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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-03
(45)【発行日】2023-10-12
(54)【発明の名称】メモリデバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G11C 16/10 20060101AFI20231004BHJP
【FI】
G11C16/10 140
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021571042
(86)(22)【出願日】2019-10-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-08
(86)【国際出願番号】 CN2019111830
(87)【国際公開番号】W WO2021072728
(87)【国際公開日】2021-04-22
【審査請求日】2021-11-29
(73)【特許権者】
【識別番号】519237948
【氏名又は名称】長江存儲科技有限責任公司
【氏名又は名称原語表記】Yangtze Memory Technologies Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.88 Weilai 3rd Road,East Lake High-tech Development Zone,Wuhan,Hubei,China
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】ザオ・シャンナン
(72)【発明者】
【氏名】ソン・ヤリ
(72)【発明者】
【氏名】チャン・アン
(72)【発明者】
【氏名】リウ・ホンタオ
(72)【発明者】
【氏名】ジン・レイ
【審査官】後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-173688(JP,A)
【文献】特表2011-513885(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0099070(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 16/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリデバイスであって、
複数のメモリセルを含むメモリアレイと、
前記複数のメモリセルに結合された複数のワードラインおよび複数のビットラインと、
前記ワードラインに結合されたワードラインドライバと、
前記ビットラインに結合された列デコーダと、
前記列デコーダに結合された感知回路と、
前記ワードラインドライバ、前記列デコーダ、および前記感知回路に結合され、
前記ワードラインドライバに、
前記メモリセルの第1の選択されたメモリセルに結合された前記ワードラインの第1のワードラインに第1のプログラム電圧を印加することと、
前記第1のプログラム電圧を前記第1のワードラインに印加した後、前記メモリセルの第2の選択されたメモリセルに結合された前記ワードラインの第2のワードラインに前記第1のプログラム電圧を印加することとを指示し、
前記列デコーダに、
前記第1のプログラム電圧を前記第1のワードラインに印加した後、前記第1の選択されたメモリセルから、前記第1の選択されたメモリセルに結合された前記ビットラインの第1のビットラインを介して第1のデータ電流を受け取ることと、
前記第1のプログラム電圧を前記第2のワードラインに印加した後、前記第2の選択されたメモリセルから、前記第2の選択されたメモリセルに結合された前記ビットラインの第2のビットラインを介して第2のデータ電流を受け取ることとを指示し、
前記感知回路に、
前記第1のデータ電流を第1の検証電流と比較することと、
前記第2のデータ電流を前記第1の検証電流よりも小さい第2の検証電流と比較することと
を指示するように構成されるコントローラと
を含み、
前記コントローラは、前記ワードラインドライバに、
前記第1のプログラム電圧を前記第1のワードラインに印加した後、第2のプログラム電圧を前記第1のワードラインに印加することと、
前記第1のプログラム電圧を前記第2のワードラインに印加した後、前記第2のプログラム電圧を前記第2のワードラインに印加することと
を指示するようにさらに構成され、
前記第1のプログラム電圧および前記第2のプログラム電圧のそれぞれは、初期電圧レベルから始まる階段波形の形態である一連のプログラミング電圧パルスを含み、
前記第2のプログラム電圧が含む前記一連のプログラミング電圧パルスのうち最初のプログラミング電圧パルスの初期電圧レベルが、前記第1のプログラム電圧が含む前記一連のプログラミング電圧パルスのうち最後のプログラミング電圧パルスの初期電圧レベルよりも大きい、メモリデバイス。
【請求項2】
前記第1の選択されたメモリセルおよび前記第2の選択されたメモリセルは、同じレベルにプログラムされている、請求項に記載のメモリデバイス。
【請求項3】
前記第1のプログラム電圧は、第1の量だけ増分され、前記第2のプログラム電圧は、前記第1の量よりも小さい第2の量だけ増分される、請求項に記載のメモリデバイス。
【請求項4】
前記第1のプログラム電圧および前記第2のプログラム電圧のそれぞれは、前記第1の量または前記第2の量それぞれだけ増分される前記一連のプログラミング電圧パルスを含む、請求項に記載のメモリデバイス。
【請求項5】
前記コントローラは、前記ワードラインドライバに、2つの隣接するプログラム電圧パルス間の選択された前記第1のワードラインまたは選択された前記第2のワードラインのそれぞれに検証電圧を印加すること指示するようにさらに構成される、請求項に記載のメモリデバイス。
【請求項6】
メモリデバイスを操作するための方法であって、前記メモリデバイスが複数のメモリセルを含むメモリアレイを含み、前記方法が、
前記複数のメモリセルの第1のメモリセルをプログラミングすること、
第1の検証電流に基づいて、プログラムされた前記第1のメモリセルを検証すること、
前記第1のメモリセルをプログラミングした後、前記複数のメモリセルのうちの第2のメモリセルをプログラミングすること、
前記第1の検証電流よりも小さい第2の検証電流に基づいてプログラムされた前記第2のメモリセルを検証することと
を含み、
前記メモリデバイスは、前記複数のメモリセルに結合され、複数のサブセットに分割された複数のワードラインをさらに含み、
前記第1のメモリセルは、前記複数のサブセットの第1のサブセットの第1のワードラインに結合され、
前記第2のメモリセルは、前記複数のサブセットの第2のサブセットの第2のワードラインに結合されており、
選択された前記第1のメモリセルまたは選択された前記第2のメモリセルをプログラミングすることは、
第1のプログラム電圧を前記第1のワードラインまたは前記第2のワードラインのそれぞれに印加することであって、前記第1のプログラム電圧は、第1の量だけ増分される、第1のプログラム電圧を印加することと、
第2のプログラム電圧を前記第1のワードラインまたは前記第2のワードラインのそれぞれに印加することであって、前記第2のプログラム電圧は、前記第1の量よりも小さい第2の量だけ増分される、第2のプログラム電圧を印加することと
を含み、
前記第1のプログラム電圧および前記第2のプログラム電圧のそれぞれは、初期電圧レベルから始まる階段波形の形態である一連のプログラミング電圧パルスを含み、
前記第2のプログラム電圧が含む前記一連のプログラミング電圧パルスのうち最初のプログラミング電圧パルスの初期電圧レベルが、前記第1のプログラム電圧が含む前記一連のプログラミング電圧パルスのうち最後のプログラミング電圧パルスの初期電圧レベルよりも大きい、方法。
【請求項7】
選択された前記第1のメモリセルおよび選択された前記第2のメモリセルは、同じレベルにプログラムされている、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のサブセットの第3のワードラインに結合された、前記複数のメモリセルの第3のメモリセルをプログラミングすることと、
前記第1の検証電流に基づいて、プログラムされた前記第3のメモリセルを検証すること
をさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項9】
プログラムされ選択された前記第1のメモリセルまたはプログラムされ選択された前記第2のメモリセルを検証することは、
前記第1のワードラインまたは前記第2のワードラインのそれぞれに検証電圧を印加することと、
選択された前記第1のメモリセルまたは選択された前記第2のメモリセルからそれぞれのデータ電流を受信することと、
前記それぞれのデータ電流を前記第1の検証電流または前記第2の検証電流と比較することと
を含む、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモリデバイスおよび関連するメモリデバイスをプログラミングおよび検証する方法に関連し、より具体的には、3DのQLC構造を有するメモリデバイスおよび関連するメモリデバイスをプログラミングおよび検証する方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
半導体メモリは、様々な電子機器での使用に人気が高まっている。例えば、不揮発性半導体メモリは、携帯電話、デジタルカメラ、携帯情報端末、モバイルコンピューティングデバイス、非モバイルコンピューティングデバイス、およびその他のデバイスに適用される。最近、ビットコストスケーラブル(BiCS)アーキテクチャと呼ばれることもある3次元(3D)スタックメモリ構造を使用した超高密度ストレージデバイスが提案されている。例えば、3D NANDスタックフラッシュメモリデバイスは、導電層と誘電体層が交互に並んだアレイから形成できる。多くのメモリ層を同時に定義するために、層にメモリホールが開けられる。次に、メモリホールを適切な材料で埋めることにより、NANDストリングが形成される。メモリセルの制御ゲートは、導電層によって設けられる。
【0003】
各プレーナNANDメモリは、複数のワードラインとビットラインで接続されたメモリセルのアレイからなる。データは、ページごとにプレーナNANDメモリにプログラムされたり、そこから読み取られたりする。フローティングゲートとフローティングゲートの結合の影響を軽減するために、3D QLC NANDメモリを粗いプログラミングと細かいプログラミングでプログラミングして、全体的なプログラミング速度を向上させることができる。また、粗い/細かい検証は、粗い/細かいプログラミングの各ステップの後に一定の粗い/細かい検証電流に従って実行され、選択されたメモリセルが所望の値に到達したかどうかを決定する。
【0004】
従来技術の粗い/細かいプログラミング方法では、粗い検証電流と細かい検証電流との間の差は、3D QLC NANDメモリデバイスの電流-電圧曲線上で一定の電圧差をもたらすように設定される。3D QLC NANDメモリデバイスがより多くの層を採用すると、最良電流(BOC)の場合の電流-電圧曲線と最悪電流(WOC)の場合の電、流-電圧曲線の差も大きくなり、結果として異なるメモリセル間のゲインの変動が大きくなる。したがって、従来技術の粗い/細かいプログラミング方法は、メモリセルの閾値電圧にわずかなマージンを有する。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、複数のメモリセルおよび複数のワードラインを含むメモリデバイスをプログラミングおよび検証する方法を提供する。本方法は、複数のワードラインのうちの第1のワードラインによって制御される、複数のメモリセルのうちの第1のメモリセルに対して第1の粗いプログラミングを実行することと、第1のメモリセルに対して第1の粗いプログラミングを実行した後、複数のワードラインのうちの第2のワードラインによって制御される、複数のメモリセルのうちの第2のメモリセルに対して第2の粗いプログラミングを実行することと、第1の粗い検証電流に従って、第1のメモリセルが粗い検証にパスするかどうかを決定することと、第1の粗い検証電流よりも小さい第2の粗い検証電流に従って、第2のメモリセルが第2の粗い検証にパスするかどうかを決定することと、を含む。
【0006】
本発明はまた、複数のメモリセルを有するメモリアレイ、複数のワードライン、ワードラインドライバ、およびコントローラを含むメモリデバイスを提供する。コントローラは、複数のワードラインのうちの第1のワードラインによって制御される、第1のメモリセルに対して第1の粗いプログラミングを実行し、第1のメモリセルに対して第1の粗いプログラミングを実行した後、複数のワードラインのうちの第2のワードラインによって制御される、第2のメモリセルに対して第2の粗いプログラミングを実行し、第1の粗い検証電流に従って、第1のメモリセルが粗い検証にパスするかどうかを決定し、第1の粗い検証電流よりも小さい第2の粗い検証電流に従って、第2のメモリセルが第2の粗い検証にパスするかどうかを決定するように構成されている。
【0007】
本発明のこれらおよび他の目的は、様々な図および図面に示されている好ましい実施形態の以下の詳細な説明を読めば、当業者に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態による1つのNANDストリングを示す上面図である。
図2】本発明の実施形態による1つのNANDストリングの等価回路を示す図である。
図3】本発明の実施形態によるメモリアレイの例示的な構造を示す図である。
図4】本発明の実施形態によるメモリデバイスのブロック図である。
図5】本発明の実施形態による、メモリデバイスのメモリアレイをプログラミングする方法を示すフローチャートである。
図6】本発明の実施形態による、メモリデバイスのメモリアレイをプログラミングするときのプログラミング電圧の波形を示す図である。
図7】本発明の実施形態による、各ワードラインサブセットに関連する粗い検証電流の値を示す図である。
図8】本発明の一実施形態による、諸ステップを実行するときの検証電圧の波形を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の詳細な説明では、本発明を実施することができる特定の実施形態を例示として示す添付の図面を参照する。これらの実施形態は、当業者が本発明を実施することを可能にするのに十分詳細に説明されている。本発明の様々な実施形態は、異なっているが、必ずしも相互に排他的ではないことを理解されたい。例えば、一実施形態に関連して本明細書に記載されている特定の特徴、構造、または特性は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、他の実施形態で実施され得る。さらに、開示された各実施形態の個々の要素の位置または配置は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく変更され得ることが理解されるべきである。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるべきではなく、本発明の範囲は、請求項が権利を与えられる同等物の全範囲と共に、適切に解釈された添付の請求項によってのみ定義される。図面では、同様の数字は、いくつかの図全体で同じまたは類似の機能を指す。
【0010】
図1は、本発明の実施形態によるNANDストリングを示す上面図である。図2は、その等価の回路を示す図である。NAND構造を使用するフラッシュメモリシステムでは、複数のトランジスタが直列に配置され、NANDストリングと呼ばれる2つの選択ゲートの間に挟まれる。図1および図2に示されるNANDストリングは、直列に結合され、上部選択ゲートSG_T(ドレイン側)と、下部選択ゲートSG_B(ソース側)との間に挟まれた4つのトランジスタ101~104を含む。上部選択ゲートSG_Tは、ビットライン接点を介してNANDストリングをビットラインに接続するように配置されており、選択ゲートラインSGTLに適切な電圧を印加することによって制御することができる。下部選択ゲートSG_Bは、NANDストリングをソースラインに接続するように配置されており、選択ゲートラインSGBLに適切な電圧を印加することによって制御できる。トランジスタ101~104のそれぞれは、制御ゲートおよびフローティングゲートを含む。例えば、トランジスタ101は、制御ゲートCG1およびフローティングゲートFG1を含み、トランジスタ102は、制御ゲートCG2およびフローティングゲートFG2を含み、トランジスタ103は、制御ゲートCG3およびフローティングゲートFG3を含み、トランジスタ104は、制御ゲートCG4およびフローティングゲートFG4を含む。制御ゲートCG1はワードラインWL1に接続され、制御ゲートCG2はワードラインWL2に接続され、制御ゲートCG3はワードラインWL3に接続され、制御ゲートCG4はワードラインWL4に接続される。
【0011】
説明のために、図1および図2は、NANDストリング内の4つのメモリセルを示している。他の実施形態では、NANDストリングは、8個のメモリセル、16個のメモリセル、32個のメモリセル、64個のメモリセル、128個のメモリセルなどを含み得る。しかしながら、NANDストリング内のメモリセルの数は、本発明の範囲を制限するものではない。
【0012】
NAND構造を使用するフラッシュメモリシステムの一般的なアーキテクチャには、いくつかのNANDストリングが含まれる。各NANDストリングは、選択ラインSGBLによって制御される下部選択ゲートSG_Bによってソースラインに接続され、選択ラインSGTLによって制御される上部選択ゲートSG_Tによって関連するビットラインに接続される。ビットラインの接点を介してそのビットラインに接続されている各ビットラインおよびそれぞれのNANDストリングは、メモリセルのアレイの列を構成する。ビットラインは複数のNANDストリングと共有される。通常、ビットラインはNANDストリングの上をワードラインに垂直な方向に延び、1つまたは複数のセンスアンプに接続される。
【0013】
図3は、本発明の実施形態によるメモリアレイ110の例示的な構造を示す図である。メモリアレイ110は、ブロック~ブロックによって示されるメモリセルの複数のブロックに分割され、ここで、Iは正の整数であり、通常、大きな数と等しい。ブロックには、ビットラインBL-BLおよびワードラインWL~WLの共通したセットを介してアクセスされるNANDストリングのセットが含まれる。式中、MおよびNは1より大きい整数である。NANDストリングの一方の端は上部の選択ゲート(選択ゲートラインSGTLに接続)を介して対応するビットラインに接続され、もう一方の端は下部選択ゲート(選択ゲートラインSGBLに接続)を介してソースラインに接続される。各ブロックは通常、点線で示されているようにいくつかのページに分割されている。一実施形態では、ブロックは従来の消去の単位であり、ページは従来のプログラミングの単位である。ただし、他の消去/プログラム単位も使用できる。
【0014】
図4は、本発明の実施形態によるメモリデバイス100のブロック図である。メモリデバイス100は、メモリアレイ110、ワードラインドライバ102、ビットラインドライバ104、列デコーダ120、感知回路122、データバッファ130、プログラム検証ロジック140、粗い/細かい検証回路150、コントローラ160、およびマイクロコード170を含む。メモリアレイ110は、電源が切断されたときにその状態を維持する不揮発性メモリアレイである。例えば、メモリアレイ110は、図1および2に示されるように、フローティングゲートトランジスタを有するメモリセルを含むNANDフラッシュメモリであり得る。また、メモリアレイ110は、データの容量を増加させるために3D MLC構造に配置され得る。しかしながら、メモリデバイス100のタイプは、本発明の範囲を限定するものではない。
【0015】
メモリデバイス100は、図3に示されていない機能ブロックおよび信号線を含み得る。例えば、メモリデバイス100は、メモリデバイス100の様々な部分を外部バスに結合する書き込みインターフェース回路または読み取りインターフェース回路を含み得る。さらに、メモリデバイス100は、1つまたは複数のインターフェース回路からコントローラ160、データバッファ130、または図3に示される任意の他のブロックへの信号線を含み得る。図3に示されるブロックは、メモリアレイ110のプログラミングに関連する様々な実施形態の説明をサポートするために選択された。
【0016】
コントローラ160は、メモリデバイス100内でプログラミング操作を行うことができる任意のタイプの適切なコントローラであり得る。例えば、コントローラ160は、組み込みマイクロプロセッサ、マイクロコントローラなどであり得る。動作中、コントローラ160は、マイクロコード170からソフトウェア命令を受信して実行するように構成される。マイクロコード170は、別個のフラッシュメモリなどの不揮発性メモリ要素に保持することができる。しかしながら、プロセッサ160およびマイクロコード170が実装される方法は、本発明の範囲を制限するものではない。
【0017】
メモリアレイ110をプログラミングするとき、プログラミングされるデータは、データバッファ130に配置される。いくつかの実施形態では、プログラムされるデータは、コントローラ160によってデータバッファ130に配置され得る。さらに、プログラミング操作は、メモリアレイ110のサブセットをプログラムすることができ、データバッファ130は、サブセットをプログラムするためのデータのみを保持することができる。プログラミング動作中、ビットラインドライバ104は、メモリアレイ110内のビットラインに適切な電圧を供給するように構成され、ワードラインドライバ102は、メモリアレイ110内のワードラインにプログラミングパルスを供給するように構成される。
【0018】
いくつかの実施形態では、メモリアレイ110は、マルチレベルメモリセルのアレイを含むNANDフラッシュメモリである。例えば、マルチレベルセル(MLC)構造に配置されたメモリアレイ110は、セルあたり2ビットを格納でき、トリプルレベルセル(TLC)構造に配置されたメモリアレイ110は、セルあたり3ビットを格納でき、クアッドレベルセル(QLC)構造に配置されたメモリアレイ110は、セルごとに4ビットを格納できる。
【0019】
説明の目的でMLC構造を使用すると、各マルチレベルセルは、フローティングゲートトランジスタの異なる閾値電圧で表される4つの異なるプログラムの状態をサポートできる。これらの4つの状態は、レベル0(L0)、レベル1(L1)、レベル2(L2)、およびレベル3(L3)として表すことができる。ここで、L0は最低閾値電圧のプログラムされていないメモリセルに対応し、L3は最高の閾値電圧のプログラムされたメモリセルに対応し、L1とL2は、中間の閾値電圧のプログラムされたメモリセルに対応する。L3、L2、L1、およびL0は、それぞれ「00」、「01」、「10」、および「11」としても表される。
【0020】
MLCの実施形態では、データバッファ130は、メモリアレイ110にプログラムされるペアの値でロードされる。例えば、各MLCメモリセルは2ビットの情報でプログラムされ得るので、データバッファ130は、レベルL0、L1、L2、およびL3を表すペアのデータビットでロードされる。消去されるメモリセルが保持するビットはすべて1であるため、L0または「11」でプログラムされるMLCメモリセルはまったくプログラムする必要がない。本発明の様々な実施形態は、「11」を保持するセルをプログラムする必要がないこと、「00」を保持するセルを高い閾値電圧にプログラムすることができること、および「10」または「01」を保持するセルは、中間閾値電圧にプログラムすることができることを認識する。様々なプログラムされた状態に対応する閾値電圧は、MLCメモリセルの信頼できる読み取りを可能にするために、互いに十分な距離であるように定義される。
【0021】
いくつかの実施形態では、メモリデバイス100は、パルスが異なる電圧であるワードラインの複数のパルスを使用して、メモリアレイ110内のMLCセルをプログラミングすることをサポートする。さらに、メモリデバイス100は、プログラムされた値が所望の中間閾値電圧に近づくまで粗いステップでワードラインのゲート電圧を増分し、次にプログラムされた値が所定のレベルを満たすか超えるまで、ワードラインのゲート電圧を細かいステップで増分し続ける。粗いワード線電圧ステップと細かいワード線電圧ステップを利用する様々なプログラミングの実施形態を、以下でさらに説明する。本明細書で使用される場合、「粗いパルス」という用語は、ワード線間電圧の粗いステップの後に適用されるプログラミングパルスを指し、「細かいパルス」という用語は、ワード線間電圧の細かいステップの後に適用されるプログラミングパルスを指す。
【0022】
プログラミング中、コントローラ160は、ビットラインに適切な電圧を供給するようにビットラインドライバ104に指示し、ワードラインに粗いおよび細かいゲート電圧を供給するように、ワードラインドライバ102に指示するように構成される。いくつかの実施形態では、コントローラ160は、様々な電圧を供給するための電圧基準回路を含み、ビットラインドライバ104およびワードラインドライバ102は、電圧を選択するためのスイッチを含む。他の実施形態では、ビットラインドライバ104およびワードラインドライバ102は、電圧生成回路を含み、コントローラ160は、ビットラインおよびワードライン上の様々な電圧を駆動するようにビットラインドライバ104およびワードラインドライバ102に指示するためのデジタル制御情報を提供する。しかしながら、電圧が生成されるか、またはビットラインおよびワードラインにルーティングされる方法は、本発明の範囲を制限するものではない。
【0023】
メモリアレイ110は、プログラミングのために1つの論理パスを使用し、読み取り/検証のために別の論理パスを使用することができる。これにより、パスをRead While Write(RWW)で有効にし、プログラミング操作中にプログラミングを検証できる。例えば、データライン112の電流は、メモリセルがプログラムされるときに変化する可能性がある。いくつかの実施形態では、ワードラインドライバ102は、プログラミング操作間のワードラインに「センス電圧」を提供して、「検証」の操作を実行する。本発明の様々な実施形態は、2つの異なるタイプの検証操作、すなわち「粗い検証」および「細かい検証」を利用する。粗い検証と細かい検証については、以下で詳しく説明する。
【0024】
粗い検証中(粗パルス後)または細かい検証中(微パルス後)、列デコーダ120は、メモリアレイ110からデータを受信し、そのデータを感知回路122に向けるように構成される。感知回路122は、データが比較され得る基準レベルを提供する1つまたは複数の基準回路を含み得る。例えば、データは電流の形であり得、基準回路は、基準の電流を供給するプログラムされたメモリセルを含み得る。いくつかの実施形態では、各レベルに対して複数の参照が存在する。例示の目的でMLC実施形態を使用して、感知回路122は、L1粗基準、L1細かい検証電流、L2検証電流、L2細かい検証電流、およびL3検証電流を含み得る。
【0025】
プログラム検証ロジック140は、感知回路122の出力をデータバッファ130からのデータと比較するように構成される。例えば、粗い検証中に、感知回路122は、列デコーダ120の出力を粗い検証電流と比較することによってデジタル出力信号を生成し、これらのデジタル出力信号は、プログラム検証ロジック140によってデータバッファ130のデータと比較される。いくつかの実施形態では、メモリアレイ110内の複数の場所が同時にプログラムされ、検証動作中に、メモリアレイ110内の複数の場所が同時に検証される。例えば、プログラム検証ロジック140は、メモリアレイ110内の32の位置を同時に検証することができる。さらに、いくつかの実施形態では、メモリアレイ110内で同時にプログラムされる場所の数は、様々なバスの通信帯域幅、またはメモリデバイス100内のプログラムポンプの現在の能力に基づいて、可変であり得る。
【0026】
粗い/細かい検証回路150は、プログラム検証ロジック140から情報を受信し、コントローラ160に情報を提供する。粗い検証動作中に、粗い/細かい検証回路150は、プログラムされているメモリセルのいずれかが、対応する粗基準を超えたかどうかを検出するように構成され、超えた場合、「粗いパス」信号をコントローラ160にアサートする。説明の目的でMLCの実施形態を使用して、粗い検証操作が、現在L1またはL2のいずれかでプログラムされているすべてのメモリセルに対して、実行される。これらの実施形態では、1つのメモリセルでさえ対応する粗い基準を超える場合、粗い/細かい検証回路150は、粗いパス信号をアサートする。粗いパス信号をアサートすることによって、粗い/細かい検証回路150は、粗いゲート電圧ステップから細かいゲート電圧ステップに切り替えるように、コントローラ160に通知することができる。
【0027】
粗いパス信号を受信した後、コントローラ160は、メモリアレイ110内のワードラインに、細かいゲート電圧ステップを提供するように、ワードラインドライバ102に指示するように構成される。細かい検証動作中(細かいパルス後)、感知回路122は、列デコーダ120の出力を対応する細かい検証電流と比較することができる。説明の目的でMLC実施形態を使用して、L1でプログラムされている場所のデータは、L1の細かい検証電流と比較され、L2でプログラムされている場所のデータは、L2の細かい検証電流と比較される。また、細かい検証動作中に、プログラム検証ロジック140は、感知回路122の出力とデータバッファ130からのデータとを比較することができる。対応する細かい検証電流を満たすか超える場所について、プログラム検証ロジック140は、対応するメモリセルが細かい検証操作をパスしたことを示すために、データバッファ130に「11」などのパスデータを書き込むように構成される。対応する細かい検証電流を満たさない、または超えない場所の場合、プログラム検証ロジック140は、データバッファ130のデータを変更しない。次に、細かいパルスが繰り返されるが、それらの場所に対応するデータバッファ130内のデータは現在「11」であるため、細かい検証電流を満たすかまたは超えた場所についてはそうではない。「細かいパス」信号は、プログラムされているすべてのメモリセルが正しくプログラムされている場合にのみアサートされる。
【0028】
図5は、本発明の実施形態による、メモリデバイス100のメモリアレイ110をプログラミングおよび検証する方法を示すフローチャートである。図5のフローチャートは、次のステップを含む。
【0029】
ステップ500:プログラム電圧VPGMを粗いステップで増分する。
ステップ510:プログラム電圧VPGMを対応する選択されたワードラインに印加することによって、1つまたは複数の選択されたメモリセルに対して粗いプログラミングを実行する。
ステップ520:選択されたワードラインに関連する対応する粗い検証電流および対応する細かい検証電流を供給する。
ステップ530:対応する粗い検証電流に従って、1つまたは複数の選択されたメモリセルに対して粗い検証を実行する。
ステップ540:粗いパス信号がアサートされているかどうかを決定する。そうである場合、ステップ560を実行する。そうでない場合は、ステップ550を実行する。
ステップ550:同じデータをデータバッファに書き戻す。ステップ500を実行する。
ステップ560:プログラム電圧VPGMを細かいステップで増分する。
ステップ570:プログラム電圧VPGMを対応する選択されたワードラインに印加することによって、1つまたは複数の選択されたメモリセルに対して細かいプログラミングを実行する。
ステップ580:対応する細かい検証電流に従って、1つまたは複数の選択されたメモリセルに対して細かい検証を実行する。
ステップ590:細かい通過信号がアサートされているかどうかを決定する。そうである場合、ステップ610を実行する。そうでない場合は、ステップ600を実行する。
ステップ600:細かい検証にパスしたすべてのメモリセルのパスデータをデータバッファに書き戻す。ステップ610を実行する。
ステップ610:終了。
【0030】
ステップ500および560において、コントローラ160は、初期電圧レベルから始まる階段状の波形の形態の一連のプログラミング電圧パルスであり得るプログラミング電圧VPGMを印加するようにワードラインドライバ102に指示するように構成される。プログラミング中のメモリセルは、この一連のプログラミング電圧パルスの影響を受け、そのたびにフローティングゲートに増分電荷を追加しようとする。
【0031】
図6は、本発明の一実施形態による、ステップ500および560を実行するときのプログラミング電圧VPGMの波形を示す図である。ステップ500において、プログラミング電圧VPGMは、各粗いプログラム期間PCの間に粗いステップで増分される。より具体的には、プログラミング電圧VPGMのレベルは、各粗いプログラム期間PCの開始時にV(粗パルス)の量だけ増加する。ステップ560において、プログラミング電圧VPGMは、プログラム期間PF1の間に細かいステップで増分される。より具体的には、プログラミング電圧VPGMのレベルは、各粗いプログラム期間FCの開始時にV(細かいパルス)の量だけ増分し、式中V<Vである。
【0032】
ステップ510において、1つまたは複数の粗いプログラム期間PCの間に対応する選択されたワードラインにプログラム電圧VPGM(粗いパルス)を印加することによって、1つまたは複数の選択されたメモリセルに対して粗いプログラミングを実行することができる。ステップ570において、1つまたは複数の細かいプログラム期間FCの間に対応する選択されたワードラインにプログラム電圧VPGM(細かいパルス)を印加することによって、1つまたは複数の選択されたメモリセルに対して細かいプログラミングを実行することができる。各パルスは、データバッファ130に格納された1つまたは複数のプログラム状態に到達することを目的として、1つまたは複数の選択されたメモリセルに増分電荷を追加する。
【0033】
ステップ520において、感知回路122は、粗い検証および細かい検証が実行され得る基準レベルを備える1つまたは複数の基準回路を含み得る。例えば、データは電流の形であり得、基準回路は、基準の電流を供給するプログラムされたメモリセルを含み得る。いくつかの実施形態では、プログラムされた各レベルに対して複数の参照が存在する。例示の目的でMLC実施形態を使用して、感知回路122は、L1粗い検証電流、L1細かい検証電流、L2粗い検証電流、L2細かい検証電流、およびL3検証電流を供給することができる。
【0034】
本発明では、各々の粗い検証電流の値は、ワードラインをプログラミングする順序に従って調整することができる。ワードラインWL~WLの共通セットは、PワードラインサブセットSUB~SUBにさらにグループ化され、各ワードラインサブセットには、n個の隣接するワードラインが含まれる(nはNより小さい正の整数である)。最初に、第1のワードラインサブセットSUBのワードラインWL~WLが順次プログラムされ、続いて、第2のワードラインサブセットSUBのワードラインWLn+1~WL2nが順次プログラムされる。同じ手順が、P番目のワードラインサブセットのワードラインWLN-n+1~WLが順次プログラムされるまで続く。
【0035】
図7は、各ワードラインサブセットに関連する粗い検証電流の値を示す図である。示されているように、第1のワードラインサブセットSUBのワードラインによって制御される選択されたメモリセルがL1にプログラムされる場合、対応する粗い検証電流はISENSE1に設定され、第2のワードラインサブセットSUBのワードラインによって制御される選択されたメモリセルがL1にプログラムされる場合、対応する粗い検証電流はISENSE2…に設定され、P番目のワードラインサブセットSUBのワードラインによって制御される選択されたメモリセルがLにプログラムされる場合、対応する粗い検証電流はISENSEに設定される、式中ISENSE1>ISENSE2>…>ISENSEPである。言い換えると、後でL1にプログラムされたワードラインサブセットに関連付けられた粗い検証電流は、それより前にL1にプログラムされたワードラインサブセットに関連付けられた粗い検証電流よりも、小さい値に設定される。
【0036】
ステップ530および580において、メモリセルを読み戻すことによって、1つまたは複数の選択されたメモリセルに対して粗い/細かい検証を実行することができる。読み戻すプロセスは、プログラミングパルスの間に検証電圧VVERを印加することによる、1つまたは複数の感知動作を含み得る。
【0037】
図8は、本発明の一実施形態による、ステップ530および580を実行するときの検証電圧VVERの波形を示す図である。図6を参照すると、各検証期間PVは、1つまたは複数の選択されたメモリセルの電流電圧レベルを確認するために、2つの隣接するプログラム期間の間に挿入される。
【0038】
ステップ540および590において、列デコーダ120は、各検証期間中にメモリアレイ110からデータを受信し、そのデータを感知回路122に向けることができる。感知回路122は、メモリアレイ110からのデータを、対応する粗い/細かい検証電流と比較することができる。
【0039】
ステップ540において、プログラムされているメモリセルのいずれも対応する粗い検証電流を超えていない場合、プログラム検証回路140は、ステップ550において同じデータをデータバッファ130に書き戻す。別の実施形態で、ステップ550が省略されてもよく、方法は、ステップ540での「いいえ」の決定の後に、ステップ500に直接ループバックする。上記のループは、プログラムされているメモリセルの少なくとも1つが対応する粗い検証電流を超えるまで、1つまたは複数の選択されたメモリセルに増分電荷を追加することを目的としている。
【0040】
プログラムされているメモリセルのいずれかが対応する粗い基準を超えた場合、粗い/細かい検証回路150は、「粗いパス」信号をコントローラ160にアサートし、ステップ540で「はい」の決定に至る。説明の目的でMLCの実施形態を使用して、粗い検証操作が、現在L1またはL2のいずれかでプログラムされているすべてのメモリセルに対して、実行される。これらの実施形態では、いずれかのメモリセルが対応する粗い基準を超える場合、粗い/細かい検証回路150は、粗いパス信号をアサートする。粗いパス信号をアサートすることによって、粗い/細かい検証回路150は、ステップ560において、プログラム電圧VPGMを細かいステップで増分するようにコントローラ160に通知することができる。
【0041】
プログラムされているメモリセルの少なくとも1つが対応する細かい検証電流を超えていない場合、細かいパス信号はアサートされず、ステップ590で「いいえ」の決定に至る。このような状況下で、プログラム検証回路140は、ステップ600で細かい検証にパスした(対応する細かい検証電流を超えた)すべてのメモリセルの表示データをデータバッファ130に書き込む。次に、この方法は、ステップ560に直接ループバックする。「11」などのMLC構成の表示データは、細かい検証にパスしたすべてのメモリセルが再パルス化されるのを防ぐ。上記のループは、プログラムされているすべてのメモリセルが対応する細かい検証電流を超えるまで、1つまたは複数の選択されたメモリセルに増分電荷を追加することを目的としている。
【0042】
本発明では、全体的なプログラミング速度を改善するために、粗いプログラミングと細かいプログラミングを採用することができる。また、粗い/細かい検証は、粗い/細かいプログラミングの各ステップの後に、対応する粗い/細かい検証電流に従って実行され、選択されたメモリセルが所望の値に到達したかどうかを決定する。各々の粗い検証電流の値は、ワードラインをプログラミングする順序に従って調整することができ、それによって、異なるメモリセル間のゲイン変動を補償する。したがって、本方法は、メモリセルの閾値電圧に大きなマージンを設けることができる。
【0043】
当業者は、本発明の教示を保持しながら、装置および方法の多数の修正および変更を行うことができる旨を容易に理解する。したがって、上記の開示は、添付の特許請求の範囲の境界によってのみ限定されると解釈されるべきである。
図1
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