(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-03
(45)【発行日】2023-10-12
(54)【発明の名称】ガス放電光源におけるフッ素検出
(51)【国際特許分類】
G01N 31/00 20060101AFI20231004BHJP
H01S 3/00 20060101ALI20231004BHJP
H01S 3/225 20060101ALI20231004BHJP
【FI】
G01N31/00 Q
H01S3/00 G
H01S3/225
(21)【出願番号】P 2022507776
(86)(22)【出願日】2020-08-21
(86)【国際出願番号】 US2020047430
(87)【国際公開番号】W WO2021041224
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2022-04-04
(32)【優先日】2019-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513192029
【氏名又は名称】サイマー リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ズリタ,オマール
【審査官】倉持 俊輔
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-228086(JP,A)
【文献】国際公開第2019/060164(WO,A1)
【文献】特開平01-308961(JP,A)
【文献】特開2001-165924(JP,A)
【文献】特開平11-274610(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0133813(US,A1)
【文献】特開平2-162257(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 31/00,
H01S 3/00,3/225
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス放電チャンバからフッ素を含む混合ガスの少なくとも一部を受容すること、
前記混合ガスの一部中の前記フッ素を
金属の水酸化物と反応させて、酸素及び水を含む新しいガス混合物を形成すること、
前記新しいガス混合物中の水の濃度を検知すること、及び
検知した前記水の濃度に基づいて前記混合ガスの一部中のフッ素の濃度を推定すること、を含む方法。
【請求項2】
前記水酸化物がアルカリ土類金属水酸化物を含む、請求項1の方法。
【請求項3】
前記水酸化物がアルカリ金属及び炭素を含まない、請求項1の方法。
【請求項4】
前記混合ガスが、少なくとも利得媒体と緩衝ガスの混合物を含むエキシマレーザガスである、請求項1の方法。
【請求項5】
前記混合ガスの一部中の推定した前記フッ素の濃度に基づいてガス供給部セットからのガス混合物中のフッ素の相対濃度を調整すること、及び
調整した前記ガス混合物を前記ガス供給部
セットから前記ガス放電チャンバに加えることによってガス更新を実行することを更に含む、請求項1の方法。
【請求項6】
前記ガス更新を実行することが、前記ガス放電チャンバを
フッ素を含む利得媒体と緩衝ガス
の混合物で充填することを含む、請求項5の方法。
【請求項7】
前記ガス放電チャンバを前記利得媒体と前記緩衝ガスの混合物で充填することが、前記ガス放電チャンバを、貴ガス及びハロゲンを含む利得媒体並びに不活性ガスを含む緩衝ガスで充填することを含む、請求項6の方法。
【請求項8】
前記混合ガスの少なくとも一部を前記ガス放電チャンバから受容することが、前記ガス放電チャンバに対するガス更新が実行される前に前記混合ガスの一部を受容することを含み、前記ガス更新が、ガス供給部セットから前記ガス放電チャンバにガス混合物を加えることを含み、前記ガス混合物が少なくとも多少のフッ素を含む、請求項1の方法。
【請求項9】
前記混合ガスの少なくとも一部を前記ガス放電チャンバから受容することが、前記ガス放電チャンバから前記混合ガスを抜き取り、抜き取った前記混合ガスを、前記水酸化物を収容している反応容器へ誘導することを含む、請求項1の方法。
【請求項10】
前記新しいガス混合物を前記反応容器から測定容器へ移送することを更に含み、前記新しいガス混合物中の水の濃度を検知することが、前記測定容器内の前記新しいガス混合物中の水の濃度を検知することを含む、請求項9の方法。
【請求項11】
前記新しいガス混合物中の水の濃度を検知することが、前記混合ガスの一部を別の材料で希釈することなく前記新しいガス混合物中の水の濃度を検知することを含む、請求項1の方法。
【請求項12】
前記混合ガスの一部を前記水酸化物と反応させて水を含む前記新しいガス混合物を形成することが、前記混合ガスの一部を水酸化カルシウムと反応させて、フッ化カルシウムと水を形成することを含む、請求項1の方法。
【請求項13】
前記混合ガスの一部中の前記フッ素を前記水酸化物と反応させて、水を含む前記新しいガス混合物を形成することが、線形であると共に前記混合ガスの一部中の前記フッ素の濃度と前記新しいガス混合物中の前記水の濃度との間に直接的な相関関係がある反応を実行することを含む、請求項1の方法。
【請求項14】
前記新しいガス混合物中の酸素の濃度を検知することを更に含み、前記混合ガスの一部中の前記フッ素の濃度を推定することが、検知した前記酸素の濃度にも基づいている、請求項1の方法。
【請求項15】
第1のガス混合物をガス供給部セットからガス放電チャンバに加えることによって第1のガス更新を実行すること、
前記第1のガス更新後に、前記ガス放電チャンバからフッ素を含む混合ガスの少なくとも一部を取り出すこと、
取り出した前記混合ガスの一部の前記フッ素を反応物と反応させて、酸素及び水を含む新しいガス混合物を形成すること、
前記新しいガス混合物中の水の濃度を検知すること、
検知した前記水の濃度に基づいて、取り出した前記混合ガスの一部中のフッ素の濃度を推定すること、
取り出した前記混合ガスの一部中の推定した前記フッ素の濃度に基づいて、前記ガス供給部セットからの第2のガス混合物中のフッ素の相対濃度を調整すること、及び
調整した前記第2のガス混合物を前記ガス供給部から前記ガス放電チャンバに加えることによって第2のガス更新を実行することを含む、方法。
【請求項16】
前記反応物が
金属の水酸化物を含む、請求項15の方法。
【請求項17】
前記ガス放電チャンバ内の前記混合ガスが、少なくとも利得媒体と緩衝ガスの混合物を含むエキシマレーザガスを含む、請求項15の方法。
【請求項18】
検知した前記水の濃度に基づいて、取り出した前記混合ガスの一部中の前記フッ素の濃度を推定することが、取り出した前記混合ガスの一部中の前記フッ素濃度を測定することなく、取り出した前記混合ガスの一部中の前記フッ素濃度を推定することを含む、請求項15の方法。
【請求項19】
エキシマガス放電システムの各ガス放電チャンバに流体接続された検出装置と、前記検出装置に接続された制御システムとを含む装置であって、各検出装置が、
金属の水酸化物を収容すると共に前記ガス放電チャンバに流体接続された反応キャビティを画定し、前記ガス放電チャンバからフッ素を含む混合ガスを前記反応キャビティ内に受容するための容器であって、受容した前記混合ガスの前記フッ素と前記水酸化物との反応によって酸素及び水を含む新しいガス混合物を形成することを可能にする容器と、
前記新しいガス混合物に流体接続され、前記新しいガス混合物に流体接続されたときに、前記新しいガス混合物中の水の量を検知するように構成された水センサと、を含み、
前記制御システムが、
前記水センサからの出力を受信し、前記ガス放電チャンバから受容した前記混合ガス中のフッ素の濃度を推定し、
前記混合ガス中の推定された前記フッ素の濃度に基づいて、ガス維持システムのガス供給システムからのガス混合物中のフッ素の濃度を調整するべきかどうかを判定し、
前記ガス放電チャンバに対するガス更新中に、前記ガス維持システムの前記ガス供給システムから前記ガス放電チャンバに供給されるガス混合物中のフッ素の相対濃度を調整するように前記ガス維持システムに命令する信号を前記ガス維持システムに送信するように構成された、装置。
【請求項20】
前記検出装置が、前記反応容器の前記反応キャビティに流体接続されると共に前記新しいガス混合物を受容するように構成された測定キャビティを画定する測定容器を更に含み、
前記水センサが、前記測定キャビティ内の前記新しいガス混合物中の水の量を検知するように構成された、請求項19の装置。
【請求項21】
前記エキシマガス放電システムが複数のガス放電チャンバを含み、前記検出装置が前記複数のガス放電チャンバの各ガス放電チャンバに流体接続され、前記検出装置が複数の容器を含み、各容器が前記水酸化物を収容している反応
キャビティを画定し、各容器が前記ガス放電チャンバの1つに流体接続され、前記検出装置が、前記容器の全てと流体接続されている単一の水センサを含む、請求項19の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] この出願は、2019年8月29日に出願されたFLUORINE DETECTION IN A GAS DISCHARGE LIGHT SOURCEと題する米国出願番号第62/893,377号の優先権を主張し、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 開示される主題は、混合ガス中のフッ素の検出に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] フォトリソグラフィにおいて用いられるガス放電光源の1つのタイプは、エキシマ光源(excimer light source)又はレーザとして知られている。エキシマ光源は、典型的にはアルゴン、クリプトン、又はキセノンなどの1種類以上の貴ガスと、フッ素又は塩素などの反応ガスとの組み合わせを使用する。エキシマ光源という名前は、電気的刺激(供給されるエネルギー)及び(ガス混合物の)高い圧力の適切な条件下で、励起状態においてのみ存在し紫外線範囲の増幅光を発生させるエキシマと呼ばれる擬分子が生成されるという事実に由来する。
【0004】
[0004] エキシマ光源は深紫外線(DUV)範囲の波長を有する光ビームを生成し、この光ビームは、フォトリソグラフィ装置において半導体基板(又はウェーハ)にパターン形成するのに用いられる。エキシマ光源は、単一ガス放電チャンバを用いて又は複数のガス放電チャンバを用いて構築することができる。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 一部の一般的な態様において、方法は、ガス放電チャンバからフッ素を含む混合ガスの少なくとも一部を受容すること、混合ガスの一部中のフッ素を水酸化物と反応させて、酸素及び水を含む新しいガス混合物を形成すること、新しいガス混合物中の水の濃度を検知すること、及び検知した水の濃度に基づいて混合ガスの一部中のフッ素の濃度を推定することを含む。
【0006】
[0006] 実施例は、以下の特徴の1つ以上を含む可能性がある。例えば、水酸化物はアルカリ土類金属水酸化物を含む可能性がある。水酸化物は、アルカリ金属及び炭素を含まない可能性がある。
【0007】
[0007] 混合ガスは、少なくとも利得媒体と緩衝ガスの混合物を含むエキシマレーザガスである可能性がある。
【0008】
[0008] 方法は、混合ガスの一部中の推定したフッ素の濃度に基づいてガス供給部セットからのガス混合物中のフッ素の相対濃度を調整すること、及び調整したガス混合物をガス供給部からガス放電チャンバに加えることによってガス更新(gas update)を実行することも含む可能性がある。ガス更新は、ガス放電チャンバに利得媒体と緩衝ガスとフッ素の混合物を充填することによって実行される可能性がある。ガス放電チャンバは、ガス放電チャンバに貴ガス及びハロゲンを含む利得媒体と不活性ガスを含む緩衝ガスとを充填することによって、利得媒体と緩衝ガスの混合物で充填される可能性がある。貴ガスは、アルゴン、クリプトン、又はキセノンを含み、ハロゲンはフッ素を含み、不活性ガスはヘリウム又はネオンを含む可能性がある。ガス放電チャンバは、利得媒体と緩衝ガスとフッ素の混合物をガス放電チャンバ内の既存の混合ガスに加えるか、又はガス放電チャンバ内の既存の混合ガスを、少なくとも利得媒体と緩衝ガスとフッ素の混合物に交換することによって、利得媒体と緩衝ガスとフッ素の混合物で充填される可能性がある。ガス更新は、ガス再充填スキーム又はガス注入スキームのうちの1つ以上を実行することによって実行される可能性がある。
【0009】
[0009] 混合ガスの一部は、ガス放電チャンバに対するガス更新が実行される前に混合ガスの一部を受容することによって、ガス放電チャンバから受容される可能性がある。ガス更新は、ガス供給部セットからガス放電チャンバに少なくとも多少のフッ素を含むガス混合物を加えることを含む可能性がある。
【0010】
[0010] ガス更新は、ガス再充填スキーム又はガス注入スキームのうちの1つ以上を実行することによって実行される可能性がある。
【0011】
[0011] 混合ガスの一部は、ガス放電チャンバから混合ガスを抜き取り、抜き取った混合ガスを、水酸化物を収容している反応容器へ誘導することによって、ガス放電チャンバから受容される可能性がある。方法はまた、新しいガス混合物を反応容器から測定容器へ移送することを含む可能性があり、新しいガス混合物中の水の濃度を検知することは、測定容器内の新しいガス混合物中の水の濃度を検知することを含む。新しいガス混合物中の水の濃度は、測定容器内のセンサを新しいガス混合物に暴露することによって検知される可能性がある。
【0012】
[0012] 方法は、混合ガスの一部中のフッ素の濃度を推定した後、測定容器から新しいガス混合物を排出することも含む可能性がある。
【0013】
[0013] 新しいガス混合物中の水の濃度は、混合ガスの一部を別の材料で希釈することなく新しいガス混合物中の水の濃度を検知することによって検知される可能性がある。
【0014】
[0014] 混合ガスの一部は水酸化物と反応して、無機フッ化物化合物と水を形成することによって、水を含む新しいガス混合物を形成する可能性がある。水酸化物は水酸化カルシウムを含む可能性があり、無機フッ化物化合物はフッ化カルシウムを含む可能性がある。
【0015】
[0015] 新しいガス混合物中の水の濃度は、反応の開始後に所定の期間が経過した後にのみ新しいガス混合物中の水の濃度を検知することによって検知される可能性がある。
【0016】
[0016] 混合ガスの一部は排気ガスである可能性があり、混合ガスの一部は水酸化物と反応して、排気ガスからフッ素を除去することによって水を含む新しいガス混合物を形成する可能性がある。
【0017】
[0017] 混合ガスの一部中のフッ素の濃度は、検知した水の濃度及び混合ガスの一部中のフッ素と水酸化物との化学反応のみに基づいた推定を行うことによって、検知した水の濃度に基づいて推定される可能性がある。
【0018】
[0018] 混合ガスの一部中のフッ素の濃度は約500~2000ppm(parts per million)である可能性がある。
【0019】
[0019] 水を含む新しいガス混合物を形成するための混合ガスの一部中のフッ素と水酸化物との反応は安定している可能性がある。
【0020】
[0020] 混合ガスの一部中のフッ素は水酸化物と反応して、線形であると共に混合ガスの一部中のフッ素の濃度と新しいガス混合物中の水の濃度との間に直接的な相関関係がある反応を実行することによって、水を含む新しいガス混合物を形成する可能性がある。
【0021】
[0021] 方法は、新しいガス混合物中の酸素の濃度を検知することも含む可能性があり、混合ガスの一部中のフッ素の濃度を推定することは、追加的に検知した酸素の濃度に基づいている可能性がある。
【0022】
[0022] 他の一般的な態様において、方法は、ガス供給部セットからガス放電チャンバに第1のガス混合物を加えることによって第1のガス更新を実行すること、第1のガス更新の後、ガス放電チャンバからフッ素を含む混合ガスの少なくとも一部を取り出すこと、取り出した混合ガスの一部のフッ素を反応物と反応させて、酸素及び水を含む新しいガス混合物を形成すること、新しいガス混合物中の水の濃度を検知すること、検知した水の濃度に基づいて取り出した混合ガスの一部中のフッ素の濃度を推定すること、取り出した混合ガスの一部中の推定したフッ素の濃度に基づいて、ガス供給部セットからの第2のガス混合物中のフッ素の相対濃度を調整すること、及び調整した第2のガス混合物をガス供給部からガス放電チャンバに加えることによって第2のガス更新を実行することを含む。
【0023】
[0023] 実施例は、以下の特徴の1つ以上を含む可能性がある。例えば、反応物は水酸化物を含む可能性がある。ガス放電チャンバ内の混合ガスは、少なくとも利得媒体と緩衝ガスの混合物を含むエキシマレーザガスを含む可能性がある。
【0024】
[0024] 取り出した混合ガスの一部中のフッ素の濃度は、取り出した混合ガスの一部中のフッ素濃度を測定することなく、取り出した混合ガスの一部中のフッ素濃度を推定することによって、検知した水の濃度に基づいて推定される可能性がある。
【0025】
[0025] 他の一般的な態様において、装置は、エキシマガス放電システムの各ガス放電チャンバに流体接続された検出装置と、検出装置に接続された制御システムとを含む。各検出装置は、水酸化物を収容すると共にガス放電チャンバに流体接続された反応キャビティを画定し、ガス放電チャンバからフッ素を含む混合ガスを反応キャビティ内に受容するための容器と、水センサとを含む。容器は、受容した混合ガスのフッ素と水酸化物との反応によって酸素及び水を含む新しいガス混合物を形成することを可能にする。水センサは、新しいガス混合物に流体接続され、新しいガス混合物に流体接続されたときに、新しいガス混合物中の水の量を検知するように構成されている。制御システムは、水センサの出力を受信し、ガス放電チャンバから受容した混合ガス中のフッ素の濃度を推定し、混合ガス中の推定されたフッ素の濃度に基づいて、ガス維持システムのガス供給システムからのガス混合物中のフッ素の濃度を調整するべきかどうかを判定し、ガス放電チャンバに対するガス更新中に、ガス維持システムのガス供給システムからガス放電チャンバに供給されるガス混合物中のフッ素の相対濃度を調整するようにガス維持システムに命令する信号をガス維持システムに送信するように構成されている。
【0026】
[0026] 実施例は、以下の特徴の1つ以上を含む可能性がある。例えば、エキシマガス放電システムの各ガス放電チャンバは、エネルギー源を収容する可能性があり、利得媒体及びフッ素を含むエキシマレーザガスを含むガス混合物を含有する可能性がある。
【0027】
[0027] 検出装置は、反応容器の反応キャビティに流体接続されると共に新しいガス混合物を受容するように構成された測定キャビティを画定する測定容器も含む可能性がある。水センサは、測定キャビティ内の新しいガス混合物中の水の量を検知するように構成される可能性がある。
【0028】
[0028] 取り出した混合ガスの一部中のフッ素の濃度は約500~2000ppmである可能性がある。
【0029】
[0029] エキシマガス放電システムは複数のガス放電チャンバを含む可能性があり、検出装置は複数のガス放電チャンバの各ガス放電チャンバに流体接続される可能性がある。検出装置は複数の容器を含む可能性があり、各容器は水酸化物を収容している反応キャビティを画定し、各容器はガス放電チャンバの1つに流体接続され、検出装置は、それぞれが1つの容器と関連付けられた複数の水センサを含む。検出装置は複数の容器を含む可能性があり、各容器は水酸化物を収容している反応キャビティを画定し、各容器はガス放電チャンバの1つに流体接続され、検出装置は、容器の全てと流体接続されている単一の水センサを含む。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】[0030] チャンバ内のガス混合物中のフッ素の濃度を測定するように構成された検出装置を含む装置のブロック図である。
【
図2】[0031] フォトリソグラフィ装置に誘導される光ビームを生成する深紫外線(DUV)光源の一部として実施された
図1の装置のブロック図である。
【
図3】[0032] 検出装置がフッ素センサを含む、
図1の装置の検出装置のある実施例のブロック図である。
【
図4】[0033] 検出装置が緩衝容器を含む、
図1の装置のある実施例のブロック図である。
【
図5】[0034] 検出装置が複数の反応容器を含み、各反応容器が複数のチャンバの1つと関連付けられている、
図1の装置のある実施例のブロック図である。
【
図6】[0035] 例示的なDUV光源の詳細が示されている、
図2の装置のある実施例のブロック図である。
【
図7】[0036]
図2又は
図6に示されているDUV光源の一部である制御システムのある実施例のブロック図である。
【
図8】[0037] 装置がフッ素スクラバと関連付けて実施されている、
図1の装置の別の実施例のブロック図である。
【
図9】[0038] チャンバのガス混合物中のフッ素の濃度を検出するために検出装置により実行される手順のフローチャートである。
【
図10】[0039] 一度フッ素濃度を推定し、
図9の手順を完了したときに装置により実行される手順のフローチャートである。
【
図11】[0040] チャンバ内のガス混合物中のフッ素の濃度を推定するために、
図9の手順の代わりに検出装置により実行される手順のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
[0041]
図1を参照すると、装置100は、市販のフッ素センサを用いてチャンバ110内のガス混合物107中のフッ素(F)の濃度を直接測定することなく、ガス混合物107中のフッ素の濃度を測定又は推定するように構成されている検出装置105を含む。室温において、フッ素は二原子分子の気体であり、分子構造F
2で表される。したがって、本明細書で用いられる「フッ素」という用語は分子フッ素F
2を指す。チャンバ110内のフッ素分子F
2の濃度は、フッ素の直接的な検出を可能とするには高すぎる範囲内にある。例えば、チャンバ110内のフッ素の濃度は約500ppmより高く、約1000ppmであるか、又は最大で約2000ppmである可能性がある。しかしながら、市販のフッ素センサは、典型的には10ppmで飽和するため、市販のフッ素センサを用いてチャンバ110内のフッ素の濃度を直接測定することは非現実的である。この代わりに、検出装置105は、チャンバ110からのフッ素を検知装置116の市販のセンサ115でそれぞれ検出及び測定できる(水を含む)1つ以上の成分に変換する化学反応を可能にする。検出装置105は、化学反応の後に存在する水の量(センサ115から供給される)に基づいて、更に、化学反応に関する情報に基づいて、化学反応の開始前にどのくらいのフッ素が存在していたかを計算又は推定することができる。
【0032】
[0042] この推定を正確なものとするために、検出装置105は、チャンバ110からのフッ素を各成分に変換する化学反応が線形反応であり、化学反応開始前のフッ素の濃度と化学反応終了時の水の濃度との間に直接的な相関関係があると仮定することができる。あるいは検出装置105は、フッ素の変換が完全である(したがって、化学反応後のガス中に残留分子フッ素F2は存在しない)と仮定することができる。
【0033】
[0043] 装置100は、導管システム127を介してチャンバ110に流体接続された少なくともガス供給システムを含むガス維持システム120と通じている。以下で詳しく考察するように、ガス維持システム120は、1つ以上のガス供給部と、これらの供給部からのガスのうちのどれを導管システム127を介してチャンバ110内外に移送させるかを制御するための制御ユニット(バルブシステムも含む)とを含む。
【0034】
[0044] 装置100は、水センサ115からの出力を受信すると共に、化学反応開始前にどれくらいのフッ素が存在していたかを計算してガス混合物107中のフッ素の量を推定するコントローラ130を含む。コントローラ130は、この情報を用いて、ガス混合物107中のフッ素の濃度を調整する必要があるかどうかを判定する。したがって、コントローラ130は、この判定に基づいて、チャンバ110内外に移送されることになるガス維持システム120の供給部における相対的なガス量をどのように調整するかを決定する。コントローラ130は、チャンバ110に対するガス更新中にガス混合物107中のフッ素の相対濃度を調整するように命令する信号をガス維持システム120に送信する。
【0035】
[0045] 検出装置105は、水酸化物Σ(-OH)145(Σは金属)を収容している反応キャビティ140を画定する反応容器135を含む。反応キャビティ140は、導管137を介してチャンバ110に流体接続されて、チャンバ110からフッ素を含む混合ガス150を受容する。図示されていないが、導管137に1つ以上の流体制御デバイス(バルブなど)を配置して、混合ガス150を反応キャビティ140へ誘導するタイミングを制御すると共に、混合ガス150の反応容器135内への流量を制御することができる。このように、反応キャビティ140は、受容した混合ガス150のフッ素と水酸化物145との化学反応が新しいガス混合物155を形成することを可能にする。反応キャビティ140を画定する反応容器135の内部は、受容した混合ガス150のフッ素と水酸化物145との化学反応を阻害する又は変化させることのないように、非反応性材料で作製しなければならない。例えば反応容器135の内部は、ステンレス鋼又はモネルメタルなどの非反応性金属で作製することができる。
【0036】
[0046] 水センサ115は、新しいガス混合物155を受容すると共に新しいガス混合物155中の水の量を検知するために流体接続されている。水センサ115は、化学反応によって予想される濃度範囲内の水の濃度を検出できる市販の水センサである可能性がある。例えば水センサ115は、200~1000ppmの範囲内の新しいガス混合物155中の水を検知する。
【0037】
[0047] 水センサ115(及び任意選択で酸素センサ117)は、測定容器170の測定キャビティ175の内部にある可能性がある。測定キャビティ175は導管177を介して反応キャビティ140に流体接続されている。
図1には示されていないが、導管177に1つ以上の流体制御デバイス(バルブなど)を配置して、新しいガス混合物155を測定キャビティ175へ誘導するタイミングを制御すると共に、新しいガス混合物155の測定容器170内への流量を制御することができる。
【0038】
[0048] 一部の実施例では、水センサ115は、キャビティ175内の水蒸気の量すなわち湿度を測定する湿度計である可能性がある。湿度を測定する機器はまた、通常、温度、圧力、質量、あるいは水分を吸収する物質の機械的又は電気的変化を、これらの要因も湿度に影響を及ぼす可能性があるという理由で測定する。較正及び計算によって、これらの測定量は湿度の測定をもたらすことができる。湿度計は、凝縮温度(露点とも呼ばれる)、すなわち物質の完全な蒸気飽和点を用いる電子デバイスである可能性がある。湿度計は、物質の静電容量又は抵抗の変化を検出及び測定して湿度を決定するデバイスである可能性がある。湿度計は、物質の静電荷を保持する能力の変化を測定する抵抗湿度計である可能性がある。湿度計は、物質の電気を送る能力の変化を測定するキャパシタベースの湿度計である可能性がある。
【0039】
[0049] 一部の実施例では、必須ではないが、検知装置116は、200~1000ppmの範囲内の新しいガス混合物155中の酸素を検知する酸素センサ117である可能性がある第2のセンサ117を含む。
【0040】
[0050] この濃度範囲に適した酸素センサ117の一例は、酸素検出のための精密酸化ジルコニアセンサを用いる酸素分析装置である。酸化ジルコニアセンサは、高純度、高密度、安定化ジルコニアセラミックから作られたセルを含む。酸化ジルコニアセンサは、新しいガス混合物155の酸素濃度を示す電圧信号を生成する。また、酸化ジルコニアセンサの出力は、酸素センサ117内の高速マイクロプロセッサによって解析(例えば、変換及び線形化)されて、コントローラ130により使用される直接デジタル読み出しを提供する。従来の酸化ジルコニウムセルは、内面及び外面に多孔質プラチナ電極がめっきされた酸化ジルコニウムセラミックチューブを含む。酸化ジルコニアセンサは、特定温度(例えば、600Cすなわち華氏1112度)を超えて加熱されるとき、酸素イオン伝導性電解質になる。電極は、酸素分子O2から酸素イオン、及び酸素イオンから酸素分子への変化のための触媒表面を提供する。セルの高濃度の基準ガス側にある酸素分子は、電解質に侵入するイオンになる電子を獲得する。同時に、内側電極において、酸素イオンが電子を失い、酸素分子として表面から放出される。酸素濃度が酸化ジルコニアセンサの各側で異なるとき、酸素イオンは高濃度側から低濃度側に移動する。このイオン流動は、電子不均衡を生じさせ、結果として電極の両端にDC電圧が発生する。この電圧は、センサ温度とセンサの各側の酸素分圧(濃度)比との関数である。次いでこの電圧は、コントローラ130による直接読み出しのため、酸素センサ117内の高速マイクロプロセッサによって解析される。
【0041】
[0051] 混合ガス150中のフッ素を水酸化物145と反応させる理由は、フッ素と水酸化物との化学反応が容易に実施及び制御される化学量論的に単純な化学反応であるためである。更に、この化学反応の制御された化学量論比は固定されている。また、フッ素と水酸化物との化学反応は安定した化学反応である。化学反応は、可逆的でなく、新しいガス混合物の成分が新しいガス混合物中の他の成分と反応してフッ素を形成することがない場合に、安定している可能性がある。安定しており、制御された化学量論比を有する混合ガス150のフッ素と水酸化物145との1つの適切な化学反応を次に考察する。
【0042】
[0052] 一部の実施例では、水酸化物145は粒状固体粉末形態である。更に、粒状形態の水酸化物145は、水酸化物145の粉末中の粒子が移動しないように、反応容器135(チューブである可能性がある)内にぎっしり詰めることができる。水酸化物145の粉末外部の反応容器135内の空間の面積又は体積は細孔と見なされ、粒状形態の水酸化物145を用いることによって、水酸化物145とフッ素との完全な化学反応を可能にする大きい表面積が存在することを保証することが可能である。一部の実施例では、特定の水酸化物に依存して、水酸化物145及び反応容器135は室温に維持され、水酸化物145とフッ素との反応は触媒の必要なく進行する。
【0043】
[0053] 水酸化物145は、反応容器135内の反応キャビティ140を充填することができる。反応容器135、ひいては反応キャビティ140の形状は特定の形態に限定されない。
【0044】
[0054] 水酸化物145は、アルカリ土類金属である可能性がある金属Σを含む。更に、水酸化物145は、アルカリ金属及び炭素を含まない。したがって、水酸化物145は、水酸化カルシウム[Ca(OH)2](この例ではΣはCaである)である可能性がある。水酸化カルシウムは粒状の固体形態であり、フッ素ガスとの化学反応を可能にする充分な表面積を与えるのに充分な細孔を有する。水酸化カルシウムの粒子間の空間は、水酸化カルシウム内へフッ素ガスを流入させて化学反応を可能にするのに充分な大きさである。例えば水酸化カルシウムは、カラムに充填されている粒子の形態である可能性があり、充填レベルは分析対象の混合ガス150中のフッ素濃度レベルに依存する。水酸化物145に混合ガス150を通過させて(例えば流して)、フッ素と水酸化カルシウムとの化学反応を可能にする。
【0045】
[0055] 混合ガス150中のフッ素ガス(F2)の存在下で、水酸化物がフッ化カルシウムCa(OH)2である場合に、以下の2段階化学反応が発生する。
1)2F2+Ca(OH)2=CaF2+OF2+H2O、
2)OF2+Ca(OH)2=CaF2+O2+H2O。
水酸化カルシウム[Ca(OH)2]145の分子と相互作用するあらゆる2つのフッ素分子(F2)に対して、2つの無機フッ化物化合物(フッ化カルシウムすなわちCaF2)分子と、1つの酸素分子(O2)と、2つの水分子(H2O)とが産生される。この化学反応は線形かつ化学量論的に単純な反応である。このため、フッ素及び水だけに注目すると、化学反応に投入されるあらゆる1つのフッ素分子F2に対して、化学反応から1つの水分子H2Oが産生される。これを別の方法で記述すると、化学反応に投入されるあらゆる1モルのフッ素F2に対して、化学反応から1モルのH2Oが産生される。したがって、2モルのフッ素F2が化学反応に投入された場合、化学反応後に2モルの水H2Oが放出される。この水は水センサ115によって検出される。したがって、例えば、コントローラ130は、(記憶されているメモリ内のデータへのアクセスから)この化学反応におけるフッ素対水の比が1:1であるとわかっているので、センサ115によって0.6モルの水が検出された場合、コントローラ130は、ガス混合物107中に0.6モルのフッ素が存在していたと判断する。他の実施例では、検出装置105は、フッ素の変換が完全である(したがって、化学反応後にガス中に残留フッ素分子F2は存在しない)と仮定することができる。例えば、化学反応の開始後に充分な時間が経過した場合、この仮定は有効な仮定となる可能性がある。
【0046】
[0056] この例では、検知装置116が酸素センサ117も含む場合、酸素センサ117からの酸素濃度の測定を、水センサ115からの水の測定と組み合わせて使用することができる。したがって、化学反応に4モルのフッ素F2が投入された場合、化学反応後に2モルの酸素O2が放出される。この酸素は酸素センサ117によって検出される。一例として、コントローラ130は、この化学反応におけるフッ素対酸素の比が2:1であるとわかっているので、センサ117によって0.3モルの酸素が検出された場合、コントローラは、ガス混合物107中に0.6モルのフッ素が存在していたと判断する。コントローラ130は、酸素センサ117と水センサ115の両方からのデータを使用して、(酸素、水、及びフッ素の重量又は質量が知られているため)ガス混合物107中に存在するフッ素の濃度を推定することができる。例えば、両方のデータセットを使用してフッ素のより正確な測定を行うことができる。当業者には理解されるように、コントローラは、(例えば、フッ素、酸素、若しくは水の消費又は非効率な検出を考慮して)追加の較正及び補正を使用することもできる。
【0047】
[0057] 一部の実施例では、水酸化物145と混合ガス150中のフッ素との化学反応は、1つ以上の特別に設計された条件のもとで発生する。例えば、水酸化物145と混合ガス150中のフッ素との反応は、化学反応の速度を変化させるが化学反応終了時に化学的に不変の物質である1つ以上の触媒の存在下で発生する可能性がある。別の例として、水酸化物145と混合ガス150中のフッ素との反応は、温度を制御した環境又は湿度を制御した環境などの制御された環境で発生する可能性がある。
【0048】
[0058]
図2を参照すると、装置100は、例えばウェーハ上にマイクロ電子フィーチャをパターン形成するためのフォトリソグラフィ装置222へ誘導される光ビーム211を生成する紫外線(UV)又は深紫外線(DUV)光源200内に実装することができる。光源200は、光ビーム211の生成を可能にするために光源200の様々な素子に接続された制御システム290を含む。制御システム290は単体ブロックとして示されているが、これを複数のサブコンポーネントで構成することも可能であり、サブコンポーネントのいずれか1つ以上が他のサブコンポーネントから取り外されるか、又は光源200内の素子に対してローカルである可能性がある。更に、コントローラ130は、制御システム290の一部又は装置100の一部と見なすことができる。
【0049】
[0059] この実施例において、装置100は、光源200の光ビーム211を生成するエキシマガス放電システム225のガス放電チャンバ210のうちの1つ以上の内部のフッ素の濃度を計算するように構成されている。ガス放電チャンバ210が1つだけ図示されているが、エキシマガス放電システム225は複数のガス放電チャンバ210を含むことができ、それらのいずれか1つ以上は、装置100の検出装置105と、
図2には示されていない光ビーム211の特徴を制御するための他の素子(光学素子、メトロロジデバイス、及び電気機械素子など)とに流体連通している。更に、
図2には装置100に関連する光源200のコンポーネントのみが示されている。例えば光源200は、フォトリソグラフィ装置222へ誘導される光ビーム211の1つ以上の特性を調整するために最後のガス放電チャンバ210の出力部に配置されたビーム作製システムを含む可能性がある。
【0050】
[0060] ガス放電チャンバ210はエネルギー源230を収容し、ガス混合物207を含有している。エネルギー源230はガス混合物207にエネルギー源を提供する。具体的には、エネルギー源230は、チャンバ210内で誘導放出を介して利得を有効にするために反転分布を引き起こすのに充分なエネルギーをガス混合物207に与える。一部の例では、エネルギー源230は、ガス放電チャンバ210内に配置された1対の電極によって与えられる放電である。他の例では、エネルギー源230は光ポンピング源である。
【0051】
[0061] ガス混合物207は、貴ガスとフッ素などのハロゲンとを含む利得媒体を含む。DUV光源200の動作中、ガス放電チャンバ210内のガス混合物207のフッ素(光増幅のための利得媒体を与える)は消費され、このため経時的に光増幅の量が低減するので、光源200により生成される光ビーム211の特徴が変化する。フォトリソグラフィ装置222は、ガス放電チャンバ210内のガス混合物207中のフッ素の濃度を、初期ガス再充填手順に設定されているフッ素の濃度に対して特定の公差内に維持しようとする。このため、定期的にガス維持システム120の制御下に、追加のフッ素がガス放電チャンバ210に加えられる。フッ素消費量はガス放電チャンバごとに変動するため、閉ループ制御を用いて、ガス放電チャンバ210内へ導入又は注入するフッ素の量をその都度決定する。装置100は、ガス放電チャンバ210内に残っているフッ素の濃度を決定するのに用いられ、したがって、ガス放電チャンバ210内へ導入又は注入するフッ素の量を決定するためのスキーム全体で用いられる。
【0052】
[0062] 前述のように、ガス混合物207は、貴ガス及びフッ素を含む利得媒体を含む。ガス混合物207は、緩衝ガスなどの他のガスも含む可能性がある。利得媒体はガス混合物207内のレーザアクティブ物質(laser-active entity)であり、単一原子、分子又は擬分子で構成される可能性がある。したがって、エネルギー源230からの放電でガス混合物207(したがって利得媒体)をポンピングすることによって、利得媒体に誘導放出を介して反転分布が発生する。上述のように、利得媒体は典型的には貴ガス及びハロゲンを含み、緩衝ガスは典型的には不活性ガスを含む。貴ガスは例えば、アルゴン、クリプトン、又はキセノンを含む。ハロゲンは例えばフッ素を含む。不活性ガスは、例えばヘリウム又はネオンを含む。ガス混合物207中のフッ素以外のガスは不活性(希ガス又は貴ガス)であり、このため、混合ガス150と水酸化物145との間で起こる化学反応だけが、混合ガス150のフッ素と水酸化物145との間の反応であると仮定される。
【0053】
[0063] 再び
図1を参照すると、ガス維持システム120は、特徴(ガス混合物107又は207中の成分の相対濃度又は圧力など)を調整するためのガス管理システムである。
【0054】
[0064]
図3を参照すると、検出装置が水センサ115と共に使用されてガス混合物107中のフッ素の濃度を決定又は推定する酸素センサ117を含む一部の実施例では、装置は装置300であり、検出装置105は、反応キャビティ140に流体接続され、新しいガス混合物155中のフッ素の濃度が下限値を下回った時点を判定するように構成されたフッ素センサ360を含む検出装置305である。フッ素センサ360は、混合ガス150中のフッ素の直接測定に使用するには低すぎるフッ素のある濃度を超えると飽和する市販のフッ素センサである可能性がある。しかしながら、フッ素センサ360は最小検出閾値を有するので、新しいガス混合物155中のフッ素の濃度が下限値を下回った時点を検出するのに使用することができる。例えば、フッ素センサ360は10ppmの濃度で飽和する可能性があるが、約0.05ppmの最小検出閾値を有し、新しいガス混合物155中のフッ素の濃度が0.1ppmを下回った後に新しいガス混合物155中のフッ素の検出を開始することができる。
【0055】
[0065] コントローラ130は、フッ素センサ360からの出力を受信するコントローラ330として構成されている。コントローラ330は、新しいガス混合物155を酸素センサ117へ運ぶライン内の流量制御デバイス365と相互作用するモジュールを含む。流量制御デバイス365は、ゲートバルブ又は他の流体制御弁などのデバイスである可能性がある。
【0056】
[0066] コントローラ330は、フッ素センサ360の出力から新しいガス混合物155中のフッ素の濃度が下限値(例えば0.1ppm)を下回ると判定する場合にのみ新しいガス混合物155の酸素センサ117への流れを可能にする信号を流量制御デバイス365に送信する。このように、フッ素の濃度が下限値を下回る場合にのみ酸素センサ117が新しいガス混合物155に暴露されることで、許容できないレベルのフッ素から酸素センサ117を保護する。下限値は、酸素センサ117の損傷閾値に基づいて決定された値である可能性がある。したがって、下限値よりも高いフッ素濃度では酸素センサ117に損傷が生じる恐れがある。下限値は、酸素センサ117のエラー閾値に基づいて決定された値である可能性がある。したがって、下限値よりも高いフッ素濃度では、測定エラーが酸素センサ117の精度に影響を与える恐れがある。
【0057】
[0067] また、検出装置305は、反応容器135の反応キャビティ140に流体接続された測定容器370も含む。測定容器370は、新しいガス混合物155を受容するように構成された測定キャビティ375を画定する。更に、水センサ115及び酸素センサ117は測定キャビティ375内に収容されている。測定容器370は、水センサ115が新しいガス混合物155中の水の濃度を検知できるようにし、酸素センサ115が新しいガス混合物155中の酸素の濃度を検知できるようにする、新しいガス混合物155を含有する任意の容器である。測定キャビティ375を画定する測定容器370の内部は、新しいガス混合物155の組成を変化させないように非反応性材料で作製しなければならない。例えば、測定容器370の内部は非反応性金属で作製される可能性がある。
【0058】
[0068]
図4を参照すると、一部の実施例において、装置100は装置400として設計され、検出装置105は、チャンバ110からの排出の流量を反応容器135に必要な流量から切り離す緩衝容器470を含む検出装置405として設計されている。このようにして、緩衝容器470は、ガス維持システム120により実行されるガス交換の定常状態動作に影響を及ぼすことなく検出装置405を介したフッ素測定を可能にする。
【0059】
[0069] 一例において、チャンバ110内のフッ素の濃度は約1000ppmであり、チャンバ110の容積は36リットル(L)であり、チャンバ110内の圧力は200~400キロパスカル(kPa)である。緩衝容器470の内部キャビティは約0.1Lの容積及び200~400kPaの圧力を有する。測定キャビティ175は、0.1Lの容積、約200~400kPaの圧力、1000ppmの水の濃度、及び約500ppmの酸素の濃度を有する。水センサ115が水濃度の測定を実行し(任意選択で、酸素センサ117が酸素濃度の測定を実行し)、データをコントローラ130に出力した後、測定キャビティ175は制御された方法で空にされる可能性がある。
【0060】
[0070]
図1を参照して上述したように、装置100は、チャンバ110内のガス混合物107中のフッ素の濃度を測定又は推定するように構成されている。一部の実施例では、
図5に示されているように、装置100は装置500として設計され、検出装置105は、各チャンバ510_1、510_2、...510_i内のガス混合物507_1、507_2、...507_i中のフッ素の濃度を測定又は推定するように構成された検出装置505として設計されている。ここで、iは1よりも大きい整数である。検出装置505には、各チャンバ510_1、510_2、...510_iと関連付けられた別個の又は専用の検知装置516_1、516_2、...516_iがある。このように、各検知装置516_1、516_2、...516_iを用いて、各チャンバ510_1、510_2、...510_i内のフッ素濃度を測定することができる。
【0061】
[0071] 検出装置505はガス維持システム520に接続されており、ガス維持システム520は、マスタ導管システム527の一部である各導管システム527_1、527_3、...527_iを介して各チャンバ510_1、510_2、...510_iに流体接続されているガス供給システムを含む。ガス維持システム520は、1つ以上のガス供給部と、これらの供給部からのどのガスをマスタ導管システム527を介して各チャンバ510_1、510_2、...510_iの内外に移送させるかを制御するための制御ユニットとを含む。検出装置505は、各チャンバ510_1、510_2、...510_iから各導管537_1、537_2、...537_iを介して(フッ素を含む)混合ガス550_1、550_2、...550_iを受容する各反応容器535_1、535_2、...535_iを含む。次いで、各反応容器535_1、535_2、...535_iにおける受容した混合ガス550_1、550_2、...550_iのフッ素と水酸化物545_1、545_2、...545_iとの化学反応により形成された新しいガス混合物555_1、555_2、...555_iを、各検知装置516_1、516_2、...516_iへ誘導する。
【0062】
[0072] 検出装置505は、ガス維持システム520及び検知装置516_1、516_2、...516_iのそれぞれに接続されているコントローラ530も含む。コントローラ530と同様、コントローラ530は、検知装置516_1、516_2、...516_iからの出力を受信し、反応容器535_1、535_2、...535_iにおける化学反応の開始前にどのくらいのフッ素が存在していたかを計算又は推定して、各ガス混合物507_1、507_2、...507_i中のフッ素の量を推定する。
【0063】
[0073] 他の実施例では、全てのチャンバ510_1、510_2、...510_i内のフッ素を測定する単一の検知装置516を用いることが可能である。ただしこれは、検出装置505がチャンバ510_1、510_2、...510_iと検出装置505との間に適切な配管を含み、チャンバ510_1、510_2、...510_iのそれぞれに対して検知装置516が実行する測定間のクロストークが防止される場合である。更に、単一検知装置516の設計が機能することができるのは、一度に1つのチャンバ510だけでガス交換が実行され、したがって、コントローラ530がいずれの時点においても単一のチャンバ510内のフッ素を測定できる場合である。
【0064】
[0074]
図6を参照すると、
図1、
図3、
図4、又は
図5の検出装置105のような検出装置605及びコントローラ130のようなコントローラ630が組み込まれた例示的なDUV光源600が示されている。DUV光源600は、2段パルス出力設計であるエキシマガス放電システム625を含む。ガス放電システム625は2つの段を有する。すなわち、パルス増幅光ビーム606を出力する主発振器(MO)である第1の段601と、第1の段601から光ビーム606を受光するパワー増幅器(PA)である第2の段602である。第1の段601はMOガス放電チャンバ610_1を含み、第2の段602はPAガス放電チャンバ610_2を含む。MOガス放電チャンバ610_1は、そのエネルギー源として2つの細長い電極630_1を含む。電極630_1は、チャンバ610_1内のガス混合物607_1にエネルギー源を与える。PAガス放電チャンバ610_2は、そのエネルギー源として2つの細長い電極630_2を含み、これらは、チャンバ610_2内のガス混合物607_2にエネルギー源を与える。
【0065】
[0075] MO601は、光ビーム606(シード光ビームと呼ぶことができる)をPA602に与える。MOガス放電チャンバ610_1は、増幅が発生する利得媒体を含むガス混合物607_1を収容しており、MO601は、MOガス放電チャンバ610_1の一方側のスペクトル特性選択システム680とMOガス放電チャンバ610_1の第2の側の出力カプラ681との間に形成されている光共振器などの光フィードバック機構も含む。
【0066】
[0076] PAガス放電チャンバ610_2は、MO601からシード光ビーム606がシードされる際に増幅が発生する利得媒体607_2を含むガス混合物607_2を収容している。PA602が再生リング共振器として設計されている場合、これはパワーリング増幅器(PRA)として記述され、この場合、リング設計から充分な光学フィードバックが与えられる可能性がある。PA602はビームリターン682を含み、これは、光ビームを(例えば反射によって)PAガス放電チャンバ610_2内に戻して、循環閉ループ経路を形成する。この経路において、リング増幅器への入力は、ビーム結合装置683でリング増幅器からの出力と交差する。
【0067】
[0077] MO601は、(PA602の出力と比べて)比較的低い出力パルスエネルギーで中心波長及び帯域幅などのスペクトルパラメータの微調整を可能にする。PAはMO601からシード光ビーム606を受光し、この出力を増幅して、フォトリソグラフィ装置222などの出力装置で使用するために出力光ビーム211に必要なパワーを得る。シード光ビーム606はPA602を繰り返し通過することによって増幅され、シード光ビーム606のスペクトル特性はMO601の構成によって決定される。
【0068】
[0078] 各ガス放電チャンバ610_1、610_2で使用されるガス混合物607_1、607_2は、必要な波長及び帯域幅付近の増幅光ビーム(シード光ビーム606及び出力光ビーム211など)を生成するのに適したガスの組み合わせである可能性がある。例えば、ガス混合物607_1、607_2は、約193ナノメートル(nm)の波長の光を発するフッ化アルゴン(ArF)、又は約248nmの波長の光を発するフッ化クリプトン(KrF)を含む可能性がある。
【0069】
[0079] 検出装置605は、エキシマガス放電システム625のための、具体的にはガス放電チャンバ610_1及び610_2のためのガス管理システムであるガス維持システム620を含む。ガス維持システム620は、1つ以上のガス源651A、651B、651Cなど(密閉されたガス容器又はガスボンベなど)、及びバルブシステム652を含む。1つ以上のガス源651A、651B、651Cなどは、バルブシステム652内のバルブセットを介してMOガス放電チャンバ610_1及びPAガス放電チャンバ610_2に接続されている。このようにして、ガス混合物中に特定の相対成分量が含まれた状態で、各ガス放電チャンバ610_1又は610_2にガスを注入することができる。図示されていないが、ガス維持システム620は、流れ制限器、排気弁、圧力センサ、ゲージ、及び試験ポートなどの1つ以上の他のコンポーネントも含む可能性がある。
【0070】
[0080] ガス放電チャンバ610_1及び610_2のそれぞれは、ガスの混合物(ガス混合物607_1、607_2)を含有している。一例として、ガス混合物607_1、607_2は、合計すると全圧になる様々な分圧の、フッ素などのハロゲンと、アルゴン、ネオン、場合によりそれ以外のものなどの他のガスとを含有している。例えば、ガス放電チャンバ610_1、610_2で用いられる利得媒体がフッ化アルゴン(ArF)である場合、ガス源651Aは、ハロゲンであるフッ素、貴ガスであるアルゴン、及び緩衝ガスなどの1つ以上の他の希ガス(ネオンなどの不活性ガスである可能性がある)を含むガスの混合物を含有している。ガス源651A内のこの種の混合物は、3種類のガスを含有していることからトライミックスと呼ぶことができる。この例において、別のガス源651Bは、アルゴン及び1つ以上の他のガスを含むがフッ素を含まないガスの混合物を含有している可能性がある。ガス源651B内のこの種の混合物は、2種類のガスを含有していることからバイミックスと呼ぶことができる。
【0071】
[0081] ガス維持システム620はバルブコントローラ653を含む可能性があり、これは、ガス更新においてバルブシステム652に特定のガス源651A、651B、651Cなどからガスをガス放電チャンバ610_1、610_2内に移送させる1つ以上の信号をバルブシステム652に送信するよう構成されている。ガス更新は、ガス放電チャンバ内のガス混合物607の再充填である可能性があり、ガス放電チャンバ内の既存の混合ガスを少なくとも利得媒体と緩衝ガスとフッ素の混合物に交換する。ガス更新は、ガス放電チャンバ内の既存の混合ガスに利得媒体と緩衝ガスとフッ素の混合物を追加する注入スキームである可能性がある。
【0072】
[0082] 代替的に又は付加的に、バルブコントローラ653は、必要な場合にバルブシステム652に放電チャンバ610_1、610_2からガスを抜き取らせる1つ以上の信号をバルブシステム652に送信する可能性があり、このような抜き取られたガスは、689で表されているガスダンプに放出される可能性がある。代わりに一部の実施例では、
図7に示されているように、抜き取られたガスが検出装置605に供給される可能性がある。
【0073】
[0083] DUV光源600の動作中、ガス放電チャンバ610_1、610_2内のフッ化アルゴン(又はクリプトン)分子(光増幅のための利得媒体を与える)のフッ素は消費され、このため経時的に光増幅の量、ひいてはウェーハ処理のためにフォトリソグラフィ装置222により使用される光ビーム211のエネルギーが低減する。更に、DUV光源600の動作中、汚染物質がガス放電チャンバ610_1、610_2に入る可能性がある。したがって、汚染物質を洗い流すため、又は失われたフッ素を補充するために、ガス源651A、651B、651Cなどの1つ以上からガス放電チャンバ610_1、610_2内にガスを注入する必要がある。
【0074】
[0084] 複数のガス源651A、651B、651Cなどが必要とされる理由は、ガス源651A内のフッ素が、一般にレーザ動作に望まれるよりも高い特定の分圧であるためである。所望のより低い分圧でガスチャンバ610_1又は610_2にフッ素を追加するために、ガス源651A内のガスは希釈される可能性があり、このためにガス源651B内のハロゲンを含有しないガスが使用される可能性がある。
【0075】
[0085] 図示されていないが、バルブシステム652のバルブは、ガス放電チャンバ610_1及び610_2のそれぞれに割り当てられた複数のバルブを含む可能性がある。例えば、各ガス放電チャンバ610_1、610_2に対して第1の流量でガスが流入及び流出できるようにする注入バルブが使用される可能性がある。別の例として、各ガス放電チャンバ610_1、610_2に対して、第1の流量とは異なる(例えばより高速の)第2の流量でガスが流入及び流出できるようにするチャンバ充填バルブが使用される可能性がある。
【0076】
[0086] ガス放電チャンバ610_1又は610_2に対して再充填スキームが実行される場合、例えば、(ガス混合物をガスダンプ689へ抜き出すことによって)ガス放電チャンバ610_1又は610_2を空にし、次いでそのガス放電チャンバ610_1又は610_2に新たなガス混合物を再充填することによって、ガス放電チャンバ610_1又は610_2内のガスの全てが交換される。再充填は、ガス放電チャンバ610_1又は610_2内のフッ素の特定の圧力及び濃度を得る目的で実行される。ガス放電チャンバ610_1又は610_2に対して注入スキームが実行される場合、ガス放電チャンバは空にされないか、又は少量だけ抜き取った後にガス放電チャンバ内へガス混合物を注入する。両方のタイプのガス更新において、検出装置605(検出装置105と同様に設計されている)は抜き取ったガス混合物の一部を混合ガス150として受容し、これを検出装置605内で分析することで、ガス放電チャンバ610_1又は610_2内のフッ素の濃度を決定して、どのようにガス更新を実行するかを決定することができる。
【0077】
[0087] バルブコントローラ653は、検出装置605(具体的には、検出装置605内のコントローラ130)と連携する。更に、バルブコントローラ653は、制御システム690の一部である他の制御モジュール及びサブコンポーネントと連携する可能性がある。これについて次に考察する。
【0078】
[0088]
図7を参照すると、DUV光源(光源200又は600など)の一部である制御システム790(制御システム290又は690である可能性がある)がブロック図で示されている。検出装置105/605の態様、並びに本明細書に記載されているガス制御及びフッ素濃度推定に関する方法に関連する、制御システム790についての詳細が提供される。更に、制御システム790は
図7に示されていない他の特徴も含む可能性がある。一般に制御システム790は、デジタル電子回路、コンピュータハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアのうちの1つ以上を含む。
【0079】
[0089] 制御システム790は、読み出し専用メモリ及び/又はランダムアクセスメモリである可能性があるメモリ700を含む。コンピュータプログラム命令及びデータを有形に具現化するのに適したストレージデバイスは、一例として、EPROM、EEPROM、及びフラッシュメモリデバイスなどの半導体メモリデバイス、内部ハードディスク及びリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、並びにCD-ROMディスクを含む、あらゆる形態の不揮発性メモリを含む。また、制御システム790は、1つ以上の入力デバイス705(キーボード、タッチスクリーン、マイクロフォン、マウス、ハンドヘルド入力デバイスなど)及び1つ以上の出力デバイス710(スピーカ又はモニタなど)も含む可能性がある。
【0080】
[0090] 制御システム790は、1つ以上のプログラマブルプロセッサ715と、プログラマブルプロセッサ(プロセッサ715など)により実行される機械可読ストレージデバイスにおいて有形に具現化された1つ以上のコンピュータプログラム製品720とを含む。1つ以上のプログラマブルプロセッサ715は、それぞれ入力データに作用すると共に適切な出力を発生させることにより、所望の機能を果たすための命令のプログラムを実行する可能性がある。一般に、プロセッサ715はメモリ700から命令及びデータを受信する。前述のものはいずれも、特別に設計されたASIC(特定用途向け集積回路)によって補完されるか又はこれに組み込まれることがある。
【0081】
[0091] また、制御システム790は、コンポーネント又はモジュールの中でも特に、検出装置105のコントローラ130、330、530(
図7にボックス730で表されている)と、ガス維持システム620のバルブコントローラ653と連携するガス維持モジュール731とを含む可能性がある。これらのモジュールのそれぞれは、プロセッサ715などの1つ以上のプロセッサにより実行されるコンピュータプログラム製品セットである可能性がある。更に、コントローラ/モジュール730、731のいずれも、メモリ700内に記憶されたデータにアクセスすることができる。
【0082】
[0092] 制御システム790内のコントローラ/特徴部/モジュール間の接続、及び制御システム790内のコントローラ/特徴部/モジュールと装置100の他のコンポーネント(DUV光源600である可能性がある)との間の接続は、有線又は無線である可能性がある。
【0083】
[0093]
図7には少数のモジュールのみが示されているが、制御システム790は他のモジュールも含むことができる。更に、制御システム790は、全てのコンポーネントが同じ場所に位置するように見えるボックスとして表されているが、制御システム790は、空間又は時間において相互から物理的に離れたコンポーネントで構成することも可能である。例えば、コントローラ730は検知装置116又はガス維持システム120と物理的に同じ場所に位置する可能性がある。別の例として、ガス維持モジュール731はガス維持システム620のバルブコントローラ653と物理的に同じ場所に位置する可能性があり、制御システム790の他のコンポーネントから離れている可能性がある。
【0084】
[0094] 更に、制御システム790は、フォトリソグラフィ装置222のリソグラフィコントローラから命令、例えばチャンバ110のガス混合物107中のフッ素の濃度を測定又は推定せよとの命令を受信するリソグラフィモジュール732を含む可能性がある。
【0085】
[0095]
図8を参照すると、一部の実施例において、装置100は装置800として設計され、検出装置105は、ガス維持システム820と流体連通しているフッ素スクラバ804と並行して動作する検出装置805として設計されている。フッ素スクラバ804は、ガス維持システム820と関連して用いられて、ガス混合物807中のフッ素を化学的に反応させて、例えば排気を介して安全に処分できる化学物質を形成することによって、チャンバ110からガス混合物807を適切に排出する。
【0086】
[0096] ガス維持システム820から抜き出される混合ガス150の一部は緩衝容器870へ誘導され、次いで水酸化物845を含む別のフッ素スクラバ835へ誘導される。混合ガス150中のフッ素は、フッ素スクラバ835内の水酸化物845と(以上で考察したように)化学的に反応し、酸素を含む新しいガス混合物155に変換される。新しいガス混合物155は検知装置116へ誘導され、ここで検知される。コントローラ130は、混合ガス150及びガス混合物107中の酸素の濃度及びフッ素の濃度を推定し、ガス更新を実行するためにガス維持システム820をどのように調整すべきかを決定する。この例では、ガス維持システム820は、トライミックス源851Aとバイミックス源851Bとに流体接続されたバルブシステム852を含む。ラインに沿って様々な制御弁891を配置して、流量を制御し、かつラインを通って誘導されるガスの量を制御する。
【0087】
[0097]
図9を参照すると、チャンバ110のガス混合物107中のフッ素の濃度を検出するために、装置100によって手順900が実行される。
図1の装置を参照するが、手順900は
図2から
図8を参照して説明されている装置にも適用される。検出装置105は、ガス放電チャンバ110からフッ素を含む混合ガス150の一部を受容する(905)。混合ガス150中のフッ素は水酸化物145と化学的に反応させて、水を含む新しいガス混合物155を形成する(910)。新しいガス混合物155中の水濃度を、例えば水センサ115によって検知する(915)。また、検知した水の濃度に基づいて、混合ガス150中のフッ素の濃度を推定する(920)。例えば、コントローラ130は、水センサ115からの出力に基づいて混合ガス150中のフッ素の濃度を推定することができる。
【0088】
[0098] チャンバ110からガス混合物107を抜き取る(圧力下で放出する)ことによって、検出装置105は混合ガス150を受容することができる(905)。例えば、ガス維持システム120はバルブ群を含む可能性があり、これによってガス混合物107をチャンバ110から抜き取り、次いで混合ガス150として検出装置105へ誘導することが可能になる。例えば一連のバルブ及び真空ポンプを用いて負圧を生成することによって、チャンバ110内の圧力を用いて反応容器135又は緩衝容器470を加圧することができ、ガス混合物107をチャンバ110から検出装置105へ押し出す。反応容器135内で必要とされる混合ガス150の量は、水センサ115が正確かつ安定した示度を得る必要性に基づいて決定される可能性がある。混合ガス150の量に対する制限要因は、反応キャビティ140内の水酸化物145のフッ素変換能力である。例えば、水センサ115から正確な示度を得ることが望ましいが、水酸化物145が最長の使用寿命を有することができるように、全ガス流量を最小限に抑えることも望ましい。
【0089】
[0099] 検出装置105により受容される(905)混合ガス150は、チャンバ110からフッ素スクラバへ排出される混合ガス150である可能性があり、したがって、混合ガス150を排気ガスと見なすことができる。このような実施例は
図8に示されており、混合ガス150中のフッ素はフッ素スクラバ835内の水酸化物845と化学的に反応し、酸素を含む新しいガス混合物155に変換される。
【0090】
[0100] 手順900は、ガス再充填又はガス注入などのガス更新を見越して実行される可能性がある。例えば、ガス維持システム120からチャンバ110に第1のガス混合物を加えることによって第1のガス更新が実行される可能性があり、一定時間チャンバ110を使用した後、手順900は実行される可能性がある。手順900を実行した後、ガス維持システム120からチャンバ110に調整済みの第2のガス混合物を加えることによって第2のガス更新が実行される可能性がある。調整済みの第2のガス混合物中のフッ素の濃度(又はフッ素の量)は、手順900により行われる測定に基づく可能性がある。
【0091】
[0101] 無機フッ化物化合物及び水及び酸素を形成することによって、フッ素を水酸化物145と化学的に反応させることができる(910)。この無機フッ化物化合物(新しいガス混合物155中に存在する)は水センサ115と相互作用しない。
【0092】
[0102] フッ素を水酸化物145と化学的に反応させて新しいガス混合物155を形成した(910)後、新しいガス混合物155を反応容器135から測定容器170内へ移送して、新しいガス混合物155中の水の濃度を検知することができる(915)。したがって、測定容器170内のセンサ115を新しいガス混合物155に暴露することによって、新しいガス混合物155中の水の濃度を検知することができる(915)。新しいガス混合物155中の水の濃度は、混合ガス150を別の材料で希釈する必要なく検知される(915)。
【0093】
[0103] 更に、新しいガス混合物155中の水の濃度の検知(915)を、化学反応(910)の開始後に所定の時間が経過するまで待つか、又は所定の時間の経過後にのみ行うことが適切である場合がある。これによって、水センサ115を新しいガス混合物155に暴露する前に、混合ガス150中の充分なフッ素が水及び無機フッ化物化合物に変換されていることが保証されることになる。混合ガス150中のフッ素の相対量と水酸化物145の総量によって、フッ素を完全に水に変換するには数秒又は数分かかる可能性がある。
【0094】
[0104] 一部の実施例では、水酸化物145の上に又はこれを貫通するように混合ガス150を低い流量(例えば約0.1slpm以下)で流して、特定の流量の新しいガス混合物155を形成することによって、化学反応(910)を実施できる可能性がある。この場合、水は連続的に検知することができる(915)。検知された水の測定(915)をある期間にわたって積分することで、又は検知された水の測定(915)が定常状態に達した場合に、フッ素の濃度を推定することができる(920)。
【0095】
[0105] 検知された水の濃度(915)に基づいて、更に、混合ガス150中のフッ素を水に変換する化学反応の知識に基づいて、新しいガス混合物155中のフッ素を推定する(920)。
【0096】
[0106] 手順900が完了すると(すなわち、混合ガス150中のフッ素の濃度を推定した(920)後)、新しいガス混合物155は測定容器170から排出(除去)されて、混合ガス150の新しいバッチに対して再び手順900を実行することが可能になる。
【0097】
[0107]
図10を参照すると、一度フッ素濃度が推定され(920)、手順900が完了すると、装置100によって手順1000が実行される。ガス維持システム120は、検出装置105のコントローラ130から出力を受信し、推定されたフッ素濃度に基づいて、ガス供給部セット(ガス源651A、651B、651Cなど)からのガス混合物中のフッ素の相対濃度を調整する(1005)。ガス維持システム120は、チャンバ110内の圧力が必要なレベルに達するまで導管システム127を介してチャンバ110に調整したガス混合物を加えることによって、ガス更新を実行する(1010)。ガス維持システム120内のバルブのタイミングを監視することによって、ガス更新を完了及び追跡することができる。
【0098】
[0108] 例えば
図2を参照すると、ガス更新(1010)は、利得媒体と緩衝ガスとフッ素の混合物でガス放電チャンバ210を充填することを含む可能性がある。利得媒体は貴ガス及びフッ素を含み、緩衝ガスは不活性ガスを含む。フッ素濃度推定(900)が実行されるときに対してガス更新(1010)の実行を遅延させることが可能である。一部の実施例では、コントローラ130がガス混合物107中のフッ素の濃度が許容レベルを下回ったと判定した場合、推定(900)の直後に調整(1005)及びガス更新(1010)を実行することができる。一部の実施例では、ガス混合物107中のフッ素の濃度が許容レベルを下回ったと判定されるまでフッ素の調整(1005)を遅延させることが可能である。例えばコントローラ130が、ガス混合物107中のフッ素の濃度が依然として高いが、装置100が他の理由でガス更新を実行しなければならないと判定した場合、ガス混合物107中のフッ素のレベルを上昇させることを目的とせずにガス更新を実行することが可能である。
【0099】
[0109]
図11を参照すると、一部の実施例において、検出装置305は、手順900の代わりに手順1100を実行して混合ガス150中のフッ素の濃度を推定する。手順1100は手順900と類似しており、ガス放電チャンバ110からフッ素を含む混合ガス150の一部を受容するステップ(905)と、混合ガス150中のフッ素と水酸化物145を化学的に反応させて水及び酸素を含む新しいガス混合物155を形成するステップ(910)とを含む。手順1100は、新しいガス混合物155中のフッ素の濃度が下限値を下回るかどうかを判定する(1112)。例えば、反応キャビティ140に流体接続されているフッ素センサ360がこの判定を行う(1112)可能性があり、コントローラ330は、新しいガス混合物155中のフッ素の濃度が下限値を下回った(1112)場合にのみ、新しいガス混合物155中の水の濃度及び酸素の濃度の両方を(それぞれセンサ115及びセンサ117によって)検知するように検知装置116に命令するステップ(915)を進めることができる。前述のように、混合ガス150中のフッ素の濃度は、検知された酸素の濃度に基づいて推定される(920)。
【0100】
[0110] 一部の実施例では、下限値はセンサ115の損傷閾値に基づいて決定された値である。他の実施例では、下限値はセンサ115のエラー閾値に基づいて決定された値である。例えば下限値は0.1ppmである可能性がある。
【0101】
[0111] 本発明の他の態様を以下の番号付けされた条項に記載する。
1.ガス放電チャンバからフッ素を含む混合ガスの少なくとも一部を受容すること、
混合ガスの一部中のフッ素を水酸化物と反応させて、酸素及び水を含む新しいガス混合物を形成すること、
新しいガス混合物中の水の濃度を検知すること、及び
検知した水の濃度に基づいて混合ガスの一部中のフッ素の濃度を推定すること、を含む方法。
2.水酸化物がアルカリ土類金属水酸化物を含む、条項1の方法。
3.水酸化物がアルカリ金属及び炭素を含まない、条項1の方法。
4.混合ガスが、少なくとも利得媒体と緩衝ガスの混合物を含むエキシマレーザガスである、条項1の方法。
5.混合ガスの一部中の推定したフッ素の濃度に基づいてガス供給部セットからのガス混合物中のフッ素の相対濃度を調整すること、及び
調整したガス混合物をガス供給部からガス放電チャンバに加えることによってガス更新を実行することを更に含む、条項1の方法。
6.ガス更新を実行することが、ガス放電チャンバを利得媒体と緩衝ガスとフッ素の混合物で充填することを含む、条項5の方法。
7.ガス放電チャンバを利得媒体と緩衝ガスの混合物で充填することが、ガス放電チャンバを、貴ガス及びハロゲンを含む利得媒体並びに不活性ガスを含む緩衝ガスで充填することを含む、条項6の方法。
8.貴ガスが、アルゴン、クリプトン、又はキセノンを含み、ハロゲンがフッ素を含み、不活性ガスがヘリウム又はネオンを含む、条項7の方法。
9.ガス放電チャンバを、利得媒体と緩衝ガスとフッ素の混合物で充填することが、
利得媒体と緩衝ガスとフッ素の混合物を、ガス放電チャンバ内の既存の混合ガスに加えること、又は
ガス放電チャンバ内の既存の混合ガスを、少なくとも利得媒体と緩衝ガスとフッ素の混合物に交換することを含む、条項6の方法。
10.ガス更新を実行することが、ガス再充填スキーム又はガス注入スキームのうちの1つ以上を実行することを含む、条項5の方法。
11.混合ガスの少なくとも一部をガス放電チャンバから受容することが、ガス放電チャンバに対するガス更新が実行される前に混合ガスの一部を受容することを含み、ガス更新が、ガス供給部セットからガス放電チャンバにガス混合物を加えることを含み、ガス混合物が少なくとも多少のフッ素を含む、条項1の方法。
12.ガス更新を実行することが、ガス再充填スキーム又はガス注入スキームのうちの1つ以上を実行することを含む、条項11の方法。
13.混合ガスの少なくとも一部をガス放電チャンバから受容することが、ガス放電チャンバから混合ガスを抜き取り、抜き取った混合ガスを、水酸化物を収容している反応容器へ誘導することを含む、条項1の方法。
14.新しいガス混合物を反応容器から測定容器へ移送することを更に含み、新しいガス混合物中の水の濃度を検知することが、測定容器内の新しいガス混合物中の水の濃度を検知することを含む、条項13の方法。
15.新しいガス混合物中の水の濃度を検知することが、測定容器内のセンサを新しいガス混合物に暴露することを含む、条項13の方法。
16.混合ガスの一部中のフッ素の濃度を推定した後に、測定容器から新しいガス混合物を排出することを更に含む、条項1の方法。
17.新しいガス混合物中の水の濃度を検知することが、混合ガスの一部を別の材料で希釈することなく新しいガス混合物中の水の濃度を検知することを含む、条項1の方法。
18.混合ガスの一部を水酸化物と反応させて水を含む新しいガス混合物を形成することが、無機フッ化物化合物と水を形成することを含む、条項1の方法。
19.水酸化物が水酸化カルシウムを含み、無機フッ化物化合物がフッ化カルシウムを含む、条項18の方法。
20.新しいガス混合物中の水の濃度を検知することが、反応の開始後に所定の期間が経過した後にのみ新しいガス混合物中の水の濃度を検知することを含む、条項1の方法。
21.混合ガスの一部が排気ガスであり、混合ガスの一部を水酸化物と反応させて水を含む新しいガス混合物を形成することが、排気ガスからフッ素を除去することを含む、条項1の方法。
22.検知した水の濃度に基づいて混合ガスの一部中のフッ素の濃度を推定することが、検知した水の濃度及び混合ガスの一部中のフッ素と水酸化物との化学反応のみに基づいて推定することを含む、条項1の方法。
23.混合ガスの一部中のフッ素の濃度が約500から2000ppmである、条項1の方法。
24.水を含む新しいガス混合物を形成するための混合ガスの一部中のフッ素と水酸化物との反応が安定している、条項1の方法。
25.混合ガスの一部中のフッ素を水酸化物と反応させて、水を含む新しいガス混合物を形成することが、線形であると共に混合ガスの一部中のフッ素の濃度と新しいガス混合物中の水の濃度との間に直接的な相関関係がある反応を実行することを含む、条項1の方法。
26.新しいガス混合物中の酸素の濃度を検知することを更に含み、混合ガスの一部中のフッ素の濃度を推定することが、検知した酸素の濃度にも基づいている、条項1の方法。
27.第1のガス混合物をガス供給部セットからガス放電チャンバに加えることによって第1のガス更新を実行すること、
第1のガス更新後に、ガス放電チャンバからフッ素を含む混合ガスの少なくとも一部を取り出すこと、
取り出した混合ガスの一部のフッ素を反応物と反応させて、酸素及び水を含む新しいガス混合物を形成すること、
新しいガス混合物中の水の濃度を検知すること、
検知した水の濃度に基づいて、取り出した混合ガスの一部中のフッ素の濃度を推定すること、
取り出した混合ガスの一部中の推定したフッ素の濃度に基づいて、ガス供給部セットからの第2のガス混合物中のフッ素の相対濃度を調整すること、及び
調整した第2のガス混合物をガス供給部からガス放電チャンバに加えることによって第2のガス更新を実行することを含む、方法。
28.反応物が水酸化物を含む、条項27の方法。
29.ガス放電チャンバ内の混合ガスが、少なくとも利得媒体と緩衝ガスの混合物を含むエキシマレーザガスを含む、条項27の方法。
30.検知した水の濃度に基づいて、取り出した混合ガスの一部中のフッ素の濃度を推定することが、取り出した混合ガスの一部中のフッ素濃度を測定することなく、取り出した混合ガスの一部中のフッ素濃度を推定することを含む、条項27の方法。
31.エキシマガス放電システムの各ガス放電チャンバに流体接続された検出装置と、検出装置に接続された制御システムとを含む装置であって、各検出装置が、
水酸化物を収容すると共にガス放電チャンバに流体接続された反応キャビティを画定し、ガス放電チャンバからフッ素を含む混合ガスを反応キャビティ内に受容するための容器であって、受容した混合ガスのフッ素と水酸化物との反応によって酸素及び水を含む新しいガス混合物を形成することを可能にする容器と、
新しいガス混合物に流体接続され、新しいガス混合物に流体接続されたときに、新しいガス混合物中の水の量を検知するように構成された水センサと、を含み、
制御システムが、
水センサからの出力を受信し、ガス放電チャンバから受容した混合ガス中のフッ素の濃度を推定し、
混合ガス中の推定されたフッ素の濃度に基づいて、ガス維持システムのガス供給システムからのガス混合物中のフッ素の濃度を調整するべきかどうかを判定し、
ガス放電チャンバに対するガス更新中に、ガス維持システムのガス供給システムからガス放電チャンバに供給されるガス混合物中のフッ素の相対濃度を調整するようにガス維持システムに命令する信号をガス維持システムに送信するように構成された、装置。
32.エキシマガス放電システムの各ガス放電チャンバが、エネルギー源を収容し、利得媒体及びフッ素を含むエキシマレーザガスを含むガス混合物を含有する、条項31の装置。
33.検出装置が、反応容器の反応キャビティに流体接続されると共に新しいガス混合物を受容するように構成された測定キャビティを画定する測定容器を更に含み、
水センサが、測定キャビティ内の新しいガス混合物中の水の量を検知するように構成された、条項31の装置。
34.取り出した混合ガスの一部中のフッ素の濃度が約500から2000ppmである、条項31の装置。
35.エキシマガス放電システムが複数のガス放電チャンバを含み、検出装置が複数のガス放電チャンバの各ガス放電チャンバに流体接続され、検出装置が複数の容器を含み、各容器が水酸化物を収容している反応容器を画定し、各容器がガス放電チャンバの1つに流体接続され、検出装置が、それぞれが1つの容器と関連付けられた複数の水センサを含む。条項31の装置。
36.エキシマガス放電システムが複数のガス放電チャンバを含み、検出装置が複数のガス放電チャンバの各ガス放電チャンバに流体接続され、検出装置が複数の容器を含み、各容器が水酸化物を収容している反応容器を画定し、各容器がガス放電チャンバの1つに流体接続され、検出装置が、容器の全てと流体接続されている単一の水センサを含む、条項31の装置。
【0102】
[0112] 他の実施例も以下の特許請求の範囲の範囲内である。