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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-03
(45)【発行日】2023-10-12
(54)【発明の名称】位置推定方法及び位置推定システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/042 20060101AFI20231004BHJP
   G01C 21/28 20060101ALI20231004BHJP
   G09B 29/10 20060101ALI20231004BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20231004BHJP
【FI】
G08G1/042 A
G01C21/28
G09B29/10 A
G09B29/00 A
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021558476
(86)(22)【出願日】2020-11-20
(86)【国際出願番号】 JP2020043476
(87)【国際公開番号】W WO2021100865
(87)【国際公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-08-05
(31)【優先権主張番号】P 2019211864
(32)【優先日】2019-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000116655
【氏名又は名称】愛知製鋼株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129654
【弁理士】
【氏名又は名称】大池 達也
(72)【発明者】
【氏名】山本 道治
(72)【発明者】
【氏名】青山 均
【審査官】秋山 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-036797(JP,A)
【文献】国際公開第2018/056391(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/042
G01C 21/28
G09B 29/10
G09B 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走路の表面をなす路面から作用する磁気を計測する磁気センサを備える車両が自車位置を推定するための位置推定方法であって、
前記磁気センサによる磁気計測値を取得する磁気計測処理と、
前記磁気計測処理により取得された磁気計測値に基づく磁気データの分布を表す計測磁気分布を生成する磁気分布生成処理と、
路面の各点の磁気量に基づく磁気データの分布を表す路面磁気分布が対応付けられた地図を参照することにより、前記路面磁気分布のうち前記計測磁気分布に対応する領域を特定し、当該計測磁気分布に対応する領域の前記地図上の位置に基づいて前記自車位置を推定する位置推定処理と、を含み、
前記磁気計測値に基づく磁気データ、及び前記路面の各点の磁気量に基づく磁気データは、磁気勾配であって、前記計測磁気分布及び前記路面磁気分布は、磁気勾配の分布である位置推定方法。
【請求項2】
走路の表面をなす路面から作用する磁気を計測する磁気センサを備える車両が自車位置を推定するための位置推定方法であって、
前記磁気センサによる磁気計測値を取得する磁気計測処理と、
前記磁気計測処理により取得された磁気計測値に基づく磁気データの分布を表す計測磁気分布を生成する磁気分布生成処理と、
路面の各点の磁気量に基づく磁気データの分布を表す路面磁気分布が対応付けられた地図を参照することにより、前記路面磁気分布のうち前記計測磁気分布に対応する領域を特定し、当該計測磁気分布に対応する領域の前記地図上の位置に基づいて前記自車位置を推定する位置推定処理と
前記路面磁気分布を、前記磁気センサの取付高さの分布に変換する変換処理と、を含み、
前記位置推定処理において、前記変換処理による変換後の分布と前記計測磁気分布とを照合して、前記計測磁気分布に対応する領域を特定する位置推定方法。
【請求項3】
走路の表面をなす路面から作用する磁気を計測する磁気センサを備える車両が自車位置を推定するための位置推定方法であって、
前記磁気センサによる磁気計測値を取得する磁気計測処理と、
前記磁気計測処理により取得された磁気計測値に基づく磁気データの分布を表す計測磁気分布を生成する磁気分布生成処理と、
路面の各点の磁気量に基づく磁気データの分布を表す路面磁気分布が対応付けられた地図を参照することにより、前記路面磁気分布のうち前記計測磁気分布に対応する領域を特定し、当該計測磁気分布に対応する領域の前記地図上の位置に基づいて前記自車位置を推定する位置推定処理と
前記計測磁気分布を、路面の高さの分布に変換する変換処理と、を含み、
前記位置推定処理において、前記変換処理による変換後の分布と前記路面磁気分布とを照合して、前記計測磁気分布に対応する領域を特定する位置推定方法。
【請求項4】
請求項2または3において、前記磁気計測値に基づく磁気データ、及び前記路面の各点の磁気量に基づく磁気データは、磁気勾配であって、前記計測磁気分布及び前記路面磁気分布は、磁気勾配の分布である位置推定方法。
【請求項5】
請求項2~4のいずれか1項において、前記変換処理は、取付高さが異なる2つの磁気センサによる磁気計測値の比率に応じて分布を変換する処理である位置推定方法。
【請求項6】
請求項~5のいずれか1項において、前記変換処理は、路面に敷設された磁気的な強度が既知の磁気発生源である磁気マーカについて前記磁気センサが取得した磁気計測値の大きさに応じて分布を変換する処理である位置推定方法。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項において、前記走路には、絶対位置を特定可能な状態で磁気発生源としての磁気マーカが間隔を空けて敷設されており、
前記位置推定処理において、前記磁気マーカが車両によって検知された場合に、当該磁気マーカの絶対位置を基準として自車位置を推定する一方、
前記磁気マーカが非検知の場合には、前記計測磁気分布に対応する領域の前記地図上の位置に基づいて前記自車位置を推定する位置推定方法。
【請求項8】
請求項7において、前記磁気マーカが非検知の場合、いずれかの磁気マーカを検知した後の車両の到達位置を推定すると共に当該到達位置が属する前記地図上の範囲を選択し、当該地図上の範囲の中で前記計測磁気分布に対応する領域を特定する位置推定方法。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項において、前記路面磁気分布及び前記計測磁気分布では、路面に敷設された磁気マーカの位置が特定されており、
前記位置推定処理では、前記路面磁気分布のうち前記磁気マーカの位置が一致している領域の中から前記計測磁気分布に対応する領域を特定する位置推定方法。
【請求項10】
走路の表面をなす路面側から作用する磁気を計測する磁気センサを備える車両が自車位置を推定する位置推定システムであって、
路面の各点の磁気量に基づく磁気データの分布である路面磁気分布が対応付けられた地図を記憶する記憶部と、
前記磁気センサによる磁気計測値を取得し、該磁気計測値に基づく磁気データの分布である計測磁気分布を生成する磁気分布生成部と、
前記記憶部が記憶する地図に対応付けられた路面磁気分布のうち前記計測磁気分布に対応する領域を特定し、当該計測磁気分布に対応する領域の前記地図上の位置に基づいて前記自車位置を推定する位置推定部と、を含み、
前記路面は、磁性材料の粉末である磁粉が分散する舗装材料よりなる舗装の表面であり、該舗装の中に分散している前記磁粉は、前記路面の磁気分布が所定パターンをなすように磁化されている位置推定システム。
【請求項11】
走路の表面をなす路面側から作用する磁気を計測する磁気センサを備える車両が自車位置を推定する位置推定システムであって、
路面の各点の磁気量に基づく磁気データの分布である路面磁気分布が対応付けられた地図を記憶する記憶部と、
前記磁気センサによる磁気計測値を取得し、該磁気計測値に基づく磁気データの分布である計測磁気分布を生成する磁気分布生成部と、
前記記憶部が記憶する地図に対応付けられた路面磁気分布のうち前記計測磁気分布に対応する領域を特定し、当該計測磁気分布に対応する領域の前記地図上の位置に基づいて前記自車位置を推定する位置推定部と、を含み、
前記走路に沿って磁気マーカが敷設されている位置推定システム。
【請求項12】
請求項11において、前記路面は、磁性材料の粉末である磁粉が分散する舗装材料よりなる舗装の表面であり、該舗装の中に分散している前記磁粉は、前記路面の磁気分布が所定パターンをなすように磁化されている位置推定システム。
【請求項13】
請求項11または12において、前記路面磁気分布及び前記計測磁気分布では、前記磁気マーカの位置が特定され、
前記位置推定部は、前記路面磁気分布のうち前記磁気マーカの位置が一致している領域の中から前記計測磁気分布に対応する領域を特定するように構成されている位置推定システム。
【請求項14】
請求項10~13のいずれか1項において、前記磁気計測値に基づく磁気データ、及び前記路面の各点の磁気量に基づく磁気データは、磁気勾配であって、前記計測磁気分布及び前記路面磁気分布は、磁気勾配の分布である位置推定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図上で自車両の位置を推定するための位置推定方法及び位置推定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車線追従走行や自動運転など、車両の運転を支援するための技術が各種提案され(例えば特許文献1参照。)、実現に向けての技術開発が盛んである。自動運転などの高度な運転支援を実現するため、走行環境を表す精度の高い3次元地図が提案され、活用されている。
【0003】
例えば、下記の特許文献2には、レーンマークや縁石などの3次元的な位置情報を含む高精度な3次元地図が記載されている。このような高精度の3次元地図は、走行環境の3次元構造を精度高く把握するために有効である。走行環境の3次元構造を高精度に把握することは、車線追従走行や自動運転などの実現に必須である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-34251号公報
【文献】特開2013-186718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
高精度な3次元地図が利用可能であっても、その3次元地図における自車両の位置推定の精度が十分でない場合、3次元地図の高精度を十分に活かすことができず、高精度な運転支援を実現できないおそれがある。
【0006】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、地図上で自車両の位置を推定するための方法及びシステムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、走路の表面をなす路面から作用する磁気を計測する磁気センサを備える車両が自車位置を推定するための位置推定方法であって、
前記磁気センサによる磁気計測値を取得する磁気計測処理と、
前記磁気計測処理により取得された磁気計測値に基づく磁気データの分布を表す計測磁気分布を生成する磁気分布生成処理と、
路面の各点の磁気量に基づく磁気データの分布を表す路面磁気分布が対応付けられた地図を参照することにより、前記路面磁気分布のうち前記計測磁気分布に対応する領域を特定し、当該計測磁気分布に対応する領域の前記地図上の位置に基づいて前記自車位置を推定する位置推定処理と、を含む位置推定方法にある。
【0008】
本発明の一態様は、走路の表面をなす路面側から作用する磁気を計測する磁気センサを備える車両が自車位置を推定する位置推定システムであって、
路面の各点の磁気量に基づく磁気データの分布である路面磁気分布が対応付けられた地図を記憶する記憶部と、
前記磁気センサによる磁気計測値を取得し、該磁気計測値に基づく磁気データの分布である計測磁気分布を生成する磁気分布生成部と、
前記記憶部が記憶する地図に対応付けられた路面磁気分布のうち前記計測磁気分布に対応する領域を特定し、当該計測磁気分布に対応する領域の前記地図上の位置に基づいて前記自車位置を推定する位置推定部と、を含む位置推定システムにある。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、地図中で前記自車位置を推定するための発明である。前記路面磁気分布が対応付けされた前記地図は、車両側で取得される前記計測磁気分布の照合が可能である。前記路面磁気分布のうち前記計測磁気分布に対応する領域を特定できれば、その計測磁気分布に対応する領域の地図上の位置に基づいて自車位置を推定できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例1における、地図の構成を説明する図。
図2】実施例1における、車両の正面図。
図3】実施例1における、車両が備える構成を示すブロック図。
図4】実施例1における、車両の上面図。
図5】実施例1における、位置推定方法の手順を示すフロー図。
図6】実施例1における、運動推定処理の説明図。
図7】実施例1における、車両が直進状態のときの運動推定結果を例示する図。
図8】実施例1における、車両がコーナリング状態のときの運動推定結果を例示する図。
図9】実施例1における、車両が直進状態の計測磁気分布の領域を例示する図。
図10】実施例1における、車両がコーナリング状態の計測磁気分布の領域を例示する図。
図11】実施例1における、路面磁気分布に基づく変換磁気分布と計測磁気分布との照合処理の説明図。
図12】実施例1における、1次元磁気分布の照合範囲を例示する図。
図13】実施例2における、磁気マーカが敷設された道路の上面図。
図14】実施例2における、位置推定方法の手順を示すフロー図。
図15】実施例2における、磁気マーカを通過する際の進行方向の磁気計測値の変化を例示する説明図。
図16】実施例2における、車幅方向に配列された磁気センサCnによる車幅方向の磁気計測値の分布を例示する説明図。
図17】実施例2における、磁気マーカの位置がプロットされた計測磁気分布を例示する図。
図18】実施例2における、計測磁気分布の照合処理の説明図。
図19】実施例3における、RF-IDタグが取り付けられた磁気マーカを示す斜視図。
図20】実施例3における、車両が備える構成を示すブロック図。
図21】実施例3における、磁気マーカを通過後の車両の到達位置が属する範囲を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明において、路面磁気分布及び計測磁気分布を構成する磁気データとしては、磁気量あるいは磁気計測値そのもののほか、磁気勾配が好適である。磁気勾配は、例えば、路面上の2か所の磁気量あるいは磁気計測値の差分により求めることができる。例えば、磁気センサが配列されたセンサアレイを利用して路面上の磁気を計測する場合であれば、例えば、隣り合う磁気センサによる磁気計測値の差分により磁気勾配を求めることができる。また例えば、一の磁気センサによる異なる時点の磁気計測値の差分により時間的な磁気勾配を求めることも良い。さらに例えば、時間的な磁気勾配をなすこのような差分を2つの磁気センサについてそれぞれ求め、当該2つの磁気センサ間でさらに差分をとることで磁気勾配を求めることも考えられる。
【0012】
磁気勾配では、磁気センサに対して一様、あるいは一様に近く作用する磁気成分が抑制されている。それ故、磁気勾配では、比較的遠くに存在する磁気発生源から作用する磁気成分が抑制され、比較的近くに存在する路面等の磁気発生源から作用する磁気成分が相対的に強調されている。したがって、路面磁気分布及び計測磁気分布を構成する磁気データとして磁気勾配を採用すれば、周囲の車両や、ガードレールや、看板などの磁気発生源による影響や、地磁気による影響を抑制でき、路面上の磁気が精度高く反映された分布になる。
【0013】
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
本例は、地図上で自車両の位置を精度高く推定するための位置推定方法及び位置推定システム1Sに関する例である。この内容について、図1図12を用いて説明する。
【0014】
位置推定システム1Sは、路面100S(図2)の各点の磁気量に基づく磁気データの分布(磁気分布)を利用して自車両の位置(自車位置)を推定するシステムである。道路(走路の一例)100の表面をなす路面100Sは、舗装材料により形成されている。舗装材料には、金属粉などの磁性材料の混入が不可避である。路面100Sに露出するマンホールや橋の継ぎ目(伸縮装置)などは金属製のものが多く、磁気発生源となり得る。それ故、路面100Sの各点の磁気の大きさは、一定ではなく大小が生じている。
【0015】
路面100Sの磁気分布は、例えば路面100Sを撮像カメラで真上から撮影して得られる画像の各点の明るさのばらつき、すなわち輝度分布と分布の態様が似ている。路面100Sの磁気分布は、対象とする物理量が輝度分布とは異なるが、輝度分布が路面100Sの輝度的な模様を表すのと同様、路面100Sの磁気的な模様を表している。本例の位置推定システム1Sは、路面100Sの各点の磁気量に基づく磁気データの分布である路面磁気分布を利用して自車位置を推定する。なお、本例では、磁気量そのものを磁気データとして採用している。したがって、本例の路面磁気分布は、路面100Sの各点の磁気量である磁気データの分布である。
【0016】
位置推定システム1Sが利用する地図1図1)では、道路構造などが表された構造地図M1に対して路面磁気分布M2が対応付けられている。構造地図M1と路面磁気分布M2とは、絶対位置を表す位置データによって対応付けられている。路面磁気分布M2における位置は、構造地図M1上の位置に一意に対応している。車両が計測した路面100Sの磁気分布と同じ分布パターンの領域を路面磁気分布M2の中で特定できれば、その領域の位置に基づいて地図1上での自車位置を推定できる。
【0017】
この位置推定システム1Sは、例えば車両の自動運転を実現するための自動運転システム(図示略)と組合せ可能である。例えば自動運転システムは、位置推定システム1Sが推定した自車位置を利用して、前方の走行環境の構造を把握する。例えば3次元地図を採用すれば、前方の走行環境の3次元構造を把握でき、高精度な自動走行を実現できる。
【0018】
路面100Sの各点の磁気量である磁気データの分布を表す路面磁気分布M2は、例えば、RTK-GPSユニットやIMUなどを含む高精度な測位システムと、磁気センサが車幅方向に沿って配列された磁気計測ユニットと、を備える計測車両(図示略)を利用して生成可能である。RTK-GPS(RealTime Kinematic Global Positioning System)は、基準局を利用して測位精度をcm単位まで高める公知のシステムである。IMU(Inertial Measurement Unit)は、慣性航法により車両の相対位置を推定する公知のユニットである。IMUは、方位を計測する電子コンパス、加速度センサ、ジャイロセンサなどを備え、基準となる位置に対する相対位置を演算する。IMUが推定する相対位置を利用すれば、GPS電波が不安定なビルの谷間やトンネル等であっても、高精度な測位を実現できる。
【0019】
磁気計測ユニットは、路面100Sとの高さを一定に自動調整する機構を介して車両に取り付けると良い。磁気計測ユニットの路面100Sからの高さを一定にすれば、路面100Sの各点の磁気分布を精度高く計測可能である。RTK-GPSユニットやIMUなどの高精度な測位システムを有する計測車両(図示略)であれば、磁気計測ユニットが計測した路面100Sの各点の磁気量である磁気データに、高精度の位置データが対応付けられた路面磁気分布M2を生成可能である。
【0020】
位置推定システム1Sを構成する車両5は、図2及び図3のごとく、磁気センサCnが車幅方向に複数配列されたセンサアレイ2、地図1図1)を格納する地図データベース(地図DB)40、各種の演算を実行する制御ユニット32等を備えている。さらに、制御ユニット32には、GPS衛星を利用した測位演算等を実行するGPSユニット351、操舵方向を検出するステアリング舵角センサ353、車速センサ355、センサアレイ2の高さを計測するための高さセンサ357等が接続されている。地図DB40は、路面磁気分布M2が対応付けられた地図1を記憶する記憶部の一例である。
【0021】
高さセンサ357は、超音波式の測距センサである。高さセンサ357は、センサアレイ2の路面100Sからの高さを計測できるよう、センサアレイ2の近傍に取り付けられている。高さセンサ357が計測する高さは、磁気センサCnの取付高さとして取り扱いされる。なお、ロールによる車体の傾きに対応できるよう、車幅方向の2か所以上に高さセンサを配置することも良い。この場合には、車幅方向の位置が異なる複数の磁気センサCnの取付高さをそれぞれ把握でき、これにより、車体の傾きを特定できる。なお、高さセンサ357は、レーザ式の測距センサであっても良い。
【0022】
センサアレイ2は、15個の磁気センサCn(nは1~15の整数)と、図示しないCPU等を内蔵した検出処理回路20と、を備える細長い棒状のユニットである。センサアレイ2では、15個の磁気センサCnが一定の間隔(0.1m)を空けて一直線上に配列されている。センサアレイ2は、例えば車両5のフロントバンパーの内側において、路面100Sと対面する状態で車幅方向に沿うように取り付けられる(図2図4)。本例の車両5の場合、路面100Sを基準としたセンサアレイ2の取付け高さが200mmとなっている。磁気センサCnは、路面100S側から作用する磁気を計測する。
【0023】
磁気センサCnは、アモルファスワイヤなどの感磁体のインピーダンスが外部磁界に応じて敏感に変化するという公知のMI効果(Magneto Impedance Effect)を利用して磁気を検出するセンサである。本例の磁気センサCnは、磁束密度の測定レンジが±0.6mTであって、測定レンジ内の磁束分解能が0.02μTという高感度の検出性能を有している。
【0024】
磁気センサCnでは、直交する2軸方向に沿って感磁体が配置され、これら直交する2軸方向に作用する磁気の検出が可能となっている。本例では、車幅方向に沿って計測車両11に取り付けられたセンサアレイ2が進行方向及び車幅方向の磁気成分を検出できるよう、磁気センサCnがセンサアレイ2に組み込まれている。
【0025】
なお、磁気センサCnによる磁気成分の検出方向は1方向のみであっても良い。この場合、鉛直方向に作用する磁気を検出するように磁気センサをセンサアレイに組み込むことも良い。互いに直交する3軸方向の磁気を検出する磁気センサを採用することも良い。
【0026】
検出処理回路20(図3)は、磁気センサCnを制御して磁気を検出し、磁気量を計測する処理などを実行する回路である。この検出処理回路20は、各種の演算を実行するCPU(central processing unit)のほか、ROM(read only memory)やRAM(random access memory)などのメモリ素子等を利用して構成されている。検出処理回路20は、3kHzの頻度で磁気計測処理が実行されるように磁気センサCnを制御する。検出処理回路20は、磁気計測処理により各磁気センサCnから進行方向及び車幅方向の磁気成分を取得する。
【0027】
検出処理回路20は、各磁気センサCnによる進行方向の磁気成分と車幅方向の磁気成分とを合成する。そして、検出処理回路20は、進行方向と車幅方向とにより規定される水平面に沿って作用する磁気の大きさを磁気センサCn毎に求め、各磁気センサCnの磁気計測値である15個の磁気データを外部に出力する。ここで、本例では、磁気センサCnの磁気計測値そのものを磁気データとして採用している。
【0028】
上記の通り、センサアレイ2は、0.1m間隔で15個の磁気センサCnが車幅方向に沿って位置するように車両5に取り付けられる。センサアレイ2が出力する磁気センサCnの15個の磁気計測値である磁気データは、車幅方向の1.5m(0.1×15)幅の1次元的な範囲の磁気分布(以下、1次元磁気分布という。)を示している。
【0029】
制御ユニット32は、地図1図1参照。)上で自車位置を推定するための演算等を実行するユニットである。制御ユニット32は、各種の演算を実行するCPUのほか、ROMやRAMなどのメモリ素子等が実装された電子基板(図示略)を備えている。制御ユニット32は、運動推定部321、磁気分布生成部323、変換処理部325、位置推定部327、としての機能を備えている。
【0030】
運動推定部321は、車両5の運動を推定する運動推定処理を実行する。詳しくは図6を参照して後述するが、運動推定部321は、車両5の運動を、向きの変動を伴わない並進運動の成分と、向きの変動である回転運動の成分と、に分解することで車両5の運動を推定する。
【0031】
磁気分布生成部323は、センサアレイ2から取得する1次元磁気分布に基づいて2次元的な計測磁気分布を生成するための磁気分布生成処理を実行する。磁気分布生成部323は、運動推定部321が推定した車両5の運動を利用し、計測磁気分布を生成する。この計測磁気分布は、磁気計測処理により取得された磁気計測値の2次元的な分布である。
【0032】
変換処理部325は、地図1に対応付けられた路面磁気分布M2を、計測磁気分布との照合に適した磁気分布に変換するための変換処理を実行する。変換処理部325は、路面磁気分布M2に変換処理を施すことで、磁気センサCnの取付高さの磁気分布(適宜、変換磁気分布という。)に変換する。
【0033】
位置推定部327は、地図1上で自車位置を推定する位置推定処理を実行する。位置推定部327は、地図1を参照して計測磁気分布に対応する領域を特定し、この対応する領域の地図1上の位置に基づいて自車位置を推定する。具体的には、位置推定部327は、地図1を構成する路面磁気分布M2のうち、計測磁気分布に対応する領域を特定する。
【0034】
車両5は、図5の処理フローを走行中に繰り返し実行し、自車位置を推定する。車両5の走行中では、センサアレイ2が磁気計測処理を実行して1次元磁気分布を取得し、制御ユニット32に入力する(S101)。制御ユニット32は、計測車速、計測操舵角に基づいて車両5の運動を推定し(S103、運動推定処理)、センサアレイ2が対面する路面上の1次元領域の位置的な変位を推定する。
【0035】
制御ユニット32は、センサアレイ2が対面する路面上の1次元領域の位置的な変位に従って、センサアレイ2が取得した1次元磁気分布を積み上げて2次元的な計測磁気分布を生成する(S105、磁気分布生成処理)。また、制御ユニット32は、構造地図M1図1参照。)に対応付けられた路面磁気分布M2を、磁気センサCnの取付高さの磁気分布である変換磁気分布に変換する(S107、変換処理)。そして、制御ユニット32は、路面磁気分布M2のうちの計測磁気分布の対応領域を特定することで、自車位置を推定する(S109、位置推定処理)。
【0036】
次に、図5の処理フローを構成する(A)磁気計測処理、(B)運動推定処理、(C)磁気分布生成処理、(D)変換処理、(E)位置推定処理、の内容を説明する。
(A)磁気計測処理
磁気計測処理は、センサアレイ2が実行する処理である。センサアレイ2は、15個の磁気センサCnによる磁気計測処理を3kHzの頻度で実行する。センサアレイ2は、磁気センサCnによる15個の磁気計測値を3kHzの頻度で取得し、15個の磁気計測値である磁気データを同じ頻度で制御ユニット32に入力する。上記のごとく、センサアレイ2が制御ユニット32に入力する15個の磁気計測値である磁気データは、車幅方向に沿う1次元的な離散値の分布である。この1次元的な離散値の分布である1次元磁気分布の幅は、センサアレイ2において磁気センサCnが配置された範囲に等しい1.5mである。なお、センサアレイ2は、1次元磁気分布に対して識別情報をひも付けて、制御ユニット32に入力する。1次元磁気分布にひも付けられた識別情報は、計測磁気分布を構成する1次元磁気分布を識別するために利用可能である。
【0037】
(B)運動推定処理
運動推定処理は、車両5の運動を推定するために制御ユニット32(運動推定部321)が実行する処理である。制御ユニット32は、車速センサ355による計測車速、ステアリング舵角センサ353による計測操舵角を利用し、車両5の運動を推定する。後述する通り、本例の制御ユニット32は、並進運動の成分と、回転運動の成分と、に分解することで、車両5の運動を推定する。
【0038】
制御ユニット32は、3kHzの頻度で実行される磁気計測処理のインターバル期間(1/3000秒間)における車両5の運動を、計測車速及び計測操舵角を利用して推定する。この車両5の運動は、計測操舵角で特定される操舵方向に沿って、1/3000秒間の間、計測車速の速度で前進する運動である。なお、本例の制御ユニット32は、センサアレイ2の中央(磁気センサC8の位置)を車両5の代表点に設定し、センサアレイ2の中央の運動を推定する。
【0039】
車両5がカーブを走行するとき、センサアレイ2の中心の運動は、例えば図6中の円弧状の矢印の運動Moである。この運動Moは、並進運動の成分を表す同図中のベクトルVと、回転運動の成分を表す回頭角Rと、に分解できる。運動推定処理では、ベクトルVと回頭角Rとに分解することで車両5の運動Moが推定される。ある車両の位置を基準としてベクトルVと回頭角Rとが定まれば、変位後の車両の位置及び姿勢が一意に定まる。
【0040】
上記のごとく本例では、車両5の代表点としてセンサアレイ2の中央を設定している。それ故、センサアレイ2に対面する路面100S上の1次元領域、及びこの1次元領域の磁気分布である1次元磁気分布の位置的な変位は、車両5の運動Moと一致する。センサアレイ2に対面する路面100S上の1次元領域、及び1次元磁気分布の位置的な変位は、上記の運動推定処理で推定したベクトルVと回頭角Rとにより特定可能である。
【0041】
(C)磁気分布生成処理
磁気分布生成処理は、センサアレイ2を用いて計測した路面100S上の磁気分布である計測磁気分布を生成するために制御ユニット32(磁気分布生成部323)が実行する処理である。制御ユニット32は、センサアレイ2による15個の磁気計測値である磁気データで構成される上記の1次元磁気分布を3kHzの頻度で取り込み、2次元的な計測磁気分布を生成する。
【0042】
計測磁気分布は、車両5のセンサアレイ2が”ラインスキャナー”のように路面100Sを走査して取得される。この計測磁気分布の領域は、センサアレイ2が走査した領域である。制御ユニット32は、新たな1次元磁気分布を取得して計測磁気分布に組み入れる際、この計測磁気分布のうち、取得時点が最も古い1次元磁気分布を消去する。このような手順によれば、センサアレイ2に対面する路面100S上の1次元領域を起点とし、車両5の走行軌跡に沿って延びる1.5m幅の2次元領域の磁気分布を、計測磁気分布として生成できる。なお、本例では、計測磁気分布の長手方向(車両の進行方向に相当。)の寸法が所定距離になるように、車速に応じて1次元磁気分布の組み入れ回数を可変としている。計測磁気分布の長手方向の寸法は、例えば2m~10m程度が良い。
【0043】
新たな1次元磁気分布を計測磁気分布に組み入れる際の既存の計測磁気分布Aと、新たに組み入れる1次元磁気分布L2と、の位置関係について、図7及び図8を用いて説明する。既存の計測磁気分布Aの中の最も新しい1次元磁気分布L1と、新たに組み入れる1次元磁気分布L2と、の位置関係は、運動推定処理で推定されたベクトルVと回頭角Rとにより表現できる。
【0044】
図7は、例えば車両5が直進する場合の1次元磁気分布L1とL2との位置関係を示している。この場合には、1次元磁気分布L1の長手方向に対して直交するベクトルVによって、計測磁気分布Aに新たに組み入れる1次元磁気分布L2の位置が定まる。図8は、例えば車両5がカーブを走行する場合のL1とL2との位置関係を示している。この場合には、1次元磁気分布L1に対して斜行するベクトルVによって定まる1次元範囲Lpを、回頭角Rの分だけ回転させることで1次元磁気分布L2の位置及び向き(姿勢)が定まる。図8中のdir1は、1次元磁気分布L1、1次元範囲Lpに直交する方向を示し、dir2は、1次元磁気分布L2に直交する方向を示している。回頭角Rは、dir1とdir2とのなす角である。
【0045】
車両5が直進する場合は、図9のごとく、センサアレイ2に対面する領域の1次元磁気分布L2を端部とし、車両5の走行軌跡Hに沿って延在する長方形状の計測磁気分布Aが形成される。車両5がカーブを進行中の場合は、図10のごとく、センサアレイ2に対面する領域の1次元磁気分布L2を端部とし、車両5の走行軌跡Hに沿って曲線的に延びる計測磁気分布Aが形成される。
【0046】
(D)変換処理
変換処理は、地図1図1参照。)を構成する路面磁気分布M2(路面の磁気分布)を、計測磁気分布Aと照合し易い態様に変換する処理である。制御ユニット32は、路面から所定高さの各点に作用する磁気量の分布を推定するシミュレーションを実行する。制御ユニット32は、このシミュレーションを実行することで路面磁気分布M2を、磁気センサCnの取付け高さの磁気分布である変換磁気分布M2D(図11参照。)に変換する。
【0047】
(E)位置推定処理
位置推定処理は、地図上で自車位置を推定するために制御ユニット32(位置推定部327)が実行する処理である。制御ユニット32は、路面磁気分布M2に基づく変換磁気分布M2Dと計測磁気分布Aとを照合することで(図11)、路面磁気分布M2のうち計測磁気分布Aに対応する領域を特定する。具体的には、制御ユニット32は、変換磁気分布M2Dと計測磁気分布Aとの相関演算を実行し、変換磁気分布M2Dのうち計測磁気分布Aと一致度が高い領域を特定する。なお、路面100Sの全域で、変換磁気分布M2Dと計測磁気分布Aとの相関演算を実施しようとすると演算量が膨大になる可能性がある。GPSユニット351による測位位置を参照し、その測位位置を基準とする近傍の範囲に限定して計測磁気分布Aの照合を実行すれば、上記の相関演算に要する演算量を抑制できる。
【0048】
位置推定処理は、数式1の相関演算により正規化された相互相関係数を算出する処理である。数式1は、変換磁気分布M2Dの中の特定の座標(u,v)に代表される領域に対して計測磁気分布Aを重ね合わせたとき、変換磁気分布M2Dと計測磁気分布Aとの一致度を表す相互相関係数を演算する式である。特に、数式1は、正規化された相互相関係数の演算式であり、変換磁気分布M2Dと計測磁気分布Aとが一致するときに最大の相互相関係数1が得られる。
【0049】
(数1)
ここで、fは、変換磁気分布M2Dを表し、tは、計測磁気分布Aを表している。計測磁気分布Aの領域的な大きさは、Nx×Nyであり、変換磁気分布M2Dの領域的な大きさは、計測磁気分布Aよりも十分に大きい。
【0050】
数式1において、(u,v)を変更することは、計測磁気分布Aと重ね合わせる領域を変換磁気分布M2Dの中で変更することを意味している。さまざまな座標(u,v)について相互相関係数を算出することは、例えば図11のごとく、変換磁気分布M2Dに対して計測磁気分布Aの位置をずらしながら一致度を調べることに相当している。さまざまな座標(u,v)について算出された相互相関係数のうち、最大相関値である1に最も近い相互相関係数が得られたときの座標(u0,v0)に対応する領域を、計測磁気分布Aの対応領域として特定できる。路面磁気分布M2に基づく変換磁気分布M2Dのうちの計測磁気分布Aの対応領域を特定できれば、路面磁気分布M2における自車位置を推定できる。路面磁気分布M2は、絶対位置を表す位置データによって構造地図M1図1参照。)に対応付けられている。路面磁気分布M2において自車位置を推定することは、地図上で自車位置を推定することと同義である。
【0051】
各座標(u,v)において相関演算を実行する際、計測磁気分布Aを回転させ、回転角毎の相互相関係数を算出することも良い。このとき、道路100の方向に対して車両5の進行方向が角度的にずれるレーンチェンジなどの走行状況を想定して、相互相関を実行する回転角の範囲を制限すると良い。計測磁気分布Aを回転させて相互相関係数を算出すれば、道路100に沿って車両5が走行する場合だけでなく、レーンチェンジ等の最中でも自車位置の推定が可能になる。座標毎、回転角毎の相互相関係数を算出する場合には、車両5の位置だけでなく車両5の方位(姿勢)を推定できる。
【0052】
以上のように、本例の位置推定システム1Sは、路面100Sの各点の磁気分布である路面磁気分布M2を利用して地図上での自車位置を推定するシステムである。地図上での自車位置を推定できれば、車線追従制御や自動運転を含めて各種の運転支援制御を実現できる。
【0053】
図1を構成する路面磁気分布M2では、路面100Sを形成する舗装材料に混入した磁性材料や、路面100Sに設置された金属製のマンホールや橋の継ぎ目などの磁気発生源によって磁気量の大小が形成される。これらの磁気発生源は路面100S上で位置的に固定されているため、位置的な変動が少ない。位置的に固定されている磁気発生源に由来する路面磁気分布M2を利用すれば、地図上での自車位置を精度高く推定できる。
【0054】
なお、上記の通り、位置推定処理を最初に実行する際は、例えば、GPSユニット351による測位位置の利用が有効である。測位位置を利用すれば、路面磁気分布M2の中で計測磁気分布Aを照合する範囲を限定でき、変換磁気分布M2Dと計測磁気分布Aとの相関演算に要する演算量を抑制できる。さらに、自車位置を推定した後は、車両5の運動推定により、変位後の自車位置を予測すると良い。変位後の自車位置を予測すれば、路面磁気分布M2(変換磁気分布M2D)の中で、計測磁気分布Aの照合範囲を限定でき、相関演算の効率を向上できる。
【0055】
さらに、自車位置を推定した後は、例えば図12のごとく、推定済みの自車位置Pを基準として、自車位置(本例ではセンサアレイ2の中央の位置)の候補となる範囲RSを設定すると良い。この範囲RSは、変位後のセンサアレイ2が対面する領域の候補であるので、この範囲RSの中で、磁気計測処理による1次元磁気分布を照合すれば良い。このように、自車位置の推定後は、図12の範囲RSの中で1次元磁気分布を照合することで、自車位置を推定可能である。1次元的な磁気分布の相関演算は、2次元的な磁気分布の相関演算よりも演算量が少なく効率的である。
【0056】
路面磁気分布M2(変換磁気分布M2D)と、車両5が取得した計測磁気分布Aや1次元磁気分布と、を照合すれば、路面磁気分布M2の中での計測磁気分布Aや1次元磁気分布の位置や姿勢を特定できる。例えば自車位置を推定できた後であれば、路面磁気分布M2の中での計測磁気分布Aや1次元磁気分布の位置や姿勢を特定することで、推定済みの自車位置を基準とした相対位置や方位(車両の向き、姿勢)の変化を把握できる。このように、路面磁気分布M2(変換磁気分布M2D)と、計測磁気分布Aや1次元磁気分布と、を照合して車両5の位置を推定する構成は、IMUを代替できる。
【0057】
本例では、位置推定処理の演算量を抑制して、位置推定処理を効率よく実施するために、GPSユニット351による測位位置を利用する構成を例示している。GPSの利用に代えて、路側等に設置される電波ビーコンや赤外線ビーコン等の通信ユニットを利用することも良い。車両5が受信ユニットを装備していれば、ビーコン電波の受信に応じて大まかな自車位置を把握できる。さらにまた、前方カメラによる撮像画像に処理を施すことで、交差点の名称や地名等を認識して自車位置を大まかに把握することも良い。あるいは、車載データベース、あるいはインターネット等を介してアクセス可能なデータベースに格納された前景画像との照合により、自車位置を大まかに把握することも良い。自車位置を大まかに把握できれば、位置推定処理での相関演算等に要する演算量の抑制を図ることができる。
【0058】
本例では、位置推定システム1Sと組み合わせるシステムとして、自動運転システムを例示している。自動運転システムに代えて、車線からの逸脱を警報する逸脱警報システムや、車線に沿ってハンドルを自動操舵したり車線からの逸脱を回避するための操舵アシスト力を発生させるレーンキープシステムを適用することも良い。
【0059】
なお、インターネット等の通信回線に接続可能な車両5であれば、地図DB40の機能をサーバ装置に持たせることも良い。車両5は、自車位置を推定するために必要な情報をサーバ装置に送信すると良い。磁気分布生成処理や位置推定処理を実行する機能をサーバ装置に持たせても良い。この場合、磁気計測処理を実行する毎に、車両5からサーバ装置に1次元磁気分布を送信すれば良い。サーバ装置は、車両から受信した1次元磁気分布を利用して送信元の車の自車位置を推定し、返信できる。
【0060】
本例では、路面磁気分布M2に基づいて、磁気センサCnの取付高さの磁気分布に変換し(変換磁気分布)、計測磁気分布との照合を実施している。これに代えて、計測磁気分布を路面100Sの磁気分布に変換し、路面磁気分布M2との照合を実施することも良い。あるいは、路面磁気分布M2を変換等せず、計測磁気分布を直接照合しても良い。
【0061】
路面磁気分布M2を元にして、磁気センサCnの取付高さの磁気分布に変換するため、高さセンサ357を用いて磁気センサCnの取付高さを計測している。そして、この取付高さを考慮したシミュレーションにより、路面磁気分布M2を、磁気センサCnの取付高さの磁気分布に変換して変換磁気分布を取得している。高さセンサ357に代えて、磁気センサCnの取付高さを設定値として記憶する記憶部を設けることも良い。
【0062】
高さが異なる2つ以上の磁気センサを、鉛直方向に沿って配置することも良い。この場合には、鉛直方向に沿って配置された2つの磁気センサによる磁気計測値の比率(減衰率など)を特定できる。そして、高さの差が既知である2つの磁気センサの磁気計測値の比率を変数として含むシミュレーション演算を実行することで、路面磁気分布M2を、磁気センサCnの取付高さの磁気分布に変換できる。
【0063】
さらに例えば、磁気量が既知の磁気マーカを路面100Sに設置することも良い。この場合は、磁気マーカについて磁気センサCnが計測する磁気量の減衰率を求めると良い。磁気量の減衰率を利用すれば、路面磁気分布に基づいて、磁気センサCnの取付高さの磁気分布に変換できる。
【0064】
なお、酸化鉄の磁粉などの磁性材料が混入する舗装材料を利用して舗装された路面であっても良い。この場合には、舗装材料中の磁性材料が磁化されて、路面磁気分布M2の起伏が大きくなる傾向になる。磁気分布の起伏が拡大すれば、磁気分布の照合が容易となり精度を向上できる。なお、磁性材料が混入する舗装材料によって舗装された路面を、不均一に磁化することも良い。この場合には、磁気分布の起伏を一層拡大でき、磁気分布の照合が容易となる。磁性材料が混入する舗装材料と、磁性材料を含まない通常の舗装材料と、を準備することも良い。この場合、2種類の舗装材料を混合することなく不均一に路面に供給することも良い。路面の位置に応じて磁性材料の構成比に違いが生じるため、これにより磁気分布の起伏を拡大できる。
【0065】
磁性材料が混入する舗装材料を利用して路面を舗装した後、路面を磁化することも良い。例えば、磁気の強い矩形エリアと、磁気の弱い矩形エリアと、が交互に現れる市松模様などの所定パターンをなすように路面を磁化することも良い。磁気の強弱が形成する模様を利用すれば磁気分布間の照合が容易となり、位置推定の精度を向上できる。また、所定パターンをなすように路面を磁化する場合には、例えば、磁気量の大きい矩形エリアと、磁気量の小さい矩形エリアと、の区分線を利用することで、計測磁気分布の照合を効率良く実行できる。例えば、計測磁気分布に区分線が含まれる場合、路面磁気分布M2の中の区分線との一致を前提として照合を実行すれば良い。所定パターンは、1次元あるいは2次元のバーコードなど、情報を読み出し可能なパターンであっても良い。
【0066】
さらに、磁性材料が混入する舗装材料によって舗装された路面100Sにおいて、磁気的な特異点が現れるように路面100Sを磁化することも良い。このように酸化鉄の磁粉などで磁気的な特異点を作れば、磁気分布間の照合が容易となる。特異点の一致を前提とすれば、磁気分布間の照合の際、特異点が不一致の組合せを排除でき、照合を効率良く実行できる。
【0067】
また、磁性材料が混入する舗装材料と、磁性材料を含まない通常の舗装材料と、を準備することも良い。この場合、エリア毎に舗装材料の種類を切り替えることも良い。この場合には、エリア毎に磁性材料の粗密ができるため、磁気分布の起伏を拡大でき、磁気分布の照合を容易にできる。
【0068】
本例では、磁気計測処理による1次元磁気分布を積み上げた2次元的な磁気分布である計測磁気分布の照合を実行している。磁気センサCnのうちのいずれか一つによる磁気計測値の時間的な分布、すなわち車両の走行軌跡に沿う1次元的な分布を照合することも良い。磁気センサが2次元的に配列されたセンサアレイを採用することも良い。この場合には、このセンサアレイにより計測された2次元的な磁気分布の照合が可能になる。あるいは、上記のセンサアレイ2と同じ仕様のセンサアレイを複数用意し、車両の進行方向における複数の箇所に配置することも良い。この場合には、相対的な位置関係が既知である複数の1次元磁気分布を取得できる。これら複数の1次元磁気分布の照合を実行することも良い。複数のセンサアレイは、互いに平行をなすように取り付けても良いし、L字状、十字状をなすように交差するように取り付けても良い。
【0069】
なお、路面磁気分布は、路面の各点の磁気量に基づく磁気データの一例である磁気勾配の分布とすることも良い。磁気勾配は、例えば、隣り合う点の磁気量の差分として求めることができる。また、磁気勾配の路面磁気分布と照合する計測磁気分布は、磁気計測値に基づく磁気勾配の分布とするのが良い。磁気勾配は、例えば、センサアレイ2を構成する磁気センサCnのうち、隣り合う磁気センサによる磁気計測値の差分として求めることができる。
【0070】
磁気勾配では、磁気センサに対して一様、あるいは一様に近く作用する磁気成分が抑制されている。それ故、磁気勾配では、比較的遠くに存在する磁気発生源から作用する磁気成分が抑制され、比較的近くに存在する路面等の磁気発生源から作用する磁気成分が相対的に強調されている。したがって、磁気センサが対面する路面の磁気模様を利用して位置を推定するに当たっては、磁気勾配の分布の利用が好適である。磁気勾配の分布を利用すれば、周囲の車両や、ガードレールや、看板などの磁気発生源による影響や、地磁気による影響を抑制でき、位置推定の精度を向上できる。
【0071】
なお、例えば、取得時点が異なる磁気計測値の差分を、別途与えられる車速情報に基づいて特定される距離当たりの差分に変換することも良い。2つの磁気センサについてそれぞれ距離当たりの差分を求めておき、当該2つの磁気センサ間でさらに差分をとって磁気勾配を求めることも良い。この場合には、路上に配置された磁気マーカの間隔を予め与えることなく、上記の磁気勾配を求めることができるという効果を期待できる。さらに例えば、一の磁気センサによる異なる時点の磁気計測値の差分による磁気勾配を求めるに当たって、別途与えられる車速情報により特定される距離当たりの差分による磁気勾配を求めることも良い。この場合には、車載のセンサユニットを前後に2台設置する必要性が少なくなる。一つのセンサユニットで磁気勾配を求めることができれば、センサユニットの搭載位置を確保するための設計上の負担を軽減できると同時に、センサユニットの搭載コストを低減できるという効果を期待できる。
【0072】
(実施例2)
本例は、磁気マーカ10が敷設された道路100に対する位置推定システム1Sの適用例である。この内容について、図3図13図18を参照して説明する。
例示する道路100には、図13のごとく、例えば10m毎に磁気マーカ10が敷設されている。この道路100を車両が走行する際、実施例1と同様、センサアレイ2によって磁気計測処理(S101)が実行され、制御ユニット32によって運動推定処理(S103)、磁気分布生成処理(S105)、位置推定処理(S109)が実行される(図14)。実施例1との主たる相違点は、センサアレイ2が磁気計測処理(S101)に加えて、マーカ検出処理(S102)を実行する点にある。センサアレイ2は、磁気センサCnを用いて3kHzの頻度でマーカ検出処理を実行する。
【0073】
実施例1で説明した通り、磁気センサCnは、車両の進行方向及び車幅方向の磁気成分を計測するように構成されている。例えばこの磁気センサCnが、進行方向に移動して磁気マーカ10の真上を通過するとき、進行方向の磁気計測値は、図15のごとく磁気マーカ10の前後で正負が反転すると共に、磁気マーカ10の真上の位置でゼロを交差するように変化する。したがって、車両の走行中では、いずれかの磁気センサCnが検出する進行方向の磁気について、その正負が反転するゼロクロスZcが生じたとき、センサアレイ2が磁気マーカ10の真上に位置すると判断できる。検出処理回路212は、このようにセンサアレイ2が磁気マーカ10の真上に位置し、進行方向の磁気計測値のゼロクロスZcが生じたとき、磁気マーカ10を検出したと判断する。
【0074】
また例えば、磁気センサCnと同じ仕様の磁気センサについて、磁気マーカ10の真上を通過する車幅方向の仮想線に沿う移動を想定してみる。車幅方向の磁気計測値は、磁気マーカ10を挟んだ両側で正負が反転すると共に、磁気マーカ10の真上の位置でゼロを交差するように変化する。15個の磁気センサCnを車幅方向に配列したセンサアレイ2の場合には、磁気マーカ10を介してどちらの側にあるかによって磁気センサCnが検出する車幅方向の磁気の正負が異なってくる(図16)。
【0075】
センサアレイ2の各磁気センサCnの車幅方向の磁気計測値を例示する図16の分布に基づけば、車幅方向の磁気の正負が反転するゼロクロスZcを挟んで隣り合う2つの磁気センサCnの中間の位置、あるいは検出する車幅方向の磁気がゼロであって両外側の磁気センサCnの正負が反転している磁気センサCnの直下の位置が、磁気マーカ10の車幅方向の位置となる。この車幅方向の位置は、磁気マーカ10に対する車両5の相対位置を示している。
【0076】
センサアレイ2は、上記のように磁気マーカ10を検出したとき、検出した旨、車幅方向の位置などの情報を含むマーカ検出情報を制御ユニット(図3中の符号32)に入力する。車幅方向の位置は、磁気計測処理により取得される1次元磁気分布中、1次元方向の位置として表される。センサアレイ2は、このマーカ検出情報に対して、磁気マーカ10を検出したときの1次元磁気分布の識別情報をひも付ける。
【0077】
磁気分布生成処理(S105)を実行する制御ユニットは、計測磁気分布Aにおいて磁気マーカ10の位置をマーカ配置点10Pとしてプロットする(図17)。1次元磁気分布を車両の走行軌跡に沿って2次元的に積み上げた計測磁気分布Aの中で、マーカ配置点10Pがいずれの1次元磁気分布の上にあるかは、マーカ検出情報にひも付けられた1次元磁気分布の識別情報によって特定可能である。また、計測磁気分布Aの中のマーカ配置点10Pの車幅方向の位置は、マーカ検出情報に含まれる車幅方向の位置により特定可能である。
【0078】
ここで、本例で計測磁気分布Aを照合する対象の路面磁気分布M2では、上記の計測磁気分布Aと同様、磁気マーカ10の位置がマーカ配置点10Pとしてプロットされている。この路面磁気分布M2は、実施例1で例示した計測車両の機能に加えて、上記のマーカ検出処理を実行可能な計測車両によって取得できる。そして、路面磁気分布M2を変換した磁気分布である変換磁気分布M2Dでは、路面磁気分布M2におけるマーカ配置点と同じ位置に、マーカ配置点10Pがプロットされる。
【0079】
位置推定処理(S109)を実行する制御ユニットは、マーカ配置点10Pがプロットされた変換磁気分布M2Dに対して、図17で例示した計測磁気分布Aを照合する。図17のごとく、計測磁気分布Aには、磁気マーカ10の位置を表すマーカ配置点10Pのプロットが含まれている。変換磁気分布M2Dに対して計測磁気分布Aを照合するに当たっては、図18のごとく、マーカ配置点10Pが一致する10m毎の各位置で相互相関係数を求めると良い。このようにマーカ配置点10Pのプロットがある変換磁気分布M2Dと計測磁気分布Aとの組み合わせの場合、マーカ配置点Pが相互に一致する位置のみで相関演算を実施すれば良い。つまり、変換磁気分布M2Dに対し、10m刻みで計測磁気分布Aの位置をずらせば良く、相関演算のための演算量を格段に抑制できる。
【0080】
つまり、この場合には、路面磁気分布M2あるいは変換磁気分布M2Dのうちマーカ配置点10P(磁気マーカ10の位置)が一致している領域の中から計測磁気分布Aに対応する領域を特定すると良い。マーカ配置点10Pが一致している領域に限定すれば、計測磁気分布Aを照合する回数を格段に少なくでき、計測磁気分布Aに対応する領域を効率良く特定できる。マーカ配置点10Pは、磁気分布の中の磁気的な特異点として活用できる。
なお、その他の構成及び作用効果は実施例1と同様である。
【0081】
(実施例3)
本例は、実施例1の位置推定システムに基づく例であって、絶対位置を特定可能な状態で磁気マーカ10が敷設された道路への適用例である。この内容について、図19図21を参照して説明する。
本例では、RF-IDタグ15が表面に貼り付けられた磁気マーカ10が路面に敷設されている(図19)。車両5には、実施例1の構成に加えて、RF-IDタグ15と通信可能なタグリーダ34が設けられている(図20)。RF-IDタグ15は、対応する磁気マーカ10の絶対位置を表す位置情報を送信する。
【0082】
センサアレイ2の検出処理回路20は、実施例2で例示したマーカ検出処理を実行可能である。上記のごとく、マーカ検出処理によれば、磁気マーカ10を検出すると共に、磁気マーカ10に相対する車両5の車幅方向の位置を計測可能である。
【0083】
磁気マーカ10が検出されたとき、制御ユニット32は、検出した磁気マーカ10に付設されたRF-IDタグ15から位置情報を受信することで、その磁気マーカ10の絶対位置を取得する。そして、マーカ検出処理によって計測された磁気マーカ10の車幅方向の位置の分だけ、磁気マーカ10の絶対位置からずらした位置を自車位置(センサアレイ2の中央の位置)として特定する。
【0084】
一方、制御ユニット32は、磁気マーカ10が非検知の場合、実施例1で説明した構成と同様に、路面磁気分布M2を含む地図を参照して、計測磁気分布に対応する領域を特定し自車位置を推定する。このとき、ステアリング舵角センサ353が計測した操舵角、車速センサ355が計測した車速によれば、実施例1と同様、車両5の運動Moを推定できる(図21)。車両5の運動Moを推定すれば、磁気マーカ10を通過した後の経過時間に応じた車両5の到達位置の推定が可能である。この到達位置が属する地図上の範囲RSを選択し、この範囲RSに限定して計測磁気分布の照合を実行する場合であれば、路面磁気分布M2あるいは変換磁気分布M2Dのうち計測磁気分布Aに対応する領域を効率良く特定できる。
なお、その他の構成及び作用効果については実施例1と同様である。
【0085】
以上、実施例のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形、変更あるいは適宜組み合わせた技術を包含している。
【符号の説明】
【0086】
1S 位置推定システム
1 地図
10 磁気マーカ
2 センサアレイ
32 制御ユニット
321 運動推定部
323 磁気分布生成部
325 変換処理部
327 位置推定部
351 GPSユニット
353 ステアリング舵角センサ
355 車速センサ
357 高さセンサ
40 地図データベース(記憶部)
5 車両
A 計測磁気分布
Cn 磁気センサ
M1 構造地図
M2 路面磁気分布
M2D 変換磁気分布
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