって、第1の酸化物材料及び第2の酸化物材料は、これらの層間の酸素交換に対する親和性に基づいて選択することができ、これにより、ボリュームスイッチング層が生成され、上記のように中間層の安定性を妨げる可能性のあるスイッチング材料によるフィラメントの形成を制限又は防止することができる。加えて、本技術の実施形態に従って酸素交換層を生成することにより、バルクスイッチングは、より低いセット電流及びリセット電流で実行することができ、これは、フィラメント状デバイスと比較して桁違いに低くなりうる。
【0028】
酸素親和性に対応するため、幾つかの実施形態では、第2の酸化物材料は、第1の酸化物材料より高い酸素に対する親和性によって特徴付けることができる。加えて、第1の酸化物材料は、酸素に対する特定の保持を生み出すための酸素に対する十分な親和性によって特徴付けることができる。例えば、1つの非限定的な例では、他の多くの材料対を使用することができることを理解すると、第1の酸化物材料は酸化ケイ素であるか、又は酸化ケイ素を含むことができ、第2の酸化物材料は酸化チタンであるか又は酸化チタンを含みうる。酸化チタンは、酸素に対する親和性がより高いことによって特徴付けることができ、これにより、チタンとの取り込みの初期状態が促進されうる。加えて、チタンは、十分なターンオン電圧が印加されると、ケイ素に酸素を容易に提供しうる。最後に、ケイ素は、一度供給された酸素を保持するための酸素への十分な親和性によって特徴付けることができる。例えば、この例のケイ素をゲルマニウムに置き換えると、ゲルマニウムは低い親和性によって特徴付けることができ、電圧を除去すると酸素を十分に保持することができない可能性があり、本質的に揮発性メモリが形成され、これにより、本技術の実施形態によるアナログバルクスイッチングが提供されない可能性がある。
【0029】
生成される層の厚さは、記載された動作にさらに影響を与える可能性があり、したがって、幾つかの実施形態では、第2の酸化物層は、第1の酸化物層の厚さの約2倍以上でありうる。幾つかの実施形態では、第2の酸化物層は、第1の酸化物層の厚さの約3倍以上の厚さ、約4倍以上の厚さ、約5倍以上の厚さ、約6倍以上の厚さ、約7倍以上の厚さ、約8倍以上の厚さ、約10倍以上の厚さ、約12倍以上の厚さ、約15倍以上の厚さ、約20倍以上の厚さ、又はそれを超える厚さでありうる。
【0030】
例えば、幾つかの実施形態では、一例として酸化ケイ素でありうる第1の酸化物層は、約5nm以下の厚さによって特徴付けることができ、約4nm以下、約3nm以下、約2nm以下、約1nm以下、約0.5nm以下、又はそれ未満の厚さによって特徴付けることができる。しかしながら、第1の酸化物層を適切な範囲内に維持すると、バルクスイッチングが促進されうる。例えば、第1の酸化物層が約5nm以上増加すると、電流プロファイルが低すぎてデバイスが十分に機能しない可能性がある。加えて、厚さが約1nm又は0.5nm以下に減少する場合、層間の酸素交換が生じない可能性があり、よりフィラメント状の影響が生じる可能性がある。
【0031】
幾つかの実施形態では、第1の層は、電極材料に直接接触していてもよい。幾つかの実施形態では、追加の抵抗層を、第1の層と電極材料との間に組み込むことができる。抵抗性材料は、材料の電流/電圧プロファイルをさらに調整することによって、バルクスイッチングを改善することができる。特定の理論に縛られることは望まないが、抵抗性材料を組み込むことにより、スイッチング構造に直列抵抗を提供することができ、これにより、スイッチング材料のオーバープログラミングを制御し、かつ中間スイッチング状態を制御することができる。抵抗性材料は、電極材料と第1の酸化物材料との間に配置されたアモルファス又は幾つかの結晶性材料でありうる。
【0032】
例示的な材料には、構造をさらに調整することができる任意のメタロイド、卑金属、又は他の材料が含まれうる。一実施形態では、抵抗性材料は、例えば、炭素、ケイ素、ゲルマニウム、又はスズなどのカルコゲニドでありうる。追加の材料は、構造を通して抵抗を調整するために同様に動作しうる他の多くの材料の中でもとりわけ、ガリウム、バナジウム、ニオブ、及びシリコンゲルマニウムなどの組合せ材料を含みうる、類似の又は他の抵抗特性を提供する材料であるか、又はそれらを含みうる。デバイスの電圧プロファイルの制御を容易にするために、抵抗層を、ある厚さに形成することができる。結果として、適切な効果を生み出すために、抵抗層は、約2nm以上とすることができ、幾つかの実施形態では、約3nm以上、約4nm以上、約5nm以上、約6nm以上、約8nm以上、約10nm以上、又はそれを超えうる。
【0033】
抵抗材料層の生成は、上記の方法のいずれかによる堆積又は形成を含む、1つ以上の方法で行われうる。このように、図3Bは、幾つかの実施形態では、底部電極上に形成された抵抗材料層を示しうる。加えて、幾つかの実施形態では、この抵抗性材料を使用して、第1の酸化物材料を形成することができる。例えば、第1の酸化物材料のいずれかを電極材料又は抵抗性材料の上に堆積することができるが、幾つかの実施形態では、方法200の任意選択的な動作215において遷移を実行することができる。1つの非限定的な例として、前述の材料を継続して、アモルファスシリコンなどのケイ素を基板の上の電極上に堆積させることができる。酸化チタンなどの第2の材料層が形成されると、アモルファスシリコンの一部が酸化ケイ素へと遷移しうる。幾つかの実施形態では、アモルファスシリコンの厚さ全体を酸化ケイ素へと遷移させることができるが、幾つかの実施形態では、ある量のアモルファスシリコンを生成された酸化ケイ素と電極材料との間で維持することができる。
【0034】
結果として、図3Cは、複数の実施形態を示しうる。例えば、層320は、前述のように第1の酸化物材料であってよく、層330は、任意選択的に含まれていなくてもよい。幾つかの実施形態では、層320は、基板の上に堆積された抵抗層であってよく、幾つかの実施形態では、層330は、抵抗性材料の上に形成された第1の酸化物材料であってもよい。幾つかの実施形態では、層340は、第1の酸化物材料の上に形成された第2の酸化物材料でありうるが、上記のように、幾つかの実施形態では、第2の酸化物材料層340は、抵抗性材料の上に直接重なって形成されてもよく、これにより、前述のように、抵抗性材料の一部又はすべてを第1の酸化物材料へと遷移させることができる。方法200の任意選択的な動作220では、追加の電極材料が、前述の電極材料のいずれかでありうる第2の酸化物材料の上に重なって形成されうる。図3Dに示されるように、電極材料310と同じであっても異なっていてもよい電極材料350が、第2の電極材料340の上に重なって形成されうる。図3Dに含まれるデバイスは、抵抗性材料の組み込み及び/又は第1の酸化物材料を生成するための遷移動作に応じて、上述した上記バリエーションの各々に対応しうる、図示されたすべての層を含まない場合がある。
【0035】
図4は、本技術の幾つかの実施形態によるフィラメント状デバイス動作のチャート400を示している。先に述べたように、本技術は、材料層の構造又は厚さに基づいて生成されうる、図4に示されるフィラメント状デバイススイッチングと比較して、アナログバルクスイッチングを実行することができる。先に論じたように、フィラメント状デバイスは、高い動的オンオフ範囲に特有である、より急激な変化によって特徴付けることができる。図示されるように、フィラメントが存在しない場合、デバイスは、410に示されるように、低電流状態又は高抵抗状態にありうる。フィラメントを生成するのに十分な電圧がデバイスに印加されると、電流状態の急激な変化が生じ、420に示されるように、デバイスが高電流状態へとほぼ完全にスイッチングする。追加の電圧がパルスされると、430に示されているように、依然として高電流位置の範囲内にあるが、より厚いフィラメントが生成されて電流状態が増加しうる。その結果、スイッチング素子の性質に起因して、低電流状態と高電流状態の間に中間状態がほとんど発生しないか、又は発生しない。
【0036】
図5は、本技術の幾つかの実施形態によるニューロモルフィック用途のデバイス動作のチャート500を示している。チャート500は、本技術の幾つかの実施形態による、ボリュームスイッチングデバイス又はアナログスイッチングデバイスのための高電流オン状態と低電流オフ状態との間で利用可能な複数の中間状態を示しうる。510で示されるように、電圧がデバイスにわたってパルスされると、第1の酸化物材料と第2の酸化物材料との間の比較的薄い空乏層に基づいて、低電流状態が形成されうる。電圧がパルスされ続けると、第1の酸化物材料へと広がる空乏の量に関連して、中間の、安定した、より高い電流状態520が生成されうる。この空乏層は、本技術の実施形態による構造において制御することができることから、中間位置は安定化されうる。電圧がデバイスに印加され続けると、デバイスは、該デバイスの最高電流状態530に到達する前に、示されるように、複数の追加の安定状態を経て遷移しうる。本技術によるデバイスは、低電流状態と高電流状態との間の安定した中間状態間の制御された遷移によって特徴付けることができる。
【0037】
図6は、本技術の幾つかの実施形態によるニューロモルフィック用途のデバイス動作のチャート600を示している。チャート600は、対数目盛で示される、本技術の幾つかの実施形態によるデバイスの電流-電圧特性を示しうる。図示されるように、本技術によるニューロモルフィック用途のためのデバイスは、従来のデバイスよりも低いセット電流及びリセット電流によって特徴付けることができる。例えば、1Vのターンオン電圧において、多くのフィラメント状RAMデバイスは、約100μA以上のセット電流及びリセット電流によって特徴付けることができ、約500μA以上、約1mA以上、約10mA以上、又はそれを超えるセット電流及びリセット電流によって特徴付けられうる。本技術の幾つかの実施形態によるデバイスは、図示されるように、より低いセット電流及びリセット電流によって特徴付けることができる。例えば、1Vのターンオン電圧において、本技術の幾つかの実施形態によるデバイスは、約100μA以下のセット電流及びリセット電流によって特徴付けることができ、この及び他の動作時のターンオン電圧は、約50μA以下、約20μA以下、約10μA以下、約5μA以下、約1μA以下、約0.5μA以下、約0.1μA以下、約0.05μA以下、約0.01μA以下、又はそれ未満のセット電流及びリセット電流によって特徴付けることができる。
【0038】
図7A-7Bは、本技術の幾つかの実施形態によるニューロモルフィック用途のデバイス動作のチャートを示している。図7Aは、本技術の幾つかの実施形態による追加の抵抗層のないデバイスを示しうる。図7Bは、第1の酸化物層とデバイスの電極との間に抵抗層を組み込んだデバイスを示しうる。図示されるように、抵抗層のないデバイスは、アナログスイッチングを促進するために前述のような電流プロファイルをもたらすが、抵抗層を組み込むと、デバイスの電流-電圧プロファイルをさらに変更することができる。これにより、デバイススタックによる伝導の線形性を変更及び直線化可能にすることができるため、中間状態の柔軟性と制御が向上し、これにより、デバイスの中間状態間で調整する電圧パルスのさらなる安定性及び制御を生み出すことができる。結果として、本技術の幾つかの実施形態によるニューロモルフィック用途のためのデバイスを製造することによって、セル動作あたりのビット数の増加と、フィラメント状の抵抗デバイスに対し改善された特性とを可能にする、ボリュームスイッチングを提供することができる。
【0039】
前述の記載では、説明を目的として、本技術のさまざまな実施形態の理解をもたらすために、多くの詳細が述べられてきた。しかしながら、これらの詳細の幾つかを含まずに、又はさらなる詳細と共に、ある特定の実施形態を実施しすることができることは、当業者とって明白であろう。
【0040】
幾つかの実施形態を開示してきたが、実施形態の趣旨から逸脱することなく、さまざまな修正、代替構成、及び等価物を使用することができることは、当業者に認識されよう。さらには、本技術を不必要に不明瞭にすることを避けるために、幾つかのよく知られているプロセス及び要素については説明されていない。したがって、上記の説明は、本技術の範囲を限定するものと解釈すべきではない。加えて、方法又はプロセスは、順次又は段階的に説明されうるが、動作は、同時に、又は記載されたものとは異なる順序で実行されてもよいことが理解されるべきである。
【0041】
値の範囲が提示される場合、文脈がそうでないことを明確に指示しない限り、その範囲の上限と下限の間の下限値の単位の最小部分までの各介入値も具体的に開示されることが理解される。任意の記載値又は記載された範囲内の記載されていない介在値と、その記載範囲内の他の任意の記載値又は介在値との間の任意の狭い範囲も包含される。これらのより小さい範囲の上限と下限は、独立して範囲に含まれるか、又はその範囲から除外される場合があり、より小さい範囲に限界値のいずれかが含まれる、どちらも含まれない、又は両方が含まれる各範囲もこの技術範囲に包含され、指定範囲内の具体的に除外された任意の限界値の対象となる。指定された範囲内に一方又は両方の限界値が含まれる場合、それらの含まれた限界値のいずれか又は両方を除外する範囲も含まれる。
【0042】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いられるように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈上別途明示しない限り複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「ある前駆体(a precursor)」への言及は、複数のこのような前駆体を含み、「その層(the layer)」への言及は、1つ以上の層及び当業者に知られているその等価物への言及などを含む。
【0043】
また、「含む(comprise(s))」、「含んでいる(comprising)」、「含有する(contain(s))」、「含有している(containing)」、「含む(include(s))」、及び「含んでいる(including)」という語句は、本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いられた場合、記載された特徴、整数、構成要素、又は工程の存在を特定することが意図されているが、1つ以上の他の特徴、整数、構成要素、工程、作用、又は群の存在又は追加を除外するものではない。
図1
図2
図3A-3D】
図4
図5
図6
図7A-7B】