(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-03
(45)【発行日】2023-10-12
(54)【発明の名称】発光装置およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 33/50 20100101AFI20231004BHJP
H01L 33/54 20100101ALI20231004BHJP
H01L 33/60 20100101ALI20231004BHJP
H01L 33/58 20100101ALI20231004BHJP
【FI】
H01L33/50
H01L33/54
H01L33/60
H01L33/58
(21)【出願番号】P 2019012949
(22)【出願日】2019-01-29
【審査請求日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】P 2018179935
(32)【優先日】2018-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104949
【氏名又は名称】豊栖 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100074354
【氏名又は名称】豊栖 康弘
(72)【発明者】
【氏名】太田 明寛
(72)【発明者】
【氏名】長本 拓也
【審査官】佐竹 政彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0236203(US,A1)
【文献】特開2018-120923(JP,A)
【文献】国際公開第2013/111542(WO,A1)
【文献】特開2016-086111(JP,A)
【文献】特開2017-033967(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0123001(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体と、
前記支持体に配置され、実装面である第一面と、前記第一面と反対側に位置する発光面である第二面と、側面と、を有する発光素子と、
前記発光素子の前記第二面に配置される波長変換部と、前記波長変換部の周囲に配置される透光部と、を有する波長変換部材と、
前記波長変換部および前記発光素子の前記側面から離隔して前記支持体に配置された光反射部材と、
前記発光素子の前記側面および前記透光部の一部に接するように設けられる透光性の部材と、
前記波長変換部材の上面に配置される、レンズ部を有する封止部材と、
を備えており、
前記波長変換部材は、
平面視において前記発光素子よりも大きく、
前記発光素子の前記側面と前記光反射部材の間に、前記発光素子の前記側面から前記波長変換部の側面に連なる隙間を形成し、前記隙間に前記透光性の部材と、前記透光部と、が配置されて
おり、
前記発光素子の側面において、前記発光素子が発する光が、前記隙間を通じて波長変換されることなく、前記透光性の部材及び前記透光部を透過して外部に放出される経路を設けており、
前記透光性の部材が、前記発光素子と前記波長変換部材との間に設けられた、透光性の接合部材を含む発光装置。
【請求項2】
請求項
1に記載の発光装置であって、
前記透光性の接合部材は、前記発光素子の前記側面に接する前記透光性の部材と連続して、設けられてなる発光装置。
【請求項3】
請求項
2に記載の発光装置であって、
前記透光性の接合部材の断面形状が、前記透光部の方向に広がる逆三角形である発光装置。
【請求項4】
請求項1~
3のいずれか一項に記載の発光装置であって、
前記レンズ部は、平面視が円形状で断面視が半円球状であり、
前記封止部材は、前記レンズ部の外周側に延出する鍔部を有する発光装置。
【請求項5】
請求項1~
4のいずれか一項に記載の発光装置であって、
平面視において、前記レンズ部は、前記波長変換部材よりも大きい発光装置。
【請求項6】
請求項1~
5のいずれか一項に記載の発光装置であって、
前記波長変換部が、円柱状である発光装置。
【請求項7】
請求項
6に記載の発光装置であって、
前記透光部は、矩形状または多角形状である発光装置。
【請求項8】
請求項1~
7のいずれか一項に記載の発光装置であって、
前記透光部が、前記波長変換部の上面に設けられており、
前記波長変換部材の上面を、前記透光部で構成してなる発光装置。
【請求項9】
請求項1~
7のいずれか一項に記載の発光装置であって、
前記波長変換部材の上面を、前記波長変換部及びその周囲の前記透光部で構成してなる発光装置。
【請求項10】
発光素子が配置された支持体を準備する工程と、
蛍光体を含む波長変換部と、前記波長変換部の周囲に透光部と、を有し、平面視して前記発光素子よりも大きい波長変換部材を準備する工程と、
前記発光素子の上に前記波長変換部材を配置する工程と、
前記波長変換部材の側面を覆うように前記支持体に光反射部材を配置する工程と、
前記波長変換部材及び前記光反射部材の上面に、レンズ部を有する封止部材を設ける工程と、
を含み、
前記波長変換部材を配置する工程は、前記発光素子の側面から前記波長変換部材の周辺にかけて延在され、前記透光部の一部を覆う透光性の接着剤を配置し、
透光性の部材が前記発光素子の前記側面および前記透光部の一部に接するように設けられ、
前記光反射部材を配置する工程において、前記光反射部材は、前記透光性の接着剤の側面を覆
い、
前記発光素子の側面において、前記発光素子が発する光が、波長変換されることなく、前記透光性の部材及び前記透光部を透過して外部に放出される経路となる隙間が形成されており、
前記透光性の部材が、前記発光素子と前記波長変換部材との間に設けられた、透光性の接合部材を含む発光装置の製造方法。
【請求項11】
請求項
10に記載の発光装置の製造方法であって、
前記波長変換部材を準備する工程が、
凹部を形成した
透光性部材を準備する工程と、
前記凹部に蛍光体を含む材料を充填して、前記蛍光体を含む前記波長変換部と、
前記波長変換部の周囲に前記透光部とを有する前記波長変換部材を形成する工程とを含む発光装置の製造方法。
【請求項12】
請求項
11に記載の発光装置の製造方法であって、
前記透光性部材を準備する工程が、複数の凹部を形成した透光性部材を準備する工程であり、
前記波長変換部材を準備する工程が、前記蛍光体を含む前記波長変換部と前記透光部とを含むように、前記透光性部材を個片化して、複数の波長変換部材を形成する工程であり、
前記波長変換部材を配置する工程が、前記複数の波長変換部材をそれぞれ、前記支持体に配置された複数の発光素子に接着する工程である発光装置の製造方法。
【請求項13】
請求項
10に記載の発光装置の製造方法であって、
前記波長変換部材を準備する工程が、
透光性部材を準備する工程と、
前記透光性部材に穴部を形成する工程と、
前記穴部に蛍光体を含む材料を充填して、前記蛍光体を含む前記波長変換部と、
前記波長変換部の周囲に前記透光部とを有する前記波長変換部材を形成する工程とを含む発光装置の製造方法。
【請求項14】
請求項
10に記載の発光装置の製造方法であって、
前記波長変換部材を準備する工程が、
蛍光体を含む樹脂製の板材を準備する工程と、
前記蛍光体を含む樹脂製の板材に溝部を形成する工程と、
前記溝部に、透光性の樹脂材を配置して、前記蛍光体を含む前記波長変換部と、
前記波長変換部の周囲に前記透光部とを有する前記波長変換部材を形成する工程とを含む発光装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発光素子と、蛍光体と組み合わせて、混色光を得ることが可能な発光装置が、照明や液晶のバックライトの用途に用いられている。
【0003】
例えば、特許文献1は、青色に発光する発光素子と、黄色に発光する蛍光体とを備えた発光装置を開示している。
【0004】
このような発光装置において、配光角度によって色度が異なる、いわゆる色度ムラが発生することがあり、この色度ムラを抑制するため、特許文献1にかかる発光装置は、蛍光体を含む蛍光体層にさらに光散乱材が混合されている。
【0005】
このような散乱のための部材を設けることで、より均一な光散乱が可能となるため、配光色度ムラの抑制が期待できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このような散乱のための部材を設けると、光の散乱だけでなく吸収などによる光の損失も発生する結果、発光装置の光束の低下を招くことになる。このため、光束を低下させることなく色度ムラを改善した光源を実現させることが求められる。
【0008】
本発明の目的は、色度ムラを改善しつつも光束の低下を抑制した発光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係る発光装置は、支持体と、前記支持体に配置された発光素子と、前記発光素子の上に配置され、平面視において前記発光素子よりも大きい波長変換部材と、前記波長変換部材および前記発光素子の側面から離隔して前記支持体に配置された光反射部材とを備えており、前記波長変換部材が、前記発光素子の上面に配置される波長変換部と、前記波長変換部の周囲に設けられた透光部とを有し、前記発光素子の側面と前記光反射部材の間に、前記発光素子の側面および前記波長変換部材の透光部の一部に接する透光性の部材とを備える。
【0010】
本発明の一態様に係る発光装置の製造方法は、支持体と、前記支持体に配置された発光素子と、前記発光素子の上に配置され、平面視して前記発光素子よりも大きい波長変換部材と、前記支持体に配置された光反射部材と、を備える発光装置の製造方法であって、蛍光体を含む波長変換部と、前記波長変換部の周囲に透光部を有する波長変換部材を準備する工程と、前記支持体に配置された発光素子の上に前記波長変換部材を配置する工程と、前記発光素子の側面と前記透光部の一部を覆うように前記支持体に透光性の部材を配置する工程と、前記波長変換部材及び前記透光性の部材の側面を覆うように前記支持体に光反射部材を配置する工程を含む。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一形態は、色度ムラを改善しつつも光束の低下を抑制した発光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態1に係る発光装置を示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態1に係る発光装置を示す平面図である。
【
図6】
図1の発光装置のVI-VI線における断面図である。
【
図7】
図6において、光の進行方向を模式的に示した断面図である。
【
図8】比較例に係る発光装置の発光状態を示す写真である。
【
図9】実施形態1に係る発光装置の発光状態を示す写真である。
【
図10】変形例に係る発光装置を示す平面図である。
【
図11】他の変形例に係る発光装置を示す平面図である。
【
図12】実施形態2に係る発光装置を示す分解斜視図である。
【
図14】実施形態2に係る発光装置を示す断面図である。
【
図15】実施形態3に係る発光装置を示す断面図である。
【
図16】実施形態1に係る発光装置の製造工程における一工程を示す断面図である。
【
図17】実施形態1に係る発光装置の製造工程における一工程を示す断面図である。
【
図18】実施形態1に係る発光装置の製造工程における一工程を示す断面図である。
【
図19】実施形態1に係る発光装置の製造工程における一工程を示す断面図である。
【
図20】実施形態1に係る発光装置の製造工程における一工程を示す断面図である。
【
図21】実施形態3に係る発光装置の製造工程における一工程を示す断面図である。
【
図22】実施形態3に係る発光装置の製造工程における一工程を示す断面図である。
【
図23】透光性樹脂製シート材に穴部を形成した状態を示す斜視図である。
【
図24】実施形態3に係る発光装置の製造工程における一工程を示す断面図である。
【
図25】実施形態3に係る発光装置の製造工程における一工程を示す断面図である。
【
図26】実施形態3に係る発光装置の製造工程における一工程を示す断面図である。
【
図27】実施形態3に係る発光装置の製造工程における一工程を示す断面図である。
【
図28】実施形態3に係る発光装置の製造工程における一工程を示す断面図である。
【
図29】実施形態3に係る発光装置の製造工程における一工程を示す断面図である。
【
図30】実施形態3に係る発光装置を示す平面図である。
【
図31】実施形態4に係る発光装置の製造工程における一工程を示す断面図である。
【
図32】実施形態4に係る発光装置の製造工程における一工程を示す断面図である。
【
図33】蛍光体を含む樹脂製シート材に溝部を形成した状態を示す斜視図である。
【
図34】実施形態4に係る発光装置の製造工程における一工程を示す断面図である。
【
図35】実施形態4に係る発光装置の製造工程における一工程を示す断面図である。
【
図36】実施形態4に係る発光装置の製造工程における一工程を示す断面図である。
【
図37】実施形態4に係る発光装置の製造工程における一工程を示す断面図である。
【
図38】実施形態4に係る発光装置の製造工程における一工程を示す断面図である。
【
図39】実施形態4に係る発光装置の製造工程における一工程を示す断面図である。
【
図40】実施形態4に係る発光装置を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一形態に係る発光装置は、支持体と、支持体に配置された発光素子と、発光素子の上に配置され、平面視において発光素子よりも大きい波長変換部材と、波長変換部材および発光素子の側面から離隔して支持体に配置された光反射部材とを備える。さらに、波長変換部材は、発光素子の上面に配置される波長変換部と、波長変換部の周囲に設けられた透光部とを有し、発光素子の側面と光反射部材の間に、発光素子の側面および波長変換部材の透光部の一部に接する透光性の部材とを備える。
【0014】
上記形態によれば、発光素子の側面から波長変換部の側面に連なる隙間を形成すると共に、この隙間に敢えて透光性の部材及び波長変換部材の透光部を配置して、発光素子の光が波長変換部により波長変換されないまま抜けるように構成したことで、従来問題となっていた波長変換部の周縁で生じる色度ムラを低減することが可能となる。この方法は原理的に散乱を利用しないで色度ムラを抑制するため、光束の低下も回避でき、結果として光束の低下を生じさせずに色度ムラを改善することが可能となる。
【0015】
本発明の一実施形態に係る発光装置においては、前記透光性の部材が、前記発光素子と前記波長変換部材との間に設けられた、透光性の接合部材を含み、前記発光素子の側面と前記波長変換部材の前記発光素子側の主面とで形成される隅部に、前記透光性の接合部材の一部が延在し、前記透光部の一部と接していることが好ましい。透光性の部材と接合部材とをお互いに兼用することができるので、部品点数が削減できるからである。
【0016】
また、他の実施形態に係る発光装置においては、前記延在された透光性の接合部材の断面形状を、前記透光部の方向に広がる逆三角形とすることができる。逆三角形にて傾斜面を形成することで、発光素子からの光を反射させることができるからである。
【0017】
さらに、他の実施形態に係る発光装置においては、さらに前記波長変換部材の上面に、平面視が円形状で断面視が半円球状であるレンズ部と、前記レンズ部の外周側に延出する鍔部と、を有する封止部材を備えることができる。
【0018】
さらにまた、他の実施形態に係る発光装置においては、前記波長変換部を、円柱状とすることができる。これにより、色度ムラを改善することが可能となる。
【0019】
さらにまた、他の実施形態に係る発光装置においては、前記透光部が、前記波長変換部の周囲及び上面に設けられており、前記波長変換部材の上面を、前記透光部で構成することができる。
【0020】
さらにまた、他の実施形態に係る発光装置においては、前記波長変換部材の上面を、前記波長変換部及びその周囲の透光部で構成することができる。
【0021】
実施形態に係る発光装置の製造方法においては、支持体と、前記支持体に配置された発光素子と、前記発光素子の上に配置され、平面視して前記発光素子よりも大きい波長変換部材と、前記支持体に配置された光反射部材とを備える発光装置の製造方法であって、蛍光体を含む波長変換部と、前記波長変換部の周囲に透光部を有する波長変換部材を準備する工程と、前記支持体に配置された発光素子の上に前記波長変換部材を配置する工程と、前記発光素子の側面と前記透光部の一部を覆うように前記支持体に透光性の部材を配置する工程と、前記波長変換部材及び前記透光性の部材の側面を覆うように前記支持体に光反射部材を配置する工程を含む。
【0022】
さらにまた、他の実施形態に係る発光装置の製造方法においては、さらに、前記波長変換部材と、前記支持体上に配置された前記発光素子との間に、透光性の接着剤を介在させ、前記発光素子の側面と前記透光部の一部を覆うように、前記透光性の接着剤の一部を延在させて、前記波長変換部材と前記発光素子とを接着する接合部材を形成する工程を含むことができる。波長変換部材と発光素子との接着と、透光性の部材の配置する工程を併せて行うことで、発光装置の製造工程における工程数を削減することができる。
【0023】
さらにまた、他の実施形態に係る発光装置の製造方法においては、前記波長変換部材を準備する工程が、凹部を形成した透光性部材を準備する工程と、前記凹部に蛍光体を含む材料を充填して、前記蛍光体を含む波長変換部と、その波長変換部の周囲に透光部とを有する波長変換部材を形成する工程とを含むことができる。これにより、透光部と波長変換部を有する波長変換部材を容易に形成することができる。
【0024】
さらにまた、他の実施形態に係る発光装置の製造方法においては、前記透光性部材を準備する工程が、複数の凹部を形成した透光性部材を準備する工程であり、前記波長変換部材を準備する工程が、前記蛍光体を含む波長変換部と前記透光部とを含むように、前記透光性部材を個片化して、複数の波長変換部材を形成する工程であり、前記接合部材を形成する工程が、前記複数の波長変換部材をそれぞれ、前記支持体に配置された複数の発光素子に接着する工程である。
【0025】
さらにまた、他の実施形態に係る発光装置の製造方法においては、前記波長変換部材を準備する工程が、透光性部材を準備する工程と、前記透光性部材に穴部を形成する工程と、前記穴部に蛍光体を含む材料を充填して、前記蛍光体を含む波長変換部と、その波長変換部の周囲に透光部とを有する波長変換部材を形成する工程とを含む。
【0026】
さらにまた、他の実施形態に係る発光装置の製造方法においては、前記波長変換部材を準備する工程が、蛍光体を含む樹脂製の板材を準備する工程と、前記蛍光体を含む樹脂製の板材に溝部を形成する工程と、前記溝部に、透光性の樹脂材を配置して、前記蛍光体を含む波長変換部と、その波長変換部の周囲に透光部とを有する波長変換部材を形成する工程とを含む。
【0027】
以下、本発明に係る実施形態及び実施例を、図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施形態及び実施例は、本発明の技術思想を具体化するための例示であって、本発明は以下のものに限定されるものでない。また各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細な説明を適宜省略する。また、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一もしくは同等の部分又は部材を示す。さらに、本発明に係る実施形態及び実施例を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。また、一部の実施例、実施形態において説明された内容は、他の実施例、実施形態等に利用可能なものもある。さらに、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」および、それらの用語を含む別の用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が制限されるものではない。なお、本明細書において「備える」とは、別部材として備えるもの、一体の部材として構成するものの何れをも含む意味で使用する。
[実施形態1]
【0028】
本発明の実施形態1に係る発光装置100を
図1~
図7に示す。これらの図において、
図1は本発明の実施形態1に係る発光装置100を示す斜視図を、
図2は本発明の実施形態1に係る発光装置100を示す平面図を、
図3は
図2の発光装置100を示す透視平面図を、
図4は
図1の分解斜視図を、
図5は
図1を斜め下方から見た分解斜視図を、
図6は
図2の発光装置100のVI-VI線における断面図を、
図7は
図6において、光の進み方を示した断面図を、それぞれ示している。これらの図に示す発光装置100は、支持体1と、この支持体1上に配置される発光素子10と、この発光素子10の上面に配置される波長変換部材20と、波長変換部材20および発光素子10の側面から
離隔して支持体1に配置された光反射部材40を備える。波長変換部材20の上面には、封止部材50を備えている。封止部材50は、平面視が円形状で断面視が半円球状であるレンズ部51と、このレンズ部51の外周側に延出する鍔部52とを有する。レンズ部51は、
図1~
図3に示すように平面視を円形状とし、
図4~
図6に示すように断面視を半円球状としている。またレンズ部51の外周側には鍔部52を延出させている。
【0029】
波長変換部材20は、
図3に示すように平面視において発光素子10よりも大きく形成されている。また波長変換部材20は、
図6の断面図に示すように、発光素子10の上面に配置される波長変換部24と、波長変換部24の周囲に設けられた透光部26とを有する。さらに発光素子10の側面と光反射部材40の間に、発光素子10の側面および波長変換部材20の透光部26の一部に接する透光性の部材30を設けている。
【0030】
このような構成により、発光素子10の側面から波長変換部24の側面に連なる隙間を形成すると共に、この隙間に敢えて透光性の部材30及び波長変換部材20の透光部26を配置して、発光素子10の光が波長変換部24により波長変換されないまま抜けるようになるため、従来問題となっていた波長変換部24の周縁で生じる色度ムラを低減することが可能となる。この方法は原理的に散乱を利用しないで色度ムラを抑制するため、光束の低下も回避でき、結果として光束の低下を生じさせずに色度ムラを改善することが可能となる。
(透光性の部材30)
【0031】
透光性の部材30は、発光素子10と波長変換部材20との間に設けられた、透光性の接合部材32を含むことができる。透光性の接合部材32は、発光素子10と波長変換部材20とを接合する
接着剤とすることができる。この透光性の接合部材32は、その一部を、発光素子10の側面と波長変換部材20の発光素子10側の主面とで形成される隅部に、延在させてもよい。また
図6に示すように、延在された透光性の接合部材32の断面形状は、透光部26の方向に広がる逆三角形とすることもできる。
【0032】
なお
図4、
図5においては、便宜上分解斜視図として示しているが、各部材は必ずしも分解可能なパーツの組み合わせとする態様に限られず、製造方法によっては、予め軟化させておいた材料を硬化させて構成する態様も包含する。すなわち、必ずしも図示されたパーツ毎に分解可能であることを要しない。
(配光色度ムラ)
【0033】
一般に発光装置の光束を向上させようとすると、配光色度ムラが悪化する傾向にある。例えば、発光素子として青色LEDを、波長変換部材として青色光で励起されて黄色光を発するYAG蛍光体を含む板材を、それぞれ用いる。この青色LEDの上面に、これよりも面積が大きいYAG蛍光体を含む板材を載置する。さらにYAG蛍光体含む板材の側面を、光反射部材で被覆する。この構成により、青色LEDが発する青色光と、波長変換部材で波長変換された黄色光とを混色して、白色系の混色光を発することができる。このような構成において、青色LEDの光束を増すと、波長変換部材の中心に比べて周辺ほど黄色く見える現象、いわゆるイエローリングが生じる。この理由は、光路長の差に起因するものであり、波長変換部材の中心近傍では光路長が短いため相対的に青色光成分が大きくなる一方、波長変換部材の周縁近傍では、光路長が長い分だけ相対的に黄色光の成分が大きくなるからである。このような配光色度ムラは、発光素子の出力を増すほど、すなわち光束が大きくなるほど顕著となる。光束を低下すると、配光色度ムラは抑制されるものの、出力が低下するため、従来は両者のトレードオフを考慮して調整されていた。
【0034】
これに対して本実施形態に係る発光装置100においては、波長変換部材20の外周において、意図的に発光素子10の光を漏洩させることで、光路長の差による波長変換部材20による波長変換光(図の例では黄色光成分)を抑制して、光束を増しても色度ムラが顕著になる事態を回避している。具体的には、
図7に示すように発光素子10の側面において、発光素子10が発する光が、波長変換部材20の内で波長変換部24を透過することなく、透光部26を透過して外部に放出される経路を設けたことで、波長変換部24の外縁における波長変換されない光の成分を相対的に大きくして、もって比較例の構成で発生していた色度ムラを低減している。
【0035】
ここで、比較例に係る発光装置800の配光色度ムラのシミュレーション結果を
図8に、実施形態1に係る発光装置100の配光色度ムラのシミュレーション結果を
図9に、それぞれ示す。
図8に示すように、比較例に係る発光装置800においては、周辺において黄色成分が強くなり色度ムラが生じている様子が確認できるところ、実施形態1に係る発光装置100においては、
図9に示すように周辺の色度ムラが抑制されている様子が確認できた。
【0036】
なお、上述の通り波長変換部24は、平面視において発光素子10よりも大きくしており、発光素子10と波長変換部24とを重ね合わせた状態で、発光素子10が表出しないように接合されている。言い換えると、発光素子10が平面視において波長変換部24から表出しないようにすることで、発光素子10が発する光が反射等されることなく直接出射される事態を回避し、このような直接出射光に起因する色度ムラを抑制している。すなわち、発光素子10が発する光は、直接外部に取り出すのでなく、
図7等に示すようにあくまでも光反射部材40等で反射させた間接光を出射させるようにすることで、例えば波長変換部24の周囲で青色光が目視されるような色度ムラの発生を回避している。ただし、発光素子の出力や波長変換部の厚さ等によって、色度ムラが顕著な場合は、波長変換部を平面視において発光素子よりも小さくして、発光素子からの光を直接外部に放出させるように構成してもよい。このような例を変形例に係る発光装置100’として
図10の平面図に示す。この場合は、発光素子10’からの光を、波長変換部24’を介さずに放出する経路となる透光性の部材を不要とできる。なお
図10において、上述した実施形態1と同様の部材については同じ符号を付して、詳細説明を省略する。
(支持体1)
【0037】
支持体1は、上面に発光素子10や封止部材50等を実装するための部材である。支持体1は絶縁性の母材と、母材の表面に発光素子10を実装する配線パターン等の導電部材2を備えている。支持体1を構成する絶縁性の母材としては、セラミック、樹脂(ガラスエポキシ樹脂のような強化剤を含む樹脂を含む)等が挙げられる。セラミック基板としては、アルミナ、窒化アルミニウム等が挙げられる。樹脂としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、BTレジン、ポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂や、ポリフタルアミド樹脂、ナイロン樹脂などの熱可塑性樹脂が挙げられる。また、母材は単層構造でも積層構造でもよい。
図6等の例では、窒化アルミニウムを積層している。一般的に窒化アルミニウムは樹脂よりも放熱性が高いので、母材に窒化アルミニウムを使用することで発光装置の放熱性を向上させることができる。また、これらの母材には、当該分野で公知の着色剤、充填剤、強化剤等を含有させてもよい。特に、着色剤は、反射率の良好な材料が好ましく、酸化チタン、酸化亜鉛等の白色のものが好ましい。充填剤としては、シリカ、アルミナ等が挙げられる。強化剤としては、ガラス、珪酸カルシウム、チタン酸カリウム等が挙げられる。
【0038】
また支持体1の上面や下面には、必要に応じて導電部材2が形成される。導電部材2で配線パターンが形成され、発光素子10が配線パターンに実装される。
図6の例では、支持体1の裏面側に、一対の導電部材2が設けられる。発光素子10に形成された電極が、フリップチップ接続等により支持体1の導電部材2とバンプ等の接続部材を介して接続される。なお
図6等の例では、発光素子10を支持体1上にフリップチップ実装した例を説明したが、本発明はこの構成に限らず、例えばワイヤボンディングで実装してもよい。
(発光素子10)
【0039】
発光素子10は、電極を形成した実装面である発光素子の第一面11(
図6において下面)と、この発光素子の第一面11と反対側に位置する発光面である発光素子の第二面12(
図6において上面)とを有する。
【0040】
発光素子10として、例えば、窒化物系半導体(InXAlYGa1-X-YN、ここで、X及びYは、0≦X、0≦Y、X+Y≦1を満たす。)を用いた半導体発光素子を用いることによって、高効率で入力に対する出力のリニアリティが高く、機械的衝撃にも強い安定した発光装置を得ることができる。
【0041】
なお
図4、
図5等に示す例では、発光素子10を平面視において矩形状とした例を説明した。ただ本発明は発光素子10の外形をこの構成に限らず、例えば正方形状、長方形状とする他、六角形や八角形等の多角形状、あるいは円形、楕円形等としてもよい。
(波長変換部材20)
【0042】
図6等に示す波長変換部材20は、波長変換部24と透光部26を含む。この波長変換部材20は、発光素子10の上面に配置されて、発光素子10の第二面12から発される光の波長を、異なる波長に変換する。例えば発光素子10が青色を発光する場合、この青色を黄色に波長変換して、青色光と黄色光の混色により白色光を得る。この波長変換部材20は、第一面21(
図6において下面)と、この第一面21と反対側の第二面22(
図6において上面)とを有する。そして波長変換部材20の第一面21は、発光素子の第二面12よりも面積を大きくしている。これにより発光素子の第二面12すなわち発光素子10の発光面の全面を波長変換部材20で覆うことができる。いいかえると、発光素子10の発光面の一部が波長変換部材20で覆われないことで、発光素子10の発光(例えば青色光)が混色されずに外部に放出されることによる色度ムラを抑制できる。
図3の透視平面図に示す例では、六角形状の発光素子10よりも一回り大きい、六角形状の波長変換部材20を使用している。
【0043】
波長変換部材20には、波長変換部24として蛍光体を含む樹脂製の板材が利用できる。蛍光体は樹脂中に均一に分散していてもよいし、一方に偏在していてもよい。蛍光体は、発光素子10の発する光で励起されて、発光素子10の発する光よりも長波長の蛍光を発する。
【0044】
ただ、波長変換部材はこの構成に限らず、蛍光体を含む波長変換部を一面に配置した透光性を有するガラス板などを利用することもできる。蛍光体を含む波長変換部はガラス板上に均一の厚みを有することが好ましい。例えばガラス板に、蛍光体を印刷する。これにより、蛍光体の厚みが略均一になり、蛍光体を通過する光の光路長が一定となり、色度ムラやイエローリングの発生を抑制できる。また印刷に限らず、蛍光体をシート状に形成した蛍光体シートを、ガラス板に貼付する形態としてもよい。ガラスとして、例えば、ホウ珪酸ガラスや石英ガラスから選択することができる。
【0045】
波長変換部材20において蛍光体を含む波長変換部の厚みは、20μm以上500μm以下であることが好ましい。波長変換部材20の厚みが500μmより厚いと、放熱性が低下する傾向がある。放熱性の観点からは、波長変換部材20は薄ければ薄い程好ましいが、20μmよりも薄いと得たい発光の色度範囲が小さくなる傾向がある。
【0046】
波長変換部材20において蛍光体を含む波長変換部は単層でも多層でもよい。蛍光体等の波長変換層を多層で構成する場合には、発光素子10の第二面12上に赤色蛍光体を含む第一波長変換層が位置し、第一波長変換層上に黄色蛍光体を含む第二波長変換層が位置することが好ましい。これにより、発光装置の光取り出し効率を向上させることができる。
(蛍光体)
【0047】
蛍光体は、発光素子10からの発光で励起可能なものが使用される。例えば、青色発光素子又は紫外線発光素子で励起可能な蛍光体としては、セリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体;セリウムで賦活されたルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体;ユウロピウムで賦活されたシリケート系蛍光体;βサイアロン蛍光体、窒化物系蛍光体;マンガンで賦活されたフッ化物系蛍光体;硫化物系蛍光体、量子ドット蛍光体などが挙げられる。これらの蛍光体と、青色発光素子又は紫外線発光素子と組み合わせることにより、様々な色の発光装置(例えば白色系の発光装置)を製造することができる。
(接合部材32)
【0048】
接合部材32は、発光素子10と波長変換部材20との間に介在されて、それらを接合するための部材である。接合部材32には、透光性を有する樹脂が利用できる。特に接合部材32は、光反射部材40よりも発光素子10からの光の透過率を高くする。また接合部材32は、波長変換部材20の第一面21と発光素子の第二面12とを接合できる樹脂、例えば、ジメチル系樹脂、フェニル系樹脂、ジフェニル系樹脂等が利用できる。
(傾斜面31)
【0049】
また未硬化の接合部材32の一部は、波長変換部材20の第一面21と発光素子の第二面12との接合界面から溢れて、発光素子10の側面に至る。すなわち、接合部材32は、波長変換部材20の第一面21と発光素子の第二面12との接合界面から発光素子10の側面に連続して形成され、波長変換部材20の第一面21の周縁領域21bから発光素子の第一面11に向かって延長されて、
図6の断面図に示すように波長変換部材20の第一面21から発光素子の第二面12の間にかけて傾斜面31を形成する。
【0050】
ここで波長変換部材20の第一面21の周縁領域21bとは、発光素子の第二面12と対向する波長変換部材20の第一面21の内、周囲の部分を指す。波長変換部材20は発光素子10よりも一回り大きく形成しているため、波長変換部材20の第一面21の周縁には、平面視において発光素子の第二面12と重ならない周縁領域21bが形成される。この結果、例えば発光装置の製造工程において未硬化の接合部材32で発光素子10と波長変換部材20を接合する際に、波長変換部材20の第一面21と発光素子の第二面12との接合界面から溢れ出た未硬化の接合部材32は、波長変換部材20の第一面21の周縁領域21bに押し出され、さらに発光素子10の側面を伝って下降し、波長変換部材20の第一面21から発光素子の第二面12に向かって傾斜する傾斜面31が形成される。
(光反射部材40)
【0051】
光反射部材40は、接合部材32及び波長変換部材20を被覆するための部材である。光反射部材40を構成する樹脂材料には、シリコーン樹脂、ジメチルシリコーン樹脂、フェニルシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの透光性樹脂が好適に利用できる。また光反射部材40は、発光素子10が発する光を効率良く反射させるため、反射率を高めた光反射性樹脂とすることが好ましい。例えば透光性樹脂に、光反射性物質を分散させたものが使用できる。光反射性物質としては、例えば、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、チタン酸カリウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ムライトなどが好適である。光反射性物質は、粒状、繊維状、薄板片状などが利用できるが、特に、繊維状のものは光反射部材の熱膨張率を低下させる効果も期待できるので好ましい。光反射部材40は、発光素子10からの光に対する反射率を70%以上とする。これにより、光反射部材40に達した光が反射されて、波長変換部材20の第二面22に向かうことにより、発光装置の光取出し効率を高めることができる。
【0052】
この光反射部材40は、波長変換部材20の側面を被覆するよう、この側面と接していることが好ましい。このようにすることで、発光領域と非発光領域とのコントラストが高い発光装置とすることができる。また光反射部材40は、発光素子の第一面11と支持部材1との間に位置していることが好ましい。このようにすることで、発光素子10からの光が発光素子の第一面11と支持部材との間に位置する光反射部材40に反射されて支持部材に吸収されることを抑制することができる。光反射部材40は、波長変換部材20の外縁から発光装置の外縁に向かって傾斜し、発光装置の外縁において光反射部材40の厚みが薄くなることが好ましい。このようにすることで、発光装置が波長変換部材20及び光反射部材40を被覆する封止部材50を備える場合に、発光装置の外縁における封止部材50の下面の位置を低くすることができるので、発光装置を薄型化にすることができる。
【0053】
光反射部材40の上面は、波長変換部材20の上面よりも高くすることが好ましい。これにより、波長変換された光や発光素子10が発する光を波長変換部材20の内面で効果的に捕捉して反射させることが可能となる。
(封止部材50)
【0054】
封止部材50は、
図2、
図6等に示すように、波長変換部材20の上面に配置される。この封止部材50は、平面視を円形状で断面視を半円球状のレンズ部51と、レンズ部51の外周側に延出する鍔部52とを備えている。また封止部材50は、透光性を有する封止部材が利用できる。封止部材50は、透光性樹脂、ガラス等が使用できる。特に、透光性樹脂が好ましく、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂などの熱可塑性樹脂を用いることができる。特に、耐光性、耐熱性に優れるシリコーン樹脂が好適である。また封止部材50には、粘度を調整する等の目的で、各種のフィラー等を含有させてもよい。
【0055】
ただ、封止部材は必須でなく、
図11に示す他の変形例に示すように、封止部材を備えない発光装置400とすることもできる。例えばレンズ部による集光を必要としない用途等において好適に利用できる。
【0056】
また発光装置100は、発光素子10を過電流による破壊から保護する保護素子を備えてもよい。保護素子は、光反射部材40に埋設することができる。このような保護素子としては、例えばツェナーダイオードやコンデンサなどを用いることができる。片面電極の保護素子であれば、ワイヤレスでフェイスダウン実装できるので好ましい。
[実施形態2]
【0057】
上述した実施形態1においては、光反射部材40が、
図4等に示すように内面を平坦な壁状とする枠状に形成された例を示した。また
図6の断面図に示すように、光反射部材40の内面の下方においては傾斜面状に形成した。ただ本発明は、光反射部材をこのような形態に限定するものでなく、例えば断面視において直線状あるいは折れ線状に形成する他、曲面状に形成してもよい。このような例を実施形態2に係る発光装置200として、
図12~
図14に示す。これらの図において、
図12は実施形態2に係る発光装置200を示す分解斜視図を、
図13は
図12の発光装置200を更に分解した分解斜視図を、
図14は実施形態2に係る発光装置200を示す断面図を、それぞれ示している。これらの図に示す発光装置200は、光反射部材40Bを、下に凸状としたドーム状に形成している。
図14の断面図に示すように光反射部材40Bの傾斜面によって、発光素子10からの光を連続的に反射させて、反射光の集中による輝度ムラを抑制できる。また
図4においては矩形状の枠状に形成していたのに対し、
図12、
図13の例では円環状に形成している。この構成によって矩形状の場合と比べて、矩形を構成する辺同士が接する隅部での反射光の集中を避け、平面視における輝度ムラも抑制できる。
【0058】
さらに
図14の例では、波長変換部24の端面と光反射部材40Bの内面との隙間d2を、
図6の例における発光素子10の端面と光反射部材40の内面との隙間d1と比べて広く取ることにより、発光素子10が発する光であって波長変換部24で波長変換されない光を、より多くこの隙間d2から外部に取り出すことが可能となり、配光色度ムラの抑制効果を一層高めることが可能となる。
(透光部26)
【0059】
透光部26は、少なくとも波長変換部材20の周辺に形成される。波長変換部24の周囲に透光部26を設けたことで、発光素子10が発した光が波長変換部24で波長変換されることなくこの透光部26を透過する。すなわち、波長変換部24の周囲で、発光素子10の光成分を相対的に強めることができる。
図7に示す例では、発光素子10として青色LED、波長変換部24としてYAGなどの黄色蛍光体を用いて、青色光と黄色光の混色により白色光を得る発光装置を考えると、波長変換部24の中央付近では白色光が得られるものの、周囲に向かうほど波長変換部24で反射、散乱される光の光路長が相対的に長くなる結果、青色光よりも黄色光の成分が強くなる傾向にある。そこで波長変換部24の側面に、波長変換されない青色光を出力させることで色調を調整し、このような配光色度ムラを抑制できる。
【0060】
なお、透光部26は、波長変換部材20の周囲に設けることが好ましいものの、部分的に透光部を設けない部分が生じても、配光色度ムラが顕著にならない限りにおいて許容される。例えば、配光色度ムラが生じやすい、矩形状の発光素子の隅部近傍には透光部を設けつつ、他の部分には透光部を設けない構成としてもよい。
【0061】
また
図6等の例では、波長変換部24の周囲のみならず、上面も連続して透光部26で被覆している。これにより、波長変換部24の周囲に透光部26を設けやすいという製造工程上の利点が得られる。ただ、波長変換部24の上面側の透光部26がなくても、配光色度ムラの抑制機能は奏するため、上面側の透光部は省略してもよい。例えば波長変換部材の構成後に研磨等により上面側の透光部を削除してもよい。このような例を実施形態3に係る発光装置として、
図15に示す。特に、波長変換部24の上面を透光部26から表出させつつも、封止部材50で上面を被覆することによって、波長変換部24の表面を封止部材50でもって保護することができる。
【0062】
波長変換部材20を構成する透光部26は、封止部材50と共通化してもよい。なお実施形態1においては、
図6の断面図に示したように発光素子10の側面と光反射部材40の傾斜面との間を、透光性の部材30で埋める構成としたが、本発明はこの構成に限定されない。すなわち、
図14の断面図に示すように、発光素子10の側面から波長変換部24の裏面側にかけて、透光性の部材30を逆三角形状に形成すると共に、この透光性の部材30の側面にさらに、透光部26を延在させてもよい。この構成であれば、透光性の部材30と透光部26との界面が、
図6の断面図に示した例では水平面状となっているのに比べ、
図14の例では波長変換部24の下端から斜めに食い込むように傾斜されるので、透光部26の接合強度が向上される。また、波長変換部24と光反射部材40Bとの隙間d2は、必ずしも透光部26などで充填する必要はなく、一部或いは全部を空洞としてもよい。これにより、発光装置の光束を向上させることができる。
(実施形態1に係る発光装置100の製造方法)
【0063】
次に、実施形態1に係る発光装置100の製造方法を
図16~
図20に基づいて説明する。まず蛍光体を含む波長変換部24と、波長変換部24の周囲に透光部26を有する波長変換部材20を準備する。例えば
図16に示すように凹部26cを複数
離隔させて形成した透光性部材26bを準備する。透光性部材26bは透光部26を構成する部材であり、透光性を有する樹脂製のシート材、例えばシリコーン樹脂製のシートが利用できる。また透光性部材26bは樹脂製のシート材に限らず、ガラスシート等を用いてもよい。一方で凹部26cは、平面視において円形状や楕円形状、或いは矩形状とする。
【0064】
次に
図17に示すように、各凹部26cに、波長変換部24を構成する蛍光体を混入した樹脂24bを充填する。さらに
図18に示すように、シリコーン樹脂製のシートを個片化してブロック状に切り出す。これによって波長変換部材20の個片ブロック27が得られる。
【0065】
次に、予め用意された支持体1に配置された発光素子10の上に、波長変換部材20を配置する。支持体1上には発光素子10がフリップチップ実装されている。なお発光素子10は、平面視において波長変換部材20よりも小さく形成する。この支持体1の上面に、
図19に示すように、個片ブロック27を反転させて蛍光体すなわち波長変換部24が下面側を向く姿勢とした波長変換部材20を載置する。この状態で、支持体1に透光性の部材30が、発光素子10の側面と、透光部26の一部を覆うように配置する。これを実現するため、透光性の
接着剤を、発光素子10の上面と波長変換部24との界面に塗布する。そして発光素子10の上面に波長変換部24を載せると、はみ出た
接着剤が発光素子10の側面から波長変換部材20の周辺にかけて延在されて付着し、フィレット状をなして硬化される。この透光性の
接着剤には、封止部材50と同様の材料が使用でき、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂が好適に利用される。また、はみ出た
接着剤で透光性の部材30を構成する他、別途、透光性の部材を発光素子10の側面と光反射部材40の間に付加してもよい。
【0066】
さらに支持体1に光反射部材40を配置する。ここでは
図20に示すように、支持体1の上面の周囲で、波長変換部材20及び透光性の部材30の側面を覆うように、白色の樹脂を形成する。
【0067】
最後に、波長変換部材20及び光反射部材40の上面に封止部材50を設ける。これによって
図6の断面図に示すような発光装置100が得られる。
(実施形態3に係る発光装置300の製造方法)
【0068】
次に、実施形態3に係る発光装置300の製造方法の一例を
図21~
図30に基づいて説明する。まず
図21に示すように、透光性部材26dを準備する。透光性部材26dは上述した透光性部材26bと同じく、透光部26を構成する部材であり、透光性を有する樹脂製のシート材、例えばシリコーン樹脂製のシートが利用できる。
【0069】
次に
図22に示すように、透光性部材26dに穴部26eを形成する。穴部26eは、所定の大きさで、シート状の透光性部材26dに一定間隔で形成される。穴部26eの形状は、円形状や楕円形状、矩形状や多角形状等を選択することができる。ここでは、
図23の斜視図に示すように円形状としている。このような穴部26eは、例えばパンチング等の加工により形成される。
【0070】
さらに
図24に示すように、透光性部材26dの穴部26eに、波長変換部24を配置する。ここでは、穴部26eに、波長変換部24を構成する蛍光体を混入した樹脂24cを充填して硬化させる。ここでは、蛍光体を混入した樹脂24cの配置の方法は、印刷による塗布、ポッティングやスプレー等の方法を選択することができる。
【0071】
そして蛍光体を含む樹脂24cを硬化させた後、
図25に示すように透光性部材26dを、所定の大きさに個片化する。個片化にはダイシングなどが利用できる。切り出して個片化した個片ブロック27bは、矩形状や多角形状等、任意の形状とできる。ここでは
図26の斜視図に示すように、正方形状の個片ブロック27bとしている。また各個片ブロック27bは、それぞれ蛍光体を含む樹脂24cを含むように切断する。ここでは一の個片ブロック27bが、蛍光体を含む樹脂24cを一含むように切り出しているが、一の個片ブロックが蛍光体を含む複数の樹脂24cを含むように個片ブロックを形成してもよい。このようにして得られた個片ブロック27bは、波長変換部24の周囲に透光部26を配置した波長変換部材20を構成する。
【0072】
次に、個片ブロック27bを発光素子10に接合する。ここでは、
図27に示すように予め支持体1に発光素子10を実装しておく。この例では支持体1上に発光素子10がフリップチップ実装されている。この発光素子10も、平面視において波長変換部材20よりも小さく形成することが好ましい。この支持体1の上面に個片ブロック27bを、透光性の
接着剤を用いて接合する。透光性の
接着剤を、接合界面である発光素子10の上面と個片ブロック27bの下面のいずれか又は両方に塗布して、発光素子10の上面に個片ブロック27bを載せると、
接着剤が発光素子10の接合界面からはみ出して周囲に拡がり、発光素子10の側面から個片ブロック27bの下面周辺に延在され、
図27に示すように断面が逆三角形のフィレット状に形成される。この透光性の
接着剤が硬化されて透光性の部材30が形成される。透光性の
接着剤には、上述の通り封止部材50と同様の材料が使用でき、例えばシリコーン樹脂、エポキシ樹脂等が好適に利用される。
【0073】
さらに支持体1に光反射部材40を配置する。ここでは
図28に示すように、支持体1の上面で、波長変換部材20及び透光性の部材30の側面を覆うように、拡散材を含む白色の樹脂を配置して硬化させ、光反射部材40を形成する。
【0074】
最後に、
図29に示すように波長変換部材20及び光反射部材40の上面に、封止部材50を設ける。これによって
図30の平面図に示すような発光装置300が得られる。
(実施形態4に係る発光装置400の製造方法)
【0075】
以上の方法では、先に透光部26に当たる透光性樹脂シート材を準備し、穴部を形成して波長変換部24に当たる蛍光体を含む樹脂24cを充填する手順を採用した。ただ、本発明は発光装置の製造方法のこの手順に限定するものでなく、先に波長変換部を準備した上で、その周囲に透光部を配置するようにしてもよい。このような発光装置として実施形態4に係る発光装置400の製造方法を、以下
図31~
図40に基づいて説明する。まず
図31に示すように、蛍光体を含む樹脂シート材24dを準備する。樹脂シート材24dとして、例えば蛍光体を分散させたシリコーン樹脂製シートを作製する。
【0076】
次に
図32に示すように、蛍光体を含む樹脂シート材24dに、溝部26fを形成する。この例では、蛍光体を含む樹脂シート材24dを支持体24f上に配置した状態で、溝部26fを形成している。溝部26fは、所定のパターンで蛍光体を含む樹脂シート材24dを分割する。
図33の斜視図に示す例では、蛍光体を分散させたシリコーン製シートに碁盤目状に溝部26fを形成して、矩形状の蛍光体ブロック24eに分割している。溝部26fの形成には、例えばダイシングが利用できる。また分割された蛍光体ブロック24eを保持できるよう、樹脂シート材24dは支持体24f上に載置する他、治具や基材となるシート上に載置することが好ましい。
【0077】
次に
図34に示すように、蛍光体ブロック24eの周囲に透光部26を形成する。例えば溝部26fに透光性のシリコーン樹脂を流し込む。透光性シリコーン樹脂を硬化させることで、蛍光体ブロック24eの周囲に透光部26が形成される。
【0078】
さらに
図35に示すように、透光部26を形成した樹脂シート材24dを所定の大きさに個片化する。個片化した個片ブロック27cは、矩形状や多角形状等、任意の形状とできる。ここでは
図36の斜視図に示すように、正方形状の個片ブロック27cとしている。また各個片ブロック27cは、それぞれが蛍光体ブロック24eを含むように切断する。ここでは一の個片ブロック27cが、蛍光体ブロック24eを一含むように切り出しているが、上記と同様に一の個片ブロックが複数の蛍光体ブロックを含むように個片ブロックを形成してもよい。このようにして得られた個片ブロック27cは、波長変換部24の周囲に透光部26を配置した波長変換部材20を構成する。
【0079】
以下、同様に個片ブロック27cを発光素子10に接合する。ここでも、
図37に示すように予め支持体1に発光素子10を実装しておく。この支持体1の上面に個片ブロック27cを、透光性の
接着剤を用いて接合する。透光性の
接着剤が発光素子10の接合界面からはみ出して周囲に拡がり、発光素子10の側面から個片ブロック27cの下面周辺に延在されてフィレット状に形成され、硬化されて透光性の部材30が形成される。
【0080】
さらに
図38に示すように支持体1に光反射部材40を配置し、
図39に示すように波長変換部材20及び光反射部材40の上面に、封止部材50を設ける。これによって
図40の平面図に示す発光装置400が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明の実施形態に係る発光装置は、例えば、LEDディスプレイ、液晶表示装置などのバックライト光源、照明用光源、ヘッドライト、信号機、照明式スイッチ、各種センサ及び各種インジケータ等に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0082】
100、100’、100”、200、300、400…発光装置
1…支持体
2…導電部材
10、10’…発光素子
11…発光素子の第一面
12…発光素子の第二面
20…波長変換部材
21…波長変換部材の第一面
21b…波長変換部材の第一面の周縁領域
22…波長変換部材の第二面
24、24’…波長変換部
24b、24c…蛍光体を含む樹脂
24d…蛍光体を含む樹脂シート材
24e…蛍光体ブロック
24f…支持体
26…透光部
26b、26d…透光性部材;26c…凹部;26e…穴部;26f…溝部
27、27b、27c…個片ブロック
30…透光性の部材
31…傾斜面
32…接合部材
40、40B…光反射部材
50…封止部材
51…レンズ部
52…鍔部